僧侶「私とパーティーをくんでくれませんか?」(723)

まったりかいていきます。

1の他のSSもあるので宣伝させて下さい。

女戦士「俺とパーティーを組んでくれないか?」
http://minnanohimatubushi.2chblog.jp/archives/1840736.html

勇者「お、おんなになってるだと?!」
http://minnanohimatubushi.2chblog.jp/archives/1772957.html

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1369231006

【剣術魔法訓練学校】
講師「呪文は魔翌力でその効果が変わります。」

講師「しかしそれとは別に、術者の思いの深さにも影響がされるのです。」

講師「例えばホイミは相手の傷を思いやる気持ち。これはなんとなくわかりますね。」

講師「ザキは相手への恨みが深ければ深いほど成功率があがります。」

講師「メガンテは術者の人生の価値や生への執着に影響されます。死にたいと思っている者のメガンテなどほとんど効果はないでしょう。」

生徒「先生、ではメガザルは何に影響されるのですか?」

講師「それはですね…」

【始まりの街 アルファ アルファ城 王座】

王様「伝説の勇者XXX以外にそなたほど優秀な勇者はおらんであろう。本日より勇者の称号をそなたに与える。魔王を討ったという吉報が届くのを楽しみにしているぞ。」

勇者「ははっ。」

勇者(ついに勇者の称号を手に入れたぞ。今まで他の勇者達では達成できなかった魔王討伐をなしとげてみせる。)

【道中 旅に出た勇者】

勇者(これから街にいって仲間を募るぞ。エリートの僕にふさわしい仲間をみつけるんだ!)

「きゃー」

勇者「ん?女の子がモンスターと戦っている!」

僧侶「このモンスター強い、かくなるうえは…。」

スライム「ぴきー!」

僧侶「メガンテ!」

勇者「!!」
スライム「!!」

―僧侶はメガンテを唱えた!しかしMPが足りない!―

僧侶「ええええ!!?」

勇者「ほっ」

スライム「ぴききー!」
―スライムは僧侶におそいかかってきた!―

僧侶「きゃー!」

勇者「しょうがないな…。」

―勇者の攻撃!スライムを倒した!―

* * * * *

僧侶「危ないところを、ありがとうございました。」

勇者「いや、無事でよかった。ところでなんで一人でこんな危険な場所を歩いていたんだ。」

僧侶「私、まだパーティーに入っていなくて。それで一人でレベル上げしていたんです。」

勇者「君、冒険者か!」
注:冒険者とは魔王軍討伐のため旅をつづけているものの総称である。

僧侶「は、はい。でもなかなかパーティーに出会えなくって…。」

勇者(いくら僧侶でもこんな貧弱な奴を仲間にいれるなんて無謀なやつはいないよな。僕も生死をともにするパーティーメンバー選びは慎重にならないとな…。)

僧侶「勇者様はどこかパー…。」

勇者「そうか、健闘を祈るよ。道中気を付けてね。」バイバイ

僧侶「あ…、はい、ありがとうございました。」シュン

* * * * *

【酒場】

カランコロン

酒場の女主人「あらみない顔ね、新人さん?ここはパーティーメンバーを募集するための酒場よ。」

勇者「はい。仲間を募集したいんです。本気で魔王討伐を考えることができる有能な人物が欲しいんです。これが僕の勇者認定書です。」

酒場の女主人「ふーん勇者様ってわけね。それにこの認定書に書かれている成績が本当だとするとかなり優秀みたいね。」

勇者「僕がこの魔王軍との交戦に決着をつけるつもりです。そのつもりで勇者になったんだから。」


酒場の女主人「やる気もあるってわけね。でもお生憎様、今パーティーを募集している歴戦の人材はいないわ。それにいたとしても成績がいいだけのポッと出の新人勇者に命を預けようなんて奇特なものはいないわね。」

勇者「む。」

酒場の女主人「地道に新人同士でパーティーを組んで強くなりなさい。」

勇者「それじゃあ駄目だ。僕は本当に魔王を倒せる仲間を募りたいんです。そんな人が来るまでここで待たしてもらいます。」

酒場の女主人「そう。じゃあ一応ベテランの冒険者には声をかけてみるわ。隅の席でまってて。」

勇者「はい。」

* * * * *

勇者(あれか数時間たつけどなかなか現れないな。本当にフリーの人がいないのかな。初期レベルでライデインが使える勇者なんてそうはいないはずだ。きっと仲間になってくれる人がいるはずだ。)

ベテラン戦士「ようねえちゃん久しぶりだな。仲間を募っている勇者はいないかい。」

酒場の女主人「あら、前の勇者とは喧嘩別れ?」

ベテラン戦士「いや、俺とベテラン武道家を庇ってな…。いい奴だったよ。」

酒場の女主人「そう、ごめんなさい。一つだけ募集はあるわよ、かなり優秀な子みたいだけど。これがステータスと経歴よ。」

ベテラン戦士「新人か。悪いがごめんだね。パーティーとは何たるか分かってねえ、ひよっ子には背中は預けらんねえな。前の勇者は弱かったがあいつはそこだけはわかってたよ。」

酒場の女主人「そう、いいリーダーに出会えたのね。」

ベテラン戦士「おっとすまねえ。愚痴をいいに来たんじゃなかったんだけどな。まぁまたくるわ。」

酒場の女主人「えぇ。」


勇者(さっきからときおりベテランっぽい人が来るけど募集ではないみたいだなぁ。僕のステータスをみれば必ず声をかけてくれるだろうしなぁ…。)

* * * * *
ギィィ バタン

勇者(また誰かお店にきた。)


僧侶「あ、あの。」

酒場の女主人「あら、いらっしゃい。」

僧侶「前パーティーを募集したものなんですけど、どこからか声がかかっていませんか。」

酒場の女主人「うーん。今のところはいないみたいね…。」

僧侶「そうですか…。」ガックシ

酒場の女主人「ごめんなさいね。」

僧侶「いえ…。」トボトボ

おお!
あなたか


勇者(あの僧侶だ。声は聞こえないけどたぶんパーティーみつからなかったんだろうな…。)

酒場の女主人「そうだ、ちょっとまって。」

酒場の女主人「新人勇者君。」

勇者「はい。」(なんだ?)

酒場の女主人「この子も新人の僧侶よ。新人同士パーティーを組んだら?」

僧侶「え?」パァァ


勇者「すいませんが僕は魔王を倒せる人材を求めているんです。他をあたってください。」

酒場の女主人「ちょっ」

僧侶「そ、そうですよね。す、すいませんでした。失礼します。」

僧侶「」ペコリ

僧侶「」テッテッテッテ

酒場の女主人「あぁちょっとまって…って行っちゃった。」

勇者「…。」

酒場の女主人「ちょっと君もう少し優しい言い方があるんじゃないの!」

勇者「あの子には悪いけど、あの子の実力じゃ冒険を続けるなんて無理です。それだったら誰かが本当のことをいってあげないといけないんじゃないんですか?」

酒場の女主人「そう、それが優等生の勇者様の言葉ってわけね。」

勇者「僕だって好きであんなこといったわけじゃないんですけどね。」

酒場の女主人「あなた、そんなに手練れの仲間を募りたいなら西の塔にいってみたらどう?」

勇者「西の塔ですか?」

酒場の女主人「そうよ。そこを攻略すれば冒険者としては一人前よ。そこで出る土竜から得られる万能の薬石は家が一軒買えるほど高く取引されるし、西の塔を攻略できるほどの腕ならどこのパーティーでもひっぱりだこよ。」

* * * * *

勇者「ここが西の塔か。」

勇者「さっそく塔に入ろう。」

【西の塔1F】

「キャー」

勇者「あの声は…。」

僧侶「こいつめ!こいつめ!」ポカポカ ポカポカ

―僧侶の攻撃!ゴレームに2のダメージ!―

ゴーレム「オロロロローン!」

僧侶「あーん全然きいてないですー!」

ゴーレム「オロロロロロロロロローン!」
―ゴーレムは両腕を大きく振り上げた!―

僧侶「きゃー。」

勇者「しかたない。」チャキ

>>12前作ご存じの方いてくれて嬉しいです。

* * * * *

僧侶「危ないところをありがとうございました。」

勇者「あぁ。それよりなんでこんな所にいるんだ?」

僧侶「それはレベル上げもしたいですし、万能の薬石が欲しくて…。」

勇者(そういえば万能の薬石は高価で取引しているといってたな。)

勇者「そうか。君じゃあ無理だ。引き帰しなさい。」

僧侶「いえ、私万能の薬石がいるんです。」

勇者(そんなに高値でうれるのかな。)


僧侶「勇者様二度も助けていただいてありがとうございました。私攻略をつづけます。」ペコリ

勇者「ちょ。まって。」

僧侶「はい?」

勇者「わかった。じゃあ西の塔の間だけ僕といこう。でないと危険だ。」
(さすがに死なれたら目覚めが悪いからな。)

僧侶「え?いいんですか!」

勇者「に、西の塔の間だけだぞ。」

僧侶「はい!よろしくお願いします。」

* * * * *
【西の塔3F】

―勇者の攻撃!キングレオを倒した!―

勇者「ふぅ。」

僧侶「わぁ勇者様お強いですね!」

勇者「ちょっとよけそこなったけどな。」イテテ

僧侶「えい!」
―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが5回復した!―

勇者「あ、ありがと。」(たったの5って…。いくらなんでも。)

僧侶「ふふふ。」

勇者「なんだ?」

僧侶「私、こんな風にパーティーメンバーを回復するのが夢だったんです。」

勇者「しょぼい夢だな。それに西の塔の間だけだぞ。」

僧侶「わ、わかってますよ!」モウ

勇者「そういえば僧侶いくつ魔法唱えれるの?」

僧侶「え…?よ、よっつです…。」ゴニョゴニョ

勇者「よっつ?だけ?」

僧侶「そ、そうです////」

勇者「そうか。ホイミと?」

僧侶「あとバギと…。」

勇者「うん。」

僧侶「メガンテと…。」

勇者「おい。それでこの前メガンテしようとしてたのか。」

僧侶「え?」

勇者「スライム相手にメガンテなんかするなよ!」

僧侶「え?いけないんですか?私メガンテけっこう得意な方なんですけど。」

勇者「メガンテとか一回しかできない魔法を得意っていわねえだろ。」

僧侶「でも私達が最初に習った魔法がメガンテですよ。」

勇者「師匠の顔がみてみたい。」

【西の塔5F頂上】

―勇者の攻撃!土竜に8のダメージ!―
勇者「く、強い。僕の攻撃が全然効かない。」

―土竜の攻撃!勇者に39のダメージ!―

勇者「ぐぅ。」

僧侶「こいつめ勇者様にぃ。」ポカポカ!

勇者「ば、ばか!」

―僧侶は土竜の背中をたたいた!土竜に32のダメージ!―

土竜「ウガー」

勇者「へ?結構効いた?」

土竜「グオオオオオオオオオン!」ユルサン

僧侶「キャー」

勇者「危ない!」

―勇者は僧侶をかばった!土竜の攻撃!勇者に85のダメージ!―

勇者「ぐぅ…。」

僧侶「ゆ、勇者様!」

勇者「く、このままじゃ全滅する。一旦下の階に避難するぞ。」

僧侶「は、はひ!」

―勇者達はにげだした!―

支援

【西の塔4F】

―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが9回復した!―

勇者「ありがと。気休めにはなるよ。」

僧侶「き、きやすめって!」ムゥ

僧侶「私の攻撃の方がきいたんですからね。」

勇者「それだ。何故僧侶の攻撃なんかが効いたんだろう。」

僧侶「それは私の功夫(クンフー)のたまものではないでしょうか。」キリッ

勇者「もしかしたら背中が弱点なんじゃないのか?」ムシ

僧侶「あう。」

勇者「しかしあれだけ大きい体格で素早い土竜の後ろに回り込むのは至難のわざだな…。」

僧侶「…。」

勇者「うーむ。」

僧侶「あの!私がおとりになります。土竜を私がひきつけて勇者様が後ろから攻撃してください!」

勇者「駄目だ。危険すぎる。それに背中が弱点とはきまったわけじゃないからな。」

僧侶「で、でも一番有効そうな作戦ですし、それに。」

勇者「うん?」

僧侶「それに私、足は速い方なんです!」

勇者「はは、なんだそれ。」

僧侶「私真剣です!」

勇者「わかった。でも無理だと思ったらすぐに逃げるんだぞ。」

僧侶「はい!」

【西の塔5F頂上】

僧侶「土竜いますね。さっそく誘い出してきますね。」

勇者「うん。気をつけろな。ちなみに50m何秒なんだ?」

僧侶「10秒フラットです!」ドヤ
テッテッテッテッテッテッテッテ!

勇者「ちょまっ」アァイッチャッタ


僧侶「土竜さんこっちこっち!」
―僧侶は小石を投げた!土竜に0のダメージ!―

土竜「ムカ」

土竜「マチヤガレ」ドドドドドドドドドドドドドドド

僧侶「きゃー」テッテッテッテッテッテ!

勇者「む、あの竜おもったより速いぞ。そして僧侶おもったよりはるかに遅い!」

僧侶「あうー速いです~」

土竜「グオオオオオオ」

僧侶「あ、いきどまりです!」

土竜「グオオオオオー」
―土竜は大きく息を吸い込んだ―

僧侶「これではにげられませんねぇー。」コマッタコマッタ

勇者「まにあってくれ!」
―勇者は剣を土竜に突き立てた!しかし土竜の動きはとまらない!―

土竜「グゥアオオオオオオ!!」
―土竜は灼熱の息吹を…!―

勇者「ライデイン!!!」
―勇者はライデインを唱えた!土竜に238のダメージ!―

土竜「クオオオオオオオオオオオオォオォォン!」

ドサ!

―土竜を倒した!―

勇者「はぁはぁ…。」

僧侶「勇者様かっこいいです!」

勇者「だ、だいじょうぶか?僧侶?」

僧侶「はい!このとおりピンピンしてますよ!」ピョンピョン

勇者「ふ~~、よかった…。」

僧侶「勇者様のおかげで土竜を倒すことができました。ありがとうございました。」

勇者「いや…今回は僧侶のおかげさ。」(しかし、こいつこんなに危険な目にあったのに全然びびってないな。恐怖心があるのか?)

僧侶「えへへ」

勇者「さぁとるものを取って早く街にもどろう。」

僧侶「はい!」

【街】

僧侶「勇者様ありがとうございました!私よるところがあるので失礼しますね!」ペコリ

勇者「おう」

僧侶「」タッタッタッ

勇者(万能の薬石は家一軒並みの価格らしいからな。あの子も魔王退治なんてやめて人並みにくらせるだろう。)

勇者「今日はもう夜遅いし宿屋で寝てからまた明日だな。」

【翌日】

勇者「ただいまマスター、お土産ですよ。」ドン

酒場の客たち「「ザワッ!!」」

酒場の女主人「ヒュー、やるわね確かに万能の薬石だわ。」

「あいつ西の塔を攻略したらしいぞ。」ザワザワ
「新人の勇者だってよ。しかもレベル5らしい。」ガヤガヤ
「レベル5で西の塔攻略だって?なんてスペックなんだ!」ワイワイ
「カンストしたらどんな強さになるんだろう。」シコシコ

酒場の女主人「で、なんか言いたいことがあるような顔ね。」

勇者「もう一度冒険メンバーを募集したい。」ドヤ!

酒場の女主人「わかったわ、夕方またここにいらっしゃい。今度は貴方が選ぶ方になるわね。」

【街】

勇者「さて、夕方まで時間もあるし街をぶらつくか。」

僧侶「勇者様!」

勇者「お、僧侶か。どこにいくんだ。」

僧侶「えと、もしかしたらパーティーの申し込みがあるかもっておもいまして酒場にチェックしに行くんです!」

勇者「ふーーん。」

~~15分後~~

僧侶「」ションボリ

勇者「まぁドンマイだな。」

僧侶「ションボリです。」

勇者「万能の薬石をみせればみんな仲間にしれくれるんじゃね?」

僧侶「あれもう人にあげちゃいました。」

勇者「へ。」

僧侶「勇者様~私をパーティーにいれてくださいぃぃ。」ウルウル

勇者「あほか。お前みたいな役立たずはいらん!」

僧侶「ひどいです!」ビエーン

勇者「ええい!なくな!うっとうしい!」

少年「おぃ!お前僧侶おねえちゃんをいじめるな!」ゲシ!

勇者「いて!なんだ?このくそがき。」

僧侶「あ、少年君。この方は勇者様ですよ。」アセアセ

少年「じゃあお前が僧侶おねえちゃんの手下として万能の薬石をとるのを手伝った勇者か。なんか間抜けな顔してるな。」

勇者「あぁん?」カチン

僧侶「しょ、少年君!お父様はお元気?」アセアセ

少年「うん、熱も下がったし火傷もこの半日でほとんどよくなったよ。僧侶おねえちゃんの薬石のおかげだよ…。父ちゃんこれでまた鍛冶として働けるって喜んでた。」

僧侶「そう、よかったです。」ニコリ

勇者「…。」

少年「そうだまだ買い物の途中だった!俺いくね!今度うちにきてよ。いつでも最高の防具を用意するからさ!」

僧侶「ふふ、楽しみにしています。」

勇者「おい僕がなんでお前の手下なんだ!」

僧侶「えーっとなんでですかね…。」シドロモドロ

勇者(こいつあのくそガキのために薬石をとりにいったのか。)

【夕方 酒場】

酒場の女主人「いらっしゃい。」

勇者「こんばんは、仲間をさがしにきましたよ。」

「おい、あいつだよ。話題の新人勇者って。」
「あのレベルでライデイン使えるなんて聞いたことないぜ。」

酒場の女主人「今リストを渡すわ。興味のあるメンバーがあれば紹介するわ。会ってから決めなさい。」

勇者「はい。」

女魔法使い「あらあなた新人の勇者様じゃない?」

勇者「そうですが何でしょうか。」

女魔法使い「あなた、西の塔を今のレベルで攻略したらしいわね。さすがね。」

勇者「ど、どうも。」

女魔法使い「どう?あたしとくまない?楽しい旅をしましょ?」

勇者「え?あのその」シドロモドロ

女魔法使い「てれちゃって、かわいい。」

ギィ
僧侶が酒場にあらわれた!

勇者「僧侶だ。」

女魔法使い「あらあのこ。」

勇者「しってるんですか?」

女魔法使い「しってるもなにも。役立たずで有名な子じゃない。あんな子とパーティー組む奴なんているのかしら。」

勇者「ハハハ」

僧侶「あ!勇者様!こんばんは~」

勇者「お、おう」

女魔法使い「あらずいぶん馴れ馴れしいわね。あんた何しに来たの?」

僧侶「あ、私はパーティーメンバーを募集しようと思いまして。」

女魔法使い「回復魔法も十分にできないあんたと組む奴なんているわけないじゃない。どっかのパーティーでコンパニオンでもやってたほうがいいんじゃない?」

酒場の剣士「ははは!ちげえねえ!」
酒場の武闘家「おもしれえじゃねえか、ようねえちゃん俺らに酌でもしてくれねえか?」

僧侶「あ、あの…。」アセアセ

勇者「…。」カチン

酒場の武闘家「俺と夜のパーティーならくんでやるよぉ~」グイ

僧侶「あぅ、やめてください。」

勇者「やめろ!!」

女魔法使い「!」
酒場の剣士「!」
酒場の武闘家「!」

勇者「ここにいるぞ!」

勇者「僕が僧侶のパーティーメンバーだ!パーティーメンバーをバカにするやつは許さない!」

僧侶「ゆ、勇者様~」ジーン

酒場の女主人「ヒュー♪」

女魔法使い「あっそ。トーシロー同士組めばいいんじゃない?」
酒場の剣士「ち、冗談じゃねえか。しらけちまったよ。」
酒場の武闘家「酒がまずくなっちまったぜ。」ヤレヤレ

勇者「…。」(やっちまったー!!)

酒場の女主人「見直したわよ、ボーイ。じゃあさっそく登録してく?」

(正直後悔している。僕はなんであんなことをいってしまったんだろう。足手まといを仲間にしてしまっただけでなく、優秀な人材をメンバーにするチャンスも失ってしまった。)

支援

* * * * *

【モンスターとのバトル】

僧侶「勇者様ホイミです!」

―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが5回復した!―

勇者「おい!しょぼすぎるぞ“まんまるドロップ”以下か!」

僧侶「それ違うゲームですぅ。」

【戦いの後】

勇者「はぁはぁ。やっと倒した。」

僧侶「さすが勇者様!お疲れ様です!」

―僧侶はホイミを唱えた!しかしMPがたりない!―

僧侶「あれれ?」

勇者「く、薬草よこせ。」

僧侶「はい!あれ?」ガソゴソ

勇者「どうした?お前まさか、落としたんじゃないだろうな。」

僧侶「すごいです!なんでわかったんですか?!」

【北の町】
勇者(くそ、なんでこんなやつ仲間にしたんだ…。)

 西の塔を攻略した僕たちは、北の町にやってきた。北の町の近くにある北の孤島は魔族の手に落ちており、北の孤島の奪還はその周囲の領海権の奪還を意味する。そうなれば魔王の棲む大陸へ行き来するのはたやすくなるからだ。

僧侶「げんこつってひどくないですかぁ?」ヒリヒリ

―僧侶はホイミを唱えた!僧侶のたんこぶが消え去った!―

僧侶「よし!」

勇者「よし!じゃねえ!おまえMP回復したなら僕の怪我を気にしろ!」

僧侶「ご、ごめんなさい。」

>>25 43 支援ありがとうございます。

勇者「あの酒場に時がまきもどせたら。」

僧侶「まぁまぁこれでも私たちの中では優秀だっていわれてたんですよ?」フフン

勇者「何?他にも役立たずがいるのか。余も末だな。」

僧侶「ひどいです!」

勇者「お前、あとモンスターに突っ込んでいくのやめろな、いつか死ぬから。怖くないのか?」

僧侶「私こわいとかよくわかんないんですよね。」

勇者「ばかやろう!」ポカリ

僧侶「ディ、DVじゃないですかぁ?」ナミダメ

【北の町 商店街】
勇者「くそ、僕はなにをやってるんだ…。」

僧侶「勇者様~!」ブンブン ←手を振っている。

勇者(メリーゴーランドに乗りたいと駄々をこねるもんだから思わず赦しちまったが。)

勇者(なんて無駄な出費だ、はぁ…。)

僧侶「あー楽しかったです。勇者様もなんで乗らなかったんですか?」

勇者「あほか。あんなのもう乗ってられるか。」

僧侶「そうですか。私こういうとこ来るの初めてなんで楽しいです。」

勇者「そっかよかったな。くそが。」

【北の町 防具屋】
勇者「これからの戦いだと、もうちょっと防具をあげないと厳しいかもなぁ。」

僧侶「勇者様これかわいいです。着てみていいですか?」

勇者「水のはごろもか。着・る・だ・け・ならな。」

僧侶「はーい!」

勇者「はぁ…。」(こいつ楽しそうだな…。)

~~15分後~~

僧侶「勇者様~みてください。」

勇者「うん?いま防具えらんでるんだよ…。」メンドクセエナ

僧侶「ど、どうですか・・・?///」

勇者「」

勇者(か、かわいい…!!)

僧侶「だ、黙ってないでなんか言ってくださいよぉ。」

勇者「ふ、ふん。お前にはもったいないな。お前の場合新聞紙で十分なんじゃないのか?○○○新聞でもくるんどけ!」

僧侶「ひぃ!防御力も愛国心も低すぎですぅ!」

【北の町 商店街】
僧侶「あの水のはごろもかわいかったな…。」ハァ

勇者「贅沢言うな。薬草より役にたたんやつにはいらんだろ。」

僧侶「私の存在全否定ですか!」

勇者「薬草より役に立ったなら買ってやるよ。」フフン

僧侶「いいましたね?じゃあ北の孤島での活躍見ててください。」

勇者「あぁ。」

出店のおやじ「そこのお嬢ちゃん、どうだい?うちの商品みてってよねえ。」

僧侶「私ですか?」

出店のおやじ「そうそう、お嬢ちゃんに似合うアクセサリーいっぱいあるよねえ?」

僧侶「あ、この花飾りかわいいです。」

勇者「おい、もう今日は宿屋にもどるぞ。」

僧侶「あ、はい。」チラ

出店のおやじ「そうかい。これはミヨの花の髪飾りっていうレア物なんだけどねえ。格安にするけどねえ。」

勇者「あれは偽物だ。ミヨの花の髪飾りがこんなに安いわけないだろ。」

僧侶「わ、わかりました。」チラチラ

出店のおやじ「はは、彼氏さんは詳しいね。確かに本物じゃないんだけどねえ。でも都会ではこのレプリカを恋人に送るのがはやってるのねえ。」

僧侶「恋人!」//

勇者「おやじ、僕らはそんな浮ついた間じゃない。魔王を倒すために旅をしてるんだ。」

出店のおやじ「そうかいそうかい。それは失礼したねえ。じゃあさらに半分の値段にしてあげるけどねえ?」

僧侶「勇者様…。」ウルウル

勇者「ちっ。」

【北の町 宿屋 夜】

僧侶「フンフーン」ホクホク

勇者「なんだ、機嫌いいな。」

僧侶「私アクセサリーって初めてなんです。ありがとうございました。」

勇者「ふん、そっか僕は寝るぞ。」

僧侶「はい。おやすみなさい勇者様。」

勇者「お前は寝ないのか?」

僧侶「私は日記というか報告書を書かないといけないのです。」

勇者「またか。明日は北の孤島に行くんだ早く寝ろよ。」

僧侶「はーい」

更新がめちゃくちゃ早いな
GJb
期待してます

~~報告書~~
経過報告をします。勇者様とパーティーを組んで数日が立ちました。移動遊園地やパンの買い食い、出店の無駄遣い。楽しいという感覚は今の様なことをいうんだと分かりました。白黒だった世界がカラフルになっていきます。

 今日は北の町でお買い物をしました。水のはごろもを買ってもらうことはできませんでしたが、レプリカですがミヨの花の髪飾りを買ってもらいました。

 まだ怖いという感覚は分かりませんが今ならマスターが期待されるような起爆力を起こせるような気がします。

 明日は北の孤島です。

【北の孤島 ダンジョン】

(考えが甘かった。いくつもの冒険者のパーティーを屠ってきた北の孤島。僕らのレベルで倒そうというのが思い上がりだったのかもしれない。)

勇者「ライデイン!」

デーモン「!!」

勇者「敵がひるんだぞ。階段の所まで引くんだ。」

僧侶「はい!」

(北の孤島のダンジョンの中ボスに苦戦した僕たちは、出口に近い階段まで引くことにしたが、その階段は破壊されていた。これではデーモンに追いつかれるのは時間の問題だ。)

勇者「ち、まいったね。」

―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが23回復した。―

勇者「お、少し腕を上げたんじゃないのか?」

僧侶「ふふ、私の日々の功夫のたまものですね!」ジマン

勇者「お前このピンチに余裕だな。」

僧侶「私たちピンチなんですか?」

勇者「お前…。」(こいつにはお灸をすえた方がいいな。)

勇者「場合によっては僕たちはここでしぬかもしれない。」

僧侶「そうなんですか!いやですね!」

勇者「お前軽いな。」

僧侶「私、勇者様と組んで、初めてしにたくないって思いました。これが恐怖なんですね。」キリ!

勇者「そっか…。」(駄目だこいつ。)

(馬鹿なやり取りをしている間に中ボスが僕たちを追ってきた。)

デーモン「クカカカカ、見ツケタゾ人間。」

勇者「追ってきやがったか。下がっていろ僧侶。」ジャキン

僧侶「というわけで私の出番です。今ならいける気がします。」ズイ

勇者「おい馬鹿。下がってろ。」

僧侶「勇者様褒めてください。私、初めて勇者様のお役に立つのですから。」

勇者「なに?」

トテトテトテトテ

デーモン「小娘、ワザワザ我ニ喰ワレニキタカ。殊勝ナコトダ。」

勇者「馬鹿野郎!早く戻れ。」

僧侶 ニコ

デーモン「?」

僧侶「メガンテ。」

(僧侶を中心に光の爆風があたりを吹き飛ばす。)


(メガンテとはその者の人生の価値や生きることへの思いが高ければ高いほど効果を増すといわれる。その光はまるで僧侶の様に優しく、美しいものだった。)




勇者「うそだ・・・ろ。」




(僕はその日初めての仲間を失った。)


(僕は無償に腹が立っていた。僧侶の命の代価がこの程度ものなのか。それを思うとどうしようもない怒りが身体の奥底から湧いてきた。)




(怒りにまかせ剣をつかむ。いつの間にか僕は中ボスに突っ込んでいた。その後のことはあまり覚えていない。)

【始まりの街 アルファ】

見習い僧侶「あれが一人で北の孤島を制圧した勇者様じゃない?」

見習い勇者「え?あんな若いの?」

見習い戦士「かっこいいなぁ…。」

(北の孤島を制圧し、続けて幾つかのダンジョンを制圧した僕はこの地域ではちょっとした有名人になっていた。)

見習い騎士「あの勇者様。自分は騎士といいます。勇者様の仲間に、いれてくださいませんか!」

勇者「やぁ君はこの前、剣術大会で優勝した子だね。」

見習い騎士「はい!覚えていただいて光栄です。」

勇者「申し訳ないけど、僕は仲間を持つつもりはないんだ。」

見習い騎士「そ、そうですか。」



>>55 支援ありがとうございます。

(仲間を再び持つことが怖くなっていた。)


(メガンテを使う前の僧侶の笑顔。なんであんなふうに命を捨てれるんだろう。)


(僕は僧侶の実力を正直馬鹿にしていた。なのに僕は僧侶に救われたのだ。)


(どうして彼女を心から仲間として認めてあげることができなかったのだろう。)

【酒場】
カランコロン

勇者「マスター、葡萄酒を。うん?どうしたんですか?まるで死人にでもあったような顔をして。」

酒場の女主人「ゆ、勇者君…。あなた僧侶ちゃんは死んだって言ってたわね?」

勇者「そうですよ。」イラ

酒場の女主人「じゃあ、あの子は誰?」

勇者「え?」

(酒場の片隅のテーブル。そこには僧侶が出会った時と同じ姿で座っていた。)

とりあえず今日はこれで終わりにしようと思っています。続きは落ちまでは決めているのですが、手直しに時間がかかっているのでもうちょいかかりそうです。



メール欄にsaga入れとくと魔力とかが表示される様になるゆ

ちょっと見てみたら知ってるSSの作者でワロタ
支援

誰かと思えば、ホイミしか使えない僧侶の話書いてた人か!時間かけたとはいえキッチリ完結させてたし、信頼出来そうだ。

これも面白いし支援

期待

【酒場 僧侶との再会】

勇者「ど、どういうことですか。」

酒場の女主人「そう、勇者君もしらないのね。あの子、朝パーティーメンバーの募集をしにきて、そのままずっとあそこに座ってるの。」

勇者(まちがいない、あの姿は僧侶だ。)

勇者(何故…。僧侶は死んだはずなのに。)

【酒場 僧侶のいるテーブル】

勇者「僧侶…だよな?」(どうみても僧侶だ。)

僧侶「そう。あなたは?」

勇者「あなたは?って…。僕は君の。」

勇者(もしかして僧侶じゃないのか?でも別人なんて思えないほど僧侶に似ている。)

勇者「僕は勇者だ。覚えてないのか?」

僧侶「…。」

僧侶「そう、あなたが勇者なのだな。」

勇者「なぁ僧侶、僕ともう一度パーティーを組もう。」(この反応はなんだ?メガンテの影響?)

勇者(一緒に行動すればなにか分かるかもしれない。)

僧侶「わかった。」

(一体どういうことなのか分からなかった。しかし例えどういう事であろうと僕は今度こそ僧侶を、仲間として扱うことにした。きっとこれは神様がくれた機会なのだ。)

saga入れろ

リアルタイムキター(≧∇≦)/

私が死んでも、代わりはいるもの?

続きマダー?

コメント下さった方ありがとうございます。
読んで下さる方がいて大変うれしいです。

【勇者と僧侶のパーティー】

―勇者の攻撃!ひとつめ巨人を倒した!―

勇者「ふぅ。ちょっとてこずってしまった。僧侶は大丈夫か?」

僧侶「問題ない。勇者のほうが傷が大きい。」

勇者「あぁ、よけきれなかったな。」

―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが45回復した!―

勇者「ありがとう。少し腕を上げたんじゃないのか。」

僧侶「前のでは魔翌力が低すぎた。今回は魔翌力を多く設定している。」

勇者「そ、そうか。」(前?)

【始まりの街アルファ】

勇者「お、プリンぱんが売ってる。僧侶すきだったよな?」

僧侶「プリンぱん?」

勇者「なんだ忘れちまったのか?ちょっとまってろ。」

タタタタタ

勇者「はぁはぁ。ほらこれがプリンぱんだ。食べてみろよ。」

僧侶「わかった。」パクパク

僧侶「!」

勇者「はははっ気に入ったみたいだな。」(よかった。)

僧侶「勇者は食べないのか?」

勇者「僕はいらない。」ニコ

勇者「あ、あっちに移動遊園地があるぜ。僧侶が前に乗れなかった観覧車あるかもしれない。」

僧侶「…。」

~~報告書~~
 経過報告。勇者という男に接触をした。前任者が報告していたのと同じ者だ。前任者の報告と違いかなり友好的だ。パーティーを組もうと持ちかけられた。当初の予定通り了承する。
 本日は魔物と戦い。パンを買ってもらい。移動遊園地の簡易観覧車に乗り。出店で綿菓子を買った。勇者という男が言うにはパーティーとはそういうものらしい。

【宿屋 夜 勇者と僧侶の部屋】

勇者「うん、何を書いてるんだ?」

僧侶「報告書を書いている。」

勇者「そ、それは…。」(僧侶が以前に書いていた手帳と同じ!)

僧侶「どうした。」

勇者「やっぱりお前は僧侶だったんだな。」

勇者「よかった…。」ツーー

僧侶「ないているのか?」

勇者「ははは。なあ僧侶。もうこの前みたいのは、なしにしてくれよ。」

僧侶「…。」

~~報告書~~
 追加報告。私が報告書を書いていると突然勇者という男が涙を流した。理由は分からないが前任者の行動を否定していた。報告書を確認したがそれに当たるものは不明である。

支援

乙!!

しえん

【東の魔城】

勇者「くっ!」

僧侶(めずらしい、勇者が苦戦している。)

ガキン、キン!

勇者「くそ!」(まずいな、一旦ひくか?これでは僧侶を守りきれない。)チラ

僧侶(勇者がこっちをみた。手助けが欲しいんだな。)

僧侶「理解した。」

トテトテトテトテ

勇者「!?」

魔城のボス「むぅ?なんだ小娘?」

僧侶「メガンテ。」

勇者「馬鹿!!やめろおぉおお!」

魔城のボス「!」

―僧侶はメガンテを唱えた!しかしMPが足りない!―

僧侶「そうか、回復魔法を使いすぎた。」

魔城のボス「ふはは!!驚かせるな小娘!!ぬぅん!」

僧侶「キャ」

―魔城のボスの攻撃!僧侶に45のダメージ!―

勇者「てめぇ」

勇者「仲間に何をしやがる!!!」ブヂ!!

【始まりの街 アルファ 宿屋】

僧侶「ここは?」

勇者「気が付いたか。始まりの街の宿屋だよ。僧侶は今まで気絶してたんだ。」

僧侶「勇者は魔城のボスを倒したのか。強いな。」

勇者「僧侶お願いがある。」

僧侶「なんだ。」

勇者「もうメガンテを使うのはやめてくれないか。」

僧侶「何故?」

勇者「何故って、お前が死んだら困るだろ?」

僧侶「何故?」

勇者「それは・・・・。お前が僕にとって大事な仲間だからだよ。」

僧侶「わかった。」(何故そんな悲しい顔をする。)

~~報告書~~
 経過報告。今日は東の魔城を制圧した。その後勇者という男がメガンテの使用を禁止してきた。理由を問うと仲間とはそういうものらしい。それは私達の存在意義と異なるものだが了承をした。勇者という男とパーティーを組んでいるうちは守ろうと思う。

支援ありがとうございます!

おつ
面白い、頑張ってくれ

初めの僧侶と性格はまるで別人
姿形は同じならば余計に初代と比較してしまうと思うけど
その辺り勇者の心情がよくわからん

続きマダー?

クールな感じなのに、トテトテ歩くのに違和感と言うか、やっぱ同一人物(?)なんだな

【始まりの街 アルファ 商店街】

店員「よくお似合いでございますよ。」

勇者「ははっ、いいじゃないか。もっと早く買えばよかったな。」

僧侶「これは?」

勇者「僧侶が前に欲しがっていた水のはごろもだよ。」

僧侶「…。」(これが前任者が報告書に書いていた水のはごろも。)

勇者「どうした?気に入らないか?」

僧侶「いえ。」

勇者「そ、そっか。」

僧侶「勇者は何故私にこんなにしてくれる?」

勇者「お前がほしがってたし、そ、それに似合うと思ったしな。」

勇者(前の僧侶に戻らなくてもいい。僧侶に仲間として付き合ってあげることができれば僕は十分だ。)

僧侶「そう。」

僧侶(なんだか暖かい気持ちがする。)

~~報告書~~
 経過報告。今日は水のはごろもを勇者という男に買ってもらった。前任者の報告書に書いてあったものだ。高価な物であり、魔法力も高い。廉価版の私にはコスト面が高すぎると考える。もっと安価でよい防具があったのだが勇者という男がこっちの方が私に似合うからよいのだと言っていた。
明日、水のはごろもを着て冒険をする事を考えると、寝れない。

【南海の洞窟】

僧侶(失敗だ。あそこで地面が抜けるトラップに引っかかるとは。)

僧侶(岩場の隙間に落とされてしまった。)

僧侶(満潮になれば泳いで上の出口から出られるかもしれない。)

僧侶(しかし水が満ちてくれば、周囲を泳ぐ無数の鮫がやってくる仕掛けか。)

僧侶(干潮の今なら、この小さな足場までは鮫は来ないが時間の問題だな。)

僧侶(報告書を宿屋に預けてきてよかった。)

「おおおぉおお~~・・・」


僧侶「何の音?」


ヒューーーーーーー


勇者「そうりょおおおお~~~~~~~。」

ヒューーーーーーーーーーーーーーーーーン

ダン!!着地!

僧侶「!」

勇者「探したぜ。ここにいたのか。」

僧侶「勇者、あなたは馬鹿か。あなたまで落とし穴にくるなんて。」

勇者「うん?ここ満潮になったら上から出れるんだろ?」

僧侶「それは無理。それまでに無数の鮫に食べられてしまう。」

勇者「満潮になるまで鮫を退けとけばいいんだろ?」

僧侶「水の中では例え勇者でも鮫には…」

勇者「ふん、僕はエリート勇者だ。満潮が楽しみだね。」

勇者(それに僕はもう仲間を失わないって決めたんだ。)

【岩場の隙間 満潮前】

僧侶(すごい、もう何十もの鮫を退けてる。)

勇者「ギラ!!」

勇者「せい!!」

僧侶(しかし陸の上ならまだしも、立ち泳ぎのまま鮫と戦うなんて勇者も、もう限界だ。)

―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが42回復した!―

僧侶(私の魔力では薬草程度が限界か。)

勇者「サンキュー!気合入ったぜ!」ニカ

僧侶「勇者…。」

【岩場の上 満潮】

僧侶「まさか、逃げだせるなんて。」

勇者「はぁはぁ、どうだ…。はぁはぁ。」

僧侶(傷だらけ、何て姿だ。)

勇者「僧侶、大丈夫か?」

僧侶「あなたはそんな姿でまだ私を気にするのか。」

勇者「それがパーティーってもんだ。」イテテ

僧侶「あなたはそればかりだな。」

僧侶(ドキドキする。死ななくてよかった。)

~~報告書~~
 経過報告。本日は南海の洞窟に向かった。トラップにかかりたくさんの鮫と戦ったが脱出することができた。勇者が倒れ声をかけてくれた時,私は初めて死ななくてよかったと感じた。
水のはごろもはボロボロになってしまった。残念だ。

読んでくれる方、レスをくれる方。ありがとうございます。少し遅めの更新になりますが、なるべく頑張って書いていこうと思います。
まだ途中ですが色々感想やつっこみ、批判などいただけると嬉しいです。

乙!!
廉価版…だ…と?

少しずつデレる僧侶ちゃんカワエエ

乙でした

今度は死なないでくれよ
誰に報告しているのだろうか、今後の展開が気になる

おつ

【始まりの街 アルファ城 王座前】

王様「よく帰ってきた勇者よ。多方よりそちの活躍は聞き及んでおる。そちの戦いを見たものは皆、口をそろえ“鬼神”と称するぞ」

勇者「もったいないお言葉にございます。」

王様「北の孤島だけでなく、大陸の半分までをも攻略するとは正に鬼神としかいいようがないのう。わしも勇者を産んだ国の王として鼻が高いわい。」

勇者「全てが僕の力のみで行われたものではありません。」

王様「殊勝じゃの。さて本題じゃ。今日はあるものに引き合わせようと思って呼んだのじゃ。魔法技師長こっちへ来やれ。」

魔法技師長「魔法技師長めにございます。」

王様「この者はのう。魔族に対抗しうる兵器の開発に取り組んでもらっておる。伝え聞くになかなかの物じゃ。今後魔王城への討ち入りを行う際に主とともに加わってもらう予定じゃ。」

魔法技師長「ご過分なご紹介ありがとうございます陛下。どうぞ勇者様、魔王城へ向かわれる際には微力ではございますがご協力させて下さい。」

勇者「こちらこそ未熟者ではございますがどうぞよろしくお願いいたします。」

王様「うむ、楽しみにしておるぞ二人とも。」

勇者「はっ。」(気味の悪い男だ。)ペコリ

魔法技師長「ふふふ」ペコリ

乙!!

乙!
メール欄にsaga入れないの?
良い場面とかで変なワード暴発しないようにね

おつ

>>114 sagaの意味やっとわかりました。後デフォでsaga入れる方法も。ご指摘ありがとうございます。

【始まりの街アルファ 防具屋】

店員「あらあらよく似合いますね。サイズもぴったりだし。」

僧侶「そうか。」

店員「それにしてもこんなに高価な物、買いなおされるなんて愛されてますねぇ。」ニヤニヤ

僧侶「そうなのか?」

店員「そうですよ。きっと彼氏さんはお客様の事大好きなんですね。」

僧侶「彼氏とはなんだ?」

店員「あれ違うんですか?まぁそういう事にしておきましょ。」

僧侶(勇者が私の事を愛している?)

僧侶(しかしそれは前任者の事だな。)

ズキン

僧侶「?」

勇者「お?僧侶ここにいたのか?新しい水のはごろも、にあっているじゃないか。」

僧侶「勇者。これは高価すぎないか。」

勇者「そうか?僧侶によく似合っているぞ。」

僧侶「そうか。」

僧侶(なんだろう、嬉しい。)

勇者「そうそう、もう一個お土産があるぞ。これミヨの花の髪飾り。」

僧侶「これは?」

店員「あらあら。これって恋人とか大切な人に贈る高価な髪飾りじゃないですか。」

勇者「お前は大切な仲間だからな。」

僧侶「そうか、感謝する。」

勇者「おう、それに今度はイミテーションじゃない、本物だぞ。」

僧侶「今度は?」

僧侶(報告書にあった髪飾りとはこれか。)

僧侶(勇者の大切な仲間とは前任者の事。)

僧侶(勇者は今までずっと前任者を大切にしてきた。)

僧侶(私じゃない。)

ギュ

僧侶「いらない。」

勇者「え?」

僧侶「そんなの、いらない。」ダダダ!

勇者「おい?どこいくんだ?!」

【始まりの街アルファ 街道】

テッテッテッテッテッテ

僧侶(私は何故走っている?)

僧侶(勇者に物をもらっただけなのに)

僧侶(嬉しいはずなのに。)

僧侶(何故。)



中身、別人だもんな……


勇者は別人ってこと気づいてないのか?

見た目全く一緒だけど、メガンテで爆発した仲間が帰ってきたら軽く現実逃避入るだろうな

>>121
分かった上じゃないかと

勇者は今の僧侶が記憶喪失か何かになってるんだと思ってるかと

今の僧侶と出会ったくだりの>>74で、自分の事を覚えていないのは、メガンテの影響だと考えたり、
今の僧侶が報告書を書いているくだりの>>83で、前の僧侶と同じ手帳を使っている事から、今の僧侶と前の僧侶が同一人物だと確信してる

実際には違う人物であり、向けられている思いが自分宛てでない事に今の僧侶が苦しめられている

はよはよ

>>124
 ご解説頂きありがとうございます。1のつたない文章にも関わらず丁寧に読んでもらえてうれしいです。

【酒場】

ギィ

酒場の女主人「あら、僧侶ちゃんお久しぶりね。今日はどうしたの?」

僧侶(無意識にここにきてしまった。)

酒場の女主人「もしかして勇者君とケンカ?」

僧侶「…。」フルフル

酒場の女主人「じゃあ、どうしたの?話してみると結構スッキリするものよ?」

僧侶「勇者が、前の話ばかりするんだ。」

酒場の女主人「前の?」

僧侶「…。」コクン

酒場の女主人「そう。」(この子、メガンテの影響で記憶喪失なんだっけ。“前の”ってそうなる前のって意味かしら。)

僧侶「いつも楽しそうに話しする。」

酒場の女主人「それが嫌なの?」

僧侶「わからない。でも、なんだが胸がギュってなる。」

酒場の女主人(この子、記憶喪失前の自分に嫉妬してるのね。)

酒場の女主人「詳しいことは分からないけど。勇者君最近よく話すようになったわ。しかもほとんど貴女の事よ。」

僧侶「え?」

酒場の女主人「そんなに喋らなかった勇者君があんなに楽しそうにお喋りをするようになったのは“今の”貴女に会ってからよ。それじゃだめかしら?」

僧侶「…ジャナイ」

酒場の女主人「え?」

僧侶「だめじゃない…。」

酒場の女主人「うふふ。僧侶ちゃん勇者君の事好きになっちゃたのね。」

僧侶「え?」

酒場の女主人「そ!」

僧侶「そう、これが…?」ギュ

カランコロン

酒場の女主人「あら、噂をすればってやつね。」

勇者「僧侶、ここにいたのか。」ハァハァ

僧侶「勇者…。」

勇者「心配かけないでくれよ。」

僧侶「心配かけて悪かった。謝る。」ペコリ

勇者「え、あ?べ、別にいいけどさ…。」(なんか突然素直だな。)

【街道】

テクテクテク トテトテトテ

勇者「しかしさっきはびっくりしたぞ。なんで怒ってたんだ。」

僧侶「怒ってない。」

勇者「そうか?なんかいいたいことあるんじゃないのか?」

僧侶「ない。」

勇者「そっか…。」(いつもの無表情に戻ったな。)

アクセサリー売り「もし、そこのお二方!よければうちのアクセサリーをみていってくださいよ。うちのは状態異常を予防する効果が付加されてるのが売りなんですよ。」

勇者「うーん。」(僧侶にはもっと高級店のやつのがいいな。)

僧侶「勇者。」

勇者「うん?欲しいのか。」

僧侶「私に一つ選んでくれないか。」

勇者「ん?」

僧侶「“今の”私に、勇者が選んで欲しいんだ。わがままだろうか?」

勇者「別に大した値段じゃないしいいぜ。えっと。」(僧侶がおねだりしてくるなんて久しぶりだな。)

勇者「これかな?」

アクセサリー売り「お、なかなか、いいの選びますね!是非つけてみてください。はい。」

―僧侶は銀のカチューシャを装備した!―

僧侶「どうだ?」

勇者「うん、僧侶はシルバーが似合うな。」

僧侶「そうか。」ニパッ ☆

勇者「!」

僧侶「勇者、これがいい。」

勇者「お、おう。じゃあこれでお願いします。」

アクセサリー売り「まいどありぃ♪」

勇者(僧侶のあんな笑顔、久しぶりだな。///)

~~報告書~~
 経過報告。勇者が水のはごろもとミヨの花の髪飾りを新調してくれた。そして今の私のために銀のカチューシャを選んでもらった。これは前任者の報告にはないものだ。
 酒場の女主人に好きという感情を学んだ。今の感情がそうなのかは分からないが、酒場の女主人がそうだというのならばそうなのであろう。勇者との冒険は楽しい。
 今後の予定はしばらく街に滞在し、体制を整えたら再度南海の洞窟に挑戦する方針だ。
 今、カチューシャをつけたり外したりを繰り返している。今晩も何故だか寝れない。


僧侶(これからもっともっと報告書に書くことが増えるんだろうな。)

僧侶(私は勇者と冒険していることが嬉しいんだ。)

やべぇ僧侶かわいい

前の僧侶が悲しいな

おつ

【魔法技術実験室】

バサバサ バサバサバサ

伝書ガラス「ガーガーユーガーッターメール、ガーガー。」

魔法技師長「今日の分か。」

魔法技師長「」ヨミヨミ

魔法技師長「ふむ、そろそろ頃合いだな。」

【翌朝 宿屋のラウンジ】

勇者「8時までにラウンジ集合って言ったけど遅いな僧侶…。」ソワソワ

僧侶「まったか?勇者。」

勇者「いや。」(銀のカチューシャとミヨの花の髪飾りだ。組み合わせたんだな。)

僧侶「どう…だ?変かな?」//

勇者「うん、いいね。」ニコ

僧侶「そうか。」ズキューン!

僧侶(嬉しい。)

勇者「よしいくか!」

僧侶「そういえば今日はどこへ?」

勇者「今日は王様に呼ばれたからな。城に向かうよ。今後の方針を決めるからってさ。」

僧侶「私もか?」

勇者「そうだ、一緒に連れて来いってさ。」

乙です

なんで俺が読んでるSSはことごとく更新遅いんだろう?

気長に待とうや

>>140
俺もだww

思うに、更新はやいSSはすぐ完結する
更新遅いのは長編が多いから、余計に長く感じるって事じゃないかな?


まあ、長編で更新早い人もたまに居るけど

【アルファ城 王座】

王様「勇者よ、このたびは南海の洞窟攻略に関してじゃ。」

勇者「は、南海の洞窟ですが前回不覚をとりましたがトラップの場所も全て熟知しております。
準備出来次第再度攻略に向かう予定です。」

王様「よい。しかしのう、今回は魔法技師長に任してみようと思うのじゃ。」

勇者「はぁ、つまりどのようなことでしょうか?」

魔法技師長「ふふふ、ついに兵器が完成をしたのですよ勇者様。」

僧侶「マスター」ボソ

勇者(僧侶、知っているのか?)

魔法技師長「今回は私の兵器を試すのに使わせてください。」ペコリ

王様「うむ。そういうわけじゃ。もちろん討伐には勇者に参加してもらうぞ。」

勇者「わかりました。お供させていただきます。」

魔法技師長「ふふふ、よろしくお願いしますよ。」

王様「日程は後に連絡する。以上じゃ!」

勇者&魔法技師長「ははっ!」

【謁見の間前 控室】

勇者(どんな兵器なんだろう。うまくいくといいな。そうすればみんなが傷つくことがへるしな。)

勇者「しかし、魔法技師長来るの遅いな。ここで待ってろって言ってたのに。僧侶は知り合いなのか?」

僧侶「知っている。」

勇者「そうか。」(記憶喪失ではなかったのかなぁ?)

コンコン

魔法技師長「お待たせしました。」

勇者「あ、どうも。」ペコリ

僧侶「…。」ペコリ

魔法技師長「水のはごろもにミヨの花の髪飾り、銀のカチューシャ。それに靴も杖も流行りの物か。」ジロジロ

魔法技師長「ふふふ愛されているようだな。23号。」

僧侶「はいマスター。」

勇者「魔法技師長さんは僧侶のことご存じなんですか?」(23号?マスター?)

魔法技師長「ええ、そうですな。さしずめ娘、といったようなものでしょうか?」

勇者「そ、そうなんですか。」

魔法技師長「勇者様、娘を大切にしていただいているようで大変ありがとうございます。
いつも手紙で聞き及んでおります。」

勇者「はぁどうも。」

魔法技師長「23号、今は僧侶であったな。勇者様はよくしてくださるのか?」ニコ

僧侶「はいマスター。今日は昨日買ってもらったカチューシャと髪飾りを手直ししてつけたら褒めてくれました。」

魔法技師長「勇者様との冒険は楽しいか?」

僧侶「はいマスター!最初はよくわかりませんでしたが、今は冒険を続けるのが楽しいです。」

魔法技師長「うむ。嬉しそうに話すようになったな。では勇者様を愛しているのか?」

僧侶「え?それはあの…」

勇者「おいおい、魔法技師長さんなにを」アセアセ

魔法技師長「答えよ。」ギン

僧侶「はいマスター。私は勇者を愛しています。」シドロモドロ

勇者「えっ///」

魔法技師長「そうかよいことだ。」

魔法技師長「ならばもうこれで十分であろう。」

勇者「え?」

僧侶「!」ビク

僧侶「ですがマスター、私はまだ…」

魔法技師長「もう十分と言っている。」ギラ

僧侶「はいマスター。」コクン

勇者「あの一体どういうことですか?」(めずらしい僧侶が青ざめている。)

魔法技師長「勇者様、よくぞここまで育ててくださいました。ここまで行けば十分魔王に対抗できるでしょう。」

勇者「え?え?いやいやどういうことですか?」

魔法技師長「足手まといの僧侶の面倒をみるのは大変だったでしょう。今後は私どもの機関で使わせていただきます。」

勇者「ちょっと待ってください。僧侶はうちのパーティーメンバーですよ。」

魔法技師長「ご冗談をこの物が貴方様の役に立つはずがありません。さぁお礼とご挨拶をするのだ23号。」

勇者「おい僧侶、これはどういうことだ?お前からもいってくれ。」

僧侶「勇者、今まで世話になった。ありがとう。」ペコリ

勇者「え?」

魔法技師長「ふふふ、ではこれで失礼しますよ。次にお会いするのは南海の洞窟攻略の時でしょう。」ペコリ

勇者「ちょ、まってくれ。」

ギィイイ バタン

勇者「僧侶。」

勇者(あいつ振り返りもしないでいっちまった。)


(僕が仲間を失ったのはこれで2回目だ。まさかこんな風にまた一人になるなんて考えもしなかった。)


久々だな
見てるよ

更新遅くなってすいません。見てくれている方がいると元気がでます。
まったりですがつまらなくならないよう頑張ります。


ナンテコッタイ
技師長殺ってもいいよね

【宿屋 勇者の部屋】

勇者(ここ2,3日ずっとこんな風に宿屋のベッドの上でごろごろしているな。)

勇者(一人で行動するのが久しぶりな気がする。)

勇者(僧侶の奴いつも勝手にパーティーを抜けやがって。)

勇者(今度会ったときガツンと言ってやる。)

勇者「うん?これは?僧侶の荷物だ。日記もある。」

勇者「…。」

勇者「南海の洞窟に行くときに渡してやるか。」

勇者(あいつ、南海の洞窟には来るのかな?)

~~1週間後~~
【アルファ城 城門】

白い仮面と黒衣の部隊「…。」

勇者(なんだ、この異様な部隊は。まるでペストの医者だな。)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%82%B9%E3%83%88%E5%8C%BB%E5%B8%AB

勇者(しかし。僧侶はいないのかな。)キョロキョロ

魔法技師長「○六部隊準備できております。」

王様「うむ。この時をまっておったぞ。先ずは南海の洞窟攻略じゃ。勇者も魔法技師長を手伝うのじゃ。行ってまいれ。」

勇者&魔法技師長「はっ。」


【南海の洞窟 入口】

魔法技師長「ふふふ、つきましたね。ここのボスは魔王の側近、対決するまでは余計な損害は避けたいと思います。先遣隊を送り、モンスターを一掃してから我々は進みましょう勇者様。」

勇者「そうですね。じゃあ先遣隊には僕も参加します。」(そういえば兵器ってどこにあるんだろう。)

魔法技師長「いえいえ、それには及びません。私の部隊からいかせましょう。10こちらに来るのです。」

白い仮面と黒衣の兵達10名「…」ススス

魔法技師長「君たちは今から先にモンスターを一掃し、魔王の側近の扉までの道を開くのだ。よいですね。」

白い仮面と黒衣の兵達10名「…」ペコリ

トテトテトテトテトテトテ

勇者(無口な部隊だな。)

魔法技師長「それではしばらく待ちましょうか。」

僧侶ー!

この歩き方・・・

乙でした

一体あの集団は何者なんだ(棒)

胸くそ悪い展開か…

【十数分後】

ドカーン

勇者「何の音だ?」

魔法技師長「ふふふ、はじまったようですね。では我々も進軍しましょう。」

白い仮面と黒衣の兵達「…」トテットテットテッ

ドカーン

勇者(先遣隊が呪文を放った音だろうか。しかしほとんど説明のないまま行われる進軍は嫌なものだな。)

【南海の洞窟 内部】

勇者(あれから10回程呪文の音がしてやんだ。)テクテク

勇者(ところどころ呪文の後だろう岩場が焼けた痕がある。)テクテク

勇者(先遣隊が先に雑魚モンスター達を一掃してくれたんだな。)テクテク

魔法技師長「ふふふ、簡単なものですね。このままいけば労せず洞窟のボスのいる部屋につきそうです。」ザッザッザツ

勇者「はぁ、先遣隊の10名は中々優秀ですね。」テクテク

魔法技師長「ありがとうございます。それでほこらのボスと対峙したときですが先ずは私の○六部隊にお任せいただきたい。勇者様は後ろで見ていただいてピンチの時に手助けをしていただければ十分です。」ザッザッザッ

勇者「わかりました。」

魔法技師長「まぁ私の部隊だけで十分でしょうけどね。」

勇者「ふむ、ところで技師長殿。技師長殿が開発された兵器とは何ですか?今一つ見当たらないのですが。」

魔法技師長「おおぉ!勇者様もご興味があられますか。それはですね生物兵器にございます。」

勇者「生物兵器?」

魔法技師長「はい。たとえばですね肉の塊がメラゾーマを唱えることができればどうでしょうか?その肉の塊をたくさん作ればメラゾーマの大砲ができます。」

魔法技師長「優秀な魔法使いを育てるには時間も必要ですし限界があります。しかし呪文を唱えることができる魔力を持った肉の塊を作れば、その限界はありません。それに優秀な人材を死なせないで済みます。」

勇者「確かに。それは魅力的ですね。」(そうだ、それなら仲間を失うこともない。)

勇者「なるほど。」

魔法技師長「勇者様、でも呪文の中には魔力のみでその効果が規定されるわけではないのはご存知ですか?」

勇者「“思い”のことでしょうか?たとえばホイミやキアリーは相手への慈愛の強さ、ザキは相手への憎悪の強さ、メガンテは使用者にとっての人生の価値などの。」

魔法技師長「さすが勇者様そのとおりでございます。そして私は考えたのです。生物兵器に思いをもたせたらどうか?」

勇者「つまり?」

魔法技師長「思惑通り私は成功しました。生物兵器に旅をさせ、それぞれの心を育てることでその呪文の効果を高めたのです。そして心の育った生物兵器のコピーを複製し大量の効果的な生物兵器を作成できるようにもなりました。それによって生物兵器を実用化したのです。」

勇者「ちょっと待ってください!それって…」

核心を知ると、勇者が壊れそう

>>161訂正です。

魔法技師長「そういっていただけてうれしいです。それで私は生物兵器の開発に取り組みました。
しかしなかなか十分な効果の呪文を唱えることはできませんでした。
なぜなら人工で作られた生物では自然界の生物と比べ、非常に内部に持つ魔力が極端に少なかったからです。」

勇者「なるほど。」

魔法技師長「勇者様、でも呪文の中には魔力のみでその効果が規定されるわけではないのはご存知ですか?」

勇者「“思い”のことでしょうか?たとえばホイミやキアリーは相手への慈愛の強さ、ザキは相手への憎悪の強さ、メガンテは使用者にとっての人生の価値などの。」

魔法技師長「さすが勇者様そのとおりでございます。そして私は考えたのです。生物兵器に思いをもたせたらどうか?」

勇者「つまり?」

魔法技師長「思惑通り私は成功しました。生物兵器に旅をさせ、それぞれの心を育てることでその呪文の効果を高めたのです。そして心の育った生物兵器のコピーを複製し大量の効果的な生物兵器を作成できるようにもなりました。それによって生物兵器を実用化したのです。」

勇者「ちょっと待ってください!それって…」

【南海の洞窟 ボスの部屋】

魔法技師長「ふふふ、お話をしているうちに洞窟のボスの部屋にたどり着きましたね。お約束通り先ずは私の部隊から行きましょう。さぁゆけ○六部隊!」

勇者「お、おい!」

白い仮面と黒衣の兵達「…。」ダッ!ッテッテッテッテ

洞窟のボス「うぬ人間めここまでたどり着くとは中々のものだな。しかしここまでよ。ここからは一歩も通らせはせぬぞ。」

白い仮面と黒衣の兵達「…。」ッテッテッテッテ

勇者「む、無茶だぞ!いくらなんでも無防備に突撃するなんて!」

洞窟のボス「うん?無謀にも突撃してくるのか?馬鹿なやつらだ。恨むなら馬鹿な指揮官をうらめ。」

―洞窟のボスは両腕を大きく振り上げた!洞窟のボスのこうげ…―

白い仮面と黒衣の兵「メガンテ。」ボソ

ドカーン!!

洞窟のボス「なにぃ!」

白い仮面と黒衣の兵「メガンテ。」
白い仮面と黒衣の兵「メガンテ。」
白い仮面と黒衣の兵「メガンテ。」

ドカーン!ドカーン!ドカーン!

勇者「な、なんだこれは!!まるで自爆部隊じゃないか!」

魔法技師長「生物兵器に使わせる呪文として選んだのはメガンテです。」

魔法技師長「メガンテにはほとんどMPと魔力は必要ありません。ただ身代わりになる人間の生命力と“思い”のみが高ければ高いほど効果はまします。」

魔法技師長「死への恐怖を持たない生物兵器に短期間で人生への価値を見出させるのは苦労しました。」

勇者「ちょっとまってくれ。彼らは人間じゃないか?!」

魔法技師長「いえ、ただの生物兵器ですよ。それに彼女たちですよ。勇者様もお手伝いして頂いたじゃないですか?」

勇者「え?」

(魔法技師長の言葉で僕は自爆攻撃を繰り返す兵達を振り返りみた。)

(僕の視界に入ったのは足をもつらせ転んだ一人の兵士で、その仮面は転んだ拍子で脱げてしまったようだ。)

(そしてその兵はすぐに仮面をかぶり直し、ほこらのボスに突撃を再開したのだ。)

(僕はその兵士の素顔に見覚えがあった。)

勇者「そ、僧侶・・・!!」

(そしてよく見ると、ところどころメガンテの爆風の所為か仮面が外れたままほこらのボスに突撃を続ける兵達がいた。)

勇者「ま、まさか。あの兵達はみんな。」

(たくさんの僧侶がメガンテを唱えながら突撃する。)

(メガンテのためにつくられた生体兵器とは僧侶のことであったのだ。)

魔法技師長「勇者様と最初に旅をした試験体はよかった。その報告書に込められる“思い”を復元しただけで、ここまでの起爆力をもったのです。」

勇者「やめろぉ!やめてくれ!!」

白い仮面と黒衣の兵「メガンテ。」
白い仮面と黒衣の兵「メガンテ。」
白い仮面と黒衣の兵「メガンテ。」

ドカーン!ドカーン!ドカーン!

洞窟のボス「だめだ、赤竜よ、後は頼んだぞ…。」

―洞窟のボスは仲間を呼んだ!赤竜があらわれた!―

洞窟のボス「」プシュ~

赤竜「クオオオオオオォオオーン!!!」

魔法技師長「洞窟のボスはたおしたようですね。しかし赤竜が出てきました。こいつがいるってことはココは魔王城への入り口の一つなんですね。」ニヤリ

魔法技師長「ゆけ!○六部隊。赤竜を倒すのだ。」

【南海の洞窟 赤竜戦】

白い仮面と黒衣の兵「メガンテ。」ッテッテッテ

ドカーン!

赤竜「クーン」

白い仮面と黒衣の兵「メガンテ。」
白い仮面と黒衣の兵「メガンテ。」

ドカーン!ドカーン!

赤竜「ウグルルル」ウザイ

魔法技師長「ふむ。これまでのコピー製品では不十分なようだな。ならば」

勇者「魔法技師長!まだやろうっていうんですか!」

「…。」トテトテトテ

勇者「あの姿は…。」

(部隊の奥から一人、トテトテと歩んでいく者がいた。)

(他の僧侶と同様黒衣の衣装をきていたが白い仮面はつけておらず、代わりに花飾りと銀のカチューシャが黒髪に飾られていた。)

(まぎれもなく、僕が旅をした僧侶だった。)

魔法技師長「少しもったいない気もしますが23号なら赤竜を倒すには十分の“思い”をもっているでしょう。勇者様のご協力には大変感謝していますよ。」

勇者「そ、僧侶…。」

勇者「だめだーーー!」ダッ

(僕は無意識に僧侶のそばに駆け寄っていた。)

【南海の洞窟 赤竜戦】

僧侶「勇者。」ビク

勇者「やめるんだ僧侶、自爆攻撃なんて。」

僧侶「勇者みて、銀のカチューシャと花飾り。私だけみんなと違う装飾品を赦してもらった。」

勇者「僧侶。」グイ

(僧侶はカチューシャの話をした時、一瞬嬉しそうな顔をした。そしてすぐにいつもの無表情に戻った。)

僧侶「どいて、勇者。マスターの命令は絶対。」グイ

勇者「僧侶!」

僧侶「…。」トテトテトテ

(身体に電流が走る。)

(無表情に赤竜にちかづいていく僧侶の姿に僕は身体中の血液が沸々と煮えたぎるのが分かった。)

勇者「させない…。」

勇者「させないぞおーー!!!」

僧侶「勇者!」

(僕は僧侶を追い越し、赤竜に向かっていた。)

(赤竜といえども見た目は茶褐色でパッと見は赤いわけではない。しかしその強さ由代々の魔王が重要拠点の入り口に配置したことより、いわゆる関竜とよばれそれが転じたと言われるのが有力な説だ。)

(身体に電流が走る。)

(無表情に赤竜にちかづいていく僧侶の姿に僕は身体中の血液が沸々と煮えたぎるのが分かった。)

勇者「させない…。」

勇者「させないぞおーー!!!」

僧侶「勇者!」

(僕は僧侶を追い越し、赤竜に向かっていた。)

(赤竜といえども見た目は茶褐色でパッと見は赤いわけではない。しかしその強さ由代々の魔王が重要拠点の入り口に配置したことより、いわゆる関竜とよばれそれが転じたと言われるのが有力な説だ。)

赤竜「クオオオオオオン」

(赤竜の爪を避け、右足を剣で切り付ける。)

赤竜「グギャオ」

(体勢の崩れた赤竜の横腹にさらに剣を突き付けた。その時バキリと音を立て剣が折れた。赤竜の鋼鉄の皮膚に耐えられなかったのだ。)

僧侶「あぶない!」

赤竜「グガーーー!」

―赤竜の攻撃!しかし勇者はひらりとかわし、赤竜の首をかけ登る!―

勇者「ぬおおおお!!!」

(僕は折れた剣を竜の眉間に突き立て呪文を唱えた。)

勇者「ライデイーン!!」

―勇者はライデインを唱えた!赤竜に785のダメージ!―

赤竜「ギャギャギャーー!!」

―赤竜を倒した!―

魔法技師長「おぉ、赤竜をいとも簡単に倒すとは。私の兵器と勇者様の力をあわせれば魔王を倒すことなどたやすい。」

勇者「はぁはぁ。」

僧侶「ゆ、勇者大丈夫か?」

―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが43回復した!―

勇者「僧侶、こんなことはもうやめよう。」

僧侶「!」

僧侶「…。」

僧侶「それは無理。私は魔王を倒すために作られた。」

勇者「駄目か?」

僧侶「マスターの命令は絶対、だから…。それに私は貴方が思っている僧侶とは…。」

勇者「…。」

僧侶「勇者?」

勇者「ラリホー。」

僧侶「んンっ!」ビクン

僧侶「…。」ガク スピー スヤスヤ

勇者「よっ。」グイ

魔法技師長「おや勇者様、何をしようというのですか?」

勇者「魔法技師長殿。僧侶は僕の仲間です。このような真似は赦せません。」

魔法技師長「23号は生物兵器です。すなわちその所有権はアルファ王にあるのですよ?それを連れて行くということは反逆と同義になりますが?」

勇者「どのようにとっていただいても結構!僧侶は僕が連れて行きます!」

魔法技師長「ふむ、では私も私の責を行わせていただきます。○六部隊、勇者様をとらえなさい!」


白い仮面と黒衣の兵「…。」スススッ テッテッテ
白い仮面と黒衣の兵「…。」スススッ テッテッテ

勇者「…。」

白い仮面と黒衣の兵「…。」スススッ テッテッテ
白い仮面と黒衣の兵「…。」スススッ テッテッテ
僧侶「…。」スヤスヤ

勇者「マヌーサ。」ボソリ

白い仮面と黒衣の兵「!」
白い仮面と黒衣の兵「!」

―白い仮面と黒衣の兵達は幻に包まれている!―

魔法技師長「!」

僧侶「…。」スヤスヤ

勇者「残念だが作られた君たちでは僕のマヌーサを避けることはできないみたいだね。」

白い仮面と黒衣の兵「…。」アタフタッ
白い仮面と黒衣の兵「…。」アタフタッ

―白い仮面と黒衣の兵達は幻に包まれている!―

勇者(さよならたくさんの僧侶達。本当はみんなも…。)

魔法技師長「勇者様、ここを切り抜けたとしてその後どうしようというのですか!」


勇者(わからない…。)


勇者(それでも僕は…。)


(…。)


シーン


魔法技師長「行ったか…。」

とりあえず今日はこの辺で休憩にします。今夜は続きを書き直すのに徹します。

おつ

>>1
続きめっちゃ気になる

わざと行かせた感じか?


~~報告書~~
経過報告をする。メガンテの起爆力を上げるための任務が始まり3日目になる。先ずは始まりの街アルファに滞在することとした。

~~報告書~~
 経過報告をする。この街に滞在し1週間になるが住人との接触はまだない。

~~報告書~~
 経過報告をする。森でモンスターと戦い傷を負った。足首の先から感覚がない。明日から活動を再開する。

~~報告書~~
 経過報告をする。川沿いの小屋で前任者を発見。腐敗が強くアイテムの再利用は難しいと判断。重要書類のみ回収行った。残りは処理班に連絡とする。

~~報告書~~
 経過報告をする。前任者と同じくアルファに滞在するが未だ住人との接触はない。

~~報告書~~
 経過報告をする。森にて初めて住人と接触をした。40代の女であり野草を採っていたところ手に傷をおってしまったそうだ。ホイミにて止血を確認。女の勧めで町はずれの空き家の一室に拠点を構えることになった。

~~報告書~~
 経過報告をします。女と接触し1週間がたちます。女が言うには私の話し方はおかしいといいます。女の子らしく丁寧語で話すようにするべきだといいます。助言に従います。口調を丁寧語にします。
 今日は女の生業であるパンの販売を手伝ったします。

~~報告書~~
 経過報告をします。パン屋の女将さんの勧めでアルファの街に住むようになり2か月がたちました。マスターから指令を受けていた通りに魔王を倒すためのパーティーに参加することにしました。パン屋の女将さんは私が魔王を倒すためのパーティーに参加するのは不本意だといいながらもパーティー紹介所を教えてくれました。

~~報告書~~
 経過報告をします。パーティー紹介所に登録をしましたが中々仲間に入れてくれる方があらわれません。酒場の女主人さんにどうすれば仲間に入れてもらえるのか聞いたところ、もう少し強くなった方がいいと言われました。そのため明日から街の周囲でレベル上げに専念することにしました。

~~報告書~~
 経過報告をします。今日はレベル上げをしているときに若い勇者様に会いました。私が苦戦をしていると颯爽と現れモンスターを倒してしまいました。向こうも仲間はいないそうです。期待してパーティー紹介所に行きましたが断られてしまいました。


勇者(これは僕の事か?この部分は“僧侶”の報告書なんだな。)


~~報告書~~
 経過報告をします。前回報告した西の塔攻略でお世話になった勇者様と一緒にパーティーを組むことになりました。冒険の仲間との連携がメガンテの強化につながるとの仮定を証明できるかもしれません。

~~報告書~~
 経過報告をします。今日は北の孤島です。


勇者(北の孤島。僧侶がメガンテを使った日だ。)


 早起きをしてしまったので初めて朝に報告書を書いています。勇者様とパーティーを組んでから書ききれないことが多くなってしまいました。勇者様との一日は長く、そしてあっという間です。出店の店員が言うとおり髪をブラシでとかし、左上にミヨの花の髪飾りをつけました。これが“かわいい”んだそうです。隣でスヤスヤ寝ている勇者様は何て言ってくれるでしょうか。
 今夜の報告書はどんなことを書けるのか、今からとても楽しみです。

~~報告書~~
 経過報告。前任者と同様、始まりの街に滞在の方針を継続。パーティー紹介所に登録を行う。

~~報告書~~
 経過報告。勇者という男は報告を受けていたよりも友好的である。そして事あるごとに仲間という言葉を使用する。そのような発言は前任者の報告からは伺えない。

~~報告書~~
 経過報告。勇者はとても優しい。街を歩いてもモンスターと戦っても勇者の気遣いを感じる。しかし勇者のこの優しさは前任者に向かっているのであろう。プリンぱんやメリーゴーランド、水のはごろもやミヨの花の髪飾り。全て前任者の報告に書かれていたものだ。勇者は私のことを前任者だと思っている。

~~報告書~~
 経過報告。朝の6時に目が覚めた。昨晩は遅くまで起きていたのに再度眠りに入れないため報告書を作成することとした。昨日買ってもらった銀のカチューシャにミヨの花の部分だけくくりつけた。これで遠くからでも勇者が私の事を認識できるだろう。
まだ一個だけだが、旅を続ければいつかは私のためのアイテムの方が多くなっていくかもしれない。

(僕はまた失敗をしてしまった。仲間とは何かをまったく分かっていなかった。)

(僕は僧侶にただ過保護に接していただけなのだった。)

(助けられなかった僧侶のため、十分に仲間として接してあげられなかった僧侶のため。)

(ただその事への罪悪感を紛らわすために、僧侶に優しく接しただけだったのだ。)

(素振りや発言から僧侶が僧侶ではないことに気が付けたはずなのだ。)

(僧侶の悩みに気が付けたはずなのだ。)

(なのに僕は自分の自己満足のためだけに彼女に接してきていた。)

(本当の仲間なら彼女を理解しようと努め彼女に手を差し伸べてあげるべきだったのだ。)

(それなのに僕の自己満足な僧侶への厚遇が僧侶を悩ませていた。)

(僕はまた失敗をしてしまった。)


どんな鬱展開になるのかと、ビクビクしながら読んでるんだけどww
勇者シールの人?



これは読むのが辛い…



これは切ない…('・ω・`)

【森の夜中 たき火の前】

僧侶「ん…。勇者?」

勇者「僧侶、気が付いたのか。ここは森の中だ。僕たちは洞窟から逃げてきたんだ。」

僧侶「その報告書…。読んだのか?」

勇者「あぁ全部な。」

僧侶「そうか。」

僧侶「勇者、ごめん…。」

勇者「うん?」

僧侶「私は勇者の仲間だった僧侶じゃないんだ。私は偽物だ。いつかは言えたらと思っていたんだ。でも…、でも。」

勇者「…。」

僧侶「ごめんなさい、ごめんなさい…。」ポロポロ

勇者「確かに君は僕が一緒に北の孤島を冒険した仲間である僧侶じゃない。」

僧侶「うん…。」

勇者「でも、一緒に南海の洞窟で鮫の攻撃から助け合った仲間の僧侶じゃないのか?」

勇者「前の僧侶も大切な仲間だが、君だって僕の大切な仲間だ。」

僧侶「ゆーしゃ…。」

勇者「偽物なんかじゃない。」

僧侶「ゆうしゃぁ。」ポロポロ

僧侶「うえーーーん。」ポロポロ

勇者「よしよし。」ギュ

僧侶「うえーーーーん、ゆうしゃぁ。」

勇者「まだマスターの命令は絶対か?」

僧侶「うぅん。」ブンブン

勇者「僕と一緒にくるか?」

僧侶「…てって。」

勇者「うん?」

僧侶「連れてって、私を連れてってくれ…。」

勇者「あぁ、僕たちはパーティーだからな。」



(僕は彼女を守る。そのためなら魔王討伐も、アルファ王への反逆罪も些細なものだ。)

>>207 勇者シールではないです。


僧侶ちゃん可愛い

おつ

バシルーラっつったら女戦士と僧侶の書いてたやつじゃないっけ?

>>1くらい読めよ

【とある街】

宿屋の親父「うん?宿を借りたいって?あぁ、いいぜうちは宿屋だからな。」

宿屋の親父「あんたら二人だけかい?ふーん。どういう関係なんだい?」

宿屋の親父「へぇ兄妹だって!ずいぶん似てない兄妹だね。だいたい髪の色が違うじゃないか。」

宿屋の親父「母親が違うのか。まあそういう風に言うのが無難だね。」

宿屋の親父「まぁ別に疑ってるってわけじゃないし、嘘でもうちはかまわないけどね。」

宿屋の親父「あぁでも面倒事はごめんだよ、もしそんなんだったら他で頼むぜ。ほら部屋の鍵だ。」

宿屋の親父「おっと、その前に前金でよろしくな。あんたたちを疑うってわけじゃないが、なんていうかな俺んとこの処世術ってやつさ。」

宿屋の親父「んじゃ、お楽しみに!ってちがうか?はっはっは!」

【宿屋 室内】

勇者「ふぅ、よく喋る親父だったな。」

僧侶「…。」

勇者「どうした?」

僧侶「宿屋の主人、私達のこと疑ってた。」

勇者「そうかもな。不安か?」

僧侶「いや。でも兄妹って設定は無理があるかも。」

勇者「そうか?でも歳も近いし流石に親子っておかしいだろ。」

僧侶「他にもっとあるはず…」

勇者「?」

僧侶「なんでもない。」↓

僧侶「ところで私達はどこにむかってるんだ?」

勇者「ん?南東の街かな。」

僧侶「南東?」

勇者「そこはアルファ国とは交流がないし、いろんな国籍の者が住んでる。そこで一緒に暮らそう。」

僧侶「うん。」コクン

勇者「明日はデルタの森を超える。早く寝よう。」

僧侶「勇者おきてるか?」

勇者「ん?」ムニャ

僧侶「そっちにいってもいいか?」

勇者「へ?」

僧侶「駄目か?」

勇者「だ、だめって…、まぁいいけど。」///

僧侶「ならいく。」ムクリ

トテトテトテ

イソイソ

僧侶「ぎゅってしろ勇者。」

勇者「お、おう。」/// ギュッ

僧侶「落ち着く。」ギュッ

勇者「はは、どうしたんだよ今日は?」

僧侶「勇者がいなくなるんじゃないかって怖いんだ。」

勇者「いなくなるのはいつも僧侶だろ?」

僧侶「でも、もう私からはいなくならない。」

僧侶(私は私の場所をみつけたから。)

僧侶(あたたかい…。)

勇者「そか。」

勇者「…。」

勇者(華奢だ。優しく力をこめないと壊れてしまいそうだ。)

勇者(こんな身体で戦ってきたんだな。)

勇者「僧侶、僕はね」

勇者「君を。」

僧侶「…。」

勇者「ん?」

僧侶「すやすや。」

勇者「!」

勇者「いつもずるいぞ。」

【デルタの森】

勇者「ほら、つかまれ。」

僧侶「大丈夫、あるける。」ハァハァ

勇者「無理するなよ。急な坂なんだから。」

僧侶「勇者は過保護すぎ。」ハァハァ

勇者「そうか?」

僧侶「うん。」ウンショウンショ

勇者「お!ちょっと開けたところについたな。」

僧侶「…。」ハァハァ

勇者「ちょっと休むか。」

僧侶「まだ大丈夫。」

勇者「いや、休もう。ここらは魔物も少なそうだしな休憩したほうがいい。」

僧侶「わかった…。」

サラサラサラ

勇者「川の音だな。ちょっと水を汲んでくる。僧侶、君はここで待ってろ。」

僧侶「なら私も。」

勇者「駄目だ、休めるときに休んでおけ。」

おおおおつつつつ

乙!
何故だろう鬱展開しか想像出来ない

乙!!
すでに鬱展開中だろうよ

おつ
いや、ここから反転してハッピーエンドに向かうんだろ

俺が行ってくる、お前は待ってろっていうのはフラグの定番じゃないか

【デルタの森】

勇者「意外と食べられる果物があったのはラッキーだったな。」

勇者「あとは当初の目的の水を汲んでもどるか。」

勇者「ん?」

僧侶「♪~」バシャバシャ

勇者「あいつ、休憩場所にいろっていってたのに!」

【デルタの森 川】

勇者「僧侶!!待ってろって言ったのに!」

僧侶「きゃ!」

勇者「って水浴びしてたのか!ご、ごめ。」

僧侶「ちょっと変態!」

勇者「すまん。遠くからでよくわかんなくて。」アセアセ

勇者「でも勝手に移動したら危ないだろ。お前メガンテ以外大した魔法使えないんだし。」

勇者「ってか、そんな派手な服もってたっけ…?」

僧侶「!」ピーン

勇者「僧侶?」

僧侶「ごめんなさい、汗流したくって。」

勇者「そ、そうだよな。ごめん気が付かなくて。」

僧侶「うぅん。ねぇ一緒に水浴びしない?」スススッ

勇者「え、え?ええ?」アセアセ

僧侶「きもちぃわよ?」ンフ

勇者「あ、でも…。いやさ。」

勇者「いい匂い・・・。」クラリ

僧侶「んふ。」

「勇者――!!?」

勇者「え?」

僧侶「勇者、その女は?」トテトテトテ

勇者「え?え?僧侶がふたり?」

僧侶「んふ残念、ばれちゃった。」

修羅場キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

おつ

追手か!?

【デルタの森 川沿い】

踊り子「あたしは踊り子っていうの。そこのお兄さんがかわいいからからかっちゃった!」

勇者「僧侶とそっくりだな。」チラ

踊り子「そうねぇ偶然。」

勇者「君の得意魔法はメガンテってとこかな?」

踊り子「!」

勇者「やはりか。」

踊り子「へぇあたしたちが生物兵器って知ってるんだ?勇者君ってもしかしてマスターの仲間?兵器の実験の途中?」

勇者「いや、正直に言おう。僕らは兵器となることを拒否し逃げている身だ。」

僧侶「そうだ。」エヘン

踊り子「へぇいいわね。」

勇者「それより君はどうなんだ?君は僕らを魔法技師長に通報するのか?」

踊り子「んふ、それはね。」

【デルタの森 川沿い】

踊り子「あたしは踊り子っていうの。そこのお兄さんがかわいいからからかっちゃった!」

勇者「僧侶とそっくりだな。」チラ

踊り子「そうねぇ偶然。」

勇者「君の得意魔法はメガンテってとこかな?」

踊り子「!」

勇者「やはりか。」

踊り子「へぇあたしたちが生物兵器って知ってるんだ?勇者君ってもしかしてマスターの仲間?兵器の実験の途中?」

勇者「いや、正直に言おう。僕らは兵器となることを拒否し逃げている身だ。」

僧侶「そうだ。」エヘン

踊り子「へぇいいわね。」

勇者「それより君はどうなんだ?君は僕らを魔法技師長に通報するのか?」

踊り子「んふ、それはね。」

「おどりこぉおおおおおおお!!!!」

勇者「!」

騎士「お前ら!!踊り子から離れろ!!」ブン

ガキン!!

勇者「くっ。」(すごい一太刀だ。受けるので精いっぱいだ。)

騎士「ぬぉおおおお!」

僧侶「勇者からはなれろ!」

踊り子「あーもう、せっかちなんだから…。」

騎士「いやぁすんません。早合点してしまいました。」テレテレ

踊り子「本当いつになったら落ち着くのかしら?はずかしいったらありゃしないわ。」

騎士「う、うるさいな!大体集合場所にいなかった踊り子が…。」

踊り子「はいはいホイミ。」

―踊り子はホイミを唱えた!騎士のHPが257回復した!―

勇者「!」

騎士「さ、さんきゅ…。」

踊り子「んふ、“心の育った生物兵器”は回収を余儀なくされるわ。そしてそれを避けるにはマスターへの連絡を絶ち逐電するしかない。」

騎士「なんのことだ?」

踊り子「おこちゃまは知らなくっていい事よ。」

騎士「むか!なんだそれ。」

勇者(ホイミは守りたいという心によってさらに効果を増加させる…か。)

勇者(この騎士は事情を知らないようだが、境遇は僕らと一緒か。)

騎士「俺はちょっと荷物とってくる。みんなはここで待っててください。」タタタ

勇者「はい。」

踊り子「あいつがあたしの思いの源よ。おっちょこちょいで、見栄っ張りで、三枚目。」

踊り子「でもあいつ最高なの。」


踊り子「ちなみにあたしは7号。あんたは?」

僧侶「23号。」

踊り子「じゃああたしは先輩ね。あんたたちは恋人?」

勇者「へ?それは。ちがっ」///

僧侶「…。」チラチラ

踊り子「んふ、初心なのね。かわいいわ。」

勇者「君たちはどうなんだよ。」

踊り子「んふ、馬鹿ね。あいつは立派な騎士様、あたしは肉の爆弾。そんな関係になれる?」

勇者「…。」

踊り子「でもいいの。あいつのためだったらメガザルでも唱えられる気がするわ。」

勇者「メガザル?」

踊り子「生物兵器には高度すぎて誰一人成立させられなかった呪文よ。まぁさすがに冗談だけど。」


騎士「おーい!」


踊り子「うちの馬鹿がもどってきた。あたしたちの秘密話はここまでね。」

【デルタの森】

騎士「いやぁ勇者さん達と道が進めて助かります。」

勇者「いえ、こちらこそ騎士さん達との道中は心強いです。」

騎士「しかし僧侶さんはしっかりしていて本当いいですね。うちの踊り子なんか100メーター歩くごとに足が痛いだの、おんぶしろだのってなかなか進まなくて。」

勇者「はは、でもできないのに無理されるのも困りものですよ。」

騎士「むむ、勇者さんは僧侶さんを大切にしているんですね。」

勇者「騎士さんは違うんですか?」

騎士「え?」

勇者「僕にはお二人が特別な関係にしかみえなくって。」

騎士「そうみえますか?」

勇者「ええ。」

騎士「俺は今まで騎士の道を突き進むことに邁進してきました。」チラ

踊り子「ヒーヒー」エッチラオッチラ

騎士「でも不思議です。優先順位がかわってしまいました。俺はここのデルタの森の竜征伐をしたら故郷に帰るつもりなんです。」

勇者「それは二人で?ってのは愚問ですか?」

騎士「はは。」

踊り子「おいー!男ども!どんどん先いってるんじゃないわよ!!ちょっとは待ちなさい!」

【デルタの森】

踊り子「かよわい乙女を置いて楽しそうに談笑してあいつら…、全然追いつけないわ。」ハァハァ

僧侶「…。」ハァハァ

踊り子「あんたも無理しすぎじゃない?」

僧侶「大丈夫。」ハァハァ

踊り子「あんまり甘えないとかわいがられないわよ?」

僧侶「!」

踊り子「あんたたち見てるとまるで親子みたいね。過保護な父親とその娘って感じ。」

僧侶「どういうこと?」

踊り子「怒った?でもねあんたたちはまだまだってことよ。いい?男ってね頼られるのが好きなのよ?あんたたちまだ恋人ってわけじゃないんでしょ?」

僧侶「そうだけど。」

踊り子「じゃあもっと距離を寄り添っていかなきゃ。」

僧侶「寄り添う?」

踊り子「騎士――!」

騎士「うるせぇなんだー?!」

踊り子「歩けない!」

騎士「あぁん?あまえんな!」

踊り子「足くじいた!」

騎士「くそ!」ズカズカ

踊り子「こうよ。」

【デルタの森 夜】

勇者「ここらで野営をしましょう。見張りは僕と騎士さんで交互にやります。」

騎士「今日は勇者さんがいるから楽できそうですね。いつも踊り子の奴起きないから俺一人で見張りをやるはめになるんですよ。」

踊り子「知ってる?夜更かしってお肌に悪いのよ?」

僧侶「私もやる。」

勇者「僧侶はいいよ。明日も結構歩くしな。」

僧侶「私もやる!」

騎士「お、僧侶さんは立派だな。」

踊り子「ちょっとやめて?空気読んで?」

勇者「だめだ。」

僧侶「でも。」

騎士「まぁまぁでも勇者さんがいうのももっともだ。しっかりMPを回復してくれないと、俺たちがダメージを受けた時困りますからね。」

踊り子「わかってるじゃない。」

騎士「お前は徹夜しろ。」

【デルタの森 夜】

フクロウ「ホーッホーッ」

踊り子「騎士。」

騎士「うん?寝れないのか?」

踊り子「あたし昼、寝てたから。」

騎士「俺におぶられながらな、くそ。」

踊り子「隣いい?」

騎士「あぁ。」

踊り子「よっと。でもついに明日で終わりだね。」

騎士「あぁ、デルタの森の竜を倒して騎士の証を手に入れれば王国の騎士として認めてもらえる。」

踊り子「そーね、よかったじゃない。あたしもその後の身の振り方を考えなきゃ。」

騎士「うちに来ないか?」

踊り子「メイドとして雇ってくれるの?でも朝起きられる自信ないわ。」

騎士「いやお前にメイドは無理だろ。」

踊り子「そーね。金持ちのパトロンでも紹介してくれない?」

騎士「それは駄目だ。そんなことしたらそのパトロンに申し訳ない。」

踊り子「そーねっておい!じゃあどうしろってのよ。」

騎士「お前、俺に皆まで言わせるのか?」

踊り子「何よ。」

騎士「さ、察しろよ。」

踊り子「んふ、んふふふふ。馬鹿ねあんた。あたしはね、まともな人間じゃないわ。」

踊り子「あたしはねあんたに言ってない事がたくさんあるの。」

踊り子「あたしはね…、ん!」

踊り子「ん~~~!!」

騎士「…。」

踊り子「ちょっと!なによいきなり!苦しいじゃない!」

騎士「うるさい!いちいちそんな事を気にしてたらお前とパーティーなんか組むわけないだろ!」

騎士「今更、どっかの姫なんかとかと退屈な一生をくらせるか!」

踊り子「…!」

騎士「お前の過去何てどうでもいい。早く返事をしろ。そろそろ見張りの交代の時間だろ。」

踊り子「いってよ。」

騎士「あぁん?」

踊り子「皆まで言ってよ…。察しろなんてずるい。一から全部言ってよ。」

騎士「…。」

踊り子「早く。」

騎士「わかった。一回だけだからちゃんと聞けよ。」

踊り子「うん。」wkwktktk

騎士「俺はいつのまにか、騎士として生きる事より優先するものができた。」

踊り子「うん。」

騎士「お前と一緒にいることのが何十倍も大事だ。俺と結婚してくれ。」

踊り子「…。」

騎士「おい?」

踊り子「ごめん聞いてなかった、もう一回いい?」

騎士「おい!って、ん~~~~~!」

騎士「」////

踊り子「んふふふ、お返し!」ポロ

騎士「踊り子。」

踊り子「好き。」ポロポロ

騎士「おい?」

踊り子「好きすぎて馬鹿になっちゃいそう。」ポロポロ

騎士「はは、もう手遅れだろ?」

踊り子「うるさい。」ギュッ

騎士「お前がいいなんて俺も馬鹿になっちまった。」ギュッ

踊り子「もっとギュってして…欲しい。」////

騎士「あぁなんでも聞いてやんよ。」ぎゅっ





勇者(見張りの交代の時間だが、)

勇者(目を覚ましていける雰囲気じゃない…。)

勇者(どうしよう…。)

素直に祝福できない俺がいる(´Д`)

フラグにしか見えない…

大丈夫、フラグは折るためにあるってばっちゃが言ってた

【デルタの森】

騎士「俺たちはこのままデルタの森の竜の征伐に向かいます。」

勇者「では僕たちはこれで。ご武運を祈っています。」ペコリ

騎士「こちらこそ。勇者さんも僧侶さんも旅の無事をいのっていますよ。」ペコリ

踊り子「ねぇ僧侶ちん。昨日わかったことがあるの。」

僧侶「うん?」

踊り子「生物兵器(造られた身体)でも気持ちくなれるみたい。」ボソリ

僧侶「」

踊り子「僧侶ちんもがんばってね。」

僧侶「了解した。」

踊り子「んふ。」

勇者「?」
騎士「?」

騎士「いい人達だったな。」

踊り子「うん♪」

騎士「しかし勇者さんはかなりの手練れだな。あんだけ打ち込んだのに全部受けきられたからな。」

踊り子「うん♪」

騎士「僧侶さん見たときは踊り子に似すぎててびっくりしたな。」

踊り子「うん♪」

騎士「どした?機嫌いいな?」

踊り子「んふ、そりゃあだって…、ね?」

騎士「そ、そうだな。それにしてもいつもと違いすぎだぞ。」

踊り子「だって。もう好かれないようにする意味ないもん。」

騎士「そ、そか。」(調子くるうなぁ///)

踊り子「ねぇ?」

騎士「ん?またおんぶしろってか?しょうがねぇな。」

踊り子「て、つないでほしい。」

騎士「う、」///

ギュ

騎士「全部終わったら王国の騎士団長に挨拶に行こう。お前を紹介したいんだ。」

踊り子「嬉しい。楽しみにしてる。」

勇者「いい人だったな。」

僧侶「うん、お楽しみだった。」

勇者「うへ、僧侶起きてたのか。」

僧侶「うん。」

勇者「…。」

僧侶「…。」

勇者「」

僧侶「」

勇者「///」

僧侶「///」

【デルタの森 竜の洞窟】

騎士「ーーーっ!!」

バシュ!!

デルタの竜「ウロロロロローーーーン!!」

ズズーン!!

―デルタの竜を倒した!―

踊り子「騎士!!」トテトテトテ!

騎士「はは!やったぜ。」

踊り子「これでやっと正式な王国騎士になれるね!」

騎士「いや。」

踊り子「え?」

騎士「これでやっとお前と結婚できる。だ。」

踊り子「ふぇ」///

騎士「さぁ証をとってさっさとこの薄暗い洞窟からおさらばしようぜ!」

踊り子「うん///」

「ふむ。デルタの竜を倒すか。人間にしてはなかなかだな。」


踊り子「だ、だれ?」

騎士「踊り子!俺の後ろにさがっていろ!」

魔王の側近「我は魔王様の側近の一人である。貴様の様な人間が成長しては魔族への脅威になるやもしれぬ。」

騎士(こいつすげえ威圧感だ。このまま踊り子を守りきれるか?)

魔王の側近「気まぐれにデルタの森に来てよかったぞ。危ない芽は早めに摘むに限る。」

踊り子「き、騎士…。」ギュ

騎士「大丈夫、お前は俺が守る。」

魔王の側近「ベギラゴン!!」

―魔王の側近はベギラゴンを唱えた!!洞窟の天井に258のダメージ!!―

騎士「な、天井に?!」

ズズズズーーーン!

踊り子「きゃあ!」

騎士「踊り子危ない!!こっちだ!!」

ズズズズーン! ガラガラ!

魔王の側近「ふははは!生き埋めというのも面白い趣向であろう。残された時間、我という圧倒的存在に出会った自分らの不幸を嘆くのだな。はーはっはっは!!」

騎士「くそ!閉じ込められちまったみたいだな。」

踊り子「うん、騎士大丈夫?」

騎士「あぁ。しかしあの魔物自分の事魔王の側近っていってたな。デルタの竜とはもしかして赤竜なのかもしれないな。」

踊り子「赤竜?」

騎士「魔王城への入り口が近いってことだ。まぁ先ずはここから出る方法を考えなくちゃな。」

騎士「はぁはぁ。だめだ、びくともしない。」ハァハァ

踊り子「騎士ごめん、あたしがリレミトを使えれば。」

騎士「なんでお前が謝るんだよ。しかし本格的にやばいな。」

踊り子「あたしたちずっとこの中に閉じ込められてるのかな…?」

騎士「馬鹿、弱気なこと言うな。こっちにこい。」

踊り子「うん…。」ギュ

騎士(踊り子の奴震えてやがる。かわいそうに。)

踊り子「いやだ、やだよ。やっと騎士が結婚してくれるっていったのに。」

騎士「はは、そんなに楽しみにしてくれてるんだな。」

踊り子「騎士は怖くないの?」

騎士「怖くないといえば嘘になる。でもお前と一緒ならな。」

踊り子「騎士…。」ギュ

騎士「踊り子を巻き込んで悪かった。」ギュ

踊り子「ううん…。」

ぬるり

踊り子「え?」

騎士「さっき落盤から逃げた時にな…。」

踊り子「やだすごい傷。足なんて骨が出てるじゃない。なんで隠してたの?」

騎士「はぁはぁ、この傷じゃ回復魔法じゃなおらないからな。俺の方が早く逝きそうだ。」

騎士「早めに言っとく。ごめんな。今までありがとう。」

踊り子「駄目よ、こんなの絶対だめ!」

騎士「踊り子は我がままだなぁ…。」



(あぁ、そうか。)


(夢をみていたんだ。)




(やっとそのことに気が付いた。)


(あたしは夢をみていた。騎士(あなた)という夢を。)




(とても優しくてとても素敵で)


(とても幸せな夢。)




(あたしはやっと目が覚めた。)


踊り子「ねえ?」

騎士「うん?」

踊り子「キスして。」

騎士「こんな時に?こんな時だから?」

踊り子「いちいちうるさいのよ。」

騎士「はは、すまん。」

踊り子「ん。」///

騎士「まだお互い照れがあるな。」

踊り子「ふふ。」

踊り子「ホイミ。」

騎士「体力を無駄にしては駄目だ。ホイミくらいじゃ…。」


―踊り子はホイミを唱えた!騎士のHPが999回復した!―

騎士「!」

踊り子「どう?」

騎士「左足なんて半分なくなってたのに、はは、すげえや。」

踊り子「もうちょっと休めば歩けるわよ。しかし玉の輿だと思ったのに残念だわ。」

騎士「はは、すまねえ。」

踊り子「ねぇ?」

騎士「うん?もっかいするか?」

踊り子「馬鹿。」

騎士(よかった。踊り子の震えも止まったみたいだ。)

踊り子「あたしがどんだけ貴方の事を好きか見せて上げる。」

騎士「え?」

踊り子「見てて。」トテトテトテ

騎士「どこいくんだ?そっちは落盤があるから危ないぞ。」

踊り子「大丈夫よ。それにこの岩どもを吹き飛ばさなきゃ出られないじゃない?」

騎士「どういう意味だ?」



(幸せの絶頂で死ねるなんて最高ね。貴方に会えて本当によかった。)


騎士「おい、戻ってこい。危ないぞ。」


(でも貴方はいい人だから、他の女の子にも優しくしてあげるんだろうな。)


騎士「何をする気だ?」


踊り子「ふふっ駄目ね、あたし。」

踊り子「こんな時なのに嫉妬しちゃうの。」

騎士「踊り子?」




踊り子「」


【デルタの街】

勇者(あの二人無事にデルタの竜を倒したのかな?)

僧侶「勇者何を考えている?」

勇者「え?あ、いや?」
僧侶「…。」

勇者「今日はこの街に泊って旅の準備をしよう。次の丘を越えれば南東の街だ。」

僧侶「わかった。」

街の人間1「おー森のほうがひかってるぞ?」
街の人間2「おぉー!花火かぁ?」
街の人間3「天に向かって縦にのびてる。とっても綺麗ね。」

勇者(あのひかりは?)

勇者(みたことがある…しかし…。)

僧侶「勇者?どうしたんだ?」

勇者「あ、すまんすまん。先ずは宿を探そう。」

僧侶「わかった。」

勇者(まさかな…。)

【デルタの街】

勇者(あの二人無事にデルタの竜を倒したのかな?)

僧侶「勇者何を考えている?」

勇者「え?あ、いや?」
僧侶「…。」

勇者「今日はこの街に泊って旅の準備をしよう。次の丘を越えれば南東の街だ。」

僧侶「わかった。」

>>276削除です。すいません。今日はここまでにしときます。


踊り子…

おい!やめてくれ










あんなフラグ立てるから…(ノд・。`)

フラグを立てすぎたんだ…

わかってた、フラグだってわかってたのに!

踊り子……

【南東の街】

刀匠「もっと炭。」

勇者「はい刀匠。」ストトトトトンッ!

刀匠(刀が打てるに値する和炭を切るのに、三年の修行がいるというがな。)

勇者「これで大丈夫でしょうか?」

刀匠「…。」

カチーン!カチーン!

勇者(使ってくれるってことは一応合格ってことなのかな?)

刀匠「…。」

刀匠の娘「もう、ととったらまた僧侶ちゃんのお兄ちゃんこまらして。」

刀匠「娘か。」ピタ

勇者「こんにちは娘ちゃん。」

刀匠の娘「今日もご苦労様!ごはんもってきたよ。はいおしぼり。」

勇者「いつもありがとう。」フキフキ

僧侶「兄さん。」

勇者「ん?」

僧侶「これ。」

ボロボロのお米のかたまり

勇者「お、ちゃーはんか?」

僧侶「ぐっ」

刀匠の娘「おにぎりよ。僧侶ちゃんが一生懸命つくったの。」

勇者「そ、そか。じゃあもらおうかな?」

パクパクモグモグ

勇者「お!おいしいぞ!」

刀匠の娘「やったぁ!僧侶ちゃん聞いた?」

僧侶「お、おせじなんていらない。///」

勇者(嬉しそう。)
刀匠の娘(嬉しそう。)
刀匠(嬉しそうだな。)


勇者(しかし、この南東の街にきてから時間がこんなに平和にながれていくなんて知らなかった。)

勇者(刀匠に鍛冶の勉強をさせてもらえるし、充実している。僧侶も笑顔が増えた。)

勇者(いままでの戦いの日々が嘘みたいだ。)

刀匠の娘「あー!僧侶ちゃんのお兄さんまた遠い目してる!」

勇者「へ?」

刀匠の娘「なんか考え事してたんでしょ?そんなことしてるとすぐに老けちゃうよ?」

勇者「そ、そうかな?ちょっとぼーっとしていただけだよ。」

刀匠の娘「ふーーん?まるで過去を偲ぶ老人みたいだったよ!」

勇者「ははっ」

刀匠「おい。」

勇者「はい刀匠。」

刀匠「今日はもういい。」

勇者「え、でも。」

刀匠「後は俺だけで十分だ。そのかわり明日大口の仕事が入った。手伝え。」

勇者「は、はい!」

僧侶ちゃんの作ったおにぎり下さい!!

チャーハンと見間違えるおにぎりか…





ください!

【南東の街 商店街】

刀匠の娘「今日は早めにあがれてよかったね?」

勇者「う、うん。おかげで荷物持ちができて嬉しいよ。」ズッシリ

刀匠の娘「あはは、まだまだお店まわるから頑張ってね。」

僧侶「私も持つ。」

勇者「いや大丈夫だ。」キッパリ

刀匠の娘「あはは、やっさしー。」

僧侶「ゆう…、兄さんはいつもそう。私だってそれくらいもてる。」

刀匠の娘「駄目だよ僧侶ちゃん。女の子は買い物に集中しなきゃ。」

僧侶「でも。」

刀匠の娘「あはは、ところで二人は本当の兄妹じゃないんでしょ?」

勇者「!」
僧侶「!」

刀匠の娘「やっぱり。二人とも全然そんな感じじゃないんだもん。でも心配しないで、誰にも言わないから。」

刀匠の娘「だって愛の逃避行の邪魔なんかしたら馬に蹴られて死んじゃうもの!」

勇者「いや僕たちは愛の逃避行なんかじゃ…。」

刀匠の娘「そうね!二人は兄妹だもんね。分かってるわ!」ニコニコ

勇者「いや、はは。そうだね、ありがとう。」

刀匠の娘「口止め料として荷物持ち、まだまだ頑張ってもらいます!」

勇者「あい。」ゲッソリ

こども「お父さーーん わああああん」
女性「あなたぁ…、なんで、なんでよぉー。」
男「くそ、なんでいいやつばっかりこんなになるんだ!」


勇者(葬式か。若い方が亡くなったみたいだな。)

刀匠の娘「あそこの家のご主人、魔物にやられたの。」

勇者「!」

刀匠の娘「この街は数年前までは全然魔物が寄り付くような場所じゃなかったわ。」

刀匠の娘「でも、今では別。ちょっと近くの森に薪を取りに行くだけでも丸腰でいくことはできないの。」

勇者「…。」

刀匠の娘「魔王の勢力はどんどん大きくなってる。一番強大な軍事力を持っているアルファ国でさえ赤竜を倒すところまでいってもそこから進めないそうよ。」

刀匠の娘「ここも半年前までは灰白色の空じゃなかったのにね。」


神父「ではみなさん、故人に最後の挨拶です。一輪もち献花をしてください。」
参列者「うううう…。」
女性「あなた…わたしどうしたらいいの。これから…どうしたら…。」
赤ちゃん「バブゥ。」


勇者(灰白色の空。魔王の力がその土地に及んだ時、空は青さを失う。逆に魔族の拠点を落とせば空も魔族から解放される。)

勇者(僕はいくつもの空の青さを取り戻してきた。)

勇者(でもここしばらく空の色を気にする事なんてなくなっていた。)

勇者(今、世界の空はどんな色をしているのだろうか。)ギリ


僧侶「兄さん?」

勇者「!」

刀匠の娘「また遠い目だよ?」

勇者「ご、ごめん。ご遺族の姿が気になってさ。」

刀匠の娘「でも今度は怖い目をしてた。」

勇者「そ、そうかい。」

刀匠の娘「いきましょ。私たちにできることは一振りでも魔物を切るための剣をうつことだけ。」

勇者「あぁ。」

【勇者達の小屋 夜】

僧侶「勇者。」

勇者「うん?寝れないのか?」

僧侶「静かだから勇者いないのかと思って。」

勇者「勝手に出かけたりしないよ。久々に剣の手入れをしようと思ってね。」

僧侶「戦うのか?」

勇者「ううん?でもしっかり準備しておかないといざって時に僧侶を守れないだろ。」

僧侶「私怖いんだ。」

勇者「…。」

僧侶「今の生活がなくなってしまうのが怖いんだ。いつまでこの状態が続くのか不安で不安でしょうがない。」

僧侶「本当はただの生物兵器(ばくだん)なのに馬鹿みたいだ。」

勇者「大丈夫だよ。」ソ

僧侶「勇者。」ギュ

勇者「僕はどこにもいかない。約束したろ?」

僧侶「うん。」ギュゥ

勇者「しかし今僧侶がメガンテをつかったらすごいだろうな。」ハハハ

僧侶「地球が半分なくなると思う。」

勇者「ははは。」

僧侶「笑うな、本当だぞ。」

勇者「明日はまた刀匠の手伝いをしなきゃ。今日はもう寝よう、寝れるまで一緒にいてあげるよ。」

僧侶「朝までがいい。」

勇者「もう少し寝相がよくなってくれればな。」

僧侶「そ、そんなになのか。」ガーン

勇者「ははは。」

勇者(僕にはこの子がいる。もう手放さないと決めたんだ。余計なことを考えるのは止めよう。)

>>278-281 あまりにフラグが立ちすぎて見過ごせませんでした。

>>286-287 つ おこげおこげ米おこげおこげ

今日はここら辺で話ねりなおします。今月までには完成させたいです。読んでくださっている方コメント下さっている方感謝です。

なんだか見てたらドラ○エやりたくなってきたは


フラグは叩き折る為に存在するんだって偉い人が言ってた

最終的にどういう終わり方になるのかめっちゃ気になる

【刀匠の工房】

僧侶「おしぼり。」ハイ

勇者「さんきゅ。」

刀匠の娘「お疲れ様!今日は大変だったでしょ?」

勇者「うん、今日はいつにもましてハードだったな。」

刀匠の娘「街の近くで魔族の拠点が見つかったの。それの討伐隊が編成されて、うちへの受注が増えたってわけ。」

勇者「拠点が…。」

刀匠の娘「そそ。拠点をつぶせばまた青空が戻るってわけ。気合入るでしょ?」

勇者「そうだね。」

刀匠「このくらいの量で音をあげてるようじゃ使い物にならんぞ。」

勇者「は、はい!」

刀匠「ふん。」

刀匠の娘(僧侶ちゃんのお兄さん、ととに気に入られてるなあ。)フフ

「失礼します。」

刀匠の娘「あ、はーい。いらっしゃいませーどのようなご用件でしょうか。」

「お願いした武器を受け取りに来ました。」

刀匠の娘「あら丁度良かったです。今出来上がったところですよ。こちらにどうぞ。」

「失礼します。」

勇者「騎士さん!」

騎士「勇者さん。」

勇者「まさかこんな所でお会いするとは。」

刀匠の娘「あら、二人はお知り合い?」

勇者「えぇ。旅で一度お世話になったのです。」

勇者(しかしなんだこの違和感は?以前の騎士さんと比べて全く印象が異なる。それに踊り子さんがいない。)

僧侶「踊り子がいない。」ボソリ

勇者「僧侶それは…。」

騎士「お察しの通りです。」

勇者「…。」

騎士「魔族に殺されました。」

勇者「…。」

騎士「といったら語弊があるかもしれません。踊り子は魔族から俺を守るため自ら犠牲になったのです。」

騎士「いずれにせよ同じこと。俺がここにいる理由はもう話す必要はありませんよね。」

勇者「仇討ですか…。」

騎士「えぇ。」

騎士「勇者さん。俺と一緒に討伐隊に参加しませんか?貴方がいれば心強い。」

勇者「すいません、せっかくですが僕には守るべき人がいます。」チラ

僧侶「…。」


騎士「そうですか…、いや、そうでしたね。」

騎士「僧侶さん。」チラ

騎士「本当に似ている。」ジ・・・

僧侶「私は勇者の物だぞ。」

騎士「ははは。でも、それでも踊り子にまた会えたみたいで良かった。」

勇者「騎士さん。」

騎士「勇者さん、僧侶さんの事大切にしてください。」

勇者「はい。」

騎士「では、魔族を一掃したらまたこの街によります。」ペコリ

勇者(踊り子さんが死んだ。前にみたあの光はやはりメガンテの…。)


勇者(騎士さんと踊り子さんみたいな人は他にもいるんだろうか。)


勇者(○六部隊はまだ存在しているのであろうか。)

刀匠「おい。」

勇者「」ビク

刀匠「炭きってくれ。」

勇者「は、はい。」



(魔族の拠点討伐隊が編成され数週間がたった。討伐隊は苦戦を強いられていたがついに青空を取り戻した。)

乙!


この再会は辛い…

刀匠の娘「とと。討伐隊の方が負傷兵を数名うちに泊まらせてほしいって。討伐隊本部じゃベッドが確保できないって。」

刀匠「あぁかまわねえ。」

刀匠の娘「わかった!」

勇者「刀匠、僕負傷兵の治療を手伝ってきます。簡単な回復魔法なら使えますし。」

刀匠「あぁ。」

負傷兵「いてぇ、いてぇよ。」

僧侶「ホイミ。」

負傷兵「ありがてぇ痛みが引いてくぜ…。」

勇者「僧侶、腕を上げたな。」

僧侶「私もこの人たちを治したい。」

勇者「そうか。」

討伐隊隊員「すいません。重症入ります、回復魔法をおねがいできませんか。」

勇者「はい!」

勇者「え?まさか…。」

騎士「」

勇者「騎士さん!」

騎士「やぁ、勇者さん…じゃないですか・・。」

騎士「こんな…無様な姿はずかしいもんですね。」

勇者「喋っちゃだめだ!いますぐ回復魔法を!」

騎士「無駄ですよ…血を、流しすぎました。はは、どんどんさむくなってきやがる…」ガチガチ ブルブル

騎士「踊り子に会いたい…このまま目をつぶれば会えるんでしょうか・・・」

勇者(確かにこの傷ではベホマクラスでももう手遅れだ。)

騎士「目がかすむ・・・さみしい・・さみしいぞおど・・」

勇者「僧侶頼む、騎士さんの手を。」ポロポロ

僧侶「分かった。」



ギュ


騎士「あたたかい、この軟らかい手?踊り子なのか?」

騎士「どこにいるんだ?踊り子の顔がみえない。」

僧侶「ここにいるわ。」


騎士「あぁよかった。お前に指輪を買ったんだ。金の指輪だよ。王国に帰ったら結婚式をあげよう。お前を皆に紹介したいんだ。」

僧侶「あたしを奥さんって紹介できるなんてあんた幸せね。」

騎士「そうだ・・・俺は幸せだ・・・」

騎士「大好きだ踊り子…」

僧侶「んふ、馬鹿ねあたしの方が好き。」


騎士「はは」


騎士「」


騎士 スーッ




僧侶「おやすみなさい。」




勇者「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!」





(僕の中で感情が駆け巡った。)


(騎士さんのこと、踊り子さんのこと、メガンテで散った僧侶やその姉妹達…。)


(グルグルグルグルグルグルと)


(僕の中をたくさんの思いが走り回り、衝突し、はじけ飛ぶ。)




勇者(悲劇はどんどん続いていく。)


勇者(知らないところでいくつもの騎士さんと踊り子さんが生まれているんだ。)


勇者(魔王がいる限りこれは続く。)


勇者(だったら僕が…。)

今日はここまでにします。やっと終盤です。遅筆ですいません、落ちは決まっているのですがなかなかそこまでたどり着けないものですね。読んで下さる方、コメント下さる方、感謝です。

乙!


騎士も死んだか

騎士しんだか。やれやれ…愚かなだな

ぉっ

僧侶の優しさが目にしみる…(ノд・。`)

【勇者達の小屋 朝】

僧侶「勇者起きているか?」コンコン

勇者「あぁおはよう僧侶。」

僧侶「!」

僧侶「その格好、どこかに行くのか?」

勇者「パーティーってなんだと思う?」

僧侶「私には勇者だ。」

勇者「そうだね。確かに君は僕にとって大切な人だ。それは変わらない。」

僧侶「うん。///」コクン

勇者「でも騎士さんや踊り子さん、刀匠や娘さんもパーティーだ。」

勇者「僧侶の姉妹も、魔法技師長さえもパーティーだ。」

勇者「僕たち人間は全員パーティーだ。もしかしたら魔族だって本当はそうなのかもしれない。僕はそう思うようになった。」

勇者「僕はまた魔王を倒す旅に出ようと思う。」

勇者「僕はパーティーメンバーをもう失いたくないんだ。」

僧侶「わかった。私もいく。」

勇者「駄目だよ。君が怪我したら元も子もない。」

僧侶「私は勇者のパーティーメンバーじゃないのか?」

僧侶「失わないためだけの存在がパーティーメンバーなのか?」

勇者「!」

僧侶「勇者は全然わかっていない。」

勇者「そうだったね。僕が間違っていた。改めて言うよ。」

勇者「僕とパーティーを組んでくれないか?」

僧侶「了承した。」ニコ


(その日僕らは冒険の再開を決心した。)


(刀匠はわけを全て話す前に「わかった」といい、僕の剣を鍛えてくれた。)


(娘さんの方は泣きながら駄目だと言いながらも最後は了承してくれた。)


(いい人達に出会えることができた。この街にきて本当に良かった。)

【アルファ城 王座】

アルファ王「久しいの勇者。逃げだしたお前が今日はどの様な申し開きをしに来たのだ?」

勇者「王様、今までたくさんのご恩をいただいていたにも関わらず、姿をくらましたご無礼をお許しください。」

アルファ王「前口上は良い。」

勇者「はっ、では。私に魔王討伐の許可を再度いただきたく参じました。」

アルファ王「ふむ。それで?」

勇者「私は作られた生物兵器といえども自爆による戦法は反対でございます。」

勇者「私が魔王を倒したあかつきには○六部隊の解体及び隊員達の開放をお許しいただきたいのです。」

アルファ王「なるほどのう。ほんにお前は優等生の勇者じゃのう。」

アルファ王「確かに魔王を倒せば生物兵器などいらぬ。しかし今は戦時じゃ魔王軍と交戦している以上○六部隊は必要じゃ。」

アルファ王「お前が魔王を倒せば全ての罪を赦し○六部隊を開放しよう。それまでは○六部隊とともに魔王攻略戦を行え。事が成るまではわしの方針にあらがうことは許さぬぞ。分かったか!」

勇者「わかりました。」

アルファ王「ならさがれ、魔王城攻略の下知はおっておこなう。」

勇者「はは!」

【控えの間】

僧侶「勇者遅いな…。」チョコン

ギィ  バタン

僧侶「勇者?」

魔法技師長「勇者様でなくて残念だったな、23号。」

僧侶「マスター。」スク

魔法技師長「座ったままでよい。今日はお前に話をしに来ただけだ。心配しているようだが勇者様はきっと魔王討伐の任務を赦されるであろう。」

魔法技師長「何故なら勇者様程の実力者はそうはいないからだ。」

僧侶(勇者…。)ホッ

魔法技師長「魔法のように勇者の実力は思いに左右されることを知っているか?」

僧侶「いえ。」

魔法技師長「勇者の強さとは心の強さだ。その心がふるえればふるえる程その剣は強くなる。」

魔法技師長「勇者様が赤竜を切った時の事を覚えているか?23号をよほど守りたかったのであろう。普段の勇者様ではああはいかんよ。」

僧侶「///」

魔法技師長「つまりだ、もし勇者様が魔王との戦いで苦戦を強いられるのであるならばだ。」




魔法技師長「自爆せよ。」


僧侶「…。」ビク

魔法技師長「お前の死を目前した勇者様の実力は跳ね上がるであろう。」

魔法技師長「それにお前のメガンテが魔王を討てばなおよい。この数か月間勇者様との甘美な生活はどうであった?さぞお前の思いは膨れ上がっているであろうなぁ。」

魔法技師長「お前達の罪名は敵前逃亡であり本来なら極刑だ。しかし魔王を倒せば、陛下が恩赦を下さるはずだ。」

僧侶「・・・!」

魔法技師長「私は期待しているのだよ23号。」肩ポン

僧侶「」ガクガク ブルブル

ギィ バタン

勇者「魔法技師長殿!!何をされていますか!」

魔法技師長「!」

僧侶「勇者ぁ!」

勇者「魔法技師長殿、僧侶は僕のパーティーメンバーです。前回の様に連れ去ったりはさせませんよ。」ツカツカツカ

魔法技師長「いえいえとんでもない、ただ久々の再開を楽しんでいたところですよ。前にも言ったではないですか。生物兵器とはいえ私の娘みたいなものですからね。」

勇者「娘を爆弾にする親なんて信用できません。」

魔法技師長「ずいぶんなご評価ですね。まぁ致し方ありません。今日はココで失礼します。また魔王討伐軍編成の時にお会いしましょう。では。」ペコリ

勇者「…。」ペコリ

勇者「大丈夫だったか?何もされなかったな?」

僧侶「大丈夫。」ガクガクブルブル


僧侶(怖い。)


僧侶(私はやっぱり生物兵器(ばくだん)にすぎないのだろうか。)


僧侶(あんなに幸せを得たかに見えた7号ですらあんな結末だ。)


僧侶(やっと勇者といれるようになったと思ったのに。)


僧侶(怖いこわいコワイ…、こわいよ勇者!)


勇者(震えてやがる。きっと怖い事をいわれたんだな。)

ギュウ!

僧侶「ゆ、ゆーしゃ?」

勇者「怖い思いをさせてすまない。君のことは必ず守る」ギュギュウ

僧侶「ら、らいじょうぶだ…///」

僧侶(あぁあったかい。これだけで私は安心するのだな。)

僧侶(このままこの腕の中に溶けてしまいたい。)



(私はやっとしがみつくことができた幸せが逃げていくのが怖かった。)


(勇者と始まりの街アルファの宿屋で王からの命令を待っている間、勇者の仲間の私と生物兵器としての私が交互にうかんでは消えて行った。)


(そして数週間後、勇者と私、マスターと○六部隊とで魔王城討伐隊が組織された。)

とりあえず今日はこれで寝ます。今週には書ききれそうです。

乙だ。いよいよ佳境か

前作前々作がずいぶん前だったから今作見つけるのに手間取ったわ

最初から楽しませてもらってます
続き楽しみにして待ってます

まぁなかなか良かったわ
だがいまいち話の作りが甘いな
かかわってる人間の関係がいまいち微妙

まだかなすび

>>338 なんとか終盤にもってこれました。

>>339 前作、前々作まで知ってもらえてすごくうれしいです!!是非最後まで読んで下さい。

>>340






>>341 おまたせしてすいませんえん

【アルファ国】

アルファ王「勇者と○六部隊は共闘し魔王城を落とせ。これが最終決戦である。」

(どのような結果になろうともこれが勇者と私の最後の冒険になるのであった。)

【魔王城 城門】

○六部隊隊員「…。」
○六部隊隊員「…。」
○六部隊隊員「…。」
○六部隊隊員「…。」
○六部隊隊員「…。」

ズラリ

勇者(皆、僧侶達だ…。また彼女たちと戦いをともにするとは思わなかったな。)

魔法技師長「勇者様、またともに戦うことができ大変光栄でございます。」

勇者「魔法技師長殿。」

魔法技師長「ここが魔王城城門でございます。前回までの生物兵器ではここの門番である三竜達を倒すことはできませんでした。」

魔法技師長「ですが新作の部隊ならばそれも可能でしょう。苦労してデルタの森で試験体をけし掛けた甲斐がありました。」

勇者(デルタ?)

魔法技師長「それに勇者様のお力があれば、さらに王座へと辿り着き魔王を討つことも可能でしょう。」

魔法技師長「今日はお互いの主義主張は控え協力してやっていきましょう。よろしくお願いいたします。」

勇者「魔法技師長殿。協力してやらせいていただくことは賛成です。」

魔法技師長「おぉ勇者様もやっと大義の前の小義をご理解くださいましたか。」

勇者「ですが僧侶の姉妹達を失うつもりも一切ございません。」

僧侶(勇者ぁ…♪)

魔法技師長「」

魔法技師長「ふふふ、まあ良いでしょう。ですが○六部隊の指揮は私がとらせていただきます。」

ドドドドドドドド!!!

―天竜があらわれた!―
―海竜があらわれた!―
―冥竜があらわれた!―

勇者「!」

魔法技師長「おや。魔王城の門が開きました。三竜がでてきましたよ。」

魔法技師長「○六部隊!三竜への攻撃を開始せよ!先ずは冥竜を倒す!」

―○六部隊は冥竜に突撃した!―

○六部隊隊員「…。」トテテテテテッ
○六部隊隊員「…。」トテテテテテッ
○六部隊隊員「…。」トテテテテテッ
○六部隊隊員「…。」トテテテテテッ
○六部隊隊員「…。」トテテテテテッ

ワラワラ トテトテ

魔法技師長(7号の思いが加わったメガンテを備えた○六部隊ならば相打ちぐらいにはなりえよう。)

僧侶SSが最近あついな

もっと増えないものか……

このSSは面白くては好きだがメンタル削られるから
この手のはあんまり増えないで欲しいなあ


○六部隊隊員「…。」トテテテテテッ
○六部隊隊員「…。」トテテテテテッ

冥竜「グオーーーー!!!」

○六部隊隊員「メガ…」

―○六部隊隊員はメガンテを唱え…

勇者「させないぞ!!」

―勇者はミナデインを唱えた!!冥竜に999のダメージ!!―

冥竜「クオオオオオオオオオン!!」

バタン

―冥竜を倒した!―

魔法技師長「おぉ、一撃とは!」


―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―

魔法技師長「!!」

―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―
―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―
―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―
―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―
―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―
―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―

魔法技師長「○六部隊のMPも利用しているのか?まさか。」

勇者「僧侶の姉妹達にメガンテなんか使わせるものか!敵なんて僕が全部倒してやる!」

―勇者はミナデインを唱えた!!天竜に999のダメージ!!―

天竜「キューーーン!!」

―天竜を倒した!―


―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―
―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―
―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―
―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―
―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―
―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―


―勇者はミナデインを唱えた!!海竜に999のダメージ!!―

海竜「キューーーン!!」

―海竜を倒した!―

―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―
―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―
―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―
―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―
―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―
―○六部隊隊員は10のMPを消費した!―


―三竜達を倒した!―


魔法技師長「まさかこんな方法があるとは見事なものです。」

魔法技師長「ミナデイン、パーティーメンバー全員のMPを利用して使う雷撃魔法。」

魔法技師長「私の○六部隊は全員MPがきれてしまいました。」

勇者「MPのきれた僧侶の姉妹達はもう戦力として役に立たない!○六部隊はここから帰還して下さい!!」

魔法技師長「では勇者様はどうされるつもりですか?」

勇者「僕はこれから魔王を倒しに行ってくる。魔法技師長殿達はここに控えていてください!」

クルリ スタスタスタ


僧侶「まって勇者、私も行く。」

トテトテトテトテ

魔法技師長「待て23号!!」

僧侶「」ビク

魔法技師長「分かっているな。これは魔法の聖水だ。呪文を一回唱えるには十分であろう。」

僧侶「はい、マスター…。」コクン ッテッテッテ




魔法技師長(あの顔迷っておる。良いぞ、未練があればあるほどメガンテは光り輝くのだ。)


魔法技師長(姉者、仇を取るときが来ました。)

【魔王城 王座への回廊】

僧侶「勇者待ってくれ!」テッテッテッテ

勇者「僧侶。」

僧侶「先に行くなんてひどい。」

勇者「ごめんごめん。気合が入りすぎてしまって。」

僧侶「ねえ勇者。私は貴方にとってなんだ?パーティーメンバーか?」

勇者「ん?そうだね。」

僧侶「そうか。」

勇者「でもそれだけじゃない。それよりも、なんていえばいいのかな…。よくわかんないや。」

僧侶「私はたくさんの生物兵器たちと比べてどうなんだ?北の孤島で自爆した僧侶と比べてどうなんだ?」

勇者「むっ」

僧侶「教えてくれ!」

勇者「ははっそんなことを気にしていたのか?」

僧侶「わ、私は真剣だぞ。」

勇者「君は特別な子だよ。僧侶のためだったらこの世界を天秤にかけてもいい。」

僧侶「ふぇ!」

勇者「だから魔王との戦いが始まる前にいっておく。絶対にメガンテを使ってはいけないよ。これは東の魔城に行った後約束したよな?」

僧侶「覚えてる。その時勇者泣いてた。」

勇者「ははは。しかしこんなことで悩んでいたなんて馬鹿だなあ。」

僧侶「うるさい。馬鹿は貴方だ。///」

勇者「そうか?」


僧侶「うん。」

僧侶(だって生物兵器(私なんか)を特別だっていうんだから。)



(決心がついた。)



(勇者のためなら魔王だって、地球だって吹き飛ばしてみせる。)


今日はここまでにします。近日中にエンディングまでいけそうです。もう皆さんは落ちが読めてると思いますが最後までお付き合いください。

>>348 僧侶SSしかかいてません・・・。

>>349 ウツ展開じゃないとおもってるのは自分だけでしょうか・・・。

>>363
別の人の~って話しやったんやすまん

ひのきの棒書いた人今なにしてるんだろう


鬱展開だと思って読んでれば
いざという時ダメージ少ないからな

>>365-366 最後までできました!修正しながらあげていくので時間かかりますが見ていってください! 

【魔王城 回廊】

(勇者と私はあれから幾つものモンスターを倒し、魔王城を進んだ。)

(そして奥に進むにつれモンスターの数は減り、あたりはだんだんと不気味な静寂さで満たされていった。)

勇者「開けたところにでたな。」

僧侶「灰白色の空が見える。ここは?」

勇者「僧侶、僕の後ろに。敵が待ち伏せているかもしれない。」


「そのような無粋な真似はせぬよ。」



僧侶「」ゾク

僧侶(なんて冷たい声。)

勇者「僧侶!僕の後ろだ!」

勇者(この雰囲気、この圧迫感、やはり…。)


「なんせ久しぶりの客人だ。手厚く歓迎せねば余の名が廃るというもの。」


勇者「魔王!!」

魔王「そういきりたつでないぞ。しかし大したものだな。この200年間余の前まで来れた人間はお前達だけだ。」

僧侶「…。」ギュウ

魔王「まぁ一人は人間ではないようだがな。」フフン

勇者「仲間を侮辱する奴は許さないぞ!!」ズザザザザ!!!

―勇者の攻撃!!勇者は剣を振りかぶり魔王に突撃した!!―

魔王「血の気の多いやつだ。まあ良い相手をしてやろう。」

【魔王城 王座の間】

僧侶(すごい。こんな強い勇者は初めてみた。)

僧侶(あの魔王はたぶん本物だ。この圧迫感、私でもあいつが本物なのが分かる。)

僧侶(それなのに勇者が互角以上に戦っている。)

僧侶(もしかしたら私達、一緒に帰れるかもしれない。)

勇者「ぬぉ!くぉ!」

ガキン!

魔王「ふはははは!やるのうやるのう!!ここまでできる人間と会えたのは初めてじゃ!」

ガキン!

勇者「ちぃ!押されているのに余裕ぶりやがって!!」

ザシュ!!

魔王「おお!余に傷をつけるか?ますます気に入ったぞ!」

勇者(よし!)

魔王「ならこれはどうする?」

勇者「え?」

―魔王はイオを唱えた!魔王のイオが僧侶に襲いかかる!―

僧侶「きゃあ!」

勇者「危ない僧侶!」

―勇者はギラを唱えた!魔王のイオと勇者のギラが相殺する!―

ズガーン

勇者「大丈夫か僧侶!」

魔王「仲間を心配している場合か?」

―魔王の攻撃!勇者に89のダメージ!―

勇者「ぶべら!」

僧侶「ゆうしゃぁ!!」

魔王「ほほう!生きているか。しかし勇者とは殊勝なものじゃのう。」

魔王「足手まといな仲間を庇いながらも奮闘する。200年前の勇者と同じだな。」

勇者「はぁはぁ僕はエリート勇者だ。決して仲間を見捨てない。」

魔王「ふむ素晴らしいぞ!しかしのう、その半分に折れた剣で余とまだ戦うのか?」

勇者「――――!!」

勇者(く、剣が折れてやがる!!)


(私を庇い、傷を負った勇者は尚も魔王との対峙を続けた。)


(しかし折れた剣では今までのような戦いはできなかった。)


(勇者は徐々に押され、そして追い詰められていった。)



勇者「ぐお!」

勇者(く、足場がとられて!)

ズルリ!

魔王「最後は小石で態勢を崩すか。これで終いだな。」

―魔王は爪をふりかざし勇者に襲いかかった!―

僧侶「だ、駄目!!」

僧侶(間に合わない!)

勇者「アストロン!」

―勇者の身体が鋼鉄へと変化した!―

キン!!

―勇者はダメージを受けない!―

僧侶「え?」

魔王「ぬぅ。」

―アストロンの効果が消えた!―

勇者「ギガデイン!!」

バシューーーーーン!!!

―勇者がギガデインを唱えた!魔王に93のダメージ!―

魔王「ここでギガデインを使ってくるとはな。気に入ったぞ。」

僧侶「勇者、大丈夫か!」テッテッテ

僧侶「今ホイミを!」アセアセ

勇者「僧侶そのままで聞いてくれ。」ボソボソ

勇者「正直このままでは分が悪い。退却をしよう。」ボソボソ

僧侶「え?」

勇者「僕が時間を稼ぐ。僧侶はこのまま来た道を走って引き帰すんだ。」

僧侶「勇者は?」

勇者「ははは、さすが魔王だよ。でも二人死ぬことはない。」


僧侶(まだこんな状況に追い込まれても私を守ろうとしているのか。)

僧侶(さっきまでガタガタ震えていた足が止まった。)

僧侶(私の時間はここで最後だ。)


勇者「僧侶?」

僧侶「ホイミ。」ボソ

―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが999回復した!―

―勇者の剣は新たな切っ先をとりもどした!-


勇者「はい?」

僧侶「私の思いがどんなものか分かったか?」

魔王(折れた剣まで戻っているか。この女にとって勇者とはそこまでの人物なのだな。)

勇者「おいおい、常識守ってくれよ。」

僧侶「もっとすごいのを見せる。」

勇者「おい?」


―僧侶は詠唱を始めた!僧侶の魔法力が跳ね上がる!―

パチ パチパチパチ

勇者(僧侶の身体が魔法力で包まれている。まるでオーラみたいだ。)

僧侶「…。」トテトテトテ


魔王「メガンテか。」

僧侶「そう。どんな相手でも耐えること以外、避けることはできない呪文。」

魔王「なんという魔法力。ふはは寒気すらするぞ。」

魔王「ベギラゴン!」

キン

―魔王はベギラゴンを唱えた!しかし僧侶はダメージを受けない!―


魔王「なんだと?余の呪文が効かぬとは!」

僧侶「無駄。着火した爆弾は破裂するまで誰も止められない。」

トテトテトテ

魔王「ぬぅ…。」

勇者「僧侶待て!約束しただろ!」

僧侶「駄目だ。勇者の頼みでも私は止まらない。」

トテトテトテ


(僕が甘かった。僧侶が止まるはずがない。)


(何を諦めていたんだろう。魔王を倒さない限りこのような悲劇は続くんだ。)


(僕は魔王を倒し、二度と仲間を失わないために再び剣をもつ決心をしたはずだ。)


(俄然、力が湧いてきたぞ。)


(僕は魔王を倒すために勇者になったんだ。)


僧侶(魔王が射程範囲内に入った。後は勇者がなんとかしてくれる。)

僧侶「メガ…」

魔王 ゾク




勇者「マホトーン。」

―勇者はマホトーンを唱えた!僧侶はマホトーンにかかった!―




僧侶「え?」

僧侶(うそ?呪文が発動しない?)

勇者「はは、あぶなかった。この魔法初めて成功したよ。」

僧侶「な、何をやっているんだ勇者!」

勇者「それはこっちのセリフだぜ。メガンテはご法度だっていったろ?」

僧侶「今はそんな場合じゃ…」


魔王「ふはははは血迷ったか!?情におぼれて余に勝つ手段を放棄するとは!」

魔王「しかし作り物の人間と侮っていた。お前がどれほど危険か分かったぞ。先にお前から始末してくれよう。イオナズ…!!」

僧侶「キャ」

勇者「バシルーラ。」

―勇者はバシルーラを唱えた!―


勇者「なぁ僧侶。人間は皆一つのパーティーなんだ。僕がいなくなっても僕の仲間たちを守ってくれよ。」

僧侶「嘘?うそうそうそうそうそ?」」

―僧侶は天高く舞い上がった!―

僧侶「勇者ぁ!待って!」

バシューーーーン…

【魔王城 王座】

キラーーーン ☆彡


勇者「…。」

勇者「僧侶のやつちゃんと着地できるかなぁ?」

魔王「自らを犠牲にし仲間を守るか。貴様の自己犠牲精神には頭が下がるのう。」

勇者「うん?」

魔王「これで余に殺されても満足して死ねるであろうな勇者。」

勇者「おいおい、お前が生きている限り僧侶は救われない。こんなんで満足できるわけないだろ?」

魔王「ぬぅ。」

勇者「だったら刺し違えてもお前を倒すしかないじゃないか。」

魔王「さっきまで劣勢だったのが生き生きとしているではないか。ふははよいぞ、相手をしてやろう。」

勇者「いざ勝負!!」


僧侶「いや!いやだよゆうしゃあぁ!」


(さっきまで近くにいたはずの勇者が米粒の様に小さくなり見えなくなった。)


(精いっぱい手を伸ばしたけれども、私の手は何もつかむことはなく。)


(灰白色の空を私は舞い続け、)


(勇者のいたはずの場所から青空がその後を追いかけていた。)


(気が付くと私は、はじまりの街についていた。)


【はじまりの街 アルファ】

大臣「陛下!ご覧ください南の方角から空が晴れていきますぞ!」

王様「おおぉ。なんという澄み切った空じゃ。ついに魔王を倒したのだな。」

近衛兵「なんだ!空から何か降ってくるぞーーー!」

近衛兵「魔物か?」

近衛兵「人だー!」

大臣「なんだ騒がしいぞ!貴様らそれでも陛下をお守りする近衛隊か!?」

近衛兵「ですが大臣、空から女の子が…。」





ふわっ





近衛兵達「「「おぉ・・・」」」

大臣(なんと…。)


~王国の記録より~
 碧空から降り立ったのは水のはごろもを着た女であった。まだ残っている灰白色の空の隙間からこぼれた光にあてられ、羽毛の様にふわりと我々の前に現れたその姿はまさに天女の様であった。


王様「むう、人と思ったらこれは勇者の連れていた生物兵器ではないか。」

僧侶「…。」ボーッ

近衛兵「大丈夫ですか?」

近衛兵「衛生兵を!」

僧侶「勇者!」ガバ!

テッテッテッテッテッテ!

王様「あやつどこへ行く?」

大臣「またれい!魔王との戦いは終わったぞ!!」

僧侶「どいて、私は勇者に会いにいく。」

ッテッテッテッテッテッテッテ


近衛兵「おいおい、魔王城の方向に走って行ったぞ。」

近衛兵「と、とめたほうが良かったのか?」

近衛兵「あんな真剣な顔止められるわけがないだろ?」

大臣「陛下どうされますか?」

王様「あやつ勇者の所に向かっておる。おもしろい我らも続くぞ。」

【魔王城への道】

近衛兵「あの方、一時も休まず走り続けているぞ。」

近衛兵「女の足の速度とはいえこちらがまいってきたな。」

近衛兵「それよりお前あいつは生物兵器だぞ?あの方とはいいすぎじゃないか。」

近衛兵「いや、お前もあの方が降り立ったお姿を見ただろ。俺はあんな美しいものをみたことがない。」

大臣(近衛兵の中にも彼女を神格視するものがでてきた。無理もないあの姿を見せられてはのう。かくいう私も…。)

【魔王城 城門】

近衛兵「ご覧ください!魔王城の城門です。魔法技師長殿がいらっしゃいます!」

王様「魔法技師長ではないか。この青空見せてもらったぞ。魔王討伐見事であった。」

魔法技師長「恐れ多いことでございます。これも王様のご仁徳によるものでございます。それに魔王城に討ち入りになられたのは勇者様と23号一体のみでございます。」

王様「そうか勇者は?」

魔法技師長「はっ、まだ安否は確認しておりません。態勢を立て直し調査する予定でございまし・・・。!!!」

魔法技師長「23号!何故?」

王様「うん?何故か城に飛んできてのう。走ってこっちに向かうものだから我らも追ってきたのよ。」

魔法技師長(何故?メガンテは使わなかったのか?)

王様「あやつ、どんどんと魔王城の中にはいっていった。我らも中を見ようではないか?」

魔法技師長「はっ。」

【魔王城 城内】

近衛兵「ここが魔王城かー。」

近衛兵「お前怖くないのか?いつモンスターが来るか分からないぞ。」

近衛兵「なに、魔王はもういないんだ。それにこの人数なら大丈夫さ。」

近衛兵「おい、開けたところに来たぞ?」

近衛兵「ここが魔王城の王座でしょうか。」

大臣「ご覧ください陛下!彼女もいます!」

王様「うぬ?あの防具の紋章は?」

大臣「勇者…様…です。なんというお姿に…。」

魔法技師長(周りに散らばっている魔物の肉片は魔王ということか。しかし勇者様のお姿、遺体というよりは残骸だな…。)


近衛兵「うぷ おえーー」

近衛兵「お、おい?」

王様「おおおぉ。勇者よ、魔王と刺し違えたのじゃな。なんという勇猛さ。お主こそ真の英雄じゃ。」




僧侶「勇者。」

トテ トテ トテ



魔法技師長(23号が勇者様の残骸に近づいていく。)

王様「そうか、あやつは勇者により“思い”をふきこまれていたのであったな。」

大臣「作られてからの期間、全て勇者とともにあった彼女には辛いものでしょう。」



僧侶「いつも私を半人前扱いにしてひどいぞ。」ポロ…

僧侶「こんな姿になるまで戦って。私だって貴方と戦いたかった。」ギュ


チュ



近衛兵「「ザワ」」

魔法技師長「美しい。」


(みな息をのんだ。)


(23号はもう勇者様とはいえない肉の残骸を抱き、半分しかない顔に口づけをした。)


(暗い大理石の床に勇者様と魔王の残骸がとびちり、むごいだけのはずの風景なのだが、何故かとても神々しくさえ見えた。)


(陛下も大臣も近衛兵も、そして私もその美しさに心奪われてしまったのだ。)


近衛兵「なんて優しさにあふれている光景なんだ。」

近衛兵「あぁ、まるでミケランジェロのピエタのようだ。」



僧侶「…。」ポロリ ポロポロ




近衛兵「聖母がないている…。」

王様「もうよい。もうよい。勇者の遺骸を回収せよ。魔法技師長、あの乙女を引き上げさせてくれ。」

魔法技師長「は、はい。」


テクテクテク

魔法技師長「23号よ。お前の悲しみはこの場にいる全てのものが理解している。だが勇者様はすでに肉塊。英雄の遺骸を母国へ帰らせてくれないか?」

僧侶「マスター。」

魔法技師長「失うことによる辛さ、私も理解しているつもりだ。」


僧侶「私は勇者が死んだから悲しくて泣いているのではありません。」

魔法技師長「なに?」

僧侶「勇者と伴に生きることができない事が悔しいのです。」

魔法技師長「どういう意味だ?」

僧侶「彼は言いました。人間は皆一つのパーティーだと。誰一人かけても勇者は悲しむでしょう。そして勇者の仲間は私の仲間です。」

魔法技師長(なんだこの魔法力の高まりは?何をする気だ?)


王様「何をやっているのであろうか?」

大臣「どうやら話し込んでいるみたいですね。」


僧侶「でも私一人くらいは勇者も赦してくれるはず。」

魔法技師長「まさか四つ目の…!!」





僧侶「メガザル。」




―僧侶はメガザルを唱えた!―


―勇者と僧侶を中心に魔法力があふれ出す!円を描くように奇跡は広がって行った。―


―冷たい大理石の床の隙間から新芽が生え、花を咲かせ、実を結ぶ。―


―土と石だけであった魔王の領地が緑の絨毯に覆われて行った。―



近衛兵「おおおおお!大地が息吹をとりもどしていくぞ!」

王様「なんという慈愛に満ちた魔力じゃ。我らの心を優しく、癒していく…。」

大臣「おろ?長年苦しんだ腰痛が治ったような?」ヒョイ


―木々は生い茂り、水は澄みわたり、死の大地であった魔王城周辺は瞬く間に、生物の楽園と変化していった。―


魔法技師長「メガザル。全ての仲間を生き返らせ、全回復させる呪文。」

魔法技師長「愛が深ければ深いほどその効力を増す。」

魔法技師長「見習いの時に習った通りなのだな。」




―そして、僧侶のメガザルは魔王城からあふれ出し、全世界に広がって行く。―



神父「さぁ、皆さま最後の挨拶です。故人の棺に一すくいずつ砂をかけてください。」

母「おおおおぉお、なんで私がかわってあげられないのでしょう!!」
妹「お兄ちゃん!!」
父「息子よ。魔物にやられるなんて…」

棺「え?ちょ?暗いんですけどー?どういうこと?あけてー!」

母「はよ、箱のフタあけんかい!このスットコドッコーイ!」

神父「えええええ?!」アセアセ


医者「はぁはぁ心臓マッサージをしてもう50分以上たつ、これ以上の蘇生は無駄だ。」

看護師「先生、ご家族をお呼びしました。」

妻「あなたーー!」

医師「奥さん、できる限りのことはしましたがご覧のとおりです…。」

妻「はい!ありがとうございます!先生は本当に名医です!」

医師「え?」

患者「おろ?儂は一角獣にやられたはずじゃ…?」ムクリ

妻「あなた!本当によかった!」ダキツキ

医師「あれ?あれ?まぁいっか。」




―メガザルは風にのり更に遠くの世界を満たしていった。―

【南東の街】

男性「ただいま!」

女性「え…あなた死んだはずじゃ…?」ドサ コロコロコロ ・・・ リンゴ

男性「結婚前にいっただろ?君を一人にしないって。」

女性「あなたぁ…。」ホロリ

赤ちゃん「ばぶぅ!」



―全ての仲間達が息を吹き返す!―


【始まりの街 アルファ】

ベテラン戦士「ふん、どいつもこいつも仲間ってやつをわかってねえ。あんなんでパーティーなんて組めるか。」ブツクサブツクサ

ベテラン勇者「じゃあ、また俺と組まないか?」

ベテラン戦士「お前!!俺や舞踏家を庇って死んだはずじゃ?」

ベテラン勇者「ははは、俺もよくわかんねーや。んでどうする?」

ベテラン戦士「馬鹿野郎、決まってるじゃねえか・・・」ホロリ



―全ての仲間たちが癒されていく!―


【デルタの森】

踊り子「あれ?」

踊り子「寝てたや・・・。」

踊り子「騎士がいない。」

踊り子「あぁそっか。私メガンテで死んだんだった。」

踊り子「でも天国っぽくも地獄っぽくもないなぁ。」

踊り子「まぁ、こんな岩場に囲まれた洞窟じゃ抜け出せないし、結局時間の問題か。」

踊り子「天井の穴から青空が見える。」

踊り子「やっぱ天国?」

騎士「おい!」ヒョイ

踊り子「キャ!」

騎士「びっくりしすぎだろ?せっかく引き上げに来たのに。」

踊り子「騎士!これはどういうこと?」

騎士「わからん、ほら手のばせ。」ヨイショ グイ!

踊り子「うん。」

騎士「でもここは天国だと思うぞ?」

踊り子「んふ、私がいるから?」

騎士「先に言うな。」///

【アルファ城 王座】

大臣「なんとも優しい光でしたね。」

王様「あれがメガザルの力か。魔族への恨みや悲しみすら癒されてしまったぞ。今こんなにも穏やかな気持ちになれるのはあの光のおかげじゃ。」

魔法技師長「恐れながら通常のメガザルにはこの様な効果はありません。これはなべて23号の思いの強さによるものです。」

魔法技師長「私は間違っていました。人の“思い”、それを利用しようなど何て傲慢だったのかと気が付かされました。」

王様「ふむ。儂もやっと自分の愚かさに気づかされたわ。して勇者はどこじゃ?」

大臣「おろ?冒険にでるといい朝早くから出かけられましたが陛下はご存じなかったのですか?」

王様「そうか出て行ったか。今度はいずこに向かうのであろうな。」

近衛兵「申し上げます!」

王様「なんじゃ、もうしてみよ。」

近衛兵「軍の食糧がつきました!」

王様「は?」

魔法技師長「そうでした。実は今まで自爆した生物兵器全てが生き返ったため食糧が確保できないのです。彼女達かなりの大食家でして・・・。」

大臣「なんと。」

王様「ふははは!!よく食う乙女たちか!かわいいものだな!ならば王族の蔵をあけよ。魔族との戦いがない今、財力を蓄える意味などないからな。」

近衛兵「はは!」

魔法技師長「ありがとうございます陛下。」ペコリ

王様「なに。今日はよい気分じゃ。」



―そして―



トテトテトテ

僧侶「あうー目が覚めたら一人でした。勇者様ったら薄情者です。」

僧侶「あれ?でも私メガンテで死んだはずじゃ・・・?」

ズキン

僧侶「なんだか色々考えると頭が痛いです。」

トテトテトテ

【酒場】

僧侶「思わず、また酒場に来てしまいました。」

カランコローン

酒場の女主人「あら、僧侶ちゃんいらっしゃい。」

僧侶「どうも、お久しぶりです。」ペコリ

酒場の女主人「ちょうどよかった。僧侶ちゃんを希望するパーティーがいるのよ。紹介するわ。」

僧侶「ええ?で、でも私はもう、その・・」アセアセ


勇者「なんだ嬉しくないのか?」

僧侶「ゆ、勇者様!」

勇者「お前がなかなか見つからないから、その間に魔王倒しちまったぜ。」

僧侶「す、すいません。ってすごくないですか?」

勇者「なんで僕のパーティーの奴は自爆するやつばっかりなんだろうな。」

僧侶「すいません。」

僧侶「ん?」


僧侶「勇者様、私の他にもお仲間ができたんですか?」

勇者「あぁ?一人な。」

僧侶「女性の方…ですか?」ジトー

勇者「うん、そうだけど。」

僧侶「勇者様が汚された!」ガーン

勇者「なんだそれ?それよりとっとと仕度しにいくぞ。」

僧侶「え?魔王はもう倒したのではないんですか?いったい何処へ?」



勇者「世界樹の葉を見つけに行く。お前も手伝え。」





(勇者様と私の冒険はまだまだ続きそうです。)



―end-


いい話だった

乙というしかない!乙!

乙!



23号復活後の修羅場も見たいです

乙乙
まあ中世っぽいしきっと重婚も合法なんだよ


次回作も期待してる

まぁまぁかな
ってもそんなに面白いかな
たかだか肉の塊の話なのに
かいせんもの
いか
がんもどき
あんこ
っみれ
たきだし
ぞぬ

>>433
最後までベストを尽くせよwwwwww

………是非23号復活後も

乙!
まだスレ半分もあるし、ぜひ復活まで

>>433
途中で諦めんなwwww

最後にハッピーエンドに持って行くとは、盛大に乙を贈りたい

乙。だが、ハッピー、なのか。
目覚めたのは前任(22号?)だよね、そうなると23号が報われない
やはり復活編を期待したい

というかミヨの髪飾りは身代わりにならなかったのか
指定していないからか、世界観が違うからか


できれば後日談として世界樹の葉入手後もみたいな

おつでした

次回作は世界樹を探す旅をぜひ!!

1です夜勤中なので携帯から失礼します。

最後まで読んでいただいた方ありがとうございました。今回で四作目です。世界樹の葉編は余裕があればもうちょい頭のなかを整理してから書こうと思います。

色々コメント下さったかたありがとうございました。パソコンつかえる環境になったら返事させて下さい。
バシルーラが最後に唱えられるハッピーエンドのSSがあればそれはきっと1のSSです。

久々の良スレだった

>>427-429 ありがとうございます!

>>430 434 435 437 441 442 やっぱり世界樹の葉編あったほうがいいでしょうか?確かに23号が救われてないのかな?

>>431 重婚やると何百人といる僧侶の姉妹とも…?

>>432 ありがとうございます。次回作は勇者SS以外のものも考えてます。

>>433









>>436 1のSSは全てハッピーエンドです!

>>438 ミヨの花の髪飾りの設定までご存じでいてくれて嬉しいです。今回はミヨの花の効果を使おうとおもったのですが説明たらしくなると思い割愛しました。
ずぼらな勇者が指定し忘れたことにしといてください。

>>439-440 ありがとうございます!

>>444 そういっていただいて嬉しいです!


次回作、作る前に今回の矛盾点やセリフ回しを書き直してまたどこかで流そうと思います。後世界樹編も蛇足にならないようにしたいなと思ってます。







後日談楽しみに待ってますわ。

支援

後日談に期待♪

良かった!騎士と踊り子も一緒にいられるようになったし万々歳だ!

復活編も待ってるよ!英雄色を好むとも言うし二人ぐらいなら無問題だろう

いい話だった 1乙
後日談は余裕があれば是非

これはよい物語であった!

まぁこの世界は一夫二婦制だしな

普通に次回作でもいいです(KONAMI

つか他で流すとか需要ないし
ぎんなん
もも
みかん
たかのはな
いんのう

>>454
やる気なさすぎwwwww

>>454
だからすぐ諦めんなよwwww

ボロボロになりながらも魔王を倒すところも見たかったな
なんか藤井八雲みたいな感じなんだろうか

なき所は?
書いてて寒くならないの?
つかたのしいと思ってんの
マジでつかれるだけだから
あーまじづっと見て損したわ
終わってるきちがいばっかだし
読者様wwアホは寝てろ
あー疲れたわもよもと

>>458
ないたつづきホモ?

>>459
すっげーずれてて恥ずかしい限り

泣いた続きはよ、かw

つかこれで泣くとか
ぎっくり腰
はまち
ようじょ


僧侶「私は嫌です。嫌ですよ勇者様。」

勇者「そういうな、死ぬわけじゃないんだ。」

僧侶「勇者様が遠くにいってしまうなんて私には耐えられません。」

勇者「そうか?そうでもないんじゃないのか?」

僧侶「でも、でも。」

勇者「なぁ僧侶聞いてくれ。僕にはこれが一番いいと思うんだ。これで皆助かる、そうだろ?」

僧侶「私が!私が哀しいです!私が救われていません!それじゃ駄目ですか?」

勇者「はははっお前は優しいな。僧侶と仲間になれて本当によかった。君には感謝している。」

僧侶「勇者様…。」

勇者「23号の僧侶と二人で僕の事をよろしく頼むぜ。」


(勇者様はそういってちょっと出かける時の様に祭壇に進んでいきました。)


(強くって優しい憧れだった私の勇者様。)


(そんな勇者様と私の最後の冒険はそうやって終わりを告げました。)



【第二章 世界樹の葉】

後日談を楽しみにしてただいている方ありがとうございます。

ほのぼのとした後日談で終わろうかと思っていましたが書き始めてしまいました。

最後まで頑張れるかなと不安です。まったりかいていきます。

いつもハッピーエンドSS書きのバシルーラでした。よろしくお願いします。

>>462 
どんぐりころころ
んじゃめな









かんつぉーね

乙!
マジで来たよ
期待してる

きたか!!

舞ってたで

世界樹の葉よりに花のがいいと思うぜ
どうでもいいけど

きたか、楽しみにしている

乙でした

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

待ってた!!

きす
てナガエビ
たら
しロギス

はよ


テクテクテク   トテトテトテ

僧侶(他に仲間ができていたのはショックでしたが)

僧侶(また勇者様と旅ができるんですね。)

僧侶(ふふっ楽しみです。)

勇者「おい早くしろ。」

僧侶「あうー待ってください!」

トテトテトテテ


僧侶「勇者様どこに行くんですか?」

勇者「先ずは防具屋だな。お前すぐ死にそうだからいいの着ないとな。」

僧侶「なんか失礼なこと言われている気がしますが。私、水のはごろもがいいです!」

勇者「好きにしろ。」

僧侶「え?いいんですか!やった!」

【防具屋】

店員「いらっしゃいませ~。」

僧侶「あーやっぱかわいいです。水のはごろも。」ウキウキ

店員「これは勇者様、今回は何をお探しですか?」

勇者「うーん防具なんですが。また水のはごろもかな?」

店員「ははは勇者様は水のはごろもお好きですねぇ。」

勇者「いや連れが好きなんですよ。」

僧侶「また?」ムムム

店員「私は在庫を調べてまいります。お待ちになってください。」

勇者「すいません。」

僧侶「勇者様。」

勇者「うん?」

僧侶「またって前に買ったんですか?」

勇者「もう一人仲間がいるっていったろ?そいつも水のはごろもだった。」

僧侶「そう・・・ですか。」

店員「おまたせしました。サイズはSでよろしかったでしょうか?」

勇者「そうです。ほら僧侶試着してみろ。」

僧侶「いいです。」

勇者「うん?」

僧侶「私はこの神官のローブでいいです。」

勇者「何言ってんだよ。お前が欲しいっていってたろ?」

僧侶「やっぱりいいです。私別に水のはごろもなんて欲しくないです。」

勇者「なにぃ?お前…!!」

僧侶「いらないもん!」ジワ…

勇者「おいおい…。」

店員「あ、あのどうされますか?」

勇者「す、すいません。ちょっとまた来ます。」アセアセ

【始まりの街 アルファ 商店街】

勇者「お前どうしたんだ一体?」

僧侶「すいません勇者様。でも私なんかにあんな服もったいないと思って。」

勇者「そんなことないだろ。もう一人の仲間も似合ってたし。」

僧侶「じゃあ、その人にとっておいてあげてください。私には過ぎたものです。」

勇者「いやだからさ。」

僧侶「私、宿屋で待ってますね。」トテトテトテ

勇者「おいちょま、、ったく。」

きてた

おお、来たか

まだ500以上残っているからゆっくりやってくれ

勇者の朴念仁!ゴボウ野郎!

【宿屋の前】

僧侶「やってしまいました。」ズーーン

僧侶「勇者様のご好意だったのに、私なんであんなことをいってしまったのでしょう。」

僧侶「でも、もう一人の方のことを聞いたら…」

「あら僧侶ちゃんじゃない!」

僧侶「え?ってパン屋の女将さん。」

パン屋の女将「もう久しぶりじゃない?最近見ないから心配したわ。パーティーには入れたの?」

僧侶「はい!今も冒険中なんです!」

パン屋の女将「いいわね。でもどうしたの?ちょっと元気ないじゃない。」

僧侶「そ、それが…。」

* * * * *

パン屋の女将「それは私、僧侶ちゃん悪くないと思うわ!」

僧侶「そ、そうですか?!」

パン屋の女将「そうよぉ。他の女の子にあげたプレゼントと同じものを渡されたら、私だったらパンチよ、パンチ。」

僧侶「で、ですよね。なんか私も違うなぁって思って…。私その時胸がギュってなっちゃって。」

パン屋の女将「うんうん。そんなデリカシーのないやつ別れちゃいなさい。」

僧侶「えぇ?でも勇者様、本当は優しいですし、それだけでパーティー解消だなんて…」アセアセ

パン屋の女将「あら、なーに?ここでのろけちゃうの?僧侶ちゃんその男性のこと大好きなのね♪」

僧侶「好き…ですか…?」

僧侶(なんだろ胸がきゅんってする。)

勇者「おい、ここにいたか。」

僧侶「ひゃう!」ビク

勇者「お前さがしたぞ。ったくさっさと帰りやがって。」

僧侶「ゆ、勇者様。すいません。」

パン屋の女将「あらもしかして魔王を倒した勇者様じゃない!!僧侶ちゃんこの方とお付き合いしてるの?」

僧侶「え、あ、いや。」

勇者「ど、どなたですか?」ビク

僧侶「前にお世話になった方です。」

パン屋の女将「あらあらあらあら、いい男じゃない。まさか僧侶ちゃんがこんないい男つかまえてるなんてね。」

勇者「ど、どうも。僧侶がお世話になったようで。」ペコリ

パン屋の女将「うふふ、勇者様なら引く手あまたよね。」

勇者「はぁ。そんなことは。」

パン屋の女将「でもね。本命には誠実にしなきゃだめよ。結局どんないい男もそうじゃないと幸せになれないの。」

勇者「き、気を付けます。」

パン屋の女将「じゃあ、邪魔になっちゃうからおばさんは消えるわね。僧侶ちゃんファイトよ!」

* * * * *

僧侶「おかみさーーん///」

勇者「なんだったんだあの人は?」

僧侶「すいません。」

勇者「そうだ、ほら。」

僧侶「はい?」

勇者「開けてみろよ。」

僧侶「これは服ですか?」

勇者「あぁ、今度結婚式に行くからな。今来ているのはそれむきじゃないからな。」

僧侶「ワンピースですか?」

勇者「春風のワンピースだ。お前にはこういう明るいのが似合うと思ってな。」

僧侶「…。」

勇者「なんだよ、気に入らないのか?」

僧侶「うれしい。」ニコ

勇者「」ドキ

僧侶「私この服気に入りました。勇者様ありがとうございます。」

勇者「べ、別にたいしたもんじゃないしな。」

僧侶「うふふ、勇者様が選んでくれたことが嬉しいんです。」ギュ

勇者「ふん。まだ買う物はあるんだ。それ宿屋に置いたらまた出かけるぞ。」

僧侶「はい!」

* * * * *

―勇者の攻撃!一つ目巨人をたおした!―

僧侶「ゆ、勇者様強いです!」ホエー

勇者「おい、回復。」

僧侶「は、はい!」

―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが23回復した!―

勇者「あいかわらずしけてんな!」

僧侶「あうーひどいです。」

あいつら結婚するのか。もう子供居そうだけどww

おつー

追いついた!
途中で号泣したわ!
ハッピーエンドにしろよ!!
絶対だぞ!これ以上俺を泣かさないでくれ!!


【酒場】

僧侶(勇者いつのまにこんなに強くなられてびっくりしました。)

僧侶(でも、それなのに私はあの時から全然成長してません。)

僧侶(果たして私は勇者様のお役にたててるんでしょうか?)


僧侶「はぁ…。」

勇者「うん?食べないのか?」

僧侶「はい今日はちょっと食欲がないんです。」

勇者(これだけたべてよく言うわ。)

ティーボーンステーキ、パエリア、ラザニア、おでん、鳥の丸焼き、ゆで卵、シーザーサラダ、カニクリームコロッケの残骸たち…

エリート僧侶「あの勇者様でしょうか?」

僧侶「!」

勇者「うん?」

エリート僧侶「わたし、エリート僧侶といいます。はじめまして。」ペコリ

勇者「僕は勇者だ、こっちは僧侶。」

僧侶「あの、はじ…
エリート僧侶「あの突然ですがわたしを仲間にしてほしいんです。」

僧侶(え?)

エリート僧侶「わたし、自慢じゃありませんが魔法学校も主席で卒業しました。詠唱時間も魔法力もそこいらの神官よりも強いつもりです。回復魔法はベホマはもちろんベホマラーも使えます。わたしをパーティーにいれてくれませんか。」

勇者「君はパーティーにはいっていないのかい?」

エリート僧侶「いえ、入っています。しかしわたしには正直言って物足りない人達です。わたしを生かせるのは勇者様だけです。」

勇者「そうか。」

僧侶(ベホマラーだなんてすごい!私なんていまだにホイミで、しかもしょぼしょぼなのに…。)

「分かりました。入れません」

勇者「そうか。帰れ。」

勇者「自慢じゃないって言って自慢する人、俺死んでほしいと思ってるんだよね」

お前らが代弁すんなしww

そして勇者はおっぱいの大きい僧侶を選んだ

勇者「悪いけど断らせてくれ。」

エリート僧侶「な、なんでですか?前に僧侶さんですか?この方の回復魔法をみさせていただきましたがホイミしか使えないじゃないですか、それにまるで薬草程度の効果の。」

僧侶(う…そこまでいわなくても。)

勇者「馬鹿野郎!言い過ぎだろう!失礼だぞ!!」ドン!

エリート僧侶「あ、す、すいません。」

僧侶(勇者様♪)

勇者「まったく薬草に失礼だろ。」ブツブツ

僧侶「ちょっ!ひどくないですか?」

エリート僧侶「で、でも!」

勇者「君は仲間に何を求めているんだい?」

エリート僧侶「え?」

勇者「自分をステップアップする手段かい?自分の目的を果たすための道具かい?」

エリート僧侶「そ、それは…。」

勇者「僕は最初この僧侶と組んだとき不満だった。」

僧侶「勇者様…。」

勇者「いや今でも不満ばかりだ。」キッパリ

僧侶「ちょっ」

勇者「でも僕は彼女を仲間だと思っているよ。だって大切な事を教えてくれた人だからね。」

エリート僧侶「だけどわたしだって!」

勇者「ううん。もう一度今のパーティーに戻ってごらん。それでもわからなければ僕の所にもう一度おいで。」

エリート僧侶「…。わかりました。」

勇者「いいこだ。」ニコ

(優しくさとされたエリート僧侶はしぶしぶと去って行きました。)

(久しぶりに会った勇者様が大人びてみえたのは私の見間違えではありませんでした。)

(勇者様、私が貴方にしてあげたことってなんですか?)

(いつのまにか立派になられた勇者様、なのに私は何一つ成長していません。)

できる勇者様カコイイ

乙です
>>500の「ドン!」でダチョウのギャグが再生される・・・


そういや初期の勇者様もエリート系だったなー
確かに成長したもんだ

おつおゆ


勇者「僧侶でかけるぞ?」

僧侶「え?どこですか?」

勇者「友人の結婚式だ。」

僧侶「?」

【王国の教会】

カラーンコローンカラーン!

「おめでとう!おめでとう!」

「きゃー花嫁様きれい!」

「やったな騎士!これでお前も火遊びからおさらばだな!!」


騎士「来てくれたんですね!勇者さん!」

勇者「おめでとうございます。もちろんですよ。」

踊り子「んふ。2号どまりだと思ってたけど、7号から一気に1号になっちゃったわ。」

勇者「難しいジョークですね。本当に綺麗です、踊り子さん。」

踊り子「ありがと。でも褒めても駄目よ。心も身体も私、騎士の物なの。」

勇者「ははっ残念です。」

踊り子「次は貴方達よ。ね、僧侶ちゃん。」ウィンク!

僧侶「え?え?」

踊り子「?」

騎士「騎士団の皆が是非勇者さんに会いたいといっているです。今からあってもらってはいかがですか?」

勇者「そうですか。彼の有名な王国騎士団の団長には僕もあってみたかったのです。是非。」

騎士「ではこちらに。」

勇者「僧侶、僕は少し人に会ってくる。ここで待ってろ。」

僧侶「は、はひ!」

勇者 スタスタスタスタ

僧侶 アタフタアタフタ

踊り子「そっか貴女23号じゃないのね。」

僧侶「!」

踊り子「私は7号。貴女は?」

僧侶「じゅ、14号です。」

踊り子「ごめんなさい今日は私が主役の日なの。だから明日また来なさい、全部教えてあげる。」

僧侶「そ、それって…。」

騎士「お?なんの話だ?」

踊り子「んふ、女の子だけのお話よ。」

やばい14号がヒロインに見えてきた

14号ってサングラス掛けた紫のやつだよな

* * * * *

踊り子「おまたせ、ずいぶん待ちくたびれたって顔ね。」

僧侶「いくらなんでも遅刻しすぎじゃないですか!もう来ないのかと思ってしまいましたよ。」

踊り子「んふ、しょうがないじゃない。新婚の花嫁よ?朝遅くなるのはしょうがないでしょ。」

僧侶「一桁のナンバーは素行不良で難儀したって報告の通りですね…。」

踊り子「それでも貴女はずっとまちつづけた、そうでしょ?」

僧侶「そうです…。」

踊り子「教えてあげるわ、勇者君のもう一人の仲間23号の事。私が分かる範囲だけどね。」






踊り子「というわけよ。」

踊り子「23号のメガザルで全ての人間は救われた。あたしがここで生きているのは23号のおかげ、いや貴女がここにいるのも23号のおかげね。」

僧侶「そう、だったんですか…。」

踊り子「あたしに分かるのはここまでくらいね。」

僧侶「…。」

踊り子「ショック?」

僧侶 ビクッ

踊り子「勇者君にそんな仲間がいてショック?」

僧侶「いえ、私は…。」

僧侶「わたしは…。」



(まるで頭を爆弾岩に体当たりされた時の様な衝撃だった。)


(ガーンとした衝撃は頭のてっぺんから足の指先まで、私を痺れさせた。)



踊り子「私、昨日貴女が来たとき23号は復活したんだと思ったわ。」

踊り子「だって勇者君、貴女と喋っている時すごく楽しそうだったんだもん。」

踊り子「勇者君のことだから、これから23号復活の方法を探しに行くんでしょう。」

踊り子「だから貴女も色んな意味で頑張ってね。」



(7号が何か言っていたのだが、痺れた私の頭には何も届いていなかった。)


(勇者様のために全ての人々に愛を降り注いだ23号。)


(世界を救うほど深く勇者様を愛したのに、自らを犠牲にしたもう一人の僧侶。)


(私が彼女より秀でているものはあるのだろうか。)


(ここに来るまでは鏡の前で何度も見返した春風のワンピース。)


(今はもう、どうしようもないくらいみじめな格好にみえる。)

今夜はここらで中断します。踊り子の一人称はあたしでした。すいません。

おつ
僧侶ちゃんガンガレ

勇者なんだから二人位は全然ok

別のssと世界が同じなら一夫二婦制のはず

元は自分と同じなのに世界を救った元カノかー
14号視点だとこりゃ辛いな
しかしがんばれ

おk、間を取って14号は俺の嫁

【宿屋】

勇者「お前、朝からどこ行ってたんだ。早く用意しろ。午後には出かけるぞ。」

僧侶「…。」

勇者「ん?」



僧侶「7号の所に行ってました。」

勇者「そうか。」

僧侶「23号の事聞きました。」

勇者「そうか。」

僧侶「勇者様の仲間って、世界樹の葉を探している目的って、23号なんですね。」

勇者「そうだ。」

僧侶「あの、勇者様?」

勇者「うん?」

僧侶「何故23号を復活させようと思うのですか?」

勇者「僕だけ幸せになるわけにはいかない。僕は全ての仲間を救うため勇者になったんだ。」

僧侶「分かりました…。」



(心臓を赤竜の爪でつかまれたら、きっと同じくらい痛いんだと思います。)


相変わらずせつねーな

おつ

(魔王を倒すために作られ、魔王のいなくなった世界に復活したまぬけな爆弾。)


(私の存在は何のためにあるのだろう。)


「おい。」


(こんな思いをするならいっそ北の孤島が私の終点だったらよかったのに。)


勇者「おい、聞いてるのか?」

僧侶「え?」

勇者「なんだぼーっとして?」

僧侶「す、すいません。なんでしょうか。」

勇者「回復してくれっていってんだよ。骨剥き出しだから応急処置してくれ。」

血だらー、どくどく

僧侶「ひどい傷。今すぐに!」アセアセ

―僧侶はホイミを唱えた!―

―勇者のHPが148回復した!―


勇者「」

僧侶「え?」

―勇者の傷は消え去った。―


僧侶(あぁそうか。嫉妬の力ってすごいんですね。私の魔法をここまで引き上げるなんて。)



勇者「お、腕を上げたな!」

僧侶「!!!」キョトン

勇者「な、なんだ?お前、鳩が豆鉄砲を食らった顔をして。」

僧侶「褒めてくれるんですね。」

勇者「はい?」

僧侶「勇者様から褒めていただいたのは初めてです。嬉しい。」

勇者「お、おい。勘違いするなよ。ぼーっとしてた分を差し引いてプラスマイナス0だからな。」

僧侶「はい!」ニコ

勇者「ちっ。」ポリポリ


(勇者様の一言で私の心は躍りました。)


(そして分かりました。私はこの人に必要にされたいのだと。)

おつー

うむ、がんばれ
乙です

おつカレー


勇者「僕たちの目的の世界樹はどうも“最果ての入り口”という場所にあるらしい。」

勇者「アルファの王立図書館ではいいものがなかったが各国の図書館を巡れば何か情報を得られるかもしれない。」


(それから勇者様と私は最果ての入り口の情報をかき集めるため諸国を巡ることとなったのです。)

【宿屋】

勇者「疲れたぞー。」ドサ

僧侶「あの山を越えるのはひと苦労でしたからねぇ。お疲れ様です。」ニコニコ

勇者「…。どうして苦労したと思う?」

僧侶「え?」

勇者「おまえがモンスターを間違って回復するからだろ!!」

僧侶「なんかちがうなぁって思ったんですけどね!」

勇者「うるさい!」

僧侶「あひ」

勇者「というわけで僕は暫く寝るぞ。」

僧侶「す、すいません。」

どう間違えたんだよwwww

レベル上がってるのに下がってるww

おつ


僧侶(また失敗してしまいました。)


僧侶(褒めてもらおうとおもったのに。)


僧侶「はぁ…。」


ぐぅ

僧侶(お腹がすきました。)

僧侶(そうだ!)

僧侶(勇者様が起きたらお腹がすいているはず。ご飯を買っておけば喜んでくれるんじゃないでしょうか!)

テク テク

ドア ギィ

勇者「おいどこ行く。」

僧侶「ゆ、勇者様。」

勇者「どこ行くんだ?」

僧侶「そ、その、ごはんを買いに行こうかと。」

勇者「…。」

僧侶「勇者様が起きたときに…。」

勇者「僕も行く。」ムクリ

23号も好きだけど、やっぱり僕は14号ちゃん!

お疲れ様です

かわいい

2828してしまったじゃないか

【市場】

勇者「これから寒いところ行くし、お前に防寒具かわねーとな。金かかって仕方ねえ。」

僧侶「はい…。」

勇者「超高級カシミアマントか…。」

僧侶(こっそり買い物して褒めてもらおうと思ったのに、勇者様がついてきてしまいました。)

勇者「いくら僧侶のとはいえ、さすがにこんな安物じゃだめだな。」チッ

僧侶(私迷惑かけてばっかり。)

勇者「おい。」

僧侶「は、はい。」

勇者「お前プリンぱん好きだったよな。」

僧侶「え?」

勇者「ほれ。そこでうってた。」

僧侶「プリンぱん!」

僧侶「はむ。」

僧侶(あうあうあう、しあわせ!)

勇者「ははは。」

【宿屋】

僧侶「はっ!」

僧侶(今日一日プリンぱんを食べ、ぽんちょを買ってもらい、移動遊園地で遊んだだけだった。)

僧侶(何をやってたんだろう…。)

僧侶「はぁ。」

勇者がブルジョワすぎわろた
14号だとあまりシリアスにならないけど、息はあってる気がするな

【朝】

勇者「昨日の街の話では最果ての入り口の鍵はダークドラゴンが守っているって言ってたな。」

勇者「ダークドラゴンといえば南東の地方では主神としてまつられているところもあるぐらいだ。」

勇者「剣もくたびれてきたしな。先ずは南東の街に行くことにしよう。」

僧侶「えーぽんちょ買ったのに南に行くんですか?」

勇者「別に着ればいいじゃねーか。」

僧侶「あせもなっちゃいますよ!」

【南東の街】

僧侶「ここが南東の街ですかぁ。ふふっ海が綺麗、まるでアマルフィみたいですね。」

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A3

勇者「あぁ。小さい街だけどな。」

僧侶「そういえば勇者様はここにこられたことはあるんですか?」

勇者「あぁ。」

僧侶「!」

僧侶「そうですか…。」



(聞かなければよかったと思いました。)


(さっきまでの快晴が、私の上だけ魔王の空に変わってしまったみたいです。)



テクテクテク


トテトテトテ


僧侶「…。」


勇者「…。」

ギュ

勇者「うお」ガクン

僧侶「あ、すいません!」

勇者「いきなり裾ひっぱるな!こけるだろ。」

僧侶「ごめんなさい…。」シュン

勇者「ったく。」


「あれーー!僧侶ちゃんじゃない!そして勇者君!」

僧侶「!」

勇者「ひさしぶりだね。」

刀匠の娘「なにー?来るなら声かけてくれればよかったのに!」

勇者「ごめんごめん、急に来れることになってね。」


僧侶(そう、この人は23号を知っているんですね。)

僧侶(明るくて優しい笑顔。)


刀匠の娘「僧侶ちゃんも会えて嬉しい!」ギュー!

僧侶「あう。痛いですぅ。」

刀匠の娘「あれ?僧侶ちゃん?」

僧侶「あの、私…。」

勇者「こいつは僧侶じゃないんだ。僧侶の姉なんだ。」

刀匠の娘「?」


僧侶「そうですね。私は貴女のしっている僧侶ではありません。勇者様の言うとおり姉と思ってくださればいいと思います。」

刀匠の娘「ど、どういうこと?じゃあ僧侶ちゃんはどうしてるの?」

勇者「僧侶は魔王と戦いでね。」

刀匠の娘「え…嘘。」

勇者「だから僕らはまだ冒険を続けている。世界樹の葉を探しているんだ。」

刀匠の娘「そ、そうなの…。」

勇者「今日は刀匠に会いに来たんだ。これからもっと強い武器がいる。それに色々と聞きたいこともあるんだ。」

刀匠の娘「わかったわ。」

14号は小動物的に可愛いなぁ
しかし勇者からの扱いもなんかそんな感じに…うん、がんばれ

おもえば刀匠のとこにいる時が一番安らげてたのかも




あ、普通に感想かいてもた

おつ
僧侶ちゃんが報われますように

【刀匠の家】

勇者「親方お久しぶりです。」ペコリ

刀匠「…。」

勇者「今日は剣を鍛えてもらいに来ました。」

刀匠「入れ。」

勇者「はい。」

勇者「僧侶、お前はここで待ってろ。」

僧侶「はい。」

【刀匠の家 キッチン】

刀匠の娘「僧侶さんそっちの持ってきて。」

僧侶「はい!」

刀匠の娘「ありゃ、それ違うよ!その隣の緑の奴。」

僧侶「これですか?」グイ

刀匠の娘「あああ、それひっぱっちゃらめー!!」

僧侶「へ?」

グラリ

ドンガラガッシャーン!!

☆☆☆ミ


僧侶「す、すいません。」

刀匠の娘「あははー大丈夫だよ。」

僧侶「本当私役立たずで…。」

刀匠の娘「家事が苦手なのは姉妹一緒だね。」

僧侶「そうなんですか。」

刀匠の娘「うん。ってか僧侶さん、僧侶ちゃんと料理したことないの?」

僧侶「私とあの子は姉妹といっても、面識はありませんから。」

刀匠の娘「へぇ?そうなんだ。不思議だね!」

僧侶「あの、23号は、妹はどんな子だったのですか?」

刀匠の娘「どんな子って…。そうだな、無口で大人しい感じだったよ。料理は苦手だったなぁ。」

刀匠の娘「でもホイミの力はすごかったよ!」

僧侶「あの勇者様とは…。その…。」

刀匠の娘「うん?」

僧侶「いえ…。」

刀匠の娘「ふーーん。そっか。」

刀匠の娘(“勇者様”ってのは悪い男だね…。)

刀匠の娘「僧侶ちゃんは勇者君に愛されてたな。すっごく大事にされてた。」

僧侶「そうですか。」

刀匠の娘「過保護なくらいだったよ。クリスタルを扱うみたいに丁寧にされてた。」



(23号の思いは世界を救うほどに強かった。それに対する勇者様のお心も当然如何ほどだったのでしょう。)




僧侶「ふふ、敵うはずないですね。」




(23号には及ばない。刀匠の娘さんの言葉を聞きそんな事実をやっと理解することができました。)



刀匠の娘「そうかしら?」

僧侶「え?」

刀匠の娘「私、貴女といる勇者君をみて思ったわ。本当はこんな無邪気に笑う人なんだって。今まで理想像の様な立派な男性だと思ってたけど本当はもっと身近な少年なんだって。」

刀匠の娘「貴女といる勇者君が本当の勇者君なのかもしれないわ。」


僧侶「ふふ、優しいですね。」

刀匠の娘「別に、慰めたわけじゃないんだけどなぁ。」

刀匠の娘「だからさ、僧侶さんも僧侶さんらしく勇者君に接すればいいんだと思うよ。」

僧侶「ありがとうございます。」


(私らしく勇者様を愛せ。刀匠の娘さんは優しく声をかけてくれました。)


(でも私は模造品で失敗作。)


(14号番目の失敗作に何ができるんですか。)

勇者「親方、どうもありがとうございました。」ペコリ

刀匠「…。」

刀匠の娘「ダークドラゴンは普通とは違う攻撃をするらしいの。」

勇者「はは、ありがとう。気を付けるよ。」

僧侶「私が勇者様を守って見せます!」キリ

勇者「お前が気合入れていい結果がでたことがない。」

僧侶「うへ。」



(23号だったら安心して背中を任せられたのでしょうか?)


(私だってもっともっと勇者様…。)


(せめて、あなたの為に燃え尽きて消えてしまいたい。)


【刻竜の森】

ダークドラゴン「私の巣にのこのことやってくる人間は久しぶりだな。」

勇者「僧侶下がっていろ。」

ダークドラゴン「グオオオオオン!!」

―ダークドラゴンは暗火を吐いた!―

勇者「なんだこんな炎。そら!!」ヒラリ

ダークドラゴン「フフフッうまくよけたな。」

勇者「反撃だ!」


グルン!

―暗火は反転し勇者に襲いかかる!―

勇者「な!」

ダークドラゴン「私の炎はどうもしつこくてね。」

勇者「く、よけきれないか!」


僧侶「勇者様!」

勇者「ば、ばか!」

―僧侶は勇者を庇った!僧侶に23のダメージ!―

勇者「おいいいい!」

僧侶「だ、大丈夫ですこんな火、へっちゃらです!」


ダークドラゴン「可哀そうに勇者の代わりに少女が犠牲になったかね。」

僧侶「私こどもじゃありません!って、え?」


―暗火はジワジワと燃え続ける。僧侶に18のダメージ!―

―暗火はジワジワと燃え続ける。僧侶に13のダメージ!―

―暗火はジワジワと燃え続ける。僧侶に15のダメージ!―


ダークドラゴン「私の火はなかなかしつこくてね。温度はぬるいが獲物を焼き続ける。」

勇者「そうりょおおおお!!!」

僧侶「勇者様大丈夫です!今のうちにダークドラゴンを倒してください!」


僧侶(ふふふ、少し勇者様のお役に立てたんじゃないでしょうか。)


僧侶(ちょっとでもいい勇者様の記憶に残れれば私は…。)


勇者「―――――――――――――――――――――――――っ!!」

勇者「リレミトぉおおおお!!!」

ダークドラゴン「ぬぅ。」


―勇者はリレミトを唱えた!勇者と僧侶はダークドラゴンの巣窟を脱出した!―


勇者「くそおおおおおおぉおおぉ!!ルーラだ!!!」

勇者「おい僧侶!お前なんで勝手に丸焼けになってるんだ!」

僧侶「あ、勇者様。」

勇者「ホイミはできねえ、まる焦げになる。お前なんて畑の肥料にしかなんなかったな。」

僧侶「す、すいません。勇者様がピンチだと思って。」

勇者「あんなんで俺がピンチになるわけねえだろ。」

僧侶「ご、ごめんなさい」

勇者「まぁいいか。23号も復活したし二人も僧侶はいらないからな。」

僧侶「あ、待ってください。」

ズッシリ

僧侶「え?動けない?」

僧侶(私の身体、炭になってる…。)

23号「お疲れ様。もう貴女はいらない。私がいるから。」

僧侶「貴女23号ですね…。」

勇者「そうだ。お前と違って優秀で本物の僧侶だ。」

僧侶「勇者様…。」

勇者「じゃあな。」

スタスタスタ

僧侶「あう、ゆ、ゆー…。」


僧侶(身体が重い。そっか私の役目は終わったんですね。)


ズキン


僧侶(どうせなら心まで炭になってしまえばよかったのに。)


(そ…ry)


僧侶(あぁなんか身体がふわふわします。)


(…う…りょ)



僧侶(誰かが私の名前を呼んでいる…。)


僧侶(誰かが私の名前を呼んでいる…。)


「そう…侶」


僧侶(生温かい雨が頬を伝ってる。)


「僧・・侶」


僧侶「誰ですか…?気持ちよく寝てるのに…。」



勇者「僧侶・・・いやだ・・・。そうりょお、うううううう・・・・・・・」ポタリポタリ

僧侶「え?!」

勇者「僧侶…。きがついたのか!!」


僧侶(ここは湖の真ん中、そっか私暗火にやられて。)


ジュウウウウウウウウ・・・・


僧侶(まだ湖の水が蒸気になってる…。)


勇者「よかった、よかったぁあ。」

ギュ

僧侶「あ、いたい。」ズキン


僧侶(抱きしめられると火傷したところが痛みます。)

勇者「す、すまん。大丈夫か?」アセアセ

僧侶「怒んないんですか?また役立たずだって。」

勇者「馬鹿、僕をもう困らせないでくれ…。」ポタリ


じゅう・・・


(勇者様の涙が私の頬に落ち、水蒸気に変わった。)


(勇者様は暗火が消えるまで私を湖の中で抱き寄せてくれていた。)

じれったいのう
とりあえずあれだ、勇者がんばれ

おつ


とりあえず乙

超あぶなかっしいっすね おつつー

ぬりぬりぬりぬり

刀匠の娘「よし、おっけぃ!」

僧侶「ありがとうございます。」

刀匠の娘「これならあと残らなさそうね、でも本当にびっくりしちゃった。僧侶さん丸焼けなんだもん。」

僧侶「ふふふ、私もびっくりしてしまいました。」

僧侶(だって勇者様泣いていたんですもん。)

刀匠の娘「もう。勇者君心配してうろうろしてたよ。元気な姿みせてあげてね!」

僧侶「そ、そうですか!」

刀匠の娘「さっきもトトと一緒に鍛冶場で剣を鍛えてたはずだからね。」

僧侶「は、はい!」

【刀匠の鍛冶場】

刀匠「…」カチーンカチーン

勇者「…。」トンカントンカン

僧侶「勇者様!刀匠の娘さんに薬膏をぬってもらったらスッキリ元気になりましたよ。」

勇者「そうか。」

僧侶「新しい僧服も縫い直してもらいました!」

勇者「そうか。」

僧侶「勇者~ほらほら!」グイグイ

勇者「馬鹿!火花とぶぞ!」

僧侶「あちー!」

勇者「まったくお前は勝手にメガンテはするわ、丸焼きになるわ、ブツブツ」

僧侶「すいません。」ヒリヒリ

勇者「いつになったら成長するんだろうな、はぁ。」

僧侶「ちょっと冷たくないですか?湖では…」

勇者「う、うるさいぞ!これが普通だ!!」

僧侶「す、すいません。」

勇者「次、ダークドラゴンとやる時は回復に徹しろな。」

僧侶「つ、次ですか?」

勇者「こないのか?」

僧侶「い、いえ。もう来るなって言われるかと思って。」

勇者「誰が僕の回復をするんだ?」

僧侶「は、はい!」


(湖の時と変わり、勇者様はいつもみたいにぶっきらぼうに戻っていました。)


(でも私も勇者様のパーティーのメンバーなんだってわかった気がします。)


(23号みたいになれなくても勇者様のお役にたてるんじゃないかと思います。)


(湖の中、勇者様をみながらそう思いました。)


(私は私なりに頑張ってみようと思います。)


(23号が復活するまでは私が僧侶です。)



僧侶「あ、勇者様も火傷されてますよ?」

勇者「あぁ、剣を鍛えてたからな。」

僧侶「回復いたしますね。」ニッコリ

僧侶(こんな小さなことでもいいんです♪)

勇者「薬草あるからいいわ。」キッパリ

僧侶「ちょっ。」

吹いたわ

お疲れ様です

おっつん

勇者ツンデレすぎだろww

ちょwwwwww
回復くらいさせてやれよ、他には役立たないんだか…いやその
乙です

薬草の出番うばっちゃ失礼だろ

この僧侶も前の僧侶も健気さがたまらん

勇者「しっかし暗火だけは問題だな。威力は大したことはないが、長い時間焼け続けるってのはなぁ。」

僧侶「うーん。」

勇者「ああいうのは使い手の魔力で持続するから、ダークドラゴンを倒してしまえばすぐ解除するはずなんだが。」

僧侶「!」

勇者「なんだ?」

僧侶「勇者様が暗火を受け、それまで私がホイミをかけ続けるのってどうでしょうか?」

勇者「ふむ。」

僧侶「す、すいません。駄目ですよね、私のMPなんてすぐ尽きちゃうし…。」

勇者「いや、それやってみよう。」

僧侶「え?」

【刻竜の森】

ダークドラゴン「またお前らか、懲りぬというのはなんと恐ろしい事だな。」

勇者「お生憎様、僕らは最果ての入り口に行かなきゃいけないんだ。」

ダークドラゴン「そうか、世界樹を望むか人間よ。ならばなおの事通せぬ。」

ダークドラゴン「私は最果ての入口の関竜なのだからな。」

勇者「話が早いな。リベンジだ、黒竜。」


僧侶(ひー話が早すぎです。本当に私のホイミだけで突っ込むんですか?)ヒソヒソ

勇者(なんだ、お前自信ないのか?)ヒソヒソ

僧侶(それは、その…だって。)ゴニョゴニョ

ダークドラゴン「うん?何をごちゃごちゃいっている?」


勇者「僕はあるぞ、僧侶。」


ジャキン


―勇者はダークドラゴンに突撃!―

ダークドラゴン「来るかね。」

―ダークドラゴンは暗火を吐いた!勇者は暗火に包まれる!―

勇者「うおおおお!」

ダークドラゴン「特攻か。だが暗火は君の身体を焼き続けるぞ。」

―暗火はジワジワと燃え続ける。勇者に15のダメージ!―
―暗火はジワジワと燃え続ける。勇者に38のダメージ!―
―暗火はジワジワと燃え続ける。勇者に24のダメージ!―
―暗火はジワジワと燃え続ける。勇者に19のダメージ!―


勇者「ふん。」

―勇者の攻撃!ダークドラゴンに93のダメージ!―

ダークドラゴン(焼かれる前に私を倒そうという事か。しかし無謀だな。)

―暗火はジワジワと燃え続ける。勇者に33のダメージ!―
―暗火はジワジワと燃え続ける。勇者に21のダメージ!―
―暗火はジワジワと燃え続ける。勇者に9のダメージ!―
―暗火はジワジワと燃え続ける。勇者に29のダメージ!―


ダークドラゴン「勇者よ、君の身体の方が先に燃え尽きてしまうぞ?」

僧侶「えい!」

―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが327回復した!―

僧侶「回復ポイント新記録です!」

勇者「ナイス!」

―勇者の攻撃!ダークドラゴンに107のダメージ!―

勇者「燃えてしまう前にお前を倒してしまえば僕らの勝ちだ!」

ダークドラゴン「ぬう。」


―暗火はジワジワと燃え続ける。勇者に19のダメージ!―
―暗火はジワジワと燃え続ける。勇者に34のダメージ!―
―暗火はジワジワと燃え続ける。勇者に27のダメージ!―
―暗火はジワジワと燃え続ける。勇者に15のダメージ!―

僧侶「それ!」

―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが298回復した!―


ダークドラゴン「なかなかの覚悟、人間にこのようなものがいるとは。しかし惜しいな。」

―ダークドラゴンは魔力を高めた!暗火は燃えさかった!―

僧侶「え?」

―暗火は燃えさかる!勇者に87のダメージ!―
―暗火は燃えさかる!勇者に79のダメージ!―
―暗火は燃えさかる!勇者に105のダメージ!―
―暗火は燃えさかる!勇者に101のダメージ!―


僧侶「ホ、ホイミ!」

―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが301回復した!―

―暗火は燃えさかる!勇者に108のダメージ!―
―暗火は燃えさかる!勇者に93のダメージ!―
―暗火は燃えさかる!クリティカル!勇者に210のダメージ!―

勇者「ちっ」

―勇者の攻撃!ダークドラゴンに97のダメージ!―

ダークドラゴン「さすがだ、しかしこの程度では私を倒すには届かぬ。」

―暗火は燃えさかる!勇者に105のダメージ!―
―暗火は燃えさかる!勇者に99のダメージ!―


僧侶「だ、駄目!!」

―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが321回復した!―
―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが213回復した!―

―暗火は燃えさかる!勇者に132のダメージ!―
―暗火は燃えさかる!勇者に111のダメージ!―
―暗火は燃えさかる!勇者に143のダメージ!―


ダークドラゴン「そろそろそこの僧侶のMPが尽きるな。ご苦労であった。」

僧侶「MPが…。あと数回しか。」

―勇者の攻撃!ダークドラゴンに145のダメージ!―

―暗火は燃えさかる!勇者に135のダメージ!―

勇者(厳しいか。)

勇者(恨まれるかもしれんが僧侶だけでも…。)


勇者「バシ…」

僧侶「いや!!」

勇者「!」

僧侶「嫌です!!」



(もうMPがありません。でも。)

(23号だったら回復しきれるんですか?)

(私だって私だって役にたちたい。)

(すごい力なんていらない。)

(小さくても勇者様を助けつづけられる力が欲しい。)


僧侶「私だって!!」

―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが90回復した!―

ダークドラゴン「最後は焼石に水であったな。」

―ホイミの効力は消えない!さらに勇者のHPが90回復した!―
―ホイミの効力は消えない!さらに勇者のHPが90回復した!―
―ホイミの効力は消えない!さらに勇者のHPが90回復した!―

僧侶「え?」


ダークドラゴン「なんだこれは!」

―ホイミの効力は消えない!さらに勇者のHPが90回復した!―
―ホイミの効力は消えない!さらに勇者のHPが90回復した!―
―暗火は燃えさかる!勇者に129のダメージ!―

勇者「いけてるじゃないか!」

―勇者の攻撃!ダークドラゴンに193のダメージ!―

ダークドラゴン「ぐおおお!!」

―ホイミの効力は消えない!さらに勇者のHPが90回復した!―
―ホイミの効力は消えない!さらに勇者のHPが90回復した!―
―暗火は燃えさかる!勇者に153のダメージ!―

僧侶「これが私の魔法?すごい!」

勇者「一個一個はしょぼいけどな。」

僧侶「しょぼくないです!薬草一個ぶ…」

勇者「でも十分黒竜は倒せる。」

勇者「ありがとな僧侶。」

僧侶「はい!」

ダークドラゴン「ふははは素晴らしいぞ人間!」

勇者「劣勢でも上から偉そうだな。地面を咥えさせてやるぜ。」

ジャキン

―勇者は剣をかまえなおした!―

【南東の街】
刀匠の娘「おかえりなさい!」

勇者「ただいま。なんとか黒竜を倒したよ。」

僧侶「ただいまです!」

刀匠の娘「え、すごいじゃない!」

僧侶「余裕でした。」

刀匠の娘「何?僧侶さん、やりきった顔して。」

僧侶「私ちょっと活躍したんですよ。」エッヘン

勇者「そうだな、今回は助かったよ。」

僧侶&刀匠の娘「」

勇者「なんだ、二人とも目を丸くして。」ビク

刀匠の娘「だって…ねェ。」

僧侶「はい…。勇者様が褒めてくれるなんて。」ウルウル

勇者「ば、馬鹿。僕だって批判してばっかりじゃないぞ。」

刀匠の娘「よかったね僧侶さん!」

僧侶「はい!」

勇者「最後回復魔法が切れた後、僧侶がリュックで持ってきてくれた薬草50個はMVPものだった。」ウンウン

僧侶「ちょっ、ハイライトはもっと前ですよ!?」



(でも私、自信がもてました。小さい小さい魔法だけど、それが私の居場所なんです。)


僧侶レベルアップおめでとー
しかし勇者のツンデレっぷりが板についてきておるなww

僧侶やるじゃん

リジェネを覚えたか

僧侶ちゃんがんばった!!

刀匠の娘「ということは世界樹の葉も手に入りそうってこと?」

勇者「うん、そうだね。」

僧侶「…。」

刀匠の娘「じゃあ、僧侶ちゃんも助かるかもしれないね?よかったぁ。」

勇者「少しめどがついたよ。」


僧侶(そして私が“僧侶”でいれる時間もそろそろです。)

僧侶(わかっていたことです。)

僧侶(喜ばしい事なんですから。)


刀匠の娘「いつ最果ての入り口に向かうの?」

僧侶 ズキン

勇者「それが、その前に一回故郷に帰ろうと思うんだ。」

刀匠の娘「え?」


勇者「最果ての入り口ってのは黒竜もいってたけど必ずしも帰れるようなところではないらしい。それに世界樹の葉を手に入れるのにも一筋縄ではいかないらしい」

僧侶(そういえば倒した後、黒竜さんが色々教えてくれていましたね。)

勇者「だからさ、その前にを故郷に挨拶だけはしようかなと思うんだ。」

僧侶(勇者様の故郷、いったいどんなところなんでしょう。)


【木枯らしの村】

チチチチッ

ピッピッピー

僧侶(いい天気。)

僧侶(風も気持ちいいし、歩くのが楽しい日ですね。)

トテトテトテ

僧侶(それにしても街からかなりあるきましたが、民家が一つも見当たりませんね。)

勇者「おい僧侶。遅いぞー。」

僧侶「は、はい!」

舞ってた

おつ

乙ー
そういや勇者のプライベートって今まで出てなかったっけ

おつ

捕手

ageるなー
支援はいいけど保守はいらないー

自治厨もいらん


テッテッテッ

僧侶「はぁはぁ勇者様早いですぅ。」

勇者「見えたぞ。」

僧侶「え?」

(そこには石垣でできた小さな教会がありました。石が積まれてできた壁はところどころ苔や蔦がはっており歴史を感じさせるものでした。)

僧侶(でもなんだかかわいい建物ですね。)


勇者「あそこが僕の家だ。」



【木枯らしの教会】

バキバキバキ!

勇者「ははっドアに蔦がはってるや。」

僧侶(ここに勇者様のご両親がいらっしゃる。)カチンコチン

勇者「よし、これで入れるな。」


ギィ

勇者「入っていいぞ。」

僧侶「は、はい!」 ドテドテドテ

勇者「手足が左右同時にでてるぞ?」

僧侶「わぁ、なんて素敵なおへ…」


割れたフロア、壁を這う蔦、ほこりの積もったパイプオルガン


僧侶(う、汚い。)

僧侶(まるで何年も人が住んでいなかったかのよう。)


僧侶「あの勇者様…」


シーーン


僧侶「あら勇者様がいない。勇者様―!?」

勇者「こっちいるぞー。」

僧侶「え?」

勇者「中庭だ、中庭!」


【中庭】

僧侶「勇者様?何をしてらっしゃるんですか?」

勇者「父さんに挨拶をしてるんだ。」

僧侶「勇者様のお父様?!」ドキ!

【墓標:XXX年神父ここに眠る】。

僧侶「え、この方が…。」

勇者「そうだ。」

僧侶「か、寡黙な方ですねぇ…。」アセアセ

勇者「お前のそういうとこうんざりだが、嫌いではないぞ。」

勇者「僕は孤児だったんだ。そして神父である父さんが育ててくれた。」

僧侶「そうなんですか。」

勇者「父さんに僧侶を紹介しにきたんだ。ほら。」

僧侶「は、はひ!勇者様のお父様、初めまして。」ペコリ

勇者「父さん僧侶は僕の初めての仲間です。そして僕の・・」
僧侶「XXX年!!?」

僧侶「40数年前ですけど?勇者様って何歳なんですか?」

勇者「あぁアストロンってわかるか?」

僧侶「はい。味方を鋼鉄に変え守る魔法です。」

勇者「そうだ。昔魔物がこの教会に攻めてきたことがあってな。もちろんこんな村じゃ追い返すことなんてできなかった。」

勇者「それで父さんはアストロンをかけ僕を守ってくれたんだ。」

勇者「父さんは魔物の手にかかってしまったが僕のアストロンは解けなかった。」

勇者「最初のうちは魔物も僕を殺そうと躍起になっていたがピクリともしない僕に飽き、去って行ったよ。」

勇者「そして僕が動けるようになったのが40年たってからなのさ。」

勇者「アストロンの効力時間は守りたいという気持ちに比例する。」

僧侶「勇者様のことを大切に思ってくださったんですね。」

勇者「そうだ。」



僧侶(なんて深い愛情を持った人なんですか。勇者様の幸せを本当に願っていたんですね。)


僧侶(私は自分の事ばかり…。この方の様に勇者様の幸せを心から願えるようになりたい。)



勇者「でも今の僕ならお前を白亜紀の琥珀みたいにできる自信があるぞ。はは。///」

僧侶「は、はぁ。」(琥珀ってなんですかね??)

勇者「」

(´Д`)oh…

かみ合わねーなwwwwwwww

40年間同じポーズのままとか発狂しそう

貴重な勇者のデレをスルーするなんて僧侶ぉおおおおお

勇者の精一杯が華麗にスルーされますた。

天然のスルースキル最強すぎるww

あーこの子アホの子だった

なんという(無駄に)鉄壁な防御!

不器用ツンデレと鈍感娘じゃね…(´Д`)

帰ってこないかな~(´・ω・`)

更新きたのかと

遅くなってすいません。ふたとおりのオチまで書いたのですが、どっちにするか決められてません。今年中には完結させます。

頑張ってくれ

両方書いてもいいんだよ?

ゆっくり考えてください。

どっちも読んでみたいけど、楽しみに待っておく

>今年中には完結させます



おい






あけましておめでとう

【教会の夜】

勇者「zzz」

僧侶(…。)

僧侶(私も心から勇者様の幸せを願える人になれるでしょうか。)

僧侶(本当の勇者様の幸せを。)

【神父の墓標前 朝】

勇者「…。」

僧侶「…。」

勇者「よし、これくらいでいいだろ。」

僧侶「…。」

僧侶「はい、勇者様。」

勇者「なんだ?ずいぶん長くお祈りをしてたな。何をいのってたんだ?」

僧侶「そ、それは///」

勇者「うん?なんだ、言えよ。」

僧侶「その、誓ってたのです。」

勇者「うん。」

僧侶「私勇者様の事が好きです。」

勇者「へ」

僧侶「だから勇者様に褒められることばかり考えていました。」

僧侶「でもこれからは勇者様のお父様みたいに誰かの幸せを考えられるようになりますって誓ってたんです。」

勇者「そ、そうか。」

僧侶「ところで勇者様に何をお祈りされていたんですか?」

勇者「僕か?僕は秘密だ。」

僧侶「えぇずるくないですかぁ?」

勇者「う、うるさい!」

勇者(あんなこといわれた後じゃいえるわけないじゃないか。)

>>あ、あけましておめでとうございます





すんません

【道中】

トテトテトテ

勇者「歩きづらいぞ。」

僧侶「ご、ごめんなさい。」

トテトテトテ

僧侶「…。」ソー

ギュ

勇者「腕をつかむな、歩きづらいだろ。」

僧侶「す、すいません。」

トテトテトテ

僧侶「」ソワソワソワ

勇者「…。」

勇者「裾ならいいぞ。」

僧侶「はい!」

【最果ての入り口】

溶岩:ぐつぐつ ぐつぐつ

僧侶「あついです…。」

勇者「だがここを渡り、門の鍵を動かさない限り先には行けない。」

僧侶「こんなところ渡れませんよ。」

勇者「燃え尽きなきゃいいんだ。おい。」

僧侶「!、わかりました。」

勇者「頼むぜ。」

僧侶「ホイミ!」

―僧侶はホイミを唱えた!勇者のHPが90回復した!―
―ホイミの効力は消えない!さらに勇者のHPが90回復した!―
―ホイミの効力は消えない!さらに勇者のHPが90回復した!―
―ホイミの効力は消えない!さらに勇者のHPが90回復した!―

勇者「これなら溶岩の中でも泳げるな。」

―勇者は溶岩に飛び込んだ!65のダメージ!―
―ホイミの効力は消えない!さらに勇者のHPが90回復した!―
―ホイミの効力は消えない!さらに勇者のHPが90回復した!―


僧侶「愛の力です!!」ドヤ

―ホイミの効力が切れた!―
―勇者は溶岩を進む!89ダメージ!―
―勇者は溶岩を進む!50のダメージ!―

勇者「あちち!おい!!」

僧侶「うへ。」

【最果ての入り口】

勇者「ここが世界樹があるといわれる最果てか。」

僧侶「綺麗な白い大理石の床、それになんて高い空なんでしょうか。」

勇者「誰かいるぞ。」

世界樹の守主「やぁお客さんだね。いらっしゃい。」

勇者「貴方がここの守主か。僕は…」

世界樹の守主「誰かを生き返らせにきたのでしょう。」

勇者「!」

世界樹の守主「そんな、びっくりした顔はいりません。ここに来るものはみんな同じ願いですからね。」

勇者「だったら話が早い。僕は助けたい人がいるんだ。世界樹の葉をわけてくれませんか。」

世界樹の守主「いいですよ。といっても世界樹の葉が生えていたらです。」

勇者「生えていないことがあるんですか。」

世界樹の守主「誰かが誰かの為に思うとき、世界中の葉が一枚茂り。」

世界樹の守主「誰かが誰かを憎むとき同じだけ枯れ落ちてしまいます。」

世界樹の守主「世界樹は世の愛を量っているのです。」

世界樹の守主「この前見たときは、世界樹は枯れ木と化していました。」

世界樹の守主「あまり期待しないでください。」

世界樹の守主「さぁこちらへ。この通路を抜ければ世界樹のある広場です。」

【世界樹の間】

勇者「ははっ。」

僧侶「ふふふっ、私こうなると思っていましたよ。だって勇者様がいる世界ですもの。」

勇者「いや僧侶のおかげさ。」


―たくさんの葉が世界樹についている。―


世界樹の守主「なんということですか!青々と茂った世界樹だなんて!」

世界樹の守主「初めてみました。いったい世界では何が起きているんでしょう。」

勇者「はは。」

僧侶「ふふ。」

世界樹の守主「なるほど、きっと貴方たちも、これから復活させる人物もきっとこれに関係しているんですね。」

世界樹の守主「ところで肉体は用意しているのですか?」

勇者「え?」

世界樹の守主「魂を復活させるのは簡単です。でもその魂が活きるためには入れ物が必要です。用意していないのですか?」

勇者「僧侶の肉体はメガザルで世界に散ってしまっている…。」

勇者「世界樹の葉では肉体までは復活しないのですか?」

世界樹の守主「残念ながら。」

勇者「そんな…。」

僧侶「私じゃだめですか?」

【世界樹】

僧侶「駄目ですか?」

勇者「おい、馬鹿な事を云うな。」

僧侶「私は23号とは同じ肉体を持っています。」

世界樹の守主「いいかもしれませんね。」

勇者「しかし。」

僧侶「勇者様。23号はきっと私の身体を気に入ると思います。それに死ぬわけじゃないみたいですよ?」

世界樹の守主「そうですね。一つの肉体に心が二つ入るだけです。肉体を分け合っていきる、それもまたいいでしょう。」

僧侶「ほら、いいでしょう勇者様?」

勇者「すまん。」

僧侶「ふふ。」ニコ

世界樹の守主「でもこれで終わりではありませんよ?」

【世界樹の間】

世界樹の守主「世界樹の葉をもぎり、天にかざしながら復活させたい者を思えば、希望する人物を再生します。」

世界樹の守主「それと同時に世界樹の間は閉じてしまい100年間開くことはありません。でないと葉の数だけ、いくらでも人を生き返らせてしまいますからね。」

世界樹の守主「世界樹の間にいる限り人は老いませんが、100年とは復活した相手が生まれてから寿命に至るまでの期間といっていいでしょう。だから復活した人間と会えることはほぼありえないのです。」

世界樹の守主「それでも生き返らせたい人間だけ、復活させることができるのです。」

世界樹の守主「皆、ここでやめていきます。無理しなくてもいいのですよ。」

勇者「簡単だな。」

僧侶「だ、だめです!」

勇者「落ち着けよ僧侶。」

僧侶「私は嫌です。嫌ですよ、勇者様。」

勇者「そういうな、死ぬわけじゃないんだ。」

僧侶「勇者様が遠くにいってしまうなんて私には耐えられません。」

勇者「そうか?そうでもないんじゃないのか?」

僧侶「でも、でも。」

勇者「なぁ僧侶聞いてくれ。僕にはこれが一番いいと思うんだ。これで皆助かる、そうだろ?」

僧侶「私が!私が哀しいです!私が救われていません!それじゃ駄目ですか?」

勇者「はははっお前は優しいな。僧侶と仲間になれて本当によかった。君には感謝している。」

僧侶「勇者様…。」

勇者「じゃあな僧侶。」



(そういって勇者様は世界樹の間の奥へむかっていきました。)


(勇者様と私の冒険はそうやっておわりをとげました。)

【世界樹】

「ここは?」

「世界樹ですよ。貴女は世界樹の力で生き返ったのです。」

「な、誰だお前は?」

「14号です。貴女は23号でしたね。つまり私はお姉さんですね。」

「身体の中から声が聞こえる。お前私の身体の中にいるのか?」

「もとはと言えば私の身体ですけど?」

「ゆ、勇者はどこ?勇者にあいたい。」

「私達一つの身体にいるんですよ?記憶をあげます。そっと思い出してみてください。」

「…。そうか。世界樹の間に。」

「たった100年です。」

「100年もだぞ。」

「私達もっとお話ししませんか。私貴女と喋りたいことがいっぱいあるんです。」

「勇者がいないのにそんな気にはなれない。」

僧侶「ふふふ、じゃあお姉さんについてくるのです。」


~そして100年後~

【世界樹の間】

ズズズズンッ

勇者「扉が開いた。そうかもう100年か。」

勇者(ただあいつの事を思い続ける100年だった。)

勇者(時間はきっと全てを違うものに変えているんだろう。)

勇者(始まりの街アルファに戻ろう。)

勇者「せめて皆の足跡を見たい。」

【始まりの街アルファ】

勇者「ここがアルファか。変わってしまったな。まるで別世界だ。」

商人「ちょっとそこのあんちゃん?銀のカチューシャはどうだい?彼女のプレゼントに最適だよ。」

勇者「懐かしいな。でも今の僕にはいらないよ。」

商人「いけずだね。ってあんた、勇者様の象にそっくりだねぇ。」

勇者「ははっどうも。」

勇者(どうやら僕の像があるみたいだ。僧侶の像があればいいのに。)

勇者(そういえば僧侶に銀のカチューシャを買ってあげたことがあったな。)

勇者(目を丸くして喜んでいた。)

勇者(僕の故郷はどうなっているかな。)

勇者(きっと、さびれているんだろう。せめて教会の跡だけでも見たい。)

【木枯らしの街】

勇者「ここが木枯らしの街?」

観光客たち「がいがい わやわや」 

勇者「なんだこの賑わいは。教会も綺麗に補修されている。」

受付「ちょっとあんた、入場料をはらってくんな。」

勇者「入場料とるんですか?ここは僕の家ですよ。」

受付「何寝ぼけてるんだい?ここは勇者様の育った教会さ。観光するならちゃんと払うもの払ってくんな。」

神父「どうかされたんですか?」

受付「いやさねココを自分の家だって言う人が来たんですよ。女神像目当てで観光が多いのはいいんですけど、こう変なのばっかりこられちゃあねぇ。」

勇者「女神像?」

受付「ああん?あんた知らないできたのかい?勇者様とともに魔王を倒した女神さまの像さ。」

勇者「これで足りますか?」

受付「おいおい、今度は多すぎだ。こんなにお釣りを用意できねえよ。」

勇者「釣りはいらない。」

【教会の中】

観光者男「うはぁ、なんてすばらしい像なんだ。」

観光者女「綺麗。まるで本物みたい。」

ガイド「これは100年前に作られた像で、勇者様と戦いを伴にした女神像といわれています。」

ガイド「髪の毛一本一本まで細部にこだわって作られており、素材はブロンズとも、魔法鉄鉱ともいわれていますが詳細は不明です。」

「それはブロンズでも魔法鉄鉱でもないですよ。」


ガイド「むっなんですか貴方は?」

勇者「ははっ、すいません。でもおかしくって。こいつが女神だなんて祭られているから。」

勇者「しかし、たいしたもんだ。100年もつなんてね。僕は40年だったよ。」

ガイド「え!?」

ザワッ!

【教会の中】

神父「どうしました?」

ガイド「女神が女神が・・・・!」

神父「女神像がない!」

受付「なんてことだ観光の目玉がああ!!」

【みちばた】

テクテク

トテトテ

僧侶「勇者やっと会えた。私ずっと待ってたんだぞ。」

勇者「はは、100年も待ってると思ってなかったよ。ずっと同じ格好辛かっただろうね。」

僧侶「うん。でも勇者に会うためなら1000年だって待てるぞ。」

勇者「そっか。頑張ったな。」

僧侶「ちょっと勇者様!?なんか私と比べて扱い違いすぎませんか!?」

勇者「うお、いきなりでかい声出すな。」

僧侶「もっと私を労わってください!優しくしてください!可愛がってください!」プンスカ

勇者「わかったわかった頑張ったお前にはピップ内服液をやろう。」

僧侶「ダ、ダーーン!!ってちょっと!!?」

勇者「ははは。」

僧侶「勇者なんか楽しそうだ。」ムゥ


(アストロン、今日より今より明日とろん。ってやかましいわ!ふふ。)


fin!

おしまいです。落ちが決まらず、随分かかってしまいました。長々とお付き合いくださった方々ありがとうございました。
いつか書き直すことがあると思いますがまたその時は新しく立て直します。

おつ!!
やっぱハッピーエンドはいいね~

おいおいこんな終り方かよ
もち
しぃばす
ろうそくほっけ
かます
っな
たい

ハッピーエンドやったー!!
14号が最後まで残念可愛かった
待った甲斐がありました乙

>>698
やる気をみせろよ

とにかく遅筆だったね
てか、ありえねーな書く速度
もう見たくないね
おまえさん、才能あるの?
もっと書きたいとか思わないでよね!
しっとけよおぬしの書くものは
ろくな作品にならないからね
かかかないでね!
つか、勇者のツン多すぎるから
たのしめたひと、むしろ凄いね
まぁ、残念な人たちなんだろうけどね
たんどくで書くからこうなるんだよ
かきても書き手なら読み手も読み手だな
いくら僧侶が可愛くても、可愛いけど…
てか、そうじゃない!
くらいんだよ!全体的にはなしが!
だめだめだね。うん。
さっさと依頼だしてきな
いっこくもはやく!
おぬしの書く作品にこめられた
ねがいも非常に分かりづらかった
がっかりたよ…
いがいせいがないんだ!
しーえむ挟むTVみたいに
まともなとこできってよね!
すいか

↑荒らしはどっかいけ
二度とくるな

>>701
最後一行がんばれよwwwwww

すかしやがって!
くらいで締めれば良かったのにねwwww

最後でネタバレするところがお約束じゃないか
まあ通じない御仁も居るようだが

通じない御仁を演じる>>702に感動

>>702さんかっこいいです///

お前ら何>>702に突っかかってんの?
つまんねえ荒らしとかお呼びじゃない
かいた作者の気持ちになって考えたら?
れいぎって物をわかってないよな
さいきんの若いやつらはよ!
マカロニ

いい加減にしてやれ
いちどの誤ちだろう
ぞうおは何も生み出さない
もう許してやろう
ったく
とんでもないなお前等は
やってられん
レンズマン

なんだお前ら縦読みは初めてか?
何にしても乙

最後一行にオチ持ってくんのやめれww
レンズマン懐かしいな

>>1乙でした。

乙です。めっちゃよかった~
また次回作、または続きを期待してます。


すごく面白かった

乙!終わってたのか
良い最後だったぜ次作を楽しみにしてる

乙!終わってたのか
良い最後だったぜ次作を楽しみにしてる

乙!終わってたのか
良い最後だったぜ次作を楽しみにしてる

orz

作者を労うのはめっちゃ大事なことだから2回、いや3回言い(ry

乙でした

繋がりにくかったもんな。
あちこちで連投が見受けられる。
エラー出たら確認な

縦読みとかもう古いだろ
読み方わからん奴には迷惑でしかない
みんな分かると思ったら大間違いだ
ただの自己満足だろう
のどくろ
しじみ
いとうにいくならは と や

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