エレン「ささやかな望み」※現代パロ(1000)


エレン「ぼっち」※現代パロ
エレン「ぼっち」※現代パロ - SSまとめ速報
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の続きとして書かせていただきます




少し昔話をしよう



これは三年前の11月くらいのこと



俺が中学生になってからの半月は過ぎようとしていた頃のこと



俺は入学してそのくらいの時期までは眼鏡を着用していました


特に可もない不可もない、今のように敬遠されない普通の男でした


俺が眼鏡を着けると、この大きく鋭い目が目立たなくなる。それが敬遠されなかった理由だと解釈している



それなりに仲良く話しかけてくれた人はいた


それなりに俺も好意的に接していた


まだ小学生から上がりたて俺にはそれが普通であり、それが自然の成り行きだと思ってた


初対面の人と仲良く接し、友達を作る


今じゃ考えれないことを子供の頃は平然とやってのけていたのだ



『これからよろしくね』

『今日、一緒に遊ぼう』

『エレンといると楽しいな』

『同じ班になろうよ』

『エレン君って面白いね』




友人関係を求めてくれた人がいた


そして恋愛感情を抱いてくれた人もいた


慕ってくれたり尊敬してくれたりした人もいた


今思えば俺は恵まれていた

それが現実であり俺の妄想ではない

そこに理想のモノがあった




ある日、俺の知らない現実が目の前に突然出現した



メイトA「やっぱり・・・」


メイトB「うん。昨日の放課後見た人いないっていうし・・・」



エレン「どうしたんだ?」


メイトA「クラスで飼っていたウサギが死んじゃったんだって・・・」


エレン「そりゃ・・・悲しいな」


メイトB「でも違うんだ・・・」



「殺されたんだ」



言葉が理解できなかった



メイトA「うん。首に縄がくくり付けられてて、それが天井の電球に吊るされて・・・」



瞬間、俺は背筋が凍った



エレン「は、はぁ!?つまり誰かが殺したのか?」


メイトA「・・・・・・・うん。先生達が駆け付けた頃には、もう冷たくなってて・・・」



残酷で無惨過ぎる・・・


小さな命が人間の手によって消されたのだから・・



エレン「誰だよ!?分かってるのか?」


メイトB「分からないけど・・・昨日の放課後にウサギ小屋の方を見に行った人はいなくてー・・・・



俺は進んでその犯人を探した


別に見つけて、クラスの皆に晒し上げにするというのが目的ではない



俺は反省させたかった


非人道的な事をして反省もなしに受け流すなんて有り得ないんだ


人間として・・・同じクラスメイトとして



先生「今回のことは悲しい事故です」



先生は嘘を吐いた



先生「紐が引っかかってしまい、やむを得ずこうなってしまったのです」



何をどう失敗すればウサギの届かない天井の電球に引っかかってしまうのか


当然のことながら俺らのクラスの大半が信じなかった



それはもう公式の情報とも言っていいほど、みんなその姿を1度目にしているから



先生はクラスの皆に疑い合うことを避けたかった為、そんな嘘を吐いたのだろう


正しい対処だと思う



だが幼稚な俺はそんな気持ちを察しれず、そのまま犯人探しを続けてしまったのだ




そして・・・



犯人はクラスメイトにいました


意外と簡単に見つけることが出来ました



1つ疑問に思う・・・・


小学生から上がりたての人間が、面白おかしくウサギを殺すなどという行為を行うのだろうか?



その行為が楽しいのか。


ずっと俺の心の中にはその疑問で渦巻いていた


犯人を知り、俺はあいつはそんな事するような奴じゃないと思ってた



エレン「お前がやったんだよな」



メイトC「どうしてさ!ぼ、僕はやってないよ・・・」



ひ弱、貧弱、臆病・・・そんな言葉の似合う男でした


だから再び言おう。決してそんなことをするような人間には見えない


俺だって、こいつがやったなんて信じられない


人当たりが良く、優しい人間で・・・でも、犯人として見つけた今は、そんな目で男を見れなかった


エレン「ごめんな・・・先輩に、お前がやってるのを見たって人がいるんだ」


メイトC「やってないって言ってるじゃん・・・」


エレン「じゃあその先輩をここに呼んでもいいんだが・・・なんか携帯で写メってたらしいぞ?」



ハッタリだ・・・




本当に・・・・人間とは臆病で簡単だ



メイトC「ご、ごめんなさい!!皆には・・・先生には言わないで!」



見事に釣れた


その男は俺の腕にしがみつき、謝ってきました

涙を流し、なんも言えない・・・この世の終わりのような酷い形相で



エレン「お前はなんでこんな事をした・・・?」


メイトC「・・・・・」


エレン「おい!言えよ!」


俺は声を張り上げた



メイトC「・・・と、特に理由はない・・」



こいつは嘘を吐いている・・・


目線を合わすことなく声を震わせて


そしてそれと同時にどこからかガタッという物音が聞こえた



エレン「じゃあごめんな。このことはクラスの奴らと先生に言うけど・・・いいな?」



別に言うつもりはない。揺らしてるだけだ・・・


何かをまだ隠していることに不満を感じる

そう疑問を抱いたのは、まだ合点がいかないからだ


俺はまだ信じている。
『こいつがこんなことするわけがない』って・・・



メイトC「・・・・・・」


エレン「それが答えだな。じゃあ・・・明日は楽しみにしてろよな?」



心が痛い・・・押しつぶされそうだ


精神的に追い詰めるという行為がここまで辛いものとは・・・



そして、ついに答えは出た



メイトC「い、いじめられたくなかった!」



いじめられたくなった・・・・?


は?虐めのことか?



俺の思考回路が追いつかないまま、男は話し続けた


メイトC「エレン君みたいなクラスの中心みたいな人には分からないよ!」



俺のいるクラスには虐めがあるのか!?



メイトC「友達が言ったんだ・・・ウサギの世話当番が面倒くさいし邪魔だ。殺そうって・・」



メイトC「どうせなら苦しんで死んでる姿が見たい。その方が面白いって言われたんだ」


俺はその言葉を聞いた瞬間に・・・胸がざわついた

心苦しい・・・締め付けられる気持ち


人に初めて本気の怒りを感じた


その気持ちを抑えて俺は拳を握り締めた




「・・・・・それでお前はどうした」



俺の最も聞きたかった答えを聞いた


メイトC「それで・・・あの結果だよ・・・・・やらなきゃ虐めるって言われた。本当に怖くて、嫌だったよ!でもやらなきゃ僕は・・・僕は・・」


エレン「・・・・脅されたのか。誰にだ?」


メイトC「・・・・」


エレン「まぁバレて、虐められるのはお前か」


俺がその真犯人を責めたら、この男がバラした事が分かり、虐められてしまうかもしれないからな


俺はこのことを胸に仕舞いこんだ



秘密事項であり、漏れたら学級崩壊ままならない


俺は知ってる様で知らなかった現実の辛さを目の当たりにした



これでいい



明日にでも皆に『追求しない方がいい』と言って回ろう


俺は首を突っ込まなきゃ良かったことなのだと・・・


こうして俺は口を閉じた


ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー



翌日のことです


決して望んでいなかったことが起きてしまった


俺の最も起きてほしくなかったことが


現実は残酷だと俺は学んだ



『ふざけんな』

『死ね』

『きもい』



そんな罵詈雑音が飛び交う


殺伐とした雰囲気のクラス


馬鹿な高笑いなどするようなら、冷たい目で見られるようなピリピリした空気



そして1つの人集りがありました



覗いてみたら・・



この前の事件の実行犯・・・つまり昨日俺が話していた男がクラスメイト達に囲まれていたのだ



俺とその男が目が合った


彼は涙を流し、服が汚れている

顔には傷などはなく、服には靴跡が無数に付いている



俺は声が出なかった



この惨劇に、現状に、残酷さに・・・



紅く充血した目が俺を見つめてくる

同時に歯軋りのようなものも聞こえた


俺が話したと疑っているのか、恨みや怒りのようなものを感じる



しかし俺は誰にも話してない



先輩から聞いたのは俺だけだ。確認も取ってある


取り敢えず、原因は分からないが、早くこの場を収めたい


だが、ここで俺が「こいつは犯人じゃない」と言っても落ち着かないだろう



すると・・・・



メイトB「エレンが見つけたんでしょ。偉いじゃん」




「・・・・は?」



なんで知ってる?


何度もいうが俺は公言してない


この男が実行犯ということを知っただけ


追い詰めたの昨日の話。誰もいない教室で話した・・・・



考えに考え抜いた結果出たの答えが

【俺たちの会話が聞かれてしまった】というわけだ



俺のせいだ・・・・


俺のせいで、こんな現状になってしまった




メイトB「こんな酷い人だったなんて知らな
エレン「おい!お前ら止めろ!!」



ビクッと全員が体を震わす


そして空気が止まる


俺は人集りに割って入った



メイトC「エ、エレン・・・?」


なぜ庇うのか理解不能といった表情




そしてまた始まる



『こんな奴、庇うことないよ!』

『そうだぞ!いくらお前が良い奴だからってな』

『許されないことをしているんだよ』



より一層酷くなる罵倒の数々


こいつは実質的には責められる人間じゃない



そして根本的な問題が全て無になっている


【本当の犯人を見つけるにしても、もう何もかもが遅い】のだと・・・



こんな状況で言ったって誰も信じない


昨日の俺の言葉を誰かが信じたせいで・・・


俺が庇う行為をすることによって、さらに彼を苦しめてしまう



俺はどうすればいいんだ・・・



この場を収めるにはどうすればいいんだ

頭をフル回転させても何も思い浮かばない


この殺伐としている空気に飲み込まれてしまう


結果、この男を虐めという世界へ導いてしまった俺はどうすればいいんだ


そもそも俺が追求などしないで『事故』という形にしていればいいんだ



俺のせいで・・・・俺のせいで・・


手と足がガクガクと震える

声を出すのがここまで難しいものとは気付かなかった



「おい・・・聞いてくれ・・」



震える腕を片方の腕で抑えつける



そして皆は口を止め、俺に視線を送る




「俺がウサギを殺したんだ」




俺の脳裏に浮かんだのは『責任』という言葉でした

今回はここまでです

読んでいただきありがとうございました




再び空気が凍る


そんな世界を壊すがごとく一人の女性が口を開きました



「あ、あはは・・・その日の放課後はずっと私といたじゃんか」

と、普段から仲良くしてくれていた友人がそう告げた



そうだ。その通りだ・・・・俺はその日はそいつとずっと話していた

多分、その姿を見たやつも他にいるだろう



しかし


エレン「違う!俺がウサギを殺したんだ!だからそいつは違うだから・・・もう止めてくれ!」


俺にはこうするしか道がない



必死の訴えと全力の叫び


そんなどう仕様も無い自分が怖い


だがそれ以上に男への罪悪感で頭も心も痛い


息が乱れる・・・精神的にもきつくなってきた


皆が男から離れたのを確認した

俺は駆け寄り、体を起こさせた



メイトC「エレン・・」

エレン「ごめんな・・・」


俺には謝罪の言葉が『ごめん』の一言しか出てこなかった


クラスメイト達は話すのも動くのも止め、ただただ立ち尽くす



『は、はあ!?エレンがそんなことするわけないだろ』

『あいつもその時はエレンと一緒にいたって言ってるし』

『エレン君はそんな人間じゃないでしょ!』

『いくら優しいからって、それは・・・』


口々に俺を庇う台詞を吐くクラスメイト達


どうやら俺はそんな良い奴に見られてるらしい



・・・・・・嬉しいな・・・



「は?俺はお前らをずっと騙していたんだよ・・・バーカ」



でも、ダメなんだ・・・・俺は耐えられないんだ・・・


青春が崩れ落ちる音がした

すごく…偽善です
根本的な解決に全くなってない




ーーーーーー
ーーーー
ーー



俺の目は昔から悪人みたいな目と言われてきました



次の日の朝、俺はこの真面目を規範とさせる眼鏡を取って学校へ来ました


なぜそのような行為に至ったかというと・・・


自分を”悪”に見せたかったから


このままあいつが疑われるようならば、俺が疑われるほうがまだマシだ・・・・


それなら俺は”悪”になる


あの男をあんな精神的に追い詰めておいて、俺がこんだけで許されるなんて傍ら痛い



こんなことで許されるはずない

人、一人の人生を壊しかけた・・・代償は同等のものでなくてはならない



俺の単純すぎる脳はその答えしか出なかった


その人の為に何ができる


精一杯何が尽くせるのか



【何もかもが分からなかった自分に対しての報い】



俺は人望も友達も・・・・・今までの自分を捨てることにした




あの男は虐められることは無くなった

俺は必死で言い続けたからだ


そしてクラスの奴らも俺が犯人だと信じたらしい


なのに、度々俺に話しかけてくる人もいた


俺は全力無視し続けた


この目で睨みつけると皆、避けていく


いつしか皆が俺と距離を置くようになってきた


そう。これでいいんだ


こうすれば、あの男だって古傷残さず学校生活おくれるって・・・



別に俺はこのことについて後悔はしてない


唯一の心残りは真犯人が見つからなかったことだけだ




まあ・・・これが俺の眼鏡を取った理由


自己犠牲を身に付けた理由


そして感情を抑え、冷静を身に付けた理由


言質を気にする理由



ほんと・・・笑っちゃうだろ



そして今も学校では眼鏡を着けない


眼鏡の俺は過去の人間。捨てた自分。


学校で眼鏡を着けることは、あの男を裏切る行為のように思い、心に染み付いているから



「お兄ちゃん早くしないと遅刻しちゃうよ」



こういう経緯があり、俺は眼鏡を置き、コンタクトを付ける



「お兄ちゃん準備が遅すぎだよ!」



本当の自分を消すために


本当に変だろ?


飾りを付けてる自分が”本当の自分”だなんて




「もう・・・お兄ちゃんは考え事が多いんだから!遅刻しちゃうって」


「分かった。今行くから、待ってろ」



だけど何度も言うがそれは捨てた自分


今は悪の自分を楽しく生きていく



「お兄ちゃん行ってらっしゃい」


「いってきます」



崩れ落ちた青春を拾い集め・・・


作り直す為に

今回はここまでです

読んでいただきありがとうございました

>>31
申し訳ありません

そんなエレンを書きたかったので
あと、結果の辻褄が合わないとこも一応のちのち話に関係して使いたいので・・・

変なフラグの立て方申し訳ないです

フラグじゃないですね、伏線です




12月16日


地球をアイスピックでつついたとしたら、ちょうど良い感じにカチ割れるんじゃないかというぐらいに冷え切った朝だった


って・・・別に誰も消失しないだろうという話の始まり


吐いた水蒸気が全て凍りつき、氷の粒となって地面を飾りつけようかと思わせる程の寒さは俺の指先と耳を真っ赤に染める


手袋でもしてなければ指の感覚など無くなってしまう

しかしながら、手袋をしていない俺はハァーと温かい息を指に吹きかけて温める


その場しのぎや気休めに過ぎない行為である


だがしかし人間とはこうすることで安心できるという良い方向への勘違いを持っている



まったく・・・人間とは簡単で単純な生き物だ


そんな考えを持っている俺も、実際そのような行為をしているわけで・・・


その気休めに優越感を抱いているのだろう


考え方を変えれば嗜好と呼んでも良いかもしれない


特に意味のないことでも、それを好んでする人だっている

それがこの気休めだろう



「・・・・・・お前、エレンか?」



淀んだ空を見上げながら考え事をしていた俺に向かって、後ろから聞き覚えのある声が話しかけてきた




エレン「はい?そうですけど・・・?ユミル先輩」



俺はくるりと振り返った

ユミル先輩は純白のコートに真っ黒なマフラーでモノクロな姿


周りは雪景色で白黒の世界


その世界にユミル先輩は馴染んでいる



ユミル「・・・・・エレン?」



そんな平和な考えをしていた裏腹


ユミル先輩は唖然というか・・・開いた口が塞がらないというなんとも言えない表情を浮かべてる




エレン「コホン・・・・どうしたんですか?何か俺の顔に付いてるか?」



今日は気分がよく、久しぶりに敬語で話してあげたのに・・・


敬語だから、人違いでもしたのか?と思ったのだろうか


そんな疑問を抱きながら、ユミル先輩を見つめていた


そして口に出した言葉が・・・



「・・・・お前・・・目つき悪いな」



俺は背筋が凍りついた

冬の寒さによるものではない

精神的に追い詰められるものだ




「あ・・・・眼鏡・・」



俺はユミル先輩の前だというのに眼鏡を付けていなかったのだ



ユミル「・・・・・1つ質問していいか?」


顎を人差し指と親指で挟み、俺を見つめる


ユミル「私さ、お前の顔を入学式の日に見たことあるんだけどさ」



一気に心が冷めゆく・・・



エレン「・・・・・そうですか・・・」


ユミル「別に私はお前をそのことで追い込もうとは考えてない。取り敢えず答えてくれ」



エレン「・・・・・」


ユミル「お前は・・・あの日、喧嘩をしていたエレンか?」


エレン「・・・答えによっては、俺は仕事の方に影響は出ますか?」



ユミル先輩はまさかこの問に対して予想だにしない行動をとった



「は、はははっ!マジか!」



笑ったのでした


俺の思っていた反応と違ってた

いや・・・考え直せば逆にこんな反応をするのはユミル先輩だけだろう



エレン「・・・え・・・・?」



腹を抱えて、白い息を多量に出しながら大口を開けて笑うユミル先輩


ユミル「お前があのエレンだったか!なら合点がいくわ!」


合点がいく?

なんの話だろうか


エレン「合点がいくとは・・・何のことですか?」


ユミル「ふぅ・・・それはな。お前の存在だ」


エレン「俺の存在・・・?」


ユミル「お前は同じ高校だというのに顔を見たことなかった。全校集会、購買、登下校・・・帰る道でさえ一緒なのにお前とは会ったことなかった」


エレン「それは偶然で・・・」


ユミル「そして名簿だ。学年名簿にはエレンという男は1人しかいなかった。しかしクラスに行ってもエレンの姿はなかった」



全てが明らかになっていくことに別に俺は不安はなかった


何より、さっきのユミル先輩の反応に安心していたから


一番恐れていたのが、ユミル先輩が俺に恐怖を抱き、俺のクラスメイトのように距離を取ることだった



ユミル「私は本当にお前が同じ学校の人間なのか疑っていた程だ。そして・・・『ぼっち』という存在。それで私は理解したよ」


エレン「・・・・俺が例の人物と同一人物だと・・・」


ユミル「ははっ、まさかの展開だな。そこまで解れば色々な推理が可能になる」


ニヤニヤしながら口を止めようとしない

まるで推理小説の事件を解く時のわくわくに満ちているような


その姿は俺と少し被るところがある・・・なので理解できる

考えれば考える程、全てが繋がる事に面白みを感じるのだと



それに気付き俺はイラッとした



エレン「本当に・・・・察しがいい人って嫌いだ」


ユミル「それは自分を卑下してることだからな。お前の性格と態度を考えると・・・入学式の事件はお前の自己犠牲によるも」

エレン「はいはい、ご名答。じゃあもう学校行きましょ・・・」



ユミル先輩をおいてけぼりにし、粉雪が車によって押しつぶされた固い氷の道の上を歩き出す



ユミル「待てって!・・・しょうがないな。私と一緒に登校出来るなんて、相当の幸せ者だからな」


そう言い隣に駆け寄り、俺と同じ歩く速度で平行に歩きだす


エレン「俺は別にユミル先輩と幸せなんか築くつもりありませんから・・・」



少し黙り、ユミル先輩は「・・・・お前、怒ってるのか?」と疑問を問いかけてきた


その疑問に対し、俺は図星であり、その図星であることが恥だと感じた


悟られたくなかったから



エレン「別に・・・怒ってないですけど」


ユミル「はぁ・・・悪かった。地雷だったのか?」


エレン「だから怒ってないって言ってるだろ」


俺は少し声を張り上げた

ピクっと身体を反応させるユミル先輩


そしてユミル先輩の腕が後頭部に伸びる


あぁ。また意味なく殴られるのか・・・と覚悟を決めていた




ユミル「・・・・・ごめんな」



だがそれは変化球だった



エレン「・・・・なんで撫でるんだよ?」



女性でありながら、身長に恵まれてるユミル先輩の手は、身長相応に程々の大きさ


そんな・・・幼い頃に感じた母親を思わせる手で優しく流れそうように撫でる



ユミル「・・・・いや・・・そんなエレンを私は見たことなかったから・・・・悪いと思って。私にもそういうことあるからさ・・・」


俺を子供や犬と勘違いしてるのか?


エレン「もしそうだったとしても愛でたくらいで落ち着く程、俺は単純じゃないぞ?」



ユミル「そうかそうか・・・」



一向に行動を止めようとしない



エレン「いや、だからな?俺は今のは遠回しに撫でるのを止めろと言ってるわけでな」


ユミル「なんだよ。ほんとお前はノリが悪いな・・・私からの犒いや労りというものだ」


エレン「朝から、そんなテンションのユミル先輩が気持ち悪い」


ユミル「このっ・・・言ったな!」


肩にグイッと腕をまわしてきた

言い方を変えよう。それは腕をまわして首を締めるような形だ


エレン「・・・・・・はぁ・・・」



ユミル「しけてんなぁ・・・なんか反応しろよ」


エレン「ユミル先輩は温かいな・・・」


ユミル「きもい!」


瞬時に腕を解き、ジリっと少し後退りした


エレン「やっと離れてくれたか・・・」


ユミル「お前は簡単に自分を犠牲にするよな」


エレン「別に・・・・純粋な意見なんだけどな」


ユミル「・・・・ふーん・・」


エレン「ユミル先輩きもい・・・」


ユミル「は、はぁ!?」



エレン「そこはなんでもいいから否定しろよ。これを素直に受け止めるなんて・・・悪寒が治まらねえ・・」


ユミル「巫山戯るな。私の労りの気持ちをなんだと思ってる」


エレン「別に頼んだ覚えはない」



ユミル先輩を見ず、ただただ道をまっすぐ歩きながら受け答えをする



ユミル「だけど・・・受け取って損のない物だろ」


エレン「ユミル先輩はそんなことしなくていい。俺はただ普通な平和を謳歌できればいいんだ・・・だから無理に『らしくない』ことを起こされてもなぁ・・・・」


ユミル「つまんねえな」


エレン「俺はいつも通りのユミル先輩でいて欲しいって言ってんだよ。殴られるのは嫌だけど、それ以上に奇行な行為をするユミル先輩は嫌だ」


ユミル「ふーん・・・」



エレン「俺はいつもの平和が壊されたくない。ユミル先輩のその行為によって平和が変化したら・・・望まない未来がくるかもしれないからな」


ユミル「調子に乗るな」


エレン「アデっ!」



額に真正面から手刀がペシっとあたる


目の前に来たため瞳を閉じた末、反応が遅れ身体がふらつく



ユミル「全てがお前の望んだ未来になると思うなよ」


エレン「なんでそんなこと断言できる」


ユミル「人の思想はどんな人間であっても想像しえないんだよ」


エレン「・・・・・」




俺は『確かに』と納得した


自分の理想が浅はかだった


空へ向かって白い息が溜め息と一緒にはかれる



ユミル「お前なら、それくらい分かってるだろ・・・今まで人間関係が乏しいからって、少しくらいは経験してるだろ」


エレン「・・・・・そうだな」


ユミル「というか・・・・想定内の言動なんて何が面白いんだよ。すべてが想定内に収まったら・・・つまねえぞ」


エレン「ユミル先輩。俺は生きる意味はある・・・・でも、人生楽しみたいとは思ってるのかな・・・」


ユミル「知らん。少なくとも私は思ってるぞ」


「そっか」と答え、俺はそのまま学校あ歩みを進み続けた

今回はここまでです

一応読み返したらミスがあったので訂正します。
ユミルは1つ歳上ですので


読んでいただきありがとうございまち

訂正です
「そっか」と答え、俺はそのまま学校あ歩みを進み続けた

「そっか」と答え、俺はそのまま学校への歩みを進み続けた




こんな夢を見たことないだろうか?



道を歩いていた・・・・ただただ歩いていた


周りには人がたくさんいて、バカにしあったりしながら、皆笑っていて・・・


でも気付いたら、一人消えている

俺の見えているところで・・・また一人。また一人と・・・・


数えれるくらいになっていく


そして・・・



いつの間にか俺は一人で歩いている




どうして俺がこんな話をしたかって?

どうしてだろうな・・・



そんな夢を今日見てしまったのか・・・


そんな夢を思い出させることがあるからか・・・



仕方無く思い出しているのか




がらがら・・・と、少し年期のはいった扉を左でスライドさせる


ここに放課後向かうというのを始めて2ヶ月と少し



「エレン遅いぞ。時間厳守だ」



ライナー「お、おう。クリスタがそう言うのなら・・・」


クリスタ「エレン次からは遅れちゃダメだからね」


エレン「・・・・・」


クリスタ「・・・。・・・・じゃあ始めようか。今日は終業式の日の体育館の暖房器具の設備とー・・・



俺は夏休み前にリコさんと契約を結びました


生徒会の仕事を任されてました

ただし当初の話とは違い、後期役員として推薦で一斉に役員が決められたのです


俺はリコさんの推薦により書記になりました

訂正しますね



エレン「ホームルームの時間がちょっと伸びて、遅れてな」


「まぁまぁライナー先輩。エレンのせいじゃないもの。仕方ないですよ」


ライナー「お、おう。クリスタがそう言うのなら・・・」


クリスタ「エレン次からは遅れちゃダメだからね」


エレン「・・・・・」


クリスタ「・・・。・・・・じゃあ始めようか。今日は終業式の日の体育館の暖房器具の設備とー・・・



俺は夏休み前にリコさんと契約を結びました


生徒会の仕事を任されてました

ただし当初の話とは違い、後期役員として推薦で一斉に役員が決められたのです


俺はリコさんの推薦により書記になりました



そして会長は


クリスタ「暖房設備としては、灯油ストーブ6つです。社会科室と生物室、物理室のストーブ。合計6つを体育館に運びたいと思います」


この生徒会の資料を読み上げる、小さく金色の髪が似合う少女


時に間の抜けた失敗や空回りな発言をすら言わば天然と呼べる人間だ


ライナー「じゃあ、俺とエレンで力仕事はしよう。まぁ力仕事は男の力の見せ所だからな」


クリスタ「うん。心苦しいけど私じゃあんまり力になれないから、灯油を給油する仕事にまわるね」


年齢は俺と同学年に属し、会長に立候補したのは彼女だけというわけもあり、1年生ながら会長という地位についた


エレン「俺はブラ先輩の意見に反対だ。何が悲しくて力仕事をしなきゃならん」


ライナー「待て。ブラ先輩はないだろ?つか昨日までずっとライナー先輩って呼んでただろ」



エレン「なんか女性下着を常に着衣しているようなあだ名だな。もう恥も承知でブラ先輩と呼びましょう」


ライナー「その恥を受けるのはエレンじゃなくて俺だ。観点をミスしてるだろ」


そして副会長にあたるのがこのライナー・ブラウンという人


俺が誰なのかを知っていながら優しく接してくれる人だ


クリスタ「はいはい、話は終了。会議中ですよ」


ライナー「おう・・・すまん」


実質的には三人だ


三人で全てを補い合ってる状況


なんとも不憫で人気のない役職だろうか



高校生でこのような総務にあたる役職は就職や進学に大いに後押しするのに・・・


立候補又は推薦する人間自体がいない為、どうにもならないことだが



そして突如、「待たせたわね!」という声と共に扉が開かれた



エレン「待ってねえよ」


誰も憂鬱になんかになってもない

それとも、貴女が憂鬱なんですか?閉鎖空間とか作らないでくださいね

そんな紛いなりにも的確な対処をした



クリスタ「ペトラ先生遅いです」


ライナー「教育者としての自覚はあるんですか」



俺が推薦してペトラ先生を総務部の顧問にした


人の前に立つ仕事でもあり、責任感の試される役職


ペトラ先生の悩みには刺激を与えるものと感じたからである



ペトラ「エレン君が呼びに来てくれたら、私はいつだって駆け付けるよ」


エレン「じゃあなんで呼んでも無いのに来たんだ?」


ペトラ「もう!エレン君のイジワル・・・」


エレン「なんて嘘だよ・・・これからは早く来い。ペトラ先生がいなきゃ進まないことだってあるんだからな」


ペトラ「うん・・・ごめん」


エレン「ああ、もう・・・説教してるのにニヤつくな」



ライナー「先生とお前は仲良いな」


エレン「節穴先輩も同じで、あの会長と仲が良いご様子で」


ライナー「おい、つまりは仲が良いようには見えないと言いたんだな!まともにクリスタと目線も合わせれないお前が言えることか」


クリスタ「・・・・・・」


ペトラ「??じゃあ、話していいかな?今週の生徒会の仕事としては、暖房器具の設備と終業式の冬休みの過ごし方の連絡、そしてー・・・


終業式にする冬休みの過ごし方の生活指導とか本当に面倒だよな


逆に聞いて覚えてる奴なんているのか疑うし、常識を守れてる奴は大抵守れてる


でも、非常識な事を起こす奴がいるから連絡するのだろうけど、それが守れないから非常識なんだろう


そもそもが間違っており矛盾している




そして数分が経ち本日の総まとめをしようとしたとこ



エレン「力仕事の方はクラスの仕事としてまとめてもらう。3年にはストーブの設備。1、2年は大掃除。計30分で終わらす」


ライナー「また勝手に決めてからに・・・」


エレン「3年はストーブを運び終わったら給油のほうも頼もうと思う」


クリスタ「私達はそれを連絡するだけ・・・?」


ライナー「そりゃ俺らは楽でも、全校の下校時間とかが伸びるんじゃ」


エレン「別に良いだろ。俺らの都合の良いようで」


ライナー「は?そんな虫のいい話は気に食わん」



エレン「俺らは生徒会であるだけだ。役職に囚われ過ぎだ・・・考えてみろ」


ライナー「何をだ?」


エレン「俺はただの生徒の上に立つだけの存在でしかない。それイコール雑用をするという考えはおかしいんじゃないか?俺らが苦しむだけなんてやってられっか」


ライナー「生徒会は生徒の役に立つ為のものだ。雑用だろうが役に立つ為なら」


エレン「いいや違う。生徒会は、学校生徒の自治機構である。現代日本の多くの学校で、名称や権力の多寡の如何を問わず存在するもの」


ライナー「それが生徒の為になるのなら」


エレン「だから先輩は脳内がクリスタ一色の快適環境なんだよ。生徒会は生徒の意見を反映させるものだ。筋を通した上で俺は生徒としての俺の意見を反映させる」


クリスタ「!?」


ライナー「クリスタは関係ないっ!というかお前、そんなのが全校に通じると思ってるのか?時間を遅らせるなんて批判が出るぞ」



エレン「だからこそ、生徒会なんだ。生徒会の決め事に逆らえる生徒はいるのか?」


ライナー「それは職権乱用だ」


エレン「まぁ捉え方によっちゃそうだな。自分で決めて自分で権威を行使するなんて」


ライナー「お、お前なぁ!」


クリスタ「先輩。言い方は卑屈だけど・・・・エレンの意見は正しいよ」


ライナー「クリスタ!?」


クリスタ「あれだよ・・・3人でやるより、皆でやったほうが早いでしょ。それだったら平等にいこうってことだよ」


ライナー「・・・・そういうことか。なんかすまん」


エレン「いいって・・・じゃ、俺もう行きますね」



ライナー「なんで、いつもそんな早く終わらせたがるんだよ」


鞄を持ち上げ、席を立ち、椅子を机にしまう


エレン「別にいいだろ。保健室行きたいし・・・」


ライナー「お前、怪我してるのか!?大丈夫か?」



ガタッと俺の肩を握り締め、大声をあげる


この人はからかい甲斐がある。そしてとても優しい

人情深いというのが似合うだろう



クリスタ「エレン大丈夫・・・?」


エレン「俺は怪我したから保健室に行くわけじゃない。それじゃあな」




がらがら~・・・ピシャ・・



ペトラ「またリコちゃんのとこに・・・」


ライナー「リコちゃんって・・・・保険医のとこですか?」


ペトラ「エレン君、リコちゃん大好きだからね」


クリスタ「・・・・・・」


ライナー「2人は仲が良いんですか?」


ペトラ「夏休み一緒に旅行行ったり、保健室で雑談したり・・・エレン君の家に遊びに行ったり」


ライナー「へぇ・・・・友達みたいだな」

今回はここまでです

読んでいただきありがとうございました




Pi・・・ぷるる・・・・・



『もしもし・・・?』


「もしもし、ユミル先輩?」


『ん、どうした?今日は来れるか?』


「保健室寄っていくから、少し遅れるけど行く」


『もうお前目当ての客が来てるんだが』


「俺は看板娘でも何でもないんだけど・・・」


『看板息子だな』



「なんで男の制服姿なんて見に来たがるんだよ・・・ここの店の制服はそんな特殊なのか?それとも男が菓子作りすることが特別珍しいと思われているのか・・・?」


『いや・・・お前解釈ミスってるぞ』


「どういうことだ・・・?」


『はぁ・・・・気付いてないなら気付かないままでいい。まあ早く来れるなら出来るだけ早急に頼む』


「はいはい・・・そういや新しく入った奴はどうなんだ?」


『別に可もなく不可もなくだ。あいつはあいつだし・・・』


「・・・なんかすみませんね。俺が生徒会なんて入るから無駄に人員を増やす羽目になって」


『そうだな。・・・だが別に謝る必要はない』


「そう。じゃ、そろそろ切るから」


『またな』




ふわっと暖かい風が扉を開いたと共に俺の体にあたる



リコ「やっと来たか。全く女性を待たせるとは男としてどうかと思うぞ」



椅子にふんぞり返って座って男勝りな口調

コーヒー片手に、見た目は出来る女という雰囲気だ



エレン「リコさんが生徒会に推薦したくせによく言うわ・・・・で、何の用だ?話って」



部屋の中は空調設備が整っている為、ほんわか心地の良い暖かさ


怪我人の配慮をすべき所は無駄にお金がかかっているからな

ここを灯油ストーブなど使うと一酸化炭素中毒や酸素不足などの危険もあるし



リコ「唐突で悪いが・・・エレンはクリスマスは暇か・・?」



なんとも浮ついた発言



エレン「ぼっちに向かって何を言ってるんでだ?生憎、俺はその日は予定がぽっかり空いているけど、なんだ?自慢か?彼氏とデートでもする気か?いつの間にリア充になったんですか。リコさんがどこの誰かとイチャコラしてても嫉妬とかしないんで安心してくだ」


リコ「待て待て!なんかお前変だぞ。お前の文字数とか私がリア充とか・・・私に出来るわけなかろう」


エレン「違うなら違うって言えよな?勘違いしただろ」



内心ほっとした自分がいる



リコ「エレンはクリスマスに恨みでも持っているのか」



エレン「クラスのクリスマス会に無理矢理参加させられて、それで賑わってる中、部屋の隅で永遠と携帯をいじっていた記憶ならある」


リコ「・・・・・」


エレン「途中から二次会的な雰囲気出て俺を誘おうか誘わまいか騒ぎ始めた時、『別に誘わなくていいんじゃない?あいつ暗いしキモい』という女子の言葉を聞いた時は少し胸が苦しくなった」


エレン「だが問題ない。俺は別に暇だったが女子達を不愉快にさせない為に空気を読んで、家に帰ることにしたからな。二次会にクラスメイト30人中29人は参加してたらしい」


エレン「その次の日にクラスの集合写真みたいなのをクラス全員に配ってた奴がいてな、間違えて俺に渡して、周りの奴らが騒然となっていたな」


エレン「俺も取り敢えず『楽しそうだな。俺も行けば良かったな』と心にもないことを一言残して写真を返したよ。そいつも愛想笑いを浮かべてたな」


リコ「・・・・・申し訳ない」


エレン「別に謝らなくていい」



リコ「あっ!それで、エレンはクリスマスは暇なのだな・・・?そうか・・・良かった・・」



ふとももの間に手を挟み、目に見えるモジモジした姿を見せる



エレン「何度も言わす気か?リコさんも性格が悪くなったもんだ・・・」


リコ「違う!というかお前は卑屈過ぎる・・・その日は私と一緒に時を過ごさないか?」



なんとも忙しないリコさん


今度は手を前に出し、ピアノ奏者の準備運動のごとく、手のひらを合わせ、親指は親指に人差し指は人差し指にあて、開いたり閉じたりしている



エレン「俺で良いのか・・・?後で後悔しても知らないぞ」



リコ「私は・・・・寧ろエレンとじゃなきゃ駄目なくらいだ」



そんな頬を紅く染めてまで言うことなのだろうか?


別に今の今までクリスマスぼっちであったことが、そこまで『恥』であったのかが疑問である


俺もクリスマスは妹としか過ごす予定はないし、所謂家族と過ごすという、ぼっち特有のもっさい感じであったが、別に『恥』とは思わないんだが



エレン「そこまでか・・・。聖キリストの誕生日に心の底まで暗黒に染まったって知らんからな」


リコ「お前は三十路真っ只中の独身OLか何かか!?」


エレン「まぁ冗談はここまで。俺はリコさんとクリスマスを一緒に過ごせるなんて嬉しいよ」



正直、天にも昇るような高揚感


リコ「・・・・私もだ。エレン」


エレン「俺を上げに上げといて、最後に『冗談。勘違い乙』とか『ペトラと用事ができた』とかいうの止めろよな」


リコ「私が約束を守らない女に見えるか?」


エレン「でもリコさんは俺で遊ぶ癖があるし・・・」


前科何犯であろうか?


リコ「大丈夫だ。私が約束を守らないようなら、一発くらい殴ってもよい」



度肝を抜かれた

あまりにも極端すぎる発想に


その高すぎる覚悟の強さに身震いがする



エレン「なんだよ、その体育会系の罰ゲームみたいなのは・・・俺に女性を殴る趣味はないぞ」


リコ「いいや、構わんぞ。それなりの覚悟ということだ」


エレン「そこまで男らしいと寧ろ引きます・・・大人ならそれなりに考えれるだろ?こう・・・生徒会のしご

リコ「あ、あれか・・・?お前は私を従順に従わせ、雨津さえ私の身体を使ってあんなことやこんなことを・・・・」


エレン「飛躍し過ぎだ。それは大人な対応だと思うが大人と言っても世界が違う。そんな生々しい罰ゲームを幼稚な肢体をしている女性に強要するなんて俺、鬼畜過ぎるだろ」



・・・・・・・・・あっ・・・・・



リコ「・・・・・・エレン・・・」



『やばい』という声が頭の中に何度も何度も聞こえる



リコさんの目が眼鏡越しに見える


それはまるで・・・怒り狂った『シャー!』と鳴く獰猛な猫のような



エレン「コホン・・・・俺もう帰ります」


取り敢えず逃げようか


リコ「待て・・・私はお前の戯言に耳を傾けてやった。その戯言の中に良からぬ発言が聞こえたんだが?」


肩を掴み、逃げないようにグイッと寄せる


どうやら俺は逃げられないようですね

ありがとうございました



だがしかし


俺の巧みな話術を使えばリコさんの機嫌をとるくらい、子供に笑顔を見せるくらい簡単


一応、文系なんでね・・・

そんじょそこらの頭のいいやつとは脳内構造が違うからな・・・・・言い訳は得意だ



エレン「リコさんは世界一のセクシーボディですね。この水平線のごとく太陽が昇ることのない胸とかまさに俺の肘はそっち側には曲がらないんだ。いや、だから曲がらないと言ってい痛い痛い痛い痛い!!!」



「私は残念だ。保健室で怪我人を出してしまうなんて・・・・」



リコさんを怒らすと怖いんだな・・・

今回はここまでですので

読んでいただきありがとうございました



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ーーー



世の中の大半の人間が恋愛などという脳の混乱を抱えている


赤の他人になぜそこまで執心できるか


アルコールを摂取したがごとく、人は恋愛というものに盲目となり、考えが泥酔してしまう

はたから見れば、それが『恥』であり『苦』にも見える


片方が幸せなら片方が気を使わなくてはならない


『人』という漢字と同じだ

一人が片方を支え、一人が楽をする


『幸せのためならば』という如何にもそれなりのことを簡単に意義付けられるが・・・



はたしてそれは本当に幸せなのだろうか



幸せだ!それが幸せなんだ



そうしなければ、いつか離れてしまうかもしれない


最近は熟年離婚というのが多いだろう

理由は年金問題など色々あると考えられるが、そもそも・・・夫婦の関係に飽きが来ているからだ


それならば人は人に気を遣い、人と接していく

それこそが何よりも『続けていける』大事なことだと思う


それをバレないように生きていくのが腕の見せどころ



俺が無縁と考えている恋愛について何故考えたか


それを示すのに恋愛を対象にして説明するのが特に楽だからだ


俺とは1つ壁で区切られた次元の違うモノ


自分の損得に影響は出ないから



自分が違うのが分かってる

それこそ・・・捻くれた思考をしているから

だからこその『ぼっち』でもある



でも・・・恋愛するなら


恋愛くらい楽させてほしい


本音くらい・・・嘘をつきたくない



そもそも人を好きになったことが無いから、この考察が正しいのか誤っているのかは



不明である



だが俺の取り巻く人間関係は、例外無くこれを俺は続けていくことだろう





エレン「はぁ・・・イテテ・・」


「どうしたんすか!兄貴」


エレン「兄貴呼びやめろ。ここ来る前にちょっとな・・・」


「姉ちゃんから聞いたっす!エレンさんはあの伝説のセレブレイトブレイカーだったんすね!」


エレン「朝はあんな対応してたくせにユミル先輩はベラベラと。というか、その変な異名やめろ!恥ずかしい。なんだよ!?『祝いの破壊者』って」



「これからは兄貴って呼ばせてもらうっす!俺、伝説の兄貴の舎弟になりたかったっす」


エレン「そんなんだと姉ちゃん泣いちゃうぞ。えっと・・・常夏コンビの夏川のほう」


「そんなマイナーネタやめてほしいっす。出来れば声的に明久のほうに合わせてほしいっす」


エレン「じゃあなんだ?くみん先輩とは付き合えたか?」


「くみん先輩って誰っすか?俺はコニーっす!ただただ坊主だからって適当にネタにしないでくださいっす」



声が大きくて馬鹿だ

それが俺の初めてこいつを見た時の印象

それは今でも変わらない印象



夏休みが終わり俺は生徒会に入りました

それが影響し、このケーキ屋への出勤率は落ちた


そして仕方無くユミル先輩は1人雇うことにしました


それがこのコニーと名乗るユミル先輩の弟であり、真性の馬鹿です



エレン「感謝しろよな?」


コニー「何をっすか?」


エレン「お前の姉ちゃんが少しでも時間を大切な事の為に費やせるようになったことだ」


コニー「おおっ!兄貴かっけえっす!まじリスペクトっす!で、それはどういう意味なんすか?」


エレン「はぁ・・・ばか・・・・」



コニー「何を言ってるんすか?俺は天才っすよ」


エレン「ソウダナー」



自称天才。別の意味で天才と言える時がある


どこからそんな発想が出てくるのか・・・と感じる時とか

こいつの頭の中の引き出しがどうなってるのか本気で不思議になる


本当に別の意味で天才だ



コニー「そういえば、兄貴モテモテっすね!」



不意に「は?」と口に出した

考えず、それは仕方無くというか、反射的に



だって、全くを持って理解のしえない意味の分からない事であったから



コニー「意外と隅に置けないっす!最近は兄貴目当ての客ばっかりっすよ」



あぁそういうことか


それなら俺も把握済みだ

ユミル先輩にも今日言われたので



エレン「・・・あれだろ?夏コミに同人誌を買いに行って、どうせキモいおっさんが描いているんだろと思って来てみたら、実際描いてる人はすっげえ可愛い娘が描いてましたみたいな」


コニー「どういうことっすか?理解できないのは俺が馬鹿だからというわけじゃないっすよね?」


エレン「つまりは『意外』であるから、目立つ存在になっているということだ」


俺はなぜ自分の分かり易い例えを自分で翻訳しなければならないのか



コニー「そういうことっすね!さすが俺に次ぐ天才っす!」


こいつは尊敬しているのか見下しているのか



からんころん・・からーん・・・♪



エレン「俺に次ぐって・・・・・あ、いらっしゃいませ」


コニー「へい、らっしゃい!イデッ!痛いっすよ、兄貴!」


スパンっと坊主の頭を叩いたら綺麗な音が鳴り響いた


エレン「ここはそんな板前みたいな暑苦しい店じゃないんだよ」



コニーは「猛省っす」と頭を下げた


まぁこいつも真面目にやってるんだし、本気で怒る気にはなれないんだけどな



女子A「来てやったんだから感謝しなさいよ」


日に日に態度がでかくなるチミっ子


女子B「お兄さん今日は学校の制服なんですね」


学校から帰って、荷物を置いて、眼鏡を付けてきただけ

そして商品に髪の毛が入らないようにする為に三角巾をかぶり、エプロンを装備しただけの簡単な姿


エレン「時間が無くてな・・・。それと平行で特別なケーキは作ってないんだ。すまん」


女子A「使えない眼鏡ね!」



こいつも初めはこんなやつじゃなかったのに、どうしてこうなってしまったんだろう


誰のせいで・・・こんなふうに・・



女子B「眼鏡のお兄さんの作るケーキは私もこの子も大抵好きですから大丈夫ですよ」


女子A「ばっ!そ、そんなわけないじゃない!」


コニー「へぇ・・・・今度食べてみたいっす」


エレン「まぁ今日の売れ残り分は少しだけ安くするぞ」


女子A「えっホント!?やったぁ!・・・コホン。まぁ安くしてくれるなんて、眼鏡のくせになかなかやるじゃない」


エレン「眼鏡さんは処分という言葉が嫌いなんですよー」


女子B「ありがとうです!冷蔵庫に入れておけば、まだ明日にでも食べれますか?」


エレン「別に大丈夫だけど・・・・温度が低すぎると、生地が固くなったりするからな。気を付けるんだぞ」


女子A「ん?明日・・・どうするの?」


女子B「・・たくさん買って友達に分けようかなって・・・」



分かった。こういう原理でこの店は有名になったのか


そして、男の俺が作っているということも



エレン「優しいんだな」



ニコッとお客さんに向かい笑顔を見せた


おおっと!なんてどうでも良い事をしてしまったのだろう・・・


キモいと思われたら元も子もないからな



コニー「あれ?お二人方、どうしたんすか?後ろには特に何もありませんけど・・・?」



良かった・・・見てなかったんだな

運良く後ろ向いていてくれて助かった



エレン「あれだよ。夕日を見つめて黄昏たいお年頃なんだよ」


コニー「そうなんすか!さすがの観察眼っす」


エレン「最近の女子校生というのは夕日を見つめるなんて・・・渋いな」


コニー「俺もたまに猫とかついつい見つめてしまいます。渋いっすよね」


エレン「ソウダナー」


女子A「こ、この苺大福3つ頂戴・・・」


エレン「どうした熱か?体温計持ってきてやろうか」


その少女の顔は真っ赤だった


最近は冷えるからな・・・冬休み近いのに風邪になるとか萎えるよな

いや、顔が火照ってるようだし、もう熱なのか?



女子A「いいって!早くしなさいよ!」


エレン「風邪引いてたって知らねえからな・・・・ほれ、3つで360円だ」


女子A「別に心配される筋合いはないし」


エレン「そういやまた妹達に買っていくのか。・・・・・・兄弟思いなんだな」


女子A「っ~~!!」


女子B「・・・やっぱお兄さんはあざといなぁ・・」


エレン「あざといって・・・・俺だってもっと安くして売ってやりたいさ。でも別に悪徳な方法で商売しているわけじゃないから良いだろ?」


女子B「何を言ってるのですか?」


エレン「苺大福1つを120円って高いって話じゃないのか?」


女子B「・・・・・えっ」



コニー「別に兄貴が値段を決めてるわけじゃないっす!うちの姉ちゃんが値段を決めてるので、兄貴を責めないでほしいっす!」


まさかこの馬鹿が俺を庇うなんて・・


女子B「あの・・・・」


エレン「いいや、俺が悪い・・・俺が無駄に良質な材料を選ぶから材料費が・・」


こうした気遣いは時に損をする


女子B「すみません・・・意味を履き違えて・・」


コニー「きっと日本の景気が悪いせいっすよ!」


エレン「そうだな。数年前なら、これはもっと安く・・・90円で売っても良いくらいだしな」


女子B「そうじゃなくてですね!」


女子A「話しても無駄よ。お兄さん・・・・鈍いから」



ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー



ユミル「お疲れ、2人とも」


コニー「姉ちゃん!俺、兄貴の舎弟にしてもらったぜ」


どうにか説得して欲しいとユミル先輩に目線を送る


それにユミル先輩も気付き、理解したとウインクで反応した


姉の言う言葉なら弟も流石に従うだろう


安心した


ユミル「エレンはこう見えて面倒見が良いからな。頼るといい」


コニー「そうだよな!やっぱ姉ちゃんも分かってるな」



エレン「ちょっと待てよ!はぁ!?今のやり取りはなんだったんだよ!?」


ユミル「ん?お前は私に何か言ったか?私はお前の言葉を聞いてないんだが?」


明らかに嘘だと分かる態度でとぼける


確かに口に出さなかったのは俺が悪いが、しっかりとした反応をしたのは、どこのどいつだ



コニー「俺、一生連いていくっす!」



ニカッと野球少年のような屈託の無い笑顔を見せた


なぜか断ることが罪に感じた

いや『なぜか』ではないな

子供の期待を裏切るのに罪悪感があるのと同じ事か



エレン「はぁ・・・付き纏うのは自由だが、迷惑を掛けるのは止めろよ」


コニー「兄貴ぃ!」


エレン「やめろっ!くっつくな!暑苦しいし、俺にそんな趣味はない!」


ユミル「はははっ、エレンがんばれよー」



どうでもいい関係性を組んだ瞬間でした



エレン「その『~っす』口調はどうにかならないか?」


コニー「別にいいっすけど、俺にとってはこれが敬語のつもりっす」


エレン「なら、タメ口でも構わない」


コニー「じゃあそうするぜ!兄貴!」

今回はここまでっす

更新遅くて申し訳ないです

読んでいただきありがとうございました

今さらだが、生徒会長がクリスタなのになぜメンバー、エレンとライナーだけなんだ!?


あとエレンさんはクリスマスはミーナと過ごさないの?

>>125

多分書いたと思いますが、
3人以外、立候補も推薦もされなかった
ということです

二人は一緒に過ごしますよ




クリスタ「・・・ーなので、冬休みは充実させると共に青春の1ページとして思い出も作り、安全で健康なものにしましょう。以上、生徒会長クリスタ・レンズ」


「一同、礼」



・・・・・・
・・・・
・・



終業式は半日で終えました



アルミン「午後はどうする?」


エレン「今日は生徒会の資料の提出だけだし・・・遊びに行くか?」


リコ「寄り道は良くないぞ。行くなら私も連れてけ」


アニ「話の前後が合ってないです」



リコ「今日のクリ・・・クリ・・・・生徒会長の言葉を聞いてな・・・ケホケホッ」


アニ「投げた・・・」


リコ「『青春の1ページ』という言葉が・・・私の感じた事のない感情だと思ってな」


エレン(小声)「つっこむなよ?」

アニ(小声)「分かってる」


リコ「青春のない私に青春を学ばせてくれ。私の脳内に刻ませてもらいたい・・・私の知らない世界はどのくらい壮麗で煌びやかで・・・・理想を遥かに凌ぐものなのか」


エレン(小声)「リコさんいい話っぽく語っているけど、これはただの行き遅れの発言だ・・・」

アニ(小声)「私・・・泣きそう・・・・」

エレン(小声)「・・・俺も泣きそう・・・・」


アルミン「あはは、じゃあ一緒に遊びに行きましょうか?」



エレン「じゃあ俺は生徒会の資料を出してくるからな」


アニ「私も一緒に行こうか?」


エレン「大丈夫。一人で行くって・・・」


アニ「早く頼むよ・・・?」


アルミン「僕もうお腹すいたよ」


エレン「分かってるって・・・んじゃ鞄持って昇降口で待っててくれ」


アニ「わかった」


アルミン「うん」


ーーーーーー
ーーーー
ーー


クリスタ「・・・・これで全部ね」


クリスタ「ありがとね」


エレン「どうも。じゃあ・・・」


クリスタ「あのさ・・・エレン。このあと」


エレン「生徒会以外のことで俺はお前と関わるつもりはない・・・それをわかった上で話を続けてくれ」


クリスタ「エレン・・・」


エレン「無いなら、俺は行くからな」


クリスタ「・・・・・話くらいさせてよ・・・」



ーーーーーー
ーーーー
ーー



青春とは一概に良いものとは言えない


部活や恋愛に夢中になることで勉強という学生の本分を忘れてしまいがちになってしまう


遠足と同じだ。行って帰ってくるまでが遠足

なら青春だって、遊んで勉強するまでが全てだ


そもそも青春とは何なのか


青春の意味を履き違えているのかもしれない


日本では特に『青春』について人生における若く未熟で、しかしながら元気で力に溢れた時代を指すようになった


リコさんに対してそれは青春を学ぶというの確かなものか



いくら成人を迎えていたとしても、高校→大学とそれまでは、まだ学生という立場であった


社会人としては未熟者


それはまだ人生においてまだ未熟であるのか・・・

俺には正直その定理が分からない


リコさんは確かに若くして未熟者、それなりの元気も持ち合わせている


それでも成人を迎えた人間に対して、青春の二文字は似ても似つかない・・・不愉快といってもいい


日本語が曖昧であるから、人の頭を混乱に導く



故に、俺はこの混乱から匙を投げた




エレン「ほらマフラー貸してやるよ・・・寒いだろ?」


アニ「ありがと・・・」



アニはマフラーを口あたりまで埋める


マフラーは少し大きかったのだろうか



エレン「人間は首元を冷やしたら1番危険だからな?首にはたくさんの血管と神経が通っていてな冷やしすぎると全身に異常をきたす恐れがあって、冷え性の原因にもなったりする」


アニ「あんた話が長い・・・」


エレン「そうか?俺は伝えたいことを一気に詰めて話しただけだ」


アニ「血管や神経の話いる?首元を冷やすと危険だけでいいでしょ」


ごもっともで



リコ「私はエレンと同じタイプだな」


アルミン「あぁ、確かにそうですね」


リコ「後からグチグチ質問されるよりかは、一挙に伝えて、聞き直してきたら『聞いてなかった方が悪い』と言いたい」



自業自得を身をもって知らしめるというサディステックなトラップだ

あざといというか・・・ずるい



エレン「うわ・・・教師向いてないだろ」


リコ「にしても寒いな・・・くしゅっ」


エレン「そうか?今日は冬にしては暖かいほうだと思うんだが」


アルミン「あっ!ほらファミレス行こっか」



エレン「そうだな・・・室内だからあったかいし、そこで行くとこも決めようか」


アニ「なんだか・・・こういうの初めてだから楽しみ。放課後のファミレスって」


リコ「恥ずかしながら私もだ・・・なんか罪悪感という刺激で気持ちが高ぶるな」


つまり緊張しているんだな


まぁ俺も少しわくわくしてるんだがな


アルミン「あ、あはは・・・僕も」


きっと皆思っただろう


アルミンは初めてじゃないと

無理に合わせたのだと



ーーーー
ーーー
ーー



エレン「ここのミートスパおいしいな」


アルミン「うん。意外とおいしい」


エレン「アニ、ここにケチャップついてるぞ?」


自分の口周りを指さし、アニにその場所を伝える


アニ「あっ、ほんとだ・・・」


アルミン「アニはおっちょこちょいだね、あはは」


アニ「・・・・・」



恥ずかしがる素振りを見せ、アルミンはそれに見惚れてる


確かに・・・分かる。今のアニは可愛かった



アルミン「斯く言うエレンも口の下にスパゲティのソース付いてるよ」


アニ「ふふっ・・・・」


仲間を見つけて気が楽になったのか、口を拭きながら笑うアニ



エレン「・・・・・舌を?んだ・・・」


アルミン「えっ!?それは血かソースかどっちなの!?」


刑事ドラマなどで被害者が亡くなっている時のように、口からタラーと一本の筋になって血が流れてる



アニ「・・・・ふふっ」



アルミンと俺のやりとりを見て、口を押さえて影ながら笑っている


俺は机の端に有る口拭き用の紙を使い口周りを拭いた



リコ「ちょっとお花を摘んで枯らして種を埋めに行ってた・・・」



そしてリコさんもお手洗いから帰ってきたようだ


さて、誰がこのどうでもよいボケを突っ込むのか・・

植物に優しいのか優しくないのか分からない行為だな


容易に訳せば『二度手間』というものだ



アニ「おかえりです」


リコ「!!」


アルミン「どうしたのですか・・・?」



突っ込まない流れか・・・

少し期待してたんだけどな



リコ「た、ただいま・・・と言えば良いのか?」



初めての行為に対し、戸惑いを見せる


何でもは知らない。知ってることだけのリコさんのこんな姿は相当珍しい



アルミン「それでいいんじゃないんですか。それが日本式の挨拶の仕方ですし・・・」


エレン「ふぁっふぁ、ほうひふほほっへ、ふぁひひふぁほ、ほほふほ」

※やっぱ そういうことって 大切だと 思うぞ


リコ「・・・これはどこの国の挨拶なんだ?私は試されてるのか・・・?」


アニ「エレンさっき舌を?んだんです」


リコ「そうなのか。くしゅっ・・・」


アルミン「エレン、舌は大丈夫・・・?」



取り敢えず、親指を立てて安否だけは確保させといた




そして楽しい時間はすぐに去りゆきました


服を買ったり、アクセサリーショップというとこへも寄った


エレンとアルミンは何やら乗り気ではなく、正直私もそこまで乗り気ではなかった

アニが服を眺めて、エレンがアニの服のセンスにケチをつけたり・・・



結果的にペットショップで動物を見るというのが最も盛り上がった


アルミンが手を叩くと子犬がたくさん寄ってくるというのを見ると、とても微笑ましかった

エレンが手を叩く、キャンキャン吠えてエレンがションボリしていて可愛かった

い、犬がな!?犬が可愛く吠えていたんだからな?



そんなこんなで解散し、家に帰った後の話




【リコさん】

件名:無題

本文:


本日はとても充実した1日であった

特にアニの服のセンスの無さには圧巻だった

またこういう事に誘ってくれれば嬉しい限りだ


さて、今年もクリスマスがあと5日と迫ってきてる


この前の約束をエレンは覚えているか?

そろそろ計画を練りたいと思う

冬休みに入り、エレンと会う時間がないからこれで連絡させてもらう

今日、話そうと思っていんだが忘れていた

申し訳ない



【エレン】

件名:Re

本文:

時間があったら、いつでも誘うから


そうだ。クリスマスは、うちに来るか?




【リコさん】

件名:Re

本文:

愚か者!

いくら聖夜だからってな、そういうのは大人になってからだ


そこまで女性というか・・・

私に興味があるのか?




【エレン】

件名:Re

本文:


なぜ俺、怒られた!?


別に興味ないわけじゃないが、今はそんな話はしてないけど




【リコさん】

件名:Re

本文:


今すぐ私のさっきの返信を消してくれ





【リコさん】

件名:Re

本文:


消したか?




【リコさん】

件名:Re

本文:


消したんだろうな?



,



【リコさん】

件名:Re

本文:


返事がない・・・

今から確認しにいくぞ?




【エレン】

件名:Re:皿洗ってて遅れた

本文:


メールの量とか言い方とか色々怖い・・・


消しましたよ。これでいいか?


早く話の方続けるぞ



【リコさん】

件名:Re:そうだったか

本文:


クリスマスはエレンの家で祝おうという話だな

それでいいのか?

私は構わない




【エレン】

件名:Re

本文:

アニとアルミンも呼ぶからな


あとリコさんはぺトラ先生でも呼んでくれないか?

俺、ぺトラ先生の連絡先知らないんで



【リコさん】

件名:Re

本文:


承知した


時間があるなら、ひとつ聞いても良いか?




【エレン】

件名:Re

本文:



時間なら余るほどある


どうした?



【リコさん】

件名:Re

本文:

エレンは女性のこういうとこが好きとかいうものはあるか?

別に私が聞きたいわけじゃないからな!?

ぺトラのやつが聞けと言ってきたんだ

私が知りたいわけじゃないからな!



【エレン】

件名:Re

本文:

そんな何度も言わなくてもいい


それならクリスマスの日にぺトラ先生に言うことにするわ



【リコさん】

件名:Re

本文:


待て!

私からぺトラに伝えるから

だから今、言うんだ



【エレン】

件名:Re

本文:


リコさんに言う必要あるか?



,



【リコさん】

件名:Re

本文:


ほら、私がパイプ役をすればすぐに伝わるだろう?

それにぺトラもエレンの好みの


だから、私だけに言え




【エレン】

件名:Re

本文:


私だけ・・・?




【リコさん】

件名:Re

本文:


言葉のあやだ!

それじゃまるで、わたひがえれんの趣味を聞きたいみたいな良い方じやないか




【エレン】

件名:Re

本文:


変換とか色々変になってんぞ


まぁいいや。

俺は髪を結んでいる女性が少し好みだと伝えておいてくれ



【リコさん】

件名:Re

本文:

わかった・・伝えておく


じゃあ・・・・またね




【エレン】

件名:Re

本文:



リコさんが「またね」とか可愛いな

口で言ってるところ見てみたいな


じゃ、またクリスマスの日にな



【リコさん】

件名:Re

本文:



エレンのばーか


絶対に言うものか




Pi・・・



リコ「送信っと・・・」



携帯とは意外と疲れるものだ


長時間使用すると、目が痛いし、指がつりそうになってしまう



最近の若者は、どうしてこれをいつまでも見つめていられるのか

不思議でたまらない


斯く言う私もエレンとのやり取りに熱中してしまい見つめてしまった


それがこの疲労感か・・・



リコ「にしても『可愛い』はないだろ!あのバカ者が・・・」



枕に顔をうずめて布団に八つ当たりをする



リコ「あーもう!顔が火照ってしまったではないか」



時に私は不安になる


つい、ついてしまった嘘に心苦しくなる



バレてしまったらどうしよう

ぺトラと話を合わせれば良いか?


いいや、ダメだ!


恥ずかしい・・・



私は自分の愚行に憤りを感じる



リコ「もう!どうして私はいつもこうなのだ!」



嘘をつくのが苦手なくせに、簡単に裏が取れてしまう嘘をついてしまう


いつもエレンはすぐに私の嘘を見破る


どうしよう・・・どうしよう・・・・・



・・・・いやポジティブにいこう



つまり、私はエレンがぺトラに確認しないことを願うしかないのか


もしくは


あと5日でエレンが忘れてくれてることを願うのみ


「はぁ・・・」と溜め息が漏れる


良い方向へ考えたが可能性が低い


私はどうしてここまでエレンを思ってしまうんだ




ぷるるるる・・・Pi・・・・




【エレン】

件名:Re

本文:



そういうリコさんも俺は可愛いと思う


なんてな




リコ「だから・・・・だからなぁ!もう顔を冷やしてくる!エレンのあほったれ!」



そして、私は考える事を止めて

携帯を布団に投げつけた

今回はここまでです

グダグダ感あってすみません
どうでもいい伏線を立てたがる>>1なんです

読んでいただきありがとうございました




大気中の水蒸気から生成される氷の結晶が空から落下してくる


大きさは、およそ0,4mmの結晶


触ったらすぐに溶けてしまう程、儚くてひ弱なもの


それは観賞するものなのか

はたまた鑑賞するものなのか


初めて人類がそれを理解したのはいつ頃だろう


『雪』というものに


霧雪と呼ばれる細かく小さい粉雪が程々に視界を覆っている




「お兄ちゃん、お客さん来る前に私お風呂入ってくるね!」


「あがった時、湯冷めするなよ」


「はーい!」



朝方に雪が降り始めた


天気予報によると今日は1日降雪日和


外に水を2時間ほど放置したら簡単に氷を張ってしまうくらい寒い


取り敢えず電気ストーブを効かせ、部屋はそれなりに温かい


ふぅ、と一先ず落ち着いた


考え直してみたら『ぼっち』がクリスマスパーティーらしき『リア充』のイベントを催そうなんて天地がひっくり返っても有り得ないことだったのに・・・



いつもなら2人でテレビ見て

そこそこ豪勢な料理を2人で食べて

2人で笑い合いながら会話して・・・


特別普段とはそこまで変わらない妹との日常であった


それがなぜだろう

人が来るということで話が変わってくる

すること自体は、そんな変わりない

皆で食べて話して・・・変わらない

だけど、それが前者とは違う



ピンポーン・・・



なぜだか分からないけど




「どうぞ、鍵あいてるんで」



楽しみで仕方ない




エレン「あれ?なんか顔、赤くないか?」


ぺトラ「少し飲んできたんだ~」


エレン「はぁ・・そんなんでよくここまで来れたな・・・。にしても、ぺトラ先生早いな」


ぺトラ「だって暇だったし・・・」


エレン「クリスマスに予定が無いとかダメな独身だな」


ぺトラ「予定あったけどエレン君との予定を優先させたの!予定なかったわけじゃないもん」



エレン「別にこっち優先させなくてもいいのに・・・」


ぺトラ「素っ気ないなぁ・・・私を誘ってくれたのエレン君のくせに」


エレン「誘わなかったら誘わなかったで、後でぐちぐち言ってくるのは誰でしょうね」


嫌味ったらしくそれを伝えると、ぺトラ先生は「ツンツンしちゃって・・・可愛いじゃない」と息を荒らげながら言った


エレン「・・・・?」



ハァハァと漏れる息の音


走ったりして疲れたのか?と疑問を抱きながら、そこまで気にすることなくぺトラ先生の荷物を持ってあげようとした




すると、ぺトラ先生は「うりゃ!」という掛け声と共に押し倒そうとしてきた



ドンっ!と大きな音と共に・・・




ぺトラ先生が廊下の床と口づけを交わした



エレン「あっぶねえな!ばかじゃねえの!?」


声を荒げる。自分の反射神経の高さに感謝している


ぺトラ「いたた・・・。どうしてエレン君は私から逃げるの・・?」


エレン「襲われそうになって逃げちゃまずいのか!?」



必死に説得している中、お風呂場の方から『お兄ちゃーん?大きな音がしたけど、お客さん?』と篭った声が聞こえる



ぺトラ「あれ?ミーナちゃんいたんだ」


辺りを見渡すぺトラ先生


エレン「ミーナには手を出すなよ」


いかにもアニメの主人公みたいな台詞を吐いた自分


すると、何を思いついたのかぺトラ先生はアニメの敵役がごとく悪魔のような微笑みをニヤリと見せた


悪寒が走った瞬間であった



「じゃあ・・・」と無駄に大人の色気のような声で喋り始めた


ゴクリと唾を飲む



ぺトラ「私が、ミーナちゃんに悪戯するか、エレン君がセクハラされるか・・・どっちか選んで?」



キリストの誕生日になんて最低な事を考えているんだ、この雌は!



ぺトラ「別にエレン君は断ってもいいんだよ?その代わりミーナちゃんが・・・ふふふ、分かるよね?」



なんともいやらしい。思考も行動も・・・やり方も


アルコールか!?アルコールのせいか!?



エレン「そんなことして何が楽しい!?」



ぺトラ「楽しいとか楽しくないとかじゃないよ・・・・することに意味があるんだよ」


意味がわからん!


下手な展開になるくらいなら、ここでぺトラ先生を戦闘不能にしてやってもいいとも考えている



ぺトラ「はい。残り時間5秒ね」



時間制限をかけてきやがった

なんとかこのまま適当にやり過ごして、有耶無耶で終わらすつもりだったのに


光に満ちた目が身体を舐め回すように見つめてくる



エレン「他に選択肢はないのか!?」



ぺトラ「4秒前。んー?私がエレン君を好きに色々しちゃう・・・とか?あと3秒前」



ほとんど変わらない選択肢に絶望を感じる



・・・・・・・仕方ない・・



ぺトラ先生の隙をついて戦闘不能にしよう



ぺトラ「変なことは考えないことね。私は合気道三段よ。はい、2秒前」



なんか急に最強設定がきた!


すべての思考が初期化される

すべてが水の泡になってしまっからだ

訂正です
すべてが水の泡になってしまっからだ

すべてが水の泡になってしまったからだ




眼前に立つ見栄えだけは一丁前の大人の女は、明らかに勝利を確信した態度でニヤニヤと薄ら笑いを浮かべてる



汗がたらりと頬をつたう



作戦は決まった



「ぺトラ先生を倒して、俺も死ぬ!」




ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー




「ふぅ、いい湯だった」とバスタオルで髪を拭きながら廊下を歩き、リビングの扉を開けた



ミーナ「お兄ちゃん!?と、ぺトラ先生!?」



ミーナの目には信じられないものが映っただろう



ぺトラ「エレン君あったかいじゃん・・・・冷えた体を温めるのにちょうどいいよ」


エレン「俺もぺトラ先生を抱き締めてやりたいんで、この腕を離してください。抱き締めて殺りたいんで!」


ぺトラ「やだ・・・エレン君、私のことそこまで大好きなんだ。でも離さないよ」



ぺトラ先生の右手は俺の両手首を痛くなる程にギュッと握り締め、左腕を背中に回し、両足は腰から下に絡みつけてくる


まるで蛇が獲物を捕まえた時逃がさないようにするような・・・・それを彷彿とさせる状態



ミーナ「お兄ちゃん大丈夫!?」


エレン「大丈夫見えるか・・・?助けてくひうっ!」


ぺトラ先生の小さく程々に柔らかい舌が首を下から上へとスライドさせられる


何かが込み上げてくるようにゾクゾクと気持ちの悪い感覚が湧いてくる



エレン「ホントにやめてくれ・・・気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い」


ぺトラ「びくびくしちゃって可愛いなぁ・・・」



こんな展開望んでない!


そもそも知り合いにこんなことされたくない!




今頃後悔する



ぺトラ先生を誘ったことを



まさかぺトラ先生がチートキャラだったなんて俺は知らなかった。知る由もなかった



「お兄ちゃん顔真っ赤・・・」

ボソッと何かをミーナが言った気がする


だが俺の耳には心臓のドクンドクンという五月蝿い音のせいで何も聞こえなかった



本気でやばい・・・



なんかミーナは見つめてるだけで何もしてくれそうにないし、ぺトラ先生は気色が悪いくらいに調子乗ってるし




ギリっと睨みつける


ぺトラ「あれだよね・・・・レイプ眼って興奮するよね」



あれ?今頃だけど。この人、教師だよね?

あれ?というか、あなたこんな人でしたっけ?

あれ?俺がこの人の本質知らなかっただけ?


多過ぎる疑問に頭を抱える



ぺトラ「じゃあ、そろそろお姉さんが脱ぎ脱ぎさせてあげる」


「じゃあ・・・私はお邪魔そうだし自分の部屋に戻るね」と言い、去ってゆくミーナ




今すぐにこの場から逃げ出そうと藻掻くも、ダメだ


あまりの強大過ぎる力にどうしようも出来ない


俺はただ俺に悪戯をし続けようとするぺトラ先生に対して、恐怖に震えるしか出来なかった


怖い・・・なんなんだ、この女は。俺を本当にどうしたいんだ


この生き物は俺をどうするつもりか


一体どうするんだ・・・考えに考えた



・・・・・俺を食うつもりか?



その結果に至った瞬間、俺の頭はいよいよ恐怖で埋め尽くされた




ピンポーン・・・



天国から平和へ導くチケットが配布される音が聴こえた



俺は声を精一杯張って


「誰でもいい!助けてくれ!」と震える声を抑え無理して叫んだ



チャイムがなった瞬間、ぺトラ先生の笑顔が歪むのが見えた



『どうしたんだい!?強盗かい!?』



外から聞き覚えのある友人の声が聞こえた



ガチャっと鍵のかかってない扉が開けられ、ドタドタと走って家の中へ駆け上がる



エレン「アルミン!!」


アルミン「・・・・・・え・・・・」



口をポカーンと無造作に開けていて、状況が飲み込めないといったご様子



ぺトラ「先生とエレン君は今いいところなの。邪魔しないでくれるかな?」


ニコッと綺麗な笑顔をアルミンに向ける



アルミン「あ、えっ・・・・は、はい」


なぜか了解したアルミン



そしていつの間にか背中に回わされていた左手が俺の口を押さえ込んでいて、喋ろうにも喋れない状態


エレン「んーっ!んー!」


アルミン「ちょ、ちょっとトイレ借りようかな・・・・」


ぺトラ「トイレなら玄関のすぐ左だよ」


スタスタとリビングから逃げるように去ってゆくアルミン



ぺトラ先生は再び悪魔のような笑みをし、徐々に俺の耳元に顔を近付ける


いよいよほんのりとシャンプーの香りが立ちこめ、俺はもう心も体も硬直してしまっていた



もはや救いの手を失った俺は、ぎゅっと目を瞑るしかなった


そんな緊張感を吹き飛ばす様に、ぺトラ先生は耳元でこう呟いた



ぺトラ「・・・・いただきます」



そう言った瞬間であった



「ぺトラ先生・・・・あんた、人の親友に何をしてるんだい?」



今回ここまでです

読んでいただきありがとうございました

たいしたヤマも無ぇし単にクドイだけでツマラン

>>189
ここまで長文を読んでいただきありがとうございました

こちらとしても、それを考慮してもっと面白く書いていければと思います

アドバイスありがとうございます




卑屈に歪んだ顔が俺とぺトラ先生が見つめていた



「あなた・・・・誰?」と少し場を騒然とさせる一言を、ぺトラ先生はキョトンとした顔で呟くように言いました


初対面なのか?


この2人は面を向かって会話したことないのか?

改めて考えると俺のいる所では確かに、そうだ



「そんなことより、今あんたが何をしてるかが問題なんだけど」



話の本筋を的確に指摘する



リビングの扉の前に立っていたのは冷血委員長こと、アニという俺の親友でした


穢らわしいものを見るかのよう

ゴミを見るような蔑んだ目で俺達を見下すアニ



ぺトラ「え~、言わせちゃうの?どうしよっか、エレン君」


何を求めているか分からないが俺は今、あんたに口を押さえ込められてるんだよ


アニ「嫌がってるように私は見え・・・っ!?」


エレン「んんっ!」


アニ「あんたねぇ!人が話してる途中で何してるのさ!」


ドンっと大きな音が響く


突き抜けるのかと思わせるような程の力量で床を踏み込んだ




ぺトラ「ほっぺた舐めただけだけど・・・?」



それをする事が当然の行為ように、なぜ言えるのか


逆にその勇気を讃えたいくらいだ


アニ「!!」


その言葉を聞き、ぶちっと何かが切れたような音が聞こえた(気がした)

そして木々が揺れ、風がざわついた(気がした)


アニ「エレンから離れてくれないか?」


ぺトラ「えー、やだよー!エレン君もギュってされたいもんね」


根拠のない事を何を同意した口ぶりで言うのだろうか

勘違いも甚だしい



アニは、ふぅ・・と1度心を落ち着けて、いつものような冷静な顔に戻った



アニ「・・・・私の堪忍袋の緒はもう限界。次、巫山戯た事を吐かすのなら私は歳上だろうと手を上げるよ」



さっきの精神統一のような行為はなんだったのだろうか


全くを持って落ち着いてなどいなかった


拳を握り締めぷるぷると震えてる



ぺトラ「別に私とエレン君がイチャつこうと、あなたには関係ないじゃない。えへへ・・・」


アニ「道端に死にかけの人間がいても、あんたは助けないの?」


ぺトラ「道端に自分が飼ってる猫いて、その猫が他猫と交尾している姿を見て、あなたは邪魔するの?」


どっちもどっちな理屈のぶつかり合い



アニ「もう・・・力ずくでも引き離す・・」


我慢の限界を迎えた


それは喧嘩上等の不良のごとく指をパキパキと鳴らし近寄ってくる


俺は思い出した

俺とアニの最初に出会った日を

もの凄い形相でビンタをしたあのアニを

思い出すと鳥肌が立つ


近づく足音・・・妙に時間が遅く長く感じる


まるで俺まで殴られてしまうのではないかと思わせる程の威圧感



どうして俺はこんなことに巻き込まれなくてはならないのか・・・


俺が何か悪いことしたか?

俺が思うにぺトラ先生には助けた事しかない

背負うのは感謝しかない

オカルトチックにいうと俺は、祟られているのか呪われているのか



そういえば、煮込んでいたホワイトシチューがそろそろ良い頃合いかな

煮込み過ぎるとじゃがいもが溶けて、少し喉に詰まる感じになっちゃうんだよな

ミーナはいつも『お兄ちゃんの作るシチュー大好きだよ』って言ってくれるんだよな



取り敢えず現実逃避は止めようか



アニ「覚悟しなさい・・・・・・・・よ?」




ーーーーーー
ーーーー
ーー



リコ『あー、へくちっ・・・お前、私が泊まった日のこと覚えているか?』


エレン「覚えてるが」


リコ『覚えてるなら話が早い。ぺトラのやつな、酒を飲むと利己的というか自分本位というか・・・・エゴイスティックになるんだよ』


エレン「そうなのか!?」


リコ『コホン・・・普段のぺトラは、お前の初対面の時のぺトラとは別人だろ?』


エレン「そういえば・・・そうだった。人間、初めての印象がその人の人間性だと感じてしまうからな。ずっとダメ人間だと思ってた」


リコ『はははっ、そうかそうか。あいつ学校ではちゃんと先生としての仕事を全うしてるだろ?コホコホッ・・』



エレン「教師だしな」


リコ『それにぺトラは真面目に生きてるってくらい・・・・お前が1番知ってるだろ?』


エレン「あ、あぁ・・・」


リコ『そうだ。ちょっと仕事が立て込んでてな、少し遅れるかもしれん』


エレン「・・・・わかった」


リコ『んじゃ、電話切るからな』


エレン「・・・・・おう。じゃあ」



Pi・・・つーつー・・・・・



「聞いたよ」と言い、当たり前のように耳を澄まして盗み聞きしていたアニ



ぺトラ「すぅ・・・すぅ・・」


何もなかったかのようにグッスリ眠っている



先程、アニが強行手段に移ろうとした瞬間にぺトラ先生は取り憑いていた悪霊が成仏して消えたかのように、一気に力が抜けて気持ち良さそうに眠ってしまったのだ


本当にこの人は悪魔だ



アルミン「ぺトラ先生、凄い人だったんだね」

苦笑いの見本といったばかりの表情


アニ「悪い意味でね」


エレン「はぁ・・・ここまでどうしようもない人間だとは思いもしなかったよ・・・・」


アニ「どうしようもならない」



エレン「勝手に聞くなよ。まぁ説明無くて済むけどさ」


ぺトラ「すぅ・・・すぅ・・」


何もなかったかのようにグッスリ眠っている



先程、アニが強行手段に移ろうとした瞬間にぺトラ先生は取り憑いていた悪霊が成仏して消えたかのように、一気に力が抜けて気持ち良さそうに眠ってしまったのだ


本当にこの人は悪魔だ



アルミン「ぺトラ先生、凄い人だったんだね」

苦笑いの見本といったばかりの表情


アニ「悪い意味でね」


エレン「はぁ・・・ここまでどうしようもなく屈強な人間だとは思いもしなかった・・・・」



アルミン「今まで見てきたぺトラ先生が嘘みたい。本当に・・・エレンの貞操がとられそうだったね」


エレン「そんな恐ろしい事を平然として語るなよ・・・思い出したら鳥肌が止まらない」



そんな悪寒も露知れず、ぐーすかと熟睡中


この寝顔を見ると、さっきまで密着していた時の悪魔の諸行など嘘のようだ


取り敢えず毛布を掛けておく



エレン「アニ、悪いけどさ・・・煮込んでるシチューの様子見てきてくれないか?」



さっきの惨劇中に気にしていたことをアニに頼む


膝の上で、天使のような寝顔をしている女性を起こさぬよう安らかに眠らせておくために




一瞬は疑問符を浮かべたものの、いつもの調子で「いいけど・・・」と呟くように言った


それと同時にアルミンが

「良いにおいがするね。料理はぺトラ先生が作ったの?」と、くんくんと鼻を効かせながら言った



エレン「こんな人が作れるわけないだろ。それは、俺が作ったに決まってんだろ」


アニ「・・・・」


アルミン「・・・・・」



あれ、間違えて一時停止ボタンでも押してしまったのか?と数秒間アルミンとアニが口を閉ざす


エレン「おい、なんだこの間は!?」



俺の言葉を聞き、2人はハッと反応して



「あんた・・・嘘は良くないよ」と、アニは馬鹿馬鹿しいといった態度で、シチューの様子を見に行く為にゆったりと立ち上がった



アルミンもやれやれと言った態度で

「そうだよ。そんな無駄に見栄を張らなくていいよ」と俺を庇うかのような優しい言葉を向ける


だが、今このフォローの言葉はただ俺を傷付けるだけの言葉にすぎない



エレン「いやいや・・・お弁当とかいつも手作りだろうが」


アルミン「お母さんが作ってるんでしょ。そういえば両親いないけど、どうしたんだい・・・?」


エレン「・・・・・」

それを聞いて俺は返す言葉を無くす


アニ「そういえば、そうだね。もうすぐ6時をまわるけど・・・・両親は共働き?」




エレン「・・・・・お前ら、そんなに聞きたいのか?」

少し引き攣った笑顔で、勿体ぶった言い方で質問した


アルミン「あっ!じゃあ、お買い物中とか?それか、僕らに気を使って両親揃ってお出かけ中かな」


アニ「だから、そんな言いにくそうにしてるのね。なんなら、今からでも連絡したら・・・?」



「連絡出来たら・・・・したいな」


その言葉は自然と口から溢れ出た


そう言った途端、俺は涙のあたりが急に熱くなった



アニ「・・・・?だから、したらいいじゃない」



感情を押さえ込み

腹を割って話そうかと、息を整えるべく、大きく深呼吸を繰り返す


そして、俺が口に出そうとした瞬間に、ぷるるる・・・ぷるる・・・・と机の上に置いてあった携帯が鳴った



アルミン「あっ、エレン。携帯なってるよ?・・・・・My Angelさんからメールだって」


アルミンは俺の携帯を手に取り、画面を見て名前の表記のとこを口に出した


それに連動し、アニは俺から少し距離を取った


待て待て待て・・・


俺の友達に外人なんかいたか?

それに訳したら『私の天使』って・・・



アルミンの微かに引き上がった口角

アニの明らかな後ずさり


圧倒的な嫌な目線・・・2人から引かれてる


そのまま気もしつつ頼まれた為、台所へ向かうアニ



それよりも・・・



エレン「誰だよ!リコさんか!?誰がこんな名前設定した!?」


俺はアルミンから携帯を取り返し、メールを開いた



【My Angel】

件名:今夜はお赤飯?

本文:


もう落ち着いたかな・・・?


お兄ちゃんがぺトラさんと結婚したら、
私はお兄ちゃんの傍にいられるかな・・・



ドンドンッ!と重く深い音が部屋を響かせる


アルミン「急に床に何度も頭を叩きつけ始めて、どうしたんだい!?」


エレン「俺は!ずっとお前の!お兄ちゃんに!決まってんだろうが!」



俺はぺトラ先生を座布団の上に寝かせ

土下座のように前傾姿勢で全力で頭を床に叩きつけた



それは自分への懺悔と呼ぶものなのか、ミーナに対しての謝罪の念を込めてのものなのか、その行動の意図は多々ある



アルミン「というか、エレンにとってリコ先生は天使なの!?」


久しぶりにとんでもない失言をしてしまった自分に反省


取り敢えず話題転換といきますか・・・


エレン「今から妹呼ぶから」


アルミン「え?妹いたの?」


見事に食いつき、リコさんがなんやらという話は終了したようだ

そして・・・その前の両親の話も


「あぁ」とアルミンの質問に対し、頷き行動に出る


アルミン「なんか今日はもう色々驚きだよ!というか、僕はエレンを知らなさ過ぎたよ・・・」

今回はここまでです

最近は本当に忙しくて更新が遅いです

急いで書いたので内容薄くて誤字脱字とかあったら申し訳ありません


読んでいただきありがとうございました

>>206はミスなので無視していただきたいです




ガラッ・・・



「お兄ちゃ・・・わわあっ!!」


エレン「ミーナっ!!ごめんな!俺はずっとお前のお兄ちゃんだからな!」


アルミン「それが妹さん?」



そう言いながらアルミンは目線をこちらへ向け、首を傾げた


しかし、その質問は俺の耳に届かず、俺は懸命に妹へ謝罪の言葉を言い聞かせてた



「えっ?お友達さんいるの!?お兄ちゃん人前だよ!・・・そんな抱き締めちゃ恥ずかしいよ・・」




徐ろに妹の顔を胸に埋める


そして肩の少し下を手でギュゥと服を握り締められた



アルミン「初めましてエレンの友達のアルミンです」


奇怪な行動に対して焦りを見せず、安定の社交辞令さを披露し、自己紹介をするアルミン


ミーナ「は、はい!私の名前はミーナです!って、お兄ちゃん前見えないよ・・・えへへ、お兄ちゃんのにおい・・」


顔を埋めたまま受け答えをする


エレン「俺は結婚したって、ずっと傍にいてやるから!」


1人で少女漫画の最終回のような言葉を妹にぶつける



アルミン「エ、エレン・・・・?」


いや違った・・・俺の見たことない姿に動揺するアルミン


仕方ない。これが俺のプライベートと呼べるものであるから


エレン「だからもうあんな悲しいこと言わないでくれ!俺はお前から離れるつもりはないから」


より一層に強く抱き締め、離したくないという気持ちが高ぶる


今までずっと一緒に暮らしてきて、あんなこと言われたら、こうしたくてたまらなくなってしまった


ミーナ「・・・そ、そう・・・・うん。約束だからね・・・ふへへ・・」


妹の気の抜けた声



アニ「エレン、シチューの方はほど良い感じになったけ・・・ど・・」



ちょうどよく台所の方から歩いてきたアニ


問題は解決したにも関わらず絶望じみた表情をしている


そして少し言葉を詰まらせてるようだ



エレン「どうした・・・アニ?」


ミーナ「えっ!?あのアニさん!?初めての電話帳に載ったあのアニさん!?」


アニ「あ、あんた・・・・だから、ぺトラ先生をあんな拒否ってて・・」


エレン「は?」



アニ「そりゃそうだよね・・・だって恋人がいるのだから、あんな美人を嫌がったって・・」


エレン「恋人・・・なんのことだよ?アルミンに彼女でも出来たのか?」


アニ「はぁ?あんたとそこの黒髪の子の事を言ってるのさ」


エレン「ははは、何を言ってんだよ。俺にこんな可愛い恋人が出来るわけねえだろ」


ミーナ「か、かかかっかわいいだなんて・・・もう!お兄ちゃんったら」


アニ「え・・・違うの?」


エレン「こいつは俺の妹だが。ほら、挨拶しろ」



俺はミーナを離し、アニとアルミンの並ぶ前に突き出した



「う、うん」と言い、前髪を直し、コホンと咳払いをし、調子を整え



ミーナ「私はミーナです!アニさんの事はお兄ちゃんの携帯で既に知って・・・・あれ?」


アルミン「あれっ?」


アニ「・・・・・・ん?」


ミーナ「ふぇ?」


エレン「どうした?急に止まるなよ。怖いな・・・俺だけ現在の時を動けるみたいな違和感を感じるじゃないか。あれだからな、時を止めるスイッチみたいの押して、みんな止まって俺だけ動けますよ。って感じのを言いたかったんだ。分かるよな?」


アルミン「ああっ!!久しぶりだね!・・・あのミーナちゃんだったんだ」


アニ「久しぶり・・・夏休みはお世話になったね」


エレン「あれ、俺の必死の説明は無視の流れ?というか・・・久しぶり?」



ミーナ「あ、ああ!!え?あの・・・えぇ!?」


エレン「落ち着けって・・・お前ら、ミーナと会ったことあるのか?」


アニ「あんたと夏祭り行った日に、迷子になったのを助けてもらった」



アニの圧倒的判断能力そして知性

アルミンのアニを超える知性を持ってしても

迷子という小さな事件は起こるものなのだな


頭が良いイコール迷子にならないという定理がおかしいのか


人はいつも人生の迷子の真っ最中なのだから
と、銀色の侍が言いそうな台詞を考えてみたり


人には一つや二つ、欠点があっても良いだろう



それがどんなにクオリティの水準値が低いものだとしてもだ

それが弱点であり、個性である


例えば、皆から頭脳明晰、運動神経抜群と持て囃される文武両道少女がいたとしよう

その少女が、実はドジっ娘でした

え?なにそれ、可愛いとなるだろう

それはまさに短所であり長所でもある



結果、俺が言いたいのは

アニやアルミンにだって失敗はする



精度の高い、高性能な人間であるが故、周りを取り巻く人々はそんな幻想を持ってしまうのだろう


いくら内閣の長、行政権の最高責任者、自衛隊の最高司令官の内閣総理大臣になれたからって、総理大臣の言葉が全て正しいとは限らない


1つくらい生きていれば穴くらいあるさ



エレン「へぇ・・・迷子なんて珍しい」


ミーナ「お久しぶりです!まさかお2人があのアニさんにアルミンさんでしたとは・・・」

と言いながら、またペコリと頭を下げた


俺は内心わくわくしていた

人は『まさか』という言葉に興奮・・・というのは言い方が変であるが、気持ちが高鳴るらしい


なぜだか分かるだろうか


それが人の探求心又は核心を突く結果に良い事が起きる予感を得て興奮しているんだ


結果と原因が結びつく過程に夢を膨らませる

生きていく上での楽しみ方の1つと言えよう



エレン「知らなかったのか?」



逆に知らなかったから、こんな反応をしているのか・・・と言った後で理解する



アニ「私はあんたに妹がいること自体、初耳なんでね・・・」


アルミン「僕もだよ。さっき知ったんだ」


ミーナ「いや~・・・にしても、お兄ちゃんにこんな美人二人組が友達が出来るなんて、中学校以来だよ、こんなの!」



世界は本当に狭いんだな


俺が知らない間で、この3人は出会っていたのだから


そしてそれが唯一の親友の限られた関係性の中でというのがミソである



アニ「・・・・美人・・じゃないし・・・」


エレン「は?2人・・・?」



ミーナ「そんなご謙遜なさらず。2人とも初めて見た時から、可愛いなぁと感じていましたよ・・・私なんかより」



俺はこうして落ち込んでいるミーナを見るのが嫌いだ

別にミーナが嫌いだと遠回しに言っているわけじゃない

そんな風にさせてる『自分』が嫌いなんだ


俺が関与しなかったにしても、そうさせたくない

大きく考えれば俺がミーナの兄である限り、関係性は無いと言えないのだから

妹を守るのが兄の義務と俺は唱える


だって、それが亡くなった母さんとの約束でもあるのだから



アルミン「あ、あの・・・」


エレン「ばかっ!ミーナが1番可愛いに決まってるだろ!アニと比べてもらっちゃ困る」



別にお世辞でもない


だからと言って、アニが可愛くないというわけではない


そもそも、アニに可愛いという単語は使用して良い物なのかが疑問である


男でも、イケメンを見て、『かっこいい』という人もいれば『かわいい』という人もいる

そしてそれは対立を生む場合もある

それと似た同条件で、アニは『美人』と『可愛い』で考えよう

俺はアニは美人と捉えている。


つまりは、その意味を読み取った上で俺はミーナに『比べてもらっちゃ困る』と言ったのだ



「・・・・・非常にイラッてきた。あんたは何様のつもりだい・・・?」と言い、腕を組みギロりと烏でも睨み殺そうかと思える程の眼力を俺に見せた



しかし、そこで「待ってくれないか!?」とアルミンが話を止め、割って入った。彼は焦った形相でした



アルミン「盛り上がってるとこ悪いけど、僕は男だよ!」


眉は歪んでおり、必死の弁解をする


俺やアニは分かりきった事を聞かされ、なぜそこまで焦っているのか少し滑稽に思える


ミーナ「私の目は誤魔化せませんからね」


それは確信を持った人間の言う台詞だろう

こう・・・名探偵が推理で犯人を追い詰めた時のような


エレン「どうやらミーナの目は節穴だったようだ」

俺はアルミンの頭をポンポンと慣れた手つきで触り、アルミンのフォローへまわった


さすがに少し可哀想に見えてきたのだ

その中性的な顔面が悲劇を生んだ

美少年とは幸福しか生まないものだと思っていたが、思わぬ落とし穴があったもんだ




ミーナ「え?」



本気の困惑の顔をアルミンに向ける

そして、交互に俺とアルミンを見だした


お兄ちゃんがアルミンさんと手を組んで嘘を吐いて、私を困らせようとしている。とでも考えているのだろうか


ミーナ「も、もうー。二人して、私を騙そうとして~」


70%は正解というところか


アニ「すまないけど、こいつは本当に男だよ。なんなら、ズボン脱がすけど」


ミーナ「わかりました。認めましょう」


どうやら強行手段されたら困るらしい

そりゃもし俺がミーナの立場だったとしても、それは嫌だ



エレン「おいおい、それは失礼だろ?いくらこんな鬼人のように目付きが悪いからって女じゃな俺の首はそんな有り得ない方向へ曲がるわけないだろ!いだだだっ!!」


アニ「あんたのが失礼だ・・・鬼人ってなんなんだい。生憎、私は首切り包丁なんて持ち合わせてないのさ」


エレン「待て!背中に柔らかい感触が」


アニ「何もあたってない。あんたの手法はわかってるさ・・・そう言えば、私が離れると思ったんだろ?」


つい先日、ユミル先輩に使用し成功している矢先の失敗という失態


女性相手ならば成功するものと思っていた前もって調整されてたプランが・・・


普通、異性からこんな常軌を逸した気持ち悪い言葉を言われたら引くのが当たり前だろ



アルミン「あーぁ・・・エレンったら・・」


完璧な呆れ顔に合わす顔がない



だって策がバレた故の行動

非常に程度が甚だしく、みっともない・・


だが、ここで諦める訳にはいかない


策士策に溺れるという幼稚な辱めなどうけるものか



エレン「アニは可愛いし、良い香りだな。俺ごのみの女だぜ!」


アニ「・・・・・・エ、エレン君の変態・・」


久々だから忘れてましたよ


そうですよね。やり過ぎると、そっちのアニさんが出現しちゃいますよね


折角、悪魔の皮を被った悪魔・・・基い、ペトラ先生からやっと開放されたのに、これか!


今日は厄日だな




ミーナ「アニさん。お願いします!お兄ちゃんをいじめないでください!!」


アニ「え・・・」



それは雛形を気にしない行為

いや、それが雛形なのかもしれない

俺だったら、嫌々ながら止めに入るところ

しかし、彼女は本気で止めにかかった



アニ「・・・・あ・・・・・ちょっとやり過ぎたかもね・・・すまなかった」



見てわかるとおり

俺が一方的に悪いのに、必死に謝った行為によって、アニが悪くなったように見える



純粋であるが故にだ


エレン「あっ、そうだ。ちょっと出掛けるから」


アルミン「え?どこに行くの?」


ミーナ「もう準備も出来てるし・・・忘れものは無いと思うけど」


エレン「ははは、ちょっとな・・・」


アニ「わかった。すぐ帰ってくるんだよ・・・?」


エレン「おう。あと・・・勝手に始めてても良いからな。頃合いを計って、ペトラ先生も起こしてくれ」


ミーナ「うん・・・」


エレン「ご飯とケーキは少し残しといてくれよな。じゃ、いってくる」


アニ・アルミン・ミーナ「いってらっしゃい・・・・?」

今回はここまでです


読んでいただきありがとうございます

申し訳ありません

>>236>>237の間が抜けてました


ミーナ「アニさんは・・・・女性ですよね?」


エレン「おいおい、それは失礼だろ?いくらこんな鬼人のように目付きが悪いからって女じゃな俺の首はそんな有り得ない方向へ曲がるわけないだろ!いだだだっ!!」


アニ「あんたのが失礼だ・・・鬼人ってなんなんだい。再不斬かい?生憎、私は首切り包丁なんて持ち合わせてないのさ」


エレン「待て!背中に柔らかい感触が」


アニ「何もあたってない。あんたの手法はわかってるさ・・・そう言えば、私が離れると思ったんだろ?」


つい先日、ユミル先輩に使用し成功している矢先の失敗という失態


女性相手ならば成功するものと思っていた前もって調整されてたプランが・・・





「はっくしゅん・・・」



晴天とは程遠い天気模様

ゆらゆらと迷うように風にさらわれながら、ゆったり空から降り注ぐ雪


空を見上げたら、白色とねずみ色の鉛筆で描いたようなグラデーション


今宵の寒さは特に一級



「さて・・・仕事も終わったし、向かうとするか」



トントンっと、束ねた紙を机の上で叩き纏め揃える



程々に温かい保健室から出て、これからエレンの家へ向かうと思うと少し心引かれる

これから外へ出るのだから



「そうだ・・・」



ふと良い案が思い付いた

クリスマスプレゼントを買ってやろう。と

それはごくごく当たり前、私も母親から小さい頃よく貰ったものだ

だって、エレンとミーナには・・・


なので、私がサンタに代わって彼らにプレゼントをあげる

そもそもその考えが浮かぶのがクリスマス当日とは・・・なんたる不覚



「まぁいいか・・・」と1人自問自答し、解決する




ーーーーーー
ーーーー
ーー



「ふふっ・・・」



エレン達が喜んでいる姿を想像すると胸が躍る


なんて、こんな妄想じみた事で幸福を感じてる自分が簡単過ぎて・・・


まぁ嫌な気分ではない



「んっ・・・けほけほっ!」



最近感じていた身体の不調のピークだろうか



保険医として自分の身体の体調をケアすることも出来ないなんて、溜息が出てしまう


しかし、それは偏見というものだろう。
医者だからって病気をしないとは絶対に有り得ない

同じ人間なのだから、否定なんて出来ない



「ふぅ・・・一旦休憩とするか」



とあるお店のベンチへ腰掛ける


しかし・・・・やせ我慢というものか、根性というものか


ここまでよく歩けていたなと今頃思う


なぜか足がふらつくのだ


なぜかではないな。原因は分かってるのだから・・



熱のせいで、意識が少しばかり朦朧としているのだ



「・・・・にしても、もう夜なのになんで街はここまで人で溢れかえってるのだ」



右を見ても左を見ても、カップルや家族連れ


現実的な方向で私は心が痛く虚しくなる


自分に無いものを持っている人間に嫉妬している


そんな見えているのに見えないような理想を欲している自分が弱く見え虚しいんだ


まるで子供だな・・・無いもの強請りなんて




周りは酸素なのに自分は二酸化炭素として必要の無い存在のようだ


人間ではなく植物の為に役に立つ存在


常に斜め上で違う存在のような


でも、いつまで経っても植物は私を取り込み酸素に変えてくれる気配はない


周りと同じ必要とされるものになれないのか



「はっくち・・・ふぁ・・・・」


さっきからくしゃみを何度したことか・・・

本格的に危険かもな



ふと足元を見ると、数個の靴が並んでいた



疑問に思い、顔を上げたら・・・



『あれ~?お姉さん、クリスマスに一人ですか~?』


リコ「・・・・誰だ?自意識過剰なら申し訳ないが・・・ナンパとかいう行為でもする気か?コホッ・・・」



またか・・・こんなの前にもあったな。と内心呆れた気持ちでいっぱいだ



こいつらが医者でこれから病院へ連れてってくれる。
もしくは、エレンの友達で家まで連れてってくれる。
ということならば、私はほいほい連れていくんだけどな



『俺達はそのつもりだけど?』


『寂しい夜を一人で過ごすのは嫌だよね~』


前にも似たような事を言われてるから無性にイラつく




奴らも二酸化炭素なのか・・・


いや違う。水の電気分解で生まれた水素といったところだ

特別利用価値を感じない、場合によっての存在


周りの酸素と中途半端に絡み合う水の元素の片割れ


ちょうどいい・・・ドンピシャ過ぎる例えに考えた自分でさえ感心する


聖夜にこじ付けて、そこらの女と性夜を過ごそうなんて愚の骨頂


この煌めいている空間を濁すような浮いている存在

水素と同じで浮きやすい


本当に、なんてぴったりなのだろうか



リコ「残念だ。お前らは男2人で寂しい夜を過ごすがいい」



『つれないな~』


リコ「ケホケホッ・・・・はぁ、私は見ず知らずの人間と共に過ごそうなんて非常識な事はしない」


私の脳はお前らの隙間風吹き荒れる穴だらけの脳内とは違うんだ


軽くてスカスカの脳を成長させた事を両親に謝れ


『あ゛?』


『やっちゃいます~?』


リコ「警察に通報したって私は構わないんだが」



私はいつだって強気でいられる

それは法律で人間は守られているからだ



だが人は安易に考え過ぎだ・・・


それが地雷であるにも関わらず



『下手に出れば調子乗りやがって・・・』


グイッと首元の襟を掴まれる


リコ「・・・・痛っ!お、お前!」


『お!やっちゃえやっちゃえ~!』


それは拒否しても反発させる事は出来ない


ひたすらに腕や足を使い抵抗しようとする

だが、体調が体調なだけに力が入らない


拒否しても拒否しきれない・・・・



そして、知らない男の顔が私に近付いてくる


周りの見てないふりをする姿がやけに心苦しい



リコ「痛っ・・・やめろっ!セクハラだ!訴える!訴えてやるからなっ!止めるなら今だ」



今頃後悔する


私が女であって、弱かった事に


そんな自分に腹が立ち、煽った自分が馬鹿に感じる


『よっしゃ~!キスやっちゃえやっちゃえ!』


「はぁ・・・・じゃあ俺がやっちゃいまーす」


『おうよ~!って、誰グバッ!?』




バキッバキッと聞こえたかと思えば


バタッと2回何かが倒れる音が聞こえた



それと同時に私にまとわりつく腕が離れ、自由が戻り、ストンと足の力が抜ける



「・・・ッチ・・・・・お前ら巫山戯んなよ・・・冗談になんねえぞ、この野郎!こんだけで済むと思ってんのか!?」


『ひいっ!?』



街に流れる音楽よりも大きな怒鳴り声が響かせる



そして、再び人が人を殴る音が聞こえる



そしていつの間にか周りは野次馬が囲み、視線を大いに浴びる


支離滅裂というか魑魅魍魎に出会ってしまったような


だが、その地獄絵図を繰り広げた人物は『正義』なのでした


今年の入学式もこんな感じだったのだろうか



「はぁはぁ・・・・大丈夫か?リコさん」



彼は、仕事を終え満足したかのように、私を見て、息を荒らげながらそう告げてきた


今までに見たことのない必死な顔でした




リコ「・・・・・うん」



・・・・・・・・・やばい・・・・



「・・・・まっ、自己防衛なんで訴えられても俺は法廷で勝てますよ」



どうして・・・どうして・・・・



どうして・・・こんなタイミングで来るんだよ・・



「というか、またされたんですか・・・・・ん?」



目尻がじわっと熱くなり、何か分からないが・・・・堪えられない



いや・・・その『何か』とは私は分かってる



私は涙を流しているのだ



リコ「・・嘘だ・・・ひぐっ・・・違う!・・止まれ・・・」



弱い自分を見せたくない


いつまでも強い私を見せつけてたい


こんなのは、私だけど・・・私じゃない



「嘘なんて・・・つくなよ」



リコ「・・・・・え・・」




「リコさんだって・・・・女性なんだろ?」



彼はニコッと笑って、そう言った


すべてを見透かされてる気がした


すべてを分かってくれてる気がした


すべてを・・・・・受け止めてくれる気がした


うぅん・・・きっと受け止めてくれる



リコ「・・・・・うん・・」



ずっと前から知っていた、その天井知らずな優しさに私は甘えてみようと思った




そして私は心の赴くまま・・・


『エレン』に抱き着いた



リコ「・・・・・・・・怖かった・・・」



必死に絞り出した言葉


ずっと心に秘めていた辛さを打ち明ける



エレン「怖ったよな・・・ごめんな。すぐ来れなくて・・・・」



エレンは優しく包むように、その大きな腕で抱き締めてくれた



一気に感情が高鳴る


必死に堪えていても流れていた涙


私は堪えることをやめた


ダムが崩壊したがごとく、涙が溢れ出た


先程など比べものにならないくらいに



リコ「・・・・・ひぐっ・・・んむっ・・・・ひぐ・・・」



私が二酸化炭素なら、エレンは何なのだろうか



必要とされてもないと言えなくもない曖昧さ

でも、そこになくてはならないもの


浮いているが浮くのを拒んでいる

空気に慣れようとしている

でも空気に慣れる事は出来ない不器用なもの


エレンはどちらも兼ね備えた『水』というとこだろう


私とエレンじゃただの炭酸しか生まれないではないか


決して仲の悪い物同士ではない



嫌な結果ではない



エレン「・・・大丈夫・・・・大丈夫だから」



・・・エレンが私の頭を撫でてくれてる


エレンの手がとても大きく温かく感じる


そして私の身長もとても小さく感じる・・・


エレンの胸の中にスッポリはまっている


まるで私の為だけに開けられた空間のよう


それは私の仮定した、水と二酸化炭素が炭酸飽和した炭酸水のよう



エレン「よし・・・」



人の・・・エレンの温度をこんなに芯まで感じたのは、これが初めてだ


頭の中にあった苦艱や疾苦は、何処かに溶けてしまったかのように、綺麗さっぱり無くなってしまっていた


涙は悲しくて、辛い時に流れるものではななった


こんな時に流れてくるなど、どうかしている



エレン「俺がいつでも守ってやるからな」



エレンのそんな律儀で面白みのない言葉を、私はいつものように「バカ」と笑顔で罵りました



リコ「そんなの当たり前だ」



いつの間にか涙は瞳の奥の方に引っ込んでいた

今回ここまでですので
読んでいただきありがとうございました




エレン「じゃ、うちに帰るか」


エレンは私の頭を最後にポンッとふんわり乗せた


リコ「・・・・ん」


私はエレンから少し離れ、小さく頷いた



そしたらエレンは後ろを向き

「・・・ほら、背中につかまれ」と言い、腰を下ろした



リコ「どうして・・・?」


エレン「さっきから足元覚束いて無いぞ。ふらふらじゃねえか・・・だから、ほら」



エレンの奇妙で不可解な結果を元にした行動に私は悟った



リコ「エレンは・・・・分かっていたのか?」



そう言いながら、私はゆっくりエレンの肩に腕をまわし、背中に抱き着くように身を任せた



エレン「分かってなきゃ迎えになんて来ねえっての・・・」



『分かってる』それは、私の体調の事だ


やっぱりエレンは何でも見透かしているんだな



リコ「そうか・・・電話の時か?」


エレン「いいや。もっと前からだ・・・・そうだな。終業式の出掛けた日あたりから、かな・・・」



エレンは「よいしょ」という掛け声と共に立ち上がった


目線の高さがいつもより高い

エレンからの視線は小柄な私からしたら、少し街が小さく見えた


そして、ゆっくり歩み始めた


歩く度に揺れる振動がどことなく落ち着く



リコ「そうか・・・じゃ初めから分かってたって事か」


エレン「ははは、そうだったのか・・・その時はまだ確信なかったから、言えなかったんだよな」


リコ「そして今日の電話で確信したという事か?」


エレン「ご名答だ・・・別に今日のは断ったって良かったんだぞ。そん時は、また別の日に俺一人でもリコさんとお祝いしようと考えてたさ」



エレンの優しさは私の気持ちを度々揺さぶらせる


なので少し困る・・・


私の感情の不自由さ、自分の強がりな演技・・・

別に強がりが私の仮面というわけではなく、それが自分であり、弱点の素直な一部も隠したいだけ


そして、本当は素直になりきれてない傷付く事を恐れおののいているナイーブな心情



私は、ここで区切りを付けようと思う



リコ「エレン・・・・」


エレン「どうした・・・?」


エレンは歩きながら私を見ず答えた





「私、エレンが好きだ」



エレン「ん、そっか・・・俺も好きだぞ」


リコ「・・・・好きだ」


エレン「そうか」


リコ「好き・・・」


エレン「おう」


リコ「だいすき・・・」


エレン「わかった」


リコ「・・・・だいすき」



私はその大きな背中に顔を埋めた


陽だまりに身をあててるように、気分がよく、ぽかぽかで温かい



エレン「・・・・ん?なんか背中が冷たい気が・・・・また泣いてるのか?ハンカチ貸そうか」



初めからこうなると分かってた


だって『エレン』なのだから


エレンは動揺すら見せなかった

でも、後悔はしない


だって言えたのだから・・・笑って答えてくれたから

私を拒むことを決してしなかった


エレンの対応はとても穏便で優しかった



リコ「エレンは何も分かってないんだな。こういう事に関しては本当に・・・・鈍感だな」


エレン「俺の察知能力は高いぞ。当然のように恋愛とかと勘違いしないのが俺の感知能力だ。そんなの勘違いしたらリコさんから冷たい目で一生見られるからな」


リコ「はぁ・・・・お前のは察知能力じゃない。推理力と観察力が高いだけだ」


エレン「おっ!そうだな・・・確かに、そうだ」



「よっと」と言いながら少しずり落ちてる身体を、持ちやすい位置に持ち上げた


手の位置に妙に意識していしまう



リコ「わわっ!ちょっ変なとこ触るな!」


エレン「リコさんそういうの気にするタイプだったか?」


リコ「むぅ・・・エレンだって、そんな行動的なヒーロー体質だったか?」



エレン「そうだな・・・・俺、変わったかもな」


リコ「私もだ」


エレン「えっ・・・・つまり触られるのに慣れたとか・・・まさかのビッチ発言か!?」


リコ「違うわ!異性を意識しだしたというところだ!・・・ケホケホッ」


エレン「そっか。まさかリコさんにも恋愛というリア充脳を持つ時が来たのか」


リコ「私じゃ有り得ないみたいな言い方だな」


悪戯好きの子供のように、私を茶化すように「あはは!」とエレンは笑った


エレン「そんな事ないぞ。リコさん人並み以上に魅力的だから、好かれた人間は本当に幸せ者だよな」


リコ「・・・・・」


エレン「はぁ・・・・そんな恋愛事情を考えたら、俺が不憫過ぎて虚しくなってきた。中1に戻りたいな」



ついさっきの私の言葉すら、友人としてみたいな捉えるもの

さらに私の今の発言を聞いてもまだ察しれてない・・・


私は思った。こいつは『本物』だと

疑う余地のない絶対的確信を得た


反応や感受性が鈍く無関心というわけではない

自分がそうならば、相手も同じ・・・と主体的理解のもと、人の感情を感じとっているんだ


それはエレンの過去の失敗または先程言った推理力と観察力の経験が故のもの


人との関わりが少ない『ぼっち』ゆえ、客観視に傾いた勘違いを抱いているんだ


つまり、エレンの『鈍感』は鈍く無関心というわけではない


エレン自身が経験のない事を理解処理しきれてないだけなんだ



それが物事の動作によるものなら単純解決出来るが、人間の感情となると・・・・経験など積もうにもかなり骨の折れること


エレンが、自身の恋愛感情に気付かない限り、エレンは恋愛出来ないんだ


しかし、そのお陰で当分は安心出来る



リコ「・・・・・ん?中1の頃に何かあったのか?」


エレン「あっ・・・・すまん失言だった。忘れてくれ」


リコ「そう言われると気になるではないか」


エレン「そうだな・・・俺がもっと大人になったらな。それで『そんなこともあったな』ってノリで、お酒を飲みながら話したいかな」


リコ「その頃まで私とエレンは一緒にいられるか?ケホッ・・・」



エレン「分からない。だって未来のことだからな」


リコ「でも意思さえあれば」


エレン「だから・・・人間は予想は出来ても予知は出来ないんだ。それが人の意思なら尚更だ」


リコ「・・・・・・」


エレン「いつだって突き放す事も出来る。俺はそうやって・・・・未来を変えてきた」


そうだな・・・・人と少し手を組めば、エレンのような『ぼっち』を作ることなんて、存外リア充共にとっては簡単な事だし


リコ「コホコホッ・・なんか・・・・現実主義の私がこんな事を語るなんてな」


現実味のない事を肯定しようとしたんだ


それは夢見がちな想像に過ぎない



エレン「そうだな。でも、良いんじゃないか?」


リコ「自身から否定しといて、それはどういうことだ」


エレン「それはただの理論だ。俺はリコさんに未来も一緒にいてくれるなんて言ってもらえて嬉しいからさ」


リコ「へぇ・・・」


エレン「なんだよ・・・?」


リコ「私は『一緒にいたい』など一言も言ってないぞ?一緒にいられるかどうか質問しただけだ」


エレン「・・・・・・すまん。今の発言は取り消してくれ」


リコ「デリート不可だ。ふふっ・・・私の頭の中にしっかりインプットしたからな。消したいのなら私を殺すしかないぞ」


エレン「はいはい・・・俺との記憶なんて、いつか風化して消えていくぞ。つか、物騒な事言うな」



リコ「未来も一緒にいたいと望むのなら、私は従ってもいい。だが意思を曲げるつもりは無いから・・・なっ!」



「なっ」の言葉と共に、私は顔をエレンのすぐ隣に持っていき、ギュッとより一層密着させた



エレン「え?ちょっ!あぶなっ!そんな急に強く締めるなって!バランス崩すとこだったろ!」


慌てふためくエレンを見て、私はつい笑みが溢れてしまう


リコ「ははっ!私は知っているぞ。男はこうされると嬉しいって」


ペトラに言われた事を実践してみたに過ぎないだけだが


エレン「そんなこと調べてる時間があるなら、体調を良くすることに専念しろよ。自分の身体の体調を良好に保つ事が出来ない保健医なんて、運動神経の悪い体育教師と同じだからな」


リコ「エレンはあったかいな・・・」


エレン「はぁ・・・まったく・・・・・話を聞いてるのか?リコさんは・・」



リコ「エレンは優しいな・・・」


エレン「はいはい・・・ありがとさん」


リコ「・・・・はっくしゅっ!・・・うぅ・・・・」


エレン「寒いか?」


リコ「・・・・うむ・・」


エレン「ほれ、俺の手袋とマフラー貸してやるから、つけろ」


リコ「・・・・・・ありがと」



エレンの腕2本に体重を任せ、私はマフラーを巻き、手袋を装着した



ほんの5秒前までエレンが着けていた衣類

洗濯した後なのだろうか、かなりふわふわで触り心地が良い

マフラーからエレンの香りが顔全体を包み込む


そして何より温かい・・・



エレン「おう・・・・あのさ、ちょっといいか?」


リコ「・・・・なんだ?」


エレン「これから、少し寄りたいとこがあるんだが」


リコ「・・・ん、構わんぞ・・?」


エレン「もう少し寒い思いをさせるけど我慢してくれよな」



リコ「いいや・・・・なんなら、永久にこのままでも良いかもな・・・」


エレン「勘弁してくれ・・・俺の腕を使い物にならなくさせるつもりかよ」



いつもいつも、そんな斜め上の外れた答え・・・


少しは喜びを見せてくれなきゃ私もさすがに不満だぞ



リコ「その時は私がエレンの両腕になってやる。はっくしっ・・・」


エレン「プロポーズのつもりか?残念、俺はそんな冗談に騙される程、単純的理解力僅少じゃないぞ」


リコ「ははは、バレたか。はぁ~ぁ・・・エレンなら悦んで騙されてくれるかと思ったんだけどな」


エレン「別に・・・嬉しくないわけじゃないけど、それじゃ俺がリコさんを守れないだろ?」


リコ「ほんと・・・律儀だな・・・・ばーか・・」



ーーーーー
ーーーー
ーーー



「久しぶりです」


『あらあら・・・まぁ!久しぶりじゃない』


「どうも」


『もう全然家に来てくれないから、うちの娘と喧嘩したとでも思っちゃったじゃない』


「別に喧嘩なんてしてないですよ」


『そう・・・?というか、その背中で寝ている女の子は?まさか誘拐!?』


「知り合いです。ちょっと疲れたみたいで・・・」



『調子悪いの?あっ!そうだ。今からでも、うちで』

「すみません・・・俺、ちょっと家でも用事があるので、このまま帰ります」


『・・・・・・・。・・・そうなんだ。娘も寂しがってるわよ』


「あの・・・」


『何かしら・・・?』


「おばさんは知っているんですよね・・・?」


『私も歳だから分からないわ。忘れちゃったわね』


「・・・・・・・・・そうですか。はい、これケーキです。家族で食べてください」


『あらあら~、わざわざありがとね』


「じゃ、メリークリスマスです」



『うん。メリークリスマス」


「それでは体調に気をつけてくださいね」


『来年は来てくれるかしら・・・?』


「・・・・分かんないです」


『私も娘も待ってるからね』


「・・・・はい」



ーーーーー
ーーーー
ーーー



ガチャ・・・・ギィ~・・・


エレン「ただいま・・・っと」


リコ「すぅ・・・すぅ・・」


ミーナ「おかえり!お兄ちゃんにリコさん」


玄関で迎えてくれたのは妹でした



エレン「ふぅ・・・やっぱ家が一番だな」


ミーナ「ん、リコさんどうかしたの・・・?」



幼児のような寝息を立てながら眠っているリコさん


寝顔を見て察してか、ミーナも小声で話す



エレン「熱っぽいからさ・・・今から寝かせてくる」


靴を脱ぎ、リコさんの靴も脱がせ

自分の部屋に向うため、階段をあがる


エレン「まったく・・・前の俺だったら、こんな寒い日にこんな事、有り得ないよな・・」


そんな独り言を溢し、自室の扉を開け


眠りから覚まさないよう、ゆっくりベットに横たわらせた


「おやすみ」と言いながら毛布を掛けた


丁寧に呼吸のリズムで寝息が漏れる


「時間が経ったら、また来るからな」と寝ているリコさんに呟くように伝えた


そして、俺は自室をあとにした

今回はここまでですので

読んでいただきありがとうございました

>>1乙 毎回楽しく読んでるよ

申し訳ないんだけどペトラがエレンを襲ったとこを簡単に説明して欲しいんだ

読解力なくてすまん

ペトラはそもそもお酒を飲んでエレンの家に出向いたのです

事件後に電話でリコさんから聞いて、ペトラはアルコールを摂取すると自分勝手になる

それを知らなかったエレン

そして泥酔しているペトラはエレンに、ミーナに悪戯するかエレンを襲うかを選択させました

そして、エレンは選ばず特攻したら
あえなく大敗というわけです

つまりは、ペトラの泥酔です

>>297
あの理由じゃありませんですか?
ペトラが行った事でしょうか

ペトラがエレンに無理矢理押さえ込み
エレンの服装はボタンが外された程度
ペトラは舐めたり抱き着いたりのスキンシップ

最後はアニが助けに来たが、結局は熟睡した。というわけですので

申し訳ありません。わかりにくい文を書いてしまい




ペトラ「エレン君、おかえり~」


エレン「ただいま。落ち着いたか?」


ペトラ「あ、あはは・・・そりゃもう万全な状態に元通り」


エレン「2度と俺の前で酒を飲んで現れるなよ」



全員リビングの机を囲んで座っていた


俺も合わせてアルミンの隣に座る事にした



ペトラ「エレン君こわいよ・・・大丈夫。自粛するから」



態度がぎこちなく、反省したのだと理解した



アニかアルミンが起きた時に、言い聞かせておいてくれたのだろう

多分、主にアニが



アニ「結構遅かったじゃないか・・・?」


アルミン「どっか寄ってたとか?」


エレン「どこにも行ってねえよ。リコさんを背負ってきたから、少し歩くペースが遅かっただけだ。リコさんちょっと体調が悪くてな・・・」


アルミン「今、2階に行ってたのは、ベッドに連れてった、とか?」


エレン「おう」


ガチャ・・・と、ゆっくりリビングの扉が開いた


ミーナ「お兄ちゃん。今、リコさんに冷えピタ貼ってきたから・・・」


エレン「ありがとな。ほら、ミーナもこっちに来い」



ミーナ「うん」


手招きをし、俺の隣に座り込む


ペトラ「で、どうする?」


エレン「まぁリコさんには悪いけど、クリスマス会(仮)を始めよう。というか、なんで始めてなかったのかが疑問なんだがな」


アニ「あんたがいなきゃ、つまんないし・・・」


アルミン・ペトラ「!?」


ミーナ「あ、あははは・・・」


アルミン「それは僕がつまんないってこと!?」


ペトラ「今のはちょっとグサッてきたかな~・・・先生傷ついちゃうよ」



エレン「別に俺がいたとこで空気同様だ。何か勘違いしてるんじゃないか?」


アニ「ちがっ!今のはそういう事じゃなくて・・・・エレンもいて、みんなでやるのが楽しいというか・・・って!こんなの私のキャラじゃない!なんてこと言わすんだい!」


右手のビンタが俺の左頬を弾く


エレン「ぐはっ!」



俺の脳内には『理不尽』という言葉しか浮かばない

そうか。俺があんな質問しなきゃ良かったのか


そんなの気にしだしたら、話す言葉一つ一つが地雷に思えてきて怖い

でも、無視したら無視したで、同じ結果を迎えそうな気がする


というか、ここの女子3人中2人が暴力的って何?世紀末でも迎えた?


代々女性には『大和撫子』という特有の麗しき敬称があるにも関わらず、いつからこんなアマゾネスに染まってしまったのか・・・



世界の女性が全員、ミーナとリコさんになっちゃえばいいんだ



アルミン「アニが勝手に自爆して、エレンが被爆にあった・・・」


ペトラ「わわっ!エレン君大丈夫?」


やっぱりペトラ先生はアルコール抜けると本当に純然たる平凡な教師だ


エレン「はぁ・・・・だいじょうぶだ。それより、料理食べようか」


なんか、最近溜め息が多いな・・・


気苦労や失望、感動した時や緊張がとけた時に、思わず出る大きな吐息


それが溜め息であり、俺は今日それを数多く体験したと思う



メトロノームのように決まったリズムで刻まれるデジャヴのような毎日


まぁ、たまにはこんな日があってもいいか


というか、こんな苦労したのは久し振りか


入学当時のアニとアルミンの事件

夏休みのペトラ先生との悩み相談

以来かな・・・・


メトロノームの針を少し狂わせる日があっても良い


毎日が同じのような事の繰り返しだと、時間が経つのが早くなると聞いたことがある


確かにそうだ。

俺の中学3年間は本当に短く感じた


思い出があればある程、記憶は積み重なり、充実した実感し、時間が長く感じるんだ



まさに学校の授業こそ、それだ。単調なんだ


子供の頃の思い出なんて、ほとんどが学校外の事だろう?



エレン「アルミンおいしいか・・・?」


アルミン「うん!ホントにエレンが作ったなんて思えないや」


エレン「このっ・・・言ったなぁ?」


アルミン「あわっ、ちょっあはは!食べ中だってあははひっ!擽らないで!」


エレン「ははっ!俺が隣に座った事を後悔するんだな」


アルミン「はうっ・・・タ、タイムタイム!ははははっ!タイムだってあははは」


アニ「あんたらねぇ・・・」



アルミン「あっ・・・」


エレン「おおっと・・・悪かった!食事中くらい静かにしないとな!マナーだもんなっ」


アニ「仲間はずれなんて水臭いね・・・私も混ぜなよ」


エレン「え・・・」



切ない記憶なんて数えきれない程ある


でも幸福な記憶なんて数える程しかない


寧ろ、俺は切ない思いをいくつも自分から作ってきた

多分これからも、そうに決まってる


だってそれが自分の生き方


目的達成のために自己の利益や時にプライドまでも捨てて挑んだり行動したりすることである



ただこれは『自分さえ我慢すれば良い』と同義だとも考えられ、これが過ぎるから自己を潰してしまうと、よく周りから言われる


他人が損をしてしまうと考えたら、俺は自分本位にどうしてもなれないんだ

利他的になってしまうのが俺の性


だから自己の損失を顧みずに他人の利益を図るようなってしまう


そして合点がいくだろう?


だから、幸せな記憶は少なく、切ない記憶は多いんだ



ペトラ「こら!埃が舞って、ご飯の中に入っちゃうでしょ?するならリビングから出てってやりなさい」


アルミン「ほらー、怒られたじゃないか」


アニ「食事中くらい静かに出来ないなんて、これだから男は・・・もぐもぐ」


エレン「乗り込もうとしてきたのは、どこの冷血委員長さんだったか・・・・もぐもぐ」



アニ「ふん・・・子供を落ち着かせる為には、お姉さんが必要でしょ?それくらいわからない?・・・・だから子供は嫌いなんだ・・・もぐもぐ」


エレン「アニお姉さんは、お姉さんなのにどうしてニンジンだけ避けてるのですか?ニンジン苦手とかお姉さんは俺よりも子供ですね。・・・もぐもぐ」


アニ「お姉さんはニンジンを食べたら不治の病にかかってしまうという呪いを堕天使ルシファーと契約したのさ・・・もぐもぐ」


エレン「すみませーん。アニお姉さんの言ってることは何一つ理解できません。電波乙。・・・もぐもぐ」


アニ「あんたみたいな、理解力も記憶力も波平の髪の毛並に乏しい馬鹿には到底理解できない事・・・・もぐもぐ」


エレン「適当な言い訳で食わず嫌いを曖昧に終わらそうとする愚かで滑稽なお姉さん程、馬鹿な人はいな

アルミン「ストップストップ!!二人は何を言い合ってるのさ!?」


ミーナ「はぁ・・・お兄ちゃんの負けず嫌いは昔から変わらないんだから・・」



そんな良くも悪くも楽しい思い出ができた時間


無駄なんて1つない唯一の記憶




ーーーーーーーーー
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ーーー




アルバムを見つめると思い出してしまう


決して遠くない・・・つい最近のような近い過去なのに


あの日は幼稚園で私達は出会ったよね

あの日からあなたは私と友達になってくれたね


毎年夏祭りは、3人で浴衣着て屋台を回って、一緒に星を眺めたね


たまにお風呂に一緒に入ったよね
今思えば恥ずかしいよ


学校の帰り道の途中でアイスを食べたよね
2人で半分こしたよね



小学校の思い出作りで、2人で修学旅行を楽しんだよね
周りからデートだなんだって、茶化されたよね


中学の入学式の時、一緒に写真を撮ったね
あなたは制服なんて似合わなくてね・・・



そして・・・・


あの日はうさぎが死んで悲しかったね


あの日から、あなたは私の前からいなくなったね



アルバムは入学式の時、学校の校門前でとった2人の写真から後は真っ白なページが続く



「やっぱ・・・寂しいよ」


ふいに声が漏れてしまう



声に出したところで、あなたはもう帰ってこない事は分かってる



今年は一緒に過ごせないんだね


去年は一緒だったけど話せれなかったね


その前の年もその前の年も、そうだったよね・・・


去年の今日、あなたはずっと部屋の隅で携帯を見つめてたね


私はそんなあなたを見つめてたよ


あなたは携帯の何を見つめていたのかな?


そういえば花火大会の日も一人で携帯を見つめてたね


手が寂しくなったのか、一人で線香花火をやってたよね



あの日の・・・・私の勇気をあなたは覚えてる・・・?



『またアルバムを見てるの・・・?』


「お母さん・・・私、やっぱ寂しいよ・・」


『・・・・・・ケーキ食べましょうか』


「・・・・2つ目だよね」


『あなたの大好きな・・・苺のたくさん乗ったケーキよ』


「・・・うん、食べる。でも、なんで2つも・・」


『サンタさんからのプレゼントかしらね』


「・・・・・・・」



『どうしたの・・・・?』


「お母さん・・・」


『うん。なに・・・?』





「なんでサンタさんは、私の前に現れてくれないのかな・・・」





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ーーーーーー
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ちょっと少ないですけど、
今回はここまでですので

読んでいただきありがとうございました


なんとなく先を察したとしても、予測みたいのは書かないでいただけると嬉しい限りです

『〇〇がこうするだろう』みたいな感じのです
すみません、まとめて書かずに




「久しぶり、クリスタ」


「は、はい」



ただいま現在進行形で・・・



クリスタ「・・・えっと・・・・誰ですか?」



幽愁を身体全体に帯びています



エレンの家でのクリスマス会(仮)を終えてから10数日が経ち

現在冬休みを超えた一月中旬

寒さもこれからという冷えに厳しい時期


12月イコール冬と思われがちだが、実際1~2月のが寒さは絶頂です



「・・・小学生の頃、塾が同じクラスだった、アルミンです」


初対面でない人に自己紹介は虚しいということを学びました


クリスタ「あっ!久しぶりだね!アルミン」



明らかに忘れていたものを突然思い出した時の目を見開き驚愕した表情を見せている


顔を忘れられる程、僕は印象のない顔立ちでしょうか

そりゃインパクトはないかもしれないけど・・・



クリスタ「・・・・・あっ、そういえばアルミンって、学年一位のあのアルミン・・・だよね?」



さて、本当に聞かれるまで僕のことは忘れられてたご様子



もしかしたら僕を騙す為のボケかもしれない。という期待は儚く打ち砕かれた


期待を大きく持っていた分、無性に切なく心許無い

期待は持ち過ぎると、違った時の落胆さは計り知れない



アルミン「そうか・・・・あはは、僕ってそんなクリスタさんにとって印象に残らない感じだったかな」


クリスタ「・・・・ごめんね!なんせ小学生の頃の話だからさ・・・気付いていたのなら、話しかけてくれても良かったのに」


手を合わせて懸命に謝っている

まぁ悪気が無いことは初めから分かっているから、謝られても許す許さないなんて元々ない


アルミン「そうだよね、ちょっと時間が無くて・・・」



話しかけたくても、話せれなかった

今の今まで、勇気すら持てなかったから



今は本当にタイミングが良かったんだ



『返せよ!』

『私も食べたいから』


教室の隅の机でガヤガヤ騒ぐ2人

僕の親友のエレンとアニだ


『おい、それは俺の苺プリンだ』

『何・・・?私には分けてくれないわけ?私はガッカリだよ・・・』

『じょ、譲歩しよう・・・・一口。一口だけな?』

『なんでケチるんだい。半分子でいいでしょ・・・?』


僕とクリスタとエレンとアニともう物静かな見知らぬ人1人

この人間がなぜ一つの教室に招集されたのか



それは・・・


本日は学年の上位者が特別授業を受けれるというこの学校特有の制度がある


主に進学などに関わるもので、参考書には載ってない先生達自身が作った問題に対し、教わるという、もう一歩進んだ勉強会かな


言い方は特別授業だが、実際のとこただの時間外補習だ



そして・・・・

クリスタが1人でいたから、僕は勇気を振り絞って話しかける事が出来た



それとは別に・・・クリスタに関する事で最近は引っ掛かることがある


同じ生徒会なのだけど、クリスタとエレンは仲良くないように見えるという事だ


いや、エレンは普段は、他人とは常に柵を作るから、距離を置くのは当たり前


仲良くないように見えるというのは間違いか

別に喧嘩しているわけじゃないんだし



なぜ避けているのか、それは簡単だ


クリスタは俗に言う本物の『リア充』だからだ

エレンとは相対している存在


人から嫌われることはない人当たりの良い性格

常に笑顔でいて誰にでも優しい・・・それが根幹を成してか、容姿端麗ということもあり『モテる』

常に周りは人で囲まれている


その上、生徒会役員の会長であり、今回の特別授業に参加もしているわけで、成績が優秀というのは自然と理解できる



つまり・・・この結果から、エレンは距離を置くのだろうと仮定出来る


それに似たようなことを昔、僕も彼から言われことがあるといのが何よりの根拠



エレンと出会った頃の僕は、彼から本気でとことん避けられていた


前の僕とエレンの形が、そのままエレンはクリスタで反映されているのだと僕は思う



クリスタ「にしても、久しぶりだね・・・アルミンてば、中学になったら塾辞めちゃったもんね」


アルミン「色々あってね・・・・クリスタはまだ通ってるの?」


色々あった・・・・中学に入ったら、僕はいじめられてて、塾に通う余裕なんてなかったから


クリスタ「中学1年で辞めたよ」


アルミン「そうなんだ。どうして?」


クリスタ「どうしてって言われても・・・一緒に通ってた友達が辞めちゃったからかな」


アルミン「そっか」



時間を巻き巻き戻して、思い出そう・・・

僕の小学生の頃の塾の現場に



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ーーーーーー



アルミン(小学生)「あ、あの!」


クリスタ(小学生)「はい?」


アルミン「算数の割合の計算方法が分からないので教えてほしいのですが・・・・」


僕は2年この塾に通っていました

2年、1人の女性に恋焦がれていました


クリスタ「そういうのは先生に聞いた方が良いかと思うよ」



アルミン「予習として勉強しておきたいと思いまして・・・」


「そっか。勉強熱心なんだね」そう言い、彼女は自然な笑顔を見せました


それはまさしく天使のように・・・背中に羽が見える気がする



クリスタ「いいよ・・・じゃあ、ノートと教科書開いて?私の教え方より先生の教え方のほうが分かり易いに決まってるけどね、えへへ・・」



僕は君に話しかける事に意味があった


正直、もう予習はしてきており、万全な態勢なんだ


今日は、ただのきっかけなんだ



アルミン「うぅん!クリスタさんは今期の塾内でトップを争うほど成績優秀じゃないか」


実際、彼女には言ってないが僕は2位であったが



クリスタ「そうかなぁ・・・ありがと。でも、私は4位だからさ、トップなんて遠くて遠くて・・・・」


アルミン「でも4位なんて凄いじゃないか!」


クリスタ「そ、そんなに褒めたって私は何もあげれからね!もう・・・勉強始めるよ!」



・・・やはり見た目通り、可愛い・・・・


勇気を出して良かった。そう思える


いや本当に!これまでこんなに勇気を出した事がないってほど緊張した



クリスタ「割合の計算は私も昔は悩んだものだよ。これはパーセンテージの問題だよ」



クリスタさんは、手の甲を使い、横の髪をそそくさと耳にかけた


ふわっとシャンプーの香りが漂う



クリスタ「塩分はこの水に何%溶けているか。これはね・・・・」


チラチラと教科書を確認しつつ、ノートに一生懸命説明しながら書くクリスタさん


クリスタ「塩分何g÷水の量何g×100で計算するの。この100は、100%の100だよ」



髪をかけた為、横顔がはっきり見える


白く柔らかそうな頬が露になっている



クリスタ「じゃあ私が例題作ってあげたからさ、一回やって・・・・ね、聞いてるの?」


ずいっと顔を僕の方に近づけてきた

正直、彼女の発していた言葉はほとんど耳には入らなかった


ずっと横顔を見つめていたのだから



アルミン「え?は、はい!聞いてます聞いてます!」


クリスタ「せっかく時間割いてあげてるのに、その態度はちょーっとショックかな」


ぷくっと小動物を彷彿とさせるような感じで頬を膨らました


アルミン「ごめんなさい!」


クリスタ「ふふっ・・・いいよ。今度は真面目に聞いてよね?私の顔見たって何も問題は解けないんだから」


気付かれていた・・・変に思われただろうか


アルミン「・・・・そ、そうですよね」


クリスタ「ほーら、早くして。雑談してる時間はないよ?そういえば、あなたは何て名前なの?」


クリスタさんは別に気にする事無く、平然と流した


アルミン「あっ、僕はアルミンです」



クリスタ「そう。アルミンね・・・覚えたよ」


ただし、何年後かには忘れている


アルミン「うん!」


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ーーー



アルミン「今日はありがとございました。お陰で色々授業のほうはスムーズに解けました」


クリスタ「敬語で話さなくってもいいよ。私達、同い年でしょ?」



気さくに・・・友好的に話してくれる


まだ出会ったばかりの僕に親近感を持たせてくれる



アルミン「え?いいんですか?」


クリスタ「アルミンは面白いね。逆にどうしてそんな質問してくるのか、聞きたいな」


僕のこの気持ちを逆なでするように、近づいてきてくれてる

気持ちの問題の方で



アルミン「じゃあ、ク、クリスタ・・・よろしくね」


覚束無く、軽く羅列の回らない口調


噛みそうになるから、僕はゆっくり口に出して言った


クリスタ「うん。よろしくね」


『おーい。クリスタ!もう帰るぞー』


クリスタ「あっ、待ってよ!もう行くから・・・・じゃあ、ばいばい」



遠くからクリスタを呼ぶ彼女の友達の姿が見えた


どうやらここで、さよならのようだ


アルミン「うん、ばいばい」



もう少しだけでも話していたいという気持ち

しかし、それは叶わなぬこと・・・まだ明日があると勇気づけ


クリスタが手を振ってきたので、僕も振り返した



『ラッキーだったな、今日はあの男が近くにいなかったし』

『うらやましいぜ!相変わらずの可愛さだな』

『おい、どうだったんだよ?』


すると周りには僕の塾での友達がわんさかと、この時を待っていたかのように寄ってきた



僕は聞かれた質問に対し、素直に・・・



「・・・・すごく可愛かった」と呟くように言った



僕は初めて本気で恋をした


改めるとこなんてない

見事に想像通り、見た目通りの優しくて可愛らしい人だった


笑うと可愛くて、怒っても可愛くて・・・


非の打ち所のないとはこの事だ



好きにならないなんて有り得なかった




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それから、僕はクリスタに度々話すことはあった

けど僕の恋愛模様は一向に進展などしなかった



クリスタ「アルミンは、また勉強教えてほしいの?あっ、でも今は逆に私が教えてもらう立場かな~」


アルミン「そんなそんな!クリスタだってこの授業に参加するんだし、頭がいい良いんじゃないか」


クリスタ「ふふっ・・・入学式の時、学年代表の挨拶していたの思い返してみればアルミンだったね。本当に優秀な人にそう言ってもらえて嬉しいな」


浮かべるその笑顔に僕はいつも惹かれていた


クリスタ「私の教え方が良かったからかな~、アルミンがここまで立派になれたのなんて。感謝してよ?なーんて・・・ふふっ」



冗談混じりな思い出を語りながら、悪戯な・・・1つまた違う笑顔を見せたクリスタ


アルミン「そうだと思うよ」


クリスタ「いえいえ・・・私なんて小学生の頃の基本だし、アルミンは1位で私は5位でしょ」


アルミン「5位なら、頑張れば1位だって狙えるって」


クリスタ「いいの?狙っちゃうからね~・・・アルミンはギャフンと言わざるを得なくなるからね」



悪魔のようで天使のようで・・・・


小学生の頃の本気で寄せていた想いが、湧き水が湧くようにどんどん思い出と共に頭の中に流れてくる



アルミン「あはは、なにそれ」


クリスタ「私は頑張るから」




『半分と言ったのはそっちだろ』

『何?私に吐き出す事を要求する気?・・・最低』

『最低はそっちだ。一口が70%は食べてるじゃねえか』

『しょうがない・・・』

『は!?ばかっ!指を喉に突っ込むな!』


ほのぼのした親友同士の会話が一瞬空気を止まらせた


・・・アニィ・・・・・



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今回はここまでです

読んでいただきありがとうございました




特別授業が終わり荷物を取りに私達は教室へ足を進めた


授業のほうは約一時間ほど、プリントが配られ、それに沿うように説明を受けながらという形だった



エレン「にしても、拍子抜けだったな」


アニ「意外と簡単だった・・・先生達も単純すぎる」



特別授業というのを聞いていたのに、それほど難しい問題ではなかったのだ


少し考えれば分かる、応用のいる問題ばかりだったんだ


エレンと共感しながら、私達は談笑していた



アルミン「そうだった?結構難しかった気がするんだけど・・・」



しかしアルミンは違ったようだ



エレン「捻った問題だったし・・・得意不得意があるかもな」



確かに・・・アルミンは基本に忠実というか

教科書通りを完璧にこなしている


一度見たことない理解不能に陥ったら、とことん泥沼に嵌っていくタイプだと思う


でも、その代わり決めたられた事をこなすのなら全てに完全完璧に対処できるタイプなのだと思う



アニ「ねぇ、あんた生徒会もバイトも今日は無いのかい?」


エレン「一応な。断りだけはいれといたし・・・」


アニ「そう」



エレン「聞いただけか?特に何も無いのか?」


アニ「そうだけど」


エレン「そういえば、アニ・・・・俺の苺プリン結局全部食ったよな?お礼はいつ返してくれ

アニ「あのさ、アルミン?」


エレン「・・・・・」


アルミン「ん、どうしたんだい?」


アニ「あんたって、あのビッチと仲良さそうだったけど知り合いなのかい?」


エレン「クリスタをビッチとか呼ぶな」


アニ「え・・・・ご、ごめん・・」


アルミン「んー・・・そうだな、小学生の頃の友達かな」



アニ「へぇ・・・・好きなのかい?」


アルミン「どうしてそんな飛躍するのさ!?」


アニ「いや・・・授業中ずっと気持ち悪いくらいにチラチラ見てたよ。気持ち悪いくらいに」


アルミン「そんなの言いがかりだよ!そんな根拠のない事に僕は踊らされないよ!というか、気持ち悪いなんて2回も言わないでくれ!」


アニ「なんでそんな声を張り上げるのさ。まるで、図星突かれて焦って言い訳してるみたいな言い種じゃないか」



明らかに焦りを見せるアルミン


嘘が苦手なのか、それともやはり突然の事には対処出来ないだけなのか


どちらにしろ、その焦りが答え



アルミン「・・・・そ」


アニ「そ?」


アルミン「そうだよ・・・・僕の初恋の相手なんだ」



アルミンは隠すことなく告げた


何か吹っ切れたのか、それとも私とエレンの前じゃ嘘を貫き通すのは無理と判断したの・・・


「うぅっ・・・」と恥ずかしさを堪えながら、俯き頬を染めている姿は何とも新鮮味を感じる



アニ「やっぱりね」



そんなアルミンの驚愕の告白に対し、私は納得した



そして、エレンは・・・


無言のまま真顔でアルミンを見つめていた


私は妙々しさに気付き「・・・エレン?」と問いかけた



そしてエレンは何も無かったかの様に


エレン「ん?なんだアニ・・・?あっ!なんだっけな・・・アルミンが、俺に会うために初めてクラスに入った時、クラスの連中に絡まれてる時に、好きな人がいるみたいなこと言ってたもんな」


と、長ったらしく説明的に答えた


アルミン「よくそんなの覚えていたね・・・というか、よく聞いてたね。ずっと寝てると思ってたのに」



アルミンとエレンの出会った頃の話


どうやら私はその現場に居合せなかったらしい。初耳の情報だった



軽い疎外感も感じながら、二人の会話を聞く



エレン「あはは・・・俺は2人はお似合いだと思うぞ。ほら、アルミンは俺みたいに非の打ち所のない良いものの塊みたいな奴だしな」



再び違和感を感じた


エレンの態度に口調に・・・話す内容に


そして最近はあまり耳にしなかった自分の卑下だ


自分を否定するのはたまに聞く

でも、アルミンを立てて、自分は存在までも全否定


そこまでしてアルミンを勇気づけようとするのだろうか



こんなの自己犠牲じゃない


単なる自己否定だ



アルミン「そ、そうかなぁ!って、エレンはそこまで酷い人間じゃないからね?」



アルミンは無反応であった。その違和感に


私は気付いた

今のエレンの笑顔は『作り笑顔』だって



アニ「ね・・・。エレンどうしたんだい?」


エレン「何がだよ、アニ?」


アニ「あんた様子がおかしいよ・・・」



エレン「俺のどこがだよ?確かに俺はよく自己犠牲野郎やヒーローバカとか変だ何だと言われるが、普段の生活から乱れた事なんてしてないと思うんだが」


淡々と説明たらしく語り出した

ただしその長い説明が寧ろ疑惑を強まらせる


エレンは、自分について、自分はこういうものだ。という自己分析を、私達2人は知っているのにわざわざ何故語ったのだろうか



アニ「やっぱり変だよ」


アルミン「2人ともどうしたの?特にエレンはいつも通りな気がするけど」



アルミンは分かってない


エレンの奇行に、違和感に・・・・私だけなのか?


何かを否定したい、そんな気持ちがひしひしと伝わってくる



感情論じゃない。エレンの行動が引き金になって私はこう推理しているんだ



そして、その違和感とは・・・


アニ「・・・・・・なんか、必死で言い逃がれしてるみたいな・・・」



エレン「は?俺が言い逃がれ?俺は論破するのが基本だ」


アニ「ふーん・・・」



やはり・・・ただの勘違いだったのだろうか


私の知らないとこでのエレンはこうなのだろうか


逆にいつも気にしてなくて、今回たまたま気にかけただけなのか



なぜ『言い逃がれ』しているように見えたのか



今のを聞いて全てを覚えているわけではない
録音も撮影もしていない私は、もう過去の事なので証拠もなく言質を取り追及する事は出来なかった


きっと途中で見た、作り笑顔も私の勘違いなのだろう


それがただの違和感や勘違いだけで終われば良い


ただ、それだけの事だけで終わればいい



アルミン「・・・・アニどうしたのさ、本当に」


エレン「アニもたまに変なこと言うよな」


アニ「別にいいさ。私の勘違いかもしれないしね」


無反応、何も変哲も無く流れる会話


私は逆に何もないのが不安にさせられる


その不安定な心持ちで、私は普段通りに戻しまた2人とも談笑を始めた



アニ「コンビニ行く・・・?」

エレン「おう!あっ、苺プリンの返しとして、パピコ半分子な?」

アニ「半分・・・?」

エレン「半分でいいし、アニと一緒に食べたいからな。嫌ならアルミンと一緒に食べるし・・・」

アルミン「ええっ・・・・今現在、冬真っ只中だよ」

アニ「まぁエレンがそこまで言うのなら・・・一緒に食べるけど」

エレン「今度は吐こうとするなよ?」

アニ「別に・・・あれは冗談だし」

アルミン「というか、なんで冬にアイス食べようとするのか、僕には分からない・・・」

エレン「じゃ、早速カバン持って行こうぜ」




今回はここまでです

出来れば予想とかを書き込むのは遠慮していただきたいです

読んでいただきありがとうございました





エレン「冬季合宿?めんどくさっ・・・スノースポーツや雪道散歩とか小学生かよ」


机に置いてある小さなカレンダーの予定欄を見つめ、そう呟いた


ライナー「おいおい、生徒会役員が学校行事にケチつけるなよ。生徒に示しがつかんだろ」


向かいに座ってライナーがその独り言と思われる意見について、注意を促す


エレン「なんで1月という寒い時期にも関わらず冷たい雪と戯れて、もっと寒い思いをしなきゃならんのだ。インドアぼっち舐めんなよ」


ライナー「それは仕方ないんだ」


エレン「先輩は、真夏の空の下に熱々の鍋食べたくなるんですか?それはもうドMの域ですね。よっ、M先輩!」


悪戯心でライナー先輩の言葉の言質を元に容易く煽りをかける



ライナー「俺は別に肯定してないだろ!つか、M先輩とか呼ぶな」


エレン「えっ・・・?ライナー・ブラウンのMは、ドMのMでしょう?」


ライナー「俺の名前のどこにMがあった!?」


ライナー先輩の無駄に整えられた眉毛が変に上がって、驚きというより必死という表情が伺える


エレン「どうにかして、炬燵に入りながらのカルタ大会とかになりませんか。こう・・・みんなで囲んで、みかんパーティーとかさ」



最高の提案ではないか

怪我をする事のない絶対的安心平和がある

そして心が和むし安らぐ・・・良いことだらけではないか



ライナー「ジジ臭いぞ・・・」


エレン「俺は思う。人間は常に外に目を向け過ぎだと。やれ貿易だ、やれ外交だ・・・それに目を遣るくらいなら、まず自分達の社会を見直せと。不況や少子化などの自国の問題を改めた上で外に目をやるんだ」



ライナー「・・・・それで?」


エレン「学校も社会と同等の理想を持ち、行動考察をすべきだ。そうする事で学生はその理想を持ち、日本の社会へ出て行ける。つまり今回の冬季合宿は、外へ足を踏み出さず、内に目をやる理想を再理解するのが望ましいと思う」


エレン「・・・・だから敢えて今回は『自宅待機』を行うべきだと俺は提案する」


ライナー「却下だ」


即効で間髪入れずに俺の提案を叩き落とした

何も聞き入れてくれないよ、この人


エレン「なんでだよ」


ライナー「その考えだと、お前の自宅には何の問題があるのかよ?」


エレン「カビ掃除とか壁のキズ補修とか・・・出来るなら、食器棚の奥の埃拭きという問題も解決する必要がある」



ライナー「休日にしろよ!主婦か!」


怒濤の声が生徒会室を響かせた

と同時にノックも無しに扉が開けられた



『失礼します、あの~・・・』



エレン「”失礼”と思うのなら出ていけ。『私のような身分の者が厚かましく申し訳ないですが、失礼承知の上お部屋に入らせていただきます』と言え。はい、部屋に入るところからやり直し」


『えっ?』


ライナー「一般生徒に何を強要させようとしてんだ」


エレン「あはは、冗談だ。話はそこの筋肉に聞いてもらってくれ」


ライナー「筋肉って・・・・で、何か生徒会に用か?会長は今出払っているので副会長の俺が聞くが」



『実はですね・・・』

エレン「俺のリコールだな!リコールなんだな!仕方無い・・・俺、そろそろ引き際だと思ってたんだよ」


ライナー「うるさい黙れ」


『えっ!?・・・・これがあのエレン君・・・?』


エレン「・・・・・・」



エレン「ッチ・・・俺は不良だ。なぜなら・・・・・・・。えっと・・・不良だからだっ!!だから容易く話しかけるな。怪我するぞ・・・・」


ライナー「すまない。こいつの前世は馬鹿の帝王なんだ。気にせず話を続けてくれ」


『は、はい。あの・・・今週末に』

エレン「学校閉鎖」


ライナー「だから口挟むな!そんな休みたいなら勝手に休め」



エレン「わかってないですね。合法的に休むからこそ意味があるんだ。それに授業点、皆勤とかに影響が出ない・・・・この意味が分かるよな?」


ライナー「お前・・・本当に生徒会役員か?」


エレン「いつでも辞めて荷物撤去できる準備は出来てます」


『すみません!話聞いていただけませんか!』


エレン「どうせ、今週末の冬季合宿のクラスの班組み合わせや部屋割りとかの紙の提出だろ?」


『え・・・あっ、はい。その通りです・・』


ライナー「なんでわかったんだよ」



「なんでかって?」と言いながら席を立ち、扉の前で棒立ちしている人の元へ歩き出す



エレン「俺が教室で、クラス委員長達からビビられながら紙を貰ったしな。ビビられながら。ほら、今回の冬季合宿のしおりだ。部屋割りとかのは個人で書き込むように学級で連絡してくれ」



立クリップで纏められたしおりの束を、その紙を提出してきた人物に渡した



「は、はい。わかりました・・・」


エレン「後日、コピーしてクラスまた返すからな。一応、班の確認の為に先生に提出しなきゃならんからさ」


そして元の位置に戻り、椅子を引いて再び座った


ライナー「しおりなんて初耳だが」


エレン「昨日頼まれて、昨日作ったからな」


ライナー「ちょっと1冊見してみろ・・・・は!?これ54ページって・・・はぁぁ!?」



1人驚愕の顔を浮かべぎゃーぎゃー騒いでる



そこまで凄いことではないだろう

ちょいと5時間ほどパソコンに向かえばいいだけの事なのに



エレン「うるさい黙れ」


ライナー「旅館の地図に注意事項、予定表とか・・・・昨日全部お前が纏めたのか?」


エレン「二度も言わさないでください。針と糸で一生開けない口にさせますよ。昨日作ったと言いましたよね」


ライナー「お前・・・・裏では仕事はしっかりこなしているんだな」


エレン「俺をなんだと思ってるのですか。任された仕事を放棄するような教育は受けてませんから」


ライナー「つか、お前しおりまで作っておいて、あんな嫌がってたのか?」



エレン「それとこれとは話が別だろ。って、お前はもう出てっていいぞ」


『は、はひ!失礼しました!』


ライナー「おう」


ライナー先輩が返事をし、その人物は生徒会室を後にした


2秒ほど置いて、俺はまた口を開いた



エレン「俺は仕事するには、する。けど面倒と感じる事は感じるんだ。仕事をすればする程、面倒に感じるのは誰でもだろ?好き好んで生徒会に入ったわけでもない俺からしたら、全てが比例して良い行いをする度、ストレスが溜まるんだ」


ライナー「お前は本当にストレートだな。本当にリコールが来るぞ。というか寧ろ、そこは反比例させようぜ」


エレン「リコールどんとこい!」


ライナー「まぁリコールなんて認められないと思うけどな。ただでさえ3人で切り詰めているのに、さらに削り取るなんて事無理に等しいからな」



エレン「はぁぁ・・・・」


ライナー「深い溜息だな」


エレン「誰か俺が停学にならない程度の問題をでっち上げて、無理矢理にでも辞めさせてもらえないか・・・それなら、辞めたってリコさんは批判する手立てもないしな」


ライナー「もう土下座でもしてこい・・・」


呆れ顔そう答えるライナー先輩


エレン「俺にも自尊心があるんでね・・・土下座とかプライドが傷付く」



そう言った矢先、「あっ」とライナー先輩が何かに気付いたかのように、俺を見つめて疑問符を浮かべながら問いかけてきた



ライナー「そういや、冬季合宿の班やら何ならは、どうしたんだ?お前、友達いないんだろ?」


考えさせられる



班を決める時間は、体育のサボってたのが延長として熟睡してしまっていた


だとしても確認する術はない


先生にうちのクラスの紙は渡してしまった



エレン「そういえば・・・そうだな」


ライナー「肯定するなよ・・・・聞いた俺が虚しくなるって」



まぁどうせ適当な人数合わせで使われたと思うけど



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ーーー




クリスタ「本日14日から2泊3日の第1学年冬季合宿を行います。1年生で作る思い出はこれで最後です。怪我無く、仲間との協調性を高め、良い3日間を過ごせるようにしましょう」


エレン「一同、礼。・・・それでは、男子は1~3号車に乗り込んでください・・・ッチ・・。女子は4~6号車に乗り込んでください。なおこの後、保健医とクソ・・・ペトラ先生はこちらへ来てください。話がありますので」



『今、舌打ち聞こえなかった?』

『バス隣同士だね~』

『おい!バスで菓子争奪戦しようぜ!』


ざわざわ・・・がやがや・・・・




エレン「おい・・・・これはどういう要件だ?この野郎・・・俺にも限度っていうのがあるんだよ」


リコ「はぶられたお前が悪い」



ペトラ「ほ、ほら!エレン君は大丈夫な人だからさ!」


エレン「・・・・本気で言ってるのか?面白がっているんだろ?どうなんだ?」


ペトラ「面白がってないって!ほら、決めたの違う先生だしさ!それほどエレン君は信頼されているんだし!生徒は違っても先生はエレン君の味方だよ」


リコ「私には謝罪の言葉しか述べれん。本当に悪かった。でも別に良いだろ?同じ-・・・」



ーーーーーーーーー
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ーーー



『あー、櫛忘れちゃったー』

『女子力低いぞー!あはは、まぁ部屋で貸してあげるから』

『みんなー!飴あるけど食べる?』


『『食べるー!』』




エレン「何が女子力だ・・・・物理的に、だろ」


俯き小声で呟く



クリスタ「・・・・ごめんね。うちの担任が勝手に一緒に行動したほうが、会議とかの進行も進めやすいって・・・」



バスの席。俺の隣に座るクリスタが辿々しくそう告げた



先ほどバスに乗る前に『別にいいだろ?同じ生徒会なんだから』とリコさんは言った



何がいいのか・・・・


生徒会だから生徒会の奴らでひと括りするという事か?


俺が訴えられても抵抗出来んぞ・・・



というか女達の巣窟、略してオタクに俺を突っ込むな


いくら俺が他人に興味無いからって、これは非常識だろ

俺をただの朴念仁の鈍感スペア野郎とかと思ってるのか?



エレン「別に・・・・うちのクラスで1人男子がはぶられるくらいなら、俺がはぶられた方がいいからな」



うちのクラスは元々いた人数から少しばかり減っているんだ


そのせいで初めの頃の29人という素数で班分けをした結果、俺とアニははぶられた


今回は部屋割り=班分けも込めて、4人で1班だったんだ


女子は女子で仕方なく組むことになっている為、今回はアニは有無を言わさず組まされた


さて、これで分かったろ?

故意的に浮かされているんだ



エレン「それにそういう貧乏クジを引くのは生徒の代表がしたほうが良いし・・・。そもそもそういうのは俺が適してるお前が謝るな。それに俺には仕事以外の事で話しかけるな」


そう。デキレースとも言える、貧乏クジを引いたのは俺さ



クリスタ「・・・・・・・うん」


エレン「・・・・・・・」


なんでこんな気まずい思いをしなきゃならないんだ

その場で自分だけが違う存在だと理解したら、無駄な視線を感じるように思えてきた


ほんと・・・・自意識過剰だな



『・・・んくん・・・・れんくん・・』



エレン「ん・・・・どうした。到着時間を聞きたいのか?それともお手洗いか?それとも酔ったのか?」



『飴食べますか・・・?』



そんなことかよ・・・舌打ちしそうになる



エレン「いらないけど・・・」


『そうですか』


エレン「食べ過ぎると、向こうの旅館に着いた時、お昼食べれなくなるからな?気を付けるんだぞ・・・・あと、ありがとな」


『は、はい!どういたしまして!・・・・・たはは、断られちゃった』

『おっ、すごい根性じゃん!飴1個プレゼントー!』

『ありがと。まぁ私は勇気が売りだからね。というかイメージ違ったんだけど・・・』



俺は草むらでたまたま出会ったラティアス&ラティオスの辺りですか



そんな俺と話すことに勇気がいるのか

さすが女子力(物理)の集団だ。ビビるわぁ・・・



というか、俺に対する警戒心というか恐怖感が、『根性』や『勇気』でどうにかなるほど、俺の知名度みたいのは落ちてきているのか



エレン「そういうのは俺に聞こえないように話せよ・・・」

と、俺はまたボソッと小さな声で呟いた


クリスタ「エレン・・・・」



そんな俺の言葉を聞いたのか、それとも仕事の事で質問があったのかクリスタが俺の名前を呼んできた


その前に忠告しているから、仕事の事に決まってるだろうけど



エレン「なんだよ。言いたい事あるなら言え」



クリスタ「え?・・うん・・・その・・・・えっとなんだっけ・・・」



まどろっこしい・・・手話をつけて何かを伝えようとしているのだが、分からない


いや、これは手話ではなく、ただアタフタしているだけなのだろうか?その疑問が過る



エレン「早く言えって・・・」


クリスタ「その・・・えーっと・・・・・あっ!あっちに着いたら、昼食だよね。その次は何をするんだっけ?」



それくらい昨日も今日の朝も先生達と確認しただろ


クリスタの記憶力なら、これくらい忘れる訳ない気がするんだけど



というか、これくらい覚えてろよ・・・



エレン「昼食の後は、1度旅館での部屋に入って荷物を置く。そこでウェアに着替えて、15分後に外のエントランスに集合。そしてゲレンデで自由に別れて・・・」


クリスタ「・・・・・」


エレン「・・・おい、話聞く気無いなら説明しないぞ」


クリスタ「あっ・・・ご、ごめん・・・・ちゃんと聞くから」



はっと気付き慌てた素振りを見せる


何故か視線は俺の頬の方を向いており、唖然というか口をポカンと開けたまま鳩が豆鉄砲を食らったかのような顔をしていた


間の抜けた声で少し裏返ったりしてた


何を焦っているのか、何に集中力を剥ぎ取られていたのか・・・・



エレン「・・・そこで、それぞれの班になって、教えてもらう人はインストラクターに教えてもらい、自由に滑りたい人は班で固まって滑る。それで、5時にまたエントランス集合・・・以上だ」



俺が言い終わりクリスタを見た瞬間


「ありがとね」と、クリスタは笑みを浮かべ、バスの中で一際目立つ声を発し、感謝の言葉を述べてきた


俺もその返事に対して「クリスタの為だからな」と答え、自然に頭に伸ばして髪を撫でた




「・・・・・・え・・・」



瞬く暇もなく即座に手を引いた



「・・その・・・・・悪い・・・。・・・・・本当に悪い。間違えた・・・」



自分からクリスタに話しかけるな、と言っておきながら俺は何をしているんだろうな



「・・・・そ、そっか・・」



一瞬、唇を噛み締め、涙目を浮かべてるように見えた


けど、見間違いだろう・・・すぐにクリスタは目線を下げ、俯いた




これから、クリスタと3日も共に過ごすとなると・・・・少し気が引ける



気持ちの問題で俺は耐えられなくなると思う



”罪悪感”で



今回はここまでですので

少しばかりか忙しかったので更新遅れてしまいました

はい。それでは読んでいただきありがとうございました




旅館の個室で1つ扉を跨いでウェアの着替えを行う


2人して無言のままであるから、しゅるしゅるという服の擦れる音やチャックを占める時のジジっという音だけが妙に耳に目立つ


本来なら4人で使うはずの部屋を2人で使うので、ひどく広く感じる


本当に2人で使っていいのか、他の人達はもしかして狭い思いをしているのかもしれない・・・そんな遠慮がちな申し訳なさで胸がいっぱいです



エレン「俺は周辺を巡回してくるから、クリスタは友達のとこに行ってこい。仕事は俺一人でやるから」


クリスタ「うぅん・・・私も一緒に回るよ」



それでいて、妙な期待感を私は持っている


期待感といっても下心ではないです


私の期待感は切羽詰まるような思いを秘めている



言い方を変えよう。


私の何を失ってもいいから、期待を実現させてほしい



エレン「お前は、こういうの好きだろ・・・やってこい」


クリスタ「私は生徒会長なんだから。仕事を1人に押し付けない」



だが、所詮秘めているだけ、祈るだけ

私には秘める事しか出来ない


私には願いを叶える事が出来なかった

だから期待して秘める事しか出来ない


それは私の誠意が実際は小さく微々たるものなのか、それとも私が願いを叶える事を許されていないだけなのか




エレン「・・・・・。・・・勝手にしろ」



分かってることは

私は・・・昔より、もっと弱々しく成長している



ーーーーーー
ーーーーー
ーーーー



?数時間後・スノースポーツを終えた頃?



先生「見回りお疲れ。怪我人はでなかったか?」


エレン「幸い怪我人は出なかったですよ」


先生「全部の時間見回りさせて、すまないな。エレンも滑りたかったか?」



エレン「いいえ・・・・別に大丈夫です。それより、それはクリスタに言ってやってください」


クリスタ「え?いえいえ・・・私も大丈夫ですよ?気にしないでください」


エレン「はぁ・・・・俺に合わせなくていいぞ」


クリスタ「!!」


エレン「んじゃ、なんかこの後は面倒な仕事があるんだよな。クリスタはもう行ってていいぞ。俺は先生と話があるから」


クリスタ「う、うん・・・」


タッタッタッ・・・



エレン「はぁ・・こんな行事、仮病で休めば良かったな・・・」


先生「教師の前で言う事か?」



エレン「そうですね。すみません・・・内容としては良い行事だと思いますよ?宿泊を伴う集団生活を通して人間関係を直に学ぶ事を体験したり、厳寒の自然に親しみ畏敬の念を抱くなど、経験を積むことで良い心構え作れる第一歩となれます」


先生「そうだな」


エレン「けど、納得いかないのが、この置かれている状況だ。生徒会であるからという単純な理由で、クリスタと男女共に生活をするという設定が気にくわない」


先生「それは、まぁ・・・先生達も簡単に決定づけた事は反省しよう。エレンの性格を知った上で勝手にしてしまったな。悪かった」


エレン「俺がイラついてるのは、そっちじゃねえ・・・・です」


先生「イラついてって・・・そっちじゃないとは?」


エレン「クリスタに変な悪評が付いたらどうするんだと俺は言いたいんだよ」


先生「・・・・・それは」


エレン「俺は表面上、周りから不良扱いされ疎遠されてるんだよ・・・対してクリスタは、それなりに周りの人間から信頼も好意も向けられる人間なんだよ」


先生「・・・・・・」



エレン「その上で俺なんかと一緒にさせたら、どうだ?クリスタの会長や人間としての信頼性と支持率も不安になるだろ」


先生「それは大袈裟じゃ・・・」


エレン「そんな、ことの大きさを計ってるんじゃねえよ。起きてからじゃ遅いんだよ。ふざけるなよ・・・」


先生「そうだったか・・・・だが、もう変更は不可能だ」


エレン「知ってるさ。なら、今回は俺が精一杯配慮すればいい。だからこれからはこんなこと止めてくれ・・・・・」



俺はクリスタの傍にいるべき人間じゃない

”クズ野郎”だから



エレン「じゃあ、俺はこの後に仕事があるんで消えますから」



ーーーーーーーーー
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ーーー




『恋』とは小さく子供の心にも芽生えるもの


『憂愁』とは歳なんて関係ない。悲しいものは悲しい



これは私が、幼稚園というのに通い始めた2日目の頃


この恋と憂愁を共に初めて体験した時の事でもあります


恋と言っても、私はこの頃分かっていたのか


でも、昔から変わらないこの気持ちは、きっと分からなくても抱いていたのだと思う




クリスタ「やだっ!髪引っ張らないで!いたいよぉ」


「こいつの金色の髪、絶対桂だろー」


「知ってるぜー!お前んちの父ちゃんと同じだろー」



太陽の明かりが、空を覆った時刻


私は人生初の虐めを受けました


それは子供からしたら、遊びや面白みでやっていた事かもしれないけど



クリスタ「いたいいたいっ!髪の毛抜けちゃうよ!」


「なかなか取れねえな」


「こいつ接着剤でくっつけてるんだって!」



非力な私じゃ何も抵抗できなかった


そんな遊び心は私を恐怖に貶める



「そうか!じゃあそこの水取ってくれ」


クリスタ「ふぇ・・・ひぐっ・・・・・んぐっ・・・」



いくら泣いたって誰も助けてくれない


いくら泣いたって止める気配はない



「接着剤なら水かければ取れるだろ?」


「なるほど・・・」



でも、泣くしか抵抗する術はなかった



クリスタ「ひぐっ・・・ひぐっ・・・・」



水を浴びて、かれこれ15分ほど泣き続けただろうか


水が染み渡り身体に途轍もない冷たさとへばり付く気持ち悪さが肌に伝わる



『だからよー、団地妻はやばいんだって』

『だんちづまー!』

『そうそう、やばいんだ』

『やばいー』

『ほら、なんか響きがかっこいいだろ?』

『いいだろー』


『・・・・ちゃんと分かってるのか?』

『分かってるのかー』

『そうだよな・・・まだ2歳だし・・・・ん?』

『にーしゃん?』



私がすぶ濡れでへたり込んでいるとこにある兄妹が駆け寄ってきたのです



クリスタ「うっ・・・ひぅっ・・・」


兄「おいおい、どうしたんだ?雨にうたれたか?」


妹「うたれたのかー」


クリスタ「・・・・ひぐっ・・・」



しかし、私は彼の言葉を聞かずに、泣き続けました



すると、彼は・・・


兄「お前・・・服を脱げ」


私に服を脱ぐことを強要してきたのです


クリスタ「えっ・・・」


妹「にーしゃん、私も?」


兄「お前は脱がなくていい」



私は言われるがまま服を脱ぎ捨てました


すると彼は徐ろに自らの服を脱ぎ、私の前に突き出してきました



兄「ほら、そのままじゃ寒いし風邪引くだろ?その間、俺の上着貸してやる」



クリスタ「・・・・うん・・・」


妹「にーしゃん、私も?」


兄「お前は脱がなくていい」



彼の貸してくれた服はぶかぶかで袖から手が出なかった

でも、とても温かく・・・いい香りがした



兄「そういや髪の毛ぐしゃぐしゃじゃねえか」


妹「にーしゃん、にーしゃん!はい、どうぞ!」


彼と手を繋いでいる少女がポケットから、櫛を取り出して彼に手渡ししたのだ


兄「ん、ありがと。ほら、この櫛で髪の毛整えてやるよ」



ほんの数分前までは、男なんて大嫌いや恐いと思ってた


ほんとに・・・



クリスタ「・・・・・・」


兄「折角、綺麗な髪なんだから・・・ぼさぼさだとなんか勿体無いだろ」


彼は慣れた手つきで私の髪を梳かしてくれた

流れに沿って決して痛みを与えないように優しく扱ってくれた


クリスタ「・・・・・リガト」


兄「で、何故びしょ濡れなんだ?水道で水を出し過ぎたのか?」


彼は私の髪を梳かしながら問いかけてきた

思い出して一気に心苦しくなる



クリスタ「・・・・うぅん・・・」


妹「にーしゃん、私も?」


兄「うん。何がだ?」


クリスタ「こんな服ぐしょぐしょにしたら、お母さんに怒られちゃう・・・」


兄「何があったんだ?」


クリスタ「水かけられたの・・・」


兄「か、かけられた・・・?」


クリスタ「ひぐっ・・・どうしよ」


兄「おいおい、泣くなって・・・そっか。お前の母さん恐いか・・?」



こわいというのは分からない


怒られたことはないから


けど、怒られるような『いけない』事をしたという安心をえぐり取られるような心の痛みを感じ


小さな私でも理解していた・・・怒られてしまうと



クリスタ「分からない・・・けど、怒られちゃう・・」


兄「・・・・そろそろ、親御さんの迎え来る頃だし・・・」


クリスタ「・・・・お母さんから嫌われたらどうしよう・・・」


兄「・・・・・よし!俺に任せろ!」


妹「おー、任せろー」



ーーーーー
ーーーー
ーーー



クリスタ母「クリスタ?どうしてこんな服はびしょ濡れなの?」


クリスタ「・・・・ごめんなさい」


クリスタ母「謝るだけじゃ分からないの。どうして全身びしょ濡れなのか聞いてるの?」


兄「お、俺が水をかけてやったんだ!だから・・・だから!悪いのは俺なんだ!クリスタを怒らないでくれ!」


クリスタ「えっ・・・」


なんと、彼は私を庇ってくれたのだ

事実でない虚実を私の母親へぶつけた


クリスタ母「・・・・・・ふーん。・・・どうして、そんなことするの?」



兄「あっ・・・その・・えっとだな。あ、あれだあれだ!ちょっとイラついたからさ・・・そう!イラついたからだ!だから、おっ怒るなら俺を怒ってくれ!」


妹「にーしゃん、どーして嘘つくの?」


兄「ばかっ!う、嘘ついてないし!あっ、おばさん嘘じゃないからな!?俺が水をこいつにかけたんだ!」


彼は一生懸命に言い訳をする


そして私の母は「ふふっ・・」と小さな笑みを浮かべた


クリスタ母「優しい虐めっ子さんだこと。クリスタに上着貸してくれて、ありがとね」


彼は疑問符を浮かべ、うしてこうなったのだ?と脳が処理できない状況


クリスタ母「さて、あなたの名前はなんて言うのかしら?」


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ーーーーーー
ーーーー

ミスです

彼は疑問符を浮かべ、うしてこうなったのだ?と脳が処理できない状況

彼は疑問符を浮かべ、どうしてこうなったのだ?と脳が処理できない状況

ですので





ペラペラっと冬季合宿のしおりのページを捲る


こんな何もしていない時間が長く長く感じた・・・


先ほど、仕事とは言ったもののただのクラス委員長と生徒会の俺とクリスタでの単なる会議に過ぎなかった



クリスタ「・・・・先にお風呂使わせてもらうね」



布団の上に置いてある寝間着を手に持ち、俺を向き、そう伝えた


お風呂に入るから間違えて入らないよう連絡したのだろう



エレン「・・・体洗う用のタオルは浴槽の縁の傍にある。あとクリスタが嫌なら浴槽のお湯は出終わった後に、流しても構わない。バスタオルは入って、すぐ右の棚の上にたたんであるぞ」



クリスタ「いろいろありがと・・・」


少し会釈をし、ニコッと笑ってクリスタはお風呂場のある扉の方へ振り向いた


エレン「・・・・床濡れたら滑りやすいから、気をつけろよな・・・」


クリスタ「エレン、あのさ」


これから向かおうとしていたのに足を進めず、振り向いたままクリスタは話しかけてきた


エレン「・・・・ごめんな」


クリスタ「ちょっと話をしようよ」


声を張り上げて、部屋の中で声だけが響く


エレン「・・・ほんとにごめんな」


「っ・・・」と何かを噛み締めたような声を吐き出し、5秒ほど時間があき



クリスタ「エレンは、もう勇者じゃないんだね」


と、呟くよう俺を責めるかのように・・・そう言ってきた


エレン「・・・・・。・・・早く風呂に入ってこい」



俺はクリスタが風呂場の扉を開け、入ったのを確認し、徐ろに携帯を手に取った


Pi・・・・ぷるる・・・ぷるる・・



ミーナ『もしもし・・・お兄ちゃん』


エレン「ごめんな、こんな時間に電話しちまって・・・」


ミーナ『なんか元気ないよ?どうしたの・・・?』


エレン「・・・・・ミーナはさ、母さんのこと何も覚えてないか・・・?」



ミーナ『そんな唐突に・・・・うろ覚え程度だよ』


エレン「なんか気分悪くなるようなこと聞いて悪いな。・・・・じゃあ、お姫様と聞いて何か心当たりないか?」


ミーナ『・・・・昔、お兄ちゃんは私のことをそういう風に扱ってくれてたよね』


エレン「その頃の俺と今の俺って、何か違うか?」


ミーナ『・・・・答えてほしい?』


エレン「どうしてそんな質問をする」


ミーナ『・・・・私が助言するより、自分で理解してほしいかなって』


エレン「ミーナは、たったこれだけの会話で、どこまで察してるんだよ」


ミーナ『うぅん・・・ほとんど分かってないよ。でも、お兄ちゃんが悩んでるって事は、声を聞いた時から気付いてたよ』


エレン「さすが俺の妹だ」



ミーナ『いえいえ・・・』


エレン「好きだぞ」


ミーナ『・・・・っ!』


エレン「おうおう、無視か?いつの間に、そんな偉くなったんだ?」


ミーナ『私も・・・・スキ・・・だから』


エレン「ありがとさん。なんか暗雲晴れた感じだ」


ミーナ『そっか・・・さすがシスコン』


エレン「家帰ったら襲うぞ?」


ミーナ『じゃあペトラさんに電話しちゃおうかな』


エレン「冗談くらい察してくれよ。ペトラ先生とか死亡フラグじゃねえか」



ミーナ『どう、スキーかスノボ楽しめた?』


エレン「冬季合宿云えど知識力を高め探究心を深める学習する場。運動も青春を過ごす為の学生の本文ともいえよう。だがしかし」


ミーナ『うんうん。やってすらないんだ』


エレン「結果を述べるとすれば、そういう事だ」


ミーナ『もう少し楽しみなよ。お兄ちゃん運動神経抜群なんだからさ・・・』


エレン「どうしても譲れないものがあるんだ」


ミーナ『まぁがんばって』


エレン「おう。じゃあ切るから」


ミーナ『明日もお兄ちゃんの声を聞きたいな』

エレン「このブラコンめ」



ミーナ『もう!そんなんじゃないし!でも大好きだから!』


エレン「はいはい、おやすみ」


ミーナ『うん。おやすみなさい』


ぷつん・・・ツーツー・・



さて、これはどうしたものか


疑問に思ってた・・・どうして、クリスタは俺に近付いてくるのだろうか


どうして、こんな俺をまだ追いかけてくるのか


もうお前の理想でも勇者でもない・・・裏切り者をどうしてまだ手を差し伸べてくるのか



俺は昔とは違うよな・・・?


今回はここまでですので

いつも更新遅くて申し訳ないです
何度も言いますが、何か理解したとしても書かないでいただきたいです

読んでいただきありがとうございました




照明を落とし、扉側の電気が1つしみじみ光っている


もう既に合宿のしおりに書かれてある通りの夜10時消灯の時間を疾うに越えている


今の時間に騒ぎや起こそうならば反省文はままならない



クリスタ「まだ起きてる・・・?」



小さく漏れた寝息がエレンほうから聞こえる


私が声をかけたことで息が乱れた

つまりは寝息ではなく、ただの吐息


寝ながら身体をエレンの方向へ傾ける



エレン「眠れないなら、眠たくなるまでテレビでも見てろ。俺は気にならないから・・・」



天井に顔を向け、目を閉じたまま口を聞いている事だけが見てとれる


私は出来るだけ音を立てないように掛け布団を胸の前から退けた



クリスタ「・・・・別にいい・・・」



立ち上がり、音を立てないことを心掛けエレンの布団に手を掛けた


私の言葉を返すのに少し時間がかかるエレン

部屋の壁の真ん中に飾られたシンプルなアナログ時計はチッチッと決まられたリズムで音が刻まれる

静寂が故無駄に耳に響く



エレン「なら話しかけるな・・・というか、布団に入ってくるな!」



案の定、エレンは拒否を見せた



けれども、それはいつもの単調な様子


特別嫌がる姿を見せない


いつもの私をあしらう様な素振りで・・・



クリスタ「やだ・・・」


エレン「『やだ』じゃねえよ」



今度はエレンも即答する



クリスタ「どうして・・・そんな私から逃げるの・・・・そんなに私が嫌いになったの?」


エレン「・・・・・」



また数秒ほど静かになり、時計の針が刻む音だけが聴こえ、刻一刻と時間だけが過ぎるのを聞いて感じれる



だがしかし、時間が過ぎると言われても夜は長い


1日の約3分の1の時間があるのだから

まぁそれは人それぞれであるが



クリスタ「答えなきゃずっとこのままだよ・・・」


エレン「嫌いじゃない・・・以上だ。早く出てけ」



私は別に答えたら離すとは言っていない



クリスタ「やだ・・・」


エレンの胸に両手を回し入れて、そっと力を込めて身体を寄せた



エレン「じゃあ俺はクリスタの方のベッドを使うから」


私が抱き締めたと同時に、天井に向けていた顔を私の顔の向きとは真反対の方向へ向けた


クリスタ「やだ・・・」


私は動こうとするエレンの身体を押さえ込み、さらにギュッと力を込める


エレン「なんなんだよ・・・お前はもう子供じゃないだろ」


クリスタ「なら子供でいい」



我ながら稚拙な返答


けど、今はこうしていたい

離したくないのが事実


何年ぶりだろうか・・・と五臓六腑に染み渡るような幸福感に満ち足りていた




エレンが「あのな・・・」と続くように説教じみた事を口走ろうとした瞬間に、私はすかさず・・・


クリスタ「どうして私から離れていくの」



エレン「さぁ・・・どうしてだろうな」



恍けてない訳ではない

悪戯に答えているわけではない


ただ何かを隠しているのだと



クリスタ「エレン・・・」


エレン「そんなに寄るな・・・」



クリスタ「やだよ・・・」


エレン「・・・・やめてくれ・・・」


クリスタ「やだ・・・!」


エレン「本当に・・・やめてくれ!」



似たようなやり取りを繰り返す


そしたら・・・エレンの声から躊躇いと震えのようなものを感じた



そして、私は気付いた



クリスタ「泣いてるの・・・?」




エレン「なんでお前は、こんな俺なんかに近付いてくるんだよ・・・こんな俺なんかに」



エレンは私に背を向けたままに私の問いとは関係無く、問いに対して問いで答えた


枕に目を擦りつけているのが影でなんとなく分かる



クリスタ「どうしてそんなこと言うの?」



それが私の本心であり、すべてを結集させた悩みの種の解決させる一言であった



エレン「は?」


クリスタ「私は昔と何も変わらないよ。傍にエレンがいるから私はエレンに手を差し伸べるんだよ」



それは私がエレンに近付く建前や口実なんかではない



何も飾り付けていない本音である



エレン「・・・・俺は何度でも振り払うから」


私はエレンの首元に顔を近付けて、息が当たるか当たらないかの距離で


クリスタ「何度でも何度でも私はエレンを掴もうと手を伸ばし続けるから」


エレンは溜め息混じりの声を吐き出し


エレン「お前は俺が何をしたのか覚えてないのか・・・?」



私は何も考えずずっと思っていたことを素直に言いました



クリスタ「エレンは何もしてないよ」


エレン「・・・・・・・」



自分でも理解しているのだろう


自分が何をしたのか明確に覚えているのだろう


こうして私はまた追い討ちをかける



クリスタ「私が言えることは、エレンがバカだよって事だけだから・・・」


エレン「・・・・もう寝るから、あっち行け」


クリスタ「やだ・・・」



自らの顔をエレンの温かな背中に埋める



エレン「せめてその絡めてる腕だけでも離せ」


クリスタ「なら・・・もっとくっつくから」



エレンのペースに持っていかれないよう、最善に自分独自のペースを発揮した


自分の作った状況に対して折れたら負けただとわかってる


エレンはどんな状況にだって自分のペースを作り出す事が出来る・・・

形勢逆転なんてエレンからしたら当たり前だから


だから私は私のペースでエレンの言葉を全力で断ち切る



エレン「なぁ、俺らはもうそんな関係じゃないんだ。なんで分かってくれないんだ」


クリスタ「まだエレンの”青春”は続いてるから・・・・。バッドエンドのつもりでいるけど、まだ何も終わってないよ」


エレン「・・・・っ!」



クリスタ「勘違いしてるのは、エレンだけだから」




そこで会話は途切れた



エレンは黙りこくって、私はただただエレンの背中に自分の体温の圧力を掛けた


気付いた頃には、エレンは完全に熟睡しており、私はいつまで経っても眠れずにいた


エレンという心の拠り所があり安心しているのに、どこか不安で・・・


どこにも行かない筈なのに、目が覚めたらエレンは私の前から居なくなってる気がして・・・



・・・・・離れたくない。



離れるくらいなら、朝までずっとこうしていたい・・・・限界まで感じていたい


そんな自己欲求の放出が、自らの睡眠を妨げているのかもしれない



もしくは、ただ単に胸が高まって・・・緊張しているだけなのかもしれない



さて、私の『期待』は・・・・何パーセントまで解決の方向へ迎えただろう


もしかしたら、振り切ってマイナスの方向へベクトルは向いたかもしれない


『かもしれない』や『だろう』という曖昧で断定できないヒントで、私はだらだらとエレンの距離を詰めていく


距離は長いのか短いの全くを持って理解不能です


もしかしたら、もう目と鼻の先かもしれません




ずっと思ってる


エレンは何を思い悩んでいるのだろう

エレンは本当に何もしていないのに。と・・・

ほんの少し消えますので




ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー




クリスタ母「さて、あなたの名前はなんて言うのかしら?」


兄「俺はエレンだ」


妹「私、ミーナ・・・・えっと・・2しゃい!」


エレン「それより、俺の事怒らないのか?」


クリスタ「お母さん・・・怒らないで。全部、私が」



私が弁明をしようとした瞬間に、お母さんの大らかな手が私の頭をポンポンと優しく叩いたのです


お母さんの顔を覗き込むと、女神のような頬笑みを浮かべていました



クリスタ母「お母さんは誰も怒る気なんて無いわよ?お母さんは何があったか聞きたかっただけだし・・・でも、勇者さんがお姫様を救ってくれたみたいだし、もういいかな」


エレン「??」


エレンは何を言っているのか分からないご様子

斯く言う私も何を言っているのか分からなかった


ミーナ「おー!私、おひめしゃまー」


クリスタ「どういうこと・・・?」


クリスタ母「それはお家に帰ってからね。それじゃ帰りましょうか。二人とも、さよなら」


エレン「ちょっと待てって!それじゃ俺がわからないんだが!どういうことだよ」


ミーナ「にーしゃんがゆーしゃで、私と金髪がおひめしゃま」


クリスタ母「そう、ミーナちゃんの言う通りよ。じゃあ・・・勇者さんは2人のお姫様を守れるようにならなきゃね」



なんとこの中の最年少のミーナちゃんだけが理解していた


お母さんの言葉と総合して理解すると


『守れるようにならなきゃ』というのは未来系


勇者とお姫様というのは、助ける人と助けられる人の分かり易い例え


私とミーナちゃんを、エレンが勇者として、これから守っていくという理解で良いと思う



エレン「え?う、うん?」


クリスタ母「約束よ?」


エレン「おう!約束か!?約束って、かっこいいよな!男の情熱を感じるぞ!」


理解出来ておらず、なんとなくノリで承諾した感じのエレン



クリスタ「・・・あのっ」


エレン「・・・・そういえば、お前なんて名前なんだ?」


クリスタ「・・・リスタ・・・・」


エレン「ツイスター?」


クリスタ「ク、クリスタぁ!」


エレン「しっかり声出るじゃねえか・・・クリスタな。よろしく」


クリスタ「うん・・・・よろしくね。えと・・・エレン」



ミーナ「にーしゃん、私も!」


エレン「・・・え?よろしくな、ミーナ」


ミーナ「えへへ。よろしゅーな」


エレン「なんか関西弁みたいになってるぞ・・・」



昔むかし・・・エレンという勇者さんがクリスタというお姫様を助けてくれたお話


それは私が3歳の頃のお話


初めてちゃんとした友達ができた時のお話


決して曲げることの出来ない私の大切な思い出であり、大事な過去である


ーーーーーーー
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ーーー

今回はここまでですので

読んでいただきありがとうございました




眠たい瞼を擦り、朝食を摂るため部屋を出て大きく欠伸をして「んんっ・・・」と身体を伸ばした


1月の朝はまだ少しばかり肌寒い


手をこすり合わせて摩擦を与え、小さな暖をとる



「エレンくーん!」



無駄に耳に響く聞き覚えのある声が聞こえた


朝からこんな大声は迷惑だろ・・・と、やれやれと呆れながら振り向いた



エレン「ん?なんもぷっ!」



大きく広げられた腕が俺の首に締め付けるように巻き付いてきた



胸と首に途轍もない衝撃が走り、『なんだよ』と言おうとした言葉が息を無理に吐き出されたと共に途切れた


こんな威嚇紛いの突拍子もない行動はご存知



ペトラ「会いたかったよー!会いたかったでしょ?なら甘えていいのよ。ほら、ぎゅーって」



ペトラ先生である



なんの解釈を元に俺はペトラ先生のそんなことを言われなければならないのか


そして平然と異性に抱きつけるのか


最近、そういうのが普通に感じてきている自分が怖い



エレン「けほっ・・・早朝から暑苦しい」



ペトラ「やだ・・・火照っちゃった?」


エレン「火照ってない」


ペトラ「むぅ・・・つれないなぁ」



頬を膨らましてむくれている


俺が『火照ってしまった』と言ったら瞬間に俺は変態の汚名を受けることになるだろう

というか、言ったら絶対にペトラ先生は引くだろ!?



エレン「俺は別に女性に抱き着かれたとこで興奮とかするような単純な性欲は持ち合わせてない。安心しろ」



だからと言って、俺が男好きというわけではないが



ペトラ「お姉さんショックだな~・・・」



エレン「お姉さんならお姉さんらしい行動をとってくれ。それが歳上の女性として当然の嗜みだろ」



頭をペシペシと叩いて離れることを促す


だがその行動に反し、ペトラ先生は一向に離れる様子を見せない


なんだか・・・昨日のクリスタのようだ



ペトラ「あはは、女性が男性に甘えたくなるのは誰でも一緒でしょ」



ペトラ先生の髪から柑橘系の良い香りが立ち込めてくる


レモンのようなスーッと鼻に澄み渡るような香り



エレン「悪いが俺は誰とも恋愛した事ないんで、そういうの分からないから」



ペトラ「私だって誰とも付き合ったこともないわよっ!!」


エレン「・・・・・・」




あっ、はい・・・・そうですか・・・



朝から何とも空しい気持ちに陥った


見てはいられないような悲しいものを見ている気分だ



ペトラ「どうして私はこうもモテないのよ!どうして誰も付き合ってくれないのよ!ねえ、エレン君なら分かる!?私がモテない理由を!」



背中に回していた腕が俺の肩に移動して、一生懸命に、がくんがくんと腕力を大いに使い揺らしてくる


さて、これは酒癖が悪いとか、力量がチートとか素直に言ったらさらに面倒くなるパターンのやつだよな



いや、既にもう面倒な展開には陥っているのは事実だが



エレン「ペトラ先生は・・・可愛いしモテると思うぞ」


『ぞ』の言葉を言い終わった瞬間、コンマ1秒の隙も無しに


ペトラ「それはプロポーズと捉えてよろしいでしょうか。わくわく」


エレン「宜しくないです」


ペトラ「今日は2人で仲良くデートね!」


エレン「別に良いけど」


ペトラ「だよね~。エレン君のいじわ・・・る・・・・・って、ええっ!?」



驚愕といった表情、頬には一筋の汗がチラり



開いた口がふさまらないといったご様子


そこまで驚くべき事であるのだろうか



エレン「別に良いよ。今日は1日自由行動だし、スノースポーツなり勉強なり観光なりなんなり何処でも行っていいし、何をしてもいいし・・・」


ペトラ「うひゃあ本当に!?」



言語があやふやなご様子のペトラ先生


脳が状況の処理に追い付いていないのだな


この人は言葉より行動を先にする人間だと思ってたんだけどな

まぁそれはアルコールを摂取した時限定のモノかもしれないが



エレン「『うひゃあ』って何だよ・・・。で、まさかペトラ先生から誘っといて断る気か?」



ペトラ「ぜっ全然大丈夫だから!寧ろ今日じゃなきゃ私は絶対ダメなくらい!」


とにかく『今日しかない』ということで理解して良いんだろうか


エレン「そうかそうか・・・じゃあ、今日は一緒に行こうな。それに・・・・買いたいものがあるからさ」


俺は素直に笑顔をペトラ先生に向けた

そしたら


ペトラ「エレン君が私に笑顔を向けてくれたぁ!」


再び細く柔らかな腕が背中に回されて、苦しいほどに締め付けられる


エレン「五月蝿い。離してくれ・・・苦しい」


ペトラ「・・・・んー?やっぱいつものエレン君かな・・・」


エレン「というかデートじゃないからな。共に行動するだけだ。授業の一環で社会見学というもの・・・それくらい教師であるなら理解してるよな」



ペトラ「大人の社会見学って言うとなんかエロいわよね」


エレン「はぁ・・・そんな事どや顔で語るな。もう朝食に行くぞ」


ペトラ「そうね・・・うん」



ーーーーー
ーーーー
ーーー



場所は違えど懐かしくも近しい記憶

温泉街とも呼べるお土産屋の立ち並ぶ道を二人並んで歩いている


それは去年の夏の温泉旅行のような




ペトラ「エレン君!混浴に行こう!」


エレン「下心見え見えだな、おい」


本心だかネタだか分からない言葉を言葉巧みに頭に止めず左耳から右耳へ受け流す


ペトラ「最近は家族温泉っていうのがあってね、家族全員でお風呂に入れる設備が増えてきてるそうなのよ」



人差し指を立てて、説明口調でそのお風呂のことについて語る


それを聞いて、俺が『なら行ってみようか』と提案するとでも思っているのか?


その考えはコーラの炭酸抜きくらい甘い


いくら鈍感やら朴念仁やら言われる俺でも、血縁関係のない女性とお風呂に入ることは犯罪という事は十分承知の上


一緒に入って結果、それをネタに俺は一生ペトラ先生から冷やかしや茶化しを受けるのだろう




もう鈍感なんて言わせない


だって、これが察しれた俺は既に鈍感ではない・・・敏感だ

あれ、なんかいやらしいな。おい



エレン「なぜそれを俺に説明する・・・?」


ペトラ「一緒に行こうか」



真顔で誘うその姿は最早女性の恥じらいなど捨てたように見える


呆れを通り越して感心を覚えるほどだ



エレン「少しは下心くらい隠してくれよ。だからモテないんだ」


ペトラ「先生命令です。行きましょう」



エレン「男の身体見たいなら保健体育の教科書でも漁っとけ」


ペトラ「やっぱ私のこと嫌いなの!?」



眉を歪ませ明らかに困った顔を見せる


やめろやめろ・・・・そういう良心の傷付くような流れは嫌なんだ。分かってるだろ



エレン「極端過ぎるんだよ・・・それで、足湯にでも行く?」


安定の話題逸らしを使う


ペトラ「なんかカップルみたいだね。いいよ、行こうか」



けど全てをその方向へ持ってくペトラ先生

なにがしたいのか分からない



俺は確かにペトラ先生を助けると言った

しかし、これは人生を上手く楽しむ為の援助と呼べるものなのか


でも、ペトラ先生の脳は単純明快・・・俺の考えついた結論は



俺は好きな人ができた時の為の練習相手といったところだろう



エレン「はいはい、俺なんか彼氏にしたら後悔するぞ」


ペトラ「無理な提案よ」


エレン「まぁいつか厭きる時が来るから、その時まで待つよ・・・それまでは一緒にいてやるから」


ペトラ「・・・・じゃあ一生一緒だね」


エレン「溜め息しか出ない」



依存する気かよ・・・それじゃまるで俺なら彼氏でも良いみたいな感じじゃねえか


ペトラ「そういえば真面目話。エレン君、今日はなんか変だけど・・・・どうしたの?」


エレン「どうしたんだろうな~」


ペトラ「真面目な話って言ったでしょ。悩んでるんじゃないの・・・?」


エレン「ほんと・・・能天気な人間に限って思考に対する嗅覚が半端ないな」


ペトラ「酷い言い種だね。私だって伊達にエレン君を見続けてないんだからね」


エレン「まぁ別にペトラ先生には関係ないからさ・・・でも、話したくなったら話すかもな」


ペトラ「ふーん・・・私は仮にも教師なんだから、生徒の心のケアだって少なからずは出来るのよ?」


エレン「頼りになるお姉さんキャラでも目指してるのかよ」


ペトラ「特別エレン君の前だけよ」



エレン「それは生徒の前で良いだろ」


ペトラ「いや~、なんか言ってみたくなったからさ」


エレン「まぁどうでもいいよ。・・・というか、早く足湯に行こうな。人が混んできたら嫌だし・・・朝早い方が少ないだろ」


ペトラ「ん、わかった・・・じゃあ、はい」


エレン「なんだこの手は?」


ペトラ「デートなら」

エレン「デートじゃないって言ったろ」


差し出された手を瞬時にはたいた


ペトラ先生は「・・・・ん?」と疑問符を浮かべ顎に手を置き、5秒後ほど置き

「あっ!」と何かに気付いたような素振りをし・・・




ペトラ「そっか!腕組でしょ!」


エレン「何を理解して『そっか』と言ったんだよ・・・あっ!そっか!馬鹿だからか!なら仕方無い」


ペトラ「と言ってる間に、私の腕はエレン君の腕を組んでいるんだけどね」



どうしてこの教師は非常識を常識と思い違いしているのだろう


そっか!馬鹿だからか!



エレン「他の生徒から見られたら誤解されるぞ」


ペトラ「誤解上等。寧ろ誤解して噂を拡散希望」


エレン「は?どういうことだよ?」



ペトラ「なんかお姉さん、そんな恍けられると心がめがっさ寂しいにょろよ」


エレン「いや恍けてないし、鶴屋さん口調やめろし・・・」



やれやれといった表情で見てくるペトラ先生


だがしかし、俺は恍けたつもりも無く言っている事が本当に理解できなかった



ペトラ「恍けてない・・・?じゃあ・・・・もしかして、私がエレン君を好きと気づいてないの?」


エレン「・・うん・・・」


エレン「・・・・・・・・・・」


エレン「・・・・・・・・えっ・・」



いやいやいや・・・冗談が過ぎるぞ、ペトラ先生



ペトラ「・・・・・あれ?」



俺は組まれていた腕を振り払い、人がたくさんいるというのに気にもかけず、大声をあげた



エレン「いやいや!ペトラ先生が俺を好きになる理由なんて、これっぽっちも無いだろ!?俺は嫌われて当然のことしかしてない。貶すだけ貶して・・・・寧ろ、ここまで接してくれてる事が奇跡とか思えるし・・・」



言っている言葉通り、俺はペトラ先生に好かれるような事は記憶を遡る限り一度もしてないはずだ



というか弁解しておこう。俺は貶す事は貶すが相手が貶せる状態であるから、そう言ってるのだ


そりゃ真面目にやっている人に対して馬鹿にする事はしないが、弄りがいがあったり阿呆であったりする人にしか貶さない


そこは分けて理解して、俺は人を貶している


まぁそれの善し悪しは自分でも多少理解してないが



それが深い人間関係でしか可能ならない唯一スキンシップ


俗に言う『じゃれ合い』というものだろう



ペトラ「うぅん。私には・・・・好きになる要素しかなかったよ」


エレン「は?」



好きになる要素”しか”なかった・・・・?


意味がわからない。


日本語が理解できないんじゃない

言葉を発してる人間の思考が理解できないんだ



ペトラ「一度好きになったら、仕草も匂いも口調も言葉も・・・・全てが全て魅力的に見えるんだよ」



エレン「だから・・・そのきっかけが無いじゃないか!俺を好きになった・・・・きっかけが」


ペトラ「ふーん・・・ボソッ・・やっぱ鈍感だね・・・・」



ペトラ先生の『ふーん』の後に何かを呟いたように聞こえた


口は小さく動いてた。けど、聞き取れなかった



エレン「えっと・・・・」



難聴というわけではない


本当に・・・・・


独り言で足音よりも小さく微細な声だったので聞きたくても聞こえなかった




エレン「そうか・・・・ペトラ先生、言わせてもらう。返事をするとすれば、俺は・・・」



俺が返事を言おうとした瞬間に・・・



「なーんて!ドッキリ大成功かな?」




エレン「・・・・えっ・・・・・」




・・・・・・・やられた



見事なポーカーフェイスの上、こんな真面目な話をしようって時にそんなこと言われちゃ、こっちだって真に受けちゃうだろ


緊張して損した



そしてペトラ先生の笑顔がいつも通りだったので、改めて理解した


いつもの男心を擽るような面白可笑しく茶化す行為であったと



エレン「ははっ、まんまと騙されちまったな・・・・まさかここまで綺麗に」


ペトラ「・・・・・。あはは、エレン君純情すぎ~。可愛いなぁ」


エレン「はぁ・・・・本気の告白かと思い焦っただろ。まぁ俺がモテないからって、そういうのをするのは、ちょっと間違いだからな」


ペトラ「・・・・・というと?」


エレン「今回は特別油断してただけで、普通なら簡単に騙されないからな。だから騙そうとしても良い反応は伺えないという事だ」


ペトラ「そっか~・・・残念無念」


エレン「そうだぞ」



そういや、なんで俺が理解出来ずに『え?』と答えた時に

ペトラ先生は『あれ?』と答えのだろうか



俺がこのドッキリと呼ばれるものに、勘づいたとペトラ先生は勘違いしてそんな事を口走ったのだろうか


まぁどう考えても、そうなるしかないか

思考回路を回転させたって、その考えしか思いつかないし



エレン「あぁ・・・そういうことか。納得・・・」


ペトラ「何が?」


エレン「なんでもない。こっちの話だ」



今度、ミーナで試してみようかな



多分、リコさんとアニでやっても騙せないし、ブチ切れると思う


きっとミーナなら『お兄ちゃん!』と言いながら胸をポカポカ叩くのだろう

うわっ・・可愛すぎるだろ


アニだと『死ね』の一言で終了だろうな


リコさんだと『調子に乗るな。バカ』と蔑んだ目で言うだろう



ペトラ「そんな考え込んでどうしたの?私のドッキリ告白で、どきどきしちゃった?あっ!今のドッキリとどきどきをかけたシャレじゃないからね?」


エレン「ん?あぁ・・・うん」


ペトラ「えっ・・・・えぅぅ・・・・・本当だったとは・・・なんか恥ずかしいよ」


エレン「・・・・やっぱ、ミーナだよな。待て、アルミンでも・・・いやアルミンもきっと失望した目をするだろう・・・・ボソボソ」


ペトラ「もう~・・・そんなに私のことで考え込んじゃって」




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今回はここまでです

ただの甘々展開が苦手な方すみません


読んでいただきありがとうござました


明日から合宿というものがありまして、2週間程更新できません

また再び更新する際にこのスレが消えている、もしくは乗っ取られている等がありましたら、新しいの立てさせていただきます

もし保守していただけるならば、迷惑にならない程度にしていただきたいです

今回は誠に申し訳ございません

必ず続きは出しますので、それだけはご了承ください

????
クリスタと相部屋で一晩過ごして、朝起きたら途端にペトラ先生?

起床から朝食までとか何もなしだったの?
場面転換についてけない

>>505一応、場面転換には

眠たい瞼を擦り、朝食を摂るため部屋を出て大きく欠伸をして「んんっ・・・」と身体を伸ばした



温泉街とも呼べるお土産屋の立ち並ぶ道を二人並んで歩いている

を今回の場面転換では使ってますが、説明を長く入れたほうが宜しかったでしょうか

いろいろ抜けてる部分があり、分かりにくくて申し訳ないです
これからは改善していきたいと思います

>>506
クリスタを部屋に置いて出てきたという事ですか
昨晩の状況を考えると、そんな事すると一悶着ありそうな気もしますが
クリスタ寝てるのかな

>>507
はい。朝はクリスタを置いてきたという感じです
その前に先生と2人での会話で、エレンは勘違いされないように自分で配慮する的な事を言いましたし

朝を書かなかったのは、こちらの気分です
読み手の方の気分に添えず申し訳ない

今、合宿から帰ってきましたので
今日と明日がんばって書き溜めますので、御了承の程です


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口元に手を置き、欠伸をしながら横着な口調で


クリスタ「はぁよ~・・・」


と、やる気のない挨拶を行う


私の挨拶に合わせ


女子B「おはようです」


女子A「おはよ。今日は遊ぼうなー」


と、軽く右手を挙げて挨拶の返事をしてくれる友人達




クリスタ「わかってる。今日は自由だしね」



遊ぶと言っても、社会見学


そこを忘れてもらっちゃいけませんが



女子B「昨日はお仕事お疲れ様です」


クリスタ「そんなそんな・・・恥ずかしいことに、全部エレンに任しっぱなしだし」



『エレン』という、その言葉を聞いただけで、昨日のことが脳裏に完全に再生される


眠気眼というわけでもない、深夜に近かったにも関わらず、鮮明にハッキリと記憶に残っている


忘れたいとも思えるし、忘れたくないとも思える・・・・そんな悠長に迷う自分が嫌いだ



ごめんね・・・もう声をかけることさえ避けられてるよね


改めて反省しても遅いし、思い返すのも辛い


哀しみの音が胸に深く刻まれて、鐘の音ように響かせ、どんどん小さく深く沈み込む


あの初めて出会った日・・・・悲壮に打ちひしがれていた私は戸惑いを覚えたばかりの幼稚な迷子の子供のようだったね


陽だまりのような君の優しさとのお陰で、哀しみは直ぐに記憶の深海へ落ちて消えたよ


たった数分と数秒が齎した安らぎのひと時は君がくれたんだよ


あの日伝えれなかったこの気持ちを伝えたいよ



ありがとうって・・・


今はいくら言ったって、あなたの心には届かない



そして、中学のあの日だって・・・

私には後悔ばかりだ


あの日あの時、言わなきゃ良かったって・・・


言わなきゃ彼は何も知らなかったかもしれない


彼は優しい嘘をついたり、偽善の正義者にもならなかったかもしれない



この気持ちを出来る限り私は昨日伝えたけど、エレンは揺らいでくれただろうか・・・



クリスタ「・・・・・・」


女子A「元気ないじゃん?どしたん?」


女子B「書記さんと何かあったのですか?」



なんて、そんなこと考えても意味ないか


今は、今の目の前の楽しみにベクトルを向けなきゃ



クリスタ「あっ・・・うぅん。ちょっと朝は弱いだけなんだ」


女子B「そうですか」



続かない受け答えをした結果、会話が止まった


少し間が空いて友達が「あっ・・・」という言葉と共に話を再び始めた



女子A「ねぇ、あの黒髪さ・・・・ホントに不良なの?」


クリスタ「えっ・・・」


女子A「いんや~・・・うちのクラスの友達がね、あの黒髪と話をしているとこ生徒会室で見たらしいんだけど、イメージと違ったらしくて」



クリスタ「エレンは・・・不良なんかじゃないよ。正反対の正義の味方だよ」


女子B「ですよね・・・おにぃ・・書記さんが入学式何をしていたか私は知ってますし」


クリスタ「あれって、やっぱりエレンは悪者なんかじゃないよね!?」


女子A「ちょっ必死すぎ」


女子B「アルミン君が襲われてるとこを、あの書記さんが助けたんですよ。で、結果的に・・・・みたいな感じで不良の代名詞が轟いたんです。最低な結末に納得できてないですが」


クリスタ「うん・・うん・・・」


女子A「へ、へぇ・・・そうなんだ。へぇ・・・・やっぱり」


クリスタ「何が『やっぱり』なの?」


女子A「さ、さあね。でさクリスタはさっきまでの気だるさは無くなったようだね。早速街中まわる?」


クリスタ「うん。時間が惜しいしね!今日は楽しもっか」


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湯けむりが漂う涼しくも暖かい場所


平日だということで人気も少なく、賑わってない足湯


懐かしくそしてその情景が思い出される

リコさんと過ごしたあの時間を


時刻は9時を回り10時になろうかとしようとしてる


そんな時に俺はというと、長ズボンをまくりあげて、女性と並んで、ゆったりその足湯に浸かりながら世間話をしてるわけで・・・



エレン「・・・もっとさぁ、常識持とうな」


ペトラ「えー?」




隣に座るペトラ先生が答える


あと数センチでも横に動いたらピッタリにくっついてしまうかという距離感


目線はただただ前を見つめ、それは目を合わす事がぎこちないというわけではなく、こうしてる方が自然という意味合いで明後日の方向を向いているんだ



しかし、こんな時期に足湯とは何とも風情のあるものだ


今度の日曜にでもミーナを誘って2人で行きたい気分だ


なんて現在進行系で、その行為を行っているにも関わらずもう次行くことを考えてる辺り、自分でもどうかと思う



エレン「ずっと何度も言ってるけどさ、嗜みというか・・・遠慮くらいしろよって」



綺麗で、すらっと伸びた足をしたペトラ先生



筋力がないとはいえない張りのある細い足を悪戯に動かして、水飛沫がたつ



ペトラ「ふふっ・・・遠慮なんてしないよ。私のダメなとこも良いとこも知ってくれてる人にこれ以上自分をひた隠しにする必要ないからね」


決定的な言葉のような事を述べたが、俺の心には決して届かない

いや届いても揺るがないのが事実だろう



エレン「石に漱ぎ流れに枕す」


ペトラ「ひどい言い種だな~・・・私は別に強要も何もしてないよ。私の一方通行な思いやりなのに。思いやりを押し付けというなんて道徳的にどうかと思うな」



確かに言い分は正しいと思う


けど話の筋道が二手に別れてるような気がする


まぁそれは俺の言い方が悪かった点でもあるが



エレン「そう言われると話は別になってくるぞ。つまり思いを一緒に分かち合うとか、対等に隠し事のない関係を持ちたいとか言いたいんだな」


ペトラ「さっきも、そう言ったよね」


エレン「なら無理に等しいな。何故ならば俺は妹という唯一無二の家族にでさえ隠し事をするような秘密主義者なんで、ね」



嫌味ったらしくペトラ先生の言葉を全否定する



ペトラ「知ってるよ。だって・・・今でさえ、エレン君は何かを秘めながら、私と一緒に今ここにいる事も分かってる」



悪寒を感じたのは気のせいだろう


今年で22~3歳くらいだろうか、そんな腑抜けで気分屋の女性に俺は身震いをした


気のせいだろう



エレン「根拠のない意見を御苦労さん」


ペトラ「ふーん・・・困るとエレン君は直ぐに人に寄り求めるくせに」



何を分かりきったような口振りで言っているんだ


俺がそんな弱い人間のはずが・・・



エレン「どういうことだよ・・・」


ペトラ「あれ?気付かなかったの?リコちゃんやミーナちゃんから聞かされたけど・・・」


エレン「俺はそんな貧弱な真似は・・・しない」



言葉の最後に『多分』を付けそうになった


完全に否定できない。だって心当たりがあるから



ペトラ「エレン君は、アニちゃんの事で困った時はリコちゃんに頼った。アルミン君の事で困った時はミーナちゃんに頼った」


エレン「・・・・・」



異論反論できない自分がいた


だって、それが正論であり事実だったから


抗弁の余地なし



ペトラ「今日の2人で出掛けようという提案をして了承した時間から私は確信していたよ。だって、いつもの余裕が今のエレン君には全くを持って見えない・・・・皆無だから」



この人のことを甘く見ていたようだ


節穴でない真を見つめた揺るぎない目をペトラ先生はしている


今言ったことは、先程ドッキリで言った『仕草も匂いも口調も言葉も・・・・全て』で、感づいたのだろうか



俺は今まで自分をひた隠しにしてきた


でも違う。


ひた隠しにしてた『つもり』だったのか?



エレン「そこで俺がただ単にペトラ先生と一緒にいたいだけだったら、恥ずかしいことこの上ないな」


話題を曲げペトラ先生の揚げ足をとった


ペトラ「その時はその時だよ。『ごめん』の一言で済まそう・・・かな」



根拠のない言葉を断定した口振りで言われて、勘違いだったのなら、その返事は正しいと思う


だが、しかし



エレン「疎遠の道はないのか?ほら、人ってかなりの辱めを受けるとその辱めを見た者に対し、少し抵抗が生まれ距離を置きたくなるものだろ?俗に言うトラウマだろう」



リア充達の戯れの行為での簡単な例で表すとしたら


告白して振られました


さて、あなたは次からこの人とはどう接していく?

という感じだ



ペトラ「トラウマと捉えるか、思い出と捉えるかは人それぞれ。少なくとも私は思い出で捉える派だよ。だって失敗も経験だから」


エレン「完全に少数派だと思うな。そっちは」



さっきの例えでいうとしたら、振られても普段通り接して『昨日はごめーん!』とか言って受け流すタイプだろう


悪くはない。でも、自分は切り替えても相手はどうなのだろうか・・・


ある程度の近さの関係なら、友達という関係を崩したくが故に受け入れる者もいるだろうが



ペトラ「ふーん・・・」


エレン「それは机上の空論だ。実際に体験したというならば俺は少なくとも快くペトラ先生の言葉を信じただろう。でも夏休みの時の話を聞いた限りだと、ペトラ先生の考えは俺と同じだと思うんだが?」


ペトラ「そうかな・・・?」


エレン「いつまでも過去の失敗をグチグチ・・・辛いから・・・・・・俺に・・・頼った」



・・・・・あれ・・・



ペトラ「歯切れ悪いけど、どうしたの?」



これは俺の事じゃないか・・・


今頃になって、過去の・・・・クリスタの事を思い悩んで



エレン「な、なんでもない・・・!」


ペトラ「私は変わったんだもの。どうしてか分かる・・・?」



そう言いながら、そっと左手を俺の右手の上に置いてきた


俺は疑問符を浮かべて、ペトラ先生の目を見た


そしたら、マシュマロのような柔らかな手のひらが、俺の手の甲をギュッと優しく包んだ


ペトラ先生も俺の目を見て、ニコッと笑みをみせ、



「エレン君のお陰でさ」



と告げてきた



なぜか急に動機を感じた


目線を足元の湯に落とし、息切れしそうな体の調子を抑え、大きく息を吸い5秒程かけて、ゆっくり少しずつ息を吐いた


気持ちを落ち着けて唾を飲み込み、再び視線を上げてペトラ先生を見た



エレン「俺はまだ生徒会に誘うとかそんなことしか・・・」


ペトラ「もしかして1から100まで私に精一杯お世話を掛けるくれる予定だったの?私も嘗められ過ぎだね」


エレン「そ、それは!」



なぜだろう頭が働かない


1回1回、そんな深呼吸して落ち着いてたら会話だけで夜になってしまう



ペトラ「ふふ・・・やっぱ余裕がないね。私だって、頑張れって言われたら頑張るよ。『俺が応援するまで頑張るな』って、エレン君は私に言ったの?違うよね」



エレン「違う!けど自分で出来るなら、どうして俺を頼ったんだよ!」


ペトラ「”きっかけ”と”穴の埋め合わせ”だよ」


エレン「は?」


ペトラ「私はただ私の背中を押してくれるのを待っていただけだもの。勇気をもらうのを待っていたんだ」


エレン「じゃあ・・・穴の埋め合わせってのはなんだよ」


ペトラ「まだ分からない?」


エレン「何がだよ」


ペトラ「エレン君だよ」


エレン「俺が何の?」


ペトラ「結果論だけどね・・・・結果エレン君が私の穴埋めになってくれて感謝している」



エレン「その話だけなら、リコさんでも十分だろ。どうしてこんな俺なんかを!」



既視感。このような言葉は、今日の街歩いてたら頃、時間は数分程前に聞いたよな


本当にさっきのことだ


なんだろう・・・・結果が少しずつ見えてきている気がする



「やだなぁ・・・」



さっきも似たようなことを聞いた


さっきも似たような顔をしていた


告白のドッキリのようなもので




「やっぱり・・・」



俺の記憶力を嘗めるなよ


ドッキリだよな・・・・


また驚かそうとしているんだよな



「私は、もう・・・・我慢できないや」



瞬間に、俺の右手の上に置かれていたモノが離れたのを感じ・・・


背中と胸にも、布団に包まれるような衝撃が走った


衝撃といっても身体に負担は全くない



最近よく人から抱き着かれるな・・・



ペトラ「欲しいな・・・あったかいなぁ・・・・ずっとこうしていたいな・・・」



そんな望みを俺の耳元で何度も囁いてくる


動機が又しても高まる



エレン「お酒飲んでないよな・・・?」


ペトラ「飲んでないよ」


エレン「ドッキリか・・・?」


ペトラ「二回も連続で同じドッキリすると思う?」


エレン「・・・・・」



ペトラ「好きだよ。ずっと私の傍にいて」


エレン「嘘だ」


ペトラ「私はやっぱ気持ちに嘘はつけないよ。これは私の本心だよ」


エレン「・・・騙されないから」


ペトラ「エレン君の鼓膜は壊れてるのかな?」



離したくないと望んでいるのか、少しだけペトラ先生の指が背中に、くい込むのを感じる


俺は人に抱き締められやすい体質なのか疑う


体温が直に感じ取れて・・・ペトラ先生の体温は熱くて熱くて、風邪でも発症しているのか


押し付けられた体から、心拍数が上がってるのも感じ取れる



リコさんを背負った時も、リコさんはこれくらい体温上がっていたけど・・・


そうだ。リコさんはあの時は真性の風邪引きの病人だったか



エレン「一応確認しとく。”友達として好き”じゃなくて、”結婚したい好き”の方か・・・?」


ペトラ「当たり前じゃない」


エレン「どうして俺がそんな対象に」


ペトラ「それはドッキリの時に話したでしょ」


エレン「・・・・・・」


ペトラ「エレン君のこと、だいすきだよ」


エレン「・・・・・・」




ペトラ「嫌なら抵抗していいよ」



・・・・・ずるい・・・



ペトラ先生の言い方は、ずる過ぎる・・・


いや、あざとい・・・



エレン「・・・・・・・」



そんなことしたら、ペトラ先生が傷付くに決まってるじゃないか


ペトラ先生の悲しい顔なんか見たくない



ペトラ「まぁ・・・・抵抗なんてしないよね。そんなことしたら、私が傷付くってエレン君は分かっているから」



エレン「・・・・・・なんで言うんだよ・・・」



俺がここでペトラ先生を突き放したら絶対にペトラ先生は悲しむ

俺はペトラ先生を拒む理由はないが、離さなきゃ俺はペトラ先生の好きを受け入れたことになる

俺は好きでも嫌いでもない人の気持ちを弄ぶわけにはいかないし、したくない

時には嫌だって思うときもあるけど、そんな本心じゃない

本心で人を嫌ったり馬鹿にしたりなんかペトラ先生にしたことない

俺の本心はなんなんだ

好きなのか?嫌いなのか?無関心なのか?

ペトラ先生のことは好きだけど意味が違う

それよりペトラ先生をそんな目で見たくない

そんな目で見たら、これから俺は対人関係が組めなくなる気がする

けど、俺にそんな目は無いのが事実

だって、こんな悩んでいるのだから


そんな目さえあれば俺は素直にペトラ先生を受け入れていたかもしれない

逆に好きな人がいて振ることができたかもしれない

悩むなら受け入れればいい

けど受け入れたらペトラ先生の気持ちを弄ぶ事になる・・・駄目だ

でも突き放してペトラ先生の悲しい顔を見たら、俺はきっとペトラ先生を・・・・また抱き寄せてしまう気がする

・・・俺って最低だ・・・・

なんでペトラ先生は俺なんかを好きになったんだよ

俺のこと好きにさえならなければ、こんなこと・・・



エレン「残念でヘタレで最低な発言をするけど聞いてくれ・・・」


ペトラ「うん」


エレン「ずっと好きでいてくれ。したいのなら抱き着いてもいい。・・・悲しい顔だけは絶対に見たくないんだ。でも、俺はペトラ先生と付き合う事が出来ないんだ・・・・だから、だから」




言葉が纏まらない

言いたい事は1つなのに上手く言葉に表せれない


俺は、ただ全部が変わらないで欲しいだけなんだ


今まで通りに好きでいて構わないから・・・

いくらでも悪戯紛いな抱きつきだってしても構わないから・・・


俺はペトラ先生の傍にも居てやりたい


最低なクズ野郎だな・・・・本当に



ペトラ「ふふっ・・・泣いちゃうほどのこと?」


エレン「え・・・あれ・・・・ほんとだ・・・・・俺、泣いて」


ペトラ「そんなに私のこと考えてくれてるエレン君は久しぶりだな~・・・私って幸せ者だね」



笑顔が妙に魅力的に見えてしまう辺り、意外と俺は満更でないのかもしれない


それとも今頃になって、異性を意識しだしたのかもしれない


俺の脳内は『かもしれない』で、パンクしそうだ



エレン「ペトラ先生だって泣いてるじゃないか」


ペトラ「てへへ・・・」



それより俺が最低なことを言ったにも関わらず受け止めた


寧ろ楽観的に捉えて・・・



そんな優しい性格の持ち主に好かれて


なんか・・・・嬉しいな



エレン「あのさ・・・」


ペトラ「・・・・何かな?」



エレン「好きになってくれて・・・ありがとな」


ペトラ「・・・っ!!」



俺がそう告げた瞬間にペトラ先生の眼からは、一気に涙が零れ落ちた


それと同時にペトラ先生の腕の力が緩いだ


ストッパーが外れたか、顔の緊張も解けた


下唇を噛み締め、頬を真っ赤にさせて・・・



ペトラ「うんっ・・・どういっだ・・・・・じましで・・・」



首の直ぐ隣で歯切れの悪い涙声が漏れてくる


エレン「あぁ・・・」


ペトラ「私・・・ぐずっ・・わだじ・・・・振られぢゃったよぉ・・・・」


エレン「・・・・・そうだな」



まるで子供のようだ


首筋の露出した肌に生温かい雫が滴る



ペトラ「こんな私を慰めでぐれる・・・?」


エレン「いくらでも慰めてやる」


ペトラ「うんっ・・・ンムッ・・・・うん」



エレン「幻滅したらいくらでも嫌ってもいい。直ぐに離れたって・・・・俺は大丈夫だからな」


ペトラ「これはね、私への猶予だと思ってるから」


エレン「・・・・・・そっか。がんばれ」


ペトラ「ふふっ・・・本人公認で言われちゃ諦めるわけにはいかないね」


エレン「ほら、ハンカチ」


ペトラ「あはは~・・・またハンカチ借りちゃったね」


エレン「まだ笑う余裕があるんだな」


ペトラ「だってエレン君だったから、スッキリもしないしモヤモヤもしない・・・結果、エレン君の望んだ”いつも通り”だよ」


エレン「そうか。ペトラ先生がそう思ってくれるなら、俺は何よりさ」


ペトラ「そういえば・・・・話戻るけど、悩みって何?」



エレン「すっごい戻るな・・・・いいや。また今度話そうか。話したら、この華やかな感じ壊しちゃうからさ」


ペトラ「ふーん・・・」


エレン「十分に足湯浸かったから、あったまったろ?ちょっと街を散歩でもしないか?」


ペトラ「いいけど」


エレン「ペトラ先生に選んで欲しいものがあるからさ」


ペトラ「へぇ・・・ネックレスとか?」


エレン「まぁそんな感じだ」


ペトラ「うふふ・・・お姉さんに任せなさい」


エレン「というか、立ち直りの早さが」


ペトラ「だっていつまでも好きでいて良いんでしょ。なら今回は失敗でも次があるから」




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ーーー




今回はここまでです

読んでいただきありがとうございました

急いで書いたので話上おかしかったり、少しの間抜けてましたので、話の前後が合わなかったりしてたら申し訳ありません

てす

すみません、小一時間程検索しても出なかったので、新しいのを立ててしまいました

削除しますので忘れてください

それでは、こちらに書きますね




太陽は沈み、午後の6時を迎えた頃


冬は日が短いから、こんな時間となれば真っ暗なのが当たり前


夏ならば今の時間なら、まだまだ遊べると思えてしまう時間です


そんな私も一日遊んで・・・いや社会見学を行って、ふくらはぎも目も疲れた状態


布団に身を任せ、すぅぅ・・・っと微かに残ったエレ・・・・甘く鼻に透き通る洗剤の香りを嗅いでいた


目を閉じたら夢の世界へ潜り込んでしまうかもしれない


懐かしく懐かしく・・・仕方ない


いつも自然に香っていたものが無くなった今の私にはこれはヘヴンとも言えるか・・・桃源郷ともいえよう



クリスタ「はぁ・・・私、何をしているんだろ・・・・」



でも、やめられないし、とめるつもりもない・・・


人の現実な行動なんて、そんなものさ


周りの目が無きゃ、1人で歌を口ずさんだり、だらしない格好だってするものさ


だから・・・・これは人間の本性であり、本望でもある


猫が1日のほとんどを寝て過ごすように、アライグマが物を洗いたがるように


本能のままに動くことは悪いことではない


それが1人であれば尚更、理性なんて構わない


深呼吸を繰り返し、そんな考えを旅館の部屋で1人していたら


こんこんっ・・・と扉の叩かれる音が聞こえた




クリスタ「ふあっえ!?」



取り乱したように瞬時に立ち上がり、髪の毛を手櫛で少しだけ整えて、咳払いをし



クリスタ「はーい・・・?」



と、問いかけながら扉の方向へ足を進めた

誰が来たか、いや帰ってきたかは何となく分かっているが



カチャカチャ・・・・



クリスタ「おかえり・・・遅かったね」



私は扉を開けて、エレンを出迎えた



エレン「・・・・別に良いだろ。消灯前に帰ってこれば」



素っ気ない態度で答えるエレン


そんな態度はいつも通り


歯車のように、その2つのギアが噛み合って動くような関係性



クリスタ「私は悪いとは言ってないよ」



そんな私の言葉を無視して、ずかずかと部屋の奥の方へとエレンは歩みを進めた



クリスタ「どこ行ってたの?」


エレン「・・・・」



無言という名の返答


どこにも行ってないのか、私と話したくないのか


当然、正解は後者だろう



クリスタ「たのしかった・・・?」


エレン「・・・・」


ちらっとエレンが此方に目線を向けた

何やら溜め息をついたようだった


エレン「・・・・別にクリスタには関係ないだろ」


クリスタ「関係ないけど、聞いちゃ駄目なの?」


エレン「言うも言わないも俺に権利がある。でも、聞くことは別に駄目とは言わない」



いつも一本の筋の通った正論を語る


だから無駄に揚げ足も取れないし、否定や異論をする事さえ出来ない


それ以上の正論を見つけるか、思いもよらない屁理屈を述べるだけ


相当のずる賢い脳を持つものか、専門家によるものにしか答えられないものだと思う


だって間違ってないものを間違ったものとする理論を考えるなんて、そもそもがズレているから



クリスタ「私ね、今日は友達と縁結びの神社とか小さな民芸品のお店に行ったんだ」


エレン「・・・・・友達と、ね」



エレンは荷物を纏めながらという、人と話しをするような態度ではないが、きちっと耳だけは傾けてくれているようだ



クリスタ「エレンは知らない人だと思うけど、すっごく良い人達でね・・・よく放課後にケーキを持ってきてくれるんだから」



エレン「・・・・・・そうか」



私は自分の小さなバッグの中に手を突っ込んだ



クリスタ「それでね・・・縁結びの神社で、お守り買ったんだ」


エレン「・・・・・・」


クリスタ「聞いてるの?」


エレン「・・・・・・」



返事がない


まぁさっきまで返事を貰えていた事の方が、寧ろレアといえるから



いつもはもっと私のことを拒んでくるから


やはり昨夜の私との会話が誘発または反映したのか


エレンの心情に変化があったのか


とにかく・・・・こんな小さな事でも私にとっては大きな一歩


嬉しいのを顔に出したら調子に乗ってると思われちゃうかもしれないし抑えなきゃ



クリスタ「・・・・・。・・・それで健康祈願のお守りを買ったんだ。ほら、うさぎの刺繍が入ってて可愛いでしょ」



私はバッグの中に突っ込んでいた手を引き抜き、とある包装された袋を同時に取り出した


そして、小さく小学生が使いそうなピンクで可愛らしいうさぎの刺繍の入ったお守りをエレンに見せた



エレン「縁結びの神社なのに、恋愛成就のお守りじゃないんだな」


クリスタ「エレンにも買ってきたんだ」


エレン「・・・・・」


クリスタ「えへへ・・・・エレンには、こっちのツバメの刺繍のなんだ」



同じ包装された袋の中から、これまた小学生の使いそうなお守りを取り出した


再び取り出したお守りは、藍色をしておりツバメの刺繍が施されている



クリスタ「・・・・あのね、子供の為に一生懸命飛び回って食事を与える親の姿って、エレンにそっくりだなって・・・守りたい者の為なら、自分より強い生き物でさえ身を呈して守る姿も」


エレン「・・・・・」


クリスタ「あと一部の地方では、ツバメの巣のある家は安全と言われててね・・・・だから、ほら・・・家内安全のお守りだよ」



エレン「いくらだ?」


クリスタ「お金なんて取らないよ・・・そんな高価でもないし、プレゼントかな」


エレン「・・・・・一応、ありがとな」


クリスタ「うん・・・・じゃあ、夕食食べに行こ?お腹空いちゃって空いちゃって・・・先生から聞いたけど、和食なんだって」


エレン「先に行ってていいから」


クリスタ「・・・・・そっか」



エレンから感謝されたのは、いつ振りかな



ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー




「そこの少女よ」


クリスタ「はい?私ですか」


「ちょっと話いいか・・・?」


クリスタ「え、会議ですか」


「違う・・・ちょっと立ち話でもなって」


クリスタ「・・・・?はい、良いですけど」



昔の私は鈍臭いで有名だった


駄目なことに陥れば直ぐに泣くし、直ぐ立ち尽くす


自分が生半可で悠長な意識の低さが気持ち悪い



生きていることさえ恥ずかしい


自分自身に絶望し、どうしようもならない自分に嫌悪し・・・・心を痛めつけながら、私は何故ここまで生きてこれたのだろう。


又は、どうしてここまで成長してこれたのだろう


いや成長は既に止まっているが


言い方を変えるならば、成長したのだろうか


答えは簡単。1人の人間のお陰



『あ、あの!』

『ん・・・・あぁ昨日の』

『・・昨日は・・・あ、ありがとうございます』

『別に感謝されるほどの事はした覚えないんだけどな』

『うぅん・・・・そんな事ないよ。ありがと・・』


『・・・まぁ俺も有り難く感謝の言葉を受け取っておくな。どう致しまして』

『うん!』

『また困ったら俺に頼ってくれ』




『塾のテスト返却あったよね?』

『あったけど・・・それがどうした』

『私、何位だったと思う?』

『これまで通り10~15位くらいだろ』

『えへへ・・・なんと4位でした』

『そうなのか!良かったな』

『いつもみたいに撫でて!撫でて!』





『ね!今年の花火大会も3人で見に行こうね』

『わぁ!いいですね!お兄ちゃんは当然行くよね』

『お前ら2人で行かせるわけにも行かないからな』

『だそうです!えへへ・・・たこ焼きとか綿菓子とかたこ焼き・・・・それにたこ焼きが楽しみだなぁ・・・ね、お兄ちゃん』

『そんなたこ焼き大好きだったか?』

『ボケだよ!?冷静に対処されたら私は恥ずかしくて死んじゃうよ』

『死んじゃう!?え、えと・・・・な、なんでやねん・・・?』

『お兄ちゃん可愛い・・・』

『うん、かわいい・・・』




『駄菓子屋行こ』

『下校中の買い食いは行儀もマナーも悪いぞ』

『新しい苺味のパピコが入ったって、おばちゃんが教えてくれたの』


『別に俺、苺そこまで好きじゃねえよ』

『いいのいいの・・・私の好物なんだから』

『まぁいいか・・・』

『じゃあ走ろっか』

『真夏日に走るとか何が目的だよ』

『だって少しでも早く食べたいし・・・風が気持ち良さそうだもの』

『どうせ途中でバテて「おんぶして~」とか頼み込むだろ』

『その時はお願いね。大丈夫!私軽いで定評あるから』

『そうですかい・・・』

『じゃあ全速力で行くから!』

『バテる気満々じゃないか』




『お兄ちゃん、懐中電灯持ってきた?』

『なんでわざわざ外出て夜に空を見上げなきゃならないんだ』


『いいじゃん。2人は一緒に見れるかもしれないけど、私だけ1人だもの』

『そうだよ、お兄ちゃん?』

『そんならウチに泊まるか、そっちの家に俺達が泊まるかすれば良いだろ』

『やなの』

『ロマンティックの欠片もないよ』

『はぁ・・・』

『ほら、走るよ!天文台まで競走ね』

『ゆっくり散歩気分で良いだろ』

『むぅ・・・つれないなぁ』

『お兄ちゃん!走ろっか!』

『やなこった』

『お兄ちゃんのばかぁ・・・ぐすっ』

『な、泣くな!?わかった!走るから、一緒に走ってやるから!なっ?』

『えへへ・・・じゃあ急ごうね』

『ナイスだよ!』




『えと・・・あれはね・・・・うんっとね・・』

『あれだよね!金星だよね!』

『金星は日没後にはあんまり見えんぞ。金星が見えるのは明け方か夕方だ』

『じゃあお兄ちゃんは何が何だか分かるの?』

『そっくりそのまま、てっぺんからつま先まで覚えているわけではないが・・・少々惑星の本を読んだことあるし、有名なのは知ってるつもりだ』

『じゃああれは・・・?』

『ん・・・あっ、あれなら私も知ってるよ!』

『なんですか?』

『星屑』

『あそこの一際目立つの見えるか?』

『うん、見えるよ』

『じゃあ、俺の指を指したところ見とけよ。真っ直ぐに並んだ3つの輝き、あれとあれとあれ・・・』

『それで・・・?』

『その2つ目のサイドに開く少し小さいけど目立つ星があるだろ?』


『十字架みたいの?』

『そうそう。あれが白鳥座だ』

『・・・あっ!あそこの平方四辺形みたいな星は、琴座だよね?』

『ことざ・・・?』

『んで・・・あっちの傘みたいな星座が、わし座だ。その3つの星座で最も明るい星を・・・・って、ここまで言えば流石にもう分かるだろ』

『ベガとアルタイルとデネブね』

『おぉ・・・お兄ちゃん達の説明分かり易いね!夏の大三角形だね』

『正解だ。さすが俺の妹だ・・・可愛い』

『むぅ・・・何を兄妹でいちゃいちゃしてるのさ。可愛いは関係ないでしょ』

『・・・私も博識なお兄ちゃんで嬉しいよ』

『んなっ!二人とも抱き合ってずるい!私も!』

『抱き合ってない、抱き着かれてるだけだ。暑苦しい・・・死ぬ・・・・』

『来年も一緒に眺めよっか』

『先払いで明日でいいだろう』

『残念。明日は肝試し大会です』


『そうですね!明日が楽しみです』

『きもだめし・・・?あれか。根性を試すとかいう非科学的な遊戯か』

『あれ?やったことないの?』

『俺はそんな事信じてすらないから・・・無縁な遊びだ』

『当然ながら私もしたこと無いです』

『じゃあまた明日の・・・9時に私の家の前に来て?お母さんの許可もらって3人で行こっか』

『賛成です!』

『はいはい・・・いくら拒んだって、お前達は言葉を曲げないからな』



あの頃は楽しかった


家に帰ったら、まずは宿題より外に足を出していた


時には7時にランドセル背負って帰って怒られたりもした


毎日毎日・・・3人で遊んだ



私の記憶には助けてもらったり、助けたりもしたり・・・


生活を共にすることで自信や勇気、知識や好奇心


人がいることで学べた。


あの日、あの時、あの場所、あの人が私を助けてくれたから・・・・私の目の前は全てがモノクロから色彩に満ちた華やかな世界へと一変した


私が困ったら、あなたは直ぐに駆けつけてくれる


勇気をくれる、励ましてくれる、助けてくれる


無くてはならない・・・私の目であり、口であるとも称してもいい


私にはそんな親友が2人いた


そんな仲良しな2人の兄妹が



兄は表面上ただの不貞腐れ屋、だけど知った人は分かる

彼は誰よりも優しい、簡単に身も捧げれるような人間


妹は見た目通りのおっとりさと天然な可愛さの持ち主

自分の座っている椅子でさえ親切心を振りまく程の度が過ぎた最上級の優しさ


私はその親友の兄には特に執心していた


兄は私の一番の理解者で信頼できる友人関係で、親友で、ある意味半身で・・・相容れない者でした


私の提案には大抵、『面倒』『なんで俺が』『嫌だ』と時には難癖つけて拒む


でも、彼は言うんだ。



『そんな悲しそうな顔するなよ』



その言葉を言った後は、必ずと言ってもいい程・・・・私の提案に賛同してくれる



彼はその恐るべき聡明さにより私のすべてを見抜いていた


殻にかぶり、表面に鏡をはり、自分を見せず、周りの景色に合わせ、自分を空気にして過ごしていた


そんな私が嫌いだと、昔彼に言われたことがある


完全に欺き、せしめている私の空間は、彼にだけは通用しなかった


どんだけ演技したって、素の私を見ていた



そんな強気に演じなくていい。

辛いなら辛いと言え。

お前はお前だ。

お前が周りをから孤立したって、俺は傍にいてやるから。



そんな、私の唯一の味方はいつか味方じゃなくなるなんて・・・・思いもしなかった




ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー




人生には悲しみは付きものだ



俺は人間というものが見当つかないんだ


ある日を境に他人を自分を本当に嫌いになった時期が一度あった


愛しさとか、哀しさとか、恐れや不安・・・


誰もが当たり前にように有している感情に俺は恐縮した


人を殺めたら、こんな気持ちなんだろう


他人の人生を壊しかけた人間が、自分で自身の人生を壊した



間違いがあるのかは定かではないが、自業自得だろう


なのに、壊れたものを拾い集めて・・・縫い合わせ、時には足りない布で合わせて・・・・


また俺を作り直そうとしている者がいる


本当に人間というものが見当つかない



「そこの少年よ」



腕を組み、如何にも偉そうで上から目線な態度でものを言う低身長の眼鏡の女性



エレン「なんだよ」



不貞腐れた口ぶりで応答する



俺は心の葛藤に正に押しつぶされそうなんだ



「ちょっと立ち話でもしないか?」


エレン「就寝時間まで、あと数分しかないぞ」


「大丈夫だ」


エレン「・・・・で、なんだよ。改まって話なんて?リコさんなら俺の電話番号くらい知ってるだろ。時間ないなら電話でも構わないが」



そこに仁王立ちしていた女性は、言葉に女性として多少の難があるリコさんでした


雰囲気で違う


そんな曖昧で霞のようなモヤモヤした感じがした

言葉に棘があるわけではない

態度は特に代わり映えのしない



リコ「口で言った方が早い」


エレン「で、なんだ?」



俺は早めに終わらそうと急かすように応対した



リコ「入学当初の話をしようか」



何を掘り返したのか、それは俺が問題を起こした日


何度も話題として聞いた話


結果として、噂はもう聞かなくなった過去話



エレン「その話なら1から100まで話し合ったと思うが」



リコ「お前が保健室に来た後に、”2人”の人物が来たと話したこと覚えてるか?」



実に懐かしい・・・・アニと決別し、中を取り持った時の話だ



エレン「あぁ聞いたぞ。その時は絆創膏と消毒液をアニが持ってきたんだろ」



リコさんは小さく頷き、組んでいた手を解いた


そして、俺の前に人差し指を一本立ててある事を聞いてきた



リコ「あぁそれは話した。よく覚えてるな・・・・で、本題・・・もう1人は誰が来たと思う?」



その人差し指は、もう1人というのを表していた


その1人というのは、そんな大事なことなのだろうか



わざわざ手で表してまで、表現しなくてはならないものだったのだろうか



エレン「なんで今頃になって、そんなことを掘り返してくるんだよ」


リコ「私は”今頃になって”そのことに不信感や疑問を感じてきたんだ」



さて・・・何の事だか、何が言いたいのか

主語がなくて、何が言いたいのか伝わらない


だが、1つ筋が通っているのは確かだろう


だって、こんな真面目なリコさんの話す事を疑うなんて気違いじみている



エレン「は?なんで『今』なんだよ?」


リコ「その答えはのちに分かる。で、誰が来たと思う・・・?」



エレン「俺が怪我させた奴か」


リコ「不正解だ」


エレン「じゃあ初日に怪我したどこぞの誰かだろ」



ある程度、そんな会話を繰り返したら、リコさんは口をつむらせた


どうやら俺の言った答えは違ったらしい



10秒程無言が続き、リコさんは「じゃあ・・・」と口を開いた



リコ「・・・・・お前はあの生徒会長とは仲が悪そうじゃないか」


エレン「・・・・・。・・・なんで今そのことを話さなきゃならないんだよ」



言葉通り。リコさんには関係ない事


なぜ言わなくてはならないのか


他人事に首を突っ込む人間は理解出来ない


俺が言えたことではないが


自分がその立場になると、どうしても理解し難い


だって、俺が他人事に首を突っ込む時は人を助ける時だけだから



・・・・・・・。



人を助ける時・・・・?



リコ「さぁ、どうしてだろうな」



答える義務はない


だが、答えなきゃリコさんは折れない気がした



エレン「仲が悪いわけじゃない。あいつと俺は違う次元の人間なだけだ。距離を置いて何が悪い」


リコ「その意見を私が聞いたのを踏まえた上で私はある事を言う」



「私も一応教師の端くれだ」



エレン「それがどうした・・・?」


リコ「知ってるか?成績や身長体重、資格に入っていた部活に委員会まで・・・個人の情報は学校を卒業しても数年は、その学校の情報として残るんだ」


エレン「・・・・・そうなのか」


リコ「ならば、もう一度言う。私は一応教師の端くれだ」




何が言いたいのか分かった



エレン「・・・・・・」


リコ「意味が分かっただろ・・・?」



いや・・・薄々分かっていた



エレン「・・・・俺の学校に残ってる個人の情報は、教師であるリコさんなら知れるということか」


リコ「・・・・・・あとは分かるだろ?さっき問いかけた私の言葉の全てが」



リコさんのかけた言葉の全て



・入学当初、保健室に来た2人のうちの片方


・クリスタと仲が悪いとの事


・俺の個人情報を知っている、若しくは知る事が出来る


そして、”今頃になって”この全てが気になりだしたということ



リコ「なぁエレン・・・・お前は何を私・・・いや、私達に隠しているんだ!お前が中学1年の頃に何があったんだ!?」



リコさんは、俺の肩をその勉強でしか使ってこなかったようなひ弱な腕でギュッと掴んできた


あまりの事に後ろ足下げ、たじろぐ



リコ「なぁ、私にも言えないことか・・・?私には役者不足か・・・?」



リコさんは場違いな笑顔を見せた


必死な顔なのに笑顔で・・・・まるで問題児を諭すような



エレン「・・・・・ったんだよ」



リコ「・・・・え・・・なんて・・・・・・・」


エレン「どこまで知ってんだよ!!」


リコ「・・・・・・」


エレン「なぁ!答えろよ!!黙ってないで答えろよ!!」



非情なくらいに声を張り上げた



駄目だ駄目だ駄目駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ



頭の中は壊れたレコードのように何度も何度も再生される


胃の中のものが逆流し口から吐き出されそうだ


腹の力を抜いたら、食堂をあっさり通り抜け我慢できないだろう



エレン「・・・・っ・・・・く・・・」



何が”駄目”なのか




俺は・・・・リコさんから・・・



絶対に・・・嫌われたくない・・・・っ!




エレン「・・・・なぁ、答えてくれ・・・・・・」



歯を必死に噛みこんだ


大粒の生暖かい水滴が頬を伝う


もはや粒ではない・・・


頬を伝った水滴達は、鼻の横を通り、ほうれい線を伝い、顎に到達し・・・・涙とは考えられない速度で、ぽたぽたと落ちていく


胸が痛くて痛くて堪らない


情けない顔をしているだろう

必死な気持ち悪い姿をしているだろう



リコ「私が知っているのは、お前がクリスタと親友で、中学1年で孤独に陥ったたいう事だけだ」



エレン「嘘だ・・・」


リコ「・・・・・」


エレン「嘘つくな・・・・」


リコ「嘘じゃない」



気付いたら、肩を強く握り締められていた手は解かれていた


リコさんは目線はずっと下げなかった
ずっと俺を見ていた


そして消灯時間が近付き、そのままリコさんを置いて俺は部屋に戻って、眠りについた


俺は罪悪感に溢れていた




ーーーーーー
ーーーーー
ーーーー



クリスタ「おはよう、エレン」



屈託の無い笑顔


朝から縁起が良いような


拝んだから富みがありそう



エレン「・・・・早いな」



昨日は二度も泣いた所為か瞼が重くて疲れている


目尻が痛い



クリスタ「エレンは昨日は遅かったね」


エレン「・・・・・まだ寝たい」



幼稚な子供のように駄々を捏ねる様に瞼を擦り告げる



クリスタ「珍しいね・・・でも今日は雪道の散歩だよ」


エレン「はぁ・・・・朝風呂行ってくるから、洗面所使えないからな」


クリスタ「ん、わかった・・・」


エレン「・・・・・」


クリスタ「エレン・・・これ、ありがと」



クリスタは腕を突き出して、手首を見せつけてきた



いや、明確に言えば・・・手首に付けている”あるもの”を見せつけてきた



エレン「・・・・・」


クリスタ「もう忘れられてるかと思ってたよ」



眉は中央により、口角は上がっている

頬は紅く染まっていた


哀しみなんて無縁な表情


幸福感しか見えない


なんせ今日が今日であるから


今日である事に意味がある





エレン「誕生日おめでとう」


クリスタ「うんっ・・・・ありがと」



ニコッと笑う笑顔は綺麗という言葉では収まらないほど、明るく眩しい


人生の真理として1つ言うのなら・・・


頬の色合いで、その人の感情の気持ちの入れ具合は変わってくる



クリスタ「大事にするから・・・このミサンガ」


エレン「願いが叶うといいな」



昨日ペトラ先生と一緒に選び買ったミサンガを、もう片方の手でクリスタはギュッ握り締めて、目を閉じて・・・



真っ白な歯を見せて、クリスタは




「うん・・・本当に」


と、言いました




どこか切なく、緩くも優しい声でした



今回はここまでです

読んでいただきありがとうございました

今読み返して気づいたんだけれど、前スレの>>841ってエレンはメガネかけてるから、アニにはもう眼鏡のお兄さんってバレてるの?
間違ってたら、すいません。あと、期待してます

>>636
>ちょうど6時を少しまわった頃、突如チャイムが鳴らされた
玄関の覗き穴から目を凝らして見てみるとそこには金髪の見覚えのある顔の浴衣姿の女性が立っていました
そしてまた、ぴんぽーん・・・と鳴らされた
俺は眼鏡を台の上に置き、扉を開けた

と、眼鏡を取るシーンを書いています
未だに気付いてない。つもりです

すみません。つもり じゃないです。気付いてないです


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ーーー



合宿三日目


自然を感じ、各ポイントを目指し雪の景色を見ながら歩くイベント


いつもとは違う環境を精神面でのプラス効果を期待できる


いつも同じ空間、ましてや教室という縛られた空間を続けていると、どうしても否定的な感情が湧いてしまう


そしてノルアドレナリンが分泌されベータ脳波を伴う筋肉の緊張からストレスを感じやすくなる


感じた事があるだろう


どうしても人間は楽しい時は疲れを感じず、直ぐに時間を忘れてしまう事に



こうして普段とは違う環境に触れ、解放感のある場所で気持ち良く空気を感じることが出来れば

人間は気分が切り替わることでドーパミンが分泌され脳波もアルファ状態になり、通常運転以上に心身共にリラックスする


そして安全かつ効果的なストレス発散・・・若しくは、心の安らぎを得ることが出来るわけだ



勉強は学生の本分であるのは当たり前


教師は勉強を教えていく上で、どう円滑に頭の中に記憶させていくのか・・・


その中で、このイベントは円滑に記憶させていく事の一歩として組み込まれる”息抜き”なのだろう



アルミン「どうしたんだい?そんなに僕と同じ班と行動出来て嬉しいのかい?」



先程述べた”息抜き”とは場合による


だって”ぼっち”にとって、たとえそれが息抜きと呈示されていても、知らない人間と共に時間を過ごす事は緊張であり、その行為自体はストレッサーにすぎない



エレン「本当に良かったよ」



だがしかし今回は勝ち組だったようだ


一昨日の俺の提案がしっかり報告されたのか、配慮されている


俺とクリスタが他の班の一員として組み込まれる仕組みに特別になったのだ


教師も一応考えたんだろう

俺はアルミンという親友と、クリスタは仲の良い友達と同じ班


リコさんやペトラ先生が人声かけてくれたに違いない



アルミン「そうかい・・・それは僕も嬉しいよっ」



チラッとアルミンは後ろを向き、小さく手を振った



疑問符を浮かべ俺も横目で見る



クリスタ『あははっ』

女子A『だよねー』



彼女らは話に夢中なようで、見事な無視を繰り広げられた



空気を読み俺も無言を貫く



アルミン「とほほのほ・・・」



取り敢えず、哀れみの目を向けるのは止めておこう



エレン「さすがの学年一の人気者も、無視は辛いんだな。俺なら手を振ることは愚か振り向くことすらしないからな」



アルミン「人気者とか関係無いよぉ・・・」


エレン「というか、なんでお前の班は女子しかいないんだよ・・・一人休んでるとしても、ハーレムとかお前はとんでもない趣味だな。度胆を抜かれたぜ」


アルミン「勝手に組まされたんだよ・・・僕は何も知らない内にこうなってたんだよ・・・・」


エレン「ん、そうかそうか・・・」


アルミン「ちょっ髪の毛くしゃくしゃにしないで」


エレン「『しないで』と言われたら、したくなるのが人間の性だ。故にリアクション芸人の十八番の『押すな』という言葉に対して、周りの人間は当人を押すんだ」


アルミン「僕はリアクション芸人じゃないってば!?」


エレン「まっ・・・ミーナも落ち込んだ時はこうしてやると結構なケースで落ち着くんだよ」



人の体温とは安心を与えると言われている



お風呂の温度は人間の体温より少し高い


それは何故か


身体の内側、内蔵まで人の常温として温めるのに適してる温度であるからといわれている


身体に適した温度は血流を良くしたり、疲労回復もあるとされてる


結果的に健康面、メンタル面でのリラックス効果もある


また、幼児が親の背中や胸に身体を寄せると眠たくなるのは、その作用が働いているからだともいわれている


心臓の音、人の体温、においなど・・・理由は様々であるが、実際に俺はリコさんをおんぶした時、リコさんは数分とたった後に眠りに落ちてしまった


またはミーナと一緒に寝る時は直ぐに眠たくなる・・・・一昨日、クリスタと寝た時だって・・・まぁ証拠の一つとしての提示だ


このように人は人の体温を感じ、安心を覚え無防備になる




そして、話は戻そう


俺はアルミンの頭を撫でることで、手のひらの体温をアルミンの脳天に直接感じさせているんだ


落ち着かせるために


たまにアルミンの頭をぽんぽんと優しく叩くのも、それを意識してでの行為でもある



アルミン「ま、まぁ・・・なんか落ち着くのは落ち着くよ・・・?でも、やっぱ幸福感よりも周りの目といいますか・・・・」


エレン「周りの目?これまたどうしてだ」


アルミン「・・・・はずかしいじゃないか」


エレン「俺はぼっちだから、赤の他人からどう思われようと別に良いんだが」


アルミン「さっきのエレンの言葉を使わせてもらうならば、僕は学年一の人気者だよ!?うわっ、これも言ってて恥ずかしい」



エレン「そうか。それはすまなかった。これがジェネレーションギャップか」


アルミン「僕ら同い年だよ・・・」


エレン「取り敢えず、お前はこうされるのを周りから見られるのが恥ずかしい、と?」


アルミン「うん・・・」


エレン「お前・・・俺が女に見えるのか?」


アルミン「えっ・・・・キミはそう捉えるのかい!?」


エレン「だって、こういうのは恋人同士のするものだと言いたいんだろ?だから恥ずかしい。違うか・・・?」


アルミン「半分正解で半分不正解だよ。言いたいことは分かった。けど・・・」


エレン「けど・・・?」


アルミン「僕が言いたいのは、周りはエレンが女の子に見えてまるで恋人同士だな・・・って事じゃないんだ。普通に男同士でも恥ずかしいでしょ?って言いたいんだ」



エレン「友情だ」


アルミン「あぅ・・・・揺らぎそうになったよ。友情って聞いたら何だか許せる気がしてきた。日本語って本当に奥が深い・・・」


エレン「まぁアルミンが嫌って言うなら、もうしないさ。独断でしてただけだし」


アルミン「別に僕は嫌って言ってないさ!エレン・・・キミは知らない。人に撫でられる事の良さを」


エレン「急に熱くなるなよ・・・というか内容が内容なんだけど」


アルミン「特に人は他人から触られる事を拒む習性があるんだ。それは自分の無防備を晒す訳で、隙を見せる事でもある。そして―・・・」



アルミンが言っているのは身体に刺激を与えておこる快感なので・・・・視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚の五感の内の触覚を特に表しているのだろう


音楽を聴けば聴覚が、美味しい物を食べれば味覚・嗅覚が 刺激を感じ取り快感に変換する


このように日常生活の中にでも、五感で感じ取って快感は発生する



エレン「えと・・・つまり・・?」


アルミン「簡単に言えば、そうさ。理髪店などで髪の毛切られてる最中に、ついウトウトしてしまうのも、無関心の上で心が気持ち良いと判断しているからなんだよ」


エレン「・・・・・・理論で語られてもピンと来ないが、とにかく撫でられるイコール気持ち良い。だから撫でてくれ・・・と?」


アルミン「そうさ!」



ドヤ顔で語るあたり、本気さが伝わる


こんな熱いアルミンは初めてだ


撫でることはあっても撫でられた事は小さい頃にしかないから、その気持ちは何となくしか分からないけど・・・


そういや昔はよくクリスタにせがまれたっけ・・・


エレン「よく臆面なく恥辱な事を淡々と語れるな。逆に誇らしいよ」



アルミン「だってハッキリ言わなきゃエレンには伝わらないじゃないか」


エレン「そうか・・・?」


アルミン「そうさ、さっきだって・・・僕は嫌とは言ってないのに、自論で嫌なのだと判断したじゃないか」


エレン「解釈は間違ってないと思うんだがな」



少なくとも俺の判断は正しいと思うんだがな



アルミン「時には常識外の事も起きるんだよ・・・わかったかい?」



アルミンは人差し指を突き立てて言い聞かせてくる


ただし言い聞かせている雰囲気を出しているが、身長が小さいためただの大人ぶる子供にしか見えない



エレン「・・・把握した」


アルミン「僕が撫でられたがってのは意外かい?」



眉を顰め下から覗き込んでくるアルミンは犬が餌を強請ってくる姿にそっくりだ



エレン「意外と言えば意外。だが別に言われなきゃ何とも思わなかったし、これからも断りなく続けてたな」


アルミン「・・・・まぁ人間が人間に抱かれたり撫でられたりするのを求めるのは本能的なものだよ」


エレン「本能、ね・・・」


アルミン「理論でも何でもない・・・幼い頃から、最も信頼できる親から、そうされてきたから、それは安心出来ると判断できるんだ」


エレン「言いたい事は分かる・・・さっき似たような事を考えてたし」


アルミン「だからさ!僕が落ち込んだ時は、撫でてくれないかい・・?」



エレン「はいはい、了解した」


アルミン「やった!・・・・っん?」



アルミンがガッツポーズをとった瞬間に、アルミンの肩に何者かの手が置かれた



ん?何か甘ったらくて良い香りがするような・・・



女子A「アルミンって本当に男なの・・・?」


女子B「大変盛り上がってましたね・・・誠に大変にいやらしい」


クリスタ「あ、あはは・・・」



エレン「・・・っ!!」



瞬時に後ずさりをする


気配を察知できず、すぐ近く・・・背中をとられた



アルミン「あっ・・」



口をぽかんと開けて言葉が出ないアルミン


俺は一歩二歩と少しずつ足を出して、ゆっくり距離をとった



女子A「あんたは、なに逃げようとしてるのよ」


エレン「へ・・・」


クリスタ「アルミンって、そういう趣味だったんだね・・・ま、まぁ!愛の形は人それぞれだからね!?良いと思うよ!」


アルミン「ふえっ!?」



女子A「だから色んな人から告白されても誰とも付き合おうとしなかったんだ」



へぇ・・・さすがだな


アルミンって告白されるんだ


身近な人のこういう事って何故か興味が湧くよな


・・・・アニもモテるんだろうな

見た目だけは一丁前だし・・・

中身も歪んでるとこはあるけど、普通に良いやつだし



アルミン「誤解だ!」


クリスタ「大丈夫だよ?私はそんな事で友達を忌み嫌ったりしないから」


女子B「誤解と申されましても・・・あんな大声で頼み込んでいたのを目の前で見ちゃいましたし」



さすがハーレムは違うねぇ


これが修羅場か


俺が無関係なだけに心が気楽だ


アルミンがモテるのが悪い



女子A「アルミンは、こいつの事が好きなの?」



取り敢えず空気に慣れようか・・・


というか、こいつらアルミンが好きだったとは意外だな


別に意外じゃないか


アルミンがモテるのは普通だと思うし



アルミン「違うに決まってるじゃないか!?僕は親友をそんな目で見たことなんか神に誓ってもないよ!」


女子B「・・・・・本当ですか?」


クリスタ「別に無理しなくていいから!気持ちに嘘つくのは良くないことだし・・・ね?でもエレンと付き合うのは良くないかな・・・・」



アルミンが四方八方からマシンガンで乱射されてる


おろおろしているアルミン・・・・まだ観察しとくか


助けを呼ばれたら、フォローに回ろう。うん、そうしよう


別に面白いから、こんなことしているわけじゃないからな?

少しアルミンの生態を知りたいってなってるだけだから

面白いとか微塵も思ってないから・・・勘違いするなよな



アルミン「クリスタぁ・・・キミまでそんな事を・・・・」



女子B「エレンさんと付き合ってなんかは・・・いませんよね?絶対に」


女子A「はぁ!?あんた、マジでそんな男同士でなんて!気持ち悪いわよ!やめなさい」


クリスタ「・・・・ねぇ、アルミン本当のこと答えてよ?」



おおっ!ガチ修羅場だ、修羅場


アルミン困ってやがるな


こういうギスギスした感じの悪い雰囲気ぷんぷんなのに、何故か見入っちゃう


ふむ。幽霊が怖いと思いながらも見てしまう好奇心と同じだろう


多分、未経験だからこその探究心と興味だな



ここで俺が『ただの親友だ』と一言言えば解決する話なんだけどな



アルミン「そんなのあるわけないじゃないか」


女子B「本当ですか・・・おにぃ・・エレンさん?」


エレン「へ・・・・俺?」


女子A「この場でエレンなんて名前の奴なんて、あんたくらいしかいないでしょ」



相変わらず、あたりが強いな・・・店で合う時と同じみたいだ


初対面の頃はもっと大人しかったのにな・・・


・・・・・初対面の頃は・・・あれ?



エレン「どうだろうか。アルミンに問いただしてみたらどうだ?」



まぁいいか。ここはアルミンハーレムの観察を楽し・・・観察をしよう



矢先を直ぐにアルミンに向けさせるあたり、俺はサディストの見込みがあるだろう

と、そういうのは自分でいうものじゃないか



・・・・・ごめんな

正直、楽しんでいる自分を許してくれ



クリスタ「アルミン?」


アルミン「えええっ!?エレン!?」



取り敢えず『がんばれっ!』という温かい視線を送る


ああっ・・・ニヤつくのを堪えるのは、ここまで辛いなんて知らなかった


ごめんな。今度、ドリンクバーでも奢ってやるよ



クリスタ「どうなの・・・・アルミン?」


女子B「誠に不健全です。男同士なんて穢らわしい・・・恋愛に興味ない雰囲気出しといて実はそうだったなんて・・・・」


エレン「おい、アルミンって結構色々言うぞ?『今のアニの仕草可愛い』とか『女の子のふくらはぎってドキドキするよね』とか・・・俺のしらない事をよく言ってくっんむ!!」


アルミン「男子トークを女子の前で語るなんてエレン、キミは何者だい!?悪魔の生まれ変わりかい!?」


エレン「ぷあっ・・・とにかくだ!アルミンは恋愛に対しては前傾姿勢だと思うぞ」



なんか口出ししちゃったし、そろそろ助け舟でも出すか



クリスタ「・・・・はぁ・・・」


女子B「・・・・・さすがですね」


アルミン「エレン!キミって奴は僕の何もかもを暴露するつもりかい!?」



女子A「あんた・・・バカぁ?」



あれ・・・哀れみの目を向けられてるのは俺か!?


意味がわからない


アルミンが恋愛無関心と言われたから、俺はアルミンのフォローをして、そしたら俺が哀れまれて・・・



エレン「は?チミっ子にそんなこと言われる筋合いはないぞ」


女子A「チミっ子って・・・。・・・・ふんだ!どうせ不良なんだから、私より頭が悪いに決まっているでしょ!ばーか、ばーか」


クリスタ「2人とも!」


エレン「勝手にそう思ってろ。どうせチミっ子は精神年齢12歳だもんな・・・仕方ない」


女子A「もうチミっ子じゃないし!大人だし!」



エレン「『もう』って事は認めるってことなんだな!ふっ・・・ボロが出たな!その辺りも子供ならでわだな」


女子A「子供ならでわとか・・・こんな大人らしい大人を子供呼ばわりとか可笑しいんじゃない!?」


エレン「甘い甘い苺大福食って幼児みたいに幸せそうな顔してたのは、どこのどいつだよ」


女子B「・・・・・・」


女子A「はぁ!?覗いてたわけ!?変態!」


アルミン「・・・・ん?」


エレン「貶すことでしか会話できないお前は某雪ノ下さんのつもりか?お前は残念なとこは同じだが、美人ではないぞ!」


女子A「じゃああんたは無駄に言い訳ばかり積もらせる某死んだ魚の目をしたぼっちのつもりなの?・・・ヒッキーまじきもい!」


エレン「はっ?俺は言い訳なんかしてないけど。事実を正しく述べてるだけだけど?」



女子A「じゃあどうして私が幸せそうな顔してたって解釈してるのよ!」


エレン「もしかして・・・・おいしくなかったのか・・・?」


女子A「おいしいに決まってるわよっ!」


エレン「・・・・・そうか。よかった」


女子A「に、にこにこするな!ばかっ!」


クリスタ「ねぇ・・・?」


エレン「なんだよ?」


クリスタ「2人とも何を話してるの?」


エレン「・・・・??」


アルミン「そうだよ。というか、それ以前に2人とも知り合いなの・・・?」



エレン「・・・・・はっ!」


女子A「はっ!」


女子B「・・・・・・ばか」


エレン「何を言ってるんだ。俺はお前と違って貧乳フェチではないぞ?」


アルミン「エレン、落ち着いてくれ!焦って僕の性癖を口走らないでくれ!」


エレン「そうだ!走ろう!あの夕日に向かって!」


アルミン「いきなり過ぎる提案に頭が追いつかないんだけど!?というか、まだ朝だから夕日は出てないよ!」


エレン「先にゴールしたほうが、この後ジュース奢りな?」


アルミン「え?今って散歩だよね!?」



エレン「よーい、どん!」


アルミン「まっ、待ってくれ!!」



待ってほしいのは俺のほうさ


あいつは俺が俺であると知っていたのか


ならもう一人の方だって・・・いつからだよ




・・・・・なんで普通に接してきてたんだ・・・?


ーーーー
ーーー
ーー



クリスタ「ね?苺大福って何?」


女子B「な、なんでしょうね」


女子A「な、なーんだろ?」


クリスタ「言ってくれたって良いじゃない。減るもんじゃないし」


女子A「ク、クリスタ?目が怖いけど」


クリスタ「エレンと何があったの・・・?」


女子A「・・・・これは言ったら皆が」


女子B「はぁ・・・・仕方ありません。これは2人だけの秘密でしたが言いましょう」



ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー




はぁはぁと息の荒れる声だけが聞こえ、雪道という完全に足腰にアウェイな環境を駆け抜ている



エレン「はっ・・・はっ・・・・」


アルミン「すとっぷして・・・はぁはぁっ」



外を長時間歩くとされていた為、ある程度の運動しやすい格好



アルミン「止まってくれなきゃ・・・嫌いになるよ」


エレン「よし。休憩するか」


アルミン「ふぁっ・・・はぁはぁ・・・・僕は運動苦手なんだから」


エレン「悪い悪い・・・」



アルミン「・・・・え?もう息は落ち着いたの?」


エレン「元々息は上がってない。息を上げない為のリズムでの呼吸法を行ってただけだ。全速力でない限りなら、結構持久力あるぞ」


アルミン「なにそれ・・・・ちーと?はぁはぁ・・・」


エレン「長距離の陸上選手だって、ただ体力つけて持久力を高めてるだけなわけないだろ。呼吸法も持久力を上げる為に必要不可欠に」


アルミン「もういいっていいって・・・・ふぅー・・・あそこに小さいお店あるね。財布持ってきてる?」



アルミンは20m程先に見える小さなお店を指さし、そう告げた


田舎とはこういうものだ。と雑誌にも載せたいような、のほほん空間にポツンと1つ立つ木造の小屋


その空間にあっているといえば、あっている


まだ冬であるにも関わらず、『氷』というかき氷があることを知らせる旗のようなものがヒラヒラと靡かせている



エレン「持ってきてるけど・・・」


アルミン「じゃああそこでアイスかジュースでも買おっか」



この前は、アニとパピコを買う約束をした時はアイスを拒んでいたのに今回は買いたいようだ



エレン「別にそこまで疲れてないけど」


アルミン「それはエレンだけだよ!僕はもうヘトヘトで・・・・」




~駄菓子屋さん~



エレン「ぽっきん棒なんて懐かしいなぁ」



水色のブルーハワイ味のアイスを1本買い、店前に置かれた小さめのベンチに腰を置いた



アルミン「え?チューパットじゃないの?」


エレン「こう・・・(パキッ)真ん中で、ぽっきんって折るからぽっきん棒なんだろ」


アルミン「へぇ・・・それは凍らせる呈での話でしょ。普通に冷やして飲むことも考えなきゃ」


エレン「そうか?ほら、半分な」


アルミン「エレンってそういう食べ物好きだよね・・・?」



そう呟きながら、右手を差し出してアイスを受け取ったアルミン


走ったせいか頬は真っ赤に火照っており、如何にもの脱力感、疲労感を見て取れる



エレン「そういうって・・・?アイスが、か?」


アルミン「ううん・・・半分子に出来るような、分け合うって感じが・・・かな」



エレン「よくミーナと半分にして食べてたからさ・・・半分なら嫉妬もしないだろ?」


アルミン「嫉妬って・・・まぁハッキリ半分になるなら、喧嘩にもならないしね」


エレン「そうそう。クリスタなんて・・・いいや、なんでもない」


アルミン「・・・・・?あむっ・・・冷たっ!ちょっとエレン!」



俺は自分の持っているほうをアルミンの首筋に、ピトっとくっつけた



エレン「火照った頬もこれで冷えただろ?」


アルミン「冷えすぎだよ!もう!エレンってば・・・」


エレン「なんか今のミーナみたいで可愛かった」


アルミン「キミは、ミーナちゃんにもこんな悪戯をするのかい?」



エレン「そうだな~・・・アルミンとかミーナは反応が好きだからなぁ・・・・もぐもぐ」


アルミン「へぇ~・・・はむはむ」



禁断症状だろうか


アルミンが一生懸命アイスを頬張っている姿をミーナで想像してしまう



エレン「アルミンももうちょっと髪の毛伸ばして、髪の毛黒に染めて2つ縛りにしてみないか?」


アルミン「はーい、シスコン発言はお断りでーす。アニだったら今頃、脛をひと蹴りされてたとこだよ」


エレン「そうか・・・残念だ」


アルミン「あからさまに落ち込まないでくれ・・・」




~数分後~



アルミン「で、話を戻してもいいかい?」


エレン「気になるのか?」


アルミン「だってキミは秘密で結成されたような人間だからね・・・こんな人脈あったなんて知らなかったよ」


エレン「・・・まぁ、もういいか。アルミンだし・・・・・半分知ってるようなもんだし」


アルミン「半分知ってる・・・?」



エレン「なぁ・・・”眼鏡のお兄さん”って聞いたことあるか?」



今回はここまでです

モブが目立ってしまいすみません
メインとこれからのあらすじに影響しますので、嫌な方はそこのところ目を瞑っていただけると嬉しい限りです

新生活が始まり忙しいのであまり早くは更新できないです

それでは読んでいただきありがとうございました

1乙 質問なんだけど

いつからモブ達はエレンがバイトしてる人って気付いてたの?

読み返しても気付かなくて……
書いてあったらごめん

>>689

前スレでは>>660>>661

現在では>>112>>542>>543辺りです

少々らしく話は膨らんでませんがそこは自分なりに解釈していただき結果として『気付いた』と捉えてくださると嬉しいです




あるところに、対人関係に少々難のある店員さんがいました


難のあるといっても、それは人と関わるのが苦手というわけではない


太陽と月が隣同士で並ぶのが有り得ないことのように、現実に慣れを覚え馴染んでいる言わば”リア充”と関わる事に拒絶心があり、決して馴れ合う事は有り得ない


自分の価値観と相手の価値観の違いに圧倒され、羞恥心や疎外感を覚える事に繋がる恐れがある


そう思い込んで、店員さんは人と関わることに抵抗を感じていたんだ


それ以外にも人と関わることを拒絶する理由はあるが、大まかに言えばそれらが大半を占める



そして店員さんは接客が苦手であるにも関わらず店長から接客をしろと命令されました


主婦や小さな子供のような人しか来なかった小さく有名ではなかった出来たばかりの精菓子店



仕方なく接客を始めた店員さん


しかし初めての接客相手は年の近しい女性客


商品はそれなりに好評価はもらえた


だが不思議な事態が起きた


接客は適当に接したにも関わらず、店長から好評価をいただいたのだ



後日、またしてもその年の近しい女性客は来店した・・・更なる友人二人を連れて


適当に接したのに、またも好評価


しかし何故だろうか・・・この日を境に、この精菓子店に同年代の女性客が一気に増え始めた


作る製品が良かったのだろう



その客足が増えた原因は少し分かった


その精菓子店は、その店員さんの通う学校の学区内


当然ながら来店する客の大半は、その店員さんの通う学校の生徒達


つまり学校帰りに寄るといったケースでの意味で客足も増えたのだろう



そして気付いたら、いつの間にかその店員さんは”眼鏡のお兄さん”と呼ばれ、学校でも有名になりました



さて、ここで店員さんは困りました


何に困ったか・・・その店員さんは、ある意味でその学校の重度の”問題児”だったんだ


その問題とは、店員さんはなんと学内では有名な不良だそうだ


当然、そんな店員さんがいる店なんて皆行きたいなんて思わない



・・・そんな店員さんの見つけた答えは、自分を隠し通す事


自分のせいで店に迷惑かけたくない

学校で更に変な噂を立てられたくない


幸運な事に、店員さんの学校での姿と精菓子店での姿は別であった為、正体が知られる心配はなかった



このまま・・・


このまま卒業までひた隠しにされハッピーエンドで良かった


でも、ハッピーエンドには出来なかった



さて、アルミン・・・問題だ


この説明を聞いた上で答えてくれ



なぜこの店員さんはハッピーエンドを迎える事が出来なくなったのだと思う?


・・・・・・・。


正解は、その店員さんの正体がバレてしまったからだ


いや・・・実は既にバレていたらしい


・・・・眼鏡のお兄さんが、あの伝説の不良であった事が知れてみろ


来ていた客は落胆

そしてお店は大半の客足を失うだろう



その仮面を被った店員さんは・・・・



エレン「どうなるんだろうな」



アルミン「・・・・そういう事ね・・・聞いてた通り・・」


エレン「なんで・・・世の中の定理は恩を仇で返すのが当たり前になっているんだろうな」



そこで俺はやっとアルミンを見た


アルミンの目は哀れみを指していた

可哀想とは違う意味での哀れみ

それは人を見下した時のような意味での哀れみ



アルミン「エレンは、その店員さんの事をどう思う?」


エレン「そっとしておいてやりたい」



それは素直な意見であり、真っ当な思考であると思う



だって最も俺が感じている・・・して欲しかったことなのだから



アルミン「じゃあ逆にお客さんの方は、どう思ってると思う?」


エレン「言っただろ・・・落胆するって」



アルミンは溜め息をついた


その態度に俺は疑問を感じた



アルミン「・・・・今まで仲良く接してきた僕が実は不良でした。それを知ったキミはそのお客さんと同じ避ける方向へいく・・・?」


エレン「根本的にズレている。それはその人との距離感なんだよ・・・友好的な相手に対して、そんなの些細な事だ」



その言葉を言い終わった瞬間、アルミンは肩の荷が降りたのか、ニコっと落ち着いた笑顔を見せてきた



アルミン「ほらもう答えが出たじゃないか。店員さん・・・・いや、キミの不安は解消だよ」



俺の顔を指差し、そう告げてきた



エレン「は?」



続けて淡々とアルミンは語り出した


指していた人差し指の先をくるくると回して挑発のような行為を取る


それはやはり答えが出た余裕というものなのか・・・



アルミン「さっきの続きを話そうか?僕が実は隠れ不良でした。そんな批評をキミは流すかい?」



聞かれたことはさっきと似ているが、終着点は全く別物



エレン「絶対にしないに・・・決まってる」


アルミン「エレンは人間を買いかぶり過ぎだよ・・・それでいて重度な鈍感だ」



それが”答え”なのか・・・?



エレン「今は鈍感とか関係ないだろ」


アルミン「それは違うよ!」



アルミンが盛大に声をあげた事に少し身体が反応し、一瞬たじろいだ



エレン「・・・何が違うってんだよ」


アルミン「キミは自分が何なのか理解できてないんだよ・・・いや、今の話を聞いた上で僕はキミが何なのか1%も理解できてなくなったけど」



エレン「・・・・・」


アルミン「まぁ”この件”はまた後で聞くよ。それより今は目先の事さ・・・キミは自分が他人から、どう思われてるか理解できてない」


エレン「ただの店員に思いなんて持たない気がするけどな・・・」


アルミン「”ただの店員”ならね・・・」



妙に声をハッキリと発声させて強調するように述べた


その言い方は、まるで裏付けされた証拠書類がある呈での口振り



エレン「ハッキリ言ったらどうだ」


アルミン「・・・・なんで適当な接客で客足が増えるの?なんで女性客ばっかりなの?」


エレン「だから商品が良かったとか、あと店が店だし・・・」



アルミン「それは一理あると思う。けど、僕は違うと思うな」


エレン「何を根拠に」


アルミン「昔、僕はキミに頼られて何をしたかキミは覚えてるかい」



それは俺がまだバイトをし始めた頃の話


そしてそれを知っているからこそ俺は半分は知っていると断言したんだ



エレン「ケーキを渡してくれと、眼鏡の奴に頼まれて、でも俺じゃ駄目だからアルミンに渡してくれって」


アルミン「もう良いよね、纏めて言っちゃって・・・・エレンは、その渡して欲しい人にケーキをあげたかったんだよね」


エレン「・・・・」


アルミン「ただの店員が、お客さんにそこまでするかな・・・行き届き過ぎた接客だと思う。ありがた迷惑だし、言い方変えれば、優しすぎる」



エレン「俺はそんなこと考えてない」


アルミン「わかってるさ。それがキミの本質なんだから・・・・どうせ、そのケーキを渡した人以外にも、あんなことしているんだろうね。キミなら」


エレン「だってそれが・・・普通」


アルミン「バカだね・・・でも、僕はそんなキミが好きなんだよ」


エレン「・・・・・」


アルミン「普通・・・他人からだって、そこまで自分の為に頑張ってくれたら・・・・少しくらい好意的になっちゃうもんなんだよ」


エレン「・・・・え・・・」


アルミン「知ってる・・・?僕だって、その内の1人なんだからね」


エレン「・・・・・・」


アルミン「自分の頭の中では理解出来ていても、それは自分の頭の中だけの処理。自分がどう思っていようと、結果は感情を有している相手に決定権はあるんだ」



エレン「俺の感覚なんて主観でしかない、と」


アルミン「そうだよ。相手の事を一番に考えてるつもりだけど、勘違いさ。何も分かってない・・・分からないはずさ。人間の脳内なんて読めたら、争いなんて武器も何も必要ない。頭脳戦で終了さ」



例えが的確過ぎて、成程と頷いてしまうような理解感



エレン「でも俺が好意的に思われている確証は何処にも無い」



アルミンはさっき通ってきた道の方向を向き、額に手のひらを置き日除けを作り、遠くを目を細めて見つめた



アルミン「じゃあ・・・確認してみよっか」


エレン「は?」


アルミン「僕の仕事はここまでだよ」



そう言いアルミンはスクっとベンチを立ち上がり、伸びをして凝った身体を解した


何が仕事なのか、次に何があるのか理解出来ない


確証を得られる証拠が次に準備できると言うのか


「何を・・・」と、疑問をアルミンに問いかけようとしたら、突然遠くの方から・・・



「ちょっと勝手に行くとかバカじゃないのー!はぁはぁ・・・疲れたぁ・・・・」


「待っててくださってるじゃないですか。その言い方はないですよ・・・・ふぅ・・」


「2人とも待ってー・・・・はぁはぁ」



という幽谷響のように響かせる程の大きな声をあげて、近付いてくる人影がある


だんだんと人影は大きくなっていき、髪がパタパタと波を打つように揺れて、走っているという姿も見てとれる




アルミン「エレン・・・がんばってね」



アルミンは小さなお店の中に足を進め、俺を一人にした



こちらへ駆け寄ってきたのは案の定、さっきまで一緒に歩いていた女性達


空気を読んでかクリスタは何も言わずに、お店の中に入っていった



そして俺は3人で話した



「悪かったな」



その俺の一言で話は始まり




「バッカじゃないの!あんたが謝ることなんて無いし・・・」


「私達の方こそ、何も言わず申し訳ありません」



という言葉で続いた



片方は腰に手を置いて偉そうに高圧的な態度で話してくれて・・・

片方は胸に手を置き顔をニコニコと明るい雰囲気で話してくれる


いつもお店で話すみたいに普段通りの接客態度同様で


バカにして、笑って、怒って・・・



そして俺が疑問に感じていた事は本当に些細なことだったらしい


名前と雰囲気で俺が学校での俺と、お店での俺とが同一人物と判断できたらしい・・・世の中には凄い観察眼を持った人間もいるもんなんだな



彼女らは気付いたが、周りにはこの事実を知られたくなかったらしいんだ



エレン「それは店の評判が悪くなるとかか?」

と小首を傾げて質問した


女子A「あぁ・・・知られたら、そうなるかもね」

と顎に手を置き、思い出したかのような言い種で返答してきました



つまり、その考えはなかったという事か



エレン「なら、何故なんだ?」

と追加で質問したら


女子B「お兄さんの秘密を知ってるだけで優越感があったのです」

と満面の笑みで答えました



・・・なんの得があるのだろうか。誰と競い合っているのか・・・何に対して優越感を感じているんだ?



女子A「あんたが、そんなのだって知られたら・・・。確かに逆の見方をすれば、評判が悪くなるとかあるかもしれないけどさ・・・」



お前ら二人の中だけの主観で語られても分からない


評判が悪くなるの逆の見方ってなんだよ


俺であれば店の評判が良くなるのか?

いやいや尚更意味が分からん


学校での評判が良くなるなんて百万歩譲ったとしても、さっきのよりもっと有り得ないし・・・



女子B「相も変わらず、お兄さんは意味がわかってないようですね・・・」


女子A「はぁ・・・」




そして、話は盛り上がり・・・数分と経っただろうか


アルミンとクリスタは未だにお店の中にいるようだ



そして俺はアルミンから言われた事を話を切り出した



エレン「あのさ・・・お前らって、俺のこと好きなのか」


女子A「・・・・・・へ?」


女子B「ふぇっ・・・」


エレン「だから、俺のこと好きなのかって」


女子A「なんでそんなことを・・・ゴニョゴニョ」


女子B「しょ、少々返事の方法に迷いがあります・・・」



エレン「嫌いなら嫌いで良いんだ。でも、少しでも好意的に思ってくれてたら、俺は安心出来るんだ」



そのハッキリ言ってくれなきゃ、俺だってこのまま悩んだまま



エレン「好きか・・・?」



女子A「好きよっ!悪い!?」


女子B「お、お兄さんのことは私も好きですよ」



アルミンの筋書き通りだったのか


途中で聞こえた『聞いてた通り』の言葉はそういう事だったのか


だから何から何まで話が進みやすかったんだ



悩みの的確な重点先、半分話を聞いていて、そして俺の話を聞く事で曖昧を完璧な答えへと変えた


そして今回、アルミンと彼女らの班が一緒だったのは時間を伺っていた為


俺とアルミンの仲が良いのは周知の事


そして彼女らはアルミンに近付き、行動に移したという訳だな


アルミンの脳内高スペックさなら、話を合わせて事実を聞き出し、どの行動が正解か当てることができる


彼女らはそれに頼りたいって思ったんだ


今回はアルミンに感謝しなくちゃならないな




エレン「そうか・・・俺もお前らのこと、好きになれそうだ」


女子A「・・・・そ、そう」


女子B「・・わかりまし・・・た・・・・」



おー・・・強烈に引かれてるご様子


そんな顔を背けなくたっていいのに・・・


大丈夫。友好関係としての意味だから



ーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーーー




~小さなお店の中~



アルミン「あっ、クリスタ!」


クリスタ「はぁはぁ・・・もう疲れたよぉ」


アルミン「もしかして運動苦手とかかい?」


クリスタ「そうだよ~・・・」


アルミン「なんか今回の事、全くクリスタ関係ないのに巻き込んだみたいになっちゃったね。まぁ僕は勝手に巻き込まれに行っただけだけどね」


クリスタ「うん・・・でも2人とも解決出来そうなら私はそれだけで良かったよ」


アルミン「ただ生徒会が一緒なだけで僕の親友が迷惑かけちゃったね・・・ごめんね」


クリスタ「ただ生徒会が一緒なだけ・・・ね」



アルミン「クリスタ・・・?」


クリスタ「2人から聞いたよ?本当に私だけ蚊帳の外じゃん」


アルミン「あはは・・・ジュース奢ってあげようか?」


クリスタ「ありがと!飲むいちごヨーグルトね」


アルミン「走った後で、そんなのって喉に詰まらない事ない?」


クリスタ「いいの・・・今は甘くて少し酸っぱい苺を喉に通らせておきたい気分なの」


アルミン「あはは、相変わらずだね」


クリスタ「それはカステラのハチミツ漬けより甘いよ。私のこんな発言で私の溺愛度は計ることは出来ないよ・・・」


アルミン「へ・・・?」


クリスタ「調理師に向かって、にわか知識で料理の事を語るのと同じだよ!私はそれくらいに・・・大好きだもん」



アルミン「ご、ごめん」


クリスタ「だって・・・私の想い出の味だもの」


アルミン「そ、そうなんだ。そういえば・・・クリスタはなんで生徒会に入ったの?」


クリスタ「聞きたいの?」


アルミン「別に答えたくないなら答えなくていいよ」


クリスタ「あはは~・・・そんなシリアスな内容語らないよ。成長した自分を見せたい相手がいたんだよ・・・自分を変えるために私は生徒会に入ったんだよ」


アルミン「見せたい相手って、両親とか・・・?」


クリスタ「ふふっ・・・どうだろうね。でも、その計画はあえなく失敗しちゃったんだ。タイミングが悪かったみたい」


アルミン「そっか。まぁその姿を見せれなくても、成長したという事実は変わらないんだよ」


クリスタ「だよね!それを踏み台にして更なる向上を夢見るのが青春だもんね。アルミンは良いこと言うね。さっすがアルミン」



アルミン「そ、そうかい?あはは、照れるじゃないか・・・って、クリスタ。その手首の」


クリスタ「えっ?ミサンガがどうかしたの?」


アルミン「昨日はそんなの付けてたっけ?」


クリスタ「なんと聞いて驚け!今日は私の誕生日なんだよね」


アルミン「そ、そうなの!?初耳だよ!?」


クリスタ「そりゃそうだよ。学校の人には誰にも聞かれなかったし、聞かれなきゃ言わないし・・・当然の結果だよ?」


アルミン「あっええっと!もっと何か色々奢ってあげようか!?」


クリスタ「いいって・・・それに、私はこのミサンガが貰えただけでも最高潮に嬉しいんだ」


アルミン「へぇ・・・そんなに嬉しかったんだ。誰から貰ったの?」


クリスタ「秘密だよ。これはアルミンだろうと言えないよ~」



アルミン「・・・・・・ん。・・・・そっか・・・」


クリスタ「・・・?」



ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー




太陽が沈みかかったある時刻


遂に冬季合宿はエンディングへと突入し、後はバスに乗って、学校着いてそこから家に帰るだけとなった


バスの中は案の定といってもいい程、殆どが熟睡中


行きとは違い、元気を出す気力すらない現状

当然だろう。今日は日中永遠と歩かされたのだから



斯く言う俺は耳にイヤホンを射し込み、窓の外を眺めながらウトウトと眠りそうで眠れない狭間をさまよっていた


流れる景色は見知らぬ土地ばかりで色々と興味深い



そういえば昔、俺はこんな体験をした事がある



それは夏休みを迎えようかとした一週間前ほどの時期


歳は中学2年生くらいの頃だろう


誰とも話す気の無い俺は、教室の窓際でただただ外を眺めていた


その頃の俺は放課中は何もする事がなく、雲を眺めて『今日の雲の流れる速度は遅いな』と、本当にどうでもいいことを考えていた


2年の教室は2階にあり、俺はふと目線を下げ、下を見つめた


すると、下から微弱ではあるものの少量の煙が上がってきていたのです



『理科の実験で失敗でもしたのか』と小さく呟き、軽い気持ちでスルーをし、また雲を眺めた


だがしかし見つめる先の景色がだんだん白よりの煙が覆っていったのです


火事だ!・・・その瞬間、先程までのやわい気持ちは捨て、形振り構わず立ち上がり、教室を出た


下の教室に向かう途中、男子トイレに入り、バケツを持って水を汲み込んだ


また全速力でバケツの水を零さない事を心掛け走った


そして、その現場の教室の前に着き、勢いよく扉を開けた



がらがら・・・ピシャン!



エレン「怪我人はいないか!?大丈夫か!」




・・・・・・・・・。



反応がない



その教室の奴らは何故か唖然としており、俺を見つめて疑問符を浮かべてた


俺も咄嗟のことで入った瞬間は理解できなかったが今は理解できる



火事なんて起きていない


ましてや火などどこにもあがっていない



エレン「あれ・・・」



周りを見渡し、それらしい答えを見つけた



俺は急激に身も心も狭苦しくなり、その場から直ぐに逃げたい衝動に駆られて、無言のままその教室を後にした


恥ずかしくて恥ずかしくて仕方なかった・・・


救助を目的として動いた結果、勘違いで恥ずかしい思いをするなんて


まさか・・・あの煙が、煙じゃなくて・・・・



黒板消しの粉だったなんて




・・・・・なんて、最低な事を思い出していたら目が冴えてしまったじゃないか


バスの揺れは心地良く、もうぼちぼち眠れるかと途中まで感じていたのに




まぁいいか



こうやって、のほほんと時間を過ごすのは俺にとっては希少価値なんだし


車窓の景色を眺めようか


そうしてゆっくり身体をリラックスさせよう

ゆったり・・・・ゆっくりと・・・



・・・・そういえば・・・



ミーナに電話するの忘れてた



今回はここまでですので

読んでいただきありがとうございました

最初から読み返してたんだが、気になった所が一つだけあった。
ケーキ屋の場面で日本の景気の事を言ってる所があったけど、これは現実の日本を元に言ってるのか?
だとしたら、数年前は単にデフレで物価が少し低かっただけ。
そしてデフレ=不景気という訳ではない。
どちらかと言えば回復してきている。
ここだけどうしても気になったからツッコませてもらったが、1がそういうつもりで書いてたなら、もう少し勉強するか政治・社会に触れる事は書かない方がいい。

長文スマン。話自体は大好きでございます

この場合は、物価が低かったではなく、物価上昇で捉えた方がいいんじゃないか?
一応物価上昇は景気に刺激を与えるものだし
悪かったから、良くする為の方法の一環として物価上昇をした
それならばコニーのいう日本の景気が悪いせいだと捉えれるだろ
てか現在のことだなんて、どこに書いてないだろ

>>756の見事なカウンターに対し>>750の勉強しろ発言が恥ずかしく感じるwww

>>756
現在の事だとは書いてないが、違うとも1は言ってない。
だから「だとしたら」と書いたんだが
後、日本は輸出で食ってる国だから、国内の利益の為に物価上昇させる事はまずない
最近の物価上昇は円安で輸入する物の値段が上がった為で、景気回復の為に物価上昇「させた」訳ではない。
そもそもの間違いが景気の判断は物価だけで見るものじゃなく所得や金融も関わってくる
俺は今の日本が気に入ってるから、今の日本がダメみたいに書かれてると嫌なだけなんだわ
1にはそんな気はなかっただろうけどな。
まぁこんな奴もいるから必要が無いなら政治・経済の話はねじ込まん方がいい
>>757
カウンターにならなくて残念だったな

>>758
この話の中に、どこに「最近」の日本の物価のこと書いてあるんだよ

つか、そもそもお前の「だとしたら」の話で何怒ってんだよ
自分勝手にも程があるぞ

政治経済の事ですが、多分期待どおりな返事は出来ません
特に考えて書いたわけでもありませんので
そして私の知識量は知っての通り乏しいですので、私が政治経済を語るというのは先ず無理に近い話ですので、安心してください
ですので、これからまた変な政経の話が出てきた場合は受け流す事をおすすめします




季節外れの日光で身体が火照ってしまう程のお天気


庭の隅の日陰には申し訳なさそうに雪がちょこんと残っている


冬眠中の生き物達は勘違いをして頭を出してしまうかも


カーテンの隙間から一直線に太陽の光が差し込み、少しのほこりが舞っているのが目で確認できた1月のある朝



昨日の夜は家族の土下座姿を見て、何とも言えない気持ちに陥った


怒ってなんかいないのに・・・


無事に何の変哲もなく隣に帰ってきてくれて嬉しい限りなのに



ミーナ「あっ、お兄ちゃん。おはよう」


エレン「んー・・・おはよ」



いつもならお兄ちゃんが立っているはずのキッチンには、私が立っている


朝はお兄ちゃんに任せっきりの私でも流石に察しれるよ



ミーナ「随分と熟睡だったね・・・合宿お疲れ様」



帰ってきた瞬間から既に眠気眼だった


「連絡忘れてて、ごめんな」の言葉と土下座と共にお兄ちゃんは自室の布団に足を進め、吸い込まれるように眠りについた



エレン「今朝は悪いな。明日からは、また俺がやるから」


ミーナ「別に毎朝お兄ちゃんのご飯作ったって私は構わないからね」


エレン「新妻かよ」


ミーナ「にいづま?」



エレン「俺の奥さんにでもなったつもりかよってこと」


ミーナ「・・・・・・」


エレン「・・・・・?」


ミーナ「じゃあ、おはようのちゅーしよ・・・?」


エレン「・・・・ん?」


ミーナ「どうしたの?」


エレン「いいぞ、ミーナちょっとこっち来い」



お兄ちゃんの朝一番の笑顔はいつも以上に輝いていました


忘れていた何かを思い出したかのような純粋な笑顔



嬉々として幸せそう


私もその広げられた腕に飛び込みたい気持ちでいっぱいです!



ミーナ「ええっ!?本気で受け止めないでよ」


エレン「だって小さい頃は毎日のようにお願いしてきて・・・俺だって、ミーナがしたいなら夢の」


ミーナ「ふえぇ・・・そうなの!?」



実際は覚えている


思い出しただけで頭が沸騰しそうだ


四歳頃までは私の定位置はお兄ちゃんの左斜め後ろだったから


常に服の袖を掴んで、お兄ちゃんの真似ばっかりして・・・



そんな私を嫌がらず優しくいつまでも一緒にいてくれたお兄ちゃんは、本当に大好きです

家族的な意味ですからね?



エレン「俺はミーナが好きだから、それくらい余裕でこなせるぞ」



少し頬を赤らめたお兄ちゃん


え?どうしたの?


お兄ちゃんって私に面を向かって、そこまで度を超えた愛でる行為をするっけ・・・


それより、お兄ちゃんが照れながら私にキスを迫ってるの!?


お兄ちゃんの顔の頬がとても赤いんですけど!?


というか焦りすぎて、自分の思考で敬語使っちゃったじゃん



りんご病でもないし・・・・



・・・・・・も、もしかして・・・



わ、わわっわ私と本気でそんなにキスしたいのかな!?


そうなのかな!?


私をついにそういう目で見だしたのかな!?


やだ・・・私まで顔が熱くなっちゃう・・・・・・



エレン「だから俺もくしゅっ!!」



突然、大きなくしゃみをしたお兄ちゃん



ミーナ「ど、どうしたの・・・?」


エレン「見りゃ分かるだろ。くしゃみだ」


ミーナ「そういう事じゃなくて・・・」


エレン「なんだかなー・・・・この夢、長いな」


ミーナ「お、お兄ちゃん?」


エレン「ミーナぁ・・・」



私は肩を両手で強く掴また



ミーナ「ひゃっ・・・」


エレン「どうしたんだよ・・・誘っといて」



ミーナ「で、でも!本当はこんなのっ」



徐々に顔が近くなってくるのを感じる



エレン「夢の中でしか、こんな願いを叶えさせてやれなくて、ごめんな・・・」


ミーナ「そんな・・・お兄ちゃんが謝ることじゃ・・・・ん?」



・・・・・・何かが・・・・おかしい・・・



エレン「・・・俺はミーナは好きだけど、兄妹でこんな事しちゃ本当はダメなんだからな」



やっと理解できた!これは・・・





ミーナ「お兄ちゃん!これは夢の中じゃな・・・んんっ!!」



ふっくらとした柔らかな唇が私の唇に触れた


私は抵抗できないまま、されるがまま自分のした冗談に罪悪感と後悔を感じる


だって夢見気分のお兄ちゃんを騙しているのだから



エレン「みぃ・・・ふぁ・・・・」


ミーナ「ぷぁっ・・・・ど、どどっどうしよぉ!?お兄ちゃん!?」


エレン「めぅ・・・くー・・・」



バタンっ!!とお兄ちゃんは意識がなくなったように倒れた


違う!意識がなくなったんだ!



強く床に身体は叩きつけられたが、不幸中の幸い頭は柔らかなクッションが刺激を和らげてくれたみたい


よくお兄ちゃんを診ると、息はハァハァと荒らげ、頬は照れていたわけではなく、ただ単に熱を持っている為、赤く染められていた


首筋と額に触ると、病的な熱の高さであることが確証つけられる


体温計をお兄ちゃんの脇に挟み、体温を測った結果、40度という軽くとんでもない数値が出された


そりゃそうだ。だって人間、熱が上がっただけでは、頭がクラクラしたり、少しぼーっとするだけ


まだ立っていられるという意識は無意識のまま持っていられる


しかしお兄ちゃんは倒れるまでの重度さ


これは病院へ連れていった方が良いのか



取り敢えず、お兄ちゃんを背負い、のそのそと近くのソファに連れていく



私にはお兄ちゃんを2階まで連れていき、ベッドに寝かせれる程の足腰と腕の力持ち合わせていない



リコさんに連絡して、来てもらおうか


でもそんなのリコさんの業務に影響が・・・・


でもでも!お兄ちゃんが危険だったら!!



ええい!ままよ!



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人々の屯う教室前


どうしたのだろう?と私は疑問を抱きながら人の集まりに足を進めた



アニ「あんた達、何してるの・・・?」



『い、委員長・・・教室の鍵が空いてなくて』

『でも今一人、鍵を取りに職員室行ってきたから』



「ふーん・・・」と無関心な態度で答える



教室の鍵を先生が開け忘れたのか?


そもそも教室の鍵はいつも閉まっているものなのか?



そんな疑問が浮かぶ


けど気にするようなことでもない


だって鍵を開ければ良いだけの話だから



アニ「はぁ・・・あんた達、学校来て誰かが『鍵を開ける』という提案をするまで、今の今までここで戯れていたのかい?」


『だ、だって先生が開けに来ると思ってから』

『俺は鍵を取りに行こうって言ったぜ』

『そんなこと言ってねえだろ、あほ』



こういう他人任せのマイペースな人間をなんて言うんだろうね


小判鮫若しくは極楽とんぼ・・・といったところだろう



先生「おぉ!すまんすまん。開けるの忘れてたな」


『先生遅いですよ~』

『早く開けてください、寒いですって』



まったく人騒がせな教師だ


いくら大学を出ている人間だからって、抜けているところは抜けているんだな


リコ先生もペトラ先生もそういうとこあるけどさ


言い方を変えれば、高性能で良質な人間である程、抜けているところが目立つ


逆に完璧な人間こそ、近寄り難い



私はそう思われて、こんなにクラスに浮いている



勘違いとは末恐ろしい


だからといって、私はそんな平凡な人間と戯れる気は毛頭ないけどさ



先生「今日はエレンの奴が休みなの忘れてた」


アニ「ん?」


先生「どうした、アニ?」


アニ「エレンはどうしたんですか・・・?」


先生「あぁ・・・熱で倒れたらしい」


アニ「そうなんですか」




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アルミン「へぇ、エレンが病気なんて珍しいね」


アニ「そうかい?あいつは毎日苦労しているんだから、疲労やストレスが溜まってるし・・・」


アルミン「部活をやっているわけでもない高校生が疲労やストレスで倒れるって・・・」


アニ「まぁ多分、合宿疲れだよ。気が抜けて疲れが一気に今朝来たんだと思うよ」


アルミン「エレンにはエレンにしかない悩みがあるからね。僕は昨日実際には目の前で、それを知る事が出来たよ」


アニ「・・・・・・」


アルミン「そんなあからさまに、アニが不安そうな顔してるのを見ると本当にエレンがアニは心配なんだね」



アニ「・・・・・悪いの?悪いって言うのなら、私は遠慮なしあんたに拳を上げる事になるからね」


アルミン「僕だって心配に決まってるじゃないか」


アニ「はぁ・・・なんか調子が出ないね」


アルミン「それはどうしてだい・・・?」


アニ「だって・・・エレンがいなきゃ、私は歯止めが利かない気がするから」


アルミン「なにそれ」


アニ「正直、今は抑えれれてるけど・・・もう少し頭にきていてたら、躊躇無くアルミンの頬にビンタしていた」


アルミン「・・・・・・ごめん」



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エレンのいない教室


なんら影響のないクラス


でも私にとっては、かなり大きな穴がポカンと空いているかのよう


そこにあるものがない気分


隣にいて当たり前のものがない


頼るものがない・・・安心出来ないんだ


もしこの授業で2人組めと言われたら、私はどうすれば良いのだろう


拠り所のエレンがいなければ、私はここまで不安になるのか



アニ「なんてね・・・私は子供か・・・・」



冬季合宿中は、それとなく同じ班の女子と話せた


朝はいつも1人で登校、下校は別れ道で別れた後は、1人で帰る


休日にお買い物に出掛ける時だって、大抵は1人


私はそんな弱い人間じゃない



それにアルミンだっているじゃないか



『委員長、ちょっといいですか?』


アニ「なに・・・?」


『す、すみません。あのですねー・・・』



いつかは私も1人になるのだから、その練習と思っておけば良いんだ




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~放課後~



ペトラ「今日は廊下の壁の落書きを塗料で塗るんだけど」


ライナー「今日はエレンは休みなんだってな」


ペトラ「うん、だから・・・雑用連れてきたよ」


アルミン「あ、あはは・・・どうも」


アニ「雑用って何・・・・?巫山戯てるの?」


クリスタ「アルミン達よろしくね。それじゃあジャージに着替えてきて?私と先輩で塗料と水、刷毛と雑巾を持ってくるから」



アルミン「わかったよ」


ライナー「俺はライナーな。一応、歳は1つ上だから・・・よろしく頼む」


アルミン「よろしくです」


アニ「はぁ・・・」


ペトラ「まぁまぁエレン君の為と思って頑張ってね!」


アニ「私が”エレンの為”と言われて、頑張ろう!となる単純馬鹿に見えますか?」


アルミン「よし、エレンとクリスタの為にも・・・人一倍頑張ろう・・・・・ん?どうして、こっち見るの?」


ペトラ「ほらね」


アニ「アルミンは空気を吸う事ができるなら、読むくらいの配慮くらいできないのかい?」



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~作業中~



クリスタ「あはは、アルミンってジャージ似合わないね」



アルミンを指さして笑うクリスタ


私も思ってた。アルミンにジャージは本当に似合わない


黒猫の赤ジャージ姿並みに似合わない

あの黒髪ロングに対しての、あのジャージは本当に似合わない


桐乃が兄を『兄貴』と呼ばず『お兄ちゃん』と呼ぶのと同じくらい似合わない

あの性格でお兄ちゃんは気が引ける



最早キャラ作りといっていいレベルだし、キャラ補正だ


もし私に兄がいて、兄に対して『お兄ちゃん』を使ってたとしよう


どう考えても気持ち悪い


だって私でさえ兄がいたら多分『兄貴』と呼んでいたと仮定できるから


というかアニが兄について語るって・・・


まぁどうでもいいことか。ふふふ・・・・



アルミン「あはは、よく言われるかな」


クリスタ「あっ、そこの染みは塗料で塗りつぶしてね」



ライナー「は、はぁ?俺が水とか塗料を運んでいるんだぞ。結構重いからな・・・これ」


ペトラ「みんながんばれー!」



完全に傍観決め込むペトラ先生

私はジャージ無いから、監督するしかできないとのこと


こっちもこっちでジャージが汚れたら、それなりに気にするからね?


ましてや壁に塗る塗料なんて落ちにくいのが売りなんだから、ジャージに付いたら落ちにくいのは当然


というか、こういう事するときは水で溶かすより、シンナーで溶かした方が良いらしいんだけど、さすがに学校の壁にシンナー使用するのはおかしいか


はぁ・・・中腰の体勢を続けたせいか、腰が疲れてきたし、腕を常にあげたまま動かし続けたから、腕も痛いし・・・・


結構思っていた以上に辛いものだね



クリスタ「ア、アニさんだっけ・・・?ごめんね・・・・・嫌だったよね」


アニ「あぁ、嫌だね」


クリスタ「・・・・・ごめんなさい」


アニ「でも・・・本当に嫌だったら今頃、匙を投げて帰ってる頃さ」


クリスタ「え・・・?」


アニ「エレンの苦労をしろうと思っただけさ・・・悪いかい?」


クリスタ「・・・・・・。うぅん!全然悪くないよ!・・・・なんか、かっこいいなぁ」


アニ「そうかい」


クリスタ「私、クリスタっていうんだ」


アニ「アニ。アニ・レオンハート・・・私の事さん付けで呼ばなくていいよ」



クリスタ「うん!よろしくね、アニ」



・・・・・・あれ?


私、今・・・自然に話してたけど、これって・・・



友達を作ったんだよね・・・?



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ペトラ「お疲れ様ぁ・・・ほら、そこの自動販売機で苺ココアとメープル練乳と蜂蜜メロンを買ってきたよ?」



ペトラ先生が腕いっぱいに持っている缶ジュース


そのふくよかで豊満な胸に押し付けられている缶達はとても窮屈そうだね


そんな邪魔な脂肪剥ぎ取ったら良いのに・・・


というかジュースの方は品名から聞くに甘くて甘くて仕方なさそうな・・・もう口の中が想像しただけで甘ったるくなってきた


ペトラ先生のそんな行為が何処か教師らしくて、今日の怠惰に過ごしていたペトラ先生の行動が許せれる気がした



アルミン「甘々したものばっかですね・・・」


アニ「腰と腕が疲れた・・・」


ペトラ「卑猥に聞こえるわね・・・」



これは突っ込んだら負けだろうね



クリスタ「ふぅ・・・・ありがたく飲み物を貰いますね。私は苺ココアで」



私も苺ココアが良かった・・・


何やら最近はエレンに影響されて、私は苺が結構好きになってきたようなのだ



アニ「・・・・私も苺ココアが良かった」


クリスタ「だ、だめだよ!苺は私のだから!」



そんな対立させるような発言をすると、クリスタは大切な何かを守るかのように、必死で缶を握り締めて声をあげ



アニ「!?」



あまりの急さに私は驚いた

その態度の急変さに・・・


大声をあげるような人には見えなかったが、そうでもなさそうだ



アルミン「アニ・・・ほら、早い者勝ちだよ。じゃあ僕はハチミ」

アニ「・・・・仕方無いね。私は蜂蜜メロンにするよ」


アルミン「アニぃ・・・僕は、そっちが良かったのに・・・・・」


アニ「早い者勝ち」


アルミン「だって!だって!メープル練乳なんて、甘さの掛け算じゃないか!!」


クリスタ「えへへ・・・・おいしい」コクコク


ペトラ「仲良くしなさい!」



アルミン「ペトラ先生が妙なもの買ってくるのが悪いんじゃないんですか!」



アルミンの正論には私はただただ賛同するばかり


そういえば、ライナーとかいう先輩はどこに行ったのだろうか?


そんな事を考えていたら、噂をすればなんとやらだ・・・・


大きなバケツを重そうに両手で持って現れた


なにやら水が入っているようだ



ライナー「はぁはぁ・・・ほれ、ジャージ汚れただろ?これで少しは落としていけ」


そう言って、新品の雑巾数枚と少量の小瓶に入ったシンナーも持ってきていた



アルミン「先輩、助かります」



ライナー「ふう・・・そんな塗料で汚れた服を他の服と一緒に洗うと別のにも影響が出るだろ」


アニ「ありがとう・・・・です」


クリスタ「ありがとうございます」


ライナー「おうよ!まぁ力仕事は任しておけって!」



初めは気持ち悪いガチムチと思っていたが、意外に・・・・いや思ってた以上に良い人じゃないか


生徒会には感心したよ


職柄での進学や就職を目当てとする連中だと思ってたんだけどね


・・・・本当に人の為に動くような連中の集団なんだね




~数分後~



アニ「大体は塗料は落ちたよ」


アルミン「うん、僕も」


クリスタ「じゃあこれにて終了かな。片付けをしようか」


ペトラ「一応、シンナーの片付けは私がやっておくわ。美術の先生から借りたのよね・・・?」


ライナー「はい。んじゃ、俺はこのバケツを運んで・・・」


アルミン「あの・・・僕達は?」


アニ「帰っていい・・・・?」



クリスタ「うん。もう6時近いしね。帰って」

ライナー「うおぉっ!?」



バッシャーーン!!



クリスタ「・・・い・・・いよ・・・・・・・・え・・?」



クリスタの髪の毛先、顎、手の指先、服の袖から水がぽたぽたと滴り落ちる


一瞬の出来事だった


床には跳ねた水跡があり、ライナー先輩はそこを踏みつけ、あろう事かとても重いバケツを持ち上げ、力のベクトルの行く先は足にいき、水の影響虚しくライナー先輩の足は濡れた床で滑ってしまった


そして不幸な事に、そのバケツの中に入っていた水はクリスタの頭目掛けて飛び散った



アルミン「クリスタ!大丈夫!?」



ライナー「悪いっ!!今から急いでタオル取ってくるから!?」


クリスタ「・・・・・・みずが・・」



タオルを取りに駆け出したライナー先輩


心配をし駆け寄るアルミン


そして・・・ガクガクと足を震わせているクリスタ


そこまで大袈裟なことなのだろうか


私は自分のポケットからハンカチを取り出し、クリスタの顔を拭く



アニ「大丈夫かい・・・?」



こういう時って『大丈夫?』の一言しか見つからないし、無理に励まそうとすると逆に気持ちが陥る人もいるらしい



クリスタ「・・・・ヤダ・・・・・レン・・サムイヨ・・・・・マタ・・・タタメテ・・・・」



何かをブツブツと念仏の様に唱えだした


私は拭いていた手を止めて耳を傾けた



クリスタ「やだ・・・エレン、寒いよ・・・・」


アニ「・・・エレン・・・・?」



私が聞き直した瞬間



クリスタ「うわぁぁあああああ!!!」



廊下・・・学校中を響かせるような甲高く聞きなれない苦しみを表したような叫びをクリスタは突如としてあげた



アルミン「クリスタ!?」


アニ「あんた、どうしたんだい!?」


クリスタ「・・えれっヒグッ・・・・エレン・・・・」



突然喚き始めたと思ったら、今度は足元は崩れ落ち、膝をついて泣き始めた



アルミン「クリスタ大丈夫!?」


クリスタ「助けてよ・・・ングッ・・・・・寒いよ・・エレン・・・・ひぐっ・・・・また温めてよ・・エレン・・・・」


アニ「ちょっと落ち着きなよ、水で濡れただけだから」


クリスタ「・・・また・・・・・怒られちゃうよ・・・・守ってよ・・・グズッ・・また上着を・・・・エレン」


アルミン「クリスタ!僕の声は聞こえてる!?」



クリスタには私達の声が全く届いていないようだ


ただただ自分の肩を掴んでガタガタと震えている


身体だけではなく、声まで弱々しく虫の息で震えて声を発している


何かに脅えているようで、何かに恐怖するかのようで・・・


私はそんな本気で怯えて震えている姿を見て、少し身を引き、そんなクリスタの様子に恐怖した


それはどうとっても自分勝手な誹謗中傷


だけど、そうせざるをえなかった


だってクリスタの黒目が焦点の合わないまま揺れていたのだ


だからどうしようもない・・・疑いようのない


結果、身が震える程の恐怖を目の当たりにしている少女を私は目の当たりにしている




私は、これは只事じゃないと判断した



アニ「ペトラ先生!リコ先生を呼んでください」


アルミン「えっ、アニ?これは、それほど」


アニ「五月蝿い!あんたは黙ってて!?」


ペトラ「今日はリコちゃんは、エレン君のとこに看病に行ってて」


アニ「直ぐにここに呼んでください!それがダメなら―」



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今回はここまでです


誠に申し訳ありませんが、関係ないことの会話やコテハン付き等はやめてくださると嬉しいです

どうでもいいことで荒れたりしたくないので、配慮の程お願いします


それでは読んでいただきありがとうございました




クリスタが錯乱した翌日



リコ先生が学校へ足を運び、診察した結果、『ただの熱』と判断された


表向きには


今朝、リコ先生に確認したら、クリスタは休みだという



そしてその連絡を聞いた後は、何とも後味の悪い気分で教室へ行き席についた


今日もエレンは休みか・・・



そして朝からエレンが休みという事以上に気分の落ちる連絡が先生から入った



・・・朝一番に説教が始まったのだ




先生「お前らなぁ・・・今まで出来ていたことがなんで出来てないんだ」


『・・・・・・』


先生「窓の戸締りにカーテンを開閉。それにゴミ箱見てみろ。いっぱいだろ?」


『『『はい』』』


先生「お陰でこっちは昨日、学年主任から大目玉さ。おまけに床を見てみろ。人がこんだけ区切られた空間にいるとな、1日でこんなに汚れるんだぞ」


『・・・・・・・』


先生「別に毎日とは言わない。けど床の埃が見えたら掃除くらいしようってなるだろ」



こっちもこっちでクリスタとは関係ない面倒な問題が発生していた


突然どうしてこんな問題が発生したのか私にも分からない



突発的だし、その原因が何なのかも分からない



先生「もうそろそろ一学年が終わるっていうに気が抜けているんじゃないのか?気合いを入れ直せ」


『『『はい』』』


先生「お前らエレンに頼り過ぎだ」


アニ「・・・・・ん?」


『はい・・・・・・・って、え?』

『あの・・・すみません』


先生「言い訳なんか聞きたくないぞ」


『どうして・・・・エレン君が・・・?』


先生「は?何を言ってるんだよ。あいつが後片付けしてたのくらい知ってただろ」




一瞬空気が騒然とした



先生はそれは周知の事といった口ぶりで話していたが、みんなそれを知らなかったようだ


それは私も同じであった


エレンが生徒会を始めてからは帰りも遅いし、エレンがどうしているかなんて知り得なかった



ホームルームが終わったら、その話で持ちきりだった


きっとエレンなら、この事を知ったら先生に文句を言いに行くと思う


エレンからしたら羞恥の事であるし、ある意味公開処刑だから



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そして特に何かが起きるわけでもない日常が繰り広げられ


自然と時間は過ぎ行き、今は夕日が差し掛かった放課後


私とアルミンはペトラ先生に呼ばれ、ある所へ向かっていた


私は何も聞かされていない為、何をするのか、何を用意すればいいのか分からないままに足を進めていた



そして着いた先は、調理室だった



扉を開けたその先には、リコ先生とペトラ先生がいた


リコ先生は椅子に腰掛けており、ペトラ先生は小さく「来たわね」と呟いた


そしてペトラ先生はホワイトボードに手を掛け、黒の水性ペンを握り、キャップを外した



キュッキュという音を立てながら、ただひたすらにホワイトボードに文字を書いていく


「よし・・・」と言い一呼吸おき、水性ペンのキャップをはめて、大きく息を吸い・・・



ペトラ「ということで!みんなでエレン君の為に料理を作って渡そうの巻~!」



なにが『ということで!』なのだろうか



アルミン「いやいや!!調理室の使用許可をとったんですか?」



アルミンの気にしているところが少しズレている気がするのは私だけだろうか



ペトラ「問題無いよ!」


アニ「放課後に来てって言うから来てみたら、これかい・・・」



リコ「別に私は反論するつもりはない。寧ろエレンの為と言うならば賛成なのだが・・・」



椅子に座り、机に肘を立てて、手の甲に頬を乗せているリコ先生


何やら不満な点があるようだ



アニ「なのだが・・・?」


リコ「この中で料理が出来る人間はいるのか・・・?」


ペトラ「・・・私は全くの素人よ!」


アニ「調理実習で学んだ一通りの知識ならあるけど・・・」


アルミン「僕も人並み以下だけど、アニと同じ位かな」



この3人は主戦力にはなれず、脇を固める側としても不十分



何とも不安定な力量のパーティーであることか



リコ「・・・・つまり作り方から味付けまで、しっかり料理が出来るのは私くらいか?」


アニ「・・・調理実習で学べる事なんて高が知れてる」


アルミン「リコ先生、料理出来たんですね。意外です」


ペトラ「昼食をリコちゃんとエレン君が一緒に食べてる時、可愛らしいお弁当をエレン君に見せて、料理について一緒に語ろうと頑張ったんだけど、エレン君気付かなくて、しょぼんとするリコちゃんマジ天使」



どこからか「ふぇ・・・」という何とも間の抜けた可愛らしい声が聞こえた気がした


だが話の内容からして、その人物の特定などアリを潰す並に簡単なことであった


どうせ直ぐに声を荒らげて反論してくるのだろう



リコ「何処で見たんだ!?というか、違うからな!?アルミンにアニ!そんなニヤニヤした目で私を見るな!!」




ほらね。



ペトラ「何気なくエレン君が『お腹空いた』とか口走った時の為に、いつも鞄に手作りのお菓子が袋詰めされてる」


リコ「誰が、いつ!エレン君の為と言ったんだ!あれは私が小腹空いた時の為に作っておいたんだ!」


ペトラ「前に帰り際に『いらないからあげる』って貰った苺のパンケーキに苺ホイップシュークリームは本当に美味しかったなぁ・・・」


アルミン「苺ってエレンの大好物・・・」


アニ「確信犯だね。言い訳無用じゃないかい?」


リコ「う、うりゅさいうるさいうるさいっ!!黙らねば私はガスの元栓を抜いてマッチを灯すぞ!!」



顔を真っ赤にして、腕をじたばたさせ、地団太を踏んでいる



言動がなんとも可愛い



アルミン「不覚にもクリスタよりも可愛いって思えた」


アニ「こんなリコ先生見るの初めて」


ペトラ「さっ、料理を作ろっか」


リコ「二人ともペトラの言葉を鵜呑みにするなよ!?先ほど申した事は全てが狂言だからなっ」


アルミン「なんかリコ先生の日本語能力が著しく低下している・・・そんなに動揺して」


アニ「はいはい、分かったから早く何か作りましょう」



私がそう告げたら、リコ先生は私に人差し指を向けて



リコ「むぅ・・・・お前ら、年上からかうのも大概にしとくんだぞ。後悔してからじゃ遅いからな!」



表情と台詞が全く一致しない態度に、いつもの威厳あるリコ先生の面影は1つもなかった



ペトラ「さてさて、今日はじゃがいもと人参とお肉等を使いまして・・・肉じゃがを作りたいと思います」




ペトラ「きゃっ!何これ!?火が急に威力倍増して」

アルミン「ペトラ先生!火元に何か零しましたか!?」

ペトラ「さっき誤って、お肉のパックに入ってた脂身を落としたけど・・・」

アニ「早く火を止めて」

ペトラ「てへへ・・・・失敗失敗」

アルミン「すみません。ペトラ先生はあっちで野菜を切っていてください」

アニ「出来る女みたいな見た目してくるくせに・・・」

ペトラ「わかったわ!」




ペトラ「アニちゃーん?この玉ねぎどれくらい切ればいいのー?」

アニ「はい。玉ねぎは適度な大き・・さ・・・に・・・・」

ペトラ「・・・・どしたのかしら?」

アニ「・・・・アルミン、ちょっと来て」

アルミン「なんだい?・・・って・・・・・何これ、米粒かい?」

ペトラ「あはは~何を言ってるのかしら?童貞面さん」

アルミン「そんなこと関係ないでしょう!」

ペトラ「これは玉ねぎっていうのよ?知らないのかしら・・・?」

アルミン「・・・・・・・えっ・・・」ドンビキ

アニ「私達が作っているものは、肉じゃがですよね?」

ペトラ「そうね」

アニ「ペトラ先生は肉じゃが見たことないんだね。なら仕方無い・・・」

ペトラ「私だって肉じゃがくらい知っているわよ」


アルミン「あの・・・ペトラ先生は、あっちで洗い物をしていてください」

ペトラ「わかったわ!」

アニ「まさか肉じゃがの玉ねぎを微塵切りするなんて・・・」




ガシャーン!!と甲高い皿の割れる音が調理室を響かせた



ペトラ「きゃっ!!」



”案の定”といってもいいだろう


その音の後に、ペトラ先生の驚いた声が聞こえた



アニ「薄々こうなるかもって思ってたよ・・・何があったんですか?」


ペトラ「あ、あはは・・・手が滑ってお皿割っちゃった」



足元に広がる皿の破片


肉じゃがの汁を試飲する為に用意した小さい皿をペトラ先生は濡れた手で持った末、落として割ってしまったのだ



アニ「はぁ・・・・」



思わず溜め息が漏れてしまう私


そういえば、エレンもこんな溜め息をよく漏らしていたような



ペトラ「でも大丈夫よ!私は同じミスは何度もしない体質だから!」



一生懸命なのは分かるけど、空回りして無駄を増やすのはまた別な問題


安全かつ円滑にすれば物事の進みは一気に倍速するんだ



無駄とは本当に無駄なんだ



アニ「いつもはエレンがこんな人の相手を・・・」



私がそう呟いている間に塵取りを持って、破片をかき集めるアルミン



アルミン「エレンがいないだけで、こんな為体なのか・・・僕達は」



エレンの苦労を身に染みて分かった今日この頃


それと同時に・・・



アニ「ペトラ先生ってこんなダメ女子とは知らなかった・・・」


ペトラ「そういえば、そうね。『ペトラ先生は無理しないでください』とか言って、エレン君が助けてくれてるから」



アルミン「あぁ、簡単に想像できた」


アニ「エレンが倒れるのも分かる気がしてきたよ・・・」


アルミン「その一部を僕らは今体験しているんだね。エレンの重労働っぷりに僕の身体も悲鳴をあげてるよ」


アニ「というか、よくそんなで料理を作ろうとか言い始めたね・・・」



軽くきつい言葉をぶつける


だって何も分かってないまま、挑戦するのはバカのすること


水着で南極横断するようなもの



しかし私の嫌味ったらしい言葉を聞き、ペトラ先生は悲しそうな顔を浮かべず、寧ろニコッと笑って答えた





ペトラ「そうね・・・でも、エレン君に感謝のしるしを見せたくってね。・・・・こんな私でも、ね」



『こんな私でも』という言葉に重みを感じた


・・・・そうか。分かる方法が自分で見つけれないから、まずは懸命に励む事を第一に考えたのか



アルミン「・・・・そうだったんですか。なら、もっと料理を作る方に」



そうだ

そうしなきゃ、今料理を作ってエレンにあげる意味がないじゃないか


ペトラ先生のしたいことは何もできていない



ペトラ「大丈夫だよ!作り方は分かったから、また明日にでも頑張って家で作ろうと思うから」



アニ「・・・・初めてペトラ先生が恰好いいって思えたよ」


アルミン「うん、僕も」


ペトラ「うふふ・・・惚れた?」


アニ「ふふっ・・・どうだろうね」




リコ「うむ、やはりやってると料理って楽しいな・・・ペトラ達の調子はどうなのか」



うふふ~・・・あははっ・・・・



リコ「・・・・・・ペトラ、料理の方は」


ペトラ「あっ、今頑張って皿洗っているの!」



リコ「そうか。じゃあアニ・・・」


アニ「すみません!今ちょっと目が離せなくて」


リコ「あっ・・・悪い」


アルミン「ペトラ先生!水出し過ぎですよ?水の無駄です」


リコ「・・・・・」



リコ「もしかして・・・もしかしなくても・・・・私しか料理している人いない・・・?」



ーーーーーー
ーーーーー
ーーーー




ペトラ「完成ね!」


リコ「うむ。じゃがいもも煮崩れはあまりせず、それでいて、しっかり染み込んでいる」



見事に色の染み渡ったじゃがいもは美味しそうで仕方無い



アニ「リコ先生凄いですね・・・まさか、ここまで」


アルミン「うん、こんなにも・・・」


リコ「私は普段通りで作っただけだ。だからそんな褒めるような事ではない」


アニ「まさか、ここまでエレンの為に本気になるなんて」


アルミン「こんなにもエレンを思って・・・!負けました・・・・」


リコ「ち、違うわ!ばか者共がっ!!」



ペトラ「こほん・・・今度は一緒に作ろうな、エレン」



ペトラ先生が急に声色を変えた



リコ「私の声真似するなっ!」



リコ先生の真似をしているようだ


よく聞いてみたら結構似ていた



アニ「こほん・・・これ本当にリコさんが作ったのか・・・・?」



私もこのビックウェーブに乗ってみた



リコ「アニもエレンの声真似するなっ!」



案の定リコ先生は声を荒らげて怒った


料理前のあの状況がフラッシュバックされる



ペトラ「・・・・あぁ・・・悪い、不味かったか?な、ならそんな無理して食わなくても・・・・」


アニ「この肉じゃが・・・・リコさんの愛情を感じるな」キリッ


アルミン「っぷは!くすくす・・・エレンってば、そんな恋愛脳な事言わないってば・・・あははっ」


ペトラ「お、愚か者!・・・変なこと言うな。その・・・少し嬉しいから困るではな痛い痛い痛い痛い痛い!!私の肩はそんなあらぬ方向へ曲がる事を望んでないよぉ!!!」



気が付いたらリコ先生はペトラ先生の背後に回り込み、左手でペトラ先生の手首を掴み引っ張り、もう片方の腕でグイグイと首元を押していた



リコ「死ね!そして生き返って、もう一回死ね!」


ペトラ「っふ・・・身体は正直ね。そんなこと言いながら、顔はニヤケまくりの真っ赤っかよ!いだだっ!!」



まだ余裕がありそうだから助けるのは後にしておこう


まぁ初めから助ける気は毛頭無いが



リコ「早くタッパー詰めて持っていくぞ!」


アルミン「やっぱりエレンの周りにいる人は面白い人ばっかりだね・・・」


アニ「勘違いするんじゃないよ。アルミンもその一人だから」


アルミン「僕って、そこまで個性強くないからね・・・」


リコ「何を言うと思えば、アルミンは十分にキャラは濃いぞ・・・アニの玩具役として」


アルミン「あれれ?そんなサブ枠での高評価!?」


ペトラ「ヒロインのワンポイントの可愛さは結構大事なのよ?リボンの無いハルヒ、頭巾の無い神楽、シスター服じゃない禁書目録を想像しなさい・・・・味気ないでしょう?」



アルミン「最後のはワンポイントじゃない気がするけど・・・」


ペトラ「でも言ってる意味は分かったでしょ?」


アルミン「まぁなんとなく・・・・眼鏡の無いリコ先生みたいなものでしょう」


アニ「3人は先に校門前に行ってていいよ・・・・私、教室の戸締りとかしてくるから」


アルミン「ん、わかった。気を付けてね」



私は調理室を出て、やや駆け足で教室の向かった



なんとなく・・・


・・・・今日は楽しかったな・・・



そう思えた一日でした




今回はここまでですので

さっき急いで書きましたので誤字脱字、話の筋道等可笑しい点がありましたら、申し訳ありません

それでは読んでいただきありがとうございました




瞼は重くなく、光を受け入れるようにスッと開いた・・・・とても目覚めが良い


肩を上げても頭を捻っても、だるさは感じないし、額に手のひらを当てても特別な熱さは感じない


身体の調子も万全の態勢のようだ



立ち上がり、指を絡ませ大きく天に向かって腕を伸ばした


「よしっ!」と気合いを入れ、カーテンを勢いよく開けた


窓には霜が降りており、水滴がぽつぽつとついている


水滴が朝日に乱反射して、でもやはり目覚めたばかりか眩しくて少し太陽を受け付けない


そんな平然でいつも出来ている朝の目覚め


それはたった2日ぶりの事なのに、久し振りに感じれて、どこか心地良い




「良い朝だ・・・今日は何か良いことでもあるかな」と、外を眺めながら呟いてみた



なんて・・・少女漫画の主人公ですか、俺は


いつまで爽やかを演じるつもりですか、俺は



正直に言うと、気分悪い


身体的な意味ではなく、心の問題というか


ミーナに2日間も全てを任せていた事に心許ない


生徒会の仕事もクリスタとライナー先輩の2人だけでやらせてるし、合宿明けにはアルバイトの方にも顔を出すと言ってたのに出れなかった罪悪感



なんで病気になんてなっちまったのかな・・・と後悔が募る




エレン「おはよ」


ミーナ「もう起きて大丈夫なの?」



階段を下りて、リビングに向かうと藍色のエプロンをし、右手にフライ返しを握った妹がいた



エレン「大丈夫だから起きているんだろ」


ミーナ「良かったぁ」



両手を合わせて喜ぶこの生き物は、なんでしょうか


本当に俺と同じ遺伝子が流れているのか疑うよ




エレン「おっ・・・フレンチトーストか?」



シナモンの良い香りが鼻腔を擽る



ミーナ「うん!出来立ての内に食べてね・・・?」


エレン「おう。あっ・・・そうだそうだ。昨日、ぺトラ先生がウチに来たよな。何か用事でもあったのか?」



そう言いながら、お皿に盛られたフレンチトーストとフォークを持ち、リビングの机の上へ運んでいく


合わせてミーナもエプロンを脱ぎ、食事のセットを両手に持ち、机の上へ



ミーナ「肉じゃが作って贈ってくれたの。お兄ちゃんがお粥を食べた後だったからさ・・・今日のお弁当のおかずに入れてく?」


エレン「そうだな・・・・というか、ぺトラ先生が作ったのか!?」



一大事だ!


塩と洗剤を間違えて入れそうな人間に料理なんて出来るのか!?


想像だが、あの人の性格上きっと料理出来ない


料理下手は可愛いステータスかもしれないが、ぺトラ先生の場合はきっと殺人属性だ


いやソースとか根拠は何処にも無いが



ミーナ「そう言ってたけど」


エレン「ふ、ふーん・・・」


ミーナ「昨日、私が夜ご飯に少し食べたけど、すっごく美味しかったよ・・・・って、ええっ!?どうして泣いてるの!?」


エレン「ぺトラ先生も・・・グズッ・・・・成長した・・・なぁって・・」



ミーナ「・・・・・なんかずるいかも」



唇を尖らがせて納得のいかない顔をしてボソッと呟く


時々、ミーナの言うことが分からない時があるんだよな



「・・・ずるいって、何が?」と微かに潤った眼をティッシュで擦りながら聞いた



ミーナ「え?ううん!なんでもないよ」


エレン「ははっ、ぺトラ先生も料理が出来たんだな。嬉しいな・・・今度、一緒に作ってみたいな」


ミーナ「ダ、ダメだよ・・・!」



こんな事を否定するミーナに疑問を感じる



エレン「ん、どうしてだ?」


ミーナ「お、お兄ちゃんの隣で料理して良いのは、私だけだもん・・・だからダメだもん」


エレン「あはは・・・そうだよなぁ・・・・・ん?」


ミーナ「あ、あわっ!ななっな!なんてね♪ミーナジョークでした!」


エレン「なんだ冗談か・・・可愛過ぎて、つい抱き締めて通報されるところだった」



あっ・・・通報されちゃうんだ、俺



ミーナ「通報!?」


エレン「早く食べないと冷えるぞ」


ミーナ「お兄ちゃんも早くご飯を食べた方が良いと思います!」



エレン「どうして急に敬語になるんだよ」


ミーナ「あっ!そういえば・・・一昨日の朝のこと覚えてる?」


エレン「ん?何かあったか・・・?」


ミーナ「覚えてないのなら、それはそれで良いよ・・・そっちの方が寧ろ、ちょっと安心出来るし」



また言っている意味が分からない


分からなくて当然か。話の本筋を病で倒れたせいで何も覚えてないんだから



エレン「ふーん・・・何かやらかしたのか?俺なら怒らないから言ってみろ」


ミーナ「い、言わないよ!?言ったらお兄ちゃん私の事嫌いになるかもしれないよ」



エレン「おいおい、俺を誰だと思っているんだよ。もしも義理の兄妹だったら求婚し」

ミーナ「えと・・・その発言は少し危ないよ?」


エレン「大丈夫だって・・・俺のミーナへの想いは何時だって家族として妹としての気持ちだから。当たり前だろ?」


ミーナ「そうだね。そうしなきゃまたお父さんが調子に乗っちゃうもんね・・・」


エレン「・・・・?なんで父さんが?」


ミーナ「な、なんでもないっ!」


エレン「変なミーナ・・・ん!このフレンチトーストおいしいな」


ミーナ「ふふっ・・・良かった」



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ーーー




アニ「そんな朝から機嫌良さそうにして、どうしたんだい?」


エレン「昨日、ぺトラ先生が料理を作ったらしくて・・・・その成長が嬉しくて」


アニ「保護者おつかれ。まぁリコ先生が殆ど一人で作ってたんだけどね」


エレン「え?」


アニ「・・・・何を驚いているんだい。まぁ言ってあげなきゃリコ先生可哀想だし」


エレン「・・・・ぺトラ先生が一人で作ったみたいに聞いたからさ・・・・そうだったのか。はぁ・・・」


アニ「で、でもさ」


エレン「ん?」


アニ「ぺトラ先生、あんたの為に努力してたからさ。だから、だから・・・がっかりする事ない・・・・表舞台に出れなくても裏では人一倍頑張ってたからさ」



エレン「そうか。そうだよな」


アニ「そう」


エレン「ははっ・・・俺、ぺトラ先生のそういとこ好きなんだよな」


アニ「・・・・・・。私にそんな告白されても困るのだけど」


エレン「ぺトラ先生は自分の力量を計るのが苦手なんだよ・・・だから挑戦をするけど失敗する。けど、自分に見合ったのを見つけると、懸命になれるんだよ」


アニ「それは昨日見てて分かったよ・・・」


エレン「そういう人って、輝いてるようで眩しくて・・・理想的でさ。本人には言えないけど、嫉妬する程、尊敬しているんだ」


アニ「なんか柄でもないこと語ってるね」


エレン「そうか?アニも、柄にも無くあんなペトラ先生の事を熱くなって語ってたじゃないか」


アニ「だって折角の努力の結晶が、その結果に見合った褒美として貰えないのは腑に落ちないでしょ・・・私はそういうの気にくわない」



エレン「褒美ね・・・俺はその考えは、あんまり好きじゃないかな」


アニ「は?」


エレン「等価交換とは良い考えだと思うけど、俺にはそれは物の為に動いているように聞こえて嫌だな」


アニ「まぁそう言えば聞こえが悪いかもね」


エレン「だろ?」


アニ「でも、あんたで言えば・・・ミーナちゃんが喜んでくれるから頑張る。それだけで、見合った褒美になるんじゃないかい?」


エレン「ん、そうか・・・ミーナが喜んでくれる、か・・・・」


アニ「なんで顔赤くしてるの?シスコンも大概にしといたらどうだい」


エレン「お前だって弟か妹がいれば、こんな気持ちになるさ」


アニ「は?ならないね、絶対に」



エレン「何を根拠にそんな全否定するんだよ・・・」


アニ「じゃあ・・・・・ちょっと私の事を姉だと思って接してよ」


エレン「え?姉・・・ね。おいアニ痛っ!!」


アニ「尊敬の念が足りない。姉に向かって『おい』とか呼び捨てはないんじゃないかい?」


エレン「お姉さま」


アニ「気持ち悪い」


エレン「姉貴」


アニ「調子に乗るな糞餓鬼」


エレン「なんでこんな罵倒されなきゃならないんだ!?折角やってあげてる身にもなれ!」



アニ「もっと自然に・・・」


エレン「・・・我儘だな。アニ姉さ・・・・ククッ!!兄(アニ)なのに姉って、あはははっ!!」


アニ「うっさい!うなじを抉るよ?」


エレン「いやいやカッターナイフ2本も構えるなって!?」


アニ「ほら・・・・お、お姉ちゃんって呼んでみな」


エレン「・・・・・お、おねぇ・・・・ちゃ・・・ん」


アニ「最後の方聞こえなかったんだけど」


エレン「お、お姉ちゃん!!はい、これで良いだろ!?・・・・・・・うわっ・・・なんでこんな事言わなきゃならないんだよ。」


アニ「・・・・・」


エレン「むぅ・・・なんだよ、そんなにこっちに見て。お前が言わせたんだから気持ち悪がるなんて身勝手にも程があるぞ」



アニ「いや・・・弟の方が良いなって」


エレン「はいはい、そうですか・・・って、なんか妙な言い方だな」


アニ「そういえば今日の放課後は」


エレン「あぁ、面倒だよな・・・執行部会議なんて」


アニ「私のクラスはあんたがいるから、連絡するでしょ・・・・私って出席する必要ある?」


エレン「お前なぁ・・・俺は書記だから、会議の内容を書き留めておかなきゃならん仕事があるんだぞ。よくそんな事が言えるな」


アニ「・・・書きながら覚えれるよ。あんたなら」


エレン「その無責任な信頼感はどうかと思うぞ」


アニ「じゃあ次は移動教室だから行こう」


エレン「おう」



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?放課後?



アルミン「・・・エレンは?」


アニ「エレンなら執行部会議ってのがあるんだけど・・・先に資料まとめに行ってる」


アルミン「そうなんだ・・・じゃあ今日はもうエレンには会えないかな」


アニ「私もクラス委員長だから、この後行く事になっている」


アルミン「ええっ~・・・じゃあ今日はもう僕一人じゃないか」


アニ「ぼっちが2人集まったって、ぼっちである事に変わりないよ・・・」



アルミン「僕にそんな悲しい現実を押し付けないでくれるかい?」


アニ「早く終われば直ぐに迎えに行くからさ」


アルミン「それじゃあ、なんだか僕がアニに我儘を言う子供みたいじゃないか」


アニ「そう言ってるようにしか私には見えないけど・・・違った?」


アルミン「はいはい!そうですよ!寂しいんですよ・・・2人といなきゃ。悪いかい?」


アニ「・・・私はあんたのそういうとこ可愛いと思うよ?」


アルミン「えっ・・・」


アニ「それじゃ、私はもう会議に行ってくるから。また・・・」


アルミン「う、うん。またね」



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アルミンと別れを済ませ、生徒会室まで足を進めた


そこに多分全員いるだろうか


学年毎のクラス委員長、各委員会の委員長が扉の前にいた


生徒会の面々は見たところいない



アニ「先輩方、何を扉の前で屯っているんですか?」


「中に入れなくて・・・それに何か争ってて」


アニ「・・・・?」



扉に耳をつけ、澄ましてみた・・・



『ふざけんな!』



アニ「っ!?」



『お前、こんな事して停学になるぞ!』


『喧嘩売ったのはどこのどいつだ!クソ野郎共が!!』


『な、なぁ?このまま下手したら退学だぞ!?暴力はやめろよな!』



え、なにこれ?分からない


頭が整理できない。ただ分かることが一つだけある・・・




アニ「・・・・・エレンの声・・・?」



ガチャ・・・



アニ「エレン!!」



ガチャ・・・ガチャガチャガチャガチャ!!



アニ「先輩!鍵を開けてください!!」


「いや・・・鍵はエレンが持ってるんだが」


アニ「え?」


「会長は体調を崩し休み、副会長は家庭の事情で今日は早退。今回の会議長は消去法で唯一の生徒会役員のエレンになったんだ。それでエレンが・・・・」



アニ「じゃあ内側からしか鍵を・・・」


ペトラ「マスターキー持ってきたよー!」


アニ「ペトラ先生!」


ペトラ「はぁはぁ・・・連絡あったよ。エレン君が暴力をふるってるって」


アニ「・・・・・・エレンが暴力を・・・」



震える手を左手で抑えながら、鍵穴に鍵を差し込むペトラ先生



ペトラ「信じたくないよ・・・こ、こんなの・・・・・こんなの絶対に・・・・」



ガチャガチャ・・・・・カチャン!ギィ!



『うわっ・・・』


『マジかよ・・・』



荒れに荒れ、破れた資料の数々


位置のおかしくなった机と椅子


制服の袖をまくり上げた無傷で息を荒らげるエレン


エレンの傍に横たわる頬に多数の痣のできた男2人



ペトラ「・・・・・・」



横目でペトラ先生を見ると、ペトラ先生は必死に唇を噛み締めていた



アニ「あ、あんた・・・・」



・・・・・言葉が詰まった


腕を上げて肩を掴もうとしたのに、腕は数十kgの石をぶら下げているように重くて持ち上がらなかった



『おい!2人倒れてるぞ!保健室に運べ!』

『は、はい!』



ペトラ「エレン・・・イェーガー・・・・。職員室に来なさい・・・処分を検討します」



何故だか、私には勇気がなかった


その呆然と立ち尽くす親友に声をかける勇気が




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~翌日~



アルミン「え?エレンが停学・・・?」



信じられないといった表情


斯く言う私も昨日はそんな顔を浮かべていたのだろう



アニ「・・・・・」


ペトラ「そうよ・・・」



アルミン「何をしたんですか、エレンは?」



唾を飲み込み、事柄を質問したアルミン



ペトラ「2年のクラス委員長を殴ったって・・・」



少し間が空いて、アルミンは歯を噛み締め頷いた



アルミン「・・・・・・。そうだよね、そこまでしなきゃ停学になんてならないよね」


アニ「エレンは無勝手な理由で暴力を振るうような人間じゃない・・・きっと原因がある」


アルミン「うん・・・その殴られた先輩方はなんて言ってたのですか?」


ペトラ「『急に殴ってきた』『俺らは何もしてない』って・・・・」



アルミン「じゃあエレンの方は・・・?」


ペトラ「ムカついたからって・・・理由は言ってくれない」


アルミン「・・・・それじゃあ一方的にエレンが悪いね。話を聞いた上では」


ペトラ「そもそも加害者は分が悪いのは当然・・・」


アニ「ねぇ?放課後に、生徒会室行ってみよう・・・原因が分かるかもしれないから」


ペトラ「そうね・・・」



『エレン君がまた暴力だってー』

『ほんと?生徒会役員までやってるのにそんな事するか?』

『いやマジなんだって!昨日、二人を保健室送りにしたってさ』

『マジかよ・・・』

『今日さ、いきなり殴られたとか、退学にしろとかその殴られた人達言い回ってたぞ』



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違和感しかない


エレンを知っている人からしたら、こんな事起こりえない事だ分かる



そした生徒会室の敷居を跨いで、再びその惨状を目の当たりにした



アルミン「そういえばなんで散らかったままなの?」


アニ「昨日、私達が明日片付けるって先生方に話つけたから」


アルミン「そっか」



生徒会室の扉を開けたら、そこは散々に冊子として纏められてたとされる資料散らばっており、きちんと整理されていた机の位置は大きくズレている

※誤字多いので修正しますね

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違和感しかない


エレンを知っている人からしたら、こんな事起こりえない事だと分かる



そして生徒会室の敷居を跨いで、再びその惨状を目の当たりにした



アルミン「そういえばなんで散らかったままなの?」


アニ「昨日、私達が明日片付けるって先生方に話つけたから」


アルミン「そっか」



生徒会室の扉を開けたら、そこは散々に冊子として纏められてたとされる資料が散らばっており、きちんと整理されていたとされる机の位置は大きくズレている



惨劇がその惨状を見ただけで想像できる



ペトラ「ほんとにグチャグチャね・・・会議の資料なんて破れちゃって・・・・」


アニ「話を整理すると・・・」



・先に生徒会室で会議の準備していたエレン


・そこに少し早めに着いた2年のクラス委員長が2人


・エレンが急にその2人を殴った



アルミン「・・・・うん。簡潔で分かり易い結果だね」


アニ「でも、その”急に”が分からない」



まだ何も分かっていない


分からなきゃ、こちらもこちらで答え合わせのない点数だけしか教えてもらえないテストのごとく、スッキリしない


過程と原因の不明瞭な結果なんて知ったところで意味は無いと思う


現代は結果の求められるのが優先させられているが、そんな事もない


テストを行って、良い点とっても、それはカンニングしたものだとしたら、結果は良くても何も良くない、最低だ


つまりは、そういうことだ


原因と過程が分かれば、それなりに結果の対応も変わってくるということ


テストで良い点取れなくても、課題の努力の仕方である程度教師の対応が変わるのと同じ


昨日の朝にエレンと話した内容と似たり寄ったりな話さ



ペトラ「そういえば生徒会室は、鍵が閉められていたわよね」



1つ疑問が浮き上がった


・・・それは鍵が何故閉められてたか



アルミン「先輩方が閉めた、若しくはエレンが閉めたかのどちらか」


アニ「そして、どっちにとっても、それは他人を部屋に入れない為か、相手を外に出さないようにする為かのどちらか」


ペトラ「理由もなく鍵を閉めるというのは有り得ないよね。これから会議があるから」


アルミン「そうですね」


ペトラ「それに、もうその空間に2人の人間が入っていたし、鍵はエレン君が所持してたもの。わざわざ入ったら閉めるという意味不明な事はしないに決まってるわ」


アルミン「ね・・・?もしエレンが閉めたとするよ?でも衝動的に殴ったのなら、そんな事する余裕あったのかな」



確かに・・・



ペトラ「・・・・というと?」


アルミン「考えた上での行動という事です」


アニ「衝動的なら目先の事しか見えなくなる。そういう事ね」


ペトラ「・・・・?」



言葉の意味が少しばかり理解出来てないご様子



アニ「例えば、車を運転してる際、間違えてブレーキとアクセルを踏んで、ここままじゃ前の車とぶつかってしまいます・・・さて、この後、多くの人のとる行動とは何だと思います?」


ペトラ「そりゃ危険だけど急ブレーキを踏むよ」


アニ「正しい判断が出来ればそうなるね。でも違う・・・咄嗟に左右にハンドルをきる人が多い。それでその後に脳が整理されて気付く。ブレーキを踏まなきゃって・・・」



アルミン「人は異常事態だと目先の処理をしなきゃって気持ちに覆われていくんです。時間が無いと勝手に脳が勘違いする・・・・そして焦って周りが見えなくなる」


アニ「大きな失敗をした時、適切な処置をするより、その失敗を隠蔽しようとする人間のが多い。それは考えの筋道が、その1本にしか考えれなくなるから」


ペトラ「じゃあつまり・・・今回、ここの部屋の鍵を閉めた人物は、”気は動転してない”し、”考える事に余裕があり”至って平常と・・・」


アニ「それで、この場合では、エレンが鍵を閉めたのなら、それにはちゃんと理由があった。焦った故や急な衝動的等の行為じゃないという事」


アルミン「そしてエレンが閉めたとならば・・・エレンはその2人を逃がしたくない程に憤怒していたか、誰にも聞かれたくない会話をしてたのか」



鍵を締めればそれだけ2~3秒の隙を見せるから、それ自体本気で怒っている相手を目の前にしている時にそれは自殺行為



ペトラ「でも、エレン君はあの人達とは面識なかったらしいよ」



ということは、誰にも聞かれたくない会話をしていたというのは違うというのが妥当な判断だろう


聞かれたくない会話なんて、信頼できる友好関係の人とくらいしかできないと思う



寧ろ、エレンは私でさえあまり腹を割って話す事なんて、そうそうない



アニ「ならエレンは、怒っていたという可能性のが高いね」


アルミン「先輩方の場合でも、鍵を閉めた理由としては、エレンと同じになるよね」


アニ「まぁ・・・そもそも先輩方に鍵を閉める理由は見当たらないけど」


アルミン「そうだね。だってエレンは無傷・・・つまり、暴力はエレンによる一方的なのだから」



それは逃げるという先輩2人の選択を遮断する為のもの


先輩2人には誰も部屋に入られたくないという理由は見つからない


普通に考えれば、先輩2人には”逃げる”の選択肢しかないと思う



クロスワードのごとく答えが限られ埋められていく



・何かがあり、エレンは暴力を振るう程、怒りに満ち満ちていた


・けどは考える余裕はある程、落ち着いていた


・そして考えた結果、先輩方を逃がさない為又は誰も入れない為、鍵を閉めた



アニ「じゃあ・・・次はエレンを何故そこまで怒らせたのか」



再び新たな論点・・・更なる疑問が浮き上がった


エレンは何故怒ったのか


単純かつ重大な問題がこれである



アルミン「エレンの怒りの沸点の高さは結構高いと思うけど」


ペトラ「エレン君が怒るような事といえば・・・」



ペトラ先生は腕を組んで考え込んでいるが、私としては、よくエレンが怒っている理由としたら・・・・



アニ「ペトラ先生の飲酒状態」


アルミン「ペトラ先生のスキンシップ」


ペトラ「2人とも真面目に考えて!?」



正直、半分冗談ではない解答だけど・・・



アルミン「苺を取られた時」


アニ「エレン自身の思考」


ペトラ「アニちゃんのは可能性あるわね・・・・よくエレン君、一人で葛藤してるし」


アルミン「でも自問自答でイラついて他人に手をあげるなんて、ただの八つ当たりじゃないかな」



アニ「そう・・・さすがにエレンも歯止めが利くよ」



ペトラ先生が「そうかぁ・・・」と言った後、数秒時間が空いた


再び考え込む・・・


だって、エレンが怒るなんて、そうそう見たことない


私でさえ、指折り数えるくらい



ペトラ「・・・じゃあ”対人関係”とか?」


と、話を切り出したペトラ先生


私とアルミンはそんな単純な事に気付けなかった


人の事なんてエレンの最も怒りそうな事じゃないか



アルミン「そうなると、”誰と”ってなりますね」


アニ「”誰と”じゃなくて、”誰の”じゃないかい・・・?先輩方とは初対面。なら誰かの悪口を目の前で聞かされたしかないよ」


ペトラ「私達が標的にされたのかもね」



先程から的確に納得できる回答をペトラ先生は繰り出す


それは私達より、ペトラ先生はエレンの事を分かっていて、親身になって考えれる思考を持っているという事が考えられる


私だって親身になって考えれるものなら考えたい・・・でも、考えたって表面上のものしか語れない


それは私にとってエレンの存在とはそれだけのものなの・・・?


というか、あれ・・・?私、苛立ってる・・・?



アニ「それが一番妥当な線ね。寧ろ、学校で、しかも面識ない人とだったら、人の誹謗中傷くらいしかないね」



アルミン「でも僕やアニも面識ないし誹謗中傷受ける事もないし・・・ペトラ先生は?」


ペトラ「話した事すらないかな・・・私は1年生の国語の担当だし」


アルミン「じゃあ後エレンの友好関係があるのは、リコ先生、ミーナちゃん、あとライナー先輩に僕と同じクラスの女子2人くらいかな、」


アニ「この中の人で取捨選択して有り得るとしたら、ライナー先輩くらいじゃないかい?執行部としての関わりがあるし・・・」


ペトラ「リコちゃんは他人には弱みなんて絶対見せないし、ミーナちゃんは論外。アルミン君のクラスの女の子達は、アルミン君とアニちゃんと同じね」


アルミン「あっ・・・」


ペトラ「どうしたの?」


アルミン「い、いえ。そういえばさ・・・アニ?この前、キミはエレンに何か怒られなかったかい?」


アニ「エレンの苺プリンを全部食べた時」


アルミン「その事じゃないよ。その日のその後・・・もっといつもより剣幕にさ、多分怒るというよりキレていたよね」



多少、私も気にかけていた・・・いや気掛かりであった


でも違うと勝手に判断して言わなかった


話題には決してあがらなかった1人の人間の名前



アニ「・・・・”クリスタ”を貶す発言をした時・・・かい?」


ペトラ「クリスタちゃんを・・・?」


アルミン「そうです」


アニ「確かに・・・・。クリスタはその先輩方と執行部関係としての関わりはあるから可能性があるね」


アルミン「でもさ僕達には、エレンとクリスタの距離感が分からない。確証は無いけど・・・でも可能性としては最も確信に近いかもね」


ペトラ「・・・・・・・エレン君とクリスタちゃんの距離感・・・ね」



アニ「・・・・・・」



私は知り得てない親友の交友関係に失望し絶望した


少しは感じていた・・・この前に、錯乱したクリスタを見て、クリスタがエレンの名前を呼んでいて、私の知らない関係があの二人にはあるんだって



アルミン「まぁ・・・僕達の出した答えとしては、エレンはライナー先輩かクリスタ、若しくは僕達の知らない誰かが貶されたから、暴力に及んだ・・・・こうだよね」


アニ「・・・・納得できないね」


ペトラ「私もだよ」


アルミン「どうしてだい?」


アニ「私はいつもエレンと遊びで罵倒し合ってるから分かる。エレンは罵倒されたら、相手にグウの音も出ないような論破をする」


アルミン「もう日常茶飯事だもんね・・・それに反論するアニもアニだけどさ」



たはは・・・と苦笑いを浮かべるアルミン



アニ「”原因”はまた別に決まってる・・・。だって、そうじゃなきゃ私はクリスタを貶したあの日、殴られていた」


ペトラ「・・・・・じゃあ何なのよ・・・このままじゃエレン君だけが悪者よ」


アニ「そういえば、エレンはなんで口を紡いだんだい・・・?」


アルミン「!!」


ペトラ「先輩方を庇った・・・?」



アルミン「それは違うよ!」



ペトラ「どうして?」


アルミン「さっきの話した結論から察するにエレンは相当に怒っていた」



アニ「そう・・・エレンは確かに優しい。でも、さすがにこれは根本的にズレている。これは庇ったところで優しさでも何でもない」


ペトラ「じゃあ・・・何がエレン君を、そうさせるのかしら。ちゃんとした理由を言えば停学の日数は短くなったかもしれないのに・・・」


アニ「エレンの性格から逆算するに、エレンは”誰にも知られたくない事を言った”ってのが一番適しているんじゃない?」


アルミン「まぁそれがエレンの性格だもんね・・・一人で全て抱え込もうとするところが」


ペトラ「ねぇ・・・?」


アルミン「なんですか?」


ペトラ「・・・・・それは私達が追及していい事なのかしら?」


アルミン「分からないです。でもエレンには悪いけど僕はとても知りたい衝動に駆られてます」


アニ「私もだよ・・・知らなきゃ気が収まらないし、それに噂で聞いたけど、下手したらエレンは生徒会役員の職を降ろされるって」


ペトラ「えっ・・・」



一瞬事の重大さに気付きたじろいだペトラ先生


そう・・・これはかなり大きな決断


相手の言い分によっては退学になりえるかもしれない


だから論を私達は纏めているんだ


これは私達がただ事実を知って、ホッとする為のものじゃない


捜索してて途中で理解した


なので、私は脳をフル回転させて根拠と証拠を探して論を掛け合っているんだ



アニ「抵抗しなきゃ先輩方の思惑通りに物事は進む。さっきペトラ先生が言った通りに、エレンはただの悪者扱い・・・。答えはもう一択しかない」


ペトラ「!!・・・・そうね」



アルミン「じゃあ満場一致だね。問題解決がエレンのその後になるんだね・・・スタート地点に戻るか、そのまま続行かの」


ペトラ「でも、状況における確証はあっても確信を突く証拠の物は何もないのよ?」


アニ「それが一番の問題。でも逆に証拠なんて後から出したら、私達が製作した物だと思われるかもしれない」


アルミン「皆がもう見ていて記憶にあるもの・・・そして、それが何よりに証拠になるもの」



「・・・あっ」とアルミンは、また何かに気付いたのか一際目立つ声をあげた



アルミン「・・・・ね。そういえばコレおかしくない?」



アルミンはあるものを指さして言った



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今回はここまでですので

日本語や矛盾点等はスルーでお願いします

読んでいただきありがとうございました

日本語や矛盾しておかしい点等はスルーでお願いします

まちがえました・・・

ちょっと気になったんやけど>>806のアニの「それがダメなら」の後なんて言いたかったんですかね?
次の更新ではなんか色々すっ飛ばしてその後クリスタがどうなったのかしか書いてなかったんで気になりました

>>913

特に何もありませんです

この後も話が続くけど端折りました。たいな感じです



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ここはとある机と椅子と窓と時計くらいしかない殺風景な部屋


会議室とも呼ばれてるし場合によっては指導室とも呼ばれている


そこでは三対一で机を挟み、ある論争が行われていた



アニ「・・・ー以上です。これが私達の調べた結果です」



1枚の真っ白だった印刷用紙につらつらと文字が書き込まれた今回の事件の全容(推理)を読み、それを1年の学年主任に突き出したアニ


それを頬づえした学年主任が、もう片方の手でその書き綴られた印刷用紙を掴み、まるで興味無さそうに見つめる



学年主任「話にならない。それは単なる仮定に過ぎない」




それは僕達も数分前まで捜索していた時は、その不確定不安要素としてこれを捉えていた


けど僕らには奥の手がある


だから今、目の前の的に姿を現し、立ち向かい勝負を挑んでいるんだ


そんな水着で南極探検をするような軽い心持ちで挑むなんて有り得ない



アニ「証拠があれば良いと言うんですね?」



そんな挑発じみた事を間髪入れずに答えた


真面目に語り合う場であるにも関わらず、アニは少しニヤついていた


それは勝利を確信した余裕なのか、単にこの現状を楽しんでいるのか




アルミン「あの・・・この”破れた紙”はなんだか分かりますか?」



僕はファイルしていた散々に破れた紙を学年主任の机の上に置いた


「ほう・・・」と興味無いくせに、そんな風に応えた学年主任


頬づえを解き、ファイルされていた紙を中から出し、確認をした


その行動には、”一応”というのが似合うだろう


目の前に出されたから、一応確認した。そんなやれやれといった動作であった



学年主任「昨日の会議で使われる筈の資料だろう」


アルミン「不思議な点があるのにお気付きですか?」



僕も初めて気付いた時は、気付けた自分に驚いた


ほんの些細な事


気付いたら気付いたで、それは大きな疑問



学年主任「何も無いだろう。エレンが暴力を振るった際に誤って破れた・・・それだけだ」


アルミン「本当の本当に・・・それだけなんですか?」


学年主任「何が言いたいんだ。なんの変哲もない破れた紙だ」


アルミン「・・・・・どうして、こんなにビリビリに破れているのですかね?」



これが何よりもの証拠だ



大半の人が見ているから僕達が作り出した偽の証拠という事にはならない



学年主任「何が言いたい?早く言いたまえ」


アルミン「エレンが暴れたとして、この資料は関係無い筈。机に手を突いて、たまたま破れてしまったのかもしれない」


学年主任「そうだな」


アルミン「だからって破れるのは、表紙から2、3枚くらいです」


学年主任「・・・・・」


アルミン「なら何故こんな破れ散ったのか・・・それは簡単」



「人の手によって破られたしか限られないんですよ」



アニ「それが分かった上でさっきの推理と掛け合わせてください。エレンは会議を催す側であるから破る意味がない。破ったところで自分に面倒事が回ってくるだけ」



アニがここぞとばかりに証拠の裏付けに出る



アルミン「つまり先輩方が破ってエレンは怒った。深い意味はもっと有ると思いますが、簡単に言えばそれが原因だと僕達は推理しました」


学年主任「・・・・・・」


アルミン「それではそれを分かった故でもう一度説明しましょう。一回だけじゃ話が纏まらないでしょう」


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ーーー


アルミン「・・・ーという大きな疑問点における物的証拠もあり、エレン・イェーガーの処分の検討のし直しをお願いします」



頼み込む立場故、頭を下げる僕とぺトラ先生


アニは断固として頭を下げる見込みはない


そんなキャラではないのは分かってる



学年主任「そもそも暴力という形がある故に、その事柄自体を取り消しには出来ない」


アニ「・・・・そんなの私達も分かっている事です。でも理由と原因、その発端は先輩方にある」



学年主任は僕達にハッキリ聞こえる声で「はぁ・・・」と溜め息を吐いた



学年主任「お前達の言い分は分かった」


アニ「・・・・・なら」


学年主任「だがな、下手したらこんなの学校側が教育委員会から」

アニ「あんたは原因を作った者と原因を元に実行した者。どっちが罪深いと思う?」


学年主任「そんなのどらち共が悪い」


アニ「本当に、ですか?」



学年主任「当たり前だ。原因がなくては何も起きない。そして実行する奴も結果を予想出来てない浅はかさがある」


ぺトラ「・・・・・なら私から1つ言わさせてもらいます」



ここに来てぺトラ先生が初めて口を開いた



学年主任「なんですか、ぺトラ先生まで?」


ぺトラ「そう断言できるなら、なんでエレンだけが停学なんですか?」



そうだよ。そこだよ


そこが学年主任の言っている事の矛盾点だ



学年主任「暴力を行った者に罰を課せるのは当然だ。逆に殴られた者を停学にするなんて非常識だ」#1225クリスタ



アニ「あなたはどっち共が悪いと言ったでしょう?なら言い方を変えれば、罪は同等」


アルミン「そうです!片方を許すのなら、もう片方も許される筈です。なら罪を受けるとなれば、それも同上です」


学年主任「・・・その殴られた者と同等で、エレンの停学処分を取り消せと言うのか?」


アニ「結果はそうなりますね。それか先輩2人を停学にするか、です」


学年主任「許可ならないな」



「っち・・・」と苦虫を咬み潰したような顔をして、小さく舌打ちをしたアニ


さっきまで小さなニヤつきを見せていた余裕を失ったよう・・・・・何か一本の線が切れたように態度が豹変した



アニ「あんたは自分の言っている事が理解出来ているの?」



腕を組み、決して目上に向ける態度でない



学年主任「こっちは暴力をしたかしてないかを前提で処分を下しているんだ」


アニ「はぁ・・・あんたは自分の教える生徒が言葉の虐めを食らっていても”抵抗せず”に流すのかい?」


学年主任「そんなの説教すれば良い」


アニ「なら説教でどうにもならなかったら、どうする?」


学年主任「個人指導だな」


アニ「あんたならそれで済むかもしれない。だが、一般の高校生ならどうすればいい?」


学年主任「我々のような教師に話せばいい」


アニ「二人の対立する者がいて、片方が本当のこと言ったとしても、片方が虚実を吐いたとしたら、第三者はそれを事実として受け取れない」



それが1番大きな問題点



事件だって『私はやってない』と言えば現行犯以外その確証が持てるまで逮捕出来ないだろう


だから僕達がやったように証拠を求めて捜査をするんだ



ぺトラ「そんな状態になったら自分だけで解決しようとするに決まってます」


アルミン「先生・・・今のを今回の場合で言うと、もしエレンが先生に相談しても、先輩2人が『違う』と言えば、それは事実の確認が取れないから先生も行動にも移せれないでしょう?」


学年主任「・・・・・・」


アニ「それが現実で、それが一般人の出来る限界だよ・・・故にエレンが暴力に及んだかもしれない。暴力も悪いよ・・・・でも、今の話を聞いて先生は、それでも処罰の対象はエレンだけと言うかい」


学年主任「なら・・・その暴力を受けた二人が『何もしていない』『急に殴られた』という意見はこちらどう受け止めればいい?」



学年主任のその質問を言い終わった瞬間にアニは、右手の人差し指を突き出して学年主任を指した



アニ「あんたはバカかい?」




質問を質問で返した



アニ「こっちは証拠も根拠もあんたに見せたし聞かせた。何がおかしいんだい?なら、あっちも証拠の資料でも何でも提示して欲しいね」



5秒ほど沈黙という名の重苦しい時間が空いた


しかし僕達からすれば、その沈黙は勝利への第一歩に思える



学年主任「被害者自身が証拠であるんだ。実際に傷や痣はある・・・・でもお前達が言いた事は、これじゃない的外れの事だろう?」



これはある意味、論破をしたのと同じ事だろうか


自分の言った事に対して否定をした学年主任



アニ「そうだね」



アニはその返答に即答した


そりゃそうだ。僕達の語っていた事はそんな事じゃ無くなっている


それに段々と理解し始めている学年主任は声を詰まらせ弱々しい声量へと変わっていく


最初の断固とした態度が嘘のようだ



ぺトラ「原因の明確化・・・それで処分も変わる。その原因における証拠の提示を求めてるのです・・・場合によって、その2人の”被害妄想”かもしれませんよ?」



結果としては、エレンは暴力を振るった


これは揺るぎない事実


だが今、僕達が論争し求めているのは、原因が何たるかという事だ


先輩方は『何もしていない』『急に殴られた』と主張している



これが事実でなく虚実なのならば、話は一発逆転とまではいかないが、大きな変動の兆しが見えるのは確かだろう



学年主任「・・・・・・」


アルミン「先生は何でそんな否定的なんですか・・・・所詮僕らの意見は格下の言葉として受け流しているんですか?」


学年主任「こっちもこっちで、上の方には停学処分の事は連絡がいってる。だからそんな1日で、一生徒の学校生活を左右させるなんて」



その発言を聞き、漸く理解する


この人は何故頑なにエレンだけを悪者に仕立て上げようとするのかを


僕はここに来て1つ合点のいくことが浮上したのだ



アルミン「まさか・・・・生徒の事より、学校の信用や印象を第一に考えているんですか・・・?」


学年主任「・・・・・暴力を振るった者に対しての正しい処置。行わなくてはならない事・・・こちらはそれを覆すわけにはいかない。その処置をしなかった場合、こちらも何を言われるか分からない」



アニ「最っ低・・・」



アニの投げ捨てられた言葉は真を語るものだった


素直に純粋に出た言葉


異論や反論、論破など関係無い・・・ただ単純に漏れていた本音



アニの気持ちは痛いほど分かる・・・だって僕もアニと同じ気持ちなのだから


きっとぺトラ先生だって同じさ



アルミン「間違いを正す事は悪い事なんて思いません。間違いを悪い事と思っているから、正す事が出来ないのです」


学年主任「戦争を起こした後に、襲う国を間違えたって気付いても、どうにもならない。気付き正しい事を述べたとしても批判や悪評が広がるだけ・・・なら間違えてないという事にすれば、全ては丸く納まる」



それは、そんなに大規模なものだと主張しているのだろう


このすれ違った事実が教育委員会にでも漏れたとしよう


大問題だ


事実をよく調べないまま一人の生徒を停学にした学校


その事実が残るだけ



アニ「はぁ・・・・そんなに学校の体裁が大事?生徒一人よりも」


学年主任「・・・・あぁそうだな。だが、こちらもそれ相応の配慮しよう。進学就職の際は停学の件は」

アニ「あんたとは話にならないよ!」



今までに見たことのないような憤怒を露にしたアニ



実際、僕も怒鳴りつけたい気分であったが、代わりにアニが果たしてくれた



アルミン「じゃあ・・・・失礼します」


アニ「・・・・ふん」



アニの言葉を最後に学年主任は無言でただただ僕達の歩く後ろ姿を見つめていた




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ーーーー




リコ「お前達、何を初告白を失敗した中一の夏みたいな雰囲気でいるのだ?亀虫でも踏んだか?」



廊下をとぼとぼと歩いていた僕達の前に、リコ先生がノートパソコンを片手に担いで反対側から問いかけながら駆け足で寄ってきた



ぺトラ「聞いてよー、うちの学年の主任が頑固で何も聞いてくれないのよー!ムカつくー」



駆け寄ってきたリコ先生に身振り手振りをしながら愚痴を零したぺトラ先生



リコ「何があったんだ?主任の机にコーヒーでもブチ撒けたか?」


ぺトラ「頭にブチ撒けてやりたい気分よ!」



僕も実質同意である


だが話の通じない相手にどう目に物見せるかを考えてた僕からすればコーヒーをブチ撒けるなんて生温い罰だ。そう思っている



というか言い方を変えれば僕はただ単にあまりの腹ただしさに腸が煮えくり返っているんいるんだ



リコ「はぁ・・・何をやらかした?私は所詮保健医だから特に力になれるような事は出来んぞ」



哀れみの目を見せながら、心配し相談に乗ろうとしてくれる姿はエレンにそっくりだ


本質が同じなのだろう。この人もエレンも


結局は人を助ける事に歓喜しているなんて自身ですら気付いていないのだろう



アルミン「あの・・・ぺトラ先生がやらかしたんじゃないんです」


リコ「へぇ。じゃあお前達か?」


アニ「違います。エレンの事で・・・・」


リコ「ん、エレンの事なら私が今から話をつけに行くが」



リコ先生でも駄目だろうな


あの人はどんなに説得したって学校の為と言い、こちらの言葉なんて聞く耳持たないんだ



ぺトラ「どうせあの主任なら話を聞かないよ・・・私達も行ってきたけど駄目だった」


リコ「そうか。まぁお前達の態度を見たら、そんなの一目瞭然か」


アニ「リコ先生も生徒会室を調べたのですか?」


リコ「いや?調べてなんかないが」



・・・・・・・ん?


ならどうやって話をつけに行くんだ?



アルミン「何を証拠に話をつけに行こうと・・・?」


リコ「証拠も何も・・・エレンなら理由無しにそんなことしないって私は信じているから」


ぺトラ「なに・・・?この敗北感!?何だが分からないけど、この負けた感覚は!」


アルミン「でもそんなのじゃ話は通じないって事くらい」


リコ「はははっ、そんなの生徒会室の監視カメラを見せつけながら説明すれば良いことじゃないか」


アルミン「あはは!そうですね・・・・・え?」


アニ「・・・・・・監視・・・カメラ・・・・」


ぺトラ「あれ?監視カメラってなんだっけ」


リコ「というか、お前達が見せた監視カメラの映像見ても、交渉を拒否ったのか・・・だが問題ない。私の話術を持てばあんな奴、私が論破してやる」

どうやらリコ先生は僕達が監視カメラの映像を使って訴えたと思っているようだ


アルミン「・・・・・ねぇアニ?」


アニ「なんだい、アルミン」



互いに顔を見合わせ合う僕とアニ


いや・・・何もかも、それのお陰で解決すると思うよ?良いことだよ!?


でもなんか腑に落ちないと言いますか・・・


僕達の努力はなんだったでしょう?となるじゃないですか


と・・・・僕は誰に態々敬語で訴えているのだろうか


あぁそうか。無駄足をさせたこの足に、無駄な努力を命令した脳に訴えてるのか



アルミン「テスト範囲外のとこを勉強してテストに望んだ時ってこんな気分なのかな」



アニ「そうだね。言い様の無い虚しさとはこの事だね・・・」


リコ「論より証拠とは言うが、それを権力で押し伏せる者なんて言語道断だな。というか確かあの監視カメラなら音声も録音出来た筈なんだが・・・」



僕達がなぜ監視カメラを提示して失敗したのか薄々疑問し始めてきたリコ先生


そりゃそうさ。僕達は監視カメラの存在に気付いてすらないんだから、そんなの追い討ちかけられればボロが出るさ



ぺトラ「リコちゃん待って!ステイステイ・・・・」



ぺトラ先生は左手を自らの額に置き、右手の指先でリコ先生の口を押さえ考え込んでいた


リコ先生は瞬時に反応をし、一歩右足を引いた



リコ「私は犬ではない。で、何を待つんだ?私は見ての通り立ち止まってお前達と話しているのだが」



ぺトラ「おかしいな~・・・リコちゃんは何を淡々と話し込んでいるのかな」


リコ「は?何を言っているんだ・・・・・もしかして、お前達は監視カメラの事に気付いてな」

アルミン「リ、リコ先生!僕達もこれから監視カメラの映像を持って、もう一度学年主任に話をしに行こうと話し合っていたところだったんですよ!」


アニ「まさかこの私達がそんな単純な事見落とすわけないじゃないか。そんな一番の状況証拠を立証出来る監視カメラを忘れるなんて絶対に有り得ないよ・・・うん」


ぺトラ「い、いや~!私達もぼちぼち本命を出そうかな?と思っていたのよ!いや、ホントにリコちゃんと丁度良く会えて良かったなぁ!グッドタイミングよ!リコちゃん!」



汗を一滴たらりと頬を伝わせ、親指を立てたぺトラ先生


平然を装うばかりか、そのせいで言葉の量とか色々規定外な状態に陥っているアニ



そんな2人の心情を分かっている僕からすれば、2人の言い訳は本当に苦しくあたふたした焦りのある嘘や言い訳にしか聞こえなかった


逆に2人も僕と同じ考えを持っているだろう



アルミンは焦り過ぎだ、と


リコ「そ、そうか。なら結果から察するに、まだ監視カメラの映像は見せていないんだな?」


ぺトラ「つまりはそういう事ね!さすがリコちゃん可愛い」


アルミン「あ、あはは・・・」



ほうれい線が引っ張られ攣られている感覚


片方の口角だけが上がってる僕とアニとぺトラ先生


自分達のしていたことの無力さに絶望さえ感じてしまう



アニ「・・・・・・脱力感が半端ないよ」



リコ「可愛いは関係無いだろ。それじゃ・・・主任のとこに行くか?」



リコ先生の発言を妨げるようにぺトラ先生が「いや・・・待って」と言い、僕達の進めようとしていた足を止めた



ぺトラ「私、完全勝利の方法を思い付いた」


アルミン「完全勝利・・・?そんなの映像見せつければ完全勝利なんじゃ・・・・」


ぺトラ「いいや。それだけじゃまだ確信を持てない人がいるんじゃない?」


アルミン「誰ですか?」


ぺトラ「察しが悪いなぁ・・・このままじゃエレン君の悪評は広まるばかりなのよ?」


アニ「・・・・・・・やりますか」



アニは何かに気付いた様でぺトラ先生の意見に乗ってきた



アルミン「え?どういう事!?」


ぺトラ「まぁ中身は見てないからギャンブルだけど・・・大丈夫よね!エレン君だし!それに最終下校まで時間無いし、今からにする?」


アニ「今日はラッキーな事に委員会だったから、全員残ってるしね・・・」


リコ「上の連中の許可無しに行う気か?私は反対はしないが」


アルミン「僕だけ理解できてないんだけど」


ぺトラ「学年主任ですら学校の体裁の為に私達の提示した証拠でも事実を曲げなかったのよ?なら強行手段しか手はないと思うの」


リコ「本音は?」


ぺトラ「あの学年主任をギャフンと言わせたい!」


アニ「そもそもこれをすれば全てが収まるさ・・・・だって全てを味方に出来る方法だから。寧ろ、これを教師陣に告げた後に行動したら邪魔をされるに決まってる」


リコ「なら善は急げだな」



アルミン「あの・・・えっと・・・・何を話してるのかな?皆さんは?」


リコ「まぁ学校に喧嘩を売るのも良かろう。・・・こういうのは嫌いじゃないからな」



「よし!」とぺトラ先生は声を張り上げ言った



ぺトラ「じゃあ早速、教師陣に目に物見せてやろっか!あとオマケにエレンを陥れたゴミ2つにも」


アニ「そんなのゴミに失礼」


ぺトラ「うふふ・・・失敬失敬」


アルミン「ちょっと止めようか?キミ達は女の子だろう?アニは分かるけどぺトラ先生はいつからそんな事を・・・」


ぺトラ「私だって言う時は言うんだぞ♪」


アルミン「いや・・・そんな可愛く言われましても、残念な事には変わりないです」



リコ「時間が無いのだろ?急ぐぞ」


アニ「はい」


ぺトラ「はーい!」


アルミン「というか、僕だけ理解できてないんですけど!」



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今回はここまでですので

読んでいただきありがとうございました




アニ達の考えていたこと


それは罪の取り消しなんかより、もっと私情を挟んだもの


エレンの誤解を少しでも解きたかった


その為に先輩の二人の悪行と学年主任への抵抗を全校生徒を味方に付けることで見せしめて行おうとしている



それが放送による公開だ



ピーンポーンパーンポーン・・・


『緊急連絡です。各教室のテレビの電源をいれて、ビデオ2にしてください』


そんな特別緊急でもない連絡がぺトラ先生の声によって流された


ピーンポーンパーンポーン・・・




リコ「さて・・・もう引き返せないからな」


アニ「下手したら私達が停学ね」


リコ「大丈夫だ。全ての責任はぺトラが背負う決まりだ」


ぺトラ「どんなルールかな?なんで私だけ?やだよ!?そんなの!」


アニ「・・・・・・・エレンは」



アニが、エレンという単語を口に出した瞬間にぺトラ先生が肩をピクっと反応させた



ぺトラ「・・・エレン君は・・・・?」


アニ「・・・・・・エレンはぺトラ先生の頑張ってる姿は好きだと言ってた・・・それも自分の為に」


ぺトラ「私頑張るからね!エレン君の為に!」



リコ「チョロいな・・・」



『本日の会議議題は年末が近付き先輩方の卒業に関する各部活動からの見送り、委員会における思い出作りとしてのイベント開催の提案等、そしてクラス委員長からクラス会としての予算や場所の確保等の連絡と場合によっての話し合い。来月の第二木曜日には新聞部提案のイベント開催の内容・目的の明確化』



アルミン「っ!?」


アニ「何永遠と紙に向かって独り言を・・・」



『生徒会が受け取った資料によると来月の計画されているイベントでは、アンケート調査と体育館の舞台作りというのが書かれておりました。それを行う事は一度先生方に目を通していただいたから大丈夫ですが、しかしそれを行うにしても、そのアンケートの内容と印刷枚数等の計画が書かれたものが必要となりますので、それはまたアンケートを配る一週間前までには提出してください』



ぺトラ「聞いてるだけで頭が痛くなる内容ね・・・」


アニ「これは・・・」


リコ「会議の内容のリハだな。1人だから油断して恥ずかしげもなくベラベラと・・・」



アルミン「そのある意味公開処刑な状況を全校に知ら示させてる僕らは相当の悪人だね・・・」


ぺトラ「こ、これエレン君にバレたら絶対に怒られるよ・・・」


リコ「大丈夫だ。エレンと話す事が出来る人なんて、私達しかいないからな」


アルミン「それはエレンには友達がいないと言ってるようなものですよね」


アニ「にしても生真面目過ぎる・・・やっぱりエレンは出会った当初から変わらず本性は努力家・・・」


リコ「愚痴る割には卒なくこなす質だからな。その反面がこれなんだろう。ん?あっ・・・例の二人が入ってきたな」


ぺトラ「ねぇ・・・?なんか放送室の電話が鳴り出したよ・・・・職員室から」


リコ「電話線抜いとけ」


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ーーー



エレン「・・・・・・・」



ペラペラと何度も何度も捲られる左端をホッチキスで纏められた紙


頬杖をして如何にも退屈、そんな態度をとっている



「あいつがいると執行部会議ってのも気が抜けねえよなぁ」

そんな、とある愚痴。

その一言が全ての負の連鎖への第一歩だった



委員長B「出た!堅物会長だろ?そうそう。あいつなんで、あんなに一生懸命仕事しているんだよ」


委員長A「つか総務なんて全国に向けて大会がある訳でも無いのに、あんなに真面目にする必要ないだろ?」


委員長B「まぁな」



委員長A「つか必死過ぎてウケるんですけど」


委員長B「あいつを取り巻く副会長のライナーだっけ?あいつも熱過ぎて過ぎて引くよな」


委員長A「なんでこんな事で情熱燃やしてんのって感じ?」


委員長B「暑苦しいよな」


委員長A「大体、うちは一応進学校で部活動に入るのなんて単なる暇潰しだろ?」


委員長B「それなのに、あんな大真面目な奴がいると正直こっちが迷惑だよな」


委員長A「マジでさー、空気読めないなら生徒会辞めて欲しいよな」



とんっ・・・



読み返していた会議の資料を無言で閉じて、その資料を立てて角で机を叩いた



委員長B「んでもってノリの良い奴入れて文化祭とか・・・



エレン「黙れ」



先輩の言葉をギロチンのようにスパっと清々しく切り落としたエレンの一言


そしたら誰もが口を瞑んだ・・・・氷河期でも迎えたのかと勘違いしてしまう


どこか遠くから聞こえてくる人の話し声がやけに目立って聞こえてしまう程に、この素朴な部屋は静かであった



委員長A「は?先輩に向かって、その口の聞き方は」


エレン「俺は敬えると理解した人間にしか敬語は使わない。下衆なお前らに使う敬語はない」



社会や年齢に縛られて生きている・・・それがはたして正しい事なのだろうか



年齢が上でも仕事の出来ない人に敬意を払う人物を俺は見てみたい


社会的地位が高くても身勝手な人に敬意を払う人物を俺は見てみたい



委員長A「下衆って・・・お前も生徒会否定派だったろ?あんなにクリスタを嫌ってたじゃねえか」


委員長B「今頃、何いい子ぶっちゃってんだよ」


エレン「俺は俺がここにいる事を否定しているだけだ。誰がいつどこで、クリスタを嫌いと言った?勘違いも甚だしい」


委員長A「へぇ・・・つまりお前はあいつらの味方をするって言うんだ?気持ち悪いな」



エレン「真面目で何が悪い?」



無表情とは時に絶望や真打や幸福を視覚によって語らせないポーカーフェイス


だけど今のエレンの真顔で話すその表情からは、何の迷いの無い本音を語ってる事が見てとてる



根拠のない自信とは矛盾しているようだが実際味わってみれば、あぁこれがそうなのかと体感すれば分かる


そんな体験は人間何度か体験した事あるだろう。いや、いつも無意識な内に人は根拠のない自信を持ち行動しているだろう


無意識な内に危険等を察知しているに過ぎない


過信の所為で失敗、逆にそのイフの考えで成功する場合だってある。それが『・・・~かも』という不確定な仮定なのだろう



委員長B「は?」


エレン「熱心に取り組むことのどこが悪い?」


委員長A「そういう暑苦しいのは嫌なんだよ」


エレン「あんた達はそうやって不真面目を装う事を”格好良い”と勘違いしているみたいだが、正直言って途轍もなく格好悪いぞ」



服を態と淫らにさせたりする行為は最早、若者の格好良いと勘違いさせる文化なのか?



委員長A「なっ!?」


エレン「どうしてアスリートが人に歓喜や感動を与えるか分かるか?」


委員長B「そんなの知ってるわけ無いだろ」

エレン「そうだな、そんな崩れた性格だから知りようなんて無いよな。アスリートは・・・汗を髪がベタベタになる程かき、息をゼェゼェと荒らげながら、顔を苦痛に歪めながら走る。それでも”格好良い”や”美しい”と感じるのは何故だ?」



エレン「必死だから・・・一生懸命だからだ」



エレン「目標に向かってひたむきに努力するその姿に人は感動するんだ。格好良いと感じるんだ」


エレン「生徒会の仕事に一生懸命に取り組んでいるクリスタは、俺から見ればこの上なく美しく格好良い」



委員長A「あー、うっぜぇ・・・」


エレン「・・・・・」



委員長B「そんな告白いりませんから。気持ち悪いのは生徒会全員だったようだな」


エレン「取り消せ・・・ぶっ殺すぞ・・・・」



いつもの声より少しザラついた低い声



委員長A「は?聞こえませんけど?何をボソボソ言っているんですかー?」


委員長B「つーか、今回のこの会長が纏めた資料だっけ?何ページ作っているんだって話だよ!正直、引くわ」


委員長A「言えてる言えてる!はははっ、こんなもんな・・・っ!」



一人がエレンの目の前に置いていた資料を掴み、掲げた・・・・瞬間に、もう片方の手も掴み構えて



ビリッビリリ!!



分厚く重なり合った紙は太く大きな紙特有の裂ける音を部屋に響かせる


エレンは感嘆符を浮かべた


そしてその光景と音を聞き、エレンは石を噛み砕かんかばかりの力で歯をギリリと噛み締めた



委員長A「あー、なんかスッキリするわ!積み上げたものをぶっ壊す感じ?気持ちいいわ」


エレン「あーあ・・・・もうダメだ」



椅子を引き立ち上がり、ゆっくりと二人のいる出入り口付近の方へ足を進めた



それは、してはいけない事と分かっているからダメと言っているのではなく、自分に対してのダメであった



限界の線や堪忍袋の緒が切れた事を知らせたのだ



委員長A「そうだな!この資料ももう使いものにならなングッ!?」



片手は胸ぐらへ、もう片方は顳かみを掴み、手の甲はだんだんと筋が浮き出てくるほど力が入っていくのがわかる



委員長A「いだだっ!テメェ!頭から手を離せ!」



必死に掴んできた手を掴み返してて離そうとするが一向に蛸の吸盤のように離れようとしないエレンの手


人は腕の曲げた状態であると曲げる事によって関節が力を吸収するからあまり力が入らない


つまり体勢が体勢だけに、エレンの伸びきった腕の力に対して、頭の直ぐ近くで腕を曲げて離そうとする行為なんて、抵抗はあるものの相手にならない



エレン「これでも優しい方だと思うけど」


委員長A「ひっ!?」



掴んでいた両手を離した


そのエレンの目には灯りが無く、未だ変わらない無表情


怒っているのに顔に表れない恐怖


それが本気である現れなのだろう



委員長A「おい・・・・こいつキレてねえか?」


エレン「やだなぁ・・・俺は最初っからブチギレてるよ」



そう言いながら、エレンは後ろ手で扉に背を向けながらカチャン!と鍵を右へ回した



委員長A「こいつ鍵閉めやがったぞ!?」


エレン「だって逃げられたら俺はこの気持ちを何処で発散すればいいか分からなくなるだろ」



委員長B「おい!暴力は良くないよな!?」


エレン「俺の言葉を聞かなかったのはどこのどいつだ。言葉が無理なら身体に訴えかけるしかねえんだよ?」


委員長A「ま、待て!!」



ーーーーー
ーーーー
ーーー



どれくらいエレンの拳は、人を殴っただろうか


見てて何故二人の意識が飛ばないのかが不思議である


・・・・・態と痛ぶる為に、そうしているのか?そんな疑問がよぎる



委員長A「い、いや・・・ゲホッ・・・・悪かった!悪かったから!な!?」



二人の男はただただ痛みを受けるばかり


逆に殴り返そうとしても虚しくそれは空気を殴ってばかり



エレン「俺に謝られても困るんだけど?謝ったらクリスタの纏めた資料が帰ってくるのか?謝ったら、傷付けた言葉は俺の記憶の中から消えていくのか?」


委員長B「せ、先生にはこの事は言わない!だからこの辺で止めとこうぜ?喧嘩両成敗だ」



嘘。そんな事、その場しのぎの逃げの一手


誰だって分かる・・・簡単に人の陰口を叩ける人間に、口止めをするという信用なんて元から信じられない



エレン「何も等しくない・・・・クリスタが作るのに費やした時間はお前らの一生を費やしても足りないんだよ。クリスタは2週間前から各委員会やクラスの提案や意見を聞いて回って集めたんだよ」


エレン「それをお前らはゴミのように簡単に千切り捨てやがって・・・クリスタのお陰でお前らクラス委員は無駄な仕事が回ってこないんだよ」



そんなの元をまたコピーで刷り直せば良いだけ・・・なんてのは実際虫の良い話じゃないか?


自分の大切な物が誰かに壊された


でもその誰かは、また新しいのを買えば良いだろ?と言った


許せるか・・・?許せないか・・・?


残念ながら、エレンは許せない感情の持ち主らしい・・・・そこまでドライになれる程、物欲に疎くない


だってそれまで作り上げるまでの日々の結晶を知っているのだったから



エレン「別に放置しても良いんだぜ?そうしたら、生徒会の担っている仕事は、次に偉いあんたらクラス委員長、総務部に仕事は任されるんだからな?校内の清掃、部活動の部費の計算、学校行事の計画に提案、校外ボランティアその他諸々・・・・」


エレン「お前らに言われた通り、こっちも熱心になるのを止めようか?そしたら強制的にお前らが全部をやるんだからな?馬鹿に分かるように二回言ってやったからな」


委員長A「わ、悪かったって!だからもう殴るのは!」



エレンの右手の甲の指の付け根は、痛々しく赤くなっていた


それ以上に痛々しいのは、殴られた本人達であるが



エレン「巫山戯るな!俺に謝られても困るってさっきも言っただろ!?2度も言わせるな!」


委員長A「お前、こんな事して停学になるぞ!」


エレン「喧嘩売ったのはどこのどいつだ!クソ野郎共が!!」



無表情は数分前に忘れ去られた


フゥフゥと息を荒らげ、眉は吊り上げられ誰がどう見ても・・・憤怒に満ち満ちているといった顔つき


手を出したら、自分まで巻き込まれてしまいそうな程にその場は狂っている



委員長B「な、なぁ?このままじゃ停学じゃ済まないぞ!下手したら退学だぞ!?」



エレン「人を傷付けれる人間は、傷付けられる覚悟のある人間だけなんだってさ・・・。この意味分かるよな?」


委員長A「っ・・・・!」



人は本当に恐怖を感じた時には声は出ないという


息を吸う事さえ忘れて、ゴクリと唾を飲み込む


何かを覚悟したのか・・・だが気付いた頃には後の祭り


その事の重大さに気付いたって逃げ場もないし、助けもない


『この後に会議がある』と分かっていたから、もしもの事があればどうにかして誰かが助けてくれるという余裕でもあったのだろう



エレン「俺の尊敬する人間を愚弄する奴は許せないんだよ・・・・頑張って1人で強くなろうとしている人間を否定するなよ」


委員長B「会長には謝る!な?だから止めようぜ!?」



エレン「俺だって人を馬鹿にした事だってある。けど、それはまたお門違いだろ・・・懸命な人を馬鹿にするのは努力する事を諦めてる人間の台詞だ」



そしてエレンは



「歯を食いしばれ」と言った



その言葉を堺に、しばらく話すのを止めた


豹変したように集中するベクトルをチェンジしたかのよう




そして扉の先には人が集っている事なんてエレンは知らなかった・・・・いや気付かなかった


それは、あの入学式と似たり寄ったりな状況


実際に生徒会室の壁に耳を近づけ、罵詈雑言を聞いたものは疑わないだろう・・・エレンが暴力を振るってないとは



こういうのが根拠のある自信といえよう




そして放送室から流されたのは、さっきの言葉が最後


この後を見たのは放送室で確認した4人だけ


流すのを止めた訳・・・それは特別な理由なんて無い


ただの一方的な実力行使だから



ただただ鈍く太い音が部屋を響かせられただけなのだから




エレン「はぁ・・・・やっぱ最低の一日だ」



事は一段落し、静まり返った部屋で、その一言だけがぼそりと呟かれた



ガチャガチャ・・・・カチャン!



『おい!人が倒れてるぞ!保健室に運べ!』

『は、はい!』


ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー



リコ「・・・・・一応、クリスタは・・・今週いっぱいは休みと親御さんから連絡あった」


アニ「・・・・そうですか」


ぺトラ「エレン君の誤解はきっと・・・大丈夫よね」


リコ「あぁ入学したての頃とは違うだろうな」


ぺトラ「うん・・・・そうだと良いね」



アルミン「それよりエレンは今のクリスタじゃないクリスタを知ってるような口振りだったね」


アニ「それは私も疑問に思った・・・というか、私はあそこまで怒ったエレンを見たのは初めて。入学式とはまるで違う」


リコ「私は一度あんなエレンに出会しているがな・・・・というか、今はそれよりあのクリスタだ」


ぺトラ「エレン君とクリスタちゃんって・・・やっぱり何かがあるのかな」


リコ「はぁ・・・またエレンとクリスタか」


アルミン「・・・・・”また”?」


リコ「クリスタが今週、動転した時に何度も呟いていた言葉を思い出せ」


アルミン「・・・・・・」


アニ「・・・・・・」



ぺトラ「うん・・・これはエレン君の過去に何かがあるのよね」


アルミン「多分、それはエレンが友達いない理由にも繋がると思います」


リコ「何故だ?」


アルミン「この前の合宿の時に感じた素朴で大きな不可思議点なのですけど・・・・」


ぺトラ「うん・・・」



アルミン「あの性格で”ぼっち”なのは普通に考えておかしい」



のすスレはここまでです

次スレはまた書く時になったらです
申し訳ないです

読んでいただきありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年01月22日 (水) 23:13:43   ID: odfPhtvj

期待

2 :  SS好きの774さん   2014年01月23日 (木) 01:09:31   ID: cqPwDTbn

続きキター!

期待して待ってる!

3 :  SS好きの774さん   2014年01月26日 (日) 19:51:31   ID: nwSnRbl9

遂にクリスタとの関わりが...!!!期待してます!

4 :  SS好きの774さん   2014年01月27日 (月) 19:47:44   ID: zySwMBo1

クリスタはケーキ屋に来た大人しい女の子かと思ってたのに見事にハズれたか...?まだ可能性あるかな〜?期待!!!

5 :  SS好きの774さん   2014年01月28日 (火) 23:29:24   ID: uXLLKt_U

続きキター!!!よっしゃ!

期待気体来たい北井機体着たいキタイキタイ

6 :  SS好きの774さん   2014年02月01日 (土) 13:35:29   ID: hMQ9pUpN

期待です!

7 :  SS好きの774さん   2014年02月03日 (月) 20:23:38   ID: QlffeKsd

今日もないのか...?期待してます!
頑張って下さい!!!

8 :  SS好きの774さん   2014年02月04日 (火) 14:03:14   ID: vRwa34yi

ちょー期待

9 :  SS好きの774さん   2014年02月06日 (木) 17:35:17   ID: f069LEK1

いいですよ!待ってます!そのかわり...質の高いの頼みますね(暗黒微笑)
期待です!!!

10 :  SS好きの774さん   2014年02月09日 (日) 00:37:13   ID: 55p6xBs3

続き期待!!!

11 :  SS好きの774さん   2014年02月09日 (日) 08:19:33   ID: 55p6xBs3

ちょくちょく銀魂やナルトのパロいれてくるのが面白いです!期待!!!

12 :  SS好きの774さん   2014年02月11日 (火) 16:02:53   ID: 8cfRj0z3

このリコさんかわええ(*´∀`*)

これ終わって欲しくないな、永遠に続けてくれ!頼む!

13 :  SS好きの774さん   2014年02月15日 (土) 18:31:35   ID: ArQRg7Zf

俺もケーキをよく作るから店で働いてるシーンが面白かった!後は生徒会の人達ともう少し仲良くなって欲しいかな〜良い人達だぞ!エレン!!!

14 :  SS好きの774さん   2014年02月18日 (火) 23:08:51   ID: 1NGl93-p

ヤバイ…全く分からん!誰なんだ?くそー気になって勉強がはかどらん!
期待してます!!!

15 :  SS好きの774さん   2014年02月20日 (木) 18:31:23   ID: P930DN-U

期待してます!

16 :  SS好きの774さん   2014年02月20日 (木) 21:26:55   ID: h24MIH9k

元スレのほう覗いたら結構進んでいたんだけど、こっちは更新されてないの?

17 :  SS好きの774さん   2014年02月21日 (金) 21:47:51   ID: CrHej8V9

ほんとだ、深夜の方で見たら372は出てた

バグ?

18 :  SS好きの774さん   2014年02月28日 (金) 11:18:12   ID: otzGd5n0

進撃キャラでやる必要ない、って言われてたけど
それらの批判を退ける「文章の巧さ」があるんだよな

米16-17
ここ機械的にまとめてるから、まとめるタイミングの問題だと思う
現在>>406まで
月曜に更新したっきりだけど、この人は一気に20~30レス投下するからなぁ

19 :  SS好きの774さん   2014年02月28日 (金) 15:54:40   ID: 749paKjh

18
だがそこがいい

20 :  SS好きの774さん   2014年03月01日 (土) 23:03:49   ID: 9MMmpyYY

おお!終わってしまったのかと思ったけど期待以上の完成度がレスされた!

21 :  SS好きの774さん   2014年03月01日 (土) 23:59:13   ID: 9MMmpyYY

子供の頃のミーナのキャラ面白いwそして遂にクリスタの掘り下げが…!!!期待です!

22 :  SS好きの774さん   2014年03月02日 (日) 15:05:07   ID: NSSy3_eW

エレンとクリスタ…仲良くならないかな〜?期待してます!

23 :  SS好きの774さん   2014年03月03日 (月) 07:12:04   ID: 5NJNIQBq

続きは見られないのか?エレンとクリスタがどうなるのか気になる。良くなるといいな

24 :  SS好きの774さん   2014年03月17日 (月) 18:54:13   ID: vt4iqFa2

期待だ〜!(特にエレンとクリスタ…)

25 :  SS好きの774さん   2014年03月20日 (木) 15:47:55   ID: Wkt6Yyay

今日で2週間だ…!!!

26 :  SS好きの774さん   2014年03月21日 (金) 23:37:34   ID: WqblJwoF

やっときたか…
何度も読み返して待ってた
期待してる!!

27 :  SS好きの774さん   2014年03月22日 (土) 17:37:23   ID: vcjUxG-V

うっしゃぁぁあ!!!期待!

28 :  SS好きの774さん   2014年03月25日 (火) 00:26:38   ID: LcjqIXX_

29 :  SS好きの774さん   2014年03月25日 (火) 00:36:23   ID: vNxnCRDw

やはり期待をはるかに上回る完成度!
次回にも期待だな!

30 :  SS好きの774さん   2014年03月27日 (木) 14:12:36   ID: Gz8mc8Ns

あーもう展開面白すぎてやばいです。
ずっと楽しみにしてます。

31 :  SS好きの774さん   2014年03月31日 (月) 03:22:41   ID: l3ICsY2u

面白いです! エレンがぼっちなのはあんまり好きじゃないですがこのスレは大好きです! 続きをお願いします!

32 :  SS好きの774さん   2014年04月04日 (金) 08:45:02   ID: xj-SeSgi

初めての感じやー
続き期待してます!

33 :  SS好きの774さん   2014年04月05日 (土) 22:30:26   ID: elE4vpTH

めっちゃいい
早く続き見たいです!

34 :  SS好きの774さん   2014年04月07日 (月) 08:47:12   ID: pr8kAM1E

眼鏡のお兄さんかよぉぉぉぉお!!!
(将軍かよぉぉぉお!!!風に)
期待!

35 :  SS好きの774さん   2014年04月10日 (木) 19:08:20   ID: JjTAwvJV

早く続きを出してくれぇぇぇ!!!

36 :  SS好きの774さん   2014年04月13日 (日) 22:35:30   ID: peGVXe-l

おもしろすぎー

37 :  SS好きの774さん   2014年04月17日 (木) 19:18:46   ID: Y8PRNEOm

いやー面白い!

38 :  SS好きの774さん   2014年04月19日 (土) 14:21:41   ID: A9RPN4Cr

おもしろすぎるっ!

39 :  SS好きの774さん   2014年04月21日 (月) 22:15:16   ID: 1Ja8fESw

続き!続き!

40 :  SS好きのおっぱいさん   2014年04月22日 (火) 19:59:22   ID: nggfll-k

やべー超おもしれー

41 :  SS好きの774さん   2014年04月26日 (土) 17:58:59   ID: EwGq_7O9

今まで読んできたSSで一番すきっ!

42 :  SS好きの774さん   2014年04月27日 (日) 23:41:28   ID: _7ofW0dh

面白いけどパロネタがクソ寒い

43 :  SS好きの774さん   2014年04月28日 (月) 07:18:25   ID: 7t2t1YhW

パロは人の好みによって変わるからな
好きな漫画小説のネタが使われただけで嬉しいってこともあるし、嫌いなやつを使われていた時は気に食わない時もあるし

つかこの話では例えとして他の物語のキャラの名前を使ってるだけな気がするけど

現代パロ自体が寒いと言ったのなら、俺の間違った意見すまん

44 :  コンセント   2014年05月02日 (金) 18:16:47   ID: ayEu-evW

面白い!

45 :  SS好きの774さん   2014年05月02日 (金) 19:15:33   ID: WsOxQYE9

最高!!

46 :  SS好きの774さん   2014年05月03日 (土) 16:07:09   ID: znPYLlKj

早く続きを

47 :  SS好きの0716さん   2014年05月04日 (日) 23:08:57   ID: R6u_6uJz

ライナーとエレンですよね
期待です♪

48 :  SS好きの774さん   2014年05月06日 (火) 11:36:51   ID: snioMxfg

女AとBには名前付けたほういいきがするけど

49 :  SS好きの774   2014年05月07日 (水) 16:12:16   ID: 3fG7Mt6l

このエレンめっちゃ好きやわ

50 :  SS好きの774さん   2014年05月09日 (金) 00:58:14   ID: VKK0fV8H

アニってエレンの事好きなん⁇

51 :  SS好きの774さん   2014年05月09日 (金) 22:08:33   ID: NJ3w8ZfF

あなたは神ですか?

52 :  SS好きの774さん   2014年05月10日 (土) 15:53:33   ID: hlZpeG9L

まだかな~

53 :  SS好きの774さん   2014年05月12日 (月) 02:39:46   ID: QP_2b0_d

早くっ!!早くっ!!期待!!

54 :  SS好きの774さん   2014年05月13日 (火) 19:47:07   ID: G1LAtYST

ヤバイ笑それだけは絶対にしちゃダメだ、ペトラさん、アニちゃん!笑

55 :  SS好きの774さん   2014年05月16日 (金) 21:14:24   ID: OE3tK-WV

+(0゚・∀・)+ワクワクテカテカ
続きはよ(ノシ 'ω')ノシ バンバンお願いします!!

56 :  SS好きの774さん   2014年05月23日 (金) 00:39:32   ID: bSe1UYDE

先輩最低だなwww

57 :  SS好きの774さん   2014年05月23日 (金) 17:39:09   ID: XkSPWL7_

面白い!続きはよ

58 :  SS好きの774さん   2014年05月23日 (金) 22:32:22   ID: zm2G8bW9

ずっと見てます
続きも期待してます

59 :  SS好きの774さん   2014年05月25日 (日) 01:57:34   ID: tO68d80k

続き超期待です!

60 :  SS好きの774さん   2014年05月25日 (日) 14:31:29   ID: 8DqT-8kK

続きお願いします!

61 :  SS好きの774さん   2014年06月01日 (日) 06:07:58   ID: AAhxoucw

早急に続編が書かれることを願います。こんなssは初めて。

62 :  SS好きの774さん   2014年06月03日 (火) 16:10:26   ID: H7QrfTIi

続編はまだですか

63 :  SS好きの774さん   2014年06月06日 (金) 23:56:37   ID: QF3Cb1MR

まだー??

64 :  SS好きの774さん   2014年06月07日 (土) 19:12:55   ID: 9GwQD-Zo

まさか此処で打ち切り、何てのは有り得ないっすよね?!次スレも期待してます!

65 :  SS好きの774さん   2014年06月08日 (日) 10:28:48   ID: MS3xvE8M

この作品面白いですね!!!!続編期待です!!!!!!!!!!!

66 :  SS好きの774さん   2014年06月17日 (火) 20:36:44   ID: Jy5Y6rSh

続き書いて

67 :  SS好きの774さん   2014年06月20日 (金) 00:47:22   ID: zq1EXK-E

まだ?

68 :  SS好きの774さん   2014年06月22日 (日) 23:37:55   ID: BtFHx2Fp

この続きまだ来てないのかな?

ちょくちょくチェックはしてるんだけど見当たらない…

誰か知ってるー?

69 :  SS好きの774さん   2014年06月23日 (月) 20:33:08   ID: 15umTyfN

続きどこだ??

70 :  SS好きの774さん   2014年07月15日 (火) 23:57:18   ID: r5z3C7JC

ガチで続きが気になるんですけど(´・ω・`)

71 :  SS好きの774さん   2014年12月20日 (土) 21:10:28   ID: SXUnkMoj

今頃で悪いんだけどケーキ屋によく来る女子達っていつメガネおにいさんがエレンてことをしったの?

72 :  SS好きの774さん   2015年08月25日 (火) 22:22:47   ID: iE6ws7a0

おいいいいいい!!
続きはあああ!!??

73 :  SS好きの774さん   2015年12月17日 (木) 23:08:12   ID: H-zzDITQ

面白かった!! ただ、『移せられる』みたいな『ら付け、ら抜け言葉』とか『延々と』を『永遠と』と間違って書いてる部分や、が気になってしまう。後、わざわざ面倒な漢字を多用してみたり、折角の構成力や文章力を、国語力が邪魔してるのが残念!

74 :  SS好きの774さん   2016年01月18日 (月) 05:10:37   ID: kyNtBXUl

続きが気になる…

75 :  SS好きの774さん   2016年04月24日 (日) 00:51:02   ID: Yc_zv89A

つづきまだかい?

76 :  SS好きの774さん   2016年07月13日 (水) 00:56:40   ID: RyDMcgBU

続き!期待

77 :  SS好きの774さん   2017年04月15日 (土) 00:06:54   ID: QhgiFcNm

最高です!

78 :  SS好きの774さん   2017年06月16日 (金) 00:47:34   ID: ZROPcIPc

エレンほぼ比企ヶ谷八幡じゃあねぇか!

79 :  SS好きの774さん   2017年07月24日 (月) 17:30:43   ID: nyNt25kq

続き(「・ω・)ドコ?

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