戦刃「お姉ちゃんの体を盾子ちゃんのバディで受け止めて欲しい」(100)

正式スレタイがまた入りきらなかってござるの巻

戦刃「お姉ちゃんの体を盾子ちゃんのバディで受け止めて刃こぼれさせてほしい」




 朝 希望ヶ峰学園 東地区 通学路


江ノ島「やだ」

戦刃「じゃあ……サビつくまで使い込んで欲しい」

江ノ島「なおさらイヤ つーか、女体を刃物に例えんな」

戦刃「盾は刃を受け止めるのが役目……だから盾子ちゃんはお姉ちゃんの――戦刃むくろの体を受け止める義務がある……
   ついでに舐めまわされながら切なそうな吐息を漏らしつつも……ペロペロされるべき」

江ノ島「盾が果たすべき用途を超越してんだけど」

戦刃「素で振る舞う盾子ちゃんも可愛い……」

江ノ島「聞けよ」

うん

江ノ島「ていうか、アンタは何で絶望しないわけ? この私と誰よりも一緒にいるくせにさ」

戦刃「……盾子ちゃんが好きだから?」

江ノ島「その逆が理想型なんだけどねー……私を好きになるヤツは絶望に落ちた後が好ましいわけで
    希望されたまま好かれちゃたまったもんじゃないわよ……ホント」

戦刃「盾子ちゃん元気ない……お腹イタいの? ポンポン撫で撫でする?」

江ノ島「お前のせいなんだっつーの……」

残姉ちゃんですか!支援

江ノ島「“超高校級の軍人”として動くアンタの動きは、簡単に看破できるのに」

江ノ島「私の近くにいる時のアンタはまるで “未知の才能”に振り回される傀儡(かいらい)」

江ノ島「行動原理や模範的倫理をかなぐり捨てた 予定調和のはるか蚊帳の外にいるデタラメな存在」

江ノ島「アンタはマジで何者なのよ」

戦刃「盾子ちゃん……」

江ノ島「……」

戦刃「厨二病はほどほどにしよ?」

江ノ島「……」

江ノ島「……」

江ノ島「えっ」

戦刃「……自分が特別な存在であるかのように振る舞ったり、ちょっと悪い子ぶったり――」

戦刃「多重人格っぽく性格をコロコロ変えたり そのためにオシャレな伊達メガネとか王冠を買い込んだり――」

江ノ島「多重人格っていうな!」

戦刃「半分クロで半分シロのニッチなぬいぐるみ自作したりしてる子はみんな
   厨二病って呼ばれちゃうのを、お姉ちゃんは知ってるんだからね」

江ノ島「そのドヤ顔で姉ちゃん風ふかせるのやめろ」

はよはよ!!

江ノ島「アンタのせいで、自分という存在が急に安っぽく見えてきたわ……」

戦刃「大丈夫 超高校級の絶望(笑)を自称する痛々しい盾子ちゃんや
   妹系エロカワセクシャルギャル(誇張)で名高い超高校級のギャルな盾子ちゃんのことごとくを
   お姉ちゃんだけは愛してあげられる」

戦刃「どんな盾子ちゃんも、お姉ちゃんが理解して許容してあげるから……ね?」

江ノ島「残姉ちゃん……」

戦刃「だから、チュ……チューしよ……?」

江ノ島「うん……する――って待てェ!」

戦刃「ムリ 言質はとった」

江ノ島「ちょっ、離せバカ姉! ここ通学路なのよ!?
     みんな見てるみんな見てるぅ! ああぁもうっ、少しでも揺らぎかけた自分に絶望したぁあああああ」

 朝 希望ヶ峰学園 本科校舎 78期生教室


戦刃「まんぞく」

江ノ島「朝っぱらから実の姉に慰みモノとして扱われるなんて、超、超、超
    超超超超超超超超超超超絶望的です……」

江ノ島「だけど私様はめげないの! この残念極まりない姉を必ずしや絶望させ、させるためにっ――グスッ」

江ノ島「ビエーン! 全身キスマークだらけとか、恥ずかし過ぎて校舎を歩けないよー! シャワー浴びてくるー!」

江ノ島「そーいう訳だからテメーラ 先公にテキトーな口実シクヨロォ!」

戦刃「ばいばーい」

石丸「ま、待ちたまえ江ノ島クン! せめて出席をとってから行きたまえェエエエエ!」

霧切「自分の席で姿勢を正したまま、制止の言葉を投げかける姿
   というのは、何だか滑稽ね」

苗木「あはは……風紀委員の性(さが)なの、かな」

霧切パパ「おはよう みんな席に座ってくれ」

霧切「チッ」

霧切パパ「朝っぱらから可愛い可愛い響子ちゃんの舌打ちが聞けるとは
     今日も良いことがありそうだ」

霧切「……希望ヶ峰学園の教育理念の一つに
   才能を教育するのは各分野の才能に精通した職員が行う
   という謳い文句があるけれど――」

霧切「アナタのような探偵かぶれがクラスの担任で、なおかつ私の専科を受け持っているなんて
   今日も実りの少ない最悪な1日になりそう」

霧切パパ「」

桑田「うっひー……相変わらずキッツイ物言いだぜ霧切ちゃん」

朝日奈「まぁ気持ちは分からないでもないよね……」

朝日奈「噂だと、霧切ちゃんに会いたいがために
    学園長と兼任しながらでもココの担任になりたいって直訴したらしいし」

石丸「偏見だぞ! 霧切先生は確かに、娘である霧切くんに変態的ともいえる過度な愛情を注いではいるが
   教育者としては……その、ほどほどに格立されているとも、ボクは思う!」

霧切パパ「」

セレス「フォローになっていませんわよ」

山田「もうやめて! 先生のライフはもう0よ!」

十神「立ったまま気絶している役たたずの担任は、保健室にでも搬送しておけ」

大神「またか 今月に入ってもう12回目だな……」

葉隠「とんだ日常茶飯事だべ……」

朝日奈「あ、さくらちゃん! 私も一緒に行くよ! 待ってー」

戦刃(出席簿……あった 江ノ島盾子、出席っと
   ――ミッション完了)

苗木「い、戦刃さん? ダンボールの中でなにしてるの……?」

戦刃「……敵に見つかった! ただちに帰投する!」

苗木「えぇ!? そっちは廊下だよ!? 戦刃さーん――」

支援

 同刻 希望ヶ峰学園 本科校舎2階 廊下


戦刃「……ストーキングミッションは得意だけど スニーキングミッションはまだ苦手……」

戦刃「ダンボールは折りたたんでロッカーへ でも、この出席簿はそうはいかない……」

戦刃「……」

戦刃「まぁいいや」

苗木「よくない! よくないから戦刃さん! それは違うよ!
   下手したらボク達みんな欠席扱いだよ!」

戦刃「……私は今いそがしい まだ大事なスト……スニーキングミッションの最中」

苗木「いまストーキングって言いかけたよね!?」

苗木「まったくもう、江ノ島さんの所に行くにしても
   あと20分で始業時刻じゃないか」

苗木「戦刃さんの専科目で使う総合訓練室はボク達よりだんぜん遠いんだから
   ほどほどにしないとダメだよ?」

戦刃「……遅刻する覚悟がなくて、どうして人を愛せようか」

苗木「理由はイイけどその覚悟はダメダメだよ!」

戦刃「むぅ」

苗木「……はぁ、じゃあボクが出席簿を先生に届けるから
   戦刃さんは江ノ島さんに会ってきなよ」

戦刃「ホント?」

苗木「でも遅刻はしちゃダメだからね」

戦刃「苗木くん、とてもイイ子 なでなで」

苗木「わわわっ、頭なでないで! は、恥ずかしいよ」

戦刃「いい子いい子」

苗木「ううぅ……」


――10分後


戦刃「遅刻した」

戦刃「遅刻した」


オイwwwwwwwwよっぽど遠いんだな…

遅刻してんじゃねーか!

残姉ちゃんはやっぱり残念だった

 朝 希望ヶ峰学園 本科校舎 屋上


戦刃「シャンプーのイイ香りをさせた盾子ちゃんが、あまりに魅力的だったので遅刻しました
   じゃ言い訳にならないかな……」

戦刃「久しぶりに、盾子ちゃんがうけるギャル授業に乱入するのもアリかも……」

戦刃「盾子ちゃあん……」

戦刃「zZZ――」


 昼 同所


戦刃「目を覚ましてみるとお昼休みでした」

戦刃「盾子ちゃんを探さなければ」

 同刻 希望ヶ峰学園 本科校舎三階 学園長室


戦刃「失礼……します」

霧切パパ「ぬわぁー! って何だよ、むくろ君か 焦って損した」

霧切パパ「それで、私の部屋に来たのはどういう用件かな」

戦刃「盾子ちゃんの残り香をたどってたら、ココに来た」

霧切パパ「君は犬か……」

戦刃「お姉ちゃんなら持ち得てトーゼンのスキル……だもん」

戦刃「でもいないみたいだから、失礼……しました」


――あんたはいったい何者なのよ


戦刃「……」

霧切パパ「――ん? まだ何か用があるのか?」

戦刃「……ある」

戦刃「私という超高校級に対する特記と備考がおかしいから、抗議をしにきた」

霧切パパ「その冊子は学園でも特Aランクの機密事項なのに何で持ってんの!?」

戦刃「まず一つ目、私は超高校級の“軍人”なんかじゃなく超高校級の“お姉ちゃん”」

霧切パパ「いやいやいや、希望ヶ峰学園が君をスカウトしたそもそもの起因は、戦場で目覚ましい活躍をする君を
     我々が目に止めたからこそであってだね――」

戦刃「ちなみに超高校級の“姉”じゃなく“お姉ちゃん”じゃなきゃ……ダメ
   このニュアンスの差は大きい マシンガンとライフルなみ」

霧切パパ「そのチョイスがもはや軍人だよ 軍人以外の何者でもないよ」

支援

戦刃「そして二つ目」

戦刃「ここに“数多の戦場を渡り歩いてきた戦刃むくろの体には“傷らしい傷がなかった”って書かれてる」

霧切パパ「事実じゃないか 女の子としては名誉な走り書きだろ」

戦刃「そんなことない 盾子ちゃんが側にいないさびしさで、わたしは常に心を痛めてる」

戦刃「ハートに巻いた包帯を、盾子ちゃんにゆっくりほどいて欲しいレベル」

霧切パパ「それ明らかに外傷じゃないよね!?」

戦刃「包帯がダメならブラジャーでも可 【ブラ紐の痕】を外傷と定義する」

戦刃「私のブラジャーをゆっくりと取り払う盾子ちゃん……ハァ、ハァ……」

霧切パパ「……」

戦刃「次に三つ目」

霧切パパ「まだあるのか……」

戦刃「私は確かに傭兵部隊フェンリルに所属していた」

霧切パパ「あぁ 長年に渡って活躍したそうじゃないか」

戦刃「それ、ホントは3日間」

霧切パパ「はぁ!?」

戦刃「盾子ちゃんと離れ離れになるなんて
   1ヶ月はおろか一週間もムリ しんじゃう」

霧切パパ「そ、そんなはずは――我々の調査は諜報機関の協力を得ながら
   慎重かつ念密に行われている――そんな初歩的なミスをするなんて」

戦刃「いくつかの戦争を独断専行しながら終わらせてたら
   噂に尾ビレがつきまくった感はある」

戦刃「地域によって私の人物像はあやふやで……
   ある軍隊での私は老練の閃光ザン・ネーチャンの異名がある……みたい」

霧切パパ「な、なるほど……実績は間違ってなかったが
     経歴に不備があったみたいだな……」

戦刃「まちがいだらけの書類は、いますぐ正すべき……これで私の言葉に正当性が出てきた」

戦刃「軍人からお姉ちゃんへ、早急なるクラスチェンジを要求する」

霧切パパ「いや、その理屈はおかしい」

戦刃「……娘の写真を見ながらニヤニヤしてあげく「ぬわぁー」
   って叫んじゃう男の人に、おかしいとか言われたくない」

霧切パパ「改めて言われると恥ずかしいから言及しないで!?」

霧切パパ「コホン……まぁそれはいいとして
     これは私個人の判断でどうこう出来る話じゃないんだ」

霧切パパ「この学園で最高の権力を行使できる
     評議会のジイサンどもを説き伏せなくちゃならない」

霧切パパ「政府公認の学園なんだ 国家を通した手続きも色々あるんだよ
     頼むから聞き分けてくれないか」

戦刃「ここに霧切ちゃんのスク水写真がある」

霧切パパ「ははっ、響子ちゃんのスク水写真なら
     すでに何枚も隠し撮りして……」

戦刃「これは秘蔵の白スクver」

霧切パパ「よし、今日から君は超高校級のお姉ちゃんだ」

――数時間後 

 昼 希望ヶ峰学園 本科校舎 78期生教室


大和田「あー疲れた疲れた首がよく鳴る……まっ、今日も1日ブジに終わったな」

不二咲「うんっ」

石丸「帰るまでが学校だぞ兄弟! それにしても、近頃の戦刃くんはたるんでいる!
   専科目だけではなく、午後の合同授業もボイコットするとは……!」

舞園「でも、江ノ島さんがいる午後の授業をサボるのは、初めてじゃないですか?」

苗木「そうだよね……江ノ島さんはなにか聞いてないの?」

江ノ島「さぁねぇー」

江ノ島(チッ、来ねぇなら来ないなりに連絡よこせよ残姉
    計画を進めるチャンスを棒に振っちゃったわ――)

霧切パパ「おーい、座ってくれー ちょっと早めに帰りの会するぞー」

霧切「SHRって言いなさいよ ほんと歳甲斐のない人……」

霧切パパ「(´・ω・`)」

霧切パパ「……あー、何だ 転入生? 編入生? 新入生?
     私もよく分からんが新しい仲間を紹介する」

腐川「あ、新しい仲間?」

桑田「放課後直前なのに!?」

山田「あのー、そういうのは朝一番にやるものなのでは?」

霧切パパ「まぁ、本人たっての希望……という事だ じゃあ入ってきてくれ」

戦刃「おじゃま」

クラスメート「……」

クラスメート「えっ」

また君か

戦刃「私の名前は戦刃むくろ 才能は“超高校級のお姉ちゃん”……と、タマニグンジン
   以後……ヨロシク」

葉隠「戦刃っち……だよな? 戦刃っちでいいんだよな? 戦刃っちは戦刃っちだから戦刃っち――」

十神「ここここの程度の状況に動揺するな愚民っ」

桑田「お前もなー……」

霧切パパ「あー、一応だが学園も正式に認可している
     電子生徒手帳も更新されているはずだから、確認してくれ」

戦刃「――というわけで質問を受けつける……」

セレス「……では“超高校級お姉ちゃん”になった戦刃さんと
    なる以前の戦刃さんに、どのような相違点があるのか教えていただけますか」

戦刃「……? とくにない」

クラスメート(ないのかよッ!)

江ノ島(あぁダメ、超高校級のお姉ちゃん? はあ?
    余計に残姉ちゃんが理解できなくなってきた……残姉マジ残姉)

たまに軍人wwwwww

苗木「じゃ、じゃあさ無難にだけど、好きな食べ物とかってあるの」

戦刃「盾子ちゃん」

戦刃「耳たぶや二の腕や太ももを甘噛みするたびに伝わってくる程よい弾力
   人間特有の老廃物もスゴく美味で部位によって異なる味わいをくれる虹色のような味覚を演出していた
   引き締まったおなかにたまる汗や、盾子ちゃんの可愛いリップからこぼれでる唾液で飲み物にも困らない
   盾子ちゃん1人でこの世の食べ物をすべてを補完できるレベル――」

苗木「ストップストッープ! なんかもう、聞いてるだけでオナカ一杯だよ!」

江ノ島(もう死んじゃおっかな……)

戦刃「……つぎの質問――じゃあ、葉隠くん……」

葉隠「こ、これ名指しされんのか!?」

戦刃「私と盾子ちゃんの相性を占ってください」

葉隠「俺が質問される側かよっ」

葉隠(ど、どうするべ 江ノ島っちはこっち睨んでるし
   戦刃っちは戦刃っちでなにをしでかすかわからねーし
   あー、どう答えるのが最善なんだべ! あっ、そうだべ――)

戦刃「どきどき」

葉隠「お、俺の占いは未来を当てるものであってだな!
   現在の相性を当てるのは、少しばかり難しいというか……」

戦刃「……じゃあ、盾子ちゃんと私が将来結婚できるかどうかでも……可」

葉隠(難易度あがっちまったあああああああああああああ!!!)

山田「ど、同性の結婚だけでも充分な背徳であるというのに
   姉妹……それも 双 子 の結婚ですかぁフヒヒヒィ!
   式の際はぜひ、我輩にも同席させて下さい」

戦刃「……いいよ でも、今はそれより……」

葉隠「ひぃい……! お、俺の占いによるとだな……」

戦刃「どきどき」

葉隠「お、俺には荷が重いべええええええええええ!」

朝日奈「あっ、逃げた」

腐川「ち、血の繋がった者同士が結びつくという禁忌に
   耐えられなくなったのね……ウフフ良く分かるわ……」

桑田「分かるんだ……」

十神「くだらん オレも帰らせてもらうからな」

戦刃「2人とも……いなくなっちゃった 何がダメだったんだろ」

江ノ島「無い乳に両手を当ててよく考えて下さい
    付け加えますが、人の膝にちょこんと座るのをやめてください そこはかとなく邪魔なので」

戦刃「……じゃあ、盾子ちゃんが私の膝にすわって……いいよ」

江ノ島「とか言ってる間に座らせるとか馬鹿なの? 死ぬの?
    ってきゃあ?! なに人のオッパイ揉んでんのよバカ姉!」

戦刃「ナイス乳に両手を当てろと言ったのは盾子ちゃん」

江ノ島「無い乳だっつの!」

戦刃「戦場の銃声……爆音を聞いてきた私の鼓膜はくたびれ……今やかなりの難聴
   無い乳を……ナイス乳に聞き間違えるレベルの難聴」

江ノ島「聞こえてんじゃああん……離っっっせ!」

世紀末だべ!!

しょーちゃん ◆sho/Nrx0p2

俺の文句はここで言え!!(`・ω・´)
自己紹介板自己スレ
過去に書いたSSとか貼ってある

バターになったヤンキーが処刑される直前にいい事言ってた気がする

戦刃「胸は離しても腰は離さない」

江ノ島「あうう!」

戦刃「こうして盾子ちゃんの背中に耳を当てると
   盾子ちゃんの鼓動がじかに感じられるよ……? 盾子ちゃん、いつもよりドキドキしてる……」

江ノ島「はーなーせー!」

>ギャーギャー!
>ジュンコチャンクンカクンカ

霧切パパ「いつものがはじまったから、みんな帰っていいぞー」

石丸「ふ、風紀が乱れているう! あのような不純なやりとりが
   我々の“下校の合図”になっているとは……! ありえん!」

大和田「泣くな泣くな やけ酒なら付き合ってやっからよ」

石丸「が、学生が酒などひゃっ百年早いっ!」

モノミにプレゼントをあげてくるのでちょっと席を外します!
15分くらいで戻ります!

セレス「山田クンは帰りませんの?」

山田「もう少しだけあの2人を見ていきます!」

セレス「言うと思いましたわ ……ではお先に、失礼しますわね」

朝日奈「さくらちゃんは今日も一汗かいていく?」

大神「付き合おう」

不二咲「あっ、今日はボクも一緒に行くよぉ」

霧切「苗木クン 私達も行きましょう」

苗木「うん、行こう」

舞園「じゃあ私も、苗木クンと途中まで」

桑田「オ、オレも一緒に行くからちょっと待って!」

腐川「……」

腐川「当然のようにスルーされるワタシ でも、不思議とそれが気持ちいいわあ……」

 放課後 同所


江ノ島「あー、疲れた……残姉に小一時間からみ付かれるとか
    最っ高に絶望的ぃ……」

戦刃「まんぞく」

江ノ島「……さっきさアンタ 私と結婚するとか言ってたよね」

戦刃「言った 盾子ちゃんと添い遂げるつもり」

江ノ島「へぇ、そうなんだ ふーん、はーん」

江ノ島「バッカじゃねぇの?」

江ノ島「ざぁんねぇえん! 私の人生設計にそんな筋書きはねーから
    産まれてから死ぬまでの一生を他人に決められてイヤがる人はたくさんいるけどさ
    産まれてから死ぬまでの一生を私はもう自分で決め尽くしてるんでー
    ホントは私だってイヤだけど、だってこれから先の人生なにが起こるか丸わかりだし? 最っ高に飽きちゃいそうじゃない?
    それもまた絶望的よねえ」

江ノ島「手始めに、生徒会とカムクラを殺し合わせてカムクラを手中に収めるのはまぁ基本でしょ ついでに予備学科も焚きつけて
    オマケにスパイだのボディガードもぶっ殺すことになるんじゃないかしら 私の予測だと
    あとは記憶改竄の技術もさくっとパクって大好きな人もブチ殺すって感じ?」

江ノ島「そんで慌てた学園長がシェルターを造るけど
    その中で可愛いマスコットキャラに扮した私がクラスメートをコロシあわせるの!
    最終的には、死んだ人たちに与えた全ての辛苦が、まるごと私にふりかかって
    一生で一度しか味わえない死という絶望にまみれながら、この私 超高校級の絶望は死ぬの!
    あぁ素敵っ!」

江ノ島「それが私にとって絶望的に幸せな未来――わかる?
    死ぬときはもちろん、生きてるときに得られる多幸感に
    アンタの存在はほとんど必要ないの」

江ノ島(ここだけの話 絶望した残姉ちゃんには色々と活躍してもらわなきゃなんだけど
    それは黙っとこ その方が絶望しやすくなりそうだし――うぷぷぷ)

江ノ島「あぁでも、アンタが愛してやまないこの私にむごたらしく殺されて
    絶望的な死に顔をさらして醜態をふりまくってんなら、多少の利用価値はあるかぁ」

江ノ島「まぁどのみち、その程度のちっぽけな絶望しか生産できないアンタは
    ちっぽけな絶望と等価なのよねぇ」

江ノ島「だから――って痛い 後頭部が痛いんだけど」

戦刃「あ……ゴメン、ちょっと寝てた……
   もういっかい最初から聞かせて?」

江ノ島「」

江ノ島「死ね! マジで死ね!」

戦刃「大丈夫、死なないよ……」

江ノ島「大丈夫とかいう話じゃ――」

戦刃「誰も、死んだりなんかしないよ……私もみんなも――盾子ちゃんも……誰も」

江ノ島「ア、アンタ やっぱ聞いてたんじゃない!」

戦刃「誰も……死んだりする必要はないよ……?」

江ノ島「あるのよ! アンタらが死なないと、私は――」

戦刃「大丈夫……」

戦刃「盾子ちゃんが思い描く、その幸せと……同じくらい
   お姉ちゃんが、盾子ちゃんのことをずっと……幸せにしてあげるんだもん」

ひたすらスルーするのが絶望に一番効く予防線な気がしてきた

江ノ島「」

戦刃「……?」

江ノ島「な、なななにプロポーズしてんのよっ! 馬鹿と莫迦と通り越してバッカじゃないの!?」

戦刃「?……プロポーズなんてかしこまったモノじゃない
   これくらいなら、いつも言ってるし……」

江ノ島(そーいやそーだった……ヤッバ、今日の私はマジどうかしてるかも……)

戦刃「なでなで」

江ノ島(でもっ、結婚とかもったいぶったのは残姉なんだし
    勘違いしたのは当たり前っていうか――とにかく、私のせいじゃないわよね……うん)

戦刃「なでなで」

江ノ島(とりあえず帰ろう 部屋のモノクマぬいぐるみに顔をうずめて落ち着こう)

戦刃「ペロペロ」

江ノ島「舐めんな!」

戦刃「(´・ω・`)」

絶望が効くことでやれることだもんなー

希望さんは本当天敵だってことだわな

 放課後 希望ヶ峰学園 東地区 通学路


江ノ島「――で、私を幸せにするなんて啖呵きったんだから、当然
    私の計画に匹敵するような、打算の一つや二つあるんでしょーね」

戦刃「……」

江ノ島「おい、なんで目そらした」

戦刃「……盾子ちゃんは飽きっぽいから――これからは、ヒマを与えないように尽力する次第」

江ノ島「いや、それはマジで勘弁して 
    心休まるヒマがこれ以上なくなると――」

江ノ島(あ……)

江ノ島(ふうん……私――)

江ノ島(ヒマじゃないんだ、残姉といると)

江ノ島「……」

江ノ島「――好きにすれば」

戦刃「デレた盾子ちゃんもきゃわわ……あっ、待ってよ盾子ちゃーん
   置いてかないでぇ……」

江ノ島(まぁいっか しばらくは様子見してあげる、残姉ちゃん)

江ノ島(アンタの言う安っぽい幸せと――)

江ノ島(私がアンタに抱き始めてしまった、かすかな希望が)

江ノ島(私の根幹・存在意義・価値観をも覆すモノに育つかどうか)

江ノ島「じっくりと見定めてやるから――」

戦刃「そんなに見つめられると……照れる」

江ノ島「そういう意図じゃねーから!」


おしまい

おつおつ

終わったああああ! って言うと思った?
残念! もうちょっとだけ続くんじゃ!
みんな大好き狛枝クンもでましゅうううアヘェエエ!!!
ガチレズに希望を見いだすキミやガチホモに絶望したいそこのキミも
みんな仲良くお付き合い頂けると助かります!




戦刃「いつか盾子ちゃんが私の体をペロペロしたがる時の為に

(お、新しいコピペか?)

 朝 寄宿舎 戦刃の部屋


戦刃「まずは……自分で自分の体をペロペロして、事前調査……しなくちゃ」

戦刃「味見をしないで料理を出すなんて、お姉ちゃんの風上にもおけないから」

戦刃「まずは指先から肩にかけて……ペロペロ」

戦刃「ん、ちゅっ……はぁ、んっ じゅるるる、ぷはぁ」

戦刃「……手のひらは塩っ気があって、フェンリルの刺青は、ちょっとだけ異物感がある……かな
   わ、脇の下は筆舌に尽くしがたい……」

戦刃「ほ、ほかの場所も……味見――あっ、んん」

 朝 寄宿舎2階 廊下


江ノ島「実に反省の至りだよ 戦刃むくろという驚異に対して
    私はあまりにも消極的になっていた」

江ノ島「事が起きてから行動する惰性に慣れ 事を起こして行動させるという
    攻めっ気を欠いていたと言わざるを得ない」

江ノ島「だからこうやって早起きしてー、お姉ちゃんが私の部屋に来てしまう前に
    私から、お姉ちゃんの部屋に出向いてしまおうってワケなのよー? 分かるかなー?」

江ノ島「さらに補足すれば、超高校級のお姉ちゃんとやらの弱点の一つや二つを把握する事が
    当面の目標であり――それを達成できた暁には、この膠着状態を突破するキッカケ
    にもなりえるでしょう」

江ノ島「そして、残姉ちゃんという最後の砦を失った希望ヶ峰学園は、やがて陥落し
    私様の手中に収まるという寸法なのよぉ!」

江ノ島「……」

江ノ島「……べ、別に昨日のプロポーズもどきが尾を引いてるってわけじゃないし
    残姉ごときの顔をいち早く見たいなんて煩悩――ぜ、絶対ないから……
    てか、残姉を見定めるための一環だし……うん」

ほう、超高校級のツンデレとな

江ノ島「すぅ……はぁ――」

江ノ島「よしキタ! 行くぜ行くぜぇ! 迎えにきてもらうだけが脳じゃねえええ
    このドアノブひねるついでに、お前の首もひねってやるから覚悟しろバカお姉よぉお!」


>ガチャ


江ノ島「おっはy」

戦刃「あっ……ここ、なめると……気持ち、い……」


>バタン


江ノ島「……」

江ノ島「えっ」

江ノ島(えっ……え? とっさに扉閉めちゃったけど、アイツ今なにしてた?)

江ノ島(パンツ一丁で太ももに舌を這わせたり、吸い付いたりしてた気がしないでもないんだけど
    し、しかも……肌がやけに濡れそぼってたような……? いやいやいや有り得ないでしょ!
    だって……あの状況下で残姉の体に液体がつくとしたら 残姉自身の体液であることは間違いないし)

江ノ島(それに、あのペロペロ痴態が私がここに来る前から繰り広げられていたのなら
    あの液体は、ま、間違いなくヨダレってことになるじゃない!
    ハイ有り得なーい! そんなのぜーんぶ見間違いよねっ!
    だから問題なーし!)


>ガチャ


戦刃「ちゅっ、ペロペロ……ココ えっち、な味がする……かも」

江ノ島「な、な……ななな、な!」

江ノ島「何してんのよこの残姉がぁあああ!!!」

えっちな味ってドコを舐めれば分かるんですか!わたし気になります!

 朝 戦刃の部屋 シャワールーム


戦刃「うぅ……目が、しみる」

江ノ島「あーもーシャンプーの時くらいは、目ぇつぶっときなさいよ
    シャワーすらままならない女子高生とかマジで残念すぎ」

戦刃「だってぇ……盾子ちゃんがお姉ちゃんの髪を洗ってくれるなんて、久しぶりだし……」

戦刃「お姉ちゃんのために頑張ってくれる盾子ちゃんを
   いつまでも見つめたくなるのはトーゼンなんだもん……」

江ノ島「まるで私がアンタのために尽力してるような言い草だなオイ」

戦刃「あっ、そうだ 盾子ちゃん……お姉ちゃんの部屋にある、軍用ゴーグルもってきて……」

江ノ島「シャワー室にゴーグル持ち込むとか残念ってレベルじゃねーぞ!」

戦刃「……学校に王冠をもっていく盾子ちゃんといっしょ、だね……」

江ノ島「まさかのDNA説かよ……」

江ノ島「てか、もう数秒で終わるから我慢しろ はい流すわよ」

戦刃「きゃう」

戦刃「なんだかんだでやり遂げてくれる盾子ちゃん 優しい……」

江ノ島「私の服までヨダレ臭くなるから、その予防だよ! 自惚れんな!」

戦刃「……私と、盾子ちゃんがらーぶらーぶする前提……
   盾子ちゃんってば、そんなに私とイチャイチャしたいんだ……
   じ、盾子ちゃんのえっち……エヘヘ」

江ノ島「ダメだコイツ 早くなんとかしないと……」

手遅れですな

  朝 希望ヶ峰学園 東地区 通学路


戦刃「さっぱり」

江ノ島「はぁ……もう朝っぱらからオナニーとかやめなよ」

戦刃「……? アレはタダの味見」

江ノ島「えっ」

戦刃「盾子ちゃんがお姉ちゃんのからだを舐めまわしたくなった時に……
   お姉ちゃんのからだが盾子ちゃんの舌に合うかどうかを確かめた
   味見」

江ノ島「いや、ないから 未来永劫ないから」

戦刃「でも、どんなに頑張っても舐めれない場所があった……から
   対策を検討しなければ、ならない……」

江ノ島「聞けよ」

戦刃「とりあえず今は、盾子ちゃんの味見……をする」

江ノ島「ちょっ、離しなさい! お前の味見は味見じゃねえから! 実食だから!」

戦刃「朝ごはんも食べてないからちょうどいい」

江ノ島「そこにコンビニあんだろ!」

戦刃「まったくみえない」

江ノ島「嘘つけ! 歩いてる途中なんどもオニギリチラ見してたじゃん!
    視力2.0あるのも知ってるんだからな!」

戦刃「……恋はもーもく」

江ノ島「ム、ムラムラしてる時にのみ支障をきたす
    そんな都合のいい盲目があってたまるかぁああああああ!!!!」

 朝 希望ヶ峰学園 本科校舎 78期生教室


戦刃「――というわけで、盾子ちゃんは今シャワーを浴びに行ってる」

苗木「あはは……」

山田「百合百合シスターズのシャワーによる、水の年間消費量は異常ですなぁ」

朝日奈「水泳部としては少し複雑かも」

大神「身を清めるだけなら滝が適任だと、我は教わってきたな」

桑田「いやソレは世紀末すぎるでしょー……」

さくらちゃんカッケエエエ!

朝日奈「さくらちゃんに変なイチャモンつけないでよ! 適度な水圧はカラダにもいいんだから!」

桑田「アレが適度なの!? 大神ちゃんの健康法ってば
   高難易度すぎっしょ……心折れるわー……」

大神「フフ……水量にもよるが、平均7程度の滝であれば
   桑田なら耐えられるやもしれぬぞ……」

桑田「前向きに検討しないでくださいお願いします」

山田「デュフフ、さくらたんマジエンゼルフォールすなぁ」

苗木「あははっ――い、戦刃さんは滝行って興味ある?」

戦刃「……盾子ちゃんが濡れ濡れになるシチュエーションには、興味をそそられる……」

桑田「戦刃ちゃんが自分で浴びるわけじゃないのね……」

霧切パパ「うーす、みんな出席とるぞー」

霧切「はぁ……なによ今の挨拶は 教師の品格もからっきしだけど
   人間の基礎を一からやりなおした方がいいんじゃない?
   それが無理ならいっそ人外として、地面を這いつくばってなさいよ永遠に」

霧切パパ「」

戦刃「救護班かもん」

大神「またか……」

霧切パパ「し、心配には及ばないさ この程度の痛み
     目の前に響子ちゃんがいる幸福で相殺してでも、食いしばってみせる……!」

霧切「チッ」

霧切パパ「(´;ω;`)」

江ノ島「たっだいまー、あー……湯冷め気持ちぃー……あれ?
    年中発情期で脳汁マッハのどこに出しても恥ずかしい
    ズブズブのド変態いなくない?」

山田「志村ぁー! 後ろ後ろぉお!」

江ノ島「……いないんですけど」

大和田「もうちょい下だよ」

江ノ島「……」

戦刃「……」

戦刃「……戦争は人をキズつける」

戦刃「そこから生まれた戦術の一環が……匍匐前進であるのなら
   匍匐前進も、人をキズつける行為に他ならない……」

戦刃「だから、私は……スカートの中を覗く為だけに
   匍匐前進を執行するという……平和的使用法を提唱し、匍匐前進のイメージ改善を
   あ……ダメ、そこは踏まないで盾子ちゃんっ――気持ちいいっ」

霧切パパ「――石丸くんだけ欠席と……おーい、出席確認おわったからなー
     速やかに専科に移ってくれよー」

江ノ島「死ねっ死ね!」

戦刃「あっ、あっ……そこ、そこがイイの……」

霧切パパ「聞いちゃいねえ」

舞園「それにしても珍しいですね 石丸くんがお休みするなんて」

葉隠「明日はきっと隕石が降るべ」

十神「やめろ 貴様が言うと冗談にもならん」

セレス「石丸クンが学校を休まれた理由についてですが
    わたくしには一つの確信がありますわ――ですわよね? 大和田紋土クン」

大和田「ギクッ――さ、さぁて移動しねえとな」

不二咲「あっ、ボクも一緒に行くよぉ」

霧切「……飲ませたわね」

セレス「えぇ、十中八九」

戦刃「……」

苗木「だ、大丈夫? 戦刃さん
   みんなもう移動したよ? 一人で立てないなら肩を貸すけど」

戦刃「……平気 兵器だけに」

苗木「だ、大丈夫そうだね アレだけ蹴られて無傷みたいだし」

戦刃「……私はしばらく、このまま余韻を味わうから 苗木くんは移動した方が、いいと思う」

苗木「う、うん 戦刃さんも、今日はサボったりしちゃダメだからね」

戦刃「善処する……」

苗木「……」

苗木「そ、そうだ戦刃さん――一つ聞いてもいいかな」

戦刃「クンカクンカ――盾子ちゃんの残り香を嗅ぎながらで、よければ……聞く――クンカクンカ」

苗木「そ、それでもいいよ――えっとさ、昨日から戦刃さんは
   超高校級のお姉ちゃんになったんだよね」

苗木「そうなるとさ 授業内容はもちろん、専科を受ける場所も変わってくるのかな」

戦刃「……」

戦刃「しまった」

苗木「あはは……やっぱり聞いてなかったんだ」

戦刃「でも、私には盾子ちゃんのニオイを吸い尽くす使命が――」

苗木「ゼッタイ言うと思ったよ! もう……じゃあさ
   ボクが霧切先生に聞いてくるよ だから戦刃さんはココにいて」

戦刃「苗木くん、またしてもイイ子……なでなで」

苗木「わわっ、それはしなくていいよ!」

戦刃「なでなで」

苗木「ううぅ……」


――十分後


戦刃「ずっとなでてたら、苗木くんが再起不能になった」

板が調子悪くても黙々と書く>>1に濡れた

残姉ちゃんにぼくもなでなでされたいよぉ…

苗木「な、撫でられただけで腰砕けになるなんて……ううぅ」

戦刃「……ヒマなら、私と盾子ちゃん談義する?」

苗木「もはやサボる気しかないよね!? くっ、動けボクの足……!
   このままじゃ遅刻しちゃうよ……」

戦刃「よいしょ」

苗木「うわぁ! ――って戦刃さん!?
   い、いきなり何で!?」

戦刃「苗木、くんだけでも……教室に届けなくちゃ」

苗木「だ、だからって何でお姫様抱っこなの!?」

戦刃「需要があるから」

苗木「えぇー……」

 朝 希望ヶ峰学園 本科校舎一階 廊下


戦刃「幸運科の教室って……こっちだよね」

苗木「う、うん……」

戦刃「……苗木くんは、いつもどんな授業を受けてるの?」

苗木「えっと、運に絡むことでひたすら遊ぶだけ……かな
   最近はトランプにハマってるよ」

戦刃「スゴく楽しそう、自習みたい……」

苗木「あはは……あながち間違いでもない例えなんだよね 先生がいる代わりに
   監視カメラが一台取り付けてあるだけの教室だからさ」

戦刃「先生がいない授業なんて……あるんだ」

苗木「“幸運”自体が教えようのない分野みたいなんだ
   毎年選ばれる幸運の生徒にもそれぞれの傾向があって
   幸運の強弱や発動条件、及ぼす影響もまちまちらしいから」

戦刃「苗木くんの幸運は……ラッキースケベ?」

苗木「それは違うよ! い、いや違わないかもしれないけど
   そんな局所的な幸運イヤだよ!」

支援

苗木「ボクの幸運か……これは狛枝クンが言ってたんだけどさ
   あっ、狛枝クンっていうのは57期生の“幸運”で、えっと……
   その狛枝クンが言うには――」

苗木「えーと……『不幸の中で自分の幸運を呼び込むのがボクなら
   不幸の中でも自分は幸運だと思い込めるのが、苗木くんの才能なのかもね』だったかな」

戦刃「……前向き、ってことだよね」

苗木「や、やっぱりそうなのかな――自分が前向きなのは、自覚してたつもりだけど
   それが才能かどうかって言われると、ちょっと複雑かな」

戦刃「……希望ヶ峰学園に選ばれたことが、幸運だって思うひとはいっぱいいるけど
   選ばれたことが、不運だって思う人も少なくない……かも」

戦刃「苗木くんは、どうだったの?」

苗木「……」

苗木「……思ってた、かな」

苗木「自分に思い当たる取り柄なんか、ホントそれくらいで
   抽選にあたった事だって最初は半信半疑だったくらい
   ボクは運に恵まれた人間じゃなかったから」

戦刃「――くん」

苗木「そんなボクが、こんなスゴい学園に見合った生徒になれるのかとか
   スゴい仲間達と肩を並べることが出来るのか、とか……
   『卒業できれば成功したも同然』なんてうたい文句、ボクに当てはまるのかな……って」

戦刃「苗―くん」

苗木「三年間がムダになるくらいなら、このままの方がイイんじゃないか
   ――しばらくは考え詰めだったよ」

戦刃「苗木くん――着いたよ」

苗木「え……? つ、いた――? そ、そうだった!
    ……ゴメンね戦刃さん ボクばかりボーっと話し込んで」

戦刃「ううん……抱っこ、降ろすね」

苗木「う、うん」

キター

頑張れ>>1

苗木「ここまでありがとう じゃ、じゃあボクは行くから――ってえええええ!?」

戦刃「……」

苗木(あれ? なんでボク戦刃さんに抱きしめられてるの?
   いつも想像してる通り柔らか、じゃなくてっ!
   これがラッキースケベってヤツですか!? 教えて山田くううううん!)

戦刃「贅沢な、悩み……だけど苗木くんにとっては不運みたいな悩み……だったんだよね」

苗木「え、えっと……?」

戦刃「でも苗木くんは今、ここにいる……それはやっぱり、才能だから……」

苗木「……」

戦刃「入学への第一歩を 苗木くんの前向きが後押ししたなら
   きっとそれが苗木くんの才能……なんだよ」

戦刃「それに、苗木くんの幸運は……周りの人も幸運にしてる
   拡散される前向き……だから、すごくエラい
   私も盾子ちゃんを襲うとき、いつもお世話になってる」

苗木「ボクの前向きって犯罪を助長してたの!?」

戦刃「冗談……じゃあ、またね
   盾子ちゃーん、いっま行っくよー」

苗木「あっ、また後で戦刃さnいや待って! それは違うよ!
   江ノ島さんに会いに行ったら授業に間に合わないからー!」

苗木「行っちゃった……」

苗木「……超高校級のお姉ちゃん、かぁ
   ……なんとなく分かった気がするよ」

狛枝「何が分かったって?」

苗木「」

狛枝「イヤだなぁ苗木クン 緊張と驚愕で強張りきったその表情
   超高校級のキミらしくないよ」

狛枝「それに、話し声が聞こえる他の教室の近くでならまだしも
   【ボク一人しかいなかった幸運科の目前】で、さっきのような密談はしないほうがいいよ
   ぜぇんぶ【丸聞こえ】だから……」

苗木「ぜ、全部ってどこから聞いてた、の?」

狛枝「【なでなで】の辺りから」

苗木「幸運科まったく関係ないよね!? それってただ単に
   狛枝クンがボク達につきまとってただけじゃないか!」

狛枝「あ、バレちゃった?」

狛枝「いやぁ、たまには先輩らしく苗木クンを迎えに行ってみよう
   と思い立って実行してみれば、あんな場面に出くわしてしまったんだ」

狛枝「コッソリついて行きたくなるのも、【仕方ない】とは思うけど?」

苗木「仕方なくないよ! 戦刃さんといい狛枝クンといい
   この学園の人たちは犯罪に対する意識が低すぎるってば!」

狛枝「まぁまぁ」

苗木「もう……」

狛枝「さてと、苗木クンも調子が出てきたみたいだし
   授業を開始しようか」

狛枝「さぁ苗木クン ボクと勝負してくれるよね」

苗木「ソレさ、いつも言ってるけど【気にいってる】の?」

狛枝「それは違うよ 言うなれば“お約束”ってヤツかな」

狛枝(戦刃むくろさんか 久しぶりに見たけど、相変わらずの破天荒っぷりだね)

狛枝(そして昨日、超高校級が超高校級たり得る才能を
   自らの希望で改正するという快挙を、彼女は成し遂げたわけだけれど――)

狛枝(超高校級の超高校級マニアであるこのボクでさえ、そんな前例はまるで知らない
   ――今の彼女には、苗木クンのような可能性が見え隠れするよ)

狛枝(才能に精神を依存させている他の超高校級とは違い
   精神に才能を依存させている超高校級――とても興味深いね)

狛枝(二人の意志はともかくとして、お似合いの二人だと
   ボクは思うな)

狛枝(まぁ、苗木クンを渡す気はさらさらないけどね)

狛枝(苗木クンはボクのモノなんだから)

百合豚「ガタッ」
ノンケ「ガタッ」
腐女子「ガタッ」



なんだよこのスレ…たまげたなあ

 昼 希望ヶ峰学園 本科校舎 78期生教室


戦刃「はい盾子ちゃん 今日のお弁当……だよ」

江ノ島「今朝のアレで作る時間あんのかよ……」

戦刃「すでに完成してた……もん これぞお姉ちゃんの、美徳……」

江ノ島(味は絶望的にイイのよね……コイツの料理
    黙って食べてやるのは癪に触るんだけど――)

江ノ島(けっこう前に、弁当の中身を全部ゴミ箱にぶちまけてやったら
    その中身ぜんぶ口移しで食わされたし……)

江ノ島(コイツを絶望させられない行動なんてただの徒労
    私の計画を進める機がこない内は――コイツの言う幸せごっこに付き合ってやる)

江ノ島(……ホントは食べたくないんだけど、いただきます
    ホントは食べたくないんだからっ)

戦刃「はい、盾子ちゃ(グ-)ん……あーん」

江ノ島「あー、ん」

戦刃「……美味しい?」

江ノ島「……まぁまぁ」

戦刃「じゃあ次……(ギュルルル)あーん」

江ノ島「あー、んむっ」

戦刃「モグモグする盾子ちゃん可愛い……
   はい、あー(キュンキュンン)ん」

江ノ島「すこぶる食いにくいわ! 何よその狙いすましたような腹の音は!」

江ノ島「無駄に燃費が悪い残姉さんの事です また早弁したんですね、したんだろ
    したんだなオイ!」

戦刃「登校してすぐ食べた」

江ノ島「アンタにかじりつかれた私の苦労返せよ」

戦刃「大丈夫……盾子ちゃんの苦労は、ムダにはしない……」

江ノ島「なによ、その……見覚えのある布切れは」

戦刃「盾子ちゃんのパンツ」

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はよ書いてくれー

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