姫子「先輩、どこん高校に行きんさるんですか?」(733)

人生初SSです

内容は哩(と姫子)が白糸台に入学したらというIfです。時々、ご都合主義になったりするかもしれません

方言は中途半端もしくはおかしくなっているかも

闘牌描写は当分ありません

批評はほどほどにお願いします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1358613378

某年秋 生立ヶ里中学麻雀部部室


哩「……一応、がばい条件が良か学校が2つばかあっから、そんどちらかにしようと思っとる」

姫子「1つは、前に言っとった福岡の新道寺ですか?」

哩「ああ。もう1つは西東京の白糸台やね。そこががばい熱心に誘ってきよる」

姫子「白糸台? 確か去年と一昨年ん西東京代表じゃった所ですね」

哩「……少し、じょーけんなかだい」

哩「そこん監督が、もし私が入学したらインハイ優勝は堅い言っちょる」

哩「私は確かにインターミドルでそこそこ活躍しとったが、そいでもさすがに1人でチームをインハイ優勝させるなんぞ出来なかよ」

姫子「先輩がインターミドルで戦った相手で白糸台に行くんはおらんとですか? そもそも優勝なんて先輩を入学させっためのすらごとじゃ……」

哩「今はなんも分からん。けど、『インハイ優勝は堅い』って話がもし現実味があるもんやったら……」

哩「白糸台に行くんも悪くなかとね」

同年晩秋 白水哩自宅



プルルルル プルルルル ガチャッ

哩「もしもし、白水です」

白糸台監督『あ、白水さん。例の話だけど、考えてくれたかな?』

哩「前に言っとった『インハイ優勝は堅い』の根拠はあっと? そいが分からんと考えようがなかとよ」

白糸台監督『勿論あるよ。口で説明するよりは直接見てもらったほうが早いだろうし、白水さんの家に送ってもいいかな?』

哩「(送る……?)出来るんやったらお願いします」

白糸台監督『分かったよ。至急手配するね。そういえば、インターミドルで白水さんと戦った弘世さんがウチに来てくれることになったよ』

哩「そうですか……。例ん話は、そん根拠が届いてから決めるばい」

白糸台監督『はいはーい。じゃあ、いい返事待ってるからねー』ガチャッ ツーツー

哩(根拠……。一体、なんが送られてくっとよ?)

ひとまず、今回はここまで
次回更新は未定

>>1です

コメントありがとうございます
今日中に微量ですが続きを投下する予定です

書く立場になって初めて分かることってありますね……

こんばんは。>>1です

バイト中に氷で滑って腰と肘を強打してしまいました……
そんな状態ですが、少しだけ続きを投下します

同年冬 生立ヶ里中学麻雀部部室




哩「姫子」

姫子「どうしたとですか?」

哩「高校やけど、結局白糸台に決めたばい」

姫子「あん話はすらごとじゃなかったとですか」

哩「こいがそん証拠や」バサッ

姫子「牌譜……?」

哩「家帰って見とき」スタスタ

姫子「せ、先輩……? もう帰るとですか?」

哩「申し訳程度に出とる課題ば片付けてくっとよ」バタン

姫子「……」

姫子「ここで見ても良かよね……?」ペラペラ

数分後

姫子「……こいは、がばいえすかとよ……」ガタガタ

時は流れ……

翌年3月上旬 生立ヶ里中学 校門前



キャーセンパーイ ワーワー

哩(今日は私ん卒業式やった)

哩(もうここに来んと思っと、心が苦しかよ……)

姫子「先輩っ!」ダキッ

哩「ひ、姫子っ!?」

姫子「私、必ず先輩ば追いかけて白糸台に行くとです」

姫子「だから、そいまでこいを私だと思って……」フクロワタス

哩「こいは、御守り?」ガサゴソ

姫子「私と先輩ん2人揃えば誰やって敵じゃなか」

姫子「そいは、先輩が一番良く知っとるはずとです!」

哩「姫子、そん気持ちは嬉かよ? けど、そいやったら……」

哩「『恋愛成就』ん御守りば渡すんはへんなかと思わんかったんか?」

姫子「え……」アワアワ

哩「すらごとばい。姫子やと思って大切にすっとよ」

姫子「せんぱぁい……」グスッ

哩「また来年、東京で会うんがまちなんかとよ」ギュッ

姫子「私も……です」グスッグスッ

投下終了

次回投下は明日を予定しています。感想、指摘等ありましたらお願いします

>>1でございます
レスが全くないって見ている人がいないってことなんだろうか……

21時より投下開始です

>>1です
コメントありがとうございます!

正直、見ている人がいないんじゃないかと少し不安でした

量についてですが、2月に入るまではあまり時間が取れないのでそれまではご容赦ください

それでは、投下開始

3月下旬 白糸台高校校内



哩(入寮とかん手続きば全て済ませて)テクテク

哩(そいで暇やった所に監督から電話が来て)テクテク

哩(『暇だったら部室来てくんない?』と言われて、学校に来たまでは良か)テクテク

哩(やけど、部室ん場所ばまだ聞いとらんことば思い出して)テクテク

哩(監督ん携帯にかけてもつながらんから校内ん案内板ば探しとるうちに……)テク

哩「迷っとったばい……」ズーン

哩「こんままずっと校内ばさるくんは嫌やけど、どうすっとよ……」

シュッ バシュン

哩「なんか音がしよるな。誰かおるんか?」テクテク

シュッ バシューン

哩(ここは……弓道場?)

哩(そいにしても、広か……)

哩(ん? あそこにいるんは……弘世?)

菫「……」ギリギリ バシュン

哩(こん学校に来とるんは知っとるけど、なんで弓道場におるん?)

哩(とりあえず、声ば掛けてみっとよ)

哩「すみませーん」

菫「ん……? お前、白水だよな? 白糸台に来たって話は本当だったか……」

哩「まあ……な。そいより、弘世はなんで弓道場にいっとよ?」

菫「……趣味だ。あと、その言葉はそっくりそのままお前に返すよ」

哩「道に……迷っとった」

菫「ああ……、この学校は無駄に広いから迷うのも無理ないな。で、目的地はどこだ?」

哩「麻雀部ん部室」

菫「わかった。案内しよう」

哩「……頼む」

スタスタ テクテク

菫「さて、ここが麻雀部の部室だ」

哩「ここん前、一回通っとった……」ズーン

菫「まあ、その……気にするな」

哩「そぎゃん慰めはいらんばい……」

菫「とりあえず、開けるぞ」ガチャ

監督「おー、白水さんに弘世さん! 待ってたよ」

?「……」ペラ

監督「ホラ、宮永さんは白水さんに自己紹介する!」

照「み、宮永照です。よろしくお願いします」

哩「私は白水哩。こちらこそよろしく」

菫「……」ジーッ

部長はどっちだろ?

哩「弘世、なんでこっち見っとよ?」

菫「お前が標準語で話している光景が信じられなかっただけだ」

哩「自分でも分かっとったつもりやけど、他人に言われっと傷付くばい……」

監督「弘世さんと白水さんは知り合いだし、自己紹介はいらないよね?」

菫「ええ、まあ……」

哩「はい」

監督「じゃあさ、とりあえず一局打たない?」

今日はここまで

次回は時間があれば明日、なければ明後日となります

感想、意見等ありましたらよろしくお願いします

釣り人レギュラー無理だなこれ

乙なのよー
姫子も入るとたかみーもヤバい

>>1でございます

なんとか今日23:30頃には投下できそうです

>>27
部長は……その時期になったらアンケートでも取ろうと思います

>>30>>31
その2人の処遇は一応決めています。詳細はいずれ

>>1でございます

バイト先から電話がかかってきたけど内容が予想の斜め上だった……

では、投下開始

数分後 白糸台高校 麻雀部部室



ジャラジャラジャラ

哩(監督が前に送って来た牌譜)

哩(そん中の名前が伏せられとった雀士が宮永だとすっと……)

哩(鍵ば握るんは東一局)

哩(ここで出来るだけ稼がんと……)ゴッ

東一局 親 弘世菫

11巡目

哩「ツモ! 2000・4000!!」

哩(思ったより大きな和了になったな……)

哩(こん後、宮永がどう動くか……!?)ゾクッ

哩「!!」サッ

哩(なんか、嫌な気配ば感じよったけんど……)

哩(気んせい……なんか?)

東二局 親 監督

4巡目

照「ツモ、300・500……」

哩(捨て牌ば見っと、もっと高い手も狙えよるんにこん安手……)

哩(こうせんと和了れん制約でもあるんか?)



東三局 親 宮永照

7巡目

菫「」トン

照「それロン。2900」

菫「……ああ」ジャラ

監督「今日の宮永さんは調子いいねー」

哩(また……またこん嫌な気配……)ゾクゾクッ

東三局一本場 親 宮永照



8巡目

監督「これは通るかな?」トン

照「通りません。ロン、3900の一本場は4200」

監督「あちゃー、やっちゃった……」ジャラ

菫「こうなると手がつけられないんだよな……」

哩(宮永が和了る度にあん気配……)ゾクゾクゾクッ

哩(こんなえすか卓は……初めてばい)

そして……

東三局四本場 親 宮永照



菫「」トン

照「菫、それロン。12000の四本場は13200」

菫「……私のトビだな」

監督「今日は久々に南場まで行くかなって思ったんだけど……」アハハ

哩(こいで、宮永があん牌譜の雀士なんは間違いなか)

哩(東一局はあえて和了らず、そん後はひたすら連続和了……)

哩(全部、あん牌譜通りやった)

哩(確かに、こん強さなら優勝は夢じゃなか)

哩(けど……)

哩「……三年間宮永と一緒で、私は自信ば失わんでやっていけっとよ?」ボソッ

菫「……お前が弱気とは珍しいな」

哩「あんなん見て、なんも感じんほうがおかしかよ……」

菫「そう……だな。私も、初めて照と打った後は似たようなことを考えた」

監督「弘世さん、その時は凄かったもんね」ニヤニヤ

照「……例えるなら、真っ白な灰?」

菫「……。まあ、それで色々と自分を見つめ直した」

菫「結局、私がたどり着いた結論は……」

哩「まさかとは思っけど、そいが弓道なんて言わんよな?」

菫「……。弓道の弓を引く時の感覚を麻雀に活用できないかと思ったんだ」

監督「ああ、だから弓道場の使用許可取ってほしいって言いに来たんだ……」

照「そんな簡単に出来るなら誰一人苦労しないよ……」

菫「と、とにかく、私が言いたいのは……」

哩「こいだけは他人に負けんと思えっ物ば見つけろ……って事やね?」

菫「そんな所だ。月並みな事しか言えないが……」

哩「いや、そいで十分ばい。やけど、弓道と麻雀ば結びつけるんは無理があっとよ……」

菫「くっ……誰が何と言おうが、私はモノにしてみせるっ!!」ドタドタ バタン

照「菫……」

監督「んー、弘世さんもいなくなっちゃったし、私も残りの仕事があるから、今日はこれでお開きにしてもいいかな?」

照「構いませんよ。白水さんは?」

哩「私もそいで良かよ」

監督「りょーかい。施錠はこっちでするから、気をつけて帰ってねー」

照哩「はい。ありがとうございました!」スタスタ バタン

監督「……三人とも強い子だなぁ」

監督「もしかしたら、彼女たちのスカウトで今年どころか来年の運も使い果たしたかもね……」

本日の投下終了

いっそ毎日更新にしようかな……

感想、意見などよろしくお願いします

乙なのよー
来年は姫子やろ。ってが姫子はいつ登場するん?

>>1でございます

今日は20:00頃からの投下を予定しています

>>47
姫子の出番はまだ先の予定でしたが、予定を変更して30日の投下までには登場させるようにします

>>1でございます

そういえば、アニメ1期の県個人戦一日目の北部会場そっくりの建物を長野市でみたことがあったっけ

そいでは投下開始

白糸台高校 校門前



照「それじゃ、私はこっちだから」

哩「宮永は寮じゃなかと?」

照「うん。去年、母さんの都合でこっちに引っ越して来たから……」

哩(なるほど。去年、インターミドルにおらんかったんはそういう訳か……)

照「あのさ、白水さんは……」

哩「ん?」

照「私と打ってて、怖くなかったの?」

哩「は……?」

照「私としては、その返しは予想外なんだけど」

哩「……高校三年間で、宮永に一回も勝てんかも知れんと不安には思った」

哩「けど、怖いとは考えんかった」

照「どうして?」

哩「例えばやけど、なんかスポーツばやっとって、自分と同期かつ同ポジションにがばい上手いやつがいっとする」

哩「そいつん事、怖いと思っか?」

照「どんなに努力してもレギュラー争いに勝てないかもって不安にはなるだろうけど……」

照「怖いとは感じない……と思う」

哩「今ん私は宮永が言った答えと全く同じ事ば考えとるよ」

照「……そっか」

哩「弘世は、そん不安で何本か頭んネジが飛んだかも知れんけど……」

哩「私は、大丈夫」

照「なんか、ありがとう」

哩「気にすることはなか」

哩「やって、もう仲間やから」

照「……」グスッ

哩「み、宮永!?」

照「……ねえ、白水さん」

哩「?」

照「良かったらなんだけど、私のことを名前で呼んでほしい」

照「私も、白水さんのことを名前で呼ぶから……」

照「ダメ……かな?」ウルウル

哩(こ、こいは断れる雰囲気じゃなかとよ……)

照「……」ウルウル

哩(もう、どうにでもなっとれっ!)

哩「わ、わかったばい……て、照」カァァ

照「うん。よろしくね、哩」ニコッ

哩(今まで、殆ど表情が動かんかったから、てっきり笑えんと思っとったけど……)

照「……?」ニコニコ

哩(ちゃんと、笑えるんやね)

照「哩?」

哩「いや、なんでもなか……って、もうそろそろ戻らんと」アセアセ

照「そっか、哩は寮だから門限が……」

哩「ああ。じゃあな、照」タッタッタッ

照「うん。じゃあね、哩……って、聞こえてないか」

照(けど、東京に……いや、白糸台に来て……)

照「哩と菫に出逢えて、本当に良かった……」

投下終了

明日の投下は23:30頃からを予定

意見、感想等ありましたらよろしくお願いします

>>1でございます

今日の投下で書き溜めが尽きてしまいました……
が、10速で書き上げて明日には間に合わせる所存です
なお、今回はクドいぐらいに長野県ネタが続きますのでご注意ください

5月下旬 白糸台高校 麻雀部部室




菫「そろそろ、レギュラー発表の時期だな……」

哩「弘世はともかく、照と私はほぼ決まりばい」

照「あと、部長もね」

菫「あの人、お前たち2人を相手にしてちゃっかりプラスで帰ってくるから凄いと思うよ」

哩「……そん代わり、もう1人がいつも悲惨なことに逢っとるばい」

菫「だから、部長とお前らがいる卓には誰も近寄らなくなるんだよ」

照「敗北を知らないと成長しないよ?」

哩「そん敗北で心が折れるよりは良かとね」

菫「まず、照が敗北について語れる立場なのか?」

照「……私だって、負けたことはいくらでもある」ウツムキ

哩(照に勝つ人間がおるんやね……)

哩(やけど、照ん反応からすっとこん話は地雷かも知れん)

哩(話ば変えっとすっか)

菫「……そういえば、東京には慣れたか?」

哩(ようやった弘世!!)

照「私はもう一年近く東京にいるけど、まだ慣れないかな……」

哩「いや、そいはどうなんよ……? 私もまだやね」

菫「お前が慣れてないのは標準語だけだろ」

哩「弘世には理解できんとよ……」

哩「『すみません、何言ってるか分からないです』って言われた時ん気持ちなんぞ!!」

菫「すまないが、今月の頭までは私もそう思ったことがあるな」

哩「……弘世、後で体育館裏に来んさい」ゴゴゴ

照「哩、落ち着いて」

菫「照も、一回だけ方言が出たっけな……」

照「……菫? 今日は夜通しで麻雀楽しませてあげようか?」ギュルギュル

菫「……そういえば、方言で思い出したんだが」メヲソラス

菫「長野県の人は皆が県歌を歌えるって、本当なのか?」

照「ああ、信濃の国なら私は小3か小4ぐらいの時に授業で二番までやったよ」

菫「授業って……」

照「今は歌詞がごっちゃになって歌えないと思うけどね」アハハ

哩「そいなら、中学で登山があるんも本当なんか?」

照「えっ? むしろなんで登山がないの?」

照「私は中1の時に『燕岳』って山に登ったけど……」

菫「ちなみに、標高は?」

照「確か、2700mはあったと思うよ」

菫哩「……」アゼン

照「あれ? 2人して黙り込んでどうしたの?」

菫「いや……」メヲソラス

哩「照が山登っとるんが想像できんばい」

照「私は普通に登りきったよ。……何人か高山病にかかってたけど」

菫「オイ、さらっと恐ろしい事を言うな」

照「え? 何が?」

哩「……っと、監督が来とっとね」

菫「レギュラーの発表か?」

照「かもね。……あ、菫?」

菫「どうした?」

照「さっきの話で、方言の時の失言が流れたと思ったら……」

照「大間違いだからね」ゴッ

本日はこれで終了

ちなみに、県歌の信濃の国は全6番で、燕岳の標高は2763mです

感想、意見等ありましたらよろしくお願いします

>>1でございます

結局殆ど筆が進まず……

本当に少量ですが投下

6月上旬 インターハイ団体戦西東京地区会場 実況席




実況「決ぃぃまったぁぁぁっ!!」

実況「白糸台高校大将の宮永照が怒涛の7連続和了!!」

実況「最後は数え役満ツモでの3校同時トバしだぁぁぁぁっ!!」

実況「これで、全国へ駒を進めたのは白糸台高校となりましたぁぁぁぁっ!!」

解説「……副将戦終了時点で3校合わせて20万点はありました」

解説「それを1人で削りきるなんて、まるで小鍛治プロや三尋木プロを見ているかのようです」

実況「そ、そこまで言いますか……?」

解説「私は、既に彼女の麻雀は高校レベルを超えていると思いますが……」

数分後 同会場 白糸台高校控え室



照「……ただいま」バタン

菫「お疲れ」ポン

菫「と言っても、勝負は中堅戦の頃にはほぼ決まっていたようなものだったがな……」

照「うん。だから悔いが残らないように全力で打った」

菫(今の発言の主語が自分か相手かは知らないが……)

菫「どちらにしろ、相手は災難だったな……」ボソッ

部長「アレ、相手からしたら残るのは悔いじゃなくてトラウマだよね……」スタスタ

照「あっ、部長……」

部長「宮永さんお疲れ様。ところで、2人は白水さん見なかった?」

菫「確か、試合終了と同時に出ていきませんでしたか?」

照「私はさっき廊下で会いましたけど、用件や行き先までは……」

部長「……そっか。ならさ、私と監督でマスコミ対応はするから、2人で白水さん探してきてほしいんだ……」

まあモブに名前は要らんよね
シャープシュートはもう習得したんだろうか?

乙なのよー
これは第二、第三のレジェンドが誕生してますわ

時間掛かっても完結まで持っていってくれりゃ文句はあらへんよ

皆様お久しぶりでございます
>>1であります

最近は怒涛のテスト地獄で全く書けずじまいでした……

今夜こそ投下頑張ります

>>78
菫さんのシャープシュートはこの時点だと格下に7割、同格に5割成功する程度の精密さです

>>79
レジェンド氏のように果たして牌を握れるのか……

>>1です

久々だったのでなんか違和感だらけの文になりましたが投下

同時刻 会場内テラス



プルルルル プルルルル

哩「出ない……か」プツッ

哩「よう考えれば、あっちは今、部活ん最中やし……」

哩「出ないんも当然……やね」

哩「……戻っか」スタッ テクテク

数分後 会場内廊下



照「……ねぇ、菫」

菫「ん?」

照「どうやって哩を見つけるの?」

菫「……はぁ」タメイキ

照「何そのため息」

菫「携帯があるだろ」

照「あっ」

菫「なんだその反応は……。まさか、館内放送でもしてもらうつもりだったのか?」

照「……」メヲソラス

菫「……図星だったのか。まあ、とりあえず電話でも……」ピッピッピッ

プルルルル プルルルル

同時刻 会場内廊下



ダレカヲー カナシマセテマデー

哩「……ん? 弘世から……?」ポチッ

菫『白水! 早く戻ってこい!』

哩「弘世、なんかあったと?」

菫『……部長が早く帰って来いバカヤローって言ってたからそれを伝えようとな』

哩「……そいは、本当なん?」ガタガタ

菫『バカヤローは嘘だ。でも、あとは大体部長の言ってたことだぞ?』

哩「……今すぐ戻らんと」

菫『ところで今どこn』ブチッ

哩「まだ……まだ生きたいんよ……」タッタッタッ

数分後 同会場 白糸台高校控え室



ガチャッ

哩「すみません、遅れました……」

部長「おー、お帰り。で、無断で何しに行ってたの?」

哩「中学ん後輩に、勝利報告ばしようと……」

部長「……今、普通に考えて部活中じゃないの?」

哩「……電話してから気付いたとです」

部長「そんなミス、白水さんらしくないよー?」

部長「てか、弘世さんと宮永さんには会わなかったの?」

哩「弘世から電話で『部長が早く帰って来いバカヤロー』って言っとったと聞いて全力で戻って来ましたハイ」

部長「何直立不動になってるの……? って事は、直接会ってはいないか……」ブツブツ

哩「部長?」

部長「いや、宮永さんってよく道に迷うからさ……」

哩「そいは確かですけど、弘世が一緒ならさすがに……」

部長「……宮永さんの迷子力、甘く見ちゃ駄目だよ」トオイメ

今回の投下終了

哩が部長を恐れるのは、ちゃんと理由があります(語られるかは未定)

さて、あと半日後は特待生試験か……


しかし、哩照菫が3年時のネタはたくさん浮かぶのに1年のネタが浮かばない……

>>1でござい

特待生試験は解けたとはいえ若干名には入れなさそうな気がする

一気に時間が飛びますが投下

哩「……部長?」

部長「まあ、携帯持ってるからきっと大丈夫……かな」

哩「……部長、そこ」ユビサス

部長「宮永さん、携帯置いてったのね……」

哩「私、探しに行ったほうが良かとですか?」

部長「駄目。ミイラ取りがミイラになるから……」トオイメ

哩「……今度、監督に相談しましょうか」

部長哩「はぁ……」タメイキ

時は流れ……

8月上旬 東京某所 インターハイ会場



ガヤガヤ ガヤガヤ

監督「ついにこの日が来たねー」

部長「そう……ですね」

次鋒「そういえば、宮永たちは?」

監督「ああ、トイレ。……一応、西東京予選の反省を生かして、三人で行動させてるよ」

部長「二人掛かりならさすがに見失わないです……よね?」

次鋒「宮永を最後尾に歩いていたら見失うかもな……」

監督「いや、縁起でもない事を言うなよ」ニガワライ

部長「あ、噂をすればですよ」

タッタッタッ

菫「すみません、遅れました……」

部長「いや、迷子にならなかったならそれだけでいいよ」アハハ

哩「抽選はどうなったとですか?」

次鋒「っとだな……喜べ、第三シードの大生院女子と同ブロックだぞ?」

菫「プロ注目の戒能良子のいるチームですね……」

部長「ま、戒能と当たるのは私なんだけどね……」アハハ

照「……その前に、初戦の相手はどこなんですか?」

監督「初戦は奈良の晩成に埼玉の越谷女子、北神奈川の東白楽だね」

次鋒「東白楽はまだしも、あとの二校は初戦負けの常連だな」

部長「油断は禁物だって」

菫「そういや白水、あの小走が晩成の中堅だって話だぞ……」

哩「ああ……、あん金髪ドリルか」

照「金髪ドリルって……そんな髪型の人が現実にいるんだ……」

部長「宮永さんの角みたいなのもなかなか珍しいとは思うよ……」ボソッ

監督「さて、次は開会式だから、心の準備を済ませておくように!」

五人「はいっ!!」

今日はこれまで

次回はニワカ先輩が王者の打ち筋を見せる……かも知れない

乙なのよー

金……髪……?

>>97
ええ、冷静に考えたらニワカ先輩は金髪違いました

と言うわけで、言い訳としてもひとつ投下

同日夜 白糸台高校宿泊ホテル



菫「そういえば白水」

哩「うん?」

菫「小走は確かに髪型はドリルだが、髪は金髪じゃないぞ」

哩「……ゑっ?」

菫「むしろ、どうして間違えたんだ……」アキレ

照「……漫画とかに出てくる髪型がドリルの人って、ほとんど金髪だからじゃない?」

菫「ああ……」ナットク

はい、すみませんでした

全国のニワカ先輩ファンの皆様に心からお詫び申し上げます

>>1です

最近、自転車の空気がよく抜ける……

それでは投下開始

数日後 インターハイ会場 白糸台高校控え室



ブー

アナウンス『あと15分で試合が開始されます。出場各校の先鋒の選手は、所定の対局室へ移動してください』

監督「お、時間か」

次鋒「部長、お願いします」

部長「うん。任されたよ……」グッ

部長「あ、一年トリオはまだかなり時間あるから適当に潰しててね」

次鋒「部長! 甘やかすのは……」

部長「甘やかしてる訳じゃないよ。肩の力を抜いてほしいだけ。……じゃあ、行ってくるよ」スタスタ バタン

監督「ま、ウチは放任主義だしね」アハハ

次鋒「笑う所ですか?」

監督「ま、私たちは待つとしようか」

次鋒「いや、話がまだ……」

監督「私の教育理念は、『生徒を信じること』だから」

次鋒「……もういいです」ハァ

次鋒「そういえば、宮永たちは?」

監督「あの子が出て行ったあと、すぐにどこかに行ったよ。……気がつかなかったの?」

次鋒「あ、あいつら……」ワナワナ

数時間後 同会場 白糸台高校控え室



哩「只今戻りました……」

監督「お、おかえりー。何してきたの?」

菫「……照のバカが『ホテルに本置いてきてた』って言うんで、適当に本屋で選んで買い与えました」

部長「いや、私か監督に言ってくれれば鍵渡したのに……」

哩「部長は対局中やったし、監督に言いに行くんもなんか……」

部長「ああ……、何か分かるよその気持ち……」

実況『次鋒戦終了ー!!』

監督「……さて、白水さんの出番だよ」

哩「では、行ってきます」スタスタ バタン

照「哩……頑張って」

同会場 対局室前廊下



哩(そういえば、今ん点数ば聞いとらんかった……)

哩(やけど……)

哩「私んやることは変わらん。ただ……稼ぐだけ!!」ゴッ

?「ニワカよ、意気込むのは構わん。が、廊下の真ん中でやらないでもらえるか?」

哩「ん? 誰がニワカやって?」ギロッ

?「フン、誰かと思えば白水じゃないか」

哩「そんドリル……小走か」

やえ「……色々言いたいことはあるが、とっとと対局室に行くぞ」スタスタ

哩「言われんともっ……」スタスタスタ

同時刻 同会場 実況席



実況「さて、次鋒戦を終了しまして西東京代表の白糸台高校が安定した戦いを見せて首位を維持」

実況「それを奈良の晩成と埼玉の越谷女子が僅差で追う展開となりました」

解説「白糸台は大将の宮永選手を始めとした一年生三人が注目されていますが、上級生も侮れませんね」

実況「それでは、中堅戦の選手紹介に移りたいと思います」

実況「まずは首位を走る白糸台高校。中堅を務めるのは一年生の白水哩」

実況「昨年のインターミドルでは、個人戦と団体戦の両方で好成績を収めています」

実況「続きましては晩成高校。中堅は小走やえ」

実況「彼女も昨年のインターミドル個人戦では好成績を残しています」

実況「越谷女子の中堅は新井ソフィア。県大会ではチームの稼ぎ頭でした」

解説「今気付いたけど、東白楽以外の中堅はみんな一年生だね」

実況「どの高校も世代交代が進んでいるということでしょうか? 最後に最下位に沈む東白楽高校の中堅は……」

数分後 同会場対局室



哩(私らん点数は……112000か)

哩(トップとは言え、楽天的に構えるんはマズかと……)

やえ「怖じ気づいたのか?」

哩「そん台詞、そっくりそんままお前に返したる」

ソフィア「お前ら、少しは静かにしてくれよ……」タメイキ

東白楽中堅「確かに、入ってきてからずっとあの調子だな……」ニガワライ

数分後 同会場 実況席



実況「さて、中堅戦スタートとなりました」

実況「起家は晩成高校の小走選手です」

解説「この卓のメンバーは、牌譜を見る限りは特筆して得意分野がある訳じゃない。だけど……」

実況「おおっと、小走選手が先制リィィィィチ!」

解説「声大きいよ……。おかげで何を言いたかったか忘れちゃったじゃん」ボソッ

実況「果たして、各校はこのリーチにどう出るのでしょうか!?」

同時刻 対局室



やえ「リーチ」スチャ

哩(四巡目親リー……)

哩(こっちはまだクズ手ん二向聴やし……)

哩(普通ならオリ一択やけど)

東白楽中堅「」トン

哩(……いや、オリるんにはまだ早か)

哩「チー」タン

哩(どんな大きな手でも……)

ソフィア「」トン

哩「ポン」タン

哩(先に和了れば……)

ソフィア「」トン

哩(意味はなかとよ!!)

やえ「」トン

哩「ロン。1000」

やえ「くっ……」ジャラ

同会場 実況席



実況「中堅戦最初の和了は白糸台高校の白水哩!」

実況「1000点の安手ではありますが晩成高校・小走選手の親リーをかわしての和了りです」

解説「小走選手は逆転手でしたが、安手で流されましたね」

実況「こうゆうのって実際にやられると腹立ちますよね……」

解説「でも、戦法としてはありですね」

解説「だって、他家に和了らせなければ負けることはないですから」

実況「いや、確かにそうですが……」ニガワライ

そして……

同会場 実況席



やえ『ツモ、2000・4000』

実況「中堅戦終了!!」

実況「終始白糸台高校・白水選手と晩成高校・小走選手の一騎打ちでした」

実況「越谷女子・新井選手も終盤に意地を見せましたが及ばず、東白楽高校は踏ん張りきれずトップにさらに離されて非常に厳しい状況となりました」

実況「現在の点数はこちらとなっております」

白糸台高校(西東京) 132600(+20600)
晩成高校(奈良) 129800(+20200)
越谷女子(埼玉) 91400(-15600)
東白楽高校(北神奈川) 46200(-25200)

実況「勝負は副将戦へ入ります!」

投下終了

自分の実力では闘牌描写はまともにできないということを思い知りました


そして何故か、まいひめに加え南浦さんを白糸台に入れたらどうかという電波を受信してしまった……

どうも遅くなりました>>1です

ちゃんと描写してたら姫子が入学するまで相当かかるので今回投下でインハイを終わらせます

数分後 同会場 対局室前廊下



哩(思った以上にあんドリルが手ごわくて差ば広げられんかった……)

菫「何立ち尽くしてるんだ?」

哩「……弘世か」

菫「落ち込むなんてお前らしくないな」

哩「私やって、たまにはそういう時もあっとよ……」

菫「……そうか。どうせ『晩成を突き放せなかった』とか思っているんだろうが……」

菫「お前一人で戦っている訳じゃない。お前の後ろには私と照がいるんだから、たまには頼れ」

哩「いや、照はともかく弘世ば麻雀で頼るんは不安が……」ボソッ

菫「酷い言われようだな……」

哩「私ん本心やから」

菫「……まあいい。きっちり晩成を撃ち落として、その言葉を撤回させてやるさ」スタスタ

哩「まさか、今頃完成したん……? ってもうおらんし」

哩「……控え室に戻っか」スタスタ

同会場 白糸台高校控え室



哩「只今戻りました……」ガチャ

照「……お疲れ」ペラ

監督「おかえりー。いい対局だったよ」

哩「……差、つけられんですみません」ウツムキ

次鋒「お前に謝られると私たちの立場がなくなるんだが」

部長「まあまあ、今は弘世さんの対局を見守ろうよ」

次鋒「最悪、首位だけ守ってくれればいいんだが……」

数時間後 同会場 実況席



照『ロン。12000です』

実況「決ぃぃぃまったぁぁぁぁっ!!」

実況「白糸台高校大将・宮永照、怒涛の連続和了で東白楽高校をトバして二回戦進出を決めました!」

解説「副将戦終了時点で大勢は決していましたが、点差に慢心せずに攻めて行きましたね」

実況「普通は点差が開くと油断してしまうものですが、宮永選手からは確かにそういった油断を感じられませんでした……」

解説「そうゆう油断のない選手は、強いですよ」

同日夜 白糸台高校宿泊場所



照「初戦、なんとか勝てたね……」

菫「なんとかは余計じゃないか?」

哩「……結果が最良なら過程は気にする必要なかとよ」

照「いや、過程も多少は気にしようよ……」

菫「しかし、今日は勝てたが次からはそう簡単には勝てないぞ……」

哩「次は第三シードん大生院女子やね」

哩「けど、相手も同じ高校生。絶対に勝てないなんて事はなか」

菫「そうだな。諦めたら終わりだよな……」

照「……次も、勝ちにいこう」

哩菫「おー!」

一週間後 インターハイ会場 白糸台高校控え室



照『ツモ、2000・4000』

実況『試合終了ー! 第69回全国高等学校麻雀選手権を制したのは、西東京代表・白糸台高校!!』

哩「だ、誰が照ん迎えに行っとー?」アタフタ

菫「白水お前が行けよ!」ワタワタ

部長「まあまあ、みんなで迎えに行こうよ」

次鋒「しかし、白水も弘世も慌てすぎだろ」

部長「そりゃあそうだよ。優勝しちゃったんだもん」

次鋒「部長はどんな気持ちですか?」

部長「まだ実感がわかない、って感じかな……」

次鋒「そう、ですか」

部長「とりあえずさ、みんなで宮永さん胴上げしない?」

哩「部長! ナイスアイデア!」

菫「四人でやっても虚しくないですか?」

部長「よし、じゃあ行こう!」

菫「部長、人の話を……」

次鋒「藤白と戒能の二人と打って、頭がおかしくなったんだろう……きっと」

哩「先輩と弘世も早よ来んしゃい!」

菫「……私たちも行きますか」

次鋒「……そうだな」

タッタッタッ バタン

監督「まさか、本当に優勝しちゃうなんてね……」シミジミ

監督「……私もスカウトを頑張らなきゃ」

監督「でも今は何もかも忘れて、勝利の味に酔おうかな……」

スタスタ バタン

投下終了

本来の予定なら二回戦で風越、準決勝で姫松が出てくる予定だったけどキンクリしました

戒能プロは口調再現に自信を持てなかったのでカット
ちなみに決勝戦は
白糸台、千里山、臨海女子、大生院女子の四校


最後にアンケート
①渋谷尭深、亦野誠子の進学先

A 二人とも原作通り
(どちらかが空気になりかねない&新道寺が戦力的に……)
B 二人とも他校
(戦力的に新道寺が基本路線ですが、希望があれば書いてください)
C 片方が白糸台、もう一人は他校

②南浦さん進学先

A 原作通り平滝高校
(今作で出番なし確定)
B 白糸台へ
(ただし、①のAとは共存出来ないかも……)
C その他他校


ちなみに、平滝高校の元ネタは栄村にある無人駅でした
※栄村は長野県屈指の豪雪地帯

どうも>>1です

大学の特待生試験に落ちました……

アンケートは現在、
①渋谷尭深、亦野誠子の進学先

A 原作通り……0票
B 両者他校……8票
C 片方原作通り、もう片方は他校……2票

②南浦数絵の進学先

A 原作通り……0票
B 白糸台へ……4票
C 他校へ……6票

となっております(不明回答を除く)
一応、明日の正午を期限とさせていただきます

読者がこんなにいた事に感激と驚愕が隠せません……

どうも>>1でごさい

バイトが入りまくりで予定に間に合わず……
何気にバイト先に通っている高校の先生がよく来るし

では、投下

9月下旬 白糸台高校麻雀部部室



哩「体験入学?」

菫「ああ、今週末にな」

照「そういえば、今年は応募者が例年の倍近いって聞いたけど……」

菫「間違いなく大半は麻雀部目当てだな。まあ、団体戦優勝に加え個人戦優勝者がいるから予想は出来たが……」

哩「」カタマリ

照「哩?」

菫「放っておけ。どうせ愛しの後輩に会えるのが嬉しいんだろう」

照「……哩が固まってる理由はそうじゃないと思うけど」

菫「なら、何なんだ?」

照「多分だけど……」

監督「んー? なになに?」

照菫「!!」

菫「か、監督!?」トビズサリ

照「いつの間に……」

監督「あ、白水さん?」

哩「……はい?」

監督「愛しの鶴田さん、体験入学に来るから宜しくねー」

哩「……」

菫「嬉しくて固まってますね」

照「いや、だから違うって……」

哩「……姫子ん相手は、任せてください」

監督「ん。じゃ、お願いねー」バタン

菫「監督、ただそれを言うために来たのか?」

照「……かもね」

菫「で、白水が固まってた理由は何なんだ?」

哩「あー、姫子と別れる時に約束したんよ」

哩「『また来年、東京で会おう』って。やから、来ないもんやと思っとった」

照「……哩、それは甘いよ」

照「本当に会いたいと思っているなら、そんな約束なんて無視してでも会いに来るから」トオイメ

菫「まあ、来年を来年度ってこじつけも出来るな」

照「で、その鶴田さんって子は強いの?」

哩「……だいたい、素で私と互角以上やね」

照「……なるほど」

菫「……素? すまないが私にも分かるように説明してほしいんだが」

照「菫も当日になれば分かるんじゃない? ……多分」

菫「……まあ、いい。当日を楽しみにするよ」

照「うん。それがいいよ」

哩「そいにしても、姫子ん他に誰が来っと?」

照「さあ?」

菫「……確か、監督が目をつけてるのが静岡に一人いたはずだが」

哩「静岡か……」

菫「実際に来るかは分からないな」

照「ま、これも当日のお楽しみだね」

同日夜 白糸台高校監督 自宅



監督「はぁ……」

監督(目をつけてた渋谷さんと亦野さんの両方に振られた)

監督(あとは大阪の荒川さんや長野の池田さんとかがいるけど……)

監督(池田さんは風越女子が最有力だし、荒川さんは多分だけど強豪校を選ばないハズ)

監督「仕方ない……か」

監督(あまり使いたくない伝手だけど、今は頼るしかないね)

ピッピッピッ

プルルルル プルルルル ガチャッ

監督「もしもし? 白糸台高校監督の……」

投下終了

哩さんの最初の硬直は
「何で二人共知ってて私だけ知らないん?」
みたいな事を考えてたから反応し損ねたと考えてください

しかし、本編の二年生で中学時代に実績のありそうなキャラが少ない……

>>1です

池田の評価って何で低いんだろうか
いわゆる雑魚専だから?

さて、投下開始

体験入学当日 白糸台高校体育館入り口



ザワザワ ザワザワ

菫「分かってはいたが実際に見ると凄いな……」

哩「……」キョロキョロ

照「哩、ここからじゃ例の子は見つけられないと思うよ?」

菫「放っておけ。言ったところで聞いてないから」

照「いや、分かってるけど……」

部長「お? 宮永さんたちはどうしたの?」

照「あ、部長」

部長「正確には『前部長』だけどね。……ああ、白水さんがらみか」

菫「はい。……ちょっと入り口にしがみついてる白水を部室に連れてくのを手伝って頂けませんか?」

部長「あー、ちょっと中学生の誘導とかあるから無理かな……」アハハ

菫「そういえば、生徒会の役員でしたね」

照「分かりました。哩は私たちで責任を持って処理します」

部長「……じゃあ、二人とも頑張ってねー」スタスタ

照「……菫、どうする?」

菫「仕方ない、ちょっと弓持ってくるか」

照「……え?」ドンビキ

同時刻 白糸台高校体育館内



ザワザワ

姫子「わー……」

姫子(予想はしとったけど、最低でも500人は居そうやね)

姫子(えっと、私ん並ぶ場所は……)キョロキョロ

ドンッ

姫子「あ……、すみません」

?「え? ああ、こちらこそ余所見していてすみません」

姫子(ん? こん顔どっかで……)

?「って、貴女確か佐賀代表の……」

姫子「そっか、どっかで見た顔やと思ったら東京代表ん……多治見やっけ?」

真佑子「多治見ではなく多治比ですよ。えっと、鶴田さん……で合ってますよね?」

姫子「そやけど?」

真佑子「良かった……。私、友人が皆違う高校の体験入学に行ってしまって……」

姫子「つまり、一緒に居てほしいと?」

真佑子「……はい」

姫子「私も同じようなもんやし、別に構わんよ」

真佑子「ありがとうございます!!」ガシッ

姫子「わっ!?」

真佑子「私、ずっと心細くて……」

姫子「わ、分かったけん、ちょっと離れて……」

真佑子「な、何でですか?」ウワメヅカイ

姫子「……周囲ん視線が痛か」

真佑子「……あ」マッカ

数十分後 白糸台高校麻雀部部室



哩「」ソワソワ

新部長「……白水が挙動不審なんだが」

菫「ああ、今日は可愛がっていた後輩が来てるらしくて」

照「さっきは体育館の入り口に張り付いて大変だったよね……」

新部長「こいつ、そんなキャラだったか?」

菫「絶対に違いますね」

照「……時間的に、そろそろ部活見学が始まりますよ」

新部長「よし、各員は卓に移動。迎撃準備だ!」

菫「なあ、照」ヒソヒソ

照「部長さんにはツッコまないであげて」ヒソヒソ

哩「」ソワソワ

菫「白水はどうする?」

照「……卓まで引きずって行こうか」

菫「……そうしよう」

投下終了

なお、新部長=次鋒の人

真佑子の気持ちは>>1が短大の入学前セミナーで体験したものです
偶然、委員会の仕事で知り合った他校の人を見つけてどれだけ安心したものか……

イッチは女の子の可能性が微レ存

>>1です

>>185
男ですまんな

では、投下開始

数分後



ガチャバタン ズドドドド

姫子「せんぱぁぁぁぁぁぁい!!」ダキッ

哩「!! 姫子っぐはっ!?」バタン

菫「……白水は何やってんだか」ハァ

照「いや、あのスピードで飛びつかれたら倒れるでしょ……」

新部長「あー、感動の再会に水を差すようで悪いが……」

哩「部長、すみませんでした。こんバカには後で言い聞かせておきますんで……」

姫子「先輩やって振り払わんかったやないですか!」

ギャーギャー

新部長「」ピキピキ

照「あ、マズい」

新部長「乳繰りあうんなら部室の外でやれぇっ!!」

スミマセンデシタユルシテクダサイ

アトデコウシャウラコイヤバカヤロー

真佑子「えーっと……」オロオロ

菫「ん? 君は……?」

照「いや、このタイミングで来たんだから部活の見学でしょ」

菫「……私は名前を聞くつもりだったんだが」

真佑子「あ、はい。多治比真佑子と申します」ペコリ

菫「……確か、今年のインターミドルに出てたな」

真佑子「はい。……荒川さんには勝てませんでしたけど」

菫「いや、それでも充分だ。私だって荒川には勝てないだろうし……」

照「……菫にしては弱気だね」

菫「自分の実力は分かってるつもりさ」

真佑子「あの、つかぬ事をお聞きしますが……」

菫「ん?」

真佑子「そちらの方はもしかして宮永照さん……ですか?」

照「うん。……いつから気付いてた?」

真佑子「最初からです。ただ、自然に会話に加わってたので言い出せなくて……」

菫「むしろ、気付いてないと思っていた照がどうかしているな」

照「……ひどい」

菫「まあ、立ち話もアレだ。せっかくだし一局打たないか?」

真佑子「いいんですか!? あ、でも鶴田さんが……」

菫「彼女は白水や部長と打つだろうし気にすることはないさ」

真佑子「では、よろしくお願い致します」

照「でも、あと一人はどうする?」

菫「そうだな……」

?「」キョロキョロ

菫「よし、そこの君!」

?「……なんでしょうか?」

菫「良かったら私たちと一局打たないか?」

?(白糸台の一年生レギュラーの弘世菫、いわゆる『魔物』の今年度インハイ個人戦王者宮永照……)

?(今の私がどこまで通用するか試してみるのも悪くない)

?「はい。よろしくお願いします」

照「……名前は?」

数絵「長野から来ました、南浦数絵と言います」

真佑子(うわぁ、この子もなんか強そうなオーラが……)

菫「よし、面子も揃ったし始めようか」

数十分後



真佑子「あ、ありがとうございました……」

数絵「ありがとうございました」

菫「照、お前容赦ないな……」

照「接待麻雀が出来るほど器用じゃないから」

数絵(南入すら出来なかった……)

数絵(今まで東場を軽視していたツケか……)

真佑子(この南浦さんって子、何か隠してるような……って、それはないか)

真佑子(さすがに東場でトビ終了が見えたら本気出すよね……)

菫「しかし二人とも、中々強いな」ハハ

数絵「……えっと、ありがとうございます?」

菫「私が照と初めて打った時は東二局で連荘されてトバされたから」トオイメ

真佑子「よ、よく心が折れませんでしたね……」

照「折れはしなかったけど、変な方向にねじ曲がったよね」

菫「お前は私に喧嘩売ってるのか? で、良かったらなんだが、来年ここに来ないか?」

真佑子「……もっと有力な選手はたくさんいると思いますが」

照「ああ、監督が言うには悉く振られたってさ」

数絵「あの、そもそも私はまだ二年生なんですが……」

菫「え?」

監督「説明しよう!」バタン

照「……いつの間に」

監督「私、以前彼女のお祖父様に世話になったことがあってさ。その縁で呼んだんだ」

菫「一体何やったんですか……」

監督「で、南浦さんは今日どうだった?」

数絵「そうですね……、反省点や改善点がたくさん見つかりました」

監督「ん。なら、はるばる東京まで来たのも無駄にならなかったでしょ」

数絵「はい!」

姫子「ざ、ざっとなか目にあった……」フラフラ

哩「姫子、無理せんで良か」フラフラ

菫「お前らどうした」

哩「……部長ん本気ば垣間見たとよ」フラフラ

真佑子「あの、鶴田さんは大丈夫なんですか?」アタフタ

姫子「平気ばい」フラフラ

照「ふらつきながら言っても説得力ないよ……」

新部長「宮永たちも終わったか?」スタスタ

菫「あ、はい」

新部長「なら次の相手を探せ。今のペースじゃ時間内に捌ききれん」

照「り、了解……」

新部長「理解したなら、さっさと動く!」

照菫哩「了解しましたっ!」サッ タッタッタッ

姫子「……ざっとなかね」

数絵「……そうですね」

真佑子「鶴田さんの方言が分からない……」ズーン

監督「あ、三人ともさ、良かったらだけど校舎内でも案内する?」

真佑子「……そうですね。さっきの説明では校舎についてはあまり触れられていないですし、お願いします」

監督「よし。じゃ、三人ともついて来てくれる?」スタスタ

数絵「私、何も言ってないんですが……」

姫子「……先輩ん話やと、あん監督さんは人ん話ば聞かんらしか」

真佑子「二人とも行きますよ!」

姫子「行こか」

数絵「……そうですね」ハァ

投下終了

南浦さんが登場しましたが以前のアンケートの結果を無視する訳ではないのであしからず
出来れば三月上旬には三年生編に入りたいな……

あと、展開予想や希望があればどんどん書いてください。モノによっては反映するかもです

>>1です

前日にあんなこと言ったくせに時間が意外に取れたので投下

でも出来は微妙な気がする……

夕方 白糸台高校 校門前



真佑子「や、やっと終わった……」ゼエゼエ

数絵「宮永さん達も、色々振り回されてるんでしょうね……」ハアハア

姫子「ばってん、先輩たちも楽しんどる所もあっと思います。……多分」

真佑子「で、二人ともこの後はどうするの? もしかして日帰り?」

数絵「いえ、私は『お金ないならウチの寮の空き部屋使っていいよ』と監督さんがおっしゃったので、お言葉に甘えさせて頂きました」

姫子「奇遇やね。私も同じ」

真佑子「……いいなぁ」ボソッ

姫子「ん?」

真佑子「な、何でもないっ!」

真佑子「なら、ここでお別れだね……」

数絵「……そうなりますね」

姫子「やけど、ただお別れってんも嫌やし、連絡先だけでも交換しよか?」

真佑子「……そうだね。それが良いかも」

数絵「ですね。私も、友人が増えるのは大歓迎です」

姫子「ん。じゃ、携帯出して……」

同時刻 白糸台高校 麻雀部部室



照「やっと片付け終わった……」

菫「しかし、何で私たちの担当だけこんなに多いんだろうな」ギロッ

哩「……悪かったとは思っとる。やけど、私は謝らん」

照「……まあ、たまにはこういう雑用もいいけどね」

菫「まあな。で、話は変わるが、白水の後輩の子なんだが……」

哩「姫子がどうしたん?」

菫「強さを聞いた時、お前ら何か意味深な事言ってなかったか?」

照「あー、鶴田さんと対局出来なかったもんね」

哩「いや、対局した所で弘世には理解できんかったと思うばい」

照「まあ……うん。口で言っても『は?』って言うのが目に見えてるしね」ウンウン

菫「……これは馬鹿にされてるのか?」

哩「そういう訳やなか。……ヒントば与えっとすっと、私と姫子ん和了ん法則みたいなもんやね」

照「あとは『二人で一人』とかかな?」

菫「……余計に分からなくなったよ」

照「ま、そうだよね」

菫「さて、やることも終わったしそろそろ帰るか」

哩「そやね。あ、私今日は真っ直ぐ寮に戻っから」

照「哩にしては珍しいね」

哩「眠いからすぐにでも仮眠取りたいんよ……」ファァ

菫「どうせ、『明日は後輩が来るから』って緊張して眠れなかったんだろ」

哩「……何か悪いか?」

菫「いや、別に」

哩「なら良か。じゃ、お先に」スタスタ

照「うん。じゃあね」

哩「ん。また今度な」バタン

菫「照、私たちも帰るか」

照「そうだね。哩もいないし、真っ直ぐ帰る?」

菫「……そうだな。あいつがいないと、何か調子が狂うし」

照「……確かにそうかも」ボソッ

菫「?」

照「じゃあ、帰ろっか!」タッタッタッ バタン

菫「おいっ! 待て照っ!」タッタッタッ バタン

夜 白糸台高校 女子寮空き部屋



数絵「……ふう」

姫子「どしたん?」

数絵「いえ、高校をどうしようかと考えていた所です」

姫子「……白糸台に来っと違うん?」

数絵「……勿論、候補にはあります。ですが、白糸台を倒したいという気持ちもまた強いので……」

姫子「まあ、自分ん事やし私は口ば出さんよ。悩んで、悩んで、自分が納得出来っ答えば探すんが良か」

数絵「そういう鶴田先輩は白糸台に決めたんですか?」

姫子「うん。元々話は貰っとったし、私ん先輩もおるから」

数絵「……そういえば、その先輩ってこの寮に住んでるんですよね? なら……」

姫子「何も言わんでいい。また来年には会えっし、いつでも心は繋がっていっから」

数絵「……そういう関係って、少し羨ましいです」

姫子「ありがと。……明日は早いし、もう寝っか」

数絵「そうですね。……お休みなさい」

姫子「ん。お休み……」

投下終了

次回からは色々すっ飛ばして多分短いであろう二年生編に突入予定

もう、200も埋まったんだなぁ……

うむ、>>1です

結局2日も遅れて尚且つ出来は微妙とか……

それでは投下

時は流れて……

翌年4月上旬 白糸台高校 麻雀部部室



哩「……ふう、こいで今日ん課題は終わりやね」

菫「課題ぐらい自分の部屋でやれよ」ハァ

照「だって、誰か来るまで暇じゃん?」

菫「否定はしないが……」

哩「はい論破」

菫「うるさいな……」

照「そういえばさ、一年生の仮入部って来週だよね」

菫「そうだな。たまに鶴田は遊びに来てるが……」

哩「他にどんな子が入って来っかは知らんね」

照「気にならない?」

菫「気にはなるが……」

哩「下手すっと部長ん折檻が待っとるんがな……」

照「……折檻?」キョトン

菫「……毎日のように鶴田とイチャイチャしてればそうもなるだろ。あれ、見てる側からするとイライラするし」

哩「……やから、私は動かん」

照「最後だけ聞くと、何か引きこもりっぽいね」

菫「私の言葉は無視か」

照「だって、私は『哩が鶴田さんとイチャついてる』なんて情報求めてないし」

哩「私やってイチャついてっつもりやなか」

菫「……そうなのか?」

哩「去年一年間、姫子は寂しかったんやと思う。やから今年は、去年ん分も甘えさせてやろうと思って……」

照「つまり、鶴田さんが哩に甘えてるのが他人からするとレズカップルに見えるって事でいいんだよね?」

哩「……色々言いたい事はあっけど、概ねそうやね」

照「で、それが部長の耳に入って説教されたと」

菫「ああ。部長は風紀委員長も兼ねてるからな」

照「そっか。哩はとても面倒見がいいんだね」

哩「かっ、からかうなっ! ちゅーか何でそうなってんよ!?」カァァ

照「からかってなんかない。全部心から言ってるよ」

菫「お前の面倒見がいいのは事実だろうが……」ハァ

哩「まあ、そいはそうやけど……」

照「……本当に、私なんかとは大違いだ」ボソッ

哩「照……?」

菫「照、お前もしかして弟妹でも……?」

照「いないよ。もしいたとしたなら菫も哩もとっくに会ってるはず」

哩「まあ、確かにそうやけど……」

哩(なんか照ん様子がおかしな気がすっとよ……)

菫「他人の事情に首を突っ込むのはやめるとしよう。……そういえば、鶴田と白水の二人には何か秘密があるって話の答えを聞いていなかったな」

照「いや、あれは菫が自分の手で確かめるって方向で話はついたじゃん」

菫「対局する機会が無かったのにどう確かめろと?」

照「……気合い?」

菫「それでどうにかなるのはお前ぐらいだ」

哩「実際んとこ、一人だけやと何も意味ないんやけど……」

菫「ずいぶんと微妙だな……」

照「そういえば、誰も来ないけど何で?」

菫「確かにな……。白水は何か聞いてるか?」

哩「私は別に聞いとらんばい。姫子に連絡すっか?」カチッ

照「鶴田さんまだ入部前なんだから知ってる訳ないでしょ……」

哩「そいもそうやね」パタン

ガチャ

二年生部員「おろ? 宮永さん達どうして部室にいるの?」

菫「……どういう事だ?」

二年生部員「今日の部活は休みだよ?」

照菫哩「え?」

二年生部員「あ、でもそれ聞いた時は三人とも居なかったし仕方ない……かな?」

菫「それならせめて誰か伝えてくれよ……」

二年生部員「だって、監督が『あとで伝えとく』って言ってたから伝わったものだと思って……」

哩「監督んせいやね」

照「だね。あの人なら素で忘れてそう」

二年生部員「否定出来る要素がないよ……」アハハ

菫「で、お前は何しに来たんだ?」

二年生部員「ちょっと、自分の牌譜のデータをUSBに落としにね。あ、施錠とか私やっとくから宮永さん達は帰ってもいいよ」

菫「ん。じゃあ、後頼んだぞ」

二年生部員「お任せあれ!」

数分後 白糸台高校 生徒昇降口



照「はぁ、今日はただ話してるだけだったね……」

菫「全くだ。そもそも最初の話題って何だったんだ?」

哩「……なんやっけ」

照「あ、哩が部長にレズ疑惑をかけられてるって話じゃない?」

哩「せっかく忘れとったんに……」ズーン

菫「行動で疑いを晴らせ」

哩「裏目になっとる光景しか浮かばんよ……」

照「哩なら出来るよ」

哩「そいぎ、何で二人とも私から目ば逸らすん?」

菫「お前はともかく、鶴田がどうなるか……」

哩「一応、姫子にも言い聞かせとっけど……」

照「哩と鶴田さんがどうなってるのか来週が楽しみだよ」

哩「見せ物やないんやけどな……」ハァ

投下終了

実は、二年生編はプロットが全くなかったりする

卒業式終了後、バイト先に進路指導の先生が来て見つかった

進路「よっ!」スマイル

なんか、背筋が凍った……

>>1でござい

三年生編のネタばっか浮かんで肝心の二年生編のネタが……

それでは投下

一週間後 白糸台高校 麻雀部部室



哩「はぁ……」

菫「盛大にため息とはお前らしくもないな」

照「そういえば、部長の誤解解けたんだよね?」

哩「一応は……」

菫「それなら悩む事もないだろうが」

哩「いや、そいば姫子に言うときにちょっと色々あって……」

照「……口論にでもなったの?」

哩「……泣かれた」

菫「あー、なんかすまん」

哩「同情すっなら金ばくれ……」

照「それ、いつの流行語だっけ?」

哩「私も知らん」

菫「むしろ私達の年代で知ってる方が珍しいだろう」

照「それもそうだね。話を戻すけど、鶴田さんに泣かれてどうなったの?」

哩「……そん後は気まずくて話とらんね。私としては、こいばきっかけに姫子には独り立ちして欲しいんやけど」

菫「お前の事だ。本当は鶴田が心配で心配でたまらないんだろう?」

哩「……否定はせんよ」

照「で、おそらく鶴田さんはまだまだ哩に甘えていたいと」

菫「なんだ、部長に睨まれるの覚悟でイチャついてれば良かっただけの話じゃないか……」

照「菫の言ってることも間違ってないね。結局はお互い『一緒にいたい』って気持ちが強い訳だし……」

哩「部長ん折檻はどうすっと?」

菫「鶴田とのスキンシップを自重すればいいだけの話だな。まあ、簡単に出来るとは思えないが……」

照「そのへんは本人たちで話し合って決めた方がいいよ。部外者が口出すとロクなことにならないから」

哩「そっか……。改めて姫子ば泣かせんようにもう一度話しとかんとな……」

照「うん。それがいいと思う」

菫「ん? あれって……」

ワイワイ ガヤガヤ

照「……一年生かな?」

哩「もうそんな時間なんやね」

菫「むしろお前が部室に来るのが遅かったんだよ」

照「あ、部長だ」

哩「!!」ビクッ

菫「……いくら何でもビビりすぎだろ」

哩「弘世には分からんよ。アレはやられた人間にしか理解できん恐怖やから……」ガタガタ

照「あ、部長の挨拶だ」

スタスタ ペコリ

部長「諸君、白糸台高校麻雀部へようこそ」

部長「皆も知っての通り、私達は昨年夏、秋の大会を制した」

部長「だが……」

数分後



部長「最後に、君達の中から私や白水、弘世を追い抜く子が出てくれることを祈っている」

部長「以上で私からの挨拶を終わる。次は自由対局だ。同級生同士で親睦を深めるも良し、上級生に挑むも良しだ」

ザワザワ ザワザワ

部長「それと、宮永! 白水! 弘世!」

照哩菫「は、はいっ!」

部長「お前たちは同卓するな。一年生がかわいそうになる」

照「……分かりました。どこの卓に入ればいいですか?」

部長「そうだな、宮永は……」

数時間後 白糸台高校 麻雀部部室



部長「……以上。解散!」

部員一同「お疲れ様でした!」ペコリ

ワイワイ ガヤガヤ

菫「……ふう」

照「菫?」

菫「いや、別になんでもない。そういえば、白水は鶴田と話す機会あったのか?」

哩「あったら良かったんやけどね……」ズーン

照「鶴田さんは哩のいる卓を意識的に避けてた気がするよ」

菫「よく打ちながら見てたな……」

照「鶴田さん、最初に私のいた卓に来たから」

哩「……そっか」ズズーン

菫「この話題は止めよう。白水の精神によろしくない」

照「あ、でも……」

菫「だからやめてやれって」

照「鶴田さん、多分だけど友達出来てるよ」

哩「そっか。そいは良かった……」ガクッ

菫「……下手な演技はやめろ」

哩「チッ」ボソッ

菫「射抜くぞ」

哩「じ、冗談やから弓ばしまえって……」

菫「で、鶴田の友達らしき子ってどんな子だ?」

照「えっと、体験入学の時に来てた子で、確か……」

哩「確か?」

照「ごめん、名前が思い出せない」

菫「せめてニュアンスだけでも覚えておけよ」

照「あ、多治見とかそんな感じの名字だった気がする」

同時刻 白糸台高校 麻雀部部室前廊下



姫子「はぁ……」バタン

真佑子「最近どうしたの姫子ちゃん? なんか様子おかしいよ?」

姫子「いや、ちょっと先輩と喧嘩して顔ば合わせ辛いんよ……」

真佑子「……白水先輩と喧嘩したって事?」

姫子「うん……」

真佑子「白水先輩は別に姫子ちゃんの事怒ってないと思うよ? だって部活中こっちばっかり見てたもん」

姫子「やったら良いんやけど……」

真佑子「くしゅん!」

姫子「……真佑子、風邪でも引いたん?」

真佑子「いや、そんなハズはないんだけど……」

投下終了

阿知賀編最終回のネタバレ見ましたが、穏乃の印象が一気に変わりました

何か別人に見えた……

おつ~
てるてる越える奴は出ると思われてないのねやっぱり

>>1です

今回はいつも以上に短いですが投下

>>238
まあ、照クラスの化け物がゴロゴロいてたまるかと言うのが部長の本音です
ちなみに、ここまで誰も言及してませんが、昨夏のインハイ個人戦は照が優勝しているということになってます

5月上旬 白糸台高校 麻雀部部室



照「」ポチポチ

ガチャ

菫「照、お前もう来てたのか?」

照「うん」ポチポチ

哩「で、照はなんばやっとっとー?」スタスタ

菫「なんだ白水か」

哩「なんだと言われても……」

照「何やってるって……麻雀のゲームだけど?」ポチポチ

菫「……どういう風の吹き回しだ?」

哩「いや、麻雀部なんやからそん言い方はおかしい」

菫「いや、おかしくない」

哩「どうして?」

菫「昔、照にネト麻やらせたんだが、現実ではありえないぐらいにボロ負けして泣いたことがあったんだよ」

哩「泣くほどんボロ負けって……。あ、でも今は照トップやね」

菫「だから、麻雀ゲームをやっていて、なおかつそれで照がトップを取るなんてありえない」

照「……黙って聞いてれば色々言ってくれるじゃん」ゴゴゴゴ

哩「理由がいつもん弘世らしくないこじつけやね」ハァ

照「ま、菫の口封じは後回しにして、今更麻雀のゲームをしてる理由は……」

哩「理由は?」

照「私はつい最近知ったんだけど、ネト麻にプロ並みかそれ以上に強いユーザーがいるって話あるでしょ?」

菫「ああ、あの天使もどきの課金アバターか」

哩「弘世はそん話前から知ってたん?」

菫「ああ。私も一回だけ戦ったが勝てなかったな」

哩「へー。で?」

照「いくら何でもその流し方は酷いよ哩。で、その話を聞いて、『何だか負けたくないなー』って思ったから……」

哩「まず手始めに麻雀んゲームば始めたと?」

照「まあそんな感じ。まずは支配が出来ない状態に慣れないとね」

キーミノ カーワリナンーテイーナイカラー

哩「ん? すまん、ちょっと外で話してくっから」スタスタ バタン

菫「……あの着うた、鶴田からだよな?」

照「……多分。哩って人によって設定してる着うた違うよね?」

菫「ああ。……殆ど私の知らない曲だが」

照「いつかさ、誰にどんな曲が割り当ててあるのかを見てみない?」

菫「いや、それはマズくないか……?」

照「鶴田さんとか抱き込めばどうにかなるでしょ」

菫「お前、中々に酷い奴だな」

照「お褒めにあずかり光栄です」

菫「……」

ガチャ

哩「ん? どうかしたん?」

菫「いや、何でもない」

菫(照がそんな事実行しようと相談したら、鶴田や多治比は賛成せずに止めてくれるだろう。……多分)

ガチャ バタバタ

姫子「先輩っ!」ダキッ

真佑子「待ってよ姫子ちゃん……」ゼエゼエ

菫(こいつらを信じて大丈夫……だよな?)

投下終了

哩さんの着うたチェックは要望あれば書きます

それでは20日頃にまたお会いしましょう

読んでくれる方がいらっしゃるならの話ですが

どもー>>1です

超短い話ですが投下

5月中旬 白糸台高校 麻雀部部室



ガチャ

菫「遅れました……ってお前たちだけか?」

照「まあね。さっきまでは哩もいたけど……」

菫「そういえば、さっき白水が廊下を走っているのを見たが……」

姫子「えっと、『クラスで取った文化祭アンケートん紙ば本部に提出してなかったん忘れてた』って言ってたとです」

菫「そうか、もうそんな季節か……。先輩方がいないのもその影響か?」

照「部長はともかく、他の先輩はまだ文化祭の仕事はないと思うけど……」

真佑子「あ、今なら白水先輩いませんし例の作戦出来ますよ?」

菫「例の作戦? まさかとは思うが……」

照「うん。菫の考えてる通りだよ」

菫「本当にやるのか!?」

姫子「一度先輩ん携帯ばいじってみたかったとです」

菫「鶴田! お前はむしろ止めるべき立場じゃないのか!」

姫子「私は欲望に忠実になっとるだけです。そいに、弘世先輩が立ち会ってくれるなら変な事も起こらんと思うんです」

菫「……もう勝手にしろ。変な事しない限り白水には黙っておくから」

真佑子「やった! ……でも、白水先輩が途中で帰ってきたりしたらどうするんですか?」

照「それについては抜かりはない」

真佑子「さすが宮永先輩!」

菫「……なあ、今思ったこと言っていいか?」

照「何?」

菫「そもそも、白水は携帯を部室に置いていったのか?」

姫子「……ちょっと確認してみます」カチャ ピッピッピッ

プルルルル ガチャ

哩『姫子、急にどうしとっと?』

姫子「あ、先輩。アンケートん方はどうなったとですか?」

哩『ああ、今見つけて出しに行くとこやけど……』

姫子「分かりました! 早く戻ってきてくださいね!」ガチャ

姫子「先輩ん携帯はちゃんと先輩が持ってるとです」

真佑子「……宮永先輩?」ジトー

照「ごめん」

真佑子「さっき、抜かりはないと言ってたような……」

照「哩が突然帰ってくることへの対策についてはそう言ったけど、携帯については哩が持ってたらさすがにどうしようもないよ」

菫「……実際、やるんだったら公式戦の時の控え室ぐらいだろうな」ボソッ

姫子「弘世先輩、そんアイデア頂きます!」

菫「なっ!? 聞いてたのかっ!」

照「菫のアイデア?」

姫子「はい! あ、真佑子もこっち来て」チョイチョイ

真佑子「え? あ、うん」

ゴニョゴニョ ゴニョゴニョ

菫(すまない白水。私は無力だ……)

投下終了

次回はいいかげんにレギュラー発表に入ります

今回の話は、着うたネタ書こうと考えたあとに「普通携帯って持ち歩くよなぁ」と考えた結果できた短編もどきです

着うたネタはいずれ必ず

>>1です

投下開始

5月下旬 白糸台高校 麻雀部部室



ワイワイ ガヤガヤ

部長「よし、今日の部活はこれで終了とする。それでだな……」

菫「レギュラー発表か?」ヒソヒソ

照「時期的にはそうだと思うけど……」ヒソヒソ

部長「再来週に控えたインターハイ西東京予選のレギュラーを発表したいと思う」

ザワザワ ザワザワ

哩「そん事についてですが……」スタッ

部長「なんだ白水?」

哩「監督はどうしたとですか?」

部長「……私に聞くな。というかそれは私が言いたいよ……」

菫「まさか、監督がまたどこか行ったんですか?」

部長「……ああ。なにかは知らんが正規の出張とかそういう訳ではないらしい」

照「今年になってそういうの増えましたね」

部長「全くだ。……では、今から発表するが、ポジションとメンバーを決めたのは監督だからな。レギュラーに入れなかったからと言って私を恨むなよ?」

部員一同「はいっ!」

部長「よし、いい返事だ! まず先鋒は……宮永! お前だ!」

照「はい」

部長「あと、監督からメッセージがある。『対局相手の心を折っちゃダメだよ』……だそうだ」

照「分かりました。善処します」

部長「宮永、それだけは善処ではなく徹底しろ。……次、次鋒は弘世!」

菫「はいっ!」

部長「お前にも監督からメッセージだ。『他人を射殺するのは程々にね』……これは狙い撃ちのことか?」

菫「……おそらく。とりあえず乱用は控えます」

部長「是非、そうしてくれ。中堅には私だ」

哩「ぶちょーにはなんもメッセージなかったとですか?」

部長「黙れ白水。副将は…………あ、白水お前だ」

哩「はい!」キラキラ

部長「なぜ目を輝かせる? お前への監督からのメッセージは『任せたよ』……お前へのメッセージが一番まともだな」

哩「私は弄られ役って訳やないんでそうなったんやと思います」

部長「確かにそうかも知れんな。……最後、大将は……鶴田! お前だ!」

姫子「わっ、私ですか!?」

部長「ああ。私の目が狂っていなければそう書いてあるな」

姫子「……期待に添えっかわかりませんが、全力ば尽くすとです」グッ

部長「よし、その意気だ。監督からのメッセージは『プレッシャーに負けないで。鶴田さんは一人じゃないから』……これもまともなメッセージだな」

姫子「」ヘナヘナ

哩「ひ、姫子!?」

姫子「……ちょっと、腰抜けてしまったとです」ペタン

部長「……やれやれ。これでレギュラー発表を終わる。予備メンバーについては後日、また発表するとのことだ。……それでは、解散!」

ワイワイ ガヤガヤ ザワザワ

哩「姫子、立てっか?」

姫子「も、もう少し……」ギュッ

照「まさか、いきなり鶴田さんの腰が抜けるとは思わなかった」

菫「普通、一年生で大将を任されればそうもなるさ。しかも、去年のインハイ予選から公式戦負けなしのチームでとなれば尚更な」

哩「言われてみっと、とんでもないチームやね……」

真佑子「姫子ちゃん!」ダキッ

姫子「ま、真佑子っ、落ち着いて!」フラッ

哩「わっ!?」バタン

菫「お前ら何やってるんだ……」

真佑子「す、すみません、姫子がレギュラー入り出来たのが嬉しくてつい……」

ワイワイ ガヤガヤ

照(あの子が出るとしたら来年か。多分麻雀自体辞めたとは思うけど、もし万が一また麻雀を打っていて、全国まで来たとしたら……)

ワイワイ ザワザワ

照(……悔しいし、認めたくないけど、今の私じゃまた弄ばれるだけだ。だから……)

照「もっと、もっと強くならないと」ボソッ

菫「全くお前らは……ってどうした照?」

照「……何でもない」

菫「そうか? ならいいんだが」

菫(本当に何でもないなら、何故そんな……私と初めて会った時のような暗い目をしているんだ?)

投下終了

二年生編の団体戦オーダーは

先鋒 宮永照(二年)
次鋒 弘世菫(二年)
中堅 部長(三年)
副将 白水哩(二年)
大将 鶴田姫子(一年)

となります

あと、投下についてですが、レスがつかなくならない限りは毎月5の倍数の日に投下していくつもりです

質問意見要望あればどぞー

>>1です

日付変わったので投下

今回アンケートあるよー

時は流れて……

8月中旬 インターハイ会場 実況席



実況「決ぃまったぁぁぁぁぁぁっ! 第70回全国高等学校麻雀選手権大会を制したのはっ! 西東京代表の白糸台高校だぁぁっ!」

解説「昨年に引き続き二連覇ですね。『昨年の優勝はまぐれ』と言い張る解説者も多かったですが、この優勝で実力を証明できました」

実況「昨年度の個人戦王者・宮永照を大将から先鋒に移動するなどオーダーを大きく変更しましたが、全くと言っていいほど悪影響はなかったですね」

解説「それだけの練習をこなして来たということでしょう」

実況「しかし、敗れた三校もあっぱれでした」

解説「特に鹿児島代表の永水女子ですね。次鋒の薄墨、中堅の石戸の両選手の健闘が光りました」

実況「……大将の神代選手には触れないんですか?」

解説「……何というか、素人みたいな打ち方をしたと思えばいきなりプロのような打ち方になったりして、よく分からない選手……としか言えませんね」

実況「その『よく分からない』部分が大将戦で永水女子が大きく巻き返した理由なんでしょうか?」

解説「おそらくはそうでしょうが……」

同時刻 インターハイ会場 白糸台高校控え室



哩「よーやったぞ! 姫子ぉぉっ!!」

照「哩、落ち着いて」

菫「無理だろうな。このままだと確実に鶴田の所まで駆けていくぞ?」

照「……私が見てるよ。誰も鶴田さんの出迎えに行かない訳にはいかないし」

菫「はぁ……つまり私と部長でマスコミ対応か?」

部長「なんだ弘世? 私と一緒がそれほど嫌か?」ギロッ

菫「いえ、そうではなく……記者の私を見る目が『お前みたいな数合わせは呼んでない。宮永を出せ』って言っているように見えてしまって……」

照「……ごめんね、菫」

菫「お前が謝ることじゃない。……早く鶴田の出迎えに行ってやれ」

哩「……行くぞ!」ウズウズ

照「……わかった」

スタスタ バタン

菫「はぁ……」

部長「ま、マスコミは華のある選手しか見ない以上、仕方ない部分もあるだろうが……」

菫「……頭では分かってはいます。けど、実際にやられると中々に厳しいものがありますよ」

部長「……そうか」

菫「……」

部長「……弘世、あとは任せたぞ」

菫「は……えっ?」

部長「なんだ? その歳でもうボケたか?」

菫「いえ……まだ部長たちには国麻があるじゃないですか。まだ……」

部長「引退には早い。か?」

菫「はい。どういう事ですか?」

部長「なに、簡単な事さ。私たちに頼らずとも麻雀部は回るということだ。……実力的にも、実務的にもな」

菫「……なぜ今その話を?」

部長「わからん。なんとなく……としか言えんな」

菫「……他の先輩方は了承しているんですか?」

部長「ああ。ちなみにお前か白水を次期部長に推す奴が多かったな」

菫「……分かりました。次期部長についてはまた休み明けに考えましょう」

部長「……ありがとう」

菫「どういたしまして」

部長「……」

菫「……」

部長「よし、私達も行こうか」

菫「はい!」

スタスタ バタン

9月上旬 白糸台高校 麻雀部部室



部長「……と言うわけで、私達三年生は国麻前に引退することにした」

ザワ……ザワ

部長「で、次期部長を選出したいと思う」

真佑子「あの……」

部長「ん?」

真佑子「選出方法はどうするんですか?」

部長「宮永、弘世、白水の三人の中から無記名投票で選ぶことにした」

真佑子「確かに、宮永先輩達くらいしか適任はいないような気がします……」

部長「各部員は、今から配る紙に部長に選出したい人の名前とその理由を書いてこの箱の中に入れておいてくれ。」ドン

ザワザワ ザワザワ

部長「提出した部員から解散だっ!」

哩(絶対に部長なんかやりたくなか。弘世に押し付けとくんが一番やね)カキカキ

菫(部長の手前ああは言ったが……自信がない。照に任せよう)カキカキ

照(部長なんて大役私には出来ない。哩なら後輩から慕われてるし適任かな)カキカキ

姫子「……先輩たちん目ん色が違うんやけど」カキカキ

真佑子「……あはは」

真佑子(白票って……ダメかな?)

投下終了

アンケート内容は
二年生編残り~三年生編の部長について

照、哩、菫の中から部長にしたい人物を理由つきでお願いします

理由は適当で構いません
期限は4月4日午前0時まで


また、質問意見要望も随時受け付けております

なんとなく哩姫の登下校シーンかガールズトークが見たい

>>1です

アンケートの結果、部長は原作同様に菫さんになりました


>>305
了解。即興で書いてみたから投下

数十分後 白糸台高校周辺 歩道



姫子「先輩、誰が部長になっと思いますか?」スタスタ

哩「弘世以外にありえんばい」スタスタ

姫子「……先輩、なんでそう断言すっとですか?」スタスタ

哩「……勘」スタスタ

姫子「確かに先輩ん勘はよー当たりますけど……。あ、そこんコンビニ寄って良かとですか?」スタスタ

哩「ん? 別に良かよ?」

姫子「りょーかいです! 先輩ん分も色々買って来ますんで少し待って……」

ウィーン

照「」ズッシリ

スタスタスタ

哩「照……やね?」

姫子「宮永先輩……でしたね」

哩「私ん目がおかしくないんやったら、一番大きなレジ袋ば二袋持ってたような……」

姫子「宮永先輩はお菓子好きですからお菓子ばよーけ買ったんやと思いますけど……」

哩「姫子、あん大きさん袋二つば一杯にすっ程お菓子買ったとすっけど、食べきれっか?」

姫子「普通ん人やったら無理ですけど、宮永先輩やったら食べてもおかしくはなかとです」

哩「……あんなによーけお菓子食べて照は何で太らんかね……」ボソッ

姫子「……太らん体質やったり?」

哩「……姫子、コンビニ寄ってくんば止めんか?」

姫子「……そーですね」

投下終了

投下途中で寝るなんてそんなん考慮しとらんよ……

>>1っす

短大は忙しい。おかげで書く時間がなかなか取れなかった

なんとか出来上がった分を投下

翌日昼休み 白糸台高校 教室



教師「授業長引いてすまんな。板書写し終わった人から昼休みに入ってくれ。じゃ、解散!」スタスタ

ガラガラ バタン

菫「……相変わらず適当な先生だ」

照「その分成績つけるのも適当だからいいじゃん」

菫「いや、まあそうだが……」

ピンポンパンポーン

放送『麻雀部二年の宮永照さん、弘世菫さん、白水哩さん。至急麻雀部部室まで来てください。繰り返します……』

菫「……部長の件か?」

照「それはいいんだけど、今やる必要はないと思う……」

菫「……弁当なら部室で食べればいいだろ?」

照「菫は分かってないね」フフン

菫「……はいはい分かったからさっさと行くぞ」

照「あ、ちょっと待って」ガサゴソ

菫「?」

照「うん、準備完了」ズン

菫「……何だその巨大なビニール袋は」

照「お菓子!」ドヤァ

菫「…………」スタスタ

照「え!? ちょっと待ってよ菫!」スタスタ

ガラガラ バタン

クラス一同(弘世さん色々と大変だなあ……)

数分後 白糸台高校 麻雀部部室



ガラガラ バタン

菫「はぁ……」

哩「……禿げっぞ?」

菫「うるさい白水。というかもういたのか」

哩「また酷い言いぐさやね……」

照「」モキュモキュ

哩「で、照はお菓子タイムと……」

菫「……なんでコイツは太らないんだろうな」

哩「……知らんよ」

照「」モキュモキュモキュ

哩「なんか食べっ速度が上がっとっし……」

菫「お菓子狂いは放っておこう。で、部長か監督はまだなのか?」

哩「ん。まだ来とらんよ」

ガチャ

監督「呼んだ?」

菫「いえ、別に」

照「」モキュモキュモキュモキュ

監督「酷っ!?」ズーン

部長「……日頃の行いのせいでしょう」ハァ

哩「ぶちょーも来とったんですか……」

部長「なんだ白水? まるで私には来て欲しくなかったかのような事を言うな?」

照「」モッキュモッキュ

哩「いえ、特に深い意味は……」

部長「……今追求するべきではないな。で、次期部長についてだが……」

監督「弘世さんよろしくねー」ニコッ

菫「……は?」

哩「よしっ!」

照「」モッキュモッキュモッキュ

菫「……何かの間違いではないんですか?」

部長「残念ながら……」

菫「そうですか……」

哩「ま、妥当やね」

監督「あ、白水さんは副部長ね」

哩「……へ?」

菫「良かったな」ニコッ

照「」モッキュモキュ

部長「というわけで、二人には後でファイルを渡す。やることは全てそこに書いてあるから自由にやれ」

監督「じゃ、解散ねー。……あ、宮永さんは話があるから残ってくれる?」

照「……はい?」

菫「分かりました。では、失礼します。……いくぞ白水」グイグイ

哩「わ、わかったから襟から手ば離せって!」ズルズル

ガチャ バタン

照「……で、用件は何ですか?」

部長「ああ。これだ」パラッ

照「……図書委員長就任要請書?」

監督「うん。さっき次期部長が決まったって生徒会本部に報告しに行った時に会長さんが渡してくれって」

部長「委員長と言っても、お前の場合大体の実務は副委員長がやってくれるそうだ」

監督「宮永さんの仕事はサインと生徒総会で喋るぐらいしかないと思うよ」

照「……いつまでに決めればいいですか?」

部長「来月頭までだそうだが、断るならなるべく早くにしてほしいそうだ」

照「……分かりました。ちゃんと考えて決めようと思います」

部長「ああ。是非そうしてくれ」

照「では、失礼します」スタスタ

ガチャ バタン

監督「お疲れ様」

部長「……ありがとうございます。これからのあいつらの事、よろしくお願いします」

監督「ん。任されました。……しかしさ、宮永さんの食べっぷり凄かったね」

部長「あの大きさの袋に入っているお菓子を10分もしないうちに食べきるとかおかしいですよ……」

監督「将来がちょっと心配だね……」

部長「……では、私もそろそろ失礼します」

監督「ん。じゃあ、受験頑張ってね」

部長「はい!」スタスタ

ガチャ バタン

監督「……私も、お腹いっぱいにお菓子食べてみたいなぁ」

投下終了

眠い疲れたでも今からバイト
頑張ってくる

投下遅れてすみませんでした

>>1です

投下一回休んでしまってすみません

ようやく短大生活に慣れてきたのでこれからはちゃんと投下できそうです

それでは開始

放課後 白糸台高校 麻雀部部室



ガヤガヤ

真祐子「ふう……」

姫子「何溜め息ついとっと?」

真祐子「あー、ほら私さ、国麻のレギュラー候補に入ってるじゃん?」

姫子「……そんどこに溜め息つく理由があっとよ?」

真祐子「……もし自分が選ばれたとしてさ、レギュラーとしてやっていけるのか自信が持てないんだ……」

姫子「……ふふっ」

真祐子「な、何笑って……」

姫子「悩むんやったら、決まった後にした方が良か。……今悩んでも無駄になっかも知れんしね」

真祐子「それは……」

姫子「ま、真祐子ん後ろには私や先輩ん誰かがいっから、点数なんか考えずに思いっきり打てば良か」

真祐子「えっ……?」

姫子「つまり、仲間を信じろってことやね。途中ん順位がどうであれ、最後にトップなら勝ちなんやから」

真祐子「でも、先輩たちや姫子ちゃんに頼りっきりってのも……」

姫子「……世間的には『宮永照のワンマンチーム』って見られてっから今更気にすっ必要なかとね」

真祐子「今更って……」

姫子「そーいえば、部長は誰になったんやろう……」

真祐子「……さあ?」

ガチャ バタン

照「はい、みんなちゅーもーく!」

姫子「」ポカーン

真祐子「宮永先輩が壊れた……」

照「はい、そこの二人はあとで一緒に麻雀楽しもうね? で、次期部長が決まりましたー!」

ザワザワ ザワザワ

照「はい、次期部長の入場!」

シーン

照「……あれ?」

哩「すまん照、連れてくっんに手間取った」ズルズル

菫「待て白水。私にも心の準備というもの」

ザワザワ ザワザワ

照「はい、そこで伸びてる弘世菫さんが栄えある白糸台高校麻雀部の部長に就任することに決まりました!」

哩「……みんな、拍手」

バチパチパチ

照「では、部長就任にあたりましての所信表明を弘世さん、お願いします」

菫「さっきからお前おかしいぞ?」

照「……いつも通りの方がいい?」

部員一同「是非いつも通りにお願いします!」

哩「凄いシンクロやね……」

照「ん、分かった。じゃあ菫、所信表明お願い」

菫「それは回避出来ないのか……」

哩「定番やからね」

菫「……この度、白糸台高校麻雀部部長に就任しました弘世菫です。至らぬ所が多々あると思いますが、どうかよろしくお願いします」ペコリ

パチパチパチパチ

>>331ミス修正

ガチャ バタン

照「はい、みんなちゅーもーく!」

姫子「」ポカーン

真祐子「宮永先輩が壊れた……」

照「はい、そこの二人はあとで一緒に麻雀楽しもうね? で、次期部長が決まりましたー!」

ザワザワ ザワザワ

照「はい、次期部長の入場!」

シーン

照「……あれ?」

哩「すまん照、連れてくっんに手間取った」ズルズル

菫「待て白水。私にも心の準備というものが……」

ザワザワ ザワザワ

照「はい、そこでキョドってる弘世菫さんが栄えある白糸台高校麻雀部の部長に就任することに決まりました!」

哩「……みんな、拍手」

バチパチパチ

菫「おいまてなんだその紹介は」

照「はい、ありがとうございました。じゃ、あとは頑張って」スタスタ

真祐子「え?」

バタン

菫「あー、照目当てにマスコミが来たらしくてな。あいつはその対応をしに行くだけだ。決してサボりではないからな」

姫子「いきなり出てくんでなんかあったかと……」

哩「考えすぎやって」

菫「よし、それじゃあ各自対局を始めてくれ。そろそろ国麻のレギュラーを正式に決めないといけないからな」

部員一同「はい!!」

菫(部長がレギュラー落ちするわけにはいかない。私もまだまだ頑張らないとな……)

同時刻 白糸台高校 廊下



スタスタ

照(取材っていくら受けても慣れないものだよね……)

スタスタ

照(愛想良くしようとするとみんな変な目で見るからなぁ……)

スタスタ

照(でも、一度あのテンションで取材受けたせいで世間的には『明るく活発』みたいなイメージができちゃってるし)

スタスタ

照(これから取材受ける時どうしようか……)ハァ

スタスタ

照(ま、なるようになるよね。さて……と)

コンコン

照「失礼します。宮永です」

照(菫も哩も慣れない仕事を頑張ってるんだ。私も負けてなんかいられない!)

数時間後 白糸台高校 校門前



照「ようやく終わった……」

菫「照も今帰りか」スタスタ

照「あ、菫」

哩「私もいっけどな」スタスタ

照「……哩も、お疲れ様」

哩「ん、お疲れ。……取材はどうやった?」

照「ありきたりな質問しかなかったよ。……そういえば、国麻の最後の一人は誰になったの?」

菫「結構僅差だったが多治比に決まったぞ」

哩「最後ん対局でようやく決まったしなぁ」

照「そっか。あと、国麻終わったあとでいいんだけど……」

菫「ん? どうかしたのか?」

照「長野の龍門渕高校と練習試合……組めないかな?」

投下終了

間違えて修正前のやつを投下してしまう痛恨のミス

照のテンションがおかしいのは書いた時の>>1が疲れで頭のネジが緩んでたからだと思う


意見感想要望乙お待ちしてます

登場の際、強固に抵抗していたせいで
哩に当て身でも喰らって伸びたのかとおもったw
乙!

どーも>>1です

バイトでミスりまくって帰ろうと外出たら雪……

なんなの? 落ち込んでる気分に追い打ちでもしたいの?
と本気で思った今日この頃

では投下

菫「……龍門渕? 確か今年のインハイMVPの天江がいる高校だったな……」

照「うん。私が個人的に彼女と戦ってみたいってのもあるけど……」

菫「むしろお前の中での理由なんてそれだけだろ」

哩「……私はそん話賛成やね」

菫「は?」

哩「前に姫子が『どうしてベスト8止まりんチームからMVPが選ばれっとですか!?』って怒り狂っとったから、こいば機会に白黒つけたら良かと思って」

菫「お前らは何と言うか……その話を通す私の立場を考えないな……」ハァ

照「……無理言ってごめん」

菫「……一応監督を捕まえて話はしてみるが、いつになるかは分からないぞ」

哩「さすが弘世やね」

菫「もう無茶振りには慣れたさ……」トオイメ

照「あと、私たちの引退後を考えての提案なんだけど……」

哩「あー、姫子と多治比だけやと良くて準決勝行けっかどうかやからね……」

照「だから、今のうちから後進を育てることを考えておかないとって思うんだけど」

菫「お前のことだ。具体的な手段が浮かばないんだろ」

照「まあ……うん」

哩「部内で何個かチームば作って競わせっとか?」

照「……悪くないかも」

菫「そうだな。いっそ互いにアドバイスしやすいようにプレースタイルの似た選手をまとめてチームを作るか?」

哩「んー、そん辺は弘世に任せっとよ」

菫「お前……!」ピキピキ

照「もしそうするならチーム分け手伝うよ? ……まあ、この話が通らなきゃ意味ないけど」

菫「この話もついでに監督に伝えておく。……ダメでも文句言うなよ?」

哩「当然。私に出来ん事ばやってもらっとんだから、文句ば言う権利は無かよ」

照「私も哩に同じ」

菫「……それは信頼されてると考えていいのか?」

照「好きに受け取ればいいよ」

菫「そうか」

照「うん。そうだよ」

哩「……立ち話もアレやし、そろそろ帰っか?」

菫「そうだな。……また、明日」

照「うん。じゃあね哩」

哩「ん。じゃあまた」

タッタッタッ

哩(二人共行ったな)キョロキョロ

哩(『龍門渕と戦えっかも』って姫子に伝えっとどうなっかね……)

姫子「せんぱーい!」タッタッタッ

哩「待っとったぞ姫子」

姫子「す、すいません……」シュン

哩「別に、姫子ば責めてっ訳やなかとよ。そういえば、姫子にいいニュースがあっけど……」

投下終了

次回は閑話で次々回から龍門渕との練習試合編になります

それでは、意見感想要望乙お待ちしてます

本編のチーム分けにフォローがはいったのが嬉しいな
照たちの休日というか一緒に遊びや買い物に行くような普通の年頃の女の子っぽい所も見てみたい

照VS衣はまさにドリームマッチなので期待
ともきを射抜くSSSとかあるかな?

はっ!一と哩で鎖つながりがっ!

>>1です

乗り換え時間の10分でお金下ろして最新巻買おうと思う通学中の自分

>>339
修正前は哩が襟首掴んで菫を連れて来る→菫抵抗→当て身って流れでした

>>347
あれはこちらとしても寝耳に水でした……
カラオケにでも行かせますかね

>>348
ふんふむ、承りました

>>350
その手があったか

では、投下

11月中旬 奈良県 阿知賀女子学院 麻雀部部室



憧「おっはよー!」バタン

穏乃「……憧?」ウツラウツラ

憧「まだ夕方よ? なに船こいでんのよ……」ハァ

穏乃「昨日はちょっと山歩きしててさ……」

憧「……バカ?」

穏乃「うるさいなー。で、そういう憧はなにしに来たんだよ」

憧「えーっと、これ!」ドサッ

穏乃「ウィークリー麻雀トゥデイの……国麻と秋季大会の特集号?」

憧「そ。阿太峯の部室から引退祝いで貰ってきたんだ」

穏乃「これ、一冊結構高かったよね……?」

憧「まあね。でも、くれるって言うなら貰っとかないと」

穏乃「憧らしいと言うかなんというか……」

憧「で、玄たちは?」

穏乃「まだ授業中。なんか今日は日程が中等部と高等部むちゃくちゃ違うんだってさ」

憧「ふーん。じゃあさ、玄たちが来るまで暇つぶしに読んでる?」

穏乃「……うん。そうする」

数十分後 奈良県 阿知賀女子学院 麻雀部部室



ペラッ ペラッ

穏乃「なー憧ー」グデー

憧「なによ……」

穏乃「この白糸台の部長へのインタビューで気になるところがあるんだけどさー」

憧「……どこ?」

穏乃「ここー」ツンツン

憧「……白糸台のレギュラーの決め方? 確かに強い順じゃないのは変だけど、競争させるのは悪い事じゃないでしょ。現に成功してるし」

穏乃「いや、私が気になってるのはさ、『部内戦で優秀な成績を残したチームの選手が』ってとこ。チーム丸ごとレギュラーになるなら、『選手が』なんて書く必要ないじゃん……」

憧「……確かにそうだけど、しずの考え過ぎじゃないの?」

穏乃「だったらいいけど……」

ガチャ バタン

玄「穏乃ちゃん、憧ちゃん、お待たせ!」

灼「……待たせてごめん」

憧「あれ? 宥姉は?」

玄「お姉ちゃんは多分ホカロンとかの予備を確認してると思うけど……」

宥「みんな、遅れてごめんね……」ハァハァ

穏乃「どうしてそんな息切れしてるんですか……」

宥「教室から走って来たから……」ゼエゼエ

灼「……面子も揃ったことだし、一局打つ?」

玄「そうだね。じゃあ最初は……」

同時刻 東京 白糸台高校 麻雀部部室



照「哩、例のインタビュー記事見た?」

哩「ん。弘世も意外に喋れっもんやね……」

照「うん。あそこまで上手く出来るとは思わなかったよ。チーム制の件も聞き取り方次第でどうとでも取れるようにごまかしてくれてあるし」

哩「『部内戦で優秀な成績を残したチームの選手が』って所やね。ま、私らんチームも部内戦に参加してっし間違ってはなかとね」

照「あの部分は『現レギュラーに欠員が出た場合』って前文を削っただけだけどね」

菫「お前達、ここにいたのか」スタスタ

照「菫? どうしたの?」

菫「龍門渕との練習試合の日程が決まった。今月末の土日だ」

哩「朝一で出るん?」

菫「ああ。最初は金曜の学校が終わり次第新宿発の電車で松本まで行く予定だったんだが……」

照「お金と時間がかかるから車にしたとか?」

菫「その通りだ。時刻表と料金表見た監督が絶句してたな」

照「長野県は電車が一時間に一本しかないのは当たり前だからね。監督がそうなるのも無理ないよ」

哩(佐賀県は……長野県よりマシか)ホッ

菫「……不便だな。とりあえず、土曜の朝6時に校門前に集合ということだ」

哩「りょーかい。で、姫子や真祐子には誰が伝えっと?」

菫「私が伝えておく。最初は他のチームも連れて行く予定もあったんだが、先方に断られたよ」

照「経験を積むいい機会だったけど、まあ仕方ないね」

菫「それと、レギュラー組用の部室が出来るらしい」

照哩「……は?」

菫「私も詳しくは知らん。鍵がカードキー式とかそういう話は聞いたが」

哩「既存ん部室ば改修でもすっと?」

照「多分。さすがに一から作るとかはやらないでしょ……」

菫「とりあえずそういうことだ。……頼むから、体調だけは崩すなよ?」

哩「言われっまでもなか」

照「わかった。あと、私からの忠告だけど……」

菫「?」

照「この時期長野行くなら防寒着ちゃんとしないとダメだよ。……ホントに」ゴッ

菫「わ、わかった……」

哩「ん、りょーかい……」

菫「っと、私は少し用事があるから行くな」

哩「予算関係?」

菫「ああ。監督が松本までのガソリン代を部費から落とそうとしてるからちょっと会計に大丈夫か確認取ってくる」

照「あの人なにやってんの……」

菫「じゃあ、また明日な」スタスタ

バタン

哩「……月末が楽しみやね」

照「うん……」

照(天江衣。その実力、確かめさせてもらうよ)ゴッ

投下終了

ちょっとATMまで走ってくる

それでは意見感想要望乙お待ちしてます

ここのテルーは衣と麻雀やるって目的があるにしても妹と遭遇する可能性が無きにしも非ずな長野行きを自分から提案するんだ
そもそもここの咲は『咲さん』なのか『咲ちゃん』なのか気になる
ってことでテルー道に迷って妹と偶然の遭遇、または照の長野滞在中に咲視点の話とか欲しいなと言ってみる
無理そうなら無理でいいですけど

試合終了後、衣が照にベタ惚れ?

>>1っす

バイト先に咲11巻売ってたのに昨日気付いた
あ、25日はちゃんと電車に間に合いました

>>364
照を迷子にしたらどうなるか分かってるメンツがいるので迷子にさせてもらえません
咲サイドの話は何とか入れてみます

>>365
さて、どうでしょう……

では、投下

11月下旬 長野県 松本市 松本駅前



菫「ようやく着いたか……」

照「うぇっ」フラフラ

真祐子「……宮永先輩、ここで吐くのは我慢してくださいね?」

哩「車ん中で本ば読んでっ照ん自業自得やね」

姫子「……エチケット袋ば誰も持ってなかとですか」

監督「さすがに持ってたら出すでしょ。あ、私ちょっと長野に用事あるから、あとは弘世さんお願いね」

菫「は……い……?」

監督「一応、龍門渕側が明科駅に迎えを用意してるみたいだから、多分宮永さんが遭難することはないよ。それじゃ、よろしくぅ!」タッタッタッ

一同「……」ポカーン

姫子「部長、残りは電車……って事ですか?」

菫「……ああ。往復分の電車代はここにある」ジャラ

真祐子「いや、まず監督がいなくなることにツッコミましょうよ……」

照「あの監督の行動にいちいちツッコミ入れてたらこっちが保たないよ」

哩「むしろ、良い厄介払いになったと思っけど」

真祐子「先輩方の中で監督はどんな扱いなんですか……」

姫子「そいで、次にそん明科方面へ行く電車はいつになっとですか?」

照「えっと……大体一時間後だね」ペラッ

哩「……寒いし、とりあえず駅ん中入っか」

菫「……そうだな」

数分後 松本駅 構内



菫「で、次の電車まで一時間あるわけだが……どうする?」

照「私は本屋で時間潰してるね」スタスタ

菫「おいっ! ちょっ……」

哩「真祐子! 今すぐ照ん後ば追え! 取り返しつかんことになっぞ!」

真祐子「へ!? は、はいっ!」タッタッタッ

姫子「本屋行くだけなんに大げさな……」

哩「姫子は照ん恐ろしさば知らんからな……」トオイメ

菫「あいつは初めて来る場所ではほぼ確実に迷う。それに本屋で立ち読みなんかやらせてみろ。……一時間どころか閉店まで読んでるぞ」トオイメ

姫子「迷うんはともかく、一日中立ち読みしてっ光景は簡単に想像出来てしまうんがまた……」

哩「分かれば良か。……で、弘世」

菫「ああ。私達も時間を潰さないとな……」

姫子「駅前になんかあれば良かとですが……」

菫「寒いから極力駅の構内で済ませたいんだがな」

哩「やったら、照みたいに本屋でも行くか?」

菫「それもアリか……」

姫子「……まず、切符ば買わんとですね」

菫哩「あ……」

姫子「宮永先輩と真祐子ん分もちゃんと買っとかんと、後で苦労しそうな気がすっとです」

哩「じゃあ、あん二人ん分も買っとくか」

菫「で、結局どうやって時間を潰すんだ?」

哩「正直、真祐子だけやと心配やから本屋に行こうと思っけど……」

菫「よし、もうそれで行こうか」

姫子(東京に戻ったら、部長と先輩に栄養ドリンクでも買ってあげっかな……)

一時間後 JR篠ノ井線 電車内



プシュー ガタンゴトン

真祐子「あ、危なかった……」

姫子「嫌な予感はしとったけど、まさか真祐子まで立ち読みに夢中になってっとは思わんかったばい」

真祐子「ごめん……」

菫「本当に鶴田には感謝だな。おかげで何とか間に合ったよ」

照「……」ペラペラ

哩「で、向こうに着いたら迎えがあっとね」

菫「ああ。龍門渕家と言ったら相当な金持ちだからな。リムジンとかベンツで来てたりしてな」ハハハ

姫子「さすがにそいはなかと思いますが……」

哩「ま、着いてからんお楽しみやね……」

数十分後 長野県 安曇野市明科 明科駅前



菫「……なあ、鶴田」

姫子「……まさか、本当にリムジンでお出迎えとは思わんかったとです」ハハハ

哩「周囲ん目線が痛か……」

真祐子「あ、あはは……」

照「……」ペラペラ

菫「お前はいい加減に本をしまえ!」ポカッ

照「……痛い」

真祐子「あ、誰か車から降りて来ましたよ」

スタスタ

?「白糸台高校の皆様、お待ちしておりました。私、龍門渕家にて執事を務めております萩原と申します」ペコリ

菫「ご、ご丁寧にどうも……」

照(菫が押されてるなんて久しぶりに見た……)

ハギヨシ「それでは、到着早々ですが皆様お乗りください。お嬢様が首を長くしてお待ちですので……」バタン

菫「は、はい……」

照「……失礼します」

哩「夢でも見てっかんようやね……」

真祐子「……」カチカチ

姫子「真祐子?」

真祐子「つぶやかずにはいられないよね」カチカチ

姫子「今やらんでも……」

真祐子「今やらずしていつやるの!」グワッ

姫子「……なんか、ごめん」

哩「そこで引き下がってどうすっとよ……」

ハギヨシ「皆様、準備はよろしいですか?」

菫「はい」

ハギヨシ「では、出発致します」ブロロロロ

照「エンジン音がリムジンじゃないような……」

ハギヨシ「気のせいでしょう。皆様、シートベルトはお付けになりましたか?」

真祐子「はい!」

ハギヨシ「それでは皆様、きちんと掴まっていてくださいね……」

哩「……え?」

ブロロロロロロンッ!

白糸台ズ「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

投下終了

本当はとーか達出したかったけどそこまで書けなかった……

それでは意見感想要望乙お待ちしてます!

>>1です

若干量ですが投下

数分後 龍門渕高校 校門前



キキー バタン

ハギヨシ「到着いたしました」ガチャ

菫「あ、ありがとうございます……」

哩「リムジンでブレーキ踏まんでカーブ曲がっ……うぇっ」フラフラ

姫子「ふ、袋……」アセアセ

真祐子「だ、誰も持ってないよ……」

照「寄らば、吐きます……」フラフラ

菫「マズい! 照が限界だ!」

哩「逃げても寄って来て吐くんやし……」ボソッ

菫「って、おい照! なんで私の方に来るんだ!」

姫子「……部長、宮永先輩ん相手はお願いします」

菫「おい鶴田ァ!」

?「はい、エチケット袋」スッ

菫「あ、ありがとうございます……で、あなたは?」

一「ボク? ボクは国広一。ここの生徒兼メイドさ」

哩(……メイド?)

一「で、チャンピオン放っておいていいの?」

菫「っ!? 照、早くどこか行ってこれに吐いてこい!」

照「うん。そうする……」フラフラ

菫「ふう……」

一「とりあえず、チャンピオンが戻り次第部室まで案内するね」

哩「なあ、弘世」トントン

菫「ん?」

哩「照ば一人にして良かったん?」

菫「……あっ」

一「何かあっても萩原さんに頼めばすぐに見つかると思うけどね……」

寄らば吐きます!
寄って吐きます!
寄らなくても吐きます!

寄ら斬り王女かよ

数分後 龍門渕高校 校内



スタスタ テクテク

菫「いや、まさか照が迷わずに戻って来れるとはな……」

照「みんなは私を何だと思ってるの……?」

哩「方向音痴」

照「……ひどい」

一「いつもこんな感じなの?」

姫子「……大体こんな感じやと思います」

真祐子「うん、いつもの光景だよね」

一「そうなんだ。正直、もっと殺伐としてるイメージがあったよ……」

真祐子「監督からしていい加減ですし」アハハ

一「らしいね。っと、ここが部室だよ」

菫「なんか、嫌な気配がするな……」

一「……入れば分かるよ。それじゃ、どうぞ」

ガチャ

龍門渕高校 麻雀部部室



透華「ようこそ! お待ちしておりましたわ!」

純「さっきまで『はじめは何をやっていますの!?』とか言って当たり散らしてたやつの台詞とは思えねーな……」

菫「この度は練習試合をお受けいただき……」

?「とーか! まだなのか?」ガチャ

照哩姫子「!!」ゾクッ

真祐子「なに……? この悪寒……」

透華「こら衣! 呼びに行くまで待ってなさいと言ったはずでしょう?」

衣「むー、衣は今日がずっと楽しみだったんだぞ!」

ギャイギャイ

姫子(あれが龍門渕ん大将……天江、衣)

哩(見た目だけやったらあんな雀士とは思えんな……)

真祐子(なに、あれ……本当に人間なの……?)

照(天江衣。彼女が本当に牌に愛された子なら……)

照「私の連続和了程度、止めて見せろよ?」ボソッ

投下終了

>>381にネタをあっさり見破られた……

ちなみに、>>1はあのゲーム結構好きです

最近、あの王女様と照の中の人が同じだと言うのを思い出したので書いてしまった

後悔も反省もしていない

>>1っすよー

どんどん読者様が減っているように思う今日この頃

あと、多治比さんの名前を4月上旬から前回までの約1ヶ月間間違えて投下していたのに気付きました
大変申し訳ございませんでした

それでは少しながら投下

十数分後 龍門渕高校 麻雀部部室



ギャイギャイ

菫「まだ言い争ってるんだが……」

哩「短かったんならまだ微笑ましかったんやけど……」

姫子「こん長さはちょっと……」

一「……透華たちは放っておいて、ボクらで試合の詳細詰めちゃう?」

菫「……いいのか?」

一「ま、こういうことは時々あるしね。大丈夫大丈夫」アハハ

哩「で、ルールとかはどうすっと?」

一「今年のインハイ準拠にしようと思うけど……どうかな?」

菫「そうだな。それが一番楽だろう。……卓の空席はどうするんだ?」

一「それについてだけど、お互いから一人ずつ出し合うってのはどうかな?」

哩「……そいやったら、照は出さん方が良かとね」

一「うん。チャンピオンと衣を出すのはお互いの精神衛生上良くないし、自分のポジションのみってことで……」

菫「そうだな。まあ、どの道被害者は出るが、被害にあう人数は減らせるか……」

一「うん。で、そっちはオーダー決まってる?」

真佑子「えっと、さっき宮永先輩が紙に書いてたような……」キョロキョロ

姫子「こいやね」ペラッ

菫「なになに……」

対龍門渕高校 オーダー

先鋒 多治比真祐子
次鋒 弘世菫
中堅 白水哩
副将 鶴田姫子
大将 私

哩「随分私情が見えっけど、こいで良かと?」

菫「……天江に対抗出来るのは照かリンク中の鶴田だけだろうし、間違ってはいないな。まあ、この練習試合自体があいつの私情で組まれたようなものだし、今更ワガママの一つや二つ増えたところで変わらないがな」

姫子「……宮永先輩ば先鋒に置くとすっと、大将まで回らんかも知れませんし」

一(何気に失礼なこと言ってるよ)

真佑子「わ、私が先鋒……?」カタカタ

姫子「真佑子、宮永先輩ん相手よかマシばい」ポン

真佑子「そ、それはそうだけど……」ワタワタ

一「……衣と透華の口喧嘩も収まってきたみたいだし、試合、始めようか?」

菫「そっちのオーダーは?」

一「インハイと同じでいくよ。下手に動かしても上手くいかないしね」

哩「りょーかい。……中堅戦、楽しみにしてっからな」

一「その言葉、そっくりそのまま返させてもらうよ」

バチバチバチ

真佑子「まるで火花が散ってるみたい……」

菫「白水は何故か国広にこだわるよな……」

姫子「……」

真佑子「姫子ちゃん?」

姫子「……なんでもなかよ」

菫「準備はいいな? まず先鋒戦の空席に誰が出るかだが……」

投下ひとます終了

投下が中途半端になりやすいのは、現在携帯から投下しているのですがメモ帳の空きが少ないから……というのが理由です。これから色々工夫して半端にならないように頑張ってみます

あと、投下時間についてのご要望等あればよろしくお願いします

>>1です
投下遅れて申し訳ない

なお、あまりチームのオーダーは

あまり白糸台
先鋒 弘世菫
次鋒 鶴田姫子
中堅 多治比真佑子
副将 白水哩
大将 多治比真佑子

あまり龍門渕
先鋒 龍門渕透華
次鋒 国広一
中堅 井上純
副将 沢村智紀
大将 国広一

※照、衣はトラウマ発生率軽減のためオーダー禁止

やっぱり多治比さんには顔芸をお願いしたいので……

数時間後 龍門渕高校 麻雀部部室



菫「なあ、龍門渕……」

透華「言わないでくださいまし……」

衣「♪」ギュッ

照「……そこの二人、少しは助けてくれてもいいんじゃないかな?」

菫「たまにはお前も困れ」

哩「いつも弘世が『困る』もんと今照が『困る』もんは別やと思っけどな」ハァ

純「あー、それより卓で伸びてる二人はどうすんだ?」

智紀「……自然回復待ち?」

純「国広くんはともかくもう一人は望み薄だな」

姫子「水ば上から掛けっとか……」

純「時代錯誤すぎんだろ。……それに、片付けがめんどくなる」

一「うう、ひどい目にあったよ……」フラフラ

智紀「……お疲れ様」カタカタ

真佑子「」ピクピク

姫子「……こっちはもうダメやね」

純「ま、しょうがねえわ」

智紀「前門のジハード、後門のジェノサイド……」カタカタ

姫子「?」

純「ゲームの話らしい」

一「しかし、衣があんなにあっさり負けるとは思わなかったよ……」

哩「前半戦は良い勝負やったばい。……前半は」

智紀「一応、トータルの収支ならそこまで差はなかった」カタカタ クルッ

純「げっ、衣の稼ぎは殆ど前半戦の東場じゃねえか……」

姫子「……うわぁ」

哩「東場だけでこんな稼ぐ天江もえすかとよ……」

照「みんないい加減私を助けてよ!」

衣「うにゅぅ……」スヤスヤ

透華「衣、いつの間にか寝てますわ……」

菫「自力で引き剥がせ」

照「……」

ハギヨシ「皆様、夕食の準備が出来ましたよ」シュタ

哩「!?」

姫子「執事さん、今どっから入って……?」

純「気にしたら負けだ」

透華「ハギヨシ! 丁度良いところに来ましたわ!」

ハギヨシ「……衣様でしょうか?」

透華「ええ。部屋まで」

ハギヨシ「かしこまりました」

グイッ シュタッ

照「き、消えた……?」

純「どういう原理か考えたら負けだ」

透華「さて、夕食の準備が出来たようですので……」

菫「どこで食べるんだ?」

透華「私たちの屋敷に決まっていますわ!」

菫「てっきりここで食べるとばかり……」

智紀「……屋敷は学校の敷地内にある」カタカタ

純「ま、移動に大して時間はかからないさ」

哩「そいより……」

真佑子「」ピクピク

姫子「真佑子ばどーにかせんと……」

一「純くんが背負ってけばいいと思うよ」

純「……しゃーねぇな」ズイッ

透華「さて、英気を養いに行きますわよ!」

照哩姫子「おーっ!」

一「何あのテンション……」

数時間後 龍門渕邸 食堂前


真佑子「ふぅ、食べた食べた」

菫「直前まで酷い顔しながら気絶していたとは思えない食べっぷりだったな」

照「顔芸ってやつだよね」

真佑子「私、どんな顔して気絶してたの……?」

姫子「例えっとすっと『ムンクの叫び』やね」

真佑子「聞かなきゃ良かったよ……」ズーン

哩「姫子……ひめこぉ……」

菫「で、白水はどうしたんだ」

照「鶴田さん分不足で禁断症状起こしたみたい」

菫「ああ、泊まる部屋が別になってたな……」

姫子「……宮永先輩と部長って先輩ん扱い酷くなかですか?」

真佑子「……昔、なんか白水先輩がネタにされるような出来事があったみたいだよ」

姫子(今度調べてみっかな)

哩「こん広さでなんで二部屋しか使えんと……?」

菫「なあ白水」

哩「ん?」

菫「いい加減黙れ」バシュッ

哩「ぐはっ!?」フラッ

照「よいしょっと」ガシッ

哩「て、照……?」

照「哩の監視は任せて」グイッ

哩「あっ、ちょっ首締まってっ……」ズルズル

照「大丈夫。気道は確保してあるから」グイグイ

哩「そ、そういう問題やなか……」ズルズル

姫子真佑子「……」ポカーン

菫「よし、私達も部屋に移動するか」

姫子「はい! ……って部長はあん光景ば見て何も思わんとですか!?」

菫「逆に訊こう。何かおかしなことでもあったか?」

真佑子「むしろおかしなとこしかありませんでしたよ!」

菫「……気のせいだ」

真佑子「気のせいって感じたことって大体気のせいじゃないと思いますけど……」

一「相変わらず楽しそうだね」スタスタ

菫「国広か。白水なら照に連行されたぞ?」

一「いや、白水さんに用があった訳じゃないんだけどね……」アハハ

真佑子「あ、そういえば」ポン

菫「どうした?」

真佑子「この屋敷ってこんなに広いのに何で私たちの使える部屋は二部屋だけなんですか?」

一「あー、客間自体は結構あるんだけど……」

姫子「やと思ったばい」

一「透華が『白糸台高校の皆様に相応しい部屋を用意するように』って言ってさ……」

菫「成る程、ハードルが高すぎて使える部屋が絞られてしまったのか」

一「まあね。本当ならもう一部屋準備する予定だったんだけど、そっちの監督さんは泊まらないって聞いたから二部屋にまとめてしまおうって事になったんだ」

菫「それについてはご迷惑をおかけして申し訳ない」ペコリ

真佑子「メイドさんも大変なんですね……」

一「うん。けどボクは、もう一度チャンスをくれた透華に恩返ししたいんだ。だから、透華の役に立つことなら何だってするよ」

姫子「気がついたら真面目な話になっとりましたね……」

一「キミ達だけだと延々とボケ続けるからね。タイミングを見計らって会話に割り込まないと」

菫「そういえば、白水以外の誰かに用事があったんじゃなかったか?」

一「あー、うん。部屋までの案内だけど、さっきの説明で分かった?」

真佑子「案内で思い出したけど、宮永先輩は無事に部屋へたどり着けたのかな……」ボソッ

菫「……あっ」

一「チャンピオンの方には萩原さんと純くんがついてるはずだから大丈夫だよ」

菫「その言葉、信じるぞ」
一「で、案内はいる?」

菫「そうだな、よろしくお願いする。迷子の恐ろしさは身にしみているからな……」

一「うん、分かったよ。それじゃあボクについて来て」スタスタ

姫子(先輩、無事でいてくださいね……)

投下終了

色々削った結果また区切りが微妙になってしまいましたがご容赦ください

次回は魔物二人のお話

それでは意見感想要望乙お待ちしてます

>>1ばい

色々まとめたせいで内容が伝わりにくいかもです

では投下

深夜 龍門渕邸 照と哩の部屋



哩「う……んっ」ゴロッ

哩(今、何時なん……?)コソコソ

コンコン

哩(っ!?)ビクッ

照「……どうぞ」ガチャ

衣「照! 遊びに来たぞー!」

哩(こん時間に遊びにくっな!)

照「それはいいけど、哩が起きちゃうから静かに……」

哩(もう起きたばい! ちゅーか遊びに来たことは良いんか!?)

衣「む、確かにそうだな。許せ」

哩(絶対許してもらう気なかとね)

照「で、要件は?」

衣「……宮永照、お前は何の為に麻雀を打つのだ?」

哩(は?)

照「さあ……ね」

衣「……質問を変えよう。お前は麻雀が好きか?」

哩(藪から棒になんば言っとっと?)

照「……好きか嫌いかなら好き。だけど、心から好きかと言われたら違う」

衣「……そうか。では、麻雀は楽しいか?」

照「真剣勝負なら……ね」

衣「ふむ、そうか」

照「用事はそれだけ?」

哩(早よ帰れ!)

衣「……? 衣は遊びに来たと言ったではないか」

照「てっきり質問するための口実だと思ってた」

衣「……まあ、良い。麻雀では遅れを取ったがこれなら!」バン

照「……将棋? 良いよ。もう一回返り討ちにするから」ゴッ

哩(早く寝てほしかよ……)

数十分後 龍門渕邸 照と哩の部屋



パチン パチン

照「これで、詰み」パチン

衣「また衣の負け……」グスッ

哩(やっと終わったんか)

照「悪いけど、私はどんな時も手加減しないって決めてるから」

衣「……此度ばかりはその信念に救われたよ。仮に手加減されて敗れていたなら衣は立ち直れなかったやも知れぬ」

照「……どうだろうね。案外あっさり立ち直ってそうだけど」

衣「衣はそこまで強くない。まだ、かの日のことを引きずっているのに……」

照「……困ったら、誰かに支えてもらえばいい」

衣「?」

照「全てでなくてもいい。一部だけでもいい。悩みがあるなら誰か信頼できる人物に一回話してみるべき。案外、簡単に靄が晴れるものだよ」

衣「……そういうものか?」

照「うん。まあ、天江さんなら相談相手もたくさんいるだろうしね」

衣「一考の余地はあるか。しかし、衣の思い違いだったのか?」

照「何が?」

衣「麻雀において『魔物』と言われる人間は皆、総じて何か大切なものを失っている……衣はそう考えてきたのだがな。照の話を聞いていて、その考えに自信を持てなくなったよ」スタスタ

照「……」

衣「では、失礼した」バタン

照「……でさ哩、起きてるんでしょ?」

哩(!?)ビビクン

照「寝たふりしても無駄だよ?」

哩「……いつから気付いとった?」モゾモゾ

照「最初から。ま、起きてて丁度良かったよ」

哩「?」キョトン

照「ねえ哩、私の愚痴兼昔話でも聞いてくれないかな?」

哩「別に良かとよ? 私も愚痴やワガママ聞いてもらっとったし」

照「……哩ってさ、私の家庭のことどれぐらい知ってる?」

哩「確か、母子家庭でマンション暮らし……そんだけやね」

照「うん、それだけだよね。けど、こうなったのには深い理由があるんだ」

哩「深い理由?」

照「簡潔に言えば、両親がある事情で大喧嘩して別居状態になって、妹は父さん、私は母さんに引き取られた……って感じなんだけど」

哩「肝心な理由全部省略しとってどう深いか判断できんけどな……って妹!?」

照「あれ? 何で妹で驚くの?」

哩「前に『私に妹はいないよ』みたいな事言っとったよな!?」

照「ああ、父さんと母さんが絶縁状態だし……ね? あと、理由についてはまだ話せない」

哩「薄情な姉ばい! って……なんで絶縁状態でご両親離婚しとらんと?」

照「……さあ、ね」

哩(照ん家庭事情がばい重かよ……)

照「でさ哩、さっき、最後に天江さんが言ってたこと覚えてる?」

哩「『麻雀界の魔物は大切な何かを失っている』やったか?」

照「そう。天江さんが何を失ったかは知らないけど、私に心当たりがあるだけで永水の神代さんは自由を、小鍛治プロは婚期を、私自身は家族の絆を失ってる」

哩「何で神代ん事情ば知っとっと? あと小鍛治プロん婚期に触れっとは命知らずっちゅーか……」ハハハ

照「それに…………ね」ボソッ

哩「?」

照「なんか、あの言葉を聞いてから私らしくないな……」ハァ

哩「確かに、そげな気はしとったけどな……」

照「うん、わかるよね。最後に、これはさすがに考えすぎなんだろうけど……」フアァ

哩「ただ単に眠くて頭が働かなかったんか?」

照「妹の名前さ、『咲』って言うんだけど……」

哩「で?」

照「花が咲くのに必要なものってなんだったっけ? ……それじゃ、おやすみ」フラフラ ポフン

哩「花が咲くんに必要なんは、確か土、水、太陽……いや、こいは考えすぎと思っけどな……」

照「」スヤスヤ

哩(まさか、『自分は妹を開花させるための踏み台だ』とか考えとらんよな……?)

照「」スースー

哩「そげな事ば考えとったとしたら、私は……」

哩(殴ってでも、そん考えば改めてさせんといかん……な)

畜生ォ…(婚期を)持っていかれたァ…!

同時刻 長野県南部 宮永家 咲自室



咲「うぅーん」モゾモゾ

咲(まだ夜中なのに目が覚めちゃったよ……)

咲「でも、懐かしい夢見たな……」

咲(もし、あの頃みたいに家族みんなで笑いあえたら……)

咲「ねえ、お姉ちゃん。もう二度と私たちの道は交わらないのかな?」

シーン

咲「……言ってて悲しくなってきちゃったよ。うん、水だけ飲んでもう一度寝よっ」

スタスタ バタン

投下終了

哩さんと照の会話は当初なかったんですが、いくら魔物同士とは言えあの短期間でそこまで深い話をできるまで親密になれるかというとアレだったので、衣との会話を削って哩さんに移植しました

なお、魔物は大切なもの失う理論と咲と照の名前の件は>>1のこじつけと妄想の産物です

それでは意見感想要望乙お待ちしてます

最後に、アラフォーさんごめんなさい

>>429
ラスト修正
哩(殴ってでも、そん考えば改めさせんといかん……な)

なんだよ改めてさせんといかんって……

照「自分は妹を開花させるための踏み台だ(確信)」

>>1です
投下一回サボって申し訳ありません
それでは、短いですがどうぞ

翌日 松本駅 ホーム



プシュー

アナウンス『まつもと~松本でございます。お降りの際は……』

菫「帰ってきたな……」

哩(まだ都内やないんになんば言っとっと?)

照「……まあ、色々と濃い一日だったからね」

姫子「で、監督来っまでどうすっとですか?」

真佑子「……カラオケ」ボソッ

菫「……アリかも知れんが、この近くにあるのか?」

照「……ごめん、駅前に四店もある」

哩「……え?」

照「私だって理由は知らないよ。で、行くの?」

菫「私も久々に行きたいが、監督に無断という訳には行かないからな?」

真佑子「部長ってカラオケ行くんですね……」

菫「お前は私を何だと思っていたんだ」

真佑子「……お嬢様?」

照「一応、菫は一般的な家庭に生まれてるからね?」

哩「そん話は初めて聞いたな……」

菫「一応は必要ないからな」

姫子「で、監督にはどう伝えっとですか?」

真佑子「いっそ、事後承諾とか……」ボソッ

菫「それで怒られるのは誰だと思っている?」ギロッ

哩「……」カチカチ

姫子「先輩?」

哩「……監督にメールば送った。こいで弘世が責められっことはなか」

菫「それでも『なんで止めなかったのかな? かな?』みたいな感じで色々言われるんだろうな……」ハハハ

照「その時は私も一緒に怒られてあげるから」

菫「……その言葉、嘘偽りはないな?」スッ

照「ない……けど、なんで菫は弓を引く動作をしてるの?」

哩「端から見っと危ない人やね」

真佑子「……うわぁ」

菫「? そんなつもりはなかったんだが……」

姫子「……頭、大丈夫ですか?」

菫「お前ら私の扱い酷くないか?」

照「……」

哩「……」

菫「黙り込むな! なんか惨めになるだろ……」ズーン

真佑子「……で、カラオケは?」

姫子「部長が立ち直ってから……やね」ハハハ

菫「……」ズズーン

照「今更だけどさ……」

哩「?」

照「いい加減、駅の外に出ない?」

哩「……確かに、そうやね」

数十分後 松本駅 ロータリー



ガチャ バタン

監督「ふう……」

監督(南浦さんのスカウトは失敗か……)

監督「宮永家繋がりで面白い子が来てくれるとはいえ、来年以降のことを考えるとね……」ハァ

監督(でも、過ぎたことを悔やんでも仕方ない。弘世さんたちの考えたチーム制が上手く機能すればいいんだけど……)

監督「でもおかしいな、もうみんな着いてるはずなのに……あれ、メール?」パチッ

監督「えっと、『皆でカラオケ行ってきます』か……」ハァァ

ヒュオォォゥゥ

監督「他の部員のお土産でも、買ってるかな……」トボトボ

投下終了
次回はカラオケ

それでは意見感想要望乙お待ちしてます

>>1ですー
変な時間に投下して申し訳ありませんでした

今更ですが、白糸台と龍門渕の練習試合の得点表が作り終わりました。ある程度は作中で触れますが、要望があれば公開します
一部、失点がとんでもないことになってますが……

それでは、また次回お会いしましょう

カラオケ、書くの難しいな……

乙!
カラオケの採点にリザべは有効なんだろうか?

>>1です

ちゃんとした時間に落とそうと思ったのに二日連続寝落ちというね
なお、カラオケ編は案外長引いたので前後編になります

では投下

カラオケ店 店内



店員「ではこちら、部屋番号のほうになります。ごゆっくりどうぞ~」

菫「で、部屋はどこだ?」スタスタ

照「ここ。多分7階かな」スタスタ

哩「ドリンクバーはどうすっと?」スタスタ

菫「自分で行けよと言いたいが部屋番号も覚えたことだ。私が行こう」

真佑子「さすが部長は違いますね!」

照「じゃあ、私たちは先に行ってるから」

菫「ああ。飲み物の希望はあるか?」

照「ミルクティー。なければミルクとシロップ大量のコーヒーで」

哩「こん甘党が……私は烏龍茶で」

姫子「先輩に同じく」

真佑子「私は何でもいいです」

菫「わかった。楽しみにしていろ」ニヤリ

照(あ、菫がなんか悪人顔してる)

哩「じゃあ弘世、任せっぞ?」

菫「ああ、任された。私は先に行くぞ」スタスタ

真佑子「私らも行きますか!」

哩姫子「おー!」

照「お、おーっ!」

数分後 カラオケ店内 白糸台ズの部屋



ガチャ

菫「ふう……」

真佑子「そして輝~く」

真佑子哩姫子「ウルトラソウッ!!」

ジャン!

菫「……照、タンバリン叩くの止めて状況を私に分かりやすく教えてくれ」

照「曲を入れたのは真佑子だけど、Bメロあたりから哩たちのテンションがおかしくなって……」

菫「把握した。……飲み物、置いておくぞ」ガチャ

哩「ん、サンキュー弘世」

姫子「いただきます。でも、真佑子ん飲み物は……?」

菫「これだ」ガチャッ

哩「……水?」

菫「炭酸水だ。多治比は『なんでもいい』と言ったからな。適当に選んだ」

照(適当じゃなくて絶対狙ったでしょ……)

真佑子「あ、部長」

菫「飲み物ならそこにあるぞ」

真佑子「すみません、いただきます……」ゴクゴク

真佑子「……炭酸水?」

菫「すまない、お前の好みが分からなかったから適当に選んだ」

真佑子「確かに『なんでもいい』とは言いましたけど……」ハハハ

ピピピッ

哩「誰か曲入れたん?」

照「私が入れた」

W-infinity/三重野瞳with影山ヒロノブ

菫「何の曲だ?」

照「さあ、なんだろうね」

真佑子「先輩、もう始まりますよ!」

照「胸の奥で震~え~てる~♪」

姫子「あ、聴いたことあっとです」

菫「……何の曲なんだ?」

姫子「詳しくは……」

哩「……私らが小学校に入っかどうかん時にやってたアニメの曲やったかな。確か何か賞ば貰っとったはずやけど」スッ

真佑子「なんでそんなに詳しいんですか……」

照「どんな時も~失く~せ~な~い~♪」

哩「希望は~♪」

菫姫子真佑子「!?」

照「ぼく~らの~♪」

照哩「さい~ごの~GEARさ~♪」

真佑子「白水先輩、さっきあんなにシャウトしてたのに……」ヒソヒソ

菫「……あいつ、喉は大丈夫なのか?」ヒソヒソ

姫子「先輩本人に聞かんことには……」ハハハ

菫(まさか白水のやつ、マイクを手離さないタイプか?)

真佑子(改めて聴くと、白水先輩かなり上手いんだけど……)

照哩「突き~抜け~よう♪」

菫「これがラスサビか?」

照哩「彼方へ~♪」

真佑子「そうみたいですね……」

照「うん。終わり……」

ピピピッ

照「……哩?」

哩「歌いながら選曲できっほど器用やなか。……姫子か?」

姫子「はいっ!」

Brave your truth/Daisy×Daisy

哩「ああ、あん曲か……」

照「何の曲なの?」

哩「アニメん曲やね。確か、サブヒロインん声が姫子に似とった気がすっけど」

真佑子「話が分からない……」ズーン

菫「おっ、始まるぞ」

姫子「Brave your truth, and Brave yourself♪」

照「あ、私だったら噛むかな」ハハハ

真佑子「え!?」

菫「いや、まだ噛むようなところじゃないだろう?」

哩「こん曲で噛んでたら話にならんよ……」

照「英語は読めて書けるけど、言えないんだよね……」ハハハ

真佑子「ああ……」

菫「……鶴田が歌いながら悲しそうな目で私たちを見てるぞ」

哩「すまん、姫子……」

真佑子「誰も聴いてないって辛いですよね……」

姫子「い~つ~か~Brave your truth♪ and Brave yourself♪」ジーッ

菫「……いや、正確には照と白水か?」

真佑子「……さあ? そこまではちょっと」

姫子「just tough and alive♪ 心をつら~ね~るぅぅぅぅぅっ♪」ジーッ

真佑子(何か鬼気迫るものを感じる……)

照(……さっきから視線が怖いんだけど、私、なんか悪いことしたかな?)

哩「さて、姫子も歌ったことやし次は私が……」スッ

菫「まあ待て。全員飲み物が少なくなっているしここで一回ドリンクバーで補充しないか?」

真佑子「あ、じゃあ私が行きます!」スッ

姫子「……また炭酸水やったら嫌やもんね」ボソッ

照「じゃあ、さっきと同じでミルクティーお願い」

哩「私は烏龍茶。姫子も同じで良か?」

姫子「はいっ!」

菫「私はコーヒーでいい。……間違っても、ブラック以外を持ってくるなよ?」ギロッ

真佑子「は、はいっ! それじゃ行って来ますっ!」ガチャバタン

菫「さて、多治比が帰ってくるまで休憩としよう。……白水、フライングは厳禁だぞ?」

哩「弘世、さすがに今はやらんよ……」

照「……お菓子」ボソッ

菫「砂糖でも飲んでろ」

照「……ひどい」ショボン

姫子(話に割り込めんよ……)ショボン

投下終了

もう450か……
ほぼ見切り発車だったのによく続いてるよ。けど、まだ二年生編とか果たしてこのスレに三年生編まで全て収まるのだろうか?

>>449
無効のつもりです。100点オーバーとか機械が壊れかねないので……

選曲理由は後編にて
では、意見感想要望乙お待ちしてます

最後に、夜中投下で申し訳ありません

>>1ですー

すみません、筆が進まなかったので多治比さんがドリンクバーに行ったあと、戻ってくるまでの部屋の様子を短編として上げます


では投下

照「そういえばさ……」

菫「どうした?」

照「菫がマスコミにチーム制について言った後さ、私たちのチームに名前がついたみたいなんだよね」

哩「マスコミにまともなネーミングセンスがあっとは思えんが……」

照「チーム虎姫」

菫哩姫子「……え?」

照「『チーム虎姫』っていうらしい。姫はともかく虎はどこからつけたのか分からないけど……」

哩「いっそ鶴姫で良かよ……」ボソッ

菫「それだと磔か自殺。どっちかの末路を辿るな」ハァ

姫子「まだ死にたくなかとですよ……」

菫「もうまいひめでいいだろう?」

照「それだと哩と鶴田さんのどっちかが精神病院行きになるから……」

哩「ああ、発狂しとったな……」

姫子「部長は……違和感しかなかとですね」

菫「……ああ。語呂が悪いな」ズーン

哩「照姫は……」

照「私、そんなに自意識過剰じゃないからね?」ゴッ

哩「……すまん。で、虎ん出所からなんでこう……話が逸れたん?」

菫「お前が『鶴姫でいいじゃん』とか言ったからだろう?」ギロッ

照「まあ、虎の出所はいいや。それで相談だけど……」

菫「まさか、一軍の呼称をそれに変えるつもりか?」

照「うん。だって菫や哩に任せると引退まで決まらないような気がするし。それに、その『チーム虎姫』って呼称、割と広まってるみたいで……」

姫子「あー、数絵が言っとったような気が……」

照「南浦さんが?」

姫子「はい。そん時は詳しく聞かんかったんですが……」

菫「その件、東京に戻ったら考えてみるか……」

哩「そいが良かね。やけど、真佑子はなんばやっとっと?」

姫子「飲み物だけなんに随分時間かかってますね……」

菫「……仕方ない。次の曲の準備でもするか」ピッピッ

哩「ん、私も……」ピッピッ

照(あ、絶対『どっちの曲が早く入るか』張り合うパターンだ……)

投下終了

一応、カラオケ(前編)の選曲理由は

真佑子……なんとなく盛り上がる曲で
照……腕のギュルギュル
姫子……中の人のデビュー作のOPで、照と哩さんの中の人も出てたから

です

今回の鶴姫とまいひめは言わずもがな

なるべく早くカラオケ後編投下できるよう頑張ります

では、意見感想要望乙お待ちしてます

>>1ですぇ

15日に投下出来そうにないので今のうちに投下します

数分後 カラオケ店内 白糸台ズの部屋



真佑子「よいしょ……っと」ガチャ

姫子「あ、真佑子お帰……」

ピピピピッ

Be Somewhere/Buzy

菫「よし、狙撃成功」グッ

哩「くっ……」ギリギリ

真佑子「……あ、飲み物置いときますね」ガチャン

照(真佑子にスルーされてるよ)

姫子(部長、能力ん無駄遣いやと思います……)ハァ

哩「しかし、また古い曲ば選んだな……」

菫「仕方ないだろう。あまり音楽は聴かないんだから」

真佑子「……そもそも、何の曲なんですか?」

照「……なんだっけ?」

菫「聴けばわかるさ」スッ

真佑子「さっきから聴いてもわからないから訊いてるんです!」

哩「……ストレスは肌に悪かよ?」

真佑子「先輩たちのせいですよ!」

照「もう始まるから喧嘩なら外でして」ギロッ

哩「……すまん」

菫「Another Day Tomorrow♪ や~みの中~で ね~むっているだけで~♪」

照「普通に上手い……」

姫子「そーいや、真佑子から私までだんだん点数上がってきとりますからね……」

真佑子「姫子ちゃん、私に喧嘩売ってる?」ジトー

哩「真佑子ん点数はともかく、私らにプレッシャー掛けんで欲しかよ……」

菫「Another Day Tomorrow♪ き~のうへは 決し~て進めないから~♪」

照「さっきから加点連発……」

真佑子「麻雀に関係ない才能ですよね……」ハハハ

菫「Answer Must Be Somewhere♪ わ~たしのこ~と だ~れよりも知ってる~♪」

姫子「部長、本気すぎませんか……?」

哩「私も、負けられんな」グッ

照「哩も張り合わなくていいのに……」

哩「止めんでくれっか? こいは私と弘世ん勝負やからな……」ゴッ

真佑子「……あれ? いつから勝負になったんですか?」

照「……さあ?」

菫「私だ~から~♪ し~んじられる~♪」

哩「終わった……か」

照「菫、やりきった顔してるよ……」

真佑子「あ、本当ですね……」

菫「ふう、久々に本気を出したな……」ポスン

照「麻雀でも今くらいの力が出せたらね……」ボソッ

菫「……出来たら苦労しないさ」ハァ

姫子「で、先輩ん入れた曲は……」

二人三脚/misono

真佑子「あ、なんか納得できるかも」

菫「誰と誰のことを指してるのか丸分かりだな」

姫子「……」キラキラ

照「感動のあまり意識が飛んでる……のかな?」

真佑子「まさかそんなことは……」アハハ

菫「始まるか。これで下手なら鶴田が浮かばれんぞ……」

哩「おきに~いりの~靴の~ように♪」

照「上手いね」

菫「……ああ。上手いな」

姫子「……」キラキラキラ

真佑子「姫子……ちゃんが帰ってこないんですけどどうしましょうか……?」

菫「この曲が終われば帰ってくるさ」

哩「き~み~のか~わりなん~てい~ないから~♪」

姫子「せぇんぱぁぁぁぁい!!」ウルウル

照「感動のあまり泣き出した……のかな?」ボソッ

菫「……だろうな。そうでなければただの情緒不安定な人間さ」ハァ

真佑子「完全に二人の世界を創ってますね……」ハハハ

哩「変わらずにパートナァァァァァァァッ♪」

菫「なんという渾身のビブラートだ……」

照「感情込めて歌いすぎてる……」

真佑子「かえって引くぐらいの本気度でしたね……」ハハ

姫子「せぇんぱぁい……」グスッ

哩「……」ギュッ

菫「……しばらくアイツらは放っておこう。次は誰が行く?」

照「真佑子一択だね」

真佑子「……宮永先輩にお譲りします」

照「いらない」

真佑子「……じゃあ、部長は?」

菫「すまない、もう少し喉を休ませてくれ……」

真佑子「……わかりました。それじゃあ……」ピッピッ

数時間後 高速道路 監督の車 車内



ブロロロロロ

監督「宮永さん、起きてる?」

照「……はい」フアァァ

菫「限りなく寝そうではあるがな」ボソッ

監督「弘世さんも起きてた?」

菫「はい。まあ、他の三人は寝てますが……」

哩「ん……リザベーション……セブン……」ムニャムニャ

姫子「うぅ……ん……そん積み重ねが……お前ん中にあっか……」ムニャムニャ

真佑子「あう……もう食べらんないよぅ……」ムニャムニャ

照「哩と鶴田さんは一体誰と戦ってるんだろ……」

菫「……知らぬが華だろうな」

監督「あはは……で、話なんだけど」

照「はい」

監督「一応、昨日今日と使って南浦さんのスカウト行ってきたんだけど……」

照「振られましたか」

監督「……うん。『まだお祖父様から学び取れていないものが多いので、まだ離れられない』って言ってたよ。だから、例の子に頼るしかないかな……」

菫「例の子?」キョトン

照「えっと、私の母の知り合いの子で、実力は確かなんだけど……」

菫「……なぜ口ごもる?」

照「いや、だって……頭のネジが緩い……から……」

監督「……もうちょっと遠回しに言ってあげなよ」ハハ

照「言えたら言いますよ……」ハァ

菫「お前にそこまで言われるとは余程アレなのだろうな……」

監督「勉強は出来るらしいけどね」

菫「そういえば、今年のインターミドル王者は……?」

監督「ああ、彼女は完成されてて伸びしろが少ないもん。それに、即戦力になる程実力があるとは言えないし……」

菫「……そうですか?」

照「……うん。正直、私には外見で持ち上げられてるように見えるから」

監督「それもあるかもね。まあ、弘世さんを『虎姫の弱点』とか言ってるマスコミだもん。言うことを鵜呑みにしちゃダメだよ」

菫「……その話、初耳なんですが」

照「菫で弱点ならほとんどの学校は弱点しかいなくなるのに……」ハァ

監督「ま、気にしたら負けだよ。で、話を戻すけど、例の子の実力は具体的に誰レベル?」

照「……そうですね、現在は天江衣や荒川憩に一歩劣るといったところかと。私や妹にはまだ及びません」

菫「……妹? お前『妹はいない』って言ってなかったか……?」

照「……その話はまた今度にして」

菫「あ、ああ……」

監督「……天江荒川レベルあるんだ。あ、まだ例の子の名前を聞いてなかったけど……」

照「淡。大星淡です。それがあの子の名前」

菫「大星、淡……」

菫(照が認める実力者か。来年会うのが楽しみだな……)

投下終了

次は一気に春期大会まで飛びます。ようやく本編が見えてきた……

今回のカラオケ(後編)の選曲理由は

菫……中の人つながり
哩……曲名

となっております

それでは、意見感想要望乙お待ちしてます

お久しぶりです>>1です

ふと最初から読み直してみたらなんともアレな気持ちになってしまった

それでは投下

時は流れて……

翌年3月 大阪 春期大会会場 白糸台高校控え室

姫子『ツモ。4000・8000!』

実況『決ぃまったぁぁぁぁっ! 決勝進出を決めたのは白糸台高校と臨海女子です!』

プツッ

菫「決まった……か」

真佑子「これで決勝は去年のインハイと同じ顔ぶれですね……」フゥ

哩「……龍門渕が出とらんからな。出てたら千里山は負けとってもおかしくなか」

菫「そうか? 去年の秋から中々良さそうな選手が出てきたじゃないか。案外天江に張り合えるかも知れんぞ」

真佑子「いやいや、アレと張り合うとかもう……」ガクブル

菫「……照よりはマシだろう?」

真佑子「いや、テンパイすら出来ない分天江の方が絶望感が……」ガクブル

哩「……そういえば照は?」

真佑子「……売店でも行ったんじゃないですか?」

菫「アイツ自力で帰ってこれるか……? で、話を戻すが、その千里山の新戦力だが……」トン

哩「公式戦放銃率0%……やったか。あとはリーチ一発率が100%か」

菫「ああ。異常な数値だ」

真佑子「でも、場の支配とかが出来る訳じゃないんですよね?」

哩「そんな照や天江、荒川クラスやあるまいし……」ハハ

菫「……わからん」

哩「……え?」

菫「支配の有無はわからん。だからこそ照の鏡で見破ってもらいたかったんだが……」

真佑子「だが?」

菫「……彼女は大将にオーダーされているんだ」ハァ

哩「姫子ん相手か……」ボソッ

真佑子「あれ? その人、確か秋期大会だと先鋒だったような……」

菫「大将に据えた理由としては適性の問題か、カモフラージュか……そのどちらだろうな」

哩「で、そん大将の名前は?」

菫「……資料読んだんじゃなかったのか?」

哩「名前まで覚えとらんよ……」ハハッ

菫「威張るな。彼女の名前は……」

同時刻 春期大会会場 廊下



照「はぁ……」キョロキョロ

照「迷ったかな?」

照(やっぱり一年ぶりだし道覚えてないな……)ハァ

照「携帯も置いてきちゃったし……」スタスタ

ドンッ!

?「あうっ!?」バタン

照「あ、すみません、大丈夫ですか?」

?「あ、こちらこそよそ見しててすんません……」

照(あれ? この制服って確か……千里山? だけどインハイの時はこんな子いなかったような……)ウーン

?(うそやろ! なんでチャンピオンがこんな所におんねん! ……一個人としてサインでも貰っとこか?)アセアセ

照「……本当に大丈夫ですか?」

?「え!? あ、はい……」

?(あかん、突然すぎて思考停止しかけとるわ……)ハァ

照「ならいいんですけど……」キョロキョロ

?「なんか探しとるんですか?」

照「いや、その……道に迷ってしまって……」

?「……え?」

?(私ん中でのチャンピオン像が一気に崩れていくんやけど……)

照「だから、ちょっと道を教えてほしいんだけど……ダメかな?」

?「まあ、それぐらいやったら……」

照「……ありがとう。それじゃ、お願いするね」

?「ん。りょーかいや」

?(しかし、そんな迷うほど道複雑やったか……?)

数分後 春期大会会場 白糸台高校控え室前



照「ありがとう。ようやく辿り着けたよ」

?「あはは……」

?(むしろどうして迷ったんかわからんわ)

照「ねぇ……」

?「ん?」

照「良かったなんだけど、名前、教えてくれない?」

?「名前?」キョトン

照「うん。またいつか会ったときのために。……ダメかな?」

?「いや、別にええけど……」

照「わかった。まずは私から……」

?「いや、知っとるから。宮永照やろ?」

照「……うん」ショボン

怜「私は園城寺怜や。またいつかな、チャンピオン」スタスタ

照「あ、ちょっと待っ……」

シーン

照(園城寺……怜さんか。また、どこかで会えるかな?)

照「っと。でも今は……」

ガチャ

照「ただいま!」

菫「まったく……お前はまた迷ったのか? だから携帯をいつも持ち歩けと……」クドクド

照(菫の小言をどう受け流すか。それを考えないとね……)ハァ

投下終了

読み直してみて「長いのに出来はアレ」とか自分の文章力がないことのいい証明にしかなってないことに気付き、さらに内容がなんか迷走しだしたような気がして不安まみれになった今日この頃

次回は……閑話になりそうです。その次はようやく三年生編になるかと

それでは意見感想要望乙お待ちしてます

乙!不安になった時はゴールを見据えて前を見据えて突っ走ろう!

>>1でっせ

>>493様、励ましの言葉ありがとうございます!

とりあえず完結までは脇目を振らず走ります!

それでは投下

数日後 奈良 阿知賀女子学院 麻雀部部室



憧「おっはよー」ガチャ

灼「……憧? どうしたの?」ペラッ

憧「やー、家にいても暇だしなんとなく来ちゃった♪」テヘッ

灼「……穏乃や玄ならいないよ?」

憧「見ればわかるわよ。で、なに見てんの?」スイッ

灼「あ、ちょっ……」

憧「……これ、春期大会の牌譜?」ペラッ

灼「……まあね」ペラッ

憧「そういえば、今回は白糸台の独壇場じゃなかったわね。団体の先鋒戦以外の話だけど」

灼「対局前から結果が見えてるしね。それでも今回の決勝は臨海と千里山が踏ん張ってたから4万点しか稼げなかったけど」

憧「……白糸台の試合見てると、時々点数の感覚がおかしくなるのよ。主にチャンピオンと大将のせいで」

灼「自分で言ってておかしいとは思ってた。少し目を離したら2位以下とダブルスコアとかトリプルスコアが当たり前のようにあるのはやっぱり異常……」

ガチャ

憧灼「!!」サッ

晴絵「あ、あのさ、そんなに警戒しなくてもいいんじゃないか……?」スタスタ

憧「なーんだ、ハルエか……」ホッ

灼「ハルちゃんおはよう」スッ

晴絵「ん? 二人だけ?」

灼「はい。穏乃は山に、玄と宥さんは家のお手伝いみたいです」

憧「来週には高校生だってのになにやってんのよしず……」ハァ

晴絵「で、灼たちは何を見てたんだ?」ヒョイ

灼「ちょっ、ハルちゃん!?」

晴絵「春期大会の牌譜か。しっかし、相変わらずの宮永無双だなぁ……」

憧「……なんで、チャンピオンってあんなに強いんだろ」ハァ

晴絵「知りたいか?」

憧「それは……当然だけど……」

晴絵「よし、それでは説明しよう!」キュラキュラ

灼「黒板あるのに何故にホワイトボード?」

晴絵「……消すのが楽だからさ。で、チャンピオンの強さについてだけども……」

憧「……」ジーッ

灼(憧がものすごく真剣な目をしている……)

晴絵「一言で言い表すなら『弱点がない』に尽きるかな。全国には玄みたいな『能力』を持つ人間が沢山いて、殆どが何かしらの弱点を持っている。でも……」

灼「チャンピオンにはそれがない。もしくはまだ見つかっていない……ってこと?」

晴絵「正解。それで一方的に相手の弱点を突くワケだからまず負けない。仮に相手に弱点が無くても、彼女は素の実力が十分にあるしね」

憧「……」カキカキ

灼(すっごく真剣にメモってる……ん?)

憧「……ねえハルエ、結局チャンピオンは能力持ってるの?」

晴絵「……正確な所はわからないけど、私は『相手の弱点を見抜く力』だと思ってる」

灼「……ん? 連続和了じゃなくて?」

晴絵「……多分、アレは示威行為かな。対戦相手が勝手に『もう止められない』って思って諦めてくれれば楽だろうしね」

憧「……」ギリッ

灼(憧……?)

晴絵「……今回の赤土先生の授業はここまでにしよう。じゃ、私は職員室にいるから」キュラキュラ

ガチャ バタン

灼(結局、ホワイトボード使ってない……)

憧「……灼、その牌譜全部貸して」

灼「家に元のデータあるから別にあげてもいいけど、どうするの? ……ってちょっと憧!?」

憧「サンキュ!」タッタッタッ

ガチャ バタン

灼「憧……」ハァ

灼(お願いだから、無理しないでよ……?)

同時刻 東京 白糸台高校 虎姫専用部室



照「くしゅっ!」

二年生部員「……照ちゃん風邪引いた?」

照「違うと思うけど……」タン

菫「風邪はないな。大方、誰かが噂話でもしているんだろう」タン

二年生部員「実際、噂話してるとくしゃみするってありえるのかな……?」

哩「あったらおかしかよ……ツモ。700・1300」パラッ

真佑子「」チーン

菫「また多治比のトビか」ハァ

照「これじゃ淡には勝てないよ?」

真佑子「牌が……牌が怖い……」ガタガタ

哩「今日はお開きやね。あ、牌譜は?」

二年生部員「ちょっとコピってるから待ってー」カタカタ

姫子(なんで真佑子ん状態に誰もツッコまんと……?)

投下終了

なお、虎姫部室にいたモブ二年生部員はデータ分析などを趣味でやっている部員です。三年生編でもし三年生部員と出たら彼女のことを指すと考えてもらってかまいません

やっと500まで来たんだなぁ……

それでは意見感想要望乙お待ちしてます

お久しぶりでございます>>1であります

憧ですが多分悪い方面には進まないかと思います

それでは投下

4月上旬 白糸台高校 廊下



スタスタ テクテク

照「はぁ……」

菫「どうかしたのか?」

照「いや、最後まで哩と同じクラスにならなかったなぁって思って……」

菫「そういえばそうだな。……ん?」

照「突然立ち止まってどうし……えっ?」キョトン

部員ズ「「「おはようございます!」」」サッ

照「……なに、これ?」

菫「頼むから私に聞くな……」

三年生部員「はぁっ……はぁっ……」タッタッタッ

菫「……お前の差し金か?」ギロッ

三年生部員「いや、私じゃなくて後輩が……ってそうじゃなくて!」

菫「なんだ? 何かあったのか?」

三年生部員「なんかうねうねした髪の一年生が道場破りに来てさ、今はまゆちゃんが相手してるんだけど……」オドオド

菫「多治比がか?」

三年生部員「なんかすんごくボロボロにされてるんだよ。私じゃあんな超次元麻雀には踏み込めないから止めに行……って照ちゃん!?」

ダッ!

照「ごめん、先に行くっ!」タッタッ

菫「おい、待て……」

照(淡、まだ来るなって言ったのにどうして……)

タッタッタッ

照(お願い、真佑子が壊れる前に……間に合って!)

タッタッタッタッ

数分後 白糸台高校 麻雀部部室



ガチャ バタン

照「真佑子っ!」

淡「あれ? 遅かったねテルー♪」クルッ

真佑子「う、あっ……」ガタガタ

二年生部員A「」プスプス

二年生部員B「」ピクピク

照「……この三人に何をした!」

淡「べっつに? ただ相手してくれるって言うから打っただけだよ? まあ、たいしたことなかったケド」アハッ

照「っ……!!」ギリッ

照(いや待て、COOLになるんだ宮永照。真佑子は去年天江さんに私と同卓したのに牌を握れているんだ。いくら淡が『魔物』級でもたった一回同卓しただけでこんな……っ!?)

淡「あ、気がついた?」テヘッ

照(東三局一本場でこれか……)

大星淡:69700
二年生部員A:24300
二年生部員B:24300
多治比真佑子:-18300

照「……まだ来るなって言ったのに何で来たの?」ギロリ

淡「え? テルーってばつれないなぁ」

照「茶化さないで!」ゴッ

淡「じ、冗談だって……」

照「……用がないなら早く帰って」

照(こうなるだろうからまだ来るなって言ったのに。ひとまずこれ以上の犠牲者が出ないようにしないと……)

淡「……今日のところはこれぐらいにするね。じゃ、また今度ねテルー♪」クルッ

スタスタ バタン

照「ふぅ……」

ガチャ バタン

照「っ!?」サッ

菫「何身構えているんだ……?」

三年生部員「あ、あの子は?」

照「淡なら追い返した。けど……」

菫「どうかしたのか?」

照「……ごめん、間に合わなかった」

真佑子「」ガタガタガタガタ

三年生部員「あ……」

菫「手遅れ、か……」

照「手遅れかは分からない。とりあえず保健室にでも運ばないと……」

三年生部員「……私、廊下の子たち呼んでくるねっ!」タッ

菫「私は養護教諭の方に話を通しておこう。照、この場は任せるぞ」スタスタ

ガチャ バタン

照「いや、任されても困……ってもういないし」ハァ

シーン

照「とりあえず、牌でも片付けるかな……」トボトボ

投下終了

多治比さんは最初こんな風になる予定ではなかったのにどうしてこうなった

委員長照もいつか書きます。いつかは分からないですが

それでは意見感想要望乙お待ちしてます

お待たせ致しました>>1です

まさか三日連続寝落ちするとは思わなかった

それでは投下

翌日 昼休み 白糸台高校 虎姫専用部室



監督「へぇ、昨日そんなことがあったんだ……」ムシャムシャ

菫「はい。どうやら多治比は重傷のようですが、あとの二人はもう練習に復帰出来そうです」

哩「麻雀で重傷……か」

照「それだけ聞くと訳わかんないよね」ハァ

姫子「真佑子……」ボソッ

監督「でも、まさか入学して一週間も経たないうちにこんな事が起きるとはね……」ハァ

菫「ええ。大星淡が問題児の可能性も考えてはいましたが、見事に予想を超えてきましたよ。……嬉しくないですが」ハァ

監督「うん。入試で面接もやったけど、『普通にいい子』だったから、宮永さんみたいに手を焼かなくて済むと思ったのに……」ハァ

菫「このままだと照とは逆の方向に手を焼きそうですね……」ハァ

照「……ごめん」

菫「別にお前を責めている訳じゃないさ。気付けなかった私達にも責任がある」

姫子「……あれ? 部長ん口振りからすっと宮永先輩も似たようなことがあっとですか?」

監督「宮永さんがここに初めて来た時はねぇ……」

照「監督!?」

菫「詳しくは照の名誉の為に伏せるが、当時の照は先輩方からこう呼ばれていた。『連荘マシーン』とな……」

監督「今でも公式戦ではそうだけどね」

菫「いえ、今の照は一応表情変わってます。注意深く見ないと分かりませんが……」

監督「……私、注意深く見ても分からない自信があるよ」ハァ

哩「話、随分脱線しとっとよ?」

菫「そうだな。まず、多治比の復帰については時間に任せるしかないだろう。そして大星についてだが……」

照「私に任せて」

菫「いいのか?」

照「うん。思いっきり麻雀を楽しませてあげるから」ゴッ

姫子「洒落にならんとですよ……」ブルッ

哩「そいやとかえって大星が潰れかねんばい……」

菫「……照、せめて加減はしてやれよ?」

照「善処する。でも期待はしないで」

監督「……とりあえず、今日はここまで。授業に遅れないようにね」

菫「次の授業は確か……」

哩「確か弘世たちは体育やったばい」ボソッ

菫「っ!? マズいぞ照!」グイッ

照「もう間に合わないと思うけど……」ズルズル

菫「諦めたら終わりだ! さっさと走れっ!!」

照「はぁ……」

バタン タッタッタッ

姫子「私達もそろそろ……」

哩「そうやね。行くか姫子」

姫子「はいっ!」

スタスタ バタン

監督「みんなお願いだから間に合ってよ? あとでいろいろ言われるのは私なんだから……」ハァ

コンコン

監督(……誰かな?)

監督「開いてるよー」

ガチャ

真佑子「すみません、失礼します……」オズオズ

監督「あれ? 多治比さん今日は休むって聞いてたけど……」

真佑子「私もそのつもりだったんですが、理由が理由なんで親にサボりだと思われて無理やり来させられました」ハハハ

監督「まあ、確かに正直に話したらそうなるよね。で、どうしてここに?」

真佑子「はい。少し、相談がありまして」スッ

監督「部活のこと……だよね」

監督(退部とか言い出さないでほしいけど……)

真佑子「はい。実は……」

投下終了

普通に考えて「麻雀で心折られたから休む」なんて言ったら仮病と思われても仕方ないと思う

それでは意見感想要望乙お待ちしてます

おひさです>>1どす

気がついたら開始から半年。時が経つのは早いですね

そろそろ闘牌描写も考えてかないとなぁ

それでは投下開始

翌週 白糸台高校 麻雀部部室



ガチャ

菫「皆揃っているか……ん?」

ザワザワ

三年生部員「あ、部長」

菫「いいところに来たな。この騒ぎの説明を頼む」

三年生部員「えっと、前に殴り込みに来た一年生がね……」

菫「また殴り込みに来たのか?」

菫(照のやつ、何が任せてだ。失敗して……)

三年生部員「ううん、謝りに来たんだよ。なんかあまりに必死に謝るから怒るに怒れなくて……」

菫(すまない照、疑って悪かった)

三年生部員「まあ、一番被害を被ったまゆちゃんがいないんだけどね……」ハハ

真佑子「……呼びましたか?」キョトン

三年生部員「……あっれー? なんかまゆちゃんの声が聞こえたような気がするんだけど」

真佑子「先輩、私はここにいますよ?」

菫「……現実から逃げた奴は放っておこう。多治比、お前大丈夫か?」

真佑子「大丈夫です。まだ牌を握るのは怖いですけど、かと言っていつまでも逃げてる訳にはいかないですから」スッ

三年生部員「気がついたら随分立派になっちゃって……」ウルウル

菫「高校生の台詞じゃないな」

真佑子「ですね。とりあえず、しばらくはリハビリも兼ねてマネージャーをするつもりです」

菫「監督の許可は?」

真佑子「当然取ってます。あと、そのついでに大星を虎姫に推薦しました」

菫「……ほう、理由は?」

真佑子「実力は申し分なしですし、性格は宮永先輩に卓上言語で矯正してもらえると判断したので。それに、私は春期大会では散々でしたから」

菫「卓上言語とは言い得て妙だな。ちなみに大星のやつ今謝りに来てるぞ」

真佑子「すみません、少し頭痛が……」ブルッ

菫「さっき自分で大丈夫と言わなかったか?」

真佑子「仮病ですごめんなさい」

菫「まったく……」ハァ

三年生部員「部長、大星を連行して来ました!」

真佑子「」ビクッ

淡「あの、えっと……」オズオズ

真佑子「な、なに……?」ビクビク

淡「この前はごめんなさいっ!」

真佑子「あ、えっと……」ワタワタ

菫「さて、当事者どうしごゆっくりな」スタスタ

真佑子「ちょっ、見捨てないでくださいよ!」

淡「……」ジーッ

真佑子「……謝る必要なんかないよ。その分の誠意は結果で示してくれればいいから」

淡「結果?」キョトン

真佑子「お前を私の代わりに虎姫に推薦した。だからそこで結果を出せ。そして、例え誰が相手でも絶対に負けないでほしい」

淡「……うん、約束する。例えテルが相手でも、絶対に負けないって」

真佑子「そっか。ありがと」

淡「よしっ! やることも済んだしかーえろっ! えっと……」ジー

真佑子「……多治比真佑子。それが私の名前」

淡「うん、マユコだね。ちゃんと覚えたよ。じゃあマユコ、また今度会おうねっ!」

ズドドドドド バタン

真佑子「……ふぅ、疲れた」

菫「お疲れ様。飲むか?」ヒョイ

真佑子「頂きます。……でも、なんで栄養ドリンクを?」

菫「さっき白水が持ってきた。どうやら無料券か何かが当たったらしいな」

真佑子「そうですか。後で白水先輩にお礼言わないとですね」

菫「お前、ずいぶんと変わったよな……」

真佑子「そうですか?」キョトン

菫「ああ。以前のお前とは色々と違う」

真佑子「気のせいですよって言いたいとこですけど、大星にスタボロにされて思うところがあったのも事実なんで、否定はできないですね」ハハハ

照「……昔の菫もそういうことあったよね」

哩「ああ、照にボコられてから弓道部ん許可取って独りきりで的ば射っとったな。で、そん経験が今生きてっと思うと……」シミジミ

菫「待て、お前らいつから居たんだ」

照「淡と入れ違いで来たから……」

哩「弘世が栄ドリ渡したあたりやったかな」

菫「……なら声を掛けてくれてもいいだろう?」

照「声掛けたらなんか悪いと思って」

哩「」コクコク

菫「……ならいいんだが」

照「で、真佑子は本当に大丈夫なの? 無理して復帰して練習中にいきなり気絶とかされたら困るんだけど……」

菫「しばらくはマネージャーしながらリハビリするとさ。まあ、牌譜の整理や卓の整備ならさすがに気絶とかはないだろう」

哩「もし気絶とかすっとしたらなんかの病気やね」ハァ

真佑子「……まあ私の話は置いといて、先輩方は打たないんですか?」

照「メンツが足りない」

菫「鶴田がいないからな。白水、何か聞いてるか?」

哩「確か日直とか言っとったような気が……」

菫「む……」

真佑子「なら揃うまでの間、指導対局でもやったらどうですか?」

哩「……そん手があったか」

真佑子「あ、はじめに言わせてもらいますが、宮永先輩は卓に入らないでくださいね」

照「……どうして?」

真佑子「練習でトラウマ植え付けかねないので」

照「そこまではしないし出来ないって……」ハァ

菫「照、お菓子やるから先にあっちの部室に行ってろ」

照「……わかった」スタスタ

バタン

真佑子「……あれ?」

菫「あいつはお菓子に弱いからな。いざという時はそれで釣ればなんとかなるさ」

哩「集合、掛けっか?」

菫「ああ。多治比、牌譜取りは任せるぞ」

真佑子「任されました」

菫「では……全員、集合っ!」

真佑子(大星、今はレギュラーの座を譲るけど)

真佑子(もう一度牌を握れるようになったら、自分の手でお前を倒して奪い返すから。……覚悟、しててね)ゴッ

投下終了

次々回かその次にはインハイ予選に入れそうです

そういえば阿知賀編ポータブルのPV見ましたが、曲がエロゲっぽく聞こえて困る……

では、意見感想要望乙お待ちしてます

せめてA君B君C君D君で説明してよ

どうも>>1です

>>540
喋ってるモブ部員が複数人なら当然ABCはつけますよ。前回の話で会話に参加したモブ部員は1人だけなんで書いてないだけです

それでは投下

5月中旬 白糸台高校 虎姫専用部室



カタカタ カタカタ

菫「ふぅ……」

真佑子「お疲れ様です。これ、飲み物です」コトン

菫「すまないな」

真佑子「あ、これって先週の部内戦の結果ですか?」

菫「ああ。このデータを使って個人戦に出るメンバーの選抜をな」

真佑子「それって監督の仕事じゃ……」ボソッ

菫「まあそうなんだが、監督がやらない以上私達でやるしかないだろう」

真佑子「……複数形ってことは、宮永先輩と白水先輩も何かやってるんですか?」

菫「ああ。白水には練習計画、照には団体戦のオーダーの作成を任せている」

真佑子「それ、白水先輩の負担大きくないですか?」

菫「私もそう思って『困ったら私も手伝う』って言ったんだがな……」

真佑子「拒否されたとかですか?」

菫「まあな。かえってムキになってやってるように見える」

真佑子「……簡単に想像出来ますね」ハハハ

菫「照のやつは先鋒大将をどうするか迷ってるらしい。そこまで深く考えなくていいとは思うが……」

真佑子「そこで深く考えるのが宮永先輩じゃないですか」

菫「そうだな。……一応、次鋒から副将までは決まっているから見るか?」

真佑子「いいんですか?」

菫「ああ。あいつも他人の意見が聞きたいと言ってたしな……これだ」カチカチ

先鋒:
次鋒:白水哩(三年)
中堅:鶴田姫子(二年)
副将:弘世菫(三年)
大将:

真佑子「これ、宮永先輩と大星のどちらが先鋒になっても中堅戦までで勝負つきませんか……?」

菫「ああ。だから深く考えなくていいと言ったんだが、照は大星のデータを取られるのを恐れているみたいでな」

真佑子「大星は一年だから、もしデータから対策を練られると下手したら引退までずっと苦しめられるから……ですか」

菫「多分そうだろう。能力持ちは一度対策されると本当に脆いからな」

真佑子「ですよね。私もそれで部長に嫌ってほど撃ち抜かれましたから……」ハァ

菫「お前はちゃんと矯正してきたじゃないか」

真佑子「結果的には矯正出来ましたけど、アレはかなり大変ですよ。なまじ能力持ちは能力ありきで戦略を組み立ててますから、普通の人みたいに簡単には変えられないんです」

菫「照に比べて大星は能力頼みの面が目立つからな……」

真佑子「時々、宮永先輩が大星に無理やりネト麻やらせたりしてますけど……効果、あるんですかね?」

菫「……知らん。とりあえず話を戻すが、お前は照と大星のどちらを先鋒に据えるべきだと思う?」

ちょっと急用。また夜に続き投下します

ようやくまとまった時間が取れたので投下再開します



そういえば、新シリーズも始まりますね。タイトル的に主人公が故人かも知れないですが……

真佑子「宮永先輩ですかね。大星は攻略された時のデメリットが怖くてちょっと……」

菫「無難だな」

真佑子「だって私たち白糸台が冒険する必要なんてないじゃないですか」

哩「そん通りやね」ガチャ

菫「白水か」

姫子「私も居っとです」ヒョコ

真佑子「だよね。一緒に居なかったら次の日は雨だ」

菫「……してお前達は照と大星のどちらを先鋒にすべきだと思う?」

哩「照一択やね。実力だけやったら大星もアリやけど」

姫子「ばってん、大星はタダでさえあん性格で敵ばよー作るんに、一年で先鋒なぞ任せっとすっと……」

菫「初対面の時はお前らすら敵に回しかねなかったほどだしな……」ハハ

真佑子「あー、他の一年に疎まれるね……」

哩「私らが居るうちはまだ良か。やけど、そん後はどうなっかわからんばい」

菫「確かに、今でさえ大星は同学年では浮いているからな。下手な事をすると再来年に部が割れる可能性もあるか……」

真佑子「部が割れるだけで済めばいいですけどね……」ハァ

菫「最悪の事態は起きないと信じたいがな……」ハァ

姫子「そいは今考えっことやなかと思います。とりあえず、今はオーダー決めんと……」

菫「だな。とりあえずここの四人は『照を先鋒にする』で意見が一致しているし、あとは照の決断に任せるか……」

哩「同意。麻雀に関してやったら照に間違いはなか」
真佑子「ですね。結局どうするのかが楽しみです」

同時刻 白糸台高校 司書室



照「……」カチカチ

司書「ずいぶん落ち着きがないけどなにかあったの?」

照「えっと、団体戦のオーダー決めを任されてしまって……」

司書「それって監督の仕事なんじゃないの?」

照「本来はそうですけど、割り振られた以上はちゃんとやらないといけませんし」カチカチ

司書「で、なかなか決まらなくてイライラしてきたからずっとボールペンをカチカチしてるのね……」

照「チームの勝利を考えるなら私が先鋒でいいんですけど、それだと大将まで回らないんでテレビ的にはマズいかなって思うんですよ」

司書「……局の都合は考えなくていいんじゃない?」

照「……そうですか?」キョトン

司書「むしろなんでそこまで考えるの?」

照「後援会とかがうるさいらしいんで……」

司書「……聞かなきゃよかったかな」ハァ

照「……」カキカキ

司書「お、決まっ……ってなんであみだくじ?」

照「これで決めるんです」カキカキ

司書「さっきまで真剣に悩んでたのは何だったの……」

照「もう考えるのが嫌になったので。よしっ、完成!」スイッ

司書「なんで私に差し出すの?」

照「どっちか選んでください」ズイッ

司書「……はいはい。じゃあこっちで」

照「わかりました。じゃあ始めます……」

カキカキ カキカキ

投下終了

では意見感想要望乙お待ちしてます

二週間音沙汰なしですみません>>1です

テストとか無くなればいいのに

では投下

5月下旬 白糸台高校 麻雀部部室



タン タン

菫「ロン、6400だ」パラッ

一年生部員A「あ……」ガクッ

一年生部員B「これでまたAのトビだね」ハァ

菫「……しかし、いつまでやるつもりだ? 今の君達ではまだ私には勝てんぞ?」

一年生部員A「承知の上です。せめて部長に一撃は入れられないと大星を相手にするなんてできないですから」

菫「……そうか。多治比、牌譜は?」

真佑子「後輩に頼んで取ってもらいましたよ。でも、いくら数合わせとは言えリハビリ中の人間を同卓させますか?」ハァ

菫「リハビリ中にしては打ててたがな」

真佑子「そうは言いますけどね……」

一年生部員B「これだけ打ててなんでリハビリなんてしてるんですか?」

真佑子「……」

一年生部員A「ちょ、ちょっとB!」アタフタ

真佑子「あー、前に大星にボコボコにされてね。こうやってまともに牌を握れるようになったのはつい最近なんだ」ハハハ

一年生部員B「……すみません」ショボン

真佑子「謝らなくていいから」

一年生部員A「改めて思いましたけど、大星ってどんだけ化け物なんですか……」ブルッ

菫「将来的には照に追いつくかも知れんな。まあ、性格的に格下相手に油断してあっさり負けそうではあるが……」

一年生部員A「ああ……なんか想像できますね」アハハ

菫「だろう?」

真佑子「……少し気になったんだけど、二人とも大星のことどう思ってるの?」

一年生部員A&B「仲間であり越えるべき壁です!」

菫「……意外だな。私達は大星は同級生の中では浮いていると思っていたが……」

一年生部員A「浮いてますよ? 私みたいな一部を除けばほとんどの一年生部員は大星から距離を置いてます」

一年生部員B「で、そのうち半分ぐらいは陰で大星についていろいろ言ってますね」

菫(覚悟はしていたが実際に聞くと胃が痛いな……)ハァ

一年生部員A「ちなみに、私たちは逆に大星に避けられてます……」

一年生部員B「最初は世間話ぐらいは出来たんですけど、Aがちょっと調子に乗ってですね……」ハハハ

一年生部員A「た、ただあだ名を付けただけじゃん……」

真佑子「もしかして、『あわあわ』とでも付けた?」

一年生部員A「……あれ? どうして知ってるんですか?」キョトン

真佑子「大星が『どう反応すればいいかわかんない助けてマユコ~』って泣きついてきたんだよ……」

菫「ほう。それで?」

真佑子「『自分で考えろ』って言ってやりました。正直、私の方が反応に困りましたね」

菫「まあ普通ならそうなるだろうな……」

哩「面白そうな話やね」

一年生部員A「白水先輩!?」

真佑子「もう部活も終わるっていうのにどこに居たんですか……」

哩「照ん手伝いばやっとった」

菫「ああ、そういえば照にプリントの印刷を頼んだっけな……」

哩「お前が元凶やったか……」ゴゴゴ

真佑子「えーっと、その反応からして何かあったんですよね?」

哩「……照の名誉ん為に黙秘すっとよ」

一年生部員B(宮永先輩は一体何をやらかしたんだろう……)

菫「何があったかはなんとなく予想できるがな」

一年生部員B(予想できるんだ……)

照「誰が何をやらかしたって?」ジトー

一年生部員A(いつの間に!?)

菫「……口を滑らせたのは白水だ。よって私は関係ない」

真佑子「あらぬ方向見ながら言っても説得力ないですよ……」ハァ

照「まあそれは置いといて……よいしょっ!」バン

哩「ちゃんと印刷できたんか……?」

照「あれだけ懇切丁寧に教えてもらって失敗したらバカバカしいから」

菫「……うむ、ちゃんと印刷できているな」ホッ

真佑子「ですね。これって予選の……?」

菫「ああ、団体戦のオーダーと個人戦の参加メンバーだな。……照、日程は?」

照「菫、それ裏。日程は表」

菫「……あっ」ペラッ

哩「弘世……」ハァ

一年生部員A「あ、私たちも見ていいですか?」

菫「構わんぞ。どうせこの後配るし今のうちに持って行け」

一年生部員B「あ、じゃあ私も……」ペラッ

先鋒:宮永照(三年)
次鋒:白水哩(三年)
中堅:鶴田姫子(二年)
副将:弘世菫(三年)
大将:大星淡(一年)

真佑子「……結局、大将はアレですか」ジトー

淡「わーいお菓子だー」ムシャムシャ

三年生部員A「よーし、姫にお菓子を献上するのだー!」

三年生部員B「スタコラサッサー!」

二年生部員A「了解っ!」

二年生部員B「は、はいっ!」

菫「……餌付けされてるな」ハァ

哩「……誰かあんバカを止めんか」ボソッ

真佑子「あの人たちが簡単に止まるとは思えませんけどね……」ハァ

一年生部員A「実力的に大星が大将でも納得のはずなのに……何だろうこの不安は」

菫「心配するな。私達も同じことを考えている」

照「……淡が不安なら、大将まで回さなければ問題ない。そして、私たちにはそれができる」

哩「やね。地区予選やったら多分私か姫子までで事足りっから」

菫「……だろうな」

真佑子「ですよね。時間も時間ですし、そろそろ集合かけますか?」

菫「ああ、そうするとしよう。……全員、集合っ!」

一同「はいっ!」ザッ

投下終了

オーダーは文中通り

先鋒:宮永照(三年)
次鋒:白水哩(三年)
中堅:鶴田姫子(二年)
副将:弘世菫(三年)
大将:大星淡(一年)

となりました。ただ、哩さんがある程度鍵を取れないと姫子が穴になりかねないという

それでは意見感想要望乙お待ちしてます

お久しぶりです>>1です

阿知賀編最終巻とゲームな発売が迫ってきました

それでは投下

6月上旬 インターハイ団体戦西東京地区予選会場 白糸台高校控え室



姫子『……ロン、36000の三本場は36900』パラッ

実況『試合終了! 西東京代表は三年連続で白糸台高校ですっ!』

解説『今年の白糸台はとんでもないですね。大将に座る一年生の大星選手の実力は未知数なのが不安ですが、並みの学校ならその大将どころか副将にすら回るかどうか……』

実況『ええ。先鋒は当然として次鋒から副将まで全員が他ならエースを張れる選手ですからね……』

解説『はい。……本当に、とんでもないチームです』

実況『ですね……』プツッ

菫「……予想通りとは言え、少しやり過ぎじゃないか?」

照「私は自重したけど」

菫「だろうな。お前が全力だったら先鋒戦で試合が終わっていただろうし」フニフニ

淡「はうぅ……」スヤスヤ

哩「弘世は大星の頬ばいじるんを自重せんか」

菫「いや、自重が必要なのはお前だろうが」

照「……ねえ哩、さっき次鋒戦で何回縛った?」

哩「……忘れた」

照「忘れたなら教えてあげる。14回だよ」

菫「お前が縛りをかける度に鶴田が痙攣するんだぞ? 最初はともかく後半はもう……大変だった」

照「ねえ哩、これからは姫子の体のことも考えて縛りをかけてよ?」

哩「ん、りょーかい。じゃ私は姫子ん迎えに……」スタスタ

ガチャ

哩「わっ!?」

真佑子「何驚いてるんですか先輩?」キョトン

菫「……なあ多治比、お前今日は学校で監督と一緒に一年生の練習見るとか言ってなかったか?」

真佑子「ああ、監督が『行っていいよ』って言うんで来ちゃいました。あと、姫子……ちゃんはマスコミに囲まれてるみたいですよ」

哩「了解。ちょっと救出に行ってくっとよ」タッタッタッ

菫「……多治比に少し聞きだいんだが、他に予選が終わった県はどれぐらいある?」

真佑子「いくつかはありますけど、奈良を除いて大方の予想通りの結果ですね」

菫「奈良? ……ってことは晩成が負けたのか?」

真佑子「はい。それも初戦です」

菫「小走と……巽だったか? あの二人は中々強いはずなんだが……」

照「負けたってことは、残り三人が不甲斐ないか他の学校がよほど勝ち抜いた学校に振り込んだんでしょ。初戦だし後者だと思うけど……」

菫「……だな。で、奈良代表の名前は?」

真佑子「えっと、阿知賀女子学院ですね。10年前に全国準決勝まで行ってます。晩成を倒したのもここですね」

菫「10年前か……」ハァ

照「菫?」

菫「10年前の準決勝は……小鍛治プロと瑞原プロ、野依プロが直接対決したことで有名なんだ。確かその試合のもう一校が……」

真佑子「阿知賀女子学院だったってことですか」

菫「ああ。……阿知賀女子の次鋒戦以降の牌譜を準備しておいてくれ。私の勘が必要になると告げている」

照「菫の勘って当たった試しがないけどね。けど、今回は私も同感。……なんか、嫌な予感がする」

真佑子「先輩方にしては慎重ですね。とりあえず、他の部員と協力して探してみます」

菫「頼むぞ」

真佑子「任されました! ……で、先輩方はマスコミ対応とかしないんですか?」

菫「そうだな。白水たちに任せっきりというのも良くないか」

照「……よしっ!」パンッ

菫「照、スイッチは切り替わったか?」

照「うん、完璧だよ」ニコッ

菫「じゃあ行くか。多治比、そこのアレの面倒を見ておいてくれ」スタスタ

バタン

真佑子「アレ? ああ、これか……」ハァ

淡「うにゅぅ…………」スヤスヤ

真佑子「……えーっと、先に皿とかカップでも片付けよう。うん」

真佑子(もしかして、起きるまでずっとお守りしなきゃならないのかな?)

淡「……哀れな……やつだな……」ボソッ

真佑子(寝言なのは分かってるけど、ちょっと怒ってもいい……よね?)ブチッ

投下終了

>>1は自分の知ってる範囲のゲーム屋全て回ったけど阿知賀編ポータブルの予約が出来ませんでした。ファッキュー田舎

次回は清澄サイドとなると思います

それでは意見感想要望乙お待ちしてます

>>1です

最近週一更新になりつつあります。時間はあるのに文章が作れない……

では投下

6月下旬 岐阜県中津川市 四校合同合宿会場 露天風呂



一「うーん、やっぱり九州勢で一番厄介なのは鹿児島の永水女子じゃないかな」

ゆみ「次いで福岡の新道寺女子……といったところか?」

美穂子「そうね。私も同感」

久「やっぱり参考になるわね。聞いておいて良かったわ……」

透華「……『聞かない方が良かった』という相手も全国には存在しますわよ」ボソッ

和「聞かない方が良かった相手……?」

透華「ええ。その筆頭が西東京・白糸台高校のエース……宮永照ですわ。ね、はじめ?」

咲(お姉ちゃん……)

一「そこでボクに振らないでほしかったなぁ……」ハァ

久「……ねえ咲、ずっと気になあなたってもしかして、宮永照の血縁者だったりする?」

咲「っ!?」ビクッ

久「その反応……やっぱりそうなのね」

一同「!!!!」

美穂子「……私、個人戦の後にウィークリー麻雀todayの西田さんが取材にいらしたので、その時に『清澄の宮永咲さんと白糸台の宮永照さんには何か関係があるのですか』って聞いたことがあるんですが……」

一同「」ゴクリ

美穂子「西田さんも同じ事を考えていたそうで、直接本人に聞いてみたんだそうです。そしたら……」

>>586修正

一「そこでボクに振らないでほしかったなぁ……」ハァ

久「……ねえ咲、ずっと気になっていたんだけど、あなたってもしかして宮永照の血縁者だったりする?」

咲「っ!?」ビクッ

久「その反応……やっぱりそうなのね」

一同「!!!!」

美穂子「……私、個人戦の後にウィークリー麻雀todayの西田さんが取材にいらしたので、その時に『清澄の宮永咲さんと白糸台の宮永照さんには何か関係があるのですか』って聞いたことがあるんですが……」

一同「」ゴクリ

美穂子「西田さんも同じ事を考えていたそうで、直接本人に聞いてみたんだそうです。そしたら……」

久「そしたら?」

美穂子「『もう、私に妹はいません』と答えたそうです。だから私、ただ同姓なだけかと……」

ザバッ

和「……宮永さん?」

咲「……すみません、私、失礼しますっ!」ジャブジャブ

和「っ!! 宮永さんっ!」ジャブジャブ

ガラガラ

?「皆さん姿が見えないと思ったらここにいたんで……きゃっ!?」ドタッ

美穂子「な、南浦さん大丈夫?」

数絵「え、ええ。しかし、何かあったんですか?」

華菜「清澄の宮永と白糸台の宮永照は関係あるのかって話をしてただけだし!」

数絵「ああ……」ナットク

ゆみ「まあ、ここで論じても結論は出ないがな」

桃子「そうっすね。推測はいくつか立てられるっすけど……」

久「……その話は置いときましょう。他人の家庭事情に深入りするのは良くないわ」

美穂子(上埜さん……)

華菜(その話を最初に持ち出したのはあんただし)ハァ

ゆみ「そういえば、宮永照の話題が出た時に龍門渕が色々言っていなかったか?」

透華「はじめ! 説明なさい!」

一「……うん。えーっと、ボクたち龍門渕は、去年の秋に白糸台と練習試合を組んだことがあるんだ」

一同「ええっ!?」

一「ま、結果は衣と透華以外は完敗だったよ。ボクも半荘3回で約-70000点だったから……」アハハ

久「そ、そう……」

透華「あ、はじめより失点したのがいましたわね」

ゆみ「……は?」キョトン

一「確か半荘3回で-99000点ぐらいだったかな? 名前は彼女の名誉のために伏せるけど」

華菜「団体戦の持ち点とほぼ同じだし……」

ゆみ「宮永照と天江を同じ卓に放り込んだら残り二人はそうもなる……か?」

一「うん。あの卓は悪夢だったよ……」ハハ

桃子(一瞬にして目から光が消えたっすね……)

ゆみ(冗談のつもりだったんだがな……)

透華「とにかく、宮永照は知ったところでどうにもなりませんわ。対策で止まるような選手でしたら個人戦連覇なんか出来ませんもの」

久「そうね……」

美穂子「えっと、他にそういう選手って誰がいるんですか?」

一「うーん、うちの衣や永水女子の神代小蒔に、個人戦だけだけど北大阪・三箇牧の荒川憩もかな。多分、宮永さんもここに入ると思う」

ゆみ「聞くだけで頭が痛くなる面子だな……」ハァ

数絵「同感です……」

桃子「永水女子で思い出したんすけど、話、だいぶ逸れてる気がするっすよ……」

透華「そう……ですわね」

久「ねえ、そろそろ出ない? 下手したらまた誰かのぼせちゃうかもしれないし……」

ゆみ「そうだな。龍門渕の話の続きは上がってから……と言うことで構わないか?」

透華「異論はありませんわ。上がってからならデータを交えた具体的な説明も出来ますし」

美穂子「じゃあ、皆さん上がりましょうか」

ザバッ

久(全国、想像以上に厳しい戦いになるのかしらね……)

美穂子「上埜さん?」

久「今行くわ!」ザバァッ

投下終了

次回は日常っぽいナニカでその次からインターハイに入ります。果たしてこのスレに収まるのか……?

そして何故か次回作のアイデアが浮かんでくる。今浮かばれても困るっての

では意見感想要望乙お待ちしてます

お久しぶりです>>1です

ゲームのドラローさんが怖い。ドラを連続で暗槓とか心臓に悪い

それでは短編『鶴田姫子の受難』投下します

7月下旬 白糸台高校 虎姫専用部室



哩「ふう……」

菫「どうした? お前が溜め息とは珍しい」

哩「あー、ちかっと考え事しとった。聞いてくれっか?」

菫「考え事……?」

テルー! アソボー!

マダヤルコトアルカラダメ。

エーッ!

哩「……場所、変えても良か?」

菫「別に構わないが……照!」

照「……何?」カキカキ

菫「私と白水は所用でしばらく外す。帰ってくるまですまないがしばらく大星の相手を頼めないか?」

照「……わかった。でもなるべく早く戻ってきて」

菫「善処する。行くぞ白水」スタスタ

哩「ん、りょーかい」スタスタ

バタン

数分後 空き教室



菫「……で、お前は一体何を考え込んでいたんだ?」

哩「リザベーションについてな……」

菫「リザベ……ああ、あれか。お前が縛りを掛ける度に鶴田が他人様に見せられない状態になるから少しは自重しろ……ってこれは前にも言ったか」

哩「そう、そいよ。姫子にそういう方面の耐性ば付けさせようと……」

菫「お前が自分で寝込みを襲うなりすればいいだろう。私を巻き込むな」

哩「……くすぐることにした」ドヤァ

菫「人の話を聞け!」

哩「で、弘世にはストッパーば頼み……弘世?」

菫「いい加減に私を巻き込むのを止めてくれっ!」イライラ

哩「部長なんやしそろそろ割り切れ!」

菫「……まあいい。お前一人でやるのか?」

哩「大星と真佑子に声掛けっとよ」ポチポチ

菫「随分場当たり的だな」

哩「ん、二人とも参加やって」

菫「お前たち、反応早すぎないか……?」ボソッ

哩「よし、姫子ん所へ行くか」

菫「確か今日の鶴田は……」

哩「真佑子と一緒に一般部室で指導対局中やね。さて、姫子ん所へlet's go!!」

菫(白水と淡……この二人が組むとロクなことが起きないような気がする……)

菫「手綱はきちんと握っておかないとな……」ボソッ

数分後 白糸台高校 麻雀部部室



ワイワイ ガヤガヤ

姫子「ロン! 11600の三本場は12500!!」パラッ

真佑子「終局ですね」パタン

一年生部員A「あ、ありがとうございました……」

一年生部員B「お疲れ様です……」

ガラッ

哩「姫子、お疲れ!」ピトッ

姫子「ひゃあっ!?」ビクンッ

菫(頬に冷たい飲み物を当てるとは……また古典的だな)

真佑子「あ、みんな集合!」

モブ部員一同「はいっ!」ゾロゾロ

菫(多治比は陽動か。根は真面目なあいつのことだ。移動先で牌譜見たりするんだろうな)

哩「なあ姫子」

姫子「……はい?」

哩「ちかっと後ろ見てみ」

姫子「……?」クルッ

哩「大星っ!」

淡「ここにいるぞー!!」ギュッ

姫子「ひゃわっ!?」

哩「よーし、大星っ! くすぐれっ!」

淡「合点承知っ!」コチョコチョ

姫子「えっ!? ひゃっ、ひゃあぁぁぁぁぁっ!?」

菫(淡のやつ、いつの間に入ってきたんだ……?)

姫子「せ、せんぱっ、やめさせ……」

哩「話す余裕があっか……大星! 手緩いぞ!」

淡「もっと強くやっていいの?」コチョコチョ

哩「構わん、やれっ!」

淡「オッケー、ヒメコに天国見せてあげるよ!」コチョコチョコチョコチョ

姫子「お、大星、どこ触っ……」ビビクン

淡「これが私の……全力、全開っ!」コチョコチョコチョコチョコチョコチョ

姫子「っ!? そこはっ!? い、嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」ビビクンビビクン











菫(その後聞いた話だが、この時の鶴田の痴態を写した写真が校内で流通していたとか。で、それが関係しているかは知らないが白水と淡はしばらくの間鶴田に無視されていたらしい。……ま、自業自得だな)ハァ

投下終了

ここまで投下が遅れたのもゲーム内のSS集が悪い

あ、なんとか限定版は買えましたよー


それでは意見感想要望乙お待ちしてます

外部との試合経験が無いと原作以上に淡が増長してしまいそうだ

皆様大変お待たせ致しました>>1です

基本、この物語では哩&淡がトラブルメーカーとなっております。そして大体は姫子か真佑子が被害を被るという。間接的に菫さんも胃に被害を被ってますが

>>609
はい。絶賛増長中です
山の神の修正パンチがくるまでしばらくお待ちください

では投下

8月上旬 白糸台高校宿泊ホテル エントランス



菫「ただいま」スタスタ

照「おかえりー」グテー

哩「お疲れ。で、組み合わせはどうなっと?」

真佑子「それは私から。私たち白糸台は第1シードで、同じ山には福岡の新道寺女子などがいます」

淡「なぁんだ、ザコばっかじゃん」

真佑子「……」ハァ

姫子(……身も蓋もなかね)

照「淡、世の中には言っていいことと悪いことがあるんだよ?」

淡「だって事実じゃん。あ、先に部屋行ってるねー」パタパタパタ

菫「……あいつ、部屋番号知ってるのか?」

哩「一応は。カードキーやったら私が持ってっけどな」スッ

照「まあ淡のことは置いといて、有力っぽい学校はどんな感じに分かれたの?」

真佑子「えっとですね……千里山は私たちの下の山で、部長や宮永先輩が興味持ってた阿知賀女子もここにいますね。あとは……」

菫「永水と姫松が同じ山だな。あと清澄と真嘉比もだったか」

姫子「……清澄?」キョトン

哩「ああ……」ナットク

菫「鶴田、長野の代表校だ」

姫子「あ、原村和がいる学校ですか」ナットク

照「臨海の山は?」

真佑子「有珠山が怪しいですがデータ不足なので何とも。その他には有力校と言える学校はないですね。それと私たちの山にいる新道寺……大体こんな感じです」

哩「……弘世、二回戦にはどこが来っか検討つくか?」

菫「そうだな……新道寺は当確として、苅安賀と栢山学院あたりじゃないか?」

照「菫の予想は大体外れるから当てにしないでね」

菫「……自覚はあるさ」ショボン

哩「……真佑子、今弘世が挙げた学校のデータば集めとき。少なくとも新道寺の分は無駄にならんばい」

真佑子「新道寺はさっき集めるように頼んでおきました。あと二校は決まってからでも遅くはないかと」

照「仕事早いね……」

ブーブー

姫子「宮永先輩、携帯鳴ってますよ」

照「ありがと。……淡からメールだ」パチン

哩「鍵か?」

照「うん。……そういえばさ、部屋分けってどうなってるの?」

菫「とりあえず鶴田と白水、淡の二人は別室だ」

哩「」ガーン

真佑子「自業自得じゃないですか」

菫「あとは……そうだな、私が白水と淡のお目付役を引き受けよう。照は鶴田に多治比と同室で構わないか?」

照「了解。でも、なんで今年は二部屋だけなの?」

菫「……今年は部員がだいぶ増えただろ? そのせいで宿泊費が跳ね上がって部費を相当圧迫してるらしい」

照「それで部屋の数が減ったってこと?」

菫「みたいだな」

真佑子「後援会とかないんですか?」

菫「あるにはあるが……口は出す癖に金は一切出さなくてな……」ドヨーン

真佑子(聞かなきゃ良かった……)

照(真佑子、見事に地雷を踏み抜いたね……)

哩「なあ弘世、そろそろ大星が泣き始めっぞ?」

菫「……だな。行くか」

真佑子「部屋はさっき決めた通りですよね?」

菫「ああ。あと、監督から伝言で『追加料金が発生するのはなるべく避けてね』だそうだ」

姫子「ルームサービスとかみたいなやつですね。了解しました!」

照「分かった。じゃあ私はお菓子買ってくるから先行ってて」スタスタスタ

菫「迷うなよ! ……って聞いてないか」ハァ

真佑子「宮永先輩はどうします?」

哩「置いてき。最悪電話なりメールなりすれば良かとよ」

菫「……そうだな。私達は先に行くとしようか」

一同「「「おーっ!」」」

数十分後 白糸台高校 宿泊ホテル 客室



コンコン

姫子「はーい!」パタパタパタ

照『私だけど……』

ガチャ

真佑子「宮永先輩、カードキーは……ああ」

姫子「こん荷物の量やと取り出すんも一苦労ですね」ハハハ

照「うん。カードキーのことにエレベーターの中で気付いて焦ったよ……」ズッシリ

真佑子「……でも、一人でこの量食べきれるんですか?」

照「大丈夫大丈夫。二人の分も込みで買ってきたから」ニコッ

姫子(こん量の三等分とか……正直、想像したくもなかよ)ドンヨリ

真佑子「いいんですか!? それじゃあ遠慮なく……」ガサガサ

ドンドン

姫子「……?」キョトン

ゴンゴンゴンゴンゴン

姫子「今開けます!」

ガチャ

淡「お菓子の匂いがする!」ドヤァ

姫子「……」イラッ

バタン カチッ

淡『うぇっ!? なんで閉めるのヒメコー!』ドンドンドン

菫『ここにいたか淡』

淡『げえっ!? スミレ……?』

菫『ああ。確かに私は弘世菫だが?』

淡『……逃げるが勝ちっ!』ダッ

菫『あっ、待てっ……』

姫子「……私はなんも見とらんし聞いてない。うん」

照「姫子ー、早く戻ってこないと真佑子にお菓子全取りされちゃうよー」

姫子「あ、今戻りまーす」パタパタ

姫子(しっかし、あんだけ食べてなんで宮永先輩は太らんと? 正直、同じ女として羨ましかよ……)

投下終了

これ、今のペースだと年内に終わらないような……

なお、準決勝は次々回からを予定しています

それでは意見感想要望乙お待ちしてますー

>>1です

最近不定期になりすぎて申し訳ないです

では投下

五日後 清澄高校宿泊ホテル 客室



姫子『ロン! 48000です!』

実況『試合終了っ! インターハイ5日目第1試合は王者・白糸台高校の独壇場っ! Aブロック準決勝には白糸台高校と2位の新道寺女子が進みます!』

解説『しかし、今年の白糸台は……凄い火力ですね。これでまだ弘世選手が後ろに控えているんですから……』

和「……」

優希「同じ麻雀を打ってるとは思えないじぇ……」

華菜「よく新道寺は耐えきったし……」

数絵「そのあたりは流石九州屈指の名門って感じがしますね……」ハァ

まこ「……流石、昨年のMVP投票3位の選手じゃのう」

久「百聞は一見に如かずとは言うけど……ここまで違うものなのね」

美穂子「そうですね。でも、それを考えると今見せるべき試合ではなかったかも知れませんね……」

和「……私、咲さんの所へ行って来ますっ!」タッ

久「ええ、道に迷わないようにね」

バタン

まこ「……和、聞こえとったかの?」

久「さあ? そういえば、確か別の局で第2試合の中継やってたわよね? そっちってどうなってるの?」

美穂子「確か……千里山・阿知賀・越谷・劔谷だったかしら?」

数絵「今チャンネル変えますね」

ポチッ

同時刻 インターハイ会場 白糸台高校控え室



哩「よしっ!」グッ

淡「ホッチキス……」スヤスヤ

照「私、姫子を迎えに行ってくるね」

菫「ああ。会見までには戻って来いよ?」

照「言われなくても分かってる。じゃ、またあとで」スタスタ

バタン

哩「……なあ弘世、向こうはどうなっと?」

菫「千里山か? 確か……」

ガチャ

真佑子「副将戦開始時点で千里山が首位を独走、2位は劔谷と阿知賀で争っている状況ですね。越谷は沈む一方で上がり目はなさそうです」

菫「……とのことだ」

哩「真佑子、ナイス説明」

真佑子「まあ仕事ですから」

菫「そういえば、新道寺の牌譜はどの位集まった?」

真佑子「ほぼ完璧です。分析班からは『副将及び大将は能力持ちの可能性大』と報告が上がってきてますが……」

哩「大星には言うだけ無駄ばい。副将のデータだけ弘世に渡しとき」

真佑子「どうせ大星は渡しても見ませんしね。副将の現段階で分かっているデータは持ってきました」スッ

菫「すまない、助かる」

真佑子「……推薦した私が言うのもアレですけど、大星の態度ってどうにかなりませんかね?」

哩「照も半分匙ば投げてっからな……」ハァ

菫「寝ているとは言え、本人の前で言うのはどうなんだ?」

真佑子「当分起きそうもないですしいいでしょう」

菫「……まあいい。その件についてだが、以前照に直接聞いたことがある。その時言われたよ。『プライドが粉々になるような無様な試合でもしないとあの性格は治らない。けど、私たちがやっても淡は変わらない。自分より下だと思っていた相手にやられないとダメ』とな……」

哩「そん可能性は否定できんな……」ハァ

真佑子「まあ、大将で無様な試合したら嫌でも変わりますよね。……大星の更正と引き換えに白糸台の連勝記録止まりますけど」ハァ

菫「……ちなみに、照曰わく体験談らしい」

真佑子「…………え?」

哩(妹絡みか? いや、まさかな……)

菫「……さて、私は記者会見の準備があるのでな。白水、後始末は任せるぞ」スタスタ

バタン

哩「せめて返事ば聞いてから出てけ」ボソッ

真佑子「あはは……」

哩「とりあえず、大星ば背負ってくか」

真佑子「……そうですね。起こそうとしても起きないでしょうし。でも、ホテルまで背負ってくのはさすがに無理ですよ?」

哩「なら起きるまで第2試合でも見てっか?」

真佑子「白糸台の制服で行ったら色々と目立つんでちょっと……」

哩「……テレビで見るつもりで言ったんやけどな」

真佑子「ならいいですけど……どこで見るつもりなんですか?」

哩「ここ?」

真佑子「……ですね。じゃあ、係員に追い出されるまでここで見てましょうか」
淡「」スヤスヤ

ポチッ

数時間後 記者会見場前 廊下



部員一同「お疲れ様です!」ザッ

菫「……これにはいつまで経っても慣れそうにないな」スタスタ

照「同感」スタスタ

菫「お前の営業スマイルも大概だがな」スタスタ

照「……仕方ないでしょ。ああなっちゃうんだし」スタスタ

菫「普通はならないだろ……ん?」ピタッ

照「どうしたの?」

菫「すまない照、先に戻っていてくれ」

照「構わないけど……何か用事?」

菫「まあそんなところだ。あと、ついでにこの行列も解散させるようにな」

照「はいはい。じゃ、あんまり遅くならないでよ?」

菫「お前みたいに迷う訳じゃないんだ。そう遅くはならないさ」

照「む……その言葉、信じるよ」

スタスタ

菫「……さて、隠れてないで出てきたらどうだ?」

?「……バレてたか」

菫「髪型でな」

?「準決勝進出、おめでとう」

菫「ありがとう。お前は……負けたんだったか」

?「ああ。先鋒戦でもう少し上手くやれたら……って思ってる」

菫「園城寺相手にプラス収支なら十分だろう? 私ならマイナスさ」ハハ

?「まあそうなんだが……結局負けたからな。そう思わずにはいられないんだよ」ハァ

菫「……」

?「……ああそうだ、阿知賀女子、ナメてかかると痛い目見るぞ」

菫「忠告、感謝する。……また、個人戦で会おう」

?「……えっ?」

菫「おい新井、なんだその反応は」

ソフィア「いや、お前が個人戦で全国まで来るとは思わなかったからつい……」

菫「……だよな」ズーン

ソフィア「……じ、準決勝頑張れよ!」

菫「ああ。言われずとも全力を尽くすさ」

ソフィア「私たちの分も……頼んだぞ」

スタスタ

菫「任せておけ……って聞こえてないか」ハァ

菫(普通、それって千里山や阿知賀に言う言葉じゃないか? だが……)

菫「負けられない理由、また一つ増えたな……」

投下終了

なぜ新井さんがまた出てきたのか自分でもわからない

あと、もしかしたらですが次回投下でも準決勝に入れないかも知れません。そのあたりご了承ください

では意見感想要望乙お待ちしてます

>>1です

忙しかったりもあり投下が遅れてすみません


これとは関係ないですが、小池の引退試合で涙が止まらないです。最終打席でHRは本当に……

それでは投下します

翌日 白糸台高校宿泊ホテル 客室(菫哩淡)



菫「……以上、これが現時点で分かっている相手の情報だ」

真佑子「先鋒戦、厳しくなりそうですけど……大丈夫ですか?」

照「厳しい戦局をどうにかするのが私の仕事だから。例え無茶でもやるだけだよ」

淡「」ウトウト

菫「淡は……案の定寝てるか」

淡「まだ寝てないもん……」プクー

哩「よー頑張った」ポン

淡「むー……とりあえず、オーラスのしんどーじに気をつければいいんだよね?」

真佑子「ウソ、大星が話を聞いてた……?」

淡「私だっていつも寝てるわけじゃないもん」ムスー

姫子「一切説得力なかばい」

菫「ハッキリ言うな……」ハハ

淡「テルー、ヒメコがいじめるぅ」ギュー

照「よしよし」ナデナデ

哩「なあ姫子」

姫子「……はい?」

哩「結婚しよう」

姫子「はい……ふぇっ?」カァァ

菫「お前はどさくさに紛れて何を言ってるんだ……」

照「そもそも日本は同性婚出来ないから」

真佑子「オランダとか行けって話ですよね」

哩「……なんで私んボケにはこぎゃんとに冷たかと?」シュン

淡「へー、マイルってボケでヒメコに『結婚しよう』なんて言うんだー」ジトー

姫子「せんぱぁい……」ジワァ

哩「うっ……」

照「可愛い後輩を泣かせるとか……最低」ボソッ

淡(あ、テルーも悪乗りし出した)

哩「」ズーン

真佑子「部長、こんな調子で明日大丈夫ですかね……?」

菫「知らん。まあ白水だし勝手に立ち直るだろう。というか立ち直ってくれ……」

姫子「多分大丈夫やと思いますけどね」サッ

真佑子「あれ? 今何か隠したような……」ボソッ

姫子「ん?」キョトン

真佑子「あ、何でもないよ」アハハ

菫(今、鶴田が目薬を持っていたのが見えたが……見なかったことにしよう。うん)

真佑子(あれ? さっきまでの引き締まった空気が一気に……これで明日大丈夫なのかな……?)ハァ

翌日 インターハイ会場 廊下



パシャッパシャッ

照「そろそろ行ってくるね」

菫「分かった。控え室の場所は覚えてるな?」

照「大丈夫。問題ないよ」

菫(不安だ……)

照「……本当に、大丈夫だから。あと、私の事心配する余裕があったら自分の心配した方がいいよ」

菫「部員の面倒を見るのが部長の仕事だろう? それを果たしているだけだ」

照「はいはい。じゃ、勝ってくるね」

淡「うん!」ニョキッ

菫「どこから湧いてきた!?」ビクッ

淡「マイヒメコンビにマスコミ全部押し付けてきちゃった」テヘ

照「まったく……」ナデナデ

菫「相変わらず淡には甘いな」

照「……これでも普段は厳しく接してるつもりなんだけどね」アハハ

淡「む~」ギュッ

菫「お前の厳しいは世間一般では甘いに分類されるぞ。で、行くんじゃなかったのか?」

照「……分かってる。淡、携帯預かってて」スッ

淡「うん!」

照「じゃあ、また後で」スタスタ

淡「……」

菫「さて、白水達を救出してから控え室に向かうぞ。……どうした淡?」

淡「なんでもないっ! 先に行ってるねっ!」クルッ

タッタッタッ

菫「あ、おいっ! ……って聞いてないか」ハァ

菫(照、お前が戻ってくるまで淡のお守りは引き受ける。だから……)

菫「絶対、勝って帰ってこいよ」ボソッ

数分後 インターハイ会場 対局室



照「……」ペラッ

照(そろそろ来たかな?)パタン

クルッ

怜「春以来やな。チャンピオン」スタスタ

照「その節はどうも。おかげで菫に怒られずに済んだよ」

玄(あれ? 園城寺さんとチャンピオンって知り合い?)

照「でも、いくら個人的に感謝してても手加減はしないから覚悟してね」

怜「それはなによりや。私が勝った時に言い訳されんで済むし」

照「……そう簡単に勝てると思わないでよ?」

怜「簡単にはできへん事をやってのけるんがエースの仕事や」

玄(あうぅ、なんだか割って入れないよ……)オドオド

煌「……仲がいいのはすばらなことですが、自分達の世界に入るのはすばらくないですね。松実さん、そろそろ席に着きましょうか」ポン

玄「あ、はい……」

玄(あれ? 新道寺の人、なんで私の名前知ってるんだろう?)




恒子『さあ、各選手がそれぞれの席に着きました! 全国大会準決勝第1試合……スタートですッ!!』



投下終了

次回はオーラスのあのシーンから

それでは意見感想要望乙お待ちしてます

>>1です

現実が多忙で書く時間が取れずここまで遅れてしまいました

まだ読者がいると信じて投下

Aブロック準決勝 先鋒戦オーラス2本場 ドラ三筒

白糸台(西東京) 宮永照 213800
千里山女子(北大阪) 園城寺怜 80900
阿知賀女子(奈良) 松実玄 57100
新道寺女子(福岡) 花田煌 48200

白糸台高校 控え室



淡「あ、テルー張ったね」

姫子「決まり……ですかね?」

哩「そいば言ったら決まるもんも決まらんぞ」

淡「あー、あるある。『やったか!?』って言ったら相手は無傷だとかそーゆーのだよね」ウンウン

菫「縁起でもないこと言うなよお前ら」イラッ

照『リーチ』ギュルギュル

煌『ポン!』

淡「スミレ、そんなにイライラしてると肌荒れるよ?」

菫「誰のせいだと思っているんだ」

姫子「あ、阿知賀も……」

哩「倍満張ったか」

玄『』トン

煌『ポン!』

淡「やっぱり阿知賀はドラ切らないねー」

哩「おそらく、ドラ切りには相応のデメリットがあっとね」

姫子「……刺されたりですかね?」

淡「自分にドラが来なくなるとかじゃない? 今更だけど、私が先鋒だったら結構キツかったかも」

菫「淡にしては珍しい発言だな。あと鶴田、お前はドラが彼女をストーキングしてるとでも言いたいのか?」

姫子「あはは……」

姫子(部長はボケても拾ってくれんとね……)シュン

哩「……うわ」

淡「また阿知賀がドラ引いたよ……キモッ」ボソッ

菫(カン裏乗せまくるお前が言うな)

姫子「あれ? 迷ってる……?」

淡「あっ……!?」







玄『リーチ!!』






哩「阿知賀が……」

菫「ドラを切った……!?」

恒子『八筒切りでリーチしておけば決まっていたぁ! なぜそうしなかったのかチャンピオンッ!!』

姫子「……出場選手の牌譜も見とらんと?」ボソッ

哩「おそらくこんアナの辞書に下調べって言葉はなかとね」

淡「このアナもだけどさ、解説のオバサンもなんか聞いてて不愉快かな……」

菫「……不愉快?」

健夜『でも……人は予想を超えてくる』

淡「なんだろ……なんかさ、選手を見下してるって言うか、暗に『私ならもっと上手くやる』みたいな事を言ってる気がして……」

菫「そういうのは過去の名選手にはありがちなことだな」

淡「そーなの?」

怜『ポン!』

哩「なんか小鍛治プロに浮いた話が出ん理由が分かった気がすっとよ」ボソッ

姫子「確かに、言葉ん節々に人を見下すような言い回しがある相手には近寄りたくなかとですね……」コクコク

照『……っ!』

菫「……当たり牌、掴まされたか」

哩「やね……」

玄『ロン!! メンタンピンイーぺーコードラ6……!! 16000の2本場は16600です!』

恒子『先鋒戦決着ッ!!』

菫「今更だが、お前らの立てたフラグがきっちり回収されたな」

哩「……大星が悪い」

淡「マイル、その言い草はないよ?」ギロッ

姫子(はぁ……)

菫「ん? 園城寺の様子が……?」

今回はここまで

また日曜日頃に続き投下できそうです

あと、姫子のターンは……いつか来ます


それでは意見感想要望乙お待ちしてます

お久しぶりです>>1です

文章は出来ていたのに度重なる寝落ちで投下できませんでした

今回はいつも以上に短いですが投下

同時刻 インターハイ会場 対局室



玄「おつかれさまですっ♪」

照「お疲れ様でした……」

煌「すばらでしたよ」

怜「……」

照「……ねえ、まだ寝るには早いんじゃないの?」

怜「あかん、刻が見えるわ……」

玄「園城寺さん!?」

怜「あ、おつかれさん」

玄「あの、大丈夫ですか?」

怜「……ん? ああ、どこぞの誰かのせいでアカン状態やね。多分立てへんかなー」ジトー

照「最初に手加減しないって言わなかったっけ?」

怜「……記憶にございません」

照「……まあいいや。立てないなら控え室まで連れてく?」

怜「全力で遠慮するわ。っと……!?」フラッ

ガシッ

照「病人なのに無理しないで」

怜「……自分で歩くわ」

照「出来ないくせに」

怜「……」プィッ

照「とりあえず入口まで行くから、しっかり掴まっててよ」

怜「……わかった」

スタ スタ

玄「花田さん、私たちも手伝った方がいいんじゃ……」クルッ

煌「これぞ青春! って感じでいいですねぇ……すばらです」ウットリ

玄(自分の世界に入り込んでて聞いてないよぉ……)グスッ

同時刻 実況席



恒子「いやぁ、これぞ青春! って感じがするよねすこやん!」

健夜「まあ、外に救急車が来てなかったらその通りだね……」

恒子「救急車? 嘘でしょ?」

健夜「冗談でこんなこと言わないよ!」

恒子「……だよねぇ」アハハ

健夜「もう、笑い事じゃないって……」ハァ

恒子「……このままだと次鋒戦までしばらく時間空くし、ここで先鋒戦のハイライトでも行っちゃう?」

健夜「そうだね。それがいいと思……」

恒子「それでは、VTRスタートッ!!」

健夜「えっ!? ちょっとぉ!!」アセアセ

白糸台高校 控え室



恒子『前半戦東1局。まず先手を取ったのは千里山女子・園城寺怜!』

健夜『何度見てもキレイなリーチ棒の立て方ですね』

恒子『いや、それも凄いけどさ……他になんかないの?』アハハ

淡「ちゃんと解説しよーよオバサン」ボソッ

姫子「まあ……うん」

菫(淡、お前はそれを本人の前で言えるのか?)

哩「」スタッ

姫子「あれ? もう行きんさるとですか?」

哩「ああ。たまには早く行くんも良かと思ってな」

菫「そうか。……油断するなよ?」

哩「言われるまでもなか。じゃ……」

クルッ

哩「勝ってくる。……必ず」グッ

投下終了

次鋒戦は次々回から開始になりそうです

それでは意見感想要望乙お待ちしてます

ああ、眠い……

>>1です

リアル多忙につき書けない……
そんな中なんとか時間空けて書いたんでだいぶ粗いです

では、投下

阿知賀女子学院 控え室



宥「それじゃ、行って来ます……」ファサッ

玄「お姉ちゃんファイトっ!」

灼「……お願いします」

穏乃「……あれ? 憧は?」

晴絵「そういえばさっきから見てないな。宥、もし途中で見かけたら……」

宥「はい。みんな心配してたから早く戻ってきてって伝えておきますね」

タッタッタッ

憧「ごめ、ちょっと遅れた……」ゼエゼエ

晴絵「……まったく、どこに行ってたんだ?」

憧「そんなことは後でいいでしょ!! ……宥姉、まだ時間ある?」

宥「少しならあるけど……どうしたの?」

憧「実は……」

実況席



恒子「さて、ハイライトも終わりましてあとは試合再開を待つばかりとなりました! ここで次鋒戦の選手紹介に移りたいと思います! ……すこやん、どこからにする?」

健夜「順位順でいいと思うけど、そこは言う前にちゃんと決めとこ……」

恒子「……まずは首位を独走する王者・白糸台高校! 次鋒を務めるのは白水哩!」

健夜「う……って、もしかして、私に聞く前から決めてた?」ショボン

恒子「気のせい気のせい。それより解説が落ち込んでてどーするの?」

健夜「誰のせいだと思ってる? ……白水選手は宮永選手を抜きにすれば白糸台で一番巧い闘牌をする選手だと思います。それに、どんな選手でも大なり小なり癖のようなものあるものですが、彼女にはそういった点は見受けられません。対戦相手としてはやりにくいでしょうね……」

恒子「なんだかすこやんにしては高評価だね」

健夜「……そうかな?」

恒子「間違いないよ。……続きまして追い掛ける千里山女子! エースが命懸けで守った点棒を守りきれるか? 次鋒は一年生の二条泉!」

健夜「昨年のインターミドルでは好成績を残していましたが、高校生の……トップレベルでどこまで打てるかは未知数ですね。千里山としてもここで踏ん張れるかが勝負所ですから、責任は重いと思います」

恒子「さて、二条選手はその責任を見事に果たせるのでしょうか!? 次、阿知賀女子の次鋒は……妹の敵討ちなるか!? 唯一の三年生、松実宥ッ!!」

健夜「敵討ちっておかしくないかな……? 彼女は地区予選からプラス収支を続けていますし、二回戦を見る限り対応力も高いように感じます。次鋒戦の台風の目になるかも知れませんね」

恒子「また高評価だね。……ついに若者にデレた?」

健夜「評価基準は昔から変えてないつもりなんだけど……」ハァ

恒子「老婆心も評価基準に入ったのかもね。最後に最下位に沈む新道寺女子! 次鋒は安河内美子!」

健夜「……ねぇ、こーこちゃん、夜道には注意してね?」ゴゴゴゴゴ

恒子「あ、あはは……」ダラリ

白糸台高校 控え室



健夜『それはさておき、彼女の強みは……』

ガチャ

照「ただいま……」

菫「照か。いつもよりだいぶ早いな?」

照「不謹慎だけど、先鋒戦では私以上にマスコミの的になる出来事があったからあんまり取材は来なかったかな……」

淡「あ、千里山の人?」

照「うん。病院に行ったみたいだし、これをダシにあることないこと書こうと考えてるんだろうね。あ、売店でお菓子買ってきたからみんなで分けて」ドサッ

姫子「はいっ!」シュタッ

淡「……ねえテルー、何で今回は"アレ"使わなかったの?」

照「あの卓で隙は見せられなかったから。でも、あっちのブロックの結果次第になるけど……」

恒子『Aブロック準決勝次鋒戦、スタートッ!!』

照「決勝では……使おうと思ってる」ゴッ

照(それより、園城寺さんは大丈夫かな……?)

投下終了

あ、前回の子守歌らしき何かはあまり効果ありませんでした。怖かったけど

次回はようやく次鋒戦突入。もう全国編のキャストが公開されてると思うと、自分の遅筆さがよくわかりますね

では意見感想要望乙お待ちしてます

大変長らくお待たせいたしました>>1です

就職活動やレポートの山、自分の体調と戦っていたらこんなに時間が経ってしまいました。申し訳ないです

では投下

Aブロック準決勝 次鋒戦前半 東1局



起家 白水哩(白糸台):196200
南家 二条泉(千里山女子):80900
西家 安河内美子(新道寺女子):48200
北家 松実宥(阿知賀女子):74700

対局室



哩(起家か……)

チャッ

哩(こん配牌やったら、縛る意味はなかとね)タンッ

泉(園城寺先輩の闘いを……無駄にはできへん!)タンッ

美子(この点差ならまだやりようはあるはず!)タン

宥「……リーチ」スチャッ

哩(速い!? まさか、配牌から既に真っ赤やったか……?)

宥(先手は取った。これで警戒してオリてくれればいいけど……)

阿知賀女子学院 控え室



恒子『おぉーっと、松実選手先制のダブルリーチィ!!』

穏乃「よしっ!」グッ

憧「宥姉、今日はノってるみたいだね」

晴絵「……なぁ憧、さっきは宥になんて言ったんだ?」

憧「ハルエなら気付いてるかも知れないけど、『白糸台の白水哩と鶴田姫子の和了る局は団体戦に限ればほとんど同じ。だから他家に差し込んででも白水哩に和了らせないで』ってね」

灼「でも、この調子なら差し込む必要もないかも」

晴絵「……確かに同じことは多いが、もしその予測が外れてたらどうするんだ?」

憧「私も念を押して何度も計算し直したけど、全部で90%近い数字が出たら流石に偶然で片付けるなんて出来ないわよ……」ハァ

晴絵「和だったらそれでも偶然だと言い張るだろうけどな」ハハハ

憧「……今、和は関係ないでしょ」ボソッ

穏乃「憧?」

宥『ツモ。2000・4000です』

恒子『次鋒戦、最初の和了は阿知賀女子・松実宥ッ!』

憧「なんでもない。宥姉、最初からかなり飛ばしてる?」

玄「うん。いつものお姉ちゃんならもう少し高い手を狙うと思うから……」

灼「……そう? いつもこんな感じだったと思うけど」

穏乃「それはともかく、これで……」

玄「二位浮上!」

ワーワー

憧(まだ次鋒戦始まったばかりなのに……気が早いわよ)ハァ

同時刻 白糸台高校 控え室



菫「予想よりは安く済んだな」

照「それでも痛くない訳じゃないけど」

淡「……あのさ、さっきからずーっと思ってたんだけど」

菫「どうした?」

淡「阿知賀の人、なんで真夏なのにあんな重装備なの?」

姫子「……さあ?」

菫「わからん。そういう病気なんじゃないか?」

照「能力のデメリットかも知れないけど……」

菫「……赤い牌が集まる代わりに常時厚着しなければならないということか?」

照「そう。可能性としてではあるけど、我ながらこじつけっぽいかな……」

菫「それに関しては一切否定できんな……」

淡「あ、そーいえばさヒメコ」

姫子「?」

淡「ちょっと前にマユコから聞いたんだけど……」

姫子「あ、そん先は言わんでよか」

淡「え? マイルの携帯覗いて遊ぶで合ってるよねスミレ、テルー?」

菫(私達に振らないでもらいたいな)

照(そんな話もあったなぁ……)シミジミ

姫子「……先輩、最近スマホに変えたんよ」

淡「みたいだねー。なんか色々聞かれたけど」

姫子「で、ロックNo.が解らん」

淡「あー、それは……」

照「どうしようもないよね……」

淡「……アレ? マイルのことだしヒメコの誕生日とかで設定してそうなんだけど……」

姫子「私が試さんかったと思ってん?」

照「あ、試したんだ」

菫(白水、さすがにそこまで安直なものにはしなかったか……)ホッ

姫子「はい。手当たり次第に色々入力してみ……」ビビクン

照「姫子?」

菫「この痙攣、白水が縛ったからだろう。だいたい満貫あたりか?」

姫子「は、はい……」ビクンビクン

照「菫はなんで痙攣見ただけでそこまで分かるの……?」

菫「慣れだ。慣れ」

淡「……慣れって怖い」ブルッ

菫「それにしても、満貫縛りをかけた割に手は良いな。跳満狙えるんじゃないか?」

照「平和に三色は見えるし、それに加えてリーチ一発ツモならなんとか跳満に届くね。阿知賀が黙っていてくれれば行けるかも」

泉『リーチッ!』

淡「え、こんな手でリーチかけるの? もったいなっ!!」

菫「……なるほど。速さの問題で和了れないだろう満貫より和了れる可能性の高い3900を選んだということか。一年とは言え千里山でレギュラーを掴んだだけのことはあるな」

照「うん。だけど……」

哩『リーチ』スチャッ

照「一瞬でも哩からマークを外すと」

哩『ツモ! 3000・6000!!」

照「痛い目に合うよ?」

対局室



哩「リザベーション、クリア」ボソッ

宥「……どうか、したんですか?」

哩「ん? いや別に……」

宥「ならいいんですけど……」

宥(小声で何か言ってたような気がしたけど、気のせいかな?)

哩(思わず口に出とったか……?)

泉(アカン、せっかくのチャンスが……)ズーン

美子(直撃貰わなかっただけマシ、だよね)

哩(点差は12万。こんだけあれば十分やし、後は早和了りで流すとすっか)フゥ

宥(……あれ? 白水さんの空気が緩んだ?)

哩「さ、次ん局行こうか!」

宥(そんなはず、ないよね)

投下終了

年末年始は頑張って投下しますのでご期待ください

しかし、Bブロック準決勝の展開がだいぶ早いように思うのは気のせいでしょうか?

では、意見感想要望乙お待ちしてます

皆様も体調にはお気をつけください

>>1です

年末年始頑張ったのにデータが消えて投下分が書き溜め諸共死亡した結果ここまで遅れてしまいました

一応の投下

>>1です

年末年始の頑張りは保存ミスにより消し飛びました。結局作り直していたらこんなことに

一応の投下

Aブロック準決勝 次峰戦前半東3局



東家 安河内美子(新道寺女子):43200
南家 松実宥(阿知賀女子):79700
西家 白水哩(白糸台):205200
北家 二条泉(千里山女子):71900

白糸台高校 控え室



哩『』タン

美子『ロン。11600です』

菫「……アイツらしくない放銃だな」

照「鳴き入れてる時点でらしくないような気もするけどね。点差は十分と考えて流してるのかな」

菫「流そうとしている割には打点も速さも中途半端に見えるがな……」

照「今まで火力で押し切ってきたし、その影響じゃない?」

菫「なるほど、無意識のうちに大物狙いになっているということか」

淡「……どーゆーこと?」キョトン

菫「元々が淡のような大物狙いのプレースタイルならいいんだが、そうでない選手がそうなると面倒なんだ」

照「いわゆる、ホームランの魔力ってやつだね」

姫子「ああ、一回打つとそん感触が忘れられんからまた打とうとして大振りしてフォームば崩すって話でしたっけ?」

淡「……?」キョトン

菫(淡には難しい話だったか?)

照「そう。人によってはいい方向に転がったりすることもあるけど……」

菫「今のアイツは完全にマイナス面が出てるな」

姫子(先輩……)

対局室



哩(油断があったんは否定できんが……新道寺、今までと打ち筋ば変えてきたんか? っと、聴牌か……)

宥「……?」キョトン

哩(阿知賀はリーチ。新道寺はわからんが……)

哩(きっちり取られた分は取り返さんとな!)

哩「リーチッ!」

泉「それ、ポンですっ!」

哩(なっ??)

美子(千里山もなりふり構っていられなくなった……? でも、私は勝負に出られる手でもないし、この局はオリ一択かな)タン

宥(うーん、あったかくないよぉ)タン

泉(なんとか安手やけど張った。今日はこうでもせんと和了れる気がせんかったし……あっ)

泉「つ、ツモ。400・700の一本場は500・800です」

哩(高め跳満やったんにな……とりあえず、次に切り替えんといかんか)ハァ

美子(今日は予想以上に戦えてる。このまま行けば、千里山の背中も見える!)








数分後 新道寺女子高校 控え室



美子『ツモ。1000・2000です』

恒子『東4局の和了は新道寺女子・安河内美子ッ!』

健夜『今日の安河内選手は素晴らしいですね』

煌「小鍛治プロの仰る通り、今日の安河内先輩はとてもすばらですね!」

仁美「美子がいいっちゅーか、他の三人が調子出とらんな」

煌「そうですか? 私にはそうは見えませんけど……」

仁美「阿知賀はまだしも、千里山は完全に気圧されとるし、白糸台は……覇気が足りんかな」

煌「そういうのって、画面越しでも分かるものですか?」

仁美「部長やっとるうちに多少はな。そういや、あん二人は?」

煌「さっき買い出しに行かせてませんでしたか?」

仁美「……ああ、そういえばそうやったな」

煌(この反応、忘れていたということでしょうか? だとしたらすばらくないですよ部長……)

ガチャ

?「只今戻りましたー!」

仁美「お疲れ。そこに置いといてくれれば良かよ」

?「分かりました。いやぁ、意外と軽くて助かりましたよ」ドサッ

仁美「そりゃ釣具一式と比べたら当然やろ」

煌「相変わらず、やる競技間違えてるよね誠子は」

誠子「花田にまで言われるとは思わなかったよ……」

煌「冗談のつもりだったんだけど……」

誠子「そうだと分かってても心に刺さるんだって。で、次鋒戦はどうなってますか?」

仁美「今は南1局やね。で、順位は阿知賀と千里山が入れ替わっとる」

誠子「……ですね。このまま行けば、千里山は最下位まで落ちそうな気もしますけど」

煌「どうして?」

誠子「あんな不安そうな顔してたら釣れる魚も釣れないよ。麻雀でも同じで、和了れるのに和了る道筋が見えなくなる。私はそう思ってる。あと、安河内先輩ならなんとかしてくれそうだし」

煌「安河内先輩については同意するけど、釣りと麻雀を同列に見るのは無理矢理じゃない?」

仁美「そいはともかく、気持ちが折れっと勝てる相手にも勝てんっちゅーのは事実やけんな。で、亦野」

誠子「はい?」

仁美「渋谷は?」

誠子「……ちょっと迎えに行ってきますっ??」ダッ

煌(誠子、尭深の体力を考えてなかったなんて……すばらくないよ)ハァ

大変お久しぶりとなります>>1です

今日の夜に投下しに来ますー


数十分後 白糸台高校宿泊ホテル



恒子『前半戦終了ォォッ??』

カタカタ カタカタ

三年生部員A「あれ、もう前半戦終わり?」

三年生部員B「あ、ホントだ。……しかし、Bブロック準決勝の四校の牌譜をまとめるのも辛いよねー」

二年生部員A「下手すると、本気の宮永先輩相手するレベルで精神力削られますね」

三年生部員A「……部活でのあれが本気だと思ってたの?」

二年生部員A「えっ?」

三年生部員B「今はともかく、入学前の宮永さんは凄まじかったらしいよ。なんでも、中学時代に実績が無かったのに特待生待遇だったから、先輩達に絡まれたんだって」

二年生部員A「……入学前に?」

三年生部員A「当時は、首都圏在住の人対象で入学前の顔合わせを兼ねた合同練習みたいなのがあったんだよ。その時の話」

三年生部員B「で、その先輩たちと打った時、宮永さんは起家だったんだけど、その先輩達に親番回さずに全員飛ばした……って話があってね」

二年生部員A「……起家で、ですか?」

三年生部員B「そう。しかも、その先輩達は全員が『牌を握れなくなった』みたいで、私たちが入学する頃には退部してたよ」

三年生部員A「で、退部した全員がレギュラークラスの選手だったっていうね……」

二年生部員A「大星も似たようなことやりましたけど、それが霞んで見えたのは気のせいですか……?」

三年生部員B「それはノーコメントで」

コンコン

二年生部員A「あ、私が出ますね」スタスタ


三年生部員B「……買い出し組かな?」

三年生部員A「でしょ。まだ昼食にはだいぶ早いけどねー」

ガチャ

真佑子「ランチタイムに買いに行くよりは人が少ないぶんマシですよ……」

三年生部員A「うわ、すっごい量」

真佑子「部長たちへの差し入れもまとめて買いましたから……」

三年生部員A「えっ、これ抱えて会場まで行くの??」

三年生部員B「いや、さすがに全部な訳ないでしょ。……ない、よね?」

真佑子「半分は差し入れですね」

三年生部員A「……いや、それでも量が旅行帰りの荷物並にあるんだけど」

真佑子「持っていけない量じゃないですから」

三年生部員A「……頑張ってね?」

真佑子「頑張ります。……そういえば、試合はどんな感じですか?」

三年生部員A「あ、えーっと……」

三年生部員B「ごめん、牌譜まとめるのに必死で見てなかったんだ……」

真佑子「……行く途中に自分で確認しますから気を落とさないでください」

三年生部員B「うん、ごめん……」

真佑子「じゃあ、私はこれで失礼しますね。部長たちへの伝言とかはありますか?」

三年生部員B「あ、じゃあ部長に『阿知賀の副将にも気を付けて』って伝えといてくれる?」

真佑子「分かりました。あとは何かありますか?」

三年生部員A「……なさそうだね」

真佑子「では、失礼します」スタスタ

バタン

二年生部員A「……本当に、大丈夫なんでしょうか?」

三年生部員B「荷物のこと? 大丈夫じゃなかったとしても、あの子は表に出さないからね……」

三年生部員A「監督に連絡して車で送ってもらう?」

二年生部員B「あのー、監督は学校で居残り組の練習を見てるはずです……」オズオズ

三年生部員B「うーん、そうなると居残り組も結構数がいたし、抜けてきてもらうのも無理っぽいか」

三年生部員A「私たちじゃ、どうしようもないね」

二年生部員A「みたいですね……」

一同「はぁ……」


白糸台高校 控え室



照「はぁ……」

菫「どうした?」

照「いや、良く考えてみたんだけど……」

菫「何をだよ」

照「哩が鍵、取ってないなって思って。二回戦で注意したからだと思うけどさ……」

菫「確か成功したのが一回だったか。鶴田を信じていない訳ではないが、中堅戦が少し心配だな」

淡「どーして?」

姫子「千里山の江口は園城寺の前のエースやし、新道寺の江崎も火力に定評があっとね」

淡「あ、殴り合いで競り負けるかもってこと?」

姫子「……そん可能性は、否定できん」

菫「私はお前が江口のプレースタイルを知っていることが驚きだよ」

淡「え? だってその人、去年テルと打ってたじゃん」

照「確かにそうだけど、よく覚えてたね」

淡「高校100年生だから当然だよ!」

姫子「115歳のくせに、肌キレイやね。羨ましかよ……」

菫「気持ちは分からんでもないが、他に言うことはなかったのか……」ハァ

照「まあそれはそれとして、哩が帰って来ないけど?」

淡「トイレで吐いてるんじゃない?」

菫「まさか。大口叩いたのに収支マイナスだったから顔を出しにくいだけじゃないか?」

姫子(先輩、実はあれでプレッシャーに弱いし大星の言ったこともあり得そうではあっけど……)

照「私は菫に同意するけど……姫子?」

姫子「は、はいっ!」

照「疲れてるなら寝てていいからね?」

姫子「心配には及ばんとですよ!」

照「ならいいけど」

姫子(せっかく頼れる先輩ってポジションば確立したんに、そいば台無しにしかねん事は……言わん方が良かね)


同時刻 インターハイ会場内 某所



ゴクゴク

哩「はぁ……」

ポイッ ガコン

哩「お前は控え室に戻らんと?」

?「大丈夫。それより自分の収支の心配した方が……」

哩「美子、敵の心配する余裕が新道寺にあっか?」

美子「ない、けど……」

哩「なら、こぎゃんとトコで油ば売っとらんで控え室に……」

美子「久しぶりに会ったんやけんちょこっと話でもしようかいなって」

哩「……」

美子「哩、中学の頃より弱くなりよった?」

哩「お前は喧嘩売りに来たんか」ハァ

美子「そ、そぎゃんこと……」

哩「っと、もう時間か」

美子「ウソッ??」

哩「私は先に行ってっから」スタスタ

美子「ちょっ、飲み物だけ買わせて……ああっ??」チャリンチャリンチャリーン

哩(……小銭でもぶちまけたんか? まあ、対応も面倒やし聞かんかったことにすっか。うん)


数分後 インターハイ会場 実況席



恒子「さぁて、大変長らくお待たせ致しました!」

健夜「長らく……?」

恒子「そんなトコばっか気にするから婚期逃してアラフォーになっちゃったんだよ」

健夜「アラサーだよ?? あと、まだ婚期は逃してないからね??」

恒子「うーん、最近さ、すこやんの反応がテンプレ化してきたよね。なんかもっと……」

健夜「もっと?」

恒子「『悔しい! でもかん……』」

ドコォッ

健夜「……ただ今、福与アナの発言に不適切な表現が含まれそうだったことを関係者を代表してお詫び申し上げます」

恒子「」ビクンビクン

健夜「……思わず全力でやっちゃったけど、もしかして、これってこーこちゃんが目を覚ますまで私だけで回さないといけないのかな? あ、カンペだ」

カンペ『責任取ってくださいね』

健夜「なんか書き方に悪意を感じるけど、仕方ないか……」ゴホン

健夜「さて、対局室に選手が次々と戻ってまいりました。現在首位を独走する白糸台高校。その尾を捉えるのは果たして三校のうちどこになるのでしょうか?」

恒子「」ビクンビクン

健夜「……Aブロック準決勝次鋒戦後半、試合開始ですっ?? 」

投下終了

ここが落ちている間に変な電波を受信したら最後がああなったでござる

それでは意見感想乙要望お待ちしてますー

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年09月22日 (日) 02:20:30   ID: jW_EsN9-

姫子のSSを漁ってたら見つけました~
かなり面白いので期待してます!

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