P「昨日さ、夜中に突然目が覚めてさ」 (46)

響「うん」

P「で、何でかなって思ったら、隣で春香がもぞもぞしてるわけよ」

響「うんうん」

P「で、まあトイレか何かかなって思って黙ってたんだけど」

響「うん」

P「そしたらさ、急に春香が俺の腕に抱き付いてきたわけよ」

響「……ふーん」



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P「それで俺びっくりしちゃって思わずさ、わって声出しちゃったんだよ」

響「……」

P「そしたら春香も気が付いたみたいで」

P「『あ、ごめんなさい起こしちゃいましたか』って」

響「……」

P「……」

響「……」

P「……俺の話聞いてる?」

響「聞いてるよ?」

P「そうか、それでな」

P「えーっと……」

響「春香が、『ごめんなさい起こしちゃいましたか』って」

P「ああ、そうそう」

P「それで、俺がそんなことないよって言ったらさ」

P「春香、何ていったと思う?」

響「さあ?」

P「『ちょっと怖い夢を見ちゃって……しばらくこうしてていいですか?』だって!」

P「な?可愛いだろ?春香」

響「……そうだね」

P「いや、なんかさ!」

P「久しぶりなんてーの?春香がめっちゃ初々しく見えてさー」

P「付き合い始めたころのことを思い出したわー」

P「いや、もちろん今も春香は可愛いぞ?それは当たり前なんだけどさ」

P「やっぱり付き合ったころには付き合ったころだけの良さがあったなーって」

P「いい思い出だなーって」

P「思い出しちゃったわけよ!その時の気持ちを!」

響「……」

P「……」

響「いや、うん、良かったんじゃない?」

P「だろー?」

響「うん」

P「……」

響「……」

P「……」

響「……で?」

P「え?」

響「え?じゃなくてさ」

響「それで、その後の話は?」

P「無いけど?」

響「えっ?」

響「無いの?」

P「うん、終わり終わり」

響「ええー……」

P「まあ、強いて言えば」

P「その後朝まですっげーぐっすり寝られたってくらいかな……」

響「えーっと……」

響「今までの、何の話だったのさ」

P「え?」

P「何って……春香が可愛かったって話だけど」

響「ああ、うん、そうだね……」

P「……」

響「……」

P「あ、そう言えばさ、こんな話があるんだけどさ」

響「うんうん」

P「この前さ、ロケの下見に行ってさ」

響「何のロケ?」

P「貴音の食べ歩きの奴だな」

響「あー!あれかー」

響「それでそれで?」

P「その日のロケ場所がさ、下町の商店街通りだったわけよ」

響「知ってる、放送見たぞ」

P「お、ホントか」

響「うん」

P「それでだな、その商店街が何をPRしてほしいみたいな打ち合わせをしたときに」

P「商店街の人が、『ウチの一押しはコロッケです!』って」

響「うんうん」

P「それでさ、俺も事前に味見しておこうと思って3つくらい買って帰ったの」

響「へー、結構買ったなー」

P「で、試しに食ってみたらホントに美味いわけよ!」

響「いいなー!自分も食べたいぞ」

P「後で場所教えてやるよ」

響「やったね!」

P「はは、それでな、そのコロッケがあんまり美味しかったからさ」

響「うん」

P「それから一時期コロッケブームがウチで起きたのよ」

響「うん」

P「いろいろひき肉とか買ってきてさ、ジャガイモとの配分も考えてさ」

響「うんうん」

P「そしたらさ、最近の春香のコロッケがさ、めっちゃ美味くなってんだよー!」

響「うん?」

P「いやーやっぱ春香って、料理上手でさー」

響「……うん」

P「しかもいつまでたっても頑張り屋さんなんだよなー」

響「……」

P「あいつ、二人で研究したコロッケのレシピを逐一記録しててさ」

P「しかも可愛いイラストまで付けて!」

P「『これ、美味くできたレシピを千早ちゃんにも教えてあげようと思ってるんです』だってよ!」

P「優しいんだよなー、春香」

P「しかも味の方も最高でさ」

P「もう商店街のコロッケなんて目じゃないってくらいなんだよ!」

響「……」

P「こんどウチ遊びに来いよ、春香に頼んでみるからさ」

響「……」

P「……響?」

響「……あー、のさ」

P「うん?」

響「これ、何の話?」

P「春香が料理上手だなって話」

響「あ、うん、そうだよね」

P「うん」

響「……」

P「……」

響「……うん、今度食べに行くね」

P「お!来てくれるか!」

響「うん、行くぞ、多分……」

P「そっかー嬉しいなー」

響「あはは……」

P「なんたって春香のコロッケは世界一だからな!」

響「はは……」

P「あ、そう言えばさ、他にもこんな話があるんだけどさ」

響「……まだあるのか」

P「最近暖かくなってきただろ?」

響「そうだねー」

P「それでさ、我が家にもとうとうゴキブリが出始めたわけよ」

響「あー大変だねー」

P「ゴキブリさ、俺はわりと平気なんだけど……」

響「うーん」

P「春香がさ」

響「ちょっと待って」

P「なんだよ」

響「それ、今の話さ」

P「うん」

響「一行にまとめるとしたら、何の話?」

P「え?一行か?」

P「うーん……」

P「虫が怖くてちょっと涙目になっちゃう春香も可愛いなって話かな」

響「……」

P「ん?どうした響?」

響「う……」

P「う?」

響「う……」

響「うがーーーーー!!!!!」

P「……」

響「……」

P「……」

響「……」

P「え?どうした?急に叫ぶなよ」

響「……」

響「ふうー……」

響「……」

P「……響?」

響「いや、何でもない、何でもないぞ」

P「そ、そうか?あんまり無理するなよ?」

響「……うん、そうだね」

響「それで?」

P「え?」

響「まだあるの?春香の話」

P「あ、ああ、そうだな」

響「聞いちゃう、自分、もういくらでも聞いちゃうぞ」

P「本当か!?」

響「うん、出血大サービスさー」

P「そ、それじゃあ、えーっと、えーっと……」

ガチャ

春香「おはようございまーす」

P「春香!」

春香「Pさん、おはようございます」

春香「響ちゃんも、おはよう」

響「おはよう、春香」

P「ほら、春香も座れよ」

春香「あ、ありがとうございます」ストッ

春香「何のお話ししてたんですか?」

響「春香の」

P「ああ、ちょっと仕事の話をな」

響「え!?」

P「え?」

響「……」

P「……仕事の話だよな?」

響「お、おう……」

春香「なーんだ仕事の話ですかー」

P「そうそう」

響「ええ……」

P「さーってと、それじゃあ俺は仕事するかなーっと」

P「それじゃ響、悪いけど春香の相手頼むな」

響「う、うん……」

春香「頑張ってくださいね!Pさん!」

P「はは、大げさだな」

P「それじゃあ、行ってくるな」

春香「はーい」

バタン

響「いいカッコしいめ……」ボソッ

春香「?響ちゃん、なんか言った?」

響「う、ううん、何でも!」

春香「そう?」

響「それにしても、事務所で会うのは久しぶりだなー」

春香「あ、そうかも」

春香「最近はテレビのレギュラーで会うか、普通に遊びに行くかだもんねー」

響「へへ、この前は楽しかったね」

春香「ね!また行きたいねー」

響「今度はどこにしよっか?」

春香「温泉なんてどう?」

響「お、いいな!」

春香「夏の温泉もいいよねー」

響「うんうん」

春香「あ、花火大会に合わせて旅館取ってみたりしたいなー」

響「ねー」

春香「……あと、お祭りなんかやってたら最高かもって……」

春香「ふあぁ……」

響「寝不足?」

春香「うん、ちょっとね」

響「なんだーダメだぞー夜はちゃんと寝ないと」

春香「寝てるよー!」

響「じゃあ、どうして寝不足なのさ」

春香「うーんと、夜はちゃんと寝たんだけど」

春香「途中でちょっと怖い夢見ちゃって、目が覚めちゃったんだよね……」

響「あー、うん、知ってる」

春香「知ってる?」

響「あ、いや!何でもない!何でもないぞ」

春香「そう?」

響「うん」

春香「ふふっ、変な響ちゃん」

響「それで、そのあと寝られなかったの?」

春香「うん、ちょっとね……」

春香「最初ね?その夢がホントに怖くて、寝られなくて」

響「うん」

春香「それで、隣で寝てたPさんにしがみついてみたんだけど……」

響「うんうん」

春香「そしたら、Pさんのこと、起こしちゃって……」

響「……」

春香「それで、つい言っちゃったの」

春香「しばらくこうしてていいですか……?って」

響「あー」

春香「それで、言っちゃった後に気が付いたの」

春香「こんな甘え方したの久しぶりかもって」

響「うんうん」

春香「そしたら何だか恥ずかしくなってきちゃって……」

春香「えへへ……あんまり眠れませんでした」

響「……」

春香「……響ちゃん?」

響「うん、聞いてる聞いてる」

春香「……あ、ごめんね、つまんない話しちゃったね」

響「い、いや!そんなことない!そんなことないぞ!」

春香「そ、そう?」

響「うん!面白かった!もっといっぱい聞きたいなー春香の話!」

春香「そっか!それじゃあねー」

響「うんうん!」

春香「これもPさんの話なんだけど……」

響「やっぱりかー!」

……

春香「でねーそのときPさんがねー」

響「うん……うん……」

春香「パッと私の前に立って、スリッパでゴキブリをスパーンって!」

響「へー、カッコいいなー……」

春香「そうなのそうなの!私、腰が抜けて立てなかったんだけど」

響「……あー」

春香「『大丈夫か?立てるか?』って手を出してくれて!」

響「……うーん」

春香「やっぱり私、この人で良かったーって!」

響「……そうだなー、お似合いだと思うぞー……」

春香「うん!」

響(さ、流石に3時間ノロケを聞くのはしんどいぞ……)

響(うう、早く帰って来てよー……)

ガチャ

響「!」

P「ただいまー」

春香「あ、おかえりなさいPさん!」

P「おう春香」

春香「お仕事お疲れ様です!」

P「はは、大げさだな」

P「それじゃ、約束通り、美味いもんでも食べに行くか」

春香「はい!」

P「それじゃ、響、また次の収録でな」

春香「バイバイ、響ちゃん」

響「……うん、楽しかったぞー……」フリフリ

バタン

響「あー……」

響「疲れたよー……」

響「……」

ガチャ

響「!」

響P「ただいまー」

響「あー!やっと来たな!」

響P「お、響、留守番ありがとな」

響「ありがとな、じゃないぞ!」ギュ

響「すぐ終わるからって言ったから待ってたんだからね!」

響P「ごめんなー、思ったより先方と揉めちゃってなー」

響「おかげで自分、ひどい目にあったぞ!」

響P「ひどい目?」

響「Pと春香のノロケ攻撃にあったの!」

響P「ははは!そりゃ災難だったな!」

響「笑い事じゃないぞー!」

響P「ああ、ごめんごめん」

響「まったく……」

響P「それじゃあさ、今日は俺がみんなのご飯の準備するから、許してよ」

響「へへっ、分かってるじゃん!」

響P「そりゃー、響のことなら何でもわかるさ」

響「またそんなこと言うー!」グリグリ

響P「おいおい、やめろよ、俺はいぬ美じゃないぞ」

響「似たようなもんさー!」

響P「それじゃ、俺たちも上がろうか響」

響「うん!」

響「それじゃ、お疲れ様でーす!」

響「あ、そう言えば、今度春香が温泉行こうって」

響P「おーいいなー」

響「スケジュール取れる?」

響P「4人分か……ま、何とかしてみるさ」

響「期待してるね!」

響P「任せとけよ」

バタン

亜美「……」

真美「……」

亜美「耐えた……今日も一日良く耐えたよ……」

真美「……いやー、相変わらずひびきんのノロケは765一ですなあ……」

亜美「……ピヨちゃんは?」

真美「……大丈夫、もうとっくの前に妄想の世界に逃げ込んでるから」

亜美「ああ、じゃあ大丈夫だね」

真美「うん」

亜美「……」

真美「……」

亜美「……明日の予定は?」

真美「明日、明日は……」

真美「……残念ながら、明日も真美たちは事務所で企画会議です」

亜美「あー……」

真美「……それで、明日他に事務所に来るのは」

亜美「……うん」

真美「……まこちんです」

亜美「うわー!」

亜美「これまたキョーレツなのが来たね……」

真美「はあ……気が重いね」

亜美「……」

真美「……」

亜美「ね」

真美「何?」

亜美「どっかにイケメンで性格が良くて、年収の良い双子の男の子って」

真美「いないっしょ、そんなの」

亜美「じゃあ、この際年収は」

真美「それでもいないっしょ」

亜美「……」

真美「……」

亜美「……」

真美「……」

亜美・真美「はあ……」

         完

終わりだよ!ありがとね!

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