苗木「三日間の猶予」 (75)
「苗木くん、苗木くん」
苗木「?」クルッ
戦刃「ねえ、一緒に食堂でお昼食べない?」
苗木「戦刃さん!久しぶりだね!!サウジアラビアに遠征って聞いてたけど、こっちに帰ってきたの?」
戦刃「うん、向こうでの訓練は昨日終ったんだ」
苗木「じゃあ、今日からまた一緒に過ごせるね!」ニコ
戦刃「う、うん…///」テレー
苗木「そう言えば、食堂でお昼食べるって話だったね。ボクもちょうどお腹すいてたからいいよ!」
戦刃「ほんとに?うれしい」
苗木「はやくいこっ!」
戦刃「うん」
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朝日奈「今日は二月二日かぁ…」
霧切「もうすぐね」
舞園「そうですね」
朝日奈「…もうすぐ?」
霧切「あら?忘れちゃったの?」
舞園「二月五日は苗木君のお誕生です!」
朝日奈「あっ…、そうだった…」
霧切「自分の好きな人の誕生日くらい覚えてなさいよね」
朝日奈「べ、べつに好きじゃないもん!///」
霧切「あら?そうなの?」
舞園「私は苗木君のこと好きですよ」
朝日奈「えええぇ!?」
霧切「私も苗木君好きよ」
朝日奈「えええええええぇぇぇ!???」
舞園「別に隠すことないじゃないですか」
霧切「そうよ、だって苗木君よ?」
朝日奈「そっかぁ…。そうだよね、苗木だもんね!」
葉隠「ふあぁ。今日も平和でヒマだべ」
山田「ヒマそうで良いですなぁ、葉隠殿は。拙者も暇な日を送りたいですぞ」
葉隠「山田っちは毎日毎日マンガ描いてて大変そうだなぁ。よーし!そんじゃいっちょ俺っちがアシスタントをしてやるべ!」
山田「おお!それは助かりますぞ!二月五日までにどうしても完成させたい原稿がありましてなぁ」
葉隠「あと三日しかねーべ!間に合うのか…?」
山田「部屋に籠って寝ずにやれば間に合いますぞ!ささっ!行きますぞぉ!!!」
葉隠「ひえー!!!そんなの嫌だべ!離してくれええ!!!」
山田「手伝い賃は指三本ということで」
葉隠「よっしゃあああ!!頑張るぞぉぉ!!!」
石丸「兄弟は苗木君に何かプレゼントとかするのか?」
大和田「まあ一応な。そっちは?」
石丸「うむ。実は何を隠そう、僕はもうすでに買っている!あとは三日後を待つだけだ!」
大和田「へぇ。何買ったんだ?」
石丸「うっ…。すまない兄弟。いくら兄弟でもそれは言えない…。三日後まで絶対に秘密厳守なんだああああぁぁ!!」
大和田「そ、そうか…。ま、まあそんなに気になるわけでもねえしよぉ。そんな気にすんなよ…」
石丸「ううぅ…。すまない!…すまない!」
大和田「三日後苗木を喜ばせてやろうぜ!」ニヤ
石丸「うむぅ!!」
大神「調子はどうだ?少しはトレーニングの効果は出たか?」
不二咲「うん!ちょっとだけ筋肉がついたような気がするんだぁ!」
大神「そうか、それは良かった。やはり我の考えに間違いはなかったようだな」
不二咲「それだけじゃないんだよ!最近なんだか調子が良くてさ、新しいプログラム開発も順調なんだぁ♪」
大神「ほぉ、それはもしや?」
不二咲「うん!苗木君にプレゼントするモノなんだよ!」
大神「やはりか。我も苗木にプレゼントするモノを今思案している際中だが、不二咲は才能を活かしたモノか…」
不二咲「あ!あ!みんなには内緒だよ!」
大神「わかっている。しかし、うーむ。どうするか…」
不二咲「急いだ方が良いよ。あと三日しかないんだから」
セレス「うふふ。ごちそうさま♪」
十神「そんなバカな…?この十神が負けただと…?」
桑田「うおおおおおおおお!!!!!!どうすんだよ!!!???もう金ねえぞぉ!?」
腐川「グググ、一円残らず絞られた…」
桑田「頼むセレス!少しで良いから金返してくれ!これじゃあ、苗木にプレゼント買ってやれねーよ!」
腐川「あたしもお願い!このまま苗木に、あたし一人だけなにもプレゼントしなかったら浮いちゃう!」
セレス「あらあら、まったく乞食精神旺盛なこと」
セレス「申し訳ありませんが負けは負けです。有り金おいて帰ってください」
桑田「あほあほあほあほあほあほおおおお!!!」
腐川「ぐぎぎぎぎ!!!」
十神「…待て」
セレス「なんでしょうか?」
十神「俺にはまだ豊富な資金がある」
セレス「ですが、わたくしもう戦う気はありませんので」
十神「お前の掛け金の10倍だそう。どうだ?」
セレス「…良いでしょう。但し、これが最後です」
桑田「うおおおおおおおおお!!十神がんばってくれええええ!!!」
腐川「白夜様かっこいいいい!!!がんばってくださいいいい!!」
十神「黙れ愚民共!…お前らの為ではない!」
桑田「金が返ってくるならなんでもいいぜえ!」
腐川「あたしは白夜様のために応援してます!」
十神「いくぞセレス!」
セレス「うふふ、何度やってもおなじことです」
江ノ島「さあさあ、クラスのみなさんは二月五日の苗木の誕生日に向けて動いているようです」
江ノ島「なんて希望なのかしら…」
江ノ島「でもねー!希望を裏返すと…」
江ノ島「絶望になっちまうんだぜええええ!!ひゃははははははは!!!!」
残り3日
「飯じゃああああああああああああああああああああ!」
「うるせーなぁ…。ソニアさん、うるさい奴はほっといて、二人だけで食べましょうよ」
「田中さん、二人だけで食べませんか?」
苗木「今日も食堂は、人でいっぱいだね」
戦刃「うん、邪魔だね」
苗木「どこか空いてる席はと…ん?」
狛枝「苗木君!苗木君じゃないか!僕と同じ超高校級の幸運を持つ君と出会えるなんて、僕はなんて幸運なんだ」パァ
苗木「あはは…、そんな大げさですよ…」
戦刃「…」
狛枝「これから食事かい?よければ、僕と一緒にどうかな?もちろん、超高校級の軍人さんも一緒にどう?」
戦刃「私のこと知ってるの?」
狛枝「もちろん!よーく知ってるよ!!」
狛枝「…よーくね」
狛枝「はい、二人の分の定食持ってきたよ」
狛枝「苗木君は希望溢れる『花村A定食』」
狛枝「戦刃さんは大食系の『花村デラックス定食』だったね」
苗木戦刃「ありがとうございます」
狛枝「あはは、お礼なんていいんだよ。僕にできることはこんなことくらいしかないんだから…。ところで、生活の方はどうだい?」
苗木「うーん、ボクはいたって普通かな」
戦刃「私も…」
狛枝「普通なら素晴らしいじゃないか!不自由してないってことだからね!」
狛枝「不自由していない君達の生活をより一層おもしろくするものをあげるよ」
苗木「これは?」
狛枝「『色恋沙汰リング』って知ってるかい?」
戦刃「恋愛を成就させる指輪って聞いた」
狛枝「さすが女の子だね。そうなんだ、この指輪はその『色恋沙汰リング』に少し手を加えたものなんだ」
狛枝「名付けて『希望直結リング』。全部で三つしかない貴重品だよ」
苗木「へえ、具体的にはどこを変えたんですか?」
狛枝「指輪の裏面を見てみてよ。そこはスライドさせれば開け閉めができる仕組みになっていてね」
苗木「ほんとだ」
狛枝「スライドさせることで、できた空間に想い人の写真を入れることで恋愛成就の効果をより一層上げるっておまじないなんだ」
苗木「へえ!」
戦刃「…」
狛枝「あっ、ちなみに指輪は常に持ち歩かないと意味がないから気を付けてね」
戦刃「…これ本当に効果はあるんですか?」
狛枝「もちろん!僕の知り合いにわずか三日で恋愛を成就させたって人がいたよ」
戦刃「!」
狛枝「あ、でも効果が無かったって怒りに来るのは勘弁してよ。あくまでおまじないだし、指輪を常に持ち歩いてなかった可能性もあるしね」
狛枝「ちなみに中の写真は他人にみられても問題はないよ。ペナルティとかも特にないし、試しに使ってみてよ」
苗木戦刃「ありがとうございます」
石丸「みんな揃ったか?」
朝日奈「葉隠と山田、それに戦刃ちゃんがいないよ?」
石丸「うむ、あの二人は欠席だ。何でもどうしても終わらせないといけない作業があるらしい」
舞園「戦刃さんは苗木君が教室に来ないように誘導してもらっています」
石丸「そういうことだ。みんなに集まってもらったのは他でもない。実は三日後の二月五日。この日はなんと苗木君の――」
舞園「お誕生日です!!」
霧切「だから、みんなでお祝いしてあげようって話ね」
石丸「うむ。その通りだ」
不二咲「それで、僕らは何をしたら良いの?」
石丸「教室の飾りつけや誕生日ケーキの準備をお願いしたい」
石丸「役割は僕の方で、割り振っておいた。さあ、頑張ろうじゃないか!」
「おー!!」
石丸「くれぐれも、苗木君には内密に頼むぞ」
朝日奈「苗木きっとびっくりするよ!」
霧切「それはどうかしら?彼するどいから、もう気づいてるんじゃないかしら」
舞園「でも、時々おっちょこちょいなところもあるんですよね」
大神「そして、優しく、頼もしく、人一倍前向きだ」
セレス「見た目とのギャップが強い方ですわ。そういうところが良いんですけど」
舞園「私は、見た目通りの優しいところが一番好きですよ」
江ノ島「あんたらさ、アタシが言うのもなんだけど、働いたら?」
残り3日
江ノ島「おはようございますオマエラ!今日も絶望的な一日がきました!」
戦刃「盾子ちゃん一人で何してるの?」
江ノ島「予行演習よ、予行演習」
戦刃「?」
江ノ島「こんなに察しの悪い残念な姉を持つなんて…、なんて絶望!!」
江ノ島「ところで残姉、あの白髪希望厨から良いものもらったみたいじゃん」
戦刃「え…、なんで知ってるの?」
江ノ島「まあ、私の情報網を使えばね☆」
江ノ島「『希望直結リング』だっけ?クソみたいなネーミングだけどさぁ、ちょっと興味あるんだよねえ」
戦刃「ダメダメ!!絶対にダメ!!絶対にあげない!!!」ガルルルル
江ノ島「えぇ…。じゃあ、ちょっと見るだけ!ね!ね!」
戦刃「…見るだけなら」
江ノ島「Thanks you!」
江ノ島「ふーん、『色恋沙汰リング』と変わらないように見えるけど、裏側をスライドさせれば…」
戦刃「ちょ、ちょっと!なんでそこまで知ってるの!」アタフタ
江ノ島「私の情報網を使えばね☆」
江ノ島「たはー!やっぱりこいつかよ!!」
戦刃「///」
江ノ島「残姉本当にこいつ好きだよねぇ」
戦刃「うん、盾子ちゃんと同じくらい大好きだよ」
戦刃「苗木君」
宗像「そこの君、話がある。良いかな?」
狛枝「え?僕?なんだろう悪い話じゃないといいけど」
宗像「狛枝凪斗、超高校級の幸運」
狛枝「あれ?良く知ってますね、元超高校級の生徒会長さん」
宗像「素性は互いに知っているか。なら話が早い」
宗像「ここ最近、裏でこそこそと何か画策しているようだが何が狙いだ?」
狛枝「画策なんてとんでもないですよ!僕はただ希望が見たいだけです」
狛枝「絶望の中に輝く希望を!美しい希望を!」
宗像「貴様の狂った望み等知りたくもない。ただ、余計なことはするな。俺の計画の邪魔になるからな」
狛枝「もちろんです、僕が元超高校級の生徒会長さんの邪魔だなんて…、絶対にしませんよ!」
宗像「…そうか。素直が一番だ。良く肝に銘じておけ」
狛枝「はい!」
狛枝「…」
狛枝「邪魔にはならないよ、邪魔には…。だって、お互いに理想が同じなんだもん」
狛枝「学園を正しい方向へ!希望を溢れる学園へ!…でしょ?」
狛枝「そのためには、君が必要なんだ…」
狛枝「苗木君」
苗木「これでよし!っと…」
苗木「ボクの想い人、希望…」
苗木「ボクが入れるべき写真はこれだ!」
苗木「これをポケットに入れといてと…」
苗木「さて、教室にいこっ」
苗木「あれ?教室の前に誰かいる…?」
江ノ島「よう!苗木くーんじゃーん!」
苗木「おはよう、江ノ島さん」
江ノ島「なんだよ苗木!アタシと苗木の仲なんだから、おはようのキスでいいんだぜ?」
苗木「キ…キス…!?///」カアァァ
江ノ島「あひゃひゃひゃ!紅くなってやんの!本当に苗木はからかいがいがあって楽しい♪」
苗木「もう!江ノ島さん!」プンスカ
江ノ島「ごめん、ごめん。悪かった、許して」
苗木「しょうがないなぁ」
江ノ島「あはは。ところで苗木ポケットなんか膨らんでない?」
江ノ島「あ!もしかして、あ・さ・だ・ち?」ウププププ
苗木「ち、ちがうよ!///」
江ノ島「あはは。わかってる、わかってる。で、何が入ってんの?」
苗木「えっと…これは…その…秘密…じゃダメ?」チラ
江ノ島「だーめ」
江ノ島「ほら、こちょこちょこちょ」
苗木「あはははは!!!」ジタバタ
江ノ島「はい、もーらい」
苗木「うぅ…取られた…」
江ノ島「(残姉と同じ『希望直結リング』)」
江ノ島「(さあ、中の写真は…)」
江ノ島「!」
江ノ島「…」
江ノ島「…」
江ノ島「…う」
江ノ島「うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
苗木「江ノ島さん…?」
江ノ島「ほらよ、返すよ苗木」ヒョイ
苗木「あ…とっ」パシ
江ノ島「そう言えば、上級生があんたのこと呼んでたわよ」
苗木「え?誰だろう」
江ノ島「保健室の方だからいってらっしゃーい」
江ノ島「(うぷぷぷ、おもしろくなってきた♪)」
残り2日
戦刃「『希望直結リング』…」
戦刃「先輩がくれた恋愛成就の指輪…」
戦刃「私は苗木君と結ばれたい」
戦刃「盾子ちゃんと苗木君以外の人はどうでもいい」
戦刃「苗木君が欲しい…」
戦刃「苗木君を私だけのモノにしたい」
戦刃「でも、苗木君はみんなから好かれている」
戦刃「苗木君は私だけのモノにならない?」
戦刃「苗木君は私のことをどう思っている?」
戦刃「わからない」
戦刃「知りたい」
戦刃「苗木君の気持ちを」
戦刃「好きな人を」
戦刃「どうやって?」
戦刃「『希望直結リング』…」
戦刃「この中に入っている写真さえ見ることができれば…」
戦刃「見たい」
戦刃「今すぐに」
石丸「よし、飾りつけは順調だな。ケーキのほうはどうだ?」
桑田「舞園ちゃんと不二咲ちゃんが花村先輩のところに行ってるぜ」
桑田「けどよ、大丈夫か?途中で苗木が教室に入ってきたりしないか?」
大神「その点は問題あるまい。江ノ島がうまく誘導してくれているだろう」
石丸「戦刃君、すまないが買い物に行って来てくれないか?」
戦刃「うん、わかった」
石丸「買ってきてほしい物のメモと、お金をこの封筒にいれておいた。あと領収書も頼むぞ」
戦刃「うん、まかせて」
石丸「頼んだぞ。あっ!その飾りはそっちじゃ――」
戦刃「(買い物、メモ、領収書…)」
戦刃「(買い物、メモ、領収書…)」
戦刃「(買い物、メモ、領収書…)」
戦刃「(買い物、メモ、領収書…盾子ちゃん!!)」
江ノ島「やっほー!残姉!なになにー?まーた、苗木のことを考えてたの?」
戦刃「違うよ!ちゃんと盾子ちゃんのことを考えてたもん」
江ノ島「あっそ!!!そんなことよりさぁ、苗木の指輪の中の写真気になんない?」
戦刃「気になる!みたい!知りたい!」
江ノ島「あっそ!!!じゃあ、見てくれば?」
戦刃「うん!見てくるね盾子ちゃん!」ダッ
江ノ島「買い物も忘れんなよ~」
「はひゅ~、一年生に頼まれていた薬です。元超高校級の薬剤師の先輩につくってもらいました~。ごめんなさい!!」
苗木「謝ることなんてないですよ!助けてもらっているのは、こっちなのに…。ありがとうございました」
苗木「ふぅ…」
苗木「上級生が呼んでいるって…」
苗木「ただのおつかいだったなぁ…」
苗木「きっと江ノ島さんにうまく使われたんだろうなぁ…」
苗木「はぁ…。早くこの薬を渡して教室に…」
どん!!
苗木「あいたた…」
狛枝「ごめん、ご…あれ?苗木君じゃないか!奇遇だねえ!」
苗木「狛枝先輩!奇遇ですね!」
狛枝「僕の超高校級の幸運が思わず発揮されちゃったかな?」
苗木「?」
狛枝「君を探していたんだ。苗木君」
苗木「ボクを…?」
狛枝「昨日あげたリング覚えているかい?」
苗木「これですよね?『希望直結リング』」
狛枝「そう!これだよ」
狛枝「ちゃんと持っていてくれたんだ、うれしいよ」
狛枝「それでそのリングなんだけどさ…」
戦刃「(苗木君、苗木君、苗木君…)」
戦刃「(苗木君、苗木君、苗木君…)」
戦刃「(苗木君、苗木君、苗木君…)」
戦刃「(苗木君、苗木君、苗木君…苗木君!!)」
狛枝「それじゃあ、またね」
苗木「はい、また」
戦刃「苗木くん、苗木くん」
苗木「?」クルッ
戦刃「苗木君、ちょっと良い?」
苗木「あれ?戦刃さん。どうしたの?」
戦刃「苗木君にお願いがあるんだぁ」
苗木「なに?」
戦刃「苗木君30秒間目つぶってて」
苗木「?…わかったよ」
苗木「(なんだろう)」
苗木「(なにか近づいてくるような…)」
苗木「(ボクの顔の目の前になにかが…)」
苗木「(あれ?これって…)」
苗木「(まさかね…)」
戦刃「///」
残り2日
戦刃「(今私の目の前には苗木君がいる)」
戦刃「(無防備な苗木君がいる)」
戦刃「(人のお願いを聞いてくれる苗木君がいる)」
戦刃「(素直で優しい苗木君がいる)」
戦刃「(私の大好きな苗木君がいる)」
戦刃「(私は苗木君に何をしようかな)」
戦刃「(何をしようかな)」
戦刃「(…やっぱり)」
戦刃「(私は…)」
戦刃「(知りたい、苗木君の気持ちを)」
戦刃「(私には時間がないから)」
戦刃「(だから、早く)」
戦刃「(今すぐにでも確かめなきゃ)」
戦刃「苗木君ごめんね」
ドスッ!!!
苗木「っ…戦刃さん…なんで…?」バタ
戦刃「大丈夫だよ苗木君、今殴った痛みもすぐになくなるから」
戦刃「ほら、苗木君が持ってきてくれたこの薬」
戦刃「元超高校級の薬剤師の先輩が開発してくれた強力睡眠導入剤」
戦刃「これをすぐに飲ませてあげるから大丈夫だよ」
戦刃「副作用で少し記憶障害が起こるかもしれないけど、都合がいいよね」
苗木「い…くさば…さん…」
苗木「…zzz」
戦刃「見せてもらうよ、苗木君の心を」
江ノ島「私のどうしようもないくらい臭い姉は――」
江ノ島「人類史上最低最悪の絶望的事件の計画に――」
江ノ島「――迷いがある」
江ノ島「クラスメイトの殺し合い…そこに苗木君がいる…」
江ノ島「苗木君は無事生き残ってくれるのか?苗木君が死ぬかもしれない?」
江ノ島「苗木君が危険な目にあうかもしれない、そんな計画に参加していいのか?」
江ノ島「そう考えた臭姉は、この私様に生意気にも時間がほしいと要求する」
江ノ島「苗木君の誕生日である2月5日までに待ってくれ、その日までに答えを出すと…」
江ノ島「そこで私は考えた。かわいいと評判の苗木君の誕生日にとんでもないことを起こせば、素晴らしい絶望になるんなんじゃないかと」
江ノ島「臭姉が決断した瞬間に、私の計画は始まる」
江ノ島「うぷぷぷ」
江ノ島「あんな姉の決断が、世界の行方を決めるなんて…」
江ノ島「なんて絶望的!!!」
狛枝「そしてその結果、超高校級の希望が生まれるんだよね」ヌッ
狛枝「なんて希望的なんだ!!!」
江ノ島「…あん?何言ってくれてるんですか?」
狛枝「何って…、教えてあげてるんだよ」
狛枝「絶望は希望の踏み台にしかならないってことをね…」
江ノ島「あはは、笑えない冗談ですねえ」ギロ
狛枝「冗談じゃないさ、君に勝ち目はないよ」ニコ
狛枝「なんたって、この超高校級の幸運である僕が望んでいるんだからねえ」
江ノ島「うぷぷぷ!ならもうすぐ見れますよ!」
江ノ島「超高校級の絶望が生み出す絶対的絶望を」
狛枝「楽しみだなぁ!絶対的絶望が希望の育みになるのが」
江ノ島「うぷぷぷぷぷぷぷぷぷ」
狛枝「あははははははははは」
江ノ島「うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!!!!!」
狛枝「あはははははははははははははははははは!!!!!!」
苗木「zzz」
戦刃「苗木君の『希望直結リング』」
戦刃「中には誰の写真があるの?」
戦刃「私?それともほかの誰か?」
戦刃「これは私の希望?絶望?どっち?」
戦刃「君は、私の希望?絶望?どっち?」
スッ…
戦刃「…」
戦刃「…」
戦刃「…中の写真は」
戦刃「私は…」
戦刃「私は…苗木君を…」
戦刃「苗木君は…私を…」
戦刃「苗木君…」
残り2日
狛枝「おはようございます希望溢れるみんな!今日も希望的な一日がきました!」キラキラ
江ノ島「オラオラオラァ!調子に乗ってるんじゃねーぞ!!!」ダンダンダン
狛枝「あはは、絶望的に痛いよ。踏まないでよ」グフッ
戦刃「なんで狛枝先輩が…?」
江ノ島「あぁ。私の部屋に忍び込んできたから捕まえておいたのよ」
狛枝「絶望的な声が聞こえてきたからつい…」
江ノ島「はぁ…。臭姉に加えて希望厨までいるなんて…」
江ノ島「私のギャルルーンな部屋が汚染されちまうぜ」グリグリ
狛枝「痛い!痛い!痛いよ!…ところで戦刃さんは僕があげた『希望直結リング』まだ持っているかな?」
戦刃「…」スッ
狛枝「ちゃんと使ってくれているんだね!うれしいよ!」ニコ
江ノ島「きたねえ笑顔!!」ペッ
江ノ島「ところで残姉、私との約束覚えてる?」
戦刃「も、もちろんだよ!明日、盾子ちゃんの計画にのるかのらないか、決めなくちゃダメなんでしょ…?」
江ノ島「頭はまだ大丈夫そうねぇ~」
江ノ島「私達絶望シスターズで世界をぐちゃぐちゃのどっきどっきにしてやろうぜぇ!」手ギュ
戦刃「盾子ちゃん…///」
江ノ島「もちろん、苗木も殺してやろうぜぇ!」
戦刃「…」
戦刃「…手を離してよ」パシッ
江ノ島「…え?」
戦刃「今度苗木君に対してそんな風に言ったら許さないからね」
江ノ島「…」
狛枝「…」ニヤニヤ
戦刃「ふん」スタスタ
江ノ島「…」
狛枝「…」ニヤニヤ
江ノ島「…」
狛枝「あぁ、素晴らしいなぁ。希望が絶望を踏みにじる姿は!」
江ノ島「あぁん?踏みにじられているのはアンタでしょ?」グリグリ
狛枝「痛い!痛い!」
江ノ島「ふん!」
狛枝「その態度でいられるのも今のうちだよ…」
狛枝「戦刃さんは絶望であるキミと、決別したと言っても過言ではないんだから!」
狛枝「絶望はもう終わりだね」
江ノ島「ははぁーん。私様がキモ姉に振られるのが見たくて部屋に忍び込んだわけ?」
狛枝「ちがうよ。ボクが忍び込んだ理由は単純だよ…」
狛枝「君に教えてあげたかったんだ…」
狛枝「戦刃さんが、君を振った理由を…」
江ノ島「…」
狛枝「僕は優しいからね。種明かしをしてあげようと思って」
江ノ島「残姉が私よりも苗木を選ぶってわかってたんだ?」
狛枝「ふふっ、そりゃあそうさ」
狛枝「全て僕の計画通りだよ」
江ノ島「その計画さぁ、本当にうまくいくと思うわけ?」
狛枝「もちろん!超高校級の幸運である僕なら、全てうまくいくよ!」
江ノ島「うぷぷ、わかってない。わかってないなぁ~」
江ノ島「どうして絶望が素晴らしいのかを」
江ノ島「絶望の前では…、計画なんて全て無意味ってことを…」
石丸「よし!これで完成だ」
不二咲「お疲れ様!飾りつけの方は終わったね」
舞園「ケーキの方は明日出来上がります」
十神「道具もこの十神が用意した。準備万端だ。ところでセレス、苗木へのプレゼントは買えたのか?」
セレス「私が苗木君に贈るモノはお金では買えないモノですわ」
十神「買うための『お金が無い』の間違いだろ?」フフッ
セレス「嫌ですわ。私がたったあれだけの賭け金で、全財産を失ったとでも?」
腐川「あたし見たわ!この前あんたが、餃子の皮でお腹満たしているのを」
セレス「うるせぇんだよぉぉぉぉぉ!!!このビチグソがぁぁぁぁぁ!!!」
桑田「おいおいおい…。せっかくの誕生日だし、仲良く…な?」
大神「まったく、苗木がいないとすぐこれか」
朝日奈「そういえば、最近苗木に会ってなかったから会いたくなったよ」
霧切「明日会えるわよ。とびっきりの笑顔をした彼と」
大和田「そういえば山田と葉隠のやつらはどーした?」
葉隠「zzz」
葉隠「zzz」
葉隠「zzz」
山田「…で、できましたぞ…」
山田「苗木殿、最高のプレゼントをお贈りしますぞ…」
山田「ガクッ」
山田「Zzz」
山田「zzz」
葉隠「うーん、むにゃむにゃ…」
葉隠「世界は絶望に染まる…」
葉隠「俺の占いは三割当たる…」
葉隠「むにゃむにゃ…」
葉隠「zzz」
苗木「うーん、昨日保健室行ってからの記憶がない…」
苗木「ボクが倒れているところを戦刃さんが見つけて、保健室に運んでくれたらしいけど…」
苗木「何か重要なことがあったようなぁ…」
苗木「うーん…」
苗木「…」
苗木「…」
苗木「ふあぁ~。ヒマだなぁ…」
苗木「教室はドアの鍵が閉まってて入れなかったなぁ…」
苗木「授業がしばらくの間休みだから、教室も閉まっちゃったのかなぁ…」
苗木「でも、ちょっと前までは入れていたのに…」
苗木「うーん…」
「苗木くん、苗木くん」
苗木「?」クルッ
戦刃「昨日は大丈夫だった?」
苗木「戦刃さん、昨日はありがとう」
苗木「ボクどうして倒れてたんだろう…」
戦刃「苗木君、疲れてたのかも」
苗木「疲れてたのかなぁ…」
戦刃「きっとそうだよ」
苗木「そう言えば、戦刃さんみんながどこにいるか知らない?」
戦刃「ううん」フルフル
苗木「そっかぁ…。みんなどこ行っちゃたんだろう…」
苗木「みんなに連絡したけど、誰も返事をくれないんだぁ…」
苗木「ボク嫌われてるのかなぁ…」ウルウル
戦刃「そんなことないよ!」
戦刃「私は苗木君のこと嫌いじゃないよ!」
苗木「戦刃さん…」
苗木「ありがとう」ニコッ
戦刃「私も苗木君と連絡したい!いっぱいお話ししたい!」
苗木「じゃあ、連絡先を交換し――」
戦刃「ごめん。私の情報が敵に拡散しないように必要最低限に留めてるの」
苗木「そ、そうだよね…。戦刃さん軍人だから、誰に狙われるかわからないもんね…」ショボーン
戦刃「あ、で、でも!苗木君と連絡したいし、たっくさんお話したいのは本当だよ!」
苗木「うん、わかってるよ。戦刃さん嘘つかないもんね」
戦刃「…」
戦刃「…うそ、つかない」
戦刃「私は…うそを…」
苗木「戦刃さん…?」
戦刃「苗木君、私のこと好き?」
苗木「え!?…う、うん」
戦刃「…それって」
戦刃「舞園さんや霧切さんよりも?」
苗木「えっと、その…」
戦刃「…」
戦刃「苗木君…」
戦刃「私は苗木君のこと好きだよ…」
戦刃「この世界で一番」
戦刃「誰よりも」
戦刃「苗木君のことが好き」
戦刃「大好き」
戦刃「大好きなんだよ」
戦刃「本当に…」
戦刃「本当に大好きだよ!」
戦刃「優しい…苗木君…」
戦刃「素直な…苗木君…」
戦刃「前向きな…苗木君…」
戦刃「一つ一つの…苗木君が…私は好き…だから…っ」グスッ
戦刃「うぅ…っ…」
苗木「戦刃さん…、涙が…」
戦刃「大好きだから…」
戦刃「苗木君のことが大好きだから…」
戦刃「この想いが…、涙が…、止まらないよぉ…」
戦刃「止まらないよぉぉぉ!!!」ゥワァァァァァァンン!!!
苗木「戦刃さん…」
苗木「ボクは…」
苗木「ボクは…」
苗木「…ボク…は…」
苗木「…」
戦刃「グスッ…」
苗木「戦刃さん、ボクは――」
残り1日
狛枝「僕は狛枝凪斗、超高校級の幸運で、希望の踏み台なんだ」
狛枝「僕は江ノ島盾子、戦刃むくろの企みをたまたま知ることができた」
狛枝「彼女たちが絶望シスターズと呼ばれていること、彼女たちの絶望的な計画をたてていることを」
狛枝「こんな重要な情報を知ることが出来たなんて…、僕って本当に幸運だね」
狛枝「希望を愛する僕にとって、絶望を崇拝する彼女たちは敵だ」
狛枝「だから、彼女たちの計画を止める方法を考えた」
狛枝「そしてある時知ったんだ――」
狛枝「戦刃むくろ、彼女は苗木君のことが好きだってことを」
狛枝「苗木君は僕と同じ超高校級の幸運…。つまり、僕と同じ希望の踏み台なんだよ」
狛枝「だから僕は、彼に踏み台になってもらおうと思うんだ」
狛枝「気持ち悪いくらい気味の悪い絶望シスターズの姉、戦刃むくろ」
狛枝「彼女の恋人になってもらおうとね」
狛枝「戦刃さんが苗木君を絶望的計画に巻き込むことに反対している、って話を幸運なことに偶然知っちゃったんだよね」
狛枝「苗木君は素直で優しい性格だからね。告白されたら断れないし、付き合っちゃうんじゃないかなって思うんだ」
狛枝「だから僕は、戦刃さんが告白しやすい環境を作ってあげたんだ」
狛枝「恋愛成就のグッズを使って、彼女に自信を持たせてあげた」
狛枝「最短三日で恋人ができるって噂に、苗木君の『希望直結リング』の写真の中身」
狛枝「僕は彼からリングの中の写真を見せてもらったんだ、本当に苗木君は素直だよ」
狛枝「彼のリングの中の写真…。本当は戦刃さんの写真であれば、一番良かったんだけど違ったんだ…」
狛枝「だから、僕は彼のリングをすりかえたんだ」
狛枝「戦刃むくろの写真が入っているリングとね…」
狛枝「一度交換してしまえばこっちのものだよ」
狛枝「苗木君がリングの中の写真を見て異変に気づいても、渡すリングを間違えてしまったって言えば終わる話だもん」
狛枝「あとは、苗木君が戦刃さんに告白されるまでの間、ずっとあのリングを持たせ続ければ問題ないよ」
狛枝「時間に追われている戦刃さんなら、きっと苗木君を気絶させるとかして、無理やりリングの中の写真をみようとするんじゃないかな」
狛枝「もし、リングの中の写真が自分の写真なら…」
狛枝「三日間待つ必要なんてないよね?だって、両想いってことなんだもん」
狛枝「告白すれば100%付き合えるって彼女は思うんじゃないかな?」
狛枝「戦刃さんと苗木君が恋人関係になってくれることを僕は願うよ」
狛枝「僕の超高校級の幸運に懸けてね」
苗木「戦刃さん、ボクは戦刃さんのことを何も知らなかったんだね」
苗木「戦刃さんの想いをボクは知らなかった…」
苗木「戦刃さんが涙を流して、大きな声で、ボクのことを好きだって言ってくれることを知らなかった…」
苗木「戦刃さん、ボクもっと君と一緒にいたいよ」
苗木「君ともっと一緒に過ごして、もっと君のことをたくさん知りたい」
苗木「もっとたくさん一緒に笑いたい、一緒に怒りたい、一緒に泣きたい」
苗木「ボクも君のことが好きだから。君のことが好きでもっと一緒にいたいって気持ちになるから…」
苗木「だから、もっと一緒にいれるように…」
苗木「お願いします、ボクと付き合ってください…」
戦刃「…!」
戦刃「…それ…ほんとう…?」
苗木「…」コク
戦刃「ほんとうだよね?うそじゃないよね?うそはいやだよ?うそじゃないよね?」
苗木「嘘じゃないよ、本当に戦刃さんのことが好きだよ。一緒にいてほしいんだ」
戦刃「…う」
戦刃「…つ…う」
戦刃「…つきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあう」
戦刃「絶対に!付き合う!苗木君の彼女になる!苗木君と一緒にいる!」
苗木「戦刃さん…」ニコ
戦刃「もうダメだからね!止まらないからね!苗木君!私のこと好きなんだよね!?愛してくれるんだよね!?恋人同士なんだよね!?ずっと一緒にいてくれるんだよね!?」
戦刃「だからさぁ――」
「君のこと好きにしても良いんだよね?」
苗木「ボクは苗木誠、超高校級の幸運だ」
苗木「他の人と比べて才能と呼べるようなものはないけど、少しだけ前向きなのが取り柄かな」
苗木「ボクはクラスのみんなが大好きで」
苗木「一人一人がボクにとって、かけがえのない仲間なんだ」
苗木「ボクはクラスのみんなの力になりたい」
苗木「そう思ってる」
苗木「今日ボクは戦刃さんに告白された」
苗木「戦刃さんはボクのことが好きだって、そう言ってくれた」
苗木「ボクも戦刃さんのことは好きだよ」
苗木「クラスのみんなと同じくらいに」
苗木「でも、今日から…、なんていうか」
苗木「もっと…、戦刃さんのことをもっと…」
苗木「好きになったんだ」
江ノ島「あたしは超高校級の絶望、江ノ島盾子ちゃんでーす!!」
江ノ島「キモい姉は、苗木のことが好きぃ!?」
江ノ島「苗木を危ない目に合わせたくないから絶望的計画に参加してくれないぃ!?」
江ノ島「何それ…ウケるwwwwwありえないんですけどーwwwwwwwww」
江ノ島「そんなのあたしが絶対認めねえ」
江ノ島「残姉と苗木を絶対くっつかせねえ」
江ノ島「あたし見ちゃったんだ」
江ノ島「苗木のリングの中の写真」
江ノ島「あれ見たら残姉ガッカリするんじゃないかなぁ?」
江ノ島「どうしようかなぁ?」
江ノ島「あれ見せちゃおうかなぁ?」
江ノ島「うぷぷぷ」
戦刃「私は戦刃むくろ。超高校級の軍人」
戦刃「盾子ちゃんが好き。苗木君が好き。それ以外の人はどうでもいい」
戦刃「ううん、違う。ごめんね。間違っちゃった。どうでもよくない」
戦刃「盾子ちゃんと苗木君以外の人は全員殺してやりたい」
戦刃「私は盾子ちゃんと苗木君さえいればそれでいい」
戦刃「他の人がいたら、二人とも私以外の人に目移りしちゃうかもしれない」
戦刃「そんなのダメだよ」
戦刃「認めない」
戦刃「許さない」
戦刃「あげない」
戦刃「二人は私だけのモノ」
戦刃「二人は私が守る」
戦刃「もし二人が私以外に浮気したら、私怒ると思う」
戦刃「どうしようかな」
戦刃「私自身ないよ」
戦刃「二人を殺さない自信ないよ」
戦刃「だからね、苗木君」
戦刃「絶対私以外の人を好きにならないでね」
残り1日
すみません、>>52誤字あるので、そこだけ訂正して投降します
戦刃「私は戦刃むくろ。超高校級の軍人」
戦刃「盾子ちゃんが好き。苗木君が好き。それ以外の人はどうでもいい」
戦刃「ううん、違う。ごめんね。間違っちゃった。どうでもよくない」
戦刃「盾子ちゃんと苗木君以外の人は全員殺してやりたい」
戦刃「私は盾子ちゃんと苗木君さえいればそれでいい」
戦刃「他の人がいたら、二人とも私以外の人に目移りしちゃうかもしれない」
戦刃「そんなのダメだよ」
戦刃「認めない」
戦刃「許さない」
戦刃「あげない」
戦刃「二人は私だけのモノ」
戦刃「二人は私が守る」
戦刃「もし二人が私以外に浮気したら、私怒ると思う」
戦刃「どうしようかな」
戦刃「私自信ないよ」
戦刃「二人を殺さない自信ないよ」
戦刃「だからね、苗木君」
戦刃「絶対私以外の人を好きにならないでね」
残り1日
『君のこと好きにしても良いんだよね?』
戦刃「苗木君が優しいから」
戦刃「苗木君が素直だから」
戦刃「苗木君がかわいいから」
戦刃「苗木君がかっこいいから」
戦刃「苗木君が前向きだから」
戦刃「苗木君が好きだから」
戦刃「苗木君だから」
戦刃「私は何も考えず」
戦刃「苗木君を押し倒して」
戦刃「苗木君にくっついて」
戦刃「苗木君をぎゅっとして」
戦刃「苗木君の目を覗き込んで」
戦刃「苗木君に顔を近づけて」
戦刃「あと15cm」
戦刃「10cm」
戦刃「5cm」
戦刃「…」
戦刃「苗木君顔を真っ赤にしてた///」エヘヘ
苗木「うぅ///」
苗木「急すぎるよ戦刃さん…///」
苗木「ボク、まだ心の準備も何も出てなかったのに…///」
苗木「え!?///」
苗木「戦刃さんここじゃダメだって!///」
苗木「ちょっと待ってよ!///」
苗木「ダメだよ!せめて部屋で――」
江ノ島「なぁにこんなところで盛ってんの?アンタたち?」
狛枝「はぁ…。まったく、絶望的だよ」
江ノ島「絶望的姉…」
苗木「え…!」
苗木「み」
苗木「見られたぁ…。恥ずかしいよぉ///」
江ノ島「アンタ達、やるならもうちょっと場所選んだ方がいいわよ?」
狛枝「とりあえず、江ノ島さんの部屋に移動しようよ」
残り1日
江ノ島「って、なんでアタシ様の部屋に移動したのよ」オラオラ
狛枝「流れかな?」イタイイタイ
狛枝「それにしても…」
狛枝「はぁ…。まったく、絶望的だよ」
江ノ島「絶望的姉…」
苗木「同じことを二回も言わないでよ!」
狛枝「だってねえ…?」
江ノ島「変態!変態!変態!」
江ノ島「不純異性交友だぞ苗木君!」
苗木「公序良俗に違反することをしてないよ!」
江ノ島「えぇ~?じゃあ~なにしてたの~?」
戦刃「苗木君の頭をなでなでしてたの」
苗木「うぅ…恥ずかしい…」
狛枝「なんだか寒くなっていたよ…気持ち悪すぎて…」
苗木「ひどいよ!言い過ぎだよ!」
江ノ島「くだらない雑談は、この辺にして…」
江ノ島「それでは、お姉ちゃんの初めてを奪った苗木の…」
江ノ島「告白タイム~☆」
苗木「え!?」
江ノ島「苗木~、そのポケットに入ってるリング…、誰の?」
狛枝「…」
戦刃「?」
苗木「え、これ?」
苗木「これはボクのだけど…」
江ノ島「えぇ~?ほんとかな~?」
江ノ島「苗木、そのリングの中の写真見てみなよ」
江ノ島「きっと、アンタが入れた写真とは別の写真が入ってるよ」
戦刃「別の写真…?」
苗木「え…」
カチャ
苗木「あれ?本当だ、ボクの入れた写真と違う…」
戦刃「ちょっと見せて!」グイ
戦刃「(これは私が昨日見た写真…。『戦刃むくろ』私の写真だ…。でも、苗木君が入れたのは私の写真じゃなかった…)」
江ノ島「アンタが入れた写真ってさぁ、これでしょ?」ヒラヒラ
江ノ島「この前みんなで取った…」
戦刃「盾子ちゃん見せて!」パシ
戦刃「こ、これは…」
苗木「うん、そうだよ。ボクが入れたのはそれ。みんなで取った『集合写真』だよ」
戦刃「…」
苗木「『恋愛成就』って言われても、ボクにはそういう特別な人はいないし…」
苗木「だから、どうせなら、みんなともっと仲良くなりたいと思って『集合写真』を入れてたんだ」
苗木「ボクはクラスのみんなが好きだから」
戦刃「…」
戦刃「好き…?」
戦刃「苗木君はクラスのみんなが好き…?」
苗木「うん!大好きだよ!」ニコ
戦刃「…」
苗木「あ、でも戦刃さんのことはもっと大好きだよ!」アセアセ
戦刃「…うん」
狛枝「…」
「絶望の前では…、計画なんて全て無意味ってことを…」
狛枝「これが君の言っていた絶望?」
狛枝「くだらないよ、こんなモノで…。彼女の意志が揺らぐはずないじゃないか…」
狛枝「戦刃さんの苗木君に対する想いは何も変わらない」
狛枝「過程はどうあれ彼女は苗木君の恋人になったんだから」
狛枝「多少は戦刃さんを傷つけたかもしれない。だけど…」
狛枝「何も変わらない」
狛枝「ボクの計画は何も揺らがな――」
ドサッ!
狛枝「!」
狛枝「苗木君!?」
苗木「…」
戦刃「ごめんね、苗木君」
戦刃「苗木君には見せられないから…」
戦刃「クラスのみんなが絶望する姿を…」
戦刃「みんなの顔が絶望にゆがむ顔…」
戦刃「だから、しばらくの間寝ててね…」
狛枝「そ、そんな…」
狛枝「どうして…、なんで…」
江ノ島「それじゃあ、いっくよ~!ワクワクドッキドッキの絶望的な明日に!!!」
「うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
残1――
残り0日
舞園「今日はとても特別な日です」
舞園「みんなの大好きな苗木君のお誕生日です」
舞園「でも、みんなよりも私の方が苗木君を愛しているんですよ」
舞園「だから、今日は思い切って…」
桑田「舞園ちゃんなにしてんの?」
葉隠「ふあぁ~、ねみぃべ」
十神「早く苗木を誰か呼んで来い」
腐川「いつまで待たせるのよ…」
朝日奈「今、江ノ島ちゃんと戦刃ちゃんが迎えに行ってるよ」
大和田「それにしてはおせえなぁ」
不二咲「苗木君まだかなぁ」
大神「皆、プレゼントは用意できておるか」
セレス「もちろんですわ」
山田「頑張りました…」
霧切「みんなに愛されて、苗木君は幸せものね」
ガラガラガラ
石丸「む、来たみたいだな」
江ノ島「みんなぁ!おっまたせ~!!!」ガラガラ
戦刃「…」ピシャ
十神「遅いぞ愚民」
霧切「あら?苗木君は?」
戦刃「大丈夫、すぐ会えるから」
霧切「?」
石丸「江ノ島君、その大きい箱は?」
江ノ島「これは私からのプレゼント」
舞園「随分と大きいプレゼント箱ですね」
江ノ島「まあねえ」
江ノ島「舞園気になるなら、ちょこっとだけ覗いて見なよ」
舞園「え!?いいんですか?」
戦刃「はやくはやく」
舞園「は、はい」
霧切「…」
スゥ――
プシュー!!!!!
舞園「きゃああ!」
霧切「これは!?」
江ノ島「うぷぷ、超高校級の薬剤師の先輩、良い薬作ってくれるねえ。汎用性高すぎ♪」
戦刃「苗木君にも使ったけど、すごい即効性だね」
江ノ島「間違ってもガスマスク外すんじゃないわよ。しばらく、空気中に残るんだから」
戦刃「大丈夫だよ!」
江ノ島「さあて、全員回収するわよー!」
戦刃「うん、任せて!」
霧切「」
戦刃「大丈夫だよ。目が覚めたら、きっとすぐ苗木君に会えるから」
戦刃「ところで、あの人はどうしたの?」
江ノ島「あの人?ああ、あいつなら…」
狛枝「まったく、絶望的だなあ」
狛枝「ボクは戦刃さんを止めることはできなかった」
狛枝「苗木君じゃあ力不足だったのかな?」
狛枝「それともボクが力不足だったとか?」
狛枝「もしかしたら…」
狛枝「戦刃むくろにとって恋愛は優先度最低の感情だったのかもしれない」
狛枝「絶望シスターズなんて二つ名が付くぐらいだもん。普通そうかもね」
狛枝「はぁ…。おかしいなぁ」
狛枝「何故かこの考えが一番だと思ったんだけどなぁ」
狛枝「ボクの幸運もこの程度だったなんてがっかりだなぁ」
狛枝「希望峰学園は今日で終わる」
狛枝「二人の人間によって」
狛枝「一人は江ノ島盾子。彼女の絶望的計画によってみんなは絶望に変えられるだろうね」
狛枝「もう一人は宗像京助。絶望が入り込んでいることを知った彼はとんでもない計画を考えていた」
狛枝「希望峰学園の生徒、全員の拘束と監禁」
狛枝「誰が黒幕か断定できず、その仲間も誰と誰かは把握することができなかった」
狛枝「だから、世界の希望のために、希望峰学園の生徒を切り捨てることにしたんだ」
狛枝「彼を止めるためにも、ボクは戦刃むくろを味方にする必要があった」
狛枝「戦刃むくろを味方につけることができれば、彼女の力を借りて江ノ島盾子を捕まえられると思った」
狛枝「黒幕である江ノ島盾子を拘束し、宗像京助に突き出せば、彼の計画も変わるんじゃないかと思った」
狛枝「そうすれば、どっちの計画も止められるはずだった」
狛枝「はぁ…、それも失敗に終わった…」
狛枝「ボクに残された道は1つ…」
狛枝「宗像京助からみんなを守る…」
狛枝「希望にあふれたみんなを守る…」
狛枝「そのためなら…」
狛枝「ボクは絶望に堕ちることだって、できるんだよ」
狛枝「あははは!!!屈辱的だよ。絶望に頭を下げて助けてもらうなんて…」
狛枝「その条件が絶望への協力だなんて…」
狛枝「でも、みんなのためならボクはなんだってやるよ!!!」
狛枝「…」
狛枝「ボクには3日間の猶予があった」
狛枝「計画を知って、止めるための準備を終えてから3日間あったのに…」
狛枝「ボクは何をやってもダメだなぁ…」
江ノ島「うぷぷぷ、あいつは3日間を有効に使えなかったことを悔やんでいるかもねえ」
江ノ島「でも、アタシかしたら3日間だろうと1週間だろうと関係ない」
江ノ島「全て計画通り」
江ノ島「レール上に進んでいるだけ」
江ノ島「アタシには3日間なんて関係ない」
江ノ島「最高にクソみたいな才能と」
江ノ島「最高に残念な姉」
江ノ島「この2つを生まれながらにして持っているアタシに」
江ノ島「敵うわけがない」
江ノ島「これは3日あれば止められると思った残念な先輩の」
江ノ島「絶望的につまらない物語」
江ノ島「これで終わり」
江ノ島「ちゃんちゃん☆」
戦刃「盾子ちゃんは勘違いしてる」
戦刃「私は苗木君が嫌いになったわけじゃない」
戦刃「私は今でも苗木君が好き」
戦刃「盾子ちゃんよりも好き」
戦刃「じゃあ、どうして私が苗木君を気絶させたのか」
戦刃「うーん…」
戦刃「なんていうか、その…」
戦刃「私知っちゃったんだ…。苗木君の『ある』ことを…」
戦刃「このことを知っているのは私だけじゃないかな」
戦刃「三日間の間に知ることができた本当の苗木君」
戦刃「苗木君はあまりにも幸運で」
戦刃「あまりにも希望に満ち溢れていて」
戦刃「あまりにも他のみんなと違う」
戦刃「そんな苗木君の傍に」
戦刃「もし私がずっと」
戦刃「いることができたら」
戦刃「私は苗木君と一緒に世界の中心に立てるかな」
戦刃「やっぱり苗木君はすごいよ」
戦刃「私のモノしたかった」
戦刃「私の傍に置きたかった」
戦刃「でも、それは逆…」
戦刃「私が苗木君の傍に置かれていた」
戦刃「私が苗木君の駒だった」
戦刃「私の望みは」
戦刃「私の夢は」
戦刃「苗木君の前じゃ、無力すぎる」
戦刃「苗木君は特別」
戦刃「どこの誰よりも、世界で一番特別」
戦刃「だって苗木君は…」
戦刃「超高校級の幸運で」
戦刃「超高校級の希望でもある」
戦刃「でもそれは苗木君の才能の一面にしか過ぎない」
戦刃「苗木君の本当の才能は…」
戦刃「『超高校級の主人公』って言えばいいのかな」
戦刃「どんな難題でも、どんな壁でも、どんな強敵でも」
戦刃「主人公の苗木君には敵わない」
戦刃「世界は苗木君を中心動いて」
戦刃「私達は苗木君を輝かせるための駒」
戦刃「超高校級の絶望である盾子ちゃんも」
戦刃「苗木君の引き立て役」
戦刃「私も苗木君のために存在する駒の一つ」
戦刃「だから私は安心できる」
戦刃「安心して苗木君を絶望させられる」
戦刃「コロシアイ生活に安心して、苗木君を送れる」
戦刃「苗木君、私と一緒にコロシアイ生活を楽しもうね」
戦刃「これは一つの物語」
戦刃「ありえないけど、ありえた話」
戦刃「もし私に三日間の猶予があったら」
戦刃「その間に私が本当の苗木君を知って」
戦刃「私が苗木君とコロシアイ生活を楽しむことができたら」
戦刃「世界は、運命は、私はきっと変わる」
苗木「――ん」
霧切「みんな待っているわよ、学園長」
戦刃「苗木君!早く行こうよ」
苗木「うん、今行くよ」
完
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そして世界や流転する