男「珍撃の巨チン……!?」(111)

12月24日 クリスマスイブ──

~ 司令室 ~

男「珍撃の巨チン……!?」

司令官「うむ」

司令官「この日本有数の大都市に、三体の巨チンが迫っている!」

司令官「よりにもよって、この聖夜にな!」

司令官「これを迎え撃てるのは、君を含めた五名しかいないのだ!」

男「いやいやいやいやいや、ちょっと待って下さい!」

男「おかしいでしょう!? 色々と!」

男「突然、変な黒服に捕まってここに連れてこられて」

男「巨人の相手をしろだなんて!」

司令官「巨人じゃなく巨チンだ」

男「どっちでも同じですよ! いやむしろ巨人のがマシなぐらいだ!」

司令官「もし、巨チンが大都市に侵入すれば、人々は殺され、街は破壊され」

司令官「クリスマスはメチャクチャになってしまう」

司令官「だから、我々が迎え撃たねばならないのだ!」

男「いやだから、おかしいですって!」

男「なんで俺なんですか!?」

男「俺、体力なんてせいぜい人並みだし、ケンカだってしたことないのに──」

司令官「簡単なことだ」

司令官「だって君、今日予定なかっただろう?」

男「あ、ありましたよ……!」

司令官「ほう、どんな?」

男「バイトとか……彼女とデートとか……」

司令官「悪いが、君が今日バイトは休みをもらっていることも」

司令官「彼女がいないことも調べはついている」

男「え!?」

司令官「ちなみにバイトを休んだ理由が“彼女とデート”であることもな」

男(だったら、最初から君には予定がないと調査済みだとかいえよ……)

男(わざわざ俺にウソをつかせてから暴きやがって……)

男(最悪だ……)

男「……俺に予定がないことは認めましょう」

男「だからって、なんで俺が戦わなきゃならないんですか!?」

男「こういう時のために、自衛隊とか警察の人がいるんでしょう!?」

男「そりゃもちろん、自分は戦わず任せきりにするってのはなんか申し訳ないですけど」

男「街のことを考えれば、どう考えても彼らに任せた方がいいじゃないですか!」

司令官「君は知らんのか?」

司令官「クリスマスは自衛隊も警察もお休みなんだよ」

男(し、知らなかった……!)

司令官「さっそく君を、他の四人に紹介しよう」

司令官「もう巨チンの進撃……ではなく珍撃まで時間がないからな」

司令官「四人とも、君と同じくクリスマスになんの予定もない人間ばかりだ」

男(さっきから予定がない、予定がないって、ムカつくな……)

男「ちょっと待って下さい」

司令官「ん?」

男「多分あなたは政府の人なんでしょうけど」

男「あなたこそクリスマスの予定はないんですか?」

司令官「私は11月までは、ある会社の課長でね」

司令官「会社が倒産し、女房と子供に家を出て行かれて途方に暮れていたところを」

司令官「防衛省の役人に雇われたのだ」

男「そ、そうだったんですか……」

男「なんか……聞いてすみませんでした」

司令官「なぁに、人生色々あるさ」

~ 控え室 ~

司令官「この若者が五人目にして、最後の仲間だ」

司令官「よろしく頼む」

男「よろしくお願いします……」

DQN「ちぃ~っす!」

地味娘「よろしくお願いします!」

ブス「ガハハハッ! こりゃ冴えない男だねえ!」

ヒッキー「…………」ブツブツ

男(うわぁ……)

男(こんなメンバーの中に加わりたくない……)

司令官「さっそくだが、装備について説明しよう」

司令官「まず、鎧がこれだ。頑丈だし、身につけると身体能力がアップする」スッ

男(うわ、ダッサ……)

司令官「盾として、特別製の雨傘」

男(傘なんかなにに使うんだよ)

司令官「武器として、サーベルと……」

男(刃物なんて包丁さえろくに持ったことないってのに)ズシッ…

司令官「もっとも重要な武器である、携帯砲だ」

男「携帯砲……?」

司令官「バズーカ砲を小さくしたようなものだ。ここを押すと、弾が飛び出る」

司令官「戦車くらいなら、軽くふっ飛ばせる威力だ」

男「戦車って……こんなもん、素人が扱っていいんですか!?」

司令官「なにしろ緊急事態だからな。超法規的措置というやつだよ」

男(おかしいって……絶対)

男「そういえば、肝心なことを聞いてなかったんですけど」

男「巨チンってどのぐらいの大きさなんですか?」

司令官「30メートルくらいだ」

男「は!?」

男「ちょっとしたビル並みの大きさじゃないですか!」

司令官「うむ」

男「弱点とかは、ないんですか……!?」

司令官「ある」

男「なんですか!?」

司令官「巨チンの頂上には、タートルヘッドという部分があるのだ」

司令官「そこに先ほど渡したサーベルや砲弾をクリーンヒットさせれば、倒せる」

男(タートルヘッドって……英語にしただけじゃねえか)

司令官「さあ、まもなく巨チンの珍撃予測時刻だ」

司令官「政府のコンピュータが選び出した君たち五名は、巨チンなどに決して負けん!」

司令官「なんとしても、クリスマスでにぎわう大都市を守り抜いてくれ!」

司令官「健闘を祈る!」

DQN「うぃ~っす」

地味娘「がんばります!」

ブス「ガハハッ!」

ヒッキー「…………」ボソッ

男「はい……」

男(政府のコンピュータで選び出したって……)

男(ようはクリスマスに予定がない五人を集めただけだろ……)

男(いってみれば俺たちは、政府公認クリスマス暇人ベスト5……)

男(いや……ワースト5か)

~ 防衛ライン ~

DQN「俺たちがここを突破されたら、巨チンに大都市はメチャメチャにされるってか」

DQN「なかなか面白い仕事じゃねえか」ニィッ

地味娘「絶対……守り抜きましょうね!」

ブス「ま、なるようになるわさ! ガハハハハッ!」

ヒッキー「…………」

男「……あのさ」

DQN「あん?」

ブス「なんだい、戦う前からシケたツラして」

男「なんでアンタら……戦うわけ?」

男「みんなクリスマスに予定なんかなくて……」

男「ムリヤリ拉致されて、ここに来たんだと思うけど……」

男「なんだって、大都市で浮かれてるカップルなんかのために戦うわけ?」

男「自分らだけこんな戦いに駆り出されてるのに、逃げたいとか思わないの?」

四人「…………」

DQN「俺はクリスマス直前に彼女にフラれて」

DQN「しかも店長殴ってバイトもクビになって、クリスマス暇になったんだがよ」

DQN「戦う理由なんて簡単なもんよ」

DQN「巨チンだかなんだかに好き勝手されるなんて、シャクだからな」

男「へえ……」

ブス「ちゃらそうな格好のわりに、なかなかいい根性じゃないか」

DQN「うるせーブス」

ブス「ガハハッ!」

男「君は?」

地味娘「わ、私は……」

地味娘「たとえ予定がなくても、クリスマスはみんなにとって大切な日ですし……」

地味娘「街で楽しんでる人たちを守りたい、から……です」

男「……優しいんだね」

ブス「いいこというじゃないか!」

ブス「アンタ、可愛いんだから、もう少しアカ抜ければ絶対モテるって!」

DQN「ケッ、ブスはどうあがいても無理だけどな」

ブス「ガハハッ!」

男「じゃあ、君は?」

ブス「え、アタシかい?」

ブス「アタシもさ、たしかに巨チンは気に食わないし」

ブス「クリスマスって日を巨チンなんかに台無しにされたくないって気持ちはあるさ」

ブス「でも一番の理由は……」

ブス「アタシみたいなブスがクリスマスを守るなんて、なんか面白いだろ!?」

ブス「ラブラブな男女をブスがガード! こんなシュールな絵はなかなかないさ!」

ブス「ガハハハハッ!」

DQN「なんだそりゃ……アホか」

地味娘「頼もしいですね!」

男(愛し合ってるカップルを、サッカーのゴールキーパーみたくガードするブス……)

男(たしかに、想像してみるとかなりシュールな絵になるな)

男「……えぇと、じゃあ君は?」

ヒッキー「…………」

男「あれ? もしもし? 君が戦う理由を教えて欲しいんだけど」

ヒッキー「…………」

男「もしも~し?」

DQN「無駄だよ、そいつここ来てからひとこともしゃべってねえもん」

男「あ、そうなんだ……」

ヒッキー「…………」

男「じゃあそろそろ戦闘準備を──」

ヒッキー「…………」ボソッ

男「え?」

ヒッキー「……から」ボソッ

男「ごめん、もう一回」

ヒッキー「……少しぐらい人の役に立ちたいから」ボソッ

男「!」

ブス「へぇ~、泣かせるこというじゃないか!」 

DQN「なにをいうかと思えば……ふん、ちったぁ見直したぜ」

地味娘「絶対役に立てますよ!」

ヒッキー「……あなたは?」ボソッ

男「え?」

ヒッキー「……あなたはなぜ戦うの?」ボソッ

DQN「そうだな。人にばっか聞いてねえで、自分でもいってみろよ」

男(んなこといわれてもなぁ……)

男(戦う理由がないから、俺はみんなに聞いてみたわけなんだけど……)

男(かといって、みんなに聞いといて俺だけ答えないってのも……)

男「え、えぇ~と、俺は──……」

ウ~……! ウ~……!

地味娘「え!?」

DQN「サイレンだ!」

ブス「どうやらおいでなすったようだね、巨チンが!」

ヒッキー「……あそこ」ボソッ

男「あ、あれが……」

男「巨チンか!」

男(そそり立ってやがる……!)

男(マジで30メートルくらいあるじゃねえか、でけぇ……!)



ズシン…… ズシン……



巨チン「…………」

巨チン「…………」ググッ…

男「ん?」

巨チン「ホゥニョオオオオッ!」グッ

プッシャアアアアアッ!

男「なんだ、あの黄色い液体は!?」

ブス「あれはイエローウォーターだよ!」

男「イエローウォーター!?」

ブス「アンタは一番遅く仲間に加わったから、講義を受けてないんだったね」

ブス「イエローウォーターは巨チンの攻撃方法のひとつさ!」

ブス「タートルネックにある穴から、黄色い毒液をまき散らすんだよ!」

男「毒液ぃ!?」

ブス「だけど安心しな、このための雨傘さね!」バッ

地味娘「よいしょっと」バッ

ヒッキー「…………」バッ

DQN「てめえも早く傘開け!」バッ

男「わ、分かってるよ!」バッ

ドザァァァァァ……!

男(すごい水圧だ……!)

男(でもこの傘もすごい……! この水圧と水量をほぼ完璧に受け流している!)

巨チン「ニョォォ……」ピタッ

ブス「イエローウォーターが止まったよ!」

DQN「よっしゃ、反撃開始だ!」

DQN「タートルヘッドめがけて、砲撃だぁっ!」ドウンッ

ブス「あいよっ!」ドゥンッ

地味娘「はい!」ドゥンッ

ヒッキー「…………」ドゥンッ

男「あ、えと……さっきもらった携帯砲ってやつか」

男「たしか、このボタンだったな」カチッ

男「うおっ!?」ドゥンッ

ドオォンッ! ドゴンッ! ズドォンッ! ドゴォンッ! ドォンッ!

巨チン「イン……ケェェェェェッ!?」グラッ

DQN「よっしゃ、効いてるぜ!」

男(なんつー鳴き声だよ)

男「ん!?」

巨チン「ボォォォォォッ!」ムクムク…

巨チン「キィィィィィッ!」ビィンッ

男「さらに大きくなった!?」

DQN「ヤロウ……!」

ブス「サイズを伸ばして、アタシらがタートルヘッドを狙いにくくしたんだろうね」

地味娘「携帯砲の砲弾にも、限りがありますからね……」

巨チン「ホゥゥニョオオオオッ!」

プッシャアアアアアッ!

DQN「ちくしょう、またイエローウォーターかよ!」バッ

男(なんとかしないと、このままじゃ防戦一方だ……!)バッ

男「確実に砲弾を当てるために、もっと近づくってのはどうかな」

ブス「よした方がいいね」

ブス「ほら、あの巨チンの根っこをごらんよ」

巨チン「…………」ウゾウゾ…

男「黒い毛がいっぱい生えてる……」

ブス「あれはシャドウヘアーっていう、触手さ」

ブス「あれに捕らわれちまったら、命はないよ」

男「──ってことは、やっぱり携帯砲で頑張って狙うしかないってことか」

男(一体目で砲弾を使いすぎるのは、できれば避けたいけど……)

ヒッキー「…………」

ヒッキー「……もしくは巨チンが縮んでくれるのを待つかだね」ボソッ

男「!」

男(そうか……巨チンを縮ませる、という手があったか!)

男(だけど、あそこまでビンビンになってる巨チンをどうやって……!?)

男(もし、あの巨チンが俺たちのブツと同じ性質を持っているんだとしたら)

男(縮む条件は、寒い時か……あるいは)

男(萎えた時!)

男(冬のこの寒さでもあれだけビンビンなんだから、寒さでは縮まないんだろう)

男(だったら……もう一つの条件に賭けるしかないな!)

男「ブスさん!」

ブス「なんだい?」

男「あのさ……巨チンに色仕掛けをしてくれない……?」

ブス「色仕掛け!?」

ブス「やるんなら、アタシより地味娘ちゃんのがいいんじゃないのかい?」

ブス「アタシの色仕掛けじゃ、色気なんかこれっぽっちもありゃしないよ」

男「いや、君の方がいいんだ」

DQN「あ、なるほどな」ニヤッ

ヒッキー「……理解」ボソッ

ブス「なんだい、男どもだけで分かったようなツラするんじゃないよ」

DQN「よ~するにだ、てめえの誰も見たくない色仕掛けで」

DQN「あの巨チンを萎えさせろってことだよ!」

ブス「…………」

男(いくら心の広そうなブスさんでも、こんな頼み、さすがに怒るか?)

ブス「ガハハッ! そりゃいい! よぉ~し、巨チンもアンタらも萎えさせてやるよ!」

男「あ、ありがとう!」

ブス「さぁ~て、アタシのお色気をたっぷり披露してやるよ!」

ブス「あは~ん」クネッ

ブス「うふ~ん」クネクネッ

ブス「いやぁ~ん」クネリッ

男「うっわ……」

男(頼んでおいてなんだけど、こりゃ萎えるわ……)シナッ…

ヒッキー(……これはキツイ)シナッ…

巨チン「ナ……」

巨チン「ナエェ……」シナシナッ…

男「よっしゃ、さすがブスさん! 巨チンがしぼみ始めた!」

地味娘「すごいです!」

ブス「ガハハッ! どうだいDQN、アタシの色仕掛けは!?」

DQN「ま、まったく最悪の色仕掛けだ……吐き気がするぜ!」ビィンッ

ブス「褒め言葉だよ、ガハハッ!」

DQN(ちくしょう……こんなブスの色仕掛けに、なんで反応してんだよ俺は!)ビィンッ

巨チン「ナエェェェ……」シナシナッ…

男「今だ、タートルヘッドに集中砲火!」

ドゴォンッ! ズガァンッ! ドォンッ! ドゴォンッ! ボォンッ!

巨チン「キョ……」

巨チン「キョセェェェェェ……ッ!!!」グラッ…



ズシィィィ……ンンッ……!



男「や……やった……!」

男「巨チンを一体、倒せたぞぉ~!」

ブス「ガハハハッ! よっぽどアタシの色仕掛けが毒だったみたいだねえ!」

ヒッキー「……やった」ボソッ

地味娘「やりましたね! まだ二体残ってますけど……」

DQN「ざまあみやがれってんだ!」ビィンッ

DQN(うう……まだ反応してやがる)

プルルルル……

ブス「司令官からの通信だね」

司令官『諸君! まずは巨チン一体の撃破、おめでとう!』

司令官『二体目が来るまでにはまだ時間がある』

司令官『少しの間だが、体を休めてくれ』

男「司令官」

男「二体目の巨チンに関して、なにか情報はないんですか?」

司令官『うむ……詳しい情報は入っていないが……』

司令官『政府の上層部は、二体目の巨チンに“マーズ”と名づけている』

男「マーズ……!?」

DQN「なんのこっちゃ」

司令官『今日、政府の人間はみんなクリスマス休暇を取っているので』

司令官『私にもどういう意味か調べようがないが……』

司令官『一体目の巨チンとは性質がちがうと思っていいだろう』

司令官『くれぐれも気をつけてくれ』

男「マーズ……ってなんだろ」

DQN「ナマズ、じゃねえよな?」

ブス「う~ん、アタシにもさっぱりだねぇ」

地味娘「政府が名づけたんですし、なんの意味もないってことはないはずですけど」

ヒッキー「……火星は英語でマーズだよね」ボソッ

男「あ、そういえばそうだっけ」

男(火星、か)

男(火星と巨チン……どう考えても繋がらないけど……)



ズシン…… ズシン……



DQN「ち、どうやら考えてる時間はなさそうだな」

DQN「二体目が来やがったぜ!」

地味娘「……外見上は、特に一体目とちがうところはありませんね」

ブス「だったらさっきのと同じやり方が通用するはずだね」

ブス「アタシの色仕掛けで、メロメロにしてやるさ!」

ブス「うふぅ~ん」クネリッ

ブス「おほぉ~ん」クネクネッ

男(うげ……)シナッ…

ヒッキー(……夢に出そう)シナッ…

DQN(なんで反応しちまうんだ……)ビィンッ

男(お、巨チンもやっぱり萎えてきてるな……みるみるサイズが縮んで──)シナシナ…



シナシナ……



男「な、なんだこれは!?」

男「サイズが縮んだとたん……タートルヘッドが皮で隠れた……!?」

ブス「くっ……アタシはみすみす弱点を隠す手伝いをしちまったってわけかい!」

DQN「なるほどな、マーズってのはそういう意味だったか」

ヒッキー「……うん」ボソッ

ブス「コラァッ!」

ブス「男どもだけで納得してないで、ちゃんとアタシらにも分かるよう説明しな!」

男「あの巨チンはサイズがでかくなれば、タートルヘッドを露出する」

男「逆にサイズが縮めば、タートルヘッドは皮で隠れてしまう性質を持つってことだ」

ブス「なるほど……で、なんでそれでマーズなんだい?」

男「つまり……あの巨チンは火星ならぬ“仮性”!」

男「“仮性巨チン”だったんだよ!!!」

ブス「な、なんだって!?」

地味娘(仮性ってなんだろ……?)



仮性巨チン「…………」ズシンッ

DQN「ケッ、皮に包まれていようが構うもんか!」

DQN「だったら皮の上からタートルヘッドを攻撃すりゃいいんだ!」

ブス「おっ、いいこというじゃないか」

地味娘「そうですね、サイズが縮んで狙いやすくなったのは事実ですし……」

ヒッキー「……やる価値はあるね」ボソッ

男「よぉし、砲撃だ!」

ドゴォンッ! ズガァンッ! ドォンッ! ドゴォンッ! バゴォンッ!

ズドォンッ! ボォンッ! ドカァンッ! ズガァンッ! ボカァンッ!



モクモク…… モクモク……



DQN「へっへっへ、ゴジラだって倒せそうな集中砲火だったぜ」

ブス「これならいくら皮に守られていようと、関係ないさ」

男「や……やったか!?」

仮性巨チン「…………」モクモク…

仮性巨チン「カセェェェェェッ!」

地味娘「ウソでしょ……っ!?」

DQN「ピンピンしてやがる……あれだけ撃ち込んで、全然効いてねえのかよ!」

ヒッキー「…………!」

男(携帯砲じゃ、あの皮にはなんの役にも立たないってことか!)

ブス「反撃が来るよ!」

仮性巨チン「ホゥゥニョォォォォォッ!」

ブッシャアアアアアッ!

男「イエローウォーターだ!」バッ

DQN「ふん……だが傘があればイエローウォーターなんて怖くねえさ!」バッ

ドザァァァァァ……!

仮性巨チン「…………」

仮性巨チン「シャ……」

仮性巨チン「シャセェェェェェェェッ!」

ビュルルルルルッ!

男「またイエローウォーターか!?」

ブス「いや、あれはホワイトウォーターだね!」

男「ホワイトウォーター!?」

ブス「イエローウォーターは敵を攻撃するための毒液だったけど」

ブス「ホワイトウォーターは敵を動けなくするための粘着性のある液体なのさ!」

ブス「もしアレを雨傘なんかで受けちまったら、動けなくなっちまうよ!」

男「つまり、避けるしかないってことか!」

ブス「イエローウォーターを防がれたから、戦法を切り替えたんだろうさ!」

男(くそっ、巨チンのくせに頭いいじゃねえか……)

DQN「みんな、かわせぇっ! 動けなくなったらオシマイだ!」ダッ

ブス「ちぃっ!」ダッ

ヒッキー「…………」ダッ

地味娘「くっ!」ダッ

男「こっちにも来た!」ダッ

ベチャアアアアアッ!

男「あ、危なかった……! みんな、かわせたか!?」

ヒッキー「……間一髪」ボソッ

DQN「どうにかな……」

ブス「まったくもう……もう少しで動けなくされちまうところだったよ」

男「ん?」

男「あれ……地味娘さんは……!?」

地味娘「私は大丈夫です! ちょっとホワイトウォーターがかかっちゃいましたけど」

ブス「ホワイトウォーターに毒性はないからね」

ブス「ちょっとぐらいなら、かかっても心配ないよ」

地味娘「でも……すごくベタベタしますけどね。あ、やだ……」ベタベタ…

地味娘「白いのが体のあちこちに……」ベタベタ…

男「!」ピクッ

ヒッキー「!」ピクッ

DQN「!」ピクッ

仮性巨チン「!」ピクッ

仮性巨チン「ブゥゥゥゥッ……カケェェェェェッ!」ムクッ…



ムクムク……



地味娘「あれっ? 巨チンが再び大きくなっていきますよ!」

男(そりゃ白濁液まみれの女の子を見りゃ、大きくなるって……)ムクムク…

男「地味娘さんのおかげで、巨チンがまたタートルヘッドを露出した!」

男「今がチャンスだっ!」

DQN「多少狙いにくいが、今しかねえな!」

ブス「また皮に包まれたら面倒だからね!」

地味娘「なんでかよく分からないけど、私が役に立ったっていうのは嬉しいです!」

ヒッキー「……撃とう」ボソッ

ズドォンッ! ドォンッ! ドゴォンッ! バゴォンッ! ズドォンッ!

仮性巨チン「カセェェェッ!?」

ドゥンッ! ボゴォンッ! ドカァンッ! バゴォンッ! ドゴンッ!

仮性巨チン「カッ……カセェェェェェェ……ッ!!!」グラッ…



ドズゥゥゥ……ンン……!



男「よし! 二体目の巨チンも仕留めたぞ!」

プルルルル……

地味娘「司令官からの通信ですね」

司令官『諸君! 二体目の巨チン撃破、まことにおめでとう!』

司令官『これで残るはあと一体だ!』

DQN「ふん、どうせさっきまでの二体と似たようなもんだろ?」

DQN「ラクショーだぜ!」

司令官『いや……そうとも限らん』

地味娘「どういうことでしょう?」

司令官『手元に残る資料によると、三体目の巨チンは』

司令官『一体目や二体目とは比べ物にならないほどやっかいだということだ』

男(比べ物にならない……!?)

司令官『心してかかってくれ……君たちの無事を祈っている』

男「三体目の巨チン、いったいどんな奴なんだろう……?」

地味娘「私、怖いです。今までとは比べ物にならないだなんて……」

地味娘「一体目や二体目だって簡単に勝てたわけじゃなかったのに……」

ブス「ガハハッ! 大丈夫さ!」

ブス「頼もしい男どもが、きっとアンタを守ってくれるよ!」

DQN「てめえみたいなブスは、絶対守らねえけどな」

ブス「ガハハッ!」

ヒッキー「……ん」ピクッ

男「ヒッキー君、どうした?」

ヒッキー「……近づいてきてるよ」ボソッ



ズシン…… ズシン……



「シンセェェェ……ホォォォォォォ……ケェェェェェッ!!!」

男(まだほとんど姿を現してないってのに、なんてデカイ鳴き声だ!)

ズシン…… ズシン……



DQN「なんだありゃあ……!」

DQN「タートルヘッドが完全に皮で隠されちまってるじゃねえか!」

皮巨チン「シンセェ……」

皮巨チン「ホォォォォォ……ケェェェェェッ!!!」

ビリビリ……!

男(声のでかさが半端じゃない! 本当に先の二体とは格が違うみたいだな……!)

地味娘「あ、うう……」ガタガタ…

ブス「おい、ビビっちゃダメだよ! 心が折れたら、ホントに死んじまうよ!」

地味娘「は、はいっ!」

男「あれじゃ、サイズを大きくしようと小さくしようと」

男「弱点であるタートルヘッドは露出されないだろうな……」

DQN「ちっくしょう、どう戦えっつうんだよ!」

男「とにかく皮で守られてるタートルヘッド付近を、携帯砲で狙おう!」

男「もしかしたら皮を壊すことができるかもしれない!」

DQN「それしかねえか!」

地味娘「はい!」

ブス「よぉし、集中砲火だ!」

ヒッキー「…………」

ドゴォンッ! ズドォンッ! バゴォンッ! ドォンッ! ボゴォンッ!

モクモク……

皮巨チン「ホォォォォォケェェェェェッ!!!」

ブス「予想はしてたけど、全然効いてないね……!」

男「クソッ……さっきの仮性巨チンもそうだったけど……」

男「携帯砲じゃ、皮の上からなんのダメージも与えられない……!」

男(となるとサーベルしかないけど……いったいどうやって頂上まで登る!?)

皮巨チン「チィィィィィン!」

皮巨チン「カァァァァァァァァァァスッ!!!」ピクピクッ

ガガガガガガ……!

男「うわわっ!」

男「危なかった……! 今、なにかの塊をマシンガンみたいに飛ばしてきたぞ!」

ブス「今のはダストマシンガンだね」

男「ダストマシンガン!?」

ブス「なんでも巨チンの中にはタートルヘッドと皮の間に溜まったカスを」

ブス「マシンガンみたいに発射してくる種がいるらしいのさ」

ブス「あの巨チンはダストマシンガンが使える種のようだねぇ」

男(ダストマシンガン……)

男(あんな痛くて汚そうな弾丸、絶対に喰らいたくない……!)ゴクッ…

皮巨チン「チィィィィィン!」

皮巨チン「カァァァァァァァァァァァスッ!!!」ピクピクッ

ガガガガガガガガガガ……!

男「うわあああっ!」サッ

ガガガガガガガガガガ……!

DQN「クソがっ!」ヒョイッ

ガガガガガガガガガガ……!

ブス「次々撃ってくるね!」ササッ

ガガガガガガガガガガ……!

地味娘「きゃああっ!」バッ

ガガガガガガガガガガ……!

ヒッキー「…………」ザッ

皮巨チン「…………」ズシン…

男「次はなにをしかけてくる気だ……?」

皮巨チン「ホォォォ……」グラッ…

DQN「なんだ? 傾き始めたぜ?」

ブス「どうするつもりだろうね?」

地味娘「もしかして……攻撃が効いてたんでしょうか?」

ヒッキー「……ちがう」ボソッ

ヒッキー「こっちに体全体を使って倒れ込んでくる気だっ!」

男「に、逃げろぉぉぉぉぉっ!」

皮巨チン「ケエエェェェェェッ!!!」グラァ…



ズドォォォォォンッ!!!

男「ぐっ……!」ヨロッ…

男(よくよく考えたら、30メートルもの巨体をもっとも活かせる攻撃手段は)

男(巨体で一気に押し潰す、に決まってる……!)

男(今までの巨チンはこちらの攻撃手段が分からなかったから)

男(液体だとか弾丸とかで、近づかずにチマチマ攻めてきてたんだろうけど)

男(こっちにあの皮を突破する手段がないと読まれたとたん──)

男(戦法を切り替えてきた!)

男(巨チンはやっぱり頭がいいぞ!)

男「みんな……みんな、大丈夫か!? 返事をしてくれっ!」

ヒッキー「……ボクは平気」ボソッ

地味娘「私もDQNさんが突き飛ばしてくれたおかげで、ギリギリで……」

男「よかった…」ホッ…

男「あれ、DQN君とブスさんは……!?」キョロキョロ…

ブス「しっかりするんだよ、DQN!」

DQN「うぅ……っ」

男「どうしたんだ!?」

ブス「DQNがアタシをかばって破片を喰らっちまったんだよ……!」

ブス「アンタ、アタシなんか絶対守らないんじゃなかったのかい!?」

DQN「ケッ……てめえみたいなクソブスは天然記念物みたいなもんだからな……」

DQN「絶滅させちゃ……まずいと、つい体が動いちまったんだよ……!」

ブス「バカ……!」

皮巨チン「…………」ムクッ…

男「ま、まずい……起き上がって……もう一回こっちに倒れ込んでくる気だ!」

皮巨チン「ホォォ……」グラァッ…

DQN「俺を置いて、さっさと逃げろ! みんな一緒に潰されちまうぞ!」

ブス「アンタ一人置いてけるかい! アタシが引っぱってくよ!」グイッ

地味娘「わ、私も……」グイッ

DQN「バカが……なにやってんだ……!」

男「俺も手伝うよ……ここまで来て死人は出したくない!」ガシッ

DQN「バカヤロウ! ここでてめえらまで死んでどうすんだ!」

DQN「巨チンを倒せなかったら、大都市はオシマイなんだぞ!?」

DQN「そしたら俺たちの負けってことだ!」

DQN「俺はあんな巨チンに、死んだって負けたくねえんだよ!」

男「だけど……!」

ヒッキー「……一気に全員を移動させる方法、あるよ」ボソッ

男「え!?」

ヒッキー「行くよ……」ボソッ

ヒッキー「…………」ドゥンッ

ドゴォンッ!

DQN「うおおおおっ!?」ビュオッ

ブス「わああああっ!?」ビュオッ

地味娘「きゃああああっ!?」ビュオッ

男「ひいいいいっ!?」ビュオッ

ヒッキー「ぐうっ……!」ビュオッ

皮巨チン「ケエェェェェェッ!!!」グラァァ…



ズドォォォォォンッ!!!



男「セーフ……! 考えたな、ヒッキー君!」

男「近くの地面に携帯砲を撃って、爆風で五人全員を吹っ飛ばして逃がすなんて!」

ヒッキー「……みんなこの鎧をつけてるし、できると思ったんだ」ボソッ

皮巨チン「…………」ムクッ

皮巨チン「シャァセェェェェェッ!!!」

ビュルルルルルッ!

男「な!?」

ベチャチャチャッ!

男「しまった……もう避けられないようホワイトウォーターを……!」ネバネバ…

ヒッキー「ぐうっ……!」ネバネバ…

地味娘「足が……これじゃもう……!」ネバネバ…

ブス「逃げられないね……」ネバネバ…

DQN「ち、ちくしょぉぉぉぉぉっ!」ネバネバ…

皮巨チン「シンセェ……ホォォォォウケェェェェェッ!!!」ビクッ

皮巨チン「ケ~ッケッケッケッケッケッケッケェッ!!!」ビクンビクン

皮巨チン「ケッケッケッケッケッケッケッケッケェェェッ!!!」ビクビクビクッ

男「コイツ……勝利を確信して笑ってやがるのか……!?」

男「ふざけやがって……!」

男(でも……ホワイトウォーターを出したせいか、サイズが少し縮んでる……)

男(もしかしたら……今なら登れるかもしれない!)

男「みんな……俺を撃ってくれ!」

四人「!?」

男「いや正確には……さっきヒッキー君がやったみたいに」

男「俺を爆風で吹っ飛ばして欲しいんだ!」

男「四人同時に撃てば、ホワイトウォーターからも脱出できるはず!」

男「んでもって、俺が直接皮に守られたタートルヘッドにサーベルで斬り込む!」

地味娘「ムチャです! 危険ですし、爆風だけじゃ巨チンの頂上には届きませんよ!」

男「いや、あそこを見てくれ」

男「巨チンがホワイトウォーターを出したおかげで」

男「巨チンの頂上に、シャドウヘアーが一本くっついてる」

男「あれにつかまることができれば、頂上までよじ登ることができる!」

男「一番体力のあるDQN君が怪我してる今、この役目は俺が適任なはずだ!」

地味娘「ですけど……!」

皮巨チン「ケェ~ケッケッケッケッケッケェェェッ!!!」ビクビクビクッ

皮巨チン「ホォケェ…………」

DQN「笑うのをやめやがった……」

DQN「どうやら……迷ってるヒマはねえようだぜ……!」

地味娘「分かりました……!」

ブス「アンタに託すよ!」

ヒッキー「……頑張って」ボソッ

男「よ、よし……任せてくれ!」

DQN「最後に……さっき聞けなかったから聞いとくぜ……」

DQN「てめえが戦う理由はなんだ?」

男「…………」

男「……四人が仲間だったからだ!」

男「四人がいてくれたから……俺はこうして戦える!」

DQN「ふっ、くっせぇことを……」

DQN「──行ってこいや!」

ドゴゴゴゴォォンッ!

男(よし、うまく爆風に乗れた!)ギュオッ

男「うおおおおあああああああっ!!!」ギュウウウン

ガシィッ……!

男(よし、頂上に通じるシャドウヘアーをつかめたぞ!)グイッ

男(あとは登るだけだ!)グイッ グイッ

男(子供の頃遊んだ、ロープのアスレチックの要領で……)グイッ グイッ

男「うおおおおおおおおおっ!!!」グイッ グイッ

男(DQN君、ヒッキー君、ブスさん、地味娘さん……)グイッ グイッ

男(必ず巨チンを倒してみせる!)グイッ グイッ

グイッ……!

男「ハァ、ハァ、ハァ……」

男(よし……頂上にたどり着いた!)

男(あとはこのサーベルで……皮に守られたタートルヘッドを斬るだけだ!)シャキン

男「わずかに露出してるタートルヘッドに……体重を乗せて……」

男「突くっ!!!」

ザクッ! ザクッ! ザクッ!

皮巨チン「ホォォォッ!? ケェェェェッ!?」ブルンブルンッ



DQN「おお、巨チンが!」

ブス「やったのかい!?」

地味娘「苦しんでいるのはたしかですね!」

ヒッキー「…………」

皮巨チン「ホォォォケェェェェッ!!!」ブルンブルンッ

男(コイツ、俺を振り落とすつもりか……! ──だけど!)

男「次の一撃で決める!」ギラッ

男「もし生まれ変わったら……保険がきくんだからちゃんと手術しろよな!」

ドズゥッ……!

皮巨チン「ウゥエェェノォ……!」グラッ…

皮巨チン「クリィィ……ニィィィィィッ……クゥ……ッ」グラァッ…



ドズゥゥゥ……ンン……!



DQN「よっしゃあああああっ! あのヤロウ、やりやがった……!」

ブス「まったく大したヤツだね!」

地味娘「でも……男さんはどこにいるんでしょうか!?」

ヒッキー「…………!」

ヒッキー「あそこっ! 巨チンが倒れた勢いで、上空に投げ出されてしまってる……!」

ヒュウウウウ……

男(やべぇ……倒した後のこと、全然考えてなかった……)

男(いくら鎧を身につけてるといっても……この高さじゃ死ぬな……)

男(でも……巨チンは倒せたし……無事クリスマスは守れた……)

男(俺みたいな平凡な人間にしては、上等な死に方っていえるよな……)

男(さよなら……)

男(司令官、DQN君、ヒッキー君、ブスさん、地味娘さん……)

男(さよなら……)

男(父さん、母さん……)

ブロロロロロ……!

男「──ん?」

ブロロロロロ……!

ドサァッ……!

男「うぐぁっ!」

男「いだだ……! で、でも、助かった……!」

男(なんだろ、このマットが敷かれたトラックは……!? 運転手は……!?)

キィィィ…… ガチャッ

司令官「ふぅ、どうやら間に合ったようだ」スタッ

男「し、司令官!? どうして前線に……!」

司令官「若い君たちだけを戦わしておくのは、やはり心苦しくてね」

司令官「最悪の場合、このトラックで巨チンに特攻しようと思ってやってきたのだ」

男「でも……よくマットなんて用意してましたね」

司令官「もし君たちが巨チンにしがみついて戦ったりしてたら」

司令官「着地の際にクッションが必要になるかと思ってね」

司令官「なんにせよ、役に立ってよかった」

12月25日 クリスマス──

~ 司令室 ~

司令官「DQN君、手当てはしたが、もう大丈夫かね?」

DQN「ああ、このぐらいの怪我、喧嘩でしょっちゅうやるしな」

司令官「では、もう日は変わってしまったが……諸君に改めて礼をいわせてもらおう」

司令官「本当にありがとう!」

司令官「君たちのおかげで巨チンは倒され、クリスマスの平和は守られた!」

司令官「後日、君たちには防衛省から報奨金が出ることになっている!」

DQN「ふん、そんなはした金より、ずっといいもんを手に入れられたぜ」

DQN「なぁ?」

ブス「そうだねぇ!」

地味娘「あなたたちと出会えて……本当によかったです」

ヒッキー「……ボクも」ボソッ

男「…………」

男「……なぁ、みんな」

男「せっかくだし、俺たちも軽くクリスマスを祝わない?」

DQN「おっ、いいねえ!」

ブス「やろうやろう!」

地味娘「そうですね、やりましょうよ!」

ヒッキー「……賛成」ボソッ

ブス「でももう、店はほとんどしまってるだろうし、コンビニでなにか食べ物を──」

司令官「ふっふっふ」

男「!」

司令官「こんなこともあろうかと……」

司令官「食堂にケーキや七面鳥、シャンパンその他を用意しているよ!」

DQN「おお、オッサンやるじゃん!」

ブス「ガハハッ! さっすが、元サラリーマン、気が利いてるねえ!」

地味娘「やったぁ!」

男(多分、奥さんや子供のことが忘れられなくて、つい買っちゃってたんだろうな……)

男(きっと、いいことありますよ……司令官!)

~ 食堂 ~

六人「メリ~クリスマァ~スッ!!!!!!」

ブス「ガハハッ! クリスマスに予定がないってのも、いいもんだねえ!」

DQN「まあな! おかげで、こんな天然記念物級のクソブスと出会えたしな!」

地味娘「ケーキ、美味しいですね。あ、お皿に料理取りますよ」

ヒッキー「……ありがとう」ボソッ

司令官「ウイ~……女房がなんでぇ、会社がなんでぇ……!」グビグビ…

男「飲みすぎですよ、司令官」

ワイワイ…… ガヤガヤ…… ワイワイ…… ガヤガヤ……

ワハハハハ…… ギャハハハハ…… ムシャムシャ……

男(こんなに楽しいクリスマスは、生まれて初めてかもしれないな……)

男(じゃあ俺も、クリスマスを迎えている全ての人たちに……)

男(メリークリスマス!)



                                ~ おしまい ~

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