御坂「グンマーに侵攻することになったわ」黒子「えっ!?」(464)

黒子「どういうことですのお姉さま!?」

御坂「うん、なんかグンマー帝国と学園都市の関係が悪化して戦争状態になりそうなんだって」

佐天「そんな話聞いたことありませんけど」

初春「一般人レベルだとそうですね、上層部のごく一部しか知らない情報みたいです」

御坂「あ、そうなんだ、じゃあみんなに話したのまずかったかな?」

佐天「そうかもしれませんね、あたしたち口外しないようにします」

黒子「そういうことではございませんわお姉さま、あのグンマーになぜお姉さまが行かねばなりませんの?」

御坂「レベル5全員でグンマー帝国の主戦派部族の族長達を捕獲しろって命令が出たのよ」

佐天「それって大丈夫なんですか?」

御坂「ちょっと連れて来るだけなんだから大丈夫じゃないの?」

黒子「お姉さま!!お姉さまはグンマー帝国の恐ろしさをご存知ではありませんの!?」

佐天「グンマーってそんなに怖いところなんですか?」

黒子「怖いとかそういう次元の問題ではありませんの!!」

御坂「何よ、グンマーに行って何人かつれてくるだけでしょ?ちょろいわよ」

黒子「これがグンマー以外の国ならお姉さまお一人でも何とかなるかもしれませんわ、ですがグンマーだけは別ですの!!」

佐天「え、そうなの?」

初春「まあ一般人には知られてませんからねー」カタカタ

御坂「レベル5全員っていうくらいだから最新式の武器くらい持っているのかもしれないけどあたしの能力でそういうの使えなくすればいいだけだし」

黒子「逆ですわ」

佐天「逆?」

黒子「彼らは最新の科学技術など必要としませんの」

御坂「え?何で?」

黒子「彼らの下級兵士の戦闘力がどのくらいだと思います?」

御坂「え?プロボクサーくらいじゃないの?」

黒子「はあ、その程度民間人の中でもパシリ程度のレベルですの」

佐天「マジでっ!?」

初春「マジです」

黒子「下級兵士の一人が地上から竹槍を投げて米軍のステルス偵察機を撃墜できるレベルですの」

御坂「はあ!?そんなの人間にできるわけないじゃないの!!」

初春「それができるのがグンマー人なんですよ」

佐天「あれ?それって御坂さんのレールガンよりすごいんじゃないの?」

御坂「くっ、で、でもでもあたしには電撃の能力があるわけだしそれを応用すれば」

黒子「甘いですわ」

初春「ですね」

御坂「何よ。あたしじゃ無理だっていうの?」

黒子「初春、あれを」

初春「はい、御坂さん。これを見てください」

御坂「ん?」

佐天「何々・・・えっ!?」

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御坂「すごい雷・・・なにこれ・・・」

黒子「これはグンマーの下級シャーマンが訓練で召喚した雷ですわ」

初春「正確に言うと雷を司る神の力を借りたみたいですね」

佐天「神?召喚?」

御坂「そ、そんなのできるわけないじゃない。二人ともこの科学の町で何言ってるのよ」

黒子「お姉さま、そう思われるお気持ちはわかりますがこれが現実ですの」

初春「グンマーは自然を、神を信仰することで科学に頼る必要のない豊かな生活をおくっています」

御坂「・・・・」

佐天「これは・・・無理っぽくないですか?」

御坂「ごめん、ちょっと冷静になるわ」

黒子「そうしてくださいまし。そうでないと私たちは・・・」

初春「御坂さんと今生の別れを覚悟しなければならなくなります」

佐天「今生だなんてそんな・・・」

黒子「大げさかもしれませんがこれはゆるぎない事実なのですわ」

佐天「・・・・・」

初春「御坂さん、どうしてもやらなければならないことなんですか?」

御坂「うん・・・」

初春「なら・・・できる限り情報は集めさせていただきます。ですが・・・」

佐天「難しいの?」

初春「グンマーは科学に全くと言っていいほど無縁の地ですから情報を集めるのにも限界があります」

黒子「それもわかるのは民間人の生活レベルの情報ですわ」

初春「ですが、そこから何か攻略の糸口が見つけられるかもしれません」

黒子「私も手伝いますわ。だからできる限りの情報を集めますわよ」

初春「はい!」

フレンダ「ぶふっ!!」

麦野「うわっ!汚っ!!」

フレンダ「今・・・何て言ったの?」

麦野「だ~か~ら~、レベル5全員でグンマーに攻め込むことになったのよ」

滝壺「むぎの・・・・」

絹旗「麦野、お墓はどういうところに作ったほうがいいですか?」

フレンダ「墓石は大理石にしてあげるわけよ」

滝壺「むぎのが好きなしゃけをお供えしてあげるね」

絹旗「でも遺骨の無いお墓ってお墓になるんでしょうか?」

フレンダ「麦野の魂を慰める。その行為が大事なわけよ」

滝壺「そうだね。むぎの、今から遺影を取りに行こう?」

麦野「おいおい、てめえらこの私がやられるとでも思ってんのか?」

絹旗「超当然です」

フレンダ「むしろ生きて帰ってこれるとでも?」

麦野「お、おいおい、たかが人間何人か拉致ってくるだけだろ?邪魔するやつを全員ブチ殺せばすむだけだろうが」

滝壺「それができるのはグンマー人以外だよ」

麦野「へ?」

フレンダ「麦野、麦野相手ならグンマーの下級兵士が5人いれば事足りるわけよ」

麦野「何くだらねえこと言ってんだ」絹旗「超マジです」

麦野「ま・・じ?」

滝壺「まじだよ」

麦野「ちょっと待って、グンマーってどういうところなの?」

絹旗「私たちは科学の力でこれだけの力を手に入れましたけど」

フレンダ「彼らは信仰と自然の力で人間本来の力以上のものを手に入れた人たちです」

麦野「でもそれってどれくらいなのよ。想像もつかないわ」

滝壺「わからない」

麦野「わからないって・・・」

絹旗「ソ連の軍団が第二次世界大戦中、どさくさに紛れてグンマーを占拠しようとしたんですよ」

絹旗「10万人がグンマーへ入りましたが何人が生還したと思います?」

麦野「9万人くらい?」

絹旗「常識で考えればそうですね、戦力の一割を失えば引くことを考えるのは間違いではありません」

絹旗「ですが相手はグンマー、生き残ったのはわずか数百人だけです」

麦野「え?え?」

フレンダ「その数百人も一月以内に謎の死をとげてるわけよ」

麦野「ごくり・・・」

滝壺「グンマーの人は幸い領土を広げることはしないけど自分たちの聖地を踏み荒らすものには容赦しない」

絹旗「ですからグンマーの情報はわずかしか得られないんです」

フレンダ「これを見てほしいわけよ」

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麦野「何これ・・」

絹旗「グンマーに隣接する各県の守備隊です」

滝壺「この人たちでも毎週死人が出るんだって」

麦野「いや、でも迎撃してるんでしょ?」

フレンダ「違うわけよ。グンマーの若い一般人が遊びでちょっかい出しにきてるのをなんとか追い払ってるだけなわけよ」

絹旗「こっちで言うところの暴走族みたいなものですね。遊びでちょっかいだして遊んだら帰っていくみたいです」

滝壺「当然向こうはけが人一人でていない」

麦野「なによそれ・・・」

フレンダ「どうやら麦野も現実味が沸いてきたわけよ」

絹旗「こんな私たちですから麦野の友達でもありませんが、麦野に死なれるのはいい気がしませんね」

滝壺「うん」

フレンダ「だから麦野にはなるべく生きて帰ってきてほしいわけよ」

麦野「みんな・・・・」

食蜂「ってわけなのよぉ」

生徒「ひいいいいいい!!!」ガクガク

食蜂「あれ?」

縦ロール「・・・・・行かないでください」

食蜂「なんでぇ?」

縦ロール「女王を死なせるわけにはいきません」

食蜂「え?そんな大げさな。私の能力があれば楽勝じゃなあい」

縦ロール「女王、女王の能力は確かに完璧です。ですがそれはあくまで普通の人間に対してのこと」

食蜂「なによぉ、グンマーの人は普通の人間じゃないってこと?」

縦ロール「そのとおりです。彼らには女王の能力が通用しないかもしれません」

食蜂「むっ、そんなことやってみないとわからないんだゾ?」

縦ロール「お気持ちはわかります。ですがこれをご覧になってください」

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食蜂「え?」

縦ロール「グンマーのシャーマン、呪術師の手によって石にされてしまった人たちです」

食蜂「な、なによこれぇ・・・」ガクガク

縦ロール「女王の能力も強大ですがさすがにこれほどの力を持つ人間が相手では・・・」

食蜂「で、でもでも私の操作力でこの能力を持つ人を操っちゃえば・・・」

縦ロール「女王、相手はそれを遠く離れたグンマーからでもできるのですよ?」

食蜂「ど、どういうことよぉ・・・」

縦ロール「つまり向こうがそのつもりになれば今この瞬間にも・・・」

食蜂「そ、そんなのが相手なのぉ・・・」ガクガク

縦ロール「ですから、グンマーを相手にするなど是非おやめください」

垣根「あん?グンマーだ?」

電話の男「ああ、そうだ」

垣根「ま、いいさ、どんなやつが相手だろうが俺の未元物質に常識は通用しねえ」

電話の男「相手も常識を外れたグンマー人だ。お前の力をみせてやれ」

垣根「他の連中と一緒ってのが気にいらねぇがな」

電話の男「そう言うな。それだけ学園都市の力をみせつけてやろうって考えだろう」

垣根「ま、そういうことならやってやるか」

電話の男(悪く思うな垣根、お前がやらないと俺の命がな・・・)

電話の男(お前という戦力を失うのは惜しいが学園都市が壊滅するよりはという判断だ)

電話の男(この作戦が失敗すれば・・・・いや、なんとしてでも成功してもらわないとな・・・)

削板「グンマーだと!おのれ!学園都市の平和を脅かす悪党共め!!」

削板「俺はお前らを絶対に許さない!!」

削板「俺の根性をお前らに叩き込んでやるぜ!!」

削板「待っていろグンマー!!この俺がいる限り、お前たちの好きにはさせない!!」

削板「俺のすごいパンチはお前らの悪意なんか跳ね返してやるからなああ!!」

削板「待っていろグンマー!!」

一方通行「あン?グンマーだ?」

芳川「そうよ、やってくれるかしら?」

一方通行「めんどくせェ」

芳川「言うと思ったわ」

一方通行「他の連中と一緒にってェのがもうめんどくせェ、やるなら俺一人でやるに決まってンだろォが」

芳川「そうは言っても学園都市の危機であることには間違いないわ」

一方通行「やれクローンを二万体殺害しろだの面倒なことばかり押し付けてくれやがる」

芳川「クローン殺害を断って暇をもてあましていると思ったのだけれど?」

一方通行「だからって何で俺が学園都市のために働かなきゃならねェンだ?」

芳川「あら、平和に生きている誰かのために力を使うことは男の子なら誰でも憧れると思っていたのだけど?」

一方通行「俺の頭ン中でそンなに愉快なことが展開されてるわけがねェだろうが」

芳川「なら、やらないの?」

一方通行「・・・・・」

一方通行「暇つぶし程度ならわるくねェ、たまには学園都市の外ってやつも見てみてェからな」

芳川「そう、助かるわ」

土御門「・・・・ってわけだ。カミやん、やってくれるな?」

上条「おい」

土御門「ん?」

上条「グンマーって俺に死ねって言ってんのか?」

土御門「何だ、カミやんもグンマーのことを知ってたのか」

上条「まあ親からいろいろ聞かされてたからな、それに・・」チラッ

禁書「グ、グンマー」カタカタ

上条「インデックスのこの反応だけで十分だ。もう一度聞かせてくれ、そこで俺に何をしろって?」

土御門「カミやんにはレベル5達のサポートをしてもらう。6人もいるから大変だとは思うがこれはカミやんにしかできないことだ」

上条「サポートって言ってもなあ」

禁書「とうま!だめなんだよ!!グンマーだけは絶対にだめなんだよ!!」

土御門「インデックス、少し静かにしてくれないか?」

禁書「行かせないんだよ!グンマーに行ったらとうまは絶対に生きて帰ってこれないんだよ!!」

土御門「なあに、レベル5が6人もいるんだ、そんなに心配するこじゃないにゃー」

上条「その根拠はどこからくるんだ?」

土御門「まずはカミやんも知っている第三位の御坂美琴だ」

土御門「どんな最新鋭の設備も彼女の能力があれば電気系統を狂わせて無効化することができる」

土御門「一億ボルトの電撃を放つことができるんだ。それがどれだけのことか想像がつくだろう?」

上条「あ、ああ・・・」

土御門「それだけじゃない、すべてのものの向きを操作することができる第一位」

土御門「この世界に存在しない物質を生み出し物理法則を捻じ曲げる第二位」

土御門「簡単に言えばどんなものでも破壊することができる第四位」

土御門「人の記憶を読み取り改竄、人間そのものを操り人形のように操ることができる第五位」

土御門「よくわからないがとてつもなくすごい力を秘めている第七位。これだけの人間が集まればなんとでもなると思わないか?」

上条「まあたしかになあ・・・、あいつ人間じゃねーからなぁ・・・」

禁書「だまされたらだめなんだよ!」

土御門「・・・・」

禁書「グンマーは確かにこの町に比べて科学技術で劣っているけどそれは彼らが科学技術を必要しないだけなんだよ」

上条「え?」

禁書「彼らは神への信仰と自然への愛で強大な力を得ているんだよ」

禁書「その彼らにとって超能力なんて取るに足らないものなんだよ」

上条「取るに・・・足らない・・・?」

禁書「簡単に言うと、彼らが本気になれば今すぐにでも学園都市を壊滅させることができるんだよ」

上条「そうなのか?」

土御門「ま、インデックスがいるんだ、いずれわかることだろう。否定はしないぜい」

上条「てめぇ・・・」

土御門「悪く思うな。すべては学園都市を壊滅させないためだ、なんとしてもカミやんにはグンマーに行ってもらいたいんだ」

上条「・・・・」

土御門「ま、正直に話をしよう。学園都市の上の連中もグンマーと戦争をするつもりは全く無い」

土御門「むしろ全力で戦争を回避したいと思っているくらいだ」

禁書「当然なんだよ」

上条「それで何だって俺とレベル5達がグンマーに行くんだ?」

土御門「グンマーを支えているのは数多くの部族だ。それをグンマーの王が統べている」

土御門「グンマーの聖域を荒らすものに対しては情け容赦のかけらも無いのは共通だが各部族同士でそれ以外は結構バラバラだ」

土御門「今回学園都市と戦争を起こそうとしているのもグンマー全体としての意思ではなく、いくつかの部族が騒いでいるだけにすぎない」

上条「つまり、その部族の族長を抑えればなんとかなるかもしれないってことか?」

土御門「そういうことだにゃー、レベル5が6人いれば最低でも一人くらいはなんとかなるっていうのが上の考え方だ」

上条「でもそれなら俺の力なんていらねーんじゃねーのか?」

土御門「それがカミやんなくしてこの作戦は成功しないんだぜい」

禁書「とうま、グンマーでは呪術が当たり前のように使われているんだよ」

上条「呪術!?」

土御門「そうだ。その呪術はグンマーにいながら海外の人間を正確に呪い殺すことができるレベルだ」

上条「んな・・・無茶苦茶だろ」

禁書「その無茶苦茶を平然とやってのけるのがグンマーなんだよ」

上条「そんなやつらの族長を拉致するって・・・」

土御門「カミやんの幻想殺しがあればできないことじゃないぜい」

禁書「でもそれは呪術に対してだけなんだよ。グンマー人の身体能力ならとうまなんてすぐにやられちゃうんだよ」

土御門「そこでレベル5だ」

上条「つまり、直接的な戦闘はレベル5が担当して呪術に関しては俺が対応するってことか?」

土御門「そうだ、それでもこの作戦が成功する確立は一割も無い」

上条「・・・・」

禁書「とうま、だめなんだよ!無事に帰って来れる保障はどこにもないんだよ!」

上条「俺が行かなかったらどうなる?」

土御門「どうしても行かないのならレベル5は6人全員グンマーの地で砂になるだけだ」

上条「・・・・」

土御門「そればかりじゃない、グンマー全域に学園都市討伐の火が広がれば当然グンマーは学園都市に攻め込んでくる」

土御門「超能力者がいて科学技術が二十年進んでいようとグンマーに太刀打ちできるはずなんてない」

土御門「ここの学生は下手すりゃ全員・・・」

上条「わかった」禁書「とうま!」

上条「俺にしかできねーんだ、この作戦、絶対に成功させてみせる!」

土御門「そう言ってくれると思ったぜいカミやん!!」

数日後

上条「じゃあな、行ってくるぜインデックス」

禁書「むー・・・・」

上条「大丈夫だって、いざとなったらみんなを連れて地球の果てまで逃げてやるさ」

禁書「うん・・」

上条「学園都市の精鋭がグンマーにとってたいしたことが無いっていうのがわかれば逆に戦争するまでもないって思ってくれるさ」

禁書「ちゃんと帰ってきてね?」

上条「ああ、もちろんだ」

バタン

禁書「とうま・・・」

禁書「やっぱりとうまを行かせるのは嫌なんだよ・・・でも・・・・」

ヤカマシコノドシロウトガァ♪

禁書「この着信音は!」

御坂「じゃあ、行くね」

黒子「お姉さま!!どうか!!どうかご無事で!!」

初春「うっ、ぐすっ・・御坂さあん・・・」ポロポロ

佐天「絶対に、絶対に無事に帰ってきてくださいねえ!!」ポロポロ

御坂「あ、あはは、大丈夫よ。ちゃんと戻ってくるからそんなに泣かないで、ね?」

初春「ぐすっ、ひくっ」

佐天「み、みしゃかしゃぁ・・ん・・・・」

御坂「ほらほら、ひどい顔になってるわよ。そんなんじゃ演技でもないわ」

初春「は、はい・・・」グスッ

佐天「わらって、でしゅよね・・」グスッ

黒子「お姉さま、ご武運を・・・」

御坂「・・・・うん!」

麦野「・・・・・」モグモグ

滝壺「むぎの、おいしい?」

麦野「・・・・うん」モグモグ

絹旗「良く噛んでくださいね?」

麦野「・・・・うん」

フレンダ「味噌汁もまだあるからね?」

麦野「・・・・いい」

滝壺(むぎの・・・・)

絹旗(こんなに気持ちが沈んだ麦野を見るのは超初めてです・・・)

フレンダ(私達には麦野が好きなものを食べさせてあげることしかできない・・・)

麦野「ごちそうさま・・・おいしかったわ」

滝壺「ありがとう。全部食べてくれて」

麦野「そう?残したらもったいないじゃない」

絹旗「そ、そうですよ滝壺さん、麦野は鮭が超好物なんですから」

麦野「そういうことよ、また作ってね」

フレンダ「え?うん、いくらでも作るわけよ」

麦野「ふふ、楽しみにしてるわね」ニコ

滝壺「むぎの・・・」

絹旗「も、もちろんです・・・たくさん・・つくりますから・・・・」ウルウル

フレンダ「だ、だからさっさと片付けてこいってわけよ!!」ジワッ

麦野「そうね、じゃあ行ってくるわ」スタスタ

滝壺「行ってらっしゃい・・・・むぎの」ポロッ

縦ロール「女王・・・・」

食蜂「うん・・・・大丈夫よぉ・・・」

縦ロール(行かせたくない・・・だけど学園都市がそれを許さない・・・おそらく、どんな手を使ってでも・・・・)

縦ロール「女王、女王はすべてを統べる力がおありになるのです。ですから他のレベル5を女王の手駒のようにお使いになり」

縦ロール「女王がグンマーの野望を打ち砕くのです」

食蜂「わかってるわぁ、そんなこと・・・」

縦ロール「女王・・・・」

食蜂「そんなに暗い顔しちゃだめだゾ、みさきちゃんは無敵なんだから」

縦ロール「そうでしたね、では、お早いお帰りをお待ちしています」

食蜂「うん・・・」

上条「で、ここでいいのか?」

土御門「そうだ、直に他の連中も来るだろうな」

上条「そっか、それにしても何持って行ったらいいのかわからなかったんだけど、ライターとナイフと鍋だけで大丈夫か?」

土御門「そのくらいで十分だ。スピードが命だからのんびりテントを張ってキャンプなんぞできる状況じゃないからな」

上条「だよなあ、相手の族長を拉致するんだ。逃げるのも一苦労だろうな」御坂「あ、あんた・・・」

上条「ん?」

御坂「なんであんたがここにいるのよ・・・」

上条「俺もグンマーへ行くことになったんだ」

御坂「ちょっと、どういうことかわかってていってるの!?」

上条「まあ、多少はな」

御坂「多少って、あんたねぇ・・」

御坂「あんたは今すぐここから帰りなさい!ここからはあんたにどうにかできるレベルの問題じゃないわよ!?」

上条「って言われてもなあ・・・」

御坂「い・い・か・ら」土御門「まあまあ落ち着こうぜい」

御坂「何よあんた、あたしは今こいつと話してるんだけど」

土御門「この作戦のキーマンはこの上条当麻だ、むしろこいつがいなかったら全滅だぞ?」

御坂「えっ?」

土御門「ま、それについては全員揃ってから説明させてもらうぜい」

御坂「な、なんなのよ・・・」

上条「ってことだ、よろしくな、御坂」

御坂「ま、全く。あたしの足を引っ張ったら承知しないからね!!」

上条「わかったよ」

食蜂「あら、ずいぶんと仲がいいのね。御坂さん」

御坂「げっ」

上条「ん?」

御坂「あんたも来てたのね・・・」

食蜂「レベル5が全員集まるんだもの。当然じゃない」

上条「知り合いか?」

御坂「ふん、別に!」

食蜂「やだあ、御坂さんこわあーい!」ギュッ

ムニッ

上条「え? ちょっ!」

御坂「むかっ!!」

土御門「カミやん、この作戦が終わったら爆ぜろ」

上条「お、おいおいおいちょっと待てお前ら!!何でそんなに殺伐としてるんだよ!!」

御坂「べっつにぃ・・・」

土御門「たいしたことじゃないにゃー」

食蜂「やーん、こわーい」ギュウ

上条「お、おおおおちつけ、そ、そそそ素数を数えるんだ・・・」

麦野「何やってんだこのガキ共」

削板「ここか!!悪のグンマーと戦う戦士達が集まるところは!」

垣根「何だ?騒々しい」

土御門「お、続々と集まってきたみたいだな」

麦野「随分と一癖ありそうな連中ね、そこの鉢巻男なんか特に・・・」

土御門「これで後一人か、ま、時間前に集まってくれてるだけマシってもんか」

麦野「に、してもまさかこの私が見知らぬガキと一緒に仕事することになるとはね」

御坂「むかっ、何よこのオバサン」

麦野「あん?」

御坂「何よ、やるっていうの?」

麦野「上等だ、グンマー人の前にまずてめぇを血祭りにあげてやるよ」

上条「おいおいおい!これから一緒に戦おうっていうのになにやってるんだお前ら!!」

土御門「やめとけカミやん、最悪死ぬぞ」

垣根「何だこの茶番は」

土御門「一癖もふた癖もある人間が集まるんだ、そういうもんだろう?」

垣根「知るか」

削板「集まっていきなり喧嘩とは根性が無いやつらだな!お前ら俺と一緒にスクワットしようぜ!」

垣根「・・・・」

土御門「・・・・・」

垣根「帰ってもいいか?」

土御門「だめだ」

垣根「ちくしょう」

麦野「スクワット?てめえは筋肉馬鹿か、寄るな暑苦しい」

削板「何っ!?お前らは健全な肉体に健全な魂が宿るということを知らないのか!?」

御坂「健全な魂ってまさかあんたみたいなのを言うんじゃないでしょうね?」

削板「もちろんだ!!」

麦野「・・・・」

御坂「・・・・」

麦野「いらんわ!!」

御坂「お断りよっ!!」

食蜂「こわいですー、たすけてー」ギュウ

上条「ちょ、ちょちょちょちょちょ」

御坂「ちょっとあんた!何鼻の下伸ばしてんのよっ!!」

上条「ま、待て待て待て落ち着け御坂!!」

御坂「さっさと離れなさいよ!!」

食蜂「やーん、こわーい」

麦野「あ、そういうことか。アホくさ」

一方通行「何だこりゃ・・・」


やめろっ!!それはマジでシャレにならねえっ!!

うるさい!あんたが悪いのよ!!

みさかさんやーめーてー

根性が足りん!腕立て伏せをしろ!

一人でやってろっての


土御門「やっと来たか、まあ来てくれるだけもうけなんだがな」

一方通行「てめェが案内人か?」

土御門「ま、そういうとこだ」

垣根「おい、レベル5は6人って、聞いてたんだが一人多くないか?どういうことだ?」

土御門「それはこれから説明する。だがあいつらが落ち着くまで少し待ってもらうぜい」

垣根「落ち着かせてもいいか?」

土御門「やめてくれ、あんなことやってても立派な戦力だ、一人として欠けられると辛い」

一方通行「チッ」

数分後

土御門「落ち着いたか?」

御坂「さっさと離れなさいよ!!」

上条「だから落ち着けって!」

食蜂「御坂さんなんでそんなにいじめるのぉー?」

麦野「はあ、これ以上は埒が明かないわ。こいつらはどうでもいいからさっさと始めてくれる?」

土御門「ちゃんと聞いてもらわないといけないんだがな」

垣根「ほっとけ、ガキは一回で理解できないからガキなんだ、理解できるまで何度も説明してやりゃいいじゃねーか」

御坂「むかっ、何?あんたも喧嘩売ってるわけ?」

垣根「ん?やるのかちびっ子」

御坂「ち、ちびっこぉ・・・?」イライラ

垣根「どこからどう見ても幼児体系じゃねえか、後で飴玉買ってやろうか?」

御坂「あったまきたわ!!まずはあんたから」上条「やめろっていってるだろうが!!」

御坂「むー・・・・ ふん!!」プイッ

一方通行「おい、さっさと始めろ。このままだと日が暮れちまう」

まず群馬の族長たちが操る五大精霊に注意な。

土御門「そうだな、とりあえず話を聞いてくれる人間は俺の話を聞いてくれ」

上条「ほら御坂、ちゃんと聞こうぜ?」

御坂「わかってるわよ!」

土御門「一応ここにいる人間は聞いていると思うがもう一度説明させてもらう。学園都市とグンマーが戦争状態になりそうなのはわあっているな?」

麦野「聞いてるわ」

土御門「戦争といってもグンマー国民全員が学園都市を敵視しているわけではない」

垣根「ほう?」

土御門「グンマーは数多くの部族が集合している。それをグンマーの王が統べているんだが学園都市と戦争をしようとしているのは一部の部族だ」

土御門「その部族の族長を一人でもいい。捕獲して学園都市に連れ帰るのが今回の任務だ」

削板「面倒だな、学園都市と戦争をしようとしているやつらを全員ぶっとばしてやりゃいいじゃないか」

土御門「そうもいかん、意外かもしれないがグンマーの力は強大だ。やつらが足並みそろえて学園都市と戦争をしてみろ。この町は一日も持たないぞ?」

食蜂「そんなに力の差があるのぉ?」

土御門「ああ、それが現実だ」

一方通行「ケッ」

垣根「だが拉致すりゃかえって火に油を注ぐことにならねーか?」

土御門「ま、そうなんだが少し落ち着いて考えてほしい」

垣根「ん?」

土御門「権力者が一番恐れるのは何だと思う?」

麦野「なるほど・・・暗殺か・・・」

土御門「そうだ、主戦派の部族ですらその部族の意思は統一されていない、その中で族長の身が危うくなったとなれば・・・」

土御門「族長達も慎重にならざるをえないだろう。慎重になってくれれば学園都市としても交渉する機会が得られるってことだ」

一方通行「めンどくせェ」

土御門「そうだ、面倒だ。だがその面倒なことをやってのけないとこの学園都市は最悪焦土と化すだろうな」

削板「そんなことはこの俺が許さん!!」

垣根「ってかグンマーってのはそんなにすげえのか?俺にはピンと来ないんだがな」

土御門「戦って体で覚えろ、と言いたいところだがそんなことを試して死なれちゃこまるからな」

垣根「何?」

土御門「グンマーとの国境までは俺が道案内をする。そこからは地図を頼りに行動してもらう」

土御門「そして何よりも大切なのは無駄な戦闘は一切避けるってことだ」

麦野「まるで忍者ね」

土御門「そういう認識でいてくれていい。ひっそりと近づいてひっそりと帰ってくる。これが一番だな」

削板「そんなの男らしくないぜ!」

食蜂「女の子もいるんだけど?」

削板「根性でなんとかなる!」

垣根「だめだこいつ」

麦野「で、私らは誰がどんな能力を持っているのかもしらないんだけど?」

土御門「そうだな、一緒に行動してもらう上でそれだと不都合があるな」

上条「自己紹介でもするか?」

土御門「それが一番だろうな」

一方通行「アホくせェ」

垣根「同感だな」

麦野「お互いに背中預けなきゃならないんだからそのくらい我慢しなさい」

垣根「へいへい」

土御門「ま、不本意かもしれんが我慢してくれ、それじゃあ誰からやるか・・・」

上条「じゃあ俺からやるよ」

土御門「お、悪いなカミやん」

上条「俺は上条当麻、高校一年だ。超能力はレベル0だ」

麦野「はぁ!?」

食蜂「戦力になるのぉ?」

土御門「能力は使えないがこいつにはすごい武器がある」

御坂「確かにねー」

上条「俺は超能力は使えないけど俺の右手は異能の力なら何でも打ち消すことができるんだ」

垣根「何だそれ、反則じゃないのか?」

土御門「これがどこぞの国の軍隊相手ならよかったんだがな、相手はグンマーだ。やつらはこっちに想像もできないようなことをしてくる」

土御門「ファンタジーやゲームの世界での魔法のようなものを実際に使うことができるのがグンマーだ」

一方通行「おい、頭は確かか?」

土御門「信じられないかもしれないがこれは事実だ。と、言ってもお前らは目の前で誰かが石にされたり黒こげにならないと信じないんだろうな」

一方通行「・・・・」

土御門「この幻想殺しがあれば少なくともグンマー人の呪術、魔法のような攻撃は防ぐことができる」

土御門「全員が生きて帰るためにも必要だと思わないか?」

垣根「なるほどな」

削板「俺はどんな攻撃にも屈することはしないぜ!つまり根性だ!!」

麦野「ま、根性馬鹿は置いといて、これほど頼りになる仲間はいないわね」

上条「その代わりドンパチはそこまでなんで、その辺はフォローしてくれると助かります」

麦野「わかったわ。よろしくね。上条君」

上条「はい!」

御坂「なんかむかっ」

数分後

一方通行「一方通行だ、ベクトルを操作することができる」

一方通行「死にたくなかったら俺より前に出るな。以上だ」

垣根「なんかこそばゆいな」

麦野「そうね、中学生の妄想っていうのかしら・・・」

上条さん、あの人こわーい」ギュッ

上条「え?そ、そそそおうだなあああ」

御坂「だからくっつくなっての!!」

土御門「おい爆発しろ」

削板「一方通行!お前の体からは根性の匂いがしねえ!俺と一緒にベンチプレスをあげようぜ!!」

一方通行「やるか」

土御門「こほん、これで一通り自己紹介が終わったな。早速段取りを説明するぞ?」

麦野「はいはいあんたはややこしくなるから上条君から離れなさい」

食蜂「えー」

御坂「えーじゃないわよ!」

数分後

一方通行「一方通行だ、ベクトルを操作することができる」

一方通行「死にたくなかったら俺より前に出るな。以上だ」

垣根「なんかこそばゆいな」

麦野「そうね、中学生の妄想っていうのかしら・・・」

食蜂「上条さん、あの人こわーい」ギュッ

上条「え?そ、そそそおうだなあああ」

御坂「だからくっつくなっての!!」

土御門「おい爆発しろ」

削板「一方通行!お前の体からは根性の匂いがしねえ!俺と一緒にベンチプレスをあげようぜ!!」

一方通行「やるか」

土御門「こほん、これで一通り自己紹介が終わったな。早速段取りを説明するぞ?」

麦野「はいはいあんたはややこしくなるから上条君から離れなさい」

食蜂「えー」

御坂「えーじゃないわよ!」

土御門「まずはグンマーに関する基本的な情報だ、これを見てくれ」

ttp://imgcc.naver.jp/kaze/mission/USER/20120719/99/979009/1/647x366x33891e5094fae5d3a2aec5c6.jpg

麦野「ちょっと、どれだけ暑いのよ・・・」

垣根「普通に歩いただけでもぶったおれちまいそうだな」

削板「なあに、根性があればなんとかなる」

一方通行「俺には関係ねェな」

上条「あ、そうか、熱を反射すればいいのか、便利だな」

食蜂「反則じゃない」

御坂「あたしが友達に調べてもらったところによると、一時間に2リットルは水分が必要になるわね」

上条「そんだけ持ち運ぶってかなり辛くないか?」

土御門「だから水は現地で調達することになるだろうな」

垣根「そう都合よく見つけられるものか?」

土御門「大体ではあるが地図の中に川の位置は書いておいた。それを活用してくれ」

御坂「本当は煮沸したほうがいいんだろうけど、そんな暇もないかもしれないしあたしの能力で殺菌してあげるわ」

上条「お前そんなこともできたのか?」

御坂「ふふん、当然よ」

土御門「まあなんにせよ慣れない土地に慣れない気候、戦闘うんぬん抜きにしてもこれだけで相当苦しめられるな」

食蜂「ねえ、それだけ厚いなら薄着で行ったほうがいいのかしらぁ?」

土御門「それは一番やりやすい間違いだな」

どういうことぉ?」

土御門「中東の人間がどういう格好をしているか知ってるか?」

食蜂「えっと、ぶかぶかの長い布を上からかぶせて・・・それで頭とか顔とかを布で覆ってるような・・・」

土御門「そう、あれは単純に日光から身を守るためにやっていることだ」

食蜂「えっ!?」

土御門「グンマーくらいの気候で肌をさらしてみろ。あっという間に日焼けして熱中症でダウンだ。死にたくなかったら肌の露出は避けろ」

一時間後

土御門「準備はいいか?」

一方通行「あァ」

御坂「ってあんたは何の準備もいらないのね」

一方通行「当然だ」

垣根「第一位様は俺達とはちがうってさ」

麦野「そういうあんたも軽めじゃない?」

垣根「ま、俺の未元物質には常識が通用しねえからな」

上条「だけど荷物が多くても身動きに困るだろ?」

食蜂「そうねぇ、何で御坂さんはそんなに荷物が多いのかしらぁ?」

土御門「そうだな、その中には何が入ってるんだ?」

御坂「え?塩よ」

上条「塩!?」

御坂「ええ、グンマーには海が無いから交易で塩を手に入れるしかないって聞いたから」

土御門「なるほど・・・塩か・・・」

麦野「何、有効なの?」

土御門「いや、主戦派でも反戦派でもない部族の族長に塩を納めればこちらにとって有利に事を運べるかもしれないと思ってな」

垣根「確かに、内陸部だと塩は手に入らないからな」

土御門「少しルートを変えることを考える必要があるな」

御坂「ふふん、どうやら塩は有効みたいね」

上条「みたいだな。お前すごいじゃねーか」

御坂「もっと褒めてもいいのよ?」

上条「えっと、御坂様肩をお揉みいたしましょうか?」

御坂「そ、それってセクハラっぽくない?」

上条「はっ!そうか!!」

一方通行「くだらねェ・・・」

国境付近

土御門「ここから先がグンマーだ」

上条「ついに・・・来たんだな・・」

御坂「何か空気が違う・・・」

食蜂「ええ、熱気とは別に・・・何かしらこれ・・・」

麦野「ここから先はもう引き返せないわよ」

垣根「何だ?びびってるのか?」

麦野「まさか・・・」

一方通行「逃げるンなら今のうちに逃げろ足手まといだ」

削板「なあに、みんなはこの俺が守る!俺を信じるんだ!」

土御門「覚悟はできたか?じゃあ、健闘を祈るぜい」

上条「うわぁ・・・・」ガサガサ

御坂「結構生い茂ってるわね」ガサガサ

麦野「このジャングルまとめて吹き飛ばしたいわね」ガサガサ

垣根「その時はグンマー人が敵とみなして襲ってくるだろうな」ガサガサ

食蜂「自然を愛するグンマー人がそれを許すわけないものねぇ」ガサガサ

削板「自然破壊はだめだ、自然と共にいてこそ根性ある男だからな」ガサガサ

一方通行「・・・・」スタスタ

上条「反射って便利だな」

御坂「そうね、歩くだけで草木がはじかれるんだもの」

麦野「もういっそあいつ一人にまかせてしまわない?」

食蜂「そうねぇ」

数分後

上条「ぜぇ・・・ぜぇ・・・・」

御坂「あっつー・・・」

麦野「汗がはんぱないわね・・・」

食蜂「もうだめ・・・休憩しましょう・・・」

削板「なんだなんだ、だらしないなお前ら」

垣根「女ってのはそういうもんだろうが」

一方通行「なンだ、てめェも根性馬鹿だったのかァ?」

垣根「一緒にするんじゃねえ、俺は能力で熱を遮断する物質を身にまとってるだけだ」

上条「なんだ・・・それ・・・」

垣根「俺の能力の賜物だ」

御坂「ずる・・い・・・」

食蜂「ねぇ・・・休憩・・・」

麦野「そうね、ちょっと足を止めましょう・・・」

一方通行「チッ」

スレタイでワロタ

上条「はぁ・・・はぁ・・・・なんて暑さだ・・・」

御坂「そうね、普通に歩ければまだいいけどこうやって頭よりも高い草木を押しのけながら移動するのって・・・つらいわ・・・」

食蜂「み・・・みず・・・・」

麦野「一気に飲むんじゃないわよ?」スッ

食蜂「ありがと・・・ んっ」コク

垣根「このペースだと確実に日が暮れちまうな」

削板「ったくどいつもこいつも根性が足りてねぇな」

上条「なあ、一方通行」

一方通行「ン?」

上条「お前の能力で植物の向きを固定することってできないのか?」

一方通行「・・・・」

上条「お前が先頭に立って道を作ってくれればこんなに消耗しなくても済むと思うんだ」

麦野「それいいわね」

食蜂「っていうか最初からそれやりなさいよー!」ブー

一方通行「便利屋扱いするンじゃねェ」

垣根「そもそもこのメンバーで昼間に移動することが間違ってるんじゃないのか?」

御坂「よく考えたら・・そうね・・・」

食蜂「夜は夜で危険な動物が動き出すんじゃないのぉ?」

麦野「そんなの私の能力で黒こげにしてあげるわよ」

削板「黒こげにしたら食べられないだろうが」

上条「飯の心配か、なんて能天気なやつだ」

一方通行「根性馬鹿に期待するンじゃねェ」

垣根「夜を待って移動したいところだが少なくとも水場にはある程度近づいておいたほうがよさそうだな」

上条「ここからどれくらいなんだ?」

垣根「ざっと5kmってところだ」

御坂「うえぇ・・・」

食蜂「ご・・きろぉ・・・」

麦野「これが本当の地獄か・・・」

フクシマおるか~?

一方通行「・・・・」スタスタ

上条「さっきより楽にはなったが・・・」

御坂「足場が不安定なことにはかわりないのよね・・」

食蜂「そうねぇ、石とかごろごろしてるし・・・」

麦野「蚊もブンブン飛んでくるわね・・」パチッ

垣根「まさに外国って感じだよな」

削板「なあに、これでこそ俺の根性が試されるってもんだ」

垣根「一生言ってろ」

食蜂「はぁ・・はぁ・・・すぐ口の中が乾くわぁ・・・」

麦野「塩飴舐める?」

食蜂「え?」

麦野「口を開けてるよりはマシだしミネラルも補給できるわよ」

食蜂「いただくわぁ・・・」

御坂「あ、あたしもほしい」

上条「俺も・・・」

一方通行「・・・・」スタスタ

上条「しょっぱ・・・」

御坂「飴っていうよりあれね、キャラメルみたい」

麦野「暑いんだからこういうのじゃないとすぐに溶けちゃうでしょ?」

食蜂「そうねぇ、ありがたいわ」

垣根「何か遠足気分だな」

削板「集中力が足りん。こんなことではやられちまうぞ」

上条「俺達は戦争に来たんじゃねーんだ。そうピリピリしなくてもいいだろ」

御坂「っていうと?」

上条「話し合いで解決できればそれが一番じゃねーか。まずは俺達の考えを伝えてみようぜ」

麦野「・・・ねえ」

上条「ん?」

麦野「グンマー語話せる?」

上条「あっ・・・」

御坂「馬鹿」

一方通行「・・・・」スタスタ

上条「そもそも何でグンマーの族長の中に学園都市と戦争を起こそうってやつが出てきたんだろうな?」

御坂「そういえばそうね・・・誰か何か知らない?」

食蜂「私は何も知らないわぁ」

麦野「私も」

垣根「俺もだ」

削板「俺も知らん」

上条「そこらへんがわかればこう切り口とかあるような気がするんだけどな」

御坂「うーん、グンマーからわざわざ学園都市に攻め込む理由・・・何かしら・・・」

食蜂「学園都市の技術とか?」

麦野「神を信仰して自然を愛する人たちが学園都市の技術をほしがるとは思えないわ」

上条「むしろ科学技術が無くても快適に生活してるらしいからな」

垣根「ってなると・・・学園都市がグンマーにちょっかい出したって考えるのが妥当だろうな」

削板「学園都市が!?」

一方通行「ありえねェ話じゃねェだろォな」スタスタ

上条「えっ?」

一方通行「俺達が使っている超能力なンざ十数年前まで御伽噺の世界のものだったンだ」

一方通行「ただの人間に使えない力を仕える人間がいたらそれを解析して使えるものにしようって考える連中があの町にいないと思うか?」

上条「そうか・・・」

御坂「学園都市が何かしたって考えれば納得できるわ・・・」

食蜂「詳しいことはわからないけどそう言われてみればそう考えるのが自然ね」

麦野「ま、私達が考えることじゃないわよ。私達には族長を拉致することだけ考えましょう」

垣根「・・・あのふざけたやつらの思うままに・・・くそっ!!」

削板「誰が何を考えてこういうことになっているのかわ俺にはわからん、だが俺は学園都市のみんなを危険な目にあわせないようにするだけだ」

一方通行「おめでたいやつだ・・・」

垣根「全くだな」

ザアアアアアアアアアアアア

一方通行「滝だ。止まれ」

上条「おわっ!?」

御坂「すごい・・・気づかなかった・・・」

食蜂「これ・・・向こうに渡れるのぉ?」

麦野「ざっと向こう側まで10mはあるわね」

垣根(俺なら飛び越えられうだろうが・・・・あれはちょっとな)

削板「ん?こんなもの根性で一発だろうが」

上条「お前の基準でものを考えるんじゃねえ!!」

一方通行「で、そうすンだ?」

御坂「どうするって言われても・・・」

食蜂「橋を作ることができれば渡れるけど・・」

麦野「そんなことできる?」

一方通行「できなくはねェ」

垣根「ほう?」

一方通行「あン?」

垣根「第一位様ってのがどれだけできるのかちょっと見てみたくなっちまってな」

一方通行「てめェも何かできそうだな?」

垣根「まあな」

一方通行「お前第二位だったよな、何かコンプレックスでもあンのかァ?」

垣根「んなものはねぇよ。ただお前の能力が見たいだけだ」

一方通行「ケッ」

麦野「で、できるならやってほしいんだけど?」

一方通行「・・・少し待ってろ」

毒矢と火矢の熱烈歓迎まだー?

ミシミシメキメキギギッゴガギチィ

御坂「うわぁ・・・」

食蜂「地面から土砂が集まって向こう岸まで・・・」

麦野「見事な橋ね」

上条「すげぇ・・・」

垣根「・・・・無茶苦茶だな」

一方通行「文句あンのか?」

垣根「ねえよ」

削板「すげえ根性だ。まさか一方通行にこんな根性があったなんてな」

垣根「ま、こいつは置いといて」

一方通行「さっさと渡ンぞ」

御坂「うん!」

食蜂「何かワクワクするわぁ」

麦野「わかるわ、その気持ち」

一方通行「・・・・」スタスタ

御坂「うわぁ・・・いい眺め・・・」

食蜂「本当ねぇ・・・」

麦野「軽く虹かかってない?」

垣根「おい、はしゃぐ気持ちはわかるがさっさと渡っちまえ、こんなところに橋なんぞあったら目立つだろうが」

御坂「あ、そうか!」

食蜂「ここがグンマーだってこと忘れてたわぁ」

麦野「さっさと渡っちゃいましょ」

削板「おや、上条は渡らないのか?」

上条「え?いや、このキノコ食えるやつじゃなかったかと思ってな」

削板「これか、なるほど、確かにうまそうだ」

一方通行「おい、早く渡れ!!」

上条「ああ!わかった!!」ヒョイ ゴソゴソ

削板「後でちょっと食わせてくれよ?」

上条「わかった」

御坂「こらー!早くしなさーい!」

麦野「こら、大きな声出さない」

御坂「あ、そうだった」

一方通行「ったく・・・」

上条「わざわざ手すりまでついてるなんてあいつもちゃんと考えてるんだな」ポン

ピキーン!!

上条「あれ?」

ミシ・・・ミシミシ・・・・ グラグラッ

垣根「やばい!!崩れるぞ!!」

上条「おわあああああ!!!!」

削板「この橋はやばい!!つかまれ上条!!」

上条「おう!!」ガシッ

削板「すごいじゃああああんぷ!!!!」ピョン

削板「あれ?」


>上条「え?いや、このキノコ食えるやつじゃなかったかと思ってな」

削板「これか、なるほど、確かにうまそうだ」

一方通行「おい、早く渡れ!!」

上条「ああ!わかった!!」ヒョイ ゴソゴソ

削板「後でちょっと食わせてくれよ?」

上条「わかった」





マタンゴやめろ

ガラガラグシャアアアア!!!!

食蜂「きゃああああああああ!!!!」

垣根「ったく!!!」フワッ

御坂「羽!?」

上条「お、おちるううう!!」

削板「こんじょおおおおおおおおおおおお!!!」

上条「滝壺おおおおおおお!!!」

削板「りこりいいいいいいん!!!!」

麦野(・・・・ノーコメントね)

ガシッ

上条「はぁっ・・はぁっ・・・」

削板「あぶねぇ・・・・」

垣根「ったく、何で俺が野郎二人を助けてやらなきゃいけねーんだ」

御坂「羽・・・」

食蜂「羽ねぇ・・・」

麦野「・・・・・天使?」

御坂「ぶふっ!!」

食蜂「に、似合わないわぁ・・・」プクク

麦野「あ、あのなりで・・・天使・・・」ククク

一方通行「メルヘン野郎」ボソッ

御坂「や、やめてよ・・・・」プルプル

食蜂「ふ、ふふふふ・・・」プルプル

麦野「おなか痛くなる・・・・」プルプル


垣根「だぁー!!畜生!!だからこれ見せたくなかったんだよ!!」

削板「いや、すまん、おかげで俺達は助かったぞ?」

上条「そうだな。垣根が助けてくれなかったらへたすりゃ死んでたな」

垣根「くそっ!!せめて麦野か食蜂をだな・・」

上条「はー、あぶねえところだった」

一方通行「なンで橋が崩れやがった、俺は完璧に演算したはずだぞ」

削板「俺のすごいジャンプも発動しなかったし・・・何が起こったんだ?」

御坂「こいつの右手のせいよ」

食蜂「上条さんの?」

麦野「あ、そうか、幻想殺し」

垣根「なるほどな、それで納得がいった」

上条「ちくしょう、この右手のせいで死にかけるなんて・・・」

ガサッガサガサガサガサガサガサ!!!!!

一方通行「チッ!!!」

麦野「来るわ!!」

垣根「これだけ派手にやりゃ当然か!!」

食蜂「こ、こわい・・」ギュッ

上条「えっ!?」

御坂「むかっ!!」

ガサッ

男児「シーカ!!」ピョン

一方通行「ン?」

男児「シー・・・カ・・・・?」

御坂「ちびっ子ね」

上条「でも弓持ってるぞ?」

男児「・・・・トチーギ?」

食蜂「え?何?」

男児「トチーギ?」

麦野「とちぎ?」

削板「栃木ってことじゃないか?」

垣根「栃木じゃないことは確実だがこういう時何て言えばいいんだ?」

一方通行「ノントチーギ」

男児「ノントチーギ?」

一方通行「ノントチーギ」

上条「何か通じてるのか?」

削板「わからん」

垣根「そうだ御坂、あいつに塩見せてみろよ」

麦野「それいいわね。うまくいけばコンタクトが取れるかもしれないわ」

御坂「えっと、とりあえずこれでいいのかしら」

食蜂「見せてみましょうよ」

御坂「うん・・・」

上条「とりあえず近くに誰か潜んでるとかねーよな?」

御坂「や、やめてよ!!」

麦野「さ、そっとよ」

御坂「うん」サラサラ

一方通行「トチーギ?」

男児「トチーギカイメツ!!トチーギコロス!!」

一方通行「・・・どォやらこっちが敵じゃないことはわかったみたいだな」

垣根「あれで通じるのか。すげえな」

御坂「ね、ねえ・・・・」

男児「??」

御坂「ほーら、塩よー・・・」

男児「!!??」

御坂「ど、どう?」ニコ

男児「・・・・ごくっ」

麦野「興味あるっぽくない?」

食蜂「みたいね」

男児「・・・・」ソー

御坂「そうよ、痛いことしないわよー?」ニコ

男児「ぺろっ」

麦野「舐めた」

食蜂「舐めたわね」

男児「フゥーウ!!!」パァァ

御坂「え?」

上条「喜んでいるみたいだな」

垣根「塩舐めたくらいでこんな反応すんのか?」

一方通行「それだけ貴重なンだろ」

削板「ちびっこが喜んでいるところを見ると和むな」

御坂「えっと、まだまだあるわよー?」ドサドサ

男児「フワァーオ!!!!」

麦野「驚いてるわね」

食蜂「むしろ感激?」

男児「ソルゥート!!!ソルゥート!!」

上条「踊りだしたぞ」

垣根「それだけうれしいってことじゃないのか?」

削板「さすがグンマー、俺達の国とは文化が違うんだな」

男児「アンナーカ!アンナーカ!!」グイグイ

御坂「え?え?」

上条「どこかへ連れていこうとしているみたいだな」

垣根「どこに行こうとしてるんだ?」

削板「さあな」

男児「アンナーカ!!」

麦野「部族の名前じゃないの?」

食蜂「えっと・・・、あ、あったわ。アンナーカ」

上条「どの変なんだ?」

一方通行「確か首都タカサーキの隣だったな」

上条「そこって主戦派か?」

垣根「いや、どうやらどちらにも属してない部族のようだ」

麦野「ここってアンナーカ?」

御坂「えっと、シモーニタみたいよ」

男児「ネーギ!ネーギ!」ブチブチ

上条「なんか引っこ抜いてるぞ?」

一方通行「ン?このにおい・・・・」

御坂「葱じゃないかしら?」

男児「ネーギ!」ニコッッ

麦野「へえ、こんなのなんだ・・・」クン

麦野「うわっ!!」

食蜂「どうしたのぉ?」

麦野「香りがつよいわ。近すぎてツンときた」

削板「葱といえば湯豆腐だな」

垣根「いや、蕎麦に入れるのが一番だろ」

御坂「何でもいいじゃない、移動するみたいよ?」

一方通行「ン、行くぞ」

ガサガサ

男児「ソルゥート!!!ネーギ!!」

一方通行「ったく、何てスピードだ」スタスタ

上条「地元って・・・すげえな・・・・」ハァハァ

御坂「本当・・・ついていくのが・・・やっと・・・」

食蜂「もっとゆっくり歩いてよぉ・・・」

麦野「くそ、これだから・・・・ちびっ子は・・・」

垣根「ばばあ臭い台詞だな」ボソ

麦野「あ!?」

垣根「なんでもありませーん」

削板「根性が足りん」

男児「!!!」

一方通行「あン?」

上条「うわっ!」

御坂「ちょっと!」

食蜂「止まるなんてっ!!」

麦野「あぶなっ!!」

垣根「おっとっと」

削板「何だ?」

男児「シー!! シーシ!!シーシ!!」

一方通行「シーシ?」

上条「とりあえず静かにしたほうがよさそうだな」

御坂「うん」

食蜂「ひょっとして・・・悪いグンマー人?」

麦野「・・・かもね」

垣根「ついに来たか・・・」

ガサゴソガサバキバキ

男児「・・・・」

一方通行「・・・・」

 グオッ ブフッ

上条(でけぇ・・・・)

御坂(い、いのししってこんななの・・・・)

食蜂(な、なによこれぇ・・・・)

麦野(いや、これはまずいわ。馬鹿が騒ぎそう)

垣根(おい馬鹿、じっとしててくれよ?)

削板「こいつは・・・俺の敵だあああああ!!!!」

麦野「やっぱりかあああ!!!」

垣根「こういうところだけ期待通りかよ!!」

削板「こんじょおおおおおおおおおお!!!!」

 ブフィッッ!!!!

削板「くらええええ!!!!俺のおおおお!!すごいぱああああんちいいいい!!!!」

ゴッ

 グフォッ!!

メキメキメキメキドグシャアアアアアアアアアアアア!!!!!

麦野「うわぁ・・・・・」

垣根「やっちまったな・・・」

御坂「グンマーの人って自然を愛してるのよね?」

食蜂「これってやっぱりまずい?」

男児「・・・シーシ・・・」

一方通行「シーシ・・・カリウード?」

男児「カリウード・・・・シーシゴクラーク」

一方通行「ゴクラーク?」

男児「ゴクラーク!!」ピョンピョン

上条「あれ?踊りだした?」

男児「ゴクラーク!!ゴクラーク!!」ピョンピョン

御坂「どういうこと?」

一方通行「猪をしとめたことは悪いことじゃねえが神に猪の魂の冥福を祈りつつこの獲物に感謝してるみてェだな」

上条「そっか・・・」

麦野「いただきますってこういうことを言うのよね・・・」

削板「どうだ!俺の根性もたいしたもんだろ!!10m近い猪をしとめたんだからな!!」

食蜂「黙りなさい根性馬鹿」

削板「え?」

垣根「あー、あれだ、うん。削板。お前これ担いでこい」

削板「なんだ、そのくらいなら楽勝だ。俺の根性を見せてやるぜ」御坂「待ちなさい」

削板「ん?」

御坂「あとちょっとだけ待っててくれる?」

男児「ゴクラーク!!ゴクラーク!!」

削板「???」

門番「オンドゥル!オンドゥルワ!モコ?モコズキッチン?」

男児「ソルゥート!ネーギ!シーシ!」

上条「何かご機嫌だな」

御坂「そうね」

一方通行「これだけでかい獲物が手に入ったンだ。そういうもンじゃねェのか?」

麦野「なるほどねえ」

食蜂「自然と共存って結構厳しいのねぇ」

垣根「そうでもないんじゃないか?」

食蜂「どういうこと?」

垣根「その日の食事に困るくらいの連中ならグンマーもここまで力をつけることはなかっただろう」

上条「そっか、毎日食べ物を捜し求めないといけないなら文化が栄える余裕が無いもんな」

御坂「そうね、余裕があるから文化が発展することができるのよね」

削板「なかなか思いな。だがこれも俺の根性を高めるためだ!!」ギシギシ

垣根「なんで本当に持ち上げられるんだよこの根性馬鹿」

一時間後

男児「アンナーカ!アンナーカ!!」

一方通行「到着したか」

上条「そうだな」

御坂「結構たくさんの人がいるのね」

垣根「お前ら・・・・」

食蜂「やっぱりちくちくしてすわり心地はいまいちねぇ」

麦野「まこういうものでしょ?文句言うと自分で歩かないといけなくなるわよ」

食蜂「ま、それよりはマシってことね」

一方通行「猪+人間四人担いで歩けるなンざ清々しいほどの根性馬鹿だな」

削板「なあに、こういう展開を俺は待っていたんだ、俺の根性を鍛えられるこの展開をな」

垣根「今更だがノミとかいねえのか?」

御坂「そんなものこの猪に乗る前にあたしの能力で殺してあるに決まってるじゃない」

垣根「・・・・恐れ入るわ」

トチーギ? トチーギ?

男児「アンナーカ!!アンナーカ!!」

一方通行「アンナーカ?アンナーカーチョ?」

男児「アンナーカチョ!」

一方通行「アンナーカズ、ウェアノントチーギオケ?」

男児「ユェァノントチーギオケ!!」

トチーギ? トチーギ?

男児「すう・・・」

男児「ノントチーギ!!!!シーシ!!!カリウード!!!!」

ノントチーギ!!! ノントチーギ!!!

上条「何が起こったんだ?」

御坂「たった今まで少しピリピリしてたのがほころんだみたいね」

食蜂「歓迎されてる?」

麦野「だといいけど」

垣根「とりあえず獲物の上に腰掛けてるお前らは何とかしたほうがいいんじゃないのか?」

御坂「あ、そっか。これ食べるのよね」

削板「根性根性。残さず食べてやるぜ」

上条「本当にやりそうで怖いな」

麦野「いや、いくらなんでも人間の身長でこれは入らないわよ」

上条「だといいんだけどなあ・・・・」

食蜂「やってしまいそうで怖いわね」

男児「アンナーカチョ!!」

一方通行「イェァ!!」

上条「これ・・・」

御坂「家かしら?」

一方通行「この辺りを治める族長の家だ。失礼の無いようにってよ」

麦野「ここが・・・」

食蜂「緊張するわぁ・・・・」

アンナーカチョ「よく来たね」

上条「あれ?しゃべれるのか?」

アンナーカチョ「おや、驚かせてしまったか」

御坂「え、ええ。まさかここに来て会話ができるなんて思ってもみませんでしたから」

アンナーカチョ「族長に近いものになると外の人間と交易をすることがあるから覚えなくてはいけないんだよ」

麦野「えっと、私達突然ここに来たんだけど何も問題無いの?」

アンナーカチョ「何、少なくとも私達の聖域を荒そうとする意識は無いみたいだからね」

アンナーカチョ「それに君達は塩を持ってきてくれたのだろう?」

食蜂「あ、そうだったわ。御坂さん」

御坂「うん」ゴソゴソ

ドサドサ

アンナーカチョ「おお、ありがたい、私達にとっては塩は砂金にも等しいものなんだ」

垣根「で、外においてある猪なんだが、あれは狩っても良かったのか?」

アンナーカチョ「少し小ぶりだけど問題ないよ。すぐにさばいて保存用に調理してしまうから興味があるなら見学するといい」

一方通行「で、俺達のことだ」

アンナーカチョ「うん、君達は学園都市から来たんだろう? わかっていたよ」

垣根「わかっていた・・・か・・」

アンナーカチョ「そうだ、わかっていた」

御坂「じゃ、じゃあ私達が何をしにきたかも?」

アンナーカチョ「ああ、そうだ。君達は学園都市に攻め込もうとしている部族の族長を連れて帰ろうとしているね?」

上条「・・・なんでそんなことまでわかるんだよ・・・」

アンナーカチョ「神が教えてくれるんだよ」

麦野「神・・・」

アンナーカチョ「そう、神だ」

食蜂「なら、その神は学園都市に攻め込むことをどう思っているの?」

アンナーカチョ「・・・・神は一人ではないんだ。こればかりは何ともいえないね」

一方通行「そォか、大体わかった」

アンナーカチョ「慣れない土地の風土にさらされて疲れているだろう。寝床を用意するから今日はここで休むといい」

上条「え?いいのか?」

アンナーカチョ「ああ、我々は敵には容赦しないが客はきちんともてなしさせてもらうよ」

御坂「いやぁ・・・塩持ってきてよかったわ」

食蜂「御坂さんお手柄ねぇ」

麦野「正直夜も歩き回ると思ってたからありがたいわね」

垣根「ほとんど削板に担がれてたお前らが言うか」

上条「あ、そういえば削板は?」


シーシ!! サーキ! シーシ!! サーキ!


御坂「何?表が騒がしいけど」

アンナーカチョ「君達が持ってきてくれた猪を解体するようだね」

削板「よぉーし!!俺の根性で一刀両断にしてやるぜ!!」

 イエァ!!!!!!

御坂「何あの馬鹿でかい・・・鉈?」

上条「あんなの持ち上げられる人間がいるのかよ」

アンナーカチョ「私達にとっては一般的だよ?」

麦野「さすがグンマーね、私達の常識は通用しないわ」

食蜂「ね、ねえ・・・あれ・・・今から・・・さばくの?」

垣根「だろうな」

食蜂「み・・・見たくないわぁ・・・」

一方通行「なら建物の中にいろ、無理するもンじゃねェ」

食蜂「うん・・・」

削板「うおおおおおおお!!!」グイッ

御坂「持ち上げた!!」

上条「なんてやつだよ・・・・」

ちょっと休憩します。22時頃に再開で

死国「トチーギもグンマーも小者よ」

削板「むんっ!!」ビュン

ドシュッ

上条「うわぁ・・・・」

イイイイイイイイイヤッフウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!

御坂「うわぁ・・・血があんなにいっぱい・・・」

麦野「見てていい気分じゃないわね・・・」

垣根「食べ物を食べるって簡単なことじゃないんだな」

削板「はあっ!!」ビュン

ザシュッ

アンナーカチョ「ほう、うまいね彼は。だが経験があるようには見えないんだけどね?」

一方通行「ただの根性馬鹿だ、気にすンな」

イイイイイイイイイヤッフウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!

食蜂「何よこの熱気・・・」

食蜂「ま、まああれだけの猪を解体するんだから盛り上がりもするわよね」

食蜂「あれよ、うん、マグロの解体ショーとかと同じよ」

食蜂「でも・・・さすがにあれは見たくないわぁ・・・」

食蜂「あら?これは・・・骨?」

食蜂「これ・・・私の腰より太いじゃなあい・・・」

食蜂「グンマーにはどんな生物がいるのよぉ・・・」


アンナーカチョ「うんうん、うまくさばいてくれたね」

削板「ふん、俺の根性にかかればこんなものは朝飯前だ!!」ゼェゼェ

上条「とかいいながら肩で息してないか?」

削板「そ、そんなわけないぞ!!」ピシッ

御坂「強がってるわね」

麦野「ええ、強がってるわ」

垣根「だがそんなことより削板のやつ猪の血で汚れまくってるじゃねーか」

上条「あれってあんまり良くないんだよな?」

垣根「当然だ。感染症を引き起こすぞ」

アンナーカチョ「なあに、安心したまえ、グンマーは温泉がたくさんある。君達も彼と一緒に一日の疲れを落とすといい」

一方通行「至れりつくせりだな」

垣根「最悪野宿だと思ってたところに風呂までか。こんなんでいいのか?」

麦野「死闘に次ぐ死闘で消耗したかったの?」

垣根「謹んでお断りしてーな」

御坂「猪の解体終わったわよ」ヒョコ

食蜂「うん、そんな感じがしてたわぁ」

麦野「で、族長がお風呂に入ってきたらどうか?ってさ」

食蜂「え?お風呂あるのぉ?」

御坂「グンマーには温泉がいっぱいあるみたいなのよ」

麦野「私は入るわよ?」

御坂「もちろんあたしも」

食蜂「わ、私も入るわ!もうヘトヘトだもの!」

御坂「じゃ、決まりね」

麦野「早速行くわよ」

食蜂「え、準備とか無いの?」

御坂「色々そろってるらしいわよ?」

食蜂「そうなんだ・・・驚きの連続ねぇ・・・」

温泉

垣根「・・・・なぁ・・・」

一方通行「あン?」

垣根「何で俺がお前らと一緒に風呂に入らないといけないんだ?」

上条「何だ、他人に裸見られるの嫌ってタイプか?」

削板「根性が足りんな。そんなことを気にしていたらいざという時何もできないぞ?」

垣根「そうじゃねーよ!こういうのはそうじゃねーよ!」

一方通行「何が言いてーンだてめェは」

垣根「こう、あれだよ!温泉がひとつしか無くて布巻いて全員で入るとかだな!麦野と食蜂のがうっかりこぼれてとかだな!」

垣根「そういうロマンをお前らは望まないのか!?」

一方通行「ンなことになったらあいつらが時間ずらすだけだろうが、そンなに盛ってンなら一人でしてろ」

垣根「っかあああああこいつは何もわかっちゃいねえ・・・・」

上条(麦野さんの・・・・・それに食蜂のやわかいあの感触・・・・・)

上条(お・落ち着け・・・こういう時はだな・・・)ドキドキ

削板「何を根性がねえことを言っている。結婚まではどんなに進んでいても交換日記までだろうが!!」

一方通行「 」

垣根「 」

上条「 」

削板「ふっ、言葉も出ねえか」

一方通行(いつの時代の考え方だこいつ・・・)

垣根(あれか?平安とかの貴族の結婚とかか?結婚して始めて相手の顔が見えるとか・・・)

上条(そもそもこいつって現代の日本人なのか?)

削板「いいかお前ら。この際だから俺が根性ある男女交際というものを伝授してやる!!」

一方通行「いらねェ」

垣根「俺もう上がるわ」

上条「俺もうちょっとのんびりするわ」

削板「ったくどいつもこいつも、男女交際で困ることがあったらいつでも俺の所に相談に来るんだぞ!?」

御坂「いい湯ねー」チラッ

食蜂「ちょっと熱いわぁ」ボイン

麦野「そうね、少し薄めたいわね」ボイン

御坂「・・・・・」

御坂「爆発しろ」

食蜂「え?」

麦野「いきなり何言い出すの?」

御坂「何でもないわ」

食蜂「御坂さん、ひょっとして・・・」ジー

御坂「な、何よ!!どこ見てんのよ!!」

麦野「脱ぐ時からずっと私らの体見てたじゃない?」

御坂「み、見てないわ・・・」プイッ

食蜂「ふーん」ニヤニヤ

麦野「わかりやすいわねー」ニヤニヤ

垣根「っていうことが行われているにちがいない」

垣根「それでだ。こう小さいのがコンプレックスな御坂がこう二人の感触を確かめたり二人が御坂のを揉んで大きくしようとしたりとか」

垣根「俺はそれを暖かく見守ろうというわけだ。それは男として当然の義務」

垣根「うん、あれだよ。男が見守らなくて何が青春だ」

垣根「男の目を意識してこそ青春なんだ。そしてそこから大人になっていずれ成長していくんだよ」

垣根「だから俺がやっているこの行為は三人の成長を見守って益々の成長を期待してだな」

垣根「こう、あいつらが入っているだろう温泉にこっそりと近づくのは決してやましいことではなく」 「おい」

垣根「ん?俺は今忙しいんだ。用があるなら後にしてくれないか?」 「後ねぇ・・・」

垣根「そうだ、後だ。今は二人のぷるんぷるんと一人のつぼみをこっそりと、だが確実に確かめるためにだな」 「つぼみ?」

垣根「つぼみはつぼみのままでの美しさというのもあるが俺としてはこう花を咲かせる過程を見守りたくもだな」 「誰が誰を見守るって?」

垣根「俺が御坂をって・・・」クルッ

御坂「やっほー」ヒラヒラ

食蜂「何をしようとしてたのかしらぁ?」

垣根「ちょ、ちょっと待てお前らは何か勘違いをしている」

麦野「あ?」

麦野「おい、何が勘違いだって?」

垣根「ま、待て待て待て!!ちょっと待て!!」

御坂「待てばどうなるの?」

垣根「お前達は盛大に勘違いをしている!!」

食蜂「どんな勘違いかしらぁ?」

垣根「そう、おれはお前達に危険が無いかチェックするつもりでだな!!」

麦野「もし私達が入ってたら?」

垣根「・・・・・うっかり?」

御坂「黒コゲになりなさい」ビリッ

垣根「おおっとぉ!!」バサッ

麦野「チッ、未元物質か」

垣根「そうだ、俺の未元物質に常識は通用しねえ、だからいっそ四人で一緒に風呂に」食蜂「お断りよぉ」ピッ

垣根「っ・・・・」

食蜂「さて、能力を解除してここで私達が上がるまで腹筋してなさい」

垣根「ハイ」

垣根「フンッ フンッ フンッ フンッ」

麦野「わー、すごいわね」

御坂「ほんと、あたしには通用しないっていうのが幸いね」

食蜂「誰がこんなやつに肌を見せてあげるもんですか、さ、入りましょぉ」

麦野「そうね、こいつへのお仕置きは風呂上りにでも考えるとしますか」

御坂「ま、今はこんなやつの事考えないでお風呂よ」

食蜂「そうねぇ、楽しみだわぁ」

垣根「フンッ フンッ フンッ フンッ」

アンナーカチョ「お風呂はどうだった?」

御坂「最高でしたー、もうとろけちゃいそうで」

麦野「温泉で仰向けに浮かぶやつ初めて見たわ」

食蜂「気持ちはわかるわぁ」

御坂「泳ぐよりはいいじゃない」

麦野「泳いだらさすがにとめてるわよ」

御坂「や、やらないわよ!!」

食蜂「一人ならやるんじゃないかしらぁ?」

御坂「やらないってば!!」

上条「よ、遅かったな」

御坂「あ、あんた達何してるの?」

削板「夕飯の支度を手伝っていたところだ」

一方通行「っても運ぶだけだがな」

垣根「くっ・・・腹・・・・いてぇ・・・・」ヨロ

麦野「チッ、もう戻ってきたか」

垣根「おい、俺に何をしやがった?」

御坂「話しかけないでスケベ」

垣根「くっ、この・・・」

食蜂「今度は腕立て伏せがいいかしらぁ?」

垣根「ちっ、わかったよ。俺が悪かったよ」

麦野「それだけ?」

垣根「オーケー、わかった、もうあんなことは考えねえ、頼むから許してくれ」

麦野「だって?」

御坂「今回だけは大目に見てあげるわ」

食蜂「そうね、団結しなきゃいけないんだもの。このくらいにしといてあげるわぁ」

垣根「悪魔どもめ」

アンナーカチョ「のぞきは良くないよね?」

削板「何、のぞきだと!?」

御坂「そ、あたしたちが事前に見つけてなんとかなったんだけどね」

一方通行「盛り過ぎてンな、いっそ不能にしてやったらどうだ?」

麦野「悪くないわね、そこだけ消し炭にしてやろうかしら」

垣根「いやおい、ちょっと待て」

食蜂「そうよぉ、やるなら私が見てないところでやってよぉ」

垣根「そこじゃねーだろ」

上条「垣根、命までは取られないんだ。そう興奮するな」

垣根「するわ!」

削板「根性の無えやつには相応の報いが待っているんだ。覚悟を決めるんだな」

垣根「いや、いくらなんでものぞこうとしたくらいでこれはねーだろ」

麦野「真っ二つにされるよりはマシじゃない?」

垣根「おいこら」

御坂「雷浴びせられるよりはマシでしょ?」

垣根「落ち着けっての」

食蜂「二度と表を歩けないような恥ずかしい動画を撮影してネットにアップロードするぅ?」

垣根「マジで簡便してください。お願いですから」

上条「これが第二位の姿・・・」

削板「正直がっかりだぜ」

垣根「っていうか御坂の電撃は防ぐことができたのに何で食蜂の能力は防ぐことができなかったんだ?」

食蜂「ふふん、な・い・しょ」

垣根「ぐぬぬ・・・」

麦野「よからぬことを企てるやつに教えるわけないだろうが」

一方通行「おい、ンなくだらねェことやってねェでさっさと飯にすンぞ」

御坂「そうね、もうお腹ペコペコ」

垣根「ちくしょう。どうしてこうなっちまった・・・」

滝壺「案外平和にグンマーのアンナーカまで進むことができた学園都市の一行」

滝壺「平和すぎてほのぼのしすぎているような気がするのは気のせいか?」

滝壺「だがもちろんこのままでは終わらない。次回、ついにバトルへと突入する」

滝壺「予想もできない攻撃の数々に戸惑う一行」

滝壺「グンマーの力を嫌というほど思い知らされる一行は無事に目的を達成することはできるのか!?」

滝壺「がんばれむぎの、がんばれみんな。私はグンマーの野望を打ち砕くためにがんばるみんなを応援している」


第一部 完

膨らませすぎました。ごめんなしあ さっさとバトルしてさっさと終わらせればよかったのにどうしてこうなった

残ってたら明日の朝9時くらいからはじめます。落ちてたらタイトルにグンマー入れて新しく建てます

明日やることは確実なので明日中には簡潔させます。それでは皆様。また明日

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