夏海「気に食わないんだよね、ほたるんのこと」 (12)

蛍「えっと、夏海先輩?」

夏海「二人だから言っちゃった、でも気に食わないから仕方ないよね、夏海ちゃん悪くないしー」

蛍「ど、どうしてですか、私が気に食わないんですか?」

夏海「うーん、わかんない、でも気に食わないの」

蛍「そ、そんなこと言われても……あの、直せるとこは直しますから、だから理由を……」

夏海「理由かぁ、うーん……あ」

蛍「なにか思い付きましたか!?」

夏海「ほたるんは子供らしくないから気に食わない」

蛍「子供らしくない、ですか?」

夏海「れんちょんは見ての通りお子様じゃん?」

蛍「れんちゃんはまだ一年生ですしね」

夏海「姉ちゃんは見ての通りお子様じゃん?」

蛍「小鞠先輩ですしね」

夏海「そんな中、大人なうちが二人の面倒を見てあげてた訳だけどさ」

蛍「え、大人……? あ、いえ、そ、ソウデスネ」

夏海「ほたるんはなんだか大人びちゃってさ、背だってほら」

ぎゅっ

蛍「あ、あの……」

夏海「うちが見上げないといけないなんて、気に食わない」

蛍「す、すみません」

夏海「それに」

蛍「ま、まだあるんですか?」

夏海「ほたるんは一人でなんでも出来ちゃうしさ」

蛍「そんなこと……」
夏海「あるんだよっ!」

夏海「ほたるんって料理やお裁縫出来るじゃん?」

蛍「そんなに上手くは出来ませんけど、少しなら」

夏海「勉強だって普通に出来ちゃうしさー」

蛍「で、でもほら、スポーツは全然ですし!」

夏海「スポーツなんて大人になったらしないでしょ、母ちゃんがスポーツしてるとこなんて見たことないし」

蛍「えっと、ええと……」

夏海「だからほたるん、うちは年下のくせに大人っぽいほたるんが目茶苦茶気に食わないんだよね」

蛍「す、すみません」

夏海「だからさ、ほたるん」

蛍「なんですか?」

夏海「これからは二人っきりの時だけ、年上として接するから」

蛍「は、はい……?」

後日

夏海「ほったるーん」

ぎゅっ

蛍「えっ、な、夏海先輩?」

夏海「違うよほたるん」

蛍「夏海先輩、ですよね?」

夏海「二人っきりなんだし先輩はつけないでよ、それよりさ、今から遊ぼう!」

蛍「えっと……なにをして遊びましょうか?」

夏海「何でも良いからとりあえず遊ぼう!」

蛍「えとえと、じゃあ私の家のゲームとかしますか?」

夏海「おおっ! ほたるん家のゲーム! 一緒にやろう!」

蛍「はい、それじゃあ行きましょうか」

夏海「うん!」

夏海「うりゃりゃりゃりゃー!!!」ベチベチベチベチ

蛍「……」ポチポチ

夏海「ブンブンブブーン!!」ベチベチベチベチ

蛍「……」ポチポチ

夏海「もいじゃうぞー!!!!」ベチベチベチベチ

蛍「……」ポチポチ

夏海「あぁっ!? 負けたぁぁあああ!!」

蛍「……ふぅ」

夏海「くそー、負けちゃったよー」

ぽすっ

蛍「夏海先輩?」

夏海「んー?」

蛍「あの、膝……」

夏海「ああ、ちょっと借りるね」

蛍「え、あの、夏海先ぱ」夏海「先輩は要らない」

夏海「……」

蛍「えっと夏海先ぱ、夏海さん?」

夏海「さんも要らない」

蛍「……な、夏海?」

夏海「んー、なにほたるん」

蛍「これが年上扱いなんですか?」

夏海「んー? そうかなー」

蛍「今なら気に食わなくはないですか?」

夏海「多分そうだねー」

蛍「そうですか……良かったぁ」

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