ベルトルト「ここはウォールマリアの」ユミル「壁の上」(66)

出来上がってるベルユミ、淡々としてます。
ほんの少し?胸糞かもしれませんが、ハッピーエンド目指します。




ベルトルト「…ありがとうユミル……すまない」

ユミル「いいや…」

ユミル「女神さまもそんなに悪い気分じゃないね」

――――――――――――
――――――――
――――

ライナー「今夜はここで夜を明かそう」

ベルトルト「そうだね、ずっと不眠不休だったしね」

ライナー「民家からシーツを拝借してきた。少々埃っぽいが我慢してくれ」バサッ

ユミル「お、気が利くな」

ライナー「冷たい壁の上で寝ても疲れは取れないからな」

ベルトルト「そうだね…これからのことは起きてから話し合おう」

ライナー「おぅ」

ベルトルト「おやすみ、ライナー」

ユミル「おやすみライナーwオムツかよwww」

ベルトルト「そ、そんなつもりで言ったわけじゃないんだけど…」アセアセ

ライナー「…グォースピー…ガァー…」zZ
Z


ユミル「早っ!イビキうるせっ!」

ベルトルト「いつもはもうちょっと静かなんだけどね…」

ユミル「疲れてるし仕方ねーな、じゃあ私たちも寝るか」パサッ

ベルトルト「そうだね、おやすみ」ゴロン

ユミル「……」

ベルトルト「……」

ライナー「グオオオオォォ…ピー…」zZZ

ユミル「………」

ベルトルト「………」

ライナー「ピー…グオッ!………………」

ベ&ユ「…」ビクッ!

ライナー「…………………グガアァ…」zZZ

ベ&ユ「…」ホッ

ユミル「…寝れねぇ…」ゴロン

ベルトルト「…僕もだよ…」ゴロッ

ライナー「グオオォォ…」zZ
Z


ユミル「…少しだけ離れようぜ」スクッ

ベルトルト「…そうだね」スクッ

スタスタスタ…

ユミル「この辺でいいか」バサッ

ベルトルト「そうだね」バサッ

ユミル「なぁベルトルさん」

ベルトルト「何?」

ユミル「もう少し話さないか?」

ベルトルト「僕もそうしたいなと思っていたよ」

ユミル「……」

ベルトルト「………」

ユミル「…まぁ内容なんて考えてなかったんだけどな…」

ベルトルト「まぁ僕も…」

ユミル「……」

ベルトルト「……」

ユ&ベ(気まずい!)

ユ&ベ「あ、あのさ」

ユミル「あ、ベルトルさんからでいいぜ」

ベルトルト「いや、ユミルからどうぞ」

ユミル「いやいや、どうぞどうぞ」

ベルトルト「ユミルこそどうぞどうぞ」

ユミル「…何やってんだろな、私たち」

ベルトルト「…そうだね」

ユミル「…あぁそうだベルトルさん、もう怪我は大丈夫か?」

ベルトルト「もう回復したみたい。ありがとう」

ユミル「礼を言われることはしてねーよ」

ベルトルト「まぁ…それ以外の意味でもね…」

ユミル「あぁ…」

ベルトルト「………」

ユミル「………」

ユ&ベ(また無言に戻ってしまった)

ベルトルト「あ、ユミル寒くない?」

ユミル「ちょっとこの格好だと…シーツ一枚じゃ足りないな」

ベルトルト「もうちょっと近づいていい?」

ユミル「ん」

ベルトルト「お言葉に甘えて」ピトッ

ユミル「くっついて良いとは言ってない」

ベルトルト「ユミル、両手だして」

ユミル「人の話を聞け」

ベルトルト「わ!ユミルの手冷た!」ギュッ

ユミル「ベルトルさんの手は暖かいな」

ベルトルト「僕は体温高いしね」

ベルトルト「これからどうしようか…」

ユミル「今考えても仕方ないだろ」

ベルトルト「そうだね…ライナーが起きてから考えよう」

ユミル「とりあえず私は何か食べたい…」

ベルトルト「ずっと何も食べてないもんね」

ユミル「どっかに酵母があるはずだ、なけりゃー雑草でも食ってやる」

ベルトルト「ハーブも元は雑草だしね」

ユミル「野生化した家畜なんかもいるだろ」

ベルトルト「あーそれはいいなぁ。肉が食べられる」

ユミル「せめて水が飲めてよかったぜ」

ベルトルト「壊れていない井戸があってよかったね」

ユミル「そうだな」

ベルトルト「壊したのは僕なんだけどね…」

ユミル「今はそんなこと考えるな」

ベルトルト「ん…ありがと、ユミル」

ユミル「今日は感謝されてばかりだな」

ベルトルト「でもほんと、今回僕らが生きているのは君のおかげだよ」

ユミル「まぁ私の我儘で振り回しちまったがな」

ベルトルト「今はお互い、生きていてよかったということだけ考えよう」

ユミル「ん」

ユミル「………」

ベルトルト「………」

ベルトルト「ねぇユミル」

ユミル「なんだ?」

ベルトルト「キスしていい?」

ユミル「却下」

ベルトルト「ぇーなんでー?減るもんじゃなし」

ユミル「昨日から私たちは風呂に入っていない、歯も磨いていない」

ベルトルト「僕もだから問題ない」

ユミル「問題しかないだろ」

出来上がってるって…どうして出来上がったかは明かされるの?

>>12
それはまた別の話で書こうかなと思ってます。



ベルトルト「じゃあ抱きしめていい?」

ユミル「以下同文、ベタベタしそうだ」

ベルトルト「確かに」

ベルトルト「だがそんなこと知っちゃこっちゃない!」ガバッ!

ユミル「うわ!ライナーに見られたらどうすんだ!?」

ベルトルト「構いやしないよ」ギュウ

ユミル「あ、ライナーが起きた」

ベルトルト「うそ!?」

ユミル「うーそーだーよー」アッカンベー

ベルトルト「流されてくれてもいいのに」

ユミル「流されないのが私のジャスティス」

ベルトルト「えっちしてるときは流されるくせに」

ユミル「言うなー!わーわーわー!!」

ベルトルト「あんまり大きい声出すとライナーが起きちゃう」

ユミル「」ピタッ

ベルトルト「ユミル照れてる?」

ユミル「違う」プイ

ベルトルト「顔赤い」

ユミル「うぅ…」

ベルトルト「ユミルいいこいいこ」ナデナデ

ユミル「……チッ」

ベルトルト(あ、大人しくなった)b

ベルトルト「あ、流れ星」

ユミル「願い事!願い事!!」

ベルトルト「………」

ユミル「………」

ベルトルト「消えちゃった」

ベルトルト「ユミルはなんて願い事した?」

ユミル「さぁな」

ベルトルト「じゃあ僕も言わない」

ユミル「でもお前の願いは叶えてやりたいな」ボソッ

ベルトルト「なんか言った?」

ユミル「独り言さぁな」

× ユミル「独り言さぁな」
○ ユミル「さぁな」



ベルトルト「日が登ったら民家から衣服を拝借しよう」

ユミル「だな。さすがにこの格好は寒いし格好悪い」

ベルトルト「僕もミカサに切られたところから隙間風が冷たい」

ユミル「だから抱きついてきたのか」

ベルトルト「それもあるけど、純粋にユミルを抱き締めたかっただけ」ギュウ

ユミル「…恥ずかしいやつめ」プイ

ベルトルト(あ、照れた)キュン

ユミル「とりあえす考えたんだけどさ」

ベルトルト「うん」(あ、照れ隠しだ)

ユミル「しばらく調査兵団のやつらは追ってこないと思うんだ」

ベルトルト「何で?」

ユミル「エルヴィン団長は腕を巨人に食われているから多少なり療養が必要だ」

ユミル「んで、更にエレンやヒストリアを政府から隠す必要があると思う」

ベルトルト「だけど早急にこちらに向かう可能性もあるんじゃない?」

ユミル「それも考えただが、リヴァイ兵長やミカサも手負いだ」

ユミル「最低一週間…内政の事情も考えると一か月くらいは動けないんじゃないだろうか」

ベルトルト「なるほど」

ベルトルト「それまでにアニを救いだせるだろうか…」

ユミル「ライナーも言っていたけど、アニが拷問されているのはおそらく嘘だろう」

ベルトルト「アニに対してもエレンがすでに死んでいるという嘘で惑わせようとしたことがあったらしいね」

ベルトルト「僕はその口車にまんまと乗ってしまったわけだね…」

ベルトルト「よく考えればアニには硬化の能力があるからね」

ユミル「だけどずっと硬化させたまま放置ってのも気が引けるよなぁ」

ベルトルト「うん…それについても明日話合おう」

ユミル「そうだ、完全に巨人に壊されていない兵士の本部とかがあると思うんだ」

ユミル「そういったところを探してガスとかも補給できるはずだ」

ユミル「ウォールマリアの他の突起した地区は壁が破られていないわけだし」

ユミル「もしアニを奪還するなら東か西の地区に潜伏するのも手だと思う

ベルトルト「なるほど…」

ユミル「アニで思い出したけど、お前本当にアニのことが好きなのか?」

ベルトルト「ブフゥー!!」

ユミル「おい、唾がかかっただろ!」ゴシゴシ

ベルトルト「ご、ごめん!」

ユミル「…で、どうなんだ?」ギロリ

ベルトルト「あれはホントにライナーの勘違い!」

ベルトルト「僕の初恋はユミルだよ!!」

ベルトルト「あ…///」カアァ

ユミル「…ったく恥ずかしいやつだな///」カアァ

ベルトルト「僕たちとアニは極力関わらないようにしてただろ?」

ユミル「確かに絡んでいるところをほとんど見たことがないな」

ベルトルト「他の女の子たちとも絡まないようにしていたから、心配でね」

ベルトルト「無意識のうちに見ていたんだろね」

ユミル「そっか」プイ

ベルトルト(あ、また顔を反らした)

ベルトルト「ユミル~やきもち焼いた?」ニヤニヤ

ユミル「そ、そんなんじゃねぇよ///」

ベルトルト「素直じゃないな~こっち向いて?」

ユミル「いやだ」

ベルトルト「かわいい」

ユミル「うっせぇ…」ウツムキ

ベルトルト「故郷に君を連れていきたくないなぁ…」

ユミル「いーや、行く」

ベルトルト「…それじゃあクリスタ…ヒストリアがやろうとしていたことと一緒だよ?」

ユミル「ッ…分かってる…分かってるさ…」

ユミル「だけどお前らが来なかったら私は人間に戻れないままだった」

ユミル「人間に戻れて、ヒストリアに出会えて、仲間と馬鹿みたいにはしゃいで」

ユミル「あんたに好きになってもらえて、それだけで私はもう十分だ」

ベルトルト「そんな悲しい顔で言われても説得力ないよ…」ギュッ

ベルトルト「それに僕が君を好きという気持ちはどうなるんだ」グスッ…

ベルトルト「この気持ちをどう昇華すればいいんだ…」ポロポロ

ユミル「ベルトルさん」

ベルトルト「できることなら君を連れてここから逃げ出したい」ポロポロ

ベルトルト「使命もアニも責任も全て投げ出して」

ベルトルト「君とずっとずっと遠いところにいきたい」グッ…

ユミル「でも今までのあんたはそれをしなかったじゃないか」

ユミル「チャンスはあったはずだ。けど自分の責務を果たそうとして」

ユミル「今までそうしなかったんだろ?なら最後まで自分の役割を果たそうぜ」

ユミル「今更、感情に流されるな」

ベルトルト「…ユミルは」

ベルトルト「僕たちに殺されるのが自分の役割だと思う?」

ユミル「…正直死にたくはないが、そうだと思っている」

ベルトルト「……やだよ」ポロポロ

ベルトルト「なんとかして君を故郷へ連れて行かない方法を考えたい」

ユミル「そんものがあるなら、言葉でエレンたちを説得するしかないだろ?」

ベルトルト「ほんとならそう出来たらいいんだけど…」

ユミル「私たちにも言っていい事と悪い事があるからなぁ」

ベルトルト「あと信じてもらえるかどうかだね」

ユミル「エレンとミカサがもっと冷静な奴だったらなぁ」

ベルトルト「冷静すぎる主人公も魅力がないけどね」

ユミル「おい、それはメタ発言だやめろ」

ベルトルト「もし、僕が任務を放棄して君と遠くに行くって言ったらどうする?」

ユミル「遠くって壁の外か?巨人に食われちまうだろ」

ベルトルト「僕やライナーの故郷が壁外だってことを忘れちゃいけない」

ユミル「そんなところが他にあるのか?」

ベルトルト「確証はないけど…あると思うよ」

ベルトルト「そんなところを探して、二人でずっと旅をするんだ」

ベルトルト「そうだ、例えば船を作って川をずっと下っていくんだ」

ベルトルト「運よく僕らは巨人のいない集落にたどりつく」

ベルトルト「そしてそこで僕らはただの人間として過ごすんだ」

ユミル「夢物語だな」

ベルトルト「夢くらい見たい」

ユミル「その気持ちは分かる」

ベルトルト「…ねぇユミル」ギュッ

ユミル「なんだよ」

ベルトルト「やっぱりキスしていい?」

ユミル「いやだ」

ベルトルト「じゃあ無理やりでもする」

ユミル「ちょま…」

チュッ

ベルトルト「あ、たしかに口くさいや」

ユミル「お前にはデリカシーってものがないのか」ゲシッ

ベルトルト「痛!」

ユミル「ちなみにベルトルさんも臭かった」

ベルトルト「だけど気にしない~」

ユミル「こういうところは割り切れるんだな」

ベルトルト「うん」チュッ

ユミル「~~~~~ッ」

ユミル「ぷはっ…舌入れるならせめて口を濯がせてほしかった…」ゲシゲシ

ベルトルト「ごめん!ごめんってば!!」

ベルトルト「これからどうなるか分からないけど」

ベルトルト「これからも僕は君が好きだ、それだけは変えられない事実だ」

ユミル「…そうかよ」プイ

ベルトルト「ちゃんと僕のこと見て?」グイ

ユミル「うー…」真っ赤

ベルトルト「好きだよ。あと何度言えるか分からないから言わせてほしい。ユミルは?」

ユミル「言わなきゃいけないか?」

ベルトルト「うん、心込めてね」

ユミル「…一度しか言わないからな」

ベルトルト「うん」

ユミル「……………………やっぱ無理だ!!」

ベルトルト「ためらうってことは、僕のこと好きでしょ?」

ユミル「………さっきまで泣いてたくせに」

ベルトルト「君のことが好きだから泣いたんだ。僕は何度も言ってるのに、ずるい」

ユミル「あーうぁー…わかった、分かったから」

ユミル「じゃー言うぞー…」スーハー

ユミル「私はベルトルさんが好きだ」ボソッ

ベルトルト「…ありがと」ギュッ

ユミル「ほんと今日は何度礼を言われるんだろな」

ベルトルト「……」

ユミル「ベルトルさん?」

ベルトルト「……」スースー

ユミル「…私も寝るか」

ユミル「おやすみ、ベルトルさん」ナデナデ


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―――――
――

意識が遠のいて行く。

体からほとんど蒸気が上がらず、傷が治る気配はない。

自分は死ぬのか。

死ぬことより、自分が愛した人と離れ離れになることが怖い。

あの人は大丈夫だろうか。

それだけが何より気がかりだ。

僕はあの日、流れ星に願った。

もし僕たちが赦されるのなら、誰も殺さず、誰にも恨まれず

大切な人達と笑って過ごしたい、と―――――――――

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―――
――

「やっとみつけた」

「見つかっちまったかーベルトルさん勘がいいな」

ベルトルト「いろんなところ探したんだよ、ユミル」

ユミル「すまねぇ、考え事してたら時間が思ったより経っててな」

ベルトルト「考え事?なんか悩み?」

ユミル「大したことねーよ、ベルトルさんもしばらくここで涼んでいかないか?波の音が心地いいぞ」

ベルトルト「ほんとだ、じゃあお邪魔しようかな。そういえば昼間のコニーとマルコ…見モノだったね」

ユミル「ジャンとライナーに砂に顔だけだして埋められて…」

ベルトルト「しかもサシャとアニが砂で女体を作り始めてさ…」

ユミル「あれは傑作だったな」

ベルトルト「ミーナとクリスタがTシャツにビーチボール二つ入れて遊んでたね」

ユミル「エレンにもやらせたら、服が伸びちゃうじゃないかーってな」

ベルトルト「アルミンがカナヅチなのは予想外だった」

ユミル「だけど浮き輪、似合ってたな」

ベルトルト「ミカサのスイカ割りはすごかった」

ユミル「スイカにたやすくたどり着いたおまけに、綺麗に真っ二つだったな」

ベルトルト「こんなに楽しい夏は初めてだよ」

ユミル「私もだ。海水浴なんてベタベタしてめんどくさいだけだと思ってた」

ベルトルト「このメンバーとはさ、出会う前から知り合いだったような気がするんだ」

ユミル「私もだ。前世なんてもんがあったらそのときも友人だったのかもな」

ベルトルト「ユミルでもそんなロマンチックなこと考えるんだ」

ユミル「私がロマンチックだったら悪いか?」ギロ

ベルトルト「悪くないよ!むしろ素敵だよ?」

ユミル「なら良し!」

ベルトルト「みんなとは大人になっても、ずっと友達でいたいな」

ユミル「10年後も20年後も、こうやって泊りがけで海水浴に来たいな」

ベルトルト「子供も連れてさ。ベルおじちゃん、ユミおばちゃんなんて言われるのかな」

ユミル「クリスタの子供は男でも女でもクリスタに似て美人だろうな」

ベルトルト「ライナーに似てもきっと整った顔だと思うよ」

ユミル「まさか、あいつらも付き合っちまうとはな」

ベルトルト「ライナーは紳士だから、クリスタを傷つけるようなことはしないよ」

ユミル「あーあーなんか可愛い妹が嫁に行ったような気分だ」

ユミル「ちなみにさっきの悩みごとがそれだ。な?大したことないだろ?」

ベルトルト「確かに。ライナーとクリスタならうまくいくさ」

ベルトルト「クリスタだって僕と君が付き合ったときは、ちょっと憤慨してたね」

ユミル「いつも一緒にいたから、お前に盗られたと思ったらしい」

ベルトルト「…ユミル、キスしていい?」

ユミル「なんだ唐突に」

ベルトルト「なんかセンチメンタルな気持ちになったもので」

ユミル「あ、イカ釣り漁船」

ベルトルト「惑わされない」チュッ

ユミル「ん」

ベルトルト「怒らないんだ」

ユミル「そりゃー…私はベルトルさんの彼女だろ?」

ベルトルト「ユミルうぅぅ!!」ギュウゥ

ユミル「ちょ!盛るな!!中入るぞ!!」

ベルトルト「ちぇっ~」

ベルトルト「あ、流れ星」

ユミル「願い事!願い事!!」

ベルトルト「………」

ユミル「………」

ベルトルト「消えちゃった」

ユミル「ベルトルさんはなんて願い事した?」

ベルトルト「僕はみんなと、そしてユミルとずっと一緒に居られますようにって」

ベルトルト「ユミルは?」

ユミル「さぁな」

ベルトルト「えー?ユミルばっかりズルイよー!」

ユミル「じゃあ一度しか言わないからな」

ユミル「お前の願い事と一緒だよ」


END

くぅ疲!一度言ってみたかったんですハイ。
シリアスを書こうとしたら恥ずかしくなって結局ふざけてしまいました。
最後まで読んでいただいた方、期待して下さった方、本当にありがとうございます。
次はこの話から派生したお話が書きたいです。


ちなみに過去作品は

エレン「写真」
アルミン「オールナイト★兵団ラジオ」
アルミン「オールナイト★兵団ラジオ 第二夜」

こちら共々、よろしくお願いします。

感想ありがとうございます!
精進できるようにがんばります!!

ちょっとだけおまけというか
シリアス練習のためにもっと短いのを一本書かせてもらいますね

ほんと、文才なくてすいませぬ




西に沈んでいく太陽が部屋を朱に染めていく。

書籍たちもその光に照らされ、元の色を確認するのは難しい。

窓のサッシと本棚がその灯りを遮ぎり影を作る。

彼女もそんな情緒的で甘美な光に双発されて感傷的になりそうだ。

いや、きっとそれだけではない。

本棚にその長身を隠すように膝をおり、腕を硬く組み

頭を垂れ、全てを拒絶するように小さくなった少年がそこに居るためもあるだろう。

本棚の隙間から漏れる朱に彼の黒髪は照らされ、茶色く煌めいている。

「ここにいたのか、ベルトルさん」

ため息の混じったような声で、拒絶する彼にそばかすの少女は話しかける。

彼女もまた暖かい光に包まれ肌や髪、衣服がその色に染まっていた。

声を掛けられ、少年の方が一瞬ビクリと震えたが声の主に気が付き

影で灰色に映るシャツの裾で濡れた顔を拭い、少女を一瞥する。

ユミル「泣いていたのか」

そう問いかけられたベルトルトはユミルから目を反らす。

それが肯定か否定なのかは明らかである。

ユミル「教官が探していた、それだけ伝えにきた」

ベルトルト「…分かった」

この訓練所の中でも群を抜いて身長の高い彼は、その体をを小さく折り畳んだまま返答した。

しかし虚ろな瞳のまま、そこから動こうとしない。

先ほど、彼が涙を拭ったシャツの袖には赤黒い粉が付着している。

おそらく乾いた鼻血であろう。

長身の彼は、訓練が終わったあとに彼と同郷のライナーと

殴り合いのケンカをして教官に見つかり、ここまで逃げてきたというわけだ。

ユミルはそれを目撃した数人のうちの一人であり、彼を連れてくることを指示されたのであった。

ユミル「怪我は大丈夫か?」

ベルトルト「少し、痛い」

彼が痛みを訴えるのは外傷からなのか、それとも他の何かなのか…

ユミルには親友二人がどのような経緯で肉弾戦になるまでの

喧嘩に至ったのかは分かるよしもない。

他の腐れ縁…そう、同郷出身の3人衆。

エレンとミカサ、そしてアルミンならどうだ。

エレンがミカサの母親のような、執着したような振る舞いに対し

憤慨を覚え、抗うような態度をとることはある。

だがミカサが女性であるがためもあるのか、二人が取っ組み合うようなことはない。

よほどの理由があってのことだと、ユミルは予測する。

茫然と空虚を見つめるベルトルトの目は殴り合ったためなのか

落涙のためなのか、白目が赤く充血している。

誰かの足音が遠くで響いているが、この部屋まで来る気配はない。

沈黙が痛い。

ユミル「私もあんたに付き合ってるほど暇じゃねぇ」

口火を切らしたのはユミルのほうだった。

ただその場に居ただけの他人である。

彼女には他人に尽くすということは興味がない、いや。

正確にはクリスタ以外の人間にはあまりが興味がないといった

印象を抱く人も少なくはないだろう。

ベルトルト「勝手に行くから」

ユミル「私は教官からお前を連れてこいって言われているんだ」

あぁやっぱりか。

この人は自分に興味などない、慰めてくれるのかと微塵でも期待した自分を嘲笑する。

むしろ自分に興味を持つ人間を出来るだけ作らないようにするのが

自分の勤めじゃないか、それなら結果オーライだ。

ベルトルトはユミルが苦手だった。

全てを見抜くような瞳が、その劈くような目線が怖かった。

あの饒舌な口からどんな言葉が出てくるのか、恐ろしいものに思えた。

関わらないように今日まで過ごしてきたはずなのに。

自分が親友のライナーと喧嘩をしたために、目立ってしまったための天罰が下ったのかとさえ思う。


喧嘩の原因はこうだ。

ライナーが自分たちが人類を滅ぼすための戦士だということを忘れることが多くなり

そのことを咎めたところ、今だけは兵士で居たい、

好意を寄せる女性がいることをどうか赦してほしいと懇願したからであった。

ただでさえ、彼が精神的に危うい状態にあるのに

その気持ちに区切りを着けなければ益々兵士のしての務めを忘れてしまう。

先に手を出したのはベルトルトの方だった。

ライナーの服の襟もとに掴みかかり、その長い腕で彼の頬を殴りつけてしまい

そのままなし崩しに殴り合いのケンカに発展してしまった。

ユミル「ベルトルさん、こんなとこでウジウジしたって仕方ねぇだろ?」

ユミル「あんたから手出したんだから、あんたから謝らないと」

ベルトルト「分かってるさ…」

振り絞ったベルトルトの声には、情けなさや怒り、複雑な気持ちが渦巻いていた。

ここで初めてベルトルトはユミルの顔をしっかりと見た。

夕陽に照らされた彼女の顔は、さぞかし恐ろしい顔をしているんだろう。

子供のように駄々をこねている自分に対し、呆れたような表情を浮かべているに違いない。

それでいいんだ。


結果は違っていた。

普段の意地の悪いような、どこかおどけてみせるような表情ではなくて。

まるで母が子供を心配するような、そんな優しげな顔で。

ユミル「あーもう…仕方ねえなぁ。クリスタだったら喜んでやるんだが」

ユミルはベルトルトの横にしゃがみ込み

顔を高さを縮こまる彼より少し高い位置に起き、その腕を彼の頭に伸ばし包み込んだ。

ベルトルト「え?何?」

ユミル「でっけーガキは大人しくしてろ」

ユミルの行動に思わず面喰い、硬直している半面、

いい匂いがするなとか、案外腕が細くて指も綺麗だな、とか

そんなことを考えてしまう自分がいるのも事実で。

ユミル「ほーら、よーしよーし」

ベルトルト「ちょ、ユミルやめてよ…」

頭をぶっきらぼうに撫でまわされ、思わず抗ってしまう。

いい匂い?

どこかで嗅いだことのある懐かしい匂い。

あぁ、母さんが洗濯物を干したときの太陽の匂いだ。

ユミル「よーし、ベルトルさんはいい子だ~」

ネコかわいがりをする彼女にされるがままだったが、声がユミルであるのに変わりはない。

例え、実の母だったとしても良い歳の少年がこのような

可愛がられ方をすれば、反抗の一つや二つはしたくなるものである。

ベルトルト「ほんと、もうやめてってば!!」

ユミル「ほら、元気になったな」

ハハっと微笑するユミルを見て、釣られてベルトルトも笑ってしまう。

慰められることを少し期待したのも事実ではあるが、

いつものように一人で渦巻く怒りを抑えめば、それでいい。

素数でも数えていれば気はまぎれる。

そう思っていたのに。

苦手だったはずの、意地の悪い彼女はそこにいなくて。

想像もしなかったユミルの優しさに触れてしまった。

ユミル「早く行こうぜ。サシャに夕飯取られちまう」

ベルトルト「あ、うん」

ユミルがベルトルトに手を伸ばす。

人の優しさに頼ってしまったために、一度躊躇するも

遠慮がちにその手を握り返し状態を起こす。

ベルトルト「ユミル、ありがとう」

ユミル「私は何にもしてねーよ、自分のためにやったまでだ」

もうこのときの彼女顔は、いつもの少しの悪意を含んだ表情だった。

ユミル「さーて、ベルトルさんには今度何を手伝ってもらおうかなー♪」

軽やかなスキップで図書室の出口に向かうユミルを速足で追いかける。

ベルトルト「え、でも僕何もできないよ…」

ユミル「成績上位者サマができないことなんてあるのかね?」

ベルトルト「できないことだらけさ…」

ユミル「じゃあ、すればいいんだよ」

彼女の言葉に唖然し、思わず目を見開いてしまう。


ユミル「今度の休み、街に連れて行ってくれ」

今まで見たことのないような満点の笑みの彼女に、心臓がドキリ…

というより、ギクリに近い高鳴りを覚える。

ベルトルト「そんなことでいいの?もっとなんだろう、こう、肉体労働的なことかと思った」

ユミル「それも考えたんだが、私が楽しくない」

そう言い放つ彼女に呆気にとられながらも、胸の高鳴りは継続している。

ユミルに頭を撫でられたときに肩に胸が当たっていたなぁ、

そんなことも思い出してしまう。

ベルトルト「分かった、じゃあ今度の休みね」

ユミル「よろしくな!じゃ、教官とこいくぞ」

ベルトルト「う、うん」

そして踵を返すように、彼女は進行方向に向かっていった。

夕日は益々深く沈み、更に長い影を落とす。

長身の二人の影はとても長く廊下の壁に張り付いている。

ベルトルト「気付いてないよね…」

先に歩くユミルに聞こえないように声を漏らす。

なんだか、歯がゆくて顔や耳が熱い。

自分の顔は紅潮している。

きっと夕日が隠してくれている。




ベルトルトが自分の気持ちに気がつくのはもう少し先のお話



~ベルトルト「ユミルを意識した日の事」~

END

今までとは違う書き方を初めてしたので、ほんと拙くて申し訳ない!
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

次の作品でお会いできたら嬉しいんだよー
ベルユミに幸あれ。

でわノシ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月23日 (火) 09:47:40   ID: u7HD2vhQ

ユミベルも結構合いますね!
乙です

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