男「安価で何でも極める」(18)


男「そういうわけなんだよ」

女「いきなり? 藪から棒に?」

男「そう。思い立ったら祝日。思いついたものは何でもしてみたい」

女「吉日、ね。まあいいや、どうせ出来るとは思わないけど、>>5でもしてもらいましょ」

男「俺自身も、やってみたい事を挙げていくからな!」


男「直角フェイント!」

男「ガス湯沸かし器!」

男「水菜栽培!」


女「じゃ、水菜栽培でもしてもらおっかな。おひたしにでも」

男「あい分かった!」

…………。

女「おはよ、男。そのバケツは?」

男「はっはっはっは、昨日の夜、すなわち昨夜にて研究に研究を重ねた、究極の水菜だ!!」

女「……一日で生えるの?」

男「成せばなる! 安価は絶対なにごとも!」

女「研究ったって、そんな遺伝子組み換えみたいなもの……危なそう……」

水菜「違うやで。ワイは雑種でミックスで最高品質やで」

女「バケツから生えたあああ!!」

水菜「おんどりゃああああああああ見さらせえええええええ!!」

男&女「んまあああああああい!?(ウマい!)」

水菜「口の中で増量じゃあああああ」

女「シャッキシャキ! シャッキシャキ! 歯ごたえシャッキシャキ!!」

男「お買い求めくださああああああああい!!」


女「ひーふーひーふー」

男「ぜーはーぜーはー」

女「ごちそう、さま……っ」

男「お粗末様!」

女「……本当に、極めてきたのね。水菜の栽培を」

男「フッ……」

女「あの味わい、あの食感。口の中で自然が踊るようだったわ……」

男「どうか、忘れないでやってくれ。研究の末に得た自我を捨ててでも、美味しいと笑う顔のために尽くした水菜がいた事を……」

女「ええ……! っ、ぐす……っ」

水菜(……これでワイも、浮かばれるやっちゃなぁ。これで良かったんや、これで……)


…………。

女「さて、次は>>15でも頼もうかしら?」

男「かかってきなさぁい!」

男「ラマーズ法!」

男「UFOキャッチャー!」

男「タンバリンに付いてるちっちゃいシンバル!」

陶芸


女「昨日生花をもらっちゃったんだけど、ちょうどいい花瓶がなくてさ。陶芸とか……できるかなぁ?」

男「OH安い御用!」

…………。

♪ピンポーン♪

女「やっほー、昨日言ってた花びn……何あれ」

男「どんどん高くもっと高く~♪」

女「なんで天から茶色のつぼ伸びてんの……」

男「雲にも届け痛みの陶~…っと、女か。どうだこの出来栄えは!」

女「なんで天井に土塊ぶっ刺さってんの……」

男「ネットで得た真実によれば、陶芸とはその高さを高くするほど難しいと呼ばれる代物。すなわち、成長し続けるこれこそが至高の陶芸品……」

女「今すぐネットで花瓶を画像検索して!!」

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