P「……交渉決裂、ですね」(120)

立ったら書く

黒井「……そのようだな」

高木「……」

P「……」

黒井「非常に……残念だ」

P「……どの口がそんなことを」ボソッ

高木「やめなさい」

P「……」

黒井「……ふん」

高木「行こうか、P君、音無君」ガタッ

P「……はい」ガタッ

小鳥「……」ガタッ

黒井「……高木」

高木「何だね?」

黒井「貴様らは決断をした……覚悟しておけ」

P「……」

黒井「このビルから貴様らが出たとき、戦争は始まる。せいぜい気をつけるんだな」

高木「……行こうか」

小鳥「社長、これからどうなさいます?」

高木「……フム」

P「……」

高木「私はこの件、君たちに託そうと思っている」

P「……!」

小鳥「そんな……」

高木「世代交代……かな。もう私は動けんよ」

P「社長……」

高木「何、そんな顔をするな……君たちなら出来る」

新章は近々始めますが、それにあたって作者からお願いがあります。
といっても、単に「作品の連載中、読んでる人は随時コメントをして欲しい」という、それだけです。
連載が終わってから纏めて、とかではなくて、“連載中に”コメントが欲しいのです。

ここでもmixiのコミュニティでも再三言ってることですが、私はSSの作者として、
「SSとは読者とのインタラクションの中で作っていくものである」というポリシーを持っています。
つまり、読者からの声がなく、作者が淡々と書いて投下しているだけという状況では、全く意味がないということです。
それなら「書かない方がマシ」といっても大袈裟ではありません。

特にこのホモSSは、本来3年前に終わっている作品を、需要があると言われて新たに書き続けているものです。
投下しても1件2件しかコメントが付かないのでは、その「需要」があるのか否かさえ曖昧になります。

全ての読者にレスを求めるのは酷な事だと思いますが、出来る限り「ROM専」というのはやめて下さい。
少なくとも、一夜投下する度に10~20件くらいのレスは付いてほしいです。
この数字は、私の考える、SSが正常に連載の体裁を保てる最低限度のレス数です。

連載を続けるにあたり、そのことだけは、皆さんにお願いします。

小鳥「無理です!社長無しに961プロと戦うなんて……」

P「……分かりました」

小鳥「プロデューサーさん!?」

P「あなたの意志は、765プロのみんなに受け継がれる……心配はいりません」

高木「ああ、頼んだ」

小鳥「社長……」

高木「音無君。P君に何かあれば、頼むよ」

小鳥「……は、はいっ!」

高木「それでは、行こうか。このビルはどうも息苦しくてね……」ガチャッ


ベシャッ

P「……!?」

高木「なっ、こ、こべは……」ベシャベシャバシャビシャッ

男「へへーん、くらえっ!」

男2「おい、まだ出てくるぞ」



P「……音無さん、こっちです!」バッ

小鳥「わっ……」

P「急いで……逃げましょう!」

小鳥「でも、社長は……」

P「早く!」

小鳥「……っ」

タッタッタッタッ…

小鳥「はぁ……はぁ……」

P「くそっ、本当にビルを出た瞬間に開戦か……油断した」

小鳥「社長は……こうなることを知ってて……」

P「……やめましょう、音無さん」

小鳥「……そう、ですね」

P「それに……」チラッ


男「おい、いたぞ!」

男2「追いかけろ!社長の命だ、死んでも逃がすな!」


P「……くそっ」

――――

――

春香「あ、雪だるまだ!」

春香(雪が積もってると嬉しいよね……雪だるま、作ろうかな)

春香(あ……でも、プロデューサーさんにまだダメって言われたんだよね……)


ツルッ


春香「わ、わわっ!?」ドテッ

春香「いったた……」

春香(また転んじゃった……許すまじ、路面凍結)


春香「慎重に、慎重に……きゃっ!?」ドテッ

ガチャッ

春香「おはようございまーす……」

春香(結局転び放題だった……)


律子「……あぁ春香、おはよう」

春香「律子さん、どうかしたんですか?」

律子「……プロデューサーに連絡がつかないのよ」

春香「……どういうことですか?」

伊織「あと、社長と小鳥もつながらないわね……一体何やってんだか」

真「確か、昨日その三人で961プロと交渉しに行った、って……」

雪歩「あの、やっぱり警察に……」

律子「いえ……その必要はないわ。まだ失踪したと決めつけるのは……」

春香「……」

ガチャッ

律子「誰っ!?」バッ

響「みんな、はいさーい!」

律子「……あぁ響、おはよう」

響「うがー!露骨にガッカリした挨拶をしないでほしいぞ!」

響「今日、転んじゃったんだ……沖縄に雪なんて降らないからね」

春香「あ、響も転んだの?」

響「すっごく冷たかったぞ……周りの視線も」

春香「あぁ……」

響「……そういえば、プロデューサーがいないけどどうしたんだ?」

律子「それはね、響……」



響「えぇっ!?ウソでしょ!?」

律子「……みんなにいちいち説明してて疲れたわ……」

亜美「りっちゃーん、兄ちゃんはいつ帰ってくるの?」

真美「待ちくたびれたYO!」

律子「……」

春香(プロデューサーさん……)


ガチャッ


亜美「あ、兄ちゃん?」


小鳥「……」ドサッ

亜美「……ってピヨちゃん!?」

春香「小鳥さん!その怪我……」

小鳥「……転んだの」

真「プロデューサーは!?」

伊織「961プロにやられたの!?」

響「何があったんだー!?」

律子「みんな静かにっ!」バンッ

一同「……」

小鳥「始まって……しまったんです……」

春香「……何がですか?」



小鳥「……雪合戦よ」

P「おいっ!放せよ!」

男「ちっ、暴れんなよ」

男2「女には逃げられたけど、まーいっか!」

P「ぐっ……」

男「そんじゃ、またねー」

ウィーン


P「……」

P(音無さんは事務所に着いただろうか……)

ウィーン

黒井「やぁ、久しぶりだな」

P「お前……!ふざけるな!自分が何をしてるか分かってるのか!?」

黒井「私語は慎め」ゲシッ

P「かは……っ」

黒井「黙って見ているんだな……三流プロダクションが無様に敗北する様を」

P「……」

黒井「そんな顔をするな、貴様の首筋には後で雪を流し込んでやる」

P「俺を捕まえてどうする?そんなに俺が怖いか?」

黒井「何を言う……貴様など脅威ではない」

P「じゃあ何故……」

黒井「愚問だな。この戦争に勝つため、ただそれだけだ」

P「何だと……?」

黒井「貴様が拉致されたとなれば、765プロの三流アイドルどもは黙っていないだろうな」

P「……」

黒井「当然、この部屋を目指しやってくる……そこを狙うのだよ」

P「お前……」

黒井「卑怯だ、とでも言いたいか?」

P「……」

黒井「勝つためなら何でもする……当然だろう。たとえそれが、雪合戦であろうともな」

P「……いや、違う」

黒井「何だと?」

P「お前は分かっていない……」


P「うちのアイドル達を……なめるなよ」

春香「みんな……準備はいい?」


千早「当然よ」

真「……」コキッ

雪歩「あ、穴を掘って埋めてやりますぅ!」


春香「オーケー」

春香「第一班、準備できました」

律子『了解』


春香「……ふぅ」

春香(プロデューサーさん……)

響「こちら第二班!みんな元気だぞー!」


やよい「うっうー!皆さん、頑張りましょう!」

美希「律子……さん、ミキやるよ!ハニーを助けるの!」

貴音「戦とは……まこと、緊張しますね」

律子『了解、無理はしないでね?』


響(自分、雪合戦は初めてだからな……楽しみだぞ!)

律子『あずささーん、今どこですか?』

あずさ「はーい、何だか大きなビルが見えます~」

亜美「あずさお姉ちゃん、そっちは逆だYO!」

真美「こっちこっち→!」


律子『亜美、真美、あずささんの操縦しっかりね』

亜美「りょーかい!」

真美「真美……この戦争が終わったら結婚するんだ……」

あずさ「あらあら、おめでたいわね~」

あずさ『それでは第三班、行ってきます~』

律子「はい、ご武運お祈りします……」


律子「……ふぅ」

伊織「はい、コーヒー」コトッ

律子「あら、気が利くじゃない」

伊織「べっ、別に……」

律子「……ねぇ、伊織」

伊織「何よ」

律子「あなたは、前線に行きたくないの?」

伊織「……何よ、それ。この伊織ちゃんが、雪が積もったぐらいではしゃぐと思う?」

律子「それもそうね……」

伊織「分かればいいのよ、分かれば」

律子「……じゃあ、こっちでちゃんと仕事してちょうだい」

伊織「……はい?」

律子「前線から得られる情報から戦況を判断する。作戦の変更があれば指示する。それから……」

伊織「ま、待って!ここってそんなハードなの!?」

律子「戦争では司令役が重要よ……しっかりね」

P「ああっ!冷たい冷たいぃい゛い!!」

黒井「下らんな……汚い声を上げおって」シャリシャリ

P「ヤバイよヤバイよ!背中はガチでヤバイって!」

黒井「ククク……フハハ」

黒井「ハーハッハッハー!!」ドバー

P「ぴぎゃあああああああああ」

黒井「三流プロダクションはこれだから……」

プルルルル プルルルル

黒井「……チッ。何だ?」

男『侵入者です!765プロの奴らが……うわっ、何す……』

ブチッ

黒井「……?」

男「……」ガクッ

あずさ「あらあら、寝ちゃったのかしら~」

亜美「窒息させた……だと……」

真美「つくづくモンスターサイズですな→」


男2「おいっ!何してる!」タタッ

亜美「マグヌスボール!」ヒュン

男2「ぐわっ……」ドサッ

真美「765式波動球!」ブン

男2「」ベシャッ

亜美(亜美たち第三班は、ここで暴れるだけ暴れるのがお仕事……なんだよね)


男3「いたぞ!侵入者だ!」

男4「社長に一歩でも近付けるな!」

男5「ベチョベチョにしてやるよ……」


亜美「……いくよ、真美」

真美「おうよっ!」

あずさ「雪で手が冷えてしまいました……」

律子『第三班、戦闘を開始したわ』

春香「……」ゴクリ

千早「春香、緊張してる?」

春香「え?い、いや、そんなことは……」

千早「戦場では仲間が死ぬわ。覚悟しておいて」

春香「千早ちゃん……」


真「……いくよ、みんな」

雪歩「……たぁあっ!」パリーン

伊織『裏口が手薄になってるわ。そっちに回ってちょうだい』

美希「オッケーなの!デコちゃん、ありがとうなの!」タッタッ

伊織『デコちゃん言うな!』


伊織『……で、そこの通風孔から入って』

響「なんか、ずいぶん狭くないか……?」

貴音「これも作戦です、従いましょう」バッ

やよい「し、四条さんが挟まってますー!」

伊織『何やってんのよ……』

貴音「私は……どうやら、ここまでのようです」

響「貴音……」

やよい「四条さん……」

貴音「ふふ……心配には及びません。私は……貴女たちの心の中に……」


伊織『それじゃ、ルート変更ね』

美希「……デコちゃん、ちょっとは空気読んでなの」

響「うがー!台無しだぞー!」

やよい「と、とにかく行きましょう!」

タッタッタッタッ…

真「しっかし、雪って重いね……ちょっと持ち込みすぎたよ」

千早「そうかしら?私は慣れているけれど」

雪歩「ザクッと……ザクッと……」ブツブツ

春香(始まっちゃったよ……私、生きて帰れるのかな)


千早「律子、プロデューサーはどこ?」

律子『……地下室に監禁されているみたいね』

真「地下室かぁ……ここからだと遠いね、エレベーターでも使わないと」

律子『そこを左に曲がったところに、社員用のエレベーターがあるわ』

春香「了解です!」タッ

ヒュン ベシャッ

春香「……!?」


翔太「やぁ、みんな元気?」

北斗「チャオ☆」


千早「あなたたちは……」

真「……ジュピター……!」

春香「あ、危なかった……」

千早「……天ヶ瀬冬馬は居ないようね。別のところに配置されてるのかしら?」


翔太「しっかし、クロちゃんも趣味が悪いよね……雪合戦なんてさ」

北斗「レディーに手を出すのは、好きじゃないんだけど」


真「……みんな」

春香「?」

真「ここは……ボクに任せてくれないか?」

雪歩「真……ちゃん……?」

真「ボクがジュピターの二人を引き付ける」

春香「真、一体何を……」

真「だから、みんなはその間にエレベーターで地下に行ってくれ」

雪歩「そんな……何で……」

千早「分かったわ」

春香「千早ちゃん!?」

千早「ここでジュピターと戦っても、勝てる見込みは少ないもの……分散した方が効率的だわ」

春香「っ……」

翔太「……作戦会議は済んだかな?」

北斗「じゃあ、こっちから……」

真「……行けっ!!」


春香「真……また後でね?」タタッ

千早「……」タタッ

雪歩「……」タッ


翔太「おわ、あからさまな作戦だねー」

北斗「行かせるかっ……」シャリッ

ファサッ

北斗「!?」

北斗(前が……見えねえ……!)

翔太「しまった、これは……粉雪……」

真「固めるだけが雪じゃないんだよ!」

ウィーン ガタン…

真(春香、千早、雪歩……後は、頼んだ)


北斗「……ちっ、逃がしたか」ゴシゴシ

翔太「後でクロちゃんに怒られちゃうね……」ゴシゴシ


真「……さて、と」

真(粉雪の目潰しは、不意打ちの一回しか使えないだろう)

真(だとしたら……)


真「真っ向勝負だっ!」ヒュン

翔太「おおっと!」ヒュン

北斗「甘いよ、子猫ちゃん」ヒュン

真「わっ……とと」


真(同時に二方向から雪玉が飛んでくる……ちょっときついな)

ガガガ…

春香「真、大丈夫かな……」

千早「春香、今は自分の心配をすべき時よ」

雪歩(真ちゃん……)


律子『地下に着いたら、この通信も届かなくなるわ』

春香「!」

律子『……だから、今の内に作戦を伝えておくわね』

千早「ええ、お願い」

真「はぁ……はぁ……」

真(雪のストックも尽きてきたな……)シャリッ


翔太「……まさか、二対一でこんなに手こずるとはね」

北斗「あぁ……でも、もう終わりだ」

真「……ぐっ」

ガガガ…

真(ごめん……みんな……)

北斗「……グッバイ、子猫ちゃん」




ウィーン

雪歩「たぁああああっ!!」

北斗「!?」ベシャッ

雪歩「良かった……間に合った……」

真「雪歩……どうして!」

雪歩「えへへ、来ちゃった」

律子『真だけじゃ荷が重いってことで、雪歩を送ったのよ……』

真「……へへっ、ありがと」


北斗「ぐっ……耳に入った……」

翔太「……!北斗くんアレ!」

北斗「…………っ!?」


律子『……雪で一杯の、リヤカーと一緒にね』

翔太「リヤカー……地下から持ってきたのかな」

北斗「まぁ、依然俺たちが優せ」ゴスッ

翔太「!?」


雪歩「えへへ、当たりましたぁ!」

真「雪歩……すごいね……」


翔太(今のは……雪玉じゃない)

北斗「」ピクピク

翔太(塊だ……固まった雪の塊をぶん投げてきた……!)ゾクッ


雪歩「雪合戦に……スコップは欠かせないですぅ」ニコッ

春香「地下って……案外広いね」タッタッ

千早「プロデューサーがいる地下室の場所を聞いてなかったわね……」タッタッ


千早(地下に降りたところで、貯蔵された大量の雪を発見できたのはラッキーだった)

千早(スコップを持つ雪歩には……固い雪は最高の武器となる)

千早(上手くいっているといいのだけど……)


春香「……千早ちゃん、ちょっと」

千早「どうしたの?」

春香「これ……」シャリッ

千早「元々貯蔵してる雪じゃないかしら?」

春香「違う……この雪、柔らかい」

千早「!」

春香「きっと、プロデューサーさんが残していったんだよ!」

千早「罠ってことはないかしら?」

春香「うっ……」

千早「……まぁ、どの道手掛かりはないし。こっちに行きましょう」


千早「罠じゃないと信じて……ね」

春香「……」

千早「……」

春香「……千早ちゃん」

千早「……こういう時もあるわ」


男5「フヒッ……」

男6「来たぞ!捕らえろ!」

男7「ぶっ倒せっ!」シャリッ


千早「……はぁ」

千早(ざっと30人はいるかしら……)

千早「春香、行って」

春香「えっ……でも」

千早「これぐらいの人数、私でもどうにかなるわ。先に行って」

千早(……おそらく、増援が来るだろうけど)

春香「……っ」

千早「早くプロデューサーを助けてあげて?」

春香(千早ちゃん……)

春香「ごめん、任せたよ!」タタッ

千早(それでいいの……さて)


千早「……来なさい。アップは済んでるわ」

千早「……」スー


千早「はっ!」

男6「うぐっ……」ビシッ

千早「たぁっ!」

男7「ごふ……っ」ドスッ

千早(急所にピンポイントで当てられれば、私一人でもいける……はず)

千早(でも……)チラッ


男8「早く来い!お前ら何してる!」

千早(増援……早いわね)

男8「何やっ……ごふぉっ!」ガボッ



千早「……え?」

美希「おにぎりスマーッシュ!なの!」

響「雪玉を口にぶち込むのはどうかと思うぞ……」

千早「美希、響……」


やよい「如月さん!大丈夫ですかー!?」

千早「高槻さん……!」ジワッ

響「反応に差があるぞ」


美希「千早さん、ミキたちが来たからにはもう大丈夫なの!」

響「さすがに数が多すぎない……?」

千早「……ふふっ、ありがとう」

春香「はぁ……はぁ……」タッタッ

春香(プロデューサーさん……どこ……?)


春香「わっ!?」ドテーン

春香「いたた……また転んだ……」


春香(プロデューサーさん……待ってて下さいね!)

冬馬「……オイ」

春香「わわっ!?」ドテーン

春香「あなたは……ジュピターの……!」

冬馬「……天海春香、だな」

春香「へ?」

冬馬「お前んとこのプロデューサーはこっちにいる、ついてこい」

春香「え?……え?どういうこと?」

冬馬「チッ、うるせーな……」


冬馬「協力してやるって言ってんだ、素直に従え」

春香「きょ、協力!?」

春香「その……どうして?」

冬馬「黒井のオッサンのやり方は気に入らねぇ……雪合戦なら、正々堂々とやるべきだ」

春香「だから、私に協力?」

冬馬「ああ、そうだ」

春香「……」

春香(これって……罠、なのかな……?)

冬馬「……何ボーッとしてんだ、行くぞ」

春香(でも、他にプロデューサーさんの居場所の手掛かりは……)

春香「……うん、行こっか」

冬馬「……ここだ」

春香「うわっ、ドアが大きい……」

春香(この中に……プロデューサーさんが……)

冬馬「いいか、この中に黒井のオッサンがいる」

冬馬「俺と天海、お前でオッサンを倒すんだ……二対一ならできる」

春香「えっと、作戦とかは?」

冬馬「雪をぶつける。それだけだ」

春香「……」

冬馬「それじゃ、行くぞ」

ウィーン

黒井「そらっ!もっとだ!」シャリシャリ

P「ああっ!背中が!背中が低温やけどしちゃうからぁあ!!」

黒井「フハハ、次はこの塊をぶち込んでやる……!」ガッ

P「やめっ、やめ、ヤバいよヤバいってぇえええ!!!」

黒井「言うことは他にあるだろう?」

P「あ……ありがとうございます!ありがとうございますぅ!!」

黒井「それでいい、三流プロダクションにはお似合いだ!」



冬馬「……」

春香「……」

ウィーン

ウィーン

春香「せいやぁっ!」ビュン

黒井「むっ!?」ベシャッ

春香「ヘイメーン!踊ろうぜ!」ビュン

黒井「クク……来たか」ベシャッ

P「春香!来てくれたのか!」

春香「黙れ!」ビュン

P「ありがとうございます!」ベシャッ


冬馬(精神崩壊……か)

黒井「貴様……裏切ったのか」

冬馬「……ふん」

冬馬「……なぁ、今のメガネは765プロのプロデューサーだよな?」

春香「……多分」

冬馬「……」


春香「……ねぇ、今のムチ持ってた人って961プロの社長さんだよね?」

冬馬「……多分な」

春香「……」

冬馬「……」

春香「私……行かないと、プロデューサーさんを……助けないと……」フラッ

冬馬(助かるのか……?)

冬馬「オッサン……もう、やめにしようぜ」

黒井「何だと?」

冬馬「こんなこと意味ねぇよ……俺たち、仕事キャンセルしてるんだぞ!?」

黒井「だから、どうした?」

冬馬「あ?」

黒井「お前たちは私の駒に過ぎん……私が雪合戦をする準備をしていれば良い」

冬馬「てめぇ……!」

黒井「ここまで来れるのが二人だけとは思わなかったが……」



黒井「始めようか」

冬馬「……っ」

黒井「どうした、来ないのか?先手必勝と教えたはずだが」

冬馬「……この野郎!」ブン

黒井「クク……それでいい」ベシャッ


冬馬(何だ……こいつは)ブン

黒井「それでは、反撃といくか」ベシャッ

冬馬(避ける気がまるでねぇ……!)

黒井「……覇ッ!」ゴウッ

冬馬(なっ……速)ズドン

冬馬「げほ……かはっ」

黒井「いい雪だろう?先日に降ったものを保存したのだ」

黒井「どうせ貴様は、この地下にある雪を適当に持ってきたのだろうが……」ゴウッ

冬馬「うあっ!」ズドン

黒井「観賞用の古い雪を使うようでは……私には到底勝てん!」

冬馬(何だ……この化け物は)

冬馬(天海の援護は……)チラッ


春香「そこにひざまずいて!」

P「ありがとうございます!」orz

冬馬「……」

冬馬「おい天海!何やってんだ、援護しろ!」

春香「援護……?どうせ私は裏に回る無個性ですよーだ!」

冬馬「何言ってんだ!」

春香「ムリムリ、どーせ勝てないよ諦めようよー」

冬馬「……」

冬馬「……765の奴らは諦めてなかった!」

春香「!」

冬馬「最後まで戦って……お前に託したんだろ」


冬馬「お前が諦めてどうすんだよ天海っ!!」


春香「……」

春香「ごめんね……冬馬くん。私、目が覚めたよ」

冬馬「天海……」

P「春香……良かった」

春香「……えっ?」

P「さぁ、反撃開始といこうぜ!」

春香(……何かがおかしいような)


黒井「クッ……クク」

黒井「フハハハハハハハハッ!!」

冬馬「オッサン……何がおかしい?」

黒井「下らん、実に下らん茶番だ……雑魚が何人束になろうが無駄だというのに」

P「おい、お前ら」ヒソヒソ

冬馬「何だよ、さっきまでドM野郎だったのに」

P「あれは演技だ……それより、俺に作戦がある」

春香「作戦……ですか?」


黒井「下らんな……すぐに終わらせてやる」

P「……」ザッ

春香「プロデューサーさん!雪合戦ですよ、雪合戦!」

冬馬「はしゃいでる場合じゃねーぞ……」

すいません

ちょっとおでん食べてきます

保守ありがとうございます

再開します

P「……いくぞ」

冬馬「オラァッ!」ブン

春香「えいっ!」ビュン

黒井「どこに投げている……当てなければ意味はないぞ」ゴウッ

P「ぐほぅっ!」ズドン


冬馬「どりゃあ!」ブン

春香「春香ボール!」ビュン

黒井「……」


春香(プロデューサーさんを壁にしてひたすら投げまくる……それが、この作戦の概要)

春香「はぁ……はぁ……」

冬馬「くそっ……」

黒井「……それにしても、タフなことだ」ゴウッ

P「あふぅ!」ズドン

春香(このままだと……プロデューサーさんが大変なことに……)

冬馬「……らっ!」ブン

黒井「まったく、さっきから当てることすらできないのか……」

ピチョン

黒井「!?」

冬馬「……オッサン」

冬馬「あんたがやってきた雪合戦っていうのは、外でやるもんだ」

冬馬「だから忘れてたんだろ?……天井の存在に」

黒井(天井に着いた雪から……水滴が……)

ピチョン

黒井「私の首筋にぃいいいい!!」

冬馬「これを狙ってたんだよ、最初からな」

P「首筋が弱いことは知ってるぜ?」

黒井「おのれ……だが、少しでも移動すれば水滴は……」

P「……黒井社長」

黒井「む?」

P「あなたの知る雪合戦は、恐らく雪原で行われるものだ」

P「だけどここは……地下室なんだよ」

黒井「……一体何を言って」


ツルッ


黒井「っ!?」ドテーン

春香「……足元、滑りやすいんですよ」ニコッ


P「さぁ……今度は黒井社長、あなたの首筋に雪を流し込んであげましょう」

黒井「なっ……何をする、やめ……」


ウギャアアアアアアア

――――

――

ガララッ

高木「おお、君たちか!」

P「……」ペコリ

小鳥「お久し振りです、社長」

P「体の方はどうですか?」

高木「もうすぐ退院できるそうだ……いやはや、最近の医学は素晴らしいね」


P(……あの戦争から少し経って)

P(俺たちは、腰を痛め入院していた社長のお見舞いに来ていた)

小鳥「リンゴ、剥きますね」

高木「ああ、すまない」

P「……」


高木「……黒井のことなんだがね」シャリシャリ

P「……はい」

高木「幼少の頃、奴は雪国で育ったらしい」

小鳥「……」

高木「この東京にずっといると……雪合戦なんてなかなか出来ない。まして黒井は、961プロの社長なのだから」

P「それで……あんな事件を……」

高木「……フム」

P「どうかしました?」

高木「今度、正式に961プロと雪合戦してみるのもいいかもしれないな……」

P「やめて下さい、あの人には勝てません」

高木「ハハハ、それもそうだ!」


P「……じゃあ、俺はここで失礼します」

高木「ああ」

ガララッ


P「……」ポパピプペ

P「もしもし、春香?」

春香「あ、プロデューサーさん!いつ来れますか?」

P『今病院だから、30分もあれば着くよ』

春香「早く来て下さいね、みんな待ってますから!」

冬馬「雪が溶けちまうぞー!」

P『オッケー分かった、待ってろよ!』

黒井「第二ラウンドといこうじゃないか……」

P『くろっ……!?……い、行くのやめようかな……』

春香「もう、何言ってるんですか!」

P『……はは、冗談だ』

春香「それじゃ……」



春香「……交渉成立、ですね」


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