P「渋谷凛ちゃん……ですか」 モバP「ええ」 (34)


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P「おたくの主力だった子ですね」

モバP「ええ、そうなんですが」

P「感慨深いですよねえ、もっとも僕にもこんな経験ありませんでしたが」

モバP「でもやっぱりこれが最善の選択肢なんだって、彼女たちとも話し合って決めたことなんです」

P「モバPさんはどちらに行かれるんですか」

モバP「まあ、もう僕のはいりこめる隙間は無いんだと思います」

P「とりあえず、満了まではそばにいてあげてください。
今の彼女たちにはそれが一番であって…
結論はそれからでもまだ全然遅くないと思います」

モバP「それが一番ですよね」

P「ええ」

P「ただいま~…って、もう誰もいないよな」

伊織「居るわよ。ここに」

P「待っててくれたのか…」

伊織「で?どうだったのよ」

P「やっぱり決意は固いみたいだな。目に揺らぎがない」

伊織「まあ、あんたの交渉術ってことを考慮したらそんなのとっくに見越してたわよ」

P「ははは」

伊織「具体的にどうなったの?って聞いてんのよ」

P「まあまず一番は事務所のことだろうが…」

伊織「何人くることになったの?」

P「130人ほど」

伊織「差の20人は」

P「まあ、理由はさまざまだが…アイドルをもう……」

伊織「続けられない……ってことね」

P「ああ、そうなんだそうなんだけどもし、この事務所も経営できなくなったとしたら…」

伊織「大丈夫よ。あんたの心配なんて必要ないぐらいもう765メンバーは精神的に成長したわ」

P「はは…安心したよ…」

伊織「ま、まあ、ここまで大きくしてくれたのは誰なのかわかってないみたいだけどね!」

P「はは、そう言ってもらえることも読んでたよ」

伊織「………アンタ、ちょっと変わったね」

P「いい風にとらせていただきます」

伊織「話を戻しなさい」

P「いろいろ案が出たんだ。事務所はシンデレラの方も据え置きで、そっちを765支部にして、765側からも半分行って~、とか、新しくプロデューサーを雇って~、とか」

伊織「結論は」

P「今までのお前らの活躍のおかげだ。
社長とも話し合った結果、
東京都某駅の前のオフィスビルにな、移転することになった」

伊織「この事務所は?どうすんのよ?なかなかみんなも……アンタも愛着があると思ってたんだけど」

P「そうも言ってられないぜ。大規模事務所になったと素直に喜ぶことにしてる」

伊織「ふうん」

~~~~~~~~~~~~~~~

モバP「ただいま…」

楓「モバPさん…」

モバP「は、あはは、まだいたんですか楓さん」

楓「あ、あのモバPさん?今からお時間よろし

凛「私も居るよ」

モバP「凛…」

凛「モバP。今から時間。大丈夫?」

モバP「ああ」

凛「行こ、外」

モバP「おいおいひっぱるなよ……
す、すいません楓さん。
戸締りお願いします~」ガチャバタン


楓「はい…」

楓「はあぁぁ」

楓「何やってんだろ、私」

楓「まあ、色々凛ちゃんから聞けばいいか……」

楓「凛ちゃんも……伝えるだろうから……それも含めて………いろいろ」

~~~~~~~~~~~~~~~

モバP「ただいま…」

楓「モバPさん…」

モバP「は、あはは、まだいたんですか楓さん」

楓「あ、あのモバPさん?今からお時間よろし

凛「私も居るよ」

モバP「凛…」

凛「モバP。今から時間。大丈夫?」

モバP「ああ」

凛「行こ、外」

モバP「おいおいひっぱるなよ……
す、すいません楓さん。
戸締りお願いします~」ガチャバタン


楓「はい…」

楓「はあぁぁ」

楓「何やってんだろ、私」

楓「まあ、色々凛ちゃんから聞けばいいか……」

楓「凛ちゃんも……伝えるだろうから……それも含めて………いろいろ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~凛「どうなったの?」

モバP「何が?」

凛「もう、
モバPのことだよ」

モバP「まあ、あんなことした後じゃな。立つ瀬がない」

凛「ニュースにまでなったし、私もブログ荒らされたし」

モバP「そうそう。はは。お前やっぱり結構きついな」

凛「そうだったね。最初モバPと会った時も礼儀正しくはなかったよね、私」

モバP「そうだったそうだった!
俺はこんなの相手にしなきゃならねーのかって、ちょっとびっくりしたよ」

凛「いろいろあったよねぇ…
本当にいろいろあった」

モバP「ああ」

凛「本当に」

凛「今何時?」

モバP「もう直ぐ12時」

凛「そう…」

モバP「ああ……」

モバP「……そうだ。新しいプロデューサーとも仲良くするんだぞ?」

凛「正直自信ない」

モバP「おいおい…あそこには俺なんかよりずっとすごいプロデューサーがわんさかいるからな。
特にハリウッドで研修した人なんかすごくてな」

凛「はいはい……
冗談じゃなくて、本当に自信無いんだよ」ボソッ



モバP「心配ないよ。あそこには敏腕プロデューサーも、すごい先輩もいる」

凛「!……難聴じゃなくなったんだね?いきなり」

モバP「もうそんな必要ないからな」

凛「うん…」

モバP「………」


凛「……ふふ。何それ。OKサイン微妙すぎるよ」

モバP「俺、めんどくさいか?」

凛「正直ね。女の子みたい」

モバP「そうか…」

凛「………」


モバP「………」



凛「また違う会社の面接うけなくちゃだね」

モバP「はあぁぁ、憂鬱だ」

凛「ちひろさんとは話した?」

モバP「いや、まだだけ

凛「はい、もう0時だよ。シンデレラはそろそろ寝る時間。
任期満了、だね。

プロデューサー、今までありがと」チュッ



モバP「………続けるんだな、アイドル」

凛「約束したもん。私たちのプロデューサーと、トップアイドルになるって」

モバP「そうだな……やっぱりそれがいい」

凛「うん……じゃあね、知ってたけど知らない人。
今までありがとう。
楽しかったよ。」

モバP(なんだかとても儚く、俺のプロデューサー人生は終わった)

モバP(長かったようで、短かったようで、色々あったようで、実は空虚なようで)

モバP(でも、無味乾燥な地味な俺の人生で最高に意義のあった期間だったといえる)

モバP(楓さんは事務所で待っているだろう。いつまでだって待っているだろう)

モバP(挨拶をしに行かなければならない)

モバP(けれど、俺と凛は約束を交わした。
たとえ、凛が俺を見ることができなかったとしても、テレビの中で活躍する凛を応援することが俺にはできる)

モバP(ここで楓さんのところに行ってしまえば凛、ひいてはすべてのシンデレラガールズを裏切ることになるだろう)

モバP(そうやって必死に言い訳を紡いで、本当の気持ちを押し殺して、俺は一番会いたかったはずの人に別れの挨拶もせず、実家のある大阪に始発で帰った)

モバP(俺は逃げたのだ。自分から)

P「ふぅ、大変だったよ。
人数が多いもんだから」

言ったこの人は、765プロダクションのプロデューサーらしい。

春香「うわーすごい人数ですねー!」

やよい「これからすっごくにぎやかです~!」

私たちは声を出すことも憚られた。
ただラフな服装で事務所から靴をつっかけて出てきただけにも関わらず、風格というか、気品というか、そんなものがビリビリつたわってくる。

P「ほら、春香。
挨拶だ。」

春香「あ、あ!はい!これからよろしくお願いします!」

凛「こ、こちらこそよろしく…」

今この時間帯でも仕事が入っているのか、事務所にいるアイドルは二人のようだ。

予想以上に、壁は高そうだ。

某駅前のオフィスビルに構えたこの事務所は、元シンデレラと765アイドル計百五十名弱が一堂に集まったにせよ、まだ大きなソファやらテーブルを置く余裕があった。

未央「すごい綺麗ですねー!
誰がおそうじなさってるんですかー?」

部屋のはじから未央のハキハキとした質問が聞こえた。

春香「そんなことないよー
私たちも昨日この事務所に入ったとこなんだから」

未央「そうなんですかぁ!」

未央や卯月ら元気な女の子達はもうすでに打ち解けたのか、取り止めのないはなしまで始めていた。

真「ただいま~ってあれぇ!
もうみんな来てたの!?
もっとカワイイ格好でお出迎えしようと思ってたのになあ…」

幸子「き、菊地先輩だ」

真「いやいや、もう先輩なんてつけなくていいって~
幸子ちゃん」

幸子「そ、そうですか?そうですよね!」

雪歩「た、ただいまですぅ~」

フェイフェイ「あ、雪歩サン!」

雪歩「あ、あの、佐久間まゆって人に…会いたかっ…たん……だ……けど」

萩原さんは言った瞬間に皆の目から察したのか、徐々に尻込みするような口調になった。

凛「萩原さん、まゆはここにはいません。ごめんなさい。」

今までめいめいと上がっていた話し声や熱気が尻切れトンボのように中断され、落ちた。



雪歩「あ、あの、ごめんなさい……」

凛「い、いや、その仕方ないことですし…」

そう、佐久間まゆは、アイドルを続けなかった。
あの子にとって最大の原動力といえばやはり、プロデューサーだったからに違いない。
実際、あのような状況になって一番悲しんでいたのはまゆだったのだ。

けれど、まゆはそれをモバPには決してみせなかった。

私だって、いや、皆、アイドルを続ける気持ちなんて保てるはずがなかった。

だってあの人が解雇されたのは、私たちの責任でしかなかったから。

P「ううん、やっぱり大人数だと動かしにくいな。ホワイトボードもこれじゃ足りないだろうし…
そうだ。小鳥さん!」

小鳥「はいはい~。
経費からですね。わかりました。」

P「ありがとうございます。行って来ます。2時間ほどで戻って来ますので…
渋谷!ついて来てくれないか?」

突然名前を呼ばれ、とりあえず早く返事をした。

そのままなし崩し的に事務所の車に乗せられ、車は発進した。

P「すまんな、担当アイドルを連れまわすなんて言語道断なんだけどな」

凛「い、いえ」

P「ふふ、緊張してんのか。
俺もお前と必要以上に距離を縮めようとはしないさ。
お前とお前のプロデューサーについての関係は、お前らの次にわかってるつもりだからな」

やはり、掴みにくい。
頼りない感じ、とかそういうある種の安心感がこの人にはないからだろうか。

凛「そんな、あの人はシンデレラガールズのプロデューサーだったんです。
もうシンデレラガールズなんてありませんし、必要ありません」

P「そのプロデューサーも必要ないか?」

凛「…それは」

P「言いづらいが実力至上主義だよ。俺は」

P「今のお前らじゃ俺が手塩をかけて育てたアイドル達のつま先にもおよんでない」

凛「…」

P「はは…認めちまうのかよ」

凛「いや、普通は、こういうときは、今はそうでも必ずいつか、なんて言うんでしょうけど」

凛「言いません。なんだかありきたりなセリフを言うのって好きじゃないんです」

P「ほお」

凛「だから、勝つために…プロデュースお願い……します…」ポロポロ

P「ははは、ありきたりじゃねえか。そりゃそうだよな、悔しくて泣いちゃうよな。
今までずっとライバルだと思ってたとこのにっくきプロデューサーに頭を下げなきゃならないんだもんな」

凛「」ポロポロ

P「着いたぞ」

P「ここはな、765プロの跡地だ。」

凛「え?」

P「もうあと一週間もしないうちに、この玄関には『テナント募集中』なんて張り出されるんだろうけど」

凛「やっぱり、愛着あるんですね」

P「愛着じゃねーよ、執着だ」

そう言ってこの人はポケットから事務所の鍵を取り出し、開けた。
後ろ姿からは愛着とも執着とも遠い、哀愁のようなものが感じ取られた。

凛「今の事務所の面影もありませんね」

P「そうなんだよ、本当にそうなんだ。」

P「今の事務所にはなんにも思い出品がなくてさ。せめてこのホワイトボードだけでも一枚持って帰ろうと思ってな」

使い古されたホワイトボードには、中身が丸見えのクリーナーが備え付けられていた。

十三色のペンがペンケースに。

P「さ、行くか」

凛「待って」

P「なんだよ」

凛「トップアイドルになったら…迎えに行きたい人がいるの。
だから…」

P「わかってるよ。渋谷」


小鳥「ええ!それもってきたんですか?」

小鳥さんが大仰に驚くと、

P「ええ、忘れられなくて」

小鳥「ところでPさん」

P「なんでしょう」

小鳥「経費をネコババするおつもりですか?」

P「はっはっはっ。やだなあ音無さん。
そんなわけないじゃあありませんか」

傍でそんな会話を聞き。

真美「やよいっちハニトーってたべたことないっしょー?」

やよい「それくらいあるよ?」

亜美「またまた~」

部屋の隅では。
輝子「フヒヒ、キノコ」

貴音「まこと、美味でございます」

比奈「生で!?」

輝子「キノコ……」

今日は一旦中断する
なんか書きたいのからどんどん脱線して行ってるような気が

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