菫「宥は好きな人いる?」宥「うん、いるよ」 (89)

菫「なっ…」

宥「とても大好きな人、玄ちゃん以上に好きな人」

菫「そ、それはどんな奴だ…?」

宥「遠くから私を狙ってきた人、でも私の方から近付いたら何も手を出してこないの」

菫「…宥の気持ちを踏みにじる馬鹿者だな」

宥「でももう少しだけ待つの、その人がまた私を狙ってくれるのを」

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菫「そんな奴を待つのは止めるべきだ」

宥「ううん、それでも私は信じるよ」

菫「…」

宥「好きになった人だから」


白糸台

菫「…ということがあった」ズーン

照「完全にフラれたね」

菫「宥をたぶらかす愚か者が許せない」

照「なかなか行動に移せなかった菫自身が愚か者」

菫「そんなことはない、私は…」

照「これまで何回デートに誘った?」

菫「…」

照「答えて」

菫「1回…」

照「アプローチが圧倒的に足りなかった、そこが敗因」

菫「ぐっ…」

照「それで、菫は彼女のことを諦めるの?」

菫「諦めるわけにはいかない」

照「そう」

菫「…」

照「無理しないように」

菫「分かってる」

松実館

ピローン

宥「あっ」カタカタ

玄「お姉ちゃんまたメール?」

宥「うん、今度一緒に出掛けませんか?だって」

玄「メールの相手が誰なのか物凄く気になるのです!」

宥「秘密だよー」カタカタ

この調子で私のこと、狙ってくれるよね?菫ちゃん

ヴァルヴレイヴ見たし寝る

ある日の白糸台

菫「奈良に行くことになった」

照「そう」

菫「多分松実館に泊まるだろう」

照「迷惑かけないように」

菫「お前に言われたくない」


松実館

宥「…」パタパタ

玄(お姉ちゃんが松実館のお手伝いをしている…いつもはしないのに)

宥「…」パタパタ

玄(…怪しい、この前のメールと言い怪しすぎるのです!)

宥「玄ちゃんも手伝ってー」

玄「は、はーい」

玄「お姉ちゃん最近良いことあった?」

宥「秘密」

玄「やっぱり怪しい!」

宥「怪しくないよー」トタトタ

玄(明日皆に相談してみよう)


翌日

玄「…と言うことなのです」

灼「松実館の手伝いをするのはおかしくないと思うけど」

憧「姉としての自覚でしょ」

穏乃「心配ないですよ玄さん」

玄「考えすぎのかなぁ」

灼「念のためこっちでも気にはかけてみる」

玄「お願いします」

穏乃「おまかせあれ!」

玄「私の台詞だよそれー!」

数日後 市街地

宥「菫ちゃん早く来ないかなぁ」

菫「宥!」

宥「あっ」

菫「待たせてしまった」ゼーゼー

宥「待ってないよ、私も着いたばかりだから」

菫「そうか、それなら…」ハーハー

宥「菫ちゃん大丈夫?」

菫「大丈夫だ、問題ない」

宥「本当に?」

菫「本当だ、じゃあ行こうか」

宥「うん!」ギュッ

菫「!」

宥が手を繋いできたーーー!

宥「♪」

菫「……」

菫「ど、どこか行きたい店はあるか?」アタフタ

宥「えっとね…」


ファッションブランドのお店

柳原店員「いらっしゃいませぇー、どーぞご覧くだっさーーい、いらっしゃいませぇー」

菫「こういった店に入るのは初めてだ…」

宥「初めて?」

菫「あまり行かないから…」

宥「じゃあ私が菫ちゃんをコーディネートしてあげる」

菫「宥が?」

宥「うん、私に任せて」

菫「…宥に任せる」

十数分後

宥「すごく似合ってるよ菫ちゃん」

菫「そ、そうか…こういう物は初めて着た」

宥「ふふ、素敵だよー」ニッコリ

菫「なんだか照れくさいな」

宥「次は菫ちゃんが、私をコーディネートして?」

菫「へ?」

宥「菫ちゃん」

菫「…頑張ってみる」

さらに十数分後

宥「どう?菫ちゃん」

菫「…」

宥「?」

菫「とても、可愛い…」ゴクリ

宥「このお洋服あったかーい」

菫「マフラーとよく合っているな」

柳原店員「お客様とーってもお似合いですよぉー!」

菫「うわ、ビックリした」

柳原店員「マフラーのお嬢さんも…グーですよぉー!」

宥「ありがとうございます」

菫(面倒な店員だな…)


ファッションブランドのお店を後にして

菫「次はどこに行く?」

宥「菫ちゃんが行きたいところ」

菫「私の行きたいところか…」

宥「うん、どこでもいいry」

グー

菫「?」

宥「…」

菫「宥?」

宥「お腹が鳴っちゃった…///」

菫「ご、ごはんを食べよう!私もお腹空いているところだ」

宥「ごめんね、菫ちゃん」

菫「気にしなくていい」

一旦ここまで

ファミレス

宥「どれにしようかな…」

菫「ふむ…」

ウェイトレス「いらっしゃいませぇー、お決まりになりましたらこちらのボタンを押してくださぁぁぁい」

菫「なかなか決められないな」

宥(あっ…)

菫「…ふむ」

宥(カップル専用メニュー…これがいいって言ったら菫ちゃんは何て言うのかな)

菫「私はパスタにする、宥は?」

宥「えっ、うん…同じのでいいよ」

菫「じゃあ、注文する」カチッ

宥「うん…」

しばらくして

ウェイトレス「ごゆっくりどうぞー!」

菫「意外に本格的な味だな」モグモグ

宥「…」モグモグ

菫(宥は静かに食べるのか、話し掛けるのは止めておこう)

宥(同じものにしたのに、何も言ってくれない…)

菫「…」モグモグ

宥「…(暖かくない…」モグモグ

食事も終わり

菫「次は何処に行く?」

宥「…」

菫「宥?」

宥「えっ」

菫「宥、具合悪い?」

宥「ううん、大丈夫だよ」

菫「なら良いが、何かあったら言ってくれ」

宥「ありがとう菫ちゃん、私ゲームセンターに行ってみたいの」

菫「ゲームセンターか」

宥「あんまり行ったことないから」

菫「分かった、行こう」

ゲームセンター

菫「色々あるものだな」

宥「玄ちゃんはいつもクレーンゲームをやってるの」

菫「苦手なジャンルだ…」

宥「私も苦手なの」

菫「欲しい景品があったら頑張ってみる、上手くないが」

宥「じゃあ、早速お願いしていい?」

とある台の前

菫「大きいな、このぬいぐるみ」

宥「カピバラさんって言うの」

菫「挑戦してみる」

数分後

菫「アームが弱すぎる、脱臼した肩みたいだ…」

宥「菫ちゃん」

菫「必ず取ってみせる」カチャカチャ

宥「…」

さらに数分後

菫「ずらしも効かないのか…」

宥「帰ろう菫ちゃん、お金が無くなっちゃうよ」

菫「まだだ、まだ」

宥「…もういいよ」

菫「な…」

宥「頑張ってくれただけでも、嬉しいから」

菫「…」

宥「帰ろ?」

菫「…分かった、ゲームに少し熱くなりすぎた」

カピバラさん(一昨日来やがれ、下手くそ)

市街地

菫「…」

宥「…」

菫(何を話せばいいんだろうか…)

宥(止めない方がよかったのかな…)

菫「なぁ宥、今度はあのぬいぐるみを絶対取るから」

宥「…うん」

菫「…(会話が続かない、何故だ…)」

ピロリロ!ピロリロ!

菫「ん、照からか」ピッ

≪すぐ戻ってくるように≫

宥「菫ちゃん?」

菫「すまない、部の方で問題が起きてるみたいなんだ」

宥「じゃあ…」

菫「泊まって行けそうにはないんだ」

宥「…」

菫「…すまない宥」

宥「仕方無いよね、菫ちゃんの都合もあるから」

菫「本当にすまない」

宥「気にしないで」

菫「また時間が空いたら来るから」タッタッタ

宥「気を付けてね…」

小さくなっていく菫の後ろ姿を見つめる宥
駅へ向かったのか、菫の姿は見えなくなった

宥「菫ちゃん…すみれちゃん…」ポロポロ

その涙の理由はまだ菫は知らない

とりまここまで

某日

宥「暖かくない…」

玄「…」

宥「…」

玄(ストーブの前にいるのに…最近お姉ちゃんの様子が変なのです)

宥「…」

玄(もう一度皆に相談してみるのです)

阿知賀女子 部室

玄「と言うわけなのです」

灼「前に相談したときとは逆だね」

憧「フラれたとか?」

穏乃「え?宥さんって誰かと付き合ってたの!?」

玄「そこは私も分からないよ…」

憧「ここ数日で何かあったのは確かね」

灼「直接聞いてみたいところだけど」

玄「生返事しか返ってこなかったよ」

穏乃「思い当たることはないんですか?」

玄「うーん…あ、メール」

憧「メール?」

玄「うん、この前メールが来たら凄く嬉しそうな顔してたの」

灼「多分それ、メールの相手と何かあったから」

穏乃「宥さんの様子が変なんですね!」

玄「メールのことで聞いたら秘密だよーって、はぐらかされたような…」

憧「決定的ね」

穏乃「なら、早速宥さんに聞きにry」ガタッ

灼「それはダメ」グイッ

穏乃「なぜ!?」

憧「今聞いても答えるわけないでしょ」

灼「もう少し時間が必要、あとは玄次第」

玄「うん、何とかしてみるのです」

その頃 白糸台

菫「部長不在と言うだけでどうしてこうなる」

照「部長という役職がないと部活は成立しない」

菫「そういうことじゃないだろ」

誠子「まあまあ二人とも…」

尭深「…」ズズズ

淡「テルが怒られてるー」

菫「少し静かにしてろ」

照「部を纏めるのも部長の務め」

菫「分かってるが、居なくても問題が起きないようにしてくれ」

照「部長は大変だね」

菫「分かってるなら協力してくれ、3年だろ」

照「…」モグモグ

菫「おい」

照「考えておく」

菫「はぁ…、今から顧問の所に行ってくる」

尭深「お疲れ様です…」ズズ

淡「バイバーイ」

とりまここまで

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