P「最近春香の差し入れがおかしい」 (67)

真「そうですか?」

雪歩「別にそんなことないと思いますけど……」

P「昨日、春香が何持ってきてくれたか覚えてるか?」

真「クッキー、ですね」

雪歩「クッキーだと思いますけど……」

P「そうか……お前たちにはそうなのか……」

雪歩「プロデューサーのは違ったんですか?」

P「ああ、違った」

P「俺の差し入れな……」

P「納豆だったんだよ」

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真「納豆、ですか……」

P「ああ、納豆だったんだ……」

雪歩「そ、それは何というか……すごいですね」

P「すっごいキラキラした目で納豆を差し入れられたよ……」

P「プロデューサーさん!納豆ですよ!納豆!って」

P「午後からテレビ局と打ち合わせがあったけど、食べないわけにはいかなかったよ……」

真「大丈夫だったんですか?」

P「ああ、食べた後めちゃくちゃ歯を磨いて、ブレスケア食いまくった」

雪歩「納豆、どうしてでしょうね……?」

真「ちょっとしたイタズラだったんじゃないですか?」

P「それが、どうも違うような気がするんだ」

真「どうしてですか?」

P「差し入れがおかしいの、昨日だけじゃなくてな」

雪歩「そうなんですか?」

P「一昨日は、イワシのフライだった」

真「イワシ……?」

P「その前の日は、ナッツのアソートで、そのまた前の日はアボカドソースのパスタだった」

雪歩「納豆、イワシ、ナッツ、アボカド……?」

真「な、なんというか、よく分からないラインナップですね……」

P「お前たち、本当に普通のクッキーしかもらってないのか?」

真「はい、そうですね」

雪歩「私たちは、普通にお菓子類を……」

P「そうか……」

P「なんで俺だけあんな感じなんだ……?」

真「お腹すいてそうだったんじゃないですか?」

P「それにしたって、アボカドのパスタは手が込み過ぎだろ」

P「手作りだって言ってたぞ」

雪歩「うーん、何なんでしょう」

P「それで、何でこんな話をお前たちに言ってるかなんだけどな」

P「お前たちに、こっそり春香の様子を見ててほしいんだよ」

真「うーん、今日まで変わった様子はありませんでしたけど」

P「頼む、ちょっとしたことでも気が付いたら教えてくれ」

雪歩「分かりました、ちょっと気を付けて春香ちゃんのこと見ておきますね」

P「ああ、そうしてくれると助かるよ」

真「あ、プロデューサー」

P「何だ?」

真「窓の外、春香が歩いてますよ」

雪歩「え!?じゃあ真ちゃん、早く隠れないと!」グイッ

真「え?何でさ雪歩」

雪歩「いいからいいから!早く!」グイグイ

真「え、ええ?分かったよ」

ガチャ

春香「おはようございまーす」

P「春香、おはよう!」

春香「プロデューサーさん、おはようございます」

春香「……」

春香「今、事務所の中、プロデューサーさんだけですか?」

P「……ああ、そうだよ」

春香「えへへ……じゃあ今のうちに……」ゴソゴソ

春香「じゃーん!プロデューサーさん!差し入れですよ!差し入れ!」

P「お、今日も作ってきてくれたのか」

春香「はい!」

春香「今日は、タコとオクラのカルパッチョですよ!」パカッ

P「タコとオクラのカルパッチョか……」

P「……そうか、ありがとな、頂くよ」

春香「はい!今日のは自信作ですよ!」

P「……」パクッ

P「……」

P「……うん、おいしいな」

春香「ホントですか!?」

P「ああ、美味いよ」

春香「嬉しいです!」

P「……なあ、春香」

P「今日差し入れは、何でタコとオクラのカルパッチョなんだ?」

春香「え?何でって……」

P「なんかこう、理由があるだろ?」

春香「理由、ですか?」

P「うん」

春香「……」

春香「ヒミツ、です」

P「え?」

春香「えへへ、プロデューサーさんには教えてあげません!」

P「な、何でだ?」

春香「何ででもです!」

P「なあ、春香……」

春香「それじゃあ私、今日はこの後取材なので、もう行きますね」

バタン

P「……と、言う感じなんだけど」

P「二人とも、どう思う?」

真「タコとオクラ……」

雪歩「……」

P「今日のメニューでますます謎が深まったよ……」

真「ボクも、よく分かりませんね……」

雪歩「……」

真「……雪歩?」

雪歩「……はっ、な、何でもないよ!」

P「何か思いついたのか?」

雪歩「いえ!全然!全然ですけど……」

雪歩「プロデューサー、もう何日か、春香ちゃんの様子を見てもらえませんか?」

数日後

P「と、言うわけであれからのメニューをメモって来た」

真「どんな感じでしたか?」

P「ああ、それがな」

P「次の日はカキフライ、2日目はホタテのバター焼き」

真「……魚介系ですね」

P「しかもな、その次の日も、ウナギのかば焼きだったんだ」

雪歩「ウナギ……」

P「でも、4日目はさらに訳が分からないんだ」

真「何だったんですか?」

P「ああ、驚くなよ」

P「ニンニクのホイル焼きだ」

真「……ニンニクの」

雪歩「ホイル焼きですか……」

P「ああ、今度は口臭だけじゃない、体臭もヤバかった」

P「しょうがないから、ファブリーズで何とかごまかしたよ」

雪歩「……」

P「なあ、雪歩、本当に見当ついてないのか?」

雪歩「……そう、ですね……」

雪歩「明日、明日のメニューが気になるところですけど……」

雪歩「この感じだと、今度はお芋かお肉かもしれませんね……」

P「お芋?」

真「お肉?」


次の日

春香「プロデューサーさん!差し入れです!」

P「はは、最近は毎日持ってきてくれるな、春香」

春香「はい!」

P「実は、最近の昼の楽しみだったんだよ、今日は何だ?」

春香「えへへ、今日はですね……」ゴソゴソ

春香「じゃーん!里芋の煮つけでーす!」

P「里芋……」

春香「あ、あれ?もしかして嫌いでしたか?」

P「い、いや!そんなことはない!むしろ煮物は好物だ」

春香「本当ですか、良かった~」

P「ああ、それじゃあ頂くな」

春香「今日のは、お母さんに教えてもらったんです、おふくろの味ですよ!」

P「……うん、美味い」

P「……というわけで、昨日は里芋の煮つけだった」

真「お芋、でしたね……」

雪歩「やっぱり……」

P「なあ、雪歩、そろそろ話してくれないかな?」

P「何か気が付いてるんだろ?きっと」

雪歩「そうですね……そろそろ……」

雪歩「……」

雪歩「ううっ、でもやっぱり……」

P「な、なんだよそれ」

真「そんなに言いにくいことなの?」

雪歩「あうう……」

P「そ、そんなに言いにくいことなら、無理に言わなくても……」

真「そうだよ、ボクが悪かったからさ……」

雪歩「い、いえ、言います……」

雪歩「さ、さ……」

雪歩「最近!」

P「」ビクッ

真「」ビクッ

雪歩「最近!プロデューサー、調子が良くありませんか!?」

真「調子?」

P「……調子かあ」

P「そんなこと急に言われても、別に気にして無かったけど……」

雪歩「何て言うか、その……」

雪歩「調子がいいというか、元気というか、有り余ってるというか……」

真「……?」

雪歩「そ、そう!例えば、夜寝つきが悪くなってたりしませんか?」

P「寝つき?」

真「調子がいいのに?」

雪歩「そうです!寝つきが」

雪歩「というか、プロデューサーが自分で夜更かししてるというか……」

P「……夜更かしかあ、確かに最近してるかもな……」

雪歩「や、やっぱり!」

真「どうして分かるのさ、雪歩」

雪歩「だ、だから、つまり、春香ちゃんが最近持ってきてる差し入れは……」

雪歩「精の付くものばっかりなんですぅー!!」

P「精の付く……」

P「……あっ」

真「……ウナギ、納豆、オクラ、カキ……」

真「あ……」

真「……」カァ

雪歩「何赤くなってるの!真ちゃん!私が一番恥ずかしいよ!」

真「そ、そんなこと言われたって……」

ガチャ

春香「おはようございまーす」

P「あっ」

真「あっ」

春香「えっ?」

雪歩「……春香ちゃん!」

春香「……え?え?」

雪歩「春香ちゃん!ちょっとこっちに来なさい!」

春香「え?雪歩、どうして怒ってるの?」

雪歩「いいから!来なさい!」

春香「は、はい」

雪歩「……」

春香「……」

雪歩「……春香ちゃん、もうネタは上がってるんだよ?」

春香「……へ?」

雪歩「春香ちゃん、プロデューサーに差し入れしてるよね?」

春香「……あ、あれ?どうして知ってるの?」

雪歩「プロデューサーさんから聞いたの!」

春香「あ、そ、そうなんだ」

春香「え?で、でも、どうしてそんなに怒って……」

雪歩「……今日は何?」

春香「え?」

雪歩「春香ちゃん、正直に答えて」

春香「は、はい!」

雪歩「今日の、差し入れは、何を、持って来たの……?」

春香「こ、怖いよ雪歩……」

雪歩「……」

春香「あ、あの」

春香「レバー焼き、です……」

雪歩「やっぱり」

春香「やっぱり?」

雪歩「ね、春香ちゃん、私、怒らないから」

春香「……怒ってるよね?」

雪歩「怒ってない、怒ってないから、正直に答えて」

春香「怒ってるよね?絶対怒ってるよね?」

雪歩「ここ最近、プロデューサーに何を差し入れしてたの……?」

春香「何って……」

春香「アボカドでしょ、ナッツでしょ、イワシでしょ……」

春香「あと、納豆とか、ウナギとか、ニンニクとか」

真「……で、今日はレバー?」

春香「う、うん」

雪歩「明日は?」

春香「へ?」

雪歩「明日は一体何を差し入れようとしてたのかな?」

春香「……モロヘイヤ」

雪歩「……」

真「……」

P「……」

春香「え?どうして皆そんな顔を……?」

雪歩「春香ちゃん!」

春香「はいぃ!」ビクッ

雪歩「私は春香ちゃんをそんな子に育てた覚えはありません!」

春香「え、ええ?」

雪歩「17ばかりの生娘が!大の大人を手籠めにするために!」

雪歩「頭では嫌がっても、体は正直なんですね作戦だなんて!」

雪歩「そんなこと、お姉ちゃんが許しませんよ!」

春香「雪歩、何言って……」

雪歩「この数日間、どれだけプロデューサーが苦労したと思ってるの!?」

雪歩「理性では分かっていても、本能が抑えきれなくて……」

雪歩「ああっ、自分の担当アイドルをこんな目で見るわけには行かないのにって!」

雪歩「昼間は平気な顔で仕事をして!」

雪歩「日付が変わる頃に、夜な夜な自分で自分を慰める……」

雪歩「プロデューサーが可哀そうだよぉ!」

P「雪歩、待て、待ちなさい」

真「雪歩!今すんごい怪我してるよ!」

春香「……?」

真「どうして春香は不思議そうな顔してるのさ!」

春香「え、だって……」

雪歩「亜鉛の力を舐めないで!」

春香「……だって、私そんなに変なもの差し入れしたかな?」

雪歩「……え?」

春香「え?」

真「春香、さすがにその言い訳は……」

春香「……言い訳?」

真「……違うの?」

真「ん?待って待って」

真「春香、自分で差し入れたもの、覚えてる?」

春香「うん」

真「それって、どんな基準で選んだのかな?」

春香「どんなって……」

春香「知らない?精の付く食べ物って」

雪歩「ほ、ほら!やっぱり……」

春香「私、プロデューサーさんが最近お疲れみたいだったから、元気になってもらおうって……」

雪歩「えっ」

春香「え?」

真「……春香、それは……」

春香「……違うの?」

P「いや、元気になることは確かなんだがな……」

P「……何というか……」

P「音無さーん!」

小鳥「はい!」

P「グーグル先生をここに!」

小鳥「了解です!」

小鳥「はい、春香ちゃん!このタブレットを見なさい!」

春香「……」

P「……」

真「……」

小鳥「……」

雪歩「スコップ……スコップはどこ……?」

春香「……こ、これって」

真「うん、残念だけど、そう言う事なんだ」

春香「い……」

春香「いやーーー!!!」

数日後

雪歩「穴掘って埋まってますぅ……穴掘って埋まってますぅ……」

真「で、出た!発作!」

真「皆、押さえて!」ガシッ

響「雪歩!これ以上はまずいぞ!」ガシッ

律子「事務所がに何匹ミーアキャットを住まわすつもり!?」ガシッ

亜美「ゆきぴょん!間違いは誰にだってあるんだよ!」ガシッ

真美「そうだよー!だから止めてー!」ガシッ

雪歩「離してくださいー!こんな私なんて穴掘って埋まってた方が良いんですぅー!」

P「はは……大変だな……」

春香「……」

P「ま、まあ、春香も気にするなよ」

P「間違いは誰にでもあるって、な?」

春香「はい……」

春香「あの、プロデューサーさん」

P「なんだ?」

真「ちょっと!2人も話してないで止めてくださいよ!」

響「今月の利益が改装費だけでとんじゃうかもしれないんだぞー!」

春香「あの、明日、ご迷惑をかけたお詫びにお昼ご飯奢らせてください」

P「……ああ、頼むよ」

春香「私、おすすめのお店があって、そこに行こうと思うんです」

P「どこだ?」

春香「おそば屋さんです」

P「ああ、いいなそば屋」

春香「そこには、おすすめメニューがあるんですけど」

P「へえ、なんだ?」

春香「とろろそばなんです」

P「え?」

春香「……とろろそばです」

P「いや、聞こえてはいたんだけど」

春香「何でも、とってもおいしい長芋をを使ってるらしくて」

P「な、なあ春香、それって……」

春香「だから」

春香「プロデューサーさんにも、食べてほしいなぁって……」

P「……」

春香「えへへ……」カァ

P「……」

P「俺、我慢できるかなぁ……」

        おわり

終わりです、ありがとうございました

皆もご飯食べよう

htmlスレつながらないんだけど、なんでなん?

乙ー。
次回も期待

HTMLスレ普通に繋がるぞ?

>>62 出来たサンクス

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