響「おじさんたち誰だ?」右京「警視庁特命係の杉下です」(114)

立ったら書く

フォンフォンフォンフォン  ※パトカーのサイレン音


伊丹「ったく、年明けから事件かよ」

芹沢「先輩、いつものことじゃないですか」

伊丹「うるせ!」

三浦「この高さから落ちたなら、ひとたまりも無いだろうな」

芹沢「事故ですかね?」

伊丹「それを今から捜査するんだろうが!」

米沢「被害者は天ヶ瀬冬馬17歳。961プロダクション所属のアイドルユニット
ジュピターのメンバーだそうです」

伊丹「アイドルぅ~?」

芹沢「確かにイケメンですもんねえ」

伊丹「お前はいちいち余計なこと言わなくていいんだよ!」

米沢「状況から見て、被害者はビルの屋上から転落して亡くなったみたいですな」

三浦「自殺か?」

米沢「それは何とも…遺書のようなものは見当たりませんでしたし」

伊丹「ま、アイドルだったら恨みの一つや二つくらいあってもおかしくねえしな」

北斗「冬馬!!」

翔太「冬馬君!!」

伊丹「ん?あいつらは?」

芹沢「どうやら、被害者と同じユニットに所属している伊集院北斗と御手洗翔太だそうです」

伊丹「何だ、その如何にもな名前は…おい、事情聴取するから連れて来い」

芹沢「はい」

伊丹「ったく、正月早々から死人とか…最近の芸能界はどうなってやがるんだ?」

~警視庁~


神戸「…チェックメイトっと。このレベルじゃ暇つぶしにもならなくなってきたな」

角田「よう、暇か?」

神戸「見ての通りです」

角田「やっぱ暇か。いいねえ、俺もお前たちみたいになりたいよ」

右京「お早うございます、角田課長」

角田「おはよう。コーヒー貰うよ」

角田「そうだ、知ってるか?1課の奴らが言ってるのを聞いたんだけど
何でも、人気アイドルが死んだんだってさ」

神戸「それはセンセーショナルな話題ですね。で、その人気アイドルってのは?」

角田「ここだけの話、ジュピターの天ヶ瀬冬馬だってよ」

神戸「天ヶ瀬…。あ、ああ、あの天ヶ瀬冬馬ですか。知ってますよ、ええ知ってますとも」

角田「可哀想になあ。まだ17だってのに」

神戸「そんなに若かったんですか」

角田「あれ?知ってるんじゃないの?」

神戸「…!!え、ええ知ってますよ勿論」

右京「生憎と僕はこういったことに疎いもので…。
よろしければ、神戸君にご教授願いたいものですねえ」

神戸「!!」

右京「ああ、でも今日は都合が悪そうなので止めておきましょうか」

神戸「…本当に意地の悪い人ですね、杉下さんは」

右京「はい?」

神戸「いえ、何でも…」

角田「どうも事務所の屋上から飛び降りらしくてさ。
1課は自殺と見てるらしいぞ」

右京「そうですか」

右京「遺書などはあったのでしょうか?」

角田「さあねえ。俺も話で聞いただけだからな」

神戸「また、杉下さんの悪い癖…ですか」

右京「ええ。何でもすぐ気になるのが僕の悪い癖。では、米沢さんのところへ行きましょうか」

神戸「お付き合いいたします」

米沢「おや、警部殿。本日はどのような用件で?」

右京「天ヶ瀬冬馬さんの転落死の事件についてですが…」

米沢「その件でしたか」

右京「1課では自殺と見ているそうですが、遺書などはあったのでしょうか?」

米沢「いえ、現場から遺書などは発見されませんでした」

神戸「…それなのに自殺と判断しているんですか?」

米沢「ええ、実は被害者と同じジュピターに所属している
伊集院北斗と御手洗翔太から事情聴取の際に気になる供述がありまして」

右京「気になる供述…ですか」

米沢「ええ。何でも事件直前に天ヶ瀬冬馬から悩みがあると打ち明けられたそうで…
その供述から、1課は突発的な自殺と判断した模様です」

神戸「悩み…か。まあ17歳だったら多感な年頃ですからね。
悩みの1つや2つはあってもおかしくないですね」

右京「その悩みについては何か伺ってますでしょうか?」

米沢「申し訳ございません。そこまでは…」

右京「いえ、お気になさらずに」

右京「では、現場写真などはございますでしょうか?」

米沢「ええ、こちらに」

右京「拝見いたします」

神戸「ふむ」

右京「変ですねえ」

神戸「変…とは?」

右京「被害者の服です。この襟の部分、よく見て下さい」

神戸「これは…」

右京「ええ、これは恐らく貸し衣装です」

神戸「つまり、芸能人が仕事場で着る衣装ですね」

右京「何故、彼は自殺する直前に貸し衣装を着ていたのでしょうか?」

右京「米沢さん。事件のあった日、被害者は何か仕事でも入っていたのでしょうか?」

米沢「プロダクションの黒井社長に伺ったところ、その日にCMの撮影があったそうですが、
当日になって予定が変更になったそうです」

右京「つまり、被害者は一度仕事場へ行き、その帰りに自殺した」

神戸「突発的な自殺ならば有り得ない流れでは無いと思いますが?」

右京「しかし、衣装は借り物です。普通は脱いでから帰ると思いませんか?」

神戸「うーん」

右京「米沢さん。被害者の死亡推定時刻は分かっているのでしょうか?」

米沢「ええ、昨日の夜から今朝にかけての間かと思われます」

神戸「遺体の第一発見者は?」

米沢「近くの公園に住むホームレスです。
空き缶拾いの為に、毎朝遺体発見現場の路地裏を通るそうで」

右京「…行きましょうか神戸君」

神戸「何処へですか?」

右京「現場近くの公園ですよ」

~公園~


ホームレス「ああ、俺が発見したよ」

右京「よろしければ、その時の状況を詳しくお話して下さいませんでしょうか?」

ホームレス「詳しくも何も、いつもの通り空き缶拾ってたらよ。
ガキが血塗れになって倒れてたんだよ」

右京「その時、何か変わったことなどありませんでしたでしょうか?」

ホームレス「変わったこと…って言ってもなあ。あ」

右京「何か思い出しましたか?」

ホームレス「いや、俺の空耳かも知れねえけどさ。
そのガキが何か呟いてたような気がするんだよ。
『許してくれ』みたいな?」

~車中~


神戸「…どう思います?さっきのホームレスの男の話」

右京「実に興味深いですねえ」

神戸「もし、あのホームレスの言っていることが嘘でも聞き間違いでも無ければ
天ヶ瀬冬馬がビルの屋上から転落したのは今朝ってことになります」

右京「それと呟いた言葉の内容」

神戸「『許してくれ』か。自殺とも他殺とも取れる言葉ですね」

右京「ええ。ですが、これで彼の死に何者かが間接的であれ直接的であれ
関わっているということが分かりました」

~CM制作会社~


CMディレクター「その日、天ヶ瀬冬馬はスタジオに来なかったよ」

右京「来なかった…ですか」

CMディレクター「うん、こっちの不手際で撮影出来なくなっちゃってさ。
そんで仕方なく撮影日の延期を事務所に告げて黒井社長に滅茶苦茶言われたからねえ。
よく覚えてるよ」

神戸「つまり、天ヶ瀬冬馬はCMの撮影が無かったことをあらかじめ知っていた可能性があった
ということですか?」

右京「ええ、そうなると貸し衣装のことが気に掛かります」

CMディレクター「スタジオに来てないのは確かだよ」

右京「すみません、そのCMで天ヶ瀬冬馬さんが着る予定だった衣装というのは
何だったか分かりますでしょうか?」

CMディレクター「え~っと、ちょっと待っててね…。あ、これだ。ハイこれイメージラフ」

神戸「この衣装…」

右京「ええ、事件当日に彼が着ていた衣装ではありません」

神戸「どういうことだ?」

右京「ということは、彼はスタジオには来なかったが、別の場所へは行った。
ということでしょうねえ」

CMディレクター「天ヶ瀬冬馬、自殺なんだってねえ」

神戸「何処からその情報を?」

CMディレクター「こういう業界だとねえ、そういう情報はすぐ耳に入って来るんだよ。
でも、自殺なんてねえ。やっぱあの噂は本当だったんだなあ」

右京「噂、とは?」

CMディレクター「…ここだけの話、天ヶ瀬冬馬は765プロダクションの我那覇響と付き合ってて
しかも、子供が出来たって言うんだよ」

神戸「へ~、本当なんですか?」

CMディレクター「まあ、あくまで噂だったけど、本人自殺しちゃったからねえ。
しかし、彼の死は残念だ。CM撮影もまだだったのに」

右京「765プロダクション…ですか」

~車中~


神戸「しかし、17歳で既に同じ業界の子と付き合うだけじゃなくて子供まで…。
本当だとしたら、大スキャンダルじゃないですか」

右京「ええ。でも、あくまで噂…ですからねえ」

神戸「噂…とは言え、特定の名前が挙がるってことは、被害者と何かしら関係がある
ってことですよね?」

右京「ええ、765プロダクションへ行ってみましょうか」

神戸「はい」

~765プロダクション~


響「ハム蔵ーーー何処だーーー?」

やよい「こっちにはいないです」

真「こっちにも」

美希「ムニャムニャ…」

亜美「ミキミキまた寝てるー」

真美「この中でよく寝れるよねー」

春香「あ!いたたたたた…」

伊織「相変わらず、春香は何でそんな何も無いところで転べるのよ!」

貴音「何もないと思われるところにこそ、秘密があるものです」

雪歩「どういう意味なの四条さん?」

貴音「それは貴女が考えることよ。萩原雪歩」

雪歩「???」

千早(…何も意味は無いのね)

律子「…もー!静かにしなさーーーい!!」

あずさ「うふふ」

小鳥「ふふふ」

P「おーい、響。ハム蔵いたぞ」

響「おーーー!!流石はプロデューサーだぞ!」

やよい「良かったね、響さん!」

響「ああ、良かったぞやよい!」

社長「仲睦まじきことは良きこと哉…だね」

ガチャ

右京「失礼します」

響「ん?おじさんたち誰だ?」

右京「これは失礼、警視庁特命係の杉下と申します」

神戸「同じく神戸です」

P「警視庁…って警察の方ですか?」

律子「何で警察の方がこちらに?」

右京「ええ、既にお耳に入っているかとは思われるのですが、
天ヶ瀬冬馬さんの転落事件についてお話を伺いたく参上いたしました」

全員「!!」

神戸「天ヶ瀬冬馬…当然知っているよね?
同じ業界だし、君たちの中には番組などで共演した子もいる」

P「あの…その話はこちらで」

右京「はい」

スッ ※ソファに座る音

P「…私は、彼女たちのプロデューサーを務めている赤羽根と言います」

律子「同じく、秋月と言います」

右京「これはこれは」

右京「…早速なのですが、天ヶ瀬冬馬さんの名前を出した途端に皆さん急に顔色が変わった。
ということは、例の噂は?」

P「ええ、我々の耳にも入っています」

神戸「我那覇さん自身は?」

律子「本人は否定しています」

P「そもそも、我々765プロダクションと961プロダクションは、
その…あまり交流が無いというか」

律子「正直、仲良くは無いです。だから、あんな噂、うちの子たちは誰も信じていません」

右京「そうでしたか」

右京「先ほど、仲良くないと仰っていましたが、何処か歯切れが悪いように感じました。
差支えが無ければ教えて頂けると有り難いのですが…」

P「…実は、765プロダクションは961プロダクションより様々な妨害工作を受けていたんです」

神戸「妨害工作…か。まあ、ライバル事務所ならそういうのがあっても不思議ではないですね」

P「…時には犯罪紛いなことまでされました。今回の噂だってきっと奴らが…」

社長「…証拠も無いのにそういうことを言うもんじゃない」

律子「社長」

右京「なるほど。心中お察しいたします」

右京「あ、もう一つだけ。もしよろしければ、
こちらの事務所の所属アイドルの昨日スケジュールを確認させて頂いてよろしいでしょうか?」

律子「え、あ、はい。昨日はこういうスケジュールになってました」

パシャ ※携帯のカメラ音

右京「どうも有難うございました。では、失礼しましょうか神戸君」

神戸「え?あ、ええ」

右京「では失礼しました」

伊織「…何よ、あいつら!」

真「響、大丈夫か?」

響「あ、ああ。なんくるないさー。ハハ…」

春香「大丈夫?響ちゃん。顔色あまり良くないように見えるけど」

響「だ、大丈夫だぞ!自分、こんなに元気だ!な、ハム蔵?」

貴音「…」

右京「神戸君。こちらを見て下さい」

神戸「これは…さっき聞いた彼女たちのスケジュールですね」

右京「我那覇響さんのところ」

神戸「野外ライブ…って、これ天ヶ瀬冬馬がCM撮影をする予定だったスタジオの近くじゃないですか」

右京「恐らく会っていたんじゃないでしょうかねえ」

神戸「ん?でも、天ヶ瀬冬馬は当日スタジオには行っていないって…」

右京「ええ、スタジオには行っていませんねえ」

神戸「まさか…」

~インターネットカフェ~


右京「…ありました」

神戸「へえ、昨日のライブがもう動画サイトにアップロードされているのか。
って、これ隠し撮りか?」

右京「あまりいいことでは無いですねえ」

神戸「とかいって、もう見ちゃってますけどね」

右京「ええ、せっかくだから見ましょうか」

右京「…神戸君、このスタッフの衣装。何処かで見たことありませんか?」

神戸「ええ、これは死んだ天ヶ瀬冬馬が着ていた服ですね」

右京「そして、この方…。画質が粗いので見難いですが、この体格とこの雰囲気」

神戸「ええ、死んだ天ヶ瀬冬馬によく似ていますね」

プルルルル


右京「おや、米沢さんからです。はい、こちら杉下」

米沢「あ、警部殿ですか。実は先ほど報告し忘れたことがありまして」

右京「何でしょう?」

米沢「自殺という見解だった為、特に注目はされなかったのですが
実は遺体のポケットから妙なものが発見されていまして」

右京「妙なもの…とは?」

米沢「ええ、動物の毛のようなものが。それもとても短いものです」

右京「動物の毛…ですか。なるほど、分かりました。
有難うございます、米沢さん」

米沢「いえいえ、お役に立てたようで何よりです」

右京「…神戸君、どうやら全てが繋がったみたいです」

コツコツ


響「…」

右京「…我那覇響さん」

響「…何だ?」

右京「単刀直入に伺います。貴女は、天ヶ瀬冬馬さんが亡くなる直前に
彼にお会いしてましたね?」

響「!あ、会ってない。何であんな奴と!!」

神戸「ええ、赤羽根さんから伺ってます。あなたたちは彼の所属する961プロダクションより
執拗な嫌がらせを受け、とても迷惑をしていたと」

響「なら分かるだろ!?自分があいつに会うわけが…」

右京「昨日、貴女は○○にて野外ライブを行いましたね」

響「やったけど…それが一体なんだって言うのさ!」

右京「ライブのスタッフの方に伺ったところ、
このライブ自体が急なスケジュールで決まったものと伺いました。
何でもほぼゲリラ状態だったと聞きます」

神戸「調べたところ、君はどちらかと言えば歌手活動よりバラエティーに出る方が多いそうじゃない。
なのに、何でそんな急にライブをやる必要があったんだい?」

右京「答えは、そのライブに乗じて、天ヶ瀬冬馬と密会する為だった」

響「な、何を!!」

真「お前ら、止めろ!!」

響「真…」

春香「響ちゃんが心配で後を追って見たら…」

真「響を殺人犯扱いするなんて、ことと次第によっちゃ警察でも許さないぞ!」

右京「…しかし、彼女が事件直前に天ヶ瀬冬馬に会ったことは事実です」

真「証拠でもあるのか!?」

右京「ええ」

右京「天ヶ瀬冬馬の遺体のポケットには、短い動物の毛が入っていました。
恐らく、我那覇響さん。貴女が連れているそのハムスターのものでしょう」

神戸「鑑定すれば、あの場に君がいた証拠になる」

響「…」

真「響…」

響「ああ…」

春香「響ちゃん?」

響「ああ、そうだ!自分は…自分はあいつと…冬馬といた!」

響「でも、でも誤解しないでくれよ!!自分は会っていただけだ!!
殺してなんか…殺してなんかいない!!」

右京「ええ、貴女は殺してないでしょうねえ」

響「え?」

右京「言った筈ですよ。天ヶ瀬冬馬に会っていたことは事実だと。
それよりも…僕は貴女が言った言葉に興味がありますねえ」

真「え?」

右京「先程貴女は『響を殺人犯扱いするなんて』と言いました。
はて、変ですねえ。この事件、自殺ということになっている筈ですが」

真「そ、それは言葉のあやだ!!」

右京「いえ、貴女はこれが殺人事件だと知っていた。
だから、思わずそう口走ったのです。菊地真さん」

真「な、何で?」

右京「これを見て下さい。昨日のあなたたちのスケジュールです。
菊地真さん。あなたの仕事場…我那覇響さんの野外ライブの会場ととても近いですねえ」

真「だ、だから何だ!」

右京「貴女はここで見てしまったんです。
我那覇響さんと天ヶ瀬冬馬さんがこっそり抜け出していくところを」

真「そんなの勝手な想像じゃないか!何も証拠なんてない!!」

右京「少なくとも、あなたは我那覇響さんのライブには来ていましたね?」

真「だから証拠…」

右京「神戸君」

神戸「はい」

春香「それ…USBメモリ?」

右京「こちらには、昨日のライブを隠し撮りしていた映像が収められています」

神戸「動画サイトにアップロードされていたものです。あ、勿論、勝手にダウンロードしたわけじゃなく
持ち主を特定して、その持ち主から押収したものです。
アップロードしていた動画は消して貰いました」

右京「こちら、再生してみましょうか。神戸君」

神戸「はい、杉下さん」

右京「こちらのノートパソコンをご覧下さい。
ここ、これ貴女ですね?」

春香「…真だ」

真「…」

響「真、お前…」

真「でも…でも、まだ殺したと…」

右京「天ヶ瀬冬馬さんの遺体のポケットに入っていた毛。
あれは貴女が入れたんじゃないでしょうかねえ?」

真「!?」

右京「彼のポケットの中の指紋を調べれば、貴女と一致する指紋が出るはずです」

真「…」

神戸「御言葉ですが、杉下さん。手袋をしていた可能性などは…」

右京「いえ、無いでしょう。彼女の手を見て下さい。
小さいひっかき傷のようなものが見えます。
恐らく、彼女のハムスターに引っ掛かれた痕でしょう」

響「…まさかハム蔵がいなかったのは」

右京「彼女が隠し持ってたからでしょうねえ」

右京「転落自体は今朝早くのことです。
手袋をしていれば、そんな引っ掻き傷は出来ないでしょう。
つまり、貴女は今朝から手袋をしてはいなかった」

真「…」

右京「まだ犯人ではないと仰るならば、指紋の提出をお願いいたします。
それで疑いも晴れると思いますよ」

真「…もういいよ」

響「真…」

真「僕が…やりました」

響「何で…何で真が…」

真「冬馬は僕のものだったんだ!!」

響「!!」



冬馬「真…」

真「冬馬…」

ギシギシアンアン

真(…あれ?響とあれ冬馬…?2人で…)

コソコソ

真「!!」

冬馬「響…」

響「あっ、いい、いい!!」

冬馬「俺たちの子だぜ?俺たちの子だぜ!!」

響「ああ、自分と冬馬の子だぞ!!」

真「…」

響「…じゃあ、自分は先に行くぞ」

冬馬「ああ…」

真「…」

ガタン

冬馬「…真!?」

真「…どうして?」

冬馬「…」

真「まさか、あの噂…本当だったの?」

冬馬「なら何だよ」

真「え?」

冬馬「お前みたいに女々しい男女、誰が本気にすると思ってんだ」

真「…」

冬馬「響はいいぜえ。琉球の愛を感じる…。お前みたいなのとは大違いだ」

真「…ふざけるなああああああ」

冬馬「な!?」

ガタン

冬馬「うわああああああああああああああああ」

真「ハァハァ」

ハム蔵「チュー」

真「…」

ブチッ

ハム蔵「ヂュッ!?」

ガリ

真「…!!」

スッ

真「…」

テクテク

冬馬「…許してくれ」

真「許せない!!響、お前も許さない!!」

響「真…!?」

真「お前、○○産婦人科に行ってるだろ?」

響「!?」

真「その決定的瞬間、マスコミに送っておいたから」

響「そんな…」

真「お前はもうお終いだ!!アハハハハハハ!!」

真「ついでに堕ろす手間も省いてやる!!」

響「!?止めろ、真!!」

右京「お止めなさいぃぃぃぃぃいl!!!!!」

真「!?」

右京「…これで満足ですか?」

真「…」

右京「貴女も確かに被害者です。しかし、だからと言って、相手に危害を加えていい
なんて、そんなことは通りませんよ。
ましてや、彼女のお腹にいる赤ん坊には何の罪もありませんっっ!!!
恥を知りなさあぁいぃぃっっ!!」

真「うう…うう…うわあああああああああ」

春香「真…」


フォンフォンフォンフォン


伊丹「…フン、どうも」

神戸「こちらこそ、どうも」

真「…」

伊丹「ほら、歩け!」

神戸「…彼女はこの先どうなるんでしょうね?」

右京「分かりません。ただ一つ分かるとすれば、彼女は罪を償わなければならない。
それだけです」

神戸「罪を償って…それからは?」

右京「それは彼女次第でしょうねえ」


パシャ!パシャ!

マスコミA「我那覇響さんのお腹の中に子供いるって本当ですか!?」
マスコミB「しかも、亡くなった天ヶ瀬冬馬との子供!!」
マスコミC「菊地真さんが人を殺したって本当ですか!?」

パシャ!パシャ!パシャ!



お終い

前にあった765プロとの奴を見よう見まねでやってみたけどこのザマ
好きなもの同士だったのに、どうしてこうなった?
やっぱその場その場で考えて書き込んでたらダメだね
スレ汚しごめんなさーい

ここまできたら最後まで頑張れよー!

>>104
イメージ的には暗鬱なBGMと共にテレビ朝日って出て終わる感じなので
これで終わりです

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