食蜂「あなたに教えてほしいな、幸せっていうのを」絹旗「…もちろんですよ」(348)


とある科学の超電磁砲を主体とした食蜂さんと絹旗ちゃんがメインのSSです。
注意事項をよくお読みの上、閲覧してくれると嬉しいです。
無理だと思ったら、戻るのボタンをオススメします。

・キャラや設定のズレの可能性あり
・百合+カップリングの要素の可能性あり
>>1は初SS
・地の文とセリフ形式が若干混じってる

では、投下を始めます。感想、いただけると嬉しいです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1351769485

「はぁっ…はぁっ…」

少女は走る。
ただ走る。
走り続ける。

「きーぬはたぁー?」

後ろの悪魔から逃れるために。

絹旗「い、嫌ですーっ!超いやぁぁぁっ!まだ死にたくないっ」

「ぎゃははははっ!オラオラもっと無様に逃げやがれぇ!」

絹旗「だれか…っ!誰か、助けて…っ!!」

路地裏から表通りに出る。
時間は午前二時。
まともな人間なら夢の中にいるはずの時刻だった。
閑散とした町を、ただ走り続けた。
後ろには汗一つ流していない悪人面の麦野がいた。

絹旗「…きゃあっ」

どさっ。
後ろを時折振り返りながら走っていた絹旗は、何か柔らかいものにぶつかった。
近くで絹旗と同様の悲鳴が聞こえる。
同時に絹旗が上の状態で倒れこんでしまった。

絹旗「すっ、すみませんっ!大丈夫ですか?!」

「いたた…。もう、こんな時間にランニングぅ?危ないゾ」

絹旗「ランニングというか……」

麦野「おーい!鬼ごっこは終わりかぁ?絹旗ちゃぁぁんんん!」

絹旗「…ひっ」

「?あの人は…」

絹旗「とっ、ともかく!あなたも逃げますよ!」

「ふぇ?え、えっ?!ちょっと!」

混乱している目の前の少女の手を握り、一直線に走った。

麦野「…ん…?あの女…」

麦野が自分が手を繋いだ少女に反応していることも知らず。


「はぁっ…はー…はぁっ…はー…はぁっ……あぅ……ふぅ」

目の前の少女は滝のような汗を流したまま、地べたに座り込んでしまった。
あれから、何時間走っただろうか。
気がつけば、麦野はいなくなっていた。
おまけに太陽も昇り始めていたが。
巻き込んでしまったことに罪悪感を感じつつ、近くの自販機で買った飲み物を息の荒い少女に差し出す。


絹旗「巻き込んでしまって、すみません…。あの、これよかったら…」

「えっ、…あ、ありがとう…」

熱で赤い頬を、更に赤くして少女はそれを受け取った。
まるで宝石を見るように、それをじっと見つめている。

絹旗「もしかして…ヤシの実サイダー超嫌いでしたか?」

「え、あ、ううん!ちがうの!」

首がちぎれてしまうんじゃないかと思うくらいに激しく横に振る。口元を緩ませたまま、少女は缶を手の中で転がしていた。

絹旗「えっと…。あの、寮はどこですか?送っていきます」

「あぁ、うん。大丈夫よ?ほら、あそこ」

絹旗「あそこ?」

少女が指差した先を見ると、立派な建物があった。
条件反射の速度で少女の制服を見る。
さっきまでは暗くて見えなかったが、目の前の少女が着ている制服は学園都市の名門『常磐台中学』の制服である。

『常磐台中学』
学園都市の中でも片手で数えるほどしかない選ばれた名門校の座を持つ中学。
中学なのに高校と同じ内容を習っている、入れるのはレベル3(強能力者)以上などといった異例を放つ学校である。
レベル5(超能力者)を二人抱えていることでも有名である。

絹旗「すっっ、すみません!すみません!常磐台の方を引きずり回すような真似をして!」

「いいわよ~。疲れたけど、それなりに楽しかったし…ふふ」

絹旗「…?」

「わたしね。能力の関係で何の下心もなしに、誰かに手を繋いでもらったりとか、プレゼントをもらったりとか、初めてなの」

プレゼント。
たかだか100円とちょっとのジュースに対して、常磐台のお嬢様はそう言った。

「だから、嬉しかったわ。ありがとうね」

にぱぁ、と
屈託のない笑顔を彼女は見せた。

「だから、お礼にわたしの部屋に寄っていかない?」

絹旗「え、でも、常磐台の寮って…」

「うふふ。大丈夫。わたしの能力でなんとかしちゃうわ」

彼女は絹旗の手を握り、微笑を携えながら絹旗を寮へと連れて行った。


「おい!食蜂!何時だと思っているんだ!それに客人を呼ぶ時は申請を…」

「えい☆記憶の改竄改竄☆」ピッ

☆「おかえりなさいませ。お客様、ゆっくりしていってください」☆

「本当はあんまりこういうこと好きじゃないんだけど…。ふふ、内緒よ?」

絹旗「はーい」

「あらぁ、そんなに珍しい?」

絹旗「はい!常磐台の寮って、やっぱり超立派ですね!」

「ふふ。じゃあ、わたしの部屋に向かいましょうか?」

辺りを落ち着きなく見渡す絹旗に微笑みながら、通路を歩いていると、一室の扉が開いた。

???「では、私はシャワーを浴びたあとは支部に向かいますので」

???「了解。何かあったらすぐに呼んでちょうだいね?」

黒子「お姉様の手を煩わせるほど、黒子は落ちてなどいませんわ。ところでお姉様、本日は何をするおつもりで?」

???「んー。どっかの研究所から研究強力の依頼がきてるのよねー」

黒子「さすが私のお姉様ですわ!常磐台のエースの名にふさわしい…あら?」

???「うげ。食蜂…?」

「あらぁ。御坂さんに白井さんじゃない」

黒子「おはようございます、食蜂様」

美琴「…その子は?」

絹旗「わ、私ですか?」

「彼女はわたしのお友だちよ。そういえば、寮に帰らなくて大丈夫なの?」

絹旗「あ…」

現在絹旗は、暗部組織『アイテム』の
所有するとあるマンションに住んでいる。
この前の仕事でちょっとしたミスをして、麦野にお仕置きという名目の処刑を食らいそうになって逃げたのだ。
つまり、現在の絹旗には家がない。

絹旗「その、ですね…。ちょっと事情があって、寮がないんです…」

美琴「えっ?じゃあどうするの…?」

絹旗「お金はありますから、しばらくはホテル暮らしですかね…」

「だったらぁ、ここに住めばいいんじゃない?」

黒子「はぇ?」

「わたしの能力で、寮監さんをピピピッ☆と」

黒子「羨まし…じゃなくて!風紀委員(ジャッジメント)として見逃せませんわ!」

美琴「私も羨まし…じゃなくて!ダメよ、そんなこと!」

「えー?二人とも、真面目すぎよぉ。ね、とりあえずわたしの部屋に行こう?」

絹旗「え、あ、はい」

半ば流されるように連れていかれる絹旗最愛中学一年生であった。




・ω・なう

・ω・ろーでぃんぐ

・ω・なの

絹旗「ふわぁ…綺麗な部屋ぁ…」

「うふふ。ベッドに座って?」

絹旗「あ、はい」

片方の空いたベッドに座る。彼女も空いたベッドに座る。
なんだか違和感があるような気がする。

絹旗「あれ?相部屋じゃないんですか?」

「わたし、心理系の能力だから、近くに人がいるとちょっと…」

絹旗「そうなんですか…」

「でも、のんびりできるからいいわよぉ?学校だと、派閥とか色々あって人に囲まれてるから」

絹旗「派閥なんてあるんですか…。さすが超常磐台ですね」

「ふふ。どうする?汗かいちゃったからシャワー浴びてく?」

絹旗「え、いいんですか?超部外者の私が」

「大丈夫大丈夫☆着替えは貸してあげるわね」

絹旗「すみません…、何から何までしてもらって」

「プレゼントのお礼だと思ってくれればいいわぁ。はい☆」

絹旗「あ、ありがとうござ…」

どん☆



絹旗「」

「?」

絹旗「す、すみません。もう少し小さめの、上の下着はありますか?」

「あ、ごめんなさい」


絹旗最愛中学一年生。
ちょっぴり胸が寂しいことが一番の悩み。


【入浴場】

「シャワー浴びてから、お風呂に入りましょうかぁ」

絹旗「はーい。わっ、超広い!」


黒子「」プスプス←真っ黒子

美琴「まったく…」


絹旗「ちょっ!大丈夫ですか?ツインテの人!」

美琴「あー、気にしないで。いつものことだから」

絹旗「いえっ、気にしますよ!大丈夫ですかぁー?」ユサユサ

返事がない。ただの黒子のようだ。

「わたしは先にシャワー浴びてるわねぇ。御坂さんも常磐台の“エース”なんだから、能力の乱用は避けてほしいわぁ」

美琴「あんたに言われたくないわよ」

絹旗「御坂…エース…ま、まさか!あの『超電磁砲(レールガン)』ですかっ?!」

美琴「あー、うん。そうね」

絹旗「ふわおおお!麦野から第三位の座を奪った『超電磁砲(レールガン)』!ふおおお!」ウキャーッ

美琴「麦野?あ、第四位の?」

「…」シャワシャワ

絹旗「はい。超怖い美女です」

美琴「へーぇ、あなた凄いのね。第四位さんを呼び捨てできるなんて」

絹旗「まぁ、なんというか…それなりの付き合いですからね」

黒子「ケフッ…って!もうこんな時間ですの?!遅刻ですの!お姉様、失礼しますの!」ヒュンッ

絹旗「うおっ。超消えた」

美琴「あの子は常磐台に一人しかいないレベル4(大能力者)の『空間移動(テレポート)』だからね」

絹旗「超すげぇ!あ、私シャワー浴びますね」

美琴「はいはい。私は部屋にいるから、相談したかったらいつでも来てちょうだい。二年の御坂美琴よ」

絹旗「はい、超ありがとうございます!私は絹旗最愛と申します。では」ガチャ

美琴「…ふふ、かわいい子ね」


(入浴シーンは割愛)


絹旗「ふぁー!超さっぱりしました!」ガー

「…そうねぇ。汗でびちょびちょだったもの」ガー

絹旗「あ、シャンプーとか、ありがとうございました」ガー

「いえいえ。ところで、その制服きつくないかしら?」ガー

絹旗「超大丈夫ですよー。よし、乾いたっと」カチッ

「あ、ごめんなさい。ちょっと待っててもらえる?」ガー

絹旗「超もちろんです。長い髪は乾かすの大変ですよねー」

「そうなのよねぇ。わたしの場合、金髪だからすぐ痛むしぃ」ガー

絹旗「超綺麗ですけど、地毛ですか?」

「うん。珍しいでしょう?」ガー

絹旗「でも、すっごく綺麗ですよ!私は超好きです!」

「…あ、ありがとう」カチッ

絹旗「えへへ」

「…ねぇ、わたしの部屋なら空いてるわよ?」

絹旗「…へ?」

「わたしの部屋に泊まっていかない?」

絹旗「え、でも…いいんですか?」

「えぇ。わたしの能力で…」

絹旗「だ、ダメですよ!私なんかのために…それに、あなたは相部屋がダメなんじゃ…?」

「…あなたなら、いい気がするの。わたし、克服したいの。能力の副作用を」

絹旗「…」

「寮監さんにも理事長にもわたしの方から話しておくわ。ダメ、かしら…」

絹旗「…いいんですか…?」

「!も、もちろん!」

絹旗「じゃあ、今日はお世話になりますっ。私、絹旗最愛っていいます」

食蜂「わたしは…食蜂操祈。絹旗さん、よろしくね」

絹旗「はい!」






窒素をまとい、周りから自分を隔離する少女『絹旗最愛』と

能力故に、無償の愛を知らずに生きてきた少女『食蜂操祈』。


二人の物語の扉はゆっくりと開き始めた。


「プロローグ~出会い」投下終了です。
量が多いのが少ないのかちょっと微妙なとこですね…。
感想、ご意見、質問、お好きにどうぞ。
あと、ここが変だぞーってところあったらびしばしどうぞ。

「」のあとのカタカナ…実はメモ用紙の時点では半角だったのですが…。
はい、私のミスでございます。

補足+小ネタを少々投下しまーす・ω・

【補足+小ネタ】
・キャラの性格ごとに「私」と「わたし」を使い分けています。ご了承を。

>>1は、漫画派なので、食蜂さんのキャラは8巻までのキャラで組み立てています。

・フレンダはまだ生きてますよ。というか、フレンダ好きなので。

・浜滝は確定です


では。次回投下はまだ未定ですが一週間以内には報告します。



期待しま



ワクワクしながら待ってます

みさきち頑張れ

期待する

暗部の人間がレベル5を知らないものなのか

色々突っ込みたい部分はあるが、とりあえずみさきちの寮と美琴の寮は別じゃね?

屑で糞スレ。

こんにちはです。
初回投下の部分に訂正部分が多かったので、準備ができ次第、推敲したverを投下したいと思います。
次回投下分はできたら今夜には。
初回投下分が気にならなかった方は、適当に流してください。

まず最初にレス返しをしていこうかと。

>>15
>>16
>>17
ありがとうございます!期待に応えられるように頑張ります。

>>18
それに関してですが、次回投下分でわかります。ご了承を。

>>19
おう…。私のミスです。実は最初の注意書きの部分に
「御坂と食蜂は同寮という設定になっております」
という部分がある予定だったんです。
一応これには、本編に関わる理由がありますので、ご了承を。

>>20
稚拙なものを読んで頂き、ありがとうございました。
もし出来るなら、簡単でいいので、ダメだった点を述べてくれると嬉しいです。

あと、いくつか読んでて疑問に思われたであろう場所の補足を。


麦野が性格悪すぎる気がする
 →この話の主軸として、「絹旗・食蜂・麦野の改心」というのが根源にあります。
ですので、あのような状態の麦野を登場させました。

食蜂はなんであんな時間に外を?
 →それに関してましては、物語が進むにつれわかるかと…。

めちゃくちゃ走ったあとにヤシの実サイダーはないだろ
 →もあいちゃんですから。ちょっぴりぬけてるんです。

食蜂が寮監に能力使ってる件について。
 →理事長に使うくらいなんだから、寮監や教師に使っていてもおかしくはないのではないか、
 という独自解釈です。

絹旗何故居座る
 →麦野が怖いからです。
 帰ったら絹/旗になりますから。

相部屋なのに一人って…
 →理事長に能力使ってあれやこれをしているという独自解釈です。
 
御坂と仲良くなってね?
 →御坂を毛嫌いしている麦野に殺されかけたんですから、
 それに反抗しようとした子供心が働いています。
 ちょっとわかりづらかったですね。



新しい注意書きです。
目を通してくださると幸いです。

では。


【注意事項】
このSSは「とある科学の超電磁砲」を主体とした、絹旗・食蜂がメインの
基本ほのぼの、たまにシリアスをめざしたSSです。

注意事項をよくお読みの上、閲覧してくださると嬉しいです。

・カップリングの要素あり。
・現時点では未定ですが、百合の展開の可能性あり。
・物語の都合上、御坂&白井と食蜂が同じ寮に住んでいます。
・キャラや設定の崩壊、独自解釈(要注意!)あり。

>>1はSS投稿が初めてです。
至らぬ点がありましたら、どんどん突っ込んでくれると嬉しいです。

感想や意見、質問や批評など。
書いてもらえると、>>1は嬉しいです。

【カップリングの予定】
・浜面×滝壺

【メインキャラの予定(仮)】
・絹旗最愛
・食蜂操祈
・御坂美琴
・麦野沈利
・佐天涙子





―――プロローグ。



それは、陽射しが温かくなってきた六月の始まり。

二人の少女が交差するお話。

「はぁっ…はぁっ…」

少女は走る。
ただ走る。
走り続ける。

「きーぬはたぁー?」

後ろの悪魔から逃れるために。

絹旗「い、嫌ですーっ!超いやぁぁぁっ!まだ死にたくないっ」

「ぎゃははははっ!オラオラもっと無様に逃げやがれぇ!
 お仕置きは確定だけどなぁぁ!」

絹旗「だれか…っ!誰か、助けて…っ!!」

路地裏から表通りに出る。
時間は午前二時。
まともな人間なら夢の中にいるはずの時刻だった。
閑散とした夜の町を、ただ走り続けた。
後ろには汗一つ流さず走り続ける悪鬼のような麦野がいた。

絹旗「…きゃあっ」

どんっ。
後ろを時折振り返りながら走っていた絹旗は、突然何か柔らかいものにぶつかった。
近くで絹旗と同様の悲鳴が聞こえる。
同時に絹旗が上の状態で倒れこんでしまった。

絹旗「すっ、すみませんっ!大丈夫ですか?!」

「いたた…。もう、こんな時間にランニングぅ?危ないゾ」

絹旗「ランニングというか……」

麦野「おーい!鬼ごっこは終わりかぁ?絹旗ちゃぁぁんんん!」

絹旗「…ひっっ」

「?あの人は…」

絹旗「とっ、ともかく!あなたも逃げますよ!」

「ふぇ?え、えっ?!ちょっと!」

混乱している目の前の少女の手を握り、一直線に走った。

麦野「…ん…?あの女…」

麦野が足を止めていることも知らず。


「はぁっ…はー…はぁっ…はー…はぁっ……あぅ……ふぅ」

目の前の少女は滝のような汗を流したまま、地べたに座り込んでしまった。
あれから、何時間走っただろうか。
気がつけば、麦野はいなくなっていた。
おまけに太陽も昇り始めていたが。
右方左方をただただ麦野から逃げるために走り続けていたからである。

巻き込んでしまったことに罪悪感を感じつつ、近くの自販機で買った飲み物を息の荒い少女に差し出す。


絹旗「巻き込んでしまって、すみません…。あの、これよかったら…」

「えっ、…あ、ありがとう…」

熱で赤い頬を、更に赤くして少女はそれをおずおずと受け取った。
まるで生まれて初めてそれを見るように、絹旗の渡した缶をじっと見つめている。

絹旗「もしかして…ヤシの実サイダー超嫌いでしたか?」

「え、あ、ううん!ちがうの!」

首がちぎれてしまうんじゃないかと思うくらいに激しく横に振る。口元を緩ませたまま、少女は嬉しそうに缶を手の中で転がしていた。

絹旗「えっと…。あの、寮はどこですか?送っていきます」

「あぁ、うん。大丈夫よ?ほら、あそこ」

絹旗「あそこ?」

少女が指差した先を見ると、立派な建物があった。
というより、立派すぎる建物があった。
条件反射の速度で少女の制服を見る。
走っている最中は暗くて見えなかったが、目の前の少女が着ている制服は学園都市の名門『常磐台中学』の制服である。

『常磐台中学』
学園都市の中でも片手で数えるほどしかない選ばれた名門校の座を持つ中学。
中学なのに高校と同じ内容を習っている、入れるのはレベル3(強能力者)以上などといった特殊な、というより秀ですぎた学校である。
レベル5(超能力者)を二人抱えていることでも有名である。

絹旗「すっっ、すみません!すみません!常磐台の方を引きずり回すような真似をして!」

「いいわよ~。疲れたけど、それなりに楽しかったし…ふふ」

常盤台の少女は、缶に視線を落としたまま、続けた。

絹旗「…?」

「わたしね。能力の関係で何の下心もなしに、
 誰かに手を繋いでもらったりとか、プレゼントをもらったりとか、初めてなの」

プレゼント。
たかだか100円とちょっとのジュースに対して、常磐台のお嬢様はそう言った。

「だから、嬉しかったわ。ありがとうね」

にぱぁ、と
屈託のない笑顔を彼女は顔をあげて、絹旗に見せた。

「だから、お礼にわたしの部屋に寄っていかない?」

絹旗「え、でも、常磐台の寮って…」

「うふふ。大丈夫。わたしの能力でなんとかしちゃうわ」

彼女は絹旗の手を握り、微笑を携えながら絹旗を寮へと引っ張っていった。

絹旗は内心焦りながら、
どこか安堵の感情を知らず知らずのうちに感じていた。




「おい!食蜂!何時だと思っているんだ!それに客人を呼ぶ時は申請を…」

「えい☆記憶の改竄改竄☆」ピッ

☆「おかえりなさいませ。お客様、ゆっくりしていってください」☆

「ふふ、内緒よ?」

絹旗「はーい。しっかし、まぁ…」キョロキョロ

「あらぁ、そんなに興味があるの?」

絹旗「はい!常磐台の寮って、やっぱり超立派ですね!」

「ふふ。じゃあ、とりあえずわたしの部屋に向かいましょうか?」

辺りを落ち着きなく見渡す絹旗にほんのりと食蜂と呼ばれた少女は微笑んだ。
目の前で記憶の改竄という出来事が起こっていたのに、
それを微塵も気にしていないのは暗部の人間の性なのであろうか。
通路を歩いていると、一室の扉が開いた。

???「では、私はシャワーを浴びたあとは支部に向かいますので」

???「了解。何かあったらすぐに呼んでちょうだいね?」

黒子「お姉様の手を煩わせるほど、黒子は落ちてなどいませんわ。
   ところでお姉様、本日は何をするおつもりで?」

???「んー。どっかの研究所から研究強力の依頼がきてるのよねー」

黒子「さすが私のお姉様ですわ!常磐台のエースの名にふさわしい…あら?」

???「うげ。食蜂…?」

「あらぁ。御坂さんに白井さんじゃない」

黒子「おはようございます、食蜂様」

美琴「…その子は?」

絹旗「わ、私ですか?」

「彼女はわたしのお友だちよ。そういえば、寮に帰らなくて大丈夫なの?」

絹旗「あ…」

現在絹旗は、暗部組織『アイテム』の
所有するとあるマンションに住んでいる。
この前の仕事でちょっとしたミスをして、麦野にお仕置きという名目の処刑を食らいそうになって逃げたのだ。
つまり、現在の絹旗には家がない。
というか、戻ったら確実に麦野にお仕置きをされてしまう。

絹旗「その、ですね…。ちょっと超事情があって、寮がないんです…」

美琴「えっ?じゃあどうするの?」

絹旗「お金はありますから、しばらくはホテル暮らしですかね…」

「だったらぁ、ここに住めばいいんじゃない?」

黒子「はぇ?」

「わたしの能力で、寮監さんをピピピッ☆と」

黒子「羨まし…じゃなくて!風紀委員(ジャッジメント)として見逃せませんわ!」

美琴「私も羨まし…じゃなくて!ダメよ、そんなこと!」

「えー?二人とも、真面目すぎよぉ。ね、とりあえずわたしの部屋に行こう?」

絹旗「え、あ、はい」

後ろで文句を垂れている二人を残して、
半ば流されるように連れていかれる絹旗最愛中学一年生であった。




・ω・なう

・ω・ろーでぃんぐ

・ω・なの


絹旗「ふわぁ…超綺麗な部屋ぁ…」

「うふふ。ベッドに座って?」

絹旗「あ、はい」

片方の空いたベッドに座る。彼女も鏡映しのように空いたベッドに座る。
なんだか違和感があるような気がする。
二つベッドがあるのに、一人しか部屋の住居人がいないのだ。

絹旗「あれ?相部屋じゃないんですか?」

「わたし、心理系の能力だから、近くに人がいるとちょっと…ストレスで…」

絹旗「そうなんですか…」

「でも、のんびりできるからいいわよぉ?
 学校だと、派閥とかあっていっつも人に囲まれてるから」

絹旗「派閥なんてあるんですか…。さすが超常磐台ですね」

「そうかしらぁ。どうする?汗かいちゃったからシャワー浴びてく?」

絹旗「え、いいんですか?超部外者の私が」

「大丈夫大丈夫☆着替えは貸してあげるわね」

絹旗「すみません…、何から何までしてもらって」

「プレゼントのお礼だと思ってくれればいいわぁ。はい☆」

絹旗「あ、ありがとうござ…」

どん☆



絹旗「」

「?」

絹旗「す、すみません。もう少し小さめの、ブラはありますか?」

「あ、ごめんなさい」


絹旗最愛中学一年生。
ちょっぴり胸が寂しいことが一番の悩み。
しょんぼりと項垂れてしまう絹旗であった。

【入浴場】

「はーい、ここのシャワーはどれを使ってもいいわよぉ」

絹旗「はーい。わっ、超広い!」


黒子「」プスプス←真っ黒子

美琴「まったく…」


浴室の扉を開けると、炭のように焼け焦げた先ほどの黒子という少女が倒れていた。
その横に紫電を散らすお姉様と呼ばれていた少女が、呆れた面持ちで立っていた。

絹旗「ちょっ!大丈夫ですか?ツインテの人!」

美琴「あー、気にしないで。いつものことだから」

絹旗「いえっ、気にしますよ!大丈夫ですかー?」ユサユサ

返事がない。ただの黒子のようだ。

「わたしは先にシャワー浴びてるわねぇ。
 御坂さんも常磐台の“エース”なんだから、能力の乱用は避けてほしいわぁ」

美琴「はっ。あんたに言われたくないわよ」

絹旗「御坂…エース…ま、まさか!あの『超電磁砲(レールガン)』ですかっ?!」

美琴「あー、うん。そうね」

絹旗「ふわおおお!麦野から第三位の座を奪った『超電磁砲(レールガン)』の御坂さんですか?!
   ふおおお!」ウキャーッ

美琴「麦野?あ、第四位の?」

「…」シャワシャワ

絹旗「はい。超怖い美女です」

美琴「へーぇ、あなた凄いのね。第四位さんを呼び捨てできるなんて」

絹旗「まぁ、…それなりの付き合いですからね
   私は麦野になんていわれようと、御坂さんと超仲良くします!
   ふふふ…超悔しがるでしょうねぇー。今朝の恨みです!」

黒子「ケフッ…って!もうこんな時間ですの?!遅刻しますの!お姉様、失礼しますの!」ヒュンッ

絹旗「うおっ。超消えた」

美琴「あの子は常磐台に一人しかいない
   レベル4(大能力者)の『空間移動(テレポート)』だからね」

絹旗「超すげぇ!あ、私シャワー浴びますね」

美琴「はいはい。私は部屋にいるから、
   相談したかったらいつでも来てちょうだい。二年の御坂美琴よ」

絹旗「はい、超ありがとうございます!私は絹旗最愛と申します。では」ガチャ

美琴「…ふふ、かわいい子ね」



絹旗「ふおー…超気持ちいいですー」シャワー

「あ、シャンプーとかいるでしょ?はい」

絹旗「あ、どうも」

シャワールームの一室一室は、摩りガラスで隔てられている。
しかし、所詮は摩りガラス。
目をこらせば、横にいる人間の裸体のシルエットが見えてしまうのだ。

絹旗(…くっ。麦野も、滝壺さんも、フレンダも…!
    あ。フレンダには負けていませんでしたね。
   ま、まだ成長期ですから!超成長途中ですから!)

一人心の中でそう叫んでいた。

絹旗「ふぁー!超さっぱりしました!」ガー

「…そうねぇ。いっぱい走って汗でびちょびちょだったもの」ガー

絹旗「あ、シャンプーとか、超ありがとうございました」ガー

「いえいえ。ところで、その制服きつくないかしら?」ガー

絹旗「超大丈夫ですよー。よし、乾いたっと」カチッ

「あ、ごめんなさい。ちょっと待っててもらえる?」ガー

絹旗「超もちろんです。長い髪は乾かすの大変ですよねー」

ドライヤーにコードをまいて、机の端に置く。
横では少女の濡れた麦のような髪が、ドライヤーの温風で揺れていた。
きらきらと、水飛沫が飛んで、その美しさを縁取っていた。

「そうなのよねぇ。わたしの場合、金髪だからすぐ痛むしぃ」ガー

絹旗「超綺麗ですけど、地毛ですか?」

「うん。珍しいでしょう?」ガー

絹旗「でも、すっごく綺麗ですよ!私は超好きです!」

「…あ、ありがとう…」カチッ

ドライヤーのスイッチを押しながら、下を向いた。
赤く染まった頬を見られないように、と。

絹旗「えへへ」

絹旗はそれに気づいたのか、気づかなかったのか。
綿のようにふんわりと笑った。

しかし。
絹旗には問題が一つある。
今後の居住をどうするか、である。
シャワーを借りるならまだしも、永遠に泊まることは不可能だ。
その小さなスイートピーのような顔を苦渋に沈ませ、唸っていた。

「…ねぇ、わたしの部屋なら空いてるわよ?」

絹旗「…へ?」

「わたしの部屋に今日は泊まっていかない?」

絹旗「え、でも……私は、」

暗部の人間で。
誰かの優しさを受けることなど、いけないのに。

「それとも…わたしは嫌…?御坂さんなら、いいの…?」

少女が、あまりにも悲しそうに絹旗を見つめるのだから。
絹旗が暗部の人間であるという事実が、
水の中で広がる波のように揺らいでいた。

絹旗「そ、そういうわけじゃないです!私は、あなたに迷惑をかけた人間なんですよ?
   それに、あなたは相部屋がダメなんじゃ…」

焦る絹旗を見て、少しだけ悲しそうに、
でも、少しだけ勇気を奮ったように。
少女は答えた。

「…あなたなら、大丈夫だと思うの。
  わたし、克服したいの。能力の副作用を。わたしも、誰かと一緒にいれるようになりたい」

絹旗「…」

「寮監さんにも理事長さんにもわたしの方から話しておくわ。
  どうしても、ダメ、かしら…」

絹旗「…本当に、いいんですか…?」

「!も、もちろんよ!」

まるで、餌を与えられた子犬のように少女の表情に明かりがともる。
―――そんな、顔をされて。
       断れるわけないじゃないですか。
少しだけ、少しだけなら…
いい、ですよね?
私も、少しの間だけでも、普通の女の子になりたいです…。

絹旗「じゃあ、今日はお世話になりますっ。私、絹旗最愛っていいます」

食蜂「わたしは…食蜂操祈。絹旗さん、よろしくね」

絹旗「はい!」


二人の表情は、柔らかなもので。
だけど、どこか硬かった。
その先にある、確かな未来に怯えていたから。





窒素をまとい、周りから無意識に自分を隔離する少女『絹旗最愛』。

持ってしまった能力故に、無償の愛を知らずに生きてきた少女『食蜂操祈』。


二人の物語の扉はゆっくりと開き始めた。








初回投下分(推敲ver)、投下終了です。

次回投下分は、9時ごろには投下するつもりです。

それでは。

おつかれさんま。

乙乙!
面白いから続き期待してる

9時ごろには、とか言ったくせに遅れてしまいすみません…あたしってほんとばか。

では、レス返しを。

>>42
ありがとうございます!秋刀魚が食べたくなっちゃいましたよ。

>>43
ありがとうございます!励みになります!

では、投下していきます。





―――第2話 「4と5」

食蜂「とりあえず☆朝ごはん、食べましょ?」

絹旗「きたー!超きたー!一日の活力!」ワクワク

食蜂「あらぁ、意外に食いしん坊サンなのね?」クスクス

絹旗「い、いいじゃないですかーっ//」カァッ

【食堂】

ずらりと並ぶ品々の数。
流石は名門お嬢様学校の常盤台である。
偉い人は足元にも金をかけている、とは言うが、
常盤台では朝ご飯にも膨大な資金をかけているようだ。
和・洋・中、すべてを揃えたバイキング形式の食事である。
そこかかしこから漂う香りに、空腹のお腹がはやくはやくと迫らせる。

「女王、おはようございます」

今か今か、と飛び出し行きそうな絹旗をよそに、
食蜂の側近の一番格であろう少女が声をかけてきた。

食蜂「おはよう☆この子はわたしの友だちの絹旗さんだゾ」

絹旗「き、絹旗最愛です。どうも(ドリル超すげぇ)」

側近の少女は絹旗を一瞥すると、すぐにふんわりと微笑を浮かべた。

「ゆっくりしていってくださいね。女王。本日のご予定は?」

食蜂「んーとぉ、絹旗さんと出掛けようかなぁ。派閥の会議は適当に進めておいてちょうだい」

「かしこまりした」

食蜂「行こう?絹旗さん」

絹旗「はい!」

遠さがる二人の背を、正確には、
いつも背中を追いかけていた女王の後ろ姿を、ただただ側近の少女は見つめていた。



>>47
×「かしこまりした」
〇「かしこまりました」


ドイツから取り寄せたというウインナー、からっと揚げた小金色のポテト、
甘い香りの漂うコーンスープ、大きなクロワッサン、オレンジにメロン。

絹旗の皿にはこれでもか、というくらいに出来たてのご飯たちがのっていた。
対する食蜂は、フルーツと小さなパンといった感じであった。

食事を選び終えると、食蜂の派閥の一員が声をかけてくる。
彼女に席を譲られ、ようやく絹旗は糾弾するかのような胃袋を大人しくさせることができた。






一方、とある高級マンションの一室では―――


「ちっ…なんで絹旗が…」

苛立ちを露にする麦野が、腹いせに足下に置いてあった誰かのDVDケースを蹴り飛ばす。
麦野に蹴り飛ばされた、否吹き飛ばされたDVDケースは壁に衝突し、粉々に砕けた。
壁に穴を開けるというオプション付きで。

それほどまでに麦野はむしゃくしゃしていた。

整った壮麗な顔つきを怒りに歪ませ、柳眉を寄せて。

第五位。
食蜂操祈。
レベル5(超能力者)。
『心理掌握(メンタルアウト)』。

第四位である麦野からすれば、いわば格下の存在であった。

麦野から第三位の座を奪い去った、乳臭いガキの『超電磁砲』や、
いけすかない第二位の『未元物質(ダークマター)』、
圧倒的な第一位『一方通行(アクセラレータ)』。

この三人は何が何でも、麦野が許せない相手だった。

負けず嫌いとプライドの象徴のような麦野からすれば、
自分より格上の人間は、それだけでブチ殺したくなる存在だ。

だからこそ、『アイテム』の絹旗たちには呪詛のように言い続けた。

第一位、第二位、第三位。

あいつらは、ブチ殺し対象だと。
絶対に仲良くなんか、なってはいけないと。

では、反対に
第五位、第六位、第七位
はどうだろうか。

第六位に関しては麦野は彼(彼女?)と接触したことがない。

第七位に関しても同様。

――第五位は?

麦野沈利は
能力が発現した、レベル5に認定されたその日から、
周囲から化け物扱いされていた。

第五位も麦野たちと変わらず、
むしろそれ以上に『異常』と見られていた。

『心理掌握』。
心理系に関することなら、なんでも出来てしまう能力。
心を読むことも、相手を強制的に言い成りにすることも、洗脳することも。

人々は、彼女を恐れた。
麦野たちとは違った種類の、破壊の能力を持つ彼女を。

彼女は能力故に、研究者たちがどれだけ表面を取り繕うと、どうしてもわかってしまったのだ。
研究者たちが、顔面の皮の裏に下心を潜ませていることに。

生まれ持った才能。

“それ”を手に入れた瞬間から、第五位の彼女は、最強の精神感応系の能力者の彼女は、

世界が色を失ってしまった。

何もかも、信じられなくなってしまった。

お世辞にも麦野は心優しい人物であるとはいえないが、
第五位に対して無意識のうちに、同じ化物である仲間に対して、情を抱いていた。

それがどんな類の情なのかは、麦野自身もよくわかってはいなかった。

口に出さずとも、存在すら知らない振りをしていようと。
『アイテム』の絹旗たちに、彼女の存在を知らせなくても。

麦野は、食蜂操祈を、可哀想だと思っていた。

そして、わかっていたのだ。
彼女は人と接することができない。
だからこそ、絹旗たちに接触させないように、と。
彼女の存在も名前も、能力も知らせなかった。

だけど、彼女に同情すると同時に、麦野は―――



『アイテム』の仲間の絹旗が、第五位と接触しているのを見て。
絹旗が、第五位と手を繋いだのを見て。

得も知れぬ恐怖と憎悪が腹の底から、沸々と煮えだしていた。

絹旗がとられてしまう?
いや、そんなことはどうでもいい。

だが、彼女の『心理掌握』をもってすれば、そんなことは朝飯前だろう。

レベル5の麦野と共に戦える数少ない仲間の絹旗が、
格下の存在である第五位にとられてしまうかもしれない。

麦野が思い浮かぶその未来が、
麦野にどうすることもできない苛立ちを呼び起こす。

格下なのに、
麦野が無意識的にとはいえ、情けをかけている相手なのに。

麦野(…絹旗…)


???「むぎの?」

怒りに任せて頭を掻きむしっていると、背中からのんびりとした声が聞こえた。
その正体は、滝壺理后である。レベル4の『能力追跡(AIMストーカー)』の持ち主である。
大人しめなピンクのジャージに、ぼんやりと主張された滑らかな体系。
しかし、出るところはちゃんと出ている。
意思の弱そうな、というか何も考えていなさそうな黒目がちの瞳が、半分開いた状態で麦野を見据えていた。

麦野「…滝壺か」

滝壺「きぬはた、まだ帰ってないの?」

麦野「えぇ。第五位のところにいるのかもね」

滝壺「むぎの?」

麦野「何」

滝壺「…せっかく綺麗な顔してるんだから、怒っちゃダメ」

麦野「…なんだそれ」

???「あ。絹旗印のDVDが大変なことになってるって訳よ」

滝壺「フレンダ。キャミソールだけだとちょっといやらしい」

フレンダ「むーぎの☆どお?」

麦野の目の前でアホなポーズをしているのは、フレンダ=セイヴェルン。
天然もののウェーブのかかったフランス人形のような金髪に、
日本人ではないことを明確にする青空のような瞳。
腰に手をあてて、(隆起の乏しい)体をくねらせる。
そのさいに、薄手のキャミソールがめくれ、白い腹が見える。
日光がフレンダの金色の髪を輝かせている。
格好はどうであれ、まるで絵画から抜け出した女神のようであった。

麦野「死ね」

フレンダ「し、死ねは酷すぎるって訳よ!ちょっとは見てよ!」

麦野「そんな貧相な体じゃムラムラしねぇっての」

フレンダ「ひ、貧相…?!」

滝壺「大丈夫。毎晩バストアップ体操を隠れてしてるフレンダを私は応援してる」

フレンダ「しなくていいー!」


今日も『アイテム』は、なんだかんだで平和であった。

一人、焦燥と苛立ちを抱いている麦野を除いて。




・ω・now

・ω・loading

・ω・って訳よ


食蜂「ねーぇ。絹旗さぁん?」カチャカチャ

絹旗「なんでしょうか?」モキュモキュ

食蜂「絹旗さんはどこの学校に籍を置いてるの?」パクッ

絹旗「えーと、一応常磐台ですね。
   でもまともに通ってないんで、籍だけって感じです」ゴクン

食蜂「あらぁ?だったら寮にいても問題ないんじゃないかしら?」ホムホム

絹旗「えー?手続きとか、超いるんじゃないですか?」モキュモキュ

食蜂「そこはわたしがなんとかするわよぉ。一応最高学年だしぃ?」ハムハム

絹旗「あ、やっぱりですか」パクッ

食蜂「やっぱりって?」カチャ

絹旗「……とても素晴らしい発育が超物語っています」ホムホム

食蜂「んぅー?自覚ないけどなぁ☆」

絹旗「…あぅ。超理不尽ですぅ」

まだ途中なんですが、ここで投下を一端中止します。

続きは明日には、投下できるかと…。

中途半端で申し訳ないです。

では。寒くなってきたので、皆さん風邪には気をつけてくださいね。

乙でした

乙です!

未来編ですか…楽しみですね

おつかれんこん

乙んこ

みさきちと美琴は同じ中学2年じゃなかったっけ>一応最高学年だしぃ?

乙乙
面白いな
投下楽しみにしてます

こんばんは。
皆さん、閲覧&レスありがとうございます!>>1の糧になります。
今夜の投下は、
①番外・みにまむ劇場
②本編 第2話 「4と5」の続き
を投下してきたいと思います。

では、レス返しを。

>>57
レスありがとうございます!乙の一言で、嬉しくなっちゃう単純な>>1なのです。

>>58
レスありがとうございます!
このSSの時系列は、原作開始よりちょっと前ということになっていますが…。
原作の設定はあくまで予定ということになっているので、ずれる可能性ありですね…。

>>59
レスありがとうございます!れんこんは煮物ですよね。

>>60
レスありがとうございます!
確認してみたら、美琴と同級生でした…。
ご指摘、ありがとうございます!
胸部的に最高学年かと思ってました。

>>61
レスありがとうございます!たくさん投下できるように頑張りますね!


訂正箇所
食蜂は>>60さんの仰るように、美琴と同級生(つまり二年生)ということになります。
脳内変換よろしくお願いします…すみません。

では、
『番外・みにまむ劇場』
を投下していきたいと思います!




―――番外・みにまむ劇場―――

    ぱーと いち!


『番外・みにまむ』劇場の注意書き。

・本編に一切関係ありません。
・皆が幼児になっています。(一部のキャラは保育士さんです)
・学年は雰囲気から決めてます。
・カップリング要素あり。



ここはとある保育園。
様々な園児と、少しキャラの濃い先生方がいる。

【砂場】
はまづら「とうまー!今日は泥団子大戦しようぜー!」

かみじょう「おー!かみじょうさんは負けませんことよー?
    あくせられーたもやろうぜ!」

あくせられーた「ン…。ヒーローがそういうなら…」

かきね「あー?もやしも参加すんのかよ?
    俺も混ぜろ」

はまづら「いいぜー。かきねは俺と同じチームな!」

きぬはた「ちょう待ってください!私もちょう参加するです!」

たきつぼ「はまづら…頑張って。私ははまづらをずっと応援してる」

はまづら「おう!任せろ!」

みさかわーすと「あれーん?あくせられーたちゃんも参加しちゃうのかニャーン?
        だったら、このミサカも参加しないとねぇ!」

みさか「あ、ちょっと!わ、私も参加するわよ!
    べ、別にあんたのためじゃないから!」

かみじょう「ありがとな!みさか!」

みさか「な、撫でないでよ!///」プンスコ

しらい「おねえさまあああああああああああああ!!」ムキーッ



なんやかんやでチームが決まって。

<かみじょうチーム>
・かみじょう(年中)
・あくせられーた(年中)
・みさか(年中)
・しらい(年少)

<はまづらチーム>
・はまづら(年中)
・かきね(年中)
・きぬはた(年少)
・みさかわーすと(年長)

【ルール】
泥団子があたったら、失格。
能力の使用はあり。


むすじめ「はーい。みんな、怪我しないようにねー?」

かみじょう「むすじめせんせーい!はやくはやく!」

むすじめ「はいはい。じゃあ、よーい…スタート!」



【はまづらチーム視点】でお送りします。

はまづら「よし!お前ら、隠れたか!?」

きぬはた「ちょう隠れました!」

かきね「よし。ここは園内第二位の俺に任せろ。
    あっちには、くそもやしがいる。
    あいつの能力は泥団子の作成に適している」

みさかわーすと「はいはーい。ねぇ、ミサカの能力はー?」

かきね「お前の能力を使えば、泥団子を作れるだろうな。
    しかも、砂鉄をいれれば操れるだろうし」

きぬはた「あのー。それは向こうのみさかさんもちょうやると思うのですが」

はまづら(あれ。俺、リーダーなのに会話についていけない)

かきね「そして、俺の能力。きぬはたの能力も利用できるぞ」

きぬはた「ちょうどういうことですか?」

かきね「お前が纏っている窒素に、俺の『未元物質』を混ぜる。
    そうすれば、より強固された窒素になる。
    つまり、目には見えないバリアーが貼れるということだ!」

はまづら「おおー!なんだかよくわからんがすげぇ!!
     かきね!それ、全員にできるか?」

かきね「俺の『未元物質』に常識は通用しねぇ」フンス

はまづら「さすがだな!かきね!」

みさかわーすと「さすが第二位さんじゃーん?」ニヤニヤ

かきね「ふ、ふん!次は配置についてだ…」

ヒュンッ
しらい「じゃっじめんとでしゅの!」キリッ

はまづら「うお!空間移動のしらいじゃねーか!」

かきね「ちっ!慌てるな!各自武器を持て!」
※泥団子のことです。

みさかわーすと「はいはーい☆
        ミサカ特性砂鉄いり泥団子をいただいちゃえ☆」バチバチッ

しらい「あ、甘いでしゅの!」ヒュンッ

きぬはた「ちょう面倒な能力ですね!えいっ」ブンッ =●

しらい「遅いでしゅわ!」ヒュンッ ブンッ =●

きぬはた「うおっ!ちょう危ねぇ!」スカッ

かきね「おし、全員にバリアー貼ったぞ!
    あとはこの白黒をリンチだ!」

しらい「しらいくろこでしゅの!
    白黒じゃありましぇんの!」ムキーッ

みさかわーすと「んじゃ、このミサカに決めさせてもらうよー?
        おらぁっ!」 ゴォッ =●

しらい「!」

ベチャッ

はまづら「おし!まずは一人だな!」

しらい「ふふふふ…お姉様のお姉様に汚されてしまいました…
     ぐふふふふふ…」ハァハァ

みさかわーすと「ちょ、ちょっと!?こっちに来ないでほしいんだけども!?」

しらい「怯えるお姉様のお姉様も素敵でしゅの…」ハァハァ

みさかわーすと「う、うわ、うわ…た、助けてあくせられーたぁ…!」ビクビク

うなばら「はい。そこまでですよ。しらいさん」ヒョイ

しらい「は、放してくださいまし!うなばら先生!」ジタバタ

うなばら「しらいさんは退場しましょうねー。
     こんなに汚れて…ごしごしもしないといけませんね。
     行きますよ」

しらい「いやでしゅのーーーー!!」ジタバタ

かきね(さすがミサコン…。風のように速く来たな)

みさかわーすと「た、助かった…」ホッ

きぬはた「助けてあくせられーたぁ…(裏声)」ニヤニヤ

みさかわーすと「!」

きぬはた「助けてあくせ」

みさかわーすと「も、もーっ!うるさいな!このおちび!
        二回も言うなーーっ」バチバチ

はまづら「漏電してんだけど!?」

きぬはた「ぬっふふふ。わーすとさんもまだまだちょう子供ですねぇー?」ニヤニヤ

みさかわーすと「きぬはたに言われたくないし!
        園内でもトップレベルの小ささのくせに!」

きぬはた「んなっ!し、しらいさんの方がちょう小さいです!」

かきね(どんぐりの背比べだろ、どう考えても)

浜面
垣根
ワースト
絹旗

あれこれ噛ませシリーズみたいな気がしてくる

かきね「…しかし、レベル4のしらいがあんなにあっさりと負けるものか?」

きぬはた「…そうですね。もしかして…」

みさかわーすと「時間稼ぎ…?あの子の能力なら、一番適してるけどさ」

はまづら「そんな仲間を捨てるような戦い方するのか?あいつらが…」

かきね「…他に誰かが、助言したか」

めじゃーはーと「あったりー」

かきね「!おまえ…」

めじゃーはーと「ふふ。無様に負けてくれると嬉しいんだけど?
        べ、べつに負けたあなたを慰めてあげようだなんて思ってないんだから!
        負けたあなたを見て笑うだけなんだから!」カァッ

みさかわーすと「ツンデレ乙」プークスクス

きぬはた(お前が言うな)

はまづら(リア充爆発しろ)

かきね「…ちっ。悪いが、負けられないんだよ」

めじゃーはーと「…ふ、ふーん。そ、そうなんだ。
        ま、わたしには関係ないけどね」

かきね「何なんだ、アイツ」

はまづら「お前が何なんだ」

きぬはた「鈍感ってちょう罪ですね。死んでください」

みさかわーすと「…まるであの人みたい。あの人も気づいてくれないんだから…」ボソッ

かきね「あ?んだオマエら。絶望させっぞ」





>>70
噛ませシリーズとは一体なんですか?
どこかの作品と被ってたのでしょうか…。



【観戦組】
たきつぼ「はまづらは…今日もかっこいい…」ポー

こんごう「そうですか?うなばら先生の方が凛々しいですわ」

るいこ「いやー!強いですね!みなさん!
    ういはるも撮影ばっかしてないで、ちゃんと見ればー?」

ういはる「見てますよー。レンズごしに」●REC

ふれんだ「ねー!どっちが勝つかかけない?
     今日のおやつのプリンね!」

みさかいもうと「いやですよとミサカは即答します」

ふれんだ「もー!つれないなー」プンスコ



打ち止め「今日は時間の都合上、ここで打ち止めだよ!
     明日の朝は早く起きて投下すると思うから待っててくれると嬉しいな!
     ってミサカはミサカはおねだりしてみたり!」

文型の私に戦闘?シーンは難しい…。
明日の朝に
みにまむ劇場の後編、
第2話の後編、投下します。

感想、お待ちしています。
第2話の後編を待っている方、すみません…ちょっと原子崩し浴びてきます。

>>72
はまづらとかみじょうさんは本気で戦いあってるわけではないので…
ぶっちゃけめじゃーはーとちゃんみたいな横入れもあるので、
どっちが有利かはまだわからない感じにしようかなーと。

おはようございます。
では、
みにまむ劇場ぱーといちの後編、
本編第2話の後編の順で投下していきたいと思います。



みさかわーすと「!曲者っ」バチバチバチッ

かみじょう「うおっ!」キュイン

はまづら「!三人同時に来やがったか!」ササッ

みさか「くろこの仇、とらせてもらうわよ?」ビリビリッ

かきね「第一位……頂上決戦としゃれこもうか?」バサッ

きぬはた「ブフッ(いつ見てもちょう笑えますね)」

あくせられーた「…ン。わかった」

はまづら「んじゃ、かみじょうは俺とか?」ザッ

かみじょう「だな。はまづら!」ザッ

きぬはた「無能力者のはまづらじゃ、かみじょう相手はちょうきついでしょう。       
     私もちょう手伝ってやります」フンス

かみじょう「」

みさか「…じゃ、アンタとは私ね?」ビリビリ

みさかわーすと「きゃは☆お手柔らかに頼むよ?おねーさま♪」バリバリ






かきね「俺の『未元物質』に常識は通用しねぇ!」ゴオッ

あくせられーた「ここから先は一方通行だ」ゴオッ


ういはる「ついに頂上戦ですよ!」ワクワク

るいこ「え。まずくないですか、先生」

むすじめ「可愛いからいいとするわ」キラキラ

るいこ「」

たきつぼ「すごい…あの二人の周り、ハリケーンがおこってる…」

かみじょう「かみじょうさんだって、伊達に鍛えていませんよー?
      はまづらが俺に勝てるっていう幻想を抱いてい」

はまづら「そぉいっ」 ブンッ =●

かみじょう「あぶねっ」

きぬはた「ぶっちゃけ、いつも思うんですけど。
     かみじょうが説教している間に攻撃すればちょう勝てますよね」

かみじょう「最後まで言わせてくれませんか!?ねぇ!?」



みさかわーすと「きゃは♪あたんないよ!お姉様!」

みさか「…悪いけど、こっちにはコレがあんのよ?」スッ

みさかわーすと「!『超電磁砲』使う気?
        だったら、このミサカも…」スッ

みさか「ふふ。園内の電気能力者のトップ同士、やっちゃいましょうか?」

みさかわーすと「もちろんだよ!お姉様!」バチバチッ

うなばら(御坂遺伝子は可愛いですね…)●REC

こもえ「うなばら先生ー?あとでちょっとお話があるですよー」

うなばら「こ、こもえ園長!?ま、待ってください!僕は何もしていません!
     え、園長~~!」




あくせられーた「!…無害な物質に『未元物質』を混ぜやがったか…」

かきね「おうよ。お前が前にヤられていた方法のリメイク版だ!」

あくせられーた「…ちっ。相変わらず、へンなところに悪知恵が働くヤツですねェ?」

かきね「賢いっていってくれよ」ファサ


みさかいもうと(はやく泥団子あてろよ、とミサカは苛立ちます)

めじゃーはーと(今日もあの人はかっこいいわ…)ポー


あくせられーた「くそ…いってェな…」ジリジリ

かきね「降参するかー?いや、俺が失格にさせてやるよ」スッ ●

あくせられーた「はン…これくらいでこの俺が負けるとでも思っていやがるンですかァ?
        愉快な頭してやがンなァ!垣根くンはよォ!」

かきね「俺の『未元物質』をもう解析しやがったか!
    いいぜ、そうでこなくっちゃな!俺のライバルにはなれn」

ヒュンッ

むすじめ「はいはい。そこまでよー」ガシッ

かきね「うおっ!(なんかやわらかいものがあたって…!?)」ドキドキ

あくせられーた「は、放しやがれ!まだ勝負は終わっていないンだからよォ!」ジタバタ

むすじめ「そうなんだけどねー。ほら、周りを見てごらんなさい?」

かきね&あくせら「?」

ゴチャァ…。

むすじめ「遊具どれだけ壊したと思ってるのー?」ゴゴゴ ギュウッ

かきね「む、むすじめ先生…く、苦しっ…」モガモガ

あくせられーた「つーか、こえェ…」ビクビク

きはら「おうおう。むすじめ先生、うちのバカ息子をもっとしごいてやってくれ」ケラケラ

むすじめ「言われなくてもしますよ、木原さん」

あくせられーた「なンでオマエがここにいンだよォ!?」ビクッ

かきね「む、むすじめ先生…」カァ


めじゃーはーと「…」ムスッ

みさかいもうと「どうしましたか、とミサカはわかってるくせに尋ねてみます」ニヤニヤ

めじゃーはーと「ふん!何よ、デレデレしちゃって!」ズンズン


かきね「ん?めじゃーはーと?どうした?」キョトン

めじゃーはーと「てゐっ」バチン

かきね「いってぇ!!いきなり何しやがる!?」

めじゃーはーと「ふん!むすじめ先生の胸で窒息死すればいいのよ!
        もう知らないんだから!あなたなんか、大嫌い!」ダッ

かきね「な、何なんだ…あいつ」ヒリヒリ

むすじめ「くすくす。ま、とりあえず…行きましょうか?
     二人は今日はおやつぬきだから♪」ズルズル

かきね「ふ…、不幸だ…」ガクッ

きはら「よしクソガキ。ちゃんと説教受けたら、チョコレートケーキ買ってやるからな」ナデナデ

あくせられーた「ガキ扱いするンじゃねェ!!」プンスコ



現状
<はまづらチーム>
・はまづら(対かみじょう)
・かきね(退場)
・きぬはた(対かみじょう)
・みさかわーすと(対みさか

<かみじょうチーム>
・かみじょう(対はまづら)
・あくせられーた(退場)
・みさか(対みさかわーすと)
・しらい(退場)



みさか「…何やってんの、あいつ…」

みさかわーすと「…」ムスッ

みさか「何よ、黙っちゃって  あ、そういうこと?
    ふーん?」ニヤニヤ

みさかわーすと「な、何さ?お姉様?」

みさか「そういえば、あくせられーたって年上が好きって聞いたことあるような~」ニヤニヤ

みさかわーすと「!う、うそだ!
        あのヘタレもやしがそんなことあるわけないもん!」

みさか「不安よね?このみことせんせーに何か手伝ってほしいことは
    あるんじゃないかしら?」ニヤニヤ

みさかわーすと「ツンデレのお姉様じゃ話にならないもん!」

みさか「だ、誰がツンデレよ!?」ビリビリ

みさかわーすと「漏電してるのがいい証拠じゃん!」バチバチ

みさか「うっさいわね!図星なんかじゃないわよ!」ビリビリ


???「ちょっと」

みさかわーすと「あ。しずりん」

みさか「!む、むぎのさん」

むぎの「近くでビリビリしないでくれるかしら?
    あんた等がツンデレで惚れた男にツンツンしちゃうとかどーでもいいから」ファサ

みさかわーすと「ほ、惚れてなんかいねーし!
        み、ミサカはあの人のことなんか、大嫌いなんだからっ」プイッ

みさか「誰がツンデレよ、誰が!」ムキーッ

むぎの「だから漏電すんなってつってんだろ。
    さっきから私の髪があんた等の漏電で痛むんだy」

ビチャッ



むぎの「」

みさかわーすと「…あ…(しずりんの制服に、泥団子が…)」

みさか「(南無阿弥陀仏)」

かみじょう「いやー、わりぃわりぃ」テヘヘ

はまづら「誰かにあたってないかー?」テヘヘ

むぎの「私だけどな、あたったのは」

かみじょう「」

はまづら「」

むぎの「てめぇら…死ぬ覚悟は出来てやがるのかぁぁぁぁ!?
    このクソガキどもがよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
    てめぇらの醜い●●●●●●●●●●●もぎとってやるからよぉぉぉぉ!!!!!
    今のうちに太陽でも拝みやがれえええええええええええええええええ!!!」ドゴォッ

はまづら「ふ、」
かみじょう「ふ、」

「「不幸だー!!!!」」



きぬはた「な、何やってやがるんですか…あの二人は…」

きぬはた「はーぁ。ちょう興ざめです。
     あとのことはみさかわーすとさんにでも頼んで、私はちょうお昼寝でもしますかね」スタスタ

きぬはた「今日に限ってくろよるのヤツ、休みやがって…。
     ちょうからかってやるつもりだったんですが…ん?」

???「…」

きぬはた(ふわぁ…ちょう綺麗な髪です。ウサギ小屋の前で何してるんでしょうか?)

???「…」ボソボソ

きぬはた(?なにかいってますね)コッソリコッソリ

???「…みさかさんやむぎのさんみたいに、わたしも…みんなと、
   仲良くなりたいなぁ…」

ウサギ「?」

???「ねぇ、ウサちゃん。わたし、あなた以外に友だち、できるかなぁ?」

ウサギ「?」

???「さ、さすがのわたしもウサちゃんの心の中はわかんないなぁ…」

きぬはた「ちょういっぱいできますよ!」

???「う、ウサちゃんが喋った!?」

きぬはた「いえ、あなたの後ろのこの私です」フンス

???「…え?」クルッ

きぬはた「ふふ」

???(嘘…人一倍、人の気に敏感なわたしが…気づかないなんて…)

きぬはた「私、きぬはたさいあいっていいます!
     いっしょに、遊びませんか?」

???「い、いいの?わたしと…」

きぬはた「はい!」スッ

???「?この手は?」

きぬはた「握手です!ちょう握手です!」

???「?」ギュッ

きぬはた「えへへ。これで私たち、ちょう友だちですよ!
     さっ、行きましょう!みんなを紹介してあげますね!」

???「あ…う、うん」

きぬはた「お名前はなんていうんですか?」

???「しょくほう…」

しょくほう「しょくほう、みさき」

きぬはた「しょくほうさんですね!さ、行きましょう!」ニパッ

しょくほう「…うん!」




ウサギ(…よかったね、お友だち、僕以外にできて)

ウサギ(次に君が、たくさんお友だちを連れて会いに来てくれること、
    楽しみにしてるからね)

ウサギ(みさきちゃん)


つづく…かも?


みにまむ劇場ぱーといち、投下終了です。
きぬはたとみさきちのところだけが書きたかったのに、何故こんなに長くなった。
需要があったら次があるかもしれません。


では、お待たせしました。
本編第2話「4と5」後編、準備ができ次第投下していきます。

続け

>>55の続き



食蜂「そういえば、第四位さんとはどんな接点があるの?」

食蜂が紅茶を飲みながら質問してくる。絹旗からすれば、麦野との共有点を丸々話すのは辛苦の思いである。
ごまかすしかない。
一人の少女として、彼女と一緒にいるためにも。

絹旗「あー…。えと、研究協力で一緒になって…」

食蜂「絹旗さんの能力って?」

絹旗「『窒素装甲(オフェンスアーマー)』で強度は4です。簡単に言うと窒素をまとう能力です」

食蜂「………わお。けっこー強力な能力じゃない…」

絹旗「まぁ、珍しい能力だとは思いますが。ところで、食蜂さんの能力はどういうのなんですか?」

絹旗の質問に食蜂が一瞬固まる。
話題の選択ミスかと焦る絹旗をちらりと見ると、視線を窓の外にスライドする。
頬杖をつき、窓の外で談笑をしている女子生徒たちを眺めながら言った。

食蜂「…わたしの能力は、『心理掌握』。まあ、簡単に言うと…精神系の能力を網羅した能力って感じかな」

絹旗「!も、もしかして…食蜂さん…」

食蜂「そう。わたしが常磐台の二人いるレベル5の一人よ」

絹旗「………」

ぽかん、と口を開けたまま、食蜂を見つめる絹旗。
食蜂はその様子を、黙って見ていた。
もしかしたら、気持ち悪いと思っているのかもしれない。
もしかしたら、警戒しているのかもしれない。
もしかしたら、もしかしたら――――


絹旗「す、すごいです!レベル5には人格破綻者しかいないって聞いてましたが、超嘘だったんですね!」

食蜂「へ?」

絹旗「だって、食蜂さん。超いい人じゃないですか。迷惑をかけた私に対して、いっぱいよくしてくれました」

食蜂「そ、それだけで?」

絹旗「はい。超いい人です。…それに、食蜂さんといると…落ち着くんです。なんでかは超よくわかんないんですが」

食蜂「…落ち着く…」

絹旗の言葉を呟く。
胸のなかにそれは、じんわりとリフレインして染み込んでいく。

能力で作った派閥。
能力で集めた取り巻き。
その誰もが、食蜂操祈を「女王様」として見ていた。
「食蜂操祈」個人として見られたことはない。
あくまで彼女たちが見ているのは、「心理掌握」としての「女王様」である。
決して分かり合うことは出来ないし、「女王様」と「下僕」。
それ以上の関係には進めないのだ。
ましてや一緒にいて落ち着くなど、そんなことを言う「下僕」はいなかった。

恥ずかしそうにはにかむ絹旗に、食蜂はか細い震えた声で、ありがとうと言った。


食蜂(…わたしは、あなたを…)


誰かと、交差するということはこういうことなのだろうか。
常磐台に入学し、御坂美琴という少女に出会った。
彼女は自分と同じレベル5だった。
教師や寮監たちを押し切って、彼女と同じ寮になれるように改竄した。
彼女と、分かり合いたかった。

同じ、化け物として。


しかし、蓋を開けてみたら、そこには予期せぬ事実が隠されていた。

彼女はレベル1として、生まれていたのだ。
努力だけでレベル5に駆け上がった、『化け物』ではなく、誰もが羨む『天才』だった。

食蜂は、がっかりした。
派閥の話を持ちかけた時、首を縦に振らなかった彼女を。
自分と同じ化け物じゃなかったことを。
自分の能力の使い方を、自分をまるで非道な人間のかのように見る目を。

食蜂は、食蜂は、

ただ、友だちが欲しかっただけなのに。

どうしてあなたは違うの?

どうしてわたしとは理解し合えないの?

わたしだって、わたしだって。


そんな思いが、食蜂操祈の中でぐるぐると、ぐるぐると、回り廻り周り続けていく。

絹旗「さてっ!どこに行きますか?」

絹旗の声に意識が戻る。
そこでようやく、食蜂は自分は食堂にいたということを思い出した。

食蜂「そうねぇ。どこに行きたい?」

絹旗「食蜂さんは、行きたいところはありますか?」

食蜂「絹旗さんの行きたいところでいいわよぉ」

絹旗「えーと、じゃあ…セブンミストに超行きましょう!そろそろ本格的に夏物が出てきますからねっ」

食蜂「ふふ。そうね。じゃ、行きましょうか」

今はただ、目の前の少女との時間を楽しもう。

食蜂は、そっと回り続ける思いを、胸の中にしまいこんだ。













とある少女は歩いていた。
さわやかな香りがする長く伸びた髪に白い小さな花飾りをのせた少女が。
鼻歌まじりで、てくてくと、歩いていた。

???「ふんふ~ん♪」

今日の夕飯は何を作ろう、そういえば今朝見たチラシでトマトが安かったな―――

そんな考え事をしていると、体がいきなり冷たくなった。
は?と、思わず声に出る。
少女は、今起こった現象に頭がついていかなかった。
体を見下ろすと、服が湿っている。
どこからか水がとんできたのか?
しかし、どこから?

さっきまで夢気分のように舞い上がっていたテンションが急速に下がっていく。
一体どこのどいつだ。あたしに水をかけたのは、と。
少女は怒りを隠そうともせず、「なんなのー!もう!」と言いながらあたりを見回す。

遠くの方で、小さな少女が申し訳なさそうに、壁に隠れながらこちらを見ていた。

???「あ、あの~…」

???「もしかしてあなたかな?あたしに水をかけたの」

???「ご、ごめんなさい!!わ、悪気はなかったの!ってミサカはミサカは頭をさげてみたり!」

あんまりにも必死に謝る目の前の小さな少女の頭を、少女―佐天涙子は撫でた。
小さな少女は一瞬きょとん、として、それから花を咲かせるように笑った。

???「お姉ちゃん、はい」

小さな少女に渡されたタオルを受け取り、体をふく。
さっき頭を撫でたことで小さな少女の緊張が解けたのか、しきりに話しかけてきた。

???「お姉ちゃん、お名前はなんていうの?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

佐天「んー?佐天涙子!花の中学生よーん♪(…ミサカ?)」

違和感。
目の前の屈託のない純真無垢の小さな少女と喋っていると何か違和感がある。
違和感、というより既視感?
ミサカ?
みさか、御坂…

佐天「…ねぇ、お嬢ちゃん」

???「なにー?ってミサカはミサカは首をかしげてみたり!」


佐天「お姉さんとかって、いる?」

???「いるっちゃいるのかな?」

佐天「御坂美琴さん、知らない?
   常盤台の第三位の『超電磁砲』の」

???「…もしかして、お姉様の知り合いだったりするー?ってミサカはミサカは冷や汗をたらしながら答えてみたり」

佐天「お姉様…。やっぱり御坂さんの妹かー!
   しっかし似てるなー!かわいいな!このアホ毛!」

???「わっ、わっ!つかまないで!これはミサカの大事なアンテナなのー!」

佐天「はいはい」

小さな体で暴れる小さな少女にぽかぽかと効果音が出そうな感じで叩かれながら、小さな少女の頭を撫でる。
ふにゃー、と言いながら嬉しそうに目を細める小さな少女。
猫のようだな、と佐天は一人にやけた。

佐天「お嬢ちゃん、お名前はー?」

???「ふえっ!?ミ、ミサカの、名前…!?」

???(どうする!?どうする…!?MNWに接続じゃー!)

―接続中―




【MNW内】

ミサカ20001号(最終信号)の発言
「ねー!みんなー!お姉様の知り合いに名前聞かれちゃった!
 何かいい名前考えてー!!」

ミサカ1号の発言
「というか、なんで外に出てるんですか。この野郎とミサカは毒を吐きます」

ミサカ2号の発言
「実験個体のミサカたちですら、まだなのに…とミサカはブータレます」

ミサカ3号の発言
「そもそも、その少女は本当に知り合いなのですか?
 お姉様は学園都市の広告塔ですから、名前も顔も知れ渡っているでしょう
 とミサカはいぶかしみます」

ミサカ20001号(最終信号)の発言
「んー、なんかねー。常盤台のお姉ちゃんが、ミサカに外に出てみろーって
 ミサカはミサカは答えてみたり」

ミサカ4号の発言
「常盤台のお姉ちゃん?誰ですか、それは一体とミサカは少し怖がります」

ミサカ20001号(最終信号)の発言
「知らないよー。でも、綺麗な人だった!ってミサカはミサカは…
 て、てか、はやく考えてよー!!」

ミサカ1号の発言
「しょうがない上位個体ですねぇ、とミサカはお姉さんぶります」

ミサカ2号の発言
「もう適当にそこらへんの漫画の名前でいいじゃないですか。
 めだかとか、とミサカは発言します」

ミサカ3号の発言
「どこの生徒会長だよ、とミサカはつっこみます」

ミサカ4号の発言
「あふ…。おっと失礼、とミサカはあくびをかみ殺しながら答えます」

ミサカ2号の発言
「とりあえず、オリジナルの名前…なんでしたっけ?」

ミサカ20001号(最終信号)
「御坂美琴!さすがにこれは忘れちゃダメ!ってミサカはミサカは怒ってみる!」

ミサカ4号の発言
「ていうか、なんでミサカたち、オリジナルをお姉様って呼んでるんでしたっけ?
 とミサカは尋ねます」

ミサカ20001号(最終信号)の発言
「常盤台のお姉ちゃんがねー、ミサカたちの素体は『妹達』のオリジナルだから
 お姉様かしらーって言ってたからー。
 ミサカもまねっこなの!ってミサカはミサカは質問に答えてみたり!」

ミサカ4号の発言
「ああ。最終信号は子供でしたもんね、とミサカは答えます」

ミサカ1号の発言
「というか、そろそろいいですか?ミサカ、実験が始まりますので。
 とミサカは言います」

ミサカ2号の発言
「そういえば今日から実験が始まるんでしたね。
 被験者の名前、何でしたっけ?
 アセラレオン?」

ミサカ3号の発言
「どこの金髪金眼の吸血鬼だよ、とミサカはつっこみます」

ミサカ2号の発言
「オリジナルことお姉様の名前パクればいいんじゃないですか、
 とミサカは提案します」

ミサカ20001号(最終信号)の発言
「あ、それいいかもー!なんにするー?
 ってミサカはミサカは意見を求めてみたり」

ミサカ4号の発言
「ひっくりかえして『琴美』はどうでしょうか、
 とミサカは早く終わらせたい気持ちを抑えて答えます」

ミサカ20001号(最終信号)の発言
「よし!それでいこー☆みんなありがとねー♪
 ミサカ4号はあとで話があるから」

ミサカ4号の発言
「え」



――――――――――――――――――――
ミサカ20001号(最終信号)が退室しました。
――――――――――――――――――――

ミサカ1号の発言
「では、ミサカも。失礼します、とミサカは言い残します」

――――――――――――
ミサカ1号が退室しました。
――――――――――――

ミサカ2号の発言
「実験頑張ってくださいね、とミサカは応援します」

ミサカ3号の発言
「しかし…。上位個体は作られたばかりで肉体が未完成のはず…。
 外でうろうろしてて大丈夫なんでしょうか、とミサカは不安になります」

ミサカ2号の発言
「それもそうですね。
 ミサカたち『妹達』もまだ上位個体を含めて5人しかいませんし。
 まぁ、実験が今日から始まるのでもっと増えるでしょうけど、とミサカは答えます」

ミサカ4号の発言
「しかし、被験者が実験を承諾するでしょうか?
 いくら第一位とはいえ、20000人を殺害しなくてはいけないのですよ?
 とミサカは疑問に思います」


ミサカ3号の発言
「そこは研究者達がなんとか言いくるめるでしょう。
 なんにせよ、実験動物であるミサカたちは大人しく、当番の日を待つだけですよ
 とミサカは答えます」

ミサカ2号の発言
「それもそうですね、とミサカは同調します」




「「「ミサカたちは、死ぬためだけに作られた実験動物ですから」」」


――――――――――――
ミサカ2号が退室しました。
――――――――――――

――――――――――――
ミサカ3号が退室しました。
――――――――――――

――――――――――――
ミサカ4号が退室しました。
――――――――――――












はい。
第2話「4と5」、投下完了です。
次回は食蜂&絹旗のほのぼのショッピングと我らが佐天さんと打ち止めのほのぼのぷちデートの予定です。

れっつレス返し。
>>87
レスありがとうございます!じゃあ、続けますね。


では、補足を投下していきます。



『妹達』
六月から実験が始まったという設定になっております。
まず、実験開始時点には
ミサカ1~4号が作られており、加えて打ち止め(最終信号)も当初からいます。ご了承を。
佐天さんは発言のとおり、美琴とはまだ接触していません。
あくまで「学園都市の広告塔」としての美琴しか知りません。


MNWがまだ不十分なのは、個体が少ない+打ち止めが作られたばかりだからです。
ミサカにやたらアニメに詳しいのがいるのは、私の趣味です。


では。
感想、質問など、お待ちしております。
みなさんも>>1のように風邪をひかないよう、気をつけてください…。

やっぱし絹旗はニット着てんの?







もふもふ

こんにちはー。
投下ではなく、報告をしにきました。

れっつレス返し。
>>101
レスありがとうございます!そのとおりでございます。
あれ、寒くないんですかね…。

「魔法少女まどか☆マギカ」の二次創作SSを書き始めました。

ifストーリー+百合要素ありです。

興味のある人は、閲覧してくださると嬉しいです。

まどか「この世でたった一人の、魔法少女に…なっちゃった…」

上条さんは出てくるの?

面白い
wktk

こんばんはー。
番外・みにまむ劇場(ぱーと とぅー!)投下していきたいと思います。
短編3話となっております。

れっつレス返し。

>>103
レスありがとうございます!
はい、出ますよー。といっても、かなり先のことですが…。

>>104
レスありがとうございます!
いつも面白いと思ってもらえる作品にしていきたいです!

>>63の続き


―――番外・みにまむ劇場―――

 ぱーと とぅー!


『番外・みにまむ』劇場の注意書き。

・本編に一切関係ありません。
・皆が幼児になっています。(一部のキャラは保育士さんです)
・学年は雰囲気から決めてます。
・カップリング要素あり。

<登場人物>
きぬはた(年少)
人懐っこい性格で誰とでも仲良くなれる。

しょくほう(年中)
内気で人の気配に敏感な少女。ウサギさんとは友だち。

かみじょう(年中)
不幸な少年。むすじめ先生のお気に入り。

あくせられーた(年中)
かみじょうのことをヒーローと呼んで、尊敬している。

かきね(年中)
あくせられーたとは因縁のライバル。

はまづら(年中)
たきつぼとラブラブ。爆発しろ。

たきつぼ(年中)
ぼんやりしているが、意外に芯が強い。

むぎの(年長)
怒らせるな危険。おませさん。

みさか(年中)
ビリビリ。元祖ツンデレ。

しらい(年少)
じゃっじめんとでしゅの!

みさかわーすと(年長)
ツンデレ。あくせられーたに思いを寄せている。

めじゃーはーと(年中)
かきねラブな暴力ツンデレ。若干ヤンデレの気配が漂っている。

むすじめ先生
このSSではショタコンじゃありません…たぶん。

うなばら先生
ミサコン。前回こもえ園長に呼び出しくらった。

こもえ園長
園児と間違えやがったら許しませんよー?

【一番の友だち】
しょくほう「わたし、いつもここに来てるの」

きぬはた「はぇー。ちょうかわいいウサギさんです!」

しょくほう「ふふ。わたしの一番の友だちなの」ニパァ

きぬはた「…」ムッ

しょくほう「きぬはたちゃん?」

きぬはた「私は一番じゃないんですか」プイ

しょくほう「えっ!?ち、違うよ!?」アセアセ

きぬはた「もうみさきちゃんなんてしりません!」プンプン

しょくほう「き、きぬはたちゃん??
      な、なんで怒ってるの?
      わ、わたし、な、なにか悪いことした?」アセアセ

きぬはた「ふーんだ」ツーン

しょくほう「あう…」ショボン

きぬはた「私、くろよるのところにちょう行くです!」

しょくほう「ま、待ってぇ!」ガシッ

きぬはた「ちょ、ちょうなんですかっ」

しょくほう「み、みさきのこと…嫌いにならないでぇ…。
      き、きぬはたちゃんが初めての友だちなのぉ…」ウルウル

きぬはた「!え、えっと」ワタワタ

しょくほう「みさきが何か悪いことしちゃったんだよね…。
      謝るからぁ…」グスグス

きぬはた(ちょうやりすぎたー!?)ガーン

しょくほう「ひっく…うう…」グスグス

きぬはた「え、えっとですね!な、泣かないでください!
     私はウサギさんにちょう嫉妬しただけですから…」カァッ

しょくほう「…え?」キョトン

きぬはた「だ、だから…っ!」カァァァ

しょくほう「…きぬはたちゃん…。
      ふふふ。意外におばかさんね」クスクス

きぬはた「なっ!?こ、これでももう全部のひらがな言えるんですよ!?」

しょくほう「ううん。
      わたしにとっての、人間の一番の友だちはきぬはたちゃんだけだよ?」

きぬはた「!…みさきちゃん…」

しょくほう「わたしはきぬはたちゃ…」

きぬはた「待ってください!」

しょくほう「?」

きぬはた「、さ、さいあいってよんでください!」

しょくほう「…うん。さいあいちゃん。
      あなたはわたしの一番の友だちだよ?」

きぬはた「…えへへへ、ちょう私もです!」

【かきねくんとあくせられーたくん】

かきね「おーい!第一位ー!野球しようぜー!」ブンブン

あくせられーた「誰が磯野だ誰が」

かきね「ははっ。おら、今日こそ決着つけようぜ?」

あくせられーた「…ほえてろ、三下。
        かきねくンじゃ俺には一生勝てねェよォ?」

かきね「ああん?」カチン

むすじめ「はいはーい。お昼寝の時間よー」パンパン

かきね「うお…むすじめ先生…」

むすじめ「はいはい、早く布団に入るー」ヒュンッ

かきね「ふにゃ!」ドサッ

あくせられーた「ゥお!?」ドサッ

むすじめ「ねんねの時間でちゅよー」ナデナデ

かきね「…ん、、」

あくせられーた「ふァ…」

~~~~~~~~~~

むすじめ「くすっ」

かきね「スー…スー…」
あくせられーた「スー…スー…」

むすじめ「喧嘩するほど、仲がいい。か」クスクス

むすじめ(カメラカメラ。アルバム198冊目の表紙にしましょうかしら)パシャパシャ

こもえ「…むすじめちゃーん…?」ゴゴゴ


【おませさんズ!】
むぎの「ねー、あんた先生の中で誰が好みー?」

めじゃーはーと「…いないわよ、別に」

みさかわーすと「ミサカも特に…」

むぎの「もう。つまんないわね、ふれんだは?」

ふれんだ「結局私はむぎの一筋って訳よ!」フンス

むぎの「お前に聞いた私が間違ってたわ。
    仮の話だとして誰がいい?」

めじゃーはーと「そうね…。強いていうなら、五和先生かしら」

ふれんだ「え」

めじゃーはーと「違うわよ。断じて違うわよ。
        ほら、優しいし。可愛いし」

みさかわーすと「あ、わかるかも。ミサカはやっぱうなばら先生かな」

むぎの「ふんふん…ふれんだは?」

ふれんだ「むぎ「おい」ごめんなさい」

ふれんだ「んー…。保健室のカエル先生かな?
     優しいし。なんかかわいいし」

※とある保育園では能力による怪我が日常茶飯事なので、
 園内に保健室があります。

みさかわーすと「!わ、わかるかも!!み、ミサカもかわ」ハッ

むぎの「ふーん」ニヤニヤ

みさかわーすと「あう…////」カァァ

めじゃーはーと「さすがみことの血縁者ね」ニヤニヤ

みさかわーすと「わーん!!」ピャー

<あァ?どうした、わーすとォ

<なにも言わずに殴られろー!!

<た、助けてくれヒーロー!

<あーん!!恥ずかしいー!!!!ビリビリ

<何故にかみじょうさんがー!?あbbbbbbbbbbbbb




はい。投下完了です。
前回長すぎて怒られるレベルだったので…番外なのにどんだけ長いんだよ、って感じに。

第3話「小さな嘘と大きな嘘」
の投下はもうしばらくお待ちくださいまし。

感想、お待ちしております。
では、おやすみなさい。



やはりショタコンでないの!


やはり上条さんはどこでも不幸ですな

番外はいらないかなって

こんばんは。
来るのが遅くなってしまい、申し訳ないです…。
では、れっつレス返しを。

>>114
レスありがとうございます!
結標先生がそちらに向かったようです。

>>115
レスありがとうございます!
ラッキーセクハラマンですから、問題ないでしょう。ええ。

>>116
レスありがとうございます!
番外…可愛いですよ…?(´・ω・)






―――第3話「小さな嘘と大きな嘘」

【セブンミスト】

絹旗「わー!超見てください、超見てください! このワンピース超かわいいです!」

はしゃぐ絹旗の手には、爽やかな空色を基調とした丈の短いセーラー型のワンピースがあった。
絹旗は丈の短い服が好きなのだろうか、と 内心思いつつも食蜂は相槌をうつ。

食蜂「本当に可愛い服ばかりねぇー。でもぉ…」

絹旗「どうかしましたか?」

食蜂「校則よぉ、校則。常盤台って、制服着用義務だからぁ、
   買ってもほとんど意味ないのよねぇ」

絹旗「それじゃあ、寝巻きくらいしか買うものないじゃないですか」

食蜂「そうそう。どこぞの誰かサンはお子様みたいな寝巻きを着ているけどねぇ」

いかにもお子様といった御坂のカエルのパジャマを思い出し、食蜂がくすりと笑う。
食蜂は服とかに特にこだわりがあるわけではない。
が、御坂のアレは正直どうかと思うらしい。
結局そんなのは、食蜂と御坂の因縁の理由の氷山の一角にすぎないのだが。

絹旗は残念そうに口をとがらせつつ、次の服に手をのばしていた。

絹旗「うぬー…
(食蜂さんに超プレゼントしようと思っていたんですけどね。
 食蜂さんは、素体が超いいですから、何を着ても似合いそうですし。
 何かないですかね?うーん…)」


一人悩む絹旗の横で、一方の食蜂はというと

食蜂(あ、絹旗さん何か考え事してるなぁ …。
   もしかして、楽しくないのかも…?
   どうしよう…何かプレゼントしたら、楽しんでくれるかしらぁ…?)

思い立ったが吉日の思考の絹旗と、黙る絹旗に焦る食蜂。
運命度指数でもあってしまったのか、同時に二人が声をあげる。

絹旗「よしっ」 食蜂「うんっ」

絹旗「はぇ?」 食蜂「ん?」

そして、見事に反応も同じタイミングなのであった 。

絹旗「あ、えーと、どうぞ?」

食蜂「あら、いいわよぉ?絹旗さん?」

絹旗「あ、えーと…。ちょ、ちょっとお花摘みに行ってきますね!」

食蜂「はぁい。ここらへんで待ってるわね 」

絹旗「超了解ですっ」

絹旗が小走りで駆けて行く。
食蜂が次の服に手をかけていると、不意に後ろに気配を感じた。


食蜂「…あらぁ」

???「お久しぶりでス」

食蜂「…今は『友だち』とお買い物中なんだけどぉ?」

???「『友だち』、ですカ?」

どこか嘲笑うようなその返答に、食蜂は怒りを滲ませる。

―お前に“本当の”友だちがいるわけない 。

そう、言いたいのだ。こいつは。
実際のところ、食蜂を本気で怒らせたらどうなるのかは、
目の前の男もちゃんとわかっているだろう 。

―『レベル5』。軍隊と戦えるほどの実力を持っているといわれる能力者の称号。

食蜂の能力は唯一の精神操作系で、他の『レベル5』とは毛色が違う。
故に軍隊と戦えるわけがないと誤解されがちだが、
『レベル5』の中で相手にしたら最も危険なのが彼女なのである。
精神操作で一国の王を洗脳すれば、一国を手中に収めることができる。
精神操作で情報を改竄すれば、自滅を施すことも可能だ。
肉体の怪我はどうとでもなるが、精神に深く植えつけられた恐怖やトラウマはどうすることもできない。

他の『レベル5』は目に見える恐怖であり、
食蜂操祈の『レベル5』は目には見えない恐怖なのである。

目の前の男も、食蜂から出された殺気に気がついたのか、大げさに肩をすくめて笑った。

???「そんなに怒らないでくださいヨ」

食蜂「…で、用件は何かしらぁ?」

???「……言わずとも、わかっているでしょウ…?」

食蜂「……………」


???「………まぁ、楽しいお時間をお過ごしくださイ」

食蜂「………あなた、は…」

???「…ハハハ。でも、わかっているんでしょウ?」

食蜂「………い」

???「そう長くは続かないコトを」

食蜂「………さい」

???「偽りだらけの友情は、友情じゃないんですヨ…?」

食蜂「黙りなさい!!!!!」

先ほどまで賑やかだった周りが、波をうったように静かになる。
周りの利用客たちが一斉に食蜂と男に注目する。
静まり返ったフロアには、食蜂の荒い息だけしか聞こえなかった。
食蜂は、指先が白く変色するほどに強く拳を握り締めて、目の前の男を睨んだ。





―どうして、邪魔をするの。

―そんなに、わたしはおかしいの?

―わたしだって、こんな能力欲しくて生まれたわけじゃないのに…!



食蜂の心の内なる叫びは、怒りを収縮させていくだけだった。
だんだんと冷めてきた思考に、食蜂は唇を強く噛む。

じんわりと、血の生臭い味が口内に伝わっていく。

悪いのは自分なのに、それを目の前の男に当たっているだけなのだ。

まるで、それはあの日に見た―――

男はそんな食蜂に向かって哀れな食べられる前の子羊を見るかのように、微笑んだ。

???「………彼女が、可哀想だとは思わないですカ…?」

―そんなこと、わかってるわよ。

―だって、わたしは…。

食蜂「………絹旗、さん」

男の靴の音が小さくなっていく中、食蜂はそう一言こぼした。
その場にいない、自分を認めてくれた少女に向かって。


小さな嘘と、大きな嘘が積もっていく。
それが、怖くて。
このガラス玉のような関係が、いつの日か壊れてしまうのではないかと。
でも、それでも――


食蜂「…わたし…なんなんだろう…?」


その問いに答えてくれる人はいない。


絹旗「ふんふ~ん♪よしっ、これに超決めました!」

絹旗がそう言って、大業そうに掲げるのは、桃色のシュシュだった。
食蜂はヘアピンをつけないようだし、かといってキーホルダーじゃ物寂しい。
シュシュならば、腕につけるのもよし・髪を結ぶのもよし。といいとこぞろいなのである。

店員に渡して、可愛らしくラッピングしてもらう。

鼻歌まじりの絹旗は、食蜂を待たせている店へと急いで走った。



絹旗(あれ…?)

肩を小さく震わせ、食蜂は俯いていた。
長い金色の髪が食蜂の麗しい顔を、隠してしまっている。

―もしかして、心ない連中に何か言われたのか?

絹旗の頭にそんな考えが過る。
絹旗が“あの”計画の被験者の生き残りであることを知った暗部の連中に、
絹旗はよくからかわれたものだ。

表の人間には、『置き去り(チャイルドエラー)』であることがわかると、
陰でこそこそと言われた。

どちらの人間も共通して、こう言うのだ。




―可哀想な子。

―哀れな子。



絹旗は望んで『置き去り』になったわけじゃないし、
望んで“あの”実験のモルモットになったわけじゃない。

そんな絹旗だからこそ、卑しい人間の心の汚さはよくわかっていた。

『レベル5』。
学園都市に7人しかいない、異例の天才たち。

希少で、異常で、優秀すぎる子供たち。

『超電磁砲』を除く他の6人は、あっさりと『学園都市のトップの位』に辿り着いてしまった。

努力しても、努力しても、
どれだけ歯を食いしばっても、
どれだけ汗を流そうと、
神様は、一部の人間にしか才能を与えないのだ。

やがて卑屈になった才能を与えられなかった人間は、
生まれながらの天才を恨み、妬み、唾を吐く。





“あの”実験で、絹旗は「優等生」と呼ばれていた。
実際には、絹旗の他にももう一人だけ「優等生」の少女がいた。
絹旗はその少女と仲がよかったし、その少女も絹旗を好いていた。

だけど、彼女は――

“あの”実験のせいで、心を抉られてしまった。

美しかった艶のある黒色の髪は、
ビー玉のように透き通る純粋な瞳は、

見るも無残な成れの果てになってしまって。

絹旗は、何も出来ない自分が悔しかった。

植えつけられた能力故に、少女はああなってしまった。
自分が望んだのではなく、故意に植え付けられた能力のせいで。

『レベル5』だって同じだ。
望まないモノのせいで、何かしらから酷い目に遭わされる。

何も知らない諦めてしまった人間たちから。

俯いて、肩を震わす食蜂操祈の姿が、
真っ白になってしまったあの少女の姿と重なって。



絹旗は――――





【一方】

打ち止め「い、いいの!?本当にいいの!?ってミサカはミサカは確認してみる!」

佐天「いいってば。遠慮なさらんで、好きなの注文しなさーい」

手を軽く振りながら、快気に笑う佐天。
メニューの前で百面相をしながら、吟味している打ち止め。

傍から見れば、(髪の色は違うが)仲のいい姉妹にしか見えなかった。

打ち止め「じゃ、じゃあ!このデラックスストロベリークレープにするー!
     ってミサカはミサカは高らかに宣言してみたり!」

佐天「おー、初春が好きなやつじゃーん。んじゃ、あたしはチョコバナナ!」

店員「はいよー」

打ち止め「本当にお金はいいの?ってミサカはミサカは尋ねてみる」

店員から渡されたクレープを手に、打ち止めが下を見る。
研究所から出てきたはいいもの、
資金という資金を与えられていない彼女には、無駄使いができないのだ。

アホ毛も一緒に落ち込んでいる打ち止めの前に、別のクレープがやってきた。


佐天「はいっ、一口!」

打ち止め「え?あ、あーん…はむっ」

佐天「へへん。美味しいでしょ?
   あたしは琴美ちゃんにお気に入りのクレープを食べてもらえるだけで、大満足だから!」

打ち止めの口の中に広がるチョコレートの甘い味と、バナナの香り。
生まれて初めての、誰かからのプレゼント。
満面の笑みを浮かべる佐天に、打ち止めも自分のクレープを差し出す。

打ち止め「はいっ!一口!ってミサカはミサカは真似してみたり!」

佐天「はーい。はむっ、おいしいー!」

打ち止め「えへへ、ありがとうね。お姉ちゃん。
     ミサカ、誰かと一緒にご飯食べるの初めてなの!」

佐天「そうなんだ…」

アホ毛を揺らして、はむはむと口いっぱいにクレープを頬張る打ち止め。
『レベル0(無能力者)』とはいえ、
両親にも、友だちにも恵まれていた佐天には、わからないことだった。

もしかしたら、この小さな少女は親に恵まれていないのかもしれない。
そう思うと、表の世界の住人である佐天は胸が痛くなった。

―あたしがこの子を助けてあげよう。

良く言えば優しい、
悪く言えばお人よしの佐天涙子は、
この小さな少女と深く関わることを決心してしまった。

この小さな少女が、何を抱えているかも知らないで。

打ち止め「♪」

佐天「よーし!食べたら、行こっかー!」

打ち止め「わぁーい!」





佐天涙子は、ゆっくりと学園都市の『闇』へと足を傾けていく――




投下終了です…。
少なくてすみません…。心なしか質も下がっているような…。

誰だ、ほのぼのショッピングとかいったやつは…。


今回でようやっと絹旗の過去に触れました。
絹旗ともう一人の「優等生」。
彼女の正体はいかに?

なんだか寸止めだらけの第3話でしたね。

一文字だけでもいいのでレスをしていただけると、嬉しいです。

では、また。

乙!
もう一人の優等生か…
予想はあえて書きません

ネタバレになるといけないから


こんなスレあったとは気づかなかった
期待する

絹旗ぺろぺろ


もう一人の優等生か…黒yうわなにをする

乙!
みさきちがすごくいい味出してるな

こんばんはー。
報告とか、レス返しとか、してきます。

まずは、れっつレス返し。
皆さん、レスありがとうございます!

>>134
もう一人の優等生…
一体誰なんだ!?感が出したかったんですが、結構皆さん予想をつけているようですね…。
ただ、皆さんの予想の斜めを行くのが私ですので。

>>135
ありがとうございます!ご期待に応えられるように、頑張ります。
絹旗、可愛いよ、絹旗。
アニメ二期が楽しみすぎて毛根はげそう。

>>136
いつもレスありがとうございます。まどかの方でも、ありがとうございます。
可愛いですよね、黒y

>>137
そういってもらえると嬉しいです!
うちのみさきちは悩める乙女ですから(いろんな意味で)



【報告】

 とある魔術の禁書目録 × 汝は人狼なりや?

を書き始めました。
―「汝は人狼なりや?」とは
村人陣営と人狼陣営にわかれ、
 村人は人に化けた狼を
 人狼は村人たちを
騙し、騙され、殲滅していくゲームです。

※キャラが冗談でも死ぬのが嫌な人はブラウザバック推奨です!

もし興味がありましたら、閲覧してくれると嬉しいです。

では、次回投下は土日のどちらかに…。
おやすみなさい。

待ってる

>>1
心理装甲とは新しいな
期待して待ってますからきっちり続けてくださいね

こんばんは。
来るのがだいぶ遅くなってしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいです…。

レスありがとうございます。
>>140
すみません。お待たせしました。

>>141
そうですね…絹旗×女の子ってあんまりないですよね。
期待に応えられるように、頑張ります。



もう一度、注意!
このSSは独自設定を含みます。
独自解釈、追加設定のキャラがいます。
原作準拠の人は、ブラウザバックをお願いします。

では。
第4話 「Lost memory」投下していきます。





―――第4話 「Lost memory」



































「どうして、泣いてるんですか?」

「…ひっく…あ、あのね…わたし、 お母さんとお父さんに捨てられたみたいなの …」

「…そうですか。私も同じ『置き去り』ですよ」

「かなしく…ないの?」

「………『最愛』、なんて名前をつけておきながら…。
 捨てるだなんて、とんだクソッタレな親たちです。
 あんな奴らと別れることができて、超すがすがしい気分ですよ」

「…うそ…泣いてるよ、あなたも…」

「………ともかく。今日から相室になったわけなんですから、めそめそしないでください」

「……いじっぱりさんだね、あなた」

「…超うるさいです。泣いて、なんか、ないで、すから…」

「………最愛ちゃん…」

「………悲しく、なんか…」

ぎゅっ。

「……な、なんですか」

「えへへ」

「…超放せです」

「超嫌なのです」

「はぁ…。ま、まぁ。仲良くしてあげてもいいですよ?
 私は絹旗最愛です。あなたは?」

「わたしは………」









嫌な汗が背中を伝って、落ちる。 遠い昔の記憶が呼び起こされる。

―握られた手から伝わる体温。

―あの少女の笑顔を見ると、暖かくなる心 。

―振り払われた手の感触。

―乱暴な口調。

―『あの少女』の冷たい、目。

どれもこれもが、鮮明に思い出される。
いつの間にか強く握っていた拳が、汗で湿っている。
テレビを見ているかのように、遠ざかっていく周りの声。

助けれなかった、あの少女。





絹旗「食蜂さんっっ!!!」

食蜂が肩を大きく震わせる。
 恐る恐る、食蜂が顔をあげる。

食蜂「絹旗……さん……」

絹旗「どうかしましたか…?」

駆け寄ってくる絹旗に、食蜂が弱弱しく頷き返す。
それが、絹旗の脳裏にあの映像を彷彿とさせる。

ある日の実験から帰ってきた、相室の少女は。
変わり果てていた。

『ううん、大丈夫』

『だ、大丈夫なんかじゃないでしょう!? 何があったんですか!?』

『大丈夫だよ、最愛ちゃん』

『嘘です!ねぇ、なんで…っっ…』

パシッ。

『もう、わたしに構わないで』

『…な、んで』

『だからさァ…』

『なんで、ですか』

『触るンじゃねェよ』

『…!!』

振り払われた手が、赤くなっていて。
思考は真っ白になってしまって。
絹旗は、何も出来なかった。


『……じゃあね、優等生さん』

最後に少女が絹旗に向かって言った言葉が、絹旗の中で幾度となく反響する。

少女の後姿に手を伸ばしても、届くことはなく。

記憶の中の絹旗の嗚咽の声だけが、生々しく思い出されていく。






絹旗「…私…」

食蜂「…?」

絹旗「………」

食蜂「…わたしは…大丈夫よ、少し嫌なことを思い出しただけ…」

絹旗「…本当、ですか?」

食蜂「えぇ。本当よ」

絹旗「…なら、いいんですが…」

食蜂「…ありがとうね、絹旗さん」

絹旗「……いえ」

「あれ、きぬはた?」

絹旗「!た、滝壺さん!?」

滝壺理后。『レベル4』の『能力追跡』。
『アイテム』の最後の砦を果たす少女。

「よかった。連絡とれなかったから、フレンダも心配してたよ?」

麦野がいないか、視線を彷徨かせる絹旗を気にも止めずに滝壺が傍にやって来る。
食蜂は、滝壺を下から上まで見回したあと、意味深に「ふぅん」と呟き口に手をあてて様子を見ている。




絹旗「あー、その、いえ、はい」

滝壺「?きぬはた?」

絹旗「は、はい!?」

滝壺「どうしたの?…あれ、この人は誰?」

食蜂「え、わたしぃ?」

ようやく食蜂に気づいたのか、滝壺が食蜂に向かって首を傾げる。
話しかけられた食蜂は、口に当てていた手を下ろした。

滝壺「すごく強いAIM拡散力場…。
   『レベル5』?」

食蜂「そうよぉ、よくわかったわねぇ」

食蜂は手をひらひらと振りながら、滝壺に返す。
滝壺はぼんやりとしたまま、「『心理掌握』?」とだけ短く聞き返した。

食蜂「…えぇ。わたしは第五位の『心理掌握』よ」

滝壺「…そっか。きぬはた、いつ帰ってくる?」

絹旗「あー、…えー…、そのぉ…、えっとぉ…」

指を忙しなく交差しながら、目を泳がせる絹旗。
じっとりと温い汗が指先を滑らせる。




――――終わった。

このあと、滝壺が麦野に絹旗のことを言うだろう。
お仕置きから逃げたうえに、麦野が大嫌いな『超電磁砲』のいる常磐台生徒といる。
殺される。確実に。
滝壺の能力の危険度は『暗部』の仕事の時に見ていた。

“アレ”をやられたら。

滝壺の『能力追跡』で地球の裏側にいても探しだし、麦野の『原子崩し』で障壁すらをも破壊する。
この一連の攻撃をやられたら。
死ぬなんて生易しい。嬲り殺されると言う方が正しいだろう。
麦野の凶悪性は、『アイテム』の一員である絹旗は嫌と言うほど知っていた。

だから、絹旗は逃げたのだ。

生きるために。




絹旗「た、滝壺さんっっ」

滝壺「…?」

滝壺からとろんとした目を向けられる。
絹旗が息を吸う音が聞こえるほど、大きく息を吸う。

絹旗「む、麦野には黙っててもらえませんか?!」

滝壺「…むぎの?」

絹旗「はい!この通りです!」

バッ、と風を切るほど、絹旗が頭を下げる。
頭上からは相変わらずとろんとした寝惚けているかのような声が聞こえてくる。

滝壺「どうして?」

絹旗「…少しの間でいいんです。私、…普通の女の子に、なりたいです」

食蜂「わたしからもお願いするわぁ。タキツボさぁん?」

食蜂と絹旗の顔を交互に見たあと、滝壺が答えを返した。

滝壺「…うん。きぬはた、しばらくはゆっくりしてていいよ」

絹旗「!た、滝壺さん…!!」

絹旗がふにゃあ、と腑抜けた顔になる。滝壺が撫でるように絹旗の頭を叩きながら言う。

滝壺「じゃあ、買い物途中だから戻るね」

絹旗「はい!ありがとうございます!滝壺さん!」

滝壺「ううん、いいよ。ばいばい」

滝壺が手を小さく振って、去っていく。
滝壺の姿が見えなくなると、息を吐いて、へなへなと絹旗がその場に座り込んだ。






絹旗「ふぅ…よかったです…。これでしばらくは首が繋がっていますぅ…」

食蜂「よかったわねぇ。何だかよくわからないけど、『麦野』さんって人は怖いのかしらぁ?」

絹旗「…………はい」

食蜂(………それにしても、今のが……………)



食蜂(…『能力追跡』、か…)










・ω・なう

・ω・ろーでぃんぐ

・ω・ってミサカはミサカは






佐天「ん?どーしたー?」

打ち止め「ふぉーーーーーーーーーーーー!!ゲコ太パジャマぁ!
     ってミサカはミサカは叫んでみたり!」

佐天「あ、好きなの?」

打ち止め「も、も、もちろん!」

ゲコ太が真ん中に大きくプリントされた子供用のパジャマを手に、打ち止めが興奮を隠そうともせずに、声をあげている。
それを佐天はこっそりと値段を盗み見しながら、打ち止めの買い物に付き合う。

ほんの些細なことで、満面の笑みを浮かべる目の前の無邪気な少女。

佐天にとっては当たり前のことが、少女にとっては初めてのこと。

―出来ることなら、あたしが
この子の初めてをいっぱい増やしてあげよう。

佐天は打ち止めに見えないように、そっと拳を握った。




???「ここにいましたカ」

打ち止め「!」

打ち止めのアホ毛が真っ直ぐに立つ。
佐天と打ち止めの後ろには、気がついたら怪しげな男が立っていた。

佐天「だ…誰ですか」

打ち止め「…」

???「その子の保護者…とでも言っておきましょうカ」

佐天「…」

男の言葉に佐天は打ち止めに視線をずらす。
打ち止めは口を一文字に閉ざしたまま、男を見上げていた。

佐天「…本当、ですか」

???「えぇ。その子は事情がありまして、長時間外には出られないのでス。さ、帰りましょウ?」

男が打ち止めに手を差し出す。
打ち止めはそれに返すわけでもなく、ただじっと睨むように見つめていた。





打ち止め「…ミサカ、もう少しお買い物する」

???「アナタは体の調整が途中のはずでしょウ?無理は禁物ですヨ」

打ち止め「…いいもん」

???「アナタがよくても、こちらは困りまス。何しろアナタは司令塔なんですかラ」

打ち止め「嫌なの!!!」

打ち止めが叫ぶと同時に紫電が辺りに飛び散る。
それを見て男が慌てて飛び退く。

???「アナタは『レベル3(強能力者)』なんですから、
  やたらめったらに能力を使うべきではありませんヨ」

打ち止め「うるさーい!!ちゃんと研究所には帰るからいいでしょ?!」

???「他の『妹達(シスターズ)』がうるさいんですガ…。
  まぁ、時間になったらまた迎えに来ますネ」

打ち止め「はやく行けー!!」

???「はいはい。では、そこのお嬢さン。この子を頼みますヨ」

佐天「え、あ、はい」

???「失礼しますネ」




男が足早に去っていく。
未だ紫電を散らしている打ち止めを余所に、佐天の頭の中は真っ白なままだった。


『レベル3』

こんな小さな子だって、『レベル3』なのに。

――あたしは、『レベル0』

――――――――無能力者

濁った泥のようなそんな思いが、じわじわと佐天の心を蝕んでいく。

羨望と嫉妬の思いが、佐天にゆっくりと積もっていく。

それは、紛れもなく確かなことだった。












***


【???】

???「第一位の実験って始まってるの?」

???「『絶対能力進化実験』、だな。二万人の武装した『超電磁砲』を殺害するとかいうふざけた実験だ」

???「大体この学園都市自体がふざけてる気もするんだけどね。僕は」

???「……体験談、か」

???「土御門さん、それは言うなって言ったよね?」

土御門「…悪いにゃー」

???「あはは。何そのキャラ。気持ち悪いね」

土御門「…気持ち悪いね、ってお前…」

???「ごめんなさーい」

土御門「…まぁ、許してやる。やることちゃんとやってくれるならな」

???「?」

土御門「これを見ろ。ある『暗部組織』のデータだ。まぁ、活用してくれ」

???「潰すの?」

土御門「あー…。リーダーが『レベル5』だからな…。リーダーは殺すなよ」

???「了解でーす」



???「………絹旗最愛、ちゃん。元気にしてるかなぁ?」




学園都市の『闇』は、
混沌とした暗い世界の中で、
今日も暗躍していた。








第4話 「Lost memory」
投下完了です。

投下が遅くなってしまい、待っていた方、本当にすみません…。
明日は休みなので、投下ができるかな…と。

あと、可能であればフレンダの能力を考えてくれると嬉しいです。

感想、お待ちしております。
では、おやすみなさい。


待ってるよ



ふれんだは「無能力なのに頑張るすごいやつ」ポジションでいいんじゃないかな

>>1乙!
フレンダはやっぱり無能力者じゃない?
でもあえて作るとしたらシンクロトロン?だっけ?
グラビトン事件で出てきたアルミ爆弾化するやつ
あれなんかいいんでない?・・・でも実用レベルのやつ一人しかいなかったかもしれんが細けぇこたぁ(ry
何はともあれ>>1頑張れー


あとはアポートとかたまに使われてるかな

こんにちは。
準備が出来次第、投下してきたいと思います。
まずは、れっつレス返し

皆さんレスありがとうございます。本当に嬉しいです。
>>160
今回は投下が遅れてしまい、本当にすみません…。

>>161
浜面ポジションみたいな感じですかね。
それか低能力程度がいいんでしょうかね。

>>162
!そういえば忘れてました。
フレンダの能力の参考になります、ありがとうございます。

>>163
漫画とか見る限り、アポートっぽいですよね…。

全レスしたり保険かけすぎしたりするのが香ばしい

>>165
気に障るようなら、すみません。

では、投下していきたいと思います。

第5話 『力』

※むぎのんが凶暴につき、注意




―――第5話 『力』







あなたの能力判定は『レベル0』です。


その無機質な文字が、少女を追い詰める。

微弱でも、能力が芽生え始める周りの友人たち。
雑誌やニュースで連日紹介される『レベル5』。
街中で活躍する『風紀委員』。


そのどれもが、自分とは程遠い何かで。

だけど、憧れは捨てきれなくて。

能力を身につけるために、ここに来たのに。

何の能力も持たずにただ怠惰な毎日を過ごす自分。

―――それって、生きてる意味あるのかな。

――あたし、何のためにここにいるんだろう。





打ち止め「…お姉ちゃん?」

佐天「っ!こ、琴音ちゃん?」

打ち止め「…さっきの人のことなら気にしなくていいからね」

佐天「あ、うん…。あの、さ。琴音ちゃんって『レベル3』なんだね」

打ち止め「うん!ミサカは『欠陥電気(レディオノイズ)』の強度3だよ!」

佐天「…そっか。あたしはただの『レベル0』だよー!」

打ち止め「うーん、レベルって関係あるのかな?」

佐天「…え」

佐天の声のトーンが落ち、笑顔の表情が消える。
打ち止めは言葉を吐き続ける。

打ち止め「お姉様みたいに『レベル5』だったらさ、誇らしいとは思うよ。だけどさ、ミサカは」

佐天「『レベル0』よりはマシじゃん!!『レベル3』もあるのに、なんでそんなこと言うの?!」

佐天が声を荒げる。
打ち止めは佐天を見上げたまま、同じ単調で喋り続ける。
淡々と、淡々と。

打ち止め「『レディオノイズ』ってどう書くか知ってる?」

淡々と、打ち止めは続ける。
それはまるで、鏡の中の絵を見ているかのように、違和感がある光景だった。


打ち止め「欠陥電気」

だよ、と。
打ち止めの声が、雪のように降り落ちる。



佐天「…欠陥…」

打ち止め「そう。お姉様の1%にも満たない、欠陥品」

佐天「……」

打ち止め「そんなミサカからすれば、お姉ちゃんは幸せなんだと思うよ。いつかきっと能力が目覚めるかもしれないお姉ちゃんと、永遠に欠陥品って言われるミサカ。
     どっちがいいかななんて、わかりきったことだよね」

ってミサカはミサカは呟いてみる。

しんとした空間に、打ち止めの呟きだけが聞こえた。






***

滝壺「あれ、フレンダ?」

買い物のあと、『アイテム』の麦野の所有しているマンションに向かう道にある公園にフレンダがしゃがみこんでいた。
手には透明のビニール袋があり、熱心に地面に何かをしていた。

フレンダ「あれ、滝壺じゃん。買い物の帰り~?」

滝壺「うん。今日はむぎののご指名の京風石狩鍋だよ。
   ところで、何してるの?」

滝壺に顔を向けたまま、フレンダは手を動かしている。
不思議に思った滝壺が除きこむと、ビニール袋には黒い粒のようなものが集まっていた。

フレンダ「なんかね、麦野がそろそろ仕事あるから準備しとけーって」

滝壺「爆弾か何かに使うの?」



フレンダ「ま、そーいうとこかな。フレンダ様に期待してていいって訳よ!」

滝壺「…ごめんね、フレンダ。いつも守ってもらって」

滝壺の能力は追跡には特化しているが、攻撃にはあまり秀でていないのだ。
もう少し能力を扱えるようになれば、相手のAIM拡散力場を乗っ取ることができるのだが、今の滝壺は追跡で精一杯だった。
その度に前衛を担当する絹旗やトラップを担当するフレンダに守ってもらうことになる。
滝壺は、それが申し訳なかった。
落ち込む滝壺の頬に冷たい何かが当たる。
ぴゃっ、っと小さく叫ぶ滝壺にフレンダがにししと笑う。

フレンダ「滝壺はそんなこと気にしなくていいって訳よ!
     それに滝壺は『アイテム』の秘密兵器でしょ?」

滝壺「…フレンダ…」

フレンダ「ん」

差し出されたジュースを両手で包む。
フレンダは恥ずかしそうにはにかむと、またしゃがみこんだ。
滝壺は近くのベンチに座り、フレンダを嬉しそうに眺めていた。






???「あれれ…どうしよう、迷っちゃったなぁ…」

そんな声が聞こえて視線を向けると、公園の中央にある案内看板の前で一人の小柄な少女が困っていた。
フレンダを見ると、どうやらフレンダもその少女に気になっているようだった。

???「…う~ん?ここらへんは管轄外だからなぁ…」

少女は指を顎にあてて、首を傾げている。
見かねてフレンダが立ち上がり、少女の元へと向かう。
滝壺もフレンダのあとについていく。

フレンダ「どうしたの?」

???「へ。わっ、外人さん?」

フレンダ「まーね。ところで、あんたは結局迷子って訳?」

???「うーん。そうなのかな?僕、第十八学区に行きたいんだけど…」

フレンダ「ここは第五学区だから…第十八学区は隣って訳よ。
     説明するとね………」



???「わー!お姉さん達、ありがとう!すっごくわかりやすかったよ!」

フレンダ「いいって訳よ」

滝壺「ところで、第十八学区に何しに行くの?
   第十八学区って…」

???「えへへ、そこは想像にお任せしちゃうね。
  それじゃ、もう行くね。ばいばい、お姉さん達」

フレンダ「気をつけるのよー」

滝壺「ばいばい」




???(…今のが『アイテム』の幹部かぁ。
   なんかのほほんとしてんなー)







***

【セブンスミスト】


食蜂「やっぱりストロベリーよね、アイスは」

絹旗「わかります!でも、チョコも超おいしいですよ」

あのあと、食蜂はストロベリーアイス、絹旗はチョコ&ストロベリーアイスを食べていた。
食蜂が食べ終わるのを見計らって、絹旗が食蜂の膝の上にオレンジの紙袋を置く。
案の定、食蜂はわけがわからずぽかんとしている。
絹旗は「開けてみてください」と言って、微笑んだ。

食蜂「わ!か、かわいい!」

丁寧に包みから開けたシュシュを食蜂が目を爛々とさせて、腕につけている。
絹旗は嬉しそうに、「超プレゼントです!」と。
食蜂は頬を赤く染め、少し俯いた。

食蜂「ありがとう…大切にするわ。わ、わたしも今度プレゼントする!」

ぐっ、と拳を握る食蜂。
絹旗はそれに「楽しみにしてますね」とはにかみながら返した。










【常盤台寮】

食蜂「今日はいっぱいお買い物しちゃったわぁ」

どさ、と音がするほどの荷物が食蜂のベッドの上に置かれる。
こんなにゆっくりと誰かと買い物をしたのはいつごろだろうか、と絹旗は思考を巡らせていた。
つい最近『仕事』で人を殺していた自分が、今は誰かと楽しく買い物をしている。
それは、酷く滑稽な姿であった。
絹旗自身、痛いほどその事実は理解していた。

絹旗(…私は『暗部』の人間です。こんな、素敵な日常ももう少しで…)

食蜂「絹旗さん、紅茶。飲むかしらぁ?」

絹旗「あ、はい!お願いします。砂糖とミルクはいっぱいで」

食蜂「ふふ、わかったわぁ」

食蜂がくすくすと笑って、扉に向かう。
腕には絹旗がプレゼントしたシュシュがつけられていた。






鼻歌をほのかに歌いながら廊下を歩いていると、食蜂の側近と擦れ違う。
側近の手にはクッキーが入ったバスケットがあり、甘い匂いに甘いものが大好きな食蜂の体は反応する。

食蜂「…あら?」

「女王。ごきげんよう」

食蜂「ごきげんよう」

「どうかなさいましたか?」

食蜂「紅茶を入れようと思ってたところよぉ」

「そうでしたか…。僭越ながら、お手伝いさせていただいてもよろしいでしょうか」

食蜂「そう?じゃあ、手伝ってもらうわねぇ」

「…あ、あの…。もしよろしかったら…こ、こちらも…」

側近はもじもじと体を揺らしながら、バスケットを食蜂に差し出す。
食蜂は両手をあわせて、「嬉しいわ」と答えた。

「え、えぇ。女王のために作りましたの。…あら、シュシュ…ですか?」

食蜂「ええ。プレゼントなの」

「………そうですか」

側近は笑顔を固定したまま答える。
食蜂はそれが少しだけ気になったが、ただの気まぐれだろうと判断し、気づかなかったフリをした。



『常盤台の生徒であるなら、紅茶を一人前に入れるべきである』
それがこの常盤台の教えである。外では他の人間にいれさせることが出来るが、寮内では出来ないのだ。
今日も給湯室は紅茶が大好きな常盤台生でいっぱいである。
給湯室に入ると、その場に居た生徒たちから挨拶をされる。
それを食蜂が満面の笑顔で返すと、何人かは顔を赤らめ、何人かは驚きの表情を浮かべた。

食蜂「~♪ダージリンにしましょっと」

「…女王、随分とご機嫌ですのね」

食蜂「えぇ。そうよぉ」

鼻歌を歌いながら、食蜂が側近に返す。
側近は、「そうですか」と短く小さな声で答えた。
茶葉をポットに入れ終わると同時に、周りに居た生徒達のざわめきが大きくなった。
大方、御坂美琴でも見つけたのだろう。
この給湯室にある窓からは、寮の正門が見えるのだ。
テンションの下がった食蜂は鼻歌を歌うのをやめてお湯をポットの中に注ぎ足していった。







と、同時に。
青白い球体のような物が窓の近くに浮かび上がり、
給湯室は爆風に巻き込まれた。



食蜂「!?」

女子生徒たちの甲高い悲鳴が聞こえる。
窓があった場所は、跡形もなく何も残ってはいなかった。
近くにあった戸棚は不安定にグラグラと揺れていた。
そんな惨状に泣く少女もいれば、能力を暴走する少女もいた。
側近の少女が慌てふためく少女たちを指揮していくが、
混乱している少女たちは聞く耳を持たなかった。

何が、起こっているのか?


かつて冗談半分で『書庫』をハッキングした時に、食蜂は学園都市のすべての能力を見たことがある。
そのときに見た能力のなかで、見覚えのある能力はないか。
食蜂は『レベル5』の頭脳を駆使し、思考は働かせる。


青白い球体。
破片すら残さず壊された窓。
そして、この爆風。



それは、



「はーい。常盤台のお嬢様方ぁ。はじめまして」




そこには『原子崩し』、第四位の麦野沈利の姿があった。






ちなみにここは三階である。
三階である。
突如現れた美女に、少女たちは悲鳴をやめる。
もしかして、自分たちを助けてくれる人なのだろうか。
そんな淡い期待を抱いて。

座り込み震えている一人の女子生徒に、麦野は近寄る。

助けてくださいますの?

か細い声で女子生徒が尋ねると、麦野はにっこりと微笑んだ。

麦野「残念。違いますにゃーん」

女神のような微笑から、悪魔の笑顔に変えて、女子生徒の無防備な脇腹を蹴り上げた。
ぐったりと力なく気絶する女子生徒を投げ捨てると、大きく息を鳴らし他の少女に歩み寄る。

鬼神。
今の麦野を一言で表すならば『鬼神』であった。


麦野「きゃあきゃあ、うるっせぇな。雌豚ども。
   私は一人にしか用がねぇんだからよ、邪魔すんな」

最悪なことに寮監を出払っている。
今この常盤台寮にいるのは、戦うことを知らない無力な少女たちだけであった。

麦野は怯えて竦みあがる少女たちを睨むと、給湯室の出口へと足を運ぶ。
麦野が給湯室から出る一歩手前のところで、食蜂が麦野の前に立ち塞がった。
側近の少女の止める声を無視して。

食蜂(…少し前なら、周りを洗脳して自分だけ逃げようとしてたんだろうなぁ…
   …でも今は。絹旗さんが、いるから)

そんなことを考えながら。



食蜂「待ってちょうだい」

麦野「…あ?」

麦野の細められた蛇のような目が食蜂を射る。

食蜂「…あなたは、第四位の麦野沈利さんよね」

麦野「…それがどうかしたか、第五位」

食蜂「あなたの、目的は何かしら」

麦野「………別に」

食蜂「もしかして、第三位の御坂さん?
   それとも第五位のこのわたし?」

麦野「………どけ」

食蜂「いいえ、退くわけにはいかないわ。
   だってここは、わたしの『領域』だもの」

常盤台の女王は、そう宣言した。
一匹の『闇』の獣を前に、自分の『領域(テリトリー)』を守るために。








第5話 『力』投下完了です。
いつも見てくれる方、本当にありがとうございます。>>1の頑張る糧となります。

次回投下についてなんですが…。
実は大きなテストが近いので、テストが終わり次第ということになります。すみません。
来月の5日ごろにテストが終わるので、そのあたりにでも…。

レス、頂けると嬉しいです。
あと、私は命名センスが皆無なので、フレンダの能力名について考えてくださると助かります。
では、また。

ちょっと目を離すときてるなここの>>1は。
アポートってあわきん系の直接対象物触らなくても物飛ばせる能力だっけか?なら言い出した身でなんだけどそっちの方がいいかもな。
名前か・・・物質転移(マターポート)とかでいいんでない?
以上、テスト勉強もせずにこのスレをちょくちょくみてる162でした。


待ってる

乙!

>>185
専ブラ入れたら?

乙でした

とりあえず止めようぜここは>>1の素晴らしいSSを楽しむ所
そして乙
ところで打ち止めがお姉ちゃんとかお姉様とか呼び方を変えるのは何かあるのかな?
あとフレンダの能力、無しもしくは作るなら火薬を作る能力とかは?
…安易過ぎるか。スイマセンmm


火薬作る能力でよくね

無能力で問題無いとおもうけどな

・テレポート(どっか飛ばす)
・アポート(どっかから持ってくる)
・テレポートアポート両方
・火薬生成
・無能力だけど頑張ってますポジション

今までの意見だとこんな感じ

無能力でいいかもな

待ってる

みさきちかわいいよね。>>1よ、まってるぜ

最新話であまりにも性格が違いすぎて折れたか

二人とも好きなキャラだからなー
折れたなら残念

遅れてすみません!
今からレス返し、投下していきたいと思います!
お待たせして、本当にごめんなさい。



物理赤点だよ、チクショウ。

みなさん、レスありがとうございます。励みになります。

>>185
アポートいいですよね。というか、漫画のフレンダ見るとアポートっぽいですよねー。

>>186
>>187
>>188
乙ありがとうございます。その一言が糧になります!

>>197
大阪さん、いつもありがとうございます。
打ち止めの呼び方についてですが、
お姉様→御坂
お姉ちゃん→佐天使ちゃん
となってます。わかりにくくてすみません…。
あと、案ありがとうございます!

>>198
火薬いいですよね。フレンダらしいです。

>>199
>>201
私的には、無能力か低能力かのどちらかにしようかなぁと思っています。

>>200
わかりやすくまとめてもらえて嬉しいです。
まだ迷ってるなんて言えない…。

>>202
待っててもらえて嬉しいです。本当にごめんなさい。

>>203
みさきちかわいいですよね。というか、私は金髪キャラに弱いようです。

>>204
コミックス派なんですよ。気になりますが…。

>>205
御坂か黒子との絡みは多いのに、食蜂との絡みって少ないよなーってのが発端ですからね。

あと、age&sageに関してですが、私はあまり気にしないので大丈夫ですよー。

では、投下してきたいと思います!

※残虐シーンあり
※少女ちゃんの正体がわかります。←注意





―――第6話 『裏と裏』







時は少し戻って、食蜂の部屋の絹旗。


絹旗「………家捜し、しますかね!」

先ほどまでお行儀よく膝を揃えて座っていた絹旗は、
そう宣言すると勢いよくベッドから飛び降りた。

そのままベッドの下に思い切り手を突っ込む。

フリフリと尻を降りながら、何かを引っ張り出すと、
藤で編まれた段ボールサイズの長方形のカゴが出てきた。


絹旗(…開けていいんですかね…
    …でも)


〈絹旗回想〉

フレンダ『家捜し家捜し~♪』

絹旗『あ、こら!フレンダ!何してるんですか?!』

フレンダ『友だちの部屋に来たら家捜しが定番って訳よ!お、パンツ発見!
     縞パンとは、絹旗らしいチョイス!』

絹旗『フレンダァァァァァっっっ!』

麦野『真夜中にうるせぇぞ!クソガキどもぉぉぉ!!安眠は美肌の味方なんだよぉぉぉ!!!』

絹旗『麦野!超落ち着いてください』
フレンダ『麦野は十分綺麗って訳よ』

麦野『問答無用だぁぁぁ!!!』キュイーン

絹旗『私の部屋がァァァァァ!』

〈絹旗回想終了〉


絹旗「友だち、ですもんね!」

絹旗が力を加えて蓋を開けると、力を加え過ぎたのか中に入っていた紙が飛び出てしまった。

ひらひらと粉雪のように部屋の中を舞う紙を苦笑いしつつ、絹旗は見ていた。


一枚の紙が絹旗に気づかれずに向かい側のベッドの下に潜り込む。

絹旗は、それに気づいていない。




タイトルが『暗闇の五月計画』と書かれたその紙に。


絹旗「…小難しい書類ばっかりですねぇ」

レベル5。超能力。心理掌握。能力の応用。能力の範囲。物体の実用化に向けての能力の向上。

絹旗はそれらの文字の羅列を口を尖らせながら、流し読みしていた。




ドッガァァァァン!!!


絹旗「うおっ?!」

耳をつんざくような爆発音がすると、地面の揺れが絹旗を襲った。
たまらずよろめいて地面に手をつく。

きゃあきゃあ、と近くから甲高い悲鳴が聞こえてくる。

何かが、起きている。

絹旗は立ち上がり、体の意思のままに一目散に走って行った。






***

???「…………うーん」

「お嬢ちゃんかわいいねー」
「俺たちとイイことシなーい?」
「ちょっと胸がちいせぇけど面がいいから問題ねぇな」

とある路地裏。
少女は典型的なチンピラ、もといスキルアウトたちに囲まれていた。
少女は返事をせずに腕を組んだまま、首を捻りながら壁にもたれかかる。

「シカトかよ」

???「うーん。今僕忙しいんだよね」

「大丈夫大丈夫すぐ終わるから」

???「早漏??」

「なっ」

???「違うの?」

「知りてぇんだったら教えてやるよ!!クソガキ!!」

激昂したスキルアウトの一人が首を傾げる少女に拳を向ける。
拳が少女の小さな顔にぶつかる直前、ドスのきいた低い声が聞こえた。




      「邪魔だぞカスども」



「んだよ!このホスト野郎!!」
「イケメンは引っ込んでろ!」
「くそ、爆発しろ」


「…わかった。余程死にたいようだな」

バサ。
音をたててホスト野郎と言われた青年の背中から六枚の異物の純白すぎる羽が生えた。
その羽は、薄暗い星の光が照らしている路地裏で怪しく光っていた。
スキルアウトたちが息をのむ。
青年は首の骨を鳴らしながら男にしては少し金色寄りの長い髪を、手で払う。
鋭い冷たい餓えた野獣のような瞳が、スキルアウトたちを見射る。
そして、一言漏らした。








「絶望しろ、コラ」




それが、三人のスキルアウトたちの最期に聞いた言葉だった。



・ω・

・ω・

・ω・



ぴちゃん。ぴちゃん。

壁にめり込んでいる男の顔から、赤い滴が地面に零れていく。

血を吸いすぎた地面には、生臭い鮮血が小さな湖を作っていた。

少女が着ていたセーラー服の白は、どす黒い血で汚れていた。


「……雑魚が」

???「……………」

「んだよ、クソガキ。さっさと逃げろよ」

???「………えっと」

「あ?礼なんかいらねぇよ。邪魔だったから殺しただけだ」

???「………その」

言葉を濁らす少女に、青年は苛立ちを隠そうともせずに舌打ちをする。
少女はそんな青年を臆することなく、真っ直ぐに見つめていた。
青年が苛立ち気に髪をかきあげると、首筋に赤いキスマークがついているのが見えた。

「…もう行くぞ」

???「ま、待って!あなた、第二位だよね。
  垣根帝督だよね?『未元物質(ダークマター)』の!」

垣根「だったら、なんなんだよ…?」

垣根がその時初めて、少女に視線を向ける。
瞬間、垣根は少女を壁に押さえつけた。
少女の両手を、垣根の少女の何倍も大きな両手で強く握り締める。
垣根よりだいぶ小さい少女は呆然と、壁に押さえつけられたまま垣根を見上げていた。

握り締められる手がじんじんと痛む。
冷たい、体温のない手が少女の手を遠慮の欠片もなく握り締める。

長い前髪から、第二位の二つの瞳が見えている。
怖い?
痛い?
苦しい?

垣根「………お前、何者だ」

???「………僕を、どうするつもりかな?」

垣根「答えろ。犯すぞ」

???「それは、ちょっと困るかな…」

垣根「お前さ……」

垣根の瞳に殺気の色が現れてくる。
押さえつける力がさらに増す。
ぎりぎり、と皮膚がコンクリートに擦れる音がする。

悔しそうに唇を噛みながら、垣根が吐き捨てる。





垣根「…第一位に似すぎだろ…」


そう言ったあと、垣根が少女から目をそらすのを、少女は一人ほくそ笑んだ。






***


麦野「……第五位」

食蜂「…何かしらぁ」

麦野「死ぬ気か、お前」

食蜂「…どうして?」

麦野が忌々しそうに、髪を乱暴にガリガリとかく。

麦野「お前の能力じゃ、私には勝てない」

物体の破壊の能力と、目には見えないものの破滅の能力。
それが、麦野と食蜂の能力の差だ。
麦野には『原子崩し』を精密にコントロールする力がないため、
『超電磁砲』の御坂のようにバリアーを貼ることが出来ない。
不意討ちで食蜂に襲撃されたら、なす術もなくヤられてしまうだろう。
だが、今のように一対一で向き合った場合はどうだろうか。
簡単なことだ。
食蜂が動く前に、食蜂を破壊してしまえばいい。

『レベル5』とはいえ、身体能力が普通の少女より少し低い食蜂と、
『レベル5』に加えて暗部組織のリーダーを務める麦野。

どちらが早く動けるかなんて、火を見るよりも明らかである。

先手をとれなければ、食蜂は麦野に勝つ術を持たないのだ。

絹旗「麦野!!!」


食蜂の後ろで麦野の聞き慣れた声が響く。
食蜂が慌てて後ろを見ると、真っ青になった絹旗が立っていた。

給湯室は、所々穴が開いていて。

意識がないのか、ぴくりと動かない少女や

部屋の隅で寄り添いながら、涙を流している少女たちや

無惨に割られた食器棚や

目に見えてわかる、怒っている麦野。

それらが、絹旗の思考を曇らせる。

どうして。

その一言が、うまく言葉にならない。
パクパクと、魚のように、ただただ絹旗は口を開閉していた。

麦野「…よぉ」

絹旗「な、な、」

麦野「おい。第五位。退け」

食蜂「絹旗さんに何をするつもりかしらぁ?」

麦野「…お前には関係ないだろ」

食蜂「…関係ない、なんてことはないと思うんだけどぉ?」

食蜂がいつの間にか取り出していたリモコンを、ふりふりと揺らす。
思考がまとまらない絹旗は、揺れるリモコンをなんとなく見ていた。

麦野「…絹旗。わかってんだろ」

絹旗「…お仕置き、するつもりですか」

麦野「もうどうでもいいよ、そんなこと」

やけにあっさりとしている。
あの麦野が。
驚きを隠せないといった表情をしている絹旗の脳裏に、あの日のことが思い出される。

暗部組織『アイテム』の集まりのことだった。

その日の昼も、いつものようにファミレスで雑誌を読んでいた。

ガラスの外で、自分と同じくらいの年の女の子たちが騒いでいるのが見える。

絹旗は、それをぼんやりと見ていた。

―――私は今から人殺しの仕事をするというのに。

そんな風に思いながら。

平和を謳歌している女の子たち。

絹旗は、“それ”と自分があまりにもかけ離れていることを感じ取っていた。

『アイテム』に入ってからは、表の人間と一緒にいた記憶がない。

別段後悔しているわけではない。

でも。
羨ましいとは、思っていた。

麦野『絹旗ぁ!てめぇ!』

気がつくと、麦野の肩から血が出ていた。
肩を押さえて、絹旗を睨み付ける麦野。
今日のお前の役割は『私の盾』だろうが。
麦野の目が、そう言っている。


絹旗の能力は防御力に特化した『窒素装甲』。
銃弾戦や集団戦になれば、前衛やリーダーの装甲となる役割。
つまりは、肉壁といっても過言ではない。


それだけの、存在。

ちらちら、と脳裏に昼間の女の子たちが浮かび上がる。


羨ましい。

暗部を抜けたい。

私も、一緒に誰かと遊びたい。

自分が、望んだ道なのに。

何を甘えているのだろう?

私は『置き去り』で、『実験動物』だったのだから。

暗部に入ったのは仕方のないことだったのに。


肉の焦げる匂いがする。
麦野が周りにいた今回の仕事の『標的者』を殺したからだ。

麦野『きーぬはたぁぁ………??』

麦野がやや首を斜めにかしげながら、こちらににじり寄ってくる。

絹旗の胸の中で、女の子たちやあの少女の姿が思い出される。



だから、絹旗は麦野から逃げた。

   ――そして、食蜂と出逢った。




第6話 『裏と裏』投下完了です。
ちょっといつもより投下の仕方を変えてありますが、ご了承を。

百合子ちゃんってかわいいですよね。
百合子ちゃんが悪役のSSってないですよね。
百合子ちゃんが僕っ娘のSSってないですよね。
ないなら作ればいいじゃない!

百合子ちゃんにたっぷり自己補完設定を詰め込んであります。
そういうのが苦手な人がいたら、すみません。

今回もお待たせしてしまい、本当に申し訳ないです。

あと、簡易的なアンケートをちょっとしたいな…と。
出来れば答えていただけると嬉しいです。>>200さんを参考にさせてもらいました。

Q フレンダの能力は次のうちのどれがいいですか?
①テレポート(とばす)
②アポート(もってくる)
③テレポート&アポート両方→つまり『座標移動』?
④火薬作成
⑤無能力者

レス、いただけると嬉しいです。
それでは、また。

追記
書き忘れましたが、多数決でいこうかなと思っています。
よろしくお願いします。

アイテムのキャラが違いすぎる
絹旗とか麦野を浜面のヤンデレストーカーとか馬鹿にして遊ぶぐらいの関係性なのに
フレンダについては一月の新約6巻で判明する可能性も高いからそれまで待てば

>>234
それいったら垣根とかだって性格違うし
シリアスSSなのにギャグキャラになってる

2で

全スレで酉を外し忘れてしまった
スミマセン

みさきちは誰かと行動を共にする際は必ず相手の心理を読み都合の悪い心理の場合は精神を弄る
それが出来ない相手とは特殊な事情が無ければ行動は共にしないし決して信用もしない
SSでネタにされてた能力が通じないって理由から上条や美琴に惹かれるは100%ないかな

フレンダの能力は周囲の意見で変える段階なら新刊を待つのが無難かと
上でも言われてるけど展開的にフレンダの能力が出る確率がかなり高いし

新刊待ちが一番だと思うけど選択肢の中なら5しかないと思う
能力有っても低レベル前提ならどんな能力を持ってても戦闘とかでは役に立たない
1と3は美琴戦の描写からない
2だと持って来れる距離が短く量も少なすぎて使い物にならない
4だとしても有効に使える量を生み出すには膨大な時間が必要

忘れられがちな設定だが学園都市でエリート扱いされるレベル3でやっと日常生活で便利に感じる程度の能力
最近の作中描写だと作者もこの設定を忘れてそうだけど……

>>1乙!
大丈夫だ、俺も数B赤点取った
てか知り合いに数学2教科と物理以外カンニングばれたって猛者がいてワロタwwww

まさかの僕っ娘百合子とは・・・いろんな意味ですごいな、>>1
安価は5かなあ。2かな、と思ったけど>>248みてそういえばそうだったって思ったし。
楽しみに舞ってます。

授業サボりすぎて、出席日数足りなくなって、留年決定
本日両親呼び出し

よりはマシ

低能力程度なら無能力の方が良いだろうな
本当に持ってても使い道が無いぐらいショボい能力って事だし

新約で能力が出そうな感じだがフレンダまで高レベルだとアイテムだけ暗部のチームの中で異常に人材が充実してるな
まあ他の三人の設定をすると特殊だけど使い難い能力者を集めたチームって感じもするけど

>>253
まぁスクールグループは垣根、一方と言う学園都市最強の超能力者を持ってるんだし、
(しかも諜報にも戦闘にも便利すぎる能力)
他のメンバーを充実させる必要がない
とも考えられるけどな
麦野はただ凄まじく攻撃翌力が高いだけだから、サポーターが必要って事で

持ってたとして低能力程度なんだから、
無能力だけど頑張ってますが一番おいしい希ガス

その手の分野は他が担当してるし一方通行も垣根も諜報に便利な能力なんて持ってないと思うけど?

絹旗はマジギレしたら麦野より危険って設定も有るし扱い難い人材で構成されてるは有るかもね
他がレベル5とレベル4一人ずつで他が低レベルと比べてレベル5一人とレベル4二人って時点で確かに破格
フレンダまで高レベルだとアイテムどんだけ贔屓されてんだって話になる
まあフレメアがレベル0で遺伝子が能力に影響するみたいだからフレンダが高レベルの可能性は低いと思うけど

>>254
座標移動と心理定規って超便利なレベル4が居るの忘れてるのか
座標移動なんて移動だけじゃなくトラウマ時でさえ戦法次第で美琴に勝てるってぐらい戦闘力も高い能力
まあ美琴は公式でガチで戦ったら黒子と五分程度って言われてるから空間移動系が強すぎるだけだが

レベルの合計ならアイテムが抜けてるが人材自体は他の方が上かもね
心理定規も諜報ではチートレベルな上に例外も有るが敵の大切な存在の距離にすれば戦闘でも負けはないだし

食蜂の内面が判明したの今月号だから仕方ないとしても絹旗のキャラが本編と全く違うのには意味が有るの?
麦野がキチガイすぎて目立たないが、絹旗もちょっと仕事してきますってコンビニでも行くぐらいの気軽さで人を殺しに行く子なのに完全に別人状態

アンケは新刊で能力出ちゃったら何だし能力行使はするにしても後にすれば良いと思う

こんばんは。報告あげ。
すみません、風邪をひいてしまいました…。
今週の火曜から金曜は午前授業なので、そのあたりにでも投下したいかと思います。
不甲斐ない>>1ですみません。

あと、フレンダの低能力について表記が足りなかったのでつけたしします。
結標や滝壺のように制限があるせいで、低能力判定ということになっている、という予定でした。

新刊で能力がわかってから~、という意見も最もだとは思いますが、
フレンダの能力について何か案がある方は是非書いてもらえると嬉しいです。
(百合子の能力関係で応用していきたいな、と)

レスは次に来た時に返します。
皆さん、たくさんのレスありがとうございます。私は議論を読むのが好きなので、どんどんやっちゃってください。
それでは、また近いうちに。

>>258
お大事に。
戻ってくるまで舞ってます。

>>257
そういう一面があって、尚且つ年頃の女の子だから余計表の世界の日常に対する欲求?みたいなものが強かったのでは?
で、それに触れて裏に戻りたくなくなった、とか。

・・・そういや百合子の能力ってなんなんだろ・・・?

>>258
SSでキャラの違いに突っ込むのは「本編とストーリーが違う!」って突っ込むくらいナンセンスだぞ

確かにアイテムの面子が原作と完全に別人になってるが二次創作なんてそんなもんだからな
二次創作の主人公なんて基本的にの主人公の殻を被った作者

>>259
禁書で言う低能力ってレベル1の事で滝壺も結標もレベル4だから制限有ろうと使える能力は高レベル
百合子は一方通行のクローンなら確定で近い関係者だとしても能力はベクトル操作になるんじゃ
遺伝子も能力に影響するみたいだし

どっちにしても低能力と判定されてるなら戦闘どころか日常でもほぼ使えないのは変わらないな

兄弟姉妹で出てて両方とも能力を使用してる例が無いから何とも言えないが兄弟姉妹なら能力も同系統の似たものになるのかねぇ

このSSって、最初らへんに書いてるとおり本編より前の話って設定なんだろ?
絹旗が多少キャラが崩れてても、別におかしくないとは思うけどな

数年前とかならともかく本編と変わらない年齢なんだから完全に矛盾はしてる
つうか絹旗の善人やビビリ化は都合が良いから大抵のSSで行われてる

浜面から聖女扱いされてる滝壺でさえ目の前で絹旗やフレンダが敵の骨を折ったりしてるのを一切気にせず日常会話をするぐらいには歪んでるしアイテムのキャラはそのままだとマジキチすぎてSSに向かないから性格が変えられるのは仕方ない

絹旗の人格が変更されてないSSを見た事がない
バイト感覚で人を殺せ公式で麦野以上にヤバい人格って面白い設定だがSSだと生かし難いんだろうな

報告
10教科から課題が出ました。
来月の模試で結果がよくないとおとんにスマホとりあげられそうです…。
あとアイマスと黎明のアルカナでらおもしろいですね。いやそんなことしてる暇あれば書けよこのやろうって感じなんですが
物理むずかしいよぉぉぉぉぉぉベクトルくらいしかわかんねぇよ…
再考査受かるかもう心配受からんと留年で、留年になるとおとんに勘当されちまうんです…
すみません
ら、来月には…!来月には…!!!すみません

母の実家のパソコンから失礼します。
レス返しはとりあえず投下のあとにでも・・・。
お待たせしてしまいましてすみません!新年早々腹がやられてました。おかげで猫物語を見逃しましたよちくしょう。
では、第7話 『決意と内情』投下していきたいと思います。




―――第7話 『決意と内情』




「・・・・・・・・・あぁ、いたいた。探したわ…よ…?」

垣根「……」
???「………」

チャラそうな男が小柄なアルビノ少女を壁に無理やり押し付けている。しかも人気のまったくない路地裏で。

ふわふわとした金髪を一本に結い、赤いドレスを着ている心理定規(メジャーハート)は呆然と突っ立っていた。

口をあんぐりと開けたまま、目をぱちぱちと何度も瞬きをしている。

――ふぅん、こんな顔するんだな。

垣根は内心思いつつ、そんな彼女を見ていた。

心理定規「…………………あなたの守備範囲って、広いのね」

心理定規はそれだけ言い残すと、頭を抱えたまま去ってしまった。

垣根「………おい。まさか、あの女……」

???「あのー、いつまでこの体勢なのかな?さすがの僕もそろそろ恥ずかしいんだけど…」

垣根「…」

垣根が無言で首を少女に向ける。
眉を寄せて、少女は少しだけ首を傾げた。


垣根「…………はぁ。すげぇ興ざめしちまった……」

ゆっくりと少女から手を離す。
垣根から解放された少女は手首を音をだしてならしていた。

雪のような光沢をもつ銀色よりの肩までの真っ白な髪。
髪に巻けず劣らず白い肌。
宝石のような色合いの大きな苺のように赤い瞳。
どこにでもあるひょうな夏のセーラー服。

何時の日か見た、第一位にそっくりだ。
違うところは、顔だろうか。
第一位が鋭く刺すような瞳と評するなら、目の前の少女のそれは兎のようにくりくりとしているのだ。
遠目から見れば少女は第一位だが、近くで見ればまるで第一位を装っているだけのようにも見える。

垣根「………なぁ、お前。第一位って知ってるか?」

???「知ってるよ。触れた物のベクトルを操る能力の『一方通行』でしょ?そして、あなたは第二位」

垣根「……お前さ、第一位に似てるよな。顔が全然似てねぇところから見ると、クローンってわけでもなさそうだし」

???「クローン、ね。それは1じゃなくて3だよ」

少女はそう言うと、壁から離れ垣根の目の前まで歩み寄ってくる。
パラパラ、と何かがこぼれる音がする。
少女がもたれかかっていた壁が、奇妙な形で凹んでいた。

???「僕のこと、知りたい?」

垣根「…そりゃあ、まぁ」

???「じゃあさ、僕を『スクール』に入れてよ」

垣根「!」

???「ううん、違うや。
   僕と一緒に、第一位を殺さない?」


少女は、にこりと笑った。
無邪気に、明るく、柔らかく。
笑って、そう言った。








***


食蜂「『邪魔よ』」

食蜂のリモコンからぴっ、と短く音がする。
常盤台の女生徒たちは一瞬で瞳から光彩を失い、無言で立ち上がって部屋から出て行った。

食蜂「ギャラリーはいなくなったわ。第四位さん。これでいいかしらぁ?」

麦野「………」

食蜂「ついでにわたしの改竄力で記憶の方も誤魔化しておいたわ」

麦野「…………なんでだ。このままやりすごせば、私を警備員に突き出せたかもしれないのに?」

食蜂「そこらへんはあなたのことだからちゃんと計算しているでしょう?
     だって、あなたは……」

            麦野「『暗部』」

絹旗「!」

食蜂「………」

麦野「お前が『暗部』を知らないはずがないもんな。『レベル5』の中で表舞台に立ってるのは第三位と第七位くらいだ。
   お前は学園都市の『闇』に足を突っ込んでる。違うか?」

食蜂「………」

麦野「絹旗は『暗部』の中ではかなり有名な人体実験の被験者だった。もしかしたら絹旗の名前も知ってるやつは知ってるかもな」

絹旗「む、麦野!」

麦野「うるせぇ。黙ってろ。お前だって『暗部』の人間だろ」

絹旗「で、でも……」


食蜂が、学園都市の『闇』を知ってる?
食蜂は、表舞台の人間じゃなかった?
私は、
私は、


  『暗部』の、人間?







――いや、そんなことはわかりきっていたはずだ。

絹旗は一人で自問自答する。

――何を履き違えていた?

確かな答えを探して。

――何時の日にか捨てたはずだ。

思いを、集めて。

――そうだ。同室のあの女の子が     






『わたし、百合子。鈴科百合子』

百合子は笑う。
腰まである長い髪につぶらな瞳。
無垢な笑顔。純白のワンピース。

百合子は綺麗だった。

親に捨てられても、
人体実験の被験者になっても、

絹旗には百合子の笑顔が眩しかった。

そのうちに黒夜という名の少女とも仲良くなった。

暇さえあれば三人でよく遊んでいた。

黒夜と絹旗が喧嘩をして、それを百合子がなだめる。



血を吐いて、気が狂って、舌を噛み切って。
そうやって他の被験者がどんどん死んでいく実験のなか、そんな日常は確かに存在していた。

百合子はよく涙を流した。
一人で部屋にこもって、声を出さずによく泣いていた。

絹旗も黒夜もそれに気がついてはいたけど、どうすることも出来なかった。

だから、二人は。

どんどん死んでいく周りの皆から、
独りで泣く百合子からも、
そしてこの先にある未来から。

逃避するために、目を逸らした。

でも、そんな日常は長くは続かなかった。

その時既に絹旗は『優等生』と呼ばれるほどに、黒夜は絹旗ほどではないがお互いに能力を開花させていた。

百合子は能力が発現する一歩手前だった。

だから百合子はよく実験室に連れていかれた。

絹旗と黒夜はそれを二人でずっと待っていた。


でも、帰ってきた百合子は。

黒髪は、真っ白に
鳶色の瞳は、真紅に
なって、しまっていた。

肌が白い彼女に、それはあまりにも、映えてしまっていた。

でも、その姿は、何時の日にか聞いた第一位の姿にそっくりで。

昼食食べてきます。
では、また。



くってら~

待ってたぜ

再開します。
お酒飲んだんで、誤字脱字は許してください。

―――――

黒夜は茫然として言葉をなくしたまま、突っ立っていた。

百合子は俯いたまま、近くにあったハサミを手に取った。

じょきじょき、
じょきじょき

百合子の髪がハサミで切られていく音だけが、虚しく聞こえる。

百合子の髪の長さが肩までになった時、百合子がハサミを机の上においた。

その音が絹旗の意識をふっと音をたてるかのようにより戻させた。

絹旗は、無我夢中で俯いている百合子に駆け寄った。


絹旗『百合子さん…』

百合子『ううん、大丈夫』

絹旗『だ、大丈夫なんかじゃないでしょう!?何があったんですか!?』

百合子『大丈夫だよ、最愛ちゃん』

絹旗『嘘です!ねぇ、なんで…っっ…』



パシッ。


乾いた音がして、絹旗の右手にじんじんと痛みが響く。

振りほどかれた?
あの百合子に?


あの、優しい百合子が

私の手を、突き放した?

百合子『もう、わたしに構わないで』

絹旗『…な、んで』

百合子『だからさァ…』

絹旗『なんで、ですか』

百合子『触るンじゃねェよ』

絹旗『…!!』

振り払われた手が、赤くなっていて。

まるで別人のようなその低い声に、絹旗は、何も言えなかった。





百合子『……じゃあね、優等生さん』

それが絹旗の聞いた百合子の最後の声だった。


そのあと、『暗闇の五月計画』は破綻した。

原因は被験者の暴走。

絹旗はすぐに上層部に拾われ、『暗部』に堕とされた。

『暗闇の五月計画』を破綻に追い込んだ黒夜も、『闇』に溶け込んでしまった。

百合子は、わからない。

願うならば、
彼女には表の人間でいてほしい。

私は『暗部』に浸かってしまったから。


それはわかりきっていたことなのに。

どうして、また平和を羨ましいと思ったのだろう。

人を殺すことに抵抗はない。

自分も、相手も、五十歩百歩の違いしかない『闇』の人間なのだから。
悪い人間を悪い人間が殺して、悪い人間から報酬を貰う。

そのことに関して、絹旗はなんとも思っていなかった。

でも。

やっぱり、絹旗は女の子なのだ。
一人の中学生で、
どこにでもいる、普通の女の子。

もし、絹旗が『置き去り』じゃなかったら。
こうではなかったかもしれない。

普通の女の子みたいに甘いものを食べて、恋をして、涙を流して。

そんなごく普通な平和を味わえたかもしれない。

そんなもしもの世界にどうしてすがっているのだろうか。

『暗部』のクソッタレな世界が当たり前だと思っているはずなのに、

まだ表の世界に救いを求めてしまっているのだろうか。

自分はなんて甘い人間なんだろう。

だから、食蜂に裏切られたんだ。

やっぱり、自分には『闇』の世界がお似合いなんだ。

絹旗は、何も言えなかった。


***



打ち止め「………でも、まぁ」


打ち止めがしばらくの間を置いたあと、口をゆっくりと開いた。
その打ち止め声に、佐天はびくりと肩を震わす。

今の声は、何だ。

今の表情は、何だ。

今の、今の、目の前の少女は何なんだ。


この学園都市に『置き去り』と呼ばれる存在がいるという噂は聞いたことはあるし、打ち止めはその延長線上に過ぎないのだと。


そう慢心していたのに。

打ち止めからは、学園都市というものの根底にある『何か』の存在が隠れているのがわかった。


この子はただの『置き去り』じゃないのか?
この子はただの『超電磁砲』の妹じゃないのか?


佐天は、打ち止めのことを『超電磁砲』の妹故に囚われているのか、『置き去り』のどちらかかと勘違いしていた。

もし打ち止めが『置き去り』か『超電磁砲の妹』かのどちらかだけなら、佐天は手を差し出すことが出来た。











ぐるぐる、
ぐるぐる、
ぐるぐる


もしも、
この学園都市には、表沙汰にされていない『闇』が潜んでいるなら。


『無能力者』の佐天涙子には、何も出来ない。

佐天涙子が、日常を投げ捨ててしまえば、打ち止めの力になることは出来るだろう。


助けてあげよう、と決心したくせに、『闇』が少しでも見えたら逃げる。

自分はそんなに弱い人間なのか。
でも、佐天涙子は『平和』を捨てることは出来ない。


助けたい
でも
『無能力者』の自分に何が出来る?


何気ない日常、幸せな平和、大切な友達、愛してくれる家族。

―――――――それを、あたしは捨てられるの?

でに、

打ち止めを、目の前の少女を、助けたいはずなのに。

ぐるぐる、
ぐるぐる、
ぐるぐる、
ぐるぐる、
ぐるぐる、
ぐるぐる


守りたいという正義と、
危ないことはしたくない恐怖。

逃げ出してしまえば、
見なかったことにしてしまえば、
忘れてしまえば。







佐天涙子は、



第7話 『決意と内情』投下完了です。

うちの佐天さん、TDSのさやかちゃんっぽくなっております。絹旗もか。

では、レス返しをー。

皆さんいつもレスありがとうございます。励みになります。
今回はアンケートレスが多いので、返事が必要かなぁと思ったのだけ返させてもらいます。すみません。
お待たせしてしまった方、いつもいつもすみません。
あと、アンケートのご協力、ありがとうございます!
この先もするかもしれませんが、その際もお力添えをしていただけると嬉しいです。
ちょっと酔ってるんで、方言使ってしゃべってるかもしれません。

>>234
絹旗に関しましてですが、>>260さんの解釈のとおりでございます。
描写が足りなくて、わかり辛かったと思います。私の力不足です。

>>237
あふぅ。
垣根くん、シリアスキャラとして書いたつもりが…。私が書く垣根はギャグキャラにしか見えないんでしょうか…。

>>241
いえいえ。私は気にしないので、むしろつけてくれると個人的には嬉しいです。

>>244
上条さんがやたらとフラグをたてるの、あんまり好きじゃないんですよ…。
>>244さんの考察のとおり、御坂や上条とは食蜂はフラグはたたないかもしれません。
フレンダはそうですよね。とりあえず、今のところは発表待ちにしようかと…。

>>248
私の頭の中では、低能力か異能力かの予定で、
皆と協力してレベルあがった→仲間ってすごい!→皆ちょっとずつ仲間を意識していく
みたいな流れがあったのですが、そういえば新刊で能力わかるかもしれないなぁといまさら気づいたわけなんです。

>>250
数B難しいですよね。私は文型なので、理系は…ちょっと…。
カンニング…チキンな私には到底無理だろうなぁ。
僕っ娘百合子、かわいいですよね。うん。昔からマイナーなカップリングとか大好きだったので、発想が斜め上なんです…。
実はうちの百合子さんのお相手が決まってるだなんて口が裂けてもいえないわ。

>>251
私、体でら弱いんで、出席日数やばいんですよね…。
がんばらないとあかんですよね…。

>>253
むぎのんの能力ってけっこう使い勝手が悪いっていう設定もあるので(演算がめんどくさいとか、最大出力のあれとか)
能力者がいっぱいいてもいいかな~とは思ったんですけど、やっぱフレンダは無能力者のがかわいいかな…。

>>254
ちなみにまだグループは結成されておりませぬ。
でもグループってけっこうチートメンバーですよね。あわきんかわいいし。

>>255
>絹旗はマジギレしたら麦野より危険
こんな設定あったんですか…。勉強になります。
>遺伝子が能力に影響する
そういえばそうなんですよね…。でもフレメアはまだ発現してないだけかなぁと期待していたり。

>>256
>黒子と五分程度
やっぱり空間移動系ってすごいんですね。あわきんがレベル5認定候補って言われてるだけありますし…。
私はあんまり理系的な考察しないで読んでいるので、参考になります。

>>257
というか、原作の初期むぎのんのキャラがけっこうすさまじいことになってるから、他のサポートがめちゃくちゃ必要なのかなぁと私は思ってますね。

>>258
これに関しましても、>>260さんの考察のとおりでございます。
私の力不足です。

>>260
このSSは『超電磁砲』の方を主体としているので…、コミックス5巻の絹旗の布束を連行するシーンを見て、もしかして絹旗は表に未練がまだあるのかなぁと解釈しました。
このわかりにくいSSでそこまで読み解いていただいて、嬉しいです。
百合子ちゃん、能力名がうかばないんです。たすけてえろいひと。




>>261
キャラ崩壊やっぱり目立ちますかね…。
とりあえず、コミックスを見直してみます。

>>265
私の頭の中では、能力でものを作るときに一日かかる~みたいの感じの制限でしたが、ちょっと無理がありますね…。
百合子ちゃんに関しては、ネタバレになるので…。

>>266
そうなんですよね…。レベル2とレベル3の壁ってやっぱり、大きいですよね。
私の中での能力のレベルの差異は某クロススレと同じ解釈です。
>同系統
はやく兄弟姉妹キャラ出てこないですかね…。

>>267
一応六月という設定になってます。御坂が上条と会うよりも前の話ですね。
絹旗はこれから暗部にさらにおちてく~みたいな感じでがんばって生きたいです。いや、絹旗は好きですけども。

>>268
そうですね…。私がSS書くきっかけになったのは、某絹旗スレをおっかっけてこのSS速報に来たっていうのが一番ですからね。
むぎのんは変わらずおにちくキャラでございます。

>>274
絹旗ちゃんが本物の悪役のSSってあんまり見たことないですよね。
基本的に常盤台にいて、かわいがられているのがメジャーですよね・・・。


>>298
お寿司でしたが、体調悪くてほとんど食べてないっていう…。
やっぱ御寿司はスシローですね。

>>299
舞ってくれてありがとうございます!稚拙なSSですが、やっぱり読者がいると嬉しいですね。

☆フレンダの能力について
①テレポート→
②アポート→●●●●●●
③テレポ&アポ→
④火薬作成→●●●
⑤無能力→●●●●●●●
という結果でしたので、とりあえずは無能力者でいこうかと思います。みなさん、ご協力ありがとうございました。

新刊で判明するといいんですが…。というかいまさらですが新刊の表紙にていとくんとむぎのんいましたね。やっほう。

いつも投下が遅くてすみません。できれば3月までには完結させたいんですが…。

それでは、次回投下はまだ未定ですが、また。
まどマギと人狼のほうはもう少しだけ待ってください。すみません。

レス、お待ちしています。

あ、すみません!

あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!

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