勇者「村人詳し過ぎね?」 (29)

僧侶「そうですか?」

勇者「だってさ、最初の町に居た人が、ある程度の距離や方向から砦の数まで知っていたんだぜ」

僧侶「たまたまじゃないですか?」

勇者「魔王城から一番遠い町なのにか?しかも、兵士じゃなくてただの村人」

僧侶「その人は町に来るまで旅人だったとか」

勇者「魔王が現れてから半年もたってないのに?もしかしたらそんな可能性があるかも知れないけど、他の人はどうよ」

僧侶「他の人とは?」

勇者「例えば3つくらい前の町の人」

期待

DQ1クリアしたんだが次やるならなにがいいかな

ミサカネットワークでつながってるんだと思う

僧侶「あのボスの特徴とか弱点とか教えてくれた人ですね。助言が無ければ危うく負ける所でした」

勇者「有難い助言だったけど、なんであの人はそんな事知っていたんだ?」

僧侶「なんでって言われましても、誰かが先に行って伝言を残したのかもしれません」

勇者「でも、あの洞窟、宝箱全く開いてなかったし、ボスも久しぶりの人間だとか言ってたぞ」

僧侶「魔物は記憶力が著しく悪いとすれば、おかしくはありませんよ」

勇者「可能性が無くはないな」

僧侶「そういうことなんじゃないですか。真実が拍子抜けするほど単純なことは、多々ありますし」

勇者「そうかもしれないな。でも、もうひとつ凄く気になることがあるんだ」

僧侶「何ですか?」

勇者「色んな町で様々な情報をくれた人がいっぱい居たよな。僧侶、お前はその人達の顔、覚えている?」

僧侶「そんなことあたり・・・あれ?」

勇者「俺はさ、どんな人がどんな情報をくれたかは覚えているさ。でも、誰一人として顔だけは思い出せないんだよ」

僧侶「言われてみると、顔だけがすっぽり抜けたかのように思い出せません」

勇者「しかも、そんなことが二三回続けば、すぐに不審に思うはずじゃん。けど、ここまで一回も違和感すら感じなかったんだ」

僧侶「確かにそうですね」

勇者「これって、何か仕組まれているのか?」

僧侶「あり得なくはないでしょう。しかし、それでしたら、嘘の情報を流しますよね」

勇者「そうなんだよな。情報を変えて殺すなら、もっと早くしてもいいはずなのに」

僧侶「どうします?一回確認のため、戻りますか?」

勇者「そうしたいのは山々だけど、俺は勇者だから。こうしている間にも人は殺されている。それなのに、戻っている暇なんか無いよ」

僧侶「罠かもしれませんよ?」

勇者「罠であっても、退くわけには行かないさ。それに、敵の罠を打ち破ってこその勇者だろ?」

僧侶「そうですね。私も最後までお供しましょう」

期待

勇者「いいのか?相手は魔王なんだ。死ぬかもしれないんだぞ」

僧侶「今までだって、死にそうになることは何回もありましたから」

勇者「けれど今回は!」

僧侶「大丈夫ですよ。危なくなったら勇者様が助けてくれますから」

勇者「守れる自信なんてないぞ」

僧侶「勇者様は世界を救うんですよね。なら、目の前にいる私一人救えなくてどうするんですか!」

勇者「そうか・・。そうだよな。よし!俺はお前を絶対守る!」

僧侶「その意気です」

勇者「いくぞ!」

僧侶「はい!」

―魔王の間―

勇者「死ね!魔王!」ズシャ

魔王「グアアア!」

僧侶「やりましたか!」

魔王「クククク、これくらいで良い気になるなよ勇者!我は滅びぬ!数百年間、休んだ後必ず復活する。しばし眠るだけだ。さらば勇者よ!」

僧侶「消えましたね」

勇者「ああ。それより魔物は!?」

僧侶「先程まで外に見えたのに、今はいません!」

勇者「魔王と一緒に消えたのか?」

僧侶「みたいですね」

2人パーティーなのか

感動した

勇者「じゃあ!」

僧侶「はい!世界は救われました!」

勇者「ついにか・・・。僧侶、いままでありがとう」

僧侶「いえ、勇者様が居てくれたからです。約束通り守ってくれましたし」

勇者「当たり前だろ。ここまで二人で来たんだ。終わりも二人じゃなきゃな」

僧侶「これで旅も終わりですね」

勇者「ああ。でも、魔王はまた蘇るのか」

僧侶「そうですね。しかし、数百年の平和は約束されました。今はそれを喜びましょう」

勇者「魔物ももう居ないしな。俺達の国に帰ろうか」

僧侶「はい」

はよ

―王の間―

王様「勇者よ!よくぞ魔王を倒してくれた!これで世界も平和になるじゃろう」

勇者「私だけの手柄ではありません。これは旅の途中で出会った人々の支えがあったからです」

王様「おお、なんと謙虚なのじゃ。勇者よ、お主が望む物はなんでも用意してやろう。さあ、何を望むんじゃ」

勇者「望む物ですか。私が望むのはこの」スッ

僧侶「え?」

勇者「この僧侶との平和な暮らし、ただそれだけです」

僧侶「勇者様?」

つまんね
もしもし死ねよ

勇者「少し遅くなったな。僧侶、結婚してくれ」

僧侶「・・・私で良いんですか?」

勇者「お前じゃなきゃ嫌なんだ」

僧侶「で、でも・・・」

勇者「俺と結婚するのは嫌か?」

僧侶「そんなわけありません!」

勇者「なら!」

僧侶「・・・不束者ですが、よろしくお願いします」

勇者「こちらこそよろしく」

イイハナシダナー

王様「これはこれは、めでたいのう」

勇者「王様!申し訳ありません」

僧侶「あ、あの・・・」

王様「良い良い。そうじゃ、お主達の式を国を挙げて行おう。魔王退治とその英雄の結婚。祭となりそうじゃな」

僧侶「良いんですか!」

勇者「ありがとうございます」

王様「これくらいどうてことあるまい。他には何かないかのう」

勇者「充分です」

王様「僧侶、そちもか?」

僧侶「はい」

王様「住むところはどうする。決めてないのなら斡旋しようではないか」

勇者「いえ、二人で平和になった世界を回り、それから決めようと思います。気になることもあることですし」

王様「ほう。気になることとな」

勇者「旅の道中で何回かおかしなことがありまして、それについて少し調べようかと思いまして」

王様「どんな事だ」

勇者「様々な町で情報をくれた方々が、あまりにも知りすぎていたということです」

王様「そういうこともあるんじゃないか」

勇者「あれは明らかに異常です。まるで、誰かが先にやったかのようでした」

きたか

王様「はぁ。勇者よ。このままなにも知らずに僧侶と幸せに暮らすのが良いか、それとも・・・」

勇者「それとも?」

王様「全てを知り、死に行くののどちらが良い?もし前者を選ぶのなら、特別にその疑問やこの記憶を消してやろう」

勇者「何か知っているのですか!?」

王様「二人で選べ。後悔の無いようにな」

勇者「僧侶、どちらが良い?」

僧侶「勇者様、わかってます。私は大丈夫ですよ」

勇者「ありがとな。王様、俺達が選ぶのは全てを知ることだ!」

王様「愚か者が。仕方がない、楽しませてくれたからな。命を助けてはやらないが、教えてやろう。まず、お前達は魔王の顔を覚えているか?」

勇者「忘れるわけない・・・はずだよな」

僧侶「まさか!」

王様「そうだ。魔王も町民も全て同一人物だ。もっとも人ではないがな」

勇者「何故お前がそんなことを知っているんだ!?」

王様「決まっているだろ。それの人物は私だからだ」

勇者「そんなバカな!!」

僧侶「どうして!?」

王様「理由か。簡単なことだ。暇潰しだよ」

勇者「暇潰しだと!何様のつもりだ!」

僧侶「神にでもなったつもりですか!」

王様「その通りだ。私が神だ。この世界を作った、な。お前達が生まれる何千年も前のことだ」

僧侶「じゃあ、私達が崇めているのは」

王様「私だな。一部は私以外を神と崇めている集団もいるが」

僧侶「そんな・・・」

勇者「証拠は!何か証拠はないのか!」

王様「証拠か。そうだな」

村人「こんなのとか」

町民「こんなの」

魔王「こんな所でどうだ?」

勇者「情報をくれた人や魔王まで・・・。本当だったのか・・・・」

僧侶「じゃあ、あの時消えたのは!?」

王様「消えたのではなく、こちらに戻っただけだ。それにしても残念だ。結構手間暇かけて育てたお前達を殺すのはな」

僧侶「なんで殺されなければならなのですか!?」

勇者「俺達の、人間の命をなんだと思っていやがる!」

僧侶ちゃんと付き合いたい

王様「仕方あるまい。忘れさせることはできるが、他の神が嫌がらせでお前達に力を与えているせいで、完全には消せないからな。言い伝えでも残ったら次のゲームに支障が出る」

勇者「力を与えているって、まさか・・・」

王様「お前達が神の加護とか言っているものだな。少々スパイスとなるが、シナリオを壊されて手を焼いている。さて、もう終わりにするか」

魔王「ついでだ。こっちの姿で殺してやろう」

勇者「簡単にやられてたまるか!例え神だとしても、俺は最後まで抗ってやる!」

僧侶「勇者様との幸せ。享受せずに死んではいられません」

魔王「苦しまずに殺してやろうと思っていたのに。あまり暴れるなよ?照準が狂うと苦しむこととなるぞ」

勇者「最終決戦だ!勝つぞ!」

僧侶「はい!」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom