男「電気製品が家出した…」(26)

スマホ「チャラランッ」♪

『また部活さぼったろ?顧問怒ってたぞ』

男「ちっ、クソ顧問が!お前のやり方が気に入らないからサボってんだよ」ポイッ

スマホ「」ポコッ

男「あーイライラする」パカッ

冷蔵庫「」バンッ

男「」ゴクゴクチラッ

時計「(23時01分です)」

男「…寝るか」バンッ

照明「(消灯)」

男「あ、目覚ましは…」チラッ

目覚まし「(6時00分に設定されています)」

男「はあ…」zzz

……フフフ……フフフフ……フフフフフ……!!

次の日。

オキテー!オキテー!!

「あさだよー!おきてー!」

男「んー…あれ…妹?」

男(いや…確か俺の家族は親戚の家に滞在中だよな…誰だ…?)

「いもうと…そう、いもうとだよ!おにいちゃん、おきて!おーい!」

男「うるさいなあ…」ブンッブンッ

「きゃっ、たたかないで~!!」

男「…えっ?」

「起こしてって頼んでるのはおにいちゃんなのに」

男「え…誰だよ?」パチパチ

「びっくりした?わたしはめざましどけいだよ!」

男「…目覚まし時計?」

めざまし「めざましでいいよ!」

男「…確かに、いつも枕元にある目覚ましがないけど」

めざまし「わたしがそのめざまし、いつもおにいちゃんのねがおをみてたよ!」

男「は?どういうことだよ?」

めざまし「よくわかんないけど、にんげんのすがたになったの!」

男「何だよそれ」

めざまし「あ、そんなことよりしたくしなくていいの?」

男「お、おう、そうだな…」スタスタピタッ

男「…………」

めざまし「どうしたの?」

男「おい…トイレがないぞ」

めざまし「…トイレさんもでていっちゃったのかな」

男「は!?」

めざまし「みんな、にんげんのすがたになったらでていっちゃったの」

男「あのな、ふざけんなよさっきから!人間の姿になった?トイレが?何の冗談だよ!」

めざまし「うぅ…おこらないで…わたしにも…わかんないよう…」グスッ

男「な…泣くなよ」アセアセ

めざまし「ごめんなさい…」ウルウル

男「…まあいいや、とりあえず飯食うか」スタスタ

「あーーーっ!!!」

男「うわ!ビックリした…え、誰?」

スマホ「おまえのスマートフォンだよ!てかまたリビングに置いていっただろ?」

男「俺のスマートフォン?」

スマホ「そっ」ニコッ

男(橙色の髪、水色の瞳、俺と同じくらいの青年…こいつが?確かに、俺のスマホのカバーは橙色をベースにして水色のラインが入ったやつだけど)

スマホ「何?もしかしておれがおとこだからガッカリしてんのか~?」

男「いやまあ確かにガッカリしたけど、それ以前に何なんだ?まさかお前も人間の姿になりましたとかいうのか?」

スマホ「ああ!」

男「どういうことだよ…あ、ま、まさか!」ダダダ

スマホ「?」

男「やっぱり…!」ガタガタ

男(ストーブ、冷蔵庫、電子レンジ、テレビ…ない、ない!)

男「っ洗濯機は!?」

「あらあら、朝から忙しそうね、男さん」フフッ

男「…もしかして洗濯機さんですか」

洗濯機「ええ、そうよ。驚いたかしら?」

男「まあ…」

洗濯機「ふふ、洗濯ならもう終わってるわよ」

男「あ…そうですか」

洗濯機「そうね…今日は天気もいいし、外に干してみてはどうかしら」

男「そうですね…それがいいと思います」スタスタ

めざまし「洗濯機さんは、よるずっとせんたくしてたの!」

スマホ「おれとめざましと洗濯機さん、あと人間の姿になってもこの家に残っているのは…」チラッ

「プルルルルル、非通知様からのお電話です、プルルルルル」

男「このポニーテールの女の人は…電話さんか?」

スマホ「正解!さすがはおれの主!」

男「ぬ、主か…。電話さん、非通知は無視してくれ」

電話「承知しました」

男「うん…で、俺しかいなかったこの家に何故女の子やら青年やら女性やらいるんだ」

スマホ「いいじゃんか、こんだけいれば寂しくないだろ?」

男「よくないだろ!だいたい本当にお前ら電気製品なのか?」

電話「証明するのは難しいのですが、電気製品でございます」

男「分かった、とりあえず朝飯食べながら話を聞こうか」スタスタ

スマホ「朝ご飯何食べんのー?」チョロチョロ

男「炊飯器もなくなったからパンだよ、食パ…あれ」ガサガサ

スマホ「どした?」

男「いや…ミキサーが見つからなくてな…毎朝野菜ジュースを作って飲むんだよ」

スマホ「へ~健康的だな!まあそんなの毎朝見てるから知ってるけど」ハハ

男「まあお前がスマホならそれもそうか…しかしおかしいな、いつもはここに置いてあるんだが…」

めざまし「あ、ミキサーさんなら、にんげんのすがたになったとたんにわらいながらとびでてったよ」

スマホ「そーそー、危険だから止めようとしたんだけど、ミキサーのやつ剣振り回すから近づけなかったんだ…悪い!」

男「おい、剣を振り回すってどんな電気製品だよ」

スマホ「まあミキサーだし、あいつモノを切り刻むことが好きでたまらないからな」

男「おいおい、そんなやばい奴が家を出ていったのか?」

めざまし「そーなの!だから出来れば、出ていったみんなが人間に危害を加える前に、連れて帰ってきてほしいの!」

男「え?無理だよ、時間ないし…」

スマホ「いいのかなー?冷蔵庫もトイレもないまま生活するってことだけど」

男「確かに困るけどさ…どこいったか分かんないし」

スマホ「そこまで遠くには行ってないと思うよ」

めざまし「おねがい!わたしのおとうともいなくなっちゃったの!」

男「お、おとうと?」

めざまし「リビングにある壁掛け時計、わたしのおとうとなの!」

男「あ、本当だ、なくなってる…」

めざまし「おとうとはからだがよわいから、そとにいたらしんじゃうよ!」

男「弟なら、お前が連れ戻してこいよ」

めざまし「わたしも止めようとしたんだけど…」


めざまし『まって、時計!』

時計『姉さん、ぼくはこの家には必要ない』

めざまし『そんなことない!まいあさ男さんみてるよ!時計のこと!』

時計『誰もぼくを止めることはできない。ぼくは時間の支配者なのだから』カチッ


めざまし「それで、ふときづいたらもう時計はいなくなってて」

男(まあ正直に言うと、確かに壁掛け時計はなくてもそこまで困らない)

めざまし「わたしじゃ時計をとめられないの、でもおにいちゃんならきっと!」

男「いや無理だって、新しい時計かってきてやるからあきらめろ」

スマホ「…なあ主、みんなが出ていったのはおまえのそういう部分があるからだよ」

男「そういう部分?」

スマホ「いっつも電気製品を乱暴に扱うし、感謝の気持ちもないし」

男「電気製品に感謝の気持ち?馬鹿かよ」

スマホ「とにかく大事にしてないんだよ、おれたちのこと!」

男「電気製品の癖に生意気だな。お前らは人によって作られたんだから、人に尽くすのが当たり前なんだよ」

スマホ「尽くしてるよ!だから大事にしてほしいんだって!」

ドンドン!ドンドンドンッ!

男「な、なんだ?押し入れから音がするぞ」アセアセ

ドドドドドンッ!ドンドンッ!…

スマホ「お?おさまったな」

男「と、とりあえず開けてみるか…」バンッ

「わあああああああ!!!」ドテンッ

男「また人間!?」

「ふう、苦しかった~!ありがとう男くん!」

男「だ、誰?」

扇風機「僕?僕は、夏の終わりからずっと押し入れにいた扇風機だよ」

男「扇風機か…時期的に存在忘れてた」

扇風機「ひどいな~、まあ仕方ないか」

スマホ「なんやかんやで仲間が増えたな!」

男「でも扇風機なんてこの時期いても使い道がない。つかストーブはどこにいった」

扇風機「え~そんなこと言わないでよ、こんな時期でも僕だって役に立てるよ!」

男「…例えば?」

扇風機「ドライヤーもいないみたいだけど僕で代用できるよ、それっ」ビュゥウウ

男「寒っ!」

扇風機「ごめんごめん」ハハ

男「あ、そういえばさっきから気になってたんだが…」チラッ

スマホ「何?」

男「さっきからそこで体育座りしてまったく動かないおんなは誰だ」

「……………………」

めざまし「わかんない、おこしてきいてみようよ!」

男「おーい」トントン

「……………………」

電話「…その方の頭を起こしてみてください」

男「え…こう?」グイッ

「起動。警告、健康と安全のために」

男「な、なんだなんだ?」アセアセ

ロトムを連想した

続けてくれ

「遊ぶまえに取扱説明書の『安全に使用していただくために…』を読以下省略」

男「そのフレーズ、どっかで見たことあるな…」

「ポケットモンスタープラチナ
 ポケットモンスターサファイヤ」

男「ん、もしかして、3DSか?」

DS「いいえ…私はDSです、すみません」

男「あ、ああ…DSか」

スマホ「よっしゃ、これで仲間は6人になったな!」

男「でも今のところ俺が確認した中でここにいないのは、冷蔵庫、電子レンジ、トイレ、炊飯器、テレビ、ミキサー、ドライヤー、ストーブ、時計、3DS…か」

スマホ「多分他にもまだいると思うけどね」

男「頼むからトイレだけは今すぐ帰ってきてくれ…」

めざまし「あの、もう8じだけどがっこういかなくていいの?おにいちゃん」

男「やべ、いってくる!お前ら何もなすんなよー!」ダーッ

…………

男「チャリがない」

スマホ「走っても間に合わないね」

男「もういいや…どうせならゆっくり歩いて遅刻しよう」スタスタ

スマホ「~♪」スタスタ

男「何でついてくるんだ」スタスタ

スマホ「スマホだから♪」スタスタ

男「だってお前…生徒じゃないし学校には入れないだろ」

スマホ「それなら大丈夫だよ!俺、姿消せるから」

男「何っ」

スマホ「実は、電気製品にはそれぞれ能力があるんだよ」

男「まじか」

スマホ「んで、俺の能力は姿を消すことってわけ」

男「へえ…スマホとしてどこにでも常についてくるためにか」

スマホ「そ、しかも消すっていっても主である男には見えたままだから便利だろ?」

男「へえ、確かにな…ん?」

おとこのこ「…………」ジーッ

男(あのおとこのこ、こっちを見てんのか?)

おとこのこ「…………」カチッ

男「……えっ」キョロキョロ

スマホ「どうした?」

男「今さっきそこにいたおとこのこが消えたんだ…」

スマホ「おっと、ユーレイか!?」

男「姿を消せる、お前の仲間じゃないのか?」

スマホ「いや、同じ能力を持つ電気製品はいないはずだぜ?」

男「じゃあ何だったんだ…怖え」ブルルッ

スマホ「やっぱユーレイだ」ニヤニヤ

男「それにしても何でチャリが無くなったんだ?電動じゃあるまいし」

スマホ「それもユーレイの仕業だ!」

「ぞっとしない、の意味を答えてください」スタスタ

男「え?」

>>16
ロトムで芝刈り機思い出した、使わせてもらう


おやすみ

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