絵里「デュアン・オールマンがいない世界」(24)

ネタが濃いです
更新ぼちぼちです

1971年 アメリカ ジョージア州

ブォォォオ

デュアン「ふう…」

キュオッ

ガアアアアア!

デュアン「!まずっ…!?」

キキィッ!


「哀れな犬よ…次は失敗するなよ」

ガシャアアアン!!



ブォォォオ

絵里「ふう、ありがとねにこ」

にこ「あんた免許早すぎんのよ…」

絵里「褒め言葉としてね」

にこ「はいはい…」ガロロ…

ブォォォオ

絵里「ツーリングって最高ね!」

私は絢瀬絵里。大学一年生。妹は亜里沙、私の母校である音ノ木坂に通っている。

絵里「亜里沙いるかしら?」

ガチャ

絵里「ただいまぁ」

ボロン…ボロン…

絵里「…ギター?」

亜里沙「あ、お姉ちゃんごめんね。ギター借りてた」

絵里「別にいいけど…何につかうの?」

亜里沙「何って作曲だよ!」

絵里「ああ、なるほど」

亜里沙はスクールアイドルをしている。私達絵里、にこ、希が抜けた後も花陽を中心にスクールアイドルは動いている。

亜里沙「ああ…やっぱり出来ない…」

絵里「どこよ?」

亜里沙「Fコード。お姉ちゃん出来るよね?」

絵里「…初歩ね」ヒョイ

ジャラアアン…

絵里「…ほら」

亜里沙「むむむ…」

絵里「ふふ、亜里沙にも出来るようになるわ」

亜里沙「うん!ありがとう!」

ボロン…ボロン…

絵里「音楽か…」

今の私の最大の趣味はバイク。卒業前から教習所へいきつづけ最短コースで中型免許をとった。同じ頃から通い出したにことは今はツーリング仲間という仲だ。

もちろん音楽が嫌いになったわけでもないしむしろ始めようと思っていた頃だった。

カチャ

絵里「なにこれ?CD?」

亜里沙「あっ!それね、真姫さんが貸してくれたの!」

絵里「知らない人ね…」

亜里沙「その人はエルモア・ジェイムスっていう人らしくて」

亜里沙「ジャンルはブルーズなんだって」

絵里「また古そうね…」

亜里沙「でも凄いよ!ブルーズってたった3つの音だけで音楽を作っちゃうんだって!」

絵里(ああ、確かブルーノートだっけ?あれジャズだったかしら?)

絵里「もう一枚は?」

亜里沙「それも同じでアーティストはマディ・ウォーターズって言うんだって!」

絵里「へえ、それでなんでこれ貸してくれたの?」

亜里沙「ギターの練習にはいいんだって」

絵里「ふうん…」

絵里(真姫もこんなオジサンみたいなの聞くのね)



亜里沙「…」スゥスゥ…

絵里「音楽、ギター、ブルーズねぇ…」

ガチャ

絵里「もう耳コピなんて出来なくなってるかも…」

ジャラン…

絵里「なるたけ静かめに…」

絵里「マディ・ウォーターズの…『Trouble No More』ね」

カタ…

絵里「さあ、どんなだろ?」

ガチャン

衝撃だった。遥か何十年前の音楽のはずなのに前衛的で新しかった…

耳コピなんて忘れて聞き耽った。そして私と亜里沙はやっぱり姉妹なんだなと思った。

ブォォォオ

絵里(今日は学校ないし…)

絵里(ブルーズを探しに行きましょ!)

キキィッ

絵里「こんだけ大きな店に来ればあるでしょ」

プルルル…

絵里「亜里沙?」ピッ

亜里沙『あ、お姉ちゃんひどいよ!ギター教えてよ!』

絵里「あー…た、多分真姫も弾けるわよ!」

亜里沙「そうなの?」

絵里「ええ。多分ね」

亜里沙『分かった』

プチ

絵里「さあ!探しましょ!」



絵里「とは言っても…」

ゴチャア

絵里「ブルーズ歌手ってこんなにいるの?」

絵里「しかもみんな写真がモノクロで当たり前…」

店員「何かお探しで?」

絵里「ひゃいっ!?」

絵里「え、えーとブルーズを…」

店員「ブルーズですか…珍しいですね、若いのに!」

絵里「いえ…」

店員「今のロックの大元ですからね、音楽通やセッションマンの方は必ず演奏できますね」

絵里「へえ…」

店員「どのブルーズを?」

絵里「えっ?どの?」

店員「当店では一応大まかに3種類に分けておりますが…」

絵里「あ、すいません。私ブルーズの、初心者?みたいな感じで」

店員「ならばオススメなんか教えましょう」

絵里「お願いします!」

店員「まずブルーズの種類ですが戦前アコギソロブルーズ、シカゴブルーズ、ブルーズロックで分けさせて頂いてます」

店員「アコギソロブルーズにも色々ありますよ。デルタブルーズやフォークブルーズ、ラグタイムってのも」

絵里「明るめとかあったりします?」

店員「明るめでオススメならラグタイムで活躍したブラインド・ウィリー・マクテルですね」

絵里「ブラインド?」

店員「当時のアメリカでは栄養不足で失明者なんかも出てました。失明した人にブラインドとあだ名していたんです」

絵里「歴史に密接してますね」

店員「続いてシカゴブルーズですがこれが比較的聞きやすいかと思われます。」

絵里「何故ですか?」

店員「エレキギターが使われているからです」

絵里「ああだからか…」

店員「やっぱり王道は3キングやマディ・ウォーターズですね」

絵里「マディ・ウォーターズは聞きました!それでブルーズに興味を持ったんです!」

店員「なるほどそれはいい。なら3キングですね」

絵里「なんなんですか?それ?」

店員「B.B.King、アルバート・キング、フレディ・キングの三人を指します。共に名字がキングでしょ?」

絵里「なるぼど!そしてブルーズロックは…?」

店員「これは定義が余り定まっていないのですが、ブルーズを基調として激しいソロや巧みなテクニックを混ぜ合わせたロックとしています」

店員「有名なのであればローリング・ストーンズ、クリーム、フリー、レッド・ツェッペリンなどがいます」

絵里「この舌!みたことあります!」

店員「その他も多くのアーティストがブルーズの影響がみられます」

絵里「じゃあとりあえずこのブラインド・ウィリー・マクテルと3キングのベストを一枚ずつ」

店員「かしこまりました!」



ブォォォオ

キキィッ

絵里「ふぅ、良い買い物だった」

ガチャ

亜里沙「おかえり、遅いよぉ!」

絵里「ごめんね、すぐ夕飯にするから」

亜里沙「そうじゃないの」

絵里「?」

亜里沙「私やっぱりキーボードする!」

絵里「キーボード?どうして?」

亜里沙「真姫さんギターはダメだったしなんといってもお姉ちゃんとセッション出来るし!」

絵里「ふふ、雪穂ちゃんじゃないの?」

亜里沙「雪穂は楽器だったらドラムがしたいんだって」

絵里「あら、そうなのね」

亜里沙「……あの」

絵里「ねえ亜里沙、亜里沙さえよければバンドを組まない?」

亜里沙「えっ!?」

絵里「ほら、私ギターしてたでしょ?あなたがキーボードで私がギター」

絵里「でも亜里沙にはスクールアイドルがある。だから別にしなくても…」

亜里沙「ううん!やりたい!私、お姉ちゃんとバンド組みたい!」

絵里「ふふ、そうね」

亜里沙「楽器で成功したスクールアイドルってのも経験したい!」

絵里「私も…音楽を忘れられないから…」

亜里沙「スクールアイドルに…ロックの風を吹かせるんだ!」

絵里「頑張って!応援してるわ」

そうして亜里沙はキーボードを真姫に教わり出した。私はギターを練習しだした。マディ・ウォーターズやキングなんかを…

亜里沙「そういえばお姉ちゃん、エレキギターは買わないの?」

絵里「エレキねえ…」

絵里(アライのヘルメット買ったから買えないとか言えないチカ…)

絵里「今お金…」

亜里沙「見に行こうよ!」

絵里「今から!?」

亜里沙「うん!right is fast!だよ」

絵里「…善は急げって言いたいの?」

亜里沙「それ!」

絵里「はあ…愛しの妹の為に聞いてあげますか」



キキィッ

絵里「ここね」

亜里沙「こ、ここ…?」

絵里「楽器店でしょ?」

亜里沙「そうだけど、こんな壊れそうな…」

絵里(ここが安そうだっただけなのよね)

カランカラン…

?「ハロー」

絵里「えっ、ああ店主さん…」

亜里沙「私達とおなじ金髪だね」ヒソッ

店主「ウェルカム、キャン・アイ・ヘルプ・ユー?」

亜里沙「英語なんだ…」

店主「…ん?あれ?日本人?」

絵里「ええ、こんな身なりだけど日本国籍よ」

店主「ああ、すまないね。同じ金髪だから」

絵里「店主さんは日本人?」

店主「いやアメリカ人さ」

亜里沙「アメリカ人だったんだ…」

店主「どうだい?日本語上手いだろ?」

絵里「ええ…それで、ギターを見に来たんですけど」

店主「……エレキ?」

絵里「はい、良いのありますかね?」

店主「……待ってな」

亜里沙「なんか雰囲気変わった?」

絵里「さあ?」

ガサゴソ

店主「あったあった」

ガチャ

絵里「これは…?」

店主「1957年のレスポールのゴールドトップだ。いいやつだ」

絵里「ええと…」チラ

4,000$

絵里(4000$?ええと)

絵里(約40万!??)

亜里沙「ちょっとこれ…」

店主「弾いてみるかい?」

絵里「い、いえ、これは…」

絵里(私の愛車がもう一台買えちゃうじゃない!)

亜里沙「でも…お姉ちゃんがこれを弾く姿かっこよさそう…」

店主「俺も…そう思うぜ?」

絵里「ちょっと亜里沙」

店主「まあ、聞くだけ聞いてみろよ」ガチャ

カシン

私はその時

キュイイン

初めて

ジャラァァァァン!!

エレキギターの本当の衝撃を知った!

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