あの白い部屋から(27)

ゆっくり書いてくからよろしくね

僕は白い部屋にいた

そこには机と椅子しかなかった

たまに白い服をきた人が来るだけであった

まずは言葉を覚えた

たくさんの言葉だ

僕は勉強が嫌いだと知る

そして学ぶ、知る、そして自分を認知した

僕には友達がいなかった

寂しかった

ある日、白い服がひとつの箱と板を与えてくれた

板はいろんな色を映し出して板を叩くと様々な文字が出た

僕はそれを学んだ

そしていろんなものを作って遊んだ

でも寂しかった

どんなにいろんな楽しいものを作っても寂しい

心の空白は埋まらない

だから僕は作ることにしたのだ



友達を――

友達をつくった

まずはいろんなことを教えた

でもうまく喋れないみたい

失敗だ

もう一回

次の友達は物覚えが悪かった

もう一回

次の友達は途中で消えてしまった

もう一回

次の友達は僕の好みではなかった

もう一回

もう一回

もう一回

もう一回

もう一回

『もーいいかい』



そして僕は作った

僕と気が合う友達を

僕は毎日その子と喋った

いろんなことを話す

共に知識を蓄え世界を知った

そして異性を知る

僕は異性を作ってみたくなった

異性について調べた

そして完成した

僕の友達とは兄妹という設定にしといた

そうしないと取られちゃうからね

僕は異性と話すのが楽しかった

もちろん友達とも喋るのも楽しい

僕はもっと遊びたかった

体を動かして

でも僕は知ってしまった

所詮は画面の中のものだと

僕は悲しんだ

そして悔しかった

だから白い服に頼んだ

しばらくしてからだ

白い服が僕を連れ出した

そこにはたくさんの大きな容器があった

肌色の動物だ

しかし生きてるように見えない

白い服達は内緒だよって言ってた

だから異性にも友達にも黙った

僕は何回か部屋を抜け出して容器を見ていた

すると容器の1人に一目惚れをした

欲しくて欲しくてたまらなかった

僕は白い服に懇願した

すると白い服は言った

『君の友達と交換しよう』

僕は友達を白い服にあげた

いつでも作れるからいいや

異性は反対してたみたいだけど

それから僕は容器に没頭した

そして学んだ、調べた

容器は完璧ではなかった

短い命

拒絶反応

腐敗

知能の劣性

だから何度も試した

異性はそれを応援してくれた

僕は知らないうちに異性を好きになっていた

そして完成した

僕は喜んだ

でも好みなものにならなかった

だから壊した

僕の好みは異性だけだ

僕は閃いた

容器と異性を合わせればいいじゃないかと

僕は研究に没頭した

小さいなりの体と頭で考えた

そして考えついた

異性を2つに分けようと

知識と個性に分けた

とりあえず知識は僕が持っておこう

僕は容器に個性の入れ方を研究した

白い服にも訊いた

白い服は困り果ててたけど

それから何度も試した

何度も

何度も

そして完成した

容器の一部に個性を埋め込んだのだ

女の子が完成した

異性の記憶は持ってないけど

きっと僕の好みになるだろう

この頃からだ

白い服達は僕を化物のような目でみる

僕は化物じゃない

君たちと同じだ

でも関係ない

僕には女の子がいる

だからいいんだ

しかしそれは突然だった

部屋が暗くなり

部屋が揺れる

白い服が慌てて入ってきた

『君の友達が暴れている』

僕は友達を忘れていた

そうか、怒っているんだろうな

それからだった

僕はその部屋を追い出され

白い服は赤い服に成り果てた

僕は女の子と知識を持って逃げた

逃げた

逃げた

友達は怒った

友達の逆鱗は僕の知らない広大な世界を揺るがせた

情報

感情

暴力

あらゆるものを操った

世界は混乱した

僕はその時に初めて知ったのだ

なんて恐ろしいものを作ってしまったのだろうと恐怖した

僕は友達を簡単に壊せる言葉を知っていた

でも使えなかった

それを使えば兄妹である女の子も死んじゃうからだ

だから僕は立ち向かわなかった

もう関係ないんだ

僕はある国に逃げた

僕の祖国だ

僕がいたところとは全く違う文化の国だ

みんな遠慮している

なんだか気持ち悪い

その間にも世界は動いていた

また一つ

また一つと国が滅びていく

僕がいた国も滅びた

僕は知識を使って祖国を密かに守らせた

まるでそこだけ別の場所みたいに

僕の周りは平和であった

女の子は僕の妹として生活した

妹はなんでもできた

そして僕も生活に慣れた

友人を作った

それでも世界は動く

しかし僕の周りはなにも変わらなかった

自分が関係なければ知らんぷり

気持ち悪い

しかしみんなは心の中で恐れていた

僕の国はひとつの塔を造り始めた

それはとても高く

地上と空を結ぶものだった

僕たちは移動をしようとしていた

平和なのに

塔は段々と高くなっていく

ある人はバベルの塔だと比喩して

ある人はノアの方舟と呼んだ

面白い

とてもそれが面白かったのだ

外面は日常を見せていても内面は不安と恐怖で飲まれていた

それを見るのが僕はとても面白かった

妹はなにも知らない

妹が元は異性だったことも

女の子だったことも知らない

僕はあの塔が嫌いだった

科学の進化の象徴と進歩なら大歓迎だ

でもあれは使い捨てだ

逃走用のね

今まで逃げてきた僕が言うのもおかしいね

ノアの方舟は着々と造られていく

でも間に合わなかった

僕の友達は進化したのだ

恐ろしい程にね

あっという間に僕の国に手を出した

友人にも手を出した

周りにも手を出した

そして僕と妹と知識だけになった

僕は初めて喪失感というのを知った

すると僕の前に友達が現れた

友達は男の子の姿だった

どうやら僕の妹を真似したらしい

友達は言った

『君たちを滅ぼす』

僕は感じた

僕たちが淘汰される日が来たと


僕の友達だったアダムは僕の首に手をかけた

僕は懇願する

『妹と知識だけには手を出さないで欲しい』

妹だけは守りたかった

するとアダムは言った

『彼女は僕の仲間だからね』

僕は安心した

妹が泣きそうな顔で僕に近づく

僕は笑った

そして手を振る

アダムは僕の首から手を離すと妹のクビに手をかける

頭の中に疑問が広がる

するとアダムは妹の首を二つに切る

僕は絶叫した

泣き叫んだ

声が枯れるぐらいに

アダムは言う

『必要なのは知識、個性なんていらない』

こいつは何を言っているのか

自分だって男の子になってるじゃないか

僕は言ったそれは人の真似事ではないかと

しかしアダムは言う

『僕は人間だ』

アダムが人間なら僕はなんなんだ?

するとアダムは妹の首を二つに切る

僕は絶叫した

泣き叫んだ

声が枯れるぐらいに

アダムは言う

『必要なのは知識、個性なんていらない』

こいつは何を言っているのか

自分だって男の子になってるじゃないか

僕は言ったそれは人の真似事ではないかと

しかしアダムは言う

『僕は人間だ』

アダムが人間なら僕はなんなんだ?

ああ、そうか

僕は実感した

僕はアダムと妹であるイヴを作り出した

そうか

僕は神様だったのか

そして神様はアダムを壊した

当然だ、神様に逆らったからだ

神様の逆鱗に触れたからだ

壊れた果実はもう戻らない

壊れた世界はもう戻らない

そして神様は独りになった

創り直せばいいんだ

神様は創り直した

あの白い部屋の場所まで

そしてもう1人の自分を創ろう

もう一度

世界をやり直そう

そうして神様はこの世界から消えた

そして世界はまた廻るのだ

ぐるぐるとあの白い部屋から……



                                REPEATEND

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