杏子「歌を歌おう」 (931)

代理



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前作→杏子「体育祭ねぇ……」ほむら「当然、勝つわよ」さやか「おう!」まどか「」 - SSまとめ速報
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~8月31日 午後5時~


見滝原市某デパート付近『落書きの魔女』結界内

壁と床はパステルカラーのルーズリーフのような紙で構成されており、手形や足などの人の体をモチーフとした落書きが乱雑に描かれている

結界の所々にぬいぐるみ、積木、ボール、浮き輪、船の模型……とにかく幼児向けの巨大なおもちゃが散らかり放題で

そんな片田舎の結界に二人の魔法少女がやってきた


杏子「あ~……こういう結界ってマジだりぃ……」スタスタ

さやか「あ!あの天井にぶら下がってる飛行機、あたしら乗れそうじゃない?」スタスタ


緊張感の欠片も感じさせない少女達の前に魔女は姿を現す


魔女「は~い☆」ピース!


金髪青目の可愛らしい人形みたいな姿だった、身長が2mでなければ持って帰りたいとさやかは思った



杏子「よし殺す」ジャキ


一人は一瞬で槍を構え突進


さやか「悪いけど……」チャ


もう一人は剣を二本取り出し一歩遅れて駆け出す


魔女「うわぁっ!!」ダダダ


二人が臨戦態勢に移ったのを見て、常人の倍近い体躯を持つ魔女はすぐさま回れ右して駆け出した


杏子「逃がすかよ、さやか!」ダッ

さやか「お任せ!シューティング……」チャ


言うが早いかさやかはサーベルを魔女の背に向け、トリガーを引いた


さやか「スティンガー!」バシュッ

魔女「うひゃあ!!」ヒョイ

さやか「ありゃ?」


身体を捻って攻撃を躱されたことが予想外だったのかさやかが間の抜ける声をあげた


杏子「上等上等!もーらいッ!」



杏子が上空から魔女を仕留めようと仕掛ける……が、その攻撃は魔女がどこからともなく取り出した絵筆で弾かれた


杏子「なんじゃそりゃ?」ヒュオ


ガギン バチン バキィッ

振り回される多節槍を魔女にとって通常サイズの絵筆でことごとく弾き、凌ぐ


杏子「ちったぁやるじゃん!」ガシャン


槍を通常モードに戻し、先端が開く


杏子「そいじゃあ、こいつも防いでごらん」キイイイ


開いた刃先に光が集まり、球状のエナルギーとなって固まる


杏子「鉄槌、落ちろ!」ヒュン


ボォンッ!!


魔女「うあああッ!!!」


鉄槌は絵筆をへし折り、球体の光が爆発して魔女の体を吹き飛ばし、廊下を通って隣の部屋へと叩きつけた


さやか「うへー……チャージ無しであの威力、流石だなぁ……」スタ

杏子「……ん?まだ生きてんのか?」ザッ

さやか「マジか」チャキ


結界が消えないことを確認し再度構えなおす二人

土煙が晴れると同時に複数の使い魔が襲いかかってきた


使い魔「ビューン!!」 使い魔「ブッブ~!!」 使い魔「プカプカ!」

杏子「マジかよ!」

さやか「あー!しかも魔女は隠れた!」


使い魔達はミサイル、体当たり、魚雷、とそれぞれの得意分野で魔法少女に挑みかかる


杏子「蹴散らすぞ!」

さやか「OK!セッション魔法!」タン

杏子「バイブレイ――」ジャ

さやか「エッジ!」


さやかと杏子の姿が消える

直後、青と赤の閃光が廊下を駆け抜けるとともに20匹程の使い魔が全て一閃された



杏子「この部屋のどっかに居るはず……」

さやか「かくれんぼなんてやめてよね……」


部屋に散らかる巨大なおもちゃを蹴り飛ばしながらさやかがぼやく


さやか「ローレライの旋律で全部吹き飛ばしちゃおうかな……」

杏子「やめとけって、勿体ないだろ」

さやか「あ~……もう!お腹空いたんだから早く出てきてよ!」

使い魔「うわ~ははは!!」ビュ~ン!

さやか「セイバー・ウェッブ!」カチャ


クルン バチーン!

さやかの剣が連結剣へと形を変え、飛んでいた飛行機型の使い魔を叩き落とした


キリカ「やっほー苦戦気味かい?」トン

ほむら「ちょっと、いつまでかかってるのよ」スタ


違う魔女を倒しに行っていた二人が助けにやってきた


杏子「ちっ、そっちの方が早かったか」

さやか「だって魔女が隠れちゃうんだもん!」

キリカ「……魔女ってあれ?」


キリカが指差した先の壁の上の方から金髪のツインテールがはみ出ている

どうやら登って隠れていたらしい


ほむら「……確かに貴女達では相性が合わなかったかもね」ガシャン


ほむらは盾から巨大なライフルを取り出すとそれを寝転がりながら構えた


さやか「そんな銃日本のどこにあるのよ……」

ほむら「射太興業って会社が持っていたわ、日本の軍は正式採用していないからそこでしか拾えないのよ」

さやか「ゲームみたいに言わないでよ」

杏子「しっかしでかいなおい……」

ほむら「マジカルバレットM82……全長1447mm、12、7口径の超威力が売りよ」

杏子「マジカルつければ魔法じゃねえぞ」

キリカ「アンチ・マテリアル・ライフルってやつだろ?対戦車用の」

さやか「何キロも先にいた人間を真っ二つにするんでしたっけ?」

キリカ「塹壕の向こう側から撃ちぬいたりね」


ほむら「暁美ほむら……目標を狙い撃つ!」


今まで聞いたことが無いような強力な火薬の音に三人は思わず耳を塞いだ

ルーズリーフの壁が爆発し腕を吹き飛ばされた魔女が姿を現す


ほむら「さようなら」


ダンダンダンダンッ!!

激しい硝煙をものともせず四発の弾丸を魔女にぶつけた

魔女は文字通り粉みじんに吹き飛んだ


さやか「うわぁ……」

杏子「ひっでぇ、連射出来んのかよ……」

キリカ「COOL……」


思い思いの感想を口にして魔女退治は終わった



~通称 マミの家(正式名称 マミと杏子とゆまの家)~


QB「やあお疲れ、4人とも」

まどか「お帰り、みんなお疲れ様!」

さやか「疲れたよまどかー!」ダキッ

まどか「もう、さやかちゃんったら」

マミ「お帰りなさい、魔女はどうだった?」

杏子「ん~?楽勝」

ほむら「あら、私たちに負けましたって言わないの?」

キリカ「そうだそうだ!褒めてよ織莉子!」

織莉子「ちゃんと信じていたわ、キリカ!」ナデナデ

キリカ「うへへ~!」

ゆま(この人危ない……)

杏子「あれは完全にあたしらが外れ引いただけだって」


さやか「まあ、あたしらに倒せない魔女なんていないよね~」ヘラヘラ

キリカ「史上最強(笑)の魔女倒しちゃってるしね」

マミ「調子に乗らないの!たしかにワルピーを乗り越えた私たちが魔女に負けるなんて理屈から言ってありえないけど」

まどか「熱中症にでもならない限りね」ボソ

さやか「……すいませんでした」

マミ「でもそうね、例えば大勢の一般人を人質にされたら苦戦するかも」

ほむら「奴らにそんな知性はありませんけど……想定しておくべきだと思います」

さやか「じゃあ魔女の力を持った人間が最強って事?」

杏子「そんなの来たらどーするよ?」

さやか「マクロスみたいに歌ってみる?キラッ☆って」

ほむら「そういうアニメってどうも好きじゃないのよね、勝てないから歌って解決みたいなの」

まどか「私は好きだなぁ……」

ほむら「私も実はマクロス大好きなのよ」ファサァ

杏子「おい」

QB「……」
さやか「あ、キュウべぇこれよろ」ポイ
QB「キュップイ」パク

SS速報で代理????

意味がわからん

イーモバなんだろ

乙!待ってたよ

魔女の力を持った人間… これはあの子が来ますね…

代行ってアリなのか?



音楽祭は終わったけど
3月の卒業式で合唱するから具体的なアドバイスが入ってるとそれはとってもうれしいなって

こんばんは再開します

あと今更なんですが18禁不可避でした

なので R-18 観覧注意です


~キッチン~


マミ「うん、大体こんなものね」

QB「こういうやり方は効率が悪いような気がするんだけど……」

ほむら「それを楽しむのが粋なのよ、貴女本当に何も解ってないわね」

QB「訳が分からないよ、非効率的なのが望ましいのかい?」

マミ「言い方はアレだけどそういうことになるのかしら?それにしても悪いわね暁美さん、わざわざ鍋セット持ってきて貰って」

ほむら「いえ、これ位は……」チラ

まどか「マミさん、あと手伝うことありますか?」


白菜にしいたけ、えのきだけ、油揚げに豚肉と豆腐とキムチが盛られた鍋をチラ見しながらまどかが訪ねる

まどかの位置からではマミで見えないが、もう一つの鍋には帆立やタラ、鮭といった海の幸が満載な鍋があり、こちらはこちらでほむらの視線を釘付けにしていた


マミ「あとは鍋を運ぶのだけど、それは杏子と私がやるわ……そうね、みんなにジュースを用意してあげてくれない?」

まどか「分かりました!」

マミ「ゆまちゃん!ちょっと鹿目さんを手伝ってあげて!」

ゆま「はーい!」トテトテ

杏子「ゆま、入れ物はこっちなー」ヒョイ


差し出されたアイスペールをまどかが受け取った


まどか「ありがとう!」

ゆま「コップはこれで良いよね?」

まどか「うわあ、お洒落!」


単色のグラデーションで彩られたコップに大げさに反応しているまどかをみて杏子は一瞬値段を言ってやろうかとも思ったがやめた


杏子(……なんの意味もないしな)


午後6時半

~リビング~


最近マミが買い換えたという大きな丸い木のテーブルで少女たちが話し込んでいた

卓の上には二台の鍋とジュースの他にもマミが買ってきたお刺身や余った豚肉でまどかが作った冷しゃぶ、ゆまの作ったバンバンジー、さやかが家から持ってきた煮物、織莉子とキリカの持ち寄ったお菓子などが並び、この集まりがちょっとした宴会であることを容易に想像させた


さやか「うっは~!こりゃたまんねえですわぁ……」スンスン

まどか「美味しそう~!」ワクワク


二人が手を取り合って、主からのGOサインを待っている


杏子「本当に凄い威力だったよな……」

ほむら「あれはバレットM82A3といって軍隊による独自改修が施されたタイプ……だと思うのだけどちょっと違うみたいなの」

杏子「へ~……細かいんだな」


女子らしからぬ会話をしている二人もいる


ゆま「まだ~?」パフパフ


幼女が犬のぬいぐるみを叩いて空腹をアピールしている


マミ「そうね、そろそろ良いと思うわ」パカ


そっと開かれた海鮮鍋は味噌で味付けされた程よい磯の香を漂わせ、少女たちは思わず会話を中止させてしまった

キリカ「おお、これは凄い!」


キリカが感嘆の声を漏らし、全員の注目が織莉子に集まる


織莉子「それじゃあ」スック


メンバーの中でも一際背の高い彼女が立ち上がる


織莉子「皆さん、夏休みも明日でおしまいですね……ちゃんと宿題も終わらせてくれて何よりです」

杏子「いやいやなんのなんの!」

さやか「楽勝楽勝!」


一番最後までかかった二人が得意げに声を上げた


織莉子「自分たちの力で終わらせたのは素晴らしい事だわ、おかげで今日という日を楽しめるのだから!」

マミ「魔法少女しながらなんて大変だったでしょう?みんな本当に良くやったわ!」


素直に褒められた二人は顔を見合わせハイタッチを交わす


QB「夏は暑くて勉学が捗らないから休むのに、何故宿題があるんだい?」

キリカ「たまにはいいこと言うじゃん」ポンポン

QB「当然の疑問だと思うけど……」

           アルコパレーノ・アーラ     
織莉子「それじゃあ、見滝原虹色十字同盟 条約を復唱して乾杯しましょう!」

ゆま(なんでこんな名前になっちゃったんだろう……)

杏子「え~?早く食おうよ」

ゆま(なんで誰も気にしないんだろう……)

ほむら「一応は会合の延長として今回のパーティーがあるのだから進行係の織莉子さんの言うことは絶対よ?」

さやか「ほむらに言われちゃしゃーないね」

杏子「はいはい、ぱぱっと行こうぜ!腹減って魔女りそうだ……」


織莉子「第一条」

右手の人差し指を建てる

ほむら「魔法少女は女の子」

織莉子「第二条」

続いて中指

キリカ「愛は無限に有限だ!」

織莉子「第三条」

薬指

マミ「必殺技は腹の底から叫ぶべし」

織莉子「第四条」

小指

さやか「狩り(しごと)も遊びも一生懸命!」

織莉子「第五条」

右手がパーになった

ゆま「『皆』が大事!」

織莉子「第六条」

また親指を折る

杏子「腹が減ったら戦が出来ぬ」

織莉子「第七条」

手を下す

まどか「あなたは必ず、独りじゃない!」

織莉子「よろしい!それじゃあコップを上げて……ティロ――」

「「「「「フィナーレ!」」」」」

ゆま(なんで……?)

何とも風変わりな乾杯で宴は始まった


~翌日 朝~


洗面所で杏子が鼻歌を歌いながら髪の毛を梳いていた


杏子「ふふふふふんふふんふんふん ふふん♪」シャッ シャッ


服も着替えていかにも「これから遊びに行きます」といった雰囲気を漂わせていつもの流れで髪をいじっている


マミ「あら?美樹さん達との約束は1時じゃなかった?」ガラ


シャワーを浴びたマミが出てきて杏子に話しかけた


杏子「その前にちょっと野暮用があってさ、そっちを片してからにしたいんだ」


言い終えてから唇でリボンを咥え、ちょっとだけ自慢の髪の毛をまとめ上げていく


マミ「へ~、気になるな~?」


慣れた手つきで下着を身に着け話し続ける

杏子はその手際の良さに少し感心した


杏子『いくらマミでも勘弁してくれ、大した用じゃないしさ』

マミ「教えてくれないの?」


ちょっぴり不満そうな顔で杏子に詰め寄るが、ドライヤーで髪を乾かす作業の方が優先らしく、しばし無言が続く


杏子「よし……っと、じゃあ昼に一回帰ってくるからさ」キュ

マミ「結局秘密なんだ」


マミの拗ねるような声に洗面所を出ようとした杏子の足は思わず止まった


杏子(このままだと平穏な昼飯が危ういな……)

杏子「帰りにアイス買ってきてやるからさ!」

マミ「ううん、いいわ」


髪を巻いていた手を止めたマミが振り返り


マミ「杏子が嫌だって言うなら私はそれをしない」

杏子から見たマミはいつもの優しい笑顔で語る

マミ「そういう約束だものね」


――その約束は気にしなくても……

出かかった言葉を杏子は呑み込んだ


杏子「あはは……アイス饅頭で良いだろ?」

マミ「じゃあお願いね、お昼はうどんにするわ」

杏子「んじゃ、行ってきます!」

マミ「行ってらっしゃい」


最近買ったショルダーバックを背負って杏子は街を駆け出した

天気は程よい曇り空、日差しは強くないが十分に暖かい……そんな『今日』だった


~寂れた教会~


杏子「……」


かつての我が家、今となっては不気味なお化け屋敷となったそれを、杏子は何となく見つめていた


杏子「……やるか!」


自分に喝を入れて、魔法も使いせっせと掃除を始める

庭の草をむしり、全体的に埃を掃いて、窓にホースで水をかけ、テーブルを軽く吹き上げる

常人では丸一日かかるような作業を文字通りに通常の3倍の早さで終わらせ時間を確認した杏子はまた、なんとなく教会を眺める事となった


杏子「……」


その時ふと思い立って教会の中に入り、ステンドグラスと巻いた水で煌めいている大聖堂を抜け、厚めの木で出来た扉を開けた先にある小さな部屋に入った


杏子「なんだかな……」

部屋自体は真ん中に小さな椅子があるだけ

杏子「来ても何も無いんだけどさ」

右側の壁には小さな小窓がついており、その窓は一枚の布で塞がれていて中の様子をうかがい知ることは出来ないようになっている

杏子「許しの秘蹟……」

呟き、椅子に座る

古い言葉で懺悔室、または告解室

幼き頃の杏子は本当にただなんとなく、この部屋が好きだった

程よく狭くて、薄暗くて、何も無くて、隣に[誰か]がいる部屋……

父親と告解の練習をすることもあった

ナイーブな気持ちになって閉じこもっていたこともあった

迷っていた父の告解を杏子が聞いてあげたこともあった

……その時の杏子はルールを破って、父の背中を押してしまった


杏子「……涼しくていいな、ここ」


しばらく何もせずに過ごしてから杏子は家に帰った


~ゲームセンター~


杏子「見てろよさやか!今日はぼっこぼこにしてやるからな!」シャアダ、サザビーデデル!

さやか「あたしとまどかのコンビが負ける訳ないでしょ!」デステニー、イキマス!

まどか「鹿目まどか、ガーベラ・テトラで行きまーす!」ワタシガデヨウ、テミヤゲガマダナイノデネ

ほむら「強い?」ストライクノワール、ハッシンスル

まどか「強いよ!」

さやか「っていうかなんでガーベラ・テトラなんかにはまったわけ?」

まどか「使わなきゃいけないような気がするの……」

「ひばっちさん舐めプっすかww」「ひかりさんの運命キタ!」「オワコン2000ww」「アプデでメサキャンはよ」

まどか(メサキャン来たら一強だよ……)


~数分後~

杏子「強ぇぇ……完勝こかれた……」

ほむら「私たちとあの二人は何が違うのかしら……」ピッピ


まどか「やったーまた勝った!」

さやか「お疲れ!」


「オワコン2000がなんだって?」「あ……あれは陽蜂ちゃんのアームだから(震え声」


なぎさ「この頃のガーベラ・テトラは解禁したばかりで散々弱いって言われてボロクソに叩かれていたのです」

なぎさ「今では大分強い方として評価されてる感じなのです」


杏子「やっぱガーベラは追うのが割に合わないしさ、さやかの運命二落ちを狙うべきじゃないか?」

ほむら「そうね、なら私がOOで狩りに行くわ」

杏子「うーん……じゃああたしはシナンジュかな」

ほむら「可能な限りY字を維持してさやかを凹ませる……のが最善かしら」

杏子「あとはライザーが何回転するかだよな」

QB「君たちは何をやっているんだい?」

杏子「見て分かんない?ゲームだよ、ゲーム」

QB「魔女が出たって言うのに……」

杏子「今日はマミと織莉子が行くってメール来てるじゃんか」

ほむら「私と杏子は今どうすればあの二人に勝てるか真剣に話し合っているの、引っ込みなさいゴミ屑」

QB「ゴミ屑……いや、その二人なら順調に終わるだろうからいいんだ、うん……」

杏子「早く失せろって」ガスッ

QB「ギュベェ……まどかやさやかですらもう少し大事にしてくれるよ全く……」スタスタ

ほむら「的当てゲームがしたくなってきたわ」

QB「はいはい、速やかに消えるよ」ヒュン


さやか「ぐぬぬ……4連勝で終わってしまった……」

杏子「せっかくあたしとほむらが倒してやろうと思ってたのに……」

まどか「うーん……ごめんね、やられちゃった」

ほむら「私と杏子で雪辱を果たしてくるから安心していて」

さやか「頼むよ二人とも!」

まどか「応援してるからね!」

杏子「決めるっきゃないぜほむら!」

ほむら「当然よ、まどかの前で愚は犯さないわ」


(可愛い……!)(わざと負けて喜ばせたい……)

「プレイヤー二人が大分犯罪者な表情をしてる件について」

なぎさ「今日はここまでなのです」

なぎさ「お疲れ様でした!」

>>18>>19>>21

はい、何故かイーモバイルは連投不可、スレ建て不可でした

……何故だ

そのうち回線通すつもりなので改善されると思います

>>20

ありがとうございます!あの子が来ますよ!

>>22

おめでとうございます

精一杯情報提供させてもらいます


こ、今月中には……

>>46
イーモバイルは書き込みが規制されているため。


9月2日 朝

デンデン♪デンデン♪デンデンデデンデンデン♪

Iphone<あのー日 交ーわした約束は 砕けて散った~♪

ピッ

杏子「んー!……もう朝かぁ……」

ゆま「ん~……おはよう杏子……」

杏子「そういや今日から学校か……」

ゆま「行きたくないね……」

杏子「休み明けってやべーな……」


掛けていたタオルケットを払いのけ二人は同じ動作で伸びをし、布団をたたんで端に寄せて枕元に置いてあった服に着替える


杏子「はー……どうも映えないよなこれ……」


杏子がぼやきながら着替えているのは見滝原中学の夏服

下着を取り替えてYシャツを着てグレーの地味なスカートを付けて、これまたグレーの地味なベストを肩に担ぎリビングへ向かう


ゆま「あ、杏子待ってよー!」


ピンクのキャミソール(水玉模様)と青いホットパンツに着替えたゆまも、水色の可愛らしいチュニックを肩に担いで杏子の後を追った


マミ「おはよう、二人とも」

杏子「ああ、おはよう」

ゆま「おはよう!」


リビングで朝食の用意をしていると制服を着たマミがロフトから降りてきた

杏子とは違い、紺色の中々に目立つスカートを着用している


マミ「先に髪の毛を整えて来たら?その間に用意しておくわ」


マミの提案に乗り、二人は今洗面所で髪を梳かしている


杏子「そういや学校はどうよ?いい加減慣れた?」シャッ シャッ


沈黙してるのも……と思い話を振る


ゆま「んー、まあまあ」シュッシュッ

杏子「勉強とか平気か?」シャッ シャッ

ゆま「割り算のひっさんがちょっと難しいかも……」ワシャワシャ

杏子「あれ、宿題には無かったよな?……いて」ブチ


髪の毛にダマがあったらしくブラシでひっかいてしまった


ゆま「夏休み明けたら本格的にやるんだって」クルクル

杏子「あたしも苦労したなぁ、とにかく書くのが面倒でさ……ん」シュルシュル

ゆま「出来た!」パチン


いつものツーサイドアップが完成した


杏子「あたしも!」キュッ


なんとなく鏡に向かって左に顔をそらす

いつも通りの出来栄えに満足した二人は甘い香りを漂わすリビングへと急いだ


マミ「それじゃ……」

杏ゆマミ「「「いただきます!」」」


今朝のメニューはココア風味のドーナツ型シリアルにハム、レタス、トマト、キュウリで盛ったサラダ、そしてアイスミルクティー


マミ「あ、そうだ。今日は台風が来るのよね」

杏子「初日から?勘弁してくれよ」

ゆま「確かに天気悪くなりそうだね」


窓の外を見やりながらゆまが言う

……なるほど、良い天気にはならなそうだ

はるか向こうに見えるどす黒い雲を見て杏子も納得した


マミ「今日は雨合羽を持って行った方が良いでしょうね」

杏子「あとは鞄を濡らさないためのゴミ袋っと……」ガサゴソ

杏子「……」


……なんとなく袋を一枚余分に持った杏子だった


~通学路~


杏子「おはよー!」ヒラヒラ

ほむら「おはよう」

杏子「あれ、あんた白ソックスなんて持ってた?」

ほむら「始業式は白ソックスって言われてたでしょ?」

杏子「え……」

ほむら「……」

杏子「貸してk(ほむら「持ってないわよ」

杏子「ぐ……」

ほむら「はあ……」っiPhone プルルルル

ほむら「おはようまどか、まだ家に居る?……うん」

杏子「さ、サンキュー……」

ほむら「持ってきてくれるって、23センチで入る?」

杏子「うん、あたし23.5だし」

ほむら「全く……」

杏子「あはは……今度二人にジュース奢るからさ」

ほむら「行きましょ?」

杏子「おう!」


~見滝原中学、校門前~


中沢「暁美さん、佐倉さんおはよう!」

杏子「よっ!」

男子「佐倉さーん!」

男子「佐倉ー!今日も可愛いよ!」

杏子「サンキューサンキュー!」

ほむら「……本当にモテるわね、男子に」

杏子「はあ?ほむらだってこの前ラブレター貰ってたじゃん」

ほむら「あれは……」

えりか「おっはよー!ほむほむ、杏子!」ダキッ

ほむら「ちょっと……」

つぼみ「おはようございます二人とも!」

「あ!暁美さんだ!」

「おはよう!暁美さん、佐倉さん」

ほむら「おはよう」

杏子「おはよー」

「暁美先輩!あの……おはようございます///」

ほむら「ええ、おはよう」ヒラヒラ

女子「やった!手振ってもらちゃった!」

女子「良いなぁ……」

女子「暁美さーん!」ヒラヒラ

女子「あ、ほむほむ!」

キャイキャイ!

杏子「……あんたもモテてんじゃん、女子に」ニヤニヤ

ほむら「笑えないわよ……ラブレターだって後輩の女子からだったし」

杏子「普通に友達として付き合えば良いと思うけどな、後輩にコネあると便利だぜ?」

ほむら「……考えておくわ」


~教室~


まどか「おはよー」

さやか「おっはー!」

仁美「おはようございますわ」

ほむら「おはよう」

杏子「よ!」

まどか「えっと……はいこれ」ゴソゴソ

杏子「ははは……悪いな、サンキュー!」

さやか「もう、ちゃんと夏休みのしおりにも書いてあったでしょうが!」

杏子「来年は気を付けるよ」ヌギヌギ

さやか「来年はあたしら高校生だっつーの!」ビシッ

ほむら「……」ファサ

まどか「うん、もうすぐが受験が始まるね」

仁美「そうですね、来月にはもう高校が決まった人が張り出され始めますわ」

さやか「まあ、あたしらはよっぽどでもなけりゃ見滝原高校だろうけど」

杏子「マミ達の所か……」

まどか「うん!織莉子さんの後輩になるのって初めてだから、ちょっとワクワクするかも!」

仁美「皆さんはもう先輩にコネがあるのですね、羨ましいですわ」

さやか「コネ……っていうのかな?」

杏子「うーん……なんだろうな」


ザー ザー

~見中 3年1組 正午 天気は大荒れ~


和子「それでは……最後に三つだけお知らせして、今日はおしまいにしましょうか!天気も良くないですしね」

さやか『うっへー……今年は台風が早いなあ……』

杏子『結構暑かったからなー、そういうのが影響してるんじゃねーの?』

ほむら『そうね、その線はあると思う』

和子「まず一つ目はこれ、『こころの作文コンクール』略してここコンのお知らせよ……さて、ここコンとはなんですか?はい中沢君!」シュビッ

中沢「ええ!?えっと……こう、成長した自分について……とか?」ガタ

和子「う~ん10点……」

中沢「えぇ……」

さやか『分かる?』

杏子『全っ然!』

まどか(だよね)

和子「ここコンは障害者……誤解を恐れずに言うなら、自閉症と呼ばれる人達と触れ合って感じた事を書く作文です」

つぼみ「そういえば私のいた第八小学校には特別学級がありました」

えりか「見小もクラスに一人いたよ、花蘭(からん) ゆきなって子」

中沢「東小の生徒終了のお知らせ」

杏子「…………」


和子「テーマは三つ

1、心の二人三脚、こころのバリアフリーって?

2、障害のある人も一緒に暮らすには?

3、『障害』に変わる言葉って無い?

この中から一つに絞って書いて下さいね!」

まどか「そのテーマで書ける人って限られてるような……」

和子「これは提出物でも宿題でもないわ、東京のとある高校が募集してる作文なの」

つぼみ「ほむらは知ってますか?」

ほむら「いいえ……」

和子「だからもしチャレンジしてみたいって人が居たら声をかけてね、今月の末まで募集してるみたいだから」

和子「入賞したら表彰式で東京に行けますよ~」

まどか「さやかちゃんは書く?」

さやか「パスかな……こう言うのって何も知らないあたしが偉そうにどうこう言っていいものじゃないと思うんだよね」

まどか「私もかな……なんだか難しそうで……」


和子「二つ目は三者面談のお知らせです、この紙に都合がつかない日をチェックしてもらって下さい」

杏子「……」

ほむら『どうしろと』

さやか『うん、まあ……ほむらは……うん……』

和子「ちなみに暁美さんはもうご両親と直接お話を付けてありますからね!」

ほむら「ほむ……」

杏子『あんたそれ実は便利だと思ってるだろ』

ほむら『そうね、曖昧な返事で適当に流すとき便利だわ』

さやか『その芸を考えた人は大したもんだよ、マジで』

和子「最後は音楽祭のお知らせです!金曜日の放課後、課題曲と自由曲のリクエストを募集します」

さやか「この曲歌いたいなーとかの意見があったら音楽委員のさやかちゃんにじゃんじゃん聞かせてくださいねー!」

和子「それでは風が強くなる前に解散しましょう、日直は……暁美さんね、号令をよろしく」

ほむら「はい」ガタッ


~玄関~


ザーザー ゴロゴロゴロ……


ほむら「……校庭が池のようね」

さやか「さて……と」キュ

ほむら「スニーカー?」

さやか「あたしって長靴嫌いなんだけどローファーが濡れるのも嫌だからね、こういう時の使い捨て前提の靴を用意してあるの」トントン

杏子「やっぱ常識だよな」バリバリ

さやか「そうそう!じゃ、お先!」パシャパシャ

ほむら「ええ、また明日」

杏子「おし!おっけい!」ギュ

ほむら「何故あなたはスポーツサンダルなの?」

杏子「どうせ濡れるんだしこれで良いじゃん」バサ

ほむら「開き直り過ぎよ……でも正解かもね、靴の中がもう濡れてきたし」

杏子「冷たいけど、慣れると川の中歩いてるみたいなもんさ」

ほむら「そういえば傘の人が少ないわ、なんでかしら?」バサッ

杏子「すぐわかるよ」


~通学路~


ほむら「……道路じゃなくて川なのだけど」

杏子「帰ったらローファーの中に新聞紙詰めとけよ?」

ほむら「本当、長靴買っておくべきだったわ」

杏子「でっかい傘だけあってもなぁ」

ほむら「正直こんなに雨が降るなんて思ってなかったから……クラスの子もほとんど合羽だったものね」

杏子「梅雨より怖いぞ、この時期の雨は」

ほむら「今日帰ったら早速長靴を買いに行くわ」

杏子「そうした方が良い、あとレインコートもな」


ビュー! ビュー! ビュービュービュー!!

バキィッ!!


ほむら「……そうね、風で折れたりするものね」プルプル

杏子「……ビニール袋やるから鞄は入れておけ、んでそれを傘にしな」

ほむら「ありがとう……」ガサガサ

杏子「…………なあ」

ほむら「?」ビッショリ

杏子「うち、寄るかい?」


~校門~


まどか「あーあ、明日の身体測定の準備してたらすっかり遅くなっちゃった……」

QB「お疲れ様」

まどか「雨すごいなあ……よいしょ」スポ

QB「こんな風が強い日に長靴なんて履いてたら危ないよ、君の家の前は川のようになっているし転んだりしたら大変だ」

まどか「はいはい契約契約、じゃあね」パシャパシャ

QB「……」


~巴家~

ガチャ


杏子「ただいま~」

ゆま「お帰り杏子……とほむらお姉……ちゃん?」

ほむら「お邪魔します」グッショリ

ゆま「あ、うん……」

ゆま(ほむらお姉ちゃんなんだ、幽霊みたい……)

杏子「いらっしゃい……まだ絶対に入ってくんな、いいか?絶対に、だ」

ほむら「はい……」

ゆま(半泣きだ……)

杏子「ゆまは風呂沸かしてバスタオル持ってきてくれ、んであんたは……取り敢えず脱ぐか」

ゆま「分かった」トトト

ほむら「……鞄だけお願いしていい?」ス

杏子「良かったな、中身は無事だぞ」ガサガサ

ほむら「貴女のおかげよ、ありがとう」ヌギヌギ

杏子「なんのなんの」


ほむら「雨って怖いのね、初めて知ったわ……服が絞れる……」ギュウ ボタタタ

杏子「むしろ東京ってそんなに雨降らないのか……」

ほむら「私のいたところは……あ」っI phone ビッチャア

杏子「あーあ携帯が……」

ほむら「……電源が付かないわ」ポチポチ

杏子「……どんまい」

ほむら「まだよ、まだ終わらないわ」パカ

ほむら「電池パックを抜いて一晩乾かせば……」

杏子「濡れた手でやるなって、あたしがやっとくから」

ゆま「持ってきたよ!」トタトタ

杏子「じゃ、体拭いたら風呂入ってきなよ!服はあたしのを貸してやるよ」

ほむら「何から何まで……ごめんなさい」グシグシ

杏子「気にすんなって、同じ『転校生』で『魔法少女仲間』なんだしさ」


とりあえずここまでです

お疲れ様でした

>>47

助言ありがとうございます!

どうやら規制緩和されたみたいでありがたい限りです!

前スレに次スレ誘導なかったから気づくの遅れたぜ
作文コンクールに不穏当な流れが見えて今から楽しみだ


あれ?作文の話じゃなくて合唱の話だよね?


ゆま「……来た!」グッ

TV「アーイ……キャーン――フラァァァァ一イッ!!」

ほむら「お風呂ありがとう……って」

杏子「おうお帰り、サイズあってる?」

ほむら「問題ないわ……何故エウレカセブンなの?」

杏子「ああ、先月さやかが全巻貸してくれたんだよ」

ゆま「昨日最後まで見終わったからもう一回最初から!」

ほむら「あ……そう」

TV「俺は君が!大好きだあーッ!!」

ゆま「わー……!」パアア キラキラ

杏子「ストレートだよなぁ……」ズズズ

ほむら「ええ……」スト

杏子「実際こんなこと男子にされたら調子狂うよなぁ……つーかドン引き」

ほむら「初めて見たときは小学校低学年だったけど、改めてみると凄いアニメね」

杏子「ロボットから血が噴き出るって結構怖いな……」

ほむら「まどかが挫折するだけあるわ……」

マミ「ビッグバーグを食べる。それが、家族の絆を確かめた時の巴家の習わしだ(低い声で囁くように)」ヌゥ

ほむら「ヒャアッ!!」ビクッ!!


杏子「ヒャア(笑)」ケラケラ

ほむら「忘れなさい!今すぐ!!」ジャキ

杏子「いでででッ!」ギュウウウウ

マミ「もう!部屋の中で銃を出さないの!」

ゆま「今のは割と二人が悪いと思うよ?」

杏子のiPhone<口ずさむ メロディーが♪

杏子「痛てて……なんだよさやか」ツイッ

さやか『あんたもほむらも何回電話したら出るのよ!!』ザーザー

杏子「はあ?……あ、悪い気付かなかった」チラ

ゆま(むしろ七回も諦めずに掛け直した事を尊敬するよ……)

ほむら「ごめんなさい、私の携帯壊れちゃったみたいで……」

マミ「ごめんなさい美樹さん!私も気が付かなかったわ……」

さやか『あ、いやまあ……それはしょうがないって言うか』ザーザー

杏子「世間話しにかけてきた訳じゃないんだろ?ノイズが酷いぞ」

さやか『そうだよ!まどかが魔女にとっ捕まったって!!』

ほむら「今すぐ行くわ!場所は?」ガシ バシュン

杏子「携帯返せよ変身はええよ」


さやか『場所は森林公園の石碑の下!今向かってる!!』

ほむら「幸いね、今日は雨が降っているからビルの上を飛び回っても誰かに気づかれることは無い!」バッ ギュルル

マミ「ストーップ!」バシン

ほむら「離して!!」ジタバタ

マミ「森林公園って見滝原市には3カ所あるのよ?美樹さん、説明できる?」

さやか『風見野市の方にあるお化けの森です!えっと方角的には(ガチャ ツー ツー

マミ「あ!美樹さん!?……ダメ、掛け直しても繋がらない」プルルル

ゆま「……風見野市の方って二つあるよね?川がある方と遊具がある方」

ほむら「石碑って言ってたのだからある方でしょ!」ジタバタ クネクネ

マミ「参ったわねぇ……どっちにも石碑があるのよ」

ほむら「二手に分かれれば!良いでしょう!」

マミ「それしかなさそうだし、じゃあ……」

杏子「うちの教会がある方」

マミ「え?」

杏子「うちの教会をお化け屋敷ってからかうガキはごまんといた、それこそあたしが物心つく前から」

ほむら「さやかもマミが相手ならそういうローカルな説明で通じると思ったのでしょね」

マミ「決まりね……私は一応もう片方を見ていくから、3人はここから直線で結界に向かいなさい」ピッ ウィーム

杏子「へいへい」バシュン

ゆま「おっけい!」パシュウ

ほむら「早くほどいて!まどかが!」クネクネ


ギュルルルル ジャコン


ほむら「あの……なんで大砲が……」ムンズ

マミ「暁美さんは機動力が足りないでしょ?だから……」ポイ

ほむら「ちょ」

マミ「ティロ・イ二ッツィオ!!」ドォン!!

ゆま「ほむらお姉ちゃんが星になった……」

杏子「なんと人間砲弾……」

マミ「今のはギャグ?」

杏子「はあ?」

マミ「なんでもないわ、行きましょう?」


~豚の魔女 結界前~

ザーザー バシャン バチャ


杏子「あーここだ、ここだ」

ゆま「なんか苦戦してる空気だね……」

杏子「何に苦戦してんだかよ……」

マミ「お待たせ!」パシャ

杏子「早えよ、迂回してんだから遅れて来いよ」

マミ「一生懸命急いできたのに、意地悪ねぇ……」

ゆま「ねえ早く助けに行こうよ」

「流石先輩方!到着が早い!」


~同時刻 魔女結界内~


QB「豚の魔女、その性質は被虐だよ」

魔女「ブヒイイイイイッ!!」ゲボゥエエエエ


ビチャアッ!!


さやか「いやあっ!!キモいッ!!」ヒョイ

ほむら「もう見た目が人型の醜悪な面した巨大な豚ってだけでアレなのに……しかも全身赤ってどうなってるのよ!」

まどか「口から粘液飛ばしたり、体中から訳の分かんない液体飛ばして来たり最悪だよぉ……」

さやか「絶対当たりたくない!!」

魔女「ブヒヒ!ブヒヒッ!!」ドンドン

まどか「四つん這いになった!また来るよ!」

さやか「ほむら!」ジャキン

ほむら「分かってるわよ!まどか、ごめんね」ヒョイ

まどか「お願いします」


「青髪の子がまた仕掛けるぞ!」

「いや、俺は黒髪の子が好みだなあ……」

「どうせ夢ってのがなぁ……」

さやか「しかも今日ギャラリー多すぎ!見せもんじゃないから!!」グググ

「キタ!リアル気合立体機動!!」

「あの子はやる気違うなあ……」

さやか「信じらんない!!なんで全員男な訳!?」

ショウ「なあ嬢ちゃん、あまり無理しないほうが……」

さやか「うっさい!!」

ショウ「はい」

魔女「ブッホオオオオウッ!!」ドドドドド!!

さやか「来るなら来い!何度だって返り討ちにしてやる!」

「来るぞ!女の子の姿が消えてからが作画本気モードだ!」

さやか「ラップル・ザ・セイバー――」ヒュッ


ズザザザザッ


魔女「ブボオオウッ!?」ドシャア

さやか「ポーコ・ア・ポーコ」フ スタ 

「なんて速さだ……マクロスプラスの板野サーカスを見抜くほどの動体視力を誇る俺が全くついていけない……!」

「それでいて確実に敵の足の健を狙っている……俺たちを巻き込まないために……」

「心眼……心眼で感じるんだ……」

さやか「おりゃああ!!」バキィッ!!

魔女「ぼふぉおぅッ!!」ズドオン!

さやか「なんなのよあのバターみたいな表皮は……ばっちい」ネチャア

魔女「ブッホ!ブッホ!」ダンダン

ほむら(魔女の再生能力が高すぎる……決め手もないし、何より一般人が多すぎるわ……)

使い魔「アンアン!!」

まどか「ほむらちゃん!使い魔が!」

ほむら「ちっ!」カチャ ダンダン

ほむら(これじゃ防戦一方……こんな時に杏子か巴さんか呉さんがいれば……!)


サールティー ロイヤリー ♪


さやか「この歌は!」

マミ「ティロ・ボレー!!」ズダダダダ!!

魔女「ぶひいいいっ!!」ドスドスドス

杏子「上から来るぜ!」ジャキ

キリカ「気をつけろ!」ギラ


ズバァッ


魔女「ぼもおおおおう!!」

織莉子「何かしら、ここ……中世の拷問部屋?」

ゆま「暗くて、臭くて、湿っぽくて、良いところじゃないね……ここ」

マミ「あれ?急所を狙ったつもりでいたんだけど……」

まどか「マミさーん!!」ダキッ

マミ「もう!鹿目さんったら……」ナデナデ

ほむら「……」

織莉子「皆さん!もう心配には及びません!」

「ほ、本当に……?」

キリカ「もちろんだ、たとえ雨が降っても嵐が来ても!」ドン!

「女神様……」「天使……」「結婚したい……」

キリカ「死ねよや」

マミ「今よ!」

さやか「セッション魔法!」ギュ

杏子「フルスコア」ボソ

さやか「カッツィア!」

杏さや「「カデンツィア!」」

~~♪ ~~♪

ゆま「うん!凄く良い音色!」

ほむら「オルゴールのメロディーって素敵ね……」

まどか「ん……なんか眠くなってきた……zzz」フラ

ほむら「ふふ……」ダキ

「あれ……なんだか……」「急に意識が……」

織莉子「手にはどうぞ、厚手のハンカチをご用意くださいませ」

「気持ち良い……な」


バタッ ドサドサ


ほむら「起きて、まどか!」パチン

まどか「は!」

マミ「杏子!声が小さいわよ!」

杏子「うっせえな……」

キリカ「さて、一般人をマミの結界に収容したところで!」ジャキン

織莉子「ぶち殺しにかかるわ」ボボボ

ゆま「うん!」

さやか「よし!って再生はや!?」

魔女「ぶっひいいいい!!!」ドドドドドドド!


いつの間にか体制を整えた魔女がその巨体で押しつぶさんと突進する


まどか「突進される!」

マミ「美樹さんとキリカと私が突撃!暁美さんがフォロー!織莉子と杏子がアタッカー!ゆまちゃんは鹿目さんを!」バッ


誰よりも早く動いたマミが全員に指示を飛ばす

先に与えた一撃から分析し、この魔女への有効打は自分ではないと判断したのだ


「「「「「「了解!!」」」」」」


接近戦を挑むさやかとキリカの背後からラバーマスクを被った犬のような姿の使い魔が寄ればほむらが後ろから倒し、後衛の攻撃タイミングに合わせマミが魔女を牽制し行動を抑制する

10分ほど息のあった攻撃を続け、ついにさやかとキリカが口を開く


さやか「ちょっとこの魔女回復強すぎ!!」

キリカ「同感だ!いつくたばるんだよこのクソ豚!!」

織莉子「それでいて無駄に機動力が高い……!」


魔女は太った醜い身体ではあれども決して鈍重では無い、さらにバターの様なもので覆われた体はあらゆる攻撃を受け流し、削れた部分はすぐに再生される


マミ(あの体はリボンで縛るには厳しい……)


切り裂いても致命傷にならず、銃弾など当然効かず、槍で刺してもとどめには足らない

加えて圧倒的な再生力と巨体を生かした攻撃、少女達の立ち回りを精神的に縛る各種遠距離攻撃(粘液)

これらのケアと同時に大量の一般人を守るための結界を維持しているマミは満足な援護を行えない


マミ(けど、最近作ったあの技なら……それには……!)

キリカ「ほむら!こうなったら合体技だ!」

ほむら「ええ!あいつを拘束する!」

マミ「いつの間にそんな技を?」


キリカがほむら左手を握り魔力を充てん、するとそれに合わせて盾が眩い光を放ち始める


さやか「時間稼ぐよ!杏子!」

杏子「言われなくても!」


剣と槍での猛攻を受けた魔女はその二人の魔法少女に狙いを絞った

だが、少なくともこんな魔女に捉えられる二人ではない

マミは素早く着地して巨大な大砲を作り『拘束』するという二人の魔法の発動を待つことにした

必然的に織莉子の役割がフォローへとシフトし、サポートのための水晶玉が飛び交う


キリカ「ぶちかませ!」


キリカが手を離し、ほむらが両手を合わせて拳銃を持ってるかのように構えて


キリカ「クロック――」


一層の輝きを放つほむらの盾が作動し魔法が発動する


ほむら「ロック!!」


カチッ、そんな音ともに魔女はその動きを完全に停止させた


さやか「これまさか――」

杏子「時間停止!?」

織莉子「凄い……」


驚いた三人は思わず攻撃の手を緩めてしまう


ほむら「範囲を限定した回避不能の《拘束技》」

キリカ「ただし効果時間は3秒!」ドヤァ

杏さや「「おい!!」」


カチッ、杏子とさやかの体感時間で1秒未満

現実にはしっかり3秒で魔女は再び動き出した


マミ「ティロ・フィナーレ!!」


それでも大砲が魔女を射抜くには十分な時間で


魔女「ぶひいいいい!!」


爆音とともに魔女は転げていった


織莉子「まだ死なない……」


苛立ちを隠せない口調で織莉子が呟いた


マミ「提案なんだけど……あの合体魔法を試してみない?」

杏子「この前言ってた対魔法少女のやつ?」

マミ「そう、あれならちゃんと調整すれば私たちの中でも最高クラスのDPSだと思うし」

マミ「消耗を抑える攻撃としては使い勝手がいいと思うわ」

杏子「あたしはいいけど?」

キリカ「私もだよ」

ほむら「従うわ」

織莉子「そうね」

マミ「じゃあ決まり!やるわよ杏子!」パン! シュルル

杏子「へいへい」グッ ジャラララ


キリカ「こっちも行くよ!」

さやか「手足のバターをそぎ落とす!!」ジャキン

キリカ「連携必殺!」ダッ

さやか「ツインラッシュ!!」


高速の斬撃で魔女の手足の部分のバターをこそぎ落とし


さやか「今だよ!」

杏子「マジックバンド!」

マミ「レガーレ・アートディンク!!」


先端に刃を備えたリボンで手足を貫き、巻きつけて縛り上げる


魔女「ぶひぶひ!!」ブラーン


最後に杏子の槍とマミのリボンで作ったブランコにつるし上げて完成

手足を一纏めにされ、地面に背中を向けて宙吊りにされたその様は「豚の丸焼き」という表現がぴったりだった


さやか「織莉子さん!」ポイ

織莉子「セイバー・ウェッブ!」ジャララ


剣の刃が割れて鎖で繋がれた鞭へと形を変える

マミ「トッカ・クヌート!」ギュルルル


硬化させたリボンを支柱に、リボンを巻きつけ、さらにリボンでコーティングした凶悪な鞭を作り出した

黄色い見た目が可愛らしい


杏子「鉄砕鞭!」


槍の柄が割れて鎖で個々を繋いだだけの鞭

織莉子の持つ多節鞭のようなものだ


キリカ「ブラックキャット・ナインテイル!」

右手の爪がいくつもの紐状のエネルギーへと形を変え、やはりそれがキャットオブナインテイルと呼ばれる鞭であることが名前で解る


ほむら「マジカル・ブルウィップ!」


至ってスタンダートな2mほどある一本鞭

それぞれがお互いに距離を話して魔女を取り囲み、いつもと違う得物を構える


まどか「な……何が始まるの?」

ゆま「なんか魔女を縛り上げて取り囲んでるみたいだけど」

さやか「……うん、二人は見ないほうが良いと思う」


マミ「ところで私の後輩を泣かせたこと、結構怒ってるんだけど?」

魔女「ビヒィッ!!」


パーン!!

最初に手を出したのはマミ、魔女の尻目がけ思い切りに打ち込んだ


ほむら「まどかを襲った罪は重いわよ」

杏子「つーかさやか相手にも散々こいてたらしいなコラ」


ほむらの鞭は確実に魔女の体を守るバターを飛ばし、杏子の鞭を受けた魔女はその質量もあって大きく揺れた

ピチャ


織莉子「きゃ」


大きく揺れたことでバターが織莉子にかかってしまった

ドパーン!!!

今まで一番凄まじい音がした


キリカ「おい豚如きが織莉子の服を汚すとはどういう見解だ、ああ?」ビキビキ


完全に理性のとんだキリカの一撃を合図に少女たちの攻撃は見境も手加減も無くなっていく



織莉子「ブヒブヒ鳴いちゃって、汚らわしい……」

マミ「こっち見ないでくれる?」

キリカ「抵抗すんの?やってみれば?」

杏子「うぜぇ……超うぜえ!」

ほむら「……気持ち悪い」

魔女「ブヒイイイイイッ!!!」


スパンピシドパンペシぺシザスッスパーン!


まどか「 」ブクブクブク

さやか「まどかあああ!!」

ゆま「 」バタン

さやか「ゆまちゃああん!!」


~しばらくして~


マミ「やっと……バターの再生が終わった……」ゼェゼェ

キリカ「すっげえ疲れた……ヤズマットみたいなやつだ……」ハアハア

杏子「ありえねえ……」ガク

ほむら「魔法少女が筋肉痛なんて、全く……」プルプル

織莉子「しかし正体は灰色の小さな豚なんて……」

QB「あとはさやかがとどめを刺すだけだね」

魔女「 」ビクン!ビクン!

さやか「あの……えと……じゃあ、セッション魔法」

さやか「ユー ネーム ド ピッグ!」ギラ


ズバアッ!!

>>71

作文は誰かさんが東京に行くためのきっかけなので気にしなくて大丈夫です

こんばんは

再開します


~巴家~


マミ「はい、じゃあお疲れ様!」

さやか「いや~電話してる最中に切れたときは焦ったのなんの」

まどか「あはは……」

ほむら「でも何故結界に捕まってしまったの?」

まどか「口付けされた人がいたから心配で、後からつけてるうちにいつの間にか……」

キリカ「いいね、全世界甘ちゃん選手権があったら君は間違いなく優勝候補だ」

まどか「あぅぅ……」

マミ「美樹さんに連絡したのは偉いけど、それで鹿目さんがピンチになったら世話無いわ」

織莉子「……」ズズズ

まどか「ごめんなさい……」

マミ「あと暁美さんとキリカ」

ほむら「はい?」

キリカ「なんか?」

マミ「あの『クロック・ロック』は禁止、確かに凄い魔法だけど消耗が大きすぎるわ」

キリカ「そんな!禁止するには惜しい性能だよ!だって時間停止だよ?時間停止!しかも3秒!」バンバン!

QB「チャージに5秒かかってるんだからリソースが釣り合ってないじゃないか」

見てるよ


マミ「拘束技として効率が悪すぎます」

キリカ「拘束技じゃない!時間停止!」

マミ「とにかく駄目なものはダーメーでーす!」

ほむら「たしかに使いどころは選ぶ技ですね……」

マミ「あれなら杏子と織莉子の『シンメトリー・ダイアモンド』の方が強力だわ」

杏子「あれ辛いんだぜ……」

キリカ「ああ織莉子と比べられたらしょうがない、比肩しようがないからね」

ほむら(ネタ技扱いにはツッコまないわけね)

キリカ「でも『クロック・ロック』だってガチ行けるって!」

マミ「ただでさえ前衛が二人も拘束されて、その上速度低下が無くなってしまうのよ?」

まどか(ほむらちゃんって前衛で計算されてたんだ……)

杏子「まあぶっちゃけあれならあたしとさやかとマミで拘束魔法重ね掛けして速度低下被せた方がローリスクだな」

さやか「戦闘向けの魔法じゃないですよね……どんな相手でも3秒動けないって言われても、正直短いですし……」

織莉子「チャージが長いからサポートにも向いてないし」

キリカ「そんな……織莉子まで……ほむら!」

ほむら「私もあまり実戦向けじゃないと思います」

キリカ「チクチクチクチクチクチク チクショー!」

>>107

ありがとうございます!


さやか「とまあそんなことは置いといて!なんかほむらの洋服がいつもよりボーイッシュで可愛いな~なんて思ったり」

ほむら「これは杏子の服よ、私のではないわ」

杏子「こいつが制服びっちょりに濡らしちまったからな」

まどか「でもほむらちゃんって短パン似合うんだね!」

ほむら「改めて言われるとなんだか照れるかも」

さやか「素材の味が生きてるね」サワサワ

ほむら「……何触ってるの?」

さやか「太もも」

ほむら「離れなさい」グイグイ

さやか「ケチー!」


杏子『ほむらって足太いよな?』

さやか『っていうかよく観察すると結構筋肉質……』

杏子『毎日あんだけ銃振り回してりゃな、マミのと違ってモノホンだし重いし』

さやか『在庫あんま無いとか言ってたけどいつ切れるんだろうね』


さやか「そうそう!今度音楽祭の合唱曲を決めるんですけども、なんかいい曲無いですか?」

さやか「こう見えてもあたし音楽委員ですからね!気合入りまくりですよ!」

杏子「なんでも良いじゃん」モグモグ

さやか「ダーメ!今年も勝ちに行くからね!」

ほむら「今年も?」

まどか「去年の私たちは3年生を抜いてクラス優勝したんだよ!」

キリカ「ああ、まさに優勝候補ってわけか」

マミ「私達後輩に負けたのよキリカ……」

キリカ「当時の3年生ご一行様には合唱の才能が無かった……」

杏子「ははは!だっせー!」

マミ「もう!からかわないで!」

さやか「織莉子さんは中学で何歌ったんですか?」

織莉子「ん?去年は《消えた八月》だったわ」

さやか「うーん……流石は白女、真面目だ……」

キリカ「ちなみに今年は何を歌うつもりだい?」

まどか「うーん……《true blue》とかいいなぁって思いますけど……」

さやか「ああ、小学校の卒業式で歌ったねぇ……」

ほむら「……」


杏子「最近じゃ《創世のアクエリオン》すら合唱曲として完成してんだしさ、どう?」

さやか「ちょっと!中学生最後なんだからもうちょっとマシなの考えてよ!」

杏子「ありだと思うけどなぁ……」ポリポリ

マミ「定番だけど《桜の栞》が良いと思うわ」

さやか「流石マミさん!良い選曲してます!」

キリカ「君たちは女子比率の高いクラスだし《エール》とかどう?」

さやか「いきものがかり!いいなあ、そういのも!」

ゆま「私去年《YUME日和》歌ったよ!」

さやか「渋いところつくねえ……!名曲揃いだよ島谷 ひとみ!」

ほむら「……」ズズズ

まどか「ほむらちゃんは」

ほむら「」ドキッ

まどか「何か素敵な合唱曲知らない、かな?」

さやか「おお!アニソン、ロック、テクノ、ゴスペル、果てはまどかの演歌談義にもついていけるほむらのおすすめ曲!あたしも気になる!」

マミ「あら、暁美さんってそんなに音楽詳しいの?」

ほむら「詳しいっていうか、入院中は音楽聞く位しかやること無くて……それで」


キリカ「そんなほむらの一押しは?」

ほむら「えと……あの、私合唱ってしたことない……です」

さやか「えぇッ!?それマジ?」

ほむら「小児病棟のクリスマスパーティーとかで辛うじて歌ったことあるとかのレベルで……」

さやか「はぇ~……母さんからほむらは美声って聞いてたからそれは意外だなぁ……」

杏子「はあ?なんでさやかのお袋がほむらの歌声を知ってんだよ?」

さやか「え……なんでだろう?」

ほむら「それは…………」

まどか「きっと声を聞けば分かるんだよ、うんそうだよきっと」

キリカ「絶対音感的な?」

ゆま「ねえねえ、DAYSは合唱できないの?」

さやか「ん?う~ん……ラップがなあ……」

ゆま「そこだけ代表の人が歌うってしてさ」

さやか「出来れば全員で歌いたいし、あたしとしては代表でーっていうのは無しかな」

マミ「あ、あれなんかどう?《IN TERRA PAX》」

さやか「うお……超難易度曲……」

マミ「え?そうなの?」

杏子「歌うのが難しい曲は大体伴奏も相応だよ」

マミ「へえ……」


織莉子「その程度で超難易度等と言っていたら《教会》なんて遠いわよ?」ズズ

さやか「いや~実はうちの学年ピアノ弾ける人が二人しかいなくて……」

まどか「どっちかの子が課題曲と自由曲を兼任しなきゃいけないんです、だからあまり難しいのはちょっと……」

織莉子「成程ねぇ……じゃあ《島唄》ね」

杏子「あんた反戦主義者かなんかかよ」

織莉子「いいえ、単純に歌ったことがある曲を上げただけよ」

杏子「さすがは私立っつうか……」

キリカ「私は織莉子至上主義だよ」

杏子「話がこじれるから黙っててくれ」

さやか「でも《大地讃頌》くらいは歌いたいかな~……定番だしね」

まどか「でも仁美ちゃんにあまり負担掛けちゃうのは……」

さやか「それなんだよね~……かといってあやかに無理強いするわけにもね」

ほむら「あやかって……隣のクラスの夏希 あやか?」

さやか「そうだけど?どうかした?」

ほむら「いや……あゆむがピアノを弾けないのはちょっと意外ってだけ……」

さやか「ああ葉月さん?あの子はまあ……ギター派だからね、そういうのは全ッ然ダメ!」

杏子「へえ、女王様の意外な趣味だな」モグモグ

マミ「ちょっと待って美樹さん、なんで杏子が入ってないの?」

さやか「へ?杏子ってピアノ弾けるの?」


マミ「え?」

キリカ「なん……だと……?」

まどか「意外……」

ほむら「新発見……」

杏子「ちょっと待てマミ!あたしが弾けるのはオルガンでピアノはやったことねえぞ!」ガタ

織莉子「大丈夫、大して変わりませんから」

杏子「っておい!ちょっと待てって!」

さやか「杏子!」ガシ

杏子「あたしは嫌d」

さやか「一緒に合唱コンクールで優勝しよう!たとえどれだけ練習することになっても……必ず完唱してみせよう!!」ギュウ

杏子「いやだから……!」

ゆま「合唱コンはいつやるの?」

まどか「12月の第二週の土曜日だよ」

織莉子「後三か月……余裕ね、私が仕込めば《青葉の歌》ですら伴奏者賞を取らせられる」

ゆま「杏子!」

マミ「杏子!」

ほむら「杏子……!」

まどか「杏子ちゃん!」

QB「杏子!」

杏子「てめえは失せろ!」バキィッ

QB「わけわかッ!」グシャ


さやか「お願いします、杏子先生~!」ムニムニ

杏子「お前らなぁ……大体魔女はどうすんだよ」

ほむら「引き受けてくれたら、さやかがデートしてくれるわよ」ボソ

杏子「はあ!?な、なんでさやかなんかとデートに……!」

さやか「デートでもなんでも行ってあげるからぁ!っていうかバケツバフェ奢ってあげるから!お願いします!」スリスリ

杏子「……言っとくけど、あたしだってここ何年も触ってないから出来る保証無いぜ」

織莉子「あら、呑み込みが悪いのね……私が仕込むって言ったじゃない」

杏子「あと魔女狩りはどうするんだよ!」

キリカ「私だろ、ほむらだろ、ゆまちゃんだろ……戦力余る勢いじゃない?」

杏子「おい!ゆまを連れてくのかよ!!」

ゆま「大丈夫だよ杏子!私強くなったもん!」

杏子「そういう問題じゃないだろ!」

マミ「分かった分かった、じゃあ私も行くわ」

杏子「それでバイトはどうするんだよ!」

マミ「え?サボるけど?」

杏子「いいのかよ!?」

マミ「そりゃあ、だって家族とバイトのどっちが大事?って聞かれたらどう考えても家族が大事でしょう」

杏子「けどさ……」

さやか「まあまあ、ことわざであるじゃん『鞭を惜しむと子供は駄目になる』ってさ」

キリカ(『愚者を旅に出しても愚者のまま帰ってくる』ってのもあるけどね)


杏子「あ~~もう!……とりあえずやるだけだからな……」

さやか「ありがとう杏子!愛してるぅ!!」ダキッ!

まどか「手伝えることがあったら何でも言ってね!張り切っちゃうから!」

キリカ「まあなんだ、織莉子に教えてもらえるなら大丈夫だよ、それこそ因果律を捻じ曲げる勢いで!」

織莉子「私が教えるからには勝利、勝利、完全勝利よ。それ以外は認めない……解ってるでしょうね?」

ほむら「愚問ですね、まどかとの思い出は全て白星で飾ります」キリッ

マミ「うん、その燃えている瞳が一番暁美さんらしいわ!」

ほむら「そうですか?」

まどか「頑張ろうね!」

ほむら「ええ!」

杏子「まったく……」

さやか「よーし!音楽祭、張切って行こう!!」


~数時間後~


「「「「お邪魔しましたー!」」」」

マミ「ええ、また明日ね」ヒラヒラ

ほむら「それじゃあ、私もそろそろ……」

杏子「へ、服乾いてねえぞ?」

ほむら「ちょ」

マミ「あれ?泊まって行かないの?まだ雨降ってるわよ?」

ほむら「え……でも」

ゆま「いっしょにエウレカ見ようよ!」ピッ

マミ「それじゃあ晩御飯は食べて行ったら?……と言っても今から支度するのだけど」

QB「あの、魔女は……」

杏子「今日の見回りはスルースルー、夕方一匹狩ったしこんな雨の中出歩く気になんないって」

ほむら「じゃあ……お言葉に甘えて」

マミ「ええ、いらっしゃい!ところで何か食べたいものある?何作ろうか迷っちゃって……」

ほむら「いえ……特には」

マミ「副菜はポテトサラダで決定なんだけど……そうね、魚とお肉だったらどっちが良い?」パカ

杏子「魚」

マミ「OK!そういえばお鍋の時買ったタラが丁度残ってるからこれにしましょう!」カチャカチャ

杏子「ったく、冷蔵庫位ちゃんと管理しろって」ブツブツ

ほむら「ちゃんと見てるのね」

杏子「まあなー」スタスタ


ほむら「何か手伝う?」

杏子「ん?ああ平気だよ、あたしとマミでさっさと用意する」

ほむら「でも……」

杏子「じゃあその間ゆまの話し相手になってやってくれよ、あたしエウレカセブンの小難しい質問されると良く分かんないからさ」

ほむら「ええ、任せて」


ゆま「わあー……!」

TV「それに何よりも賞金を稼ぐためのリフは絶対にやらない、それが俺らだ」

ゆま「かっこいー!!」

ほむら「……」

TV「トラパーは人の心に直接語りかけ、その感情を左右すると言われている……でも、もしそうだとしたらその逆は本当にありえないと私たちは言い切れるのかしら?本当に……」

ほむら(こういう考察部分のセリフばかり気にしてしまうのは私も年なのかしら……)

ゆま「そういえば結局この金なんとかって言う本は何なの?」

ほむら「神話がどうとか……なんだか小難しい話よ」

ゆま「?」

ほむら「デューイっておっさんがいたでしょ?」

ゆま「うん」

ほむら「そのおっさんはあの本に載ってる出来事、つまりはクダンの限界を起こして世界を終わらて、その時に指令クラスター……エウレカかアネモネね、このどちらかを使ってコーラリアンだけが滅びてしまうようにしてるわけ」


ゆま「クダンの限界って良く分かんないんだけど、なんで宇宙が壊れちゃうの?」

ほむら「宇宙に存在していい知的生命体の数には限りがあるから、らしいわ……なんでかは分からないけど……」

QB「それは僕が説明してあgボゴォッ(グベアッ!!

ほむら「たかだかアニメの設定なんだからそんなに考えてるわけないでしょうに」

QB「トラパー粒子なるものとコーラリアンなる存在についてはナンセンスと言わざるを得ないがこの『クダンの限界』については現実でも起こり得る話だからね」

ほむら「頭打ったの?」

QB「訳が分からないよ」

ゆま「じゃあ私達人間があまり増えすぎると宇宙壊れちゃうの?」

QB「いやいや……この宇宙が崩壊するにはそれこそ君たち人類は愚か、僕たちですら知覚出来ないほどの数が必要になるだろうね」

ほむら「でも数さえそろえば『知的生命体が存在している』という事実だけで物理宇宙が崩壊するの?」


QB「もうちょっと基本の部分の話から始めようか、前提として知っていて貰いたいのは『情報はエネルギーを持っている』ということだ」

ほむら「……情報?」

ゆま「情報って何?」

QB「情報は情報だけど……身近なもので言うなら君たちの魔法陣だ」

ゆまほむ「?」

QB「ただ、君たち人類の技術で1Jのエネルギーを情報から引き出すにはおおよそで400垓ビット分のメモリーが必要だ」

ゆま「ジュール?」

ほむら「1Wの電球を1秒間点灯させるエネルギーの事よ」

ほむら「でもそれ0と変わらないと思うけど……」

QB「0でないことが重要だ、これで『クダンの限界』に説明を付けられるだろう?」

ほむら「要するに私たちの記憶や知識がエネルギーとしてカウントされてしまうから、宇宙のエントロピーを増大させてしまうということね」

QB「僕たちは単一の個体が持つ記憶容量が一定数以上の生命体を『知的生命体』と認識して接触している」


ほむら「その数字は具体的にいくつ?」

QB「知覚不可だ、観測した数字が無量大数に突入した場合『知的生命体』と判断するよ」

ほむら「それは矛盾よ、知覚出来ないなら無量大数なんて分からないじゃない」

QB「少数で扱う限り円周率は無限じゃないのかい?」

ほむら「こんな奴に論破された……私死ぬしかないじゃない」

QB「訳が分からないよ」

TV「ハップは今緊急の老廃物処理だ!」

ゆま「ブッ!くくく……!」プルプル

ほむら「…………ちなみに聞くけど」

QB「何だい?」

ほむら「コーラリアンって何?」

QB「テラ・フォーミングのためのナノマシンだろう?だから存在しえないと言ったんだ」


ほむら「へ……?」

QB「仮にあんなものが存在したらそれこそエントロピーの問題が解決してしまう、宇宙の法則をひっくり返す奇跡の発明品だ」

ほむら(どうしよう……こいつの言ってることがよく分からない……そして何故かそれが無性に悔しい……!!)

TV「だせぇな……俺」

ほむら(アブソリュート・ディフィート……か)

QB「キュップイ!」

ほむら「死んで」ガシ

QB「訳が分からないよ」プラーン

マミ「お待たせ!ちょっと気分が乗っちゃってピザを焼いてみたわ!」

杏子「本当凝り性だよな……」

ほむら「~~」ブツブツ

QB「助けてマミ!」ギリギリギリギリ

TV「よーし!熱いの一発、かますわよ!」

ゆま「わあ……!」キラキラ


マミ「待ちくたびれちゃったみたい……かな?」


なぎさ「お疲れさまでした!ここまでなのです!」

なぎさ「ちなみに『アブソリュート・ディフィート』はエウレカセブン第七話のタイトルなのです!」

なぎさ「意味は『完全なる敗北』あのクソったれウサギに論破されてしまうほむほむはまだまだなのですね!」

エウレカ面白かったな。『金枝篇』わざわざ読んじゃったよ。わけわかんなかったけど。

金枝篇なー、あれ祭事やらの例ばっかりだからなー、頭整理してかつ興味ある人じゃねーと楽しめない感すごい

>>1乙 <●><●>
杏子にはシスター服着てバッハとかかき鳴らしてもらいたいものである

おはようございます

再開します


~翌朝 教室~


さやか「おっはよー!」

杏子「おはよ」

仁美「あら?今日は随分とお早いのですね」

杏子「ほむらに朝からしばき起こされた……」

ほむら「誤解を招く言い方しないで」

まどか「ウェヒヒ!ほむらちゃんは朝早いもんね」

仁美「むしろお泊りの経緯を詳しく!」

さやか「目がすげえ輝いてんぞー」

ほむら「私の傘が折れてしまって、それで雨宿りをしているうちに……」

仁美「昨晩はお楽しみでしたか?」

杏子「念のため言っておくがあんたが考えてるようなことは一切なかった、これはマジで」

仁美「残念ですわ……」


~更衣室~


杏子(午前中は身体測定……だるかった)

さやか「杏子ー!身体測定どうだった~?」

杏子「身長は変わってないけど、体重とスリーサイズががっつり増えたな…」

さやか「食生活改善したからじゃない?」

杏子「ああ、そうかもな」

仁美「そういえば杏子さんのお胸、初めて会った時より一回り大きくなっていますものね」

杏子「胸は確かに大きくなったな、越してから半年ちょいだが下着を二回も買い換えたぜ……あと夏はヤバい」

仁美「その苦労分かります……」

さやか「あたしは冬だったから対策する時間あったけどね」

杏子「んで、あそこの女子の塊はなんだ?」

さやか「中心にほむらがいると思うけど……」

杏子「フェロモンでも垂れ流してるのかあいつは」

仁美(美味しい人なのは確かですが……)


まどか「 」トボトボ

杏子「あっちは魔女にでも取りつかれてるのか」

さやか「ああうん、いつもの事だわ」

仁美「まどかさんはいかがでした?」スタスタ

まどか「仁美ちゃん……」

杏子『チャレンジャーだな』

さやか『あはは……』

まどか「酷いよ……萎むなんてあんまりだよ……」

さやか「萎むほどあった?」

まどか「うん……グスン」

杏子「肯定するのか」

仁美「体育祭の時に筋トレを始めてから今日まで、サボったりはしてないですよね?」

まどか「うん量は減らしてるけどね、だから体重はちょっとショッキングなくらい増えちゃった……」


仁美「なら正しく筋肉が付いていってる証拠です、落ち込むどころか誇るべきことですわ」

まどか「もう筋トレやめようかな……でも体型崩れるって聞くし……」

さやか「まあ体力あって困ることないでしょ?最近体育だって調子いいじゃない!」

まどか「その代償がこれなんてあんまりだよ……」

ほむら「ねえねえ!身体測定どうだった?」ニコニコ

さやか「すっごいご機嫌だねあんた」

まどか「ほむら……ちゃん……」

ほむら「私なぜか身長も体重も減っちゃったけど……でもね!」

さや杏仁(あ、これ地雷踏むわ)

ほむら「見て!やっとAになったの!」

まどか「もう……嫌だよぉ……」シクシク

ほむら「え!?」アセアセ

杏子「あーあ泣かせた」


~昼休み~


ほむら「ごめんなさい……」

まどか「もう……良いよ……」

さやか「大丈夫大丈夫!きっと高校生になったら急成長するって」

まどか「……本当に?」

さやか「少しくらい本当の奇跡が起こるかもしれないじゃん!」

まどか「そうだよね……さやかちゃんだって一昨年極限進化したもんね……!」

杏子(何故かこいつは無理な気がするけどな)

さやか「あ、今日のシフトってあたしらじゃん?見回りの前にちょっと稽古付けてよ」

杏子「ん?別に良いぜ」

さやか「良し来た!今日こそ杏子から一本取るよ!」

ほむら「無理ね……貴女では技あり、効果は愚か有効すら取れないわ」

まどか「そんなに実力差あるんだ……」

さやか「そんなにザッパリ言わなくても……この前の時は惜しかったじゃん!」

杏子「槍を弾き飛ばすとこまではアレで良いけど決めにかかるのが遅すぎ、飛ばせると思ったらもう仕掛けとけよな」

ほむら「幻術なしの杏子にロクすっぽ攻撃を当てられないようじゃどうしようもないわよ」

さやか「先輩方は厳しいなぁ……」

まどか「頑張ってねさやかちゃん!」

さやか「まどかだけだよ、健気に応援してくれるのは……」


~放課後 杏子の教会~


ほむら「結界の準備はOK、一般人が近づいて来たらすぐに知らせるわ」

さやか「よーし、行くよ!」バサァ

杏子「遠慮はいらないぜ」ヒュンヒュン ザッ

ゆま「二人とも頑張れー!」

さやか(まずはセオリー通りに牽制から!)チャッ バシュン

杏子「ほいっと」ヒョイ

さやか「それそれ!」バシュ バシュ

杏子「よ、ほ!」ヒョイヒョイ

さやか「アルスノーバ・セイバー!」バババ

杏子(ソードビットか……)ジャラララ

さやか「全方位から挟み込む!」

杏子「よ!」グルン バチーン

さやか「ですよねー……なんて!」ダッ

ほむら(まだ十分に崩せたとは言えないけど……杏子が一手遅れるわね)

杏子(まあ後衛の援護前提なら悪くないタイミングだな)


ガキン!ガン!


杏子「流石に半年も魔法少女やってると小手先の技術は身に付くな!」ガン

さやか「先生が良い人だからね!」ヒュン

ゆま「消えた!」

さやか「貰った!」スカァ

杏子「まだ仕掛けるには……ち!」

ほむら(マントで杏子の視界を奪った……考えたのね、失策だけど)

杏子「ん?しまった!」

ゆま「剣で囲んだ!」

ほむら(相手がキリカなら一本だったでしょうに)

さやか「捕まえた!ロック・ビート!」ギュウ


ギュイイイィィン!!!


杏子『ああもう!なんでさやかの応用魔法って『音』なんだよ!』

ほむら『本人の個性よ』

杏子『当たっても外れてもうるせえ!しかもギター!』

杏子「ぐ……体が痺れる……!」

さやか「貰ったぁ!」ビュン!

杏子「 」ボン

ゆま「杏子が煙になった!」

さやか「あれれ~?いつの間に……」チラ

杏子「マントで見えなくなったとき」ヒュオ

さやか「あははは……マジか」


バキィッ!


ほむら「これで杏子の32連勝……と」カキカキ

さやか「改めて言われると悲しくなってきた……」

ほむら「ちなみに私相手にも15連敗、救いがないわね」

さやか「なんだろうこの世界……最弱の人が強すぎて最弱(笑)っていう」

ほむら「鞭を惜しむと子供は駄目になるんでしょ?」ファサァ

さやか「うぐぐ……」

杏子「うんまあ良くなったんじゃね?初めて幻覚使ったし」モグモグ

さやか「あれどうすりゃいいの」

ほむら「見分け方を覚えるしかないわね、あとは猛烈にラッシュ決め込んで使わせないとか」

杏子「キリカやゆまが相手ならあれで決まってたな……魔法の構築速度も十分早かったし、避けれなかった」

ゆま「うん、格好良かったよ!」

さやか「はぁ~修練が足りないな……三人と肩を並べられるのはいつの日やら……」グデー

杏子「さて浄化も終わったし見回り行くか、おいクソうさぎ」ポイ

QB「それって僕の事かい?」パク

ほむら「黙りなさいボケウサギ」

QB「訳が分からないよ」

さやか「自業自得だよ、キュウべぇ」


~教会へ繋がる林道~


ゆま「わーい!」ゲシッ

QB「グボォッ!」ゴロゴロ

杏子「待てゆま!」タッタッタ

QB「僕はボールじゃ(ドズゥ! ギュプァ!!」


さやか「仲のいい姉妹ですなぁ」ホンワカ

ほむら「そうね……いつも不思議に思っていたけどお化けの森って言うだけある、本当に誰も来ないし」

さやか「まあ何?幽霊に取りつかれた人だとか、悲鳴が聞こえただとか、女の歌声が聞こえるだとか……噂には事欠かなかったからね」

ほむら「……」

さやか「んであれだよ……その……事件があったじゃない?」

ほむら(杏子の願い事……ね)

さやか「皆が絶望を信じるだとか、死ぬしかないとか、魔女だとか……カルト的集団催眠だって散々叩かれてたからね」

ほむら「そりゃそうなる……か」

さやか「唯一の救いって言うかさ、それから少ししたら花乃歌グループって企業で連続殺人が起きてそっちに話題を持ってかれた事……かな……おかげで杏子の家のこと、みんな気付かないわけだし……」

ほむら(あゆむの家の事件ね……)

さやか「他にも織莉子さんのお父さんの不正が発覚したり……口封じのためって噂があるけど……あの時って結構しっちゃかめっちゃかだったかも」


ほむら「そういえばあゆむの家って何やってるの?」

さやか「元々はホテルとかゴルフ場の経営だったけどあたしたちが生まれた時位に『花乃歌』って改名してからは建設とかもやってるみたい」

ほむら「へぇ……」

さやか「それがタイミングよく見滝原市再開発計画とピッタリで大当たりしたって聞くけど……この街のビルも線路も半分はあの企業が作ったって母さんが言ってた」

ほむら「なんだか聞けば聞くほど怪しい話ね……」

さやか「ヤクザ紛いの事とかもしてるみたいだし、正直近づかないほうが良いよ」

ほむら「……」

さやか「別に葉月さんが悪いわけじゃないけど、あんな風に殺されるだけの恨みを買ってる企業なんてロクなことしてないだろうし」

ほむら「……留意するわ」

杏子『おーい二人とも!今日の得物見っけたぞ!』


~ドラムの魔女 結界内~


QB「ドラムの魔女、その性質は《潔癖》だ」

さやか「まった訳の分かんない結界だなぁ……もう」

ほむら「まるで巨大な排水管の中ね……全面メタリックで眩しいところまで含めて」

ゆま「とにかくこのトンネルを進んでみようよ」

ほむら(結界は直径3m程度の円筒のトンネル……槍を使う杏子が不利ね)

ほむら「今回は私とさやかが前衛を務めるわ、杏子がバックアップ、ゆまは護衛と援護」

さやか「オッケイ!」

杏子「……!来るぞ!」ジャ

ゆま「よし!」ギュ

ほむら「剣を貸して」

さやか「さあて使い魔は……服?ここもしかしなくても洗濯機の中!?」ジャキン

ほむら「ドラムの魔女とはよく言ったものね……中心にいる手の生えたドラム缶が魔女かしら」


ピー、ピー ゴウン ゴウン


杏子「な!……気をつけろ!結界自体が回り出すぞ!」

さやか「うおお何これ!?痛ッ!」コケ

ゆま「あ!奥に家族が居る!子供と夫婦!」

ほむら(この程度の回転ならこけるだけ!でも加速しだしたら……!)

さやか「分かった!あたしが切り込む!」ダッ


ほむら(魔女はトンネルと同化してるのか一緒に回っている……本体からの攻撃も激しくは無い、なら!)


ダン!ダン!


ほむら(上下左右……どこからでも!)ヒュオ

魔女「……」ブン

ほむら「トロい」クル キイイン

ゆま「盾が光ってる!」

ほむら「バウンス・バックル!」ベキィッ!

魔女「……」ベコン

ゆま「リアクションがないね」

ほむら「なら何発でも叩き込んでそのボディをべっこべこしてあげるわ」


子供「いやだ!助けて!!」

使い魔「……」バサバサ

さやか「させるか!」スタ

子供「え……?」

さやか「ラップル ザ セイバー――」ギラッ

使い魔「……」ズバァッ

さやか「アレグロ・コンモート!」チャキン

使い魔「……!」ユラユラ

男性「うわああ!こっちへ来るな!あっち行け!!」

女性「いやあああ!!」

さやか「やらすか!こんのおッ!!」


魔女「……」ブン

ゆま「よっと!たあッ!」ゴン

魔女「……」ボコォ

使い魔「……」バッサァ

ゆま「あ……」

ほむら「ふん」ザスゥ

ゆま「ありがとう!」

ほむら「攻撃に集中して!」

ほむら(トンネルの回転が速くなってきた、このままだと一般人は持たない……それどころか私たちもロクに戦えなくなる)


ゴゴゴ ゴ ゴ ゴ ! !


ほむら「何の音!?」

杏子「どいたどいた!!踏み潰すぞ!!」

ゆま「巨大な槍!?」

杏子「おら!」ビュン

魔女「……!」ドスッ!

杏子「ゆま、スレッジネイルだ!行くぞ!」ジャキン

ゆま「うん!」タン

魔女「……!!」ザクッ

ゆま(杏子が突き刺した槍を釘だと思って叩く!)ブン


ドチャア!!


杏子「こいつで終わり!」ビュン

魔女「!!!」ズバァッ!

ほむら「流石ね!」スタ

杏子「ほむらとゆまが時間稼いでくれたおかげさ!」


さやか「よし、終わったみたい!」

男性「本当か……?」

さやか「お子さんが狙われてたみたいですね、でももう大丈夫ですよ」

女性「じゃあ……」

子供「……!」バシン!

さやか「ちょい」

男性「どこまで迷惑をかければ気が済むんだこの馬鹿ガキは!!」

さやか「ちょっと待ってよ!」バッ

ゆま「ッ!!」ダッ

杏子「やっべ!」バッ

ゆま「痛ッ!!」ズザァァ

ゆま「離してよ杏子!!あの人たち!!」ジタバタ

杏子「ほむら!」

ほむら「ええ!」


ガン ゴン


男性「 」バタ

女性「 」ドサ  

子供「あ……!」

ほむら「選びなさい坊や」チャキ


ほむら「この二人と居たいのか、離れるべきだと思うのか」

子供「パパとママに酷いことしないで!」バッ

さやか「……」

ほむら「本当にそれでいい?」スゥ

子供「僕が悪い子だったからちょっと怒られてただけで……!」

杏子「そうかい、じゃああたしの目を見て」キィィィン

子供「え……あれ……?」バタ

杏子「両親の方も終わってる、ずらかるぞ」

さやか「うん……」

ほむら「ゆま?」

ゆま「~~!」ギリギリ

杏子「ゆま!」

ゆま「分かってる!」


~近くの公園~


ゆま「あの人たち許せない!」

杏子「あの坊やが言ってただろう、自分が悪いことをしたって」

ゆま「でもあんなのおかしいよ!大人のくせに!」

ほむら「本当にあの坊やが悪いことをしたのかもしれない……それにあの子自身が両親と居ることを選んだ以上、私たちに出来ることはあそこまでよ」

さやか「……」

ゆま「違うよ、私分かるもん!お父さんとお母さんが怖いからああ言ったんだ!!」

杏子「なんでもかんでも『大人が絶対に悪い』って決めつけるんじゃない、ゆまの悪い癖だぞ」

ゆま「でも!」

杏子「自分の子供が悪いことをしたらそのケツはどうしたって大人が持つんだ、大人も人間だから腹立つこともあるし、それで間違えることだってあるさ」

ゆま「それじゃあ……!」

さやか「ゆまちゃんが自分の両親を嫌いなのはしょうがないと思う、そのせいで『大人』が嫌いなのも……でも、それでゆまちゃんが他人を傷つける事は杏子もマミさんも望んでないよ」

ゆま「……」

さやか「怖いから、嫌いだからって誰かを憎んだってしょうがないよ……ね?」

ゆま「……うん」


杏子「他人の辛さを解ってあげられるゆまがその分誰かに優しくしてやりな、そっちの方が皆嬉しいからさ」

ゆま「うん……」

杏子「よし、じゃあ帰るか!」

ゆま「杏子……ごめんね」

杏子「ゆまの思ってることも考えてることも正しいよ……けどそれで誰かを傷つけていいって道理は無い、そこだけは間違えちゃだめだ」ワシャワシャ

ゆま「……うん!」

さやか「ちゃんとお姉ちゃんしてるなぁ……」

ほむら「あら、貴女も中々の名演説だったわよ」

さやか「あたしなんかが口出して良い事だったのかな?」

ほむら「少なくともゆまにとっての貴女は先輩よ、子供はちゃんと見てるわ」

さやか「うわー……改めてプレッシャー……」

ほむら「きっとあの子も解ってる」

さやか「子供と親か、あたしにはまだ遠い話かな」

ほむら「楽観的ね、明日死ぬかも分からないのに」

さやか「夢ぐらい持ったっていいじゃん!あたしら華のJCなんだからさ!」

ほむら「夢……ね」

ほむら(私の夢……でもそれは……)



QB「不快に感じるなら見向きもしなければ良いのにそれをしない、理解できないよ」

QB「もっとも、好都合ではあるけどね」

>>125>>126

コメントありがとうございます!

もし時間があるのなら是非グレッグ・イーガン著の『祈りの海』という本も読んでみてください

こちらはそれなりに楽しめる内容です


>>127

コメントありがとうございます!

今気づいた

> さやか「ポーコ・ア・ポーコ」フ スタ 
「ちょっとだけよ」?

こんばんは

再開です


~巴家~


杏ゆま「ただいまー!」

マミ「おかえりなさい、ご飯にする?お風呂にする?」

杏子「やっぱ風呂でしょ!まだまだ暑いし、汗かいたしさ!」

ゆま「うーん!いい匂い」スンスン

マミ「ふふふ!今日はクリームシチューよ、早く行ってらっしゃい」

ゆま「うん!」


~風呂~


杏子「あ~……一日の24時間で一番幸せな瞬間だぜ……」

ゆま「大げさだよ」

杏子「いやいやそうでもないって」

QB「キュッp(ガシッ」


ガララ ポイ! ガシャン


QB「ちょ」

杏子「QB遮断フィールド!」ジャララララ

QB「待ってくれ!マミが一緒に入って来いって言ったんだ!」ドンドン

QB「駄目か……このフィールドは僕達の存在をピンポイントで遮断するからね」

QB「厄介な魔法を開発したものだよ……営業ついでにまどかに入れてもらおう……」トボトボ


~夕食後 リビング~


TV「ハイアー・ザン・ザ・サーンッ!!」

ゆま「凄ーい!」パアア

マミ「うーん……と」カタカタ

杏子「天に~一斉に開いた 手に 一斉に描いた絵に~♪」カキカキ

マミ「ストーリーライターは良いわね、宿題が捗るわ」カチカチ

杏子「ん~あたしはやっぱSAKURAの方が好きだけどなー」カキカキ

マミ「DAYSだって捨てがたいわ」

杏子「モーニング・グローリーは凄かったな、あたし小さいころTVで見てたけど全然覚えてなかったよ」カリカリ

マミ「やっぱりあれを見た後だとDAYSが一番ね、私は」

ゆま「っていうか二人とももう宿題出たんだ……」

マミ「高校生だもの」カタカタ

杏子「まあ、あたしのは任意提出だけどな」

ゆま「小学生で良かったー……」

TV「負けはせん!負けはせんぞ!!」


~~

さやか「さーて!皆さんお待ちかねの……音楽祭の曲決めでーす!」

「いぇーい!」「紅蓮の弓矢ワンチャン?」「ノーチャン」

さやか「じゃあまずはリクエストから!はいえりか!」ビッ

えりか「やっぱ『新しい世界へ』は確定でしょ!」

さやか「うんうん、定番ですな!」カキカキ

仁美「『心の瞳』を推しますわ!」

さやか「も~、仁美は憎い事するねぇ!」サラサラ

「ラピュタのあれは?」

さやか「『君を乗せて』だね!いいよいいよ!」

「じゃあ『カントリー・ロード』ありだよね!」

さやか「このノリだと『優しさに包まれたなら』も当然入るね!」

中沢「なんと言われようとも、俺は『咲いて』を押すぞ!」

さやか「オッケーオッケー!なんなら『WBX』でも歌う?」

恭介「僕はゆずの『また会える日まで』を推させてもらうよ」

さやか「恭介はギター弾きたいだけでしょ!もう!」


まどか「あ!『時の旅人』が良い!」

さやか「良い選曲だね!流石あたしの嫁!」


「『少年期』!」「『世界が一つになるまで』!」「『この地球のどこかで』」「『翼を下さい』」「『未来』」「『桜の唄』」

さやか「最後のボカロあげた奴屋上」


つぼみ「ほむらは何か無いんですか?」

ほむら「ごめんなさい……私合唱曲って詳しくなくて」

つぼみ「普通のJポップで良いんですよ?みんなで歌いたくなるような曲、ありませんか?」

ほむら「じゃあ……」


さやか「杏子も!あんた伴奏するんだからさ!」

杏子「はあ?別に……」

さやか「じゃああんたが小学生のころ歌った曲で好きなの挙げてよ!」

杏子「んー……じゃあ定番だけど……」

~~

さやか「と言うわけでうちのクラスの課題曲と自由曲はこれです」

和子「うちのクラス優秀すぎたわ」

先生「驚愕の団結力に大草原不可避」

先生「見習えうちのクラス」

さやか「課題曲は仁美で、自由曲は杏子が伴奏しますって!」タハハ!

和子「ええ、じゃあこれで会議に掛けてみるわ。自由曲は確定みたいなものでしょうけど」

さやか「お願いしまーす」

和子「ちなみに指揮者は?」

さやか「課題曲は2組に建ててもらうとして、自由曲はなんと……まどかがやります!」

和子(どんな経緯があったらそうなるのかしら……)


~放課後 見中 音楽室~


織莉子「……というわけで今日から練習しましょうか」

杏子「なんでだよ、展開が早えよ」

織莉子「さやかさんからメールを受けてきたのです、正直曲の難易度的にはかなり厳しいと言わざるを得ません」

杏子「マジかよ……自由曲は確定みたいなもんだから早く練習始められるって言葉に騙されたぜ……」

まどか「あの……私……指揮者……なんですけど……」モジモジ

織莉子「……何かの策略?」

まどか「いや……えっと……クラスメイトに持ち上げられちゃって……」

織莉子「……」ハァ

さやか「なんで仁美がまどかを推したんだろうね?」

まどか「分かんないよぅ……」

織莉子「与えられた手札で勝負しましょう」

まどさや「はい!」

織莉子(それがたとえ、どんな手札でも)チラ

杏子「……」

織莉子(戻れないとしても)

まどか「よーし!頑張るよ!」

織莉子(今打てる手を打つ……それだけ……ね)


織莉子「まずは合唱の時の伴奏者は目立ってはならない、というのを解って下さい」

杏子「はあ?」

織莉子「とにかく頭に知識として入れておいて、合唱における伴奏は目立ってはならないのです」

杏子「ああうん、分かった……」

織莉子「まずは貴女の実力を見ます、『猫ふんじゃった』を演奏してみて下さい」

杏子「おう、いくぜ」

~~♪ ~~♪

まどか「上手だね!」

さやか「うーん……」

織莉子「そこまで」

杏子「はいよ」

織莉子「鍵盤については理解してるようね、それじゃあ今日は譜を読むところから始めましょうか」

まどか「あの……私は……」

織莉子「指揮者は曲の全体の感情を感じて皆に伝えること、これが一番大事です」

まどか「はい」

織莉子「抽象的な表現だけど、あなたが分かってないと皆に伝わらないの」

織莉子「だからまどかさんは、まず素直な気持ちでこの詩に込められて思いを感じてみて?」

織莉子「この歌はきっと貴方達へのメッセージソングでもあるのだから」

まどか「はい!」


~~


杏子「……譜面難しいかこれ?♯も♭も全然無いじゃん」

さやか「いや、これ凄い難しい……」

織莉子「細かい音符が多くて和音は少ない……合唱とからむような伴奏だから、多分合わせた時に初めて実感するでしょうね」

杏子「ふーん」

織莉子「流されないことが第一よ、その為反復あるのみ……と言いたいけど……」

さやか「アンサンブルしないと……ですよね……」

織莉子「ええ……」

杏子「ま、やってみようぜ!オムレツを焼くには何とやら、だろ?」

~~


織莉子「今日はここまで、帰ったらCDで聞いておくなりしておいてくださいね」

杏子「あいよ」

織莉子「まどかさんも」

まどか「はい!」

織莉子「じゃあお疲れ様!」

「「「ありがとうございましたー!」」」


さやか「うーん……思ってたより難しいかも、これ……」

杏子「心配すんなよ!ちゃんと完成させられるって」

まどか「一緒に頑張ろうね、杏子ちゃん!」

さやか(合唱向けに少しアレンジしないと……)

杏子「分かってるよ」

さやか「となると恭介に頼るしかないか~……」ハァ

杏子「あの坊や?そんな凄いわけ?」

さやか「仮にも天才だからね……むかつく位に凄い」

杏子「本業はギターだろ?」

さやか「天才は天才だよ、正直言ってヴァイオリンはおろか演歌ですら天才と言われてたと思う」

杏子「へえ~……そんな凄いもんか……」

さやか「あ、疑ってるでしょ!」

杏子「疑ってねーよ」

さやか「本当~?」

杏子「当たり前じゃん」

杏子(あんたが命かけた相手じゃんか……)

まどか「…………」


~数日後~

~~♪

織莉子「……うん、良いでしょう」

杏子「ふへ~これで一番かぁ……」グデェ

まどか「お疲れ様!」

織莉子「まだ二番もサビも残っています、それにCメロは全く違う演奏を要求されるわ」

杏子「とにかく指が疲れるぜこれ……」

織莉子「明日からペダルを使った表現の練習もして行きましょう」

さやか「あ!織莉子さん、そのCメロの出だしなんですけど」ペラ

織莉子「……女声パートから入るの?」

さやか「はい……って言ってもあたしのアイディアじゃないんですけど……んで、ここの表現を少し落ち着けたいなって」

織莉子「ふむ……」

さやか「譜面は出来てるんです、これどうですか?」ペラ

織莉子「技術的には出来ます……ただ、ここは杏子さんのセンス次第です」

杏子「勘弁してくれよ……」

さやか「あははは……頼んだ杏子とまどか!」

まどか「精一杯頑張るね!」

杏子「ま、やってみるよ」


~~


織莉子「いらっしゃい」

ほむら「……お願いします」

まどか「ほむらちゃんの美声、楽しみだなぁ!」

杏子「悪いけど伴奏はまだ一番だけな」

ほむら「よろしく」

ほむら(ちゃんと予習はしてきた……まどかとのカラオケでも93点……行けるはず!)


~~


織莉子「音痴」

ほむら「 」

さやか「ソウルジェム濁ってんぞ」

杏子(またストレートな……)

織莉子「はあ……何から指導しよう……」

さやか「やっぱ定番の腹式呼吸からですか?」

織莉子「まず姿勢」

ほむら「はい……」シュン

織莉子「大事なのは、両足に体重を均等にかけて自然に立った姿勢を維持すること」

ほむら「はい」ビシッ


織莉子「違います、気を付けでなくてよろしい」

ほむら「はい……」ナヨ

織莉子「猫背は論外」

ほむら「は、はい」ピッ

織莉子「ではその状態で発声練習、まず口を大きく開けて」

ほむら「あー」

織莉子「 も っ と 大 き く ! 」ガシッ

ほむら「ふぁい……」

まどか(スパルタだよぅ……!)

織莉子「もっと大きく口開けて!キリカの変顔よりもっと!」ビヨーン

ほむら「は、はひぃ!」

織莉子「恥もプライドも捨てなさい!」グイグイ

ほむら「はい……グスン」

さやか(頑張れ)

織莉子「次です、頬だけを動かしてみて」

ほむら「え?」

さやか『こうだよほむら、口を閉じたまま笑顔を作る感じで!』ニカァ

ほむら「……!」プゥゥ 

織莉子「表情筋が弱い!!」グニグニ

ほむら「ご、ごめんなさい!」

杏子(超頑張れ……)

織莉子「貴女は歌う以前のトレーニングからです、毎晩割り箸を奥歯で咥えて『少年ハート』を歌いなさい!」

ほむら「はい……」

杏さやまど(罰ゲームみたい……)


~~


織莉子「それでは今日は腹式呼吸です」

ほむら「お願いします」オドオド

まどか(頑張れ!ほむらちゃん!)

織莉子「まずはお腹を膨らませて」

ほむら「スー……」

織莉子「ゆっくりと息を吐いて」

ほむら「ハアー……」

織莉子「同じ要領で発声します、さん はい!」

ほむら「スー……」

ほむら「はああぁぁぁぁ…………」

織莉子「……」ギロッ

さやか(いつもお茶目だったけどこの人ガチると怖い!)

杏子(目がヤバい……!!)


織莉子「もう一度息を吸う所から」スタスタ

ほむら「はい!スー……」

ほむら「はああああ (織莉子「ふん!」ボスゥ!

ほむら「あーッ!!?(織莉子「続けて」

杏子(うわ、今の腹パン思いっきり入った!?)

ほむら「あーーーッ!!」

織莉子「よろしい、ではもう一度」

ほむら「はい……!」ハアハア

杏子『おい、良いのかあれで!』

さやか『一応腹式呼吸の指導としてはある種の正解……』

杏子『なにこの世界怖い』

ほむら「はあーーーーッ……!!」

まどか(慣れないと息が続かないよね……)

織莉子「……成程、なら一旦そこに寝転がりなさい」

ほむら「へ……?」ゼェゼェ

織莉子「仰向けに」

さやか「い、一応指導としては正しいからさ」

さやか『踏んだりはしないはず……』

ほむら(踏まれる気がする……)


ほむら「はい……」ゴロン

織莉子「もう一度発声」

ほむら「ハアーーー!」

まどか「!」

杏子「おお……」

さやか「流石!」

ほむら「あ、今の!」

織莉子「ええ、寝転がることで肋骨を張ると同時に背筋をうまく使えたのです」

ほむら「わあ!」パァ

まどさや((笑顔可愛い!))

織莉子「腹筋の使い方は先ほどと同じ、慣れないうちは自分で腹パンして感覚を身に着ける事」

ほむら「はい」

まどか(それって画としてどうなんだろう……)

織莉子「とにかくこれで声を出す基礎は終わり、次からは『声を響かせること』『喉を開くこと』を重点的にやっていきます」

織莉子「ちゃんとうがい等で喉を労わること、良いですね」

ほむら「はい!」

織莉子「それと並行して本格的に指揮の練習も始めます、いいですか?」

まどか「は、はい!」

織莉子「ちゃんとついてこないと『泣く』じゃすみませんよ?」

まどか「が、頑張ります……!」

織莉子「では、今日はここまで!」

「「「「ありがとうございましたー!」」」」

なぎさ「ここまでなのです、お疲れ様でした!」

>>165

『少しずつ』を意味する音楽用語です、さやかちゃん流の舐めプ

でも個人的には素敵な意訳だと思います!


合唱とか懐かしい

楽しいww

こんばんは

再開します


~同日夜 とあるビルの屋上~


マミ「……」

キリカ「今日は平和だね」ムシャムシャ

マミ「そうね」ズズ

キリカ「おや?出来立ての魔女を発見!」

マミ「まだ待ちましょう、グリーフシードを孕んでないわ」

キリカ「はいはい」

マミ「ふー……」カタン

キリカ「まあ何?ワルピーブッ倒してから君が一番変わっちゃったよね」

マミ「そうかしら?そうね、そうかも」

マミ「もう一人ぼっちじゃないから……強くならないと」クイ

キリカ「普通逆なんだけどね」モシャモシャ

マミ「キリカには素敵なお嫁さんが居るから分からないのよ」カチャ

キリカ「最高に素敵と言ってくれないかな」モグモグ

マミ「はいはい、最高に素敵で美人で知的で家庭的な奥様、でしょ?」クスクス

キリカ「本来なら言葉で言い表せないレベルなんだけど、まあ良しとしよう!」


キリカ「それにしても人の不幸で食べるファミチキは不味かった」パンパン

マミ「そろそろね、行きましょう?」ピョン

キリカ「ああ冷たい! 私の友人はどうしてこうも冷たい人なんだろう!」ピョン

マミ「もう9月なのに全然暑いものね、少しくらい冷たいものがあった方が良いでしょ?」

キリカ「あーあ! 夢と希望に満ち溢れていたマミ先輩は何処へと!」

マミ「あの日、大きな夢を置いて行ったのは今を笑って生きるためだったんだけど」

マミ「それでも残ってる欠片がたまに胸の奥で疼きだすの……自分でも分かっているのよ、そんなこと……」スト

キリカ「シリアスは嫌いだな!」タン

マミ「でも私、あの二人のお母さんだから!」クルクル スチャ

キリカ「JKのセリフとしては多分にグレーゾーンな発言だよ! せめて姉と言ってよ!」ジャキン

マミ「せっかくギャグにしてあげたのになぁ……」

キリカ「シリアスで続けて、どうぞ」 

マミ「守るべきものがあるから――譲るつもりも、退くつもりも無い!」ジャキン

キリカ「いいエンカウントボイスだ」

QB「銀の魔女、その性質は……」

マミ「ティロ・フィナーレ!」ドーン!

QB「訳が分からないよ」


~また別のビルの屋上~


??「う~ん……あれが『巴 マミ』と『呉 キリカ』でかすかぁ……」

??「『美樹 さやか』と『佐倉 杏子』だけでも面倒なのに、全くよぉ……」ポリポリ

??「でも『美国 織莉子』の予知が弱まってるのは幸いですね、まだ気取られては困りますから」ピリリ タ

??「うん、今日も何事も無し?……いえいえ、良い傾向です」

??「そうですよ?……解ってますよね?……ええ、そいつもうまく使って……それでは何かあったら報告お願いしますね」ツイッ

??「くふふふっ!」パク

??「下調べも下準備も大体OK、あとは魔女を7匹用意して備えるだけの簡単なお仕事!」ピョン

??「それにしても他人の不幸で食べるLチキの旨いこと!」

紗々「『鹿目まどか』はこの優希 紗々がいただきます!」



~~

織莉子「それでは今日も元気に……!」

さやか「レッツ合唱!」

杏子「伴奏すら完成してないけどな……」

さやか「悲しい事言わない!」

織莉子「さて、まずは指揮者ですね」

まどか「一応教科書見て練習してきました……!」ヒュンヒュン

織莉子(二分の二拍子……)

織莉子「なるほど、ちゃんと勉強してきましたね」

まどか「うぇひひひ!」

さやか『ほらね!言った通りだったでしょ!』

まどか(ありがとう、さやかちゃん!)

杏子「あたしそんな指揮見たことないぞ……」

織莉子「基本は4ビート……一般的なJポップと大差ないはずです」

杏子「はあ……?」

織莉子「指揮者は合唱における女王様です、もっと自信を持って」

まどか「はい」

支援


織莉子「今回は混成三部合唱なのでパートは3つ……切り替えの部分を左手で、右手はビートを刻み続けることに集中すること、他にマニュアルと呼べるものは特にありません」

まどか「はい……!」

織莉子「後は貴女のフィールです。表情で作ってみたり時には口パクで思いを伝えてください」

さやか「頑張れまどか!」

まどか「うん!」

織莉子「来いよ! 恥なんて捨てて歌いに来い!!」

まどか「えぇ……と?」

織莉子「貴女がその気持ちを捨てては駄目よ」

まどか「は、はい……」

織莉子「さて」ギロ

ほむら「ッ……!」ビク

杏子(怖えよ……)

さやか(シリアスとギャグの切り替えが凄すぎるよ……)

支援


織莉子「まずは音が響きあうのがどういう感覚なのかを掴んでもらいます」

ほむら「はい……」

織莉子「が、これはぶっちゃけ練習の最初に一回やれば十分です、合唱ですから」

ほむら「ええと……」

織莉子「で、意外と有効な練習がこれ」っiphone

Iphone<なんて~素敵な~土曜日なんでしょう~♪

さやか「……ケロロ軍曹?」

織莉子「この『共鳴』は大変有効な合唱の練習です」

まどか(この人の言ってること付いていけない……)

杏子(誰かこの人止めろ)

織莉子「それでは5人で行きます、サン ハイ!」

杏子「ってあたしも!?」

支援


まどか「え、えと……」マドマド

織莉子「オリオリオリオリオリ……」

さやか(凄い……完璧だ……響き方、音の大きさ、発音の強さ……どれを取っても最強のソプラノパート……ならあたしも!)

さやか「サヤサヤサヤサヤサヤ……」

杏子「か、重なってる……」

まどか(……音程は掴んだ!良し!)

まどか「マドマドマドマドマド……」

杏子「バカな!音が響きあう……!?」

ほむら「ほむ!ほむ!ほむ!なんで……私じゃ……駄目なの?」

さやか『波は来てるよ!』

まどか(頑張れほむらちゃん!)

織莉子『ゆで卵を頬張ったまま歌うつもりでやってみなさい』

ほむら「はい!やって見せる!」スゥー

杏子(えー……)

ほむら「ナツナツナツナツ違った、ホムホムホムホム……」


マドマドサヤサヤオリオリホムホム


杏子「どういう事だおい……」

なぎさ「ナギッ!」

なぎさ「イノチハナゲステルモノ……」


~職員室~


マドマドサヤサヤキョウキョウオリオリホムホム……共鳴×5


先生「どうなってるんだ……まるで意味が分からんぞ!」

先生「ああ!それってハネクリボー?」

和子「もうね、何が何だか……頭痛くてね、白髪増えるんじゃないかって」


~音楽室(共鳴中)~


織莉子『ほむらさん、感じますか?』オリオリ

ほむら『感じる……!感じます!』ホムホム

ほむら(まるで音に満たされたプールを泳いでいるかのよう……これが共鳴!)ホムホム

まどか(苦しいのに、辛いのに、それが気持ち良い! もっと続けていたい! もっとみんなと深く交わりたい……!)マドマド

さやか(凄い……気持ち良すぎてもう頭の中わけわかんない事になっちゃってる……)サヤサヤ

杏子(なんだこの驚異の中毒性は……! 相手をずっと近くに感じる……暖かくて、気持ち良くて、もう肉体なんて邪魔なんじゃないかってくらいに……ボウっと……してきた)キョウキョウ


ガチャ!

あゆむ「うっせんだよこの基地外集団!! 全員息するのをやめやがれッ!!」

なぎさ「結構まじで中毒になるので気を付けて欲しいのです!」


織莉子「あら御機嫌よう! 葉月 あゆむさん」

あゆむ「死ねよなんでお前が居るんだよ!」

杏子「どうしたんだよ女王様、普段タレ目なのに吊り上ってんぞ」

さやか「いつもの厨二病を拗らせた感じのジト目はどこ行っちゃったのさ」

あゆむ「こちとら割と暖まってんだよ、死ね」

まどか「人に向かって死ねって連呼するのは良くないと思うの」

あゆむ「死ね以外に言うことが無い」

ほむら「なんだか久しぶりね、あゆむ」

あゆむ「いや確かにここの四人は久しぶりな気がするけど、ほむらとはなんだかんだで学校以外で二日に一回位あってるような気が……」

ほむら「だってご近所だから生活圏が一致してるんだもの」

あゆむ「考えてみれば月の地下渓谷最深部でのフェイズ位の遭遇率な気がする……」

杏子「あー……レッドドラゴン×3じゃないだけマシと考えようぜ」

さやか「……で、何しに来たの?」

あゆむ「合唱するのは勝手だけど五月蝿いから窓閉めろよ」

まどか「え?私たち窓なんて開けて無いよ?」チラ

窓「全開です!」

まどか「 」

さやか「 」

ほむら「 」

杏子「 」

織莉子「あっ――ごめんなさい! 暑いから窓を開けて換気しておこうと……」

あゆむ「死ね」

まどさやほむ杏((((いろんな人に聞かれた……!!))))

>>183>>184

コメントありがとうございます!

やっと追い付いた
相変わらず読ませるな
おつ!

小学校で合唱やってたころは枕持ち込みだったなぁ
足上げ辛かったなぁ

まだか

こんばんは

再開します


~???~


杏子父「この世に希望など有る訳ない!何故なら既に……この世は生き地獄なのだから!」

杏子父「希望を捨てて、欲望のままに生きなさい!」

杏子父「絶望こそが我等の道標だ!」

杏子「なんでそんな出鱈目を……」

信者「そうだ!彼の言うことは正しい!」

信者「神などいない!人類全てが弱者なんだ!」

女信者「人類の存在が弱者を生むなら、みんな死ぬしか無いじゃない!!」

信者「そうだ……Vガンダムこそ至高なのだ!」

QB「訳が分からないよ」


杏子父「なんと言うことだ……これでは私自身が悪魔ではないか……!」ワナワナ

杏子「そん……な……」

杏子父「私は騙されていた……!?」

杏子「ち、違う!そんなつもりじゃ……!」

杏子父「黙れ!……この魔女め!」バシッ

杏子「痛ッ!ま、待ってよ!あたしは魔女なんかじゃ……」

杏子父「人の心を惑わすお前を、魔女と呼ばずしてなんと呼ぶ!?」

杏子「 」

信者「魔女!」

信者「魔女!」

信者「魔女!」

杏子「やめて……!やめてよ……とう……さ……?」

杏子(な、なんで?息が出来ない!)

杏子「っ……!………………」


~巴家 午前4時~


マミ「杏子!」ギュゥ

ゆま「起きて!杏子!」ユサユサ

杏子「~~!」モゴモゴ

ゆま「起きた!」

マミ「流石キュウべぇね、呼吸を止めたら確かに起きたわ!」シュルシュル

QB「キュップイ!」

杏子「ぶっは!――ふざけんじゃねえッ!!」ガバッ

ゆま「ご、ごめんね!でも杏子苦しそうにうなされてたから……」

杏子「…………嫌な夢見ただけだ」

マミ「そう?……今日は学校を休んだ方が良いんじゃない?」

杏子「いや、別にあたし体調悪くないし……」

ゆま「顔色すっごく悪いよ?大丈夫?」

杏子「大丈夫だって、心配すんな」

ゆま「嘘だよ、毎日毎日ピアノの練習ばかりしてて疲れてるんだよ」

杏子「CD聞きながらイメトレしてるだけじゃん」

マミ「でも結構遅くまでやっているでしょう?今日は大事を取って休みなさい」ニコ


杏子「……分かったよ」

マミ「ご飯は作っておくわ、だから少し寝なさい」

杏子「へいへい」ゴロン

ゆま「じゃあ後で!」トコトコ

杏子「……なあゆま」

ゆま「ん、何?」

杏子「…………いや、今日はマミと一緒に寝なよ」

ゆま「え?でも……」

マミ「うつったらいけないでしょ?だからよ」

ゆま「そっか……うん、分かった」

杏子「そんだけ、お休み」クル

ゆま「今日は6時間授業でちょっと遅くなっちゃうけど……すぐに帰ってくるからね!」

杏子「おう、頑張れよ」

マミ「それじゃ、お大事に」


パタン


杏子「……」

杏子(マミの方が魔女狩りで最近毎晩遅いのにな……情けねー)

杏子「……」ゴロ

杏子「……シャワーだけ浴びりゃよかったな」ベットリ


~そして12時頃~


杏子「……」ボー

杏子「飯も食ったし、やることね~……」

杏子「織莉子の指導無しにイメトレしたってなぁ……」

杏子「ぶっちゃけ体調悪くなかったし……」

杏子「…………」

杏子「うし!どっか出かけるか!」



~ゲーセン~


杏子「と言うわけでゲーセン到着っと!」

杏子「みんなが勉学に勤しんでいる中、堂々とゲームに興じる……」ニゲモカクレモスルガウソハツカナイデュオマックスウェルダ

杏子「学生としての本分に真っ向から喧嘩を売るこの快感」オラオラ!シニガミサマノオトオリダゼ!

杏子「こんなに気分良かったんだなぁ……長らく忘れていたぜ」トラエタゼェ!

「デスヘルマジあったまるわー!」

「狩りヘルとかないわ」

杏子「そして昼間のリーマンだか大学生だか分かんねぇ雑魚を煽り殺すのは最高に気分が良いな!」オットォ!

杏子「メイン(バルカン)特格(クローク脱着)キャンセルの後のブー格が気持ち良いくらいに決まるし!」イッタダキィ!

杏子「スタンにナタク当ててメインで落とすのすげー楽しい、威力がヤバいけど」タノムゼ!


杏子「さて、次の相方はドルブか」

杏子「げぇ……敵にギス黒本かよ……」


「ドルブが張り付かれて横鞭で屠られる未来www」

「死神も寄れないwざまぁwww」


杏子(ぶっちゃけ同じ事思った……)カンタンニイッテクレルヨナァ


~数分後~


杏子(勝っちゃったよおい……)


「一人だけポップンミュージックしてる人がいるんですけどそれは」

「ギスの下格見てサブ置きからの換装メイン余裕でした」

「黒本の横鞭見てからマシ刺し込みとか常時アタックフェイズクソワロタ」

「ザクからの横格からの前ステマシ、からのBD換装メイン1換装メイン3サーチ替え……後はレーダーで下に潜り込んで張り付く、成程ね……これなら半覚こかれてもブースト有利で煙焚けるな……」


杏子(ぱねぇ……トールギスをドルブ一人でぼっこぼこにしてやがった……)

杏子(一体どんな奴がこのドルブを動かしているんだ?)チラ

杏子(向こう側を台の隙間から覗いて……背は余り高くない、そしてこのクソ暑い日に長袖って事は変態なのは確定だな)ジー

「あのー……」

杏子「ん?」

「始まってますけど……」

杏子「あ、すいません……」

杏子(つーか相方またドルブかよ、敵は……)

バナージ「ユニコーンを出しますよ!」

リボンズ「君も同志になると良い……僕達、イノベイターの同志に」

杏子「 」


~~

LUSE!


杏子「ですよねー……」

杏子「ユニコには近づけないし、ボンズリには接近戦でボコられるし、酷いゲームだったぜ……」

杏子「ドルブの人は……そりゃいないよなぁ……あたしがドルブだったら対戦相手みて席を立つだろうし」

杏子「モニターでリプレイでも……おや?」

あゆむ「……」ジー

杏子「ん?なんであいつが居るんだ?」

杏子「学校は……まあ、あゆゆだしサボりぐらいするわな」

杏子「よしよし!からかうとしますか!」コソコソ


杏子「抜き足差し足忍び足……っと」

あゆむ「……」

杏子「わ!」ドン

あゆむ「……」クル

杏子「……」

あゆむ「……」プイ

杏子「ちょい」


あゆむ「……何?」

杏子「せめてリアクションをさ……仮にも同級生と街中でばったり出会ったんだぜ?」

あゆむ「死ね」

杏子「そんなばっさり……ん?」

杏子(あれこいつ長袖……)

杏子「……なんの試合みてんの?」

あゆむ「さっきのやつ……相性ゲーで完全に押し切られたけど、まあ今後の参考に」

杏子「そ、そうなんだ……ち、ちなみに反省点は……」

あゆむ「……機体のせいにするのはアレだけど、ドルブとデスヘルじゃマシンパワー足んねえって、敵との相性もオワコンだし」

杏子(ほ……)

杏子「ひでえなー、こんなの見てから後出しでリボユニとか最低なことする奴もいるんだなー」

あゆむ「いや、そういうゲームだから」

杏子「結構ドライだな……」


あゆむ「まあそこに反逆したい気持ちはあるけどさ」チャリン

杏子「そういうもんか……」チャリン

杏子「機体何にすっかなー……」

あゆむ「……何隣に座ってんだよ」

杏子「空いてたからだけど?」

あゆむ「っ!」

杏子(なんで舌打ちされたんだ……)シャアダ、サザビーデデル

あゆむ「……」イマダマケヲシラヌハ、コノワシ!トウホウフハイヨ!


ウイングゼロ(TV)1WIN       サザビー

                 VS  

リボーンズガンダム 3WIN       マスターガンダム


杏子「 」

あゆむ「……」アタマイタイ……

杏子(ガチ機の温床かよ……)

杏子「ど……どうする?」

あゆむ「クソリボ狩り殺してくるからゼロ行け」

杏子「ライン戦で踏ん張れば……」

あゆむ「マスターでお前と連携なんか取れねえよ、死ね」

杏子「そこまで言うなよな」

あゆむ「三方向からビーム飛んでくる戦場なんて嫌だよふざけんな」

杏子「だったら逆にしようぜ、リボマスなんて詰み将棋のお手本じゃんか」

あゆむ「リボ狩れないマスターはガチに出さない、つーか対ゼロなんて勝負にすらならないから」

杏子「あーそーかいそーかい、じゃあ絶対食い殺せよ!」

あゆむ「キャノン二発見たらゼロにハエ飛ばしてリボ行く」

杏子「ははっ!落ち前に精々半分も削れば上場だな」

あゆむ「ああ敵のコストを半分ね、楽勝」


(この二人仲悪いなぁ……)(味方同士で開幕から煽りあい宇宙ですか……)



ゼロの人「くくく……CSメイン横格で揺さぶったあとCSメイン押し付けで取って前格で打ち上げてもう一発メインを当ててやる……そしたらごひのモノマネで煽りまくってやるぜ!」

リボの人(かかって来いよマスターガンダム少女……ガガを出して食らわしてやるぜぇ……そんで起き攻めエグナーで電撃拘束プレイだぜぇ……ああ、モビルトレース実装してあっちの子に実際に感電プレイしたいぜぇ……)


~~


杏子「相手を選ぶんだったね」

あゆむ「ゴミ屑かあいつら」

ゼロの人「  」

リボの人「  」


「ヒソヒソ」「マスニカラレルボンズリ…ニワカオツデスワー」「ゼロッテタイマンサイキョウジャナインデスカネ?」


ゼロの人「ざけんなよ相方ぁっ!!マスに狩られるとかマジ地雷あったまるわー!!」

リボの人「つーかちゃんとサザビー見とけよ、マスと殴り合ってるとき余裕で着地にゲロビ貰ったんですけど?」


あゆむ「相方ねーわ、ゼロシスで抜かれるサザとかマジいらねぇ」

杏子「はあ?ちゃんと覚醒リボンズの着地に照射刺して逃げ道作ってやったじゃんか」

あゆむ「あのせいで確定逃がして覚落ち取れなかったんだけど」

杏子「誰がタゲ集めてそのワンチャン作ったと思ってんだよ」

あゆむ「勝手に殴られてただけじゃねえか、死ね」

「なんで勝った方も喧嘩してるんだ……」

あゆ杏「「あんなの相手が雑魚だから勝てただけだっつーの」」

「なんだ仲良しか」


ガターン!


杏子「ん?なんの音だ?」

あゆむ「台の向こう側から聞こえたな」


ゼロの人「ムセテンナヨッ!!」

リボの人「ナヴェンジャネェ“ゾ!!」


杏子「あれ何語?」

あゆむ「オイヨイヨ?」

杏子「オンドゥル?」

あゆむ「ヒゲヨッサンドッコイセ」

杏子「ナズゥェミティルンディス」

(レベル高いぞこの二人……)


ゼロの人「ああコラ?おいコラ?」

リボの人「かかって来いやオラッ!」

杏子「お、敵になったな」

あゆむ「相方のスモーが見えてる地雷」

ゼロの人「なめんなよこらぁ!!」

リボの人「上等だゴルァ!!」

あゆむ「……」ハァ

杏子「いぇい!」

あゆむ「ちっ」


QB「杏子」

杏子「あたしのサザビーにマスター如きで触れようなんて百年早いんだよ!」

あゆむ「こっちの相方のおかげで勝ったようなもんじゃねえか」

QB「杏子!」

杏子「そこまで含めて実力さ!」

あゆむ「はいはい」

QB「杏子!魔女だよ魔女!魔ー女!」

杏子『あっそ』

QB「ちょ……」

ゼロの人「死ねオラ!死ねオラ!」

リボの人「やってみろオラ!オラ!」

「なんて大人げない煽りあいなんだ……」

QB「目の前に口づけを受けて醜い喧嘩をしている情けない大人が居るじゃないか!それを見てるのに君は何もしないのかい?」

杏子『へえ……へんな口づけもあるもんだな』

QB「キュップイ!キュップイ!」ベシベシ

杏子『はいはい、行くよ行くよ、行きますよ』


杏子「よし、あんたを漢娘と見込んで頼みがある」

あゆむ「殺すぞお前」

杏子「あたしのサザビーとカード戦績はあんたに預けた」ガタ

あゆむ「は?え?」

杏子「すぐに戻るって!とっておきのパインケーキ、作っとけよな」タッタッタ

あゆむ「っておい……」

あゆむ「……あたしアチャキャン出来ないんだけどな」


~魔女の結界~


杏子「全くさ……」

QB「趣の魔女、その性質は」

杏子「見つけた!人がせっかく連勝して気分良くなってるところ邪魔してくれちゃってさ」ビュンビュン

QB「杏子、その魔女は……」

趣の魔女「分♪粉♪雰♪」

杏子「空気読めよな――お前ッ!!」ジャキッ

QB「やれやれ、僕はちゃんとアドバイスをするつもりだったんだが、聞き入れてもらえないのなら仕方ない」

QB「やられてしまわないことをいのりつつ見守るとするよ」


>>206>>207>>208

コメントありがとうございます!

仕事が忙しくて魔女る……

>>1
あゆあゆが基本的に旧い確執の無いはずのあんこ相手にアレな理由がよくわかんないな


杏子さん その魔女はマズい マズいでぇ・・・

ほむとあゆの見せ場は今回はなさそうね

>>238
体育祭の段階で杏子はあゆむの名前に聞き覚えがあるみたいな伏線なかったっけ?

あゆむの見た目(髪型がショート→セミロング)と性格がここ数年で大分変ったってさやかが言ってたから当時の杏子が男と思ってるだけであゆむの方は鮮烈に覚えてるのかもしれないよ

「あゆむ」って確かに男っぽい名前だし

>>241 体育祭の段階で杏子はあゆむの名前に聞き覚えがあるみたいな伏線なかったっけ?
読み直したらそれっぽいのあったね
どう絡んでくるのやら

おはようございます

再開します


杏子「行くぜ!」ダッ

シズル「刃葉ッ!」


杏子の槍が魔女を捉え、真っ二つに引き裂く

同時に結界が姿を消しグリーフシードが現れた


杏子「は?ちょっと弱すぎない?」


あまりのあっけなさに流石に少々拍子抜けしたが、あくまで気は抜かない

結界が途中で切り替わるタイプの魔女と杏子はすでに一度戦っている

このたった一度の差は大きい


シズル「鵜母覇ッ!!」ズア

杏子「よっと!やっぱりだまし討ちか、コンニャロ!」ヒョイ


趣の魔女が仕掛ける蔓の鞭を杏子は悉く躱し徐々に間合いを詰めていく


杏子「じゃあね、コイツを使うのはあんたが久しぶりだよ」バラァ


再び間合いを詰めた杏子の槍が割れ、小さな8つの棍へと姿を変えた


杏子「行くよ」ダッ


全ての棍から刃が生え、小さな槍へとその姿を変える


杏子「スピード勝負だ!」


現れた8つの小さな槍を魔女の体目がけ、両手で滅茶苦茶に差し込んだ

杏子の武器に元々備わる機能だが、鉄砕鞭の方が便利なのと最近は連携して戦うことが多いのとで使うことが無くなってしまった杏子の接近戦用の隠し玉『差込釘』


シズル「愚……下気外……!」ドロォ

杏子「たまに使ってみたけど恐ろしく使いづらいよなこれ……っても投げるんだったら槍の方が強いし、そんな至近距離の殴り合いなんてしないし……」

QB「杏子!まだだ!」

杏子「は?」クル


魔女の血が触手のような挙動で杏子の手足を捉えると、瞬時にその組成を組み替えて強力な酸性の液体と化した


杏子「な」


杏子が魔女に捕まったのを認識するよりも先に手足が胴体から外れ、無抵抗となった杏子に魔女が喰らわんと襲い掛かる


シズル「非碑火!!」グワァ

杏子「あ……死んだじゃんこれ……」

シズル「亜霧!!」バチン

杏子「」ボン

シズル「爬?」

杏子「なんてね!」ヒュオ

シズル「柄……」


次は魔女が驚く番だった

食べたはずの相手は霧散し、残った魔力の残り香と目の前で槍を構えている姿がさっきまでの相手が分身であったことを物語っていた

杏子「さようなら!」ズバァ

シズル「具阿唖啞……!」


あわれ魔女は今度こそ完全に息の根を止められ、グリーフシードへとその姿を変え


杏子「楽勝ッ!」パシ


杏子は勝利の証たるグリーフシードを手に入れ満足そうな顔でゲームセンターへと走り去っていく



~少し離れたビルの上~


沙々「……ふ~ん?」ジー

沙々「あれが『見滝原の三銃士』佐倉 杏子?」

沙々「あの強さでナンバー2ってのも巴 マミを見た後だと納得ですねぇ……」

沙々「ま、いっか!早いとこ『あいつ』に洗脳かけ直して立ち去るとしましょう」ツイッ プルルル

沙々「もしもしぃ♪」

沙々「ええ、今から佐倉 杏子がゲームセンターに戻ります」

沙々「ええ……そう、ごく自然な形で彼女を連れてきて……そうそう」

沙々「出来ますよね?」

沙々「くふふっ!大丈夫、一瞬接触出来ればいいんです」

沙々「ええ、じゃあ後で」ツイッ

沙々(一応、鹿目 まどかの顔を近くで見ておきたいですからね)



~ゲームセンター~


あゆむ「……」

杏子「たっだいま~っと!」

かえだ「よう佐倉!」

ゆうか「ちょりーっす」

杏子「あんたらだれ」

かえで「なんやとこら!」

ゆうか「見中3年2組の夏希 ゆうかでーす」

杏子「1組の佐倉 杏子でーす」

かえで「なんでうちが空気読めてないみたいな流れになるん?」

まどか「あれ杏子ちゃんだ、何やってるの?」

ほむら「いくら風邪が軽いからって出歩いてゲーセンって……」

仁美「サボりはいけませんわ」クスクス

杏子「ちょっと待てよ!まだ2時だぜ?あんたら学校は?」

ほむら「今日から三面で4時間授業よ?」

杏子「忘れてた……」


ほむら「……というわけで今日はさやかが三面で」

まどか「杏子ちゃんがお休みだったから練習は無しになっちゃったんだ……」

仁美「私も今日は時間に余裕がありましたのでご一緒させていただいています」

杏子「へ~……あ、そうだ!サザビーサンキューなあゆ!ほれ、食うかい?」っ(ピーチパイ

あゆむ「いらない」

杏子「固い事言うなって、ほれほれ!」

あゆむ「いらないから、死ね」

杏子「なんだよ……じゃあ何が欲しいんだよ……」モグモグ

あゆむ「何もいらない」

杏子「ツンデレならぬツンドラかよ……」

ほむら「え?」

杏子「疲れるから反応しないでくれ」

かえで「分かるやろ……いつもみんなに冷たくあしらわれるうちの気持ちが」

杏子「分かんね」


かえで「みんなごっつ冷たいでぇ……ま、そんなことよりユビートやらへん?」

杏子「ユビ?別に良いぜ」

かえで「見中はユビガチ勢少ないしの!たまに会うとやりたくなるんがさがっちゅうもんや!」

杏子「DDR勢に至っては一人もいないんだぜ……」

かえで「葉月はどないする?」

あゆむ「さあ」

かえで「そういやたまには葉月の二兆拳銃みたいなぁ……って夏希がゆうとったわ!」

ゆうか「そこであたしなの!?」

ほむら「あら?ガンシューが得意なの?」

まどか(ほむらちゃんのやる気スイッチが入った)

あゆむ「まあまあね」

ほむら「じゃあやりましょう?私も得意なの」

あゆむ「うん、良いよ」

ゆうか「私は音ゲーについてこっと!」スタスタ

仁美「あら?電話……ちょっと失礼、外で電話してきますわ」プルルル

まどか「じゃあ私はほむらちゃんについてこっと!」トトト



~タイムクライシス~


ほむら「……どうせなら何か賭ける?」カチャ

あゆむ「へえ、強気だな……別に良いけど?」チャ

ほむら「そうね、スコアの低い方が今度ラーメン奢り」

あゆむ「良いよ、けどこの前みたいな味の薄いやつは無しだぜ」

ほむら(あれ杏子から教わった美味しいところだったんだけど……)

まどか(いつ二人でラーメン食べに行ったんだろう?)

ほむら「あれ?貴女左利きだったかしら?」

あゆむ「はあ?お前が右に居るから左手でやってるだけ」

ほむら「嘘?両効きなの?」

あゆむ「今更?」

ほむら(まあ私も銃なら両効きだけど……)


バンバン! ガガガガ! ボーン!


まどか(二人とも滅茶苦茶うまいよぅ……!)



沙々(見ーっけ♪)トトト



ドン!


まどか「きゃッ!いたた……」


バラァッ! 


沙々「あ……ごめんなさい!」

ほむら「まどか!大丈夫?」

あゆむ「貰い!」ダダダダ

ほむら「ちょ」

まどか「私は大丈夫だよほむらちゃん!だから気にしないで?」パンパン

ほむら「ええ……」

沙々「ごめんなさい!ごめんなさい!」アタフタ

まどか「私の方こそごめんね、よく見てなかったから……怪我は無い?」ガサゴソ

沙々「だ、大丈夫ですぅ……でも貴女のカバンの中身が……」アワアワ

まどか「あっははは……口開けっ放しだったから……昔からの悪い癖なんだ、これ」ヒョイヒョイ

沙々「あわわすいません!」ヒョイヒョイ


沙々(クソが!身長低いからって年下に見やがってぇ……)ギリギリ

沙々(まあ年下なんですけど☆)


まどか「拾ってくれてありがとう!もう大丈夫だよ!」

沙々「本当にすいませんでした!」ペコペコ

まどか「うん、今度は気を付けてね」

沙々「はい!失礼しますぅ!」トトトト

まどか「ちょっとあわてん坊さんだったけど悪い子じゃなかったかな」

あゆむ「こいつで終わり!」ダン!

ほむら「う……負けた……」

あゆむ(途中のあれが無かったら負けてたけどな……)

まどか「ご、ごめんねほむらちゃん……」

ほむら「ううん、ゲームについては油断した私が悪いわ……まどかも事故だったししょうがないよ……」


沙々(やっぱ洗脳はかけれないか……まああんなトロそうななりで私より優秀ってことはないでしょうからねぇ)

沙々(んで、あいつが『史上最弱』の暁美 ほむらですよねぇ……なんでも魔法が『収納』しかないんだとか♪)

沙々(当然洗脳は効きませんでしたっと)


沙々(さて……やることもやったし長居は無用ですね)タタタ

さやか「うわ!危ないなあもう!」ドン

沙々「いってェ……てめえが避けろよノッポ!」

さやか「な……なんですってぇ!!」

沙々(美樹さやかか!めんどくせぇ!)

仁美「さやかさん、何を荒ぶってらっしゃるんですか?」スタスタ

さやか「何って……ちょっとこのガキが……」

さやか「っていないし!?」

仁美「とにかく皆待ってますわ、早く参りましょう?」

さやか「う~もやもやする~!」

仁美「まあまあ、みんなでプリクラを撮りましょう?」

さやか「むむむぅ……今度会ったらぶっとばしてやる!!」

>>238>>239>>241>>242

コメントありがとうございます!

>>240

なぎさ「あゆむは大爆走枠なのでちゃんと出番を貰えるのです!」

なぎさ「FF9で言うなら永遠の闇ポジって聞いたのです」

なぎさ「むしろ割を喰うのはさやかとおりきりなのです……」

ガンシューあるある

照準狂ってる

こんばんは

再開します


~巴家~


杏子「たーだいまー!」

マミ「お帰りなさい、もう体調は平気なの?」カチャカチャ

杏子「だからもともと悪くないっての……まあいい気分転換になったよ、魔女も一匹狩れたし」

杏子(さやかにどやされたけど……)

マミ「そう?」シャカシャカ

杏子「あれ?ゆまは?」

マミ「織莉子が映画に連れて行ったわ」トポトポ

杏子「ふーん」

マミ「そういえば明日三者面談なのよね……はい、お茶」

杏子「ああ、そういやそうだったな」ゴクゴク

マミ「進路は見滝原高校で良い?」

杏子「……いや、定時に行くよ」

マミ「あら?なんで?」

杏子「この先、さやかもほむらも高校生になったら魔女を狩りにいく時間なんか取れなくなって来るだうろしな」

杏子「誰かがグリーフシードを稼がないとなんないじゃん?」


マミ「皆で協力すればなんてことないわよ」

杏子「勉強だって忙しくなるし、マミみたいにバイトしたり、織莉子やキリカみたいに部活を始めたらそれどころじゃなくなるって」

杏子「疲れてるのに無理に夜中行くってのもしんどいだろ?」

マミ「でも……」

杏子「さやかやほむらに『魔法少女だから』なんて理由でやりたいことを諦めてほしくないんだよ……勿論アンタも、ゆまも」

マミ「……」

杏子「昼間は働くよ、家に金も入れるし……んで夕方頃学校に行ってついでに魔女も狩る」

マミ「お金には困ってないし、それに……」

杏子「食わせて貰いっぱなしじゃ悪いし……まあそもそも勉強ってのが性に合わないんだよ」

杏子「さっさと自立出来るだけの稼ぎを持てるようになりたいし、そしたらちゃんと恩も返すし」

マミ「……寂しい事言わないで」

杏子「そういう意味じゃ無い。大学はゆっくりさせてやるって事……学校の先生になりたいんだろ?」

マミ「ちゃんと自分のやりたいことをやるべきよ」

杏子「そっくり返すよ、その言葉」


マミ「…………」
杏子「それとゆまを一人で魔女を狩れるくらいに鍛えてやらなきゃ……その時間も必要だしな」

マミ「そうね……」

杏子「さやかはもう独り立ち出来る、ほむらは戦わなくてもワルピーのグリーフシードで賄える、織莉子もキリカも十二分に強い……となると、やっぱりゆまにも独り立ちできるだけの力をつけさせて、その上で」

マミ「本当に貴女はそれで良いの?」

杏子「……まあ何?その代りっちゃなんだけどさ、皆がある程度落ち着いてきたらあたしにも大学とか行かしてよ……その時は全力で遊び呆けるからさ!」

マミ「うん……分かった、約束する!」

杏子「あ……でもその時の教授がマミなんてのは勘弁だな……」

マミ「ふふっ!それも素敵ね、たっぷりと教えてあげる!」

ゆま「ただいまー!」ガチャ

マミ「ちょうどいいタイミングね」

杏子(織莉子の予知絶対に弱ってないだろ)


マミ「お帰り!映画は何を見てきたの?」

ゆま「新編 ピュエラマギ・ホーリークインテット~反逆の物語~」

ゆま「なんかね!前作で不遇の退場を遂げた二人が」パァァ

マミ「待って!言わないで!」

ゆま「な、なんで?」

マミ「私、その映画とっても楽しみにしているのよ!衝撃の結末だって言うからネタバレを聞きたくないの!」

ゆま「あ、うん……分かった……」ショボン

杏子(あたしは別に興味ないし、後で話だけ聞いてやるか……)

マミ「そうそう!晩御飯、何にする?」

杏子「中華が食べたいな、思いっきり味の濃いやつ!」

ゆま「私も!」

マミ「オッケー!美味しい麻婆を作るわよ!」

QB「僕の分は……」

マミ「あら?あなたごはん必要なの?」

QB「キュップイ……」

マミ「冗談!ちゃんと作るわ、省エネの為だもんね」

QB「キュップイ!」

ゆま(こうやって人を騙すのかぁ……)


~???~


杏子父「世の中には、絶望が溢れています!呪いや憎悪が人の心を蝕みます!……ですが決してそれに屈してはなりません!」

杏子父「私たちは、絶望に打ち勝たなければならない!希望の力によって!!」

信者「おお……素晴らしいお言葉だ……!」

信者「言葉で人を導き、希望を与え、戦い続ける……これこそガンダムだ……」

信者「だから、人の心の光を見せなけりゃならないんだ……」

信者「俺たちは……分かりあうことが出来た……」


QB「大盛況だね」

杏子『凄い!みんなが父さんの話を聞いてくれてる!』

杏子『前からの信者の人達だけじゃない!噂を聞きつけて信者になってくれた人たちもいる!』

QB「そうかい、魔法少女になってよかっただろ?」

杏子『うん!ありがとうキュウベぇッ!』

QB「キュップイ!」


老婆「いつも素敵な話をありがとうねぇ!」

杏子父「皆様が支えて下さるからこそです!」

老人「これ、うちの畑で採れた野菜です……来週の昼食会で使って下さい」

杏子「ありがとうございます!」

信者「うちの娘も楽しみにしています!」ギュ

杏子父「ぜひ、また友達を連れていらしてください!」

信者「ほら、ちゃんとあいさつして?」

娘「さよーなら!」ペコ

杏子父「またいつでもおいで、ゆきなちゃん!」フリフリ

モモ「やった!サツマイモがもらえたよお姉ちゃん!」

杏子「ダーメ、これは来週の昼食会のためにとっとくの!」

モモ「むー!たーべたーい!」

杏子「しょうがないなぁ……あとでスーパー行くとき、一緒に焼き芋屋さんを探そう?」

モモ「うん!」


~見中 教室 3時間目~

杏子「ふふふ!……zzz」ニヘラニヘラ

和子「……フフフフフ」トントントン

さやか『杏子ッ!杏子ーッ!』

まどか(あわわわわ……)

ほむら(やっぱり昨日調子に乗って遊びに行ってたのが不味かったんじゃ……)

杏子「待ってよおじちゃん……母さん用に大きいやつもう一個……zzz」

仁美(焼き芋食べたくなってきましたわ……)

>>268
あるある

大体昇順狂ってる方に慣れてほかのゲーセンだとスコア伸びない

あとは斜めだと修正できるけど縦にぶれてると上手く修正できないとか

寝言のせいで家族構成(旧)がクラスメイトにばれて
妹について聞かれて濁るところまで見えた

>>283
照準調整してもどうにもならないレベルの狂いが出ても放置されてるのは本当に腹が立つ!
遠距離の敵をよく狙って撃たせるお約束のシーンで悪態を付かずに済むのは珍しいとかなんとか

こんばんは

再開します



~放課後 H・R前~


杏子「はあ……このあと三面と思うと気が重いなぁ……」

さやか「自爆でしょうに……」

まどか「すごく楽しい夢を見てたんだね」

杏子「夢の中身なんていちいち覚えてないけどな」

ほむら「悪夢の時だけは大体覚えてるものなのにね……」

まどか「夢って毎日見てるんだけど覚えてないだけなんだって」

さやか「ほぇ~、そういうものなんだ……あ、そういえば二人とも来週の土曜日空けてあるよね?」

ほむら「当然よ」

杏子「そういやさやかの誕生日会だったな」

ほむら「へ?まどかじゃないの?」

杏子「ん?さやかだろ?」

さやか「ほむら……」

まどか「杏子ちゃん……」

ほむ杏「「え?」」



~家庭科室 (三面待機室)~


マミ「あらあら、杏子ったら」クスクス

杏子「普通予想しねえって!誕生日3日しか違わないってんだぜ?」

マミ「あの二人の出会いの話って聞いてなかったけど……なるほど、生まれた病室が一緒じゃ出会いも何もないわね」

杏子「しっかしもう10月かー……」

「アノヒトダレ?」「サクラサンノオカアサンデショ?」「チョウナイスバデー」中沢「流石は佐倉さんの母君だ、十二分にふつくしい……」

あゆむ(なわけねえだろ)


杏子「……一応聞くんだけどさ、なんでそんな厚化粧でばばぁ臭い格好してるわけ?そのサングラスとか超恥ずかしいんだけど」

マミ「だって私の顔って早乙女先生は知ってるわけだし……」

杏子「予め言っといてくれれば魔法で誤魔化したっつーの……」

「ワカイヨネー」「ビジン」「スゲー」「オトウサンモミテミタカッタ」

杏子(逆に注目されてて超恥ずかしい……)



~同時刻 音楽室~


織莉子「さあ、今日は楽しく指揮者の心得を学んでいきましょう!」

まどか「よ、よろしくお願いします」

さやか(このテンションに置いて行かれる……)

ほむら(泣かせたら殺す)

織莉子「まず指揮者は『感じる事』『喋ること』が大事です」

まどか「はい」

織莉子「つまりは貴女が曲を感じて、その感覚をみんなに伝える事」

まどか「感じて、伝える事……」

織莉子「と、言うわけで今日は詩の読み聞かせから始めてみましょう」

まどか「分かりま……え?」

さやか(ああ、だからあたし達呼ばれたのか)

まどか「二人に……ですか?」

織莉子「さあ、取り敢えず一番から」

まどか「あ……えと……あの」マドマド

ほむら「……」ワクワク

まどか(なんか凄く楽しみにしてる人が……)

さやか『笑わないように我慢するから頑張れ!』

まどか(酷い!)

まどか「もう……すうー……はあー……」キリッ


まどか「拝啓、この手紙 読んでいるあなたは」カアア

まどか(思ってたより恥ずかしい……///)

まどか「15の僕には誰にも話せない 悩みの種があるのです」

まどか「未来の自分に宛てて書く手紙なら きっと素直に打ち明けられるだろう」

さやか「……」

まどか「今、負けそうで、泣きそうで、消えてしまいそうな僕は 誰の言葉を信じ、歩けばいいの?」

ほむら「……」

まどか「一つしかないこの胸が何度もバラバラに割れて」

まどか「苦しい中で、今を生きている……」

さやか(BGMが無いとこんなに重いんだ……)

ほむら(胸の中にずっしりと重りを載せられたみたい……)

まどか「あの……取り敢えず一番が終わりました」

織莉子「いい感じに空気が重くなったわね」

さやか「ああ濁る……」

ほむら「……」


織莉子「未来の自分に宛てて手紙を書くとき、何が大事ですか?」

さやか「え?……素直に書くこと?」

織莉子「もっと大事なこと」

ほむら「えっと……」

まどか「大人になった自分を想像すること……です」

織莉子「そう、例えば10年後……25歳の貴女達ってどんな人?いえ、どう在りたいの?」

さやか「どうって……普通に学校を卒業して普通に仕事して普通に恋とかしてたいですけど……」

織莉子「普通って何?」

さやか「え?」

織莉子「普通の仕事って何?オフィスのOL?ホテルのウェイター?軍人?アニメの声優?フリーター?医者?」

さやか「……」

織莉子「そのどれもが『普通』で『当たり前』の人間がやる仕事でしょう?」

さやか「そんなの意地悪ですよ、まだ考えた事無いですって」

織莉子「たとえば宇宙飛行士になりたいとして、見滝原高校でその夢が叶うと思う?」

さやか「極端すぎますって……」

織莉子「甲子園へ行きたい人間が見滝原高校に行く?」

さやか「……」

織莉子「やりたい事、出来る事、出来ない事……やらなきゃいけない事、今だからこそ本当に考えなきゃいけない事よ」

さやか「……」

ほむら「……」

まどか(詩の通りだ、これからの事を考えるだけで胸が張り裂けそうになる……)

まどか(いつも一緒に居たいなんて事……言ってられなくなって来てるんだね……)

まどか(さやかちゃんとは物心つく前から一緒だったし……居ない事なんて想像したくない……な……)


織莉子「さ、たっぷりとテイスティングしたところで二番に移りましょうか」

まどか「はい……」

まどか(でも……私……)

まどか「拝啓 ありがとう 15のあなたに伝えたいことがあるのです」

まどか「自分とは何で、どこへ向かうべきか 問い続ければ見えてくる」

織莉子「……」

まどか「荒れた青春の海は厳しいけれど、明日の岸辺へと夢の船よ進め」

まどか「今、負けないで 泣かないで 消えてしまいそうな時は」

まどか「自分の声を信じ歩けばいいの」

まどか「大人の僕も傷ついて、眠れない夜はあるけど」

まどか「苦しい中で今を生きている」

織莉子「はいOK」パン

織莉子「これは分かりやすいでしょう?過去の自分に言葉を贈ることだから」


織莉子「10年前の悩みって何?」

さやか(お父さんもお母さんも仕事ばっかで全然構ってくれなくて……でも)

織莉子「5年前でもいい」

まどか(タツヤが生まれた頃だ……)

織莉子「何だったら1年前」

ほむら(自分が嫌いでどうしようもなかったわね……)

織莉子「不完全燃焼のまま3番へ」

まどか「人生の全てに意味があるから 恐れずにあなたの夢を育てて」

さやか(信じ続けて……か)

織莉子「英語は省略、サビもカット!」

まどか「拝啓 この手紙、読んでいるあなたが」

まどか「幸せなことを願います」

ほむら「…………やっぱり素敵な詩ね」

まどか「織莉子さん!私……」

織莉子「ここからは貴女のフィール、合唱はみんなで完成させるけどその中心は指揮者」

織莉子「貴女が皆の気持ちを繋げるの、挫けては駄目よ」

まどか「はい!」


織莉子「それと、これは直感だけど」ピッ

ほむら「……」

織莉子「この曲を挙げたのは貴女でしょ?」

ほむら「はい」

さやか(直……感……?)

織莉子「何か迷ってる?」

ほむら「……別に」

織莉子「私の持論だから聞き流してくれていいわ」

織莉子「『自分』は最後まで『自分』の味方よ」

ほむら「……覚えておきます」

織莉子「さ、今日はここまでにしましょうか」

さやか「あ、はい……お疲れ様でした」

まどか「ありがとうございました」

織莉子「ええ、また明日!」スタスタ


ほむら『ねえ、この後二人でお茶でも行かない?』

さやか「ん?」

ほむら『この会話、まどかには聞こえてない』

さやか『!』


まどか「……どうしたの?」キョトン

ほむら「いえ、なんでもないわ」

ほむら『ごめん……やっぱりなんでもない、忘れて』

さやか『……どうして?』

ほむら『弱気の虫が勝ったから』

さやか『織莉子さんの言ったことが当たってるの?』

ほむら『私たちは魔法少女って話をしたかっただけ』

さやか『……そりゃ勝つね、弱気の虫』

ほむら『やめましょう、この話』

さやか『……うん』

まどか「あ!なんだか二人で秘密の会話してるでしょ?」

ほむら「私にもあゆむみたいなバイタリティが欲しいなって話よ」

まどか「んー……あゆちゃんは何でも出来るからやりたい放題って所あるけどね……」

ほむら「でもそこらの男子よりよっぽど頼りになるし、なんだかんだで気を遣ってくれるところもあるし」

さやか「信じられないくらい口が悪いけどね」

まどか「それは最初からだったね……大分良くなったけど……」

ほむら「……あれで?」

さやか「そ、あれで」

ほむら「教育が必要かしら?」

さやか「頼んだ」ポン

待ってた
鯖停止期間中3回読み直した


ほむら「頼まれるとそれはそれで困るわね……それじゃあ、また明日」ファサァ

まどか「うん!またね!」フリフリ

さやか「……」

まどか「……」

まどか「いつの間にか大分仲良くなってるんだよね、二人とも」

さやか「でもほむらにも必要だったはずだよ……『魔法少女』に関係無い、普通の友達」

さやか「それがどれだけの救いになるかなんて、マミさんのそばに居たのに……あたしは気が付けなかったから……」

さやか「あたしたちがそのままでいてやれれば……それが一番ほむらの理想に近かったはずだよ」

まどか「うん……」

さやか「魔法少女同士じゃ、どうしたって出来ない事……あるから」

まどか「…………あ!あのね!HKだけどね!」

さやか「へ?うん」

まどか「さやかちゃんは……」

さやか「……何?」

まどか「あゆちゃんと仲直り……しないのかなって」

さやか「……」

まどか「手紙の詩を朗読してる時ね、皆ならどんなふうに感じるか考えてみたの」

さやか「そっか……」

まどか「やっぱり、小学生からの友達同士が仲悪いなんて嫌だな……」

さやか「……」

まどか「仁美ちゃんのことを応援できるならあゆちゃんだって……」

さやか「いくらまどかでもその話は勘弁してよ……あっという間に濁りそう」

まどか「……ごめん」

さやか「ま、その内ね」



~数日後の放課後~


~~♪

杏子「ん、どうだ?」

織莉子「グーです!」グッ

さやか「なんだかんだでもう完奏できるようになっちゃったね~」

杏子「先輩の教えが良いからな」

織莉子「調子の良い事言っちゃって」ペチン

杏子「それにしても今日はあの二人が三面なんだな」

さやか「どうにも早乙女先生はこのあと詢子さんに連れられてたっぷりと飲みに付き合わされるらしいことをお母さんから聞いたけど……」

杏子「大変だな、うちの先生も」


~やはり数日後 鹿目家~


杏子「……と、いうわけで今日がさやかと姫様の誕生日会なんだが」ジー

ゆま「眺めてないで早くぅ……」

杏子「いや、あいつの家って始めて来たが……デカいなおい」

ゆま「織莉子お姉ちゃん家よりは小さいけど……」

杏子「一般家庭としては全然でかいよな……?」

ゆま「うん……いや、うちも大きいけど……」

杏子「とりあえず行くか……」ピンポーン

インターホン「はいはーい?」

杏子「ん?さやかか?」

インターホン「大正解でーす!今開けるねー!」

ゆま(ここ誰の家だっけ……)

HKイズ何?


杏ゆま「「お邪魔しまーす!」」

さやか「いらっしゃいいらっしゃい!さあさ、くつろいで!」

ゆま「さやかお姉ちゃんに案内されるとは思ってなかった……」

さやか「詢子さんとまどかは二人で買い物に行っちゃったからね!今は知久さんとタッ君とあたししかいないわけでして」

知久「いっらしゃい!……赤髪……ってことは君が杏子ちゃんと妹のゆまちゃんかな?」

杏子「はい、よろしくお願いします」

ゆま「お願いしまーす!」

知久「今日は来てくれてありがとう!まどかの父です、こちらこそよろしくね」

杏子『おお……噂に聞く通りのイケメンだな』

ゆま『背も高くてかっこいいね!』

さやか『でしょでしょ!』

杏子『こっから生まれて来るのがあのポヤーッとしてるチビなんだから世の中って分かんないよな……』

さやか『いやいや超優しいから!もうまどかが生まれてくるの全然納得しちゃうよ?』

知久「ちょっと待っててね、今お茶を出すから」スタスタ

杏子のiphone<ホラ ダレカガイマヨブコエガスル

杏子「ほむら?なんだろ」ツイ


ほむら『杏子?』

杏子「おうどうした」

ほむら『今日は巴さんってどうしてる?』

杏子「ん?この時間はバイトだろ?」

ほむら『織莉子さんと呉さんは?』

杏子「部活で遠征とか言ってなかったか?」

ほむら『そっちに魔法少女って誰が居る?』

杏子「さやかとゆまとあたしだけど……」

さやか「どしたの?」

杏子「さあ?」

ほむら『……なら、今私を尾行している魔法少女は敵で良いのね』

杏子「なッ!……おい!」

ほむら『貴女の教会のそばを使わせてもらうわ……遅刻するかもってみんなに言っておいて』

杏子「待ってろ!すぐ行く」ガタ

さやか「ちょっと!どうしたの?」

ほむら『駄目ね、気づかれた……』ボゴォォン!!

ほむら『相手は二人……十分時間を頂戴、それじゃ』

杏子「おい!」

ほむら『ちゃお』ツー ツー 



杏子「クッソ!!」バシュン

さやか「ちょっと杏子!?」

ゆま「どうしたの!?」

杏子「来るな!ほむらが狙われた、相手は魔法少女だ!」ガララ

さやか「だったら……あたしも!」バサァ

杏子「実戦なんて未経験だろうが!来るな!」

さやか「……」ジャキ

杏子「!?」

さやか「どうしても嫌ならここで止めて行きなよ……でないと勝手について行くから」

杏子「……」

さやか「何かあってからじゃ嫌だよ……絶対に」

さやか「あたしが欲しかったのは『みんなを守る力』だ!」

さやか「そこにはちゃんと杏子もほむらも入ってる――だから!」

杏子「……」

ゆま「もし一人で行くって言ったら私もさやかお姉ちゃんの味方するからね!」

杏子「はあ……ったく!二人そろってナマこくようになりやがって」ポリポリ

杏子「実戦は怖いぜ?ちびんなよ?」

さやか「皆最初は初めてだよ……うん、そういうもんだ!」

杏子「ゆま、悪いんだけど適当に誤魔化しといてくれ」

ゆま「うん!ほむらお姉ちゃんを迎えに行ったことにしておくよ」

杏子「違いないな、嘘は付いてない」

さやか「確かに……」

杏子「うし、行くぞ!」バッ

さやか「OK!」ダッ

~~

詢子「あれ?今何か人影のようなものがうちから飛んで行ったような……」

まどか「ききき気のせいじゃないかなぁ!?」

詢子「そりゃそうだ!人が空飛ぶなんてねえよなぁ、ははは!」

まどか(今の完全に杏子ちゃんとさやかちゃんだったよね……?)


>杏子「実戦は怖いぜ?ちびんなよ?」
本当に怖いのは実戦じゃなくて…ってあれか
ほむほむのアレっぷりに期待せずにいられない

>>284
そんなにベタな展開はありません、ごめんなさい斜め下を突っ走ります

ちなみに反逆の物語が私の予想通り過ぎたので当SSのプロットには影響しませんでした、なので当初の予定通りに突っ走ります


ガンシューあるある

ゴルゴのスナイプゲーで僅かでも下に照準狂ってると詰み
あれでハイヒール撃ちぬくのとか無理ゲー……

>>306

わざわざありがとうございます!

>>311
HK=話、変わるけど

え……?もしかしてGG?

なぎさ「こんばんはなのです!」

なぎさ「再開するのです!」



~お化けの森 (杏子の教会近くの森)~


普段は人の気配も感じられないほど静かな森、その中を駆け抜ける人影が三つあった


ほむら(素人やルーキーの類ではない……かといってベテランって程でも無いか……)


木々の枝の上をまるでくノ一のごとく駆け回るほむらと、それを追う二人の魔法少女

片方は白い装束に身を包み薙刀を構えた少女

もう片方は黒い装束に清龍刀をもった少女

ほむらにとってはどちらも顔馴染みのない魔法少女で、どこから情報を仕入れてのかほむらが弱いと分かった上でカツアゲしに来たらしい


白い魔法少女「暁美ほむら……痛いの嫌でしょ?大人しくグリーフシード置いていったら?」

黒い魔法少女「別にあんたに恨みがあるわけじゃないんだから!悪い話じゃないよ!」

ほむら(面倒ね……)


盤面上の戦力は質、量ともに圧倒的不利

普通の市街地ならばとっくに片がついていたかもしれない

しかしこの森は人為的に複数の霊脈が設置され、いつでも人避け・接近感知の結界が展開出来る

ほむらがここを戦場に選んだ理由である

支援


もっとも、それは一般人を巻き込まないためなどという思いやりにあふれた理由ではなく


ほむら「さて……」スチャ


得物のゴルフクラブを両手に構え背後の二人を見やる

……つまり、ほむらの武器は一般人から見ても分かり易いほど殺傷力が高いのである

それでもほむらが魔法少女界隈で最も弱いと、かのウサギに言わせるだけの根拠はある

まず魔法少女同士の戦闘と魔女との戦いで大きく違う点が三つ


1つは機動力

木々の間を平然と飛び回るだけの機動力を互いに有していることがすでに人間の戦いの定理から大きく外れている

この高い機動力のおかげで遠距離攻撃を好む魔法少女同士が戦闘に絡むと間違いなく空中戦が発生する

もちろんほむらのステータスは最低辺である

2つめは攻撃手段

銃などの調達もなしに致死威力の飛び道具が飛び交うのは魔法少女同士の常套戦術……だがほむらは……


3つめは、何よりも相手にも知恵があること


回復でも攻撃でも妨害でも、魔女とは違い全力で戦いに役立ててくる

ほむらの魔法は『収納』のみ

ろくな遠距離攻撃魔法も持たず、最低クラスの身体能力と、人間に毛の生えた程度の回復力と

しょーもなすぎる魔力しか残ってないゆえに大した応用魔法も使えないほむらがボケウサギに理論上では最弱などと言われるのは仕方ないことだった


ほむら(時間停止が使えたら楽勝なのに……)


それらを差し引いてもほむらの『収納』は充分すぎる戦略的価値を秘めているのだが


白「落ちろ!」ビュオ

ボゴオン!!

ほむら「!」


白い魔法少女の構えた薙刀からどうやら空気の塊のようなものが発射された


ほむら(シロッコとハマーンに挟まれたクワトロの気分だわ……)


掠めた左肩から血を流しほむらが心の中でぼやいた

黒い魔法少女は地面から走って、白い魔法少女は薙刀再びこっちへ向けている


白「五月雨真空波!」


構えた薙刀から圧縮された空気の塊を連射

木々を駆け回り、鮮やかに躱してのけるほむら

そしてほむらの死角である真下から迫るもう一人の魔法少女


黒「取ったよ!」タン

ほむら「……」

白(反撃すれば真空波に直撃、反撃しなければ切り裂かれるよ?)

黒「そりゃ!」


黒い魔法少女が投げた清龍刀をクラブで弾く


ほむら「な!」グラァ


見た目からは想像もつかないほどの重さを持つそれはほむらの体制を容易く崩し、迫っていた空気玉がほむらの背中に直撃した

空気玉はぶつかると同時に圧縮していた空気を開放し、小さな衝撃波の塊となって対象を襲う

ほむらの背中をずたずたに引き裂いた自身の魔法に酔いしれながら魔法少女は口を開く


白「ほら!大人しくしないから――」

黒「え――?」



切り裂かれたはずの暁美ほむらがその傷を意に介さないかのように体制を反転させ、枝を蹴り飛ばし白い魔法少女へ数回の打撃を見舞い、地に叩き落とす


白「ぐあッ!?」

黒「お姉ちゃん!?」


黒い魔法少女が駆け寄ろうとした目の前でほむらが膝でその頭部に着地し、沈める

無表情のまま現実を理解できていない黒い魔法少女へ向けて両手のクラブを投げつけ


黒「きゃッ!!」ガキン


思いのほか威力のあるそれに怯んだ隙をついて接近、取り出したスタンガンを遠慮なく最大出力で叩き込んだ


黒「あぐ!!」バチィッ!!





杏子「ヒーロー見参!」シュタ

ほむら「あと30秒早く来てくれる?」ファサァ

さやか「最弱ってなんだっけ?」シュタ

ほむら「折角貴女だけに連絡したのに……」

杏子「来るなとは言ったんだけどな」

さやか「いつもルーキーだからって除け者にして……あたしにもちゃんと背負わせなさいよ」

ほむら「まあ好都合と言えば好都合ね、この子達に聞きたい事あるし」

さやか「それもあたしが来た理由の半分だから……」

杏子「どうせちびって泣くんだろ?」

さやか「今日は大丈夫!覚悟決めて来たからね!」

ほむら「どうだか……」ファサ

支援



~~

沙々「あらー……捕まっちゃいまいたよ……」モグモグ

沙々「三銃士二人を前に逆転はちょっと無理そうですし」ビリビリ

沙々「暁美ほむらの情報は十分収集出来ましたし」パク

沙々「余計な情報が漏れる前に洗脳解除っと」パチン

沙々「あの子たちが魔女化したりしたら……その時は、まあドンマイってことで☆」モグモグ

沙々「あとは出来れば美国織莉子の情報が欲しいところですけど」

沙々「あいつに直接仕掛けると感づかれそうなんだよなぁ……」ゴクゴク

沙々「ん~!やっぱりから揚げ君にはスプライトですねぇ!」プハァ!

沙々「前金だけでこんなに貰えるのはちょっと胡散臭かったですけど……」モクモク

沙々「魔法少女七人相手にする危険を考えりゃ、むしろ妥当ですよねぇ……」ケプ


~一方 鹿目家~

ゆま「……と、いうわけでさやかおねえちゃんと杏子はほむらおねえちゃんを助けるべく、シマを荒らしに来た死にたがり野郎をぶっ飛ばしに行きました」

詢子「ぷっはははは!!任侠道かよっ!もうちょっとメルヘンチックな遊びにすりゃいいのに全く……あっははは!」

知久「そうだね……まどかなんかは未だに日曜朝はTVの前で朝から正座だからね」

まどか「ちょ……ちょっとパパぁ!」

ゆま「えぇ~まどかお姉ちゃん……」

まどか「い、いいじゃん!まだアニメ見たい年頃なんだもん!」プイ

ゆま「今度新しいガンダム始まるもんね!」

まどか「うん!とっても楽しみなんだぁ!」

詢子「ガンダムなぁ……変形したあたりでもう見てねえなぁ……映画でなんか戦艦が変形したり歌ったりしてさぁ……」

まどか「ママ、それマクロス」


なぎさ「今回はここまでなのです、お疲れさまでした!」

なぎさ「なお次回は……」

>>318

はい

七人で連携、連絡を密に取り合っててちゃんと訓練も怠らない彼女たちが並みの魔女、魔法少女相手に苦戦する要素はありません……仮にも史上最大の魔女倒してしまっているので

そんなやつらに洗脳して喧嘩売らせた沙々ちゃんェ……って感じです

乙!
ほむほむは悩み過ぎかわいいな
どうでもいいけど書き終わったら出てきた音楽をまとめて欲しいかなって

なぎさ「こんばんは、再開します」


マキブやってきたけどマスターフルクロインパが強過ぎて草生えた

先にフルコン貰った方が有利な対戦ゲーって……

なぎさ「今回は怖い展開が続くので、苦手な方はまどかとゆまがカービイで遊んでる辺りまで飛ばすことをおすすめします」



~教会の地下~


少女「……ん?」

少女「真っ暗……えっと、電気は……」グッ

少女「!?」ギチギチ

少女(え?嘘何で!?動けない!!……しかもわたし裸!?)

少女「お姉ちゃん!!お姉ちゃん!?」ガタガタ

ほむら「あら、起きたのね」

少女「何!?何なの!?」

少女(椅子か何かに座ったまま縛られて目隠しされて……服もブラも靴下もない……なんかおむつみたいのは穿いてるけど……)

ほむら「何かしらね?」

少女(誘拐された!?……こうなった変身して……)グッ


シーン


少女「な、なんで!!?」

ほむら「ソウルジェムのない魔法少女なんて、普通の女の子と何も変わらないわ」

少女「あなたも魔法少女なら!!なんでこんな」


バシン!


少女「いった……!」


疑問を口にしようとした少女の頬を杏子が叩く


杏子「口の聞き方がなってないよねぇ?先に喧嘩吹っかけたのはあんた達だろ?」

少女「知らないわよ!一体何の話?」


言葉の上では反抗的だが、少女はすでに泣きそうだった

そんな悲痛な強がりを聞いたさやかは今すぐここから逃げ出したい衝動に狩られるし『謝れば許す』などという甘い提案をしたくなる

それでもこの少女をこのまま返す訳にはいかない


杏子「あんまり舐めた事言ってると痛い目見るよ?」

少女「ふざけんなッ!キュウベぇ!」

QB「なんだ(ターン

少女「え……?」

ほむら「ああ、状況が分かりにくかった?ボケうさぎを銃で殺した音だったのだけど」フッ

少女「ちょ……ちょっと待ってよ……」


ここに来て少女はようやく状況が「マズイ」ことに気が付いた

全裸で後ろ手に拘束され、足首を椅子の足に括り付けられている上で首に縄をくくられ、俯くことも許されていない段でかなりマズイはずだが……それでも相手が少女である以上殺されることは無い、などの甘い見解が今の一連のやり取りで否定されたのだ

相手は複数の魔法少女、そして魔法少女のパートナーであるキュウベぇを躊躇いなく殺すキチガイ


少女「あ……え……?」


少女の頭は一瞬冷静になり、想像はどんどん嫌な方向へ転がっていく

素肌で感じる空気がしっとりと冷たい事や声が良く反響すること、足の裏で感じる床の質感的にもここはコンクリートで打ちっぱなしの地下室のような場所だと予想し

そして周囲に点在する強力な霊脈は自分を捜してくれているであろう姉に対しての強力なジャミングとして機能することを理解した


少女(あれ……わたし助からないんじゃ?)


この複数人の魔法少女に体を好き勝手された挙句殺されるのでは?

勿論ほむら達からすればほむらにカツアゲに来た経緯を聞くのと自分たちにちょっとした恐怖を憶えてもらうのが第一なので別段殺す道理はないし、つもりもない

しかしそのような事情を知らない少女が最悪の展開を思い描き、そんなものに恐怖するのは当然であったと言える


少女「いや……」

杏子「はあ?」

少女「いやあああああああ!!」ガタガタ


一気にパニックに陥った少女は一般人としては当たり前の反応を示し


杏子「うっさ!」バキィッ

少女「ぎゃ……ッ!」ガタン


杏子の蹴りで椅子ごと倒され、受け身も取れず痛みに悶える


少女「やだ!……いやだぁぁ!!」

ほむら「はぁ……」ググ

少女「いったい……!!嫌だ!わたし何もしてないよぉッ!!」ブルブル


髪を掴まれて無理矢理に立たされ


スパアーンッ!!


少女「ひッ……!」


ほむらが床を馬上鞭で鳴らし脅しをかける


少女の頭は一瞬冷静になり、想像はどんどん嫌な方向へ転がっていく

素肌で感じる空気がしっとりと冷たい事や声が良く反響すること、足の裏で感じる床の質感的にもここはコンクリートで打ちっぱなしの地下室のような場所だと予想し

そして周囲に点在する強力な霊脈は自分を捜してくれているであろう姉に対しての強力なジャミングとして機能することを理解した


少女(あれ……わたし助からないんじゃ?)


この複数人の魔法少女に体を好き勝手された挙句殺されるのでは?

勿論ほむら達からすればほむらにカツアゲに来た経緯を聞くのと自分たちにちょっとした恐怖を憶えてもらうのが第一なので別段殺す道理はないし、つもりもない

しかしそのような事情を知らない少女が最悪の展開を思い描き、そんなものに恐怖するのは当然であったと言える


少女「いや……」

杏子「はあ?」

少女「いやあああああああ!!」ガタガタ


一気にパニックに陥った少女は一般人としては当たり前の反応を示し


杏子「うっさ!」バキィッ

少女「ぎゃ……ッ!」ガタン


杏子の蹴りで椅子ごと倒され、受け身も取れず痛みに悶える


少女「やだ!……いやだぁぁ!!」

ほむら「はぁ……」ググ

少女「いったい……!!嫌だ!わたし何もしてないよぉッ!!」ブルブル


髪を掴まれて無理矢理に立たされ


スパアーンッ!!


少女「ひッ……!」


ほむらが床を馬上鞭で鳴らし脅しをかける


ほむら「別に殺すつもりはないわ……いくつかの質問に答えてくれればさっさと帰してあげる」

ほむら「ただ……」ピト

少女「や……やだ!!」


鞭の先端で少女の脇腹を擽り、抵抗することの無意味さを分からせたうえで質問を続ける


ほむら「まずはあなたのプロフィール……名前も知らないんじゃ呼びづらくて仕方ないわ」

さつき「か……加咲(かさき)さつきです……!」

ほむら「へえ……それじゃあ加咲さん」

杏子「あんたお姉ちゃんが居るんだってな?お名前なんてーの?」


頬を鷲掴みにしながら杏子が問う


さつき「お……お姉ちゃんは芽衣って……言います……」

杏子「ああ、隣のトトロ的なあれね」


人差し指でさつきの胸部をなでながら杏子が応える

さつきは指をぎゅっと握りしめ痛みに備えた


ほむら「そのお姉さんも魔法少女?」

さつき「はい……」

杏子「んで、本命の質問なんだけどさ……」トン


鳩尾に拳をあてがい、嘘をついたらどうなるかを解りやすく想像させ


さつき「……!」

杏子「なんでほむらを狙った訳?」グ

さつき「狙う?……ほむらって子を……?」


スパアーンッ!!


さつき「きゃああッ!!」


杏子の攻撃よりも先にほむらの鞭が脇腹を叩いた

さつきの脇腹はビリビリと痛んだが、ほむらからすればまだ音を鳴らしただけに過ぎない


ほむら「あんまり舐めた回答を続けるとあなたの今後を保証しかねるわ、色々とね」

さつき「い……た……い!」


肩よりも少し下まで届く栗色の髪を荒々しく掴みほむらが問い詰める

……あまり真面目に手入れをしている訳ではないらしい

まどかよりも少し小さいくらいの少女を庇って今すぐにでも止めに入りたい衝動を押さえ、さやかはさつきのソウルジェムを見つめる

この宝石が濁り出したらそれを報告するのがさやかの役目だからだ

それからはしばらく同じ流れが続いた

ほむらと杏子が順々に質問をし、さつきの回答を聞いて攻撃を加える

小一時間程それを繰り返し、さつきのプロフィールや素性が割れてきた辺りでさやかが口を出す


さやか「ねえ……この子……」


直感ではとっくに分かっていたことだった

それでもそれを口にしなかったのはほむらが襲われ、怪我をしたことが事実だったからだ


さやか「本当に何も知らないんじゃないかな……?」

ほむら「……でも、確かに私を名指しで襲ってきた」

杏子「ほむらは怪我もさせられた、それを知らぬ存ぜぬの一点張りじゃ困るし……」

杏子「黙って帰すって選択肢は無いよね?」

さつき「違……います……私……本当に……!」


パアンッ!


さつき「ぐ……あ……!!」


ほむらの攻撃は3度目あたりから容赦がなく、さつきの体はすでに無数の裂傷が出来上がっていてそれぞれから痛々しいほどに赤い鮮血が流れ出ている

特に酷いのは胸で、中学一年のさつきの膨らみ初めていない胸は叩きやすいのか、数十分ほど前から乳首の間あたりを狙って打ち据えられていた


さつき「もう……いやだぁ……お姉ちゃん!……キュウベぇ……!」


ほむら「……ふーん、あくまで黙秘かしら?」


パアンッ!!


さつき「ぎゃぁッ……!!」


髪を掴んでいる手を少しずつ上に上げながら鞭での攻撃はあくまで鳩尾狙いを徹底する

思春期に入った少女の胸は男子のそれと比べても多少はマシな厚みを得るが、そんな厚みを全て抉るようにほむらの鞭が舞う

12才の体格としては平均のど真ん中を突き進むさつきの体で受け切れるものではないが


パアンッ!!


さつき「が……は……!!」


少し反応が弱くなってきたのを受けて杏子が水を汲みに一旦部屋を出た

さつきは椅子に固定されたまま宙吊り一歩手前で、もはや足のつま先と掴まれたままの髪の毛だけで自身の体重と椅子の質量を支えていた


パアンッ!!


さつき「あぐぁッ……!!」

ほむら「そろそろ手が疲れて来たんだけど……」ポゥ


髪を掴んでいる右手に魔法をかけて握力を強化し、さらに引っ張り上げる


さつき「い……ああ!あああッ!!」


さつきの足の指までが椅子ごと浮かんだ

上あごと下あごの接続部分が引っ張られて口を閉じることも出来ず、もはや満足に言葉も発せない


さつき「あ…ッ……ははひてぇ……!!」


最初の裂かれるような激痛を越えた後で徐々にこの辛さが出てくる

顎が外れたような痛みに苛ませれ、首の皮膚が今にも裂けると言わんばかりに上下へ引っ張り合う

そしてこの皮膚が突っ張った状態というのは想像以上に呼吸を阻害する

これらと同時に鼻の下あたりで上下に割れてしまいそうなみしみしと来る鈍痛、髪を引っ張られていることへの純粋な痛み


パアンッ!!


さつき「ああッ!!」


叩かれた衝撃でさつきの体がくるくると回る

身体のありとあらゆる部分が悲鳴を上げ、逃れようと懸命にもがいている

裸足にされているので足の指が地面を求めてるのが良く分かった


ほむらは無表情を崩さすにさっさと次の一撃を加える


パアンッ!!


さつき「う……あ……!」


少しだけ狙いが右にそれて二の腕辺りを叩いた

叩かれた二の腕はただの一発で紫色に変色し、腫れ上がっていた

さやか(慣れなきゃ……!今までもっと酷い怪我だって見て来たし、直してきた!!)


杏子「お待たせ」ガチャ


杏子がバケツに水と、紙袋に入った塩を持って帰ってきた


ほむら「……お帰り」


パアンッ!!


さつき「はぁ……っ……」


気が利くじゃない、なんのなんの! 素直に謝ってくれればこんなことしなくて済むのに……

そんな会話を薄れゆく意識の中でさつきは聞いていた


さつき「ぎゃ!!」ドカ


髪の毛を掴まれたまま投げ捨てられ膝を擦りむき、顔を強く打ったのとで失いかけていた意識が多少なりとも戻った


杏子「ほらよ」ガス

さつき「あぐぅッ!!」


椅子に縛り付けられたまま脇腹を蹴りあげられうつ伏せから仰向けの状態へ

涙、鼻水、汗……あらゆる体液が全身から吹き出したせいか目隠し顔にぴったり張り付いてる……改めてさつきの顔をまじまじと見たさやかの感想だった


杏子「ところでさあ……もう一回質問なんだけど」


さつきの臍の辺りを踏みながら語りかける


杏子「なんでほむらを狙ったの?……いや」

杏子「どこの誰からほむらの事を聞いた?」

さつき「……わたし……本当に……ぐへぇッ!!」

杏子「はあ……あのさぁ……」グリグリ

杏子「見滝原、五郷、風見野っていやあさ」

杏子「かのワルプルギスの夜を倒した七人の魔法少女が居るって噂……まさか知らないわけ無いよねぇ?」

さつき「話……だけ……」

杏子「そんな街の魔法少女の中に喧嘩吹っかけて来たんだ」グググ

さつき「うぇ……グッ……ぁあッ!」

杏子「まさか『生きて帰れる』なんて思っちゃいなかったよなぁ?」グリグリ



ほむらは無表情を崩さすにさっさと次の一撃を加える


パアンッ!!


さつき「う……あ……!」


少しだけ狙いが右にそれて二の腕辺りを叩いた

叩かれた二の腕はただの一発で紫色に変色し、腫れ上がっていた

さやか(慣れなきゃ……!今までもっと酷い怪我だって見て来たし、直してきた!!)


杏子「お待たせ」ガチャ


杏子がバケツに水と、紙袋に入った塩を持って帰ってきた


ほむら「……お帰り」


パアンッ!!


さつき「はぁ……っ……」


気が利くじゃない、なんのなんの! 素直に謝ってくれればこんなことしなくて済むのに……

そんな会話を薄れゆく意識の中でさつきは聞いていた


さつき「ぎゃ!!」ドカ


髪の毛を掴まれたまま投げ捨てられ膝を擦りむき、顔を強く打ったのとで失いかけていた意識が多少なりとも戻った


杏子「ほらよ」ガス

さつき「あぐぅッ!!」


椅子に縛り付けられたまま脇腹を蹴りあげられうつ伏せから仰向けの状態へ

涙、鼻水、汗……あらゆる体液が全身から吹き出したせいか目隠し顔にぴったり張り付いてる……改めてさつきの顔をまじまじと見たさやかの感想だった


杏子「ところでさあ……もう一回質問なんだけど」


さつきの臍の辺りを踏みながら語りかける


杏子「なんでほむらを狙ったの?……いや」

杏子「どこの誰からほむらの事を聞いた?」

さつき「……わたし……本当に……ぐへぇッ!!」

杏子「はあ……あのさぁ……」グリグリ

杏子「見滝原、五郷、風見野っていやあさ」

杏子「かのワルプルギスの夜を倒した七人の魔法少女が居るって噂……まさか知らないわけ無いよねぇ?」

さつき「話……だけ……」

杏子「そんな街の魔法少女の中に喧嘩吹っかけて来たんだ」グググ

さつき「うぇ……グッ……ぁあッ!」

杏子「まさか『生きて帰れる』なんて思っちゃいなかったよなぁ?」グリグリ



さつき「そん……な……?わた……しは……何も……」


パアンッ!!


さつき「ギャアッ……!」

ほむら「現行犯なんだから悪事ぐらいは認めてほしいのだけど」

さやか「あ、あのね……ごめんって一言で良いから……そうすれば……」

杏子「命だけは助けてやらんでもないぜ?」

さつき「な……なんで……」


パアンッ!!


さつき「う……あッ!!」

さやか(この子のソウルジェムは……やっぱり突然濁ったりしない……あたしたちのこと知らないから?)ス

さやか(それとも絶望しないだけの理由が、やっぱりあるから……なの?)ギュ

ほむら「もう少し痛い目見ないと素直になれないのかしら?」

さつき「やだ……ヒグ……許して……」

杏子「だーかーら!質問に答えたらとっとと帰すって言ってるじゃん」


さつき「だって……知らな」


パアンッ!!


さつき「ッ……!!」


さつきにはもう叫び声をあげるだけの気力も残っておらず

そこからの数発は消え入りそうなうめき声とともに受け入れるだけだった

肩でぜぇぜぇと息をして全身から汗を拭きだし、股をだらしなく広げて力なく横たわる傷だらけの年下の少女を見ているさやかはこの場にいる誰よりも泣きそうだった


さやか(でも……普通の人間ならとっくに死んでるよ……)


さつきは体中に裂傷や痣、打撲に内出血といった分かりやすい外傷が出来ており、もう傷がないのは足首より下と手首より先だけと言える状態

一番酷い胸に至っては皮膚が剥がれていて、まるで鎌で引き裂いたかのような傷となっていた

これらはほぼ全てほむらが鞭一本で作ったもので、その無残な姿はさつきが捕まってはや数時間が経とうとしていることを物語っている

その間休みなしに鞭で打たれ続け、髪の毛を掴みあげられて無理な体制を強いられたさつきは身体的にはもうボロボロで、生きているのは魔法少女だからとしか言いようがない

三人もそれを解っているから責めの手を緩めたりしないし、手加減もしない

現にほむらが彼女達の襲撃で受けた傷は見た目だけならかなりのもので、背骨が見えているような状態だったのだ

やはり一般人なら即死でもおかしくなかったしほむらか杏子では修理しきれなかっただろう


さやか(パーティーの開始は6時、今は5時だからちょっと遅れるかもしれない……メール入れとこう……)


パアンッ!!


さつき「……ぁ……  」


大きく息を飲むような声っぽいものを出し、先ほどからずっと痙攣していたさつきの体が突如として動きを止め、途端に呼吸が弱くなった


パアンッ!!


さつき「  」

ほむら「ショックで気絶した?」


パアンッ!!


さつき「  」

杏子「だな」

ほむら「なんだかんだで二時間こうしてたのね」ツイッ

杏子「新記録じゃない?普通は5分持たないで命乞い始めるし」

さやか「……」

ほむら「気分が優れないなら」

さやか「大丈夫、ちゃんと付き合うよ……でも」

さやか「この子、魔女の口づけみたいなので動いてて自分が何してたのか覚えてないって可能性……ないかな?」

杏子「それで人殺しが許されるんだったらマジで警察いらないよな」

さやか「許すとかじゃなくて……」

ほむら「情報を引きづり出せる可能性が低いって事でしょ?」

ほむら「でも、そろそろそうでないと説明が付かないわ」

ほむら「キュウベぇが死んだとき、この子はあからさまにパニックになっていた」

ほむら「……となるとインキュベーターから始まる一連の真実を知らない可能性が圧倒的に高い」

杏子「真実を知らない魔法少女からすればグリーフシードなんてお小遣いと一緒、クソウサギは大事なお友達」

さやか「命かけてまでの物じゃないよね……」

ほむら「一応時間稼ぎをしてる可能性が残っているからどうともいえないけど……」

杏子「霊脈での探知圏内に人影無し……と」


ほむら「と……すると加咲さつきが粘る理由は」

杏子「姉、だろうな……そっちの顔が潰れてる方……めいちゃんだっけ?」

さやか「学生証あったよ……同い年」

ほむら「公立前橋第二中学校……知ってる?」

さやか「知り合いは居ないけどね、このへんの公立で一番野球が強いらしいよ」

杏子「んじゃあ、最後に塩ぶっかけて痛めつけて」

ほむら「姉の姿を見せた時にどう反応するかで決める……生きたまま捨てるか、もう少し問い詰めるか……二度と喋れなくするか」

さやか「うん……出来れば逃がしてあげたい……よね?」

ほむら「ええ、それはね」

杏子「見滝原の三銃士、黄昏の魔弾、紺碧の絶刃、紅蓮の竜騎士、無敗の過負荷(マイナデス・イェーガー)、翡翠の姫君、モノクロの夢……次はどんな異名がつくのやら」ゴソゴソ

さつきの身に着けていた靴下を丸めて、本人の口に押し込みながら杏子が質問し


ほむら「あと巴さんの異名で『暁を紡ぐ者』とかあったでしょ?……正直言ってセンスがいいのは三銃士だけね」


詰め込まれた口の上からタオルで縛りつけて零れないように固定しながらほむらが相槌を打つ

これだけの異名を付けらてしまうほどその道の人間には実力者として彼女たちは知れ渡っている

そのことが種火となって喧嘩を売られることもあるし、その恩恵に預かろうとすり寄ってくる人間は少なくない

そういった魔法少女を排除し、拒絶していく過程で彼女たちは『敢えて』残虐な手段を択ぶことが増えていった


……と、言うのもあまりにしつこかったり、わざわざ仕返しにやってきたりする魔法少女が後を絶たないからだ

結果として『誰も殺したくない』『みんなを守る』の二つを満たすための手段として『死ぬよりも悲惨な目に合わせて帰っていただく』という結論に至るのは当然かもしれない

もっとも、今回の場合はどこからほむらの能力を聞きつけて襲撃してきたのかを聞きだす必要がある

魔法少女の戦いにおいて情報はかなり大きな意味を持つ

たとえば「杏子の魔法は魅了」と知っていれば幻術を警戒されてしまうが、「ただし魔法少女に対しては効果が低い」というところまで分かってしまうと警戒すべきは分身だけになり「分身は6体まで」と知られれば杏子の手札は全て割れてしまっていることになる

ほむらは弱い、などというかなり確信をついた情報が出回っていると今回のように襲撃される危険もある


ほむら「さやか、今回は見ないほうが良いわ」

さやか「……除け者にしないでってば」

杏子「得意不得意ってあるよ、さっきから顔色悪すぎ」

さやか「でも……自分たちの残酷さから逃げちゃいけないと思う……から……」

ほむら「……ならせめてエチケット袋を用意しておきなさい」

さやか「?」


さつきの傷口に塩を振りまくだけなのだから別段グロいとか気持ち悪いと言ったものからは無縁そうに思える

沁みさせた痛みで意識を覚醒させるのが目的……だとさやかは思っていた


杏子「行くぞ」バシャア


まずはバケツの水を顔に掛けてさつきを起こす


さつき「……んん……」


パアンッ!!


さつき「んッ……」


まだ意識が混濁しているらしく反応が弱い、相当に消耗しているのだから当然ともいえる


杏子「さて」


椅子の足を踏みながら持った塩を上から振りまく

全身にまんべんなく、それとは別に傷の大きな胸には多めに

さやかは固唾をのんで見守っていた


さつき「ん……!んんッ!!」


少しずつリアクションが大きくなったのを見て杏子は塩を投げつけ始めた


さつき「んん!?~~ッ!!!!!」


さやかはようやくほむらと杏子の行動の意味を理解し、それと同時に貧血を起こして立ち眩んだ

屈強な軍人程度の拷問ならショック死もザラな鞭+塩の組み合わせは満身創痍のはずのさつきから絶叫を引き出すに十分な威力を誇っていたのである

全身を仰け反らせ、拘束から逃れようと必死に暴れるさつきの姿はそれがどれだけの苦痛なのかを想像させた……もっとも彼女たちはそれがどれだけ痛いかなんて知らないが

例えるなら傷口に剣山を突き刺して引き裂きながら抉られるような痛み、それが全身いっぺんに襲ってくるのだからショック死というのも頷ける

これに加えて水を含んだ布ぐつわはさつきの呼吸を阻害して過呼吸に陥らせ、そのなかで絶叫をするのは呼吸困難という人にとってもっとも苦痛な失神を引き起こす

死ぬよりもキツイ激痛での覚醒と死んだ方がマシと思えるほど苦しい呼吸困難での失神をさつきは繰り返していた

『自分が死んだ』と認識しなければ肉体的な死を迎えない魔法少女の利点

単純に目隠しをするだけで、こうも悍ましい呪いとして降りかかってくる

その呪いはさつきのソウルジェムを一気に浸食しだして、さやかの目にも分かるほど濁ってきた


さつきはひたすら声にならない絶叫と凄まじい痙攣を続け、体中からおおよそさやかの知り得る体液を噴出しながらもがき続けていた

耳からも出血し、口を塞いでいるタオルも赤黒く染まる

このあと肉体は修復して、ソウルジェムも綺麗にしてから解放するつもりではあるが、

さつきはしばらくまともに生活できないであろうことは想像に難くない

だからこそ『姉』を生かしておくのは甘さであると同時に目的を果たす手段にもなる

おおよそ30分ほどさつきはもがき続けたが体力、精神的な限界が訪れ、声は愚か指一本も動かせなくなった

椅子に固定しいる縄だけ外して、後ろ手拘束のまま床に放り投げる

まずは血で染まった布ぐつわと目隠しを取り外して水をかけた


さやか(血の涙……)


反応が無いのでいまいち分かり辛いが瞳が微妙に動いたので意識があるだろうと判断し

首元を掴んでゴミのように転がっている姉の元へ引きずって行った


さつき「……」


目を見開いて姉の無残な姿を見つめるさつき

そのソウルジェムが急速に濁り始めたのを見てさやかが合図を下し、ほむらがスタンガンで気絶させた


ほむら「……白ね」

杏子「でもほむらの情報の出所が不明だぜ?」

さやか「これだけ痛い目見ればもう来ないよ……おしまいにしようよ……ね?」


姉妹の傷を直しながら語るさやかの声はもはや懇願といった形だった

姉の方はあらかじめソウルジェムを外して仮死状態にし、最後の対面が悲劇的なものとなるよう『お化粧』がしてあった

本当なら死んでいることまで確認させるつもりだったがそれよりも早くソウルジェムが濁り切りそうだったので中止

あとはこの二人の身ぐるみを剥ぎ取り箱にでも詰めた後、どこか遠くの山中にでも捨てていくのがいつもの投棄手段


仮死状態にしておけば極論体をばらばらにしても問題ないので運ぶのは意外と簡単で

全裸で捨てていくのは大人に頼らせないためと足が付きにくくするため

女子中学生に拉致された結果全裸で山中放置されたなどと説明されて真に受ける大人は居ないし

大半の場合は変身して家に帰り、何も無かったかのように振舞う

それでなくともトラウマ級の恐怖を味わった後で喧嘩を売りに来たやつは居ない

今回のように情報も引き出せないのは初めてだったが、さつきはそれほどまでに姉が大事だったらしい

さつきの魔法は戦ったほむら曰く『治癒』

さやかの『治療』とは僅かに属性が違い、その性質はどちらかと言えばゆまの物に似る

つまり「魔法少女を助ける」ために契約したと考えるのが妥当だった

芽衣ではなく年下のさつきをターゲットにしたのはこういった事情によるものであったりする


杏子「んじゃ、あたしはこのゴミだけ捨てていくから」ズシ

さやか「ごめんね……お願い」

ほむら「ありがとう杏子」

杏子「良いって!あとでな!」シュタッ

さやか「うん……料理、とっとくよ!」



杏子(河を渡って木立を抜けて……あった、ダムの排水用トンネル)タッタッタ

杏子(ほむらは土地勘無いし、さやかがいないと姫様がぐずるだろうし……仕方ないよな、消去法だし!)トン トン

杏子「あーあ!先輩って損してばっかだよ!」カンカン



~鹿目家~


まどか「あー!わたしビーム欲しかったのに!」

ゆま「へへーん!」

まどか「むー!ってちょっとタッ君まって!デデデでそこは厳しいよう!」

タツヤ「えい!えい!」

詢子「あたしに任せろ!」

まどか「ママ!?マキシムトマト持ってかないで!」

詢子「タツヤ~ママの所おいで~?」

タツヤ「はーい!」

ゆま「とりゃ!サーキブル倒したよ!」

まどか「ちょっ!?わたしまだスッピンだよぅ!!」

詢子「まどか~早くコピーしろよな」

まどか「皆がコピーさせてくれないんだよぉ!?」

知久「頑張れ、まどか」

まどか「うぅぅ……」


まどか(皆まだかなぁ……遅れるってメールはあったけど……)


ほむら『おまたせ、まどか』

さやか『いやー今回の魔女は厳しかった!』

まどか(!)


ピンポーン


まどか「キタ!」

支援

なんでほむらは時間停止が使えないん?


さやか「おっまたせー!ほむらちゃんのぉ……登場でぇす!!」

ほむら「あの……遅くなってすみません……」モジモジ

((((可愛い……))))

ほむら「ほほh本日はお招きいただだだき!……ああ、あの……」

さやか「緊張し過ぎでしょ!?」ベシッ

ほむら「痛ッ!」

まどか「ふふっ!」

ゆま「…………杏子は?」

さやか「あーうん、ちょっと野暮用」

ほむら『今回の事を巴さんへ相談しに行ったわ、ちょっと遅れるけど直ぐ帰ってくるはず』

まどか(そんなに強い魔女が居たなら報告した方が良いもんね……)

ゆま『ふーん、分かった』

ゆま「野暮用ってなーに?」

詢子「言わないから聞かないでって事さ……どんな用事なんだか……」

さやか「実はプレゼントを持ってくる時に落としちゃって……」ボソ

知久「あははは、気を使わなくても良いのに」

詢子「そりゃ野暮用だな!」

さやか「もー!本人には秘密ですよ?」

支援


まどか「怪我した……とかじゃないよね?」ゴニョゴニョ

さやか「大怪我したのはほむら、ひさしぶりにめっちゃ焦っちゃったよ……」ボソボソ

さやか「しかもそのせいで一回逃がしちゃってさ……」ボソボソ

さやか「けどまあそこは何?あたしのケアルガでささっと直して落とし前つけて来たんだけどね!」ボソボソ

まどか「もう……心配させないでよ……」ホッ

ほむら「ごめんねまどか……」

まどか「けど無事で良かったよほむらちゃん!」

ほむら『……誤魔化せたかしら?』

さやか『うん、多分大丈夫……二人には言いたくないから……特ににまどか』

ほむら『仕掛けてきたのは魔法少女で返り討ちにした挙句痛めつけました……って?』

さやか『心配させたくないよ……やっぱり』

ほむら『暗い顔してると心配かけるわよ?』

さやか『そうだよね……!スマイルスマイル!』

ほむら『0円』

さやか『酷い!』

まどか「早く食べようよ!杏子ちゃんの分はちゃんと取っておくから!」

さやか「うん!もうお腹ペコペコ!」

杏子『オッス!お待たせ!』

ほむら「ナイスタイミンね」チラ

ゆま「うん!」

知久「え?」


ピンポーン


まどか「はいはーい!待ってたよー!」


知久(この娘たち……まさかNT?)



~???~


杏子父「それでは手を合わせて……主よ、今日も我々に命のお恵みと、友との充実したひと時を与えて下さったことを感謝いたします」

杏子父「この場にいる全ての友に、主のお恵みがあらんことを……アーメン」

「「「「「アーメン」」」」」

杏子父「それでは、信者でない方も次はご一緒に」

杏子父「ごちそうさまでした!」パン

「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」

ワイワイキャッキャ 

杏子「ちょっとー!ご飯が入ってたやつはこっち!お味噌汁が入ってたのはこっち!」

少年「あー!!あーー!!」

杏子「あーじゃないの、お片付けの決まりなの」

少女「決まりです決まりーッ!!!守りますッ!!守りますうッ!!!」

杏子「おっきな声出さないで?みんながびっくりしちゃうよ?……ね?」

少女「いいいいぃぃぃッッ!!!」

杏子「だ・か・ら!!」

杏子父「コラコラ杏子、お前が大きな声を出してどうするんだ」

杏子「だってお父さん!」

信者「ははは、すまないねぇ杏子ちゃん……ほら、ちゃんと片付けて」

少女「フ~~ッ!!」ブツブツ

信者「それにしても偉いなぁ杏子ちゃんは……いまいくつだっけ?」

杏子「11才!今度6年生だよ!」

信者「おや、じゃあゆきなと同い年だ!」

杏子「本当!」



信者「本当だとも!……それじゃあ今度来るときは友達も一緒に連れて来るよ」

信者「最近ね『普通』の子でよく面倒を見てくれる子が居るんだ……杏子ちゃんも障害者のお世話は大変だろう?」

杏子「ううん、本当は皆優しくていい子達だし、こんなあたしでも皆の為になれるなら」

杏子「それはとっても嬉しいなって思うよ!」

信者「あははは!でもゆきなみたいなやんちゃな子の相手は、本当は疲れるんじゃないか?」

杏子「うーん……こうじ君とか、たけし君もそうなんだけど直ぐに叩いてくる子はちょっと苦手だなぁ……」

信者「その子はゆきなに叩かれそうになったらどうすると思う?」

杏子「一回離れるとか?」

信者「凄いんだよその子!その場でゆきなを倒しちゃうんだ!」

杏子「うぇえ!?」

信者「自慢じゃないけどゆきなはシャッセール・ボクスの天才だ!将来はこの道で十分に食っていけるほどの実力を身に着けさせて

ハンデがあってもやれるんだってことを皆に見せてあげられるような子に育てる……それが俺の夢なんだ!」

杏子「そ、そんなゆきなちゃんを……倒しちゃうんだ?」

信者「しかも怪我一つさせることなく……だ!ぜひともボクスを仕込みたくなるような子だよッ!!」ギュ

杏子「落ち着いておじさん!?それで……その子はどんな子なの?」

信者「ああ、その子はね……


~~



~巴家 早朝~


杏子「……またろくでもない夢だ……」ムク

ゆま「zzz……」

杏子「しかし、ゆきな?……最近どっかで聞いたような名前だな……」

杏子(……にしても小5の頃の夢か……それから少しして破門されて)

杏子(あたしが契約したのは小6の夏ごろだったな……)

杏子(んで、夏やすみちょっと前にマミと会って…………まあ、しばらくコンビやってて)

杏子「……ん~~!」ポリポリ

杏子「もう一回寝る……には微妙だよな……」

杏子「メールでもしよ……ほむら起きてるかな?」

杏子(でもあいつ起きててもメール出ないんだよな……)

杏子「…………」

杏子「よし、ゆまを抱いて寝よう」ギュ

ゆま「zzz」スヤスヤ

杏子「あったけー……」スリスリ

杏子(モモって今生きてたらいくつだったっけ……)

杏子「…………」ギュ

杏子「暖かいな……」

>>334

コメントありがとうございます!

分かりました、終わった後のおまけコーナーでまど神様とさやかffが解説します

まど神「え?」


>>373


なぎさ「ほむほむの魔法はまどかと出会ってから契約した瞬間までの一か月間を盾の中の砂時計を使ってやりくりする魔法で、その属性は『背徳』だそうです」

なぎさ「ちなみに出来ることは砂時計をひっくり返す『時間遡行』とそれを応用した『時間停止』と『収納』の三つなのです」

なぎさ「つまり『時間遡行』がメインで『時間停止』はあくまでサブの魔法なのです、マミのリボンとマスケット銃に似た関係だと思うです」

なぎさ「武器がバックラーなのは、その願いが一人ぼっちになるはずだった自分を守るためのものだったのと、己のエゴで人を殺せないほむほむの可愛さを暗示したもので」

なぎさ「『収納』はまどかの為なら何でも受け入れるっていうほむほむの根底を表したものだと思うのです、属性しかりです」

拷問やりすぎると、後で肉体修理・本体浄化してやるときに無駄な魔翌力消費しちゃうからほどほどにね!

ところでゆきなは口調わかりやすいなあぁ
>守りますッ!!守りますうッ!!!
坂上二郎の飛びます飛びますで脳内再生余裕です


>>386

私の知ってるそれに非常に近くて噴き出したwww

しかし一作品で次から次へ色んな趣向を繰り出して来る>>1だ。乙。

なぎさ「こんにちは!再開するのです!」



~見滝原中学 3時間目、数学~


杏子「……」コックリコックリ

さやか『ちょっと杏子ー!!』

ほむら(全く……)

先生「それじゃあこの問題を……鹿目」

まどか「はい」ガタ

さやか『今だ!この丸めた教科書で!』

ほむら「馬鹿!それは――」


パァーンッ!!


さやか「 」シュバッ

ほむら(しまうの早ッ!……魔法使ったわね)

まどか「ふぇ?」

杏子「……ん?」キョロキョロ

先生「なんだ?今の音は?」

ほむら(よくあそこまで知らん顔が出来るわね……)

さやか「いい、一体なんでしょうねー?」

さやか『ちょっと!毎回毎回寝ないでよ!』

杏子『ん?……ああ悪い……』

さやか『ったくもう……』

ほむら『前まで貴女もしょっちゅう寝てたわよ』

さやか『今は寝てないし!』

ほむら『寝れないじゃなくて?』

さやか『な……なんてことねーし!……とは行かない……』

ほむら『慣れれば何てことないわ、大丈夫』

杏子『あー……次合体かー……起きるかなぁ!』

ほむら『ね?』

さやか『ね?じゃねーし!』

さやか『今思い出しただけでも鳥肌ものだよあれは……』


ほむら『皮膚が裂け、もはや原型を留めないほどに執拗な拷問を加えられたその胸部は……』

さやか『やめてよね……』ガクガク

ほむら『心臓のわずかな鼓動に合わせて血が滲み出てくる……トクン……トクン……』

杏子『おお、怪談風味!』

さやか『うああああ胸が痛くなってきたぁぁぁぁあああ!!』ギュウウ

仁美「さやかさん……さやかさん……?」トントン

さやか「ああ、ごめん!大丈夫大丈夫!」

ほむら『そして弱り切った少女の治療を行ううちに、さやかは罪悪感とは違う……彼女にだけ抱くことを許した特別な感情が湧いてくるの……』

さやか『そ……それは!』

杏子『それは?』

ほむら『希望よりも熱く、絶望よりも深いもの……』

杏子『まさか、まさかの……』

ほむら『 愛 よ 』

杏子『さやかぁ……ないわー』

さやか『うわー……舞い上がっちゃってますねーあたし……』

ほむら『まさかのS覚醒、期待しているわ』

さやか『あんなんを好むのがSなら一生Mで良いです』

杏子『あれで発情したら人間として疑うっつうの』

ほむら『一概には言えないわ、世の中にはスナッフムービーなんてあるぐらいだし』

杏子『あんたまさかその……目覚めてるとか言わないよな』

さやか『目覚めたこーころは!走り、出した♪』

ほむら『言うわけないでしょ』

杏子『……まさか言わないだけとか?』

ほむら『今しがた目覚めたわ、次の体育覚悟しておきなさい』



~4時間目 合同体育(ソフトボール)~


さやか(投)「さあて!ガンガン三振取っちゃいますからねー!」

かえで(捕)「気合の火の玉ストレート、魅せたれや!」パスパス

まどか(二)「頑張ってね!」

さやか「おまかせ~!」

ほむら(遊)「打たれても捕るわ、問題ない」

さやか「送球は落ち着いてやってよ、頼むから……」

えりか(一)「一塁送球はミスったらダメだよ?」

ほむら「……留意するわ」

かえで「さあ、一番は誰や!」

あゆむ「はいよ」

かえで「お、おう……でもなんで一番やねん……」

杏子「左打者は一番っしょ、足も速いし」

かえで「一番バッターが神主打法で強振多用ってどういうこっちゃ……」

さやか「何?そんな構え方で打てるわけ?」

あゆむ「授業で試したら良く飛ぶよこれ」

さやか「なめんじゃないわよ!」ビシュ!

ほむら(構えもしない?)

あゆむ「……」


バシッ!


審判「ストライク!」


あかね(よっしゃ、コントロールも球速もええ感じや!何より球が走っとる!)

さやか「ちゃんとやんなさいよ!」ビシュ

ほむら(今度は構えた)

かえで(内角一杯!打っても詰まるでぇ)

あゆむ「……」グ


カン!


あゆむ「あ、しくった」

えりか「ライトー!取れるー……あープール入っちゃうわあれ……」

審判「ファール!」

杏子(あんな詰まった当たりで50mは飛ぶのかよ……)

かえで(初っ端から一発狙いなんて勘弁してぇな……)

さやか「でもツーナッシン!行ける!」ビシュ

かえで(ちょっと外角……けどこの低さなら!)


カキン!


さやか「行かれた!?サード!」

杏子「流石あゆゆ!三遊間ぶち破った!」

かえで「くっそー二塁打かいなぁ……」

杏子「続けよお前ら!」


さやか「ぽぽいのぽーい!」


かえで「あっちゅーまにツーアウト!」

杏子「どういうことだおい……」

あやか「ごめん……」


杏子「しゃーない……こうなったら4番のあたしが決めるしかないっしょ!」ザン

さやか「来たな、杏子!」

杏子「身の程弁えろっつーの!」ブンブン

杏子「彼方へ飛ばしてやるぜ」キリッ

さやか「やらせないよ!」

かえで(美樹!まずはボール球で様子見やで)クイッ

さやか「オッケー!……えい!」シュッ

かえで(外角真ん中へボール球、佐倉の反応は……?)

杏子「どりゃああッ!!」パッカーン!

かえで「打つんかーいッ!!?」

あゆむ(あの体制でよくもまあ……)タッタッタ

さやか「広角ライナー!?まどか!!」

まどか「きゃあッ!?」ヨケッ!

えりか「そりゃそーなるわ」

かえで「ライト!ホーム間に合わんさかいに!!二塁や、佐倉を止めぇ!!」

杏子「そう簡単に止まる杏子様じゃ……」タタタタ

まどか「おーし!!」パスッ

杏子「やっべ!!」ズザー!

まどか「ほむらちゃん、えりかちゃん!挟み撃ちだよ!」ジリジリ

えりか「ぐふふふふ……覚悟しろ杏子ー!」ジリジリ

ほむら「二塁は任せて」

さやか「一塁もばっち!」

杏子「1人に4人がかりって……杏子ワゴンはクールに去るぜ!」ダッ


まどか「パス!」ポイ

えりか「おーらい!」パス!

杏子「という作戦さ!」ダッ

えりか「まどっち!」ポイ

まどか「うん!これでタッチアウト!」パシ

杏子「あらよっと!」ヒョイッ

まどか「ちょ、ちょっと!!?」

さやか「あー!杏子!!」

杏子「走塁放棄はしてねーぞ!!」

ほむら「まどか!」パシッ

杏子「おっと!やっぱ一塁に帰らせてもらうぜ」

ほむら「へえ、そう?」ダッ

杏子「ちょ、はや――


バチーン!!


杏子「しゅ……手刀……って……ありかよ……?」ヒリヒリ

さやか「あんたが先にインチキしたんでしょうが!」

杏子「ちぇっ!」

かえで「ともかく攻守交代!テンポよく行こうや!」


ほむら「ふふふ……ピッチャー返しで痛い目に合わせてあげる」

杏子「そういう競技だっけ……?」

まどか「頑張れほむらちゃん!」

杏子「そらっ!」シュッ

ほむら「ほむ……」

かえで「かっとばしたれや暁美!」

杏子「そうは行かねえよ!」ビシュっ

ほむら「あらそう?」


カキーン!


杏子「ライト前か……」

ほむら(二塁は無理そうね)タッタッタ

まどか「ほむらちゃん急いで!!」

ほむら「え?」


バシッ!


ほむら「ちょ」

審判「アウトー!」

杏子「ひゅ~♪やるなあゆゆ、ライトゴロなんて激レアじゃん!」

かえで「出よったか……新庄ばりのレーザービーム……」

さやか「レーザービームはイチローでしょうが!」

かえで「気にするとこそこなん!?」

まどか「二番、鹿目まどか 行きまーす」

杏子「はん、こっちは三振だな」

まどか「あぅぅ……」

http://i.imgur.com/tYsNUnX.jpg


かえで「鹿目!小さな大打者の異名、分からしたれや!」

さやか(そっか、杏子はまどかとソフボしたことないっけ……)


カーン!


杏子「んな!?」

さやか「残念だったね、まどかは打率7割強のスーパーバッターなんだから!」

かえで「葉月のレーザービームか菊月の無茶守備でないと絶対止まらんで~!」

まどか(飛ばさないで良いなら誰でもこれくらい打てると思うんだけどなぁ……)


さやか「3番さやかちゃん!いっきまーす!」パッカーン!


杏子「とかやってる間にワンアウト2、3塁だぜ……」

かえで「くっくっく~どない転がっても一点の美味しい展開やなぁ……」

杏子「はいはい敬遠敬遠」ポイポイポイ

かえで「ちょい」

審判「フォアボール!」

えりか「5番えりか、やってやるっしゅ!」

杏子「とりゃ!」シュッ

えりか「どりゃあ!!」


カーン!


かえで「あー……ライトフライやなあれ」

さやか「まどかー、走んなくていいからね」

まどか「うん……あゆちゃん相手じゃ間に合わなそう……」

えりか「ごめん……」

あゆむ「……」

ほむら(あゆむ、もうちょっと前に出ないと取れないんじゃないの?)


トン!


審判「フェア!」

さやか「あれ?」

かえで「あいつ右併殺狙いや!!わざと取りに行かんかった!!」


バシィッ!!


審判「アウト!」

かえで「しもたぁッ!!」

審判「アウト!ダブルプレイ!!」

えりか「ちょっとぉ!?」

杏子「すげー……スリーアウト全部ライトから出しやがった……」



~~


杏子「最後は2対1で勝利!」

さやか「5回で12本ヒット打ってるのに2点って……」

ほむら「基準が分からないわ」

まどか「プロ野球が普通9回でヒットを大体10本位打って3点取るかって所かな……」

ほむら「じゃあ7本もヒット打ってたうちって……」

さやか「奇跡の噛み合わない打線って事だね……」

杏子「次のCチームにもこの調子で勝つぞ!」

「「「おー!」」」

あやか「でもまだあっちは終わってないよ」

杏子「キャッチボールでもして時間つぶそうぜ、あゆーゆ!」

あゆむ「話しかけるな」

杏子「キャッチボール位付き合えよ!」ビシュ

あゆむ「ッ!」バシッ シュッ

杏子「うお!?めっちゃジャイロ回転かかってる!?」バシィッ

杏子(よーし、ならちょっと魔法を乗せて!)ビシュッ

さやほむ(まーた下らない悪戯で魔法使って……)

あゆむ「……」バシィッ!! シュッ

杏子(うお!取りやがった!!)バシッ

杏子「にゃろ!」シュッ

えりか「あれ殺し合い?」

まどか「普通のキャッチボール……のはず……」

杏子(やべぇ……そろそろ手が痛くなってきた……)バシィッ!

あゆむ「……」

和子「葉月さーん!」ガララ

あゆむ「ん?」クルッ

杏子「そりゃ!!」ビシュッ

さやか「馬鹿!!余所見すんな!!」

和子「貴女の作文が優秀賞を――」

あゆむ「あ」クル

杏子「やっべ!!」

ほむら「あゆむ!?」


ゴツン☆

なぎさ「……と言うわけでここまでなのです、お疲れさまでした!」

なぎさ「ソフボとは言えぶつかると痛いのです、皆様は油断無きよう」

>>388

コメントありがとうございます

なお、このSSの最終目標は『まどかとゆまちゃんが幸せになること』なので他のキャラの生死は保証しません

>>406

スカトロは苦手です……

乙!
ほむがあゆむとか呼ぶとなんか新鮮



一体このSSは何処へ向かうつもりなんだ……

なぎさ「こんにちは!再開なのです!」



~保健室~


杏子「……ごめん」

あゆむ「別に」

まどか「うん、もう大丈夫!……なんだけど」キュ

まどか「どうしたの、あゆちゃん?」

和子「違うのよ鹿目さん……私が窓から呼んだから……」

杏子「あの距離で聞こえてたのかよ……!?」

あゆむ「まあね」

まどか「まあね……って」

まどか(魔法少女に聞こえなかった声が聞こえたなんて……)

和子「葉月さんはね……その……なんて言うか……」

杏子「つーか先生そんな凹むことでもないっしょ?あたしが悪いんだしさ」

あゆむ「あー、で優秀賞を取ったとかなんとか」

杏子(露骨に誤魔化したな)

まどか(聞かないで欲しい……って事だよね?)

和子「…………そうよ」

和子「ごめんなさいね、私のせいで……」

あゆむ「別に……んで」

あゆむ「表彰式の日程は?」

和子「11月の第二土曜日……9日よ」

あゆむ「ほぼ一月後か」


あゆむ「ま、いいや……授業戻ろうぜ」

杏子「ま、いいやってあんた……」

まどか「たんこぶになってるんだよ……?」

和子「一応頭を打ってるし、貴女は病院に連れて行きます」

あゆむ「はあ?」

和子「はあ?じゃありません!」

杏子「あ!そういやあたしのは?」

和子「とってもいい文章だったんだけど……今回は……ね?」

杏子「う~……マジかよ……」

和子「それじゃあ私は家族に連絡して車を用意してきますから、ここにいて下さいね」スック

杏子「大丈夫だって!いざとなったらあたしがとっ捕まえてやるからさ」

和子「鹿目さん、二人が変なことしないように見張っていて貰える?」

まどか「はーい」

杏子「二人って……あたしもかよ!?」

和子「悪いんだけどよろしくね!」ガララ

杏子「ちぇっ!」

まどか「そういえば二人はどんな作文書いたの?」

杏子「ん?ああ……えっと、あたしん家って元々教会じゃん?」

あゆむ「…………」


杏子「月に一回位だけど昼食会を開いてたんだ……信者とか関係なく障害者や老人達の交流の場になればって親父が言ってさ」

杏子「その時に思ったことをそのまま文章にしただけだよ」

まどか「へ~……」

杏子「……聞いてきた割にはリアクションが薄いな」

まどか「あっと……そう言うつもりじゃなくて……」

あゆむ「んで、そう言うのを丸め込んでカルト宗教なんざ作った訳だ」

まどか「あゆちゃん!?」

杏子「あんた……!?」

あゆむ「……」

杏子「それは違うよ、あれは……色々あって……」

あゆむ「色々、ね」

杏子「あたしが悪いんだ……だから親父達は何も悪くない……よ」

あゆむ「一家心中が起きるほどの色々ってなんなのやら」

まどか「ちょっと!?」

杏子「……あんたには関係ないじゃん」

まどか「杏子ちゃん落ち着いて……」

あゆむ「父親たちは悪くないって言うけど、自殺したのあんた以外じゃん?」

まどか「あゆちゃんもやめてよ!!」

杏子『良いよ、別に』

まどか「……」


あゆむ「なのに、お前が悪いんだ?」

杏子「そうだよ、父さんの言ってることは何も間違ってなかったのに……」

あゆむ「『絶望に打ち勝つ、そのために希望を信じて生き続ける』当たり前のことしか言ってないからな」

あゆむ「だから気になる」

杏子「あんた……うちの信者だったのか……?」

まどか「え……?」


ガララ


和子「お待たせ~!」

杏子「……」

まどか「……」

和子「あ……あらぁ?」

あゆむ「あたしは別に信者じゃない」ガタ

あゆむ「けどお前の父親の話には共感したし正しいと思った」

あゆむ「ただ、ラストが納得いかな過ぎるってだけ」

和子「えっと……」

杏子「…………ごめん」

あゆむ「……そこで謝る意味が分かんない」スタスタ


杏子「……だよな」

和子「あのぅ……」

まどか「ちょ……ちょっとアニメの話で喧嘩しちゃって!!」

和子「え?でも佐倉さんのお父さんは事故死したって……」

まどか「あれですよほら!シンとキラはどっちが主人公なのかって感じの言い合いです!!ね!?」

杏子「あ、ああ……」

まどか「それでボロクソに言い負かされちゃって、うん!!」

和子「そ、そう?……じゃあ行ってくるから」

和子「お昼は代わりの先生がいらっしゃるからって皆に伝えておいてくれる?」

まどか「はーいわかりましたー!」


~~

あゆむ(唯一の生き残りだから何か聞けるかもと思ったけど……そう簡単には話さないよな)

あゆむ(証拠だけで洗うと、あいつの父親が家族を殺した挙句火を放って死んだことになる)

あゆむ(流石にありえない……あんなにいい人だったのに)

あゆむ「……にしてもあいつ、まだあたしが分からないんだな」

あゆむ「髪型ってそんなに印象変えるのな……いや、紫って相当レアな色だし分からないってどうなんだ?」クイ

あゆむ「シャッセール・ボクスの構えまで見せてやってんだけどな……」

あゆむ(と、なると……)

和子「葉月さん待ってー!」

あゆむ(大人ってこれだから……)



>>412

なぎさ「作中の時間もそれなりに経っているので大分仲良くなっているのです!」

>>413

なぎさ「一応普通に音楽祭はやるのです……」

あゆゆは不器用なのか警戒心強いだけなのかようわからんなあ
色々ネタふりして気づけ気づけコールしてる割に微妙な行動を取りまくるものだな

ツンデレってそういうものじゃん?

ここから次回予告の杏さやが始まるとか考えるだけで胸熱

事実を知ったあゆゆがブチ切れて契約し復讐→さやかのやめるんだーもー→ピンチで杏子が告白→百合成立と見た

あゆゆの頭上にそろそろ死兆星ががが

>>411
そんな最終フラグがあったとは……乙です。

なぎさ「こんばんは!再開なのです!」



~お昼時~


まどか「……」モクモク

杏子「……」チビチビ

さやか「いやーまさかあそこで葵があんな暴挙に出るなんてね~!」

ほむら「あれはもう意外とか通り越していたわ……奇跡を見たような気分よ……」

さやか「初戦で仁美たちに負けたから勝ちたいって必死過ぎでしょ、あれは!」

仁美「そんなことまでしてしまうなんて……葵さんらしいと言いますかなんと言いますか」

さやか「だのにあたしらに負けちゃうってところがオチだよね~!」

ほむら「菊月さんには申し訳ないと思ったけど、ついつい笑ってしまったわ」

さやか「ね~!でさー……」

まど杏「「…………」」

さやか「おーい、もしもーし!」

杏子「ん?」

ほむら「怪我させたこと気にしてるの?」

杏子「あー……うん、そんなとこ」

さやか「で、まどかはなんでそんなに沈んでるのさ?」

まどか「え?別に沈んだりなんか……」

さやか「ほう?このさやかちゃんに秘め事ですかなー?」ワキワキ

仁美「まあ……まどかさんにもついにそんな時が!?」

まどか「ちがうよぅ!!」

さやか「そんな奴は……こうだー!!」コチョコチョ

まどか「ちょっやめ……きゃっははは!!」ジタバタ

さやか「ほれほれ~!」コショコショ

まどか「あっはははは!!ちょ……きゃははは!」ヨジリヨジリ

さやか「ん~めんこいやつめ~!!」スリスリコチョコチョ

仁美「捗りますわぁ……」


ほむら『……で、本当は?』

杏子『なんもねえよ、病院行くって言うからちょっと焦っただけ』

ほむら『杏子は悪くない、悪く言うやつが居たら私が許さない』

杏子『だろうな……あゆゆだし』

さやか『ほむらの言うとおり!あんなの急に余所見したあの子が一番悪いよ!』

ほむら『本当それ』

仁美「そういえば聞きました?あゆむさんの作文が『心の作文コンクール』で優秀賞ですって」

まどか「ちょ、あははは!もうやめてぇ……げほっげほっ!――いひひひっ!!」

杏子「!」

ほむら「へえ……そういえばゆきなちゃんって自閉児と仲良かったって言ってたわね」

杏子「今なんつった!?」ガタ

ほむら「ほむ!?」ビクゥッ

さやか「お、素で驚いたね今」ビシ

まどか「  」グッタリ

仁美(捗りましたわぁ……)

ほむら「だ、だからあゆむには自閉症の親友がいるって……」

杏子「違う!そいつの名前だ!!」ガッシ

まどか「きょ……杏子ちゃんストップ……」

杏子「あんたは黙ってろ!!」

まどか「…………え?」


ほむら「確か花蘭 ゆきなって……」ビクビク

さやか(胸倉掴まれてて可愛そうなんだけどかわいい)

仁美(持って帰りたい……)

杏子「そいついくつだ!」

さやか「ちょっと落ち着きなよ、ほむらマジ泣きしそうだよ?」

ほむら「だ……大丈夫、ちょっとびっくりしただけで……」

仁美(駄目そうですわ)

さやか(かわいい)

杏子「あ……えと……悪い」

ほむら「いえ……」パンパン

杏子「ごめん……」

まどか「……いいよ、誰でも気が立っちゃうときはあるもんね」

さやか「しょうがないなぁ……さやかちゃんが答えられる範囲でなんでも答えてあげましょう!」

杏子「ああ、頼むよ」

さやか「んで、ゆきなちゃんの事だね!じゃあまずは基礎編から!」

さやか「ゆきなちゃんは (仁美「見滝原小学校で私たちと同じクラスに居た自閉症の女の子ですわ、だから年齢も私たちと一緒」

さやか「あ、あの仁美さん?」


仁美「ちょっと『融通』が利かなくて誰にでも喧嘩っ早い子でしたが決して悪い子ではありませんでした、勉強もすごく出来たのですわ」

杏子「…………」

仁美「ゆきなちゃんのお家は……海外の護身格闘技の道場でしたわ、だからゆきなちゃんは力も強いし、運動神経も高くていざ暴れ出すとなかなか止まらない子だったのです」

仁美「みんながみんな、まるで不発弾にでも触るかのようなビクビクした触れ合い方でした……」

さやか「おーい、仁美ー」

仁美「きっとそんな心無い迫害はゆきなちゃんを一番追い詰めていたのかもしれません……ああ!彼女に明るい未来は訪れるのでしょうか!!」

さやか「オペラスイッチ入ってますかー?もしもーし」

仁美「そんなゆきなちゃんに文武で劣らず、真っ向から向き合って打ち解けたのがあゆむさんですわ」

杏子「お……おう……」

さやか「なんか違うな?え?ごめんちゃーい!」

仁美「以降はあゆむさんとの交流の中でゆきなちゃんは初めて生の人の心に触れます……時にはぶっ飛ばされ、時には関節技を極められながら理解していくのですわ!」

さやか「あーん間に合わなかった、失敗失敗」

ほむら「さやか……」

まどか「あの二人って毎日喧嘩してたよね」

仁美「でも間違いなく愛ですわ」

杏子「へー……殴り愛か」

さやか「あたしには芝居の才能が無かった……」

ほむら「ごめん、貴女が何やってるのか分からないわ……」

さやか「キリカさんじゃないとダメか……」


杏子(女王様があたしに絡んできた理由は分かった)

杏子(でもなんで『今更』なんだ……?)

杏子(事情を掴んでたならそれこそ転校初日とか、体育祭の練習で喧嘩した時とか……)

杏子(あ~~! 駄目だ!わっけわかんねぇ……)

ほむら「でも小学校卒業とほぼ同時に引っ越してしまったのでしょう?」

仁美「ええ……なんでも中学はちゃんと専門の学校に通わせるとか……」

杏子(ゆきなちゃんとやらとの会話の中で偶然あたしの話題が出た……とか?)

さやか「考え込んじゃってどうしたのー?おーい」

杏子「ちょっとなー……」

さやか「本当に大丈夫?」

まどか(言われた事気にしてるのかな……)

杏子(考えても仕方が無い……よな)



~深夜 某所 魔女の結界内~


QB「蝶の魔女、その性質は……」

マミ「可憐に 優雅に……」クルクル ティロロン

織莉子「キリカ、しゃがみなさい」

キリカ「ん?」ヒョコ

マミ「ダンサ・デル・マジック・バレット!!」


ドガガガカ!!


キリカ「ぬおおおっ!!」

マミ「祈りよ、天へ昇れ」


チュドーン!!


QB「やっぱいしゃべらせてもくれないんだね、分かっていたけども」

キリカ「殺す気かー!!」

マミ「ちゃんと避けるって分かっていたわ!」ドヤァ

キリカ「マミの記憶を空へ預けに行くよ?」

マミ「それは素敵な話ね、記憶があれば夢が見れる」

織莉子「夢があるから未来が欲しい」

キリカ「そうだね、この手のネタに乗ってくれるのはさやかだけだった……」

マミ「命、夢、希望……どこから来てどこへ行く?」

キリカ「死ねば総てが無意味になってしまうのに」

マミ「そして私は永遠のマミ」

キリカ「助けて織莉子!」

織莉子「そして私も消えよう 永遠に!」

キリカ「大丈夫だなんて思わないで……一人になると寂しさがいっぱいやってくるの……」

マミ「……知らないわ」

織莉子「ええ……」

キリカ「エーコの台詞さ!」

マミ「分岐イベントかしら……」

キリカ「違うよ、この台詞はねぇ~~」


~~


沙々「やつらは本当呑気ですねぇ」

沙々「ムカつきますねぇ、強者の余裕って」

沙々「結局織莉子の予知がどれくらいの精度なのかは良く分かりませんし……」


~~


織莉子「……」ギロ

マミ「どうしたの?次元の狭間に目力なんて送って」

織莉子「なんか見られている気がして……」

キリカ「織莉子を盗み見なんていい趣味と度胸してるねそいつ、今すぐブチ殺しに行かなきゃ」

マミ「でも織莉子の『気がして』ってあまり当てにならないのよねぇ」

織莉子「我ながらそうなのよ……この前も一番くじを見事に外したわ」

QB「もうちょっと建設的に魔法を使うべきじゃないかな」

織莉子「C賞の仮面ライダーオーズが来ると思ったのにA賞のウィザードが当たってしまったわ」

キリカ「そのノリで織莉子のファンじゃなくて私たちに仇なす魔法少女の気配だったなんて言わないよね?」

マミ「え~……血を見るのは嫌だなぁ……」

キリカ「どの口が言ってるんだおい」

織莉子「ま、大丈夫でしょう……そんな気がするわ」


~~


沙々「…………」ガタガタ

沙々「やっべぇ……双眼鏡越しとはいえ今完全に目があったんだけど……」

沙々「クソ!時期が来るまでは近づくべきじゃないみたいですねえ……」

沙々「あいつの予知はヤバい……!!」


QB「それから大きな事件も無く数週間が過ぎて」


~土曜日、朝 葉月家5F あゆむの部屋~


あゆむ「11時……」パチ

あゆむ「今日土曜日じゃん……もっかい寝よ……」バサ

Iphone<オ・オ・オ! サ~イレントボーイス♪

あゆむ「サーイレント・ヴォーイス……」

Iphone<ヤサシイm  

あゆむ「もしもし……」ツイ

ほむら『もしもし』

あゆむ「……なんか用?」

ほむら『なんの用で電話してると思う?』

あゆむ「……さあ?」

ほむら『今日はラーメンを食べに五郷へ行く約束をしてたよね?』

あゆむ「おう」

ほむら『木曜日に私ちゃんと誘ったはずだったんだけど』

あゆむ「ああ、エピオンが解禁したからついでに触りに行こうって言ったな」

ほむら『……で?集合時間は?』

あゆむ「そういや10時集合だったな」

ほむら『今すぐ殴りに行くわ、そこを動かないで』

あゆむ「いや今どこにいるのさ?」


ウィーム 


姫名「失礼します」

あゆむ「部屋の前に居たのか」



ほむら「未だベットの上とはいい度胸ね」ドンドン

あゆむ「階段くらい静かに登れよ」ムクリ

ほむら「時間くらい守りなさい」

あゆむ「ごめんなさい」

ほむら「素直に謝られると対応に困るわ……」

あゆむ「シャワー浴びてご飯食べて来るから30分待ってて」スタスタ

ほむら「はいはい」

姫名「飲み物をお持ちいたします」

あゆむ「ガラナとコーヒーな」ヒラヒラ

姫名「そう来ると思っていました」ス

ほむら「また読心術ですか?」

姫名「取り柄ですので」

ほむら「凄いですね……」

姫名「それはそうと本日はよろしくお願いします」

ほむら「はい、もう準備は出来ていますから……」



~30分後~


ほむら「漫画でここまでOPを再現してくるなんて……いえ、そこまでしてこそのGガンダムね」ペラ

あゆむ「おまたせ」

ほむら「……」ジー

あゆむ「なんだよ」

ほむら「ファッションチェック」

あゆむ「はあ?」

ほむら「無地の薄紫色ポロシャツにスラックス……いつも思ってたけどおしゃれするつもりある?」

あゆむ「なんでしなきゃならんの」

ほむら「折角の綺麗な髪もゴムで結っただけ……男に見間違われるのも無理ないわ」

あゆむ「うるさい」

ほむら「……やっぱり先にショッピング」

あゆむ「はあ!?」

ほむら「制服だとそんなに思わないけど貴女私服だと髪伸ばしてる男子にしかみえないわ」

あゆむ「……だから?」

ほむら「女の子なんだからもう少し着飾りなさい」

あゆむ「……別に興味ねーし」

ほむら「決定、行くわよ」ガッシ

あゆむ「はあ!?お、おい!!」ズルズル

姫名「行ってらっしゃいませ~」ヒラヒラ

>>427>>428

なぎさ「あゆゆは前作から照らし合わせると良く分からない子に見えるようになっているのです!」

なぎさ「最後は『ああ、そういう事情か』ってなっていただきたいのです!」


ちなみにこのSSのテーマはまどかとさやかとあゆむが請け負っているのでこの三人を見てると何となく落ちも見えてくるはず……だと思います


>>429


今回は死にません……多分……


>>430

何を持って幸せとするかは置いておいて……ですけども……

ほむほむが二郎系にどはまりしてデミさんの同類扱いになる日が来ませんように!

ほむほむってあゆゆは絡むとなんかお姉さんしてるね!



~洋服店『フェアリードロップ』~


えりか「いらっしゃーい!……ってほむほむとあゆじゃん」

つぼみ「こんにちは!」

ほむら「あら、今日は二人で店番なの?」

えりか「まあね~!」

あゆむ「……」

えりか「うん、もう言われなくても要件が分かるわ」

つぼみ「はい」

ほむら「金に糸目は付けないわ」

えりか「合点承知!」ピューン

つぼみ「全力を持って叶えさせていただきます!!」ピューン

あゆむ「って、おい」

えりか「へいお待ち!」ザザー

つぼみ「さあ試着ですよ葉月さん!」ドッサリ

あゆむ「早っ!?」


えりか「まずあゆは二の腕がたくましすぎ!」グイグイ

つぼみ「まるで殿方のよう……」

ほむら「よって上は長袖で決定」ドサ

あゆむ「ちょい」

えりか「足も太もも辺りは筋肉凄いけど肌自体は綺麗なんだからさぁ!」

つぼみ「強調するスタイルで行きましょう!」

ほむら「はい短パン」バサァ

あゆむ「……」

えりか「いや、ここはスカートの方が」ピラ

ほむら「ミニスカート?」ピラ

つぼみ「長めワンピースに上着という手も……」

あゆむ「何勝手に……」

えりか「いやいや、あえてのホットパンツも捨てがたいよね!」

ほむら「ニーソとかどうかしら?」

つぼみ「ショーツを見せつつのミニスカとか!」

あゆむ(なんだこれ……)

ほむら「じゃあまず脱いで」

あゆむ「……は?」

ほむら「拒否権無いから」ポキポキ

えりか「やっちゃえほむほむ!」

あゆむ「え……?」

支援



~数時間後~


つぼみ「決定ですっ!」

ほむら「流石ね」

あゆむ「  」

えりか「上は薄い青のワイシャツで知的なイメージを!下はデニムの七分丈!これであゆがいつも履いてるスニーカーにもピッタリのスポーティーでクールなイメージ!」

つぼみ「全体的に青で統一しながらもベルトやポケットの入口、ソックスのふちにピンクを入れたことで女の子っぽさもしっかりアピール!」

えりか「文武両道なあゆにちょうどいいでしょ!」

ほむら「……」ジトー

つぼみ「みなまで言わなくとも大丈夫です!」ゴソゴソ

えりか「ここで活躍するのが……」

つぼみ「このボリュームストール(グレー)!」バサァッ

あゆむ「  」ファサァ

ほむら「へえ……」

えりか「結構印象変わるっしょ!」

つぼみ「あまり防寒具としては機能しないのですが……」

ほむら「ちょっと動きづらそうね」

えりか「そこがミソっしょ!」

つぼみ「それと胸の所にシルバーブローチをつけて前でとめます」

ほむら「出来れば可愛い動物のを」

えりか「さあどれがいい?」バッ

ほむら「……そうね、このカンガルーで」

えりか「よっしゃ!」パチン

支援


つぼみ「あとはワンポイントアクセサリですね!」

ほむら「腰が寂しいのはウエストポーチで誤魔化すとして」パチン

えりか「イヤーカフとか?」

ほむら「リボンでしょう」

つぼみ「女の子アピールですね!」

えりか「あゆって髪の毛濃いめの紫色だからね~」

つぼみ「赤なんて似合いますよ」シュルシュル

ほむら「却下」

つぼみ「となると……」

えりか「水色、オレンジ、ピンク、薄紫、黒ってところかなぁ……」

あゆむ「  」

ほむら「どれがいい?リボンの色」

あゆむ「…………じゃあ黄色」

ほむら「選択肢に無かったのだけど……」

つぼみ「はーい!」シュルシュル

えりか「……では!上から黄色のリボン、空色のワイシャツ、グレーのストール、カンガルーのシルバーブローチ、オシャれなウエストポーチ、デニムパンツ、アンクルソックス!……合わせてお値段ほぼ12万円の所なんと!」パチパチ

つぼみ「なんと……!」

えりか「ほむほむ友情プライスで3億万円!お安い!!」

つぼみ「まあお得!」

あゆむ「ん、カード一括」ピラ

ほむら「ちょい」

支援


えりか「はっははは!冗談だよ冗談!はいこれ」ドン

あゆむ「なにこの嫌がらせみたいな段ボール箱」

つぼみ「ご心配なく!ちゃんと台車貸しますから」

あゆむ「理解の範疇を越えた事言わないで」

ほむら「貴女のお父さんがコンクール優秀賞おめでとうってお金出したんですって、そのお金で姫名さんが勝手に洋服を買い占めたわ」

あゆむ「…………」

えりか「まあそのリボンだけは買占めリストに載ってなかったけど、それくらいタダで良いよ!」

えりか(200万円も買ってくれたのに今更リボン一本ケチるってのもね……)

あゆむ「エピオンは釣り餌かよ……」

ほむら「だって貴女お洒落しないんだもの」

あゆむ「誰がそんな女々しい事すんだよ」

えりか「って言うと思ったよ、だからほむほむとのデートならお洒落するんじゃないかってまどっちが」

あゆむ「あの淫買ピンク、息の根止めるか」ガタ

つぼみ「はしたない言葉を使わないでさい!」

あゆむ「はあ?」

つぼみ「淑女らしくしおらしく振舞うべきです!」

えりか「ミスマッチもキャラの内って言ったってね?」

あゆむ「ねーわ」

ほむら「とりあえず早く片しましょう、デートの時間が無くなるわ」ガッシ

ほむら「ほい!」ダン!

えりか「女子にあるまじき筋力だわそれ……」

あゆむ(デート……二人っきりで……デート……デートか……)

支援


えりか「あゆも怪力なんだからちゃんと働いてよ!」

つぼみ「ひ弱ですいません……」

あゆむ「はいはい」ヒョイ

えりか「ハイは一回!」

あゆむ「死ね」ドン!

えりか「あーいえばこーいう……」ガラガラ

あゆむ「言い返されないように言え」

えりか「はいはい、あんたはそーいう奴でした!」

あゆむ「ハイは一回」

えりか「うぐぐぐ……」


QB「……で、運び終わって」


~市街地~


ほむら「さ、行きましょうか」

あゆむ「……どこに?」

ほむら「エピオンを触りに行くならゲーセンでしょ?」

あゆむ「デートと称しつつゲーセンでゲームってお前……」

ほむら「なんて言われても……」

あゆむ(……まあいっか)

ほむら「じゃあ教えてほしい場所があるわ」

あゆむ「ん?」

ほむら「音楽祭の会場よ」

あゆむ「ああ……」

ほむら「わりと町はずれの方にあるって言うから不安で……」

あゆむ「森林公園抜ければすぐだろ」

ほむら「あら?デートなのに案内も無いの?」

あゆむ「おまえなぁ……」

ほむら「ふーん?」

あゆむ「分かった分かった、案内しますよお嬢様」スタスタ

ほむら「ありがとう、よろしく頼むわ」

支援



~森林公園 上の公園~


あゆむ「んで、ここが上の公園」

ほむら「地図上でお化けの森の上にあるから上の公園って……」

あゆむ「あっちもあっちで昔は下の公園って呼ばれてたんだぜ?」

ほむら「お化けの森ってついたのは意外と最近なのね」

あゆむ「まあ障害者がたまに集まってたところだからな、奇声とか歌声とか不審者とか……事情を知らないガキからしたらお化けだろ」

ほむら(……あそこがお化けの森と呼ばれているのは杏子の家が原因なのね)

ほむら「ん?……あれは」


まどか「人にぶつけたりしちゃだめだよー!」

タツヤ「はーい!」

まどか「そうそう、上手上手!」

ほむら「こんにちは」

まどか「ほむらちゃん!」

あゆむ「おい淫乱ピンク」

まどか「あ、あゆちゃん……じゃあちゃんとプレゼント受け取ったんだ」

ほむら「ええ、早速コーディネートしてきてるわ」

まどか「うん!すっごくかっこよくてかわいいよ!」

あゆむ「まあ死ねよ」

まどか「死ねなんて言ったら駄目だよ、ここにはタツヤもいるんだから」

タツヤ「うん!」

支援

あゆむ「死ね」
まどか「ふーん……じゃあほむらちゃんにお話ししちゃおっかなー?」
あゆむ「…………」
ほむら(何を握られてるの……)
ほむら「まどかはどうしてここに?」
まどか「タツヤがね、親戚のおじちゃんからラジコンを貰ったの」
まどか「だからここで遊んでるんだ」
ほむら「へえ……結構高級そうなラジコンね」
まどか「最初は凄いスピードだったからパパがシャーシ抜いて遅くしたんだ」
ほむら「流石ね、知久さん」
まどか「そうそう!夕方仁美ちゃんのお稽古が終わったらさやかちゃん達とお茶しに行くんだ、一緒にどう?」
あゆむ「……」プイ
ほむら「是非、時間とか決まったら連絡ちょうだい」
まどか「うん!」
あゆむ「殺すかチビ」
まどか「でもそのストール良いなぁ……」
あゆむ「……ちょっと動き辛くてうざいけどな」
ほむら「貴女のたくましい二の腕を隠すためなんだから我慢しなさい」
まどか「あ!だったらさ……」パチン
あゆむ「っておい!」
まどか「この前教わったんだ!」パサァ
ほむら「ストールを広げるの?」
まどか「これで首に巻いて……ちょっとしゃがんでよ」
あゆむ「殺すぞ」
まどか「ふんふふーふんふん♪」
ほむら(鼻歌?)
あゆむ「……」ス
ほむら(しゃがんだ……まどかに何を握られてるのよ……)

なぎさ「とちったのです……」


あゆむ「死ね」

まどか「ふーん……じゃあほむらちゃんにお話ししちゃおっかなー?」

あゆむ「…………」

ほむら(何を握られてるの……)

ほむら「まどかはどうしてここに?」

まどか「タツヤがね、親戚のおじちゃんからラジコンを貰ったの」

まどか「だからここで遊んでるんだ」

ほむら「へえ……結構高級そうなラジコンね」

まどか「最初は凄いスピードだったからパパがシャーシ抜いて遅くしたんだ」

ほむら「流石ね、知久さん」

まどか「そうそう!夕方仁美ちゃんのお稽古が終わったらさやかちゃん達とお茶しに行くんだ、一緒にどう?」

あゆむ「……」プイ

ほむら「是非、時間とか決まったら連絡ちょうだい」

まどか「うん!」

あゆむ「殺すかチビ」

まどか「でもそのストール良いなぁ……」

あゆむ「……ちょっと動き辛くてうざいけどな」

ほむら「貴女のたくましい二の腕を隠すためなんだから我慢しなさい」

まどか「あ!だったらさ……」パチン

あゆむ「っておい!」

まどか「この前教わったんだ!」パサァ

ほむら「ストールを広げるの?」

まどか「これで首に巻いて……ちょっとしゃがんでよ」

あゆむ「殺すぞ」

まどか「ふんふふーふんふん♪」

ほむら(鼻歌?)

あゆむ「……」ス

ほむら(しゃがんだ……まどかに何を握られてるのよ……)

支援


まどか「~♪」スルスル

まどか「で、ちょっとブローチはちょっと左に寄せて」パチン

まどか「でーきた!」

あゆむ「……」クイックイ  ヒラヒラ

ほむら「へえ……ケープっていうかマフラー風にしたのね」

あゆむ「まあ動きやすいけどさ……」

まどか「ついでに口元もちょっと隠せるように立たせれば……」ピン

ほむら「……口元の表情って大事ね」

あゆむ「どういう意味だおい」

ほむら「目つきだけなら意外と可愛いって事よ」

あゆむ「…………」プイ

まどか「体格が気になるならこうやって隠せばいいって仁美ちゃんから教わったんだ」

ほむら「毎日サボらずに筋トレしているものね」

まどか「まだまだ全然だけど……ね?」

ほむら「気になるのは仕方ないわ、女の子だから」

まどか「うん……それじゃ、デート楽しんできてね!」ヒラヒラ

あゆむ「デートじゃねえし」

ほむら「ありがとうまどか」フリフリ

あゆむ「…………」


あゆむ(そんなこと気にしないとダメか?)

なぎさ「ここまでなのです、お疲れさまでした!」

なぎさ「デートはもう少し続くのです」

>>454
だからデブさんのことマミって(ry

>>455
コメントありがとうございます


フラワーとマリンは趣味が嵩じて服屋さんになったのね…
買い物やゲーセン程度ならともかくあんまりデートデートしてるとまどまどが嫉妬しちゃうぞ

まどかはやっぱりお姉さんしてるな
乙!

■ HTML化依頼スレッド Part16
■ HTML化依頼スレッド Part16 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394756963/)

デートというからには手を繋ごう
指と指を絡めて手を繋ごう


デートといえば観覧車でのキスとかプリクラか
童貞だからよくわからん

おはようございます

再開です



~見滝原市民ホール 水のせせらぎ館~


ほむら「ここ?」

あゆむ「そ」

ほむら「すごい……まるでお城みたいね!」パアア!

あゆむ「来た事無いのかよ……」

ほむら「そんなこと言われても市民ホールなんて普通来ないし……」

あゆむ「そりゃそうか……」

ほむら「入っても平気かしら?」

あゆむ「何のために?」

ほむら「だって中もきっと綺麗なんだろうなって……気にならないの?」

あゆむ「内装なんて見たって仕方ないだろ」プイ

ほむら「世界的ヴァイオリニスト 雪城氏によるコンサート……じゃあ私これ聞きたいわ」

あゆむ「じゃあってなんだじゃあって」

ほむら「決定!」ガッシ

あゆむ「っておい!」グイグイ



~同館 エントランス~


ほむら「凄い……!ハリーポッターの魔法省みたい!」キョロキョロ

あゆむ「…………」

ほむら「あ、あれが本物のステンドグガラスね」タッタッタ

ほむら「天窓の周りにもあんなに彫刻が彫られていて……あのフクロウなんて今にも羽ばたきそう」

ほむら「床もすごく大理石していて綺麗だし」

ほむら「足音もなんだか高級感がある」タンタン

あゆむ「どんだけはしゃいでるんだよ……」

ほむら「だってこんなのTVでしか見たことないもの」

ほむら「まるでお姫様になったみたいで楽しいじゃない」

あゆむ「そうかい……」

ほむら「あそこがホール……って事はあそこで今度歌うの?」

あゆむ「そうだけど、そっちは金払わなきゃ入れないからな……こっち来い」スタスタ

ほむら「中庭に何かあるの?」


~中庭~

ほむら(中庭……というよりもここだけがガラスのドームになってるんだわ)

ほむら(ちゃんと整備された歩道と、周りには小川や綺麗に手入れされた森林……それにこの音は……)

あゆむ「ん」ピ

ほむら「わぁ……!」

あゆむ「あのクソみたいにでっかい噴水が『水のせせらぎ』ってわけ」

ほむら「綺麗……!」

あゆむ「半径5Mの池と全長2M程度のかなり大がかりな噴水」

ほむら「女神の石像がもつ水瓶や、翼を広げた白鳥たちから水が噴き出ていて……まるで夢を見ているみたい!」

あゆむ「夜になったらライトアップも入って、結構綺麗なんだよ」

ほむら「白い石像達と水の作るイルミネーションはきっと素敵なんでしょうね……!」

あゆむ「静かにしていればこの館のどこに居てもこの噴水の音が聞こえるんだ」

ほむら「それで水のせせらぎ館なのね」

あゆむ「ここは休憩スペースも兼ねてるからテーブルや椅子も設置されてる」

あゆむ「施設内の売店から物を買ってきてここで過ごす、五月蝿いからあたしはごめんだけどね」

ほむら「そうかしら?花や木に囲まれて、ここに居るだけで気持ちが落ち着くような……なんていうかとにかく癒されるわ」ストン

あゆむ「椅子があるって説明したそばから芝生に座り込むなよ……」

ほむら「良いじゃない、柔らかくて気持ちいいし」

ほむら「そよぐ風が少し冷たくて気持ちいい……」

あゆむ「あ、そ」ストン

ほむら「こうしてるだけで満足よ……東京じゃこんなところ無かったし」

あゆむ「…………」ギュ


あゆむ(普通はこういう環境に身を置くと皆心が安らぐはずなのに……)

あゆむ(あたしだけなのかな……心臓が押しつぶされるみたいな感覚に襲われる)

あゆむ(こう言うの、胸がヂクヂクして苦手……)

あゆむ(何も考えないでほむらみたいにゆっくりすれば良いのに……馬鹿だな……)


ほむら「あら?椿が咲いてるわ」スック

あゆむ「……椿が好きなの?」

ほむら「小学生の時、入院した私にクラスメイトが届けてくれた花……これだったから」

あゆむ「そんな縁起の悪い花……」ス

ほむら「え?」

あゆむ「こっちを好きになった方が良い」プチ

ほむら「……白い椿?」

あゆむ「山茶花」ス

ほむら「でも椿にだって白いのは……」

あゆむ「椿は戦士にとって忌むべき花」

あゆむ「ある日突然、花ごと落ちるそれは首が落ちる様を連想させるから」

ほむら「え……」

あゆむ「…………」

あゆむ「ゲームとは言え、一応戦いに行くのに椿はどうよって話」

ほむら「それもそうね……で」

あゆむ「?」

ほむら「貴女の好きな花は何?」

あゆむ「紫苑、ここには咲いてないよ」

ほむら「こんなに花があるのに?」

あゆむ「一応絶滅危惧種だからな」

ほむら「……なんて言うか詳しいのね、華道でも嗜んでるの?」

あゆむ「あたしじゃなくてゆきなが好きなんだよ」


あゆむ「二人で休日遊びに行くと、ここに来ることが多かったから」

ほむら「へえ……」

あゆむ「あそこのポプラとか折れてるじゃん?」

ほむら「ええ」

あゆむ「4年前にあたしが登ったら折れた」

ほむら「馬鹿」

あゆむ「あとそこにタンポポの群れが出来てるだろ?」

ほむら「結構好きよ、タンポポ」

あゆむ「ゆきなが勝手に植えてそこに生えてたイチリンソウを駆逐した」

ほむら「ちょっと!?」

あゆむ「あとは……」

ほむら「公民館で何やってるの貴女!?」

あゆむ「認めたくないものだな……自分自身の、若さゆえの過ちを」キリッ

ほむら「過ちを気に病む必要はない、ただ認めて次の糧にすればいい……それが大人の特権だ」ファサァ

あゆむ「全裸のおっさん嫌い」

ほむら「散々な言われようねフル・フロンタル」

あゆむ「でもシナチクは好き」


ほむら「ピーマン(クシャトリヤ)ソーダバー(デルタプラス)ブドウ(ローゼン・ズール)タケノコ(ユニコーンガンダム)……何故ユニコーンのMSは食べ物なの……」

あゆむ「バンシイにも焦げパプリカって名前あるけど」

ほむら「中でもタケノコとか理解不能だわ……」

あゆむ「ビームマグナムの弾の形、ペンシルキャンディ派とタケノコ派で言い争ってた」

ほむら「大体にして意味不明なスラングが多すぎるのよ」

ほむら「アルマ・アルトロンとかファフナー・マークシックザールとかMSですらないじゃない」

あゆむ「ナタクとデスティニーね」

ほむら「スラスターモジュールは?」

あゆむ「トールギス3」

ほむら「ガンダムクインシィ・バロンズゥ」

あゆむ「ゴトラタン」

ほむら「ダンクーガ」

あゆむ「ZZガンダム」

ほむら「ゲッターガンダム」

あゆむ「サザビー」

ほむら「アンカーストライクガンダム」

あゆむ「ストライクノワール」

ほむら「ランニングファイヤーエアリアルスラッシュガンダム」

あゆむ「ゴットガンダム」

ほむら「ロックオフガンダム」

あゆむ「ケルディムガンダム」

ほむら「バーニィガンダム」

あゆむ「ザク改」

ほむら「ランカファン一号ガンダム」

あゆむ「OOクアンタ」

ほむら「ブリキ野郎」

あゆむ「ガンダムデュナメス」

ほむら「のばら」

あゆむ「ゼロとルナザク、格闘機と地走機は死ぬ」

ほむら「…………」


あゆむ「あとは妖怪コノシュンカンヲマッテイタンダーとかスーフリもどきガンダムとか」

ほむら「ガンダムつければガンダムじゃないのよ……」

あゆむ「とか言われてもね」

ほむら「大体こんな自然に囲まれてまでガンダムっていうのがいただけないわ」

あゆむ「だな」

ほむら「……そういえばゆきなちゃんは花が好きだったんでしょ?」

あゆむ「花っつーかハートキャッチプリキュアだな、そこからあいつは花にはまった」

あゆむ「花……って言うよりは花言葉か」

ほむら「花言葉?」

あゆむ「山茶花の花言葉は、困難に打ち勝つひたむきさ」

ほむら「……」

あゆむ「卒業前、ゆきなは全員に似合う花とその花言葉を送った……作り物の造花だったけどな」

ほむら「その時の花が紫苑だったの?」

あゆむ「いや」

ほむら「え」

あゆむ「ちなみに愛しのまどかが貰ったのはアーモンドの花、さやかはアサガオ、仁美はひまわり」

ほむら「……で、あなたは?」

あゆむ「シロツメクサ、つまり四葉のクローバー」


ほむら「花なんてあるの?」

あゆむ「白くて小さいやつがね……花言葉は約束、私を思ってだってさ」

あゆむ「ついでに四葉はそれぞれ 愛、希望、祈り、幸福 の象徴で自然界における四葉の発生確率は10万分の一以下だとか」

ほむら「なんだかプリキュアにありそうな言葉ね」

あゆむ「ああ、プリキュアでいそうだな」

ほむら「貴女も詳しいのは一緒に勉強したから?」

あゆむ「ゆきなはこれについてはとにかく語るんだよ、おかげで覚えちゃったわけ」

ほむら「……とっても大切な子なのね」

あゆむ「いや、そりゃあ……だってねえ?」

ほむら「そんなに楽しそうに話すところ、初めて見た」

あゆむ「はあ!?誰が!!」

ほむら「へえ、これに関してはムキになるの?」

あゆむ「うるさい!くたばれ!!」

ほむら「でも素敵なことね、うまく言葉が通じなくてもちゃんと繋がれたなんて」

あゆむ「小4から卒業まで3年もあったんだぜ?やろうと思えば誰だって出来る事だろ」

ほむら「そうなの?今までで一番仲良くなれたつもりの友達だって、長くて一か月でお別れだったから……」

あゆむ「話が重いって……その友達、下手しなくとも全員死亡済みとか言うんだろ?」

ほむら「察しがいいわね」


ほむら「まどかやさやか達も……本当は居なくなってしまった友達の代わりに思ってるんじゃないかと思うと、自分がちょっと嫌になる……」

あゆむ「まあ……いなくなっちゃった人達に他人を重ねちゃうのはしょうがないんじゃない?」

あゆむ「ちょっと格好悪いけどさ、心が辛い事から逃げるのは当たり前だろ」

あゆむ「無様でもいいから取り敢えず生きてだな」

あゆむ「んでちょっとずつその人たちとは違うんだって認識してあげれば良いんじゃ……」

ほむら「…………」ポカーン

あゆむ「なんだその顔は」

ほむら「貴女がまともに人を励ますなんて……」

あゆむ「お前を殺す」ガバ

ほむら「早く私を殺しにいらっしゃい!」ヒョイ

あゆむ「くっそ!病弱設定絶対嘘だろ!Wのガンダムチームの年齢設定位信憑性が無い!」

ほむら「ゼクスは19歳よ!」

あゆむ「ハマーン様だって21歳だよ馬鹿!」

ほむら「嘘……でしょ?」タッタッタ

あゆむ「年増って言ったら殺す」タッタッタ


~五郷のラーメン屋~


ほむら「つ……疲れた」ゼェゼェ

あゆむ「心臓病が再発して死ねばいいのに……」

ほむら「なんで息が上がらないの……体力あり過ぎよ……」

あゆむ「病み上がりに比べられても……」

ほむら「ここまで2km位あったわよ……」

あゆむ「良いから一息入れて行こうぜ、腹減った」

ほむら「燃費悪すぎよ貴女……」

あゆむ「ごはんを控えて来ただけだから」

ほむらのiphone<イマー ウンメイヲハミダシテェ♪

あゆむ(シャープ……)

ほむら「もしもし?」ツイ

さやか『もしもしー?今暇だったりする?』

ほむら「今はちょっと……けど夕方頃のお茶会には参加させてい貰うつもり」

さやか『あー……そういや今日はなんだか用事あるって話だったけ』

ほむら「ごめんなさい」

さやか『いやいや気にしいないで!じゃ、時間決まったらまた電話するから!』

ほむら「ええ、それじゃ」

あゆむ「下らない用でいちいち電話すんな死ねって言っとけ」

ほむら「どんだけさやかのこと嫌いなのよ……」


~魔女結界前~


さやか「あっちゃー……」ツイ

QB「どうするんだい?」

さやか「マミさんはバイト、織莉子さんとキリカさんは部活、杏子は連絡もつかず、ほむらは抜けてこれないと……」

QB「ま、この程度の魔女なら放っておいても大した被害は出ないだろうしね」

さやか「皆の都合があったら改めて……か」

QB「やはり一人と二人以上では戦術的にも負担が違う、妥当な策ではあるよ」

さやか「なんて言うわけないでしょ!」

QB「好きにすればいいさ、僕は干渉しないよ」

さやか「迷わない筈はない……それでも行く!」バサァ

QB「影の魔女、その性質は『独善』だ」

~~

さやか「…………」

QB「さやかは一人で戦うときは静かだね、みんなと居る時はうるさいのに」

さやか「だって一人で騒いだってしょうがないしね」

QB「そうなのかい?」

さやか「あんたじゃ反応も薄いしさ」

QB「キュップイ」


~教会跡地 佐倉家~


杏子「…………」ゴソゴソ

杏子「あった!信者の名簿!」

杏子「えっと……か……か……見つけた、花蘭」

杏子「やっぱり葉月は無い……」

杏子(……花蘭は上から黄色いマーカーで塗られてる)

杏子(そうだ、こうやって障害者の人たちには目印をつけてたんだ)

杏子(信者とか関係なくそんな人たちも幸せになる権利があるって、教義とは別に読み聞かせ会とか勉強会とかしてた……)

杏子「この教会が無くなってから、そんな人たちってどうしてるんだろうな……」

杏子「親友の大切な居場所が一つ無くなった、ましてやその子は障害者」

杏子「そりゃ気にするよなぁ……といってもなんて説明しろってんだよ……」


~喫茶店前~


さやか「そこで言ってやったわけよ……よく見ておきやがれ、コイツがカットバックドロップターンだ!ってね」

まどか「信じらんない!なんでまたそんな危ない事ばっかりやるの!?」

さやか「んも~たかだか魔女一匹にあたしはやられたりしないって!」

まどか「でも……」

さやか「これでもあたしは『見滝原の三銃士』なんだから!」

まどか「でも、不安だよ……」

さやか「大丈夫だって!あたし仲間内で一番逃げ足早いし!」

まどか「…………」

ほむら「お待たせ」

さやか「おっすー!……あれ?あいつは?」

ほむら「さあ?もともと夕方は用事があるって言ってたし」

ほむら(本当はさやかに会いたくないって帰っちゃったけど……)

さやか「へー」

まどか「ねえちょっと聞いてよほむらちゃん」

ほむら「どうしたの?」


まどか「さやかちゃんがね……また一人で魔女と戦いにって、かっこつけて怪我したんだって……」

ほむら「別段心配することないじゃない、さやかは強いし」

まどか「ほむらちゃんもそんなこと言って……」

ほむら「本当の事よ?巴さんが強すぎるから霞んでるけど、魔法少女としてさやかの実力は相当だわ」

まどか「……」

さやか「ほらほら暗い顔しないの!それにあたしは魔女を野放しにしたくない」

まどか「だからって一人で戦わなくても……」

さやか「誰かを傷つけてまで自分の願いを叶えたい子なんてそうそういないよ」

さやか「だからそんな子達が誰かを傷つける前にあたしたちが止めてあげなくちゃ」

さやか「傷つくのも怖いのも嫌だけどしょうがない、これから通る道だもん」

まどか「嫌なこと言わないでよ……」

さやか「大丈夫大丈夫!いざとなったらほむらにワルピーの種貸してもらうから!」

仁美「ほむらさんに何を貸してもらうんですか?」

さやか「しょ、小説だよ小説!『初恋はミルキーウェイ』ってやつ!」

仁美「あれはなかなかに素敵な純愛ものでしたわ」

さやか「あーネタバレはダメ!あたし楽しみにしてるんだから!」


ほむら『さやかの味方をするわけじゃないけど、公平に見ても彼女は魔法少女としての自信もつけ安定してきてる……意外なほど隙が無い戦闘スタイルだから安心して任せられる』

まどか「……」

ほむら『私たちの前では気を遣っておどけてるだけよ、だから安心して』

まどか「……そう……なんだ」

ほむら「拗ねてるの?」

まどか「少し」

ほむら「頼りにしてあげた方がさやかは喜ぶわ、結構Mだから」

まどか「そうなんだよね……」

ほむら(Mを否定しない辺り重症ね……)


みなさんコメントありがとうございます!

>>478

なぎさ「モブに服屋とお花に明るい人が欲しいなって思ったらそんなコンビがいたのです」

>>479

なぎさ「まどかはちゃんとお姉さんであるべきなのです!」

>>480

なぎさ「まだだめよ」

>>481>>482

なぎさ「ご期待に添えたか、ちょっと自信がないのです……」

なぎさ「由利百合は後半のスプラッシュマウンテン展開まで待ってほしいのです!」

影の魔女をさやかが単体撃破(安定)…だと?
懐中電灯をはちまきで頭の両側に結わえて突貫する青魚が脳裏をよぎって離れないw

>なぎさ「由利百合は後半のスプラッシュマウンテン展開まで待ってほしいのです!」
楽しみ
だが、どっちがネコでタチなのかさっぱりわからん!

ところでホール内にまで噴水の音が聞こえてしまうとかいう壊滅的施設設計でないことを祈ろう

>>501
>あゆむ「まあ……いなくなっちゃった人達に他人を重ねちゃうのはしょうがないんじゃない?」
にとをが逆なだけでテラシュール
今生きているまどかを死んだまどか達に重ねるってなかなか高等技術のような気が

おつんつん!

>あゆむ「…………」ギュ
なぜか胸が締め付けられて近くにいるほむを抱きしめたあゆを幻視した

ダークな展開も期待してるぞ!



~月曜日1時間目 総合(3年1、2組合同の合唱練習)~


恭介「それじゃあまずは一番から合わせてみよう、志筑さんよろしく!」

仁美「はい!」

恭介「じゃあよろしく」ポン

指揮者「あ、はい」


~合唱略~♪


恭介「うんうん……よし、ポジションチェンジだ!」

杏子「はあ?なんで?」

恭介「合唱において立ち位置って言うのは結構大きく影響するんだ」

杏子「?」

恭介「学校の体育館じゃ分かりにくいんだけどね、特にステージの壁にカーテンがかかってたりすると」

杏子「ふーん」

さやか「こういうのは恭介に任せて大丈夫!天才だから!」

杏子「なんじゃそりゃ……」


恭介「ザッと聞いた感じでアドバイスもしていくね、まず鹿目さん」

まどか「え?私?」

恭介「うん、音は上手に取れていたからもっと大きな声で歌った方が良いよ」

まどか「そ、そうかな?」テレテレ

恭介「それで立ち位置は一番後ろの真ん中らへんで良いかな?」

まどか「うん分かった……けど……」

恭介「大丈夫だよ、本番ではひな壇があるから」

恭介「高くて良く通る声は後ろの方で全体の調律をして欲しいし、みんなが聞いてしまうから上手な子が良いんだ」

まどか「いや、そんな……ティヒヒヒ!」テレテレ

中沢(口説きにしか見えん……)

恭介「その隣にさやか……で、その前に暁美さん来てもらっていいかい?」

さやか「はいはい」

ほむら「ええ」

恭介「さやかは言うまでもなくOKだし、暁美さんは音も正確に取れるし歌い方も随分上手だね」

恭介「まるで専門の訓練をしたみたいだ」

ほむら「そ、そうかしら……」

ほむら(腹パントレーニング効果あったのね……)


恭介「だけどちょっと周りの音に流されやすいのがたまに傷だなって思ったんだ」

ほむら「そう……」

恭介「でも悪い事じゃないんだ、暁美さんがみんなに合わせようとちゃんと周りの音を意識しているって事だから」

恭介「暁美さんの声はとても綺麗だから、生かさない手は無いよ」

ほむら「あっと……いや……そんな……」モジモジ

杏子(照れた)

まどか(可愛い)

さやか「それであたしの前に置いたって訳ですな!」

恭介「そう言うこと……あと佐倉さん、花咲さん、菊月さんは鹿目さんの前に並んで」

杏子「ほいほい」

恭介「花咲さんと菊月さんは音域の広さもそうだけど、とても響く良い声だね」

恭介「だからこそ発声をちゃんとして歌詞を伝える役目をして欲しいんだ」

恭介「前列の歌声は観客が最初に聞く声だからね、丁寧に大切に感情をこめて歌ってほしい」

つぼみ「はい!」

葵「よっしゃ!」



恭介「佐倉さんもとっても上手に歌うね!みんなのお手本にしたいくらいだよ」

杏子「だからど真ん中ってわけ?」

恭介「そう!真ん中の歌声は周囲から一番聞き取りやすい場所だってことを気にしながら歌ってくれると嬉しい、君の声なら十分その大役に耐えうるよ!」

杏子「調子のいいことだけペラペラと……」

恭介「中沢、君はちょっとアルトパートに引っ張られてしまっているね」

中沢「そうか?気を付けるよ」

恭介「豊島はもう少し低い声の方が出しやすいんじゃないかな?次試してみて」

豊島「おう」

恭介「あと葉月さんにはアルトリーダーを任せてもいいかな?」

あゆむ「はあ?」

恭介「へえ……リボンするようになったんだ」

あゆむ「……」

恭介「うん、明るい色が似合ってるよ」

あゆむ「死ね」スタスタ

ほむら(って言いながらアルトパートに並ぶのね)

杏子『凄えな上条……全体で60人以上の歌声全部聞き分けてるのかよ……』

さやか『ね?天才でしょ?』

杏子『ああ……』

ほむら『これじゃ2組は勝てないって納得ね』

杏子『つーか負けようがないだろ……』


恭介「佐倉さんもとっても上手に歌うね!みんなのお手本にしたいくらいだよ」

杏子「だからど真ん中ってわけ?」

恭介「そう!真ん中の歌声は周囲から一番聞き取りやすい場所だってことを気にしながら歌ってくれると嬉しい、君の声なら十分その大役に耐えうるよ!」

杏子「調子のいいことだけペラペラと……」

恭介「中沢、君はちょっとアルトパートに引っ張られてしまっているね」

中沢「そうか?気を付けるよ」

恭介「豊島はもう少し低い声の方が出しやすいんじゃないかな?次試してみて」

豊島「おう」

恭介「あと葉月さんにはアルトリーダーを任せてもいいかな?」

あゆむ「はあ?」

恭介「へえ……リボンするようになったんだ」

あゆむ「……」

恭介「うん、明るい色が似合ってるよ」

あゆむ「死ね」スタスタ

ほむら(って言いながらアルトパートに並ぶのね)

杏子『凄えな上条……全体で60人以上の歌声全部聞き分けてるのかよ……』

さやか『ね?天才でしょ?』

杏子『ああ……』

ほむら『これじゃ2組は勝てないって納得ね』

杏子『つーか負けようがないだろ……』



~中休み~


さやか「しっかし仁美は凄いねー……一体いつ練習してるのさ」

仁美「あれくらいならお茶の子さいさいですわ」

杏子「それ地味な嫌味?」

仁美「いいえ、私杏子さんのこと応援してます……そっち側の方も」

ほむら「そっち側?」

仁美「そっち側ですわ」

さやか「けど良かったじゃん、流石にこの曲はちょっと練習したくらいじゃ伴奏できないよ」

杏子「なー、《ビリーブ》通らなくて残念だぜ」

まどか「歌詞も結構難しいよね……」

ほむら「けど素敵な歌よ」

さやか「あんたが言うと重いっつーの」

ほむら「そんなこと言われても……」

仁美「意地悪は行けませんわ」

杏子「否定できないだろ、色々と」

まどか「色々と……ね」

ほむら「そうかも知れないけど……」

仁美「色々……まさか……!?」

杏子「絶対違うぞ、違うからな」


さやか「あー……でも次体育かー……げ、今日は蜂須先生が審判のBコートで試合じゃん……」

まどか「小言多いよねあの人」

杏子「あー、あのデブか」

ほむら「先週の依怙贔屓は目に余るものがあったわ」

さやか「葵のクロスプレーがOKで仁美のコーナーに決まった球、全部ボールにされてたもんね……」

杏子「って言うけど普通にしてりゃ何もないだろ」

仁美「さあ、どうだか」

杏子「仁美に言わすってことはよっぽどだな……」

仁美「どうかしら?」

杏子「あれ?仁美と葵って同じチームじゃなかったか?」

ほむら「依怙贔屓って言ったでしょ、ほとんど好き嫌いよ」

杏子「ふーん……けど、勝つのはあたし達だよ!関係ないね」

さやか「いやいや、今回はあたしたちが勝つからね!」

ほむら「ふふふ、見ていなさい」


いつもコメントありがとうございます!

>>512

>懐中電灯をはちまきで頭の両側に結わえて突貫する青魚が脳裏をよぎって離れないw

一人で爆笑してしまったじゃないですかww

>ところでホール内にまで噴水の音が聞こえてしまうとかいう壊滅的施設設計でないことを祈ろう

なぎさ「ホールはさざ波ホールっていう別館なので大丈夫なのです!けどドアを開けておけば聞こえなくはないのです!」

>>513


なぎさ「あゆゆは言葉の端々で損をしてるタイプなのです、シャアの再来を名乗るフロンタル嫌いな理由になっているのです」

葉月ちゃんの人格的問題点の現れ、逆の言い回しをすることによる自虐です


>>514

なぎさ「次回で杏子とあゆゆが警察沙汰を引き起こしているのです!」

ffさやか「歌を歌えよ」

オチは完成済みです、今週中には歌を歌うはず……

ピアノ担当の杏子がセンター?
クラス対抗が合同?
なんだか音楽祭そのもののシステムがよくわからないな
そこらへん適当に(作中で)解説ぷりーず

>シャアの再来を名乗るフロンタル嫌いな理由になっているのです
ごめん、ZZより後の話はまったく知らないから何いってるかわからないんだ

警察沙汰…キャットファイトの末に着衣の乱れで猥褻物陳列罪!

乙!
体育はブルマでよろしく
警察といえば急にパトレイバー思い出した

こんにちは、再開です



~3、4時間目 合同体育~


蜂須「プレイボール!」

さやか「しまっていこー!」

「「「おー!」」」

ほむら「さあ来なさい」グッ

杏子「真似っこ神主打法かよ?上等!三振だぜ!」シュッ

ほむら「そう?」カーン

蜂須「良いぞ暁美!」

杏子「やっべ!右中間!」


テン テン


蜂須「花咲ー!落下予想点の後ろに回り込めー!」

つぼみ「あわわわわ!!」オロオロ

あゆむ「寄越せ」

つぼみ「お、お願いしますっ!」ポイッ


ゆうか「うお怖っ!」バシィッ!

ほむら「もう球が帰ってきたの!?」ザザザ

杏子「流石あゆゆ……」

かえで「あの当たりで暁美がツーベース行けんって、イチローかあいつは……」

蜂須「葉月!危ない球投げるんじゃない!顔にぶつかったりしたらどうするんだー?」

杏子(先生が審判の日って萎えるなぁ……)

ゆうか(いやヤバかったらノーマルに逃げるし)


えりか「オッケーオッケー!ヒットエンドランだよほむほむ!」クイクイ

杏子「あれ?あいつは?」

まどか「今日は見学でーす」チョコン

杏子「あ、そう」シュッ

えりか「ほ」コン

杏子「バントとか可愛くないことしやがって!」

蜂須「遊んでないでさっさと処理する!」

杏子「はーい」

さやか「さあ!このチャンスにさやかちゃんの登場だよ!」

杏子「来たか」

さやか「ガンガン打ちまくっちゃいますからねー!!」

杏子「直球勝負だ!」シュッ

さやか「うりゃ!……あちゃー、詰まった……」コン

蜂須「インフィールドフライ!落ち着いて処理して!」

ゆうか「おうともさ」ポス

かえで「せやけどここで4番の登場やで!」

杏子「ポポイのポイポイポイ!」

蜂須「ストライクバッターアウト!チェンジ!」

杏子「バシッと三振!」

かえで「すまんの……すまんの……」トボトボ


ほむら「そんな時もあるわ、気張って行きましょう」ポンポン

かえで「暁美ぃ……!」

蜂須「そうそう!積極的に振っていくのは意欲の表れだ!」

杏子「ざっとこんなもんさ!」

ゆうか「杏子やるぅ!」

蜂須「佐倉!コース攻めるのも良いけど、もっと打たせてあげないと皆つまらないでしょ?」

杏子「はあ?勝負してんのに?」

ゆうか「出たよ妄言」ボソ

蜂須「あなた一人でやってるわけじゃないの、所詮遊びなんだから」

杏子「お手て繋いで徒競走かよ……」

蜂須「屁理屈言わない」

さやか「せんせーい?蜂須(はちすか)せんせーい?投球練習いいですかー?」

蜂須「うん?良し!先生に投げてみろ美樹!見てやる!」バシッ

さやか「あははは……」

かえで(がんばりや)

あゆむ「はあ……」

杏子「なあ」

あゆむ「……」

杏子「話があるんだ、昼休みちょっと付き合ってくんない?」

あゆむ「……気が向いたらな」

ゆうか「ほほー?あゆと杏子に青春の気配が?」

あゆむ「張り倒すぞゆう」

杏子「一応秘密で頼むよゆうか」

ゆうか「しょーがないなー!」

まどか(お話合いにならないんじゃ……)


~お昼時~


あゆむ「……」モグモグ

かえで「そんときや!うちの眠れる猛虎魂が覚醒しよってな、往年のバースを髣髴とさせる豪快なスイングで……」

葵「その話あと何分続く?」

かえで「あと10分は続くでぇ~!」

葵「ねえ葉月、この後の昼休みなんだけどさ」

かえで「聞いてくれないんかい!?」

あゆむ「無理、野暮用」

葵「そう?じゃあいいんだけどさ」

かえで「ガン無視されるとキツイんやけど?」

あゆむ「ごちそうさま、じゃあな」

葵「うん、いってら」

かえで「泣いてええ?」

葵「いいけど胸は貸さないよ」

かえで「ええわ、独りで咽び泣くわ……」


~屋上~


杏子「よ!」

あゆむ「ご丁寧に清掃中の看板まで設置して人避けかい?」

杏子「……」

あゆむ「話って何」

杏子「花蘭ゆきなってやつの事」

あゆむ「で?」

杏子「紺色の髪の毛でキックボクシングが得意な子……だろ?」

あゆむ「……」

杏子「ごめん、あんたの親友の大切な居場所を奪っちゃったのはあたしなんだ」

あゆむ「はあ?」

杏子「親父が新しい教えを説き始めたのはあたしが親父の背中を押しちまったからなんだ」

あゆむ「……すさまじいバッシングだったんだってな」

杏子「それから色々あって親父は精神的に追い詰められちまって……」

あゆむ「信者同士で小競り合いでも始めたわけ?」

杏子「ちょっと違う……けど、これもやっぱりあたしが追い詰めたようなもので……」

杏子「あたしが裏で色々と手引きしてたのがばれた」

あゆむ「手引きって……」

杏子「最初っから上手くいくわけないと思ってあたしが先手を打ってあった……そう思った親父はキレたんだ」

あゆむ(確かにあの宗教は一時期を境に信者が増えたらしいけど……)


杏子「あたしと言ったら馬鹿みたいに今日も人を助けたとか抜かしてさ、どんどん親父を追い詰めちまってた」

杏子「親父はそんな形で人が救われることを望んでたわけじゃないって気づかなかったんだよ」

あゆむ「待てよ、手引きってなんだよ……まさか洗脳とか言わないよな?」

杏子「そんなところだよ……結局それがもとで酒に溺れて、見てられなかったよ」

杏子「親父もそうだし、それを甲斐甲斐しく支えてるお袋も、無邪気について行くモモも……」

あゆむ(確か5つ下の妹……)

あゆむ「けど、あんたの親父の言うことは間違ってなかった」

杏子「正しさだけじゃ人は救えないって痛いほど良く分かった」

杏子「第三者に分かりやすい正義ってのを見せられるとそれが出来ない自分が痛く感じられる」

杏子「親父の話を真面目に聞かない奴には今の自分の欠点をズラズラと並べられてるようにしか聞こえないんだよ」

あゆむ「……大人って勝手だな、それで本人が居なくなったら悪魔宗教とか言い出すんだもんな」

あゆむ「欠点を指摘されたくらいで怒るなら自分を高めればいいのに」

杏子「親父もそうなればいいって思ってたはずなんだけどな……」

あゆむ「で」


あゆむの声色が変わった

今までは感情の色を上から塗りつぶしたかのような、まるで声を絞り出すように語りかけていた口調が変わり

明確な一つの色を持って杏子の耳に入り込む


あゆむ「あたしは誰を恨めばいい?」

杏子「…………」


杏子のもとへ歩いて近付く

泣きそうで、でも確かな殺意のようなものを纏って杏子に近づいていく

魔女との戦いでも負け知らずで、織莉子の威圧にもマミの殺気にも怯まなかった杏子をたじろがせるほど凶悪な呪いのような何かを持って


あゆむ「ぶち殺すつもりでいたんだ」


はっきりと発音されてるはずのそれはどこかで声が震えて……でも、分かりやすいほど怖い口調で彼女は語る


あゆむ「ゆきなが初めてあたしを誘って連れて行ってくれたのがあの教会だったから……」

あゆむ「それを壊したやつを許さないって決めてた」


次第に杏子は後ずさり、気が付けば背中にフェンスが当たっていて下がれない


杏子「ぐ……!」


そんな杏子の首元を掴んで、彼女は自分の目的を語っていく


あゆむ「ゆきなが自分の事を教えてくれるなんて滅多になかったから……5年生になって、ゆきながちょっとずつ他人に歩み寄る努力を始めた時で……」

あゆむ「優しい神父さんがいて、同じように事象を抱えた友達がいて……そんな人たちと仲良くなろうと一生懸命な女の子がいて……って!」


顔を伏せたまま首を締め上げる力が徐々に増す

それは今の自分を見ないでほしいと言っているように感じた杏子は特に抵抗もしなかった


あゆむ「お前なんなの? そんな説明で納得してもらえるとでも思ってたの? 」

杏子「……思ってない」

あゆむ「……ひょっとして喧嘩売ってる?」グググ

杏子「ッ!それで……気が……晴れるなら……さ」


ガチャ


あゆむ「!?」

まどか「あの……あ、あゆちゃん!?」


杏子「ぐ……ケホッ!!」ドサ

まどか「杏子ちゃん大丈夫!?」トトト

杏子「あんた……ッ!!」

まどか「暴力はダメだよ!お話合い出来てたはずでしょ!」

あゆむ「……どけ」

まどか「いッ……嫌だ!」

あゆむ「どけ!」バシン!

まどか「痛ッ!」

杏子(体が痺れて動けない……!?)プルプル

あゆむ「まあいいや、どのみちお前が黒幕だって言い張るならここで殺す」

あゆむ「お前の親父の死にざまが納得いかな過ぎて警察も無能だなと嗅ぎまわってみたけど」ガシ

杏子「う……」

あゆむ「身内で足の引っ張り合いした挙句ってんじゃ仕方ない」

杏子「違う……悪いのは全部あたしで……」

あゆむ「だったら納得のいく説明をよこせよ! お前の洗脳が原因だ? だったら今すぐにでも洗脳して従わせれば!? そしたら納得してやるよ!」


バキッ!!


杏子「ぐッ!!」

まどか「杏子ちゃん……ひッ!」


ボカッ!ドカッ!ガシャーン!!


あゆむ「……」

杏子「……」

まどか「もうやめてよあゆちゃん!」

あゆむ「あんたの親父が豹変したことに心当たりがないってんならそう言え、でないと……」

杏子「何度も言わせんなよ、悪いのは全部あたしだって……」

あゆむ「だから納得いかねえって」

まどか「もう……やめてぇッ!!」

蜂須「コラァッ!!お前たち何をやってるんだ!!?」

まどか「蜂須先生……」

杏子(姫様が扉を開けたまんまにしてたから)

あゆむ(音が漏れて気付かれたか……)


~会議室~


杏子「……」

あゆむ「……」

まどか「……」

蜂須「で?何事なの今回のこれは?」

杏子「……別に」

まどか「あの……」

杏子『余計なこと言うな』

まどか「……ぁぅ」

あゆむ「世にいう陰湿な弱いものイジメ」


バン!


まどか「ひ!」ビクッ

蜂須「あんた教員舐めてないか!ああ!?」

あゆむ「舐められてないと思ってたの?」

蜂須「一昨年、お前が歩けもしないほど衰弱した時面倒見てやったのは誰だ!?ええ!!」

まどか(一番親身に面倒見てたのは早乙女先生じゃ……というよりこの人嫌味を言うだけ言って後は何もしてなかったような……)

杏子(話に置いてけぼり喰らった……)

あゆむ「その節は大変お世話になりました、おかげさまで今日も元気に学校へ通えています」

蜂須「あんた教師は殴ってこないとか思って舐めてるだろ!?」

あゆむ「普段から舐められるようなことしてっからだろ」

蜂須「何だと!!」グワ

まどか(叩かれる……!)ギュ

あゆむ「……」ヒョイ

蜂須「 」

杏子(避けたよコイツ)ニヤ


蜂須「佐倉!何笑ってるんだ!?」

まどか(いやどう見ても自爆……)

杏子「すんませーん!」ヘラヘラ

蜂須「……流石だね~!遊ぶ時間欲しさに定時制高校なんか志望する奴は」パチパチ

あゆむ「……?」

まどか「え……?」

杏子「……は?」

蜂須「早乙女先生から聞いたよ?あんたの母親もそれを応援したって、よっぽど無責任でおつむの足りてない親の元に生まれたんだな可愛そうに、ええ?」

杏子「おい、それ以上あたしの家族をコケにするってんならマジに殺すぞ」

まどか「杏子ちゃん、押さえて……」ギュ

あゆむ「……」

杏子「離せ」

まどか「悔しいけど……でも、先生に怪我なんかさせたりしたら一番悲しいのはマミさんだよ……ね?」ボソ

杏子「チッ!」

蜂須「はん!やっぱり人間生まれの親が肝心だな……子供の失態は全て親が責任を取るべきだよ、本当にかわいそうなのはあんたらみたいな常識を知らずに育っちまった子供じゃないか!」

杏子「……!!」プルプル

蜂須「今ここで聞いてるのがあたしだから許してやるけどね、もしこれが他の先生だったらあんたらぶん殴られてても可笑しくないよ」

あゆむ「殴ればいいじゃん?殴れるなら」

蜂須「葉月もなんか勘違いしてるけどね」

蜂須「あんたの親が凄いんであってあんた自身は世間も知らず殻に引き籠って屁理屈捏ねてるただのガキだよ」

あゆむ「屁理屈なのに満足に論破も出来ないの?」


杏子「凄いな」

蜂須「ああ?」

杏子「口は達者に回るよな、あんた」

あゆむ「……前も同じこと言った」

杏子「え?」

あゆむ「覚えてないならいい」

杏子「……悪い」

あゆむ「あたしもさっきはごめん、冷静さが足りてなかった」

蜂須「なんだお前たちは!?人の話に返事もせずにふざけた回答ばかりしやがって!!」

まどか「で、でも……なんか仲直り出来たし良いんじゃないかなって」

蜂須「ああっ!?」バン!

まどか「ひぅ!」ビク

蜂須「そういうのを屁理屈というんだ鹿目!」バンバン!

あゆむ「言いたくない事なんて誰だってあるだろうしさ」

杏子「それもあるけど、あたしはあんたともやもやした関係を続けるのが嫌だったから」

あゆむ「は?」

杏子「楽になりたかっただけなんだ、取り敢えず話してみれば適当なところで納得するだろって」

あゆむ「お互い深く関わる仲でもないのに、律儀だな」

杏子「決まってんだろ、あんたがライトにいてくれると安心する」

あゆむ「そういう所でゲスい奴だな!つーかそもそも打たれるなよ」

杏子「あの打線に打たせないって絶対無理だから!」

蜂須「コラァッ!!聞いてるのかあんたら!!」

あゆむ「聞いてないけど」

杏子「ブフッ!」

蜂須「笑ってんじゃない!!」バンッ!!

まどか(そろそろテーブル凹むんじゃ……)


あゆむ「顔面トランザム乙」

杏子「ちょっと……!!やめろ馬鹿!!」

まどか「プッ……クフフ!」プルプル

蜂須「あんたは何しに来たんだ鹿目!!」グワ

まどか「痛っ!」パン

蜂須「ふざけてるならさっさと帰れよ!!」

まどか(理不尽極まりないよ……)グスン

あゆむ「それで一番反撃してきそうにないまどかを叩いて満足なわけ?」

蜂須「そもそもあんたらがいけないんでしょうが!人をコケにして!!」

あゆむ「でもそれって叩いていい理由になんないですよね?byミスト」

杏子「馬鹿っ!……!!」ドンドン

まどか(杏子ちゃんがツボってる……)

蜂須「あたしはあんたらにアドバイスしてやろうとしてんだよ!!」

あゆむ「どんな?」

蜂須「喧嘩にならずに話し合う方法とか!喧嘩したら周りがどんな思いをするかとか!!」

あゆむ「蜂須大先生がどれだけ吠えるのかとか」

杏子「ちょ……!!ダメ腹痛くなってきた……!!」

まどか「笑いすぎだよ」

蜂須「はいはいよーく分かりました!あんたたちの親がいかに無能で愛をもって接していないかが!」

あゆむ「今更?三者面談に使用人を寄越す親なんてどこ探してもいないと思うよ?」

蜂須「なあ、本当あんた舐めてるよな葉月……別に良いんだけどさ、はい!もう解散!ほら授業行け」

まどか「ほ……」

ウザいスレにはウザい支援が沸くもんだねぇ


杏子「おい待てよ」

蜂須「はあ?」

杏子「解散じゃねぇよ、集合だよデブ」

蜂須「もういいから、後日困ったことになるのはあんた達だからね!」ヒュ

杏子「!」パン!

まどか「もう行こうよ杏子ちゃん……あの人に何言っても駄目だよ、そういう人だから」

あゆむ「……」

蜂須「なんだ葉月、どきなさいよ!」

あゆむ「お前、生徒は殴ってこないとか思って舐めてるだろ?」

蜂須「はあ!?」

杏子「つーかさっきあたしの家族馬鹿にしたら殺すって言ったよな?」

あゆむ「はい集合」ガッシ

まどか「ちょっと二人とも!暴力はダメだよ!!ねえ……ちょっとぉ!!?」


~3年1組教室 5時間目 英語~


ピーポーピーポー


和子「あら?なんの音かしら?」

仁美「……救急車でしょうか?」

恭介「いや、パトカーのサイレンも聞こえるけど」

えりか「事件は現場じゃない!会議室で起きているんだ!」ガタ

つぼみ「逆ですえりか」

仁美「会議室が現場の可能性も」

和子「ある訳ないでしょ!……ちょっと様子を窺ってきますので、皆さんは待機!良いですね?」

「「はーい!!」」

さやか『まさかねぇ~!』

ほむら『二人とも喧嘩は慣れてるから引きどころも弁えているはずだけど……』

さやか『仲裁に入った蜂須先生の発言にキレたどっちかがボコッた結果だったりして!』

ほむら『さもありなのが……』

さやか『……ね、まどかも帰ってこないし』

ほむら『…………』

さやか『…………マミさんに連絡入れとく』

ほむら『ええ……』


>>531

なぎさ「学年対抗の課題曲とクラス対抗の自由曲があるのです!」

なぎさ「よーするに3年生は絶対優勝できるシステムなのです」


>ごめん、ZZより後の話はまったく知らないから何いってるかわからないんだ

むしろZZで語り合いましょう!さあ、あっちの水の上に浮かぶ喫茶店で!


>>532

見中って、ブルマだけど筆者の学生時代にはブルマ全滅してました

でもあれ日常着としては高性能なので好きです、スパッツは苦手


>>559

なぎさ「Eモバイルは連投不可って言われたのです……」

こんばんは、再開します


~警察署~


警部「~~というわけで、蜂須先生の方も進路が決まる大事な時期なのに経歴に傷をつけるのは……と考慮してくれまして」

警部「今回は治療費だけ補償してくれれば示談でいいとおっしゃっています」

杏子「…………」

マミ「はい……それで、先生の怪我の度合いはいかがなものでしょうか?」

警部「後遺症になるような深刻な怪我は無いそうですが、手首や肋骨が折れてしまってしばらく満足な教務は行えないとのことです」

マミ「そうですか……この度はうちの杏子がご迷惑をかけて本当に申し訳ありません……」ペコリ

警部「いちおう我々の方でも暴力事件がどのような犯罪なのかは説明しました……が、やはり親御さんからもう一度言い聞かせてもらった方がよろしいのかと」

マミ「はい、キツく言い聞かせておきます」

警部「お母さんから見て杏子ちゃんは何か悩み事を抱えてるようには見えていましたか?例えば進路に不安があるとか」

マミ「そうですね……」

マミ『なんて答えよっか?』

杏子『……』

マミ『……』

マミ「どの子も抱えてるような悩み……だと思ってましたけど……」

警部「そうやって親御さんが距離を置いてしまうことが杏子ちゃんのストレスなのかもしれませんと蜂須先生はおっしゃっていましたが?」

マミ「そうでしょうか……」

警部「ええ……今が一番不安定になりがちです、もしかしたら手がかかって面倒と思うことも」

杏子「おい」

警部「なんだい?」

マミ『静かに、こんなの適当に流しなさい』

杏子「……すいません」

マミ『そうそ!グッジョブよ!』

警部「……確かに貴女とは血の繋がっていない関係かもしれませんが~~」

マミ「すみません、今後はなるべく話し合う時間を作って~~」


~~


マミ「ん~!つまんなくてかったるい話だったわね」ノビー

杏子「……ごめん」

マミ「気にしなくていいわ、取り調べ室って初めて入ったけど思ったより普通の部屋だなぁ……ってそっちの方ががっかりしたけど」

杏子「そうじゃなくて……お金とか、あと……その……」

マミ「ふふっ!そんなこと?……そう思ってるなら今度はちゃんと我慢しなきゃだめよ?」

杏子「…………うん」

マミ「じゃあ反省会はおしまい、蜂須先生にも一応挨拶していかなくちゃ!……それに」

さやか「お疲れ!杏子!」

ほむら「お疲れ様、貴女のカバンよ」

杏子「あ……ああ、サンキュー……さやか、ほむら」

マミ「あら?鹿目さんは?」

さやか「まどかは早乙女先生とお話です」

ほむら「今回の騒動の目撃者ってまどかだけですし……」

マミ「あらあら大変ねぇ、鹿目さんも」

杏子「あいつはどっちかっつうと被害者だろ、デブに一回叩かれたし」

さやか「え?」

ほむら「……今なんて?」

杏子「ん?蜂須にあいつ一回叩かれたぞって」

ほむら「ごめんなさい、ちょっと急用が……」スチャ

さやか「警察署の前で何取り出してるんだあんた……あ」


ほむら「マジカルグロック19……その威力と信頼性、高い携帯性から米国軍人にも大人気のグロック17を小型、最適化したものよ」

さやか「マジカルつければ魔法じゃないっての!」ペシン

マミ「ほらほら、とにかく歩きましょう」

ほむら「装弾数15発、9mmパラべラム弾を用いることで強力なストッピングパワーを保持、近距離ならば防弾ベストの上からでも十分に行動不能へ陥らせるだけの威力を持っているわ」

さやか「やる気スイッチ入って聞いてないね」

ほむら「もともとグロックシリーズは銃の素材にポリマーを多用したことで大幅な軽量化に成功しているわ」

さやか「じゃあマミさん達は先に行っててください、発作が治まったら追いかけますから」

杏子「発作って……」

ほむら「通常貴女達が想像するような……つまり警察が持ち歩いてるニューナンブですらおおよそで700g(正確には680前後)このグロック19はそれを大幅に下回る595g!」

マミ「ふーん……いいのかしら?」クス

さやか「ほらほら杏子も今日はさっさと帰った帰った!あとで行くからさ!」

杏子「ま……ちょっと元気出たけどさ」

ほむら「ただ小型化の弊害として引き金を引くセーフティゾーンが若干狭くて、ちょっと引いただけでも発砲されるし、軽すぎて狙いを定め辛いとして当時の米軍からの評判はあまり著しくなかったわ……」ペラペラ

さやか「それじゃ、おいしいサラダ!作っといてくださいね!」

マミ「ええ、分かったわ」スタスタ

ほむら「けど時代が流れるにつれてフレームが金属でない事から生まれる信頼性、手慣れてしまえば非常に照準を付けやすく容易に誤作動を起こさないグロック独自のセーフティ機構、引き金の引きやすさと銃の軽さが生み出す意外なほどの速射性、高い携帯性、シンプルで滑らかなフォルム、9mmパラべラム弾を使えることから来る汎用性と供給のしやすさ……けど何よりも軽さね」


ほむら「もしも一般人に銃を渡すとしたら私は間違いなくこれを選ぶわ、軽くて扱いやすいし……他の銃に触った後だと機構がちょっと違って焦るけど、やはりセーフティの解除が容易なのと軽いこと、小型なこと、十分な威力を備えていて信頼性も高いという点が強いわね」

ほむら「もちろん扱いやすさという点ではベレッタM84も捨てがたいわ……けど380ACP弾はどうしてもストッピングパワーが劣るの、そうなるとどうしても弱装弾しか使えないベレッタよりも確実に高い威力を誇るグロックを私は推すわ」

さやか「行ったか……もういいよ、誤魔化したのは見習うけど正直ドン引きだわ」

ほむら「はあ~……こういうのは貴女の得意技でしょうに」

さやか「いや~どうやって会話を繋げばいいか思いつかなくって……」

ほむら「器用にテレパシーが使えるようになったと思ったらこんな使い方だし」

さやか「これでアドリブ性の高いコントが二人で出来るようになったね!」

ほむら「あなたと茶番なんて御免だわ」

QB「やあ、これから魔女を狩りに行くんだろう?何故マミ達を誘わないんだい?」ヒョコッ

ほむら「探知できない時点で論外、今あの二人は不安定すぎて戦力として計算できないわ」

さやか「心ここに非ずってね、ちょっとは整理する時間が必要だよ」

QB「?……魔女相手に暴れればスッキリするって前に言っていたのにかい?」

さやか「怪我でもしたら余計にモヤっとするっての」

さやか(まあ、マミさんは気が付いててスルーしてたような気がするけど……)

さやか「さあ!あたしたちは二人で一人の魔法少女!」バサァッ

ほむら「調子に乗らないで、そういうの実にハーフボイルドよ」バシュン

さやか「嬉しいね!」

QB「胞子の魔女、その性質は『奉仕』だ。彼女の放つ胞子は君たち人間の体に深刻なダメージを与え行動不能に陥らせる、魔法少女といえど油断は禁物だ」

さやか「毒タイプって事?ドガースってめっちゃ可愛いよね!あたし大好き!」

ほむら「ちょっと何言ってるか分からないわ」

QB「真面目にやってよ」

こんばんは、再開します


~魔女の結界内~


ほむら「ここは……カジノかしら?」

猿メイド使い魔「ご奉仕します!」

ほむら「結構だわ」ダン!

猿メイド使い魔「ウッキー!」バタ

さやか「胞子っていうからてっきりジメジメしたところに来るのかと思ってたらねー」ガチャ

QB「ここは彼女の絶望の原因だからね」

ほむら(なんでスロットで遊びだしたんだろう)

さやか「ふーん……お、チェリーがそろった」ダンダンダン

ほむら「凄いの?」

さやか「チェリーが一番安パイなんだ、一つでも引けばマイナスにならないからね」ガチャ

ほむら「へー……あ、また揃った」

さやか「ふっふーん♪バクサイきちゃってますねーあたし!」ガチャ

ほむら「また揃ったわ」

さやか「そろそろ無難に数字とか引きたいけど」ガチャ

ほむら「またチェリーね」

さやか「おい……」ガチャ

ほむら「…………おめでとう」

さやか「怖いよこのスロット」ガチャ

ほむら「7……」

QB「右も7」

さやか「うおおお!?……ってまたチェリーかよ!!」ドン!

ほむら「残念」

さやか「他行こうか」ガタ

ほむら「そうね、あの羅針盤みたいなのが気になるわ」

さやか「ルーレットじゃん……ってもディーラーがいないし、ここはあたしがやりますか!ほむらはお客さんね!」


ほむら「良いのかしら?」

さやか「他は門番的なメイド使い魔いるしね、魔女も見当たらないし!こういうのって滅多に出来ないし!」

ほむら「どうすればいいの?」

さやか「えーっと、まずはターレットを……は勝手に回ってるから良いとして」

さやか「左回りだから左手に球を持って、弾いて転がす!」ピシュ

さやか「で、ほむらは球が落ちるところを予想してテーブルの上にチップを置く」

ほむら「チップ……これね」チャリン

ほむら「えーっと……」

さやか(あれ?このゲームって赤一色とか黒一色とかの安い手がなかったっけ?)

ほむら「じゃあこの00って所にするわ」コト

さやか「勝負師だねあんた」

ほむら「ほむ?」


カタタン


さやか「しかもそこに落ちたし」

ほむら「やった!……っ!!」ジャコ

さやか「来る!!」シャキ

胞子の魔女「うきいいいい!!」ドシン!

さやか「キノコじゃなくてサルなの!!??」バッ

ほむら「また趣味の悪そうな服を着たサルね……ていうかどこが胞子なのよ」

QB「良く見なよ、体中にカビが生えているし背中にはキノコが生えているじゃないか」

さやか「緑っぽいと思ったらそれなの!?」

ほむら「出遅れないで」

さやか「お任せ!」


胞子の魔女「キキーィッ!!」ブオン!


最初に仕掛けたのは魔女、機敏に飛び込みながら爪で抉ろうとさやか目がけて腕を振る

しかし機動力が自慢のさやかは容易く避け、逆に距離を詰めて右手の剣を腰だめに構えた後、マントをはためかせて身を隠す


さやか「ラップル・ザ・セイバー――」


魔女も距離を取りつつ尻尾での一撃を狙った……が、それがさやかの狙い


さやか「アンダンテ・マ・ノン・トロッポ」


振り払ったはずの尻尾は魔女が視認できない程の高速の斬撃で吹き飛び、逆上して振るう腕もさやかのマントをわずかに掠めた後ずたずたに引き裂かれた


胞子の魔女「き!?キキ!!??」


こうなるともう魔女には何が起きているのか分からない

さやかに攻撃しようにも靡いているマントに触れようとするだけで刻まれる

さやかもさやかで構えたまま魔女に向かって真っすぐ歩くのみ

近づいたら切られる、近づかなくても近づいてくる、そして何故か真後ろからも横からも斬撃が飛んでくる、離れようにもほむらに挟まれている


ほむら(ラップル・ザ・セイバーは対魔法少女狩り用剣術の総称、不意打ち闇討ちだまし討ち返し討ちの集合体……見えない事、察知されないこと、隙を与えないことが前提の技……とはいえ一方的ね) 


一撃一撃は軽いがひたすら一定のリズムで刻み込まれ、後ずさりを続ける魔女をさやかが歩くようなリズムでスパスパ切っているだけの構図はもはやただのイジメだ

こうなると魔女としても奥の手を使わざるを得ない

魔女「キーイッ!!」ボコン


お腹を膨らませる予備動作を見たさやかがバックステップで距離を取る

反対にほむらが後ろから接近するが、魔女は動じることなく体を爆発させた


さやか「まさか爆発とは思わなかった……ライフォジオ・サーフェース!」バサァ


本来はマントを魔力で硬質化させて身を守るための技だが、今は便利な団扇の代りである

前評判通りの危険でカラフルな胞子を突風で吹き飛ばした


さやか「あれ?」


胞子が吹き飛んだ後に残っていたのはサルの背中に申し訳程度に生えていたキノコであった


ほむら「本体はこれね……」シュコー

さやか「ガスマスクェ……」

ほむら「普通に防げたわね」パカ

QB「魔女泣いてるよ


~巴家~


マミ「さあて、二人が来るって言うし晩御飯は何にしようかしら……」

杏子「なあ、マミ」

マミ「うん?」

杏子「なんで何も言わないんだよ」

マミ「え?なにに?」

杏子「だから……その……なにか文句の一つも無いのかよ!教員怪我させて迷惑までかけたってのに、それが当たり前みたいな顔してさ!」

マミ「ちょ、ちょっと……どうしたの杏子?」

杏子「あたしがやったことって悪い事だろ!?」

マミ「それは悪い事だけどそれじゃ割り切れないことってあると思うし、あの人は前から癇に障ることをよく言う人だし……」

杏子「……」

マミ「えっと……ごめんさい、杏子の言いたいことが分からないわ……」

杏子「……そう……だよな」スタスタ

マミ「え……? あの……杏子?」

杏子「……悪い、ちょっと一人にして」ガラァ

マミ「どこ行くの?杏子!」

杏子「ついてくんな!ウザいんだよ!!」バシュン

マミ「 」 

ゆま「ん?杏子の怒鳴り声? ただいまー……」ヒョコ

杏子「お帰り」

マミ「 」

ゆま(何この修羅場、なんで杏子変身してるの?)


杏子「……暫く出かけてくる」タン

ゆま「え?ちょ!杏子!え!?飛び降りたの!?」トトト

ゆま「杏子!杏子ーっ!!」

マミ「私……杏子を傷つけちゃったのかな……?」ガク

ゆま「えっと……何? なんなの!?」

ほむら「お待たせ……って、え?」

さやか「マミさん!?一体どうしたのゆまちゃん!?」

ゆま「杏子が……」

ほむら「杏子が?」

ゆま「ベランダからどっか行っちゃったぁ……」ウル

さやか「嘘!なんで!?」

マミ「私がすぐに追いかけなきゃ行けなかったのに……」

ゆま「分かんないけど……凄い怖い顔してた……」グス

さやか「わああああ!ゆまちゃん泣かないで!ね?」ポンポン

ほむら「この場は任せるわ、キュウベぇ!」

QB「キュップイ!」

ほむら「杏子は今どこ?」

QB「プライバシーは漏らさない約束だよね?」

ほむら「死ね」カチャ

QB「わけわか(ダン ビチャ

ほむら「ちッ!人ごみに紛れてたら見つけようが……」ファサ タン

さやか「ちょ、ちょっとほむら!……飛び降りて行っちゃった」

マミ「美樹さん、私……どうしよう……」グス

さやか「わあああ!マミさん泣かないでー!!」

ゆま「杏子ぉ……うあああ!」

さやか「うおっ!ガチ泣きだぁ!?」

マミ「私、杏子が何に怒ってるのかも分からないの……」

さやか「キュウベぇ!ヘルプ!まどか呼んできて!」

QB「それを聞くことで僕にどんなメリットが」ヒョコ

さやか「マミさんの落ち込んでる姿を見たらまどか衝動的に契約しちゃうかもなー困ったなー今呼ばれたらピンチだなー(棒)」チラッ チラッ

QB「やれやれ、分かったよ」

さやか「頼んどいてなんだけどすっげえむかつく」
マミ「……ごめんね、美樹さん」メソメソ
さやか「いえいえ!……それで何があったんですか? マミさん」

おやすみー

こんにちは、見事に寝落ちしました……

>>591

ありがとうございます
良く寝れました


~見滝原駅前~


ほむら「つまり杏子は怒って家出したわけね?」っiphone

さやか『マミさんから聞いた話だとね、でも分かるでしょ?杏子の気持ち』

ほむら「……そうね」タッタッタ

さやか『まどかも来てくれたし、こっちはどうにかなりそう』

ほむら「それで杏子は財布を持っているのよね?」タッタッタ

さやか『中身も結構あるって、それとグリーフシードも一つ』

ほむら「より一層特定困難になったわ、ありがとう」タタタ

さやか『二人が落ち着いたらあたしも捜しに出るから』

ほむら「協会は外れ、後はしらみつぶしに行くしかないわね」

さやか『うん! 一人ぼっちは寂しいからね!』

ほむら「同感、それじゃ」ツイ

ほむら(杏子はこの辺の地理には明るくない……利用する場所は限られているし、見中の制服は結構目立つ)

ほむら(ストレス発散をするなら……杏子の性格なら遊びの可能性が高い)

ほむら(けど見つかりたくないからと、遠くにいってしまったって事も……考えてても堂々巡りね)

ほむら「どの道オムレツを作るには卵を割るしかない、か」

ほむら(取り敢えずは近場のゲーセンを当たってみて……あとはそれから)



さやか「……さて、どう説明してあげたら一番分かりやすいのかなぁ……」

まどか「こういうことはその道のプロフェッショナルに任せればいいんだよ」ピッピ

さやか「誰なのさ」

まどか「……取り敢えずメールして……と」

さやか「ごめんねまどか、今日風邪気味って言ってたし疲れてるのにさ」

まどか「ううん、全然平気……しばらくマミさんとゆまちゃんのそばにいるよ」

さやか「サンキュ!すぐに杏子連れてくるからさ、それまで頼むよ」

まどか「私杏子ちゃんに嫌われてるみたいだけどね……」ボソ

さやか「ん?何か言った?」バサァ

まどか「ううん、なんでも無いよ」

さやか「そう?行ってくるね」タン!

まどか「行ってらっしゃ~い」フリフリ

まどか「…………」

まどか「居ないほうが良いかなぁ、私」


~近場のゲーセン~


ほむら(3軒目のゲーセン……音ゲー、シューティング、キャッチャー、体感ゲーにもいない……あとはガンダム……)スタスタ

ほむら(ここに居なかったら他の遊び場はもう知らないし……さやかと合流すべきかしら)

ほむら(さもなきゃカラオケを探す?……そこまで来るともう探しようが……)


ザワザワ……


「エピオン意外と強いな……」「いや相方のギスのおかげ」「エピに狩られてリボジオとか出しちゃう男の人って……」

ほむら「ちょうどいるじゃない、この辺の遊び場に詳しそうな人」


あやか「ごめんねあゆ……」

あゆむ「いや無理だろあれ」

ほむら「5連勝おめでとう、ちょっといい?」

あやか「暁美さん?何やってるの、こんな時間に制服で」

ほむら「杏子が家出をしてしまったの、探し回っているのだけど……」

あゆむ「来てねーよ」

ほむら「そうよね……あと行きそうな所ってもうカラオケ位しか思いつかないけど……」

あやか「あー……暁美さんってフラココの場所とか知らなそうだね」

ほむら「…………」

あゆむ「どっか遠く行った可能性とか無いわけ?」

ほむら「風見野だと私に土地勘がないわ……」

あやか「もう7時近いし外暗いし、佐倉さんならほっといても平気な気がするけど……」

ほむら「そうかもね……ありがとう、もう少し捜してみるわ」タッタッタ

あゆむ「おう頑張れ」ヒラヒラ

あやか「見つかるといいね」

あゆむ「……」ツイッ

あやか「iphone?」

あゆむ「ちょっとあの馬鹿見つけて来る」

あやか「またそうやって抱え込む……」

あゆむ「一緒に説教されたよしみさ」

あやか「大体捜すって言ったって……」

あゆむ「見当はついてる、まあ居るかは微妙」

あやか「見当って手がかり無いじゃん」

あゆむ「見つけた」ツイッ

あやか「ええ!?」

あゆむ「ちょっと遠いか……じゃあな」タッタッタ

あやか「あ、うん……じゃあね」

あやか「…………」


~高崎市 某ゲーセン~


杏子「……一人で回るCPU戦って意外と辛いな」ガンダム!ウルヨ!

杏子「はあ?未確認機体接近?」テキガ…キマス

杏子「ったく……タイマンとか面倒くせぇ」

男性(DXとかwフルクロスで狩り安定ですわww勝率うまスwww)アナタカラテワタサレテイタモノヲ(ry

女声「さっさと狩ってよ!今日は二人でミスティックを倒しに行くんだから!」

男性「任せろw」カナラズカエルヨ、ベルナデット

杏子「しかもフルクロスって……」キヲツケテ、ガロード!

男性(瞬・殺!)セーフティカイジョ!コノシュンカンヲ(

杏子「タイマンのフルクロスってさ」コノォ!

男性「い!?」モッテクレ!フルクロス!

杏子「別段怖くないんだけど」コイツハオマケッテネ!

男性「ちょ」マダオワリジャナイ!

杏子「あたしだけじゃないよねぇ?」セカイヲホロボサセテタマルカァ!

男性「え?え?え!?」キタイガヒメイヲアゲテイル!?

女声「スパアマぶっぱとかひどい!格闘機体にそれはずるだよ!」

杏子(うるさい女だなおい……)

杏子「未確認機体?……って!?」

女声「二人一緒なら余裕だよね!」ハジメルカ、オレノジバクショーヲ

杏子「しかもヘビーアームズとか冗談だろ……」

杏子「……」

杏子(流石にCPU殺されにかかったらなぁ……ったく……)


《未確認機体接近中》

杏子「え?」

あゆむ「よう、お困りかい?」リロンジョウニノミソンザイスルキョクゲンノガンダム!ソレガ(ry

女声「はあ!?保険援軍とかマジせこいんですけど?」

男性「んあ、気にすることは無い、俺たちなら余裕で奢れる……そうだろう?」イキノコレトイッタノハアナタデスカラネ!

女声「そうよね、余裕だわ!だって格闘機体のゼノンメタの、ヘビーアームズだもの!」タマギレヲキニスルヒツヨウハナイ

レオス「そんな絶望ッ!!この俺が壊ぁぁぁああすッ!!!」横>>特射NNNN特格派生なんちゃってピリオド>>cs3

男性「ちょ」ヤツハオレヨリ…ツヨイ!

あゆむ「え、弱すぎ」イヤッホオオオオウ!!

杏子「つーか、あんたは何しに来たわけ……」フェ~シヌカトオモッタゼ

あゆむ「折角捜してやったのに」

杏子「頼んでない、帰れよ」

あゆむ「ほむらが駆け回ってたよ、でなきゃだれが捜すか、調子に乗るなタコ」シンジラレンホドスキダラケダ!

杏子「……」

あゆむ「微妙に残念そうな顔するなよ」カクトウシンカ!

杏子「いや、そこまでストレートに言われると思ってなかった」セカイヲホロボサレテタマルカァー!

あゆむ「だからって味方焼くなよ屑」ドコカラダ!

杏子「うっせ!お返しだ!」

あゆむ「んだとこら」チェストー!

杏子「うお!?それ後ろにも当たるのかよ!?」オレハミカタダヨ?

あゆむ「また未確認機体?」

「俺がやる!このウイングゼロで……!!」「クケケ……メッサーラの弾幕に恐れおののけ!」

あゆむ「やべー地走機狩りじゃん!」

杏子「あんた不利なの分かってる?」

あゆむ「任せろ、3落ちしてくる」

杏子「おい」

乙です

あゆむとかいう万能キャラ
本当に大好きです

まどかの魂の濁りがひどいな
まだ魂結晶化してないのに濁りがひどい
連動して誰かのSGが濁りそうだ



前回は全体的にピリピリしてたけど今回はあゆゆも友好的だな

そして味方についたらスペック的にかなり頼もしいな、鬱フラグを平然と粉砕してくれるし

原作にこれくらい機転の利く子が居ればな…

乙。
高崎線にゴトゴト揺られる杏子を想像。

こんばんは、再開です


杏子(で、負けたから飯を食いに行こうってのは分かるんだけどさ)

あゆむ「豚骨味噌大盛、ニンニクと脂ともやし多め、麺硬めで」

店主「はいはい」

杏子「あんた本当に濃いラーメン好きだな」

あゆむ「悪い?」

杏子「別に、同じので」

店主「はいよ」

杏子「……」

あゆむ「……」ゴクゴク

杏子「わざわざ捜しに来といて何も聞かないのな」

あゆむ「聞いて欲しいなら勝手に言えよ」

杏子「……」

あゆむ「どうせしょーもねー事言われて家出だろ?」

杏子「逆だよ、あんまりにいつも通りだったからさ……」

あゆむ「みなしごは複雑だな」

杏子「悲しくなるからその言い方やめろ」

あゆむ「あたしの世話係の姫名なんて『初撃はどこに入れたのか』とか『急所はちゃんと見切って仕掛けたのか』とか、そんなことばっかりだ」

杏子「世話係がそれで良いのかよ……」

あゆむ「あたしの師匠でもあるけど」

杏子「より一層どうなんだそれ」

あゆむ「あれはむしろ我慢した方じゃね?」

杏子「話し合いで解決しなさいって保育園で習わなかった?」

あゆむ「保育園も幼稚園も行ってないので習いませんでした」

杏子「はあ?じゃあその時何やってたのさ?」

あゆむ「お家に籠もってお稽古事だけど」

杏子「うへ、どんな?」


あゆむ「お勉学とか、お作法とか……多分姫名の趣味だけど身体はメチャクチャ鍛えられた」

杏子「意味不明な位強いからなあんた……」

あゆむ「あたしと張ってたお前がおかしい」

杏子「まあ何?経験値ってやつ……他には?」

あゆむ「雪上競技も水中競技も大体習った、武道は柔術の他はかじる程度」

杏子「ピアノとかやってないわけ?」

あゆむ「鍵盤を叩くよりアーケードゲームのボタン叩いてる方が楽しい」

杏子「じゃあ楽器とか出来ないの?」

あゆむ「ギターなら一時期練習してた」

杏子「あー……誰かから聞いたな、そういや」

店主「お待ちどうさん」ゴト

杏子「うわ……またギットギトなの来たなぁ……」

あゆむ「イケてそうじゃん」パチン

杏子「うん、うまいな」ズルズル


~~

あゆむ「さ、帰るか」

杏子「つれないこと言うなよ!」

あゆむ「はあ?」

杏子「もうちょい家出してたい気分なの」

あゆむ「一人でやってろよ」

杏子「独りぼっちは寂しいからさ!」ガッシ

あゆむ「っておい!」


~さっきのゲーセン~

杏子「はーやーく!」ダンダン

あゆむ「……っ」チャリン

杏子(って舌打ちしながら付き合ってくれると)

杏子「最高難易度突っ走ろうぜ!」

あゆむ「頑張れ」ワタシナリノキシドウ、ツラヌカセテモラウ

杏子「……悪いね」ワタシガアカイスイセイナラバ、ココデヒクコトハスマイ

あゆむ「ああ?」イケ!エピオーン!

杏子「最近さ、家族の事を夢に見るんだ」アンジェロ、マエエ

あゆむ「今が安定してきてるからだろ」モラッタ!

杏子「……そういうもん?」


あゆむ「きっつい記憶は大体封じ込めて思い出せなくなるんだよ、人間ってそういう風に出来てる」

杏子「知った風な口じゃん」

あゆむ「知ったからな」

杏子「なんだそりゃ」

あゆむ「……あたしのママ、一昨年死んだんだ」

杏子「……」

あゆむ「どっから説明するか……まずあたしの家には家長って制度がある、家長の初孫が家長、その親がご意見番として家長を支え続ける」

杏子「じゃああんた……もしかして」

あゆむ「そう、あたしが葉月家7代目家長……まあ女ってことで疎まれたが」

あゆむ「それに下らないって言ったのがあたしのママ」

杏子「……」

あゆむ「まあ問題はそこじゃなくてだ……あたし、ほとんどママの事覚えてないんだ」

杏子「はあ?一昨年って中1だろ?」

あゆむ「そうだよ、なのにもう顔も思い出せない……どんな人だったかも姫名から聞いた話ばっかり、写真を見ても赤の他人みたいに感じる」

杏子「そんなことって……」

あゆむ「解離性障害ってこういうものらしいぜ?なんか辛い事から心が勝手に逃げるんだってさ」

杏子「なんだよそれ」

あゆむ「お前も同じようなもんかと思ってたけど?」

杏子「確かに家族の顔を思い浮かべようとしてもなんかうまくいかないし…………」

あゆむ「写真を見ても他人事みたいに流れていく、だろ?」

杏子「…………」

あゆむ「ま、細かい事情は察しかねるが普通に考えてもショッキングな事件だしあんまりはっきりと覚えてる様子でもなかった」

あゆむ「ただまあ最近の様子を見てそろそろ聞いても良いと思ったわけ」

杏子「様子って……なんか変わったことあったか?」

あゆむ「太った」

杏子「…………」サワサワ

あゆむ「いや、お前の場合元々が不健康すぎただけだから」


杏子「で、なんだよ?今までよくも忘れてやがったなこの野郎って?」

あゆむ「ん?もういいよ、ゆきなのこと覚えててくれたから」

杏子「は?」

あゆむ「実のところ最近ゆきなの事もうまく回想できなくなってきててさ……一番大切な人のはずなのに」

杏子「…………」

あゆむ「復讐も確かに理由の半分だけど、もう半分はそれ……ゆきなって学校以外じゃ友達との付き合いがほとんどなかったから」

あゆむ「ゆきなのああいう表情を憶えててくれてる人がいると凄い嬉しい」

杏子「……」

あゆむ「なんだその顔は、殺すぞ」

杏子「マルッとサクッと全部お見通しかよ」

あゆむ「まあ要するに思い出話をする相手が欲しかっただけだ、別に仲良くしようとかはねーから」

杏子「なんだよ、ツンケンしやがって!折角二人で遠出した仲だろ!」ベタベタ

あゆむ「べたべたくっつくなレズ、はっ倒すぞ」

杏子「いーけずー!」スリスリ

あゆむ「きしょいんだよ死ね」プイ

杏子「ん……?」スリスリ

~~

『あゆむー!』ペットリ

『何?甘えたい気分?』

『うん!』スリスリ

『……別に良いけどさ』プイ

~~

杏子「……今思い出したんだけどあんたゆきなとガチなんじゃないかって位ベタベタくっついてなかったか?」

あゆむ「……」

杏子「教会の中で手を離してるのを見たことがないような……」

あゆむ「……って画面見ろよ馬鹿!」

杏子「やべぇ!結構マジで負けかけてるじゃんか!?」

あゆむ「もう持ちませんじゃねえよド屑」

杏子「今のは走馬灯が悪い!」

あゆむ「だがしかし」ワタシハマダ、ジブンヲジャクシャトミトメルワケニハイカナイ!

杏子「やるぅ……」

あゆむ「で、走馬灯ってのは何が見えんだ?」

杏子「あれ?気のせいか?」ポリポリ

あゆむ「……まあそのうち思い出すだろ」

杏子「んー?……あれって小6の終わり間際か……?」

杏子(んー……やっぱこいつの言う通りなのかもな……小6の夏辺りから中学生になる位までの事がおぼろげにしか思い出せないし……)

杏子(なんだか事件が起こるまちょっと前の日常生活がすっごい曖昧なんだよなー……)

杏子(ちょっと危ないところあるけど家族のことはそれなりに思い出せるし……ん~……そのうちフラッシュバックとかすんのかな?)




店員「お客様すいません、この時間は制服での滞在はご遠慮ください」

あゆむ「ん?ああ、もう帰るよ」

杏子「あ、制服のまんまだった……」


~~

杏子(タクシーで帰るって発想がマジでお嬢様だぜ……)

あゆむ「……」

杏子『おーいキュウべぇ』

QB『なんだい』

杏子『マミに今から帰るって伝言しといてよ』

QB『やれやれ、僕は電話じゃないんだけどな』

杏子『あとほむらとさやかにも』

QB『はいはい』

杏子(あーでも帰ってなんて言おう……つーかもうなんかいろいろごっちゃごちゃになってきた……)

杏子(……駄目だ、やっぱり細かいところが思い出せない……)ポリポリ

あゆむ「……zzz」

杏子「……」ブツブツ

運転手(この二人ひたすら無言なんだけど仲悪いのかなぁ……気まずいなぁ)


ほむら「…………見つからない」トボトボ

ほむら(あてずっぽうに歩いたところで見つからないとも思っていたけど……いつかの時間軸のまどかは朝方までさやかを探し回っていたけど……)

ほむら「……帰ろう」<イーマーウンメイヲハミダシテェー♪

ほむら「もしもし」っiphone

杏子『おおほむらー』

ほむら「杏子!?貴女今どこに!?」

杏子『ん?ほむらの家のそばなんだけどさ、あゆゆの家ってどこにあるの?』

ほむら「は?え?ちょっと待っていつ帰ってきたの?」

杏子『今から帰るってメールしたじゃん?』

ほむら「え……えぇー……」ヘナヘナ

杏子(あ、こいつメール見ないんだった……)

杏子『あ、あははは!んであゆゆとタクシーで帰ってきたんだけどさ、あゆゆ起きなくてさー!……ほむらの家のすぐ近くに住んでるんだろ?』

ほむら「もうこの際突っ込まないわ……ちかくに大きなホテルっぽい建物ない?」

杏子『ん?……あーこの5階建てくらいのビル?』

ほむら「それ」

杏子『嘘だろおい……』

ほむら「……」

杏子『サンキュー……明日何か奢るからさ……』

ほむら「はぁ……今日はもう良いわ……巴さんにちゃんと謝るのよ?あとまどかにもさやかにも呉さんにも織莉子さんにも」

杏子『え?なんでその二人が……』

ほむら「家に帰れば分かるわ、じゃあね」ツイッ

ほむら「はあ……」

ほむら「ほむ…………あゆむはどうやって杏子を見つけたのかしら?」

ほむら「明日聞きましょうか……それより今日の晩御飯よ……」グギュルゥ

ほむら「…………もう松屋で良いわ」

QB「いたいた、杏子が今から(ゴスッ グベェッ!!??」

ほむら「死ね」グリグリ

QB「この扱いは理不尽だ……」ピクピク

>>604>>605>>607>>608

みなさんコメントありがとうございます!

>>606

その読みは当たりです

まどっちにはちゃんと理由がありますよ

連られて濁るのは当SS内の魔法少女で今のところ屈指の安定感を発揮している子です

こんばんは、再開します


~巴家~


キリカ「だーかーら!悪い事をしたのに親が何も言わないんだよ!!怖いでしょ!?」バンバン

マミ「だ、だけどそれが何で悪い事なの?あんまりつつかれると傷つけるんじゃないかって、私そっちの方が……」オロオロ

キリカ「いやいや!私が杏子の立場ならむしろ叱ってほしいね!!無視されたら自分がこの家族に生まれついたことを呪いながら魔女になって一番に食い殺すところさ!!」バンバンバン

マミ「そ、そんなに!?」

まどか(流石キリカさん、ド直球に言ってくれると思ってたよ)

さやか(ああ、この道か)

織莉子「うーん……やっぱり私はローズヒップが好きね」ズズズ

まどか「すいません、ちょっとおトイレ……」

さやか「また?」

まどか「あと、うん……風邪の菌がお腹に行っちゃってるみたい」サスサス

さやか「うーん……顔色も悪いしやっぱり今日は帰った方が良いんじゃない?」

まどか「杏子ちゃんが帰ってきたらすぐに帰るよ……」

織莉子「ちゃんと送ってあげなさい、ほっとくと寂しさのあまり倒れるわよ」

まどか「さ、寂しさって」

さやか「無理しないでよ?明日も学校なんだから」

まどか「そうだね」スタスタ

織莉子「ま、明日の昼くらいには楽になってるでしょう」ズズ

さやか「分かるんですか?」

織莉子「勘よ、勘」トントン

ゆま「杏子まだー?」


ピンポーン♪


マミ「むっ!帰ってきたわ」

キリカ「私が教えたとおりにやるんだよマミ、大丈夫!君なら出来る」ポン

ゆま「えーとうん、頑張って」

マミ「ええ!やって見せるわ!」

まどか「ただいま」コソコソ

さやか「お、早いね」

まどか(お薬飲んでもまだ辛いよ……)

さやか(杏子相手だとマミさんへたれる気がするなぁ……)

織莉子(……っていうか本当にやるのかしら?)

ゆま(杏子はもう怒ってないってほむらお姉ちゃん言ってたみたいだけど……)

マミ「お帰りなさい」

杏子「えっと……あの……心配かけてごめん」

マミ「……スゥー……ハァー……」

杏子「…………」ゴクリ

マミ「…………杏子」キリッ

杏子「うん……」

キリカ「ククク……」ニヤニヤ

織莉子「ウフフ」ワクワク

まどか「……」っ携帯

ゆま「……」ソワソワ

さやか(あ、これ駄目な空気だ)

マミ「メェーッ!! で し ょ っ !!」ポカッ

杏子「  」

マミ「もう!」プリプリ

杏子「…………どういうことだおい」


キリカ「ブッwwwクwwフハッwww真に受けたwww」ダンダン

織莉子「ウフフフ」ニコニコ ホクホク

まどさや((どうしよう、今マミさんに萌えたよ……))

ゆま(絶対変だと思ってた)

キリカ「マミがwwメェーッ!とか言っちゃうwwwちょっと……あっはははは!!」

マミ「え?え?え?」

杏子「取り敢えずあの黒いのぶっ飛ばしてくるから待ってて」

マミ「……キリカッ!!からかったわね!!」

キリカ「あっははははは!!顔面トランザムwww」

織莉子「とってもかわいい『メェーッ!!』だったわよ」

マミ「織莉子まで!!人が真剣に悩んでたのに!!」

キリカ「だって悩みのレベルが低すぎる、杏子が怒るのも当たり前だけどそんなんでいちいち泣きつかないでよ」

織莉子「それに杏子さんはマミとゆまちゃんのこと大好きだから居なくなったりしないわよ」

マミ「…………も、もう!うまい事言って煙にまいて!」テレテレ

まどさや((将来騙されそう))

杏子「よし分かった、キリカはとっちめるが問題ないな」ベキベキ

ゆま「手伝うよ」ワキワキ

キリカ「ちょ、ちょっと待ってよ!私はちゃんと真剣にマミの相談に乗ってあげたんだよ!」

ゆま「最初の10分だけね」ガッシ

キリカ「待って!魔法はずるいって!!」

杏子「じゃあ15分くらいで勘弁してやるよ」ワキワキ

キリカ「脇は!脇は駄目ぇ!!」

マミ「あら?自分から弱点を教えていいのかしら?」シュルシュル

キリカ「待って待って!!だから魔法は……ぎゃあっははははっ!!」ジタバタ

織莉子(今度擽りプレイしましょう)

さやか「まどか」ボソ
まどか「何?」ボソ
さやか「録画バッチ?」ボソ
まどか「うん」ボソ
さやか「あとでメールしてよ」ボソ
まどか「良いよ」ボソ


~数時間後 みんなが帰ってから~


マミ杏「「疲れた~!」」グテェ

ゆま「zzz」スースー

杏子「なんでキリカの言うことなんか真に受けたんだよ……」

マミ「だって鹿目さんが呼んできたんだもの、後輩に愚痴る訳にも行かなかったから二人としばらくお話してたのよ」

杏子「で、ゆまは投げっぱなしと」

マミ「美樹さんは捜しに出ちゃってたから鹿目さんが一人であやしてくれたわ」

杏子「ああそう、で?」

マミ「二人に育児放棄だなんだっていっぱい言われたの、それでどうしたらいいのか聞いたら叱ってみろって」

杏子「それでよりにもよってキリカに聞くのかよ……」

マミ「だ、だって私ほとんど両親に叱られた記憶が無いんだもの!織莉子もそんな感じするしキリカに聞くしかないじゃない!」バンバン!

杏子「分かったから興奮するなよ……で、仕込まれたとおりにやったと」

マミ「そうよ!騙すなんてひどいと思わない?」

杏子「マミがそのうち詐欺に会うんじゃないかって心配なんだけど」

マミ「えぇ……?」

杏子「んで……あれだよ、なに?」

杏子「その……ごめん、心配かけて」

マミ「本当よ、もう……」

杏子「一番悪いのはあたし、けどマミはちゃんと許してくれたのにさ」

杏子「本当にごめん」

マミ「んー……じゃあ罰として一か月お洗濯とお風呂掃除よ」

杏子「アニメでしか見た事ねえよそんな罰」

マミ「ええ……?じゃ、じゃあ今からお風呂入るから背中流して!」

杏子「それで良いのかよ……」

マミ「えっと……あ!お姉ちゃんって呼んで!!」

杏子「さーて洗濯と風呂掃除頑張るかな」スタスタ

マミ「ちょっと!」

杏子「たまには一緒に風呂入ろーぜ!お姉ちゃん」ニコッ

マミ「……!ええ!」コクコク

杏子「言っとくけど一回だけだからな」

マミ「えー?」

杏子「えーじゃねえよ」

マミ「まあいいわ、それよりお風呂行きましょう!」

杏子(将来絶対騙されるだろマミって……)

ゆま(一緒にお風呂入りたいなぁ……でもなぁ……)チラチラ


~次の日 校門~


杏子「それでそのあとはひたすら肩を揉まされたぜ……」

ほむら「いいんじゃないの?……それと後で私の足も揉んでくれる?」

杏子「……マジで言ってる?」

ほむら「何時間歩き回ったと思ってるの?」

杏子「……ざっと4時間かな~?」

ほむら「いい度胸ね、胃の腑に叩き込んであげましょうか?」

あゆむ「おはよう」

杏子「よっ!昨日はサンキューな」

あゆむ「いや、タクシー代悪かったな」

杏子「いいよ別に!死ぬほど気持ちよさそうに寝てたし」

ほむら「死んでるんじゃないかと疑うくらい?」ジト

あゆむ「……」プイ

杏子「いや疲れてたんだろ?本当に死んだみたいに寝てたし」

ほむら(いつもそういう風に寝る子なのだけど)

杏子「そういやどうやってあたしを見つけたんだ?適当にぶらついて見つけたゲーセンだったのに」

あゆむ「ガンダムプレイすりゃサイトに時間と場所が乗るじゃん」

杏子「そーいやそーだったな、しかも一回一緒にプレイしてるし」ポン

ほむら「 」

あゆむ「なのに馬鹿みたいに走り回ってるやついるし♪」クル

ほむら「……う」

あゆむ「心臓動いてますかー?それともあ・た( ほむら「待ちなさい!ぶっ生き返すから」ザッ

あゆむ「待つわけないだろ!」バッ

恭介「おはよう、朝から元気だね」

杏子「おっすー!」

和子「ん?朝からまた事件?……ってこらー!!廊下を走るんじゃありませーん!!」

杏子「固い事言うなよ和子先生!」タッタッタ

和子「待ちなさい!!3人とも!!」

和子「はあ……」

恭介「おはようございます先生」

和子「……暁美さんも佐倉さんも葉月さんもあんなに元気だったかしら?」

恭介「んー……暁美さんは最初壁を作ってたし、佐倉さんは警戒心の塊だったし、葉月さんは昔の方が腕白でしたよ」

恭介「けど僕はあんなふうに元気な子の方がクラスに居てうれしいです」

和子「昨日の今日であんなに立ち直ってるとは思わなかったわ……」

恭介「ははは、そうですね」

和子「……ところで暁美さんの心臓病ってなんだったのかしら?」

恭介「見滝原総合病院は凄いですね、あそこの間 黒男って外科医は世界に名を轟かせる天才なんですって」

和子「血管自体が弱いから手術できなくて完治見込みなしだって聞いてたのにおかしいわよ……」 

恭介「奇跡も魔法もあるんですよ」

乙です

>恭介「奇跡も魔法もあるんですよ」
ガディストット!!

おはようございます

再開です

なぎさ「今回までほのぼのなのですよ!」

なぎさ「朗報なのです!なぎさは出番が貰えることになったのです!」

さやかff「あたしもだよ!」

まど神「なんのお話してるの……?」


~なんやかんやで本番当日の朝~


まどか「あーあ、結局ママ来れないんだ……」

知久「工場で事故が起きたから急いで取引先と交渉しなきゃいけないんだって、仕方無いさ」

タツヤ「ブラックきぎょー?ばいがえしだー!」

知久「ママがやったら倍で収まらないよ」

まどか「はぁ……」

知久「DVDは買うからまどかの指揮者っぷりはちゃんと見てもらえるさ」

まどか「うぅぅ……そうじゃなくて」

知久「はいはい、寂しいのは分かったから行っておいで」

まどか「うん……もう朝練の時間だし」ガタ

知久「開催は11時だろう?ちゃんと行くよ」

まどか「もちろんだよ!来てくれなきゃ嫌だからね!」パチン

タツヤ「ねーちゃん鞄はー?」

まどか「今日は荷物が少ないからポシェットだけ、行ってきまーす!」ダッダッダ

タツヤ「いってらっしゃーい!」


ガチャ バタン


知久「最近まどかも我が強くなってきたなぁ……」

タツヤ「ガガ?トランザムするの?」

知久「ちょっとずつ大人になるって事だよ」

タツヤ「ママになるの?」

知久「そう言うことだね」

タツヤ「ねーちゃんがママになるんだ?」

知久「そう、いつかは結婚して子供を作って……まどかはどんな人と結婚するのかなぁ……」シンミリ

タツヤ「タツヤが結婚する!」

知久「ははは!ヨスガノソラなんて勘弁してくれ!」

タツヤ「ヨスガノソラ?」

知久「さーて、今日の晩御飯は美味しいクリームシチューだー!」

タツヤ「シチューキター!」

なぎさ「支援なのです!」


~いつもの集合場所~


まどか「おはよー!」

まどか「……いや誰も居ないのは知ってるんだけど」

QB「やあまどか!僕と契約して」

さやか「まどかおっはよー!」

まどか「おはようさやかちゃん!」

さやか「あれ、今日は仁美が最後なの?」

まどか「珍しいよね」

さやか「と言うことは、今二人っきりか……」

QB「あの」

さやか「よーし、なんか二人でしか出来ないことしよっか!」

まどか「うん?別にいいけどなにするの?」

QB「感情が無いはずの僕にも分かりやすいほどの悪意だね」スタスタ

さやか「おりゃー!」ガバッ

まどか「うひゃあ!ちょっと」

さやか「おんぶしてー!」ギュゥゥ

まどか「えー!?ちょ、ちょっと重い……」ググ

さやか「《ちょっと》と来たか」

まどか「よいしょっと……意外と出来ちゃうもんだね」

さやか「あぁ、まどかが脳筋になっていく……」スリスリ

まどか「でも体力ついて困ること無いし、普段の生活でも便利な事多いし……」

まどか「だから一緒に筋トレしよ!」

さやか「友達を筋トレに誘う女子なんてこの近辺じゃあんただけだよ」

なぎさ「早く私の出番になぁれ!」


仁美「朝っぱらから何をなさってるんですの?」プリプリ

さやか「まどかにおんぶされてるのさー♪」スリスリ

まどか「いやぁー!」モシャモシャ

仁美「んもう、はしたないですわ」

さやか「いいじゃんいいじゃん!さ、このまま会場までレッツゴー!」ポンポン

まどか「え?……えぇ!?」

さやか「ほら早く!」グイグイ

まどか「ちょっ……そんなとこ引っ張らないでぇ!」ヨタヨタ

仁美「はあ……全くもう、ですわ」


~~


さやか「さあ!本番前の声だしやるよ!」

恭介「朝は声が出にくいからね、思ったより声が伸びないからって無理をしたら駄目だよ」

さやか「そうそう!どうせ会場着いたら校歌歌わされるんだし、そんときに声が出せりゃ良いの!」

えりか「じゃー今やんなくて良くない?」

恭介「ここで一回大きな声を出して喉を少し開いておいた方が馴染むのも早いし、血圧を少し上げておくって意味もあるよ」

つぼみ「それに外で大声を出すと気持ちいいと思いますよ?」

えりか「それで気分良く会場入りってわけか~!」

ほむら『ねえ杏子』

杏子『うん?』

ほむら『貴女校歌歌えるの?』

杏子『……二番と三番の歌詞が怪しい』

さやか『それ全体的にアウトじゃん』

支援


恭介「じゃあ僕が指示をするから鹿目さんの指揮に合わせて校歌を歌おうか」

まどか「よろしくね」

えりか「良しキター!」グッ

まどか「あ、朝からテンション高いね……」

えりか「今日は早起きしてちゃんと朝ご飯食べてきたかんね!気合もバッチってもんよ!」

まどか「いつも朝ごはん食べてなかったんだ……」

えりか「いやーだってほら!朝からガツガツ食べて太るの嫌じゃん?」

つぼみ「えりか」

えりか「何ちゅぼみ!」

つぼみ「朝ごはんは食べないほうが太りますよ?」

えりか「!!??」

まどか「私なんて朝ごはん無しじゃお腹空いて倒れちゃうよ」

えりか「待って!いつも朝ごはん食べてない人手ぇあげて!!」

中沢「一食でも食わないとかあんの?」「俺朝は結構すっぽかすかな」「あたしも」

えりか「ほらほら!ほら!三分の一くらいの人が食べないって言ってるよ!!」

恭介「あの、練習初めたいんだけど……」

えりか「ほむほむとか実は毎朝食べてないでしょ!独り暮らしだもんね!」

ほむら「カロリーメイトか菓子パンがほとんどだけど毎朝食べているわ」

ほむら(あと牛乳も……)

えりか「ガーン……」

恭介「練習を……」

支援


まどか「さやかちゃんはたまにお腹すいたーって喚いてるよね」

さやか「あはは、恥ずかしながら……」


  パンパン!


つぼみ「皆さん、良いですか!朝ごはんをちゃんと食べないと血糖値がどうとかクドクドクド

えりか「ちゅぼみ説明長いー!」

恭介「あの、練習……」

さやか「杏子はいいなー!毎日マミさんの手作りだもん」

杏子「流石に朝はお手軽なシリアルが多いな……プラスでサラダが付くぐらいか」

さやか「朝からそれは凄えよ」

ほむら「仁美の家って朝ごはんどう?」

仁美「別に普通だと思いますけど」

まどか「うん、うちと全然変わんないよね」

ほむら「超高水準ってことね……」

恭介「その……」

中沢「うち一昨日朝からカレーでさぁ!」

番「馬鹿、俺なんか朝っぱなからカップ麺の時あるぜ!」

つぼみ「番君!朝はお米を食すべきです!」

番「んなこと言われてもよ……」

つぼみ「稲の花言葉は『神聖』ですよ!」

番「関係無くないか……?」

中沢「けど米には七つの神様が~とか聞くぜ?」

恭介「ねえ、一回校歌を歌っ 杏子「ん?もう時間じゃん!行こうぜ」

ほむら「けど朝からお米は苦手よ……コンビニのおにぎりも無理だもの」

まどか「そうなんだ、私なんて最近は朝もお米をおかわりしないと満足できなくなっちゃったよ」

仁美「何はともあれ、朝はお味噌汁が無いとダメですわ」

ほむら「病院食ってお米率高いから苦手になったわ……」

さやか「しかも超不味いんだよね、あれ……」

杏子「あたしは入院したら魂濁り切りそうだ……」


ワイワイ  ガヤガヤ  ザワザワ


恭介「……」

中沢「さあ!夢の舞台へ駆け上がろうぜ!」ポン

恭介「泣いていいかい?」

中沢「俺たちなら大丈夫!やれるさ!」グッ

恭介「脚本家の悪意が見えるようだよ……」

支援


~水のせせらぎ館、第二ホール(通称 さざ波ホール)~


ほむら「ここがさざ波ホール!」

ほむら「全体的に白くて明るいわ……客席が二回にもあるなんて凄い!」

まどか「壁に丸い凸凹がいっぱいあって、それが波の表面に見えるでしょ?だからさざ波ホールって言うんだよ!」

ほむら「へえ……」

さやか「このさざ波ホールは完全防音!超高音質!まだ完成して10年しか経ってないんだよ」

杏子「うえ……綺麗すぎてサブイボが……」

さやか「なんじゃそりゃ」

まどか「えっと……指揮者と伴奏者の席は……」キョロキョロ

仁美「こっち……前の出口の方ですわ、まどかさん」

まどか「ありがとう!じゃあ、後でね皆!」スタスタ

ほむら「まどかぁ……」

さやか「そんなガチに切ない声出さないでよ……」


~~


仁美「お隣失礼しますわ」

まどか「お邪魔しまーす」

ゆうか「おいっすー!」

あゆむ「……」

まどか「あれ?あゆちゃんって指揮者でもなんでもないよね?」

ゆうか「まどか、そこはお察しでしょー!」

まどか「あ……ごめん……」

あゆむ「……出口が近いほうが便利だからな」

ゆうか「そんな寂しいこと言うなよあゆー!ベタベタしよ!」

あゆむ「きしょい、寄るな」

仁美(と言いながらもくっつかれて抵抗しないのですね、知ってました)

支援


マミ『みんな、おはよう!』

織莉子『期待してますよ、杏子さん』

ゆま『頑張れー!』

キリカ『二階席広いなー』

QB『キュップイ』

さやか『今日はもう気合十分!ばっちり聞いてって下さいね!』

ほむら『応援ありがとうございます、後帰れボケウサギ』

キリカ『ボケウサギか、良いね!今日から君はボケウサギだ!』

QB「訳が分からないよ」

杏子『しかし開演まであと30分位あるじゃん、暇だな』

マミ『じゃあ今回もクイズを出してあげる!』

さやか『出ましたマミさんクイズ!』

キリカ『前回でパターンは読めた!今回は取ってやる!』

織莉子『楽勝よ』

まどか(心の中で参加します!)

ほむ杏((やめてよね))

ゆま(寝てよ)

支援


マミ『ある日、私がお夕飯の食材を買いにスーパーへ行きました』

マミ『スーパーではお肉の特売をやっていました。激しい激戦を勝ち抜きお肉をゲットした私はお夕飯が決まったので杏子とゆまちゃんにメールしました』

キリカ『馬から落馬する的なノリで馬肉だ!』

マミ『揚げ足取りは良いの!さて問題です、この日我が家の食卓に出てこないメニューは次の内どれでしょう?』

さやか『ん?出てこないやつですか?』

マミ『そうよ…… 一番、鳥の唐揚げ 二番、豚の生姜焼き 三番、ビーフシチュー 四番、ラムチョップ  ……さあどれだ!』

織莉子『読めたわ』

杏子『早えよ』

ほむら(真面目に考えたらダメ……もっと軽く、直感で考えるのよ)

キリカ(チキン、ポーク、牛肉、羊肉……うーん、関連性が……)

まどか(鴨肉が無いのは残念かも……なんてね!)

まどか「…………あ!」

仁美「どうされました?」

まどか「えっといや……何でもないよ!うん!」

まどか(ふふっ!分かっちゃった!前よりずっと簡単だね!)ニコニコ

ゆうか(隣がそれぞれ無表情と笑顔で辛い)


~~


沙々「しかし皆さん暢気ですねぇ、馬鹿ですねぇ」

沙々「設置完了、後は合図を待つだけ……くふふふっ!」

沙々「ふふっ!うふふふふっ!!」ピリリリリ

沙々「いいところで……」

沙々「はいはい♪」ツイッ

沙々「だーかーら!大丈夫ですって、予備の増援なんて要りません!」

沙々「……」

沙々「分かりましたぁ♪じゃあ近くの公園でポテチでも齧っていてくださいね」

沙々「ええ!その時は頼りにしてますよ、飛鳥さん!でわ!」ツイッ

沙々「……ったく」

なぎさ「お疲れさまでした!ここまでなのです!」

なぎさ「次回ついに平行世界とは言えなぎさの出番が!出番が!」

さやかff「なぎさは次の次じゃない?」

>>639>>640

コメントありがとうございます!

乙です

前回わからなかったけど今回もわからないとおもう
乙!

おはようございます

再開です

なぎさ「ワクワクなのです!」


さやか『あ!あたし分かったかも!』

杏子『なん……だと……』

ほむら『この私がさやかにすら遅れを取った!?』

キリカ『馬鹿な!皆腐り果てるしかないじゃないか!』

さやか『全員表に出ろ、名誉をかけて決闘を申し込む』


ゆうか「あゆー!あそぼー!」ベタベタ

あゆむ「触れるな寄るな近づくな」

仁美「けど体は正直で抵抗はしないんですね」

あゆむ「殴ったら死ぬだろ、さやかあたりと違ってゆうは」

まどか「そんなさやかちゃん達は死なないみたいな言い方……」

まどか(死なないけど……)

ゆうか「なんだとー!アタックステップー!」コショコショ

あゆむ「フラッシュタイミング、デルタバリア」

ゆうか「あたしコス2でーす!」ガバッ

あゆむ「っておいコラ!」ドタバタ

ゆうか「良かった!今年は参加できて!」ギュゥ

あゆむ「……っ」

マミ『はい!時間切れでーす!』

まどか(キタ!)グ

仁美「まどかさん?」

杏子『どーせ下らないオチだろ?あたしは知ってるからな』

マミ『そう言わないの!』

さやか『へへーんだ!あたしは解けちゃったもんねー!』

まどか(私もだよ!)

支援


マミ『まずは回答の料理を整理してみましょうか』

織莉子『1番は鶏肉、2番は豚肉、3番は牛肉、4番は羊肉』

キリカ『そこまでは考えたんだけどさ、そっからどう捻ればいいわけ?』

マミ『捻りなんてないわ、答えは1番の鳥の唐揚げよ』

ほむら『どうしてですか?』

マミ『鶏肉だから……』

ゆま『……』ゴクリ

マミ『とりにくい』

ほむら「  」

杏子「  」

キリカ「  」

ゆま「  」

さやか「やった!さやかちゃん大正解!!」パチン


まどか「♪」フリフリ

仁美「大丈夫ですかまどかさん」

まどか「だだ大丈夫だよぅ!!」ビク

仁美「あら、知久さんですわ!二階席から手を振っています」

まどか「え?……あ!本当だ!」フリフリ

仁美「そういえばお手洗いは大丈夫ですか?」

まどか「ん?あー……確かにちょっと怖いかも、行ってこようかなぁ?」

仁美「これからこれだけの大人数を前に指揮をするって考えたら緊張しません?」

まどか「うぅ……確かに緊張してきたなぁ……ちょっと行ってくるね!」タッタッタ

仁美「行ってらっしゃいませ~!」カパ

仁美「えっと……あら?電波が悪いですわね」

仁美「ちょっと外で知り合いと電話してきますわ」スタスタ

あゆむ「ん?ああ」ギュウウウ

ゆうか「痛いって!ちょっとマジで痛いってぇ!!」バンバン

あゆむ「やかましい」

ゆうか「だからマジで痛いってば!」バシン

あゆむ「あ」プツン

ゆうか「あ……ボタンが……」

あゆむ「……」

ゆうか「もう!本当に痛いって言ってるのに!」

あゆむ「じゃあ変なちょっかいかけて来るなよ」スタスタ

ゆうか「ふん!」プイ

支援


えりか「およ?これ誰かのボタン?」

つぼみ「これは……胸の所のやつですね」

あゆむ「あーそれ、あたしの」

えりか「あゆ?何やってんのさ一体」

つぼみ「はしゃぎ過ぎは良くありませんよ葉月さん」

あゆむ「ゆうが引っ付いてくるから……」

えりか「あんた手加減意外と知らないからね~」ゴソゴソ

えりか「ほい!ソーイングセット」ジャジャーン

つぼみ「流石ファッション部部長です!」

あゆむ「あ、サンキュー」パッ

えりか「え?直してあげるけど」

あゆむ「いいよ、ついでにトイレ行ってくるし」

つぼみ「葉月さんお裁縫出来るんですか?」

えりか「ん?あゆはガサツに見えるけど器用だよ」

つぼみ「へぇ、そうなんですか」

あゆむ「………借りてくぞ」スタスタ

えりか「行ってら~」

つぼみ「やっぱり元々白女に居た人って言うのは違うんですね」

えりか「小学生の頃から超人だったかんねー、よ!流石あゆ!って感じ」


あゆむ「…………」


~さざ波ホールの外、廊下~


仁美「あ、沙々さん?……ええ!OKですよ!」

あゆむ「……」

仁美「分かりました!それじゃあ私は会場に戻りますね!」ピッ



あゆむ「ん……沙々って誰だろ?」

あゆむ「……まあいいや」

なぎさ「なぎさの出番まだなのですか?」


~化粧室~


あゆむ「誰か入ってるな……どうでもいいか」パカ

あゆむ「うわ……裁ちばさみにリッパーまで入ってるよ……ガチりすぎだろこれ」ゴソゴソ

あゆむ「えーっとまずは糸を取り出して……」


モワモワ~ン(例のSE)


あゆむ「ん?」


突如として周囲の空間が非日常へと切り替わった


あゆむ「……」ゴソ


化粧室の照明が突然緑色がかったものに変わったわけではあるまい、と当たり前の推理をしたあゆむはいつもの事だと左の上着のポケットから薬を取り出して服用し、気持ちを落ち着けるためにもしゃがみこんで目を閉じた


あゆむ「…………?」


そして気づいた、いつもの通りならあるはずの強烈な眩暈と頭痛が無い事


あゆむ「……」


体中を虫が這いまわるような最悪な感覚が無い事に、そして同時に動き出した

ソーイングセットをもとのバッグに戻して右のポッケに入れ出口へ早足で向かう


あゆむ(ここだけか?……外は?)


外に出た少女に待っていたものは


アーニャ(車)「ブーン!」

あゆむ「っ!」バッ


画用紙にクレヨンで描かれたような人形の車だった

ほとんど不意打ちと言っていい体当たりをすんでで躱し身構える


あゆむ「なんだこりゃ……ってトイレにまだ誰かいる!」

アーニャ(飛行機)「アーッハッハッハ!」


目を離した隙に人形の下半身が飛行機へと姿を変えて両翼からミサイルを撃ち出してきた


あゆむ「っそ!」ダッ


一見するとおもちゃのようだが床にあたったそれは小規模な爆発を起こしており、おいそれと当たればいい目を見ることは無いと想像させる

それらとほぼ同時にジャーと水を流す音と暢気に手を洗う音が聞こえてきて、パニックになる寸前な表情のまどかが出てきた


まどか「あゆちゃん!」

アーニャ(飛行機)「キャハハ!!」

まどか「ひ!?」

なぎさ「あ、あれ雲行きが……」

飛行機がまどかに振り向いた刹那、あゆむの足刀が炸裂した

壁に叩きつけられ、赤いボディが真っ二つに折れた後、飛行機は光となって消滅した


あゆむ「まるでFF10の幻光虫だな」


無言で一機撃墜した少女が自分が自身の中で最も的確と思える表現でその様を実況した


まどか「あ……ありがとう」

あゆむ「ふむ……とりあえず外に出るか」

まどか「待って、さやかちゃん達にこの事を伝えなきゃ!」

あゆむ「向こうも向こうでパニックになってると思うけど」

まどか「それでも行こう?」

あゆむ「……まあいいけど」

あゆむ(冷静だな……なんか意外というか……)

『通りすがりの魔法少女よ』『心に従う!』

あゆむ(あの夢が現実ならホールの中はむしろ安全なはず……)


~時は少し遡ってさざなみホール内~


さやか「はははは!そりゃねーって!」

杏子「いやいやあるんだって!」

ほむら「……ねえ」

さやか「ん?どうし……え?」

杏子「冗談じゃねえぞ……」


3人が談笑を止めるのと、空間が切り替わり始めるのはほぼ同時であった

周囲の人間は未だ状況を認識していないのか暢気なお喋りを続けている


ゆま『これ!いつもと違うッ!!』

QB「これは……」


ゆまが違和感を口にした途端、ホール内の空間は完全に結界へと姿を変え

はたしてゆまの違和感は正解だった

完全に魔女の気配で包まれたはずのホールはどちらかというと使い魔の結界のような不安定なもので、ホールの形を留めたまま不気味な紫色の照明と、TVカメラであるとかペロペロキャンディーといった統一性の無いモチーフが空中に浮かんでいる

蝶が舞い、天井一面に花が咲き、カジノのルーレットが浮かんでいるという訳の分からない状況でようやっと生徒たちも状況を認識したようだ


えりか「何?あれ」

つぼみ「最近のホログラって凄いんですね!花がいっぱい咲いてます!」


……身の危険と取ったかは別問題だが



なぎさ「あ、あの……」


さやか「どういう事なのこれ!?」

QB「こんなケースはイレギュラーだね」

ほむら「これ……複数の魔女の結界が無理矢理に繋がっている……の?」

さやか「とにかく皆を非難させなきゃ!」ス

キリカ『ストップ!変身ストーップ!』

さやか『なんでですか!?戦わなきゃ!』

マミ『こんなところでいきなり変身してサイボーグのごとく駆け回ったりしたらパニックになってしまうわ!』

織莉子『それより最悪なのがヒーロー願望、貴女に負けじと突貫する生徒が出てきかねない』

織莉子『そういう生徒も含めて守り切れる?』

さやか『そんな子いませんったら!』

キリカ『え?君が言うのそれ?』

さやか『う……』 

ほむら『初めての魔女結界でまどかの盾になったり鉄パイプ振り回して果敢に挑みかかってたのはどこの誰だったかしら?』

マミ『確か髪の毛が青い子だったわね?』

キリカ『それもマミとほむらの銃弾と織莉子の水晶玉が縦横無尽に飛び回る中で』

さやか『うぐぐぐ』

杏子『しゃあ無い、仮面ライダーばりに変身しないで叩きまくるか』ポキポキ

マミ『上は私達で終わらせるわ』

キリカ『と言ってもこっちのは大人ばっかりだからね』

織莉子『余計に時間がかかるでしょうね』

ゆま『どうせ大人だしね』

キリカ『私は一応逆の事を言おうとしたんだよ?』

マミ『嫌味で?』

杏子「来るぞ!」


杏子が言うと同時にホールの壁を走り回っていた絵が実体化したり、天井の花から現れたり、空中に浮いているモチーフから現出したり……それぞれの個性を最大限にまで生かした憎い演出で使い魔が大量に表れた

なぎさ「どう言うことなのですおい……」


さやか「……これって!?」


そして最初に気が付いたのはさやかだった


QB「この場に居る魔女は《お菓子の魔女》《影の魔女》《落書きの魔女》《ストロボの魔女》《胞子の魔女》《蝶の魔女》《豚の魔女》《造花の魔女》」

ほむら「そんな……」

杏子「どういう事だよおい!!」

さやか「取り逃がした使い魔ってこと!?」

QB「それだけならこんなに統率の取れた行動を取れないよ」

ほむら「操っている奴がいる……?」

マミ『とにかく全員準備して!行くわよ!』


つぼみ「あ、見てください!あれ!」

中沢「見てくださいって……天井の真ん中にまたデカい花が咲いたな」

恭介「綺麗な青紫色の花だね」

つぼみ「あれは紫苑の花です!花言葉は」

えりか「あー!中から何か出てきた!」ビッ

つぼみ「えりかぁ!」

中沢「なんだあれ……妖精さんか?」


QB「あれこそが《造花の魔女》その性質は『鑑賞』だ」

ほむら『干渉?観照?』

QB「内包してるんじゃないかな?」

さやか『言葉遊び良いから!』


その姿は中学生手位の少女に近く、妖精とでも例えるべきある種の可愛さを持っていた

頭は長い葉っぱが髪の毛の代わりのように垂れ下がり、その顔は大きな一枚の花びらで
覆われていて見えない

服はノースリーブの白いワンピースのようなものを来て、その上から肩の部分にベールを羽織っている

露出している手足は真っ白でそれが彼女を人間ではないと認識させ、3m近い大きさの青紫色の花びらが翼のごとく背中に生えており

ただ静かに浮いて人々を見下している

なぎさ「お菓子の魔女……お菓子の……ブツブツ」


QB「能力的に考えてこの件の原因は彼女だね」

さやか『あいつが統率を取ってるならあの魔女だけ倒せば……』

QB「結界の結合が解けて全員はぐれるだろうね」

ほむら『その場合魔法少女と一緒の結界に巻き込まれなかった子達は……』

QB「死ぬ以外無いだろうね」

さやか『じゃあ最後に回すしか……』


知久「去年とは演出が段違いに凄いなぁ……」

沙織「おっすー!」

知久「やあ沙織さん!今日は旦那さんは?」

沙織「仕事だよ仕事!愛娘のさやかの行事に顔を出さないなんて信じられる?今年はこんなに凄い演出も見れたのにさ」

タツヤ「……」

沙織「おやぁ?タッ君はなんか不機嫌だね~」ヘラヘラ


和子「ちょ……ちょっとこれ何!?何事!?」

太田「ううむ……予定にはこんなもの無かったはずだがなぁ」


ゆうか「うわ何この丸いの!超可愛いんだけど!」ナデナデ

ピョートル「キュィ~!」

仁美「ん~……新種のネズミでしょうか?」


ガブッ!


ゆうか「いった!噛まれた!!」

仁美「ゆうかさん!」ベチン!

ピョートル「キュイッ!」

仁美「はああ!!」バキ!

ピョートル「モペェ……」

ゆうか「え……いや……え?こ、これヤバいかな」ドクドクドク

仁美「お、落ち着いて!血がいっぱい流れてるだけですから!」

ゆうか「い、いやね!ちょっと真面目にいい痛いかなって思ったんだけどね!」ドクドク

仁美「落ち着いて下さい!傷に触ったりしちゃ……」

ゆうか「こ、この白いの骨じゃね!?やっややばいくねぇ!!」ドクドク

仁美「う……」クラ

ゆうか「いやあああああッ!!??」ドサッ

なぎさ「 」


スレイ(豚の魔女の使い魔)「ガウッ!ガウッ!!」

仁美「全身ラバーの犬!?ゆうかさん!」

杏子「仁美!ゆうか!」バキィ

スレイ「キャインッ!!」

仁美「杏子さん!」

杏子「大丈夫か!?ずらかるぞ!」

仁美「は、はい!……え?ドアが開きませんわ!!」グッグッ

杏子「マジで!?」

ゆうか「ヒック……うああああ!!」

杏子「それくらいの怪我でピーピー泣くな!死にはしない!」

「ぐああああ!!」「相場ぁぁ!!」「こっちに来るなぁ!!」

杏子『やべえな……けが人も出てきて会場中がパニックになってきた』

さやか『ドアが開かないって事と、この異常さに気づいちゃったっぽいね』

かえで「全員離れや!!この訳分からん生き物、攻撃してきよるで!!」

ほむら『ついでに言うとあんな風に煽る子が居るからね』

「マジで!?」「あっちで3年2組の夏希さんが噛みつかれて凄い怪我してるよ!」「あっちでも二年の黄瀬が……!」「けど、ドアが開かないんだよ!!」

和子「み、皆!落ち着いて!今外の人たちと連絡を取って……」

あやか「さざ波ホールの中じゃ携帯なんかロクに繋がらないよぉ!!」

和子「純さん落ち着いて!」

太田「いかん!生徒の何人かがパニックとヒステリーを起こしだしたぞ!」

「じゃあどうすんだよこれ!」「脱出ゲーかよ!?」「いやぁぁああああ!!」「戦わなければ生き残れない!」「戦っても生き残れそうにないんですがそれは」

支援


織莉子「 静 ま れ ! ! 」

「!!」「な、なんだ?」「今凄いデカい声が…」

さやか「流石織莉子さん!」

杏子「一発で全員黙らせやがった!」

ほむら(でも何故二階の客席の手すりの真ん中で腕を組みながら仁王立ちしてるの……?)

織莉子「全員、速やかに座席の中心を目指しなさい」

織莉子「黄色いリボンで円が作ってあるのが分かりますか?」

葵「本当だ、いつの間に……」

織莉子「神聖な願いのこめられたリボンの内側に居る限りは、呪いに蝕まれし悪しきものなどには決して穢されることはありません」

「どういう事だ!まるで意味が解らんぞ!」「とにかく行くんだよ!」「で、でも怪我して動けない子だって……」

杏子「話聞いたな?ゆうかを連れて先に行け!」

仁美「は、はい……杏子さん達もお急ぎになって下さい!」


中沢「一年坊主どもが先だ!先輩だったら格好いいところ見せろっ! 」

恭介「皆落ち着いて!順番に通路へ出るんだ!」

女子「お、押さないで……きゃあ!」ドテッ

恭介「いけない!」

中沢「上条!?馬鹿!後ろだ!メイド服の猿が迫ってる!!」

アンジー(胞子の使い魔)「いらっしゃいませ!」

恭介「しまっ……」

さやか「どりゃああっ!!」バキッ

アンジー「グヘアッ!!」

中沢「美樹!ナイスバックハンドブロー!!」

さやか「あたし完璧!」グッ

恭介「さやか!ありがとう!」

番「こっちはもう全員行った!後は俺らだけだ!」

さやか「先行ってて!あっちのピンチなんとかしてくる!」シュバッ

恭介「さやか!……椅子の上を跳ねて行っちゃった……」

中沢「くノ一かあいつは……」

支援


レイク(ストロボの使い魔)「……」ジー

葵「っ……ひたすら撮影されてるなんて気味が悪い……」

かえで「ええから!怪我人が運ばれるまで先へ行かせなきゃええんやから!ちょっかい出さんでええ!」

レイク「……」ピカッ

かえで「眩し!」

サハスラプシャ(影の使い魔)「キシャア!」

葵「影から蛇が!?」

かえで(あかん!噛みつかれる……!)


グシャ!


ほむら「ちゃお」ファサァ

かえで「あ、暁美……!」

葵「今あんた空から降ってきた?」

ほむら「梃子の原理よ」

葵「な……なるほど」

かえで「今納得出来たん?納得できる要素あったん?」

ほむら「いいから行って!こいつらの相手は……私!」

かえで「あんた心臓病……」

ほむら「ジェネリック医薬品の力よ」

葵「そっか!だから (かえで「んなわけあるかい!!?」


~~

あゆむ「……駄目だ、開かねえ」

まどか「そんな……」

あゆむ「ともかく外に出るぞ、このままここにいて何か変わるもんでもない」

まどか「う、うん……」

~~

男子「負傷者はこっちだ!」

仁美「すいません!お願いします!」

女子A「こんなに怪我人が……!と、とにかく止血だけでもしなきゃ!」

女子B「テレビだとこう言う時ってYシャツちぎって止血するよね!」ヌギヌギ

女子A「ってなにやってんの!?」

女子B「大丈夫!今日のあたしは黒Tだから!」ビリビリ

女子A「この幸せの王子!!もう知らないッ!!」

女子B「六花が怒ったぁ……」

さやかff「今さらだけどピョートルはなぎさの使い魔だよ!」


さやか「こっちはもう大丈夫ですか!?」

大田「全員だ!俺が後ろから追う、矢口が先導しろ!」

矢口「はい! 」

さやか「後は……しまった!まだ生徒が!」

ピョートル「きゅいー!」

女子「ウルトラハップップー!?」

ゆま「そーれっ!」グシャ

男子「先生!空からワンピースの幼女が降ってきた!!」

大田「色は!?」

男子「グレーです!」

大田「よし!」

さやか「よくねえよ!!」

ほむら『後部座席終了』

杏子『前の方もしまいだ!』

ゆま『上は制圧完了だよ!』

さやか『こっちもオーケー!』

和子「さやかちゃん!早くこっちにいらっしゃい!」

さやか「先生!ごめんなさい!」バッ

和子「ちょ、ちょっと!?」

中沢「なんだあのジャンプ!ワイヤーアクションかよ!?」

マミ『それじゃ、ステージに集合!こっから先は……』

マミ「エンターテイメントよ!」

QB「訳が分からないよ」

キリカ「おら来たー!」

織理子「今こそ、希望の風と共に!」

杏子「なあ……やらなきゃ駄目か……?」

ゆま(今友達居なくて良かった……)

ほむら「どうせなら楽しみましょう?」

さやか「さあ!魔法少女さやかちゃんの登場だよ!」

「な、なんだ!?」「ヒーローショーでも始めようってか?」「あ、あの人たちって先輩じゃぁ……」

知久「きゅ、急に飛び降りて行ったと思ったら……」

沙織「すげえなぁ……ってさやかッ!?」

タツヤ「ほむらー!」

知久「え?……ええぇぇぇええええッ!!??」

支援


マミ『デコイは美樹さん、キメの後私が使い魔を一掃するから暁美さんが攪乱、キリカと杏子は撃ち漏らしを、織莉子は結界の生成と口づけの調査、ゆまちゃんはその護衛と補助』

さやか『え……デコイあたしですか!?』

マミ『単純に知り合いの一番多い人がやるべきよ』

さやか『あ、なるほど』


シュタッ


綺麗に揃った着地音とともに少女たちが舞台の中央に降り立った


「なんだっていうんだ……」「アイェエエナンデ!?ニンジャナンデ!?」

さやか「皆!行くよ!」バッ


中央のさやかの掛け声で全員が各々ポーズを取って構え

さやか「幼い希望を胸に秘め!みんなの笑顔を取り戻す!」

葵「な……何言っちゃってんのあの子ら……」


あまりの突拍子の無さに呆れる者


つぼみ「頭を打ってしまったのでしょうか?」


正論に見えるが傷つくことを言う者、などなど反応こそ様々であったが全員の意識をこちらに向けるという目的は達している以上この場での勝者は彼女達だ


さやか「翼は輝く!」


だからこそ一層大胆に続ける、舞台に立った彼女たちは希望を振りまく魔法少女だから


「「「「希望を乗せて!」」」」

和子「きゃ!眩しい!」


ハモった台詞と同時に眩い光が少女達を包み、彼女たちの翼を纏って現れる


ゆうか「な……何あれ?」

えりか「ゆう!怪我大丈夫!?いやあたしにも訳分かんないんだけどさ……」

QB「彼女たちは魔法少女、魔女を狩る者さ」

えりか「魔法少女だって」

ゆうか「魔女って……?」

えりか「え?ちゅぼみ何か言った?」

つぼみ「 」

ゆうか「気絶してるし……」

支援


さやか「夢の灯りは消させない!」


剣を天に掲げ


さやか「夜空に輝け、七色の翼!!」


優雅に一回転して


「「「「「「アルコパレーノ・アーラ!!」」」」」」


全員が掛け声とともに決めポーズ、そして激しい爆発が起きて〆を彩った


さやか(決まった…!)

キリカ(完璧だね!)

織莉子(ふふ、皆硬直しちゃって面白い!)

ほむら(私に出番が回ってきた時出来るかしら……)

杏子(死のう)

ゆま(友達居なくて良かった)

マミ(魔女に動きは無し、結界も正常に機能してるから使い魔も手を出せない……状況は良いわね)


~ホール出口付近~

アーニャ「ブッブー!」

あゆむ「っ」ヒュ


バキィッ!


アーニャ「うああ!!」シューン

まどか(下手な魔法少女より強いんじゃ……)

あゆむ「ダメか、ドアも開かない」

まどか「どうしよう……途中の窓もダメだったし……」

あゆむ「……」

まどか「せめてホールのみんなと合流しなくちゃ……」

あゆむ「……ホールになら入れるかもな」

まどか「え?」

あゆむ「中庭の天窓はいつも開きっ放しだ、そこから出ることも出来るかもしれないし、ダクトがつながってるからホールにも入れるかもしれない」

まどか「本当?……でもなんでそんなこと知ってるの?」

あゆむ「探検しまくったからな」

まどか「え……えぇ~……」

支援


アーニャ「ブーン!」

あゆむ「また来たか」

まどか「っ……!」ビク

あゆむ「トイレで武器でも作ってくるんだったな」

まどか「ぶ、武器?」

あゆむ「そのニーソ、丸めて水を染み込ませれば結構強烈なフレイルになったのに」

まどか「靴下ってそうやって使うものじゃないよぅ!」

あゆむ「応用の仕方の話を……ってやべ!」

アーニャ「アーッヒャヒャ!!」ドンドン

まどか「きゃあ!!」

あゆむ(射線で分断された!)

アーニャ「ひゃーひゃひゃひゃ!!」ドンドン

まどか「あ……あゆちゃん!」

あゆむ(こっち狙いか……)

アーニャ「ブーン!!」

あゆむ「っと!まどか!先に中庭行け!」

まどか「け、けど!」

あゆむ「回り込んで西口から入る!そっち側の入り口で迎撃の用意しとけ!」

まどか(そっか、中庭に行けば噴水があるから武器が作れるんだ!)

まどか「わ、分かった!ちゃんと来てくれなきゃダメだよ!怪我してたら嫌だからね!!」

あゆむ「おーらい!」タッタッタ


~中庭~


まどか「はあ……はあ……急いで用意しなくちゃ!」

沙々「こんにちは!何を用意するんですかぁ?」

まどか「え……あ!怪我とか無い!大丈夫?」

沙々「うっわ、呆れたお人好しですねぇ……」バシュ


まどかよりも少し背の低い少女が姿を変える、大きな帽子とそこについてるぼんぼりが特徴の魔法少女へと


まどか「え……魔法少女!良かった!あのね、友達が」

沙々「はあー超うっぜぇ……」スタスタ


沙々がここまでいってまどかはようやく警戒した


まどか「あ……あの……」

沙々「私は優木 沙々と申します!お待ちしてましたよ鹿目 まどかさん!」


明るく元気に朗らかに、それでいて表情は邪悪な笑顔、まどかの警戒心は強まるばかりだ


まどか「あ、貴女は……私とどこかで?(沙々「嫌だなまどかさん!ゲーセンでぶつかったじゃないですか!」

まどか「え……あ(沙々「さ、世間話はそれくらいにして私とともに来てくださいな!」

まどか「……あの!」

沙々「大丈夫ですよ、死人を出すつもりはありません……といってもホールの中は大量の魔女でしっちゃかめっちゃか!」

沙々「それぞれ魔女の結界でバラバラに分断されちゃってそれどころじゃないでしょうけどね!」


この言葉を笑顔で言ったことで警戒心は敵対心へと変わり、流石のまどかも険しい表情で身構えた


まどか「この魔女は貴女の仕業なの!?」

沙々「そうですよ?貴女を連れ出せたところで魔法少女に追跡されたんじゃ意味が無い、こうやって他の人間に気を取られ目が離れているうちに貴女を頂きます!」

まどか「!」

沙々「そういう依頼でしてね、あなたを拉致してくればお金とグリーフシードをくれるって人がいるんですよ」

まどか「だったら……私!」

沙々「地球外生命体遮断結界も展開しているのであの良く分かんないイタチ野郎は来れません、あなたに切り札はありませんよ?」

まどか「嘘……?」


まどか「そ、そんな……(ぐッ!!」


沙々の拳がまどかの腹部を捉え、痛みと若干の吐き気を催しながらまどかは倒れ込んだ


まどか「……っ…う……!」

沙々「あれ?気絶しません♪」


どうにか立ち上がろうとするまどかに笑いながら歩いて近付く沙々


沙々「大丈夫ですよぉ!ここの魔女も使い魔も私の制御下!殺しはしないんですって!」

沙々「このアーニャだってそう、人間をボールに変えてしまうだけです♪だから安心して……」

まどか「あ……ゆちゃ……ん……」


魔法少女でない人間の安否を気にしているらしいまどかを屈んで引き起こし、左手で喉を掴んで持ち上げる


まどか「ぅ……は、離して……!」

沙々「痛ッ……クズが……」


空中で手足を振り回し抵抗しようとするまどかを難なく持って運び、少し太めの木に背中から軽く叩き付けた

持ち上げる際に一発顔を引っかかれたことが沙々は気に食わないらしい、笑顔でこそあれ目は笑っていない

まどか「ギャッ!」

沙々「ほら、あれですよまどかさん!」


ギリギリと押し付け、苦しそうなうめき声をあげるまどかを見て沙々が楽しそうに問いかける


まどか「ぐ……ぁ……」

沙々「TVだとこう言う時、腹パンで被害者を気絶させますよねぇ?」

まどか「!?」

沙々「ちょっとやってみたいんですよねぇ♪」

まどか「や……やめて!」

沙々「大丈夫ですよ!ホールの中の方の魔女は倒すのにまだ全然時間かかりますし、さっきの子ももうおしまいでしょう」

まどか「ひッ……!」

沙々「だ・か・ら!しばらく練習に付き合って下さいよ!どこら辺をどれくらいの力で殴れば気絶するのかとか、私気になります♪」

まどか「やだッ……嫌……ぁッ!」ギリギリ

沙々「ご心配なく♪気絶したらちゃんと持ち帰りますからね♪目が覚めたら新天地で人類と魔法少女の為の新しい可能性を模索する研究に参加できますから!」

沙々「ま、それまで私のサンドバッグですけどね」


>>660>>661

コメントありがとうございます!

ここから先は急転直下のシリアスです

乙です

急転直下だなほんと

…作文コンテストで上京とかそんな状況なのかこれ?

乙乙
オイオイどうすんだこれ収集つくのか
事が済んだあと杏子が暗示かけるにしても限度があるぞ

こんばんは、再開します

さやかff「さつきちゃんの時よりマシだけど、今回も怖い所があるから気を付けてね!」


~ホール内~


さやか「魔法少女の――美樹でーすッ!!」


唖然とした観客に大きな声でさやかが自己紹介をした

その側でマミが天高く舞い上がり大量の銃を召喚して照準と状況把握


マミ「エイム&ファイア……ティロ――」

マミ「メテオリーテ!!」


全ての銃が一斉に火を吹き作戦の通り使い魔を撃滅していった


さやか「皆さーん!こーんにちはー!!」


その隣で、唖然としている人々にさやかは語りかける


仁美「 」

和子「 」

ほむら『スモーク散布、行きます』

キリカ『右は私だ!』

杏子『速攻蹴散らして援護に行くさ!』


土煙に紛れてスモークを焚き、これから起きる猟奇的な行いは極力生徒に見せない


さやか「あれぇ~?返事が聞こえない!こーんにちはー!!」

中沢「こ……こんにちは」

番「お……おう……」

タツヤ「こんにちはー!」


どよめきの中に僅かな返事が聞こえた

全員の恐怖を取り除きつつ視線を集めるのがさやかの役目だ、この小さな返事を利用する


さやか「タッ君せんきゅー!ちょっと男子!真面目にやってよ!」

「え……ええ……」「なんなんだってばよ」

支援


さやか「せーの!こーんにーちーはー!!」

葵「やるよ皆!」

かえで「え?あ、え?」

葵「せーの……」

「「「こーんにちはー!」」」

さやか「イェーイ!魔法少女のぉ――美樹でぇす!!」

中沢「おい!美樹にあんな趣味があるって知ってたかお前……」

恭介「す……」

中沢「上条?」

恭介「凄いよさやか!!可愛いよ!格好いいよ!素敵だよ!!」

中沢「 」

さやか「せんきゅー!」

ほむら(知ってた)

和子「さやかちゃん!これは一体……」


多くの人が思ったことを口にした先生を無視し、大袈裟な身振りで話を始める


さやか「皆さんそろってヨーウェルカム!ここは世にも恐ろしき魔女の結界!」

「魔女の結界……?」「一体なんだって言うんだ……」


大勢の人間に話を聞かせ注目を集める時、大切なのは大きな声と元気さとちょっとばかりの意味不明さ、それと自分が答えを教えてやると言わんばかりの横暴な態度だ


さやか「魔女!それは人々の小さな憤りや妬み、哀しみや苦しみと言った呪いの心を少女の小さな優しさにブレンドして生まれる最悪の存在」

さやか「現実を定義する夢、そこから生まれた少女が辿り着くかたちの成れの果ての果て」

仁美「さやかさん……一体何を言って……」

あやか「けほっけほっ!それより煙が……」

支援


さやか「主食は人肉、趣味は虐待、嫌いなものは皆の笑顔と魔法少女!」バサァ

さやか「そう!魔法少女のぉ――美樹でーっす!!」シャキーン

恭介「凄いよ凄い!素敵だよ完璧だよ!さやかに加えて佐倉さんと暁美さんも魔法少女だなんて!」

中沢「俺はお前が分からないよ……」

恭介「この分だと後はカラーリング的に鹿目さんが魔法少女かな!かな?」

中沢「緑は幼女枠だしな」

恭介「……で、その鹿目さんは?」

中沢「あいつちびでトンマだからなぁ……怪我人の山に埋もれてるんじゃね?」

さやか「さあ!困った時の魔法の呪文、皆で行くよ!」

つぼみ「さやかって昔からあんな子だったんですか?……って、えりか?あれ?」

QB「そうして生まれるのがソウルジェム、魔法少女の魂さ」

えりか「へー」

ゆうか「なんでも叶う、ね」

つぼみ「あの……何してるんですか?」

えりか「このキュウべぇが魔法少女の契約者捜してるんだって! 」

ゆうか「願いがなんでも叶う代わりにあの子らみたいに戦わなきゃならんのですと」

つぼみ「えりか!」

えりか「ほい」

つぼみ「3+7は?」

えりか「え?10」

つぼみ「意識がはっきりしてるのに幻覚なんて……」

えりか「怒るよ」

支援


さやか「それじゃあ皆!呪いを挫く魔法の呪文!いっくよー!」

つぼみ「あっちもあれだし頭痛いです……」

ゆうか「だから魔法だってば」

さやか「手拍子に合わせて!せーの!」

さやか「リラメル ララメル ランルララン♪」

中沢「……は?」

さやか「リラメル ララメル ランルララン♪」

あやか「に……虹色クマクマ?」


さやかの足元から五線譜をモチーフにした光の道が空中へ伸びていく

その道の上を軽やかに滑りながら踊りと手拍子で呼び掛け続けた


さやか「リラメル ララメル ランルララン♪」


スモークで視界は最悪なはずだがさやかの姿と光の道だけは何故か皆にはっきりと見える


織理子『行くわよ、ゆまちゃん』

ゆま『うん!』

さやか「リラメル ララメル」

マミ「ランルララン♪」


煙のなかから空中ブランコで飛び回るマミが姿を表し、すぐに消えた


さやか「リラメル ララメル♪」

織理子「ランルララン♪」

かえで「うお!いつの間にか紛れとる!」


さやかが空中を駆け回るのは視線を上に集めて作業を捗らせるため、魔法があることを分かりやすく示すため


さやか「リラメル ララメル♪」

恭介「ランルララン!」

中沢「上条!帰ってこーい!」

女子B「こう言うの、凄くキュンキュンするよね!」

女子A「もう何からつっこめば良いのか分からないよぉ……」

支援


さやか「リラメル ララメル」

タツヤ「ランルララン♪」

知久「ご機嫌だなぁタツヤは……」

沙織「さやか!!これはどう言うこと!!?」

さやか「うぇえ!?お母さん」

沙織「ちょっと降りてこいやコラァッ!!」

さやか「あ……後で一杯説明するか( 沙織「 今 す ぐ 来 い ! ! 」

さやか「ひー!!」

中沢「ダッセー……さっきまでギリギリ格好良かったのに……」

仁美「けど安心しましたわ。やっぱりいつものおバカなさやかさんです」

あやか「厨二病って拗らせるとああなっちゃうのかな?」

さやか「こら下ぁ!!」

沙織「おい上ぇ!!」

さやか「はい」ビク

かえで「もう何やっても格好つかへんな、あれ」

杏子『ダッセー!超ダッセー!!』

さやか『母さんがいるのは計算外だった……』

マミ『あらあら』

キリカ『けど割とまんざらでもない顔だね』

さやか『そりゃあ、ね?』

ゆま『口づけの人居なかったよー』

「オ ア オ ア ィエエエエエエッ!!!」

支援


中沢「うお!うるさっ!?」

織莉子『来たわね、ペプシの魔女』

ほむら『ストロボの魔女です』

キリカ『相変わらずの奇声だねぇ……』

さやか「えっと……それじゃあ本命の魔女もお目見えになったところで!」

沙織「おいコラァッ!!」

さやか「母さんごめん!あとでちゃんと説明するから!!」

沙織「~~!!」

知久「まあまあ」

さやか「さあ!カモン!」パチン

つぼみ「け……煙が急に晴れて……」

織莉子「イノセント・ドリーミング」

恭介「凄い!ドーム状のバリアだ!」

あやか「待って!上にはママと妹がいるの!」

織莉子「上は上でもっと強い人が守っているわ、大丈夫よ」

ゆうか「壁に浮かんだ紋章から……出てくる!」

えりか「あれが……魔女」

QB「そう、呪いを餌とする患いの中心に在りし者だ」

影の魔女「 」

さやか「さあ、こっからは超高速!さやかちゃん大活劇だよ!」ジャキ

お菓子の魔女(大)「モジュモジュ ベベベ」

ゆま「ああ!いつかはよくも杏子を!!」

落書きの魔女「ハァイ☆」

杏子「今回は隠れ場所なんかねえぜ!」ビュンビュン

ストロボの魔女「アイヤァアアア!!」

キリカ「いつかは私の後輩とその友達じゃない子が世話になったね!ぶっ生き返す!」

胞子「キキーイ!!」

ほむら「貴女って私には絶対敵わないような気がするのだけど……」

沙織「うおお、こっちもなんか出てきたぁ!?」

蝶の魔女「……」

知久「す……凄いオーロラめいた羽だ、目に悪そう……」

豚の魔女「ブヒイイイイ!!」

沙織「シャア専用オークか?ただの赤いオークか?ただのオークって言ってくれぇ!?」

マミ「あらあら、二階席に来た魔女は二体だけ?これじゃあ私の魔法は全然魅せられないじゃない」

姫名(いつの間にか大量にいたもののけが片付いている……さっきのスモークと演出の間に全て倒してしまったようね)

マミ「さあ!ショータイムよ!!」ジャキ

さやかff「ここから怖いよ!」


~中庭~


沙々「ゲロなんか吐きかけやがって、マジきったねぇんですけど~」


まどかの吐瀉物がかかってしまった左手を噴水の池で洗い、非常に機嫌の悪い顔で文句を言った


沙々「ごめんなさいとか言えないんですかぁ?」


見やる先には左手で腹を庇いながら倒れているまどか

大粒の汗を流し、苦しそうに呼吸をしている


まどか「ぅ……」


しつこく殴られた腹部は巨体な杭が刺さっているようで息をするのも辛い、先程の嘔吐で消耗も激しいがどうにか立ち上ろうとしている


沙々「おっどろき!まだ諦めようって気が無いんですね♪」

まどか「ぐあっ!」


言いながら脇腹に蹴りを入れ、もがく姿を楽しむ

沙々は魔法をほとんど使っていない……だからこそまどかが耐えられるのだが、その耐える姿は精神的に普通の域を出ない沙々に得体の知れない高揚を与えていた

他の魔法少女が来てしまったらタダでは済まない、だが全てが思惑通りに運んでいる、けどもしかしたら……そんなスリルも彼女の暴走を手伝っている


沙々「大人しくお願いしたら睡眠薬使って差し上げますよ~? どうですかぁ?」

まどか「う……っぅ……」


言葉を出そうとしたが激痛が走って上手く行かない、代わりに右手で少し上体を起こして首を横に振った


沙々「あ、そうですか」

支援


まどかに切り札がある訳じゃない、そんなことは沙々にも分かっている

だから非常に気に食わない

絶対的に自分に劣る少女が自分の言うことを聞かない、不愉快さと性的興奮と恐怖で少しネジの外れた沙々に自分を制する手段はない


沙々「じゃあもう少し私との遊びに付き合って下さいねぇ!」


まどかの左手を掴んで顔を自分の方に向け、振り払おうと抵抗しようとしたところで顔へ蹴りを入れた


まどか「嫌ぁッ!!」


まどかが体勢を直そうとしたり、空いてる手で抵抗を試みる度に引っ張って崩して顔に蹴り

まどかが右手で顔を庇い、それ以上の抵抗を見せなくなるまで7、8回これを繰り返した

額の擦り傷で顔は血まみれ、いつの間にかリボンは取れ口からも血を垂らしても尚、沙々の言うことを大人しく聞く気配を見せない


沙々「ちっ!」

まどか「グェッ……!」


まどかを投げ捨て、さっきよりずっと力を込めて無抵抗な脇腹を蹴り上げた

ゴロゴロと転がるまどかを追って次は腰を、その次は肩甲骨の辺りを……

しばらく死体のように蹴り転がしていたらまどかのローファーが脱げた。それを拾って

まどかの手首を掴んで上体だけ引き起こす

そして本当に死体なんじゃ無いかと思えるほど抵抗しないまどかに囁いた


沙々「そうそう!なんかの推理ゲームで靴が凶器としてカウントされてましてね!」


目も虚ろで焦点が合ってないようなまどかにその話が理解できているかは分からない


沙々「ほんとに殺せるんですかね?」

まどか「ウアアアッ!!」


言うが早いか靴で思いっきり顔を叩いた

ズバンと激しい音が鳴り響き、凄まじい悲鳴が轟いて夥しい量の鼻血が流れ出て、まどかが体を丸くして縮こまり震えている

沙々の中の得体の知れない高揚が更に大きくなる

支援


まどか「ごめんなさいごめんなさい……い、言うこと聞くからもう許して……」


遂に屈伏の台詞を吐いて嗚咽を繰り返すだけになってしまったまどかを見て最後のネジが飛んでしまった

元々の依頼では『意識を奪い全裸にして拘束した上で、魔法少女にも世間にも怪しまれないような失踪を装って拉致する』と言うもの

一番簡単なのは通り魔の仕業に見える魔女の仕業に見せる事だ

要するにある程度の暴行の跡を残してやると言うもの

だが、依頼主からの過剰なプレッシャーや孤独な中での密偵活動がいつしかササの心を狂わせた

そもそも今回の依頼は断れば殺すと言わんばかりの脅迫めいたものだ

その上に魔女の事や彼女らの目的を聞かされ、『七色の翼』のやり口を見てしまった


沙々「最初っからそう言えよッ!!ふっざけんなぁ!!」

まどか「グェッ!!……あ……あぁ……」


性欲、恐怖、普通の生活を捨てる事になってしまった事への憤りと後悔、全てが重なりまどかへの憎悪となって有り得ない逆ギレを引き起こしてしまった

今までよりずっと強烈な蹴りがまどかをふきとばし噴水の縁へ叩き付けた

ガツンと頭を打ったまどかはもたれて頭を抱え、本気で泣いてしまった


まどか「もう嫌ぁ……痛いの嫌だぁぁあ……!!」

沙々「うるせぇんだよ!喋んな!!」


喉を思いきりに鷲掴みにし、持ち上げて怒鳴る


まどか「うわあああッ……ああッ……ぁ」


まどかの顔は血と涙と鼻水と涎とでグッチャグチャになっていて、そこでようやく沙々の心の何かが痛んだ

支援


沙々「はあッ!……はあ……はぁ……」


ようやくここで殺しては駄目だと思い至り、深呼吸で気持ちを整える

もし失敗したらこうなるのは自分だ

そう思った途端、沙々の脳裏に走ったのは二つの未来像

『七色の翼』に囚われて魔女にもなれず死ぬことも出来ずに拷問される未来

任務をしくじり、依頼主のキチガイじみた『それ』に自分を狂わされる未来

そこに生まれたIFの答えは


沙々「お前がいなけりゃこんな苦労無かったんだよ!!糞がぁあああ!!」


そしてまどかの背後の池に顔を押し込んだ

まどかもどうにか脱出しようとササの腕を引っ張っているが魔法少女の力に敵うわけがない

ほとんど逆さのまま水に沈められ、鼻から水が侵入、異物感を伴う激しい頭痛と池の縁で背中を支点にブリッジのような体勢を強いられている苦痛、終わらない理不尽な暴行と呼吸困難の苦しみとで遂にまどかの心は折れてしまった


まどか(最期なら……皆にお礼位言いたかったけど……もう……ね…………)


ガボッっと大きな泡を吐いてそこからまどかの意識は完全に潰え

両手から力が抜けて池に落ち、沙々を蹴りまくっていた足も力無く崩れた


沙々「はあッ……はあッ……! ……逝っちゃいましたぁ……?」


その時、足音がした

気付いたササが出入口へ向いた瞬間に殺人的な加速度を伴った蹴りが腹を貫いた


沙々「あエ"ェェッ!!?」


恐ろしい破壊力と衝撃で小柄な沙々が文字通り吹き飛んだ

その凄まじさたるや、体重30kg程度の沙々が3メートル程ノーバウンドで飛んだくらいだ

走り幅跳び並みの距離を蹴りで飛ばされたのである、魔法少女で無ければ死んでいたかもしれない

支援


あゆむ「っ……はぁ……はぁ……」

沙々「が……グ……うっ!!」


うずくまって腹を両手で抑え、必死に堪えている……が、あゆむの本気の蹴りはそんな生易しい攻撃ではなく

胃の中身と血をまとめて吐き出し、内臓も全て吐き出しそうな不快感と本当に声もあげられないほどの痛みで動けない

あゆむは冗談抜きの半殺しにするつもりで鳩尾を狙ったのだから当然だ、意識がある方がおかしい


あゆむ「おい!」


そんな沙々には目もくれずにまどかを池から引きずり出した


あゆむ「……っ!」


その惨状を見たあゆむは、どうしようもないほどの憤りを覚え無意識のうちに歯軋りをしていた

まどかが呼吸をしていたら真っ先にササを殺しに行くところだったかも知れない


あゆむ(まだ呼吸停止から一分も経ってないはず……ならAEDよりも)


すぐさま仰向けに寝かせて制服とYシャツのボタンを外し、申し訳ないと心の中で謝罪しつつTシャツを首元から裂いて胸部を露出させ、胸骨圧迫を30回と人工呼吸を2回

水を吐き出させるとか、叩いて覚醒させるとか、そう言ったことは無意味で救命の本質からは程遠い

それこそアニメや漫画の世界でのみ有効なもの、小説等が述べる真実は目次と値段だけだ

無呼吸かつ無意識の人間に最優先で行うべきは正確な心臓マッサージ、脈の有無確認なんて医者でも失敗しかねないものは、脈があると断言出来るほど元気な人間にのみやればいい

そしてまどかは今、どれだけ贔屓目に見ても元気ではない


まどか「……ぇっ……かはっ……」


おおよそ2セットでまどかの呼吸は回復し、水を吐き出した

支援


あゆむ「――!……はぁ………」

あゆむ(吐いた水に血は混じってない、内臓は基本的に無事か)


ほっと胸を撫で下ろし、まどかに回復体位を取らせ、改めて傷を観察して危険な箇所を探した

目には青痣、額は3センチ程の三角形の擦り傷が出来ていて未だ流血

唇には見てすぐ分かるほどの大きな切り傷

頬も腫れ、まるでリンゴ熱にでもなったのかと問い詰めたくなる。鼻は折れてこそいなかったが鼻血も相変わらず止まらない

全体的な輪郭は普段のまどかの1,5倍位の大きさにまで腫れ上がっていて、良く見れば耳も鬱血して変色している

体の方ははだけた制服の隙間から見える部分だけでも痣や打ち身が確認出来る……が、見た感じでは骨折は無い


まどか「……ぅ……私」

あゆむ「よ」

まどか「? ……痛っ! え?」

あゆむ「そのまま、3+7は?」

まどか「うん?……10」

あゆむ「3×7」

まどか「……21」

あゆむ「ここ痛い?」ツンツン

まどか「いっ!?……たあい!!」

あゆむ「じゃあ大丈夫だ、死なない死なない」

まどか「あ、あゆちゃん!ほっぺたに凄い血が……!」

あゆむ「ん?あぁ人工呼吸の時か……あたしは怪我してねーよ」

まどか「え?……あっ!」

『ま、それまで私のサンドバッグですけどね』『お前がいなけりゃこんな苦労無かったんだよ!!糞がぁあああ!!』

まどか「私……私は……ッ!!」ブルブル

あゆむ「大丈夫、途中から全部聞いてた……お前は良く頑張ったよ」

まどか「う……うわぁぁッ……ああぁ!」ガバッ

あゆむ「あ……っと……だから…………ん」

支援


まどか「うッ……あ"あ"あ"ぁ!!」

あゆむ(参ったな……マジ泣きか)

あゆむ「えっと……うん、大丈夫……大丈夫だから」ポンポン

あゆむ「痛かったね、怖かったね…………悔しかったね」

まどか「うっ…う…!うん……!」

あゆむ「すぐ来れなくて悪い、手こずった……あのドテピエロは知り合いか?」

まどか「知らない!……知らないよ!本当に知らないッ……!なのに……なのに……」

あゆむ「うん……悪くない、まどかは悪くない……知ってるよ、大丈夫……あたしはちゃんと知ってる」

まどか「…………うん」

あゆむ「ちょっと待ってな、あいつをギタギタにしてくる」

まどか「駄目!あの子魔法少女なの!殺されちゃうよ!」

あゆむ「あたしが負けるわけないだろ? 」

まどか「駄目だよ……逃げようよ……!」

あゆむ「はぁ……外へ行くには天窓へ行くしかない、天窓へ行くにはそこの梯子を登るしかない」

あゆむ「その怪我で登れるか?」

まどか「…………」

あゆむ「だからあたしがお前を背負って行く他無い、そんな不安定な状態で茶々入れられると流石に危ない」

あゆむ「何よりあたしがあの馬鹿を殴りたい」

まどか「嫌だ!…………そばにいてよ、独りなりたくないの! もう……嫌なの」

あゆむ「…………約束するよ、独りにしない」シュル

まどか「だったら」

あゆむ「けど行く。これ、あの時ほむらと選んだリボン……貸しとくよ」

まどか「……」

あゆむ「糞みてえなボサ髪だな、ちゃんと手入れしてんのかよ」

まどか「生まれつきだよ! 一本結びは楽で良いんだけど、私の髪に合わない……から」キュ

あゆむ「あぁ、すっげえ似合わない」

まどか「ちょっと!」

あゆむ「今度買ってきてやるよ、それまでその似合わないリボンで我慢しな」

まどか「……絶対だよ」

あゆむ「リボンには『心を繋ぐ、約束を守る』ってお呪いがある、だから大丈夫」

あゆむ「一応言っておくけどそれ気に入ってるから返せよ、あと汚すな」

まどか「あ……うん、頑張る」

――もし、私にお兄ちゃんが居たら……きっとそんなこと言ったらあゆちゃんは怒るんだろうな

沙々「……痛っ!別れの挨拶は宜しいですかねぇ!?」

あゆむ「テメェは半殺しで済まさないが、文句は無いな」


あの怖い魔法少女を相手に、あゆちゃんは躊躇うことなく私を庇うようにして立ってくれて

沙々「そこどいて下さいよぉ!貴女までいちいち相手にするのは面倒なんですよねぇ!」

あゆむ「あたしが喧嘩に加勢する時は弱いやつの味方、そう決めてるんだよね」

けれど、それは――見ているだけで暖かくなるようなその勇気は、どうしようもないほどのあゆちゃんの弱さなんだって、その時の私は知りませんでした

さやかff「はい!今回ここまで!お疲れさん!」

さやかff「え?不吉?……なんのことやら!」

>>699>>700>>701

ちゃんと落ちまで考えてありますし、伏線も埋めまくっときました


なぎさ「次回、ついにあゆゆが……」

死亡フラグなのか
死亡フラグと見せかけた死亡回避フラグなのか
はてさて?

乙 洗脳フラグとみた
『依頼主』はあの子くらいしか浮かばないな……消去法で
あとどうでもいいけどちまちま織理子になっとるで

乙です

つまんね

こんにちは、再開します

さやかff「さあ!ガンガン支援しまくっちゃいますからねー!」


お互い4メートル程度の距離でのにらみ合い

沙々がおもむろに杖を向けるのとあゆむが走りだしたのはほぼ同時。杖から放たれた光弾をなんてこと無い顔で避け、沙々の鼻目掛けて神速の拳を叩き込んだ

痛みで出来た一瞬の隙に沙々の杖を蹴り飛ばし、ボディ目がけて容赦無しの打撃を見舞う

あゆむにとって格闘戦はカードゲームだ。お互いの山札と手札、フィールドを見比べて自身の手札を切っていく

いつもなら相手のカードを見てからフラッシュタイミングで切り返すが、今回は使わせる訳にいかないカード『魔法』を相手が持っていて、さらに体力も手札も未知数、防衛対象のまどかまでいる

そのような状況で「攻撃」を選択できたあゆむはかなり異常だ

しかしその異常さは感覚の麻痺したまどかには伝わらない

まどかはただただ、凄い!と感心する他ない


沙々(コイツ……!!)

あゆむ(体さばきはズブの素人、ワンサイドゲームで削る!)


沙々の右手を左手で掴みあげて体制を崩し回し蹴りで吹き飛ばす

倒れかかった沙々を引き起こし膝蹴りで目元、そのままつま先で顎、右手で髪を引っ張り額に蹴り、返す足で後頭部に蹴り……

一方的に蹴り、殴り、反撃の機会を与えない

血だらけになってピクリとも動かなくなった沙々を見下し、あゆむが肩で息をしている

さやかff「そうそう!今回もちょっと怖いから気を付けてね!」


あゆむ「はぁ……はぁ……流石魔法少女、これくらいじゃ死にませんってか」

まどか「あ、あゆちゃん!膝と手が……!」

あゆむ「それは良いんだがこの体力お化け……倒し方ないのかよ」

沙々「……喉元掻っ捌けば出血多量で殺せますよぉ?」


まどかがはっとなったころには遅い、沙々はあゆむに掴まれた腕を逆に掴んで振り回し、サイドスローで投げ捨て


あゆむ「っ……!」


あゆむが受け身を取って沙々の方を見た時にはすでに杖を構え、攻撃態勢の沙々が居た


沙々「逝けよッ!!ビビット・ビット!!」


無数の光弾が拡散した後、あゆむ目掛けて四方から飛びかかる


あゆむ「っそ!」


近くの木に背を預けて視界内の光弾にだけ集中


沙々「コレクト・ショット!」


直接あゆむを狙ったものは尾を引く光弾

飛び退いて避けたそれは木にぶつかって軽い爆発を起こし、表面を軽く削り取った


まどか「っ……」


数回直撃しても死なないだろう……が


沙々「それじゃあ死んでくださいねぇ!!」

あゆむ「だよな!」


背に何も無くなった事であゆむの死角が広がる。その優位を生かして次々と光弾が飛び込む


あゆむ(まさかリアルでビットの相手をする日が来ようとは)


まずはしゃがんで地面に手を着き影でビットの動きを判断、一瞬出遅れる方向へ転がって初撃は回避、そのまま飛び起きて走る。後ろでスイカ割りを失敗した時のあれに似た音が聞こえた

前から迫るビットはステップで、後ろと横から襲うものは耳で聞いて加速、減速、方向転換を交えたマニューバーで


沙々「良いですねぇ!人間やめてますねぇ♪」

まどか(凄い……!けどこのままじゃ……)

沙々「クフフッ!さようならぁ♪」

まどか(まだお腹が痛い……でも!)

沙々「コレクト・ショット!」

まどか「駄目ぇ!!」ドン

沙々「うわ!」


痛みに耐えての弱弱しい体当たり。しかし沙々の攻撃を不発に終わらせるには十分だった


沙々「……今良いところなんですから邪魔しないでくださいねぇ?」

支援


まどか「きゃあっ!!」


沙々がまどかを突き飛ばして噴水に叩きつける……その数瞬でビットの追撃を躱したあゆむが飛び込んだ


沙々「見えてますよぉ!」

あゆむ「っと!」


真上から奇襲を仕掛けてきたビットを後ろに飛びのいて避け、それと同時に沙々が杖をあゆむに向けて――


沙々「フーダル・ワークス!」


パァン!と勘尺玉が炸裂したような音が響いて魔力の爆発が起きた


まどか「あ……」


まどかには全てがスローモーションに見えた

しまった、というあゆむの表情、宙に浮いて成すすべもなく飛ばされている状態、楽しそうに笑う沙々、左手で後頭部を庇うあゆむ、そして吸い込まれるようにして背中から木に叩きつけられて、それでも勢いを殺し切れずに右へ弾けて地面を転がるあゆむ

何回転も転げて止まり、まどかに背を向けて倒れたまま動かなくなった


沙々「今凄い音がしましたねぇ♪どっか骨折れちゃったんじゃないですかぁ?」

まどか「あっ……ぁ……!」

沙々「くふふっ!楽しい死体蹴りのお時間ですねぇ!」

まどか「……っ……!」

沙々「貴女はそのあと♪」


とても嬉しそうに、それこそまるで対戦ゲームで勝ったかのような無邪気で、邪悪な笑顔でまどかに耳打ちし、ゆっくりと歩いてあゆむの元へ


沙々「おお!生きてましたかぁ!良かったですねぇ♪」


右腕で上体だけ起こし、沙々へ向けて殺意の入った視線を向けている


まどか「あゆちゃん……!」

その言葉は安堵であると同時に、なんで起きたの!?という心配もある

このままでは弄られて殺されるだけだ

支援


まどか「もうやめて!その子に手を出さないで!」

沙々「嫌でーす♪」ヒラヒラ

あゆむ「……」

まどか(どうすれば……どうすれば……!)


もう動けませんとのたまう体で無理矢理立ち上がるため、噴水のふちに手をかけた時、まどかはようやく思い出した


まどか(……倒せる、かも?)


救いを求めるようにあゆむに目をやった、しっかりと目が合ってあゆむが頷いたような気がした

まどかの考えを肯定してくれたような、そんな頷きを確かに感じた


沙々「さ、許しを乞うたら殺しはしませんけどいかがです?」

あゆむ「……」


どうにか起き上り、体を沙々に向ける


沙々「くふふっ!貴女みたいな子の答えなんて決まってますよねぇ?」

あゆむ「嫌だ、か?ノー、か?それとも……御免こうむるぜ!ベーだ、か?」


後ろでまどかが靴下を脱いでるのが見える

――逆転のカードに気が付いたらしい


沙々「うんうん♪」

あゆむ「どれでも好きなので答えてやるよ」


立ち上がろうと地面に手をついた時気が付いた、左の肘が曲がらない

左手は動くので折れたのは二の腕のどこかだろう


沙々「生意気盛りですねぇ♪」


あゆむの顔目がけて振り出された足は紙一重で避けたが、沙々の右手があゆむの首を荒々しく掴み、ゆっくりと引き起こしていく


あゆむ「っ!」

沙々「そんな一生懸命になっちゃってどうしたんですかぁ?」

支援


――まどかが水に濡らした靴下を丸めて絞っているのが見える


あゆむ「……何だと思う?」

沙々「んー」


あゆむが膝立ちにさせられた辺りで沙々の手が止まり、絶対に考えてないと言い切れる表情で考えている


沙々「もしかしてレズですかぁ?」

あゆむ「……おおむね否定できない、が少なくともまどかは対象じゃないね」

沙々「じゃあなんか恩人だから借りを返そうとか!」

『私も今度お姉ちゃんになるんだ!』『私達、お姉ちゃん仲間だね!』『あゆちゃんは凄いよ、ちゃんとお姉ちゃんって感じするもん』

あゆむ「……その調子で並べていけばそのうち当たるかもね」


いつの間にかもう普通に立たされている


沙々「え~?もったいぶらずに教えて下さいよぉ!」

ついにつま先立ち

あゆむ「知恵ってのは万物に変わる宝、思い出だってとらえようで知恵の一つさ」

沙々「私は仲間はずれですかぁ?」

あゆむ「……っ」


ゆっくりと、でも確実に宙に浮いたことが分かる

右手で一瞬沙々の腕を掴んだが、すぐに離した


あゆむ「……人間だけがさ、知恵の実を……食べて……楽園を追い出されて……」

沙々「あー、そういう思想の方ですか」


――ゆっくりと、足音に気を遣って近づいてくるのが見える


あゆむ「なのに……その知恵を使わないなんて……人である甲斐が……ない……!」

沙々「はいはい凄い凄い、そうですねー」


ゴッという音がした

木のバットで地面を叩いたみたいな音が

沙々の後頭部にまどかのお手製ハンマーがヒットして、脳震盪で思わずあゆむを離した

そして怒りの表情でまどかを見た瞬間、その首に何かが当たり

支援


あゆむ「伏せろ!」


噴水なんて表現じゃ生温いくらいの量の血が噴き出た


沙々「え?……あ……?」


沙々が首を押さえてあゆむの方に振り返った瞬間、激痛と殴られたような衝撃とともに視界が狭まる

第三者として見ているまどかにも一瞬理解できなかった

ようやくあゆむがリッパーで沙々ののど元を掻っ捌いて、それから右目に突き立てたのだと理解し


まどか「い……」


噴き出たそれは沙々の血なのだと分かり……あゆむが今、まどかの知る中で一番やってはいけない事をやったのだと、ようやく分かった


まどか「きゃああああああ!!!!」


あゆむももう止まらない

右ポケットから裁ちばさみを取り出して沙々の鼻の穴につき刺し、ストレートで殴り飛ばす


沙々「ひ……い……ああああああ!!!!!???」


沙々も気が付いた、自分が本気で殺されようとしていることに

そしてあゆむの目を見てしまった。魔法少女ですらないはずの少女が持つ、ありえないほど冷めた瞳に恐怖さえ覚えた


沙々『助けて!!助けてぇええ!!!』

ユウリ『何叫んでんだようぜぇな』

沙々『死んじゃう!死んじゃう!!』

ユウリ『ああ捕まったのか、じゃあ頑張って拷問に耐えてね』

沙々『ひ!ひひひ人殺しぃ!!見捨てるんですか!!?』

あゆむ「……ふふっ」

沙々「楽しんでんじゃねえよ!!」

あゆむ「あっはははは!!命乞いするぅ?」

ユウリ『あんだけ調子乗っといてしくじるとか……本当クソだなお前、そのまま死ねよ』

あゆむ「見捨てられてんじゃん!くっそ受けるんだけど!!」

沙々「うわあああああッ!!!」バッ

あゆむ「あーあ、天窓から逃げちゃった!」

あゆむ「ふふっ!ふふふふっ!!…………」

まどか「あ……あゆ…ちゃ…ん……?」

支援


あゆむ「これ……殺人罪かな?……つか、なんであいつ生きてんだよ……ありえないだろ……」

まどか「…………あの」


ブブブブ


あゆむ「……蜂の羽音?」

造花の使い魔(働き蜂)「……」

まどか「ひ……そんな……」


――その蜂はきっと魔女の使い魔で、お尻に大きな針こそありませんでしたが、代わりに両腕が返しの付いた銛みたいになっていて、これが武器なんだなってすぐに分かりました


あゆむ「すげぇ……体長1メートルって所か……そんなのが6匹って、分かりやすい無理ゲーだな」


あゆちゃんはそんな風に軽く言っていましたが、私たちはどちらももう限界で逃げることが出来ませんでした

――あの魔法少女が最後に私たちを殺すために置いて行った使い魔なのかもしれません


まどか「…………」


焦げ臭い臭いがしました。中庭のホールにあの魔法少女が火をつけたみたいです……もし私がさやかちゃん達にこの事を言ったら自分たちが殺されてしまうから……だからきっと、私たちを殺すのでしょう。魔女の仕業に見せかけて

私がそんなことを考えたのと、使い魔達があゆちゃんに襲い掛かったのはほとんど同時でした

あゆちゃんも流石に諦めたといった表情で特に抵抗することも無く、使い魔の銛で胸を貫かれました。そのまま次々と蜂が飛び掛かり、お腹を、腰を、肩を、太ももを……次々と貫いてゆき、血がじんわりと漏れていました

その時あゆちゃんは何かを見つけたような、嬉しそうに驚いた顔をして小さな声でゆきな、とだけ呟き目を閉じて――

少女を銛で刺し貫いたまま、蜂たちは羽ばたいて少女とどこかへ飛び去って行ってしまって……私はもう何が起きてるのかも分からなくて、パニックになることさえありませんでした

ゴロン、と横になって体中の痛いのも無くなってきて――ちょっと吹いた風が素足に当たって気持ちよかったので服を全部脱ごうかと思ったけど、思ったより力が入らなくて駄目でした


その気持ちいいと思ったものが全身に広がって、まるで自分の布団に入ったかのような安心感に包まれて――私の意識は途切れました

さやかff「今回はここまで!お疲れ様でした!」

さやか「さーて!いよいよ次回はさやかちゃんの見せ場かな?」

>>731>>732>>733>>734

コメントありがとうございます!


>>731

前回の時点で宣言してある通りですよ!


>>732

織莉子さんは気を付けます、ごめんなさい……

依頼主はそうですよ、きっとあの子です

乙です

あゆあゆが概ね殺人行為に手を染めるのを目撃するのと
ほむほむがヒトガタを蜂の巣にしてSG砕くのを目撃するのと
まどか的にはどっちがましだったんだろうか?


?「死亡確認……」

首を刎ねるまで死んだかどうかはわからない!



杏さや待ってる

僕はほむさや

こんにちは、再開です

さやかff「今回は良くある死の淵で回想的なあれだね」


――海里!子供が出来たと言うのは本当か!産まれるのは何時だ!?男か!?女か!?


……かいり……かいり……ってなんだっけ?


――毅、少し落ち着いてよ。まだ二ヶ月だって言うし色々早すぎるわ


つよし……つよしは分かる。あたしの父親、葉月 毅の事……のはず


――おお、七代目候補が産まれるか!

――目出度い事だ!良くやったぞ毅、海里!


……これ走馬灯か、生まれる前の段階から始まるってのがあたしっぽい


――なんだ、女か……やはり余所者は産み分けが下手だな

――家長が女って今まで三代目の時だけだろ?

――当時も相当揉めたらしいな、結局身内に不幸続きで呪われた子だって散々だったんだろ?

――当時の家系図見て見ろよ、当時の家長以外の宗家はほとんど途絶えてるぜ


女の子でごめんなさい


――大人しく許嫁とくっ付けば良かったのに

――余計な血を混ぜたりするから……


……なんであたしなんか産んだんだろ。別に中絶されたって文句なんか言わなかったのに


――旦那様、奥様、お名前はお決めになったのですか?


あ、姫名だ……まだ若いなぁ。つうか、このマイペースさは昔からだったんだ

さやかff「さあて!支援しますか!」


――ええ、決めているわ!この子の名前は『花乃歌』……上から読んでも下から読んでも『かのか』よ

――それは良いお名前ですね。ころんでもタダでは起きない、強かで強い子になるでしょう


あれ?なんか流れがおかしい


――どんな花も美しいように、どんな歌も人の心に届くように……そしてどんな困難にも挫けないように、そう願って考えたの

――かのか!葉月 かのか!……良くやったぞ海里!!


……なんだ、そういうことか

あのクソみたいな大人たちはあたしが女であるのがそんなに気に食わなかったんだ……


――せめて外面だけでも男に見える名前にせんか!

――そんな弱弱しい名前では示しも威厳もありはせん!!


それでも…………あたしは…………


~~


さやか「よ!ほ!たぁ!」ヒョヒョイ

恭介「凄いよ!さやか!格好いいよ可愛いよ!」

さやか「心に剣!輝け勇気!」バチバチ

あやか「おお、剣に電撃走ってて魔法っぽい」

さやか「スパーク・エッジ!」ズドオオオン!!

葵「影絵の地蔵が真っ二つだ!」

中沢「それに比べて暁美ときたら……」

かえで「マジカルガンカタゆーけどどこらへんに魔法要素あったん?」

ほむら「ちっ!」

かえで「なんで露骨に舌打ちされなあかんねん……」

支援


えりか「カクカクシカジカマルマルモリモリって魔法少女になるわけよ」

つぼみ「……と言われても私にはそのキュウべぇとやらが見えませんし……」

ゆうか「目の前で超次元魔法バトルあったのにそれはあんまり……」

織莉子「楽しそうなお話しですね?」

えりか「お、リアル魔法少女来た!」

QB「やあ織莉子!彼女達にも素質がありそうだからね、今スカウトしてた所さ!」

織莉子「そう、まずは死になさい」ボッ

ゆうか「って、ちょ!?」

QB「キュップイ!」ピョン

織莉子「あら珍しい、でも」ス

QB「今、ここは遮断フィールドが形成されている」

織莉子「だから?」

QB「僕が居なくなったらこの空間に補充が効かない、僕が居ないと魔女の情報が足りなくて君達は困るんじゃないかな?」

えりか「あ……あの……」

織莉子「……何故フィールドが形成されているの?」

QB「造花の魔女の能力の一つだね、記憶を観賞してその中の魔法を擬似的に再現しているようだ……どうやら僕は嫌われているみたいだしね」

ゆうか「そりゃ魔女の敵になる魔法少女を量産するんだしね、あんた」

織莉子「さあ、どうだか……こういうのはまどかさんに聞けば良いわ」

QB「そうしたいのは割りと山々なんだが、いかんせんまどかがここに居なくてね」

織莉子「え……?」

ゆうか「って!?そう言えばあゆは!?」

えりか「あ"!」

支援


ゆま「どうだ、参ったか!」フンス!

お菓子の魔女「ムベー……」

キリカ「こっちも後一息!……って、え?」ギリギリ

ストロボの魔女「チョエエエ……」シュウウ

恭介「ん? 急に魔女達が大人しくなってゴルフボールみたいなのに変わった?」

杏子「なんだこの展開……?」

ほむら「迂闊にグリーフシードへ近づかないで!罠かも」

マミ『気を付けて!……こっちの魔女達もグリーフシードへ突然変異したわ!』

織莉子『待って!まどかさんがどこに行ったか、誰か知らない!?』

えりか『あとあゆ!』

さやか「えっ!!まどか居ないの!?」

杏子「あゆゆは魔女に襲われてもぶっ飛ばしそうだけど……」

ほむら「近くにはたしか……仁美!まどかは!?」

仁美「えっと……御手洗いに行ってそのままで……葉月さんも外で見かけた気がしますわ」

織莉子「嘘……」

えりか「で……でもさぁ!魔女はここにいるやつだけなんでしょ!だったらむしろ外は安全じゃない?」

キリカ「結界はこの建物全体に展開されてる……なんの因果か、魔女はここに集まっているけど」

ゆうか「じゃあ大丈夫くない?」

ゆま「外にも……使い魔は居る」

つぼみ「え……?」

ほむら「伏せて!」ドンドン

中沢「あ、暁美ぃ!?」

ほむら「マジカルAT4!残弾全部扉にぶっ込む!!」ガシャ

和子「ちょ、ちょ!?」


ドゴドゴドゴーン!!


ほむら「くっ……なんで!!」

マミ「全員耳を塞いで!!」ギュルルルン

大田「おおう!?今度はなんだぁ!?」

沙織「5000mm口径!?」

マミ「ティロ・フィナーレッ!!」


ボゴオオオンッ!!!


杏子「駄目だ! やっぱり結界から抜けるには魔女を倒すっきゃない!

支援


さやか「だったら!あの妖精魔女を倒せば!」ビュン

造花の魔女「……」キイイン

恭介「両手が光って……ビーム攻撃!さやか!危ない!」

さやか「ちょ!?ホーミングレーザー!?」バッ

杏子「さやか!!」

さやか「きゃああ!!」チュドーン

沙織「さやかッ!?」

造花の魔女「……」

さやか「いっつつつ……この!――え?」

キリカ「また天井の花が開いて、中から蜂が六匹と……あれは?」

杏子「な……冗談だろおい……」

ほむら「嘘でしょ……こ、こん……なの……!」

知久「タツヤ!見ちゃ駄目だ!」

中沢「あれ……完璧に死んでるだろ……?」

姫名「お嬢様!?」

まもる「ね……姉ちゃん!!?」

織莉子「遅かった……の?」

ゆうか「き……きゃあああああ!!!」

えりか「きゅ、きゅきゅキュウベぇ!!助けられないの!!?」

QB「だから僕と契約して ボコッ(ギュベェ!?

織莉子「営業熱心ね、殺されたい?」

つぼみ(紫苑から出てきたことには何か意味があるのでしょうか?)


造花の魔女(シオン)「……」

ほむら「その子を――」ガラガラ

マミ『いけない!暁美さんを止めて!』

かえで「暁美何丁銃もっとん?」

中沢「えっと、M60にレミントンにAKにブローニングM2に……ってM240とH&Kを二丁持ちだと!?」

ほむら「離しなさい!!」ガチャ ガシャン

杏子「お、おいほむ(ドガガガガガガ!!

キリカ『バーサーカーか君は!!』

支援


シオン「……」ヒュンヒュン  ブオン

さやか「ビット系の魔法!?」

恭介「あれは……鏡かな?」

ゆま「3枚の鏡を使ったフォーメーションでバリアにするんだ!」

織莉子「跳弾するわ!!全員伏せて!!」

杏子「冗談だろぉ!!?」

QB「ま、僕たちは織莉子のバリアがあるから気にしなくとも良いよ」


ズガガガガ!!


キリカ「うおお!!」バッ

ゆま「きゃああ!!」

さやか「ライフォジオ・サーフェース!ゆまちゃん!」バッ

ゆま「ありがと!」

キリカ「私は!?」

ほむら「なら接近戦!!」バッ

シオン「……」ブオン

仁美「ご……ゴルフクラブを二丁?」

中沢「いや、あっちの魔女とやらも手のひらからビームサーベルを発振させた……接近戦になる!」

ビーツ「ガルルルル……!」

さやか「使い魔が復活してる!?」チャキ

キリカ「どうやら魔女がグリーフシードへ変わったのは使い魔復活に魔力を使ったからみたいだね」ジャキ

ゆま「どういうことなの!?」ギュ


杏子「ほむら落ち着け!二人で行くぞ!」ジャ

ほむら「……っ!言われずとも!」

シオン「……」

支援


――良い?あゆむ、今日からあなたはお姉ちゃんになるのよ


なんて返したっけなぁ……なんだか嬉しいみたいな事を言ったような気はする


――名前はまもる、この子があゆむの弟よ


ここは覚えてる、男の子ってあたしと何が違うのか質問したはずだ……でもなんて言われたんだっけ?


――お前は女でありながらも葉月の次期家長だ!当然並みの男等よりも強くあらねばならん!!


あー、あたしの祖父はこんなにクソみたいなやつだったか……あの頃はあたしも馬鹿だったなぁ……本気で男みたいに振舞ってた。立ち振る舞いとか、言葉とか、見た目とか

保育園も幼稚園も行かなくて、外へ遊びに行くこともほとんどなくて……当然友達なんて居なくて……

それでもあんなお嬢様学校の白女に入れたってことは日ごろのお稽古が良かったんだろうな……

初めて自分以外の女子に出会って、周りと違って……ううん、違いすぎてて恥ずかしかった、学校に行くのが嫌だった

自分の事を「俺」なんて言うのはあたしだけだった

みんなとやる『おままごと』なんて何が楽しいのか分からなかった

食事は栄養を摂るためにすることで糖分の過剰摂取なんて論外だと思ってた

聞いてるだけでイライラするような回りくどくておっとりした話し方が嫌いだった

集団を盾に着て偉ぶる人間がどうしても好きになれなかった

どう考えても動きづらくなるだけなのにお洒落とかする必要を感じなかった

好きな男子は~~とか、学校に居もしない男子の話はつまらなかった

挙げていくとキリがない……でも、そんな変わり者の女子(笑)であるあたしが皆から爪弾きにされるのは仕方なかったと思う


――あの子は葉月さんの所の子だからね、だから何をやっても敵わないんだよ、でも仕方ない事なんだ

――あそこの一家に嫌われるとこの街で仕事がしづらくなるんだよなぁ……取り敢えず目を付けられないようにするんだよ?


こんなに絡み辛い人間、なかなか居ない


――何あの子?ちょっと勉強出来るからって……お姉さまに向かって口答えなんて!

――信じられない!!あの子、この間この小巻様に暴力を振るったのよ!!


……違った、自業自得型のただのぼっちだこれ

支援


ガン! バキィ!! ガイン!!


葵「凄い……佐倉と暁美と魔女の剣劇が終わらない」

中沢「暁美がゴルフクラブでなければカッコいいんだが……」

杏子「ほらほら!トロいんだよ!」バキッ

ゆま「蹴りおとした!」

シオン「……」

ほむら「いわゆる、ホールドアップってやつよ」ガチャ

シオン「……」ニヤァ

ほむら「……不愉快だわ」

さやか「何っ!落書きの魔女の使い魔が離脱する!?」

キリカ「あの子を狙っているのかな?」

QB「違う!使い魔の狙いは魔女のグリーフシードだ!混戦の中で拾い集めていたんだ!」

マミ「え?本当だわ、いつの間に……」

ほむら「関係無い、この魔女さえ殺せ………ちっ!」

シオン「コオオオオオオッ!!!」ボッ

さやか「セブンスウェル!?」

えりか「な……何なの、あの魔女」

つぼみ「他と違います……何か、意志があるみたいです」

ほむら「魔力の大嵐……!」

キリカ「近付けないね、こりゃあ」

ゆま「飛ばされる~!」

あゆむ「 」ズリュ

中沢「やっと銛を抜いた……魔女がお姫様抱っこして……これからカニバか」

あやか「あ……あゆ……っ」

キリカ「っと!串刺し担当だった蜂が来るぞ!」

杏子「また天井の花が…………蜂の大軍、マジかよ……」

ゆま「な、何十匹いるのあれ?」

さやか「虫が苦手な子が泣き出した……ね」

キリカ「私も泣きたい」

さやか「勝手にどうぞ」

杏子「それで自分はお休みか、セブンスウゥル攻撃で結構魔力を使っちまったみたいだな」

ゆま「魔力の嵐が終わって……」

マミ『来るわよ!下は任せるわ!』

支援


――ランドセルつけなきゃ駄目です!ランドセル!!


あ、ゆきなだ。今思い出しても理不尽な絡みだなぁ

ランドセルが無いってだけで髪引っ張られて……好き好んだ訳じゃねーっつーの

このやり取りはほとんど毎朝やった……つまり毎朝一回は殴り飛ばした

その内またかよ、と誰かが笑ってゆきなも笑って、あたしも笑って軽く小突くだけになった


――葉月さんは凄いなぁ……勉強も運動も


純 あやかはちょっと鈍くて何をやっても周りに遅れがちだった

けど人の心の動きに敏感でニュータイプ並みに空気が読める……あとどんなゲームでも異様に強い


――これ大丈夫?分からない事あったら言ってね!


夏希 ゆうかはこれでもかって位喋るし、本当にお節介焼き……小説によく出てくる近所のおばちゃんのよう


――よし!今日は負けないよ!絶対に勝つ!


菊月 葵は体力馬鹿、単純な力比べならあたしもゆきなもさやかも男子でも敵わない……喧嘩ならあたしやゆきなの勝ちだけど


――葉月さんは男子みたいで格好いいなぁ


人のコンプレックスにガツガツ入り込むこいつは鹿目 まどか

コンプレックスに思ってた所を褒められ、産まれて初めて「生きてて良いんだよ」と言われた気がした


――ねえねえ!明日皆で遊びに行こうよ!歓迎会とかも兼ねてさ!

このぎゃんぎゃん煩いボーイッシュガールが美樹 さやか

取り立てて勉強出来る訳でもなく、葵がいるこのクラスでは運動がずば抜けてるようには見えない……でも、大きな声と明るい笑顔でいつも皆の輪の中心にいる

あたしの持ってないもの、全部持ってる気がして羨ましい…………自己嫌悪した、やっぱり気に食わない


――ふふふ!大変ですよね、ずっと正座してるのって


お稽古事の愚痴で話が合うのは志筑 仁美

クラスではラーメンの背油並に浮いてる存在、なのにしっかり溶け込んでいる……見習いたい


――ねえねえ!この曲どう?僕はサビの所のギターが凄く好きなんだ!!


天才ギタリストの上条 恭介、天才ってだけあって本当に凄いギターをかき鳴らす

あまりの格好よさに一時期真似してギターの練習をしたくらいだ。仕方なく辞めた時はさんざんお節介を焼かれた、わざわざ家に来てくれたりもした………………本当は辞めたく無かったよ


――それじゃあ行くよ!12で笑って、34も笑って、56で前見て、78せーの!


この長ったらしい口上で合唱の合図を下しているのはあたしが4、5、6年生の頃担任だった悠木先生、なんでもかんでも「まずやってみる」の体当たり教師。当時24歳、まだ若いのにゆきなを抱えたクラスで良くやってたんだなって、早乙女先生見てたら思えるようになった…………あたしも引っ掻き回す側だったけど

支援


QB「グリーフシードを集めて何を……まさか!マレフィカ・ファルスを再現しようと言うのか!」

織莉子「何、それは?」

QB「とある魔法少女達が行った死者蘇生の魔法の事だ、魔法で心の器を造り、魔女の生命力で身体を造る……人格は記憶と知識で再現する」

織莉子「だとして、あの魔女にそんな知識が……」

――『造花の魔女』その性質は『鑑賞』だ

――『干渉』?『勧奨』?

――内包してるんじゃないかな?

織莉子「……まさか」

QB「造花の魔女、つまり花蘭 ゆきなの魔法は『感応』心を感じる力を欲しいと願った彼女の」

えりか「ちょ、ちょっち待って!話を整理しきれないんだけど……」

つぼみ「えりか落ち着いて、一番大切な事から順番に復唱してみて下さい」

織莉子『こっちにしましょう、皆が聞いたらパニックになるだろうから』

えりか『いやいや!今あたしがパニクってるから!』

ゆうか「…………」

支援


――あゆちゃん頑張れー!


運動会であたしを応援するゆきな、底抜けに明るくてイントネーションが無い、フニャッとした柔らかい発音、最後まで聞くと膝からカクッと力が抜けるしゃべり方……いや、好きだけど


――あゆちゃんと日曜日、一緒に行くー!


日曜日にゆきなの一家が入信している教会にあたしと遊びに行くことを、あたしになんの説明も無しで悠木先生に報告している

悠木先生が何も言わなかったらあたしは行けなかったぞ……


――あゆちゃん登れますー?


初見では難しいがようするに「登れないの?ダサ!」ってニュアンスだ

ロッククライミングを嗜まされたあたしが木の一本を登れないとでも?……二人の小学生の体重で木は折れた


――あゆちゃん!セイヨウタンポポ!


このドヤ顔から察するにレア物のタンポポらしい……普通のタンポポにしか見えねえよ

せっかくなので中庭の道外れに植えておいた。イチリンソウさんごめんなさい


――ねえあゆむ、今度水族館に行こう!


六年生になって卒業まで後数ヶ月、ゆきなは劇的に物分かりか良くなって、あのカクッとなるイントネーションも無くなった

自閉症は治るものじゃないって事は皆知っていたけど、それでも「治った」って皆が喜んだ

あたしも嬉しかったっちゃ嬉しかったけど……ああうんやっぱ凄い嬉しかった


――あゆむ、ここの所の文章どうしよう?……さやかちゃんは見ちゃ駄目!


送る会でゆきなが読み聞かせる作文の相談を受けた

結局原稿用紙二枚半書いて、先生もあたしも添削して何度も一緒に練習した

折角ジャスト三分強で読めるようになったのに、本番では全く内容を無視してあたしに感謝の言葉を連ねだした。何故だか誰も止めなかった、周りは皆泣いてた、ゆきなも泣いてた

…………あたしは泣いてねーし…………泣いて……ねーし


――おっ!流石の鉄面皮も泣いたか!なーんて、あたしもぼろ泣きなんだけどね!


黙れ水色

支援

さやかff「はい、今回はここまで!ど疲れさん!」

>>752>>753>>754>>755>>756>>757

コメントありがとうございます!


>>753

なぎさ「極限の二択を迫るその姿勢……あなたはどSなのです!」

>>754>>755

なぎさ「やっぱり前に宣言した通りなのです」


>>756>>757

なぎさ「ここからまど杏がワンチャンなのです!」

なぎさ「まどほむの人にはごめんなさい」

乙です

乙乙
あー ゆきなは魔法少女だったか…… じゃああゆむ母は多分……
そしてここまでしてゆきな魔女が蘇らせたい人とは一体

ほむほむ残弾はどれくらいだ?
継戦能力は残ってるか?

ダムダム弾があるならほむほむ弾があってもいいよね!
次回はほむほむが走馬灯にでてくるのかしら
乙!

こんばんは、再開します

さやかff「さあさあ今回も超展開!」

さやかff「戻れない明日に希望は有るのか!」


恭介「さやか!後ろから蜂が!!」

さやか「え?」


ドズゥッ!!


和子「さやかちゃん!?さやかちゃん!!」

「きゃああああ!!!」「逝ったぁあああ!!?」

働き蜂「……」グッ

さやか「なーにとどめ刺したつもりでいるんだか」ギラッ


ズバッ


さやか「そんなんで殺れるわけないでしょ?」グッ ズズズ

ほむら(さやか……)

仁美「さ……さやかさん!?返しが付いた銛を無理に引っ張っては傷が……!」

あやか「ひ……!!」

中沢「ま……魔法って言ったって……!」

さやか「あはははは!人間やめちゃってますね、あたし」

えりか「いやあああああ!!!!」

杏子「なんだ?」

キリカ「あそこの串刺しガールよりスプラッタな死体でも出て来た?よりもよって桃髪の(ドンドンドン!! おわあああ!!!」

ほむら「ふざけないで」

えりか「皆逃げなきゃ!!だって魔女n(織莉子「とう!」バキッ

えりか「あ……」バタ

つぼみ「ちょ、ちょっと何するんですか!?」

ゆうか「……やめなよ、今のはえりかが悪いよ」

つぼみ「どうしてですか!!」

ゆうか「うるさい!……もう……静かにしてよ」グス

つぼみ「あ、え?ええ!?」

QB「やれやれ、わざわざ言うからこうなるのさ」

支援


ゆま「何あれ……地面から生えてきたよ」 

さやか「何が?って、おっと!」

キリカ「ピンクの薔薇?」

ほむら「余計なことをされる前に!」ガチャ

さやか「だから落ち着けっての!」ガッシ

ほむら「でもまどかが!!」

さやか「まどかは状況が分かるから非避難出来る、あの子だけ連れてこられたってことは……」チラ

さやか(あ、魔女の顔が見え…………――え?)

つぼみ「一体何をするつもりで……」

ゆうか「台座の代りだよ……あの魔女、あゆにちゃんと寝床を提供するんだ」

織莉子「何故?」

ゆうか「ははっ!……つぼみ、あの薔薇は何?」

つぼみ「えっと……サイズは違いますけどあの形は……」

織莉子「多分『バースデイパーティ』よ、ピンクのミニバラの」

つぼみ「じゃあ花言葉は『生誕を祝う』『暖かい心』『感謝』『私は貴女を愛する』」

織莉子「ピンクの薔薇に『愛を持つ』ミニバラ自体には『無意識の美』があるわ」

ゆうか「ああ、じゃあやっぱりあゆは大丈夫だね……あの子が死なせる訳ないや」

織莉子「どういう事?あの子とゆきなという子には何か関係があるの?」

働き蜂「……」

キリカ「だあー!統率取れすぎだこの蜂ども!!」ズバッ

ゆま「何か始まる!」


使い魔の蜂と魔法少女が入り乱れる中で巨大な桃色の薔薇にあゆむを寝かせ、アーニャが拾い集めた種を魔女が取り出し、そして


杏子「あの野郎!傷口にグリーフシードを!」

マミ『ええ!?』


あゆむの体のいたるところについた傷に種を植えていく、そして最後は自身の口からグリーフシードを覗かせて意識の無いあゆむの唇から直接入れ込んだ


さやか「…………ゆきな……ちゃん?」

ほむら「え……?」


隠していた顔が自分の知り合いだと気が付き、魔女の魔法の特徴を鑑みて、あゆむだけここに連れてこられた理由を察して……まるでジグソーパズルの四隅が埋まって完成する絵がなんなのか解ってしまったような、そんな衝撃がさやかを突き抜けて

主が魂を失ったことで働き蜂が力を失いボトボトと落ちていく中、さやかはただ茫然と立ち尽くした

支援


――私、お願いあります!

――それは君が魂を差し出すに足る願いかい?

――はい!

――それじゃあ、言ってごらん


……ん?あたしの走馬灯なのにあたしが居ないとはこれいかに


――普通の子になりたいです。皆と同じように感じて、みんなの気持ちがちゃんと分かる子になりたい

――君の祈りはエントロピーを凌駕した、それは君が望み、手を伸ばして得た力だ


ゆきな……?


――あたしはもっと強いやつと戦ってみたい!自分が本当に全力でぶつかれる相手と戦いたい!

――使い魔だって人を傷つける、許すわけにはいきません

――ありがとうキュウベぇ!お父さんもお母さんも仲直り出来たよ!

――やった!魔女をやっつけたよ!グリーフシードゲット!

――あんたみたいな子が居るから、魔女が居なくならないんだ!!


魔法少女……命と引き換えに願いを『叶えていい』存在


――え?どうして……魔女の声が聞こえてくるよ!?

――それが君の魔法『感応』だよ、ゆきな……君は戦いに置いては無敵に近い存在だ

――魔女は……魔法少女なの……?

――そうだよ、だけどグリーフシードさえあればそうなることは無いんだ

――…………駄目、魔女の呪いが……!私の中に入ってくる!!

――あ、ゆきな!……まいったね、あれでは使い魔の育った魔女しか倒せないじゃないか


ゆきなの魔法は……優しすぎるよ……


――そういうことか……見事に騙されたって訳だね、あたし


やめて


――結局お金でつないだ絆だったんだ……私……そんなことのために……


やめて


――結局かっこつけてヒロイン気取ってただけだ、あたし……あの人が自分を見てるなんてどうしようもない勘違いしてさ……


違う!間違ってるのはお前じゃない!!


――独りで生きてる……なんて思い上がりだったかな


そんな事で絶望なんて馬鹿だろ!馬鹿だよ……!

支援


――へへっ!実はあたしも初めてなんだ!


あたしだって初めてだったよ馬鹿!


――短い間だったけどね、同じ様に見て、聞けて、感じて、伝える事が出来て嬉しかったし楽しかった!でも私が生きるのはとても難しい事だから……


ゆきなが居てくれたらそれで良かったのに……迷惑に思ったことなんて……!


――貴女の事が大好きです!……なのにごめんね、これは――お別れのキス、なんだ


なんで……?


――それじゃ、さよなら!


なんで…………


――なぎさはっ!チーズが欲しかっただけなのですッ!!


ああ……このまま魔法少女の絶望に押しつぶされておしまいか……


――ふざけんなよキュウベぇ!!

――あいつさえいなくなれば……!!

――全部無くなっちゃえよ!!

――あゆむ、ごめんなさい……本当に……大好きだよ、愛してる


あゆむさん、お疲れ様……


――優しくしてくれて本当にうれしかった、私を見つけてくれて……ありがとう


…………


「私たちは、絶望に打ち勝たなければならない!希望の力によって!!」


……今まさに絶望のどん底なんですがそれは


――誰が間違いだと言っても、あゆむが「生きたい」と思った気持ちは本物だよ……それはあゆむにとって生きるために、強くなるために必要な希望だった

――あゆむがそれを望むなら、私の魔法をあゆむにあげる

――絶望の中で見つけた光を、あゆむが人として生きていくために捧げた祈りを叶えよう……誰も知らないままなんかに終わらせない

――私の魔法はそうやって使うことが出来るから


ゆきな……ゆきなに出会って、ゆきなを解って、その優しさに触れたから……あたしは今日まで生きてみたよ


――あゆむは、あゆむのために力を使っていい……自分より弱い誰かの為じゃなくて、自分の為に戦っていいんだよ


ゆきなが一緒に居てくれるなら、あたしは……どうしても……やりたいことがあるよ

支援


~~


さやか「……」

さやか(どういうことなの……?なんでゆきなちゃんの顔をした魔女が……)

あやか「あゆ!無事だったの?」

あゆむ「……」ムク

ほむら「嘘……あゆむ!貴女大丈夫?」バッ

杏子「ほむら!近づくな!!」

キリカ「あの子……なんだかヤバいオーラ出しまくってるよね?」

マミ「あれはもう呪いなんてものではないわ……『闇』とでも言うべきものよ」シュタ

さやか「マミさん……」

ゆま(でも、なんでだろう?……少しだけ……暖かいよ……)

ほむら「あゆむ、まどかを知らない?」


表情の綻んだほむらがあゆむの台座に飛び乗り詰め寄った

肌の色にも生気が蘇り、普通に呼吸もしている……傷は塞がってなくて血が流れっぱなし、ほむらが軽く手を当てて止血のための魔法を使おうとした時だった

あゆむの右手にどこからともなくレイピアが具現化し、ほむらの腹目がけて突き出された


中沢「あ……あれを防ぐか暁美……」

ほむら「……どういうつもり」

あゆむ「この距離で防ぐ?」


レイピアの切っ先はとっさに割って入ったほむらの盾にぶつかり、二人は睨み合っている

均衡を崩したのはあゆむの中で響く声

――君たちはエントロピーという言葉を知っているかい?

――もっとも効率がいいのは第二次成長期の少女の希望と絶望の相転移の際に生じるエネルギーなんだ

支援


あゆむ「そう……そう言うこと!魔女、魔法少女、祈り!呪い!」ビュン


込み上げてくる笑いを堪え、ほむらにレイピアを振るう


ほむら「あゆむ……貴女は魔女に飲まれてる!一旦話を聞いて!」ガン

あゆむ「希望、絶望、奇跡、楽園、アダム、イブ、カイン、アベル、リリスにガフ!プレーンワールドにアカシックレコード!」

ほむら「あゆむ……?」

あゆむ「あっははは!!さあ、狂ったように踊りましょう!?どうせ百年経ったらみーんな死んじゃってんだから、さッ!」ガッ

ほむら「ッ!」バチィン


突き上げでほむらのガードを崩して、がら空きの胸に


あゆむ「ゲット――」

マミ「レガーレ!」


一撃を加えようとしたがリボンに縛られ未遂に終わる


あゆむ「ふふっ!」スパッ

「なんだあれ?」「あいつ葉月……だよな?」「葉月ってあの大企業の?」「呪われた子ってマジだったんだな」

沙織「何が起きてんだ……」

知久「ほむらちゃん……」

あゆむ「大人はどいつも勝手だ……」ボソ

マミ『キュウべぇ、あの子を元に戻すには?』

QB「多少強引だが体内のグリーフシードを物理的に引き剥がすほか無い、その際出血を伴う負傷を負うことになるが……」

マミ「聞いたわね、杏子、暁美さん」

杏子「ったく、妙な事になっちまったな……」

ほむら「ええ!」

さやか「待って!接近戦ならあたしが!」

杏子「止めとけ、あいつの垂れ流してる闇に蝕まれる」

ほむら「貴女達は皆を守って」

さやか「でも!」

支援


キリカ「へいへい、先輩の言うことには従いますよ」

さやか「キリカさん!」

キリカ「単純な適性の問題でもある、対魔法少女の場数の違いかな」

さやか「魔法少女って、そんな……」

キリカ「戦えないだろう?君はあの子と」

さやか「……」

あゆむ「……よし、大体分かった」


楽しそうな声と共にあゆむの背中にどす黒いオーロラの翼が現れた


マミ「蝶の魔女の翼……!」

あゆむ「質量キャンセル」

ほむら「飛ぶ……」

中沢「なんだよ……なんだよこれ……!」

あやか「あゆ……!ねえあゆッ!」

ゆうか(知ってる……あゆはいつでも優しくされるのが痛くて、嫌だったんだ……だから優しすぎたさやかの事を嫌いになるしかなかった……でも……)

ゆうか「自分を犠牲にしなきゃ表現できない優しさなんて……悲しいよ……」グス

つぼみ「ゆうか……」

つぼみ(私にえりかみたいな皆を笑顔にする力があれば……)

織莉子(静かすぎるわ……あの子の瘴気に中てられて、みんなの感性がおかしくなっているの?)

あゆむ「チーズが食べれないのは残念ですが、なぎさもこの展開には義憤を憶えるのです!」

マミ「……はあ?」

QB「魔女の内包した記憶と知識で人格が崩壊しているんだ……」


突拍子もない発言に呆れるマミといつになく緊張した声のキュウベぇ


あゆむ「私も女性である以上、これは人の矜持を守るための戦いであると思います」

姫名(あゆむ、貴女はやっぱり……約束です、止めたりはしません。でも……皆の優しさを受け止めて欲しかった)

あゆむ「これ……これがあゆむの気持ち……冷たくて重たくて、でも力が湧いてくる」

杏子『キャ……キャラ違くね?』

さやか(最後の、卒業間近のゆきなちゃんに似てた……でもそんな……あり得ない!だってゆきなちゃんは!)

支援


まもる「ね、姉ちゃん……」

「おいあれお前の姉貴だろ!何とかしろよ!」「そうだよ、これどうすんだよ!」

ほむら「これは……こんな、悍ましい力……忌むべきものよ、こんなもの!」

あゆむ「違う!これはあたしが生きるために必要だった力!これを否定することはママを否定すること!あたしに力を貸してくれるゆきなと、魔女達の総意を拒絶すること!!」

さやか「そんな……」

働き蜂「キヒヒヒヒヒ!!」

キリカ「オーライオーライ!使い魔の蜂ちゃんもすっかり元気になってるよ」ジャキン

ゆま「う……さっきより禍々しくて怖いよ!」ブルッ

ほむら「自分を器だとでも!」

QB「この感情は呪い……間違いなく呪いだ!なのに何故!?今までこんな性質の魔女は類を見なかった!」

ゆうか「これが……希望だからだよ……」

QB「訳が分からないよ!このソウルジェムを濁らせる光は間違いなく呪いじゃないか!」

織莉子(本当……飲まれてしまいそうなほどの莫大な絶望が溢れてる、なのに)

あゆむ「あたしはあたしの存在を認めなかった全てを壊すッ!!潰して、蹂躙して、腐らせてやる!!」

杏子「落ち着けよ!あんた魔女に飲まれて変になってるんだ!」

マミ『もう、話し合いは無理そうね』

さやか『マミさん!!』

あゆむ「誰にも消させない!これは絶望も希望も超えるあたしの生きる決意」

ゆま(そっか……だから温もりを感じたんだ)

キリカ『……少なくとも私には理解不能だね』

織莉子『出来ないほうが良いわ、こんなもの』

さやか(こんな気持ちで生きて、それで何になったのよ?あゆ……)

あゆむ「『憎悪』が私を突き動かす!邪魔立てするならぶっ殺すがよろしいか!!」

マミ「やれるものならやってみなさい、返り討ちじゃ済まさないわよ」

さやかff「今日はここまで!お疲れさま!」

さやかff「次回、最強の魔法少女対最凶の少女!」

なぎさ「マミの負けるビジョンが見えないのです……」

>>784>>785>>786>>787

コメントありがとうございます!


>>785

なぎさ「ゆきなの目的はなぎさにも分からないのです……」

さやかff「ま、もうちょっと後にならないとね!案外事故だったりして!」


>>786

なぎさ「ほむほむはもう結構カッツカツなのです……でも感情に任せてばらまいてしまうのです」


>>787

なぎさ「そりゃだってあゆむにとってのほむほむはもがもがもが」

さやかff「はいそこまで」

乙です

ラスボス級
ただしラスボスそのものではないってか
ここを切り抜けたとしてその先がミエネェぞ
wktk

まどか空気や!
あゆが飛んだならほむも飛ぶしかないな
乙!


なんというか中盤の山場かな
勝ったとしても関係悪化しそう

ていうか最初のほうでR-18注意って言ってたけど
濡れ場じゃなくてそっちの意味かよ!

俺の脳内では大変なことになってるよ

まどか?顔面ボコボコ額ズル剥け鼻血ボタボタ、果てには呼吸停止

ささ?血だらけになるまでボコられ喉を抉られ目を潰され鼻に鋏をぶっ刺され追い討ちのストレートで〆

あゆむ?魔法で木に叩きつけられて左腕を骨折して身体中を銛で貫かれ未だに治療見込み無し

ゆうか?骨が見える程腕を食いちぎられた

さつき?ほむほむ達に濁るまで拷問されたがさやかに治療して貰えた

文章から見えるだけでこれ、他にさつき姉とか画面外のクラスメイトとか居るという
死人が居ないだけで奇跡や





奇跡も魔法もあるんだよ!!!!!!!

※ただし尻から出る

こんばんは、再開します

さやかff「今回はさやかちゃん大活躍!!……とは行かないんだね、これが」

なぎさ「現実はクリームチーズのように甘くないのです」


空中で胸の前に手をやり、何かを考えるあゆむに多節棍の槍が襲い掛かる


あゆむ「ドロップ・フルシールド」


体勢を変えることなく、一言呟いて赤い結晶の円盤を出現させ弾く


杏子「よう!魔法の味はどうだい?」

あゆむ「ん?まだぼぅっとする」ビュン

杏子「な……」ズバッ


レイピアを振るい、飛ばした残撃が杏子を真っ二つに裂いた

聞こえてきた悲鳴を無視して空中から杏子の槍があゆむを襲う、次々と赤い結晶が現れ、あゆむを守る


杏子「ロッソ・ファンタズマでも確定が取れないか!」

あゆむ「ロッソ・ファンタズマ?『真っ赤な嘘』って意味?」

ほむら「最低の意訳ね」ダンダンダン


死角からの射撃も結晶が防ぐ


あゆむ「バハルック――」

マミ「二人とも離れて!」ビュルン

杏子「グエッ!」バシッ

ほむら「ひゃあ!?」グイッ

あゆむ「スウェル!!」


危機を察したマミが二人の腹をリボンで引っ張り、魔力の嵐から救いだした


あゆむ「オッケー!オッケー!使い方解ってきた!反撃するよ!」

マミ「やらせない!」

あゆむ「ピクトモア!」ビュン


右手に大きな筆を取りだし、緑色の魔力のキャンバスに何かを描く


マミ「ティロ・ドッピエッタ!」


マミの放つ銃弾は、やはり赤い結晶が現れて防いだ

あゆむ「出来た!」

杏子「……何が見える?」

ほむら「ひらがなで『みさいる』って書いてあるわ」

織莉子『実体化するわ!!逃げて!!』

杏子「とんでも魔法だった!?」

支援


あゆむが筆を上に放って指を鳴らし、落ちてきた筆をキャッチした瞬間キャンバスの中からミサイルが発射された


杏子「なんじゃそりゃあ!?」

ほむら「巴さん!」

マミ「けどそれくらい!」


リボンを使い空中にも関わらず機敏に動き回って避けて見せ


あゆむ「第二波行きまーす」キュキュキュ

マミ「狙いが私じゃない!?」

あゆむ「デッド&シュート!」パチン


そのミサイル群の矛先は二階の客席、保護者や生徒の家族、撮影スタッフが居るそこだ


知久「タツヤ!」

沙織「南無三!」

あゆむ「大人のくせに息してんじゃねーよタコ!滅びろ!!」

キリカ「さやか!戦線頼んだ!」

さやか「は、はい!」


アニメで聞くよりもずっと淡白で乾いた音ともに客席は成すすべもなく崩れ落ち、大量の人々とともに地面に叩きつけられようとしていた


「きゃああ!」「助けてくれええええ!!?」

キリカ「させないよ、速度低下!マミ!」

マミ「レガーレ・ヴァスタアリア!」

織莉子「解除!」


墜落点に入り込んだキリカが魔法で落ちる速度を落とし、マミがリボンで捕まえてゆっくりと地上に下ろし織莉子の結界の範囲内に収める


キリカ「入ったよ!低下解除!」

あゆむ「オールゲット!ロックオン!」


ほとんど一瞬で織莉子の結界が消えた隙に指を鳴らして魔法をかけた


ほむら「やらせない!」


下からクラブで殴りかかってきたほむらをレイピアでいなし


あゆむ「もう遅い!」

ほむら「こんな事に意味なんて無い!呪いに飲まれないで!」

あゆむ「そう思うのはあんただけだ、意味はある」


蹴り落として武器を鞭に持ちえて攻撃、杏子の槍が受け止める、が構わず振り回して攻め立てた


支援


織莉子「イノセント・ドリーミング」

つぼみ「お父さん、お母さん!ふたば!どうして?目を開けて下さい!」

織莉子「……っ!あの一瞬の隙で魔女の口付けを仕込んできたの?」

ゆうか「……どうなるの?」

QB「感情エネルギーを吸出して自分の力にするつもりだろう」

織莉子(違う?大人しか狙っていない?)

ゆうか「どうにか出来ないの?」

QB「魔女を倒すしか……無い」


あゆむ「うふふ!あははっ!!楽しいよねぇ!?」

杏子「っそ!いい加減にしろ!」


鞭の嵐を縫うようにして杏子が飛び込んだ、そしてその切っ先があゆむを捉えようとした瞬間、影の触手が杏子を貫かんと襲い来る。完全に虚を付かれた杏子を救ったのは黄色いリボン、引っ張って杏子を助け出しマミは本気の敵意であゆむに向き直った


杏子「マミ……」

マミ「そろそろお遊びはおしまいにしましょう?いい加減に手加減してられなくなるわ」

あゆむ「下らない、お遊びと思っている貴女が」

マミ「そう……」


一瞬、あゆむの体が閃光を放った


ほむら「ストロボの光ッ!」


全員の目を眩ませ、トンファーがマミの胸に突き刺り、血が出る筈のそこからリボンが生えて伸び


あゆむ「読めてたよ!」

マミ「へえ、ジャッロ・ファンタズマを見切ったの?」

なぎさ「今更ながら1スレで終わる気がしないのです……」


リボンを衝撃波で吹き飛ばし背後から迫るマミに結晶で覆った足刀、防いだはずの銃を切り裂き咄嗟にしゃがんだマミの帽子を掠める

マミの払い蹴りを飛びのいて避けその移動先にマミが射撃、結晶が現れて弾きその裏から急接近して蹴り、反撃しようとしたマミに影の触手で攻撃、影の合間を縫って射撃と回避、射線を見切って近づきレイピアで一閃

見ている生徒は愚か、杏子やほむらも置いて行かれる勢いでの攻防

全方位からの息をつく間も無いほどの集中攻撃を仕掛けるあゆむと、それを凌いで反撃するマミの戦いはおおむね7秒続き、一旦距離が離れて睨み合いに戻った


さやか『マミさん!』

マミ『大丈夫、殺しはしない……つもり!』


無言で牽制の仕掛けあい……先に動いたのはマミ、両手と自身の周囲に短銃を作り出して殴りかかり、あゆむも右手にトンファーを具現化させて応戦した

マミからの格闘攻撃のラッシュは自力で防いで周囲の銃は影の触手で潰して回る、蹴りを右手のトンファーで弾かれてもリボンを足に巻きつけ一瞬で背後を取って殴打を試みる、やはり赤い結晶が現れて防いでしまい、一瞬崩れた隙を狙ってあゆむの鞭が伸びて、それを防ぐためにマミのリボンが飛んで……やはりどちらも譲らないし、決して退かない


QB「マミ、ダメだ!その少女は今単純に魔女8体と魔法少女8人分の戦闘力を持っている!このままではジリ貧だ!」

マミ『それだけじゃない……魔法を使って人々の呪いをかき集め、魔女の魔法の動力源としている。魔法の使い方を憶えられてしまったら手に負えなくなる!』

あゆむ「分析とは余裕だね!」


あゆむの翼から突如として発射された光線を避けてマミは一度着地し、また睨み合いが始まる


マミ「新記録ね、私の前でまともに立っていられた時間の」


右手を挙げて天井の鉄骨にリボンを括り付けてあゆむの腕から放たれた光線を回避して周囲の銃で射撃、あゆむもバレルロールで回避しつつ翼の異空間から羽の生えた金色の鈴を出現させた


マミ「蝶の魔女の鈴型ファンネル……」

あゆむ「ご明察ですね」


7つの鈴が一定の間隔を持ってジクザグに加速と急停止を繰り返して飛ぶ

止まるたびにチリンと音がして場内は不思議な静けさに包まれた。使い魔とさやかたちの戦う音以外は鈴の音しか聞こえない

支援


あゆむ「行きなさい、リン・ビット!」パチン

指を鳴らして魔法が動く

鈴は羽を全く用いないカクカクと直角に折れ曲がった機動でマミを取り囲み、あらゆる角度からビームを撃ちこんできた


マミ「っ!」


空中に浮かぶスロットやクッキーなどのモチーフにリボンを巻きつけて飛び回り鈴の射撃を振り切って単発のマスケットで応戦、近づいてくるビットから叩き落としているがあゆむはビットを次々と召喚してくるのでキリが無い

しかし、突如あゆむの足元に赤い結晶体が出現して飛んできた弾丸を弾き、その音はあゆむの視線を一瞬マミから外させ


ほむら「防がれた!」

マミ「ナイスよ」

あゆむ「ちっ!」


マミが短銃を取り出しつつ接近戦を仕掛けるのに十分な時間を与えた、だが


あゆむ「捕まえたのです!」

マミ「しまっ!」


上空にポツっと現れたケーキケースが覆い被さり、下からは白い皿が現れてあゆむとマミだけの密室を作り出した


恭介「閉じ込められた!あれじゃああの銃使いの人の魔法は封殺されたようなものじゃないか!」

中沢「加えて葉月は柔術の使い手だ……不味い展開になったな」

ほむら「巴さん!?」

杏子「良いから落ち着け、今のうちにあたしらも使い魔を叩いて数を減らすぞ!」

ほむら「で、でも!」


ほむらが杏子に反論しようと言葉を選んでいる最中にボールの中から金属で叩くような音が鳴り、ボコボコ変型していく

そして皿の中心部にヒビが入って穴が空き、同時に紫の長髪の少女がまるで関節のくたった人形のように落ちてきた


中沢「って黄色の人強っ!?」

ほむら「え……えー……」カクン


あゆむが地面に叩き付けられる前にリボンが絡めとり、気付いた時には十字架に磔されたように拘束していた

支援


あゆむ「ちょー強ぇ…………」


視線は地面に向けたまま、誰に言うでもなくぼそりと呟いた


マミ「さて、取り敢えず拘束はしたんだけど……」

さやか『マミさん……!』


スカートをぱたぱたとはたきながらマミがあゆむに迫り


QB「魔力でグリーフシードを吸着させて引き出すんだ」

マミ『OK、やってみるわ』グ


マミの手のひらから黄色い球体が発生し


働き蜂「ヒャーヒャヒャヒャ!グヘッ!!」


蜂が背後から迫ったが杏子の結界に阻まれた。マミはあゆむの胸に手を当て、ゆっくりと魔力を込めて輝きが増す

働き蜂はキリカとさやかがその半数以上を倒していたので大した数は残っていない、それでも織莉子のバリアにまとわりつくのでゆまを含めた三人は護衛に残っている


あゆむ「……!!」

マミ「暴れないで」


身じろぎした途端にリボンの拘束が強まり、思わず苦悶の息が漏れた。実際、あと少しで全身の骨を折られかねない力で縛り上げられていた


マミ「……成程、ちょっと痛いかもしれないわね」ギュ

あゆむ「ぐ……ううううっ!!」


そのまま手を引くと傷口から血だらけのグリーフシードが皮膚を割いて現れ、文字通り『物理的に』引きずり出された


中沢「グロ……」


肩で息をし、満身創痍と言ったあゆむの様子を見てマミは一瞬気絶させてから……とも思ったが、異常があった時に本人の意識が無いと何かと不便である


マミ「……ごめんなさい、痛かったら言ってね」

あゆむ『トシキック・パイプ』


開いてしまった傷口をリボンで止血しつつ二つ目を取り出そうとして手を伸ばした時、あゆむが凶悪な表情で笑ってるのを見てとっさに身を引いた……時にはもう遅かった

あゆむの口からカラフルでいかにも危険なガスが多量に放出され、マミの体を包み込んだ


ほむら「そんな!?胞子の魔女のガス!!」


リボンで風圧を起こしガスを吹き飛ばしたが、すでに体に変調を来していた


マミ(うっ……息が出来ない!?)

さやか『キュウベぇ!あのガスどうなっちゃうの!?』

QB「あれは胞子だ!マミの肺に入り込んで酸素の取り込みを妨害してしまう!」

杏子『マジかよ!』

支援


あゆむ「さようなら」

マミ「!」


胸に蹴りを叩き込んで吹き飛ばし影の触手をマミに向けて突き立てまくる。リボンで無理矢理に距離を取って回避したがその時点で意識が潰え、マミの変身さえ途切れてしまった


恭介「行けない!」

かえで「変身解除ってピンチの定番やん!」


今度こそとどめと言わんばかりに大量の触手がマミに迫ってきたが


さやか「バイブレイ――」

杏子「エッジ!」


青と赤の光が駆け抜けて全てを切り落とした


杏子「おいマミ!マミ!」


完全に意識の無いマミを揺さぶっても反応など帰ってこない、呼吸こそ普通にしているが表情は苦しそうで顔色も悪い


さやか『キュウベぇ!どうすればマミさんを助けられる!?』

QB「マミの肺胞が胞子の浸食より早く再生を繰り返して打ち勝つのを待つしかない、それにはしばらく外から魔力の補充をして安静にすればいい」

杏子『聞いてたな?頼むぞゆま!』ブン

かえで「黄色い人をぶん投げよったぁ!?」

ゆま『うん!ってうわっ!』ガッシ

織莉子『解除、早く入って!』

ゆま『ちょ、ちょっと待ってー!』ズリズリ

あゆむ「ははは、ご自分たちの努力でどうにかしたらいかがですか?リン・ビット!」


再び翼から羽の生えた鈴が多数出現しゆまとマミ襲い掛かるが、数では負けじと大量の水晶玉によってほとんどを撃ち落とされた


あゆむ『おやおや、どなたかと思えばあなたは完璧さんではありませんか!』

織莉子『むかつくあだ名をどうも』


あゆむの挑発を軽く流して再度バリアを展開し、安全にマミを治療する場をゆまに与えた

支援

支援


QB「マミが取り出したのは『落書きの魔女』のグリーフシードだ、これでさっきのキャンパスに書いたものを具現化する魔法は使えなくなった」

キリカ『平仮名で書いたものが具現化するって斜め上すぎたよ、しかも笑えなかったし』

あゆむ「ま、これで一番強いのが失せたし、さっさと他も倒して外に居る大人たちを嬲り殺しにいこっと!」


いかにも宿題が終わったから遊びに行こう、といった口調であゆむが語る


さやか「な……そんなことして何の意味があるの!」

あゆむ「だってむかつくじゃん」


先ほどまでの明るい口調から人が変わったかのように憎悪を込めた口調へと変わり、さやかと杏子のもとへゆっくりと歩いて近付く


あゆむ「何をどんなふうにやっても上手くいけば『葉月だから』とか『次期家長だし出来て当然』みたいに言われてさ、出来なけりゃ『所詮女だな』とか言われんだよ?じゃああたし一体なんなのって話」

さやか「う……」


こんどは饒舌でお喋りな口調に変わり、一気にまくしたてる。そのままさやかに迫り続け、さやかもたまらずゆっくりと後退しだす

あゆむ「頑張ったから褒めるでもなく出来なきゃ叱るでもなくそれでいて出来て当然みたいな顔されて、あたしよりよっぽど無能でどうしようもなく愚図で役に立たないまもるは褒められてちやほやされて『お姉ちゃんが死んだらお前が家長だよー』とか聞こえるように言われたりするしさ、本当何なのマジ」

さやか「…………」

あゆむ「そんなこと言ってた親戚全員死にやがってさ、マジ馬鹿っぽいんだよね!腹抱えて笑っちゃったよもう……そしたら今度は『あそこの親戚が殺されたのは娘が呪われてるから』だとか『身内で遺産相続で揉めて殺しあった』とか訳分かんない噂たてられてまたあたしが黒幕扱いですよ勘弁してくださいよもー!」

さやか「……それでも!」

あゆむ「ガンダムじゃねえっつってんだよタコ!」

さやか「いっ……!」


突如さやかにヘッドバッドをかまし、レイピアでさやかを貫こうとした時、真横から槍が飛んできた。結晶が現れて受け止め、それを投げつけた杏子を睨みつける


あゆむ「……邪魔をしたら殺すと申したがよろしいか」

杏子「やれるもんならやってみな!」

支援


杏子の槍から繰り出される猛攻をレイピアと結晶を使って受け流し飛翔を試みるが、それをさせないように槍が暴れまわっている

さらに距離を詰めた杏子があゆむの胸を蹴り飛ばし、その首元に刃を突きつけた


あゆむ『そっか、杏子ちゃんもあゆむの邪魔をするんだね』

杏子「……な!?」


あゆむの武器がタンバリンに変わり、槍を蹴り飛ばして刃先を変えて一気に踏み込んで接近戦。一瞬の判断で飛びのいてそれを避けた杏子、そして杏子と入れ替わるように背後からクラブで殴りかかるほむら


あゆむ「サンフラワー・イージス!」


右手のタンバリンから身の丈ほどのひまわりの花が出現し、ほむらごと弾き返した


ほむら「また面倒な魔法を……」

さやか「待って二人とも!その子、魔法少女ですらないんだよ!?」

あゆむ「さやかちゃんは甘々だね、武器までしまっちゃってさ」

さやか「あんたも一回落ち着いてよ!……こんな戦いって……無いよ」

杏子「さやか!そいつは魔女だよ、もう!」

さやか「杏子がそんな攻撃続けてたらこの子死んじゃうよ!それじゃああたし達……!」

ほむら「二人とも飛んで!」


ターン、とタンバリンを叩く音がしてとっさに三人とも飛び上がったと同時に足元が爆発し数度の軽快なタンバリンの音とともに大量のひまわりの花が三人を取り囲んだ


あゆむ『ゴールド・フォルテ――』

杏子『冗談だろ……!』

QB「あれはゆきなの魔法だ……当時彼女が最も憧れていたキャラクターの魔法らしいけど……」

ゆうか「じゃああの魔法ってプリキュアの……」

つぼみ「そ、そんな……早く逃げてください!!そのひまわり、全部がミサイルです!!」

あゆむ『バーストッ!!』


あゆむがタンバリンを突き出すと同時に全てのひまわりが轟音と共に魔法少女目がけて襲い掛かった、三人はそれぞれ方向に飛びのいたが……


ほむら『さやか!貴女が狙われてる!!』

さやか「っ!」

支援


弧を描いて向きを変え、明らかにさやか目がけて迫りくる

魔方陣を作り出し、それを蹴り飛ばして舞い上って回避を試みる、がひまわりはしつこく誘導を続け空中にあるモチーフを破壊しながらさやかを追いかけ続けた。さやかも光の道を作り出して駆け回るが、やがて一発二発と当たってそのたびに起きる爆発でバランスを崩されて推力を失い、しまいには後続に追い付かれ


仁美「さやかさん!!」

さやか「……ッ!!」


とっさにマントで守りを固めたが、それでも全方位からの凄まじい物量の爆発に飲まれて地面に叩きつけられ、落下個所目がけて残りのひまわりが降り注ぎ、その全てがこれでもかと爆発を繰り返した


杏子「さやかあッ!!」

恭介「さやか……そんな!」


爆炎が晴れ、さやかはどうにか原型は保っていたものの全身が黒焦げで右腕は消し飛び、胸には穴が開いて肋骨が丸見え、顔も上半分は吹き飛んでいて後頭部が辛うじて残っている程度、生きているとは思えない状態であった

ソウルジェムは無事なので時間をかければ元通りに回復するのだが


あゆむ「余所見は駄目だよ?」

杏子「てめえッ!!」

ほむら「杏子!落ち着いて!」


あゆむの挑発的な言動に感情的になった杏子が力任せに槍を振るう、あゆむがそれをタンバリンで受け止めたと同時に6人の杏子が取り囲んで槍を突き出そうとしたが

なぎさ「やられたのがさやかで良かったのです!」

さやかff「どういう意味だ!」


あゆむ『リン・ビット!逝っちゃって!』


上空からビームの洗礼を受けて全ての分身が消し炭となり、槍を蹴りで弾いて体勢を立て直して睨み合う


あゆむ「残念、私の魔法は戦闘に関しては無敵って言われてるんだ」

杏子「はん!随分と自信満々じゃねえか!」

ほむら「本当に止まるつもりが無いと言うなら…………」

あゆむ「邪魔するの?だったら手加減してあげないよ?」

杏子「もうこっちも手加減してやらねえよ、死なないように必死になんな」ジャキ

ほむら「貴女に誰かを殺させたくはない……だから!」チャ

あゆむ「あゆむの邪魔をする!だったら私は――」

あゆむ「貴女を殺す」

さやかff「ここまでです、お疲れさまでした!」

>>807>>808>>809>>810>>811>>812>>813>>814>>815

コメントありがとうございます!

>>808

なぎさ「いえいえ、彼女が今回のラスボスなのです」

さやかff「魔女8体と魔法少女8人分の戦闘力、しかもゆきなちゃんの魔法は戦闘なら無敵とゴミウサギのお墨付き、と伊達じゃないよね」


>>809

なぎさ「まどかは空気な方がマシなんじゃ……となぎさは思ってしまうのです……」っ台本


>>810

なぎさ「えーっと……ノーコメントなのです!」


>>811

さやかff「誰かさんの濡れ場が前作で仄めかされてるんだな、これが」

なぎさ「濡れ場ってなんなのですか?」


>>812>>813>>814

さやかff「はい!そこにさやかちゃん追加でーす!」

なぎさ「どうせほっとけば元通りなのです」

さて大人たちは何人生き残れるか!?

乙です

乙乙
要するにワルプルとかヒュアデスみたいなものか
遠慮無く攻撃できないのがなんとも

戦わなければ生き残れない
戦っても生き残れない
マミ=サン強すぎねいかしらわざと負けた?

ほむほむとあゆゆのキャッキャッウフフクチュクチュを見に来たのに…おかしいなあ

もっと続けて下さい

クチュクチュはしてるよな主に血とかで

クチュクチュ(ポックル的な意味で)

こんばんは、再開します

支援


あゆむ「見せてあげる!これが私の戦術的私情調査《ソーシャル・マーケティング》!」パチン

ほむら『キュウベぇ!彼女の魔法は』

あゆむ「私語禁止!」パチン

ほむら「……途絶された!?」

杏子「関係ねーな!」ブン

あゆむ「サンフラワー・イージス!」ピモワッ


ガン!


杏子(分身)「貰った!」ボン

ほむら(ロッソ・ファンタズマで背後を取った!)

あゆむ『まずは後ろから一人』クル

杏子(分身)「うわ!」バキ

あゆむ『左右から挟み撃ち、サハスラプジャ!』パチン

杏子「読まれてる!」ダッ

あゆむ『前から分身が攻めてきて死角から本体、その隙に骨折している左側から黒いのが発砲……でそれを防いで安堵しているところに――』

ほむら「そんな……!」ダンダン!

キリカ「ヴァンパイア・ファング!!」ジャララ

あゆむ「最大防御!ドロップ・フルシールド!」バキィン!!

キリカ「あれで見切るか!」クル スト

あゆむ『さあ、三人同時にかかってらっしゃい!』

あゆむ『私を止められるのはあゆむだけ!私に勝てるのはあゆむだけだよ!』


かえで「流石見中の筆頭リアルファイターやな、葉月。暁美達の実力の程はよう分からん、せやけどあの数相手に殴り合いっちゅう発想がありえへん……」

葵「それよりさ、なんだか息苦しくない?」

あやか「私も……身体が凄くダルくて……」

支援


織莉子(生徒達からも感情エネルギーを吸出し始めた……?)

ゆうか「あ……れ?」バタ

つぼみ「ゆうか!?ゆうか!……起きてくださいえりか!いつも私より早起きじゃないですかぁ!」

織莉子(今、外でグリーフシードを持っているのはさやかさんとほむらさんだけ……そろそろ補給を挟まないと杏子さんの魔力が)

あゆむ『それは大変!じゃあまずはこのほむらって子を倒さなきゃ!』

織莉子「なっ!この距離で……!」

あゆむ『ちゃーんと分かってるよゆーまーちゃん!その人、まだ時間かかるんだね』

ゆま「う………」

あゆむ『じゃあ作戦は決まり!』

ほむら「ペラペラペラペラ、よく喋る!」

あゆむ『だって喋るのって楽しいもん!真似っこ・マネキン!』パチン

杏子「……土塊人形?」

あゆむ『シャイン・ダイナマイト!』ピカ


ボゴオン!!


キリカ「ぬお!?」バッ

ほむら「ぐッ!!」タン

杏子「ち……分断された!」ザザ

あゆむ『私情調査に基づいた戦略の組み立て、ちゃんと基本から!』

キリカ「目の前の土塊の形が変わる?……成る程、定番の苦手なものに変わるってやつだね」

ほむら「趣味の悪い……」チャ ガウンガウンガウン!

『バーリヤー!平気だもーん!』

支援


ほむら「そんな……」

まどか『酷いよほむらちゃん』

ほむら「…………魔法少女の――鹿目 まどか」

あゆむ『あなたの大好きな『鹿目さん』同窓会を楽しんでね!』

ほむら「ま……まど」

まどか「トゥインクル・スタッフ!」ボゴオン!!

ほむら「きゃああ!!」

まどか「さあ!ショータイムだよ!」タン

和子「ま、まどかちゃんッ!?」

まどか「うぇひひひ!和子先生お久し振り!」ヒラヒラ

仁美「まどかさんがほむらさんを攻撃なんて……そんな……」

恭介「こんなの、絶対おかしいよ!」

ほむら「あゆむ!本物のまどかはどこ!?」

あゆむ『私は貴女の知りたいことを全て知っています、しかしながら一つも教えて差し上げません』

ほむら(また人格が!)

まどか「ずるいよ、私の事も皆の事も見捨てて一人だけ楽しそうでさ!」ギュ ギリギリ

ほむら「……っ!」チャ

ほむら(……うっ)

まどか「スターライト・アロー!」バシュバシュ

ほむら「ぐっ!」タン

まどか『ほむらちゃん凄い!でも逃がさないよ!』バシュバシュ

中沢「連射型ホーミングレーザー!あいつの弓矢は悪魔の武器か!?」


キリカ「だが生憎!今の私に怖いものはなーいっ!!」ダッ

あゆむ「そうですか?」パチン

キリカ母「キリカッ!!」

キリカ「おおおおお母さん!?」ビクゥ

キリカ母「お母さんは悲しいわよ!よりにもよって女の子とあんなことやそんなことをしてしまうなんて……!」

キリカ「違うんだお母さん!待って欲しい!のばら!」アタフタ

キリカ母「うるさい!きさま はんらんぐんだな!」

キリカ「ヴァンパイア・ファング!」

キリカ母「 ウ ボ ァ ー !」

かえで「って秒殺かい!」

キリカ「偽物って分かってるのに怖がる理由なんてある訳ない!」

かえで「言い切りよったぁ!!」

支援


あゆむ「ええ、そこまでが計算通りという奴です」

キリカ(杏子もほむらもトラウマいっぱいありそうだしなぁ……)

あゆむ「私は『蝶の魔女』と呼ばれていた力の欠片、『微力』の性質と『調律』の魔法を使役します」

キリカ「え?あ、はい」

あゆむ「いやあ貴女の魔法は誠に素晴らしい!指定した対象の速度低下、それによる実質の戦闘力アップは計り知れないものがあります」

キリカ(ちぇ……読心魔法相手にどこまでやれる?)

あゆむ「なので貴女が一手を打つ前に、百手を打って貴女を落とす。それが私のやり口ですので」

キリカ「……タイム!」

あゆむ「どうぞ」

キリカ「織莉子ーッ!!」

織莉子(キリカ……ごめんなさい……ごめんなさい……!)ボロボロ

ゆま(泣いてる……あの織莉子さんが)

キリカ「愛してるよ織莉子!私は君が――大好きだぁッ!!」

かえで「あの人なに言うとん!?」

キリカ「タイム終了!さあ、かかってきやがれインテリ系陰湿女!」ジャキン

あゆむ「はははっ、建てたフラグはきっちり回収して差し上げますよ」フオン ヒュンヒュン カン

あゆむ「あ、私の武器はこれ『傘』です」トントン

キリカ「締まらないなぁ……」カクン

支援


杏子父「お前と言う奴は!よくも今日まで生きていたもんだ!」

杏子「お……親父……?」

杏子父「まだ私の娘を名乗るのか!?この魔女め!!」

杏子「な……!は、話ぐらい!」

杏子父「なんだと?お前が私に呪いをかけた結果なにが起きたのかを見て、まだ反省の色すら見せないのか!!」

杏子「違う!あたしはみんなが幸せになれたらいいって」

杏子父「何が違うんだ?おかげで私の言葉は人々に永遠に理解してもらえない!私の言葉に賛同する人々は全てお前の呪いで心を操られた人々なのだぞ!」

杏子「……うっ!それでも!」

杏子父「あのまま布教を続けていたら……もしかしたら、たった一人だったかもしれない……それでも『私の言葉』で誰かを救えたかもしれない」

杏子「で、でも!」

杏子父「ふざけるな!その可能性をお前は潰したんだ!!それも最悪の置き土産を残して!」

杏子「……あ……う」

杏子父「私の言葉は永久に残る!全ての人々に心に災厄の鎖として!私の名前は誰にも残る!最悪の洗脳宗教の首謀者として!!」

杏子父「お前のせいだ!足りない思慮で!浅はかな考えで!下らない善意で!……なのにどうして『今日』お前が笑顔で生きている!?何故笑って毎日を過ごせる!?」

杏子「……こ……この!!」ブン

杏子父「挙句には親に向かって武器を向けるだと!?」ガッシ

杏子「な……!?え!は、離して!!」

杏子父「お前という奴は!!恥を知れ、この――魔女め!!」バシン

杏子「あ……あた……しは……」ガクガク


ガランガラン


杏子父「お前こそが魔女だ!誰がお前に生きてて良いと言った!?」

杏子父「数多の祈りを喰いつぶし、善意の魂を貪り、暴力を振るい、生きる餓鬼になり果ててまで――誰がお前の生を祈るというんだ!!」

支援


杏子「魔……女?……あたしが……」

杏子父「答えろ!!何故お前は生きている!!死ぬのが怖いだけろう?違うか!この卑怯者め!それとも臆病者か!!」

杏子「ち……ちが……」ドサ

杏子父「生きていくための矜持も無く!罪を受け入れる覚悟も無い!なのにお前が何故生きている!!」

杏子「あ……あたしは……」

杏子(そんな……変身が……)バシュン


――どうしてお姉ちゃんだけ?新しい家族と楽しそうに……

――杏子、貴女はモモのお姉ちゃんなのに……なのに


杏子(な……モモ!お母さんまで……?)


――へー……ゆきなの居場所を奪ったの、本当にお前だったんだ

――お前は魔女だ!!そうだ、この穢れた血め!!魔女だ!魔女!魔女!魔女!魔女!魔女!


杏子「う……」


――目の前で困ってる人がいても心が痛んだりしないわけ?

――それってもう……魔女と変わらないよ

――あたしは後悔なんてしてないよ……なにもしないでいた方がよっぽど辛かった


杏子(さやか……!!)


――千歳ゆまは僕と契約したよ、杏子。願いは君を助ける事だ

――何を怒ってるんだい?彼女はさやかと同じ、魔女になることをちゃんと知って、合意の上で僕と契約したんだけど

――ああ、君のせいで契約せざるを得なかった……という言い方は実に的を射ているよね

――だって君がマミとさやかに意地を張ったりするからこうなったんだろう?


杏子「う、うわああああああッ!!!――   」バタ


中沢「佐倉さん!!」

ゆま「杏子!?杏子ぉッ!!」

中沢「おいバケツ頭!このバリアから出せよ!!あのクソ野郎ぶん殴ってやる!!」

織莉子「あなたが行ってどうにかなる話でもないでしょう」

ゆま「…………」コオオオ

マミ「  」

えりか「うーん、もう朝ぁ……?」

つぼみ「えりかぁッ!!」ダキッ

えりか「うお!ちゅぼみぃ!?」


支援


ほむら「杏子!」

まどか『あーあ気絶しちゃった……杏子ちゃんももうおしまいだね』タン

ほむら「そんなこと!」ヒュオ

まどか『ほむらちゃんも楽になろう?今まで私達を散々苦しめといて今更咎を受ける気はないとか言わないよね?』クルン

ほむら「…………それでも」ガイン  クルン

まどか『それそれ!』ビシュビシュ

ほむら「……っ!」ドスドス

恭介「回避しないで突進した!?」

仁美「ほむらさん!!ほむらさん!!」

あやか「た……対話するつもりなの?」

まどか「え」


ほむらの右肩と腹を、まどかの矢は確かに貫いた。だがほむらはそのまま接近し、両手でまどかの肩を抑えて空中に浮いた近場のソファーへと押し倒した

そのまま馬乗りの状態になって――それでもまどかに手を下そうとしないほむらと、その行為に苛立ちを覚えたまどかは


まどか「甘いよねぇ!ほむらちゃん!」ボウ

ほむら「痛ッ……あッ!!」ドズゥッ


発現させた矢じりでほむらの脇腹を貫き、そのままぐりぐりと肉を抉る……それでもほむらはまどかを優しく抱きしめる、血が溢れ出るのも激痛が走るのも構わないでこれまでに無い、優しい口調で語りかける


ほむら「まどか」

まどか「は、離してよ!!」ギュウウ

ほむら「うっ!……この世界には本当に魔法があるって、そう教えてくれたのはまどかだよ」

まどか「それが……魔法少女に向かって、言うこと!」グリグリ

ほむら「ぐうっ……!まどかのくれた魔法が今でも私に残ってる……ッ!挫けそうな時も、辛くて逃げ出したい時も、どんな時でも――私に必要な最初の力を与えてくれる!」

まどか「違う!これは科学!キュウベぇが私たちに与えた英知の結晶だよ!」

ほむら「それでも……あるんだよ――魔法はある」ギュッ

まどか「そんな気休めで!憎しみは止まらない!」ボウ

ほむら「それでも!」

まどか「だから、ガンダムじゃない!」ドズゥッ!

仁美「二本目!?ほむらさん!!……あ」フラァ

恭介「志筑さん!」

ほむら「ああッ!!……ぐッ!!――それでも!私は……貴女と……皆から……貰った魔法を……」

まどか「それで!死んだ人の魂は救われない!分かってるくせにッ!!」ギリギリ

ほむら「ぐっうぅ……!――それでもッ!!」

まどか「!!」ビク

まどか(内臓が潰れて、吐血してもまだ痛覚遮断を使わない!?)

支援


ほむら「私は……!生きてるッ……!!だから!」グッ

まどか「え……」

ほむら「『それでも』って……言い続けなきゃ、いけないから」

まどか「…………」グッ

ほむら「う……ッ!ガンダムとか……なんでもいいの、『それでも』シンメトリーを感じたのなら……分かりあえる……そんな小さな奇跡から、私たちは分かりあえる!」

まどか「それが絶望だよ、あの子の」プイ

ほむら「教えてくれたのも、あの子なの」

まどか「……」

ほむら「……きっと貴女は、私の弱さ……その象徴……なんでしょ?」

まどか「これ、そういう魔法だから」

ほむら「まどか……ううん、鹿目さん」ゴソ

ほむら「死んだ人はね……何も言ってくれないの」っデザートイーグル

まどか「…………うん」

ほむら「どれだけ悪い事をしても、貴女の願いを冒涜しても……貴女を傷つけて逃避しても……」チャカ

まどか「どれだけ自分が傷ついても、どれだけ頑張っても……どれだけ尊い祈りを捧げても」

ほむら「今は……『それでも』しか言えない、よ」グ

まどか「…………それでも(ガウンッ!!

まどか「  」パラパラパラパラ

ほむら(ありがとう……けど――それを聞いてしまったら、私は……)ギュ

和子「  」フラァ バタ

太田「おおう!流石に首から上が吹っ飛ぶのは……ましてや見た目だけでも教え子同士だってんだ……無理もない」

ほむら(傷は……感覚を遮断してもどうにか普通に動ける……これなら!)

支援


キリカ「全く……」ボロ

あゆむ「プリズン・メランコリア」カン!


バチバチバチバチ


キリカ「……告白しといてよかった」バタ

あゆむ「これから貴女を取り囲んでいるエナルギー球体を一斉に爆発させます、なので仰向けにひれ伏すことを勧めますよ」

キリカ「…………優しいね」ゴロン

あゆむ「あくまでこれが、彼女の捧げた祈りです」カン


ズドオオン!!!


ほむら「呉さん!?」スト

キリカ「  」

あゆむ「どこまでも甘い子達ね」ヒュン

中沢「フレイル?あんなので殴られたら!」

ほむら「あゆむ!!」ガン

かえで「信じとったがやっぱりゴルフクラブかい!」

ほむら「……この!」ギン

あゆむ「もう貴女の力など及ばない!!私の復讐は止められない!!」ビュン

ほむら「それでも!貴女には誰も殺させない!」ガァンッ!

あゆむ『だったらなぎさの魔法に倒されるのです!』クルン

ほむら「ラッパ!?」

あゆむ「すぅ……」<プ~♪


ボコボコボコボコ


ほむら「シャボン玉に囲まれた!?」

あゆむ『セイント・バブル!』パチン

ほむら「な――」


ドゴオンッ!!


あゆむ『体を低くしてあたしの後ろに回った、正解だ!』

ほむら「生憎ね」

あゆむ『さあ!私を満足させてみなぁッ!』

ほむら「……この!」


さやかff「はい、ここまでです!お疲れさまでした!」

さやかff「やっぱ精神攻撃は基本だね!」

>>842>>843>>844>>845>>846>>847>>848

コメントありがとうございます!

>>844

なぎさ「ELSクアンタ一歩手前な印象なのです……」

>>845

なぎさ「マミが不意打ち以外で負けるわけがないのです!」

>>846

なぎさ「ありがとうございますなのです!」

>>848

あっ あっ

乙です

これ、会場の一般人の記憶まとめて消さないと
少なくともほむほむは社会復帰できないだろうなあ


二度目のほむらvsあゆゆは最弱の魔法少女vs最強の魔女になったか
読む側からすればアツい展開だが さて

これはほむら覚醒フラグか?

私はほむほむ派ですって言っていた可愛い子は何処へ

こんばんは、再開です

支援


えりか「そうだよ!ここから逃げなきゃ!だって魔女は――」

織莉子「またお眠りしたいのかしら?」

えりか「ち、近寄らないで!逃げるよつぼみ!」

つぼみ「え、えりか!?」

織莉子「残念」ボウ

えりか「す、水晶玉!いやああッ!」

つぼみ「待って下さい!えりかがこんなに怖がるのは、理由があるはずです!」バッ

えりか「つぼみ駄目だよ!殺されちゃうよ!」

織莉子「ええ、そうよ。その子が怖がるだけの理由がある、だから全員にそれを知られる訳にはいかない」

つぼみ「でも、それを一人きりで抱えるのってきっと苦しい事です!だから……私もその怖いのを背負います。それでえりかが落ち着いたら攻撃しなくてもいいですよね?」

織莉子「……周囲の人間に、決して知られてはなりません」

つぼみ「あっ――はい!」

えりか「つぼみぃ!」ガバッ

つぼみ「えりか……!まずは落ち着きましょう、それから……ね?」トントン

えりか「うん……」

QB「やれやれ、これだから説明するのは嫌なんだ」

織莉子(とりあえずこの子が衝動的に契約する確率は減るでしょう、これで)

なぎさ「もうやってらんないのです!なぎさは飲むのです!」

さやかff「おいおい……」


あゆむの武器がトンファーに変わり、ほむらも右手にグラブと左手にナイフを逆持ちした二刀流へ


あゆむ『良いよねぇッ!そうだよ、心が踊る……こんな闘いを待っていた!』

ほむら「!」


ほむらの下半身を蹴りで集中的に狙ってバランスを崩し、一瞬の隙を狙って拳が走る

走った拳を全てすんでの所で躱してはいる

だが、それ以前の読みあいでほむらが僅かに負ける


ほむら(……っ)


とにかくあゆむの動きが読めない……これは対人格闘経験の差だ

踊るようなステップで遠心力の乗せた蹴りを放ち、防げばガードの裏からトンファーの打突で貫きに来る

台風のような連続回し蹴りの後、攻撃の手を不意に止め、慣性も完全に殺してからのレッグバズーカ

ほむらがそれを避けた所ですぐさま飛び込み掛けに派生させて来たりと、交えてくる格闘術には流派も節操も無い

無茶苦茶な動きの組み合わせで隙を作り、虎視眈々と必殺のストレートを狙いに来る

迂闊な反撃をして、それがもし読まれでもしたのなら……魔法少女も一発でダウンする強烈な一撃を貰ってしまうかもしれない

だが下手に距離を取れば影の触手やビットに集中砲火を受けてしまう、かといって殴り合いでは確実に一手ずつ読み負け、じりじりと詰将棋のように追い込まれていく

ほむらの背に壁が来てしまえばそれまでだ、打つ手なんてない

なぎさ「ジネステ・プレステージ……ふふふ!これとチェダーチーズで一本開けてやるのです!」

さやかff「おーい、あたしら神様もどきとは言え未成年だぞー」


かえで「アカン!アカンって!見てるだけ怖いわもう!」

中沢「葉月は柔術主体の縛り無し《アンチェイン》暁美は……独自流派のソバットか?」

かえで「よう分かるなあんた……」

あやか「ソバットって確かゆきなちゃんの技じゃ……」

中沢「競技名で言ったらシャッセール・キックボクス。フランス流キックボクシングって事だな」

かえで「独自流派ってどういうことなん?」

中沢「ガードブレイク判定の足技で隙を作って拳で決める……ってのがソバットのセオリーだな」

かえで「お、おう」

中沢「ソバットの蹴り技は防いでも一本になっちまうんだ、だからその蹴りを主体にした読み合いが始まる。確実に一本取りたいなら蹴りの隙間に入り込んで拳で一発が良い」

かえで「さよか」

中沢「ここから普通のキックと違う所でな、ソバットは膝蹴りが禁止なんだ。だから懐に入られると絶対殴り合いになる……だがもしその飛び込みを見切って蹴りを放てば……この間合いの取り合いがソバットの醍醐味だな!」

かえで「成程、つまり暁美はそのソバットの拳の所を武器に取り替えて使うとるわけや」

中沢「だが一つ問題があってな……葉月の喧嘩相手だったゆきなちゃんの格闘技がソバットなんだ」

かえで「対戦慣れしとるっちゅうことか!」

中沢「地区大会なら余裕でベスト4の実力者だったんだよ、ゆきなちゃんは……」

かえで「は、葉月ってそいつに……」

中沢「……ダイヤグラムで言うなら大目に見て8対2だったな」

かえで「あかんやんけ!」

中沢「暁美がやられないのは凌いでるんじゃない、葉月が左手を怪我してるからとどめの一発だけは分かるんだ」

かえで「み、右ストレートの一点読みで耐えとるんか……」

中沢「遊んでるぞ、あいつ」

なぎさ「あ?!この口に残ったチーズをワインで燻らす感じが良いのです!」

さやかff「ごめん、分かんないや」


数人の生徒達と魔法少女が見守る殴り合いは遂に均衡が崩れた

あゆむの蹴りがほむらの脛を打ち、バランスを崩してよろけたほむら目がけ、一瞬で具現化したレイピアを首もと目がけて突き出した


かえで「暁美ッ!!」

あやか「きゃああああッ!!」

ゆま「ほむらお姉ちゃん!!」


しかしほむらの苦し紛れに振るったゴルフクラブがあゆむの太ももを捉えて姿勢を崩し、放たれた突出しはほむらの首の僅か左へそれて進む

生徒どころかゆまにさえも首を貫かれたかのように見えたそれが、ほむらの髪でよく見えなかっただけなのだと皆はすぐに安堵する


中沢「仕留めろ暁美!」


右の軸足を攻撃されて受け身の取れない左腕から崩れる、その隙に体制を建て直したほむらの反撃が始る

膝立ちのあゆむの胸辺りを狙った蹴りで攻め立て、立ち上がろうとしたところで右手のクラブを振り下ろして跳躍を強要、そのままクラブを捨てて自身も踏み込みながら連続の回し蹴り

上半身を逸らし、踊るようなリズムでステップを刻み、ほむらの髪が美しく靡く

その黒と対峙するような銀色のナイフの光に見ている生徒も息を飲む

あゆむもその連撃を一発一発確実に避けて、ついにほむらの蹴りに結晶を纏った自身の蹴りをぶつけて動きを崩す


ほむら「うっ!」

あゆむ『いただきますよ!』


あゆむが右手でほむらを指して指を鳴らす。すると青白い光線がほむらの右肩を貫き、血の赤が鮮やかに照らし出された


ほむら「っ!」


だがまるで肩など気にも留めず、距離を詰めて左のナイフを真正面から突き出した、しかしその攻撃は手首を直接掴まれて止められ


あゆむ「っ!」


掴まれた瞬間に手を押し込んで勢いをつけ、人差し指と中指でグリップを押し出してあゆむの顔目がけてナイフを飛ばした

なぎさ「往々にして、さやかは先輩であるなぎさに対して敬意が足りないのです!大体なぎさは??」

さやかff(始まった……)


それを避けるためにあゆむが舌打ちしながらしゃがんだせいで一瞬ほむらの顔が視界から外れ――何が起こるのかを予想するのと、それが起こるのはほぼ同時

ほむらのヘッドバットで地面に後頭部を打ちつけられた


織莉子「10、9、8……」

中沢「良いぞ!喧嘩空手だ!」

かえで「あかん!!暁美逃げや!!」

ほむら「え?――」


振り向いた先に居たのは――いつの間にかほむら背後に迫った数匹の働き蜂

その内の一匹が主人の敵を串刺しにせんと、その両手の銛を突き出す瞬間だった


ほむら「ッ!!?」


とっさに目を閉じて痛覚を遮断し、油断した自分を呪った


織莉子「2、1、0」


その時、突如として藍色の鎌鼬が舞って、働き蜂を粉々に切り裂いた


ゆま「やった!」

さやか「ラップル・ザ・セイバー――」バサァ

ほむら「さやか!」


ほむらが名前を呼ぶのと同時に、再び鎌鼬が吹き荒れる


さやか「アレグロ・コン・モート!」


マントで自身を覆い隠し、さやかの姿が消えた次の一瞬で、残った働き蜂は八つ裂きにされて消し飛んだ


さやか「悪いね、ちょいと手間取った!」

なぎさ「であるからしてガミガミ」

さやかff「あー……今回はここまでです、お疲れさまでした!」

なぎさ「聞いてるのですか!!」

さやかff「ははは……」

>>870>>871>>872>>873>>874

コメントありがとうございます!


>>871

さやかff「平然と重火器ブッパしてるしね!そのための杏子なんだけど……」

なぎさ「さやか!!」

さやかff「はいはい」


>>874

なぎさ「なーにがお口の恋人、なのです!!」

なぎさ「魔女なんてクソッタレなのです!!なぎさはなぎさとして、回想でもいいから出番が欲しかっただけなのです!!」グビグビ

なぎさ「《あゆゆの人格A》とか扱いがあんまりなのです!しかもなぎさの魔法も使い魔も全っ然役に立ってないのです!!」

なぎさ「なんなのですかあのゆまとかいう子!あんな子、理っちまえば良いのですっ!!」

さやかff(次、いきなりあたしらの出番があるんだけど黙ってよう……)


>なぎさ「あ?!この口に残ったチーズをワインで燻らす感じが良いのです!」
わかってるじゃねーかwww

乙です

こんばんは、再開します

今回も超展開です

これまでついてきてくださった皆様なら多分平気だとは思います……思うな……思うよ……?

さやかff「なーぎーさ!出番だよ!でーばーん!」

なぎさ「うっせーのです!!なぎさに構うななのです!!」グビグビ

さやかff「あー……もう……」


~???~


さやかff「おーい起きろー」


何者かの声に呼ばれ、さやかは目を覚ました。背中をべったりと地面につけて倒れ込んでいたようだ

薄い桃色の雲に覆われた空、天辺が見えない程背が高く、枯れかかった森のような緑色の本棚、本棚にはその高さを配慮したのか階段と足場がそこかしこについている


さやか「んー……知らない本棚、つーか図書館……ってここどこ!?」


自分が全く知らないその景色にようやっとさやかが驚いて飛び起きた


さやかff「うーん……要するに集合無意識の中って所なんだけど」


そして自分を起こした声の主になおの事驚くこととなる。

白いマントに藍色の甲冑のような衣装、水色の髪をアンシンメトリカルショートに切りそろえた少女は紛れもなく自分だった。唯一違う所はffマークの髪飾りを付けている事ぐらいだろうか


さやか「はあ?ってあたしが居る!?え、やだ!しかもしっかり魔法少女のままだし!?」

さやかff「あ、あれだ!コーラリアンの中!あー……でもイデのが近いか 」


こちらが慌てているのを無視し、少女は今の状況をさやかにだけなんとなく伝わるように説明した


さやか「コーラリアン……あー、このノスタルジックな感じは言われるとそうかも」

さやかff「じゃあこの現象はアクペリエンスって名付けようか」


噛み合ってないようで意味が通じ合う、という自分同士だからこそ取れるコミュニケーションを少女が持ちかけてくる


さやか「アクペリエンスねぇ……って!もしかしてあたしお亡くなりになられちゃった!?」

さやかff「二歩手前って所、死の際の自己啓発セミナーみたいな物だよ」


死の際?自身に何があったのかをさやかはうまく思い出せない、それでもさやかにとってその単語はわりかしすんなり受け入れることが出来た

――何をドジッたのか知らないけど良かったね……と、まるで他人事のように自分を慰めた


さやか「こう言う時はまどかが来ると思ってたけどなぁ……」


これは率直な感想……さやかにとってまどかはもっとも秘密を共有し合えた人間だと言っていい、その逆も然りだ

片方だけが知っててもう片方が知らない事なんて、数えても大した数にならないまであるとすらさやかは思う


さやかff「はははっ!一つの世界に同一の魂は存在出来ないって縛りがあるんだよね!」

なぎさ「……あー!っまい!」

なぎさ「カマンベールチーズの外の皮めちゃウマなのです!」


さやか「んで何?『けんをおさめ たえるのだ』とか暁の12戦士がどうとか始まるわけ?」


やはり噛み合っては居ないが意味は通じたらしく、少女は一瞬目を伏せ、しかしはっきりとさやかの目を見て問いかけた


さやかff「あんたはさ、魔女……ううん魔法少女のシステムその物についてどう思う?」

さやか「どう?って言われても……」


ここで初めて会話が通じない……というより相手の考えが読めなくなった

同じ自分のはずなのに不思議だ、もしかして本当の気持ちを自分でも押し隠しているのだろうか?


さやか「そりゃ、魔女の話は胸糞悪いし、嫌な事も一杯あるけど」

さやかff「あんた自身は後悔してない訳だ」


言い当てられた


さやか「あたしは魔女になるって知ってから契約したしね。割り切れてるつもりだよ、多分まどかも」


契約しないでいることがどれだけ辛い事なのか、想像もしたくない……でもまどかだって、戦うことがどれだけ怖いのかなんて想像もしたくないだろう


さやかff「じゃあなんで今、自分が死に際なのか覚えてる?」

さやか「え?…………あ!そうだ!あたし!」


映像が鮮明に蘇る

迫りくるひまわり、それを回避しようと魔法で動き回る自分、最後は大量のひまわりに押しつぶされて……そこで意識が途絶えた


さやかff「そ、その傷の修復に魔力を使いすぎて魔女になる一歩手前なんだよ、あんた」

さやか「でもあたしはグリーフシードを持ってる!すぐに戻って――」

さやかff「殺すの?」


今度は自分の意見を言い当てられることは無かった


さやか「……んなわけ無いでしょ」

さやかff「相手が強すぎて手加減出来る自信が無い?」


そして今度はしっかりと言い当てられた、自分でも声色にちょっと自信の無さが滲み出ているとは感じていたが

なぎさ「えーっと……ミッシェルリンチは……あったのです!」

なぎさ「うーん、付けてからかじるのも良いのです!」


さやかff「今のあゆむがどんな状態か分かる?」

さやか「……魔女に乗っ取られてる……だから」

さやかff「いや、あれはゆきなの魔法……魔力自体は埋め込まれたグリーフシードで賄ってる。けど、魔法と人格はゆきなの持つ『感応』の魔法で模倣してる」

さやか「やっぱり……ゆきなちゃんは……」

さやかff「障害者だから?」


やはり会話が通じ合う、まったく噛み合わないのに


さやか「……」

さやかff「あたしも最初に知ったときはキュウべぇをぶっ飛ばしてやろうと思った……でもどれだけの犠牲を払ったとしても、ゆきながあゆむの本当の優しさを知るにはあれしかない。ゆきながあゆむに自分の気持ちを届ける結末はああでなければ訪れない」


それはさやかにも分かる。小学校卒業間近、ゆきなは《普通の》生徒とほとんど変わらない立ち振る舞いをして見せていた

誰もが『奇跡』だと言ったそれは、今となってはこんなにもきな臭い話であった……というより、ゆきなが願うのなら『それ』しかないと思った

『それ』になら、ゆきなは魂をかけることを躊躇ったりはしないであろうことが、こんなにも簡単に想像できる


さやかff「そしてあたしは円環の理」

さやか「……は?」

さやかff「とある平行世界のまどかの願いだよ 『全ての魔女を生まれる前に消し去りたい、過去と未来、あらゆる世界の魔女を、自分の手で』 結果としてまどかを人柱にしてこの宇宙には新しい概念、円環の理が生まれた」


少女は突如としてさやかの分からない単語の解説を始めた

何よりもさやかが気に入らなかったのは、自分の知らないうちにまどかが願いを決めていたことかもしれない

なぎさ「あれ……?でもなんでこんな所に赤ワインのミシェルが置いてあるのです?」

なぎさ「んー……うまいから良いのです!」


さやかff「過去、未来、全ての宇宙における魔法少女、その最期は消滅による救済……魔女として人々に災厄を振りまく前に、因果から離脱することで平穏かつ安らかな『死』を迎えることが出来る、それが――円環の理」


いつかまどかに向かって自分が語って見せたことが胸中を駆けた


さやかff「その代償は鹿目まどかの存在そのもの。まどかが全ての人間に認識されない存在と成り果てる事」

さやか「それって……」

さやかff「そ!まどかは絶望に沈む魔法少女を労う神様になった」

さやか「……っ!」


さらりと恐ろしいことを言ってのけ、しかも明るく振舞って見せる

自分と同じ姿をした少女に嫌悪感を覚えたさやかは今すぐにでも目の前の少女をぶっ飛ばしたい、という気持ちが浮かび

待て……話の続きを全部聞いてからでも遅くは無い、と自分を宥めた


さやかff「まどかを認識出来るのは最期を迎える魔法少女だけ…………ま、天使とか死神とか、人によって捉え方は違うけど」

さやかff「ようするに三途の川の魔法少女版ですわ」


あまりにも達観していて、まるで自分だけが答えを知ってるかのような態度を取る少女にさやかもたまらず大声で言い返した


さやか「…………だったら変だよ!!あたしはまどかを知ってる!まどかは今、あたしたちと人間のまま生きてる!」

さやかff「話を聞けっての……けど、大事な所に気が付いたね」


さやかの頭を小突いて、少女は緑の本棚から一冊の本を取り出し、それを手で弄びながら話を続ける


さやかff「これは並行多元宇宙の仕組みなんだよ、まどかが契約したことで『円環の理が生まれた世界』と同じ数だけ『円環の理が生まれずに明日を迎えた世界』が生まれる」

さやか「は?……え?」


ふらふらと何かの舞を踊りながら歩いて今度は赤い本棚へと向かい、また一冊の本を取り出して振り向き、今度は青い本棚へと歩いて向かう


さやかff「知的生命体が『可能性を認識する存在』である限り、認識しうる可能性の数だけ並行世界が出来ちゃうんだよ」

さやか「それじゃあ――」

さやかff「だーかーら!聞けっての!」


一切さやかの方を向くことなく、また本を一冊取り出して語る

なぎさ「んー……そろそろお酒以外も飲まないと肝臓に悪いのです」

なぎさ「おほ!ポカリが丁度良いところに!」グイッ

なぎさ「はえ?……急に頭がポーッとなるのです?」ドテン


さやか「!」

さやかff「これについてはキュウべぇが嘘をついたわけでも何でもない『まどかが認識出来ない世界』は『まどかが言う全ての宇宙』に含まれないっていう単純な話だから」


右手に緑の本を、左手に青と赤の本をそれぞれ持ってさやかに向き直った


さやか「屁理屈だよ!」

さやかff「はぁ……良い?この本棚が宇宙、そこに収められている本がその宇宙における命と情報……で、まどかー!ちょっと来てー!」

さやか「!」

まど神「なぁに?」フヨフヨ

さやか「まど……か……?」


舞い降りたのは白いゆったりとした衣装と大きな翼を持ったまどか……さやかの知るまどかとは……何かは分からないが、何かが違う


さやかff「そこの本棚さ、なんか変みたいなんだけど」

まど神「んっと、これ?……何か変かな?」

さやか「え……?」


少女は緑色の本棚を確かに指差した、しかし翼の生えた少女はその隣の赤い本棚を触って調べ、少女もそれに何の疑問を持つことも無く会話に相槌を打っている


さやかff「そうかな?」

まど神「もう!からかってるでしょ?」

さやかff「あれー?気のせいかな?」

なぎさ「ふへー……飲み過ぎたのですー……」


さやかff「じゃあ、これどう?」


両手に持っている本を翼の生えた少女に向かって掲げて見せ、調べるように促した


まど神「うーん……?やっぱりなんにもないよ?」


やはりというか、明らか右手に持っている緑の本を無視して左手の本を見比べ、異常なしと判断してしまった

そして少女がさやかの方を指差して


さやかff「あ、ついでに聞くけどあそこに何が見える?」

さやか「まど――」

なぎさ「むべー……」

まど神「あぁ!なぎさちゃん!またワイン飲んで酔い潰れてる!!」パタパタ


翼の生えた少女はさやかの後方で酔いつぶれている女の子に向かってフヨフヨと近づき、お腹を叩いて話しかけだした


なぎさ「バッキャロー!ッキショーめぇ!!」

まど神「もー……後で頭痛で泣くのはなぎさちゃんだよ?」

なぎさ「うっせーのです!もう奇跡も魔法もねーのです!飲まなきゃやってらんねーのです!」

まど神「もー……ほら、お部屋行こう?」

さやかff「頼むよ、あたしはここら辺のチーズとか片して行くから」

まど神「うん、お願いね」ダキ

なぎさ「うー……あれ?さやかが二人いるのです……?」

さやかff「ほら行った行った、あんまふざけた事言ってるとフォークで刺すよ?」

まど神「さやかちゃん……」

なぎさ「うぅ、チーズになっちゃう……の……です」カクン

まど神「ちょっと!おへそ見せたまま寝たら風引いちゃうよ!」

なぎさ「さやかには絶対言われたくないのです……zzz」

さやかff「あたし言ってないし……」

まど神「ごめんね、あとお願い」パタパタ

さやかff「おう!任しとけー!」ス


ガキン!!

少女の背中目がけて思っきりにさやかは斬りかかったが、その一撃はマントの下の刀に止められた


さやか「な……!?」

さやかff「そうでなくっちゃ……力を見せなよ『変数値』」

まど神「はあ……」

なぎさ「zzz……」


さやか「くっ!」


両手でしっかりと剣を持っても、背後で……しかも片手で不安定に構えている少女の刀を押すことが出来ない


さやかff「出し惜しみはしなくていいよ、どうせあたしには勝てないから」

さやか「舐めるなぁ!!」


刃を弾いて距離を取り、二刀流に持ち替えたのち再び斬りかかった

全ての斬撃を鞘の付いたままの刀で軽く流し、少女はそこから微動だにしない


さやか「だったら広範囲攻撃!キール――」

さやかff「ローレライ」


二人の体が激しい衝撃波と超音波を発してぶつかり合い、どちらにダメージを与えることも無く対消滅した

何よりも不思議なのは周囲の本棚はおろか、今少女が左手に持っている三冊の本にすら傷がつくことは無かった


さやか「ノイズキャンセリング……」

さやかff「……で、おしまい?」

さやか「…………なんで」

さやかff「あたしは美樹さやかの集合体、勝てないのは無理ないよ」

さやか「…………どうしてまどかがあの本棚に気が付かないの?」

さやかff「円環の理があの世界で機能しないから、考えられる理由はいくつかある」


少女が緑色の本棚からもう一冊本を取り出し、赤と青と緑が二つ……それらをお手玉のようにして遊びながら語る


さやかff「一つ目はまどかがそもそも誕生しない並行世界である可能性……でも、これだとあたしらにもその世界を認識できないことになる」

さやか「……」


あたしら、と言うのは円環の理そのものを指すのであろう


さやかff「二つ目はまどかが『変数値』である可能性、要するにまどかの力が円環の理を上回っているせいで、こちらの改変よりもまどかの『願い』が優先されるってこと……これは状況によるけど他の神様経由で情報が回ってくることがある」

さやか「その場合もまどかは認識出来ないって事?」

さやかff「っても大体そういうのは分史世界……つまり最後は魔女となったまどかの力で宇宙ごと消滅することでつじつまが合ってしまう、そして同じ歴史を歩んできつつも円環の理が干渉して改変した世界が産まれる」

支援


宇宙が消える……ほむらやQBから聞いたまどかの魔女の力は精々地球の生物を根絶やしにする程度だったはず、ほむらは体験談でQBの方は予想とは言え的外れは口にしない筈だ


さやかff「この場合はまどかが居るのに円環の理があるっていう変な世界が出来ちゃうんだよね」

さやか「それって一番良いんじゃ……」

さやかff「代わりにどこかが必ず歪んでる、宇宙の寿命が短かったり、何かが足りなかったり、へんな侵略者がいたり」

さやか「……」

さやかff「何よりも、まどかが祈りを捧げる事無く終わってしまう可能性がある……だから歪んで、不安定な世界」


寂しそうな目をした後、ちょっと自嘲気味に呼吸を置いて


さやかff「ま、神様の代わりがいたりするんだけどね、悪魔とか」


お手玉を止めて本を片手に積み重ねた、上から順に赤青緑緑


さやかff「三つ目があんたたちの世界の事例、複数の『変数値』による因果改変によるもの」

さやか「変数値って何よ……」

さやかff「例えば『美樹さやか』と『鹿目まどか』は15歳になれずに現世から離脱しなければならない」

さやか「え……?」

さやかff「ほむらが何度時間を繰り返してもまどかを救えないのは力が足りないからじゃない、14才がまどかの天寿だから……もっとも、その末路は決まってない」


言ってることの意味が分からない、自分が過ごしてきた時間は全て幻とでも言い張るつもりなのかもしれない


さやかff「ある時は魔女に殺され、ある時は不慮の事故で、またある時は神様として……それは美樹さやかも同じ」


まるでアニメのお話をしているような軽さだ、さやかの考えている命はそんなに軽いものではない


さやか「おかしいよ!だってあたし、今生きてる!15歳になった今も!」


今までの自分が嘘だなんて言われたらたまったものではない、そんな憤りが声色から容易に窺えた……だからなのか、少女の声と表情は崩れない

不気味なまでに朗らかなその声は、インキュベーターと同種の不気味さを内包していて……でも、母親のような温もりも感じさせた

支援


さやかff「ここにある二冊はどっちもあんたの本だよ、最後の方を読んでごらん」


左手に赤と青の本を持って差し出し、眼だけで読めと促した、さやかも黙って受け取りそれを読んだ

赤の本では魔獣との戦いで恭介のヴァイオリンのコンサートを守るために魔力を使い果たして消滅し、青い本では魔法少女同士の戦いの最中、仲間を守るためにその命を散らしたさやかがそれぞれ描かれている

それらの事がちょうど一番最後のページに記されていて、まるであらかじめ決められていた物語であるかのような、そんな感覚にさせられた


さやか「……」

さやかff「それが『アカシックレコード』 存在が始まると同時にその結末までもが作られる」

さやか「……あたしも決まってるの?」

さやかff「決まっていた」


た、を強調して言いながら差し出したのは緑の本、翼の生えた少女には見えなかった本


さやかff「あんたが知っている方のまどかの本……最後のページに誕生日会の様子が書いてあるよね」

さやか「でも……物語が終わってない」

さやかff「そう、けどページが無い……つまりまどかは天寿を越えて生きている」

さやか「……」

さやかff「そしてこれがほむらの本……見たい?」


最後の一冊となる本が自分で無いのは意外だった


さやか「…………うん」


それでも手渡された本をめくって読んでみる

そしてすぐに分かった、これまで見たどんな本よりもそれは異質で、かけ離れていて……暖かくて、なによりも嬉しかった


さやか「ほむら……」


そこには、見開きを一ページ使って描かれた二つの手

右側の手は僅かに見える袖口からして見滝原中学の女子、左側の手はヒラヒラの付いたグローブを付けている、次のページでそれは魔法少女のマミさんの手に代わり、その次のでは見滝原中学の制服の手に代わった

数ページめくって、右側の手の甲に菱形のソウルジェムが現れて、袖口もほむらのものになっていた

――何ページもめくって、さやかの目頭が熱くなる。胸の中から、何か温かいものが裂いて出てきそうになる

支援


さやかff「ぷっ!泣くほど?」

さやか「だって!こんなの……!」


どれだけめくっても手を繋ぐ二つの手、片方は絶対ほむらの手、もう片方は杏子であったり、さやかであったり、見滝原中学の制服であったり、詢子さんと思しきスーツだったり……

そして突然絵が変わった。見滝原中学校の校門の前でクラスメイト達が集まって集合写真を撮っている

真ん中にほむらがいて、周囲にまどか、さやか、杏子、仁美……ちょっと目線を逸らして、非常に恥ずかしそうに顔を若干赤らめて……でも、すごく嬉しそうに『その子』も笑っていた


さやか(これ、裏でほむらの髪掴んでるでしょ)


『その子』の左手がしっかりほむらの方へ伸びているのが見えた、皆の裏側を通ってこっそりと……


さやかff「変数値って皆こんなんなんだよねー……どんな宇宙でも一人ぐらいはこんな奴がいる」

さやかff「アカシックレコードに縛られず、宇宙を統べる意思への叛逆を許されている存在、答えを持って結果を持たない――それが『変数値』」

さやか「ほむらが変数値だからあたしとまどかが生きてる……そういうこと?」

さやかff「それが半分……言ったよね?複数の変数値による因果改変だって」

さやか「複数……?」

さやかff「覚醒しているのはまだほむらだけ、けど最終的に4人の変数値が現れる」

さやか「あと3人……」

さやかff「で、あんたはどうする?」

さやか「どうするって?」

さやかff「最初の質問、ちゃんとした答えを貰ってないんだけど」

さやか「……?」

さやかff「あった方が良いと思わない?『円環の理』」

まど神「よし!なぎさちゃんは部屋にぶん投げて来たし……」

マミ「あら、鹿目さん!もし暇ならお茶でもいかが?」

まど神「わーい!行きまーす!」


もちろん、どんな魔法少女にとってもそれがあった方が良いに決まっている


さやかff「誰かを呪うことも無く、絶望に苦しむことも無い、自らの祈りに殉じて死ぬことが出来る……そんな世界、良いと思わない?」

さやか「……何が言いたいの?」


けど、コイツはインキュベーターと同じ……命を命と思わない


さやかff「このままあゆむがゆきなの魔法で魔力を使い続けたりすれば……あゆむの心が物理的に壊れる」

さやか「は?」

さやかff「あんたには『クダンの限界』って言えば通じるのかな?」

さやか「……からかってるの?」


最初のコミュニケーションを思い出す、噛み合わなくとも意味が通じる、これはそういう会話だ

つまりあの子の脳みそに記憶という情報が集まりすぎて壊れる、ということだろう


さやかff「あゆむは今、ゆきなの魔法で人間の思い出と夢、絶望をかき集めて、自分の中で魔女化に似た相転移を起こしまくっている」


それが、あれだけの魔力を確保する手段


さやかff「知性の無い魔女には出来ない、器の限界を定められている魔法少女では呪いを受け止めきれない」

さやか「魔法は魔法少女の……魔力は魔女……だから器は」


『人』の心


さやかff「そう、絶望を呪いとして受け止めるには人間が持つ知恵の実が必要になる」

さやかff「でも、普通の人間がそれだけの量の呪いを受け止めたら……きっと絶望に飲まれて希望なんて見えなくなる……ま、鬱病ってやつ?」


そうなれば希望と絶望の相転移なんて起きないはずだ、希望なくして絶望なんてありえない


さやかff「人間は生命の実を持っていない……だから本来ならその心はタナトスに飲まれ、ガフの部屋への回帰を望む」

さやか「ならなんで!」

さやかff「杏子の魔法」

さやか「え……」


――親父の話をみんなが聞いてくれますように


……全てのピースがさやかの中で埋まってしまった、もしそうならゆきなちゃんの魔法があいつの心を壊してしまう


さやかff「いずれにしてもこのままじゃあいつは脳みそを壊される、そうなればあんたの魔法でも治せない……怪我を治したってきっと心が壊れたまま、一人で立つことのできない人間になる」

さやか「それって……」


何を失っても……それこそ、宇宙と天秤にかけたってゆきなが取るであろうその『絆』を

……誰よりも純粋な心で願ったゆきなちゃんの祈りが破壊する

愛を分かるための力が、優しい祈りを救いのない呪いへと変える

支援


さやかff「死ぬことが出来たら安い方だね、植物人間なんてオチの方がマシに思えるかもしれない」

さやか「そんなことさせない!助ける方法は分かってるんだ!」

さやかff「……でも、もし魔女がいなければ?」


そう、最初から魔女が居なければ……魔獣ならそんな真似は出来ない

人の優しさを、心を、愛を弄ぶ存在をまどかは許せなかった


さやか「あんたねぇ……」

さやかff「魔女のいる世界を望むのってね、そんな結末を良しとすることだよ」


でもまどかは……そんな少女の祈りを『良し』とする世界が欲しかった

全ての少女たちの祈りを赦す為には、まどかの存在が必要にる……だからまどかが神になるしかなかった


さやか「…………」


それでも、さやかの答えは決まっていた


さやかff「あたしは円環の理、魔女の存在を良しとしない、神の意志を実行する者」

さやか「……そっか、つまりあたしがまどかこう言えば解決するんだ」ギラッ


ガギンッ!!


さやか「絶対契約するんじゃない――って!!」

さやかff「……それでこそ」クルン

さやか「ッぐ!!」ドゴ

さやかff「あんたが選んだのは『戻れない明日』」

さやか「景色が遠くなる?……おい、待てよ!!」

さやかff「アクペリエンス1はこれでおしまい」

さやか「っ!まだ聞きたいことが……!」

さやかff「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」

さやか(体が沈む……う……意識が……!)

さやかff『勝てないことが逃げる理由じゃないように……弱い事は勝てない理由じゃない』

さやか(……ッ)

さやかff「そしてあんたは弱くない……あたしとまどかが見れない夢を――精一杯楽しんで」

さやかff「…………」

支援


リボほむ「随分長いお喋りね」

さやかff「隠れてコソコソ……趣味が悪いね、『独り言』って言ってくれない辺りが特に」

リボほむ「そう?貴女がバラルの扉を開けないように見守ってあげていたのだけど?」

さやかff「なぎさのワイン……何かしてくれたでしょ?」

リボほむ「秘密、何故かポカリが出てきたりしてたんじゃないかしら?……それよりも、あんな説明であの子覚えてるかしら?」

さやかff「……一応扉を開けないつもりでいたからね、あたしは変数値じゃないし」

リボほむ「そうね、折角の大ヒント……気が付かなかったようだし」

さやかff「けどここからが見ものだよ」

リボほむ「あゆむとさやか、どっちの変数値が先に覚醒するのか」

さやかff「あのほむらがどっちの味方をするのか、でしょ?」

リボほむ「まどかの味方に決まってるでしょ」

さやかff「もう!ノリが悪いなぁ!」

リボほむ「本当に残念なことなのだけど、どっちにしたって続きは――」

さやかff「パート2で!……いや~一本で終わらなかったね!」

リボほむ「一応、無いとは思うけど質問があったら受け付けるわ」

なぎさ「!すでのな」シュバッ

さやかff「復活早!?どうやってまどかから逃げてきた!?」

なぎさ「なぎさだって出番が欲しいのです!」ヒック

リボほむ「まだ酔ってるみたいだけど……ちょうど終わるところよ」

なぎさ「ナギッ!?」


まど神「それでまたなぎさちゃんがですね……」

マミ「へえー……」

マミ(たまには鹿目さんの愚痴を聞いて欲しいって暁美さんに頼まれたけど……まあ、暁美さんには言い辛いことあるわよね?)


リボほむ「次回予告」


さやか「覚悟しなよ!あんたの理性、ぶっ飛ばしてやるから!」

あゆむ「一人にしないって……そう約束したじゃないですかぁ?」

ゆま「もしここにお父さんとお母さんが居たら、わたしは絶対にぶっ飛ばすよ」

あやか「魔女の倒し方なんて知らない……でも、あゆの弱点なら分かる」

まどか「もしかして今の私って――すっごい強い!?」

あゆむ「数多もの悲鳴が奏でるオーケストラ……さぞ聞きごたえがあるでしょうねぇ……!」

かえで「やったれ鹿目!!そいつぶん殴れッ!!思いっ切りや!!」

杏子「そっか……あたし、お姉ちゃんだったな」

つぼみ「花にも心はあります!だって花は、歌を聴いて育つんです!」

QB「知能を持たない存在へ言葉を投げかけても無意味だろうに……訳が分からないよ」

キリカ「君の願いは『諦めない魔法』……そうだろ、ほむら!」

あゆむ「永遠に明日なんて来なけりゃいい……そんな願いは……駄目?」

マミ「ごめんなさい、これはもう……私と美樹さんの治癒魔法じゃ……」

さやか「あたしは契約するのを止めたりはしない、その祈りはきっと間違ってない」

ほむら「ごめんなさい……恋愛とか……その、まだ早すぎるって言うか……あの」

まどか「貴方みたいな大人は許せない!誰がなんて言ったって――私が絶対許さないんだから!!」

えりか「そっか、あの子……あたし達の後輩なんだ……!」

杏子「まあ見てなって……あたしはあいつを殺さない、あたしはあいつに殺されない、あいつに誰も殺させない……楽勝っぽいだろ?」

あゆむ「置いてかれちゃったあたしの気持ちを考えてよ!!……お願い……分かってよ……!」

ゆうか「良いよ、あたしの魂をあげる……契約しよう、インキュベーター」

ほむら「皆が、友達がくれた『魔法』を……今度は私がみんなに届けたい、それが今の私の夢」

ゆきな「気を付けてねほむらちゃん……あゆむって女の子のうなじと脚ばっかり見てるんだから!」

まどか「凄く嬉しいの!!……私を名前で呼んでくれたこと!」

杏子「だから約束、そん時はさ……みんなで歌を歌おう」


織莉子「そうよ、この後お茶でも行きましょう?」

織莉子「二人っきりで……ね?」



杏子「歌を歌おう」なぎさ「パート2なのです!」


リボほむ「取り敢えず沙々とかいう子は拷問ね」ガシャコン

さやかff「銃をしまえ落ち着け目が怖い、そしてあたしらはあの世界に干渉できないんだってば!」

さやかff「そんな訳でここまでです!お疲れさまでした!」


ごめんなさい、一本で終わらなかったです……

おのれ投稿規制


>>888>>889

コメントありがとうございます!


>>888

なぎさ「なぎさがワインを飲めるのはチーズのおかげなのです」

なぎさ「イタリア最高なのです!!アモーレッ!!」

リボほむ(まだ酔ってる?)ヒソヒソ

さやかff(顔赤いしね)ボソボソ

乙。

なぎさがクダ巻くのがうるせえと思ってたらその場にいたというトリック。

エウレカとか微妙な時期のアニメ見てるんだな。見てたけど難解でわかんなかったよ。

>>921

コメントありがとうございます

さやかff「いわゆるメタ表現ってやつ?支援ばっか連打してるうちに飽きちゃって……」

リボほむ「エウレカは>>120あたりのほむらとボケうさぎの会話を押さえてからもう一回見ると割と面白いはず」

さやかff「ようするにあの世界はターンエーガンダムみたいに人類の文明が終わった後の世界、んであれもメタ表現で『このまま地球を汚染し続けた場合の未来の地球』って感じのお話」

リボほむ「コーラリアンが現実に居たら我々の世界はこうなっていた、という視点で見ると散々叩かれてる続編のAOも楽しめるわ」

さやかff「そもそもあれはプロジェクトEUREKAって言うメディアミックスの並行世界が云々かんぬん……ああー!解説終わらない!!」

リボほむ「カゲロウデイズの知識を多分に要される版、ただしエヴァよりは分かり易い……ってところね」

さやかff「マギカシリーズだと思ってみればいいよ、うん」

なぎさ「なにもかもが違うような気がするのです……」

乙です

ほむらちゃんもしかして翼とか生えちゃったり!
天使だから問題ないよね
悪魔でもいいけど



見返したら序盤のさやかのネタバレ酷いなww

そして巧妙なエウレカ販促

考察期待してる

QB「ちょっと待った ちょっちょっと待った 勝負はこれからだ 張った張った」

QB「諦めた時点でゲームオーバー 現状をこの手で切り開こうか」

来たれ!愛の戦士!
とでもいうべき状況だな

といってもキリカのことではないが

おはようございます

今夜にやっと更新できそうなのです

>>923>>924>>925>>926>>927

コメントありがとうございます!

>>925

なぎさ「さやかも酷いどほむほむとキリカも酷いのです」

さやかff「杏子とマミさんも完全にアウトだよね」

>>927

なぎさ「私はほむほむ派なのです!」

さやかff「…………」ジー

リボほむ「殴られたいの?」


>>926

リボほむ「覚えていますか? 昔は確か 微かな希望に全力を出した」

リボほむ「明日の為に生きてました その気持ちどっか忘れてないか?」

さやかff「自画自賛?」

リボほむ「自問自答よ、ぶっ飛ばされたいの?」

なぎさ「自業自得なのです」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年06月08日 (日) 15:44:34   ID: gbYo81Cc

あゆゆ可愛いなww
頑張るんだ

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