P「アイドルたちの名前を英語にしてみる」 (100)


小鳥「……はい?」

P「音無さん、英語ですよ、英語!」

小鳥「いや意味がわかりません」

小鳥「名前を英語にするってどういうことですか?」

P「そのままの意味ですよ。みんなの名前を英語に訳すんです」

小鳥「??」

P「たとえば音無さんの名前を英語にすると、名字の音無は”音が無い”でノーサウンド」

P「下の名前の小鳥は”小さい鳥”だからリトルバード」

P「合わせると”ノーサウンド・リトルバード”です」

小鳥「」

小鳥「なんですかそのトランスフォーマーに出てきそうな名前は」

P「たしかに、ヘリコプターとかに変身しそうですね」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1417337975

P「とまあ、こんな感じでみんなの名前を英語にしていこうかなーって」

小鳥「はあ、なんでまたそんなことしようと思ったんですか」

P「いや前に黒井社長が自分のことを英語で名乗ってたじゃないですか」

小鳥「ああ、たしかブラックウェルでしたっけ?」

P「その時の黒井社長の名前が意外とかっこよかったんで」

P「みんなの名前も英語にしたらどうなるのかなと気になりまして」

小鳥「その発想の発端は黒井社長ですか…」

小鳥「まあでも楽しそうですね」

P「でしょ?」

>>3、4
ごめん、間違って入れちゃった。

小鳥「でもそんな簡単に名前とかって訳したりできるんですか?」

小鳥「けっこう難しい名前の子とかもいますけど」

P「まあいざって時は安価に助けてもらいますよ」

P「でも最初はわりかし普通で簡単な名前の子からやっていきますか」

小鳥「じゃあ最初は春香ちゃんですね」

P「そうですね」

P「まず天海の”天”はスカイ…いや、天だからヘブンのほうがいいか」

小鳥「”海”はオーシャンだから、合わせるとヘブンオーシャンですね」

P「まあ”天の海”ってことで”ズ”も入れてヘブンズオーシャンにしましょう」

P「春香の”春”は英語にするとスプリング。”香”はパフュームだからスプリングパフューム」

P「まとめるとヘブンズオーシャン・スプリングパフュームだな」

小鳥「おお、普通にかわいいですね、普通に」

P「なんで二回言った?」

小鳥「大事なことなんで」キリッ

P「まあこんな感じで他の子もどんどん訳していきましょう」

P「お次は我らが歌姫、如月千早」

P「音無さん、”如月”って旧暦で何月ですっけ?」

小鳥「如月は2月です。なので英語にするとフェブアリーですね」

P「千早は”千の早さ”だから千は英語でサウザント、”早さ”はスピードだから合わせるとサウザントスピード」

P「まとめるとフェブアリー・サウザントスピードか」

小鳥「いいわね、千早ちゃんのクールさが出ててすごくいいわ」

P「そうか?」

P「如月は「月の如く」でライク・ザ・ムーンなんかいいんじゃないかな!」

貴音(チラッ チラッチラッ チラッ

P「……と思ったけどやっぱりフェブラリーでいいな!」

貴音(ほっ


>>10
マジか…すまん閣下

P「次は美希にしよう」

P「星井の”星”はスターで”井”は黒井社長の”井”と同じでウェル。合わせるとスターウェルか」

小鳥「美希は”美しい希望”ということで”美しい”は英語でビューティフル」

小鳥「希望は英語でホープだから合わせるとビューティフルホープ」

小鳥「まとめるとスターウェル・ビューティフルホープですね」

P「英語だから特別どうこうってわけじゃないですけど美希の名前ってほんとあいつの特徴を射てますよね」

小鳥「たしかに、前の2人と違って美希ちゃんの英語の名前ってあんまり違和感ないですね」

P「そうですね、美希のいうキラキラな感じが名前に出ててすごくあいつらしいです」

小鳥「こうして改めて見てみると名前ってほんと不思議ですよね」

小鳥「名前の一文字一文字に両親からの思いが込められていて」

小鳥「名前には何か不思議な力がある、そう思いません?プロデューサーさん」

P「そうですね、ノーサウンド・リトルバードさん」

小鳥「もう、人がせっかくいい話をしてるのに茶化さないでください!」

P「ははは、すいません」

すいません、飯食べてきます。

お待たせしました。再開します。

P「よし、次は真美、君に決めた!」

小鳥「名字は春香ちゃんと同じ感じですね。」

小鳥「双海の”双”は”双子の双ということで英語にするとツイン」

小鳥「海はオーシャンで、”ズ”も入れて合わせるとツインズオーシャン」

P「真美は”真実の美しさ”って訳でいくと、”真実の”は英語でトゥルー」

P「”美しさ”はビューティーだから、合わせてトゥルービューティーだな」

小鳥「まとめるとツインズオーシャン・トゥルービューティーですね」

P「うーん、トゥルービューティーかあ」

小鳥「あれ?なんか微妙そうですね」

P「いや、素敵な名前だとは思いますけど、ちょっと面白みに欠けるというか」

小鳥「彼女たちに何を求めてるんですかあなたは」

P「Pは双海亜美をくりだした」

小鳥「普通に言ってください」

P「まあ名字は真美と同じツインズオーシャンだとして、下の名前は…」

P「あれ?亜美の”亜”ってどういう意味だ?」

小鳥「それって当て字じゃありません?」

P「当て字?」

小鳥「ほら、国とかの名前を漢字一文字で表すやつですよ」

小鳥「ドイツだったら独、フランスだったら仏みたいな」

P「ああ、あれのことですか。じゃあ”亜”ってアジアの当て字でしょうか?」

小鳥「多分そうだと思います。」

P「とすると亜美の”亜”はアジア…」

P「いやそうすると亜美は”アジアの美しさ”ってことになるから”の”も入れるとアジアンか」

P「”美”は真美と同じでビューティーだから合わせると……」

P小鳥「「アジアンビューティー??」」



P「やべえ、今頭の中であのCMの曲が流れたわ」

小鳥「トゥントゥントゥントゥントゥーントゥトゥ…」

P「歌わなくていいから」

小鳥「世界が嫉妬する髪へ」

P「やめい」

P「まあ今度亜美にはシャンプーのCMの仕事でも紹介しとくか」

小鳥「次は当て字つながりで伊織ちゃんにしましょう」

P「当て字つながりって……まあそうだけど」

P「あーでも伊織の名字は難しそうですね」

小鳥「そうですか?」

P「水瀬の”水”はウォーターっていうのはわかるんですけど」

P「”瀬”ってこれ何て訳すんでしょう?」

小鳥「すいません私にもわからないですね」

P「そうですか」

P「あっ、音無さん辞書とか持ってませんか?」

小鳥「春香ちゃんの電子辞書でしたら持ってますけど」

P「……一応聞いときますけど、なんで春香の電子辞書を持ってるんですか?」

小鳥「検索履歴を覗こうと思いまして」

P「何やってんだリトルバード」

P「まあ、お借りするとしてちょっと調べてみますか」

P「えっと瀬、瀬……」

P「……」

P「これ伊織に見られたら「あんた、そんなのも分かんないの?にひひっ!」ってメッチャ馬鹿にされそうですね」

小鳥「あー確かに、いおりんの英語力マジネイティブ!ですもんね」

P「あっ”瀬”出ました。2つありますね、ラピドとリフル」

P「ラピドは急流、早瀬、リフルは浅瀬、早瀬って意味がありますね」

P「これどっちにしたらいいんでしょう?」

小鳥「ラピドのほうがいいんじゃないんですか?」

小鳥「ラピドだとラビットに発音似てて伊織ちゃんが普段もってるうさぎちゃんが連想できますし」

P「なんか無理やりですね」

>>28
やめてくれ(震え声)

P「まあそれでいいとして、合わせると名字はウォーターラピドですね」

小鳥「では次に下の名前ですね」

小鳥「伊織の”伊”はイタリアの当て字ですからそのままイタリア」

小鳥「”織”はまあ”織る”だとして……」

小鳥「”織る”の英語って何でしょう?」

P「今辞書で調べてます」

P「織るは英語でウィーブですね」

小鳥「うーん、でも一応人の名前ですから最後がウィーブで動詞だと変ですよね」

P「そうですね。じゃあerつけて名詞のウィーバーにしますか」

小鳥「そうすると意味的には”イタリアの織り手”って感じになりますね」

小鳥「”イタリアの”だからイタリアをイタリアンにして合わせるとイタリアンウィーバー」

小鳥「まとめるとウォーターラピド・イタリアンウィーバーです」

P「うーん、これはちょっと違和感ありまくりですね」

小鳥「名前が英語の時点で違和感ありまくりです」

P「まあそうなんですけど、まず伊織とイタリアっていうのが合わない」

P「伊織と言ったらやっぱりイギリスってイメージじゃないですか」

小鳥「たしかに、お嬢様っていう雰囲気にピッタリですよね」

P「そうなんですよ。あー惜しいな、伊織が英織だったら完璧だったんだが」

小鳥「それだと日本語名のほうが違和感ありまくりですよ」

小鳥「気を取り直して次いきましょう」

小鳥「次はまっこまこりーん!」

小鳥「真はまあ”真実”の”真”ってことで普通にトゥルースって訳していいでしょう」

P「トゥルースですか、これまた男らしい名前ですね」

小鳥「元の名前が男の子っぽい名前ですからね」

小鳥「でも英語になっても男っぽい名前っていうのもなんだか宿命みたいなのを感じますね」

P「それ本人には言わないでやってください」





P「まあ下の名前はトゥルースでいいとして次は名字だな」

P「菊地の菊って英語でなんて言うんだ?」

P「辞書で調べるか」

小鳥「辞書にのってますかね?」

P「どうでしょう、おっ!あった……ってなんじゃこりゃ!?」

小鳥「どうしたんですか?」

P「いやあるにはあったんですけど、発音が……何て読むんだこれ?」

小鳥「音声ボタン押してみたらどうですか?」

P「そうですね」ポチッ

辞書「クリサンスィマム」

P小鳥「」

P「えっ何だって?」ポチッ

辞書「クリサンスィマム」

P「」

小鳥「”クリサンセマム”って言ってますね」

P「そうですね」

P「クリサンセマムか、なんかすごい名前になりそうだな」

P「ま、まあ菊はクリサンセマムにておくとして次は”地”だな」

小鳥「地っていろいろありますよねグラウンドとかアースとかランドとか」

P「そうですよね、うーんどれにするべきか……」

小鳥「ランドにしたらいいんじゃないですか?」

P「えっ、どうしてですか?」

小鳥「ランドだと遊園地って感じがして真ちゃんのイメージにピッタリじゃないですか」

P「なんですかその真=遊園地という方程式は」

小鳥「ダメですか?」

P「いや、別にいいんですけど、それだと名字はクリサンセマムランドになって」

P「下の名前も合わせるとクリサンセマムランド・トゥルースってなるんですが……」

小鳥「うわあ、すごい言いづらい」

P「でしょ?」

P「だから別のに変えたほうがいいと思うんですよ」

小鳥「変えても特に変わらないと思いますけど」

P「うっ……それは……」

小鳥「クリサンセマムアース・トゥルース」

小鳥「クリサンセマムグラウンド・トゥルース」

小鳥「クリサンセマムソイル・トゥルース」

P「……ダメですね」

小鳥「そもそも”クリサンセマム”って単語が言いにくいですからね」

小鳥「”地”を何に変えても意味ないと思います」

P「そう、ですか……それじゃあ仕方ありませんね……」

小鳥「はい、なので真ちゃんはクリサンセマムランド・トゥルースということで」

P「うぅぅ、ごめんな真ぉぉ……俺の英語力のふがいなさを許してくれ……」

小鳥「なんか後味の悪い結果になりましたね。今後に影響が出ないといいのですが……」

小鳥「それでは張り切って次にいきましょう!」

小鳥「お次は萩原雪歩ちゃんでーs」

P「音無さん、緊急事態です……」

小鳥「え、どうしたんですか?プロデューサーさん」

P「萩原の”萩”が……辞書に、のってません……」

小鳥「!?」

小鳥「そ、そんな……まさか……」

P「そのまさかですよ音無さん、どんなに調べても、どんなに探しても」

P「辞書に”萩”はないんです」ギリッ

小鳥「……」

P「というかそもそも萩って何ですか!?花ですか!?草なんですか!?」

P「はっ、どうでもいいかそんなこと、どっちにしろ辞書にのってないんじゃ訳しようがない」

P「もう、おしまいだ……」

小鳥「プロデューサーさん、諦めるのはまだ早いわ」

P「音無さん、もうどうしようもないんですよ」

P「辞書に”萩”はないんです!?他に方法なんて……」

小鳥「あるわ、ネットで調べるのよ」

P「正気ですか、音無さん!?」

P「たしかにネット上でなら”萩”の英語の訳も見つかるかもしれない」

P「けど、ネット上にあるのはほとんどがデタラメな翻訳ばかり……」

P「たとえ訳が見つかってもそれが正しい訳であるという保証はどこにもないんですよ?」

小鳥「リスクは承知の上よ」

小鳥「でも、私は雪歩ちゃんを、仲間を見捨てたくない」

P「音無さん……」

P「……」

P「わかりました、早速検索に取り掛かります」

小鳥「援護するわ」

すいません。ちょっと風呂入ってきます。

再開します

ーー30分後

小鳥「見つかったわ!」

P「本当ですか!?」

小鳥「ええ、この情報によると”萩”は英語でブッシュクローバーというらしいわ」

P「確かですか?」

小鳥「信頼できるスジからの情報です。間違いありません。私の命を賭けてもいいわ」

P「わかりました。では”萩”はブッシュクローバーだとして次は”原”ですね」

P「”原”にはフィールドとプレインの2つがありますが、どちらにしますか?」

小鳥「そうですね、フィールドの方がクリス・レッドフィールドみたいでかっこいいからそっちにしましょう」

P「そうすると、名字は合わせるとブッシュクローバーフィールドですね」

小鳥「次は下の名前ですね」

小鳥「雪歩の”雪”は英語でスノー、”歩く”はウォークですから合わせるとスノーウォーク」

小鳥「ですが伊織ちゃん同様、今回はあくまでも名前ですから動詞のウォークはウォーカーに変えましょう」

小鳥「なのでまとめるとブッシュクローバーフィールド・スノーウォーカーです」




P「やりましたね」

小鳥「何とか訳すことができましたね」

P「一瞬本気で諦めかけましたけど、意外と何とかなるもんですね」

小鳥「ふふ、そうですね」

小鳥「この調子で残りの子も頑張りましょう」

P「もちろんです!」

最初は暇つぶしで始めた俺と小鳥さんだったが、いつしか名前を訳すことに熱中し、
アイドル全員の名前を訳すことは使命だとさえ感じていた。

だが、雪歩には申し訳ないが、俺たちは雪歩の番でこの暇つぶしの遊びを終わらせるべきだったのだ
"やっぱり日本人の名前を英語にするのは難しいですね。"などと言って。

雪歩を含め訳してないアイドルたちはその時点でまだ6人もいた。
引き返すことは十分可能だったのだ。

だが俺たちは無謀にも雪歩の名前を訳してしまった。
その先に何が待ち構えているかも知らずに……

列車は動き出した。もう誰にも止められない。
ドミノは音を立てて倒れていく。

果てしない悪夢へと……


あと5人

P「じゃあ次は貴音いきましょう」

P「まず名字からですが、早速わかりませんね」

P「四条の”条”ってどう訳せばいいんでしょう?」

P「そもそも”条”ってどういう意味でしたっけ?」

小鳥「よく見かけるのは憲法第〜条とかの”条”ですよね?」

小鳥「だから”第4条”みたいな感じで訳せばいいんじゃないんですか?」

P「そういう場合だと辞書ではアーティクルって訳すらしいですよ」

小鳥「それじゃあ数字のフォーを入れて四条を英語にするとフォーアーティクルですね」

P「次は下の名前です」

P「貴音の”音”は英語でサウンド、”貴”は貴重の”貴”ということでプレシャスにしましょう。

小鳥「プレシャスよりもノーブルの方がいいんじゃないですか?」

小鳥「そっちだと”高貴な”って意味があって貴音ちゃんのイメージにピッタリだと思うんですけど」

P「たしかに、その方がいいですね」

P「そうすると貴音の下の名前はノーブルサウンド」

P「名字と合わせてまとめるとフォーアーティクル・ノーブルサウンドですね」

小鳥「おお、なかなかいい名前ですね」

P「いやほんとそうですね」

P「英語が苦手なはずの貴音がまさかこうなるとは……」

P「いい意味で裏切られた気分です」

小鳥「英語が苦手なの関係ないでしょう」

小鳥「でもプロデューサーさん今回は珍しくべた褒めですね」

P「久しぶりにいい名前に出会えましたからね」

P「今回の名前は今までで二番目にいい名前だと思います」

小鳥「二番目?一番目は誰ですか?」

P「ノーサウンド・リトルバードです」

小鳥「あーもう!その名前やめてくださいってば!」

P「ごめんなさいリトルバードさん」

無理だと思っていた雪歩の名前を無事訳すことができ、続く貴音の名前もすんなり訳せたことで
次第に、俺と小鳥さんは自分たちの翻訳力に自信を持ち始めた。

そしてその自信はすぐに慢心へと変わっていった。

”自分達ならどんな日本語でも英語に訳すことができる”
そう自惚れていた。

俺たちはまだ知らなかったのだ。

日本語の中にはどんなに頑張っても英語に訳すことができない言葉があるということを……

あと4人……

P「さてと気を取り直して次は……」

小鳥「……次は律子さんにしましょう」

P「そうですね、律子も一応プロデューサー兼アイドルですしね」

P「じゃあ、今回は下の名前からやっていきましょう」

P「律子の”律”は法律の”律”!ということで”律”は英語にするとロー!」

小鳥「”子”はチャイルドとキッドの2つの言い方がありますけど」

P「キッドの方が短いのでキッドにしましょう」

小鳥「それだと下の名前は合わせるとローキッドですね」

P「じゃあ次は名字に移りましょう」

P「秋月の”月”はムーンだとして」

P「秋って英語で2つ言い方がありましたよね」

小鳥「ええ、フォールとオータムですね」

小鳥「どっちにします?」

P「オータムだと後ろの”ム”とムーンの”ム”がかぶっちゃって言いづらいからフォールにしましょう」

小鳥「となると名字はフォールムーンですね」

小鳥「下の名前と合わせるとフォールムーン・ローキッド」

P「……なぜだろう。あの真面目な律子が悪党のように聞こえる」

小鳥「なんでですか!?」

P「”キッド”って聞くと、どこぞの海賊とかハングライダーにのってる怪盗とかを想像してしまいまして」

小鳥「ちょっとそれは重症ですね」

P「なんだろう律子が満月の夜に法を破って泥棒して堕落しているイメージしか思い浮かばない」

小鳥「名前から勝手に律子さんの人生をつくらないで!」

人間の脳には原初的な自我防衛機制があり、辛い現実や悲しい出来事から目を背ける性質がある。
そうすることで人は日常に潜む無数の恐怖に怯えることなく、恐怖を頭から締め出し、
日々の平穏な暮らしに没頭できるのだという。

貴音の次に誰の名前を訳すか決める時、俺の頭にはあるアイドルの名前が思い浮かんだ。
だが俺は無意識に彼女を選ぶのを避け、代わりに律子を選んだ。

俺の脳は彼女という辛い現実に向き合うことを拒否し、逃げ出したのだ。

だが、逃げていても問題を先延ばしにするだけである。
誰しも恐怖といずれ向き合わななければならない。


あと3人……

眠いです。おやすみなさい。

再開します

>>67
なるほど、参考にしてみます。

>>70
すいません、それは知りませんでした。


P「次はあずささんを訳しましょう」

P「まず名字から、三浦の”三”はスリーで、”浦”は……」

P「……浦は何だ?」

小鳥「”浦”って漁村を意味するみたいですよ」

P「漁村ですか?」

P「漁村だと英語にするとフィッシングビレッジですね」

小鳥「じゃあ合わせると……スリーフィッシングビレッジ?」

P「そうなりますね」

P「名字はそれでいいとして次は下の名前ですね」

小鳥「あずさは”梓”ですよね」

P「そうですね、で、”梓”を英語にすると……あれ?」

P「辞書に”梓”がない……」

小鳥「もしかして、”梓”って中国とか日本の木ですから、英語にはないのかも……」

P「そんな!?それだと訳す方法がないじゃないですか!」

小鳥「落ち着いてください、プロデューサーさん」

小鳥「今ネットで調べてみたんですけど”梓”は英語でカタルパっていうそうです」

P「カタルパですか?ちょっと英和辞典で調べてみますね」

P「うん?」

P「辞書だとカタルパってキササゲって意味らしいですけど……」

小鳥「”梓”はキササゲの別称でもあるそうですよ」

P「そうなんですか?」

P「じゃあ”梓”はカタルパでいいとして……」

P「まとめるとスリーフィッシングビレッジ・カタルパですね」

小鳥「……なんか投石機みたいな名前ですね」

小鳥「石とか投げてきそう」

P「ひどい言いようだ」

この時点でならまだ俺たちは引き返せた。
”梓は訳すのムリっしょ!”などと言って……

途中で諦めるのは残りの3人にも失礼だし
何よりも俺の主義に反することだ。

だが、それでも、”あいつ”を一人残して終えるよりははるかにマシだった……


あと2人……

P「さあ!残りあと2人になりました!」

小鳥「いよいよ終わりに近づいてきましたね」

小鳥「残りの2人も気を引き締めて頑張りますか!」

小鳥「お次はやよいちゃん!」

P「おっ、やよいですか」

P「あー、でもやよいの名字も難しそうだなー」

小鳥「そうですね、先に下の名前から訳しますか」

P「了解です!」

P「やよいは旧暦の”弥生”だとして」

P「”弥生”は……えーと………」

小鳥「3月」

P「そう!3月!知ってました!」

P「3月ですので、3月は英語にするとマーチ!」

P「で、名字ですが……」

小鳥「高槻の”高”は”高い”ということでハイにするとして……」

小鳥「”槻”ってなんでしょう?」

P「そもそも”ツキ”って絶対訓読みですよね?」

P「音読みではなんてよぶんでしょう?」

小鳥「音読みではないんですが、”槻”って”ケヤキ”の古名だそうですよ」

P「ケヤキですか?じゃあちょっと辞書で調べてみます」

P「えーと、ケ、ヤ、キ、っと……うおっ!?あった!?」

小鳥「本当ですか?」

P「はい、なんかゼルコーバって出てます」

小鳥「じゃあそれと前のハイを合わせて」

小鳥「まとめると、ハイゼルコーバ・マーチ!」

P「やよいらしい可愛い名前ですね!」

小鳥「そうですね、なんか”コアラのマーチ”みたいですね」

P「いや、”マーチ”しか合ってないですよ」

P「まあでも、どことなくお菓子みたいな名前ですよね」

小鳥「でしょ?そんなお菓子あったら食べてみたいと思いません?」

P「そうですねー」

P「てか、むしろやよいを食べたい」

小鳥「……」

P「ごめん、冗談だから一旦、受話器置こうか」

P「さて音無さん、いよいよあと1人ですよ!」

小鳥「最後は響ちゃんですね」

P「いやー長かったですね、ここまで来るの」

小鳥「本当ですよ、意外と大変でしたね」

P「たしかに」

P「ここにくるまで笑いあり、ドラマあり、感動ありの連続でしたね」

小鳥「ふふっ、そうですね、プロデューサーさん」

P「まあ、名残惜しいですが、最後に響を訳して終わることにしましょう!」

小鳥「はい!」

P「じゃあまず名字から!」

P「えーと……」

P「…………」

P「……」

小鳥「プロデューサーさん?どうしたんですか?」

P「お、音無さん……」

小鳥「はい?」

P「こ、これ、どう訳したらいいんでしょう?」

小鳥「え?我那覇をですか?」

P「ええそうです」

小鳥「まあ確かに難しい名前ですよね」

小鳥「それじゃあ先に下の名前から訳しましょうか」

P「え、ええそうですね……」

P「えーと、”響き”の英語は全部で3つありますね、サウンド、リングそしてピール」

小鳥「うーん、”サウンド”だと貴音ちゃんの”ノーブルサウンド”とかぶってちょっと微妙な感じね……」

P「たしかにそうですね」

P「じゃあリングは?」

小鳥「……これ私の偏見なんですけど、リングって聞くとなんか響ちゃんのあの長い黒髪と相まって貞子が思い浮かぶんですよね」

P「うわあ、なんか聞いてたら俺もそう思えてきました……」

P「じゃあピール?」

小鳥「ピールってあまり聞かない単語じゃないですか?」

P「まあそうですね」

小鳥「ピール=”響き”って言われてもなんかピンとこないんですよね」

P「じゃあどうすんですか?他に”響き”の英語ないですよ?」

小鳥「思い切って”エコー”っていうのはどうでしょう?」

P「えっ?でもエコーの意味は”響き”じゃなくて”反響”ですよ?」

小鳥「似たようなもんですよ」

P「”響き”も元を正せば反響って意味ですし」

P「まあそうですけど……」

小鳥「それともリングにします?」

P「エコーにしましょう」

飯食ってきます

再開します

小鳥「よし、下の名前はエコーで決まりだとして問題は名字の我那覇ですね」

P「我那覇の”我”は”自分自身”って意味ですよね」

小鳥「それだと英語にするとワンセルフになりますね」

P「じゃあ一応”我”はワンセルフにしときます」

小鳥「次は”那覇”ですね」

小鳥「ちなみに”那覇”って辞書で出てきますか?」

P「出てこないです」

小鳥「ですよね……」

小鳥「じゃあ”那”とか”覇”は……」

P「それもダメです。”那”も”覇”も辞書にありません」

小鳥「うーん、これは思ってた以上に難しいそうですね」

P「これ訳せるんでしょうか?」

小鳥「まだできないと決まったわけじゃないですよ、プロデューサーさん」

小鳥「あと最後の一人なんですから、もうちょっと頑張ってみましょう」

P「そうですね、すいません俺また弱音吐いて……」

小鳥「いいんですよ、頑張って”那覇”の訳を探しましょう!」

P「はい!」

ーー30分後

小鳥「…………」

P「…………」

小鳥「プロデューサーさん……」

P「……何ですか?」

小鳥「これ、訳すの無理じゃありません?」

P「!?何を言ってるんですか音無さん!?」

小鳥「そもそも”那覇”は地名ですから、英語に訳すのはどう考えても不可能です」

P「じゃ、じゃあ”那”と”覇”を分けて別々に訳せばいいじゃないですか?」

小鳥「”那”は英訳することができません」

P「英訳できないってそんなわけ……」

小鳥「ないんですよ」

小鳥「”那”の英語訳が……」

小鳥「どんなに探しても、どこを探しても見つからないんです」

P「そんな……」

P「ここまで来て諦めるんですか?」

P「最後の1人なのに……」

小鳥「仕方がないんです、プロデューサーさん」

小鳥「私たちじゃどうすることもできない」

小鳥「こんなこと最初からやるべきじゃなかったんだわ」

P「どうして……」

P「どうして響の名前だけ英語にできないんですか!?」

P「他のみんなはちゃんと訳せたのに…」

P「こんなの不公平だろ!」

小鳥「仕事に戻りましょう、プロデューサーさん」

小鳥「このことは早く忘れるべきよ」

P「くそっ!俺がもっとしっかり英語を勉強していれば……」

P「すまん、響……」




おわり

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