にこ「あの素晴らしいラブライブをもう一度」 (26)

花陽「ダレカタスケテ!」

にこ「花陽、そうじゃないでしょ。みんな大変よ! 二度目のラブライブが開催されることになったわ!!」

絵里「どういうことなの?」

海未「ラブライブはこないだ行われたばかりではないですか」

穂乃果「ほむぅ」ズーン

ことり「ちゅん」ズーン

凛「穂乃果ちゃん。その鳴き声は別の人が使ってるにゃー」ジカイワルプルギスノヨル

希「ラブライブの話題は穂乃果ちゃんとことりちゃんの前では禁止言ったの忘れたんか? わしわしMAXするよ~」

にこ「本当なのよ!」

花陽「ラブライブ開催中から急上昇したチームがμ's合わせてなんと八校!!」

にこ「しかも二位から十五位まで入り乱れて、こないだのラブライブ本戦をかき乱すような今の現状」

真姫「ちなみにアイドルランキング現在二位がμ'sよ」カメラメセン

凛「真姫ちゃん。誰に向かって言ってるの?」

真姫「キカナイデ!」カァァァ

花陽「これによってこないだのラブライブは何か裏があったんじゃないかという噂がラブライバーの中で駆け巡りました」

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にこ「このままだと今後のラブライブ、ひいてはスクールアイドル業界に悪い影響が出るんじゃないかとラブライブ管理局で検討された結果、もう一度ラブライブが開催されることになったのよ。だから穂乃果もことりもラブライブって単語を聞いて萎縮する必要はないわ」

ほのこと「にこちゃん」

にこ「寧ろ誇りなさい。私達がラブライブの歴史を動かした一人なんだって。そして、本当の意味でラブライブの記録にμ'sの名を刻むのよ!!」

ほのこと「にこちゃ~ん!」ギュッ

にこ「こらっ、暑苦しいわよ。話なさいよ///」

絵里「にこは解散の危機になってから部長らしくなったわね」

希「普段は相変わらずウザいけど」フフッ

海未「とはいえ、にこの言う通り。これで穂乃果とことりの罪悪感がなくなったのですから結果がどうあれ嬉しいものです」

真姫「そもそもことりはあの時点では関係してなかったんだから気にすることないのに」カミノケクルクル

海未「ことりは昔からそうなんです。相手の痛みを半分受け入れてこちらを楽にしてくれる。私と穂乃果がことりという存在にどれだけ救われてきたことか。それなのに本人はそのことに気付いてません。今回のラブライブで結果を残して穂乃果程ではなくとも自信を持って欲しいです」

絵里「なんだか二人のお母さんみたいね」

海未「ええ。私達はお互いが掛け替えのない友であり、妹或いは姉であり、母でありますから」

希「穂乃果ちゃんだけは夜の妻役なんやない?」

海未「はい、そうです。穂乃果が妻役だと捗り──ななぁっ! そんな訳ないじゃないですかっ////」カァァァァッ!

真姫「海未って、第一印象からどんどん掛け離れていくわ」

絵里「真面目ではあるんだけどね」

海未「それはどういう意味ですかっ!?」///

真姫「友であり、妹であり、姉であり、母である存在を自分の欲求不満解消に使ってるって意味でしょ?」

海未「────」プシュー

希「声無き声を上げて固まってしまったなぁ」

真姫「からかい過ぎたわ」

絵里「私達も浮かれている証拠ね」

にこ「いい加減離しなさいよね!」

穂乃果「もう絶対に離さない」

ことり「ことりも穂乃果ちゃんが離すまで離れないからっ」

凛「にこちゃん真っ赤で可愛いにゃー」

花陽「ふふふ。嫌がってる割には嬉しそう」

真姫「向こうは向こうで変なスイッチ入ったままね」

絵里「真面目な話、前回のこともあるし大会前に息抜きとしてまた合宿をしたいのよ。今度は遊ぶことメインで」

真姫「だったらうちの別荘を使えるか訊いてみるわ。今度は山とかにしましょうか」

希「冬の山は空気も澄んでいそうでええな」

絵里「真姫、悪いんだけどお願いね?」

真姫「別にいいわよ」

──合宿・夜


穂乃果「……スー……ハー」zzz

絵里「前回の枕投げに発展した最初の原因が穂乃果の怪奇音だったのに、今回はアッと言う間に寝ちゃったわね」

にこ「フフフッ! 丁度いい機会だわ。海未は穂乃果のどんなところが好きなのよ? 一度でいいからこういうガールズ&トークしてみたかったのよー」

海未「なっ! ななんで私なんですかっ。訊くならことりでいいでしょう」

ことり「……スピー……ホノカチャン」

希「何でわざわざ&を入れたのか分からんけど、面白そうよね」

凛「でもガールズトークをしたことないって、にこちゃんは今まで友達が居なかったのかなぁ?」

花陽「だっ、ダメだよ凛ちゃん!! 今はクールな真姫ちゃんだって中学校の時はお友達を家に呼んだりしてたみたいなのに。にこちゃんだけ仲間ハズレとか言っちゃ!」

にこ「」グサッ

希「ウチが生徒会の仕事に神社にと忙しくなかったら」

絵里「ごめんなさい。今まで私は自分のことしか見えてなかったのね」

にこ「その同情丸出しのコメントヤメな──」

真姫「──にこちゃんダメぇ! それ以上悲しくなるから言わないで」ギュッ!

にこ「ひゃっ!」ビクッ

真姫「大丈夫だから。今はμ'sがいるし、何より私が居るんだから。家に泊まりに来ていいから」ギュギュー!

にこ「分かったから。ちょっ、苦しいわよ。真姫ちゃんっ」////

絵里「そこは皆で話し合ったでしょ? 結果は勿論大事だけれど、皆が全快の笑顔でステージに立つことが一番大切なんだって」

海未「分かってはいるのです。ですが……」

希「不安なんよね? ウチもえりちも不安や。なんせ秋葉での路上ライブなら何度もさせてもらったし、学校のステージでも練習してきた。でも、きちんとしたステージでという経験はない」

花陽「そういう意味では前回の二十グループが有利と言えるし、何よりも優勝した実績のあるA-RISEは言うまでもなく頭一つ抜け出してるよ。ランク上一位と二位で一つしか違わないけど、身体が震えちゃうくらい緊張ががが」プルプル

凛「かよちんは難しく考え過ぎだにゃー。μ'sは確かに経験も少ないし、きちんとした大会は初めてだけどμ'sにしかきっとない経験を詰んでるにゃ」ムギュッ

海未「μ'sにしかないと思われる経験、ですか?」

凛「そうだよー。μ'sは前回上位十九位入りしてながら解散の危機におちいったよね。あの時の恐怖に比べればラブライブでの緊張なんて可愛いものだにゃー」

絵里「ぷっ! 穂乃果みたいなことを言うわね」

花陽「そう、そうだよね。あの時はもうμ'sはバラバラになっちゃって、もう二度と皆で歌うことも出来ないと思ってた。でも、穂乃果ちゃんの想いにことりちゃんが応えてくれて……今の奇跡があるんだもんね。震えてちゃ笑われちゃうよね」

希「そうやで。特に花陽ちゃんと凛ちゃんとにこっちの三人は自信持ってええんよ。あの状況でスクールアイドルを続けたんや。もし花陽ちゃんがアイドルになったら伝説のエピソードとして語ったてあげるわ」

海未「だったら今回のラブライブで優勝して伝説に未来のアイドルに一花添えないといけませんね」

絵里「そうね。何人本物のアイドルを目指すのか正確には分からないけど、ラブライブ優勝すればその夢にかなり近づく筈だし。先輩としては頑張らないと」

マッキマッキマー♪


花陽「絵里ちゃんがμ'sに入ってくれて本当に嬉しかったです」

凛「最初はおっかなくて怖かったけど、今では大好きだにゃー」

にこ「ちょっと、にこを差し置いてガールズ&トークしてるんじゃんないわよ! 真姫ちゃんもいい加減離れなさいよ///」

真姫「にこちゃんにこちゃん」クンカクンカ

希「μ'sが復活してから真姫ちゃんは随分と素直になってきたね」

絵里「この短い冬休みが明けたら卒業が近いもの。寂しさからくる反動も少なからずあるんでしょうね」

花陽「そっか。もうすぐ絵里ちゃん達は……」

凛「寂しくなるにゃ」

海未「分かってはいるのですが、まだ実感がない今ですらこの寂しさ」

絵里「大丈夫。私たちは卒業してしまってもまた新しいメンバーが入ってくるわ。今の九人のμ'sは終わってしまうけど、ここから続いていくことで廃校の心配がなくなるなら私は未来の私に誇れるわ」

希「そうやね。音ノ木坂学院と共にこの先ずっとμ'sが続いていけばウチら幸せや」

絵里「少なくとも来年は亜里沙が入るからよろしくね。あの子は甘えん坊な部分があるから叱る時はきちんと叱ってあげてね」

にこ「寂しがってる暇なんてないわ! アイドルが過去を振り返るのは引退ライブを終えた後よ。それまではずっと未来だけを、ファンの笑顔だけを見て突き進むのよ。今考えるべきはラブライブのことだけで十分よ」

真姫「にこちゃん!」ムギュー!

にこ「ニコーーっ!」

海未「しかし、こんなにのんびりしていていいのでしょうか。今回のラブライブは前回の上位二十グループ+今回上位に喰い込んだ八グループ。規模で言えば過去最大。つまりは最難関ということです」

希「来年は学校が存続することになって肩の力が抜けたえりちなら大丈夫や。その証拠に十九位から跳躍したしね」

凛「むしろ今考えるのは真姫ちゃんのことだけって感じだよね」

花陽「くすっ。そうだね。でも二人とも幸せそう」

海未「二人を見ていると寂しさも吹き飛びますね。それに、μ'sの絆はこれからも続いていけるという証のように思えます。私たちが卒業したらことりは今度こそ海外に行ってしまうでしょう」

ことり「……スー……チャンスは一度だけ……二度は訪れないちゅん……」

穂乃果「……スースー……クカー」zzz

海未「こ、ことり? 実は起きてるんじゃないですか?」

ことり「…………スピー」

絵里「ハラショー。すごい寝言ね」

希「せやけど、今のが本当だとしたらことりちゃんのチャンスはあの時一度だけってことやね」

海未「……冷静に考えるとギリギリの直前でのドタキャンしたらもう向こうでの未来は閉ざされたも当然ですよね」ズーン

花陽「穂乃果ちゃんの夢を叶える為にことりちゃんの夢が……」

凛「愛だにゃー」

絵里「このことを穂乃果に言うのは禁止よ。責任を感じてどんな行動に移すか分からないわ」

海未(言える訳ありません。私に歪んだ趣味はありませんから、ことりが責任を追及して穂乃果に迫る姿など見たくは……あ、それはそれで捗る物があるかもしれません///)

希「そうやね。それに、ことりちゃんならきっとどうにかしそうやしね」

にこ「新しい夢なんて一つよ! ことりもアイドルになればいいのよ。穂乃果だって妹がいるんだから店を継ぐのは任せて私と一緒にアイドルになればいいのよ」

真姫「浮気はだめぇ!」ギューッ!

にこ「きゃあっ! もう、一体この不思議な真姫ちゃんテンションはなんなのよ。ダレカタスケテー」

凛「あははっ。まるで花陽ちゃんみたいにゃ」

花陽「わ、笑い事じゃないよぅ」

絵里「どうやら一番参加したがってたにこがガールズトークに参加出来ないみたいね」フフッ

希「残念やねー」ニッコリ

海未「楽しみにしてたんですけどね」ニコリ

にこ「笑いながら言ってんじゃ──って、真姫ちゃんどこ触って。待ってよ、ちょっ!」////

真姫「にこちゃんにこちゃんにこちゃん///」ガシッ

にこ「待って、真姫ちゃんにこを何処に連れて行く気!? 誰か助けなさいよ、割と本気でマジでにこ~っ!!」ズルズル

花陽「にこちゃんが連れて行かれちゃったけど、大丈夫なのかな?」

希「大丈夫かどうかは知らんけど、そういうのを考えるのは野暮っていうものや」

海未「そうですね、深く考えてはいけません。愛は自由ですから」

ことり「スー……家元の娘は……自由の愛はないちゅん……ホノカチャーン……スースー」

海未「アハハ、ユメミルクライアリデハナイデスカ」ズーン

凛「はわわ、海未ちゃんが体育座りでブツブツ呟きながら暗い瞳になっちゃったにゃ」

絵里「そうよね。家元の娘ともなれば時代錯誤の政略結婚とかありそうね」

海未「ソウデスネ。ホムラハユキホニマカセテ……フタリデカケオチトイウノモハカドリソウデス」

希「でも、海未ちゃんの未来は明るいみたいやで?」

花陽「わ、いつの間にか希ちゃんがタロットカードを!?」ビクッ

絵里「とはいえ『明るい=望んだ未来』とはならないかもしれないけどね」

希「どうなるかはこれからの行動次第やしね」

海未「スベテヲワスレテホノカノトナリデネマショウ……スー」zzz

花陽「早いっ! 僅か三秒で眠りに!」

凛「ふわぁ~あ。昼間いっぱい遊んだから凛も眠くなってきたにゃー」

絵里「明日も泊まるんだし、無理せずに今日は寝ましょうか」

希「そうやね。……じゃあ、電気消すよー」

凛「おやすみなさいにゃー」

花陽「おやすみなさい」

希「おやすみさんや」

絵里「おやすみー」

にこ「ぁんっ! ちょっ、もうムリってば、ぁああんっ! 真姫ちゃっ、んぅ!」

絵里「…………微かににこの聞こえちゃいけない声が聞こえてくるんだけど」

希「そこは聞こえてないフリしてあげるんが優しさや」

りんぱな「……クー……ハー」zzz

真姫「今度はにこちゃんが……」

絵里「…………あの二人、ラブライブの時に動きが鈍くなってて初戦敗退とかありえそうなんだけど」

希「大丈夫や。真姫ちゃんは冷静さを取り戻せば維持でも悟らせないだろうし、にこっちは前回のラブライブ不参加で一番ショック受けたんや。根性でどうにかするよ」

絵里「そうだといいけど。でも面白いものよね。目標を見直さないとってこないだ言ってたばかりなのに、もう一度こうしてラブライブを目指せるんだから。結果を残して、少なくとも亜里沙の代までは一年生が居て欲しいわ」

希「えりちはシスコンやね。……でも、優勝すれば余裕で可能やろうね。人数が減っても尚、うちの子達は部活にも精を出してるし、後輩がいっぱい増えて欲しい」

真姫「にこちゃぁぁぁん! んあぁぁっ!」

絵里「」

希「」

絵里「……はぁ。寝ましょう。おやすみ」

希「せやな。おやすみ」

絵里「…………スースー」zzz

希「……ス-……ピー」zzz

ことり「……ちゅん」

──翌日


海未「……あれ? 私は穂乃果の隣で寝てたつもりでしたが……一番端で寝ていて、少し離れた所でことりが穂乃果と隣同士で寝てますね。記憶がうっすらですが前回の合宿の時も少し似たようなことがあったような?」

真姫「早いのね。海未、おはよう」ツヤツヤ

海未「真姫こそ早いですね。あの後はにこと早めに寝たのですか?」

真姫「にこちゃんはついさっき眠ったわ。私はなんだか眠れそうにないからこのまま起きてるつもり。医療関係の勉強してる時は貫徹もよくするから慣れてるし」

海未「そういうのは余りよくないのですが……そこまで晴れやかな笑顔ですと何も言えなくなりますね」

真姫「でも流石に今日は色んな意味で走ったりとかダンスは無理ね」

海未「まぁ、今日は昨日と違って完全に自由らしいですからいいんじゃないですか?」

絵里「……おはよう」ドヨーン

海未「どうしたんですか? すごい顔をしてますが」

絵里「変な夢を見たのよ。間違いなく真姫の所為で」

真姫「私? 何もしてないわよ」

絵里「……冷静になった時の反動がどうなるのか気になるわね」ポツリ

希「おはよう。……酷い夢みたわ」

絵里「おはよう、希。貴女もなのね」

真姫「布団が悪かったのかしら? 今夜は二人か三人ずつで部屋を分けましょうか? 部屋ならベッドがあるし。前回と違って絆が深いμ'sなんだから無理に大部屋で皆で寝ることもないでしょう」

絵里(μ'sの恥ずかしがり屋ナンバー1の真姫が絆が深いとか恥ずかしいことを臆面もなく言ったわよ)

海未(何だか今日の真姫は大きく見えますね)

希(ある意味で綺麗な真姫ちゃんやね)

真姫「取り敢えず料理が一番得意なにこちゃんは私に料理されちゃって夢の中だから誰か買い物に付き合って。簡単に食べられるものを買ってきましょう」

絵里(さらりと普段なら言えない事を言ったわ)

希(賢者タイム入ったら相当くるやろうなー)

海未(もしかしてあの後真姫はにこと……一線を越えたのでしょうか? 私、気になります!!)

海未「でしたら二人より先に寝た私が買い物に付き合います。普段から身体を鍛えてるので多少重たくても平気ですから」

真姫「だったら海未にお願いするわ。辛いものはにこちゃんが苦手だからそれ以外のものでリクエストあったら電話でもいいから連絡入れてね。お菓子はにこちゃんが好きだから買ってくるから心配しなくても平気よ」フフッ

絵里「ハラショー」

希(既に基準がにこっちになってる)

海未「では穂乃果が起きる前に買ってきましょうか。パンとサラダを買ってくれば穂乃果は問題ないですし」

真姫「それじゃ行ってくるわ」

海未「では、行ってきます」

絵里「ええ、お願いね」

希「気をつけてな~」

絵里「…………私、亜里沙がμ's入りするのを止めたくなったわ」

希「色々嬉しいことが重なってハイになってる……。そう思いたいなぁ」

──同日・夕方 真姫が仮眠から目を覚ましたら


真姫「いやぁぁぁぁっ! 離してにこちゃん! 私はもうしぬしかないのっ!」

にこ「冬の山に単身で乗り込んだら本気でしぬわよ! 冷静になりなさい!」

真姫「冷静になったからしにたくなったのよ!!」

絵里「やっぱりこうなったわね」

希「当然の結末って感じやね」

穂乃果「真姫ちゃん何があったの? 起きてた時はあんなにハイテンションだったのに」

ことり「本当。何があったんだろうね?」チュン

海未「世の中には知らなくてもいいこともあるんですよ。やはり勢いだけでは危険ですね」

にこ「何をのん気に話してるのよ。助けなさいよ!」

凛「夫婦喧嘩は馬に蹴られるにゃー」

花陽「混ざってるけど違和感ない言葉になってる」

真姫「しんでにこちゃんに詫びるしかないのよ! 離してにこちゃん。にこちゃんの温もりと匂いが昨夜から朝に掛けての記憶をリヴァイブさせるのよ!」

にこ「しぬ程恥ずかしいのはあんただけじゃないのよ! にこだってしぬ程恥ずかしいんだから一人で逃げてんじゃないわよ!」

真姫「にこちゃん……一緒にしにましょう!」

にこ「生きるのよ! アイドルの恥は掻き捨てっていうじゃない」

真姫「言わないわよ!!」

海未「穂乃果は見事ににこと同レベルですね」

にこ「責任取るならラブライブで優勝するわよ。優勝したら許してあげる」

真姫「……許すだけなの?」

にこ「だったら……そうね。にこが一つ我がままを言って真姫ちゃんを困らせてあげる。しぬより困ることよ」

真姫「優勝するしかないわね。優勝できなかったら私はしぬわ」フフッ

穂乃果「ほのかサッパリ話が見えないよ」

ことり「にこちゃんと真姫ちゃんは仲がいいってだけの話だよ」

穂乃果「な~んだ。それなら簡単だね」

海未(私も、優勝したら穂乃果に……。何を考えてるんですか私わ。生々しい体験談を訊いたのが間違いでした。ですがこれは次の時に大変捗りそうです)

絵里「若干変な方向とはいえやる気に向いたのだからいいのかしらね」

希「十分やない? 元々にこっちも真姫ちゃんのことが好きやったんやし。ああいう風に変な方向にスイッチ入ってくれたお陰で話がややっこしくならなくて済んだしね」

凛「でもにこちゃんの我がままって何だろう?」

花陽「あの言い方からだと付き合ってっていうのとは違うよね。絵里ちゃんは分かるのかな?」

絵里「私も分からないわ。希は?」

希「ウチは大体検討が付くけど……。もしウチの考え通りだとしたらにこっちの初めてとじゃ割りに合わない交換率や」

凛「それってなんなの?」

希「……。いや、憶測で言えるレベルやない。答えが知りたかったら優勝すればいいねん」

凛「そっか! かよちん、絶対に優勝するにゃー!」

花陽「そうだね。気になるもんね」

海未(しかし、何だか我慢が出来ません。言うだけならタダですし。言ってみましょう。いえ、でも恥ずかしくて言い難いです///)

ことり「何だか面白そうだよね。私達三人も優勝したら何か我がまま一つ言ってもいいっていうのはどうかな?」チュンチュン♪

穂乃果「面白そ~♪ ほのかは賛成!」バンザーイ

海未「流石ことりです。人が言いにくいことをあっさりと」ソコニシビレルアコガレルー

ことり「ふっふっふ♪ 楽しみちゅん」

凛「かよち~ん! 楽しそうだから凛達もしようよ~」

花陽「えぇっ!? う、うん。そうだね。記念にしておこうか」

希「これは流れ的にウチらもしておくしかないね」

絵里「私は特にないけど、そうね。面白そうだし」

希「ウチはにこっちの我がままがウチの考え通りだったら、そのままその我がままをえりちにも適用するわ」

絵里「普通に気になるわね、にこの我がまま。これは優勝するしかないわね」

にこ「みんな! 今回はあの時よりもμ'sの絆がより深いものになってる。A-RISE以外にも強敵はいると思うわ。でも、私達の輝きで一番星になるのよ。にこは一度全てを失った。だから今度は全部を手に入れるつもりよ。その為には絶対に優勝よ!」

穂乃果「いちっ」

ことり「にっ」

海未「さんっ」

真姫「よんっ」

凛「ごっ」

花陽「ろくっ」

にこ「ななっ」

希「はちっ」

絵里「きゅうっ」

穂乃果「今回私達は私達の為にラブライブに出て優勝する。気負うものはないから精一杯頑張ろう!」

μ's「おー!」

絵里「といっても練習は明日帰ってからだけどね」

真姫「締まらないわね」

── Love Live!


穂乃果「うわぁ……。なんだか懐かしいね」

海未「私達もあそこで歌ったんですよね。考え深いものがあります」

ことり「優勝が決まった瞬間泣き崩れた海未ちゃんは特にだよね」

海未「っ! そ、その話はなしだと言ったではないですか!」カァァァッ

凛「かよちんもステージ降りてから泣いてたにゃー」

花陽「だって本当にA-RISEに勝てると思ってなかったんだもん」

絵里「あの優勝した時はμ'sがこんなことになるとは思わなかったわよね」

希「ウチは想像してたけどねー」

真姫「今年は第八代目μ'sとA-LINEが決勝戦ね」

にこ「勿論μ'sの看板背負ってるんだから八代目が勝つに決まってるわ」

穂乃果「そういえば、さっきおトイレ行った時にあんじゅちゃんに会ったよ」

海未「A-RISEも見にきてるんですか?」

花陽「正確には元A-RISEだよ。先月に解散してソロ活動になったもの。私もあんじゅさんにお会いしたかった~」

絵里「解散の原因は方向性の違いだったかしら?」

希「何年も続けてるとそういうこともあるんやろうね」

にこ「尤も、このμ'sに方向性の違いなんて生まれないけどね」

真姫「それはそうよ。私なんてにこちゃんの我がままで医者の道を諦めてアイドルになって勘当されたくらいだもの。解散なんてしたら許さないわ」

海未「そこは私も同意見です。尤も、私は最近漸く家の敷居を跨ぐのに許可が出ましたが……。あの時、安易にことりの提案を受け入れたことを何度後悔したか」

ことり「でも、今は後悔してないでしょ?」

海未「してますよ。多くのお客さんの前で毎回毎回あんな短いスカートばかり。中学時代の私が今の私を見たら何と言うか」

穂乃果「いい加減に慣れようよー。海未ちゃんは本当に恥ずかしがり屋さんだよね。明るくしてするだけでもう何も出来なくなっちゃうんだもん」

海未「あんなことに慣れる方がおかしいんです!!」///

にこ「うちの真姫にも見習って欲しい姿勢ね。こっちは色んな物を取り入れてくる所為で大変よ」

真姫「すべてはにこちゃんが可愛いのが悪いのよ」

凛「可愛さならかよちんが一番だよ」

花陽「恥ずかしいからやめてぇ///」

絵里「μ'sほど女性週刊誌と縁遠いアイドルグループもないわね」

希「そうやね。ある意味で問題だらけやけど」

にこ「その一番の問題を真っ先に引き起こしたのは真姫だけどね」

真姫「あれはにこちゃんが私を置いて卒業しちゃう事を考えてたら不安で。私は医者を目指してたし、にこちゃんはアイドルになると会える機会なんてないかもしれないじゃない」

にこ「あんたどんだけにこのこと好きだったのよ。全く、にこみたいに可愛い過ぎると罪だわ」

真姫「まったくよね!」キッパリ

にこ「そこを肯定されるとにこが恥ずかしい人間になるじゃない///」

ことり「何だかあの衣装が懐かしいな。大事に保管してるから今日は実家によってあの時の衣装着てやろうよ、穂乃果ちゃん♪」キラキラ

穂乃果「えぇっ。恥ずかしいよぉ///」

海未「ずるいですよことり! 私もあの衣装を着た穂乃果としたいです」

ことり「今日いっぱいことりと愛し合って汚れたのをクリーニングに出した後にすればいいちゅん☆」

絵里「私達の青春の思い出が汚されそうよ」

希「アイドルなんて衣装着て汚されてナンボやし、しゃあないよ。普通は想像の中でだけやけど」

真姫「にこちゃんも今日はあの時の衣装を着てしましょう」

にこ「実家の押入れの中から出すのが大変よ。クリーニング出してからじゃないとダメだろうし」

真姫「じゃあ今日はこないだの新曲の衣装で我慢するわ」

絵里「過去どころか最新の思い出すら汚されてるし」

凛「アイドル同士の特権にゃー」

花陽「跡が残るようなことは衣装を着てる時はしないから」

絵里「」

希「μ'sはいつまでも青春やね」

真姫「明日は午前オフだからいっぱいするわよ」

にこ「ヴェェェ! とか言ってた汚れない頃の真姫が懐かしいわ」

真姫「あの頃より愛が大きくなってるんだからいいじゃない」

穂乃果「あ、八代目μ'sが出てきたよ」

絵里「ハラショー。私達の時の衣装をアレンジしてるわね」

希「みんな若いなー。でも、ここまで来るのに色々と苦労があったんやろうな」

凛「凛たちが三年生だった三代目μ'sも色々大変だったしね」

花陽「解散の危機もあったもんね」

穂乃果「私、μ's始めてよかった。こうして音ノ木坂が続いてくれて、アイドル研究部のμ'sも続いてて嬉しい」

海未「観客0の時は泣きたくなりましたけどね」

ことり「懐かしいね。あの時の衣装でもしたいなー♪」

真姫「あ……。この曲は僕らのLIVE 君とのLIFE」

にこ「メンバーも九人。本当に私達を再現してるみたい」

真姫「にこちゃん。優勝したあの時、私にアイドルになれって言ってくれてありがとう。お陰で私は最高の私になれた」

にこ「これからもずっと一緒よ」

真姫「当然よ。離せっていわれても離れてあげないんだから。一生一緒よ」

にこ「真姫、愛してるわ」  μ'sアイドルエンド☆

クール系ぼっちの真姫ちゃんが初めて結ばれた相手だと自分を呼ぶ言い方は世界で一人だけの呼ばれ方ということで「マッキー」と呼ばせるかも。

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