のび「ドラえもん…」 (63)
のび「彼が突然姿を消したあと、この10年間は何の音沙汰もなく、もはやあの日々が現実だったのかどうかも疑ってしまうほど、代わり映えしない平凡な日常をぼくは送っている…。」
タラヲ「ブツブツうるせぇなてめぇは!授業に集中できねぇだろうが!」
のび「ごごご、ごめんよタラヲくん。あとでお酒買ってくるからさ!」
タラヲ「お!気が利くじゃねーか、のび太のくせに!ほろ酔いにしろよな!おれすぐ酔っ払っちまうからよ!」
しず「もぉー!また飲むん?タラ君はほろ酔い一口飲んだだけですぐ酔っ払ってまうからな!ほんまかなわんで!」
のび「しずかちゃん…。2人は付き合ってどのくらいになるんだっけ?」
タラヲ「えーっと、大学入ってすぐだったから、もう3年弱だな!のび太はアイツと付き合ってどのくらいだ?」
のび「ぼ、ぼくらは付き合ってなんかいないよ、サザエさんとは親しくさせてもらってるけど、友達のお母さんと付き合ったりするわけないじゃないかぁ!」
タラヲ「でもこの前ウチでヤッてただろ?カツオが見たって言ってたぞ!」
のび「そ、それは…サザエさんがどうしてもって言うから…」
しず「のび太最悪やん!それは断らなあかんで!」
タラヲ「親父も単身赴任であんま家に帰ってこねぇし、べつに俺はお前とお袋がどうにかなっちまっても全然構わないんだけどな!」
のび「でも…」
しず「でもじゃあらへんやろ!ヤッたんやったら責任とらなあかんて!それでも男かほんま!」
のび「しずかちゃん…。そもそもなんで関西弁なの?」
しず「昨日な、テレビでナニワ金融道やっててん!めっちゃおもろかったからTSUTAYAでシリーズ全部借りてな!徹夜で見たんや!ほんで、気ついらこの喋り方になってしもたんや!」
のび「そ、そうなんだ…しずかちゃん影響されやすいんやな。」
しず「おいおい!のび太も関西弁なっとるやんけ!ガハハハ!」
のび「あっ!ついつい僕もつられてしまって…」
しず「かまわへんよ!自分が喋りたいように喋ったらええねんで!本能のままに生きていくのが人生楽しむコツやからな!」
タラヲ「お前は本能のまま生きすぎなんだよなぁ、だいたいお前、就職活動もしないで卒業後はどうするつもりなんだよ」
しず「せやなぁ。手っ取り早く稼ごうと思ったらやっぱソープとかやろなぁ。」
のび「し、しずかちゃん!そんな仕事…僕は嫌だよ…」
しず「のび太、じゃあお前がウチのこと養ってくれるんか?何もできひんくせにほんま文句だけは一人前やな。あ、チンコの大きさも一人前やったな!ほんまお前のチンコでかいからこの前見たときビビったで。ションベンちびりそうなったわ!」
タラヲ「お、おい、しずか!お前のび太とヤッたのか?!」
しず「なわけないやろ!誰がこんなヒョロヒョロのもやしみたいなやつとヤらなあかんねん!のび太がサザエとヤってる動画をカツオに見せてもうただけやっちゅうねん!」
のび「ひ、ひどいよ、しずかちゃん…そこまで言わなくても…」
しず「あんな、のび太、お前もっと自信持った方がええで。そんな立派なイチモツ持ってんねんから堂々としたらええねん!タラヲのなんてウチの小指くらいなもんやで!ヤってるときも入ってんのかどうか分からへんレベルや!ほんまかなわんわ!」
タラヲ「うるせぇなぁ!仕方ねぇだろ持って生まれたもんなんだからよ!そんなに不満ならまたジャイアンとヨリ戻せばいいだろ!」
のび「え?しずかちゃん、ジャイアンと付き合ってたの?知らなかったなぁ…」
しず「あぁー言うてへんかったか?高3の終わりくらいのときに1ヶ月くらいな。どうしても大学生になる前に処女捨てたかったんや。まぁ、剛田の野郎は中学入ったくらいからずっと好きやって言い続けてくれてたからなぁ。しゃあないから付き合ったろかなぁってカンジで付き合ってん。」
のび「そうだったんだ。僕もずっと好きだったんだけどな…」ボソッ
しず「えっ?」
のび「ぼくは…ぼくはっ!今でも…ずっとしずかちゃんが好きなんだ!」
タラヲ「のび太…」
のび「だから…、人前で大きな声で卑猥なことを言ったり、風俗で働くとかそんなことを考えたり、もうやめてほしいんだ!」
しず「のび太…さん…」
のび「僕が…僕がしずかちゃんをずっと支えていく!だからタラヲくんとは別れて僕と付き合ってくれ!」
しず「で、でも…」
タラヲ「いいんだ、しずか。キミのことを本当に想ってくれるのは、のび太だ…。のび太、しずかのことを幸せにしてやってくれよ。」
しず「でも私…」
のび「なに?僕はしずかちゃんのことなら全部受け止める!そう決めたんだ!」
しず「…ほんまに?」
のび「ほんまや!」
しず「ほんま?何があっても嫌いにならへん?」
のび「当たり前やろ!ワイはお前のことを愛してるんや!何があっても嫌いになんかならへんで!」
しず「ウチな…」
しず「エイズやねん」
のび「…。」
タラヲ「…。」
のび「ぇ?え?ぇ?え?」
タラヲ「お、おぅwww」
---1か月後---
しず「あぁークソッタレがっ!」
のび「ど、どうしたのしずかちゃん!」
しず「剛田の野郎、思い出したらまじ腹立ってきたわ!ウチ初体験やったんやで?まだまだ何も分からへん女の子にいきなりエイズ移すとかどないなっとんねん!」
のび「まぁ確かにね。」
しず「あいつほんまど突きまわしたるで!おいのび太、お前ウチの彼氏なんやったら剛田の居場所突き止めてこんかい!ほれ!さっさと行ってこいやこのアホ!」
のび「わかったよぉ。でもさ、暴力はダメだよしずかちゃん。ジャイアンは連れてくるからさ、ちゃんと話し合おうよ。」
しず「あんな、のび太、お前はほんまもんのアホなんか?初体験でエイズ貰っといて『剛田さぁん、なんでワタシにエイズ移したのぉ?教えてよぉウフフ』なんて言えると思うか?そんなんやからいつまでも童貞なんやお前は!」
のび「ちょっと!僕だってもう童貞じゃないよ!」
しず「タラヲのオカンと2?3回ヤったくらいやったら童貞みたいなもんやろ。あんなワケわからん髪型の女に欲情する奴の気がしれんわ。」
のび「そこまで言わなくてもいいじゃないか。」
しず「あーわかったわかった、もういいから早く剛田連れてこんかい!」
のび「連れてきたよー」
しず「なかなか仕事早いやないか。」
のび「こんなこともあろうかと、隣の部屋で待っててもらってたんだ。」
剛田「…」
しず「お前、なんか言うことあるやろ。」
剛田「しずかちゃん、本当にごめん…悪気は無かったんだ。」
しず「なにぃ?エイズのクセに言い訳する気か!」
のび「しずかちゃんもエイズじゃん。」
剛田「フフッ」
しず「ななななななななに笑ってんねん!もともとはお前がエイズやからこんなことなっとるんやろ!」
剛田「俺だって被害者なんだよ…」
のび「そうか!ジャイアンも誰かに移されたんだもんね!誰か心当たりあるの?」
剛田「まぁな…」
しず「誰や!?」
剛田「出会い系で会って一晩だけだったから名前も分からないんだが……なんかお魚くわえたドラ猫追っかけて裸足で駆けてく愉快な女性だった。」
のび「!?」
しず「wwwwww」
剛田「何か面白いこと言ったか?」
しず「それタラヲのおかんやで!」
剛田「え?そうなのか。」
しず「しかものび太のセフレや!」
のび「…」
剛田「ということは…?」
のび「僕もエイズってことだね。」
しず「wwwww」
剛田「wwwww」
のび「wwwww」
しず「ちょっ、お前近づくなよ気持ちわりぃな!」
剛田「あっち行けよエイズ野郎!」
のび「君たちだってエイズじゃないか!」
しず「ちょっとまとめてみましょうよ。まず、サザエさんがエイズを武さんに移したわけよね?そして武さんが私に、私がタラヲさんに。のび太さんもサザエさんから移された、と。」
剛田「そうだな。被害者は他にもいそうなのか?」
タラヲ「よぉみんな!」
しず「あらタラヲさん!お久しぶりね!元気だった?」
タラヲ「おっ、しずか、いつもの話し方に戻ったんだな。」
しず「そうなの。あんな汚い言葉で話していたなんて、私どうかしてたみたい。でももう大丈夫。だってエイズなのは私だけじゃないんだもん。こんな幸せなことはないわ!」
タラヲ「相変わらず他人の不幸が大好きなんだな、しずかは。」
のび「タラヲくん、今日はどうしたの?」
タラヲ「ああ。実はな、おれのお袋がエイズだって話を聞いてな。みんなに伝えに来たんだ。」
剛田「みんなもう知ってるよ。」
タラヲ「それなら話は早い。じゃあ、お袋が他に誰とヤってたのかは知ってるか?」
しず「それは知らんな。他にもエイズを移された被害者がおるってことやな?」
タラヲ「そうやねん。ワイが聞いた限りでも、スネ夫、出木杉、カツオ、イクラ、ドラえ…、あっやべっ。」
のび「ドラえもん?今ドラえもんって言った?ドラえもんの居場所を知ってるの?未来に帰ったんじゃ?」
しず「おいタラヲ!いらんこと言ったらあかんやろ!」
のび「どういうこと?ドラえもんは、まだ現代にいるってこと?しずかちゃんも知ってたの?」
しず「いくら彼氏であるのび太といえども、それは教えることはできひんねん。」
タラヲ「せやねん。堪忍な、のび太。」
のび「どうして!ドラえもんは10年前に急に姿を消して…」
剛田「のび太、実はな…」
バキューン
剛田「ぐはっ」
バタンッ
タラヲ「すまんジャイアン、こうするしかなかったんや。真実を話すとあの人の計画が…。」
しず「仕方ないでタラヲ!アンタは悪くない。悪いことなんてひとつもあらへん。」
のび「ジャイアン!大丈夫?ジャイアン!?…死んでる。」
タラヲ「堪忍な、のび太。これはあのお方の壮大な計画のためなんだ。」
服部「そうや。」
のび「!?」
服部「まいど!ワイの名前は服部平次や!」
のび「ど、どうも。」
タラヲ「よぉ服部!お前んとことのドアも開通したんやな!」
服部「そうや!えらい大変やったけどな!工藤がよう頑張ってくれたんや!さすが工藤でんがな!」
のび「ドア?」
タラヲ「あっ、また言ってもうた。やってしもたなぁ。まあええか、服部のトコとも繋がったことやし、もうすぐ計画も終わるやろ。」
のび「一体どんな計画なのさ?ドラえもんはどこにいるの?」
タラヲ「実はな、のび太…」
しず「タラヲ!のび太にはあの青タヌキが自分の口から伝えるって言うてたやろ!」
服部「まあそんな堅いこと言わんでもエエやろ。あんな、のびt…」
バキューン
服部「ぐへっ」
バタンッ
のび「また死んだぁー!」
タラヲ「すまんな服部、こうするしかなかったんやwww」
のび「笑ってる場合じゃないよ!」
しず「アンタひどすぎやろwww」
タラヲ「すまんすまん。」
まる子「あたしゃビックリだよ。」
のび「!?」
まる子「どうも、あたしゃまる子だよ。」
のび「はぁ。」
タラヲ「おぉ!これで全部のドアが開通やな。」
しず「やったぜ。」
のび「ドアが開通?どういうこと?」
バキューン
まる子「あぴゃー」
バタンッ
のび「3人目ぇぇぇ!」
タラヲ「いやぁ、癖になってまうで、ほんま!」
のび「もう…もう嫌だよ…こんなの嫌だ…ドラえもぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!」
ドラ「なんや?そんなでかい声出さんでも聞こえるっちゅうねん。」
のび「ドラえもん!!!!」
ドラ「なんやねん!うっとおしいなお前。」
のび「ドラえもぉぉぉん、会いたかったよおぉぉぉ。」
しず「感動やで!」
ドラ「ごめんねのび太くん、いきなり姿を消すようなことをして。どうしてもやらなければいけないことがあったんだ。」
のび「戻ってきてくれただけで僕は嬉しいよ!嬉しいよぉ!」
ドラ「ありがとうのび太くん。」
のび「本当に嬉しいよドラえもん。でも、10年間も何をしていたの?」
ドラ「それはね…」
バキューン
ドラ「嘘やぁぁぁぁん!」
タラヲ「悪い悪いwww」
ドラ「ちょうど防弾チョッキ着てたから助かった。気を付けてねタラヲくん。」
タラヲ「癖になってしもたからしゃあないねん。」
ドラ「実はね、のび太くん。僕はSEX依存症なんだ。」
のび「そうだろうね。」
ドラ「!?」
のび「知ってたよ。だって毎日僕が学校に行ってる間、ママのこと犯してたじゃん。」
ドラ「学校に行くフリして、コッソリ見てたの?」
のび「ううん。ぼくは学校に行ってたよ。でもカツオくんがビデオに撮ってたから
それを見せてもらってた。」
ドラ「え!?」
のび「ドラえもん、のどのあたりにつけてる鈴…いや、ただしくは鈴じゃないね、クリトリスだ。キミが女性だとは思わなかったよ。ママにそこを舐められてる時、すごい艶やかな表情をしてた」
ドラ「うーん。正解なようで正解ではないね。」
のび「どういうこと?」
ドラ「チンコもあるんだ、6本。」
しず「うっひょぉー!!」
ドラ「ヒゲみたいに見えると思うけど、これチンコなんだ。」
タラヲ「かっけーな!」
ドラ「それでね、話を戻すと、僕はママを犯すだけでは満足できなくなってきたんだ。だから、ちょっと他の世界に行こうと思って。」
のび「違う世界?」
ドラ「そう。この地球にはね、4つの世界があるんだ。」
ドラ「今僕たちがいる『ドラえもんワールド』」
ドラ「そしてタラヲくんが育った『サザエさんワールド』」
ドラ「そしてさっき死んだ服部平次がいた『コナンワールド』」
ドラ「最後がさっき死んだまる子がいた『あたしゃワールド』。」
のび「でもタラヲくんやカツオくん、サザエさんは、僕たちのこの世界に前からいたじゃないか。」
ドラ「するどいね、のび太くん。タラヲくんはなんでいきなりキミと同じクラスに転校してきたと思う?」
のび「もしかして…」
タラヲ「せやねん。なんかワイのおかんが『SEXしてぇぇぇ!』とかいきなり言い出してな、そしたら次の瞬間こっちの世界に来てたんや。」
ドラ「そう、僕とサザエさんふたりのSEXしたいパワーによって二つの世界が通じ合うようになったんだ。4つの世界を行ったり来たりすることは禁じられてるから、すぐにその出入口は閉じられたけどね。」
ドラ「その時、僕は思ったんだ。4つの世界の間を自由に移動することができるようになれば、いろんな人とSEXできる、ってね。」
のび「なるほど。」
ドラ「その計画を実行するにはどこでもドアをすっげぇ改良する必要があったんだ。それぞれの世界を自由に移動できるようなどこでもドア、これを僕は10年かけて作っていたんだよ。」
のび「でも!僕の前からいなくなる必要はないじゃないか!なんで…」
ドラ「どこでもドアには、使用回数の上限があるんだ。のび太くんはすぐどこでも
ドアを使いたがるから、のび太くんのそばにいたら使用回数の上限に達してしまう恐れがあったんだ。だから、のび太くんの前から姿を消さざるを得なかった。」
のび「そうだったんだ。ところでドラえもん、ドアの使用回数の上限って何回なの?」
ドラ「ひとりにつき1万回くらいしかないんだ…」
のび「全然余裕じゃないか!」
ドラ「少しでも他の世界の人とSEXしたかったんだよ!」
しず「せやなwww」
のび「はぁ…、本当にSEX依存症なんだね。」
ドラ「それはまぁ仕方ないことだからね。」
のび「でも、また一緒に暮らせるならそれだけで僕は幸せだよ、ドラえもん!」
ドラ「のび太くn…」
バキューン
ドラ「ぐふっ」
バタン
バキューン
のび「ぐえっ」
バタン
バキューン
しず「ぐあっ」
バタン
タラヲ「やっべぇまたやっちまったー!」
完
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