まる子「天空闘技場?」(77)

まる子「そりゃ初耳だねぇ」

たまえ「うん、最近みまつ屋の隣にできたんだって」

まる子「一体何をする所なの?」

たまえ「戦って勝ち抜いて200階まで行くと、お菓子が50年分もらえるらしいよ」

まる子「50年分!?それだけお菓子があればあたしの老後も安泰だねぇ…ヒヒ」

まる子「よし、あたしゃ決めたよ。天空闘技場へ行ってみる」

たまえ「じゃあ私も一緒に行くよ!」

まる子「と、言うわけでちょっと天空闘技場へ行ってくるよ」

すみれ「はいはい、晩ご飯までには帰って来なさいね。あ、それからまる子」

すみれ「念はもう覚えたの?」

まる子「ネン?なにそれ」

すみれ「もう!あれほど身に着けておきなさいって言ったじゃない!」

まる子「あたしゃそんなこと言われた覚えはないよ」

すみれ「まったく…お母さん今忙しいから、おじいちゃんにでも頼んで起こしてもらいなさい」

まる子「わかったよ」

まる子「おじいちゃーん」

友蔵「なんじゃ、まる子」

まる子「お母さんが念を起こしてもらえって」

友蔵「なんと!」

まる子「…おじいちゃん、どうかした?」

友蔵「い、いやいや、なんでもないぞい(ついにこの日が来たか…)」

まる子「おじいちゃんはやくー」

友蔵「はいはいわかった。ではまる子や、後ろを向いてくれるかの」

まる子「うん」

友蔵「では、いくぞ」ズズズ…

ドンッ

まる子「おおっ!!」

友蔵「よし、無事終了じゃ。体中に力がみなぎってくるじゃろう」

まる子「おじいちゃん!こりゃ凄いよ!」

友蔵「そうじゃろうそうじゃろう。ではまる子や、次に体中にオーラが留まっているようなイメージを…う、うう…!」

まる子「ん?」

友蔵「うぎゃああああああああああああ!!」バタバタ

まる子「お、おじいちゃん!?突然どうしちゃったのさ!?」

友蔵「うおおおおおおおおあああああああ!!」ガクガク

念を覚えて間もないまる子は自身の特異な力に気付いていなかった

そう、まる子の能力は!

他人のオーラを吸収し、奪う能力!!

まる子「アワワ、おじいちゃんがどんどん干からびていってるよ…」

キートン「あんたのせいである」

友蔵「まる子やッ!はやく…纏を…う、うごおおおおああああああああッ!!」バタバタ

まる子「テン?なにそれ、どうればいいの?」

友蔵「か、体の力を…抜いて…ガハッ!…とにかくぼーっとするんじゃ!」

まる子「なるほどね、あたしゃぼーっとするのは大得意だよ」

ピタッ

まる子「おじいちゃん、これでいい?」ズズズ…

友蔵「う、うむ(…な、なんと恐ろしい子じゃ)」

まる子「よし、それじゃ行ってくるよ。ありがとおじいちゃん」

友蔵「き、気をつけてな…」

パタパタ

友蔵(…わしはとんでもない怪物を起こしてしまったのかもしれんのう)

友蔵「早いうちに手を打っておくかの」ピッピッ

プルルル

友蔵「もしもし、佐々木ゾルディックさんのお宅でしょうか…」

まる子「たまちゃーん」

たまえ「まるちゃん、遅かったね」

まる子「念を起こすのに時間がかかってね。たまちゃんはもう覚えたの?」

たまえ「うん、今は円の練習をしてるんだけど、これがすごく難しくってさ」

まる子「ふーん、念にもいろいろあるんだねぇ。あたしゃ纏だけで十分だよ…」

たまえ「じゃあ早速入って試合にエントリーしようか。今はキャンペーン中で200階から挑戦できるみたいだよ」

まる子「ほんとに!?じゃあ1勝でもすればお菓子死ぬまで食べ放題だねぇ…フヒヒ」

ウイーン…

まる子「ここが200階か。廊下には誰もいないし、なんだか殺伐としてるねぇ」

たまえ「でも、誰かに見られてるような気がする…」

まる子「おや、あたしたちに続いて誰か来たみたいだね」

ガタン

永沢「なんだ、君たちか」

たまえ「永沢!それに藤木も」

藤木「や、やあ…」ガクガクブルブル

まる子「あんたたちもお菓子をもらいにきたの?」

永沢「ああ、今朝の郵便受けにチラシが入っていたからね」

藤木「う…うう…」ガクガクブルブル

(さ、寒い…一体なんなんだここは!?)

たまえ「どうしたの藤木?なんだかとっても寒そうだけど」

藤木「な、なんでもないよ…」

まる子「ちょっと藤木、あんたクチビルが真っ青じゃないのさ!」

藤木「うう…」ガクガク

(お、おかしいぞ…こんなに寒気がするのに…何でみんな平気なんだ!?)

永沢「…」

永沢「藤木クン、まさか君」

永沢「念を覚えていないんじゃないのかい」

藤木「う!(ギクゥ!!)」

永沢「…フン、やっぱりそうか。君はここに来る前、僕に念は使えるかと聞かれて自信満々に使えると言ったくせに」

藤木「う…う…」

永沢「君ってやつは、本当に卑怯な奴だな」

藤木「ま、待ってくれよ永沢クン…」ガクガク

永沢「念の使えない君なんて何の価値もないね。さっさと家に帰ったらどうだい」

藤木「うう…」

たまえ「藤木、もう帰りなよ…どんどんクチビルが青くなってるよ?」

まる子「どうやらここはあんたが来る場所じゃないみたいだねぇ」

藤木「そんな…そ、そうだ!永沢クン、今この場でボクの念を起こしてくれないか!?」

永沢「…」

たまえ「ちょっと藤木、やめなよ!」

藤木「止めないでくれ穂波…正直、ボクには念の才能があると思うんだ。永沢クンがボクの念を目覚させてくれれば、こんな場所全然へっちゃらさ!」

まる子「なるほど、そりゃいい考えだねぇ」

たまえ「だめだよまるちゃん!あれはすっごく危険なんだよ?」

まる子「え、そうなの?あたしは何ともなかったけど」

たまえ「それはまるちゃんのおじいちゃんが、まるちゃんに対して敵意を持ってなかったからだよ。それに未熟な人が念を送ると失敗することだってあるんだよ?」

まる子「なんと!そんな荒療治だったんだねぇ…」

藤木「ど、どうかな永沢クン…君を信頼して言ってるんだ」

永沢「…フン」

永沢「わかったよ、しょうがないな。そこまで言うならやってやるよ」

藤木「やった!永沢クン、やっぱり君はボクの親友だよ」

永沢「いいから早く後ろを向けよ」

藤木「うん、わかった」

ズズズ…

まる子「なんだかドキドキするねぇ」

たまえ「藤木大丈夫かな…自分には才能があるなんて言ってたけど」

藤木(さくら達に念の才能があってボクに無いわけがない!永沢クン、悪いけどここはひとつ利用させてもらうよ…)

永沢「それじゃあいくよ」ズズ…

藤木(新しい藤木しげるの誕生だ!)

ドンッ!

ドグシャアアアアアアアアアッッ!!

たまえ「きゃああああああああああ!!」

まる子「うひゃあ、藤木の胴体が真っ二つだよ!」

藤木「なななななな永沢ク!…どどど、どどどうして…ゴハァ!!」ドバァ

永沢「どうやら君には全く才能がなかったようだね。まあわかっていたけれど」

藤木「そ、そん…ゴフゥッッ!!」ドバドバ

たまえ「藤木、だからやめなって言ったのに…」

まる子「哀れだねぇ…あんたの薄汚い血で穢された床が不憫で仕方ないよ」

キートン「言い過ぎである」

藤木「う、うう…だ、誰か…助けッ…!!」ドクドク

ガタン

まる子「ん?また誰か来たみたいだね」

はまじ「おーっす、お前らも来てたのか」

ブー太郎「あれ、みんないるブー…って藤木!一体どうしたブー!?」

山田「アハハハwww藤木クンの体がバラバラだじょーwwwww」

藤木「み、みんな!…ガハァッ!!…さ、寒い…誰か…ッッ」

はまじ「はぁ?寒い?何言ってんだこいつ、全然寒くなんかないよな?」

山田「アハハwwwへーきだじょーwww」

ブー太郎「むしろ暑いくらいだブー」

藤木「なっ…なっ…!!」

(なんてことだ…浜崎クンやブー太郎、そしてあの山田クンでさえ念を身に着けているなんて…!!)

(それなのにボクはッ…ボクはッ…!!)

藤木「うわあああああああああ!!」ガタンッ

たまえ「そんな!まだ動けるなんて…」

まる子「まるで卑怯なゾンビだねぇ」

藤木「死んでたまるかああああああああああ!!」ゴオオオ

藤木「死ねええええ永沢クンッッ!!」

たまえ「永沢!危ない!!」



永沢「私の頭の中のたまねぎ(オニオンヘッド)!」ドンッ

藤木「う、うぎゃああああああああッッ!!」ゴゴゴゴ

ブー太郎「な、永沢の投げた爪楊枝が藤木に刺さって…顔がタマネギの形になったブー!!」

はまじ「気持ちわりー!永沢にそっくりじゃねえか!」

山田「アハハハwwwダブルオニオンだじょーwwwww」

永沢「藤木クン残念だったね、死ぬのは君さ」

藤木「や、やめろおおおおッ!!ボクはこんな腐ったタマネギみたいな顔は嫌だああああッッ!!」ガクガク

永沢「トドメだッ!」ヒュオッ

バキィッ!

藤木「…」ドサッ

たまえ「ま、まるちゃん…藤木が死んじゃった…」

まる子「仕方ないよたまちゃん、藤木を殺らなきゃあたしたちが殺られてた」

たまえ「で、でも…」

丸尾「ズバリッ!正当防衛でしょう!」バーン

まる子「丸尾くん!」

はまじ「お前いつからいたんだよ」

丸尾「ズバリ!さくらさん達がこの階に来た時からでしょう!絶を使っておりました!」

まる子「ゼツ?また訳の分かんないのが出てきたね…」

丸尾「さくらさん!?絶すら使えない念能力者など、ズバリ死んだほうがいいでしょう!」

たまえ「言い過ぎだよ、丸尾くん…」

丸尾「ところで、皆さんはもう対戦相手は決まったのですか!?」

まる子「まだだよ。エントリーはしたけど悩み中でねぇ」

ブー太郎「俺たちもだブー。できれば同じクラスの奴とは戦いたくないブー」

永沢「フン、僕は別に同じクラスであろうと戦うけどな」

はまじ「なんだと永沢ー!?」ガタッ

たまえ「ちょっとやめなよ…丸尾くんの相手は決まってるの?」

丸尾「ええ!ズバリ私の相手は…山田くんッ!アナタでしょう!」

一同「ええっ!?」ザワッ

山田「アハハハwwwオイラかよーwwwwwアハハハwww」

まる子「ちょっと丸尾くん、あんた本気かい!?」

はまじ「よりにもよって一番雑魚の山田を指名するなんて!ひどいぞ丸尾!」

丸尾「ズバリッ!潰すのはまず弱者からでしょう!山田くん、申し訳ありませんが死んでいただきますよ!」

永沢「…フン、卑怯な奴がもう1人いたな」

丸尾「永沢くん!クラスメイトを腐ったタマネギにして殺したアナタに言われたくないでしょう!」

永沢「なにぃ!?」ズズズ…

丸尾「ズバリ!」ズズズ…

ブー太郎「やめるんだブー!またこんなところで戦ったら、廊下の掃除がもっと大変になるブー!」

キートン「そういう問題か」

丸尾「…確かに、私の相手は永沢くんではありません!ズバリ、山田くんでしょう!」

はまじ「山田、お前はどうなんだ。クラスメイトと戦うつもりがあるのか?」

たまえ「山田…」

山田「アハハハwwwブッ殺してやるじょーwwwww」

キートン「殺る気満々であった」

かくして初戦、丸尾VS山田のクラスメイトバトルが決定した

アナ「さーて本日の初戦はッ!3年4組のエキセントリック委員長こと丸尾選手と、清水市一のキ◯ガイ少年、山田選手の対決だーッ!」

丸尾「ズバリ!私が勝った暁には、皆さんの清き一票を!」

山田「アハハハwwwおーいさくだたちーwwwwwアハハハwww」

まる子「笑ってる場合じゃないよ山田…」

ブー太郎「こうなったら仕方がないブー!みんなで山田を応援するブー!」

アナ「今ッ!戦いのゴングがッ!」

ゴォン

「鳴ったあああッッ!!」

ヒュオッ

丸尾「容赦しませんよ!」

山田「アハハハwww」

バキィ!

丸尾(ズバリ!みぞおちにクリーンヒットでしょう!)

(山田くんごとき…私の発を使うまでもないでしょう!)

丸尾「このまま一気に勝たせていただきます!」ドドドド

はまじ「く、くそう!丸尾の野郎、手加減なしかよ!」

永沢「…そのほうが楽に逝けるし、山田クンにとってはいいんじゃないのかい」

はまじ「なんだと永沢ー!」

ブー太郎「山田…頑張れブー!」

アナ「丸尾選手の目にも留まらぬ連打ーッ!山田選手、手も足も出ないかァー!?」

丸尾(ズバリッ!ハラワタをブチ撒けろでしょう!)ドゴォォ

ドドドド

山田「アハハハwwwアハハハwww」

丸尾「…」

(クッ!おかしいでしょう!常人なら既に死…いや、それどころか肉のミンチになっているはず…!)

丸尾「ま、まさか!!」ダッ

アナ「おっと丸尾選手、一歩引いたぞ!どうしたァー!?」

丸尾(凝!)ズズズ

丸尾「…なんと!」

山田は常軌を逸するほどのキ◯ガイであったが、一部の念能力に関しては天才的なものを持っていた

丸尾「練と纏の高等応用技、堅!」

そう、山田は無意識のうちに体中をとてつもないオーラで覆い、いとも容易く堅を発動させていた

山田「アハハハwwwぶっちゃけ痛くも痒くもないじょーwwwww」

まる子「山田のやつ、意外にタフガイなんだねぇ。あたしゃ見直したよ」

たまえ「まるちゃん、あれは堅っていって、念の応用技で…」

ブー太郎「頑張れ山田ー!面白くなってきたブー!」

丸尾「山田くん、ズバリあなたを侮っていたでしょう…」

山田「アハハハwwwじゃあ次はオイラの番だじょーwwwww」ズズズ



「池沼乱舞(アハハハwwwだじょーだじょーwww)!」ゴウッ

丸尾「ふおおおおおおおおお!!」ズオオオ

はまじ「み、見ろ!丸尾の服とメガネが!!」

たまえ「きゃああああ!丸尾くんの服が暴風で飛ばされて全裸にっ!」

ブー太郎「う、うらやまけしからん…いや、恐ろしい能力だブー」

丸尾「ズ、ズバリ…今の私は翼の折れた変質者でしょう」

山田「アハハハwwwオイラもだじょーwwwww」バーン

丸尾「なんと!!」

たまえ「きゃああああああああああ!!」

丸尾「ズバリ、あなたのイチモツは放出系でしょう…」

その後、警察に通報された丸尾と山田は公然わいせつ罪の容疑で強制連行となり

初戦の試合は無効となった

キートン「後半へ続く」

たまえ「2人とも、警察に連れて行かれちゃったね…」

まる子「そりゃ当然だよ。レディの前であんなものを晒すなんて…人として最低だね」

はまじ「あーあ、山田が勝ってりゃ今頃一緒に菓子食えたのになー」

ブー太郎「残念だブー…」

永沢「まったく、本当につまらない試合だったね」

永沢「それじゃあ、次は僕がいかせてもらうよ」

一同「永沢が!?」ザワッ

永沢「ボクの相手は…君だ」

一同「!?」

永沢「いるんだろう?山根クン」

ズズズ

山根「フッ、僕の絶を見抜くなんて…さすが永沢君だなぁ」

一同「や、山根!!」ザワッ

山根「やあみんな、来てたんだね」

はまじ(…こ、こいつ!)

たまえ(全く気づかなかった…)

ブー太郎(…相当できるブー) 

まる子「山根、あんたいいのかい?永沢は同じクラスの友達なんだよ?」

山根「構わないよ。僕は永沢君のことを友達と思ったことはないからね」

永沢「フン、言ってくれるじゃないか山根クン」

山根「今日は胃腸の薬も飲んだ…準備は万端さ」ズズズ

ブー太郎(なんて痛々しい…いや、禍々しいオーラだブー)

山根「さあ永沢君、すぐにでも試合を始め…ん?」

ドドドド…

?「うおおおおおおおおおおお!!」ドオオオ

山根「なッ!?」

一同「こ、小杉!?」ザワザワッ

小杉「うおおおおおおお腹減ったああああああ!!メシ食わせろおおおおおおッッ!!」ドドドド

たまえ「きゃああああ!!」

まる子「な、なんで小杉がここに!?」

はまじ「小杉!止まれッー!」

ブー太郎「ダ、ダメだブー!腹が減りすぎてて周りが見えてないブー!」

小杉「山根えええええお前うっまそうだなあああああああ!!」ゴゴゴゴ

山根「や、やめろおおおッッ!!うわあああああああ!!」

小杉「いただきまああああすッッ!!」ガバッ

山根「ぎゃああああああぁぁああ!!」パキィゴキパチュ

小杉「げえええええッッまっじいいいいい!!正露丸の味がするぜええええええ!!」グチャグチャ

まる子「や、山根が食べられちゃったよ…」

はまじ「山根のやつ自信満々に出てきたくせに一瞬で終わったなー」

キートン「まったくである」

小杉「うおおおおおおッッ!!まだ足りねええええええええ!!」バリバリゴキュ

小杉「…」クルッ

永沢「うっ!」

小杉「うおおおおおおッ!!ウマそうなタマネギじゃねえかああああああッッ!!」

永沢「なっ!?く、来るなああッ!!」

小杉「うおおおおおおおおお!!」ドドドド

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