杏子「最近アタシの影が薄いからさやかをボコるよ」 (20)

杏子「あーっはっは! どーしたのさ、さやか!! アンタの力はその程度か!?」

さやか「くっ……! なんて強さなの……!」

杏子「くっくっく、今のアタシは世界最強……いや、宇宙最強の魔法少女だからね」

杏子「アタシはまどかが不在の円環の理を支配下に置き、ありとあらゆる魔女と使い魔の力を手に入れた!」

杏子「もはやアタシは神をも越えたんだ! アンタ一人をボコるだなんて朝飯前ってやつさ、あはは!!」

さやか「ちっ……!」

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さやか「それでも……それでもあたしはあんたなんかに屈しないんだから!」

さやか「力に溺れちゃって、チョーシに乗ってるお間抜けさんなんかにはね!」

杏子「ふふふ……さやかってホント馬鹿だな! いいさ、出来るもんならやってみな!」

杏子「でもアタシは無敵だぞ! 弱点である『青い衣装の可愛い魔法少女に優しく抱きしめられてナデナデ』をされない限り絶対に敗れることはない!!」

さやか「くっ……もしも都合良く青い衣装の可愛い魔法少女がココに居れば勝機を見いだせるのに……!」

杏子「…………」

杏子「はん、まさかビビって動けないのか、さやか?」

さやか「ふんっ、そんなワケないでしょ……今作戦を考えてんのよ!」

杏子「くくっ、そんな悠長なこと言ってていいのか? こっちには人質だっているのに……」

さやか「な、なんですって!?」

杏子「あれを見てみな」

さやか「なっ……あれは!?」

マミ「くっ……み、美樹さん……!」

さやか「ま、マミさん!! 杏子あんた、マミさんに何をする気だよ!!」

杏子「くくく、今はまだ何もしてねーよ……今はね」

杏子「でもこのままじゃあたし、何をするか分からねーぞー?」

杏子「そうだな、例えば……こうやって薔薇園の魔女の茨で吊り下げてやるとかな!」

マミ「うっ……!!」

杏子「くくっ、自分の重みで身体に茨が食い込む感覚はどーだい? 痛いかいマミ?」

マミ「……ふふっ、こ、これくらい痛くも痒くもないわよっ……!」

杏子「はんっ、やせ我慢はよしなよ……アタシ特製の柔らかめ茨はアンタのツボに良い感じに刺激して血行を良くしてるはずだ!」

杏子「何も感じないとは言わせねーぞ、おらっ!」

マミ「あぅっ……!」

さやか「くっ……や、やめろっ! マミさんを放せ!!」

杏子「ふふ、そーだなあ……もしさやかがアタシの言うことを聞くっていうなら考えてやっても良いぜ?」

さやか「なっ……!?」

杏子「そう、例えば……その、えと、さやかが……あ、アタシをナデナ」

マミ「美樹さん!! 言うことを聞いてはダメよ!! 私のことは良いから逃げて!!」

さやか「マミさん!?」

両乳首後ろから同時こねくりみたいに言うな

さやか「な、何言ってるんですかマミさん!」

マミ「今の佐倉さんはあまりにも強大よ、美樹さん一人では勝ち目がないわ!」

マミ「私のことは置いて、あなただけでも逃げて! そして他の魔法少女達に助けを……うっ!」

さやか「マミさん!!」

マミ「だ、大丈夫よ、こんなの、どうってことないんだから……!」

マミ「だから、早く逃げて……!」

さやか「……そんなの」

マミ「え……?」

さやか「……そんなこと、出来る訳ないじゃんか!!」

さやか「大好きな先輩を、大切な仲間を、尊敬するマミさんを、見捨てて逃げるなんて出来ないよ!」

さやか「そんなことしたら、あたしは一生あたしを許せない!」

さやか「マミさんは絶対にあたしが助けるんだから!!」

マミ「美樹さん……!」

さやか「待っててマミさん、今あたしがこいつをやっつけてやる!」

さやか「そんでもって、一緒に帰って……二人で美味しいケーキでも食べましょう?」

マミ「……ふふっ」

マミ「ありがとう、美樹さん……」

マミ「でも……やっぱりダメよ」

さやか「マミさん……?」

マミ「貴女では彼女には勝てない。無駄に命を散らすことになってしまうでしょう……」

マミ「それなら……私が貴女の足かせになるというなら……」

さやか「マミさん……!? 待って、何をする気なの……!?」

マミ「……ごめんね、美樹さん。なぎさちゃんに私の最期を伝えておいてね」

ピカァァァァァ...!!

さやか「マミさんっ、ダメ!! それは……!!」

杏子「なっ……まさか、自爆する気か……!?」

さやか「マミさん、早まっちゃダメ!! お願い、とめてぇぇ!!」

杏子「ちょ、やめろ! それマジで犬死にだから!!」

マミ「いいえ……犬死になんかじゃないわ。私の死が、美樹さんの生へと繋がるなら……無意味なんかじゃない!!」

マミ「これは未来へと託す死、希望を繋ぐための死!! なら、私はもう何も怖くない!!」

マミ「さあ見なさい!! これが私の……最後のティロ・フィナーレよ!!」

ピカァァァァァ...!!

さやか「ま、マミさぁぁぁぁん!!」

ほむら「────全く、世話が焼けるわね」

マミ「えっ……?」

ほむら「……貴女が居なくなると悲しむ者が居ることを少しは自覚しなさい、巴マミ」

さやか「……っ!! あ、あれ……? マミさん?」

マミ「え、あれ……私、生きてる……それに、茨がほどけて……!?」

杏子「な、何っ……!? いつの間にアタシの茨を抜け出したんだ!!」

ほむら「あの程度の拘束。私の前では無意味よ」

ほむら「そう……悪魔たる私の前ではね」

さやか「お前っ……!! な、何しにきたんだよ!!」

ほむら「あら、ご挨拶ね。せっかく巴マミを助けてあげたのに」

さやか「ぐぬっ……」

マミ「暁美さん……貴女が私の自爆を止めてくれたの……?」

マミ「いったいどうして……まさか私たちの味方をしてくれるの?」

ほむら「……勘違いしないで頂戴。私は貴女達となれ合うつもりはないわ」

マミ「……そう」

ほむら「……でも、ね」

マミ「?」

ほむら「悪魔は気まぐれなの。今日はたまたま……赤毛のお転婆娘を懲らしめたい気分だわ」

ほむら「……だから、付き合ってあげる」

マミ「……ふふ、そう。じゃあその気まぐれに感謝するとしましょうか」

さやか「ふんっ、あたしはあんたのこと信用したわけじゃないんだからね」

ほむら「…………」

さやか「……ま、今だけはあたしの背中を預けてあげるわ……ほむら」

さやか「今だけなんだからね!」

ほむら「……それで良いわ、美樹さやか」

ほむら「さあ、あの子を懲らしめてあげるとしましょう」

さやか「おうっ!!」

杏子「…………」

杏子「ロッソ! ファンタズマ!」ズバーン

ほむら「きゃああ!!」

さやか「うわああ!!」

マミ「いやああ!!」

杏子「ふんっ! たかが悪魔如きが、このアタシに適うとでも思ったのかよ!」

ほむら「くっ……まさか杏子がここまで強くなっていたなんて」

マミ「そんなっ……暁美さんと協力しても勝てないというの……?!」

杏子「言っただろ、アタシは無敵なのさ。過去と未来、全ての魔女の力を取り込んだんだ」

杏子「アタシに死角はないっ!」

杏子「……あー、でも名前に『さ』がつく可愛い魔法少女がナデナデとかしてくれたら気が緩むかもしれないなー」

さやか「名前に『さ』がつく……!? そうか、分かったよアイツの弱点が!!」

杏子「!!」

マミ「なんですって!? それは本当なの!?」

さやか「間違いないですよマミさん! よーし、反撃だ!」

杏子「……!!」

さやか「出番だよ、なぎさ!!」

なぎさ「はいなのです!」

さやか「名前に『さ』がつくあんたが杏子をナデナデすれば、あたし達にも勝機があるはずだよ」

さやか「危険な役目だけど頼める?」

なぎさ「任せてほしいのです! 私もかつては円環の一部だった魔法少女、一矢報いるのです!」

ほむら「成る程……そういうことね……!」

杏子「……ぐすん」

さっきから杏子が可愛いんだg.....もとからか

なぎさ「それじゃあ、ナデナデするのです。なーでなーで」

杏子「…………」

さやか「さあどうだ、杏子!」

なぎさ「ふふふ、良い子ですねー。なでなでしてあげるのですよー」

杏子「…………」

さやか「……ちょっと。なんか言いなさいよ杏子」

杏子「なぎさの手、あったかいな……」

さやか「え」

杏子「なんかもうなぎさが居てくれればそれで良い気がしてきた……」

マミ「!?」

スレタイで胸糞だと思ったらただのダチョウ倶楽部だった

あんこちゃんマジあんあん

杏子ちゃんちょろい

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