P「夏の祭小編」 (33)

765プロそれぞれのお祭りの過ごし方

浴衣姿っていいよね

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小鳥編




小鳥「今日はおもいっきり楽しみましょうね! プロデューサーさん」

P「学生の頃はこんな感じで、祭りに出かけることもなかったなぁ……」

小鳥「大丈夫です! 今からでも私達、揃って青春取り戻しましょう!」ビッ!

P「音無さんと一緒はうれしいんだけど、どうしてこんなテンションに……」ハァ

小鳥「さあさあ!」グイグイ

小鳥「わたあめ…いやいやリンゴ飴買ってください!」

P「はいはい」

小鳥「あ、あのプリキュアのお面も買ってください!」

P「はいはい」

小鳥「あ、金魚すくいもやりましょうね」

P「ちゃ、ちゃんと飼えるんならいいですよ」

小鳥「あーもう、たのしいなこれ!」

P(なんか俺の思ってたカップルのお祭りの過ごし方と違うけど)

小鳥「うっひょー! 遠くで打ち上げ花火上がり始めましたよ!」タマヤー 

P(子どもと一緒に来てる親みたいな感じだけど)

小鳥「プロデューサーさん、焼きそばとキュウリ食べましょうねっ!」 

P(こんなのもいいかなぁ)

小鳥「プロデューサーさん? ちゃんと楽しんでますか?」

P「ええ、年甲斐もなく浴衣ではしゃぐ音無さんを見てるだけで幸せな気分になりますよ」

小鳥「ムッ!? なんか余計な単語があったような気がしますが、許しましょう!」

P「うへっ。ごめんなさい」

小鳥「あ、何かここ人気のない所ですね……」

P「……音無さん」グイッ

小鳥「え?」

――――――――
――――――
――――
――




小鳥「そして二人は祭りの喧騒を、遠くに聞きながら見つめ合い、ゆっくりと……」

律子「ォィ!」

小鳥「ハッ! いつから私の背後に!」

律子「勤務中にネットに妄想SS垂れ流す……ずいぶんと暇なようですねえ」ゴゴゴゴゴゴ

小鳥「ああ……さらば私の青春……さらば若き日の幻影」ピヨォ

律子「ハァ……。そんなにお祭り行きたいんだったら、まず仕事終わらせてください!」

小鳥「」ドヨーン 

律子「ちゃんと終わったら、あらためて私やオフのみんなと一緒に行きましょう」

小鳥「!」

律子「明日、近くでお祭りあるみたいですし」

小鳥「デュフフ。みんなの浴衣姿……」ニヘラッ

律子「おいコラ」ドドドドドド



小鳥編 完

春香と千早編



春香「二人して浴衣で夏祭りだよ、夏祭り!」

千早「たまにはこういうのもいいわね」

春香「あ、ヨーヨー釣りやってるよ! あれやってみよう」

千早「……!」

春香「ん? どうしたの? 千早ちゃん」

千早「な、なんでもない……。水風船ね、春香がやりたいのならやりましょう」

千早「凄いわね春香。二つも取るなんて」

春香「あはは。実際とれたのは1つだけだったけどね。はい! 千早ちゃん!」

千早「え? いいの?」

春香「ちょうど赤と青のヨーヨーが取れたし、青は千早ちゃんの浴衣の色と同じだからね」

千早「ありがとう。春香」

春香「これでおそろいだね!」

春香「ねえ、千早ちゃん。ヨーヨーそんなふうに両手で抱えてなくてもいいよ」

千早「せっかく春香からもらったものだし、大事にしないと」

春香「えー? こうやって遊んだほうがいいよ!」バンバン

千早(……そう、そうよね。これはただの水風船。もう私は……)

春香「うわっ!」ドンガラガッシャーン!

千早「!」ドクン

春香「あいたた」サスサス

千早(やっぱり、まだ私……ダメなのかな?)

千早(せっかく春香とも縁日に来れるようになったのに。また、繰り返すのかな?)

春香「ごめんね千早ちゃん。えーっと、ヨーヨー、ヨーヨーは?」キョロキョロ

千早(優……)

春香「あったあった! 凄いよ千早ちゃん! ヨーヨー割れなかったよ!」

春香「ん? ええっ!? 千早ちゃん、泣いてるの?」

千早(そう、そうだった)

春香「だ、大丈夫? 私が転んだ時に何かぶつかった?」

千早(もう私は大丈夫)

春香「千早ちゃん?」

千早「もう大丈夫。大丈夫よ春香」

春香「本当に?」

千早「ええ」

千早(心に痛いものが消えずに残っていたとしても、もう私は大丈夫)



春香と千早編 完

響と貴音編



響「なぁ、貴音~。いつまで食べるつもりなんだ?」

貴音「せっかくのお祭りなのですから、すべてのお店を周りたいと思っています」

響「いや、その理屈はおかしいぞ……」

貴音「まだ、焼きそば2皿、チョコバナナ5本、お好み焼き1枚、焼きもろこし3本、たこ焼き24個、イカ焼き4本、かき氷一つ、じゃがバター2つしか食べてませんよ」

響「うん、いつもの貴音だよ。ちゃんと容器ゴミ持ち帰り用のビニール袋まで完備してるし……」

貴音「響、響」チョイチョイ

響「ん? どうした?」

貴音「キュウリです、キュウリの一本漬けがいっぱい売っております!」

響「へー、こういうのもあるんだな」

貴音「しかもなんと100円!」

響「もう自分止めないぞ……。好きに買ったらいいさ」

貴音「ご主人!」デデン

「ラッシャーセ」

貴音「10本いただけますでしょうか?」バッ

「ハイセーエンナリヤッス! アリアーシタ!」

響「なんだか凄いビジュアルになってるぞ、貴音」ユビノアイダニ1ポンズツハサンデル…

貴音「真、爽やかで美味しいキュウリです」パリポリパリパリポリパリポリ

響「……キュウリといえばさ、貴音」

貴音「はて? なにか?」モグモグ

響「こんな話知ってるか? それ、河童の好物らしいぞ」

貴音「……」ビクッ!

響「河童ってさー。相撲して負けると『しりこだま』取られちゃうんだぞ」

貴音「……」

響「そんなに一人で持ってると、襲われちゃうかもしれないなー」ハハ

貴音「……」ガクガク

響「へ?」

貴音「河童かっぱカッパ面妖河童麺用面妖」ブルブル

響「お、おい貴音? そんなに自分の浴衣の袖、強く握らなくても」グイグイ

貴音「キュウリは……離せません、でも妖怪は……妖怪だけは」

響「もう、ふざけて言っただけさー。だいたいこんな都会に河童なんて……」

?「キュキュイ」

貴音「!」

響「ん?」

貴音「響ぃ~!」ガバッ

響「うぎゃー、たっ、貴音。ぐるじい~」ジタバタ

貴音「声が声が! 窓に窓に!」ギュウーッ

響「ハム蔵! ハム蔵の鳴き声だー。ハム蔵が潰れちゃうぞー!」

公蔵「ジュイーッ!」

貴音「ハッ! だ、大丈夫ですか?」バッ

響「ふう。貴音がこんなに怖がりなんて、知らなかったぞ」

公蔵「ジュイジュイ」

貴音「……」シュン

響「うん、まぁ自分も変なこと言って悪かったぞ」

貴音「いえ、わたくしが怖がりすぎました……」

響「あ! そうだ。貴音ちょっとゴメンな」グーッ

貴音「?」

響「やっぱり背伸びしないと届かないなー」アタマナデナデ

貴音「なんと!」

響「こうすると落ち着くでしょ? 自分、よく、にぃにとかにやってもらったさー」ナデナデ

貴音「心地良いですね」

響「よし! じゃあ、いこっか! 貴音もまだ食べたりなさそうだし」

貴音「響、これを」サッ

響「ん? キュウリ1本くれるのか? ありがとう!」

貴音「ふふ、ではいきましょうか。あちらに『どねるけばぶ』なるものの看板が」

響「はいはい」

ソウイエバカッパッテ、ウチュウジンッテセツガアルンダゾ

ナント!




響と貴音編 完

やよいと伊織編




やよい「祭りも終わりだねー。伊織ちゃん」

伊織「そうね」

やよい「ちょっとさびしいかなーって」

伊織「そう言えば、やよいの家族のみんなは?」

やよい「みんな先に家に戻ったよ。浩三もぐずってたしね」

伊織「そう」

やよい「新堂さんは?」

伊織「近くで待ってるわ、大丈夫」

やよい「今日は私に付き合ってもらって、ありがとう。伊織ちゃん」

伊織「私も楽しかったわ。あまり、祭りとかに来たことなかったし」

やよい「えへへ、よかったぁ。うちも弟達に焼きそばとか買ってもらっちゃって」

伊織「気にしないでよ」

やよい「あ、ここだ! 伊織ちゃん、あれがここの神社の社だよ」

伊織「この辺りは静かなのね」

やよい「入口のほうは賑やかなんだけどね。ほら、ここが神様のいる所」

伊織「なんか、さみしそうね」

やよい「そうかなぁ? ここからなら、ほら! 下の入口の方でやってる賑やかなところがよくみえるよ!」

伊織「ほんとね。まるで神様が観客になってるみたい」

やよい「観客かぁ。私はちょっとちがうかなーって思ってるんだ」

伊織「そうなの?」

やよい「だって、お祭りって神様が主役なんだよ?」

やよい「みんな神様の前で、騒いで、喜んで、幸せなんですって神様に感謝するのがお祭りなんだ」

伊織「……」

やよい「これって、私達――アイドルみたいだなって」

伊織「お祭りは神様の……ライブみたいなものってこと?」

やよい「うん、みんなを幸せな気分にして、逆に元気ももらって……」

やよい「そして次のお祭りではもっとみんなを幸せにして」

やよい「そうやってお互いにどんどん励まし合う」

やよい「それってアイドルとファンのみんなとの関係みたいだなーって……」

やよい「でも、こんなこと神様の前で言うと怒られちゃうかもしれないね」

伊織「いいんじゃない? そのぐらいで怒るような神様じゃないわよ、きっと」

やよい「えへへ……。あっ!」フッ

伊織「……下のお祭りの照明。消えちゃったわね」

やよい「うっうー、暗いですー。やっぱり神様怒っちゃったのかな?」

伊織「そうでもないみたいよ。やよい」

やよい「え? うわわ」

伊織「神様の、これが、アンコールなのかもね……」



明かりが消えたかわりに、綺麗な星空が私達の上に広がっていた。

やよいと私は一曲歌い終わるぐらいの時間、星を見つめてから、手をつないで神社を後にした。

神様、また来年。

やよいと伊織編 完

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました

お祭り、いいですよね

真を取り合いつつ、すごく仲良くしてる美希と雪歩の話と、酔って亜美真美に甘えるあずささんの話は構想だけに終わりました。すまん

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