ミーナ「坂本少佐のストライカーに画鋲を入れたのは誰ですか?」(92)

坂本「……」ウルウル

ミーナ「先生怒らないから正直に名乗り出て下さい」

シャーリー「バルクホルン、観念しろよ」

バルクホルン「ふざけるなバカ!」

ミーナ「トゥルーデなの?」

バルクホルン「そんな訳ないだろ! 断じて違う!」

エイラ「でもバルクホルンって昔、『坂本少佐は扶桑の風呂と同じで旧世代の遺物』とか言ってたよナ」

ハルトマン「言ってた言ってた」

バルクホルン「本当にやめろ! 違うぞ少佐、私じゃない」

坂本「ぐすっ」

バルクホルン「大体リベリアン! 貴様だって容疑者の一人だということを忘れていないか」

シャーリー「私がそんなことするかよ。坂本少佐には感謝してるんだ」

芳佳「初耳なんですけど」

シャーリー「そうか? でも私の生活ぶりを見てればなんとなく分かるだろ」

ペリーヌ「まあ、こんなに好き放題やっても叱られない部隊なんてそうはありませんわ」

シャーリー「そういうことだ」

バルクホルン「全然説明になってないぞ! 私だって少佐には返しきれないほどの恩があるんだ」

ハルトマン「へえ。どんな?」

バルクホルン「宮藤と出会わせてくれたこととか……」

エイラ「ろくでもないナ」

ミーナ「やった人が見つかるまで今日は寝られないわよ」

ペリーヌ「犯人だけは眠りにつけますわ。永遠の、ですけど」

ルッキーニ「ヴェーダディソレー」

リーネ「あの……ルッキーニちゃんは外してあげてもいいと思います」

ミーナ「かわいそうだから?」

リーネ「……実は、ルッキーニちゃんにはアリバイがあるんです」

バルクホルン「ほう」

リーネ「事件発生時刻のころ、ルッキーニちゃんは私のおっぱいを揉んでいたんです」

ハルトマン「へえ……」

ペリーヌ「証明するものはありますの?」

リーネ「はい。見て下さい」スルッ

芳佳「うおっ……」

リーネ「ここに……ルッキーニちゃんの爪跡です」

バルクホルン「言うほど爪跡か?」

シャーリー「どうなんだルッキーニ?」

ルッキーニ「うーん、でもさっきは確かにリーネのおっぱいを追いかけてたよ。ていうか捕まえた」

エイラ「…二人はシロ……カ?」

ミーナ「……そうね。ルッキーニさんの性格から言って、シャーリーさんに嘘をつくとは思えないし」

リーネ「私は信用されてないんですか……?」

エイラ「ルッキーニはともかくリーネには動機があるんだよナ」

リーネ「えっ!?」

ミーナ「フルメタル・ジャケットで言うとこの微笑みデブなのよね。美緒に恨みがあってもおかしくないわ」

リーネ「デ……」

芳佳「やめて下さい! リーネちゃんはそんな子じゃありませんから!」

ペリーヌ「なら宮藤さんにアリバイはありますの?」

バルクホルン「宮藤を疑う気か? 相手になってやる」

シャーリー「よせよ、キリがない」

――

ミーナ「――結局、全員アリバイがあるのね」

バルクホルン「ああ……ふぁ…」

エイラ「そろそろサーニャが帰ってくるんだナ……」

ペリーヌ「もう……私は咎めはしませんから、名乗り出て下さいまし……」

坂本「みんな……すまない……」

ミーナ「美緒のせいじゃないわ。今諦めたら、犯人の思うつぼよ」

シャーリー「……ちょっと待てよ。そういえば少佐のアリバイを聞いてないぞ」

『!?』

ざわ・・・

坂本「な、なにを言い出すんだ」

シャーリー「だって考えてみろ。事件が発覚したのは夕食後だろ」

バルクホルン「そのようだな」

シャーリー「訓練は昼間のうちにやったし、夜間哨戒はサーニャの担当だ」

シャーリー「坂本少佐にはストライカーに乗る理由なんてないのに、どうしてストライカーの中の画鋲で怪我をしたんだ?」

坂本「……整備をしようとしていたんだ。昼間の訓練中、ストライカーの挙動が少しおかしかったからな」

シャーリー「へえ? 一緒に訓練した宮藤やリーネから見て、どうだった?」

芳佳「えっと……特に変わった様子は……ね?」

リーネ「うん。いつも通りでした」

坂本「一目見ただけで分かるものか。ほんのわずかな違和感だった」

シャーリー「ならわざわざこんな時間に直す必要なんてなかったはずだ。矛盾してる!」

坂本「……矛盾? ふっ、お前の口からそんな言葉が出るとはな」

シャーリー「なに?」

坂本「どんな小さなズレであろうと、自分の命を預けることを考えれば無視は出来ん。それはストライカーはもちろん、銃も、そしてバイクも変わらない」

シャーリー「……!」

坂本「ネウロイはいつ現れるか分からないものだ。整備不良で満足に飛べず、最悪命を落とせば悔やんでも悔やみきれまい」

シャーリー「……その通りだ」

坂本「まあ、後回しにしてしまったのはまずかったな。おかげでこのザマだ」

バルクホルン「……しかし、それを証明する手段が無ければアリバイは成立しない」

シャーリー「いや。誰がなんと言おうと、私は少佐を信じるぜ」

リーネ「また堂々巡りですか?」

ミーナ「……はぁ。一体だれがこんなことを……」

「え~……犯人は証拠は残しませんでした。とても容易周到かつ迅速な犯行です、しかしぃ」

『!!』

ハル畑エー三郎「犯人は、既に自白しているんですよ。と言っても本人は気付いていないようですが」

バルクホルン「ハルトマン」

エー三郎「申し遅れました。私ハル畑エー三郎といいます」

シャーリー「……で、犯人が自白してるって?」

エー三郎「はい」

ミーナ「ずばり誰なの?」

エー三郎「えー……お答えしましょう」

芳佳「っ……」

坂本「……」

エー三郎「……」

エー三郎「あなたが犯人です。リーネさん」

『!?』

自分で見返しても暴論すぎて恥ずかしくなってきた

エー三郎「あなた、確かこう言いましたね」

エー三郎「『ルッキーニさんにはアリバイがある』と」

リーネ「それがなんですか?」

エー三郎「どんなアリバイですか? もう一度お願いします」

リーネ「ハルトマンさん」

エー三郎「もう一度」

エー三郎「……お願いします」

リーネ「……はぁ。私とルッキーニちゃんは、あの時間違いなく二人で」

エー三郎「え、何、なんですか!? もう一度大きな声で!」

リーネ「っ……私と、ルッキーニちゃんは、事件が起きたとき……」

リーネ「!!」

エー三郎「……んふふふw お気付きになられましたぁ?」

エー三郎「リーネさん! あなた何故事件が起きた時間をご存知だったんですか?」

リーネ「……少佐の声が聞こえたから。何か叫んでるみたいだった」

エー三郎「なるほど~ルッキーニさんはいかがでした?」

ルッキーニ「何にも聞こえなかったよ」

エー三郎「おや」

リーネ「私には聞こえた」

エー三郎「本当ですかぁ?」

リーネ「聞こえたって言ってるじゃないですか!」

エー三郎「ならどうして確認に行かなかったんですか? あの坂本少佐が悲鳴を上げるなんて余程のことです、えー普通なら何があったのかと駆けつけるはずです」

だって自分で書いてて意味分かんないんだもん

リーネ「それは」

エー三郎「あなたは少佐の身に何が起こるかを知っていたんです。あなた自身が仕込んだ画鋲で少佐が怪我をするのが分かっていた、だから反応しなかったんです」

エー三郎「あなたの『叫び声を聞いた』という話が本当なら」

リーネ「……」

エー三郎「えー……物的証拠はまだ見つかっていませんが、あなたが事件に関わっている可能性は非常に高いと考えられます」

エー三郎「……自供して頂けますか」

リーネ「……中尉さん」

エー三郎「はい」

リーネ「一つだけ弁明させて」

エー三郎「なんでしょうか」

リーネ「私が少佐の悲鳴を聞いてないと思ってるみたいだけど、それは間違い。私はルッキーニちゃんと遊んでる最中、確かに聞いた」

エー三郎「あなたにだけ聞こえたわけは……」

リーネ「……待ってたからかもね。いつ来るか、いつ来るかって思ってたの。遠くで少佐の悲鳴が聞こえたとき、すごくすっきりした気分になったわ」

エー三郎「なるほど」

リーネ「だから……ルッキーニちゃんは犯行には関係ない。本当に聞こえてなかったはずよ」

ルッキーニ「リーネ……」

リーネ「それだけ。行きましょ」クルッ

エー三郎「……」ニヤリ


(例のテーマ)

―後日―

バルクホルン「ハルトマン、部屋を片付けろ」

ハルトマン「これは失礼。片付けは昔から母や妹に任せきりだったもので。私の悪い癖」

バルクホルン「……今度はなんの真似だ?」

ハルトマン「『相棒』をご存知ない?」

バルクホルン「やめろ。なんだか薄気味悪い」

ハルトマン「しかしトゥル山くん、先日の事件は私が解決したも同然です。芸は身を助けると言いますし、いつどこで――」

コンコン ガチャッ

芳佳「あの……いいですか? 下のミーティングルームに至急集まって下さい、お願いします」

バルクホルン「何かあったのか?」

ハルトマン「行きますよトゥル山くん」



芳佳「リーネちゃんのストライカーにセメントを流し込んだのは誰ですか?」



おわり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月18日 (木) 22:19:20   ID: yMGijOQh

行きますよ、トゥル山くん

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