春香「千早ちゃんが指輪をつけて事務所に来た」(140)

ガチャッ



春香「おっはようございまーす!」



…………



春香「あれっ」


春香「良い朝ですね! 天海春香です! おはようございます!」



…………




春香「あれっ?」

真「……おはよう、春香……」

春香「あ、おはよう真……どうしたの?」

真「ああ、うん……」

春香「なんか、事務所の雰囲気が暗いっていうか」

真「…………」

春香「朝イチで見ちゃいけないものを見ちゃったって感じなんだけど」

真「うん……実は、ちょっと困ったことがあって」

春香「困ったこと?」

真「千早が……」 チラッ

春香「千早ちゃんが?」 チラッ




千早「ふふっ……ふふっ、ふふふっ……」




春香「あぁー」

真「朝からあんな感じでさ」

春香「うーん……でも、別に珍しいことでもないよね?」

真「……まあね」

春香「千早ちゃん、嬉しいことがあるといつもあんな感じだし」

真「それはそうなんだけど、今回はちょっと」

春香「?」

真「千早をよく見てもらえばわかるよ」

春香「う、うん……」




千早「大好きはーにぃ……未来はなーにいーろ……♪」




春香「いつも通りじゃないかなぁ」

真「もっとよく見て」

 
春香「うん……あれ?」

真「…………」

春香「指輪だね」

真「うん、指輪だよ」

春香「しかも、左手の薬指につけてるね」

真「うん、左手の薬指に」

春香「…………」

真「…………」

春香「あっ、これは一大事だね」

真「だからそう言ったじゃないか」

 
春香「えっと、他の人は……」

真「みんな、急な出来事にびっくりしちゃって……」



雪歩「うぅ……お茶、誰かお茶はいりませんか……お茶……」 ウロウロ

貴音「響っ、響はまだですか、響……」 オロオロ



春香「あぁ……」

真「朝からこんな調子でさ……」

春香「雪歩はともかく、あんなにおろおろしてる貴音さんは初めて見たかも」

真「朝からクッションを抱きしめて離さないんだ」

春香(ちょっと可愛いかも)

 
真「それで、春香にお願いがあるんだけど」

春香「うん」

真「ちょっと、千早に話を……っていうか、ツッコミを入れてきて欲しいんだ」

春香「私が?」

真「竜宮組は朝から収録に行ってて、他に頼める人がいないんだよ……」

春香「あ、律子さんたちいないんだ」

真「事務所に戻るのは夕方なんだって」

春香「えっと、小鳥さんは?」

真「小鳥さんなら、あそこで……」

春香「……あー……」

真「…………」

春香「……確か、あれって『見ざるの姿』って言うんだよね」

真「もう、何も見たくないって……」

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真「千早の指輪を見たときの小鳥さん、すごかったんだよ」

春香「そうなの?」

真「うん、何て言うか……」

真「あ、ヴァンパイアに十字架を見せたらこういう表情をするのかな、って感じの……」

春香「わかりにくそうでわかりやすいなぁ」

真「そういうわけだから、春香にお願いしたいんだ」

春香「うーん……うん、わかった!」

真「やっぱり春香はこういう時に頼りになるね」

春香「えへへっ、千早ちゃんのことなら私に任せてよ!」






春香「ちーはーやーちゃんっ! おはよう!」

千早「…………」

春香「千早ちゃん?」

千早「はい……はい、誓います」

春香「千早ちゃん」

千早「? あ、春香……おはよう」

春香「うん、おはよう千早ちゃん」

千早「ごめんなさい、気が付かなかったわ」

春香「ううん、こっちこそ。妄想結婚式の邪魔してごめんね」

千早「何事も、リハーサルは大事だから」

春香「リハーサル……リハーサルかぁ」

千早「ええ」

春香「うん、ものは言いようだね」

千早「ふふっ、春香は今日も元気ね」

春香「えへへっ、私の取り得だもん!」

千早「でも、事務所のみんながどこか暗いのはどうしてかしら」

春香「千早ちゃん?」

千早「なに?」

春香「心当たりは無い?」

千早「心当たり……ごめんなさい、思いつかないわ」

春香「無いんだ」

千早「ええ」

春香「そっかぁ」

千早「ライブも近いし、みんな緊張しているのかしら……」

春香「緊張と言うか、緊迫に近いと思うんだけど」

千早「?」

春香(……どうしよう)

春香(いざとなったら、どうやって話を切り出せばいいのかわかんないよ……)

千早「ねえ、春香」

春香「うん?」

千早「今日のみんなは、いつもと少し違うように見えるけれど」

春香「うん」

千早「今日の私も、いつもと少し違うと思わない?」

春香「…………」



春香(どうしよう、まさか自分から切り出してくるなんて)

 
千早「…………」 ジッ

春香(すごく期待されてる……)

千早「春香?」

春香「えーっと、その……今日の千早ちゃん、ちょっとおしゃれな感じ、かなぁ?」

千早「そう? ……ふふっ、そうかしら」

春香(しかも、すごく嬉しそう……)

千早「具体的には?」

春香「えっと、ちょっと押しが強いかなーって」

千早「そう? それで、他には?」

春香(本当に押しが強いなぁ)

 
春香「えっと、えーっとね……」

千早「…………」 チラッ チラッ

春香(千早ちゃんがさりげなく指輪をアピールしてくる)

千早「私も、少しアクセサリーに気を遣ってみようと思って」 チラッ チラッ

春香(これはもうバーストアピールですよ、バーストアピール……)

千早「春香?」

春香「あっ、うん、その……えーっと」

千早「…………」

春香「…………」

千早「…………」

春香「……その指輪、すっごく綺麗だね」




春香(負けました)

 
千早「ええ、すごく綺麗よね……ふふっ、綺麗……本当に、本当に綺麗……」

春香「千早ちゃん」

千早「なに?」

春香「えっとね、その……つ、つける指が、ちょっと違うんじゃないかなーって!」

春香(ごめん真、これが私の精一杯だよ……)

千早「……これ、おかしいのかしら?」

春香「う、うん……その、左手の薬指っていうのは、ちょっと」

千早「ちょっと?」

春香「ぷ、プロデューサーさんもびっくりしちゃうんじゃないかなぁ、あははっ」

千早「それなら大丈夫よ」

春香「えっ」

千早「この指輪、プロデューサーがくれたの」

春香「そっかぁ……えっ」

千早「…………」

春香「……えっ」

 
千早「ふふっ、指輪……プロデューサーがくれた、指輪……ふふっ」

春香「千早ちゃん待って、ちょっと待って」

千早「なに?」

春香「その指輪、貰ったの?」

千早「ええ」

春香「プロデューサーさんに?」

千早「ええ」

春香「…………」

千早「ふふっ、春香ったらどうしたの?」

春香「えっとね、千早ちゃん。念のために聞きたいんだけど」

千早「?」

春香「妄想じゃなくって?」

千早「ええ、リハーサルじゃないわ」

春香「うん、そうそうリハーサル……あっ、リハーサルじゃないんだ」

 
千早「ふふっ、うふふ……」

春香「ご、ごめんね千早ちゃん! 私、真に用事があったんだ!」

千早「そうなの? ごめんなさい、引き止めてしまって」

春香「ううん、気にしなくていいよ……それじゃ」

千早「ええ」











真「……どうだった?」

春香「うん、とりあえず一大事どころじゃなさそうだよ」

 
雪歩「うぅ、誰かお茶、お茶はいりませんか……冷めちゃいますよぅ……」 ウロウロ

真「ゆ、雪歩! お茶ならボクが貰うから!」

貴音「響、ああ響っ……今すぐ響を抱きしめねば私は、わたくしはっ」 オロオロ

春香「た、貴音さん落ち着いて!」

小鳥「……見えない……何も見えないの……」

真「小鳥さんも、早く顔を上げてくださいよ!」

小鳥「……まっくらくらーいくらーい……」

春香「余裕があるのか無いのかどっちなんですか!」






千早「なんだか、事務所の雰囲気が少し賑やかになってきたわね」

 
小鳥「私もね、もう先を越されるなんてことには慣れたつもりだったけど……」

春香「…………」

小鳥「まさか、一回り年下の子に先を越されるなんて、そんな」

真「…………」

小鳥「そんな現実、耐えられないの! だからもう何も見ないわ!」

春香(……本気で泣いてる……)

真(これはそっとしておいてあげた方がいいのかな……)

春香「! そうだ、こういう時は……」

真「春香、誰にメール?」

春香「これはもう、プロデューサーさんに直接聞くしかないよ!」

真「そ、そう……だね」

春香「このままじゃプロデューサーさん、自分でも知らないうちに人生プランが決定しちゃうよ!」

真(もう手遅れじゃないかなぁ……)



千早「……きゅんきゅんっていうの……これってなぁに……♪」

春香「もう少しで事務所に着くらしいから、外で待ってるね」

真「う、うん……」

春香「中のことは真に任せるから、頑張って!」

真「うん……えっ」




バタン



雪歩「お、お茶を……誰か、お茶を飲みませんかぁ……」 ウロウロ

貴音「響、響はまだですか……落ち着きません、響を抱かなくては落ち着きません」 オロオロ

小鳥「私は逃げるの、この現実から! 私にはそんな生き方しかできないから!」 

千早「……ずっと見てて、ぜったいよ……♪」




真「……えっ」






P「やよいを送ってきたから、少し遅くなったな……」

春香「ぷ、プロデューサーさんっ!」

P「ん? ああ春香、おはよう」

春香「は、はい、おはようございます」

P「ドアの前でどうしたんだ? とりあえず中に……」

春香「そ、その前にですね、プロデューサーにお話が」

P「話? それなら、尚更中に」

春香「で、できれば誰もいない所の方が……」

P「? じゃあ……屋上でもいいか?」

春香「は、はい……」

 
 
 
P「それで、話って何だ?」


春香「えーっとですね、今日……その、千早ちゃんが」

P「千早が?」

春香「指輪を、そのー……着けて来まして」

P「ああ、あの指輪か!」

春香「多分、その指輪だと思います」

P「そっかー、じゃあ千早も喜んでくれたんだな!」

春香「そ、それはもう」

P「そうかそうか、それは良かった!」

春香「よ、良くありませんよ!」

P「いやー、千早ってさ、あんまりアクセサリーとか見につけないだろ?」

春香「それはまあ、そうですけど」

P「それで、今年の誕生日はちゃんとお祝いしてやれなかったし」

春香「は、はあ」

P「そのお詫びも兼ねて、何かプレゼントしてあげようと思ってさ」

春香「それで指輪を?」

P「ああ!」

春香「だ、だからって指輪は……他のアクセサリーじゃ駄目なんですか?」

P「それも考えたんだけど、千早ってちょっと肌が弱いらしくてさ」

春香「そうなんですか?」

P「ああ、だから金属をずっと肌につけてると赤くなっちゃったりするらしいんだ」

春香「そ、そうだったんですか……」

P「うん、指以外は」

春香「指以外は!?」

 
P「それを考えると、もう指輪しかないだろ?」

春香「いや、あの、そんなに器用な敏感肌なんて聞いたことありませんけど」

P「うん、俺も聞いたこと無かったな」

春香「はい」

P「でも千早がそうだって言うんだから、そうなんだろうな!」

春香(あっ、これは本気で信じてる目だ)

P「でも、知らなかったとはいえ悪いことをしたなー……今後は衣装にももっと気を遣ってやらないと」

春香「私、たまにプロデューサーさんが心配になります」

P「大丈夫だぞ、俺だってそれなりの給料は貰ってるんだから」

春香「そういう意味じゃないんですけど」

P「そうかー、千早は喜んでくれたかー。そっかー」

春香(いつか知らない人に、絵とか壷を買わされたりしないでくださいね……)

ガチャッ


P「おはようございまーす」

真「遅いですよ、プロデューサー!」

P「ん? 音無さんに、やよいを送ってから来るって連絡はしてたんだけど」

小鳥「…………」

P「なんで音無さんは一人でだるまさんがころんだをやってるんだ?」

雪歩「ああっプロデューサー!おはようございますお茶ですぅ!」

P「ああ、おはよう雪歩。朝からたくさんのお茶をありがとうな」

貴音「両手に湯飲みを持っているところ申し訳ないのですが、響は……」

P「もうすぐ来ると思うぞ? 後、人と話す時はクッションくらい置きなさい」

小鳥「…………」

P「音無さん、ここに領収書を置いておきますね」



真(さすがプロデューサー)

春香(この状況にも動じてない)

 
千早「ぷ、プロデューサー……」

P「おう千早、おはよう」

千早「は、はいっ、おはようございます」

P「その指輪、気に入ってくれたんだな」

千早「……と、当然じゃないですか」

P「金属アレルギーは大丈夫か?」

千早「何ですかそれ? あっ、はい大丈夫です」

P「そうか、それなら良かった!」




春香(どうしてあれで誤魔化せるんだろう)

真(ボク、だんだんプロデューサーが心配になってきたよ)

 
千早「ふふっ、指輪……プロデューサーから、指輪……」

P「ん? そういえば、千早」

千早「はい?」

P「つけるのは家か事務所で、って話だったけどさ」

千早「それは、まあ……一応、アイドルとしては」

P「うん、それはわかるんだけど」

千早「?」

P「その指につけるのはおかしくないか?」

千早「……えっ」




春香(あっ)

真(あー……)

 
千早「どうして……プロデューサー、どうしてそんなことを言うんですか?」

P「だって、左手の薬指につける指輪って……こう、特別なものだろ?」

千早「はい、そうですよ」

P「だから、そういうのは特別な時のために取っておかなきゃ」

千早「!!」



春香(真、いざという時はお願い)

真(さ、さすがのボクも怖いんだけど……)



千早「はい、わかりました」 

P「うん、千早は素直で良い子だな」

千早「ふふっ」



春香(あれっ)

真(あれっ)

 
P「おっと、もうこんな時間か……音無さーん、ちょっと外回り行ってきますね!」

小鳥「……はーい……」

P「さてと……じゃあ千早、今日のレッスンも頑張ってな」

千早「はいっ」

P「春香と真も、頑張ってくれよ」

春香「は、はいっ!」

真「はい!」

P「それじゃ……ああ雪歩、七杯目のお茶か? ありがとう、これ飲んだらもう出かけるから」



春香(千早ちゃん、素直だったね……)

真(うん、あっさり右手につけかえたし……)

千早「…………♪」



P「それじゃ、そろそろ……ああ貴音、響ならもう来るから、な?」

バタン


春香「ち、千早ちゃん?」

千早「あら春香、なに?」

春香「えっと、その指輪なんだけど」

千早「ああ、これ……ふふっ、プロデューサーったら」

春香「?」

千早「だって、特別な時のために取っておけっていうことは」

春香「うん」

千早「結婚式で俺が指輪をはめてあげるまで待っててくれということでしょう?」

春香「うん、違うと思うな」

千早「だからそれまでは、右手の薬指につけることにするわ……ふふっ」

春香「千早ちゃん、すっごくポジティブだね」

千早「春香だってポジティブだと思うけれど」

春香「方向性によっては千早ちゃんがぶっちぎりだと思うよ」

 
真「春香、ねえ春香……」 チョイチョイ

春香「どうしたの、真」

真「とりあえず、千早は落ち着いてるからいいんだけど……」

春香「うん」

真「プロデューサーのことをすごく慕ってる子が見たら、どうなるんだろう……」

春香「左手の薬指じゃなくなったし、プロデューサーからの指輪だって知らなければ大丈夫なんじゃないかなぁ」

真「いや、すぐ気付くと思うけど……」 チラッ



千早「……ふふっ、綺麗……この指輪、すごく綺麗」



春香「……うん、すぐわかるね」

真「もう見た瞬間にわかるよね」

 
ガチャッ


響「はいさーい!」 ガナハー

春香「あ、響ちゃ……」

貴音「響っ!」

響「もがっ!?」

貴音「響、ああ響、響」

響「た、たか、貴音、苦しい……わっぷ」

春香「た、貴音さん、落ち着いて」

響「た、貴音はどうしたんだ? ……あっそうだ、おはようございまーす!」

春香「う、うん、おはよう」

真「お、おはよう」

響「えへへっ」

響「…………」 キョロキョロ

 
響「あれ? プロデューサーは?」

春香「プロデューサーさんなら、さっき出かけたけど」

響「なんだー、せっかく褒めてもらおうと思ったのになー」

春香「え? えっと、何を?」

響「プロデューサーがね、いっつもはいさいじゃ駄目だ、ちゃんと挨拶しなさいって」

真「うん」

響「だから自分、ちゃんとおはようございますって言ったんだ!」

春香「う、うん」

響「ちゃんと言うことを守る子は、褒めてあげなきゃいけないんだぞ!」 ニコニコ

春香「ねえ、真……」

真「うん……」



春香・真((これ、見せちゃまずいよね……))

http://i.imgur.com/IaFyh3q.jpg

響「ちぇー、褒めてもらおうと思ったのになー」

春香「ね、ねえ響」

響「プロデューサー、いっつも大きい手で自分の頭をわしゃわしゃってしてくれるんだ」

春香「響?」

響「うん? なになに?」

春香「えっとね、落ち着いて聞いてほしいんだけど」



ガチャッ



美希「おっはようございますなのー!」

響「あ、美希! おはよう!」

美希「ねえねえハニーは? ミキ、ちゃんと挨拶したから褒めてもらうの!」 キラキラ



春香「ああ……」 キリキリ

真「なんだかボク、胃が痛くなってきた……」 キリキリ

 
響「プロデューサー、さっき出かけたんだって」

美希「えー、そんなのってないの!」

響「自分もちゃんと挨拶したから、褒めてもらいたかったのになー」

美希「あっ! じゃあ、ハニーが帰ってきたらもう一度ちゃんと挨拶するの!」

響「そしたらプロデューサー、褒めてくれるかな!」

美希「うん、偉い偉いってしてくれると思うな!」

響「楽しみだなー!」 

美希「楽しみなの!」 




春香「千早ちゃん、レッスンの時間って……」 キリキリ

千早「? あと2時間以上あるわよ」

真「だよねー……ごめん雪歩、ボクにもお茶……」 キリキリ

 
美希「あ、千早さん! おはようございますなの!」

響「おはよう、千早!」

千早「おはよう、二人とも」

響「なんか今日の千早、ちょっと嬉しそうに見えるぞ」

千早「そう? そうかしら……ふふっ」

響「うん、なんだか……あっ」

美希「あっ」

千早「……ふふっ」

響「千早、指輪!」

美希「指輪してるの!」




春香「私、小鳥さんの気持ちがわかったよ」

真「うん、ボクももう何も見たくないや……」

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響「いいなー!」

美希「すっごく綺麗なの!」 キラキラ

千早「ええ、本当に……本当に綺麗、ふふっ」

響「いいなー、千早いいなー!」 キラキラ

美希「ミキも欲しいの!」

千早「二人も良い子にしていれば、きっと……ね?」

響「うんっ、自分も頑張るぞ!」

美希「ミキも頑張るの!」

千早「ふふっ」





春香「真、ねえ真」

真「何? ボク、今はまだ真っ暗な中にいたいんだけど」

 
春香「もう目を開けても大丈夫っぽいよ」

真「本当? 目を開けたらドロドロな展開になってたりしない?」

春香「うん、むしろ私も予想外すぎてびっくりしてるから」

真「…………」 チラッ



響「自分も早く欲しいなー……」

美希「ハニーは優しいから、頑張ればきっとくれるって思うな!」

千早「そうね、プロデューサーは優しい人だもの」

響「でも自分、指輪じゃなくて首輪でもいいかも……なんちゃって!」

美希「あはっ、目がちょっと本気だったの!」

千早「ふふっ、我那覇さんらしいわね」

響「もうっ、二人ともひどいぞー!」



真「どうなってるの?」

春香「何が何だかわからないよ」

 
春香「ね、ねえ、三人とも」

千早「あら、春香」

春香「えーっと、その……千早ちゃんが、指輪を貰ったんだよね」

千早「そうね」

響「えへへっ、次は自分の番かな!」

美希「ミキも負けないの!」

春香「私が恐れてた展開と違うのは、すごく嬉しいんだけど」

千早「ねえ春香、思い出してみて」

春香「?」

千早「私とプロデューサーの関係」

春香「うん、アイドルとプロデューサーだよね」

千早「ええ、結婚目前のアイドルとプロデューサーよね」

春香「……あー、うん、千早ちゃんが言うならそうなのかなぁ」

 
千早「そんな関係で、プロデューサーが指輪をくれた」

春香「うん」

千早「これはもう、結婚していると言っても過言じゃないわよね」

春香「過言だと思うよ?」

千早「……ふふっ、春香ったら変なことを言うのね」

春香「えっ、私が変なこと言ってるの?」

千早「それで、私とプロデューサーは晴れて夫婦になったわけだけれど」

春香「なってない、なってないよ千早ちゃん」

千早「そうね、なると決まったわけだけれど」

春香「どうしようこれ、ねえ真」



真「やっぱり雪歩のお茶は落ち着くなぁ」

雪歩「えへへっ」



春香「…………」

美希「ちぇー、千早さんに先を越されちゃったの」

春香「先っていうか……美希はどう思ってるの?」

美希「んー……ミキは、ハニーのことが大好きなの」

春香「うん」

美希「でも、千早さんのことも大好きなの」

春香「うん……」

美希「だからミキ、二番目のお嫁さんにしてもらうの!」

春香「…………」

美希「ねえ千早さん、いいよねっ」

千早「ええ、本妻にはそのくらいの器量が必要だもの」 クスクス

春香(ここで身を引くという選択肢が無いあたり、美希も本物だなぁ)

響「美希はプロデューサーが大好きだもんなー」

美希「響は違うの?」

響「自分? 自分は……うーん、別に、お嫁さんにしてほしいってわけじゃ」

 
春香「そうなの?」

響「うん、別にお嫁さんにしてほしいってほどじゃないぞ」

春香(よかった、響ちゃんはまだ普通……)

響「じ、自分は、プロデューサーの家族になれれば、それで……」 モジモジ

春香「…………」

千早「ふふっ、賑やかな家庭になりそうね」

美希「楽しみなの!」

春香「どうしよう、プロデューサーさんの人生プランが知らないうちに確定しちゃいそうだよ」

小鳥「……め、妾!」

春香「えっ」

小鳥「妾のポジションは空いてる!? も、もしくは愛人でも……」

春香「小鳥さん……」

響「ぴよ子……」

美希「小鳥、目が怖いの」

 
小鳥「妾だろうと愛人だろうと、家庭に入れればそれで勝ちじゃない……!」

春香「あの、それって家庭に入ってないと思うんですけど……」

貴音「私は、響の保護者として付き添う義務がありますので」 スリスリ

響「もう貴音、頭がくすぐったいぞー」

千早「……ふふっ、楽しい家庭になりそうね」 

美希「毎日がキラキラで、すっごくステキなの!」

春香(プロデューサーさん……)





春香(プレゼント選びって、すごく重要なんだなぁ……)




千早「春香はどうするの?」

春香「うん、じゃあ私もお嫁さんで」


終わり

やよい「もーまた膣内にだしてだめじゃないですかー!」

P「すまんつい……」

やよい(ふっ、わたしの一人勝ちとも知らずのんきなやつらだ)

最後は自分でも何がしたかったのかわからない
でもこんな765プロがあってもいいよね、むしろこうであってほしい
自分としては、久しぶりにちょっとめんどくさいちーちゃんが書けたので満足

はるるんはちゃっかり屋さんだなあ!
乙支援
http://up2.viploader.net/pic/src/viploader1252127.jpg

>>119
ああああああああありがとう!!!!
支援絵を貰ったのは初めてだ

後、今回はガリの出番は無かったけど
ぶっちゃけ出す必要も無かったからちかたないね

今さらだけど、>>86の絵を見て
何故かあずまきよひこを思い出した

>>120
乙。テンポよくて面白かった
よければこれまで書いたSSのスレタイを教えてくだされ

>>128
晒すのは恥ずかしいけど、まあもう誰も見てないだろうから

春香「プロデューサーさんにストーカーが……?」
千早「大好きはーにぃ……♪」
千早「最近のみんなはプロデューサーに依存しすぎよ」
千早「そういえば、もうすぐバレンタインね」

小鳥「貴音ちゃんは、いくつまでサンタを信じてた?」
響「枕営業、って……」

ぱっと思いつくのはこんな感じです

>>129
プロデューサーに依存しすぎよは読んだことあったわ
機会があったらまた何か書いてくれよ

>>131
ありがとう、機会があったらまた読んでください

それでは

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