キョン「ハルヒに秘密を暴露するハメになった」 (471)

~放課後 部室 団活中~


キョン「なあハルヒ」

ハルヒ「何よ?」

キョン「俺、小3の時に教室でウンコ漏らして周囲をドン引きさせたことがあるんだ」

ハルヒ「はぁ? 何よそれ、みっともないしダサいわね」

キョン「……」

ハルヒ「でもまぁネタにはなるわね。ぷぷっ、ウンコ漏らしたって!」

キョン「くっ……」

長門「……」

みくる「……」

古泉「……」





キョン(よしセーフ!!)

キョン「はぁ、たくっ……」

古泉「助かりましたね」ボソッ

キョン「顔近い。しかしハルヒの奴、せっかく忘れていたトラウマを思い出させてくれやがって」

古泉「仕方ありません。今のこの状況では」

キョン「分かってる。今は耐えて様子を見るしかないってこともな」

キョン「しかし……はぁ、いい恥さらしだ」


ハルヒ「みくるちゃーん! みくるちゃんもまた何か面白い話ないの?」

みくる「え!? いいいえ、今のところは何も……!!」

 
古泉「……恥をかいているのはあなた以外のメンバーも一緒ですよ」

キョン「……だな」

長門「……」


キョン「はぁ。何でこんな事態になっちまったんだか」

これはきつい

~回想 前日 部室~


ハルヒ「あんたたち、あたしに何か隠し事してない?」


キョン「……は?」

みくる「え?」

長門「……」

古泉「隠し事……ですか?」

キョン「唐突になんだ? なぜいきなりそんなことを聞く?」

ハルヒ「いいから。答えなさいよ」

キョン「いや、答えろと言われても……」


キョン(何だ何だ? また突拍子もないことを言い出したなこいつ)

キョン(まさか長門や朝比奈さん、古泉の正体に感づいたとか? それとも自分の持つ能力に?)

キョン(変なところで勘がいいからなこいつ。いやまさかとは思うが……)

キョン「何で俺たちが隠し事をしているかもなんて思ったんだ?」

ハルヒ「別に。ただ何となく聞いてみたくなっただけよ」

キョン(何となくかよ。驚かしやがって……)

キョン「俺たちは誰も隠し事なんてしていないぞ」

ハルヒ「……本当でしょうね?」

キョン「そういうお前はどうなんだ?」

ハルヒ「え?」

キョン「お前は俺たちに何も隠し事をしていないのか?」

ハルヒ「当然! あたしには隠さなきゃいけないことなんてないわよ!」

キョン「ほう。じゃあお前のスリーサイズ教えろ」

ハルヒ「アホか!」ゲシッ!

キョン「いってぇ!? スネを蹴るなスネを!」

ハルヒ「あんたがいきなり変なことを聞いてくるからでしょ!」

キョン「そうか。教えたくないか」

ハルヒ「当たり前でしょ!」

キョン「ほらな。人には誰だって隠していたい秘密の1つや2つ、あるもんだ」

ハルヒ「う……」

キョン「それを無理やり聞き出すような真似をする必要もないだろう」

ハルヒ「むー……」

キョン「心配するな。犯罪犯したとか浮気したとか、そういう後ろめたい隠し事してる奴なんかいるわけないから」

ハルヒ「浮気って何よ浮気って!」

キョン「物の例えだ! ともかく! お前が不愉快になるような隠し事してる奴なんかSOS団にはいないから安心しろ」

ハルヒ「ぬー……」

キョン「ほら、この話は終わりだ。お前も何となく聞いただけなんだろう?」

ハルヒ「ぶー、分かったわよ」

ハルヒ「もう夕方ね。じゃああたし先に帰るから戸締りよろしく!」


ガチャ バタン


キョン「…………帰ったか。はー、ビックリした」

古泉「ふふ、いつもながら見事な説得でした。流石ですね」

みくる「まさか涼宮さんがあんなことを聞いてくるなんて、あたしも驚いちゃいました」

キョン「隠し事、か。俺たちはハルヒに対してこれ以上ないでかい秘密を隠しているだよなぁ」

キョン「できることなら話してやりたいがな。あいつだけ知らないで仲間外れみたいだし」

古泉「仕方ないですよ。涼宮さんの能力のことを考えると、今は話すわけにはいきませんから」

みくる「涼宮さん、あれで本当に納得してくれたのでしょうか?」

キョン「しつこく食い下がりませんでしたし、大丈夫だと思いますよ」

古泉「気にしていても仕方ありません。僕たちも帰りましょう」

みくる「そうですね。あたしメイド服着替えないといけないから、戸締りはあたしがしておきますね」


キョン(大丈夫、だよな? 何か少し嫌な予感が……)

~翌日 朝 教室~


キョン「ようハルヒ、おはよう」

ハルヒ「おはよ。相変わらず冴えない顔してるわね」

キョン「ほっとけ」

ハルヒ「冴えない顔という自覚はあるのね。さて、今日はどんな活動をしようかしら」

キョン(ふむ、いつもと変わらんな。やはり昨日のあれはただの気まぐれだったか)

キョン「ああそうそう、ハルヒ」

ハルヒ「何?」

キョン「俺さ、昨日の帰り道でエロ本拾ったんだよ」

ハルヒ「…………はぁ?」

キョン「なかなかの上物だったぞ。おっぱい大きい娘が多くてな」

ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン?」

キョン「今どき道端にエロ本捨ててあるのも珍しいがな。不思議と俺昔からそういうのに遭遇しやすいんだよ」

キョン「今回が初めてじゃなく、小学生の頃からこれで通算7冊目でな」

ハルヒ「キョン!」

キョン「うお! な、何だ?」

ハルヒ「あんたさっきからクラス中の注目集めてるわよ」
 
キョン「へ?」


ザワザワザワ・・・ ヒソヒソ ボソボソ


キョン「……………………はっ!!」

キョン(な、何だ!? 俺は今、何を喋ってたんだ!?)

キョン(お、俺の意思じゃない!? 俺の意思と関係なく、口が勝手に喋ったような……?)

ハルヒ「ねえキョン」

キョン「ほい!? なな何だ?」

ハルヒ「今の話、ちょーっと詳しく聞かせてもらおうかしら」

キョン「あ、えと、そのだな…………すまん! ちょっと用事思い出した!!」ダッ!!

ハルヒ「あ! こら、どこ行くのよ! 待ちなさい!」

~下駄箱~


キョン「ぜえ、ぜえ、な、何だったんだ、さっきのは……」

キョン「何で俺はあんな絶対に秘密にしておきたいことを堂々と……」

キョン「まるで何かに操られたかのごとく口が勝手に動いて……って、おいおい、まさか」

みくる「あっ、キョンくん、おはよう」

キョン「朝比奈さん。どうも、おはようございます。あれ? いつもこんなにギリギリに学校に来るんですか?」

みくる「いえ、今日はちょっと寝坊しちゃって」

キョン「あはは、おっちょこちょいですね」

みくる「もう、おっちょこちょいなんて言わないでよぉ」

キョン「はは…………って、のんびり話してる場合じゃない!?」

みくる「ひゃ! ど、どうしたんですかキョンくん?」

キョン「朝比奈さん! 実は大変なことに……」

ハルヒ「くおらぁ! 見つけたわよキョン!」

キョン「ぎゃああ! 追いかけてきやがった!?」

ハルヒ「さぁキョン、さっきのはどういうことか根掘り葉掘り聞かせてもらうわよ!」

キョン「待て待て! ちょっと待て!?」

みくる「あ、あわわ、どうしたんですか涼宮さん?」

ハルヒ「あらみくるちゃん、いたのね。おはよう」

みくる「お、おはようございます。あ、そうそう! 涼宮さん!」

ハルヒ「何? 今忙しいんだけど」

みくる「あたし、夜寝る時はヌイグルミを抱いてないと眠れないんですよ」

ハルヒ「……はい?」

みくる「しかもそのヌイグルミ、手作りなんです! それも涼宮さんがモデルの可愛いヌイグルミなんですよ!」

ハルヒ「は、はぁ」

みくる「実はSOS団全員のヌイグルミを作ったんですけど、涼宮さんが一番抱き心地がよくて……」

ハルヒ「ちょっと、みくるちゃん?」

みくる「……………………あれ?」

みくる「あたし……………………今、何を言いました?」

ハルヒ「みくるちゃん、今の本当?」

みくる「へえぅ、あ、あの、その」

ハルヒ「みくるちゃんはいい年してヌイグルミがないと寝れないんだー」

ハルヒ「それもあたしがモデルのヌイグルミって……え、みくるちゃん、まさか……」

みくる「ち、違うんです違うんです! これは口が勝手に!」

ハルヒ「あーもー! 可愛いわね! どんだけ萌えさせる気よ! このー!」ムギュッ!

みくる「うひゃあ!? ははは離してくださいぃ~!」

キョン(ど、どうやら朝比奈さんに興味が移ったおかげで俺のことは忘れているようだ。助かった……のか?)

ハルヒ「しかも何? 自分からそんなことを言うなんて、自分の気持ちをあたしに気づいてほしかったわけ?」

みくる「だから違いますぅ~!! 違うんです~!!」

キョン(のん気なこと考えてる場合じゃないな。朝比奈さんがピンチだ)

キョン「こらハルヒ。そのへんにしとけ」グイッ

ハルヒ「何よ! 邪魔するんじゃないわよ!」

キョン「そろそろ朝比奈さんが限界だ。それにもうすぐHRも始まる。教室に戻るぞ」

ハルヒ「む~、分かったわよ。みくるちゃん、じゃあね」

~教室~


ハルヒ「あー楽しかった。みくるちゃんの意外な秘密知っちゃったわね」

キョン「まったく、お前は……」


谷口「ようキョン。さっきのエロ本云々ってのは何だったんだ?」

キョン「あー……ハルヒによる罰ゲームだよ」

谷口「はは、そんなこったろうと思った。お前も大変だな」

キョン「まあな。はぁ……」

キョン(それにしても……さっきの朝比奈さんも明らかにおかしかった。俺と同じように……)

キョン(これはもう間違いないな。異変が起こっている。ハルヒ絡みの。また厄介なことに……)


ハルヒ「さてキョン。さっきのあんたの話、じっくり聞かせてもらおうかしら」

キョン「げっ! こいつ覚えてやがった!? 知らん知らん! 俺は何も知らん!」

岡部「こらそこ、HR始めるぞー」


キョン(はぁ。とりあえず……昼休みに長門に相談してみるか)

~昼休み 部室~


キョン「長門、いるか?」ガチャ

長門「……」

キョン「いてくれたか。実は……」

古泉「ぜえ、はあ、はあ……」

キョン「うお! 古泉いつの間に! というかどうした? そんなに息を切らせて何かあったのか?」

古泉「さ、先ほど偶然涼宮さんと会ったのですが、その時に、その……不思議なことですが、口が勝手に喋ったといいますか」

キョン「あー、お前もか」

古泉「ということは、あなたも?」

キョン「ああ、朝比奈さんもだ。ここへはその相談に来たんだ。で、お前はどんなことを暴露しちまったんだ?」

古泉「言わせないでくださいよ。もう周りの視線が痛くて痛くて、ここまで逃げてきたんですから」

キョン(へえ、こいつにもそんな秘密があったんだな)

みくる「あ、キョンくん、古泉くん。えっと、ここにいるということは」

キョン「朝比奈さん。朝比奈さんも来たんですね。ちょうど4人揃った。とにかく話し合おう」

キョン「それで、今回のこれは何なんだ? ハルヒの前で、何と言うか、俺の意思とは関係なく喋ってしまったんだが」

キョン「その……できれば誰にも知られたくない秘密というか隠し事をな」

みくる「あ、あたしもそうです」

古泉「僕もです」

キョン「これはやっぱり……昨日のあれが原因か?」

古泉「ええ、間違いないでしょうね」

キョン「何でだよ! 大人しく引き下がったから諦めたと思ったのに!」

古泉「心の底では納得できていなかったということでしょう」

キョン「だろうな。まったく……長門、今の俺たちの状態って……?」

長門「涼宮ハルヒに対し、個人的な秘密や隠し事を強制的に喋らされる状態」

キョン「はぁ……改めて聞くととんでもないな。それはハルヒの前でだけか? あとどれぐらい暴露させられるかとか」

長門「不明。特に法則性は見受けられない」

キョン「誰がいつどのぐらい被害にあうか分からないってことか。まいったな」

古泉「このような状態になっているのは僕たちだけでしょうか?」

長門「そう」

キョン「長門、お前もか?」

長門「そう」

キョン(マジか、長門まで……しかし、長門の秘密とやらは少し興味あるな)

みくる「あ、あの、あたしたちいつまでこの状態なんでしょうか?」

長門「不明」

古泉「ふむ、涼宮さんの気がすむまでといったところでしょうか」

キョン「あいつめ、俺たちの何が聞きたいんだ? そんなに俺たちのことを疑っていたのか?」

キョン「……まぁ実際に俺たちはあいつに対してでかい隠し事があるわけだが」

古泉「最初は本当に何気なく聞いただけだったのでしょう。しかし、いざ口に出してみると疑念がどんどん膨らみ……」

古泉「やがてその疑念を抑えられなくなり、このような事態を引き起こした。こんなところでしょうね」

キョン「さすがにハルヒの考え方はよく分かってるな」

古泉「プロですから」

キョン「それで、どうすればいいんだ? このまま知られたくもないことを暴露し続けるなんて恥ずかしすぎるぞ」

古泉「いえ、それよりも厄介なことがありますよ」

キョン「ん? 何だ?」

古泉「あなたも先ほど言ったでしょう、涼宮さんに対しでかい隠し事があると。それを我々の口から暴露してしまうと……」

キョン「あ、そうか。何でそこに気がつかなかったんだ俺……」

みくる「あたしたちの正体や涼宮さんの力のことを喋ってしまうかもしれないということですか!」

古泉「ええ。涼宮さんが事実を知ったらどのような事態になるか。それを防ぐために我々は今まで奔走してきたわけですからね」

キョン「思ったよりもやばい事態だな。自分の恥を気にしてる場合じゃ…………やっぱり恥をかくのは嫌だな……」

古泉「僕だって嫌ですよ。ですが今は……」

キョン「分かってる。何を優先すべきかぐらいはな」

みくる「あ、あたしも恥ずかしいけど我慢します……」

キョン「いっそのこと、ほとぼりが冷めるまで学校を休んで、ハルヒと顔を合わせないようにしてみるか?」

古泉「4人がいっぺんに学校を休んだら、涼宮さんが不審に思いますよ。それがずっと続くとストレスも溜まる」

キョン「結果、閉鎖空間が大量発生で世界が……か。それは避けたほうがいいな」

どうせ長門はキョンとキスしたいとかアナルセックスしたいとかそんなんだろ

キョン「じゃあハルヒを満足させるしかないのか。ハルヒが知りたがっていることを教えて……」

キョン「……って、何を教えればあいつは満足するんだよ」

みくる「あたしたちや涼宮さんの正体、ぐらいインパクトがないと駄目なんでしょうか?」

キョン「それを教えてしまうと本末転倒ですしね。だめだ、打つ手が見つからん」

古泉「とりあえずは様子見ですね。下手な動きをせずに、普段通りに過ごしましょう」

古泉「本当にまずいことを暴露しそうになったら力ずくででも止める。これでよろしいですか?」

キョン「ああ。おっと、そろそろ昼休み終わるな。教室に戻るか」

みくる「あたし、他に恥ずかしい秘密あったかなぁ? 不安です……」

キョン「頑張りましょう。というか、同じクラスの俺が1番危険なんだよなぁ……」

古泉「また放課後に会いましょう。では」

長門「……」


キョン「まったく、あいつは毎度毎度厄介なことをしてくれやがって」

キョン「朝の出来事だけで満足して、異変が収まってくれていればありがたいんだが……」

キョンはすぐ後ろにハルヒいるし死ぬだろこれ

~回想終了 冒頭に戻る~


キョン「で、そんな願いも空しく、今現在もこの有様か。今のところやばい事態にはなっていないが」

古泉「まだ誰も涼宮さん絡みの秘密は喋っていませんからね。セーフです」

キョン「それでも恥ずかしいもんは恥ずかしい。何でこんなところでウンコ漏らしたなんて暴露せにゃならんのだ」

古泉「僕も不安ですよ。あ、涼宮さん」

ハルヒ「え? 何、古泉くん」

キョン「おい古泉、突然どうし……ああ、次はお前の番か」

古泉「実は僕、今日の朝食は目玉焼きとトーストだったんですよ」

ハルヒ「……」

キョン「……」

ハルヒ「……え? それだけ?」

古泉「ええ、これだけです」

ハルヒ「はあ。古泉くん、別にそんなことはいちいち報告しなくていいわよ」

エロ本を過去七回拾ったことがあるぐらいならよほど神経質じゃない限りセーフなほうだろ

キョン「おい古泉、何だ今のは? まさか今のも秘密だとでも言うのか?」

古泉「僕が体験していて涼宮さんに話していないこと、という意味ではこれも秘密と言えるのでしょう」

キョン「何だそりゃ。それが秘密の範疇に入るのなら秘密なんて星の数ほどあるぞ」

古泉「そういうことになりますね」

キョン「そう考えるとちょっと気が楽になったな。俺も『当たり』を引きたいもんだ」

古泉「いえいえ、この程度で涼宮さんが満足するはずがありません。今回はかなり運がよかっただけかと」

キョン「ちっ、羨ましいな」

古泉「はは、あ、涼宮さん」

キョン「おい、またかよ!」

ハルヒ「今度は何よ、古泉くん」

古泉「森さんを覚えていますか?」

ハルヒ「ええ、あのメイドさんでしょ。当たり前じゃない。森さんがどうかしたの?」

古泉「実は僕、プライベートでは森さんのことを『お姉ちゃん』と呼んでいるんですよ」

ハルヒ「え?」

>>49
うんこよか遥かにマシではある

呼ばれた森さんがどんな顔をしているのか気になる

事情を知らない人間からすると、聞かれてもいないのに急にエロ本だのおねえちゃんだの
暴露されたらドンびくよな

キョン「……」

古泉「……」

ハルヒ「……それ本当?」

古泉「あー……はい、本当です……」

ハルヒ「えっ、古泉くんと森さんって姉弟だったの?」

古泉「いえ、血は繋がっていません。僕が森さんを姉のように慕っているだけで……」

ハルヒ「へー、ほー、古泉くんがねぇ。何かすっごく意外ね!」

古泉「ははは……」

ハルヒ「古泉くんって結構甘えん坊だったりする? そっかー、お姉さん好きなんだー」

古泉「ははははは、からかわないでくださいよ」


キョン(……割と冷静だな古泉。ん?)


古泉「ははははははふぅんぐ!? ははははは……」


キョン(いや、よく見ると耳が真っ赤だ。何か変な笑いも出てるし。相当恥ずかしかったんだな……)

これはキツい

キョン「災難だったな。あまり気にするな。恥ずかしいのはみんな一緒だ」

古泉「ははは……まさか2回連続で僕に来るとは……」


ハルヒ「ねぇみんな、今日はどうしたのよ?」

みくる「え?」

古泉「おや?」

キョン「っと、え? どうしたって、何がだ?」

ハルヒ「何か今日はみんな自分からいろいろ話してくるじゃない。それも普段は絶対話さないことを」

ハルヒ「昨日はあれだけ隠し事なんかないとか言ってたのに。本当にどうしたの?」

キョン「あっと、それはだな……」


キョン(これは……チャンスか? ハルヒがこの状態を疑問に思ったり、ウザいと思ってくれればひょっとしたら)


ハルヒ「まぁいいけどね! 面白いしネタになるし! みんなもっとジャンジャン話してくれていいのよ!」


キョン(だーめだこりゃ……)

俺がこの現象にぶつかったらもう二度と人の前に出られなくなるな

みくる「涼宮さーん」


キョン(おっと、今度は朝比奈さんか)


ハルヒ「はいはーい、なーにみくるちゃん?」

みくる「あたし、2年前に初めてマスターベーションをしたんですよ」

ハルヒ「ま……?」

キョン(ぐあっ!)

みくる「あたしそれまでそういうの全然知らなくて。もうすっごく気持ちよかったんです!」

ハルヒ「み、みくるちゃん?」

みくる「あたしすっかりハマっちゃって! 1日中そのことばかり考えてた時期があったんですよ!」

ハルヒ「……」

古泉「……」

みくる「……………………あ」


キョン(これはきつい……何か聞いてはいけないことを聞いてしまったな……)

これはみくる自殺するだろ

ハルヒ「ほほーう」ニヤニヤ

みくる「ほあ……が…………あう……あう……」

ハルヒ「まさかみくるちゃんの口からそーんな言葉が出てくるなんてねぇ」

ハルヒ「何? 萌えキャラからエロエロキャラにチェンジしたいの?」

みくる「ちちちちち、ちが……ちが……」

ハルヒ「いったいどういうシチュエーションでそういうことしてたのか、もーっと詳しく聞かせてもらおうかしらぁ?」

みくる「ひ……ひ……ひぃやぁ~~!!」

キョン「待て待てハルヒ! 俺にも詳しく…………じゃなくて! そのへんにしとけ!」

キョン(というか、朝比奈さんがそんなことを言うことにもっと疑問を抱けよ!)



キョン「あ、朝比奈さん、大丈夫ですか……?」

みくる「ううううう……もうお嫁に行けません……」

キョン「げ、元気出してください! 能力のこととかはバレてないですしセーフですって!」

みくる「おもいきりアウトですよぅ……」

まぁ部室でよかったな

>>68
今も似たような状態だろお前

みくる「うううう……」

古泉「ははは……」


キョン(まずいな……最悪の事態にこそなってないものの、みんな着々とダメージが蓄積している……)


長門「……」ガタン


キョン「ん?」


長門「……」スッ


ハルヒ「あら?」

キョン(長門がハルヒの前に。いったいどうした…… って、次は長門の番か?)

キョン(そういえば、この異変で長門が暴露するのはこれが初めてか)


ハルヒ「何? どうかしたの有希?」

長門「……」

>>82
ジョースター貴様どうのこうの

これはキョンに告白でしょ

長門「春休み」

ハルヒ「ん?」

長門「春休みに……フリーマーケットに行った。5人で」

ハルヒ「え? えっと、うん、行ったわね。次回申し込むための下見に。ついでにいろいろ買い物もしたわ」

ハルヒ「次回参加する時には、みんなにいらなくなったものを持ってくるようにも言ったっけ。それがどうかしたの?」

長門「あなたは……その際わたしに部室の本と自宅の本を出品するように要求した」

ハルヒ「ええ、したわね。かなり量が多くなってきてるみたいだから、ちょうどいいと思って」

長門「……」

ハルヒ「で、それがどうかしたの?」

長門「……」

ハルヒ「有希?」

長門「わたしは……その時、感じた」

ハルヒ「な、何を?」

長門「それを言葉にすると……………………怒り」

僕の嫁は朝倉涼子ちゃんなんで…

ハルヒ「え? い、怒り?」

長門「そう」

ハルヒ「有希、怒ってたの?」

長門「そう」

ハルヒ「あたしが本を出品しろって言ったから?」

長門「そう」

ハルヒ「そ、そんなに本を売るのが嫌だったの?」

長門「……そう」

ハルヒ「それならそうと言ってくれればよかったのに。有希が何も言わないから……」

長門「……」

ハルヒ「うう……」

長門「……」

ハルヒ「うううう……」ガタンッ


ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン! 何か有希が怖いんだけど!?」

どうせキョンが頭でも撫でればおさまるんだろ

キョン「逃げるな。ちゃんと向き合えよ」

ハルヒ「そ、そんなこと言われても……」


長門「……」ジー


キョン「ほら、長門が怒ってるぞ。こんな時はどうするんだ?」

ハルヒ「ううう……ご、ごめんね有希。まさか有希がそんなに怒ってるなんて思わなくて……」

ハルヒ「本は1冊たりとも売ったりしないから。これでいいでしょ?」


長門「……それなら、いい」


キョン(おお、まさかハルヒが謝るとは……予想外の展開だ)

キョン(しかしこれ、秘密の暴露というよりは本音の暴露という感じだが……)

キョン(まぁ自分が秘めていた思いということで言えば、これも秘密といえば秘密だな)


キョン(それにしても、感情というものが何なのか知らなかった長門の口から『怒り』という言葉が出てくるとは)

キョン(長門も成長してきてるってことか。今回の異変、初めて役に立ったな)

これもどうせハルヒがあやまったからじゃなくキョンがこの件について言及してくれたから
許したんでしょ。俺知ってるよ

~夕方~


キョン「実は俺はな、納豆が大好物なんだよ」

ハルヒ「はいはい、それはどうでもいいわ」


長門「……」パタン


ハルヒ「あら、もう帰る時間ね」

みくる「ホッ」

古泉「ふぅ」

キョン(や、やっと終わった……今までで1番長く感じる団活だった……)

ハルヒ「じゃあ明日はいつもの時間にいつもの場所に集合ね!」

キョン「え? ああ、不思議探索か……」

ハルヒ「キョン! 遅刻するんじゃないわよ!」

キョン「へいへい。昨日10年愛用していた目覚まし時計がついにぶっ壊れたんだよハルヒ!」

ハルヒ「知るか! それじゃあみんなまた明日! 戸締りよろしくね!」

これ下手したらファミレスや路上で秘密暴露させられるのか
死ぬだろ

キョン「…………帰ったか。はあ~~~~~~きつかった」

長門「……」

キョン「みんな大丈夫か?」

みくる「うふふふふ」

古泉「ふはははは」

キョン「気をしっかり……はぁ、俺も疲れた……」

古泉「はは……大変でしたね」

キョン「ああ。明日は不思議探索か。こんな状態で街中に出て行ったりして大丈夫かよ」

古泉「下手をすると大勢の人の前で暴露するということにもなりかねませんね」

キョン「はぁ、サボりてぇ」

古泉「そうもいきません」

キョン「そういえば、お前ら3人が休んで俺とハルヒの2人だけで不思議探索に行ったこともあったな」

キョン「だったら、今回俺が休んだっていいじゃないか」

古泉「1人だけ逃げようとしてもそうはいきません。道連れです」

キョン「ハルヒがいない時にまで本音を暴露せんでいい……」

長門「……」

キョン「長門、そういえば今日のお前の暴露は結局あれ1回のみだったな。羨ましい限りだ」

長門「……」ジー

キョン「な、何だ? どうした?」

長門「わたしは……」

キョン「ん?」

長門「わたしは……………………最近、シュークリームがお気に入り」

キョン「……」

長門「……」

キョン「……えっと長門、ハルヒがいないから、それはお前の意思で言ってるんだよな?」

長門「そう」

キョン「ふふ、そっか。長門、そういう秘密ならもっとバンバン言ってくれていいんだぞ」

キョン「さっきのフリマの本の件みたいに、もっと言いたいことは言いまくってもいいんだ」

長門「……そう」

キョン「そっか、シュークリームか。いつも世話になってるし今度奢ってやるよ。楽しみにしてろ」

長門「……分かった」

キョン(ふむ、長門にとってはいい方向に進んでるな。この異変も悪いことばかりじゃないかもしれん)

みくる「キョンくぅ~ん……」

キョン「うわっと! あ、朝比奈さん、フラフラじゃないですか!」

みくる「キョンくんは…………ふしだらな女は嫌いですか……?」

キョン「朝比奈さん……忘れましょう! 全部ハルヒのせいです! いつまでも引きずっていても仕方ないですよ」


古泉「そろそろ我々も帰りましょう」

キョン「あ、ああ、そうだな」

みくる「うう……」

古泉「はぁ……」


キョン(みんな精神的ダメージがでかいな……こんな状態で明日大丈夫かよ)

キョン(やっぱりこの異変、早く何とかしないと。まったくハルヒめ)

~キョンの部屋 夜~


キョン「はあああ、疲れた……ハルヒのいないこの空間、この時間がこんなに貴重だと感じられるとは」

キョン「いい加減あいつの引き起こす珍騒動にも慣れてきたつもりだったが……やれやれだ」


キョン妹「キョンくーん」ガチャ


キョン「ハサミなら机の引き出しにあるから勝手に持っていけ」

キョン妹「うん、分かったー」ゴソゴソ

キョン「……なあ」

キョン妹「え? なーにキョンくん?」

キョン「お前、何か秘密とか隠し事ってあるか?」

キョン妹「秘密? 隠し事?」

キョン「そうだ。俺に……いや、誰にも言えないような事だ」

キョン妹「うーん、えっとねー……」

キョンくんと結婚したいと思ってるんでしょしってる

キョン妹「……うん! あるよー!」

キョン(凄い笑顔で言い切りやがったな)

キョン「ほう、お前にも秘密があるのか。ちょっと俺に教えてみろ」

キョン妹「えー、やだよー。恥ずかしいもん!」

キョン「そう言わずに。教えてくれないとくすぐるぞ」

キョン妹「きゃー、キョンくんに襲われるー」

キョン「人聞きの悪いことを言うな!」

キョン妹「えへへー、明日はミヨちゃんとお買い物に行くんだー」

キョン「何だ、秘密ってそんなことかよ」

キョン妹「ううん、これは秘密じゃないよ。本当の秘密は教えてあげない。じゃーねー」


ガチャ バタン


キョン「…………普段何も考えてなさそうなあいつにも、秘密があったんだな」

キョン「そりゃそうか。誰だって絶対に知られたくない秘密ぐらいあるよな」

キョン「それを無理やり暴かれるなんて……勘弁してくれよ……」

キョン「さて、そろそろ寝るか」ゴソゴソ


ピッ トゥルルルルル トゥルルルルル


ハルヒ『もしもし、何よこんな時間に?』

キョン「おうハルヒ。俺、ポニーテール萌えなんだが、実はツインテールも大好きなんだ」

ハルヒ『……はあ?』

キョン「何というか、あの可愛らしさがもうたまらなくてな!」

ハルヒ『このアホ! いきなり変な電話かけてくるんじゃないわよ!!』

キョン「うお! す、すまん!?」

ハルヒ『まったく! 明日遅刻したら死刑だからね!』ピッ


ツー ツー ツー


キョン「…………い、今、口だけじゃなく、手も勝手に動いたぞ……!」

キョン「恐ろしい……ハルヒがそばにいなくても暴露させられるというのか……?」

キョン「はぁ……明日は携帯を置いていったほうがいいかもしれんな……」

~翌日 朝 駅前~


ハルヒ「遅い! 罰金!」

キョン「1時間前に来たのに何でもう全員揃ってるんだよ! おかしいだろう!?」


古泉「ははは、どうも」

長門「……」

みくる「おはようございます、キョンくん」


ハルヒ「ゴチャゴチャ言わない! ほら、いつもの喫茶店に行くわよ!」

キョン「たく……」


キョン(しかしまぁ。みんな昨日のダメージからは何とか回復しているようだ。よかったよかった)

古泉「それにしても……」

キョン「近い!? 何だよ?」

古泉「今日の涼宮さんは珍しくツインテールなんですね。何かあったのでしょうか?」

キョン「……知らん」

~喫茶店~


ハルヒ「さぁグループ分けをするわよ! みんなクジを引きなさい!」

キョン「へいへい……ん? おいハルヒ」

ハルヒ「何よ?」

キョン「このクジ、印がついてないぞ」

ハルヒ「え? あれ?」

みくる「本当です。いつもクジの当たりには赤い印がついているのに」

ハルヒ「あれぇ? さっきまではついてたのに。おかしいわね」

キョン「どうする? 別のクジを用意するか?」

ハルヒ「うーん……」

古泉「……」

長門「……」

キョン「……」


ハルヒ「まぁいいわ!」

キョン「まぁいいわって……どうするんだよ?」

ハルヒ「今日はグループ分けはしないわ。5人で行きましょう!」

キョン「……いいのか? 手分けしなかったら効率悪いんじゃないのか?」

ハルヒ「たまにはいいわよ。ほらみんな、行くわよ!」

みくる「わ! わ! 涼宮さん、引っ張らないでぇ!」

長門「……」

キョン「おいおい……」


キョン「おい、これはどういうことだ?」

古泉「グループ分けをしますと、4人のうち2人とはしばらく離れることになりますからね」

古泉「あくまで4人の秘密を聞きたいがために、クジを無意識に改変したのでしょう」

キョン「不思議を見つけるより、今はそっちが優先ってことか。まったく……」

古泉「そういうことでしょうね。僕たちも行きましょう」

キョン「そして1時間前に到着して遅刻してないにもかかわらず、奢らされる俺……先行き不安だ」

ハルヒ「さぁて、まずは大通りの方に行ってみようかしら」

キョン「おいおい。不思議ってのはもっと見つかりにくい、ひっそりしたところにあるんじゃないのか?」

キョン「あんな人の多いところにわざわざ行かんでも……別のところにしないか?」

ハルヒ「考え方が甘いわよ! その裏をかいてめっちゃ人目に付くところにあるかもしれないじゃない!」

ハルヒ「あたしはそんな手には引っかからないわ! ほら行くわよ!」

みくる「あうう……」

古泉「はは、そうですね」

キョン(くそ、人目につくところで秘密を暴露するような事態は避けたかったってのに)

ハルヒ「不思議も気になるんだけど……」

キョン「ん?」



ハルヒ「みんなが今日はどんな話をしてくれるのか、それも気になってるのよねぇ」ニヤリ

みくる「ひぃぃ!?」

キョン(この鬼め!?)

ハルヒ「あ! あそこ、可愛い服があるわよ! みくるちゃん! 有希!」グイッ!

みくる「こ、こける! こけちゃいます!」

長門「……」


キョン「……これは不思議探索じゃなかったのか? あれじゃただのウインドゥショッピングじゃないか」

古泉「まあまあ。よいではないですか」

キョン「まぁ確かに下手に事件を起こすよりはいいがな。ところで古泉」

古泉「何でしょう?」

キョン「俺たちの現在の目的は、ハルヒに能力やら正体やらがバレないようにすることだろう?」

古泉「ええ、その通りです」

キョン「そのことだが…………案外大丈夫だったりしないか?」

古泉「と言いますと?」

キョン「以前俺がハルヒにお前ら3人の正体をバラしちまったことがあったが、ハルヒはまるっきり信じなかったぞ」

古泉「あなたが涼宮さんと2人だけで不思議探索に行った時のことですね」

読み出してから勃起がおさまりません
支援

キョン「だから今回もし喋ってしまったとしても、あまりに荒唐無稽すぎてハルヒは信じないんじゃないか?」

古泉「そういう油断は禁物ですよ」

キョン「む」

古泉「事実、そのせいで映画撮影の配役決めの時にどのような事態になったかお忘れですか?」

キョン「う……お前らが宇宙人、未来人、超能力者というドンピシャな役を演じる羽目になったんだったな……」

古泉「全ては信じなくても『ひょっとしたら』という疑惑が頭のどこかに残る可能性はあります」

古泉「我々にとってはその少しの疑惑ですら命取りになる可能性もあるのです」

古泉「ですから極力涼宮さんには……」

キョン「わ、分かった分かった! もう絶対にハルヒにバラしたりはしないからよ!」

古泉「そうしていただけるとありがたいです」

キョン「はぁ。となると結局気合い入れて頑張るしかないか」

古泉「ふふ…………もっとも、あなたが言ったからただの冗談と受け止められた可能性もあるのですが」

キョン「何だそりゃ……」

こういうところがホモくさい

ハルヒ「みくるちゃん! ほらこのアクセサリー、いいと思わない?」

みくる「あたしはこっちもいいと思いますよ」

長門「……」

ハルヒ「ほらほら。有希もたまにはオシャレしなさい。あたしが選んであげるから!」

長門「……」



キョン「……平和だな」

古泉「ええ、微笑ましい光景ですね。このまま何事も起きなければいいのですが」

キョン「騒動なんて起きない方がいいに決まってるからな。おーい、ハルヒ」


ハルヒ「何? 今忙しいんだけど」


キョン「実は俺はな、『きのこの山』より『たけのこの里』の方が好きなんだ」




ハルヒ「殺すぞ?」

少し離れる

遅くても9時までには戻る

まぁ和気あいあいとしている中で急にどうでもいい話をされたらキレるわな

突然の殺害宣言www
死刑宣告よりよほど怖いわwwww

オナニーしまくりだからな

ハルヒ「こらキョン! どういうことよ!」グイッ!!
 
キョン「ぐえええ! 首が絞まる首が絞まる!? 離せ!」

ハルヒ「どう考えてもきのこの山の方がおいしいでしょ! 訂正しなさい!」

キョン「いいや! これだけは譲れん! たけのこの里のが上だ!」

ハルヒ「なぁんですってー!!」

みくる「ふ、2人とも、落ち着いてください~!」

ハルヒ「みくるちゃん! みくるちゃんはどっちが好きなの!」

みくる「え? あ、あたしはトッポが……」

ハルヒ「すっこんでなさい!!」

みくる「ひぃぃ!?」

キョン「古泉! お前、以前たけのこの方が好きだって言ってたよな?」

古泉「申し訳ありません。実はきのこの山の方が好みでして」

キョン「裏切ったなてめぇ! もっと本音で話せ本音で!!」

長門「……」

ハルヒ「有希! 有希はどっちがいいの? きのこよね!」

キョン「たけのこだよな長門!」

長門「……………………ない」

キョン「え?」

長門「わたしは、どちらも食べたことがない。ゆえに判断は下せない」

ハルヒ「ええ? 有希、きのこの山を食べたことないの? それは損してるわよ。あんなにおいしいのに!」

キョン「よし、今度食べさせてやるよ。たけのこの里の素晴らしさが分かるはずだ」

ハルヒ「きのこー!!」

キョン「たけのこー!!」

長門「……」



古泉「やれやれ、結局平和は長く持ちませんでしたね」

古泉「しかし、この方がSOS団らしい気がします。しっくりきますね」

このみくるの空気感!

ハルヒ「あんたも強情な奴ね」

キョン「お前こそ」

ハルヒ「あたし相手にここまで張り合ったのはあんたが初めてよ。褒めてやるわ」

キョン「そりゃ光栄だ」


キョン妹「あ! キョンくーん! ハルにゃーん! みんなー!」


キョン「ん?」

ハルヒ「あら、妹ちゃんじゃない」


キョン妹「こんなところで会うなんて、きぐーだね!」

みくる「うん、奇遇ね。妹ちゃんはここで何をしているの?」

キョン「そういえばミヨキチと買い物に行くとか言ってたな。何でお前1人なんだ?」

キョン妹「今は別行動中~! どっちが可愛いアクセサリー見つけられるか勝負してるの!」

ハルヒ「いいわね! あたしそういうの好きよ!」

キョン妹「だから、あたしもう行くね! バイバーイ!」タッタッタッ・・・

古泉「実は僕、妹さんで抜いてるんですよ」

みくる「うふふ、妹ちゃんは相変わらず可愛いですね」

ハルヒ「本当ね、常にアグレッシブだし。あんたと兄妹とはとても思えないわ」

キョン「ほっとけ。ああそうそう、ハルヒ」

ハルヒ「何よ?」

キョン「俺と妹はな、実は血が繋がってないんだ」








長門「……」

古泉「……」

ハルヒ「え?」

みくる「ええ!?」

キョン「え? マジで?」

あの…重すぎませんか…?

ハルヒ「マジでって……あんたが言ったんでしょ」

キョン「あ、ああ、そうだが…………え、ええ~……」

ハルヒ「ねえキョン、それ本当なの?」

キョン「あー、そのだな…………すまん! ちょっと待っててくれ! 古泉! 一緒に来い!」

ハルヒ「あ! ちょ、どうしたのよ!」


キョン「おい古泉、お前確か機関で俺のことをいろいろ調べて、俺は正真正銘一般人だという結論を出したと言ってたな?」

古泉「ええ、その通りです」

キョン「ということは当然、家族構成だって調べたはずだよな?」

古泉「ええ、調べました」

キョン「てことは……お前、知ってたんだな? 俺と妹のこと」

古泉「ええ……」

キョン「……本当に血が繋がってないのか?」

古泉「本当です。あなたと妹さんは実の兄妹ではありません」

忘れてた事実とかすら話すのかこれ
うわ自分が忘れ去ったはずの黒歴史すら喋らされるとか死ぬだろ

キョン「マジか…………ええ~……」

古泉「ショックを受ける気持ちは分かりますが……」

キョン「ああ、ショックなのもあるんだが、もう1つ…………俺、こんなこと知らなかったぞ!」

キョン「自分自身が知らないことを暴露しちまったぞ! これはどうなってるんだ!?」

古泉「よく分かりませんが……涼宮さんの願望が少しずつ変化してきているのかもしれません」

古泉「おそらく……我々がなかなか涼宮さんの望みにかなう暴露をしないのが原因かと」

キョン「自分ですら知らないことを暴露しちまうなんて怖すぎるだろう……」

古泉「確かによくない兆候ですね」

キョン「どうする?」

古泉「どうするもこうするも、やることはこれまでと変わりませんよ」

キョン「だよな。はぁ」

古泉「そろそろ戻りましょう。涼宮さんが怪しみます」

キョン「ああ、そうだな……」

古泉「どうも、お待たせしました」

キョン「待たせてすまなかったな、ハルヒ」


ハルヒ「ああうん、じゃあ行きましょうか」

キョン「ん? さっきのこと、聞かないのか?」

ハルヒ「あんたの家族の事情だし……口出しするのもあれかなって」

キョン「ほう」


キョン(へえ。こいつにも一応常識的なところがあったんだな)


ハルヒ「あ、でも」

キョン「ん?」



ハルヒ「あんた! いくら血が繋がってないからって、妹ちゃんに手を出すような真似をするんじゃないわよ!」

キョン「出すか! 大馬鹿野郎!!」

ハルヒ「そろそろお昼ね。お腹すいてきたわ」

キョン(はぁ、今は飯でも食って気を紛らわせたい気分だ……)

ハルヒ「今日は喫茶店まで戻る必要はないし……みくるちゃん、この辺でどこかおいしいお店知らない?」

みくる「そうですね、えっと~」

長門「涼宮ハルヒ」

ハルヒ「あら有希、いいお店知ってるの?」

長門「……」

ハルヒ「……有希? どうしたの?」


キョン(これは…………ひょっとして長門の2回目の暴露か?)


長門「わたしには…………秘めた思いがある」

ハルヒ「え? え? あたし、また何か有希を怒らせるようなことをしたっけ?」

長門「……」チラッ


キョン(んん? 長門が俺のほうを見てる……?)

ハルヒ「……キョンがどうかしたの? 有希」

長門「……」

キョン(な、何だ何だ?)


長門「わたしは…………彼に『有希』と名前で呼んでほしいと望んでいる」


ハルヒ「えぇ! どどどういうこと?」

長門「涼宮ハルヒ、あなたは彼に『ハルヒ』と呼ばれている」

ハルヒ「え? ええ、そうね」

長門「わたしは『長門』と呼ばれている」

ハルヒ「そ、それで……?」


長門「……………………ずるい」


ハルヒ「!!!!」


キョン(ええええええええええええええ!?)

キョン「な、長門、いきなり何を言い出すんだ!?」

長門「……だめ?」

キョン「あー……その……」チラッ

ハルヒ「…………別にいいんじゃないの。どう呼ぼうがキョンの勝手だし」

キョン「そ、そうか。えっと、じゃあ…………」


キョン「……………………有希」

長門「……」ピクッ

キョン「こ、これでいいか?」

長門「……いい」


キョン(こ、これも秘密とは違うような……いや、秘めてた思いだからこれも秘密の暴露でいいのか……)


ハルヒ「ほら! さっさとお店探すわよ!」ズンズンズン

キョン「うおっと! 1人で勝手にどこか行くんじゃない!」


古泉「ははは。これで閉鎖空間が発生していないのが不思議でたまりませんね……」

妹に手?出すでしょ

~ファミレス~


ハルヒ「ガツガツ! ムシャムシャ! ハムハム!」

キョン「おいハルヒ、ちょっと食いすぎじゃないのか?」

ハルヒ「ングング、ゴクンッ! うっさいわね!」

キョン「どうせ俺が奢らされるんだろ。もう少し量を抑えろよ」

ハルヒ「ふんだ!」


長門「ムグムグ」

キョン「お、どうだ長門、シュークリームはうまいか?」

長門「……」

キョン「あっと……ゆ、有希」

長門「……おいしい」


ハルヒ「すみませーん! 追加の注文お願いします!」

キョン「おおおおい!?」

~ファミレス前 午後~


ハルヒ「さぁて! 腹ごしらえもすんだし、引き続き不思議を探すわよ!」

キョン「まったく、何人前食ったんだお前は……」

古泉(お腹いっぱいになったおかげか、何とか機嫌は直ったようですね)

長門「満足」

みくる「涼宮さん、午後もグループ分けはしないんですか?」

ハルヒ「うん、このまま5人で行くわ!」


キョン(午前よりも周りに人が増えてるな。ああ、不安だ……)


ハルヒ「キョン! これは遊びじゃないんだからね! 真面目に不思議を探すのよ!」

キョン「午前中ウィンドゥショッピングを楽しんでたのはどこのどいつだ」

ハルヒ「うっさい! ほら出発!」

ハルヒ「むむっ! あっちの人だかりに不思議の予感が!」ダッ


キョン「また勝手に……やれやれ、午前中は致命的な暴露はせずにすんだが、午後はどうなることやら」

古泉「終わりが見えないというのはつらいですね。涼宮さん、待ってください。話したいことがあります」


ハルヒ「え、何? また何か面白い話?」


キョン(む、午後のトップバッターは古泉か)

古泉「ええ、実はですね…………僕は機関のリーダーなんです」

キョン(げっ!!)

ハルヒ「機関のリーダー? 機関って何の機関よ?」

古泉「それはですね……」

ハルヒ「ひょっとして何かの秘密結社とか!」

古泉「実は超能ry」

キョン「おおっと! 手が滑った!!」ゴスッ!!

古泉「げっふ!?」

ハルヒ「ちょっと! あんた何いきなりラリアットかましてんのよ!」

キョン「ああいや、うっかりつまずいてしまってな……すまん、大丈夫か古泉?」

古泉「ごほっ、だ、大丈夫です、気にしないでください」

ハルヒ「もう。それで、機関って何なの?」

古泉「ああ、それはバイトの話ですよ」

ハルヒ「バイト?」

古泉「僕のバイト先では、仲間内で自分たちのグループのことを『機関』と呼んでいるのです」

古泉「あくまでもおふざけでですけどね。僕はそのリーダーなのですよ」

キョン(お、言い訳できてるってことは、強制暴露状態は無事解除されたみたいだな)

ハルヒ「なーんだ、いきなり機関だなんて言い出すから、物凄い組織か何かかと思っちゃったじゃない」

古泉「はは、申し訳ありません。お気に召さなかったようで」

ハルヒ「次からはもっと面白いのを期待してるわ。ほら、早く行きましょう」 

古泉「了解しました」

キョン「おい古泉、本当に大丈夫か?」

古泉「ふふ、効きましたよ、あなたのラリアット……」

キョン「す、すまん。咄嗟のことで加減が……」

古泉「いいえ、おかげで助かりました。ありがとうございます」


キョン「なあ、今の方法で何とかなったってことは、これまでもこの手でいけばよかったんじゃないのか?」

古泉「いえ、何度も今の方法を使っていますと不審がられます。どうしてもまずい暴露の時だけにしておくべきかと」

キョン「周りに誰かがいないと使えない手段だしな。結局運しだいか……ところで古泉」

古泉「何でしょう?」

キョン「お前、機関のリーダーって言ってたがやっぱり……」

古泉「違います。以前も言いましたが、機関には上下の関係は一切ありません」

キョン「しかし、さっきのは……」

古泉「……」

キョン「わ、分かった。この話題にはもう触れないでおく……」

みくる「涼宮さーん」

ハルヒ「なーに、みくるちゃん?」


キョン(次は朝比奈さんか。セーフでありますようにセーフでありますように……)


みくる「あたし、実はとっても遠いところから来たんです」

ハルヒ「遠いところ? みくるちゃん、この辺りの出身じゃないの?」

みくる「はい」

ハルヒ「遠いところと言うと、北海道とか沖縄とか?」

みくる「いいえ」

ハルヒ「まさか外国?」

みくる「違います。遠いと言っても距離じゃないんですよ」


キョン(はいアウトー! 止めなければ!!)


ハルヒ「距離じゃない? それどういうこと?」

みくる「それはですね、みrモガッ!?」

ハルヒ「へ?」

長門「……」

みくる「ムググ!? モガモガ!?」


キョン(な、長門!?)


ハルヒ「ちょっと有希!? 何いきなり羽交い絞めにして口塞いでるの!?」

長門「……スキンシップ」

みくる「フガッ!? ムイー!? ムイイー!?」

ハルヒ「スキンシップって……ずいぶんと激しいスキンシップね……」

キョン「な、長門だってたまにはな! そういう気持ちになることもあるってことだ!」

ハルヒ「そういえば、映画撮影の時も何度かみくるちゃんに襲い掛かってたわね、有希」

キョン「そ、そうそう! これが長門なりのスキンシップなんだ!?」

ハルヒ「今日の有希はいろいろ積極的ね……」

ハルヒ「まあいいわ。ほら、いつまでもイチャついてないで行くわよ」

キョン(ほっ、うまく話題を逸らせたか……)

長門「……」

キョン「有希、もういいぞ。早く離さないと朝比奈さんが……」

長門「……朝比奈みくるの生命活動の停止を確認」

キョン「え”え”え”え”え”え”え”え”え”え”え”え”!?」

みくる「ぷはっ! はあ、はあ、苦しかったです……」

キョン「あ、あれ?」

長門「……ジョーク」

キョン「有希ちゃーん!? お前が言うとシャレにならんからやめてくれ!?」

古泉「大丈夫ですか? 朝比奈さん」

みくる「へ、平気です。ありがとうございます、長門さん」

長門「……いい」

古泉「しかし危なかったですね。僕、朝比奈さんと立て続けに重大な秘密を暴露してしまうところでした」

キョン「午前に比べて急にレベルが上がったな。これはやっぱり……」

古泉「ええ、涼宮さんがもっともっと重大なことを暴露しろと催促しているのでしょう。無意識に」

キョン「くそ、乗り切れるかどうかおもいきり不安になってきたぞ……」

みくる「ど、どうしたらいいんでしょう……?」

キョン「そろそろ限界も…………おーい、ハルヒー」

みくる「キョンくん?」

古泉「む、3人目の暴露ですか……」


ハルヒ「何? って、何でみんなそんなところで固まってるのよ。早く来なさいよ」


キョン「お前が勝手にどんどん行くからだろうが。それより佐々木のことなんだけどな」

長門「……」

古泉(むむ……これは……)

ハルヒ「佐々木? 佐々木って確か、あんたの中学の時の同級生の……」

キョン「ああ、春休みにお前も会ったよな」

ハルヒ「で、その佐々木さんがどうかしたの?」

キョン「中学の頃、佐々木とは妙に話が合ってな」

ハルヒ「……」ピクッ

キョン「同じ塾にも通っていて、一緒に帰ったりもしていたし……」

ハルヒ「……」ピクッピクッ

キョン「佐々木から受けた影響もそれなりにあるんだよ」

ハルヒ「ふーん。あっそ。そんなに佐々木さんがよかったの?」



みくる「あわわ……」

長門「……」

古泉(これは止めるべきか……しかしタイミングが……もう少し様子を……)

キョン「でも、ま」

ハルヒ「?」

キョン「あくまでも中学の時の話だ。佐々木とは長い間会ってなかったしな」

キョン「今はSOS団の方が俺にとっては重要だ」


古泉(ほう、これはこれは……)


キョン「そういえば佐々木の奴、男子から告白されたとか言ってたな」

ハルヒ「ふーん、どうなったの?」

キョン「さあな。返事をしたのか、付き合うことにしたのか……どっちにしろ俺にはもう関係ない話だ」

ハルヒ「あっそう……」


古泉(ふふ、どうやら危機は免れたようですね)


キョン「そうそう、実は佐々木はな、お前の能りょk」

古泉「エスパーチョップ!」

キョン「ぷんげっ!?」

キョン「お前……さっきのチョップ、絶対に仕返しだろ?」

古泉「ははは、何のことやら」


ハルヒ「ねえみんな、さっきからどうしたのよ? 何か様子がおかしいわね」

キョン(う……さすがに怪しみ始めたか……)

ハルヒ「何か妙に仲良さそうにじゃれ合っちゃって。あたしだけのけ者みたい」

キョン「いや、のけ者ってことはないだろう……」

ハルヒ「というわけで! みくるちゃん! 有希! スキンシーップ!」ギュウウウ

みくる「うひゃああ!? 涼宮さん倒れちゃいますよぅ!?」

長門「……」


キョン「何だ、結局いつも通りか」

古泉「いえ、あれは少し無理をしているようにも見えますが……」



DQN1「なあなあ! 聞いてくれよ!」

DQN2「あん? 何だよ急に」

DQN1「今まで秘密にしてたんだけどよ、俺お前のサイフから金盗ったことあるんだよ!」

DQN2「は? はあああ!? お前それマジかよ!!」

DQN1「マジマジ! 五千円ほど…………あれ? 俺、今何か言ったか?」

DQN2「ふざけんなてめぇ! 金返せおらぁ!!」

DQN1「ちょちょちょっと待て!? 今、口が勝手に!?」

DQN2「何を訳の分からねえこと言ってんだ! ちなみに俺はお前の部屋からCDパクッたことがあるんだけどな!」

DQN1「あれの犯人お前かよ! CD返せコラ!」

DQN2「……あれ? 今俺……ていうか金返せ!!」


ギャーギャー!! ワーワー!!



ハルヒ「何あれ? くだらない喧嘩してるわね」


キョン「な、なあ、あれって……」

古泉「ええ、非常に心当たりのある光景ですね……」

キョン「ん? 今度はあっちの方からやたらでかい声が……」



ギャル女「はあ? あんた2股かけてたってマジ?」

ギャル男「……え? お、俺、そんなこと言った?」

ギャル女「しらばっくれてんじゃねえよ! 秘密にしてたけどあたしは5股かけてっからな!」

ギャル男「おい、今何て言ったビッチ?」

ギャル女「あ、あら?」



ハルヒ「うわ、あっちでは修羅場? こんなところで迷惑ね」

キョン「お前が迷惑とか言うな。しかしこれは……」

みくる「な、何だか様子がおかしいです……」

長門「……」

古泉「まさかとは思いますが……」

男性1「え、お前そんな趣味があったの? ドン引きなんだけど……」

男性2「ま、待て! 違う! これは違うんだ!?」

男性1「近寄らないでくれ。正直気色悪い……」

男性2「やめてくれ! そんな目で俺を見ないでくれ!?」


女性1「い、い、いやああああああああああああああああ!?」

女性2「お、落ち着いて!?」

女性1「知られちゃった知られちゃった!? 絶対誰にも知られたくない秘密だったのに!?」

女性2「わ、私はそんなこと気にしないから!」

女性1「嘘よ! 心の中では軽蔑してるんでしょ!?」

女性2「そんなことないって!」



ハルヒ「な、何か周りが一気に騒がしくなってきてない?」

キョン「おい、これはハルヒがとうとう痺れを切らせて、無差別爆撃を開始したってことなのか?」

古泉「そうでしょうね……」

キョン「これも無意識にか?」

古泉「そのようです」

キョン「くそ、ハルヒに正体もろもろがバレるのもやばいが、これもやばいんじゃないのか?」

古泉「ええ、正直想定外です。我々の中だけで収まると思っていたのですが……」

キョン「まったく、どこまでもワガママな奴だ! おいハルヒ……って、あれ? ハルヒは?」キョロキョロ

みくる「あ、あの、涼宮さん、この騒ぎを調査するんだって走って行っちゃいました!」

キョン「マジですか! 1人で突っ走るなとあれほど言ってるのに!」

古泉「ぼやいている場合ではありません。すぐに追いかけましょう」

キョン「ああ! 朝比奈さん! 有希も!」

みくる「は、はい!」

長門「……」

女性「わたし、エッチなアニメを観るのが大好きなの」

子供「僕、お母さんが大事にしてたお皿を割っちゃったんだ。ごめんなさい!」

女子高生「うふふ、普段からナイフを3本持ち歩いてるんだぁ……」

イケメン「密かにため続けた鼻クソがサッカーボール並みの大きさになったんだ」

男性「誰でもいいから思い切りぶん殴りたいという衝動が湧き上がる時があるんだよ」


キョン「あちこちで盛大な暴露大会だ……まずいなこれは」

古泉「とにかく早く涼宮さんを見つけないと」


男「あなたのことがずっと前から好きでした! 付き合ってください」

女「わ、わたしもずっと好きでした! よろしくお願いします!」


みくる「わあ、おめでとうございます」

キョン「朝比奈さん!? 感動してる場合じゃないですよ!?」

古泉「そうですか、分かりました。では」ピッ

キョン「今の電話、機関からか?」

古泉「はい、思ったよりもまずい事態になっているようです」

キョン「というと?」

古泉「この現象、この辺り一帯だけのことではないようです。どんどん世界中に広がっているようで」

キョン「おいおいマジかよ……」

古泉「ええ。報告によると、政府高官がテレビの生中継で国家機密を暴露したり……」

古泉「さらに首脳会談でお互いが腹の底に秘めたドス黒い本音を暴露しあったり……」

古泉「かなりシャレにならないレベルになってきていますね」

キョン「あらためてアイツの能力がいかにメチャクチャかってのがよく分かるな……」

みくる「怖いです……」

古泉「急ぎましょう」

キョン「ああ、何とかして止めないと」

キョン「くそ、どこに行ったアイツ」

みくる「見つからないです……」

古泉「この人ごみにこの混乱ですからね」

長門「……」

キョン「なあ、この際手分けして探したほうがいいんじゃないか?」

古泉「……そうですね。今は一刻も早く涼宮さんを見つけないと」

みくる「で、では、あたしはあっちを探してきます」

古泉「僕はこっちを」

キョン「有希はそっちを頼む。よし行くぞ!」



ギャーギャー!! コノヤロー!! ガシャーン!! ズドドド!!


キョン「はあ、あちこちで言い争いや取っ組み合いの喧嘩が……すみません。うちのハルヒがすみません……」


鶴屋「おや、キョンくんじゃないか! 偶然だね!」

キョン「鶴屋さん!」

これは鶴屋さんからのキョンへの告白くるで

鶴屋「なーんか今日はあちこち騒がしいね。何かあったのかな!」

キョン「あっと、それはですね……」

鶴屋「ところでキョンくん! 実はあたし、外で裸になるのが大好きなんだ!」

キョン「へ? え、ええええええええええええええええ!?」

鶴屋「誰にも言ってない秘密っさ! あたしのイメージが崩れちゃうからね!」

キョン(つ、鶴屋さんまで毒牙に!?)

鶴屋「深夜に何度か裸で外に出たことはあるんだけどね! そろそろもう1段階レベルを上げようと思ってるのさ!」

キョン「と、言いますと……?」

鶴屋「知り合いの目の前で裸になることさ!」

キョン「1段階どころか10段階ぐらいレベルアップしてませんかそれ!?」

鶴屋「ねえキョンくん…………今ここで脱いでもいいかな?」

キョン「ぜひ」

長門「こら」ゴンッ!!

キョン「ぎゃっぱ!?」

キョン「ぐあああ! いってぇ……って、長門!?」

長門「……」

キョン「じゃないや有希。なぜここに?」

長門「あっちは探索し終わったので、こっちに来た」

キョン「早いな……」

鶴屋「あ、あれ? あたし、今何を……?」

キョン(あ、正気に戻ったか……)

鶴屋「きょ、キョンくん、あ、あたし……その、えと……」

キョン「え? 何ですか?」

鶴屋「へ?」

キョン「周りがこれだけ騒がしいですからね。よく聞こえませんでした。もう1度言っていただけますか?」

鶴屋「あ、いやいやいや! 何でもないにょろよ!? あ、あたし用事思い出したから! じゃあね!」


タッタッタッ・・・・・・

wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

キョン「はあ、引きずらないでくれるといいんだが」

長門「……あなたはそんなに裸が見たい?」

キョン「おうよ! 1度でいいから直接…………だあ! こんな時にまで暴露させるなハルヒ!?」

長門「……」

キョン「あああえっと、あっちは探し終わったんだよな! じゃあこっちを手伝ってくれ!」

長門「……了解した」



キョン「こっちにもいないな……別の場所を探してみるか」


みくる「ああ! キョンくーん! 長門さーん!」


キョン「あれは……朝比奈さん!」


みくる「いました! いましたよ! こっちでーす!」


キョン「本当ですか! よし行くぞ!」

長門「了解」

長門が見せるなこれは

ハルヒ「……」

キョン「いたー! やっと見つけた! お手柄でしたね朝比奈さん」

みくる「あの、でも……」

キョン「たく、おいハルヒ、一人で勝手に行動するなとあれほど言っただろう」

ハルヒ「……」

キョン「みんな心配してお前を探していたんだぞ」

ハルヒ「……」

キョン「この騒ぎだからな。何が起こるか…………ハルヒ?」

ハルヒ「……」

キョン「おいどうしたハルヒ! 何とか言えよ!」

ハルヒ「……」

キョン「これは…………朝比奈さん、何かあったんですか?」

みくる「それが、あたしにもよく……あたしが見つけた時はこんな状態じゃなかったんですけど……」

ハルヒ「チリーン」

キョン「どういうことですか?」

みくる「最初は凄く喜んでいたんです。周りの騒ぎを見て、ひょっとしてこれが探し続けていた不思議なのかしらって」

みくる「でも騒ぎを見ているうちに、涼宮さんの様子がどんどん変わってきちゃって……」

キョン「というと?」

みくる「どんどんおとなしくなってきたというか……気づいたらあの通り何も喋らなくなっちゃって……」

みくる「いくら話しかけても返事をしてくれないし、この場から動こうともしないんです……」

キョン「そうですか……おいハルヒ! 黙り込むなんてお前らしくないぞ!」

キョン「教えてくれ! いったいどうしたってんだ!」

ハルヒ「……」

キョン「ハルヒ!」

ハルヒ「……」ブツブツ

みくる「あ……」

キョン「い、今何か……ハルヒ! 何て言ったんだ! 頼むから……」


ハルヒ「違う……」

キョン「……え? 違うって……?」

ハルヒ「違う! これは違うのよ!!」

キョン「だから何が…………うわ!!」


グラッ・・・ グラグラグラグラッ!!!!


みくる「きゃあああ! じ、地面が揺れてます!?」

キョン「地震か! 何でこのタイミングで…………あ、あれ?」


グラグラ・・・・・・ シーン・・・・・・


キョン「おさまった……何だったんだ……?」

ハルヒ「ふにゃあ」グラッ

キョン「ハルヒ!? 危ない!」

古泉「おっと」ガシッ!

キョン「おお、ナイスキャッチ!」

古泉「すみません。遅くなりました」

SSなんてまとめに載りたくて書いてるようなもんだろ

みくる「す、涼宮さん! どうしちゃったんですか?」

キョン「おいハルヒ! しっかりしろ!」

長門「平気。眠っているだけ」

キョン「そうなのか? よ、よかった……」

古泉「いったい何があったのですか?」

キョン「ああ、それが……」



古泉「そうですか。そんなことが……」

キョン「ハルヒの豹変といい、さっきの地震といい、どういうことなんだろうな?」

古泉「おそらく……」

みくる「あ、あの……」

キョン「朝比奈さん? 何ですか?」

みくる「その、周りの様子が……」

キョン「周り?」

男性1「あれ? 俺、何か言ったっけ?」

男性2「何かお前から凄いことを聞かされた気がするんだが……」

女性1「ねえ、あなた何か言わなかったっけ?」

女性2「ううん、全然覚えてないけど……」

DQN1「……何でお前そんなに傷だらけなんだ?」

DQN2「そっちこそ」


キョン「これは……様子がおかしいな」

古泉「どうやら皆さん、先ほどまでの記憶を失っているようですね」

キョン「さっきの地震……ひょっとしてハルヒの仕業か?」

古泉「ええ、普通の地震ではありませんでした。おそらく涼宮さんが能力を発動した影響だと思われます」

キョン「それでみんなの暴露したりされたりした記憶を消したってことか?」

古泉「そういうことでしょうね」

みくる「ということは、一安心ってことですよね?」

古泉「ええ、世界的な危機は脱したかと」

残るさ、俺たちの心の中にな…

キョン「そ、そうか。とにかくよかった……」

長門「解除された」

キョン「ん? 有希、解除されたって……何がだ?」

長門「わたしたちが陥っていた秘密を強制的に暴露する状態。この状態が先ほど解除された」

キョン「ええええ!? ほ、本当か!?」

長門「本当」

みくる「で、では、あたしたち、もう暴露しなくてもいいんですね!」

キョン「よっしゃああああ!」

古泉「これは……思っていたよりあっさりと解除されましたね」

キョン「だな。しかし、なぜ急に解除する気になったのか。さっきの騒ぎで満足したのか?」

古泉「分かりませんね」

キョン「そもそも、結局ハルヒは俺たちに何を暴露させたかったんだか」

古泉「いろいろ謎は残りますが……とりあえず人気のないところへ移動しましょう」

キョン「あ、ああ、そうだな」

ハルヒ「うーん、ムニャムニャ……はら?」

キョン「目が覚めたかハルヒ」

ハルヒ「え? あれ? ここどこ?」キョロキョロ

キョン「どこって、公園だよ」

ハルヒ「公園? 何で公園なんかにいるのよ?」

キョン「何でって……お前が来ようと言ったんだろうが。少し疲れたから休憩しようって」

ハルヒ「へ? そ、そうだったかしら?」

キョン「で、ベンチでお前が見事にお昼寝を開始したというわけだ。ヨダレ」

ハルヒ「ふぶっ!? ちょ! あんたたち、それなら見てないで起こしなさいよ!」

みくる「だって涼宮さん、凄く気持ち良さそうに寝てましたし」

古泉「ここは起こさずにそっとしておこうということになったのですよ」

ハルヒ「もう。まぁいいわ。今何時?」

キョン「もうすぐ5時だ」

ハルヒ「もうそんな時間になってたのね。じゃあ今日はこれで解散にするわ!」

キョン「やれやれ。散々引っ張りまわしておいて、自分だけぐっすりとはな」

ハルヒ「何か言った?」

キョン「なーんも」

ハルヒ「ふんだ! みんな、気をつけて帰りなさいよ! じゃあね!」


タッタッタッタッ・・・・・・


キョン「…………帰ったか」

古泉「今までと変わらない涼宮さんでしたね」

キョン「ああ、さっきあんな無言のハルヒを見たときは何事かと思ったが」

古泉「何か引きずっているようには見えませんでしたね」

みくる「えっと、今回の異変はこれで解決、ということなんでしょうか? 世界の混乱もなかったことになりましたし」

古泉「僕らの暴露体質も元に戻った。確かに全て元通りではありますが……」

キョン「何かスッキリしないな……」

古泉「現時点では何とも判断の下しようがありませんね。今日のところは我々も帰りましょう」

キョン「そうだな、とりあえずは元に戻ったわけだし」

みくる「あたし、もうクタクタです……」

長門「……」

キョン「有希もお疲れさん。無闇にお前の能力に頼る展開にならなくてほっとしたよ」

長門「……そう」

古泉「では、今日はこれで」

みくる「みなさん、お疲れ様でした」

キョン「また学校で」




~夜 キョンの部屋~


キョン「はあ、本当に疲れた……体力的にというより精神的に……」

キョン「しかし、確かに元に戻ったが、このまま素直に喜んでいいのか?」

キョン「結局分からないままなこともあるし……ハルヒはなぜこんな異変を起こしたのか……」

キョン「ああもう! 今日は寝る! 寝て明日考えよう!」

~深夜~


キョン「ムニャムニャ、う~、寒い……布団布団……」

キョン「……あれ? 掛け布団…………てか寒い! 寒すぎる!?」ガバッ!

キョン「ん? 気のせいか、ベッドがジャリジャリしてるような…………って! えええええ!?」

キョン「俺の部屋じゃない!? いつの間にか外にいる!? どこだここ!」

キョン「ま、待て待て。落ち着け俺。今さらこんなことで慌てることはない……」

キョン「とにかく状況確認を…………んんん? ここ北高だ! 北高の校門じゃないか!」

キョン「え? 俺、部屋で寝てたはずだよな? それが何で目が覚めたらこんなところに……」

キョン「……いや、こんなことできそうな奴に心当たりはあるし、似たような経験をした覚えもあるんだが」

キョン「よく見たら寝間着じゃなくて制服だし……これはやはり……」


ブロロロロロ・・・


キョン「ん? 車が近づいてくる……まさか俺をここに連れ去った奴らとか?」

新川「こんばんは」

森「どうも、お久しぶりです」

キョン「新川さん! 森さん! え? なぜここに?」

キョン「って、俺自身もなぜ俺がここにいるのかよく分かってないんですが。まさか森さんたちが俺を?」

森「いえ、違います。あなたをここに連れてきたのは涼宮さんですよ」

キョン「そ、そうですか。やっぱり……」

新川「やっぱりとは、ある程度目星がついていたようですな」

キョン「ええ。ところでハルヒはここに?」

森「ええ、校舎の中にいます」

キョン「森さんたちがここに来たということは……」

森「はい。現在北高を閉鎖空間が覆っています。その閉鎖空間の中に涼宮さんはいるのです」

キョン「はあ、またか……結局ハルヒは満足していなかったということか……」

森「はい。無理やり秘密を暴露させるのではなく、方法を変えてきたようですね」

キョン「あれ? そういえば古泉は? 一緒じゃないんですか?」

森「古泉ならあの中ですよ」

キョン「え? あの中って……閉鎖空間の中ですか?」

森「はい。古泉だけでなく、朝比奈みくるさんと長門有希さんも閉鎖空間の中にいます」

キョン「マジですか!」

森「マジです。3人とも涼宮さんの能力で閉鎖空間内に連れてこられたようです」

キョン「何で俺だけ外!? 俺だけのけ者!? 何で俺だけ蚊帳の外なんだ!」

森「おそらくですが……涼宮さんは迷ったのだと思います」

キョン「迷った?」

森「あなたを連れてくるべきかどうかを、です」

森「だからこそ閉鎖空間内ではなく、校門の前という中途半端な位置にあなたを呼び寄せた」

キョン「はあ……何のためにですかね?」

森「分かりません。それをあなたに確かめてきてほしいのです」

キョン「確かめてほしいって、森さんたちは?」

森「わたしたちはこの閉鎖空間へは侵入できません。涼宮さんに拒否されているようで」

森「ですが、あなたを中に送り込むことはできます。そのために我々は来たのです」

キョン「入れるのはSOS団のメンバーだけってことですか。分かりました。そういうことなら行ってきます」

森「お願いします。では、準備をしますので校門から中へ入ってください」

キョン「分かりました。よっと」ガシャン

森「そこで結構です。目を瞑ってください」

キョン「はい」

森「では…………涼宮さんをよろしくお願いしますね」

キョン「いつものことですから。何とかしますよ」

森「ついでで構いませんから、うちの古泉のこともよろしく」

キョン「はは……」

新川「さて、いきますぞ」

キョン「はい!」


キョン(一緒に閉鎖空間に連れて行かれたことはあるが、送り込まれるのは初めてだな。どうやるのか……)

キョン「……」

キョン「……………」

キョン「あ、あの? もう目を開けてもいいんでしょうか?」

古泉「ええ、構いませんよ」

キョン「ぎゃあああ! びっくりした! 近いんだよお前!?」

古泉「ははは、これは申し訳ありません」

みくる「キョンくん、お待ちしてました」

長門「……」

キョン「朝比奈さん、有希も」

みくる「あ、あの、あたし、家で寝ていたはずなのに、気がついたらここにいて……」

キョン「落ち着いてください朝比奈さん。それで、ハルヒはどこに?」

古泉「確認したところ、文芸部室の明かりが点いていましたので、そこではないかと」

みくる「たぶん、あたしたちを待ってるんだと思います」

長門「……」

みくる、マスターベーションしてたんだろうな…

キョン「やれやれ、やっと異変が終わったと思ったら、今度は誘拐とはな」

みくる「あたし、本当に誰かに誘拐されたのかと思いました……」

キョン「有無を言わさずですからね。相変わらず無茶苦茶だ」

古泉「あまりお待たせするわけにはいきません。そろそろ涼宮さんのところへ」

キョン「ああ、行くとするか」

みくる「うう、この灰色の空間、怖いです……」

キョン「すぐに慣れますよ」

長門「……」




キョン(それにしても……)

キョン(この3人は呼び寄せたのに、俺だけは呼び寄せるのをためらった)

キョン(ひょっとして、ハルヒが暴露させたかったことって……)

キョンは森さんを「おねえちゃん」って読んでみればよかったのに

~部室前~


キョン「着いたな」

古泉「中に人の気配……間違いなく涼宮さんがいます」

みくる「涼宮さんも気づいたらこんな空間にいて不安でしょうし……どうやって声をかけたら……」

キョン「迷っていても仕方ありませんよ。うりゃああああ!!」


バーーン!!!!


ハルヒ「きゃあああ!! なになになに!?」


キョン「おっすハルヒ」


ハルヒ「うぇ? キョン? ちょっといきなり何よ! びっくりしたじゃない!!」

キョン「お前だって、普段でかい音立てていきなりドアを開けてくるだろうが。お返しだ」

ハルヒ「何ですって!! って、あら?」

みくる「こ、こんばんは涼宮さん」

古泉「どうも」

長門「……」

ハルヒ「みくるちゃん! 古泉くん! 有希も……何でみんながここに?」

キョン(お前が呼んだんだろう……とは言えるわけないよな)

キョン「ま、お前が1人で退屈してるんじゃないかと思ってみんな集まったんだよ」

ハルヒ「何よそれ……あ! それよりキョン! あたしこの灰色の空間って夢で見たことあるんだけど!」

キョン「なあハルヒ」

ハルヒ「確かその時あんたも一緒に……って、何よ? 話の途中で割り込まないでくれる?」

キョン「お前、俺たちに何か聞きたいことがあるんじゃないか?」

ハルヒ「え?」

キョン「いや、正確には……」



キョン「有希、朝比奈さん、古泉。この3人に何か聞きたいことがあるんじゃないのか?」

みくる「え!?」

古泉「ふむ……」

長門「……」


ハルヒ「聞きたいことって……あたしが3人に?」

キョン「そうだ」

ハルヒ「別に聞きたいことなんて……」

キョン「いいや、あるはずだ。安心しろハルヒ」

ハルヒ「え?」

キョン「今度ははぐらかしたりしない。3人ともちゃんと答えてくれるからよ」

古泉「あの、どういうことでしょうか?」

キョン「いいから。ハルヒの話を聞いてくれ」



ハルヒ「……………………キョンがそこまで言うなら」

ハルヒ「あ、あのさ、みんなはあたしやSOS団のこと…………どう思ってる?」


みくる「涼宮さん……」

長門「……」

古泉「どう思ってるか……ですか?」


ハルヒ「あたしが何か行動を起こしたりイベントに参加したりする時、みんないつも黙って着いてきてくれるわよね」

ハルヒ「それこそ、何か反論してきたり文句を言ってくることもない」

ハルヒ「最初はみんな従順でやりやすくていいわと思ってたのよ。でも……」

ハルヒ「ずっとみんなとSOS団として過ごすうちに、考えるようになってきたのよ」

ハルヒ「みんな、本当はどう思ってるんだろう? 心の中ではどう思ってるんだろう?」

ハルヒ「表面には出さなくても、あたしには言えない秘めた思いがあるんじゃないかしら……」

ハルヒ「1度考え出したら止まらなくなっちゃって……ついみんなに聞いてしまったのよ」

ハルヒ「『あんたたち、あたしに何か隠し事してない?』って……」


キョン(やっぱりそうだったか。ハルヒもこんなことが考えられるようになってたんだな……)

泉の精が出してくれたきれいなハルヒか

ハルヒ「だから、その、えっと、みんなどう思ってるのかなーって……」

キョン「というかそれ、俺には聞かないのかよ?」

ハルヒ「あんたはいつもあたしにビシビシ言ってくるじゃない! あたしのやることにいちいち口出ししてくるじゃない!」

ハルヒ「だから聞く必要なんてないわよ! むしろあんたはもう少し黙ってなさい!」

キョン(こいつは…………俺だけ呼び出されなかった理由はそれかよ……)


キョン「ま、まあ、そういうことみたいだ。ハルヒの言いたいことは」


長門「……」

古泉「……」

みくる「え、えっと……」


キョン「朝比奈さん、ここは1つ、ぶちまけてみてはどうですか?」

みくる「ええええ!? そそ、そんなこと!?」

キョン「本音をぶちまけないと、ハルヒは納得しないと思いますよ?」

みくる「でも……本当に大丈夫かな……?」

キョン「大丈夫です。今のハルヒなら、ショックを受けても世界をどうこうすることはないと思いますよ」

みくる「うう~~……わ、分かりました! やってみます!」


みくる「えっと、涼宮さん」

ハルヒ「みくるちゃん……」

みくる「SOS団の活動はとっても楽しいです。毎日が充実しています」

みくる「でもでも! エッチなコスプレを強要するのはやめてください!」

ハルヒ「う……」

みくる「普通のコスプレならいいんです! でも過激なのは本当に本当に嫌なんですよ!」

ハルヒ「うぐぐ……」

みくる「あと、どんなことでもできる限り一生懸命やりますけど、どんなに頑張っても無理なことがあるんです!」

みくる「あたし、スポーツとか苦手なのに、涼宮さんは無理やり……気合いや根性では限界があるんですよ!」

ハルヒ「ううううう……」

みくる「まだあります!! 他にも…………――――」

ハルヒ「殺すぞ?」

みくる「はあ、はあ……」


キョン(凄い勢いだったな……よっぽど鬱憤がたまってたんだろうな……)

キョン(朝比奈さんはハルヒのターゲットになることが多かったしな。さて、ハルヒはどう出るか)


ハルヒ「…………ごめんね、みくるちゃん」

みくる「ええ!?」

キョン(あっさり謝った!?)

ハルヒ「それがみくるちゃんがずっと心に秘めてた本音なのね。本当にごめんね」

みくる「あ、あの、怒らないんですか……?」

ハルヒ「何で? 怒ってるのはみくるちゃんでしょ?」

みくる「あ、えっと、いろいろ言いましたけど……でも涼宮さんやSOS団のことは大好きですよ!」

ハルヒ「ふふ、ありがとうみくるちゃん」


キョン(これは何とも。以前朝比奈さんが無断欠席という無言の抵抗をした時は、有無を言わさず強制連行したくせに)

キョン(ハルヒも変わってきてるってことか。それが普段の態度にも出てくれるといいんだけどな)

でもみくるちゃんはその恥ずかしい思い出をおかずにオナニーしてたんでしょ?

古泉「ふむ、何とも珍しい光景でしたね」

キョン「古泉、お前もどうだ? いっちょ秘めた本音とやらをぶつけてみないか?」

古泉「……そうですね。やってみますか」

キョン「おう、行ってこい」


古泉「……」

ハルヒ「あ、古泉くん、えっとね……」

古泉「……………………なぁ涼宮よ」

ハルヒ「……え?」

キョン(あれ?)

古泉「お前はみんなが反論もしてこないし、文句も言ってこないっつってたけどよ」

古泉「お前のほうこそちゃんと聞く態度をとってくれよ。こっちが何か言っても毎回毎回スルーだろうが」

ハルヒ「あ、あれ? 古泉くん?」

古泉「普段やることに関しては特に文句はない。こっちも何だかんだで楽しんでるしな」

古泉「あとできればイライラすることなく平常心でいてくれないか? じゃないとこっちの気も滅入ってくるからよ」

古泉はぶっちゃけイエスマンでしょ
ハルヒの忠実な奴隷だしハルヒに酷使されることに絶対喜びを見出してるよこいつ
消失世界的に考えて

でも演技しない古泉ってこんな感じかもしれない

キョン「……」

ハルヒ「……」

古泉「……」

ハルヒ「えっと、古泉くん、今のって……」

古泉「…………ふふ、すみません涼宮さん」

ハルヒ「え? あれ?」

古泉「やはりSOS団ではこちらの方がしっくりきます。無理はするものじゃないですね」

キョン(元に戻った……)

古泉「言いたいことは言わせていただきました。では」

ハルヒ「あ、う、うん……」


キョン「古泉、今のはお前の素か?」

古泉「さて、どうでしょうね」

キョン「はは、何にせよ普段と違うお前が見れて面白かったよ、素泉」

古泉「誰が素泉ですか」

うどん

長門「……」

ハルヒ「最後は有希ね! さぁドンと来なさい!」


キョン(長門か。あいつはある意味、もっともハルヒから迷惑を被っているからな……)

キョン(繰り返す夏休みのせいで、冬にあんな事件を起こしたり……あれは気づけなかった俺も悪いんだが)


ハルヒ「……どうしたの有希? あたしはどんなことでも受け止めるわよ?」

長門「……涼宮ハルヒ」

ハルヒ「な、何?」

長門「あなたは…………看病してくれた」

ハルヒ「え?」

長門「わたしが熱を出して倒れた時、付きっ切りで看病してくれた」

ハルヒ「あ、あったわね、そんなことも」

長門「だから…………ありがとう」

ハルヒ「あ、うん、どういたしまして」

ハルヒ「……………………え? それだけ?」

ハルヒ「ほ、他に何かないの?」

長門「これだけ。他は特にない」

ハルヒ「でも……」

キョン「くっくっく……ははっ」

ハルヒ「な、何よ、何を笑ってるのよキョン?」

キョン「ハルヒ、それが長門の秘めていた思いだ。しっかり受け止めとけ」

ハルヒ「でも、これだけのはずは……」

キョン「長門の言いたいことは、すでに昨日今日と聞いたはずだぞ」

ハルヒ「え? あ……」

キョン「フリマで本を売ろうとしたことで怒っていたこと」

ハルヒ「あと、キョンに名前で呼んでほしいなんてことも言ってたわね……」

キョン「ハルヒ、お前それを聞いて…………正直、嬉しかっただろ?」

ハルヒ「……うん、普段無口な有希が、自分から意思表示してくれたから」

キョン「長門はお前に伝えたいことは全部伝えたんだ。もういいだろ?」

ハルヒ「……まあ、そういうことなら」

キョン「さてハルヒ。どうだったよ? 3人の思いを聞いて」

ハルヒ「うん! 何か凄くスッキリしたわ!」

キョン「スッキリするだけじゃなく、ちゃんと反省して今後に生かしてくれよ」

ハルヒ「分かってるわよ、うるさいわね」

キョン「まったく、これだけのためにあんな大騒動を巻き起こしやがって……」

ハルヒ「何か言った?」

キョン「なーんも。とにかく! これからはもっと周りの声に耳を傾けてだな……」

ハルヒ「分かってるってば! あたしのスリーサイズはB85、W62、H82よ!」

みくる「ふぇ?」

古泉「む」

キョン「お、お前…………いきなり何を言ってるんだ?」

ハルヒ「え? あれ? 何今の? 実はあたし、アソコの毛がまだ生えてないの!」

みくる「ひゃ!?」

キョン「おい古泉、これは……」

古泉「ええ、我々の時と同じ……」

パイパンと聞いては黙っちゃおれん

>>394

          ,,-'  _,,-''"      "''- ,,_   ̄"''-,,__  ''--,,__
           ,,-''"  ,, --''"ニ_―- _  ''-,,_    ゞ    "-
          て   / ,,-",-''i|   ̄|i''-、  ヾ   {
         ("  ./   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
     ,,       (    l, `'-i|    |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
     "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"

         ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
        ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄   |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,

      ,,-''::::二-''"     .--i|     .|i          "- ;;:::`、
    ._,-"::::/    ̄"''---  i|     |i            ヽ::::i
    .(:::::{:(i(____         i|     .|i          _,,-':/:::}
     `''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i|      .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
       "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|      .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~

               ̄ ̄"..i|       .|i
                 .i|        |i
                 i|        |i

                 .i|          .|i
 キタ━━━━━━━━━ i|   (゚∀゚)   .|i ━━━━━━━━━━!!!!
                .i|           |i
               .i|      ,,-、 、  |i
               i|      ノ::::i:::トiヽ、_.|i
           _,,  i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
     ,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
     ;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;; /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ

ハルヒ「実はあたし、家では『でちゅ~』って赤ちゃん言葉で会話してるの!」

ハルヒ「実はあたし、パンツ穿き忘れて登校したことが15回あるの!」

ハルヒ「実はあたし、霊感商法にものの見事に引っかかって、10万円払っちゃったことがあるの!」

ハルヒ「実はあたし、興味本位で作った落とし穴に自分でハマッて、丸2日間泣き喚き続けたことがあるの!」

ハルヒ「実はあたし、毎日ヌイグルミを使ってキスの練習をしているの!」


古泉「ほうほう」

みくる「これはこれは」

キョン(ふ、2人が何か悪い顔になってる!? やはり密かに恨んでいたか!?)


ハルヒ「な、何よこれ! 止まらない! 実はあたし、あんたをオカズにオナn……ほあああああああ!?」

キョン「お、落ち着けハルヒ!?」

ハルヒ「違うの! こ、来ないで!? こっち来ないでぇぇぇぇぇぇ!?」


グニャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!


キョン「うおっ! な、何だ!? 空間が――――歪――んで――――!!――――」

>>402

                 /\___/\
               / ⌒   ⌒  ::\
  ┏┓  ┏━━┓   | (>), 、 (<)、 :|
┏┛┗┓┃ ━ ┃┏━|///,ノ(、_, )ヽ、,/// :|━━┓ ┏┳┳┓

┣    ┫┃┏┓┃┗━|   ト‐=‐ァ'   :|━━┛ ┗┻┫┃
┗┓┏┛┗┛┃┃   |   |,r- r- |   .:::|       ┏━┛┃
  ┗┛      ┗┛   \  `ニニ´  .:/      ┗━━┛
               /`ー‐--‐‐一''´\

キョン「……………………見慣れた天井だ」

キョン「ここは俺の部屋か……どうやら戻ってきたみたいだな……」

キョン「はあ、また盛大な夢だったな。まぁ夢じゃないんだろうが。っと、電話だ」ピッ

古泉『どうやら、あなたも無事に戻ってこれたようですね』

キョン「ああ。さっきのは何だったんだ? 急にハルヒがいろいろ暴露し始めたが」

古泉『おそらく……涼宮さんも心の奥底では罪の意識を感じていたのでしょう』

キョン「俺たちに無理やり暴露させたことをか?」

古泉『ええ、その罪滅ぼしとして自らも秘密を暴露した。もちろん本人に自覚はなかったでしょうが』

キョン「相当テンパッてたもんな。よっぽど恥ずかしかったんだろうな」

古泉『ええ、あまりに恥ずかしすぎたために、勢いで閉鎖空間を消滅させてしまったのでしょう』

キョン「やれやれ。そんな恥ずかしいことを俺たちにやらせていたんだ。自業自得だがな」

古泉『とにかく、これで今回の異変は本当に終了です。お疲れ様でした』

キョン「ああ、森さんと新川さんにお礼を伝えておいてくれ」

古泉『分かりました。では』ピッ

キョン「はぁ…………寝よ…………今日は疲れた……」

まだだ
妹関係のフラグを回収してない

~月曜日 朝 教室~


キョン「ようハルヒ、おはよう」

ハルヒ「おはよ……」

キョン「どうした? 何かグッタリしてないか?」

ハルヒ「何かすっごい変な夢見ちゃって……」

キョン「ほう、どんな夢だ?」

ハルヒ「言わせないでよ……思い出させるんじゃないわよ……」


キョン(そうか、やはりあれは夢として処理したか)

キョン(だが、すべてを夢として切り捨てたわけじゃないよな、ハルヒ?)


ハルヒ「…………ふん!!」ガバッ!!

キョン「うわ! びっくりした! いきなりどうした!?」

ハルヒ「いつまでもグジグジしててもしょうがないわ! 復活よ!」

キョン「立ち直り早いな……ま、その方がお前らしいが」

~放課後 部室~


ハルヒ「みくるちゃん、ほらこれ、ネットで新しいコスプレ衣装を見つけたんだけど」

みくる「えっと、これはちょっと……」

ハルヒ「違う違う、そっちの過激なのじゃなくて、こっちの可愛い方よ」

みくる「あ、それなら大丈夫です」


ハルヒ「古泉くん、今度SOS団でキャンプに行きたいと思ってるんだけど……」

古泉「分かりました。では手頃なキャンプ場を見繕っておきます」

ハルヒ「いつもありがとね、古泉くん。何かろくにお礼も言ってなかったわね」

古泉「いえいえ、僕は皆さんに喜んでいただければ満足ですから」


ハルヒ「有希ー! 今度一緒にスイーツ食べに行こうね!」

長門「……行く」

キョン(やはりな。あの出来事を夢として処理したとはいえ、いい影響はしっかり残っていた)


ハルヒ「有希は何が食べたい?」

長門「……シュークリーム」

ハルヒ「おっけい! おいしい店知ってるわよ! 行きましょ行きましょ!」


キョン(以前に比べてみんなに気を配れるようになってるな。よかったよかった)


古泉「どうも。将棋でもどうです?」

キョン「いいだろう。しかし、変わったなハルヒ」

古泉「ええ、少々驚きました」

キョン「お前らの本音が聞けたことで吹っ切れたんだろう。しかしな……」

古泉「何でしょうか?」

キョン「もうちょっと俺にも気を配ってくれたらな。何か俺だけ扱いが変わらん気がするんだが」

古泉「はは、あなたの場合は最初から信頼しているから変わらないのでは?」

キョン「何だそりゃ」

ハルヒ「ねーキョン、ちょっとこっち来なさい」

キョン「ん? 何だ?」

古泉「ふふ、お呼びですよ」

キョン「分かってるっての」


キョン「何だよ?」

ハルヒ「あんた、何か隠し事してない?」

キョン「またそれかよ……前にも言ったが」

ハルヒ「やましいことはないと誓えるの?」

キョン「な、何だよ、やけに噛み付くな」

ハルヒ「いいから答えなさい」

キョン「ないとは言い切れんが……周りを不快にさせるような隠し事はないつもりだぞ」

ハルヒ「ほお、じゃあこれは何? さっきパソコンいじってて偶然見つけたんだけど」

ハルヒ「これ、『mikuruファルダ』って書いてあるわね。中身は何なのかしら?」

キョン「あ”」

キョン「シラナイ。コムギコカナニカダ」

~夕方 帰り道~


キョン「ううう、あんまりだ……」

ハルヒ「あれはあんたが悪い! みくるちゃんも怒ってたでしょ!」

キョン「必死に謝って何とか許してもらえたが…………はぁ、完全に油断してた……」

ハルヒ「まったくもう! この馬鹿キョン!」


キョン(それにしても……こいつには結局3人の正体だのハルヒ自身の能力のことは話せないままなんだよな)

キョン(仕方がないとはいえ、やはり若干の後ろめたさはある。だが、いつかは……)

キョン(そうだ。それは『いつか』にとっておくとして、今はこいつを精一杯楽しませてやるか)

キョン(…………これくらいの秘密ならいいかな。やばくなりそうなら誤魔化せばいいし)


キョン「なあハルヒ」

ハルヒ「何よ?」

キョン「実は俺とお前は…………」


~おしまい~

無事投下終了

保守してくれた人
支援してくれた人
読んでくれた人

どうもありがとう


では

今までお疲れ様でした
ゆっくりお休みになってください

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom