オティヌス「普通の日常、普通の人間」 (143)

『魔神』を無力化して人間へと戻ったオティヌスのお話
新約10巻楽しみですね
http://i.imgur.com/LP3eTBN.jpg


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1397048417

では投下します

上条「ただいまー……」

オティヌス「おかえり」

上条(……おかえり…かぁ)

上条「たっだいまーオティヌス!楽しく過ごしてたか?」

オティヌス「暇で仕方なかったよ。学校なんぞ行かなくていいんじゃないか?」

上条「今の俺は首の皮一枚で繋がってるようなもんなんだよ。ホントに留年しちまう」

オティヌス「色々な意味で馬鹿な奴だからな、お前は」クスッ



上条「うー…それにしても……ちくしょう」

オティヌス「どうしたんだ上条」

上条「それがさ、特売に遅れて食材買えなくてさ」

オティヌス「あーあ……禁書目録にどつかれるぞ」

上条「ちくしょう不幸だ……」

オティヌス「私に魔神の力があればなんとかしてやれるのだがな」

上条「おいおい、お前はもう、れっきとした普通の人間だ」ポン

上条「それにもしそんな力をまだお前が持ってても、俺は簡単に頼ったりしねえよ」

オティヌス「そんなのものか」

上条「ああ、そんなもんだ」


上条「ま、ゆっくり慣れていけばいいさ。すぐに順応できる方がおかしいんだ」

オティヌス「ああ」

禁書「ただいまー」

上条「おかえりインデックス」

オティヌス「おかえり」


オティヌス(おかえり……か。そういえばさっきも言ったな。こんな言葉を私が言うようになるとは…)


上条(……)ニコー

オティヌス「…な、何を笑っている?」

上条「何でもねーよ」ニコニコ

オティヌス「……ちっ///」


禁書「とうまー今日のごはんは?」

上条「え?ええと…」

オティヌス「買えなかったんだとさ」

禁書「ええーー!?とうま、どういうこと!?」

上条「ま、間に合わなくって……あはは…」

禁書「笑い事じゃないかも!私にとっては死に直結することなんだよ!!」

オティヌス「まぁまぁ、落ち着け」


上条「うーん…まぁごめん」

オティヌス「今日の夕飯はどうするんだ?」

上条「ううむ…仕方ないが普通のスーパーで買うしかないよな…」

オティヌス「どうして一旦帰ってきたんだ?そのまま買えばよかっただろう」

上条「それが……」



―――――――――――

―――――



スーパー前


上条「ちくしょう……特売逃したのはわりとマジでキツい…まぁ仕方ないか…」

御坂妹「おや、奇遇ですね、とミサカは嬉々として駆け寄ります」

上条「よう御坂妹。久しぶりだな、元気か?」

御坂妹「はい、問題ありません、とミサカはくるっと華麗に一回転して見せます」

上条「元気そうで何よりだな」

新約10巻表紙…最高でしたね!

>>16
これな
これで死んだら俺精神崩壊するわ


御坂妹「落ち込んでいたようですが、何かあったのですか?とミサカは問いかけます」

上条「実はかくかくしかじかでさー」

御坂妹「ドンマイです、とミサカは慰めの言葉をかけます」

上条「ありがとう…お前は優しいなぁ。そういう御坂妹はどうしてここに?」

御坂妹「実は黒猫とはぐれてしまったのです」シュン

上条「あの猫か」

御坂妹「はい、とミサカは不安げに顔を曇らせます」

上条「……よし!!俺も探すの手伝うよ!」

御坂妹「本当ですか?ありがとうございます、とミサカは深々とお辞儀をします」

上条「いいってこれくらい。さぁ、手分けして探そう」


―――――――――

―――――


上条「……と、いうことがあってですね」

オティヌス「なるほど、つまりお前は買い物をさぼって他の女といちゃついていたというわけか」

上条「やめろそういう言い方は」

禁書「事実なんだよ」

上条「おい。……まぁとにかく色々な場所を探して猫は見つかって、それが寮の近くだったから、一旦鞄を置いてから買い物に行こうとしていたのですよ」

オティヌス「なるほど……ところで、猫を見つけたとき何か言われたか?」

上条「今度御礼させてくれって言ってたな。そんなの気にすんなって言ったんだけど、あいつ納得してくれなかったから……」

オティヌス「ほう……」

上条「今度二人で買い物に行こうという話になった」

オティヌス「断れ」

上条「おい」


上条「まぁせっかくだし行くよ」

オティヌス「えぇ…」

禁書「とうま、私とはあんまり遊びに行かないのに」

上条「し、仕方ねえだろ!約束しちまったんだから。今度はお前とオティヌスと遊びに行ってやる」

オティヌス「本当だな?」


禁書「その言葉、しかと胸に刻んだんだよ」

上条「本当だっつーの」

オティヌス「じゃあ手を出せ」

上条「ん?はい」

オティヌス「指切りしよう」


上条「ゆ、指切り…?」

オティヌス「人間は、約束を守る時には指切りをするものだと聞いていたが」

上条「……まぁ、そうだけど」

オティヌス「…これで、私も少しは普通の人間らしく……」

上条「え?何言ってんだよ。お前はもう普通の人間だろ。これ以上何になるつもりなんだよ」ハハハ

オティヌス「……そう…かな?」

上条「ああ、そうだ」ニコッ

オティヌス「……そうか…///」

上条「さぁ、指切りしよう」

オティヌス「ああ!」

禁書「とうま、私を忘れてもらっちゃ困るんだよ。私とも指切りしてね」

上条「もちろん」

続く
更新は未定

>>1のトリップで検索しても>>1が書いたSSは全部出てこないから、このトリップ以外で書いたSS教えてくれ
VIPのも含めて頼む

>>39
上条「よう、操祈じゃねーか」
オティヌス「私と上条のいちゃいちゃ逃亡生活」
上条さんちのバードウェイ(VIP)
土御門「好きな人は誰なのかにゃー」上条「オルソラ一択」(VIP)
食蜂「あっ!上条さん!」上条「ん?確かアンタは……」(VIP)
上条「お前今気になる人いる?」土御門「えっ」(VIP)

あと何かVIPでやった気がするけど忘れました



投下します

日曜日


上条「じゃあ行ってくるよ。留守番よろしくなー」バタン

禁書「……」

禁書「よーし!さっそく付けるんだよ」

オティヌス「野暮な真似はよせ」

禁書「ええ!?だってもしもとうまが……」

オティヌス「アイツが私を裏切るはずがない。アイツは私の、世界でたった一人の理解者だぞ」

禁書「理解者と恋人は違うんだよ!」

オティヌス「う……と、とにかく信じてみろ。アイツは恐らく本当に買い物に行っただけだ」

禁書「…………………………わかったんだよ」




オティヌス(……本当のところは、私だって少しは不安に思うこともあった。だが)

オティヌス(この程度のこと、信じなくてどうする。アイツの性格や行動を考えれば、これからも他の女と同じようなことが起こるだろう……)

オティヌス(ここで信じなくては、将来アイツと結婚したときに私は嫉妬とストレスで死んでしまう)

オティヌス(これはそのための準備、いわば試練だ)


禁書「ねぇオティヌス」

オティヌス「何だ」

禁書「オティヌスはやっぱりとうまが好きなの?」

オティヌス「!?」

オティヌス「い、いきなり何だ!?」

禁書「いや、ていうか好きなんでしょ?」

オティヌス「……まぁ…そうだな……………大好きだ」

禁書「……そっかぁ…でも、私もとうまが好きなんだよ」

禁書「困ったねぇ」

オティヌス「ああ、それは困ったな」


禁書「私は」

オティヌス「?」

禁書「実はとうまを譲る気はないんだよ」

オティヌス「安心しろ。私もそうだ」

禁書「私達、恋のらいばるってやつだね」ニコッ

オティヌス「恋の……ライバル……か」

オティヌス(……今さらだが、ようやく実感がわいてきた……)




オティヌス(私は、普通の女の子なんだ)


――――――――――――――――――

―――――――――――


上条「ただいまー」

オティヌス「おかえり」

禁書「おかえりとうまー」

上条「さて、結構遅くなっちまったな。急いで晩飯の準備しねえと」

オティヌス「なぁ」

上条「ん?」

オティヌス「どうだった?今日の買い物は」

上条「ん……あー…買い物ね……」

オティヌス(な、何だ?この煮え切らない感じは……)


上条「色々あったよ」

禁書「どういうこと?」

上条「話すと長くなるし……」

オティヌス「かまわない。話せ」

上条「んっと…じゃあとりあえず御坂妹と街中を歩いていた時のことなんだけど……」

上条「途中で御坂が乱入してきてさ、なぜか初っ端からビリビリしまくりだったんだ」ハハハ

上条「で、私も一緒に付いていくとか叫んでさ。そしたら御坂妹の機嫌がものすっごく悪くなって口数一気に減っちまって」

禁書(わりとすぐ情景が浮かぶんだよ)

オティヌス(コイツは空気読めずに何かしでかしたんだろうな…)

上条「で、御坂妹に理由を尋ねても何にも喋ってくれなかったから、自然と御坂と多く喋るようになってたんだ。そしたら御坂妹が見たこと無い形相で俺を睨んでるわけよ」

オティヌス(ああ……)

禁書(そりゃ急に乱入して来た女と自分ほったらかしにして喋ってたら機嫌も悪くなるんだよ)


上条「で、俺は震えながら聞いたんだ。どうしてそんなに機嫌が悪いんだって。そしたらあいつさらに機嫌悪くしてさ」

オティヌス(なぜそうも地雷を踏むのか)

上条「俺が困り果ててたら御坂が助け船を入れてくれたんだよ。あんまりコイツを困らせちゃダメよって。あの時ばかりは御坂が女神に見えたね」

オティヌス(そいつも大概だな)

禁書(短髪無能なんだよ)

上条「で、御坂妹が泣きそうな顔になってな。ミサカもう帰ります、とか言い始めるわけよ」

オティヌス「お前……最低だな」

禁書「とうま……さすがにそれは……」

上条「ま、待て待て!話を最後まで聞け!」


――――――――――――――

――――――


上条「待てよ御坂妹!せめて理由だけでも話してくれよ!」

御坂妹「……私、今日が楽しみでした、とミサカは肩を震わせて答えます」

上条「……おう」

美琴(え?何コレ?私もしかして…)

御坂妹「けれど私は、お姉さまのように楽しい話題をあなたに振ることも、盛り上げることもできません、とミサカは俯き加減に呟きます」

御坂妹「やはり私は場違いだったんですよ、とミサカは自嘲気味に言い放ちます」

御坂妹「あなたと買い物なんて無理な話だったんです、あの時は勢いのままに誘ってしまいましたが冷静に考えれば当然です、とミサカは……ミサカは……」

美琴「あ、あの……私、てっきり二人は街中で偶然会って、それでたまたま一緒に歩いてただけだと思ってたから……前から、や、約束してたなんて思ってもみなかったから……」オロオロ

御坂妹「いえ、お姉さまは悪くありません、すべてはミサカの力不足です、とミサカは事実を伝えます」

上条「待てって。お前は何にも悪くねえよ。もちろん御坂も。悪い奴がいるとすれば…そりゃ俺だ」

上条「ごめん!御坂妹!」ガバッ

御坂妹「あ、あなたが頭を下げる必要はありません、とミサカは急いで静止します」オロオロ

上条「俺の気配りが足んなかったんだ。ごめんな、御坂妹。せっかく誘ってくれたのに」

上条「もう一度、チャンスをくれないか?」

御坂妹「ちゃ、ちゃんす?」

上条「今度改めてもう一度一緒に行こう。そん時は、絶対にお前を楽しませてみせる」

上条「……駄目か?」

御坂妹「い、いえ、ぜひお願いします、とミサカは計画通りにリセット出来たことに安堵します」

上条「けいかく?」

御坂妹「あ、なんでもありません、とミサカは適当に誤魔化します」

美琴(この子まさか、もう一度やり直すためにわざと……!?)

御坂妹「ふふふ……」ニヤッ

上条(ふぅ……なんとか納得してくれたみたいだな……)

――――――――――――――――

――――――――


上条「と、まぁこんな感じで俺はもう一度チャンスを貰ったわけだ」

上条「そのあとは御坂妹の機嫌もすっかり良くなって、色々買い物して回ったんだ」

上条「買い物しはじめてからの御坂妹はほんとに楽しそうだったなぁ」

オティヌス「…………」

禁書「…………」

上条「ん?どうしたんだよ二人とも」

オティヌス(つまりコイツは今日の買い物にくわえ、その女の計画通り次のデートの約束を取り付けられた…と)

禁書(流石と言うほかないんだよ……)


オティヌス「なぁ、分かっているとは思うが」

上条「え?」

オティヌス「私の方が先に約束したんだ。その女より私を優先してくれなければ困る」

上条「ああ、もちろん分かってるよ」

禁書「私もね」

上条「もちろんだ」

オティヌス(しかし……これは問題だな。このままでは他の女に遅れをとってしまう…)

オティヌス(何か……パンチの効いた策が必要だな)

オティヌス「よし、とにかく夕飯にしよう」

禁書「そうだね!!!」

上条「よし、準備するから待ってろよ」

上条(オティヌスも段々ウチに馴染んできたなぁ……インデックスとも仲良くしてるみたいだし)ニコー

オティヌス(何にやけてんだコイツ……)

続きます

投下します


金曜日


青ピ「またなーカミやん」

上条「おう、またな」

小萌「あ、上条ちゃん、話があるのですよー」

上条「えっ」

小萌「あの……上条ちゃん…ハッキリ言って、本当に留年しそうなのです…」

上条「う……そんな気は薄々してたけど……まさか本当に……」

小萌「このままではもう一度一年生をやることになってしまいますよー……」

上条「そ、それだけは……!!」

小萌「というわけで、この土日は補習なのです!」

上条「ええええ~………」

小萌「遅れないで下さいよ~」


―――――――――

―――


上条(はぁ……)トボトボ

上条(留年を避けるためには仕方ないとはいえ……弱ったなぁ…)

上条(この土曜日はオティヌスと、日曜日はインデックスと買い物に行こうって約束してたのに……)

上条(でも補習をサボったら留年しちまうし……)

上条(はぁ……)

上条(二人とも、なんて言うかなぁ…)


上条「ただいま……」

オティヌス「おかえり」

上条「あ、あれ?インデックスは?」

オティヌス「あいつは散歩だ」

上条「そ、そうか……」

上条「さ、さてと…インデックスが帰ってくるまで晩飯の用意しとくかー」

オティヌス「……?」

オティヌス「おい、待て。お前、どうしたんだ?」

上条「うっ」

オティヌス「言いたいことがあるなら早く言え」

上条「……そ、そうだよな……どうせ言うことになるんだから、早く言っといたほうがいいよな……」

オティヌス「で、どうしたんだ?」

上条「…………」

オティヌス「早く言え」

上条「…………ごめんッ!!オティヌスッ!!!」ドゲザッ

オティヌス「……すぐに土下座をするな、情けない。まずは何のことか言ってみろ」

上条「……明日、約束してただろ?買い物……」

オティヌス「ああ、指切りまでしたな」

上条「行けなくなった……」

オティヌス「………………何故だ」


上条「実は、俺さ、冗談抜きで留年しそうなんだよ……首の皮一枚繋がってたのがもう引きちぎれそうなんだよ…」

上条「それで、土日は補習を受けなくちゃなんねえ……」

オティヌス「……そうか…それは、仕方ないな」

上条「お、怒らないのか?」

オティヌス「心外だな。私をそんな器の小さな女だと思っていたのか?」

上条「いや……そうじゃねえ……そうじゃねえけどさ…」



上条「お前が…明日を楽しみにしててくれたから……」




オティヌス「…………」


オティヌス「……ああ、そうだな。私はこの一週間、お前と買い物する日を今か今かと待ち望んでいた」

オティヌス「だが……お前は、優しいのか感覚が麻痺してしまっているのか知らないが、一応言っておくぞ」

オティヌス「お前の補習の原因は、少なからず私にもある」

オティヌス「買い物は、また来週でいい。あまり気に病むな。いいな?」

上条「お、おう!ありがとうオティヌス!!」

上条「お前、最近更に優しくなったなぁ」ニコニコ

オティヌス「ふん、誰のせいだと思ってるんだ////」

続きます
明日も同じ時間帯に投下します

投下します


一週間後 金曜日



オティヌス「ついに明日か……この一週間長かったな…」

禁書「だねー……」

オティヌス「とにかく私は他の女どもに奪われないよう、アイツの視線を私に釘付けにする方法を考えた……」ニヤッ

禁書「ええ!?それは一体…!?」

オティヌス「明日になれば分かることだ……ふふふふ…」


ガチャ


上条「ただいま~…疲れた……」

禁書「おかえりとうま!」

オティヌス「おかえり」


オティヌス「今週は補習無いだろうな?」

上条「ああ、なんとかな……来週はあるかもだけど…」

オティヌス「ふふ、そうか、大丈夫だったか!それならいいんだ」

上条「楽しみにしてくれててありがとなオティヌス」ナデナデ

オティヌス(あ、頭を撫でッ……!/////)カァッ

禁書「あーずるいんだよー私も撫でてとうま」

上条「はいはい」ナデナデ

禁書「んふふー」

上条「二人とも先週は悪かったな。この土日はお詫びもかねて精一杯頑張るから」

オティヌス「そうでなければ困る」ニコー


翌日


上条「すぅ……すぅ……」ムニャ


コンコンコン


上条「……ぐー」


オティヌス「おい、上条」


上条「……むにゃ」


オティヌス「おい、いつまで寝てるんだ!起きろー!!」


上条「ふえっ!?な、何だなんだ!?オティヌス!?」

オティヌス「鍵を開けろ」

上条「は、はい!」


上条「……で、起きたんだけど」

上条「まだ五時じゃねーか!はえーよ!」

オティヌス「まぁまぁ」

上条「インデックスを見てみろ!ビクともしねえぞ!」

オティヌス「眠たいのだろう。そっとしておけ」

上条「お前は眠くないのかよ…」

オティヌス「眠いに決まっているだろうが。こんな早朝に起きたうえ昨日はほとんど寝ていないからな」

上条「何で寝てないんだよ……」

オティヌス「…………」

上条「何故黙るんです?」

オティヌス「……り、理由は、お前には言いたくない……/////」プイッ

上条「?」


上条「さて、今更寝直すのもなんかあれだし、何するよ?」

オティヌス「じゃあアイツをいじってみるか」

上条「インデックスを?起きたら怒るぞアイツ」

オティヌス「ちょっとやそっとじゃ起きないだろう」スタスタ

上条「や、やめとけって…」

オティヌス「ほら、よく寝ているぞ」プニッ

禁書「むにゃむにゃ……」

オティヌス「な?」

上条「まぁ、見た感じは起きなさそうだな…」

オティヌス「……」プニプニッ

禁書「むにゃ……」


上条「へぇ、ホントに起きないんだな。あはは、どんだけ熟睡してんだコイツ」プニッ

禁書「……えへー」ムニャムニャ

上条「……」

オティヌス「…………お前が触ると笑うんだな。寝てても分かるんだな。お前達、凄い絆だな」ニコニコ

上条「なにその笑顔……怖いからやめろって……」

上条「それに今のはタイミングが良かっただけだって。ほら、次は何もないぜ」プニッ

禁書「んむっ」パクッ

上条「え?」

禁書「あむあむ……」チュパチュパ

オティヌス「……ほう……確かこいつは機嫌がいいときに甘噛みするとかなんとか……」ジトー

上条「何でだろうな…タイミング?」

オティヌス「タイミング……ねぇ…」

上条「顔が怖いって……」

オティヌス(ちくしょう……何か負けた気分だ……)シュン

上条(コイツ、表情がよく変わるようになったなぁ)

続きます
更新は明日か明後日

投下します


上条「……さて、朝飯も食い終わったわけだが……まだ六時半か」

オティヌス「仕方ない、これ以上は特にすることもないしもう出かけるか」

上条「おいおい…こんな時間じゃコンビニくらいしか行くところないぞ」

オティヌス「まぁぶらぶら歩いていれば自然と時間は潰れるだろう。私は準備があるので少し待っていろ」スクッ

上条「じゅんび?」

オティヌス「女の子にはな、色々と準備が必要なんだ。分かるか?」

上条「な、なるほど……」


バタン


上条「…………」


上条(暇だな……インデックスの飯でも作っとくか)


上条「よし、完成っと。ラップしとこう」


ガチャッ


オティヌス「またせたな、行こう」

上条「おう、オティヌス……ぶっ!!な、なんだぁその恰好!?」

オティヌス「お前にとっては見飽きただろうな。そう、私が魔神だった頃に着ていた服だ」

上条「何でその服着てんだよ!!」

オティヌス(ふふ……この学園都市という場において、私のこの服は非情に特異なものらしい。これでコイツの視線は私に釘付けだろう……)

上条「あのなオティヌス……学園都市でそんな服着て街中歩いてたらよほどの痴女だと思われるか、もしくは一緒に歩いている俺が強要して着
せているように見られちまうんだぞ?」

上条「それに妙な変態共の目に留まって襲われそうになったらどうすんだ……」

オティヌス「何!?変態共に!?」

オティヌス(そうか、盲点だった!この服を着てコイツの視線を釘付けにするということは、街中の変態共にもジロジロと見られてしまうとい
うこと!迂闊だった!!)

オティヌス(やはり、外見ではなく中身でコイツを釘付けにしなくてはならないということか……面白い、やってやろうじゃないか)


オティヌス「着替えてくる」スタスタ

上条「分かってくれたか…」ホッ

禁書「ん……」モゾモゾ

上条「お!おはようインデックス」

禁書「とうまぁ……?何でもう着替えてるのー?」

上条「色々あってもうすぐ出かけることになったんだよ」

禁書「ええ!?こんなに早くから!?」

上条「ああ、オティヌスの準備が終ったらすぐにでも行くよ。留守番よろしくな」

禁書「朝ごはんは!?昼ごはんは!?」

上条「もう作ってます」

禁書「それなら安心かも」


オティヌス「着替えたぞー」ガチャ

上条「お、いいじゃん。可愛いよオティヌス」ニコッ

オティヌス「そ、そうか?///あ、あり……ありがとう///」カァッ

上条「うんうん、似合ってるぞ」ニコニコ


上条(魔神の面影なんて、今のこいつには欠片も感じられない。もうこいつは正真正銘普通の人間、笑顔の似合う普通の女の子だ)


禁書「とうま!」


上条「何だインデックス」

禁書「明日は私も同じ時間に出るんだから!早く起きてよね!」

上条(マジかよ)


オティヌス「さぁ行こうか。まずは散歩だ」

上条「ああ、じゃあなーインデックス」

禁書「行ってらっしゃい!」

オティヌス「いってきます」

上条「……」ニコニコ

オティヌス「……お前、最近その笑い方をよくしているが馬鹿にしているのか?」ジトー

上条「まさか!俺がそんな奴だと思うか?」

オティヌス「いや、思わないが」

上条「だよなー」ワシャワシャ

オティヌス「こ、こら!頭を撫でるなまったく!」

上条「前撫でたときはあんなに嬉しそうだったのに」

オティヌス「っ!!////」



禁書「二人とも!行くならさっさと行ってほしいんだよ!私は今から朝ごはんを食べなくてはいけないんだよ!」



上条「お、おう。よし、行こうかオティヌス」

オティヌス「あ、ああ」


上条「さすがに肌寒いな」

オティヌス「そりゃそうだろう」

上条「早く春が来ないかねー」

オティヌス「お前は一年生のままだったりしてな」

上条「お前……そういうのやめろよ。シャレになんねーから」

オティヌス「普通のジョークだろうが……どれだけ追い込まれてるんだ」

上条「……ぐぅ」


上条「ところでさオティヌス」

オティヌス「どうした?」

上条「お前はさ、今の生活どうだ?退屈か?」

オティヌス「どうしたんだ急に」

上条「普段はちょっと照れくさくて聞きにくいからさ」

上条「俺としては結構不安なんだよ。少し前まで神様だったお前が俺達と一緒に住んでてどう思ってるのか、ってな」

オティヌス「そうだな……。普通の人間として生きて、笑っている。普通の生活だ」

オティヌス「だが、その「普通」が何よりも幸せなんだってことを、私が一番よく知っている」

オティヌス「いや、お前もか。お前にも「普通」の幸せがよく分かるだろう」

上条「おかげ様でな」


オティヌス「普通の人間として、普通の生活を送る」


オティヌス「これ以上の幸せはない。少なくとも、私にとっては」


上条「……そっか。俺もだ」


上条「俺さ、今の生活に満足してるんだ。もう一度インデックスと過ごせて、そこにオティヌスが加わって」


上条「窮屈だけど賑やかで、楽しくて」


上条「そんな毎日が、俺は好きなんだ。これが、俺がずっと求めていたモノだ」


上条「ま、ちっぽけなことかもしれないけどさ」


オティヌス「ちっぽけなんかじゃない。確かな幸せの形だ」


オティヌス「それは、欲しくても欲しくてもどうしたって手に入らない奴だっているんだからな」


オティヌス「少なくとも、私も今の生活に満足しているぞ。お前のおかげだ」


上条「そう言ってもらえると嬉しいけどな」


オティヌス「ふふ、相変わらず少し歪んでいるというか、卑屈というか……」


上条「うるせーよ」


オティヌス「……私のような人間が、こうして普通の日常を送れていることじたい、奇跡のようなものだ」


オティヌス「改めて、礼を言うぞ。ありがとう」


上条「はは、どういたしまして」


オティヌス「お前は軽く流しているが、私の方は結構本気で言っているんだぞ?」


上条「分かってるって」


オティヌス「本当か?」


上条「分かってるよ」


オティヌス「ならいいんだがな」


上条「さぁ、そろそろ色々な店が開くころだな。どこから行く?オティヌス」


オティヌス「そうだな……まぁ、適当に歩いていこう」


上条「りょーかい」


オティヌス「おい」


上条「ん?」


オティヌス「手を繋いで歩こう。ほら、貸せ」


上条「お、おう」


オティヌス「よし、行くとするか。精々私を楽しませてみろ」ニヤッ


上条「が、頑張ります……」




おしまい


オティヌスだけじゃなく他のキャラのSSも積極的に書きたいと思います
読んでくれた方ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年04月11日 (金) 22:03:00   ID: ulfIPfZg

オティヌスの人以外のオティヌスSSか…と思ったらいつものオティヌスの人でワロタ

2 :  SS好きの774さん   2014年04月13日 (日) 23:08:50   ID: QfnGvlt3

オティヌス死んだら本当にこの人壊れるぞ…俺もだけど

3 :  SS好きの774さん   2014年04月17日 (木) 01:26:59   ID: ZI1qHm49

相変わらずすげえな

4 :  SS好きの774さん   2014年04月19日 (土) 20:45:12   ID: DVIi0Y_g

大丈夫だ・・・俺たちの上条さんを信じよう

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