幼馴染「夜食をつくります」 (107)

『タカノフーズ 絹美人』

男「家に帰れよ」

幼馴染「今日は、帰りたくないの……」チラッチラッ

男「昨日も泊まってただろ」

妹「ほぼ毎日泊まりにきてるよね」

男「いい加減に厚かましいぞ」

幼馴染「だからこうやって気を使って、夜食をつくろうとね」

男「そこは帰れよ」

幼馴染「嫌ですぅ」

妹「まぁまぁ、本人もこう言ってることですし、今日のところは多めに見てやってあげたらどうでしょう」

男「お前は一体、誰の味方なんだ」

妹「愚問ですなぁ、私は私の味方です」



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男「それで、何作るんだ」

幼馴染「夜食だからね、軽めにお豆腐だよ」

男「はい、お疲れ様でした」

幼馴染「ナンデ!? トウフナンデ!?」

男「いかにも美容に気を使いました的なチョイスが気に入らない」

妹「普通は気を使うんだよ。お兄ちゃんはまったく気にしないけど」

男「わかったよ、それで豆腐をどうするんだ」

幼馴染「妹ちゃんの言うことは聞くのねー」

男「豆腐を、どう、するんだ」

妹「あ、ちょっと怒ってる」

幼馴染「え、えーっとね。お豆腐をね、3個パックになってるから、
    1個ずつに分けて、深めのお皿に入れて電子レンジで温めるの」

妹「ティン!」

男「それから?」

幼馴染「温めている間に、小粒納豆をかき混ぜておきます」

妹「大豆責めだ!」

幼馴染「お豆腐が温まったら、上から納豆をかけておしまい」

妹「おぉ、お手軽」

幼馴染「お酒の晩酌にも最適です」

男「誰に言ってるんだよ」

幼馴染「全国のお父さんに」

妹「今度、お父さんが帰ってきたら作ってあげようね」

男「お嬢様の癖に、庶民っぽい物だな」

幼馴染「こういうのは家庭的って言うのよ」

妹「お兄ちゃん、言葉選び一つで包丁が飛ぶこともあるんだよ」

男「怖いこと言うなよ」

幼馴染「さぁさぁ、冷めるために頂きます」

男「頂きます」

妹「いただきまーす」

幼馴染「お豆腐熱いから気をつけてね」ハフハフ

男「湯豆腐みたいな感じだな」ハフハフ

妹「おいしーねー!」ハフハフ

男「どんなものかと思ったけど、温かい豆腐に納豆が意外と合うな」ホフホフ

幼馴染「でしょー」ホフホフ

男「なめらかな豆腐の舌触りに、ぬるりと絡みつく納豆の粘り気が後を引く旨さだ」

妹「納豆についてる辛子も、いいアクセントになってお豆腐の素朴さを際立たせてくれるね」

男「ああ、納豆の臭みが駄目な人は食べられないかもしれないが、好きな人にはたまらない」

妹「豆腐と納豆って、相性がいいいんだね。大豆同士だからかなぁ」

男「納豆のタレの味が豆腐の風味に馴染んで、大豆の相乗効果で豆腐の実力を底上げをさせている」

妹「これだけの満足感で、ロー・カロ・リー!」

幼馴染「女子のための夜食!」

男「おっさん臭いメニューだとと思うけどなぁ」

妹「女子食!」

幼馴染「ヘルシーメニュー!」

男「いや、酒のつまみのような感じが」

妹「飛ぶよ」

幼馴染「飛ばすよ」

男「謝るから、怖いこと言うなよ」

『セブンイレブン 直火炒め香味炒飯』

幼馴染「おはようございます」

妹「おはよー」

男「結局、話を有耶無耶にして泊まっていったな」

幼馴染「話をごまかすのなんて朝飯前ですよ」

妹「ちょっと上手いこと言った!」

男「はいはい、朝ごはんだよ」

幼馴染「わーい」

妹「はーい」

男「セブンイレブンのチャーハンだ」

妹「前にも食べなかったっけ」

男「あれは五目チャーハン。これは香味チャーハン」

妹「具が違うんだね」

幼馴染「200円しないんだ、安いね」

男「これを深めの皿に入れてラップして電子レンジで解凍」

妹「ティン!」

男「その間にお湯を沸かす」

幼馴染「まーかせてっ」

男「しれっと、自分の家のように振舞うなぁ」

妹「まぁまぁ、気にしない気にしない」

男「昨日からコイツに何か甘くないか?」

妹「キノセイダヨー」

幼馴染「チャーハンが温まりました」

男「お湯も沸いてるので、これを作ります」

妹「スープだー」

男「クノール、ふかひれ中華スープだ」

幼馴染「中華で合わせてるんだね!」

男「器に入れて、お湯を入れて」

妹「はいはい」

男「これをチャーハンにどーん!」

妹「あーっ!?」

幼馴染「ああぁ!?」

男「スープチャーハン的な何かの完成」

妹「お、おぅ」

幼馴染「これは……アリなのかな」

男「いいから食ってみろ」

妹「いただきまーす」

幼馴染「いただきます」

男「頂きます」

妹「おおぅ、これは意外な組み合わせ!」フーフー

幼馴染「チープな感じだけど、確かにスープチャーハン!」フーフー

男「インスタントスープなのに、とろっとした感じがあんかけっぽくもある」フーフー

妹「深炒りの香ばしい卵と、スープのとろりした食感の卵の組み合わせが朝から食欲を刺激しますな!」

幼馴染「雑炊みたいな感じで食べやすいね」

男「中華茶漬けと言ってもいいかもしれない」

妹「チャーハンのしっかりした味付けを包み込むスープが、お互いの味付けを壊さないで引き立てあってるね」ハフハフ

幼馴染「うーん、不思議。何でこんなにパラパラのチャーハンとインスタントスープが両立してるんだろう」ハフハフ

妹「シンプルな味付けの香味チャーハンは、きっとこれだけでも美味しいんだけど、このスープが加わるだけで味の深みが増すね」

男「冷凍食品とインスタントスープという、お手軽な食品の組み合わせがこれだけの味を生み出すんだ」

男「セブンイレブンさんの努力の賜物だな。冷凍食品にありがちなベタっとした粘り気が全くない」

幼馴染「下手な中華料理屋で食べるチャーハンよりも美味しいかも」

妹「一つ一つ、しっかりとしたお米の粒がさらさらと流れ込んできちゃうよ」

幼馴染「スープのほうれん草もチャーハンに合ってるし、全体的に違和感が無いね」

男「チャーハンにも関わらず油っぽく無いのも良い。食べやすく胃に重くなく食べ応えがある」

妹「はふぅ……美味しかった」

幼馴染「ご馳走様でした」

男「そしてデザートだ」

妹「セブンイレブンの”とろける口どけ杏仁豆腐(154円)”だぁ!」

幼馴染「はぁ、熱いスープとチャーハンを食べた後の口内に、冷たい杏仁豆腐が染み込むよ」

男「舌の上でとろける食感、流れ出す甘み、杏仁豆腐の風味が口に僅かに残った油を洗い流す」

妹「ほろりと蕩ける儚い食感なのに、しっかりと甘みを感じさせてくれるね」

幼馴染「中華のデザートと言えば、杏仁豆腐だよねぇ」

妹「美味しかった」

男「お粗末さまでした」

妹「じゃあ、元気に登校しましょー」

幼馴染「おー」

男「もう帰ってくるなよ」

妹「そんな刑期を終えた囚人みたいな扱いしなくても」

男「同級生にでも見られたらどうするんだ」

幼馴染「見せてるのよ」

男「おまっ……」

妹「いってきまーす!」

幼馴染「いってきまーす!」

男「勘弁してください……]

『日清カップヌードル カレー味』

男「昼飯だー」

幼馴染「きたよー」

男友「はいきたー」

男「お湯入れてくる」

男友「またカップ麺か」

幼馴染「飽きないねぇ」

男友「弁当を作ってやったりしないの?」

幼馴染「残されたら、ショックだし」

男友「いやぁ、流石に女の子に作ってもらったものを残したりしないでしょ」

幼馴染「”この弁当は出来損ないだ、食べられないよ”くらいは平気で言ってのける人ですよ」

男「どこの究極の美食家だ」

男友「確かに言いそうだけどな」

男「よっぽど変なものを作らない限り、ちゃんと食べるぞ」

男友「まぁ、いつもジャンクな飯だからな」

男「男のソウルフードだ」

幼馴染「野菜も食べなね」

男「気が向いたらな」

男友「食べる気が毛頭ないな、これは」

男「そんなことより昼飯だ」

男友「今日は何カレーなんだ」

男「日清カップヌードル カレー味」

幼馴染「前にも食べてたよね」

男「良いものは何回食べても良い」

男友「まぁ、好きなだけ食えよ」

男「はい」

幼馴染「はい」

男「この蓋をはがしきった瞬間に広がるスパイスの香りは、何回体験しても堪らないな」

男友「毎回、被害がでかいんだよ。教室中がカレー臭くなる」

男「実際の食べるカレーとも違う、カレーヌードル独特の香りと風味だな」ズズズ

幼馴染「あとで一口をば」

男「却下」

幼馴染「けちぃ」

男「何とでも言うがいい。今日ばかりはお前に食わせる飯は無い」

男友「いつになく厳しいな」

男「最近、妹が甘やかしてるからな。バランス取らないと」

幼馴染「そんなん、いいのに」

男「とろっとしたスープに、平打ちの麺がよく絡む」ズズズ

男友「妙に粘性が高いよな」

男「だが、それがいい。具のジャガイモとにんじん、肉が調和とってスープの味を引き立てているんだ」

幼馴染「うー。カレーの匂いって卑怯だなぁ」

男「あぁ、この、もう。微妙に和風な風味のカレー味が、何度食べても飽きない! 旨い!」

男友「そういえば、今日は何も入れないんだな」

男「お楽しみは、これからだ」

幼馴染「一口もらえる?」

男「意地汚い奴め」

幼馴染「何とでも言うが良い。それでも私は一口もらう」

男友「男らしいのに浅ましい」

男「麺を食べて、スープだけが残ったらこれを取り出します」

男友「お菓子?」

幼馴染「じゃがりこだー」

男「そう、チーズ味だ」

男友「まさか、何も入れなかったのは……」

男「こいつの為さ。スープに浸るようにじゃがりこを突っ込んで、3分くらい待つ」

幼馴染「おぉ、二度美味しい感じ」

男「程よくスープを吸ったら、よく混ぜて頂きます!」

男友「それは、旨いのか?」

男「カレーマッシュポテト(チーズ入り)」

男友「旨そうだ」

幼馴染「ひっとくちっ! ひっとくちっ!」

男「しつこいな、一口だけだぞ」

幼馴染「ひゃほーい!」

男友「なんだかんだ言って、ちゃんと分けるんだな」

幼馴染「うーん、ホクホクのマッシュポテト風なのに口いっぱいに広がるカレーの味」

男「そして、ほのかに漂うチーズのマイルドな甘みが、どこまでも満足感を促進させてくれる」

幼馴染「これは普通におかずにしたいですなぁ」

男「ちょっとだけ残った、カリっとしている部分がアクセントになって、食べていて飽きない」

男友「すげぇジャンクなのに、食べたくなるな」

男「ようやく、お前にもソウルフードの意味がわかったか」

男友「いや、そこまでは分からない」

幼馴染「ところで、さっきの話しって本当?」

男「さっきのって何だ?」

幼馴染「お弁当、作るよ?」

男「ああ、そうだな。作ってもいいから、家に帰れ」

幼馴染「えぇー、あー。うーん」

男友「どういうこと?」

幼馴染「今ね、同棲してr

男「家に寄生されてるんだ」

男友「食中毒起こして散々苦しんだ後で爆発して[ピーーー]」

あぁ、伏字になっちゃった。おやすみなさい

『松屋 牛めし』

男「はい、晩御飯です」

妹「わーい」

幼馴染「はーい」

男「お前は、何でいるんだ」

幼馴染「そりゃあ、いるでしょう」

男「我が物顔で、何様だよ」

妹「お嬢様だね」

幼馴染「お嬢じゃねえし」

男「弁当はどうした」

幼馴染「え、欲しいの? ほちいの?」

男「いらねぇよ、帰れ」

妹「冷たいねぇ」

幼馴染「ちゃんとお弁当作るよ。ほら、お弁当箱と材料も買ってきたし」

男「家で作れよ」

幼馴染「ここが、私の、帰る家です」

男「良い台詞っぽい口調だけど、違うからな」

幼馴染「ちぇーっ」

妹「それでお兄ちゃん、今日の晩御飯は?」

男「松屋の牛めし」

妹「ちゃんと3人分買ってあるあたり、素直じゃないよね」

男「え? なんだって?」

妹「オー、ジャパニーズサムラゴーチ」

男「晩飯を食べたければ黙ってろ」

妹「イエス、マイブラザー」

幼馴染「牛丼ね。前に食べたよね」

男「お前は何も知らない、これは牛めしだ」

幼馴染「何か違うの?」

男「天と地ほどの差がある」

妹「せいぜい、床と天井くらいの差だと思うよ」

男「それでも3mはあるだろう」

妹「味の差が分かり辛いね」

幼馴染「まぁ、いいや。頂きます」

男「まて、これを入れるんだ」

幼馴染「牛丼には何も入れないんじゃなかったっけ?」

男「言ったろ、これは牛めしだ」

幼馴染「あぁ、違うんだ」

男「それに、松屋の牛めしは吉野家の牛丼と違って完成された味ではない。
  商品開発上、季節メニューで上にトッピングを乗っけたりする関係から、
  組み合わせた時に違和感が少なくなるように、元々の味に隙があるんだ」

幼馴染「はぁ、そうですか」

男「つまり、組み合わせ易いんだよ、松屋の牛めしは」

妹「それで、何を入れるの?」

男「天かすだ」

幼馴染「それはまた、なんと言う」

妹「冒涜的な組み合わせ」

男「想像しただけでも胃にクるだろう」

幼馴染「胃が重くなりそう」

妹「でも諦めたら駄目だよ」

幼馴染「そうだった」

男「パラパラと乗せて、頂きます」

妹「いただきまーす」

幼馴染「いただきます」

男「薄切りの牛肉に染み込んだ醤油ベースのタレの香りが、胃袋を刺激してやまない」

幼馴染「安っぽいけど、クセになる匂いだよね」

妹「ほろほろに溶けるような牛肉じゃなくて、噛むと押し返してくる弾力のある肉だね」ハフハフ

男「食べ応えのある牛肉らしい牛肉だ」ハフハフ

幼馴染「でも、ちゃんと噛み切れる柔らかさで、絶妙の食感だね」ハフハフ

男「そして、その牛肉と混ぜ合わさった天かす。言ってみればただの油の固まりだが、
  このカリカリの歯ごたえが、新しい味わいを生み出す」

妹「油っぽいんだけど、その油が牛肉と見事な調和を果たしてくれるよ」

幼馴染「あぁ、絶対あとで胃にもたれるのに、分かってるのに、暴力的な肉の圧力が食べることを止めさせない」

男「ぎゅっと染み出す肉の旨みと、天かすの油が同時に口の中を蹂躙するんだ」

妹「いっそ清清しいほどのパワフルさだね」

幼馴染「これが、成長の秘密!」

男「そして、タレの染み込んだ白米。米とタレのハーモニー!」

妹「奥深いタレの味が、お米の甘みで更に奥深く。味わい深く!」

幼馴染「タレのコーティングで口に入れた瞬間と、その一瞬後で大きく違う印象を舌に与えるね」

男「名脇役の玉ねぎも忘れちゃいけない。この玉ねぎ独特の甘みが、べっとりした舌の記憶をリセットしてくれる」

妹「たまねぎ!」

幼馴染「煮込みすぎていない、ちょっとだけショリショリした歯ごたえも新鮮」

男「これらを一気に口に掻きこんで、十分にもぐもぐしてから飲み込むとき、比類なき満足感を得られる」

妹「お茶の飲む人ー」

男「はい」

幼馴染「はい」

妹「麦茶ねー」

男「最後にお茶で口の中をさっぱりさせると、胃袋にしっかりと感じる牛めしの感覚が一層際立つ」

幼馴染「調子に乗って食べ過ぎたかも」

妹「ぷはーっ。お茶うめー!」

男「ご馳走様でした」

妹「ごちそうさまー」

幼馴染「ごちそうさまでした」

男「さっきから、意味の分からないこと言ってたけど、何なんだ?」

妹「えっ」

幼馴染「それは、その」

男「諦めたらどうとか、成長が何とか。言ってたろ」

妹「え、うーん、それは」

男「それは?」

幼馴染「や、夜食の後で話すよ、うん」

妹「そうそう、後でね」

男「そうか」

幼馴染「そうそう。絶対話すし」

男「今日も帰らないのか」

おやすみなさい。

『赤城乳業 ガリガリ君コーラ味』

妹「夜食をつくりまーす」

男「甘いものか」

妹「イエスッ! ずっと私のターン!」

幼馴染「何か冷たいものがいいなぁ」

妹「どぅわーいじょうぶ! まぁかせて!」

男「夜中なのにテンション高いな」

妹「暑いからね!」

幼馴染「暑いねぇ」

妹「そんな熱帯夜にお勧めなのが、このガリガリ君さ!」

男「どこの通販番組だよ」

幼馴染「ガリガリ君って食べたことない」

男「食え、うまいから」

幼馴染「はい」

妹「おっと、ちょっと待つんだジェシー」

男「誰がジェシーだ」

妹「よぉし、袋に入ったままのガリガリ君から、棒だけ抜いてごらん」

幼馴染「硬くて無理です!」

妹「少しだけ溶けるのを待つと、効果的だぞぉ」

男「その喋り方、聞いてるだけでイライラしてくるな」

幼馴染「あっ。抜けた」スポッ

男「外れだな」

妹「それをちょっと貸してごらん」

幼馴染「はい」

妹「棒を抜いたガリガリ君を、憎しみこめて袋の上から殴る! これが最高のエクササイズになるのさ!」

男「殴ったガリガリ君の使い方次第では、本気で怒るからな」

妹「ひぃっ、すいません」

幼馴染「おこなの?」

男「黙ってガリガリ君食ってろ」

幼馴染「はい」




妹「ちゃんと、砕いたガリガリ君使うから、怒らないでね?」

男「無駄に砕いてないなら、怒らない」

妹「本当だよ、約束だからね」

幼馴染「そんなに怒ると怖いの?」

妹「ご飯抜きになるんですん」

幼馴染「あー」

男「それで、ガリガリ君をどうするんだ」

妹「えーっと、ね。それで、マグカップに入れて、さらに麺棒みたいので砕きます」

幼馴染「ちょっと溶けて、ショリショリになっちゃったね」

妹「そこに上からコーラを注いで、コーラフローズン的なナニカの完成ですん」

男「意外と、ちゃんとしたものが出来たな」

妹「うへへ」

幼馴染「んー! キーンとくる冷たさ!」ショリショリ

男「コーラの炭酸があると、涼感を増して感じられるな」ショリショリ

妹「氷がガリガリ君だから、溶けても味が薄くならないんですよ、旦那」

男「うん、旨い。変なテンションでガリガリ君を無駄に殴ってるだけかと思ったぞ」

妹「私を誰だと思ってるのさ」

男「誰だよ」

幼馴染「誰なの?」

妹「お兄ちゃんの、妹だよ」

男「ちょっと、なんて反応していいか分からないです」

妹「ちぇー」

男「そういえば、夜食の後で話するって言ってたな。何なんだ、あれは」

妹「あー、あれね」チラッ

幼馴染「うん、えっとね。そのね」

男「結婚ならしないぞ」

幼馴染「そういうのじゃなくてね、そういうのでもあるんだけど」

男「はっきりしないな」

幼馴染「あのさ……妹ちゃんと比べて、私に厳しくないかな」

男「そうか? 妥当な対応だろ」

幼馴染「そんなことないよ! 絶対に私にだけ厳しいもん!」

男「まぁ、厳しいとして、それがどうした」

幼馴染「なんでかなーって」

男「特に理由はないだろ。自然の対応だ」

幼馴染「本当は、あるよね……私、しってるよ」

男「何をだよ」

幼馴染「厳しいのは、私の……いから」

男「え? 何だって?」

幼馴染「厳しいのは私の胸が小さいから! 妹ちゃんの方がおっぱい大きいからやさしいんでしょ!」

妹「イエスッ、セクシャルハラスメント!」

男「んなわけあるか!」

幼馴染「いいんです、男の子なんてそんなもんです。私、分かってます」

男「何も分かってない」

幼馴染「だから、妹ちゃんと同じ食生活をして、胸に栄養を送るんです」

男「こいつは、全体的にでかいだけだろ」

妹「えー、そんなことないよー」

男「「おい二等兵、いま身長いくつだ」

妹「サー! 身体測定では、173.cmでした。サー!」

男「十分でかい」

幼馴染「じゃあ身長も伸ばす!」

男「背がでかいのはうちの家系の遺伝だ。無理すんな」

幼馴染「うぅ……だってぇ……胸がぁ……豊満なおっぱいがぁ……」

妹「あんまりあっても邪魔だよ」

幼馴染「じゃあ半分ちょうだいよぉ……」メソメソ

男「その身長で胸だけでかかったら、不気味だろ」

妹「いやいや、お兄ちゃん。世界にはロリ巨乳という魔物がですね」

男「俺はその世界に生きてない」

幼馴染「進化の秘法さえあれば……」

男「あと何回、変身を残してるんだ」

妹「女の子が自分をよりよく見せたいのは本能なんだよ」

幼馴染「そう、女心よ。女心」

男「はいはい、オンナゴコロ。オンナゴコロ」

妹「また馬鹿にしてぇ」

男「だいたい」

幼馴染「ん?」

男「お前は顔が良いんだから、胸くらい我慢しとけよ」

幼馴染「……」

妹「……」

幼馴染「……はいっ」ニヘラ

妹「あれ、何だろう、この気持ち。これが殺意?」

男「まて、ダークサイドに堕ちるな」

幼馴染「そうだよ、生きてれば人生良いことあるよ」

妹「うるさいウォール教信者」

幼馴染「なっ!」

ガリガリ君当たった。おやすみなさい。

不健康な俺の為に野菜を使ったレシピを教えてくれ

おーー
かわいいなぁ
ところで>>1の前作、妹「夜食を作りまーす」から見てるんだけど、他にもさくひんあれば教えてください

『いなば食品 ツナとタイカレー レッド』

妹「はいはい、朝ごはんだよー」

男「また甘いのか」

妹「へへへ、もう甘いものは十分でさぁ」

男「おっ、成長したな。甘いのは卒業か」

妹「昨日ので、甘ったるくてやってられないんよ」

男「そすか」

幼馴染「えー、そんなに甘かったー? 甘甘だった? やっだなー」

妹「胸がエグれればいいのに」

幼馴染「今の言葉で精神的にエグられたよ」

妹「えー、Lサイズのトマトを取り出しまして、上の方で横に切ります」

幼馴染「無視された」

妹「スプーンやら何やらで、中身を取り出して、トマトの器を作ります」

男「ちゃんとした料理っぽい」

妹「フライパンにオリーブオイルを入れて、トマトの中身をドシャーっと」

幼馴染「イタリアンかな」

妹「水分が飛んだら、このカレーの缶詰を入れます。ドシャー」

幼馴染「カレーの缶詰なんてあるんだ」

男「結構、旨いぞ。本場っぽい味がする」

妹「これも適当に水分が飛ぶまで火を通して、トマトの器に入れます」

男「そんなグラタン食ったことがある」

妹「最後にとろけるチーズでふたをして、オーブンかトースターで10分くらい火を通します」

幼馴染「おー、ちょっとオシャレだ」

妹「チーズに焦げ目がついたら出来上がり」

男「旨そうだな」

妹「召し上がれ」

男「頂きます」

幼馴染「いただきます」

妹「いただきまーす」

男「おぉっ、焦げ目の付いたチーズをカリッと破ると、中から温められたスパイシーなカレーの匂いが」

幼馴染「ココナツミルクが入ってるのかな、マイルドな匂いがチーズと合わさって香り立つね」

妹「トマトの酸味と、ココナツミルクの甘み、カレーの辛味が渾然一体となって、一つのカレーとして寝起きの胃袋に攻め込んでくるんだよ」

男「あぁ、トマトとカレーの相性が悪いはずがない。さらに、トマトで煮込まれたチキンが憎い!」ハフハフ

幼馴染「トマトが主役の筈なのに、いつのまにかカレーを引き立てる具になっているね!」ハフハフ

妹「日本のカレーにはない、刺激的な辛味! 嗅覚から注ぎ込まれる目覚めの一撃! 体に染み渡るチーズとトマト!」

男「これは目が覚める! 最後にふわっと香るココナツミルクがたまらない!」

妹「トマト丸ごと一個だから、体にも良いよ、きっと」

幼馴染「はぁ、食べるほどにお腹がすいちゃう、不思議!」

男「すげぇ、旨い」



幼馴染「こんなに味がバラバラなのに、ここまで調和の取れた組み合わせになるなんて」

男「何だこれ、何でこんなに味がまとまるんだ」

妹「もう、はち切れんばかりの個性を詰め込んだ一品ですよ」

男「ご馳走様でした」

幼馴染「ごちそうさまー」

妹「お粗末さまでした」

男「いや、驚いた。こんなのも作れたんだな」

妹「大人になったんすよ。もう夢見る少女じゃいらないんすよ。相川七瀬なんすよ」

幼馴染「いつも以上にキャラがブレてる」

男「どうしたんだよ、何かあったのか」

妹「だってお兄ちゃん、付き合うんでしょう?」

男「俺が? 誰と?」

妹「そこにいる、おっぱい迷子さん」

幼馴染「胸がどっか行ってるような言い方やめて」

男「付き合う分けないだろ」

妹「え」

幼馴染「え」

男「前から、口酸っぱくして言ってたろ。付き合わないって」

妹「昨日、顔が良いって言ってた」

幼馴染「俺好みだって、付き合おうって」

男「言ってねぇよ」



妹「顔が良いとは言ってたよね」

男「顔が良くても、それはそれ。芸能人なんか顔が良いけど、付き合いたいかどうかは別だろう」

幼馴染「大丈夫だよ、私テレビの向こう側にいないよ。気軽に付き合えちゃうよ」

男「いえ、結構です」

妹「そっか。そうなんだ」

男「そうだけど?」

妹「じゃあいいや、帰りにケーキ買ってきてね」

男「ちょっと意味が分からないです」

幼馴染「お義姉さんが買ってくるから、まかせて!」

妹「やったー帰ったら胸揉んであげる!」

幼馴染「お、おう。やった・・・ぁ?」

>>67
トマト食べとけば、何とかなります。

>>68
その前に、男「夜食を作ります」というのがあります。
他の飯モノだと、SS深夜で進撃の巨人とベン・トーのパロディとか書いてました。

おやすみなさい。

『桃屋 辛そうで辛くない少し辛いラー油』

男「はい、晩御飯の時間です」

幼馴染「あるぇ? 私のお弁当は?」

男「そういうのは求められてないから、省略した」

幼馴染「おいしそうに食べてくれたじゃない!?」

男「美味かったよ」

幼馴染「おろろーん、おろろーん」

男「珍妙な泣き方をするなよ」

妹「あーあ、また泣ーかしたー」

男「それはそれとして、晩御飯です」

妹「えー、カップ麺?」

男「昼に食えなかったから、その分の消化だ」

妹「ノルマでもあるの?」

幼馴染「無視されたー」

男「はいはい、どん兵衛のうどんですよ」

幼馴染「わーい、どん兵衛好きー」

妹「ちょろっ」

男「お湯を沸かして、普通に注いで5分待つ」

妹「うーん、ダシの香り」

男「5分経ったら、フタをはがして」

妹「はーい」バリバリ

男「取り出しましたるは、食べるラー油」

妹「あー、昔流行ったねぇ」

幼馴染「何それ?」

男「オイオイ、セレブのお嬢様はこいつを知らねぇらしいぜ」

妹「とんだ箱入り娘だな!」

男「ミルクでも飲んでるのがお似合いだぜ!」

幼馴染「何で西部劇に出てくる無法者みたいな掛け合いを始めるのよ」

男「意味はない」

妹「それが世界の選択だから」

男「オアゲの上に、食べるラー油をたっぷりと乗せるわけですよ」

妹「おぉ、赤い」

幼馴染「いい匂いだねぇ」

男「オアゲにラー油をしみこませるわけですよ」

妹「一見、冒涜的なのに、とても美味しそうです」

幼馴染「もう食べてもいいよね、いいよね!」

男「では、頂きます」

妹「いただきまーす!」

幼馴染「いただきます」

男「ごま油の香りに混ざるフライドガーリックのパンチ!」ズルズル

妹「あんまり辛くない、でも少しだけ辛い刺激がじんわりと染み込んで来るね」ズルズル

幼馴染「うーん、刺激的なのにダシの落ち着いた風味が絶妙なバランス感」ズルズル

男「そして、このオアゲですよ」ムシャリ

妹「辛い汁を吸っちゃって、スープに溶け込んだ辛さとはまた別の刺激!」ハフハフ

幼馴染「くぅー! あとですっごい喉渇くよ、これ! でも、やめられない!」

男「スープも美味いんだ、これ」ズズズ

妹「余すところ無くラー油に侵略されてるね! あぁ、汗かいてきた!」

幼馴染「麺とオアゲとスープで、同じ辛味なのに全然違う印象だよ!」

男「うん、やっぱりジャンクな味は落ち着くな。ごちそうさまでした」

妹「ごちそーさまでしたー」

幼馴染「御馳走様でした」

男「手作りの弁当なんて食べたから、体に染みるな」

幼馴染「手作り嫌いなの? 美味しくなかった?」

男「いや、嫌いではないし、むしろ美味かった。弁当屋みたいな味だったけどな」

幼馴染「あぁ、うん。私の家、お弁当屋さんだし」

妹「えっ」

男「えっ」

幼馴染「えっ、知らなかったの」

おやすみなさい。

『セブンイレブン 香ばし焼おにぎり』

男「あれか、ホットHOTな感じのチェーン展開の」

幼馴染「ううん、町のお弁当やさん。1軒だけ」

妹「高級路線な感じの、かな?」

幼馴染「ううん、安くて量が多い感じの。学校の近くにあるでしょ」

男「ああ、あのデカ盛りの……え、あそこなのか!?」

幼馴染「運動部の人がよく来るらしいよ」

妹「お弁当屋さんって、そんなに儲かるんだね」

男「知らなかったな、あの弁当屋が……あれ、でも名前が」

幼馴染「あ、うん。それは、ね」

妹「変わった名前なの?」

男「いや、確か”イシイ弁当”だった気がする」

執事「お呼びでしょうか」

男「どこから出てきた」

妹「あ、忘れてた」

幼馴染「あ、石井さんだ」

執事「お嬢様を連れ戻すために、お邪魔してました」

妹「客間に案内して忘れてた」

執事「今までぐっすり寝てました」

男「人の家でくつろぎ過ぎだろう」

執事「名前を呼ばれた気がしたので目が覚めました」

幼馴染「石井さんじゃなくて、お店の名前の方」

執事「あっちですか」

妹「石井さんのお店なんですか?」

執事「いえ、まったく関係ありません」

男「なんだ、紛らわしいな」

幼馴染「本当は、”おいしいお弁当”だったんだけど、”お”が二つとも取れちゃって、” いしい 弁当”になってるの」

男「儲かってるなら、さっさと直せよ」

執事「イシイ弁当で名前が売れてしまったので、今更という感じでそのままにしてるそうです」

妹「なるほど……?」

執事「ところでお腹が空いたので、何か食べるものはありませんか」

妹「この間と、ずいぶんキャラが違うね」

男「この厚かましさ、どこかで見たことあるぞ」

幼馴染「とんでもない人もいたもんだね」

執事「この間はキャラ作ってました」

男「キャラは作ったままにしておいて欲しかった」

執事「軽く食べられる感じのがいいです」

男「はいはい、夜食を作りますよ」

妹「わーい」

幼馴染「わーい」

男「お前らはさっき食ったろう」

執事「まぁまぁ、そうおっしゃらずに」

男「あなたが原因ですからね」

妹「このセブンイレブンさんのおにぎりでいいのかな」

幼馴染「焼きおにぎりだね」

男「レンジであっためといてくれ」

妹「いえっさー!」

男「その間にお湯を沸かす」

幼馴染「まーかせてっ」

執事「テキパキしてますね」

男「あなた本当に執事ですか」

妹「あったまったよー」

男「じゃあ、続けて表面がパリっとするようにトーストしてくれ」

妹「あいさー!」

幼馴染「お湯沸いたよ」

男「お椀に、これを小さじ1杯入れてくれ」

幼馴染「味の素の、”丸鶏がらスープ”だね」

妹「できたよーパリパリだよー」

男「そしたら、パリパリ焼きおにぎりを今のスープに入れる」

妹「おおっ、ジュって言った、ジュって」

幼馴染「醤油の焦げた香ばしい匂いが一瞬で広がるね」

執事「もう食べてもいいですか?」

男「執事の自覚あります?」

執事「呼吸する程度には」

男「ほとんど意識してないって意味ですよね、それ」

幼馴染「あっという間に仲良しだね」

妹「お兄ちゃんがあんなにツッコミ入れてるのは久しぶりに見るね」

男「もういいや、頂きます」

妹「いただきまーす」

幼馴染「いただきます」

執事「頂きます」

妹「レンゲで食べるんだね、熱いからちゃんと冷まさないと」フーフー

幼馴染「鶏がらと焦げ醤油の匂いが混ざり合ってたまりませんなぁ」スンスン

執事「ほぅ、これはまた。鶏がらを吸い込んだお米が癖になる」ホフホフ

男「醤油の焦げのちょっとした苦味が、ほどよいアクセントだな」ハフハフ

妹「パリッパリのお焦げにスープっていうのが、いいよね」ハフハフ

幼馴染「っくはぁ、美味しい」

男「お好みでワサビを入れてもいい」

執事「それいいですね」

男「最後に残ったスープを、一気に飲む」

幼馴染「鶏がらのスープに溶け込んだ醤油の旨みだね!」

妹「はぁ、お代わり欲しい」

執事「健啖ですね」

男「あとちょっと食べたいくらいで止めておくが、一番美味しい夜食の食べ方だ」

妹「しかたないね、腹6分!」

幼馴染「えっ」

執事「お嬢様は、今ので9分くらい行ってますね」

男「全然、食べないのな」

幼馴染「この家の基準がおかしいんだからね」

今日はここまで。おやすみなさい。

執事「それではお嬢様、帰りましょうか」

幼馴染「えー、やだー」

男「迎えにまで来てるんだから、いい加減に帰れよ」

幼馴染「やだ、帰りたくない」

男「わがまま言うな」

幼馴染「私のこと、嫌い?」

男「嫌いではない」

幼馴染「だったら」

男「帰れ」

幼馴染「何よ、帰ればいいんでしょ! ばーかばーか!」

妹「行っちゃったね。よかったの?」

男「いいんだよ」

執事「お嬢様がご迷惑をおかけしました」

男「迷惑ではないですよ」

妹「あれだけ帰れって言っておいて?」

男「親なんて、いつまでもいないんだ。一緒にいられうちは、一緒にいたほうがいい」

妹「……そうだね」

執事「お嬢様には伝えておきます」

妹「よろしくお願いします」

男「腹減ったな、なんか食うか?」

妹「そうだねっ」

幼馴染「だよねー」

男「……どこから沸いて出た」

妹「……隠れてたんだね」

執事「言った通りだったでしょう、お嬢様」

幼馴染「本当だねぇ」

男「お前ら、グルか」

妹「こいつは一本取られましたな」




男「もう何でもいいから、夜食たべよう」

幼馴染「はい、はーい! 私が作ります!」

男「はいはい、任せたよ」

妹「ものすごい投げやりになってるね」

執事「食べたら本当に帰りますよ」

妹「何作るの?」

幼馴染「チキン・カルボナーラーメン」

男「ネーミングセンス無いなぁ」

執事「よく作ってもらいますけど、美味しいですよ」

妹「本当に執事なのか疑わしいレベルだね」

幼馴染「まぁかせて! 夜食をつくります!」

(おわり)

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