結衣「ヒッキー海水浴行こうよー」八幡「いかん」(65)

結衣「えーなんでよーたのしーよ行こうよー」

八幡「暑い、だるい、しんどい、日焼けして痛い」

結衣「だるいとしんどい一緒じゃん」

八幡「それは違うな、このだるいは行き帰りに対してだ。そしてしんどいは泳ぐことに対してだ」

結衣「なにそれイミわかんないしやっぱ一緒じゃん」

ヒッキー「ふ、バカめ。このニュアンスの違いを読み取れんとはな」

結衣「」カチン

ヒッキー「(よし怒ってるな・・・そのままふて腐れて帰るんだ由比ヶ浜)」

結衣「じゃあ、ハイキングなら?」

ヒッキー「(なん・・・だと・・・・・・引かないだと・・・正気かっ!?)」

ヒッキー「いやハイキングとか、それこそありえねーから」

結衣「なんでよー」

ヒッキー「つらい」

結衣「つらい!?だるいとしんどいではなく!?」

ヒッキー「ああ、由比ヶ浜。つらい、だ。夏にハイキングなど意味わからん。一体何の罰ゲームなんだ」

結衣「ハイキングを罰ゲーム呼ばわりする人初めてみたわ・・・」

ヒッキー「よく考えてもみろ由比ヶ浜・・・冷静に冷静に、だ・・・
この暑い時期に態々厚着をし、草木生い茂り害虫害獣わんさか跳梁跋扈する
そんな野山へ行って一体なんになる?そんなとこへ出向いても経験値も武器も手に入りはしないんだ
そして山道だからひたすら体力を奪われる。重い荷物、慣れないハイキングシューズ、着たくもない厚着に来たくもない場所・・・
照りつける太陽の暑さと相まって疲労感不快感MAXコーヒーだよ」

結衣「いや景色景色!景色見て癒されるんじゃん!普段見ない自然の光景を楽しむんじゃんっ!」

ヒッキー「景色が見たいなら深夜のNHKやBS漁った方が有意義な景色が気のきいたBGMつきで楽しめるぞ」

結衣「なんてつまらないことを・・・・・・」

ヒッキー「つまらない?おいおい北アルプス山脈の絶景をなめちゃいけないぜ・・・あれはいいものだ」

結衣「そんなん意味ないし!自分で行くから意味あんじゃん!」

ヒッキー「とにかくいかーん。つか行きたいなら雪乃下と行ってこいよ・・・」
結衣「ゆ、ゆきのんにも言ったよ」

ヒッキー「で?どうだったんだ?」

結衣「な、なんか多忙らしくて無理って(ヒッキーと似たり寄ったりのこと言われて断られたなんて言えない)」

ヒッキー「多忙ねぇ、・・・あ、そういや俺も多忙だったそうだそうだすっかり忘れてたワーイ思い出させてくれてアリガトウユイガハマ」

結衣「嘘だ嘘だ嘘だ!絶対今便乗したぁ!」

ヒッキー「とにかくムリだな」

結衣「そんなぁー・・・」

ヒッキー「(えぇー・・・そこまで落ち込むことかよ・・・)」

ヒッキー「つーかいつもつるんでる連中と行けばいいだろ(俺や雪乃下誘ってないで)」

結衣「みんなとはもう行ってきたし」

ヒッキー「ん?」

結衣「へ?」

ヒッキー「・・・行って、きた?」

結衣「うん」

ヒッキー「・・・どこにだ?」

結衣「海だけど」

ヒッキー「いや、ならもうよくね・・・・・・?お前どんだけ海好きなんだよ」

結衣「ちがうよぉ!みんなはみんな、ヒッキーはヒッキーじゃぁん!」

ヒッキー「・・・」

結衣「あ・・・だ、だから、みんなと行くのと、奉仕部で行くのとは違うってこと!」

ヒッキー「(えーーなにそれ各コミュニティ毎に同じイベントこなさなきゃ気が済まないの・・・?
なにそれ怖い、リア充って怖い・・・・・・)」

結衣「ねぇ、ホントにダメかな・・・?」

ヒッキー「あ、ぅ(だからそれやめろ!その段ボールの中で震える捨て犬見たいな眼っ!)」

ヒッキー「ひ、人がワイワイいるところに態々行きたくない・・・」

結衣「人気がなきゃいい!?」

ヒッキー「ガヤガヤ騒がしくないならな(嬉しそうにそんな言い方すんなっ)」
ヒッキー「あ、あと快適なとこ」

結衣「人があんましいなくて、騒がしくなくて、快適な場所・・・」

ヒッキー「そんな場所なら行ってもいいぞ(まあズバリ自室ですよねー。
俺は部屋でクーラー効かせながら誰にも邪魔されずのんびりしたいんだよ)」

結衣「・・・・・・渓流」

ヒッキー「はぃぃ?」

結衣「そうだ渓流っ!川遊びなら完璧じゃん!」

ヒッキー「か・・わ・・・あそび・・・?」

結衣「人いない!静か!涼しくて気持ちいい!泳げる!」

ヒッキー「な・・・ん・・・だと・・・・・・?」

結衣「これなら条件クリアだよねっ!?」

ヒッキー「嘘・・・だろ・・・」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

結衣「着いたー♪」

ヒッキー「着いてしまった・・・」

結衣「んー滝からくる霧がきもちぃーーー」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

ヒッキー「つーか糞うるせーじゃん・・・クリアしてねーじゃん・・・契約不履行だろこれ・・・」ブツブツ

結衣「なーにヒッキー、ぶつぶついってんの?滝でよく聴こえないよー」

ヒッキー「つーかよく見つけてくんなこんな場所・・・(マジリア充のこういう事への活力って分からん)」

結衣「えへへぇ」

ヒッキー「勘違いシナイデヨネ決して褒めてナイカラネ?」

結衣「はいはい♪」

ヒッキー「軽く流された(どんだけ楽しいんだよこいつ)」

結衣「よぉーしっ!じゃ早速泳ぐぞー!!」バッ
ヌギヌギ

ヒッキー「!!?ちょっ!?おまえっ!」

結衣「ん?」
チラッ

ヒッキー「あ・・・(し、下に予め着てきてる・・・?)」

結衣「!!何勘違いしてんのさっ!変態っ!」

ヒッキー「い、いきなり脱ぎだしたら焦るわっ(くっ俺としたことが不覚っ)」
結衣「汗かくし、ついたら直ぐ泳げるよーに着てくるに決まってんじゃん」

ヒッキー「(そういや俺もそうしてたな・・・こういう手間省きは別に男だけじゃないんだな)」

結衣「ヒッキーもんなとこ突っ立ってないで準備しなよ」ヌギヌギ

ヒッキー「(ホントは入りたく無いんだが)」

ヒッキー「・・・」

結衣「んっ、しょ」ヌギヌギ

ブルンブルンユッサユサ

ヒッキー「・・・・・・・・・ゴクリ」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

チャプ

結衣「っひゃー!つめたぁーーーいっ!」

バシャ、バシャ

結衣「はぁー気持ちいい・・・」

プルンプルン

ヒッキー「」

結衣「ん?」

ヒッキー「!」ゴキッ

結衣「ヒッキー何してんの~っ?はやくーっ!」

ヒッキー「お・・・おぉぅふ・・・(く、首がぁ)」

結衣「もー!ヒッキーなにやってんの!」

ヒッキー「・・・・・・・」

結衣「ヒッキーってば!」

ヒッキー「・・・・・・・・・」プラーン

結衣「えっ・・・嘘っ・・・・・!?」










結衣「・・・・・・・死んでる。」

ヒッキー「」恐る恐る

チャプ

ヒッキー「つめたいつめたいつめたいつめたいむりむりむり」

結衣「ちょ、ちょっとちょっと!」

ヒッキー「俺は保護監督者と言うことで」

結衣「まーたわけわかんないこと言って・・・」

ヒッキー「水、冷たい、無理」

結衣「さーいしょだけだから、直ぐ慣れるから!」

ヒッキー「(だからなんでお前ちょいちょい言い方やらしいの?ねぇ?)」

結衣「んもぅ!えぃっ!」

ザバァ!

ヒッキー「・・・・・・」

結衣「あははははっ・・・あれ?」

ヒッキー「・・・・・・」

結衣「あ・・・・・・ごめん。怒った・・・・・・?」

ヒッキー「・・・いや」

結衣「はは、一人ではしゃぎ過ぎちゃってたね・・・・・・・・・・・・ごめん」

ポンッ

結衣「!」


ヒッキー「だーから怒ってねーって」

ピシッ

結衣「いたっ」

ヒッキー「お返しだ。今のでチャラな」

結衣「・・・・・・」

結衣「ヒッキーってほんと、直ぐチャラにしたがるよね」

ヒッキー「ならほったらかした方が良かったか?」

結衣「そうじゃないけどさ・・・」

ヒッキー「・・・」

結衣「・・・」

ヒッキー「なぁ、由比ヶ浜・・・・・・俺といてお前、ホントに楽しいのか・・・?」

ヒッキー「前にも言ったけど、おま」

結衣「楽しいよっ!!」

結衣「楽しいし・・・楽しみたいよ・・・・・・」

ヒッキー「・・・」

結衣「楽しめると思わない人と、こんなとこ態々来たりしないよ・・・」

ヒッキー「(こんなとこまで来て何をやってんだか俺は・・・)」フゥー


ヒッキー「はぁーーーーっ・・・」

結衣「!」

ヒッキー「っん!」トゥッ!

ザッパーン!

結衣「・・・・・・」キョトン

ヒッキー「・・・っぷはぁっ!!はぁっ!!」

ジャバジャバ

結衣「・・・・・・ヒッキー?」ビッショリ

ヒッキー「この深さなら、大丈夫だな・・・」ザブザブ

結衣「???」

ヒッキー「由比ヶ浜」

結衣「は、はい!」

ヒッキー「ここは滝壺だ」

結衣「?う、うん」

ヒッキー「そして見ろ、あそこ。あそこに丁度、程よい高さで程よく突き出でた岩がある
そしてなんとまあご都合主義なことか、ここからこれまた程よい傾斜で獣道らしきものが存在するじゃあないか・・・
そして滝壺には、十分な深さが備わっている

あとは、分かるな・・・?」

結衣「・・・・・・・・・ま、マジ?」

ヒッキー「楽しむんだろ?俺は楽しむぜ?さあ、お前はどうする由比ヶ浜」

結衣「っ!!」

八幡「八幡、行きまーーっす!!」トゥッ!

・・・・・・どっぱーーーーーーーーん!!

由比ヶ浜「ほ、ホントに飛んだ・・・てか、ここ思ってたより高いぃ・・・・・・」

八幡「っぷはぁ・・・お~ぃ、飛んでいいぞ~~~」チャプチャプ

由比ヶ浜「なんであんなケロッと飛べんの!?たまにヒッキーのアクティブさってよく分かんない・・・」

八幡「なんだ~?恐いのかぁ~?」

由比ヶ浜「こ、これくらい恐くないし!今行くしっ!」

由比ヶ浜「(せ、せっかくヒッキーが楽しむことに乗り気なんだ・・・飛ばなきゃっ・・・)」

由比ヶ浜「う・・・うわたぁぇぁぁぁえぇぁぁっ!!」バッ

八幡「なにそのかけ声・・・・・・・・・って」

由比ヶ浜「あわわわわわヒッキーどいてヒッキーーーー!!」

八幡「あいつよく見ないで飛びやがったなっくっそっ!!」バシャバシャバシャ

どっぱーーーーーーーーん!!

八幡「二、ニアミスの恐怖を垣間見た気がするぜ・・・」

由比ヶ浜「っぷはぁっ!!」ザバァ

八幡「危うくお前に殺されるとこだったわお前ちゃんと下の状況見てから飛べっ」

八幡「・・・・・・・・・・・・」

由比ヶ浜「いやぁ~~~ごめんごめんっ。けどちょー楽しいねっ・・・て、ん?」

ポロリモアルヨー

由比ヶ浜「あ、あ、あ、あ、あ」

八幡「!ふ、不可りょ・・・」

由比ヶ浜「いやーーーーーーーーーー!!!」

バキッ
ゴキッ

八幡「(あ、さっき痛めた方向とは逆に・・・・・・・・・)ふ、由比ヶ浜・・・これでチャラだ・・・ぜ・・・・・・」ガクッ

由比ヶ浜「ばぁかぁっ!チャラにさせるかーーーーーっ!!」


八幡「やはり、俺が青春ラブコメなんて間違っている」プカプカ


おわり

エッチはね
ゆきのんそっちのけは可哀想だからね
なしなんだ

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