セレスティア・ルーデンベルク「私のナイト様」 (22)


セレスと戦刃のあったらいいのにと言うifストーリー

更新は亀

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もしかして戦刃プラスの人?
あれ続きの気になる所で落ちちゃったんだよなぁ

次から本文

いうほどの百合ではないと思う主従とも言いきれないかも

>>6
たぶん自分が前にやってやつ

一回落ちたのってどうやったらもう一回できますか?

「まだ私が小さかった頃の話ですわ。とても地味で平凡な私がいました」

「しかし、あるとき自分には賭け事に対する運の強さがあることに気が付きました」

「本当に嬉しかったんです。これで誉めてもらえる、みんなに私を見てもらえると」

「でも現実はそうもいきませんでしたわ。皆この才能を疎んじました。私の紅い眼を見て言いました。『アイツは人から運気を吸い取っている』『こっちに来るな』『悪魔め』」 「誰も、親すらも私から離れてゆきました」

「『誰か助けて』『離れていかないで』『寂しいよ』なんて言うこともできずに」

「いつからか口からは本当の言葉なんて出てきませんでしたわ。それでも自覚のあるうちはよかったんです」

「自分すらも騙せるようになってしまった」

「そんな時でした、あの方に出会ったのは」


「見た目だけならば安広多恵子と同じように地味でした。どこか抜けていて残念な、そんな方でした」

「それでも私の分厚い仮面を外して下さいました」

「『アナタはアナタでいいんだよ』『とってもきれいな眼だね』『護ってあげる』そうやって無邪気に笑う顔に心が奪われました」

「長く続いた縁ではありません。しかし、今こうして私があるのもあの方のおかげです」 「テレビで小国のお姫様が幸せそうに笑うのを見て思いましたの、私もこんな風になってあの方に護って貰いたいと」

セレス「そのために見合う私になっていようと決めたのですわ」



「私もね、護りたい人がいた」



「その子はすごく綺麗な眼をしてていつも一人だった。声をかけていいかわからないくらい毅然としてた」

「でも、あの子のことを知りたいなって思ったの」

「雨が降ってた日、傘をさして歩いてるとき、廃屋でうずくまるあの子を見た。思わず駆け寄ったよ」

「初めは話し掛けても答えてくれなくてでも黙ったままずっと傍にいた」

「夜が近づいて、何も見えなくなってからあの子は私の手を握ってくれた」

「それがどういう理由かは判らなかったけどすごく嬉しくて、護ってあげたい、とにかくそれだけだった」

「この子ために強くなろう、笑顔を護ってあげよう。だからこうして強くなって帰ってきたんだ」


戦刃「だからお姫様、どうか私に貴女を護らせてはもらえませんか?」

セレス「慎まず、喜んでお受け致しますわ」

戦刃「ふふっ、これからはずっと傍にいるよセレスさん」


――――――――――――――――――――――――――――――

戦刃「セレスさん、学校はやっぱり希望ヶ峰に行くの?」

セレス「別段どこでなければならないということはありません」

セレス「貴女の方はありませんか?」

戦刃「んー、私はセレスさんの行くところに行こうと思ってたから」

セレス「私も貴女がいれば文句はございませんし、ならば設備のよいところに行きますか?」

戦刃「そうだね」


――――――――――――――――

霧切仁「諸君等はこれから――」

~~~~~~~~~~~~~~~

セレス「長たらしい式でした」

戦刃「眠くなりそうな内容だったね」

セレス「ええ、」

戦刃「教室行こうか」

――――――――――――――――

石丸「まずは自己紹介をして親睦を深めようではないか」

石丸「僕の名は石丸清多夏、超高校級の風紀委員で――」



苗木「僕は苗木誠、一応<幸運>で呼ばれたんだけどみんなみたいに特別なものはなくって――」



セレス「私はセレスティア・ルーデンベルクと申します。超高校級のギャンブラーとして招かれました」


石丸「うむ、では隣の君で最後だな」

戦刃「えと、私は名乗るようなあれじゃなくて、その」

セレス「何をそんなに縮こまっているのですか」コソコソ

戦刃「だ、だって軍人だなんていったらどう思われるかわからないし」コソコソ

石丸「何をコソコソしているんだ、早くしたまえ」

戦刃「わ、私は戦刃むくろ。えと、この学校にはボディーガードのために来ました」

石丸「そうかそうか、君は超高校級のボディーガー「それは違いますわ」

セレス「戦刃むくろ、超高校級の軍人。そして私のナイトですわ」

戦刃「な、なんで言っちゃうの」アセアセ

セレス「その程度で離れてゆくのならそれまでだったということ、私の紅い眼と同じ」


苗木「関係、ないんじゃないかな」

戦刃「?」

苗木「僕にはまだ戦刃さんがどんな人だとかわからないけどこれから仲良くなるのに肩書きなんてどうでもいいんじゃないかな」

苗木「僕も偉そうなこと言える立場ではないんだけどさ」

朝日奈「そうだよ、軍人だとか格闘家だとか気にしないよ」

大神「我も同意のうえとはいえ人を傷つけるものだ。お主だけ違うようには見たりしない」

戦刃「...ありがとう」

――――――――――――――――

セレス「まったく手間のかかるナイトですわ」

戦刃「ごめん...」ショボン

セレス「そう思うならもっと堂々としていて下さい」

戦刃「...私、セレスさんのこと侮辱しちゃったよね」

セレス「...なんのことでしょうか」

戦刃「だ、だって紅い眼、って」

セレス「ただ発破をかけたに過ぎません」

戦刃「でも...」

セレス「...そう、思うのであれば貴女は笑っているべきです。私の仮面を外した貴女だからこそ『アナタはアナタ』でいて下さい」

戦刃「......。......うん、約束する」

セレス「それでこそ私のナイトですわ」


――――――――――――――――――――――――

苗木「そろそろ文化祭だね」

舞園「クラスごとの出し物とかあるんでしょうか?」

霧切「超高校級の肩書きがある生徒はそれぞれ個人で何かするそうよ。参加は任意だけど」





戦刃「なんだって」

セレス「そうですか」

戦刃「……」ジー

セレス「……」

戦刃「……」ジーッ

セレス「……そんな目で見られましても参加は自由なんですから私は遠慮しておきます」

戦刃「でも体育祭だって見てるだけだったよ」

セレス「ですから貴女だけでも参加してくださいと言ったではないですか」

戦刃「セレスさんと一緒にやりたかったんだよ」

セレス「ハァ、わかりましたわ。さすがに出し物はやりませんが当日見て回るくらいはしましょう」

戦刃「うん」ニコッ


――――――――――――――――――――――――――

戦刃「うわ~、準備とかも手伝わなかったからわからなかったけど凄いね」

セレス「まあ、滅多にない一般公開日ですから気合いが入るのも当然でしょう」

苗木「よかったのかな、僕が一緒に回っても」

戦刃「? だってクラスで何もしないのは私とセレスさん、あとは苗木くんだけだよ」

苗木「いや、二人の邪魔するのもダメかなーってさ」

戦刃「全然だよ。みんなで回った方がたのしいよ?」

苗木「そ、そうだね」アハハ

???「......」

――――――――――――――――――――

苗木「ここは葉隠くんの占い館だね」

セレス「何が占っていただけるんですの?」

葉隠「なんでも占ってやるべ、もちろん金はいただくがな」

戦刃「一回いくら?」

葉隠「一回五万円だべ」

苗木「高ッ!! どうりで人がいないわけだよ」

葉隠「ま、クラスメートのよしみでタダでやってやんべ」

戦刃「じゃあお願いするね」

葉隠「戦刃っちには失せ物の気配がするべ」

戦刃「失せ物?」

葉隠「何かものをなくすってことだべ」

苗木「僕は?」

葉隠「運がよさそうだな」

苗木「適当!?」

葉隠「失礼だな! ちゃんとこの水晶が語ってるんだべ」

葉隠「それとセレスっちは急な来訪がある」

セレス「? 私を訪ねてくるような相手にあてはありませんが」

葉隠「俺の占いは三割当たる!!」


戦刃「朝日奈さんのドーナツ買ってきたよー」

戦刃「セレスさん?」








セレス「...いったい何のつもりですか?」

見知らぬ男「覚えがないとは言わせないぞ」


 私の全身に虚脱が走った。何が『私が護ってあげる』だ。お互いがどういう立場にあるかくらいわかっていたのに。

 失せもの、いや違う。そうだ、あの占いは三割しかあたらない。急な来訪が当たったなら私のは外れている。

 駆け出せ、何処に?
 叫べ、何を?
 抗え、誰に?
 虚脱は消えない。

 私は何をすればいい、探す? 違う、取り戻さなければ。だから、駆け出し、叫び、抗い、護るんだ。

 私はなんだ? 超高校級の軍人だろうか? 確かにそうかもしれない。でも、何よりも貴女のナイト。それしかない。

 今が何時だって、ここが何処だって、貴女が何誰(だれ)だって、私が何事(なん)だって、決めたんだ。

 私を殺すとしたらきっと貴女だろうと思っていました。

 仮面を被った私を殺したのは貴女でした。セレスティア・ルーデンベルクを産み、生かしたのも貴女。私にはいつも貴女の影がついていてくれました。

 貴女の声が耳を酔わせ、貴女の眼差しが眼を癒し、貴女の温もりが肌をくすぐり、貴女の言葉が脳を震わし、貴女の気持ちが心を溶かしていった。

 狂おしい程に願いました。貴女が私の隣にいることを。ならば貴女は願いましたか?

 私は私の為の私であり、貴女の為の私では在り得ません。それでも、貴女は共にいてくれました。

 悠久の時の中で貴女と生きること、そして私の最期は貴女に血肉を捧ぐこと。

 それだけが叶うならば、今この一瞬でどうなろうとも構わないです。

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