博士「できたぞ、新一。改良版ターボエンジン搭載スケボーじゃ」 (21)


vipで書いてたら落ちたのでここで立て直し

見切り発車だから思いつきで書いていく

どうしようもなくなったら強引にたたむからとりあえずは完結する

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帝丹小学校、放課後。


小林「はい、じゃあみんなさようならー。気をつけて帰るのよ」

みんな「はーい」


帰りの会を締めくくる挨拶を皮切りに、生徒が一人また一人と教室を後にしていくさまを、俺はぼんやりと眺めていた。

そして自分もランドセルに荷物を詰め、のどかな午後の教室で、こういうのも悪くないと思うのだった。

身体が縮んでしまった当時は焦りもしたが、ヤツらを相手に焦っても仕方がない。

俺は俺のペースで、か…。


灰原「あら、珍しい顔してるじゃない。どうかしたの?」


同じ境遇の灰原哀の馬鹿にしたような笑みになんでもないと答え、俺は茶色いランドセルを背負った。

そろそろ探偵事務所に帰ろうかと腰を上げたところで、今度は少年探偵団がこっちへ来て、


元太「おいコナン!サッカーでもやろうぜ!」

光彦「お、いいですねー。こないだは野球でしたし」

歩美「やろうやろう!」

サッカーなら例え相手がコイツラでも楽しんもんだが、生憎今日は用事があるんだよな。

なんでも一足先に連休に入った大阪の色黒探偵がこっちへ泊まりがけで遊びに来るんだと。

…しかもその連絡があったの昨日だぜ?俺は常識を疑ったね。

まぁ暇だったから不都合もないんだけどさ。


コナン「わりーなおめーら。今日は用事があんだよ」


両手を合わせて謝辞を述べると、探偵団のみんなは揃って不満気な声を出した。


歩美「え~!!」

光彦「そんな~」

元太「付き合いわりーぞコナン!」


灰原「ま、仕方ないじゃない。なんなら江戸川くん抜きでみんなで博士のうちに来る?先週作ったばかりのゲームがあるみたいだし」


光彦「え!?ゲームですか!!」

歩美「うわぁ!!」

元太「うはっ!ゲームやろーぜゲーム!」

光彦「はい!」

灰原「じゃ、行きましょ」


気だるげな灰原の提案に喜んでついていく探偵団。

俺はとりあえず灰原に礼を言い、あいつらを校門で見送った後、ひとり探偵事務所を目指した。

今日は木曜日。これから火曜までの5連休があるためか、米花町の通りにはいつもより多く車が走っている。

俺は大通りを横道にそれ、5丁目の毛利探偵事務所へ向けて歩を進めていく。

そういえば、なんで服部のやつはわざわざ連休に東京へ…?また事件じゃねーだろ―な。

ただ高校生の友人が訪ねてくるだけのことで疑心暗鬼になるのも変な話だが、我ながら仕方がないと思う。

なんたってあいつが訪ねて来る時は、事件を持ってくるか、もしくは事件を呼びこむか。そのどっちかしかねーんだもんよ。

たまには普通にゆっくり過ごしたいものである。


そんなことを考えながら15分ほど歩いて、俺はようやく探偵事務所へ辿り着いた。

携帯で時刻を確認すると15時ちょうど。

服部のやつは昼過ぎに着くって話だったし、もう中にいるかもしれない。

俺は一応郵便物を手で探り、なにもないことを確認してから階段を上がった。

二階の事務所前の扉に立つと、中から賑やかな話し声、それも関西弁が聞こえてくる。

服部と和葉の声だった。


じっとしていても埒があかないし、俺は中へ入ってとりあえずの挨拶をする。

すると件のバーローが大きな声で――――、


服部「よう工藤!やっと帰ってきよったか!」

コナン「あ…」


するとやっぱり和葉とおっちゃんが??マークを浮かべて硬直する。


和葉「…また平次がコナンくんのこと工藤って呼んでるわ。なんなんそれ?」

小五郎「ああ、確かにたまにそう呼ぶよな」


服部「いや、そのっ…あはは、違くての、ほら…こんガキャよく工藤の推理を我が物顔でしゃべりくさりよるからなんやこいつが工藤とごっちゃになってしもうてのー…あはは」


和葉「………」


ここまでいつものやりとりだ。

俺は苦笑いを続ける服部を引っ張り、ひそひそ話を始めた。


コナン「おい…」

平次「いやーすまんすまん。まぁごまかせたみたいやし気にしなや」アハハ

コナン「…んで、わざわざ東京まで何しに来たんだよ」

平次「あー、いやな、今回はホンマに事件絡みやないで。たまにはお前んとこのおっちゃんとねーちゃんとお前とで遊びに行ったろ思ってな」

コナン「ほんとかよ…」ジトー


今回は、とつける時点でいつものことは察してほしい。

とはいっても、服部は事件を呼びこむので油断はできないのだが。


和葉「また二人でひそひそ話?ほんま仲ええよな、コナンくんと平次」

平次「ま、まあな」アハハ

小五郎「若い男同士だからな…」

和葉「あっ!それよかおっちゃん、蘭ちゃんの学校はいつ終わるん?」

小五郎「そうだなー今日は空手部も休みだって言ってたし、まあ4時半くれーには帰ってくるんじゃねえか?」

服部「ほな17時くらいにここを出よか」

コナン「え?どこかに行くの?」

服部「ああ、とりあえず今日は飯食いに行って、まぁ明日は東京観光っちゅうとこやろな」

服部「前は途中で事件起きてもうて、和葉がほんまにうるさかったからなー」

和葉「どっかの誰かが事件を呼びこむからや」


おい、こっち見んなよ服部。


コナン「それで?おじさんがレンタカー借りて行くの?」

小五郎「ああ。いつもの店でな。どーせ数日いるつもりなんだろ?」

服部「さすがは名探偵の小五郎さんやな、正解や」

和葉「頼りにしてんで、おっちゃん」

小五郎「…けっ」



それから他愛もない話を繰り返し、俺は一度3階の部屋に上がってテキトーに着替えて事務所に戻る。

時計は15時40分をさしたところで、俺が帰ってきてからちょうど40分ほどが経った。


和葉「なんか暇やなー」

小五郎「そこまで面倒見るきはねーよ。暇ならテレビでもつけてろ」


おっちゃんはその後新聞を開いて黙る。

和葉は言われたとおりテレビをつけて、依頼人が腰掛けるソファに腰を下ろしテレビを見始めた。


服部「おい坊主。おまえちゃんと連休の予定空けてるやろな?」

コナン「まぁ一応開けてあるけどよ、おめーらいつまでいる気なんだ?」

服部「さぁなー。まあでも今日明日明後日、もう一日くらいはおるかもしれんな」

コナン「ほとんど全部じゃねーか…」

服部「ほなまあよろしく頼むで、コナン君」

コナン「……」




太陽が大きく西に傾き始めている。

あと一時間もすれば、空が真っ赤に染まり始めるだろう。

帝丹高校にも、ようやく一日の終業を知らせるチャイムが鳴り響いた。

そして、このチャイムは連休の開始も意味しているため、チャイムが静まった頃には教室全体が喧騒に飲み込まれていた。

口々に連休の予定なんかを話し合っているのだろう。

毛利蘭も自身の席で大きく手を伸ばし、片手で口を覆って小さなあくびをする。


園子「なに~、蘭お疲れみたいじゃない」


やってきたのは鈴木園子。ボンボン。


蘭「ん~、まあちょっとね。それより早く帰らなきゃ」

園子「ああ、たしか大阪から新一くんの友達の服部くんが遊びに来てるんだっけ。ついでにその彼女も」

蘭「うん、和葉ちゃんも一緒に」

園子「ふ~ん、ま旦那に誤解されないようにしなさいよ」

蘭「全く園子は…。新一は旦那なんかじゃないし」

園子「私は別に新一くんだなんて一言も言ってないけど?」


しまった、と蘭が口元を抑えた時には、すでに園子は世界で一番愉快な顔を浮かべていた。


蘭「それにっ!!だいたい誤解って何よ誤解って…」

園子「だーかーらー、新一くんという者がありながらほいほい他の男を家に読んでいいのかってことよ」

蘭「それなら大丈夫よ。服部くんには和葉ちゃんがいるし、それに服部くんはコナン君と仲良しだから」

園子「…ああ、あのガキンチョね。なんかわかった気がするわ」

蘭「ほんとに仲いいんだよ~。コナン君ってば服部くんの助手みたいで」

世良「コナン君の話か?」


と、いきなり話に割り込んできた少女の名前は世良真純。

ボーイッシュな容姿から、主に女子人気が高い高校生探偵の女の子である。


園子(おお、ここにもガキンチョ目当ての人間が…)

蘭「世良さん!うん、コナン君と服部くんが仲がいいって話」

世良「服部、ああ、大阪の探偵の彼だね」

蘭「そっか、世良さんは服部くんと何度か会ってたね」

世良「ああ、まあほとんど話はしてないんだけどな」アハハハ


話に一区切りがついたところで、園子が思い出した様に切り出した。


園子「それより蘭、さっきからもう10分も経ってるけど時間いいの?」

世良「え?なにか予定でもあるのか?」

蘭「あ、いっけない!うん、今日は大阪から服部くんたちが来ててコナン君たちと一緒に事務所で待ってるの」

園子「さっきメールが来てたもんねえ」


すると、世良が身を乗り出して、


世良「なあ!僕も一緒に行っていいか?久しぶりにコナンくんにも会いたいしさ!」

園子(うわぁショタコン)

蘭「え、うん。大丈夫だと思うけど」

世良「ほんとかー!やった!!」


蘭「じゃあ一緒に探偵事務所に行こう」

世良「ああ」

蘭「園子も一緒に来る?」


蘭が尋ねると、園子は一瞬考えるように顎に手を添え、やがて首を横に振った。


園子「悪いけど今日はパス。ちょっとやりたいこともあるし」

蘭「そ。じゃあバスで一緒に帰ろう」

世良「ああ」

園子「そうねー。この時間だといつもより2本遅れになりそうだけど」

蘭「まあ事務所を出るのは17時くらいって和葉ちゃん言ってたし、まだ16時20分だから遅くとも40分過ぎには着くから問題ないよ」

世良「じゃあ早くバス停に行こうぜ。外見た限りだといつもより人が多いみたいだしさ」

園子「そうね」


そして三人は、連れたって教室を後にする。

特別な日(今回の場合は大型の連休)の前は気分が高揚してしまうというのは誰でも同じらしく、廊下や教室の前にはまだ大勢の生徒が残って談笑を続けていた。

三人は人を避けながら下駄箱を通り、外へ出て最寄りのバス停へ向かう。


園子「それより二人は連休の予定とか考えてるの?」


園子が切り出し、まず蘭が答える。


蘭「んー…多分服部くんたちがしばらく泊まっていくと思うから、明日は東京の案内かな」

世良「僕は別に何も考えてないけど、阿笠博士の家に行ってみたいかな」

蘭「阿笠博士の家?」

世良「ああ。コナン君や子どもたちから聞いて興味が湧いてきてね、一度行ってみたいんだ」

世良「だから今日コナン君に頼んでみようかな」

蘭「博士の家なら私も何回も行ったことあるから、わたしからも博士に言ってみるね」

世良「助かるよ」

蘭「園子はなんか予定あるの?」

園子「ん~、わたしもいまのところないかなー…っと、バス来たよー」


園子に言われて前に向き直ると、ちょうど青っぽいボディのバスが10メートルほど向こうに見えたところだった。

バスはズルズルと速度を落としながら停留所に滑りこんでくる。

バスの中を遠目に覗きこんだ世良が、


世良「どうやら混んでないみたいだね。良かった」

蘭「ほんとだー。ちょっとは覚悟してたけどラッキーだったね」

園子「うん」

コナン最近見てないんだが世良ってキャラが人気あるの?

>>18
ボクっ娘可愛いよ。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年05月24日 (土) 20:34:44   ID: QzQDCmnH

これは期待できそう

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