アルミン「カンノウ依存症の恐怖…?」(30)

アルミン(しばらく見ない間に、新しい本が沢山出ているなぁ)

アルミン(訓練中の身とは言え、僕らは兵士という特殊な環境で暮らしている)

アルミン(やっぱり、世の中の流行とかからは遅れを取っちゃうよね)

アルミン「ん…?」

アルミン「カンノウ依存症の恐怖…?」パラ…


★以下の項目に当てはまるものが多いほど、カンノウ依存症の危険性が高いです。

□カンノウを見るために、仕事・学校・人と会う約束などのスケジュールを反故にしたことがある
□カンノウに多くの時間を費やしすぎて睡眠不足になることが、何日も連続してしまう
□向かい会わなければいけない嫌な問題から逃げるために、カンノウを見ることが習慣化している
□職場や学校など、外に居るときでも我慢出来ずにカンノウを見てしまう
□性的なイメージが考えを支配して勉強や仕事が進まないことが頻発し、職場での評価や学業成績などが危機的状況に陥っている
□性的興奮を得られるコンテンツを見ること以外に、これといって趣味・ストレス解消の手段が無い


アルミン「え…?」

アルミン(『外に居るときでも我慢出来ずに』ってことはさすがに、無いな…)

アルミン(でも『嫌な問題から逃げるために』っていうのは結構あるかも…)ドキドキ

アルミン(続きを見てみよう)パラ…


★カンノウ依存症になりやすい人の特徴

□自分を出すのが苦手
□ストレスを感じやすい
□人とコミュニケーションをとるのを面倒と感じることが多い
□積極的というよりは受け身なほうだ
□理解者が居ないという寂しさや虚しさを感じている


アルミン「うっ……」

アルミン(理解者が居ないってことはないぞ……僕にはエレンとミカサが居る)

アルミン(でも……『自分を出すのが苦手』『ストレス』『受け身』か……)

書店員「お買い上げありがとうございまーす」

アルミン「……」

エレン「おっ、お前なんか買ったのかよ!」ヒョイ

アルミン「ま、まあね」フイ

エレン「……またエロ本か?」

アルミン「え!?」

エレン「お前ってさー…、言っちゃ悪いけど言葉遣いはすげー優しいし、
     初対面で女子と間違えられるような見た目だけどさ、なんか持ってるエロ本多くね?」

アルミン「今日のは別に……エロ本じゃないよ……っていうか僕そんなに持ってないよ!」

エレン「そうかぁ?オレが少ねーのかなぁー」

アルミン(僕、エレンにそんな風に思われてたの!?)ガーン


夜・兵舎

『この依存症の正式名称は「性依存症」です。性行為依存と自慰行為依存が含まれます。
 性行為依存は、タイガー・ウッズの多重不倫の例などが有名ですね。
 性行為依存の結果として、不倫以外にも性病、望まぬ妊娠、売買春、痴漢、
 強姦、性的虐待など数多くの問題が起こります。
 よって、精神医学会でも問題にされがちなのはこの性行為依存のほうです。』

アルミン(……うん、そりゃそうだよね。カンノウなんかよりそっちの方がずっと問題だよ)

『その影で無視されがちなのが自慰行為依存、カンノウ依存です。
 カンノウを閲覧して性的興奮を得たり、自慰行為をして性的快感を得ることで、
 脳内には「オピオイド」というアヘンに似た成分が自然分泌されます。
 もちろん、分泌量が適量であれば、その人は健康的な人間です。
 しかしオピオイドに依存してしまい、オピオイドを大量分泌させるために一生懸命になり、
 日常生活にまで支障が出るようになると、もう立派な依存症です。
 アルコール、タバコ、コカイン、大麻、その他のドラッグ類への依存状態とあまり変わりません。』

アルミン(大げさ…だなぁ……)

『自慰行為によるオピオイド依存の場合、人と関わらずとも依存対象を得られます。
 よって、ドラッグの治療施設のように依存対象からの完全隔離を行うことが出来ません。
 クロルバ区にある施設ではカンノウ依存症患者の治療が行われていますが、
 そこで得られた結論は、カンノウ依存の治療はコカイン依存の治療よりも難しいというものでした。
 カンノウは、コカインのように身体から完全に出し切ることができません。
 これまでに見てきたものが記憶の中に残っているからです。』

アルミン(えっ、治療施設とか出来てんの?……ネタじゃなくて、結構ガチな病気なんだ……)

『内地では「オナ禁」という流行が起こりました。自慰行為を自主的に一定期間禁じるというものです。
 オナ禁の効果として「頭がすっきりする」「やる気が出る」「集中力がアップする」等がよく挙げられますが、
 これは実際にはオナ禁の効果ではなく、「カンノウ依存状態から脱却できている状態」…
 …つまりそれが本人の「普通の状態」であることが考えられます。
 オナ禁をしても、何も変わらないという報告もあります。その方は、元々依存状態では無かったのでしょう。
 依存対象に関わらず、何かに依存するとパフォーマンスは落ちます。
 落ち続けると社会生活に深い影響を及ぼすことでしょう。』

アルミン(………)

翌朝・食堂

エレン「おうミカサ、ここあいてるぜ!」

ミカサ「ありがとう、エレン。…アルミン、なんだか顔色が悪い」

エレン「だろ?なんかこいつ昨日の夜から変なんだよ」

ミカサ「体調が悪いの?」

アルミン「大丈夫だよ、病気じゃない」

アルミン(そうだ……僕は病気じゃない。だって、成績だって落ちていないんだ)

アルミン(四六時中エッチなことばかり考えてるわけでもない……全然普通の範囲だ、そうだろ?)

エレン「悩みでもあるのか?なんかあったら相談しろよ」

ミカサ「私でよければいつでも聞く」

アルミン「二人とも、ありがとう」

アルミン(でもなぁ……この二人には言えないよ)

対人格闘

ミカサ「ふんっ!」ブン!

ライナー「ぐああああっ!!」

コニー「うわぁああっ!ライナーが!!」

サシャ「隙ありっ!」


アルミン(うわぁ……向こうは相変わらず大変なことになってるなぁ……)

アニ「アルミン、余所見するとは余裕だね」

アルミン「えっ!?」

アニ「」グイッ

アルミン「うああああっ!!」ドサッ

アニ「たわいないね」フン

アルミン「」

アニ「私の前でそれだけ気を抜くなんて、アンタいい度胸してるよ」

アルミン「」

アニ「……アルミン?」

ジャン「おい、大丈夫か?」

マルコ「これは………。キース教官!」

医務室

アルミン「…ん……??」モゾ…

ミカサ「目を覚ました!」

エレン「アルミン!大丈夫か!」

アルミン「エレン、ミカサ……? ここは医務室?」

エレン「なんかお前、アニに倒されたまま失神したんだよ」

ミカサ「今日のアルミンは朝から体調が悪そうだった、とても心配」

ガラッ

アニ「起きた?」

アルミン「あ、アニ……」

アニ「その、やりすぎた、ゴメン」

アルミン「あ……なんだか格好悪いところ見せちゃったな。
     ちょっと睡眠不足だったんだ。僕は大丈夫だよ」

ミカサ「先生は一晩医務室で安静にして様子を見るようにと言っている」

エレン「見た感じ、思ったより元気そうで良かったけどよ。念のために言うとおりにしとけよ」

アルミン「うん、そうするよ。みんな、心配かけてごめんね」

夜・兵舎

ジャン「アルミンは帰らねぇのか」

マルコ「念のため一晩は医務室で寝るらしいよ」

ジャン「なら、アルミンの枕の下や布団の下を探ってもバレねぇってわけだな?」ニヤリ

マルコ「ええーっ……本人が居ないときにそれはないよ…」

ジャン「居ねぇから面白いんだろうが!あいつこういう話題に乗らねーしよ!ちょっと来いよ!」ニヤニヤ

マルコ「ジャン、やめた方が……」

ジャン「おっ、早速あったぞ!…ん?『カンノウ依存症の恐怖』…?」

マルコ「なんだか、ジャンの思ってたような本じゃなさそうだね」

ジャン「……」

マルコ「なんだよ、急に真剣な顔して」ヒョイ

マルコ「…………」

翌朝・食堂

ドンッ!

エレン「ってぇな!ちゃんと前見て歩けよ馬面!」

ジャン「あ、悪い…」

エレン「……? あいつやけに素直だな」

ミカサ「揉め事が起こらないのは良いこと。
    それよりもエレン、食べ終わったらアルミンのお見舞いに行こう」


ミーナ「あれっ、なんかマルコ、顔色悪いよ?」

マルコ「そ、そうかな?大丈夫だよ…」

夜・兵舎

コニー「ライナー!フランツの秘蔵本が回ってきたぜ!」

ライナー「やるじゃねぇか。どんなだ?」

コニー「巨乳モンばっかだよ。大きめどころじゃねぇガチの巨乳」

ジャン「……」スタスタ ゴロン

ライナー「おう、ジャン! フランツのな…」

ジャン「興味ねぇ。おやすみ」

コニー「あぁ?」

ライナー「お前急にどうした、枯れたか?」

ジャン「なんだっていいだろ…」

マルコ「ライナー、僕ら、アルミンの持ってた本を読んだんだ。
    『カンノウ依存症の恐怖』ってやつなんだけど…」

ライナー「依存症?」

マルコ「うん、本自体はもう返しちゃったけど、ざっくり説明するとね………………」

マルコ「……かくかくしかじか……」

マルコ「というわけで結構ガチな病気らしい」

ライナー・コニー・ベルトルト「………」

コニー「なんかよくわかんねぇけど……エロいこと考えるのは病気だって言いてぇのか?」

ライナー「いや、回数や頻度の問題だろう」

マルコ「といってもセーフかアウトかの明確な基準が無いからね」

コニー「まぁ……なんつーか、女子を意識するようになってから、鈍くなったような気がしねぇ?」

ライナー「どういうことだ?」

コニー「前はもっとサクッと接してたっつーかさー…、抜くようになってから、サシャとの対人格闘も遠慮するしよ」

ジャン「お前にも遠慮なんてもんがあったんだな」

コニー「寝たふりして聞いてんじゃねーよ!」

ライナー「いや、わかるぞコニー。俺も、なんというか…抜くたびに角が取れていく気がする……」

ベルトルト「脳内のクリスタにほだされてるんだろ。良くない傾向だよライナー……」

というわけで一斉オナ禁の流れにもってこうと思う。おやすみ。

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