エレン「アモン?違うな、俺は……」ミカサ「……デビル……マン?」 (114)



オレはもう何もない……


生きる希望も 幸せも……


生きる意味さえも……


守るべき何ものもない……




だが 飛鳥 了 !




いや……大魔神 サタン!!




オレは貴様と戦わずにはいられない!!

人間を守るための戦いではないぞ!

地球上に最後に生き残るのがデーモンかデビルマンか……




勝負だ サタン !!





・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・






《 845年 壁内 》



ミカサ「……エレン、起きて」

エレン「……ミカサ?」

ミカサ「エレン……どうして泣いてるの?」

エレン「…………え?」




※このSSは! 『進撃の巨人』をベースに 『デビルマン』 『AMON デビルマン黙示録』なエレン達のSSです。

  原作ネタバレ、自己解釈、暴力表現、残酷描写、厨二的、などもあります。

  苦手な人はそっ閉じでお願いいたします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396165712



《 845年 シガンシナ区 住宅街 》




悪ガキ1「どうした異端者。悔しかったら殴り返してみろよ!」

アルミン「そ……そんなことするもんか!それじゃお前等と同レベルだ!」

悪ガキ2「なんだと!?」

アルミン「僕が行ったことを正しいと認めているから、言い返せなくて殴ることしか出来ないんだろ?」

悪ガキ3「こいつ……っ」

アルミン「そ、それは僕に降参したってことじゃないのか!?」

悪ガキ1「う、うるせえぞ屁理屈野郎!!」グイッ!





エレン「……オォッラァ!!」




ゴキン!


《 845年 シガンシナ区 住宅街 》




悪ガキ1「どうした異端者。悔しかったら殴り返してみろよ!」

アルミン「そ……そんなことするもんか!それじゃお前等と同レベルだ!」

悪ガキ2「なんだと!?」

アルミン「僕が行ったことを正しいと認めているから、言い返せなくて殴ることしか出来ないんだろ?」

悪ガキ3「こいつ……っ」

アルミン「そ、それは僕に降参したってことじゃないのか!?」

悪ガキ1「う、うるせえぞ屁理屈野郎!!」グイッ!






エレン「……オォッラァ!!」




ゴキン!




悪ガキ1「」ドシャ



悪ガキ2「な、なんだ!?おい、しっかりしろ!」

悪ガキ3「エレンの野郎だ!こんなでけえ石投げやがって!今度こそぶちのめしてやる!」

アルミン「あ……あ……」ブルブル




エレン「……」ニタァ

ミカサ「エレンッ!何をしているの!?」




悪ガキ2「 ッ!? ミカサもいるぞ!駄目だ、逃げろっ!」ダッ

悪ガキ3「こ、こいつはどうすんだよ!?」

悪ガキ2「知るか置いてけ!」タッタッタッ

悪ガキ3「あ……ま、待てy……」


ガシッ


悪ガキ3「あ……?」

エレン「……よう」ニタァ




ガキッ!

ガッ!

ゴキンッ!


悪ガキ3「ギャッ!ガッ!グギッ!」

エレン「死ねっ!死ねっ!死ねっ!」ドガッドガッドガッ!

ミカサ「エレン!死んでしまう、止めてっ!」

アルミン「」ブルブルブル

ミカサ「止めなさいっ!」ガシッ!

エレン「離せ、ミカサッ!こんなヤツ殺してやる!」

悪ガキ3「」ブルブルブル

ミカサ「なんて力っ……死にたくなければそいつを連れて逃げなさいっ!」

悪ガキ3「う、うわあああああっっ!!」




タッタッタッタッタッ……


エレン「待てよっ!クソッ、離せッ!」バッ

ミカサ「……どうしたのエレン?」

エレン「……何がだよ」

ミカサ「明らかにいつものエレンと違った。今まで逃げる相手を追いかけたことなんてなかった」

エレン「お前に関係ないだろ……アルミン、大丈夫か?」

アルミン「ヒッ……」ビクッ

ミカサ「(アルミンですら怯えている。最近のエレンはおかしい……性格だけでなくあの力、これまであいつら相手に一人で勝ったことすら無かったのに……)」




・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・      ・




ミカサ「アルミン……エレンをどう思う?」

アルミン「……さ、最近の事?」

ミカサ「そう、明らかにおかしいと思う」

アルミン「……そうだね、正直僕も怖い、さっきだってミカサがいなかったらあいつらを……家ではどうなの?」

ミカサ「普通のエレン。ああいう事に立ち会うと人が変わる」

アルミン「どうしちゃったんだろうね……おじさんに相談してみたら……」





ド ォ ン ッ ! !




エレ・ミカ・アル「「「 !!?? 」」」



エレン「な、なんだ!?地震ってやつか!?」

アルミン「ひ、広場に人が……行ってみよう!」タッタッタッ

アルミン「………………え?」



エレン「アルミン、な、に……が……」

ミカサ「」







超大型巨人「」ズオォォォォォォ






アルミン「そんな……あの壁は50mだぞ……」

エレン「巨人……」






超大型巨人「」ゴオォォォォォォ






エレン「 !? 動くぞっ!」




ド ッ ガ ア ア ア ア ァ ッ ッ !!!!




アルミン「か、壁に穴を……二人とも、早く逃げないと次々に巨人がやってk……」



エレン「!!」ダッ!



ミカサ・アルミン「「エレンッ!?」」



エレン「壁の破片が飛んでいった先に家が!母さんが!」タッタッタッ



ミカサ「!!」タッタッタッ

アルミン「ミカサ!?」




・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・      ・


《 シンガンシナ区 イェーガー宅付近 》




エレン「!!家に破片が……母さん!!」


カルラ「エレン……かい?」


エレン「母さん!今瓦礫を……ミカサ、そっちを持て!」

ミカサ「わかった!」





ズシンッ




エレン・ミカサ「」ビクッ




ズシンッ ズシンッ




エレン「ミカサ、急げっ!」

ミカサ「わかってるっ!」

カルラ「エレンッ!ミカサを連れて逃げなさい!!」


エレン「逃げたいよ!だから瓦礫をどかしてんだろっ!!」

カルラ「どうしていつも言うことを聞いてくれないの!?最後くらい聞いてよ!!」

ミカサ「…………ッ!」ブルブル

カルラ「ミカサッ!?」

ミカサ「や、だ……いやだ……!」ブルブル




ズシンッ   ズシンッ   ズシンッ





巨人「…………」ギョロリッ





エレン「あ……」



ハンネス「見つけた!大丈夫かお前等!?」ダッダッダッ



カルラ「ハンネスさん!!子供達を……」

ハンネス「巨人……!」ジャキンッ!

カルラ「待って!戦ってはダメ!子供達を連れて逃げて!」

ハンネス「みくびってもらっちゃ困るぜカルラ……この巨人をぶっ殺して、三人をきっちり……」






巨人「…………」ニタァ

ハンネス「」





ハンネス「……」ガシッ

エレン・ミカサ「「!!??」」

エレン「何すんだよハンネスさん!?母さんが!!」

ハンネス「…………」タッタッタッ





その日 人類は思い出した……





エレン「離せっ!!母さんを置いていくのか!?」ジタバタ




カルラ「エレン!ミカサ!生き延びるのよ!!」




エレン「離せよ、離せっ!お前から殺すぞっ!?このッ!!」ドガッ!

ハンネス「グッ!?エレン!?」グラッ

エレン「母さん……母さんっ!!」タッタッタッ

ミカサ「エレン!!離して、ハンネスさん!」バッ!

ハンネス「ミカサッ!?」





ヤツらに 支配されていた恐怖を……




カルラ「エレン、ミカサ!?ダメッこっちに来ては……!」

巨人「…………」ズォォォォォ




ガ シ ッ 




エレン「や……」



ベキ メキ ゴキ



カルラ「」

巨人「…………」アーン






エレン「やめろぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!」






パキッ ポキッ






鳥篭の中に 囚われていた屈辱を……





エレン「あ…………」

ミカサ「ああ……」





そして 思い出した……




巨人「…………」ギョロリッ

エレン・ミカサ「「」」ビクッ

巨人「…………」ズオォォォォォ





自分達が本来 何を恐れていたのか……





エレン「あ……あ……」



ガシッ



自分達が本来 何に狩られていたのか……





エレン「あ…………うわあああああぁぁぁぁぁっっっ!!!!!」





自分達を支配していたのは 何だったのか……





ド ッ パ ァ ア ン ッ ! !




ボトッ ボトッ ドサッ



巨/人「」ブシュゥ……





自分達が 暗闇を避ける その本能は 何処からくるものかを……





ミカサ「巨人が……バラバラに……」




???「雑魚が……」




ハンネス「お前等無事か!?……これは!?」


巨/人「」ドロォ……


ハンネス「巨人が溶けて……? !? ミカサ、エレンはどこだっ!?」

ミカサ「あ、れ……」スッ

ハンネス「あ、ありゃあ……なんだ……?」ゾワッ…




存在を誇示するような角


蝙蝠のような羽





ミカサ「…………エレン?」




狼のような牙


暗闇を纏うような黒の体躯





???「エレン……?違うな、オレは……」




《人類の天敵》




《 悪魔 》 そのものだった







アモン「 オレは アモンだ 」






今日はここまで、でございます。


改行多すぎぃ!台本形式だとどうも距離感や間の表し方が難しくて。
精進します。

アモンて衣谷の?
あの人まだ何か書いてる?

魔界の勇者の方か

>>20>>21 衣谷氏の漫画のほうですね。その後何を書かれているかは知りません。
AMONだけでなく原作のデビルマンとも交ざると思います。




・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・



《 847年 訓練兵団 営庭 》





キース「おい、貴様……貴様は何者だ!」

アルミン「ハッ!シガンシナ区出身、アルミン・アルレルトです!」バッ!

キース「そうか!馬鹿みてぇな名前だな!親がつけたのか!?」

アルミン「祖父がつけてくれました!」

キース「貴様は何しにここに来た!?」

アルミン「人類の勝利の役に立つためです!」





アレから二年……私達は訓練兵団に入団した。


あの混乱の中、今こうして生きているのが奇跡のようで


信じられないようなことの連続で


ここは本当に同じ壁内なのか、と。それが現実のものでないようにすら感じる。



キース「フンッ!」ゴンッ!

ジャン「グッ!?」ドサッ

キース「誰が座って良いと言った!?こんなことでへこたれる者が憲兵団になどなれるものか!!」





エレンが……『アレ』に変身して


そして……


シガンシナ区は 文字通り《 地獄 》と化した……





キース「逆だ、コニー・スプリンガー……最初に教わったはずだ、この敬礼は『公に心臓を捧げる』意味だと……貴様の心臓は右にあるのか?」ミシミシミシミシミシ…

コニー「あ……が……」ブラーン…






あの時、『あの人』が現れなければ


人類は滅亡していたかもしれないことを、私とアルミンとハンネスさん以外は、誰も知らない。






・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・



《  845年 シガンシナ区 住宅街  》





アモン「なんだここは……サタンのヤツはいねーのか……」





ハンネス「こ、こりゃあ……どうなってんだ……あれが、あの悪魔みたいなのが……エレンなのか?」ブルブル

ミカサ「……ッ!?エレン!エレンなの!?」



アモン「……いろいろと、集まってきやがった……サタンはこねえか」



巨人「」ズシンッ ズシンッ

  巨人「オオオオオッ!」ドシンッ ドシンッ

       巨人「」ニタニタ



ハンネス「か、囲まれちまった!?不味い!!」

ミカサ「……エレンッ!!」

ハンネス「動くなミカサ!隙をみてずらかるぞ!」

ミカサ「でもっ!エレンが!」




アモン「違うな……オレはエレンなんてヤツじゃない。オレは……」




 アモン だ




ミカサ「ア、モン……?」



巨人「…………」ズオォォォォ



ハンネス「きょ、巨人が!?」

アモン「雑魚どもめ……」



ヒュンッ



風きり音だけ残し、空を黒の線が幾重にも走ったのを覚えている。

その線が空に走るたび、あんなに恐ろしかった巨人がバラバラになっていった。



ズバンッ!



巨//人「」ブシュゥ…



頭部を、首を、四肢を。



グチャッ!



巨//人「」ドグチュア…



切り取られ、?がれ、刻まれ、叩き潰され。





あたりの巨人は瞬く間に幾つもの肉片になり、最後は






アモン「…………」スゥ…



バ サ ッ ! !



ハンネス「うおおおぉぉっ!?」

ミカサ「……!!??」




ビュオォォォォォッッ!!




バラバラのままに、悪魔の翼の たった一度のはばたきで壁外まで消え去った。




アモン「……フッ」




そして間もなく、周囲に変化が起こった。



ミカサ「え、エレン……!?」ドロ…

ハンネス「い、行くなミカサ、アイツがエレンなワケが……ッ!!??」ドロ…

ミカサ「これは!?」ドロドロ…

ハンネス「と、溶けてるのか!?クソッ!高所に逃げるぞミカサ!」ガシッ

ミカサ「待って!エレンが!」バッ

ハンネス「馬鹿、ミカサ!今離したら!?」ビシュウンッ!



ミカサ「あ……」



ハンネス「しまった!ミカサァッ!!」



立体起動に移るハンネスさんの手を反射的に振りほどいてしまった私は

その勢いのままに空に放り出され



ミカサ「あ……」



いつの間にか溶けてドロドロになった石床や家屋の渦に落ちた。



ドボンッ!




巨人「」ズシンッ ズシンッ

  巨人「オオオオオッ!」ドシンッ ドシンッ

       巨人「」ニタニタ



アモン「まだいるのか……言っておくが、貴様等程度ではオレに指一本ふれることすらかなわん」


アモン「 死 ね 」




ヒ ュ ン ッ 




・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・




ミカサ「グッ……プハッ!ゲホッゲホッ!」

ミカサ「……生きてる?どうして?服だけ溶けて……物しか溶かさないの?」



ウワァァァッ!!

助けてくれぇぇぇ!

ど、ドロドロが巨人を遮ってる!今のうちに逃げろ!!



ミカサ「やっぱり……でも巨人は溶けてる……やっぱり、アレは」




ミカサ「エレェンッ!!」



アモン「また、その名前か……オレはエレンなんかじゃねえと…………?」

アモン「(ガキが溶けてねぇ、他のニンゲンもだ……あのでかい雑魚共は溶けている……これは、『不動のヤツの時』みてえな……)」





ミカサに手を出すなッ!!




アモン「グッ!?このガキッ!?」グラッ


ミカサ「……エレン?どうしたの?」




オレの体を返せ!!




アモン「このガキ……!まだ意識が……!」

アモン「!?これは……『不動』かッ!?グゥッ……!!」






アモン「ク……ソ……」シュゥゥゥ…



ドサッ…




ミカサ「!……エレン!!」タッタッタッタッ


エレン?「」


ミカサ「エレン!起きて!目を覚まして!!」


エレン?「…………う」


ミカサ「エレン!!……大丈夫!?怪我は!?」

エレン?「……?君は……誰だ……?」

ミカサ「エレン……?どうしたの?」

エレン?「オレはエレンじゃない……オレは……オレは」

.
.
.
.
.
.
エレン(不動明)「 オレは 不動 明 だ 」
.
.
.
.
.
.

ここまで、でございます。

多分明日にも投下します。


ミカサ「……エレン、何を言っているの?」

エレン(不動明)「……君、何で裸なんだ?」

ミカサ「それはエレンも……今はそんな事を気にしている場合ではない。巨人がそこまで来ている。早く逃げないと……」



ズゥンッ



ミカサ「ッ!?」

エレン(不動明)「なんだこいつは?デーモン……じゃあなさそうだな」



巨人「……」ニヤニヤ



ミカサ「エレン、隙をついて逃げる、離れないで……」

エレン(不動明)「……どきな」

ミカサ「エレン!?何を……」

エレン(不動明)「丁度いい肩ならしだ……」ザワザワ




デビルマン「…………」シュウゥ…



次の間にはエレンは再び悪魔へと姿を変えていた。

さっきの悪魔とそっくり

けれど少し人体を感じさせる体のつくり。

けれどその威容は、その行動は。



巨人「……」ズオォォォ

デビルマン「 死 ね 」




悪魔そのものだった。




・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・




デビルマン「クッハハハハハ!!」ズバッ!ドシュッ!



巨人が血と蒸気を噴出しながら倒れ行く様をこれ以上なく楽しそうに高笑いする悪魔。

アレは本当にエレンなのだろうか。

巨人が攻めてきて。

エレンが悪魔になって。

巨人が死んで。

エレンに戻って。

そしてまたエレンが悪魔になって。

思考が追いつかない、頭がどうにかなってしまいそうだった。



デビルマン「肩慣らしにもならん…………で?」ギラッ

ミカサ「ッ!!」ビクッ!

デビルマン「……君はデビルマンじゃないな。日本人か?何故人間がまだ生きている?」

ミカサ「デビルマン?ニホンジン?な、なんのことか……」




巨人「」ズシンッ ズシンッ

  巨人「オオオオオッ!」ドシンッ ドシンッ

       巨人「」ニタニタ


デビルマン「まだいるのか、しかたない……君?」

ミカサ「……何?」

デビルマン「ひとまず状況を教えてもらう……飛ぶぞ?」

ミカサ「………………え?」



覚えているのはそんなマヌケな自分の返答。

それと視界いっぱいに広がった蝙蝠の翼。

よく覚えていない。



・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・



《 トロスト区 郊外 》



ミカサ「ハッ!?」

エレン?「起きたか……」

ミカサ「エレン!?巨人は!?悪魔は!?」

エレン?「落ち着け」


ミカサ「……ここはどこ?」

エレン?「オレが聴きたい。ここはどこだ?見たこともない造りだ。あの壁はなんだ?さっきのでかいヤツラは?人間を食っていたようだが、デーモンじゃねーのか?」

ミカサ「あなた……エレンではないのね」

エレン(不動明)「言ったはずだ、『不動 明』、それがオレの名前だ」

ミカサ「誰でもいいっ、エレンを返しなさい、あくm」ギリッ




エレン(不動明)「 お い 」



ミカサ「」ビクッ!



エレン「いいか?二度とオレを『悪魔』と呼ぶんじゃねえ……」



ミカサ「……」ブルブルブル


エレン(不動明)「……状況が良くわからない。さっきの事もそうだが、オレは何故この……エレンだったか?そいつと『合体』している?」

ミカサ「『合体』?もうわけがわからない……」

エレン(不動明)「……まさか、『デーモン』を知らないのか?世界中でニュースをしていただろう?」

ミカサ「でーもん?にゅうす?エレ……あなたこそ巨人と壁を知らないのは何故?」

エレン(不動明)「……どうやら長くなりそうだな」




私は『フドー・アキラ』と名乗るエレンに……自分でも何を言っているかわからないが、この世界の事を教えた。

巨人のこと、壁のこと、今起こっていること。

興味深そうにその話を聞くのが、姿形はエレンそのものの別の何かというのが何か奇妙だった。




そしてその後、『フドー・アキラ』の知っている世界と言うものを聴いた。


なんか、非常に重いので一回切ります。

アキラの口調が思い出せない。
もう少しだけ過去描写をやったら訓練兵時代に戻ります。
そしたらデビルマン要素は増えるかと。

ご容赦いただきたい。

乙乙
これはいいものだ


とても信じられないこと。

壁のない、巨人の居ない世界。

世界中に人間が住んでいた、けれど全て滅んだ。

地底に住む人類の天敵による策略によって。

『デーモン族』。人間の天敵。

あらゆる生物と『合体』し、殺戮と戦いに酔い続ける悪魔のような種族。

そして『悪魔人間(デビルマン)』、人間とデーモンの合体した、人間でもデーモンでもないもの。デーモンの体に人間の心を持った人々。

人類がデーモンを打倒するための手段。そしてその一番最初のケースがこの……



『 不動 明 』



彼が合体し、自分の中に封じ込めていたデーモン、あの悪魔こそが、



『 デーモン族の勇者 アモン 』



……正直、アルミンが持っている本に出てくる御伽噺のようにしか思えない。



エレン(不動明)「オレからしてみりゃこんな壁に囲まれて、その壁の向こうには目的もわからねぇ巨人とやらがうろついている世界の方が御伽噺だ」


そう言われて返す言葉もなかった。


エレン(不動明)「君……オメーの話を聞いたところで、なんでオレがここにいるのかはハッキリしねーな」

ミカサ「それはこちらも同じこと……でも教えてもらいたい」

エレン(不動明)「なんだ?」

ミカサ「合体した時……意識はどうなるの?」

エレン(不動明)「デーモンと合体し、自我を保つのには『善良で理性的な人格』と、デーモンを屈服させる程の『強い意思』が必要だ。でなければデーモンに意識を乗っ取られる……らしいな」

ミカサ「じゃあ!……エレンはっ」

エレン(不動明)「オレだって人間と合体したことなんかねえんだ、聞かれたってわからねえもんはわからねーよ」



ズキンッ



ミカサ「…………」

エレン(不動明)「おい……どうした?」

ミカサ「(ああ……またこれか……)」ズキン ズキン

????「そこにいるのは誰だ!」

エレン・ミカサ「「 !? 」」


憲兵1「子供?……お前等そこで何を……何故服を着ていない?」



ミカサ「……あ」スッポンポン

エレン(不動明)「…………」マルハダカ



憲兵1「お前等ウォールマリアから来たのか?どうしてこんなところに……」

ミカサ「その……ドロドロに服が溶けて……は、母を捜していた」

憲兵1「……避難民は広場から出るな。付いて来い」



憲兵2「おーい、誰かいたのか!?」



憲兵1「避難民の子供だ、服も着てない……お前等とりあえずこれでも羽織っとけ」バサッ

ミカサ「……ありがとう」シュル

エレン(不動明)「……」シュル

憲兵2「子供……いや、そんなことはどうでもいいっ!シガンシナが完全に突破された、ウォールマリアは終わりだ!!」

エレン・ミカサ「「!!??」」


憲兵1「なんだと!?また大型のやつが出たのか!?」

憲兵2「いや、今度は砲弾を弾き返すヤツが出たらしい、そいつが……それに、それに!」

憲兵1「落ち着け、何があった!?」



憲兵2「『悪魔』が……『悪魔』が現れた!巨人じゃない、シガンシナで巨人を殺戮していたと報告があったのと同じような悪魔がどこからともなく現れた……それが巨人と殺し合いをしている……」



憲兵1「なんだと……まさか本当にそんなものが」

ミカサ「……ハッ!」

エレン(不動明)「…………」



結びつけるのは簡単だった。

今までの私では信じられなかっただろう、しかし今は違う。

目の前でその存在を教唆し、自らその存在を証明して見せた人間がいる。


憲兵2「それだけじゃない!その悪魔どもは……人間にも攻撃を仕掛けている!もう何人も死んだ!!」

憲兵1「なんだと!?報告によると悪魔は巨人だけを殺すのではなかったのか!?」

憲兵2「ヤツラは巨人より小さいが、壁を乗り越えて来る。迎え撃った駐屯兵が何人も死んだ!我々も駆りだされている!早く来い!!」

憲兵1「なんと言うことだ……巨人と違って壁を乗り越えてくるとは……おい、お前等」

ミカサ「……はい」

憲兵1「このまままっすぐいけばじきに広場だ、我々は招集がかかった、自分達でいけるな?」

ミカサ「…………はい」



・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・



《 トロスト区 広場 》





アルミン「エレン!ミカサ!」

ミカサ「アルミン!無事だった……」


アルミン「二人こそ……おばさんは……」



ミカサ「…………ッ!」ズキンッ



エレン(不動明)「……ツレか?」

アルミン「?……エレン?と、ともかく無事でよかった、けど……」

ミカサ「どうかしたの?」

アルミン「悪魔が……ローゼを越えてこっちに来たらしいんだ……」

ミカサ「……そんな」ズキン ズキン ズキン



結局こうなった。

初めに父さんと母さんを失い。

引き取ってくれたイェーガー先生の家はなくなった。

エレンも……もういないのだろう。



また これか……



世界はわかりやす過ぎるほどに残酷だと思い知らされいた。

けれど、それすらももう終わることが、幼い頃の私にも理解できていた。

自分達、人類は、『今日ここで滅亡するのだ』、と。




戦え



ミカサ「…………?」



戦えっ



ミカサ「…………?」クルッ

アルミン「……ミカサ?」

エレン(不動明)「…………」



戦わなきゃ勝てないっ!



ミカサ「……エレン?」

アルミン「エレン?エレンがどうかしたの?」



戦 え !



ミカサ「そう、エレンが……エレンがまだいる」



あの時から、今も、私を突き動かしてきた言葉が蘇った。

この世界は残酷だ。それはわかりやす過ぎるほどに。だからこそ、



ミカサ「戦わなければ……勝てない……っ」グッ

アルミン「た、戦うって……相手は悪魔や巨人だよ?ぼ、僕達になにが……」

ミカサ「出来ることは……ある」


アルミン「あるって……なにができるっていうn」

ミカサ「……アキラさん」

アルミン「アキラ?誰の事を言ってるの?」


エレン(不動明)「……やなこった、オレはもう二度と人間の為に戦わねーよ」


アルミン「え、エレンまで、何を……」



ミカサ「 な ら っ! 」



ミカサ「私にエレンを……私の家族を返して」

エレン(不動明)「……知ったこっちゃねーな、それにオレがオメーらの言う悪魔なら、人間らしい良心の呵責があるとでも思ってんのか?」

ミカサ「エレンを思っての事だった、どうか許して欲しい、それに……」



ミカサ「悪魔人間は、『人間の心を持っている』と聞いた。だから私は、『人間のあなたにお願いしている』」



エレン(不動明)「…………チッ」

ミカサ「あの家は、エレンは……行くところもない私に暖かさをくれた大切なもの、なんです。どうか、この通り……」ペコリ


アルミン「ど、どういうこと?エレン?ミカサ?」

エレン(不動明)「おい……ミカサとか言ったな?」

ミカサ「言った」



エレン(不動明)「デーモンだけだ……後は好きにしろ……」ザワザワザワザワ



アルミン「え、エレンが……そんな……」




デビルマン「…………」シュゥ…







ミカサ「…………ありがとう」




・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・




《 数時間後 トロスト区 》


悪魔どもは一匹残らずあの黒いヤツが殺したらしいぞ!

  オレも聴いた、だがあれも……

      ああ……まさに悪魔そのものだった、まだいるかもしれない、警戒を怠るな!


エレン「……ミカサか?」

ミカサ「エレン、気が付いた?」

エレン「ああ……ここはどこだ?」

ミカサ「トロスト区……シガンシナは」

エレン「夢じゃ……無かったんだな」

ミカサ「……そうね」



エレン「…………ゃる」ツーッ



ミカサ「エレン?」



エレン「駆逐してやる……!あいつ等全員、この地上から一匹残らず……ッ!!」ギリィッ!



ミカサ「……そう、なら強くならないと、エレンも、私も」

.
.
.
.
.

巨人も 悪魔も殺せるように……
.
.
.
.
.

今日はここまで、でございます。

>>45 大変恐縮でございます、ありがとうございます。



《 847年 訓練兵団 営庭 》




そうして今私達は兵士になった。

あれ以来、あのアモンという悪魔は出てきていない。

アキラさんは時折エレンの体のまま現れる、その事にエレンは気付いていないけど……

私にとってはエレンが生きて帰ってきた、そのことのほうが重要だった。

私も、エレンも、強くなるその目的の為に、兵士になった。

そう、巨人も、悪魔も殺せるように……





キース「半……分……?」

サシャ「フゥ……」ドヤァ…




・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・



《 訓練兵団宿舎 食堂 》




エレン「だから……見たことあるって」

訓練兵1「本当かっ!?」

訓練兵2「どれくらい大きいんだ!?」

エレン「壁から首を出すくらいかな……」



ミカサ「(ああして私とアルミン以外で話をしているエレンを見るのは何時振りだろう……)」モグモグ



訓練兵1「じゃ、じゃあ……『悪魔』ってどんなだった?」

エレン「ああ、なんか出たらしいな……オレ見てないんだ、その時のこと良く覚えてないし」



ミカサ「(それが不幸中の幸い、もしエレンが自分の体に気付いてしまったら……)」



訓練兵2「そ、そうか、じゃあ普通の巨人は」



エレン「…………」ピタッ



「「「「「…………」」」」」 ゴクリ



エレン「……あんなやつら大した事ない」


訓練兵2「そ、そうなのか……ま、まあ壁よりデカイ巨人や悪魔に比べたら エレン「 け ど 」 」




エレン「 必ず 皆殺しにしてやる 」メキメキ…




マルコ「(て、鉄製の食器が……)」ゾワッ

「「「「「…………」」」」」ゾワッ



ミカサ「(……やはり目を離せない)」


エレン「だから調査兵団だ……この世から巨人共を駆逐してやる」


ジャン「お、おいおい正気か?今、調査兵団に入るって言ったのか?」


エレン「……だったらなんだ」ギロッ

ジャン「(目ぇ怖ッ!!)」ゾワッ!

エレン「憲兵団に入るって言ってた……内地で楽がしたいのか」

ジャン「(い、いやビビッてたまるか)俺は正直者なんでね……心底怯えながら勇敢気取ってるヤツより現実見てるだけだ」

エレン「……ハッ」

ジャン「なにかおかしいか?」イラッ

エレン「そりゃオレの事か……?」ガタッ

ジャン「お、オイオイ、俺は何も……」ガタッ


エレン「……みるか?」

ジャン「あ?なんだよ?」



エレン「オレが腰抜けか確かめてみるか?」ニタァ…



「「「「「…………」」」」」ゾワッ

マルコ「(ま、まずい!)そ、そこまでだ二人とも、私闘は営倉入り、いや開拓地行きになってもおかしくないぞ!」

ジャン「……チッ」

エレン「……だからなんだ?」ツカ ツカ ツカ

ジャン「な……」ゾワッ!

マルコ「な!?おい!」


エレン「ジャンって言ったな……あまり挑発すんなよ」

ジャン「(う、動けねえ……なんだコイツ!?なんなんだ!?)」ブルブルブル




喰 い 殺 す ぞ ?




ジャン「」



カンッ カンッ カンッ カンッ カンッ



ミカサ「そこまで、夕食は終わり、エレン……宿舎に戻りなさい」

エレン「……命令すんなよ、お前はオレの母さんか?」

ミカサ「家族。だからあなたを止める義務がある」

エレン「……冗談だよ、なあ、おい?」チラッ

ジャン「」

エレン「まあ、誰が腰抜けかはわかったしな、これで手打ちにしようぜ」ポンポン

ジャン「あ……?」ヘタッ



「「「「…………」」」」」ガチガチガチガチ…

なんか重たくてしょうがないので一回間をおきます。


マルコ「か、彼女の言うとおりだ、みんな片付けるぞ」

エレン「……じゃあな」ツカ ツカ ツカ

ミカサ「……エレンには関わらないほうがいい、あなたの為、なによりエレンの為……エレンに近付かないで」

ジャン「ッ!!??」

ミカサ「 ? ……エレン、待って」トットットッ


なんなんだあいつ……

           本当に死ぬかと思った

    あいつの顔直視できねえよ

  怖すぎだろ、あんな凶悪な目つきに隈までつけやがって……


マルコ「……行ったか、おい、肝が冷えたぞ!喧嘩を売るにも相手を選べよ」

ジャン「……(……可愛いかった)」

マルコ「おい!聞いているのか!?」

ジャン「ハッ!?い、いやなんでもねえ、あの死に急ぎ野郎、今に見てやがれ……」

マルコ「やめとけよ、さあ帰るぞ」

ジャン「…………ん?」

マルコ「おい、どうした?」




ジャン「手……引っ張ってくれねぇか?」

マルコ「…………内緒にしとくよ」



・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・


今日はここまで、でございます。



《 立体起動適正検査 》




教官「やってるな、この段階で兵士の才能は見てとれる、見ろ……まったくブレがない」




ミカサ「……」ピタッ…




教官「あれこそ才能と言うものだ」

新人教官「あ、あの子はどうなんでしょうか?」

教官「ああ……それこそ才能と言うものだ、できる人間がいればまた逆の人間もいる」




ンレエ「……」ブラーン

キース「どうした、エレン・イェーガー!?バランスを取れ!」



  あいつ、昨日食堂で大見得切ってたやつだろ?

      こんなのもできねえのか。

恥ずかしいヤツだ……



ジャン「へっ……口だけか、死に急ぎ野郎め……」




ンレエ「んー……フッ!」



グルンッ!



エレン「よっと……けっこう難しいな……」ピタッ




「「「「おお!」」」」


ジャン「チッ……」



キース「よし!それでいい!今日から貴様は兵s……」

キース「待て、イェーガー……貴様、どうやってバランスを取っている」

エレン「え……どうって、普通に……」

キース「……ベルトが破損している、後で交換しておけ……点検項目には無い箇所だ、不問にする」

エレン「ハッ!」



やっぱりおかしいよアイツ……

 なんなんだ、つまり破損したベルトでバランスとってたんだろ?

       ミカサってのもシガンシナ区出身だったよな?あいつ等みんなそうなのか?



トーマス「…………」ブルブル…

アルミン「……えと、トーマス、だっけ?どうしたの?」

トーマス「 ! い、いや、さっきのアイツ……俺が滑車を回して吊り上げたんだが……」

アルミン「エレンを?どうかしたの?」

トーマス「お、重かったんだ……他のヤツは全然楽に吊り上げたのにアイツだけ……何人分もあるみたいに……」ブルブル

アルミン「そ、それは……」

トーマス「き、気のせいだよな?けど、俺、アイツを見ていると震えが止まらないんだ」ブルブル



アルミン「(ミカサの言ってた悪魔人間が関係しているんだろうか……それに……)」

アルミン「(エレンは僕も良く知っているのに、僕も彼が怖い……)」



《 対人格闘訓練 》



エレン「……」ポツーン

ライナー「……あー、エレンだったか?お前一人で何やってんだ?サボりか?」

エレン「ライナー……だったよな、確か。いや、相手がいないんだ」

ライナー「(普通に会話する分には問題ないんだな……目つきは尋常じゃないが)同郷のミカサと組んでただろう」

エレン「アイツ、俺をどうしてか他と組ませないようにオレと組んでたんだけど、医務室で治療してる、認めたくないけど、シガンシナ区にいたころはあいつの方が強かったんだけどな……」



・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・

『医務室』



アルミン「ミカサ、エレンの相手をし続けるなんて!どうしてこんな無茶したの!」

ミカサ「他の人がやると……人死にが出るかもしれない」ボロボロ…

アルミン「そんな、いくらなんでも……!」

ミカサ「否定、できる?」ボロボロ…

アルミン「ミカサ……」

アルミン「(ミカサがこんなにボロボロになるなんて、性格だけじゃなくて、体力も普通じゃなくなってきている……)」

アルミン「(あれは、本当にエレンなのか……もう、僕達の知っているエレンは……)」


・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・





ライナー「つまり、ミカサを医務室送りにしたのか?なんという……」

エレン「わざとじゃねえよ」

ライナー「いや、そうじゃなくて、訓練始まって数日だが、アイツが抜きん出ているのは見てとれる、それを医務室送りにしたのがな……」

エレン「大したことじゃない、こんなもん巨人を殺すのに役に立たないだろ」

ライナー「……それは違うだろ。俺達は兵士だ、使えるものは何でも使って守るべきものを守らなけりゃならん」

エレン「…………」

ライナー「この訓練だって、いつか何かの役に立つかも知れん、そうやって備えを怠らないことこそ、兵士の責任だと思うぞ」


エレン「……お前」

ライナー「!?(やばい!怒らせたか!?)」ビビクッ!

エレン「わかったよ、ライナーの言うとおりだ、相手してくれよ、一人なんだろ?」

ライナー「(ま、まずい!なんとか話をそらさないと!)」

ライナー「…………ん?」




アニ「……」ポツーン




ライナー「なあ、エレン、ここは一つあそこのサボリにも兵士の責任ってヤツを教えてやろうぜ……」

ライナー「(すまん、アニ……だがお前なら!)」

エレン「……アニ?」

今日はここまで、ございます。
デビルマンするのは、もう少し先かな。


アニ「……何か用?邪魔なんだけど」

ライナー「教官の頭突きが怖いか?」

アニ「……は?」

ライナー「それ以上背を縮めたくなかったらここに来たときの事を思い出して真面目に……」

アニ「……フッ!」



スパァン! ドゴッ!


ライナー「」プシュゥ…



アニ「それだけ?じゃあ……」

エレン「……いや、やる」ニタ…

ライナー「……エレン?」

アニ「……何がおかしいの?」

エレン「いいや?オレともやろうぜアニ、教官の頭突きは嫌だろ?」

アニ「……後悔するよ?」

エレン「アニ、これにはやり方が……っても守る気は無いよな?」ニヤァ…

アニ「私は好きにやる、アンタも好きにしなよ」スッ…



ライナー「……」ゴクリ


エレン「……」ダッ!

アニ「シッ!(合わせられる!下段っ!)」ヒュッ!




(足を狙われている!合わせろ!)




エレン「 ! 」ヒュンッ!


ドズッ


アニ「ウグッ!!」ドサッ


ライナー「(な、なにが起きた……どうしてアニがうずくまってる……?)」


エレン「次はお前が襲う番だな?ほら短刀」ポイッ

アニ「……チッ(ローキックに合わせて足に短刀を刺した……どんな反射神経だ)」パシッ

アニ「参ったね、とんだ化け物だ、私みたいな乙女にも手加減なしか」

エレン「大の男を宙に廻す女は乙女とは言わねぇよ」

アニ「言ってくれるね……」グッ


アニ「(腕力、リーチ、反射神経どれも向こうが上だろう……なら)」

エレン「……来ないのか?」

アニ「(今だ!)」ヒュンッ!




(短刀を投げてくる!避けろ!)




エレン「 ! 」ヒュンッ!

アニ「(そうくると思った!)」ダッ!

エレン「 !? 」

アニ「(避けて体勢の崩れた後なら!)」ガシッ グイッ!


アニ「な!?(動かない!?馬鹿な、こいつ見かけよりずっと重い!)」ズシッ…


エレン「……」ニヤッ…

アニ「 !? 」



ガシッ



アニ「(あ……首が……)」

エレン「……」




メキメキメキメキッ……



アニ「グッ……カッハッ……!」

ライナー「 !? よせエレンッ!やりすぎだ!!」

エレン「……ッ」ギュゥゥゥゥ…

ライナー「エレン!!」




ミカサ「エレン!?何をやっているの!」

アルミン「アニを離して!!」




エレン「!?」パッ



ドサッ



アニ「ゲホッ……ゲホッ」

エレン「…………ッ!」ブルブル…

ライナー「アニ!大丈夫か!?」


ミカサ「エレン、私以外と対人格闘はしてはいけないと言ったはず」

エレン「……そのお前が医務室に行ってりゃ世話ないだろ?」ブルブル

アルミン「(震えてる?)……エレン、ミカサは事故が起きるのを回避してくれてるんだよ?そんなこと言ったら……」

エレン「……わかった、悪かったよ。アニ……」

アニ「ゲホッ……なに?」


エレン「悪かったな……」スタスタ

ミカサ「エレン、待って訓練なら私が……」スタスタ


ライナー「行ったか……アニ」

アニ「今度はなに?」

ライナー「済まなかった……」


アニ「……全くだ」スタスタ


ライナー「フゥ……どうなることか思ったが……」



アルミン「(エレン……どうして震えていたんだろう、まるで怖がっているような…………ん?)」



アルミン「……ライナー?」

ライナー「なんだ?アルミン」

アルミン「その、なんでひっくり返ってるの?」

ライナー「……兵士の責任を貫いた結果だ」



《 夜 訓練兵団宿舎 》




エレン「(寝つきのいいはずのオレが……目がさえて眠れない)」

エレン「(熱い……体が燃えるようだ、今日の対人格闘の時から……)」

・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・

メキメキメキメキッ……

アニ「グッ……カッハッ……!」

ライナー「 !? よせエレンッ!やりすぎだ!!」

エレン「……ッ」ギュゥゥゥゥ…

・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・

エレン「ッ!?」ブルッ

エレン「(体が火照ってしょうがない、少し夜風にでも当たってくるか……)」ムクッ



ガチャリ バタン







アルミン「……エレン?こんな夜中に、どこに?」ムクッ



《 数分後 トロスト区 裏路地 》



エレン「(……何やってんだ俺は、こんなの教官にバレたら営倉入りどころじゃ済まないぞ……けどっ!)」

エレン「(足が勝手に動く……それに……ッ!)」ザワッ

エレン「(身体が熱いっ……!どうなってんだ!?)」ザワザワ




アルミン「(エレン……何処に向かってるんだろう)」コソコソ…




エレン「(あれは……?)」




男「なあ、なあいいだろ?いつ巨人が攻めてくるかわからねえんだ、時代はフリーセックスだろ?」

女「…………」

男「ちょっとだけだからさぁ……」





エレン「…………」ニタァ…



男「いわゆる、ラブ&ピースってヤツでさ……」ハァハァ


トントン


男「あ?」

エレン「よォ、お楽しみじゃねーか」ニコリ

男「ンだ、てめェ!?殺すぞコラァ!」ブンッ!

エレン「フッ……」スゥ…


エレンを突き放そうと男が腕を伸ばすその分だけ、エレンは体を引く。

その動作だけで初撃を放つ構えは整っていた。


ガンッ!ドガンッ!


鈍器が衝突するような鈍い音と共に、左、右の綺麗な拳による連撃が男の頭部を捕らえていた。

男の顔面のへこみ具合から見て、彼に闘争心が湧いてくるはずもないことは誰の目にも明らかであるが、エレンはそれに留まらなかった。


ゴンッ!


更に左拳で返し。


ドドドドドドドッ!


殴れるところを好き放題に殴り。


ドゴォッ!


崩れかかる男の顎にめがけての蹴り上げ。弧月の如く綺麗に宙を舞った男はそのまま地面に倒れ伏せた。


エレン「すっきり……したぜ……」



まだだ……これじゃ満足できねー……なんだってんだ……



ガ シ ッ 


エレン「え?」

女?「余計なことを……」

エレン「……え?」

女「余計なことをするんじゃないよォッ!!」


ブンッ! ドガァ!


エレン「な……?」



突然の事で、処理が追いつかない。

自分の体の異常。

そしてそれを晴らそうと、見も知らない人間にあたる自分の人格の変わりよう。

そして、たった今自分を壁に叩きつけたと思われるこの女の異常な腕力。

なにが起こっているというのか。


女?「シャアアアッ!!」ザワザワザワ

エレン「な……、な……?」



デーモン「フシュルルル……」シュウゥ…



エレン「(なんだこれ……)」ブルブル


明らかに人間ではない。確かにさっきの女の顔だ。ただし股間から伸びるようにそれは生えており、卑猥を通り越してグロテスクですらある。女性の乳房の面影も見られるが他は明らかにこの地上の生物ではない、これではまるで、これではまるで


エレン「(悪魔ってヤツか!?全滅したって……どうして壁内に……!!)」

デーモン「ガアアァァァッ!!」シュンッ!

エレン「うわぁっ!!」バッ



突如とした悪魔の攻撃に反射的に腕を差し出すしかなかった。牙を突きたてられたその腕に鋭い痛みが走る。しかし、だと言うのに。






エレン「(オレ……なんで笑ってるんだ……!?)」ニタァ…




(戦え!)



エレン「!?」


(デーモンめまだ生き残っていたか……)


エレン「(声だ、また声が聴こえる……)」ザワ…


(一匹残らず殺してやる……!)


エレン「(訓練の時、いつもオレに戦い方を教えてくれる声だ……)」ザワザワ



(戦え!戦え!)



エレン「戦える……駆逐してやる……」ザワザワザワ


(覚悟しろデーモン共、貴様等全員一匹残らず……)





エレン「駆逐してやるッ!!」ザワザワザワ!





デーモン「ッ!?」
,



腕が、足が、背中が、顔が、身体が


その全てが自分の知るそれでは無くなっていく。



エレン「おおおオオおおォォぉぉぉぉっっ!!」ボゴボゴボゴッ!



三メートル級の巨人に匹敵する体躯。

おそらくはそれなど容易に引き裂くであろう爪と牙。

蝙蝠を思わす頭部には人間には存在しえない触覚。

その姿は、人間なら誰もが描く悪魔そのものだった。
.
.
.
.
.
デビルマン(エレン)「…………」シュゥゥゥ…
.
.
.
.
.

今日はここまで、でございます。


デーモン「その姿……アモンか?」



デビルマン(エレン)「…………」



デーモン「おどろいた、お前もこちらにきt」



ガシッ!



デーモン「!?」

デビルマン(エレン)「…………」ニヤァ



グチャ



単純な握力による圧迫、それだけで腕に牙を突きたてていたデーモンの頭部を握りつぶす。



デーモン「アッガアアアアアッッ!!??」


股間より伸びた『片方の』頭部を握りつぶされ、激痛に身悶えする化け物。だが憐憫の情など沸いてくるわけもなく、むしろ恍惚としたものすら感じる。


デーモン「何をするッ!?気でも狂ったかアモン!!」


『アモン』、その名に関する記憶が流れこんでくる。知っている、この力の持ち主、自分の中に住まう、もう一人の自分。デーモン族の勇者。


デビルマン(エレン)「アモン?違うな……オレは……」


己が何と名乗るべきか、その記憶も流れ込んでくる。悪魔、『デーモン族』と合体し、悪魔の意識を乗っ取り、悪魔と戦う、人間の心を持った者。



デビルマン(エレン)「オレは、『デビルマン』だッ!!」



デーモン「人間に意識を乗っ取られたのか……!」

デビルマン(エレン)「人間が意識を乗ったと言ってもらおうか……オレはこの力でお前ら悪魔も!巨人も!この地上から一匹残らず駆逐してやる……!」ザワッ!

デーモン「ヒッ……!」


こちらに怯む、その隙を逃さない。間髪いれず間合いを詰め、先程の男と同じように殴り続ける。


デビルマン(エレン)「死ねッ!人間の皮を被った悪魔め!害獣めッ!」ズバッ! ドグシャッ!


いつか自分の家族となった少女を浚った誘拐犯にそうしたように、激痛に逃げ惑うデーモンを殴り倒す、抉る、引き裂く。



最早大した抵抗もなく、一方的に殴られるデーモン、そして逃げ惑うそれを追いかけ攻撃を加え続けるエレンの動きは、やがて洗練されたものとなっていった。



ガシッ! グルンッ!


デーモン「ッ!?」



重心をずらし、つんのめった足を更に狩る。それは自分が兵士となり学んだ『対人用』の戦闘技術、しかし悪魔の体を持った今となっては、



デーモン「き、貴様ッ!何をし……」

デビルマン(エレン)「」ヒュンッ!



ドグチャ


悪魔ですらその範疇に入る。



デビルマン(エレン)「 死ね 」

デーモン「」




・・・・・・・・・・・・ ・  ・    ・




アルミン「(悪魔は……人間に化けることが出来るのか!?)」

アルミン「(だとしたら最悪だ……この狭い壁内でそんなことになったら、人間なんて狩り放題だ)」

アルミン「(誰かに知らせる?馬鹿な!そんな事をしたら巨人の侵攻を待たずに人類は全滅する!)」

アルミン「(疑心暗鬼になった人類はやがて魔女狩りを始めるだろう……そうでなくとも兵の幹部や中央の権力者が悪魔になってしまっていたら!?)」

アルミン「(お終いだ……人類は既に絶滅したも同然だ……なのに……なのに)」




ドキン




アルミン「(なんで僕は……)」ニ…





ドキン ドキン ドキン





アルミン「(なんで僕は笑っているんだ……!?)」ニコリ…




その目線の先には変わり果てた姿で、悪魔を肉塊にする親友の姿があった。

相手が血を噴出す瞬間の嬉しそうな顔。

断末魔の悲鳴を耳心地良さげに笑う顔。

どれをとっても悪魔そのもので、かつての親友の影はまるでないというのに、だというのに……



自分はまるで『その姿を待ち望んでいた』ように胸が高鳴っていた。



アルミン「(僕……どうなっちゃったんだ……!?)」

短いですが、今日はここまで、でございます。

長らくご無沙汰しております。

突然で申し訳ございませんが、更新が難しく相成りました。
現在、仕事が詰まってきた、プライベートの用事、>>1自身の体調不良などで、SS作成にまったく手がつかない状況です。

大変失礼をいたしますが、本SSは無期停止とさせていただきたく存じ上げます。
HTML化をしておきます。お時間とらせました、申し訳ございません。

なんと……

追いついたと思ったら終わってた
とりあえず乙
このスレはOVAの誕生編みたいなものとして、死麗濡編ができたらまた立ててくれたら嬉しいです

残念だ

>>110様 >>111様 >>112

本当に申し訳ございません。
許されるならばいつか戻ってまいります。

勝手を申し上げました。ここまでご覧になって頂きありがとうございました。

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