幼「今日はどうする?」男「じゃあ幼の家行くか」 (14)

幼「また僕の家に来るのかい?」

男「駄目か?」

幼「駄目ってワケじゃないが……。テスト前くらい自分の家に直帰したらどうなんだい?」

男「家帰ってもやることないからなー。それこそ安直にエロ方向に走るくらい」

幼「君って奴は……。テスト前なんだからテスト勉強すれば良いだろう?今回は二年生になって初めてのテストだから、範囲も広いし内容も濃いじゃないか」

男「つってもなー、授業聞けば大体の事は分かるから、あんまりテスト前に勉強しないんだよな。やってもそれこそ確認程度だから、すぐ終わっちゃうんだよ」

幼「そういえば君は、昔っからそういう奴だったよな……。いつもいつも勉強してないわーとか言って、本当は陰で猛勉強してるのかと思ってた頃が懐かしいよ」

男「まあ要領だけは良いからな。んじゃあまあ幼の勉強を邪魔しないように、テスト期間くらいは直帰しますかね」

幼「なんだ……、結局来ないのかい?」

男「おや?もしかして来て欲しかったとか?」

幼「そ、それはだな……。そ、そうだ!君がエロに走らないように、仕方なくだ、仕方なく!」

男「仕方なくって……。まあ実際やることないから助かるわ」

幼「とは言っても、僕の家に来たって何も無いよ?君の家ほどゲームの類も無いし、そもそも僕たちが持ってるゲームなんて、昔っからやり尽くしているじゃないか」

男「何言ってんだよ、お前が居るじゃん」
幼「なっ……はぁ?」

男「どうしたんだよ、何かおかしなこと言ったか?」

幼「い、いや、すまない。こうも歯の浮くような台詞を良く言えるもんだと思ってね」

男「何言ってんだ?一人でいるより、お前といた方が楽しいに決まってるじゃねえか」

幼「全く、君って奴は……。これで無意識だってんだから、性質が悪いよ本当……」

男「なんじゃそりゃ。結局俺は行って良いのか?」

幼「あ、ああ、歓迎するよ。どうせなら、退屈ついでに僕に数学を教えて欲しいのだが」

男「構わねえよ。まあ、俺の考え方が幼の参考になるかは怪しいがな」

幼「少なくとも結果は君の方が出ているんだ。聞いてみる価値は、無くは無いだろう?」

男「まあ幼の場合は、頭の良し悪し云々よりも、生真面目さだよなあ」

幼「今流行りの、真面目系馬鹿って奴だな」

男「いや、流行ってはいないと思うが……。っと、そろそろ家だ。んじゃあ着替えてから行くから、幼も準備しといてくれ」

幼「分かった。じゃあまた後で」

男「おう」

男「お邪魔します」

幼「いらっしゃい。待ってたよ」

男「なんだ、玄関で待ってなくても良かったのに」

幼「なに、母が男に用事があるというから、ついでにね」

幼母「やっほー、男君、久し振り!」

男「お久しぶりです、幼母さん。ちょうど良かったです。うちの母親から、届け物を預かってきてるんですよ」

幼母「あら、何かしら。どれどれ……、あら、立派なケーキじゃない」

幼「本当だ、とても美味しそうじゃないか」

男「まあいつもの通り、母が趣味で作ったものなので、良かったら貰って下さい」

母幼「もちろん頂くわ。じゃあ、後で紅茶と一緒に食べましょう」

幼「そうだね、ちょうど小腹も空いて来たし」

男「そんなお構いなく……、で良いのか?っていうか、幼母さんの用事って何だったんですか?」

幼母「ああ、そうそうそうだったわね。これから幼ちゃんの勉強を見てくれるって言うから、お礼に私がイ・イ・コ・トしてあげようかと思って、うふふ」

男「い、良いこと?」ゴクリ

幼「男……、一体何を考えているんだい?」

男「い、いや、別に何も考えてねーですぜ?」

幼「鼻の下、伸びてるよ。あとだらしなくよだれが垂れてる」

男「え、ええおえ?」

幼「はあ……、嘘だよ。やっぱり考えてたんじゃないか」

幼母「うふふ、盛り上がってる所悪いけど、私もいつもの通りの趣味のアロマテラピーよぉ。家族のみんなはもう飽きちゃってるのよ……」

幼「そりゃ、あんなに毎日毎日あの匂いを嗅いでいてはね……。何事も限度があるってことだよ、お母さん」

幼母「私は平気なのになー。ってことで、男君、お願いして良い?」

男「あ、はい。俺で良かったら」

幼母「じゃあ決まりね!後でケーキと紅茶を持っていくから、上がって上がって」

男「あ、はい。じゃあ改めて、お邪魔します」

幼「いらっしゃい。じゃあ僕の部屋に行こうか」

幼母「しっかり勉強するのよ?」

幼「わかってるさ。じゃあ、行こう」

男「はいはい、じゃまあやりますか」

幼「男、この問題はどうしたらいいんだ?」

男「あー、これは定数分離して微分だよ。定番問題じゃねーか」

幼「そうなのか?知らなかったよ。どうやるんだい?」

男「だから、左辺にxだけ集めて、右辺を定数のaだけにして、y=aとy=f(x)のグラフを考えてだな……」

幼「というと、こうやって、こうするのか」

男「そうそう、後は微分してグラフ考えて終わりだよ」

幼「ありがとう、男。やっぱり来て貰って正解だったな」

男「これくらい解けなくてどーするんだよ。もう来年は受験だぞ?」

幼「それは、そうだけど……。お、男は、志望大学とか決まってるのか?」

男「んー、俺?まあ、無難に私立の推薦貰っても良いし、国公立受けても良いし、迷い中」

幼「そ、そうか。レベルとしては、どのくらいなんだ?」

男「まあ、無難に早慶か東大とかじゃね」

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