鬼龍院皐月「第十八回、聖夜祭大集会を執り行うッッッ!!!」 (44)

流子「な、なにぃっ!?」

皐月「聞こえなかったか纏流子、明日の晩聖夜祭大集会を執り行うと言ったのだ」

流子「だから何だっていうんだよ、そのー……大なんチャラ集会?ってのは」

皐月「……蒲郡、説明してやれ」

蒲郡「ハッ、皐月様ッッッ」

流子「いたのかアンタ」

蒲郡「いいかよく聞け転校生!! 聖夜祭大集会というのはなァ!! 来たるクリスマス当日、皐月様ご本人によって主催され、ご本人によって選出された選ばれし生徒のみが参加できる特別な慰労会なのだッッッ!!!」

皐月「フッ……」


流子「あークリスマスパーティならマコんちでやるからアタシはパスで」

皐月「……」チラッ

蒲郡「ッ! あまりに早計過ぎるぞ転校生!! 今回の聖夜祭大集会には…なんと…なんと!!!! 皐月様が直々にお選びされたクリスマスプレゼントがプレゼント交換会にたった一つ紛れ込むともっぱらの噂なのだぞ!!!???」

流子「へぇーそいつはすげぇ」

蒲郡「であろう?! どうだ転校生、お前も参加したくなったのではn」

流子「アンタ当たるといいな」

蒲郡「……」チラッ

皐月「……」

流子「アタシこれからマコんちの家族分のプレゼント代稼ぐ為にバイトだから、じゃぁな」

皐月「……」コショコショ

蟇郡「ッ!、待てェい転校生!!」

流子「だからなんだよ……早く行かないとバイト遅れちゃうだろうが!!」

蟇郡「満艦飾マコと言えば無星生……無星生にクリスマスパーティの食事を揃えるのはなかなか経済的に酷な話であろうな……ましてや今年は居候も1人増えているとくる……辛かろうなァ……」

流子「!」

流子「……やっぱアタシ、常識的に考えてジャマだよな」

蟇郡「そこでだ!! お前に素晴らしい提案がある!! 心して聞くがいい!!!!」

流子「家族水入らずの大切な時間だ……私みたいな余所者が居座ってちゃマコも……クリスマス当日はやっぱりネカフェで……」

蟇郡「!?、纏流子!! どうした!!話を聞かんか!!」

流子「……」ブツブツ

鬼龍院皐月「喝ッッッッッッッッッ!!」ピカー

流子「うわっ!?」

蟇郡「皐月様…!」

皐月「纏流子、そんなお前に良い提案がある……」ピカー

流子「なん……だと……?」

皐月「フンッ、それはな……」

―――

流子「って訳なんだが、やっぱりクリスマスは

マコ「行くー!!行こうよ流子ちゃん!!」

流子「えっ!? いいのか? クリスマスは家族水入らずで……」

マコ「だって皐月様主催のパーティでしょー? きっとご馳走だよー!フルコースだよー!満願全席だよー!」

又郎「しかも家族参加も許してくれるなんてさすが皐月様だぜー!!」

好代「でもでもドレスコードとか大丈夫かしら~」

流子「ああ、衣装なら向こうがもってくれるからそのままの格好で来てくださいって……」

好代「あらぁ~さすが流子ちゃんのお友達、優しいのねぇ~」

流子「いや友達ってワケじゃ……」

薔薇蔵「そうと決まりゃこうしちゃいられねぇ!!行くぞ又郎!場所取りだ!きっと行列になるぞっ!」

又郎「おうっ父ちゃん!!」

ガッツ「ギャッツギャーッツ」

流子「いやパーティは明日で!」

ブルルンブルルン…

流子「いっちまった……」

マコ「楽しみだねぇー流子ちゃん!」

1 2 月 2 5 日 聖 夜 祭 大 集 会

ザッ

蟇郡「来たか……纏」

流子「読んだのお前らだろうが」

蟇郡「では控室に行き着替えてくるのだ、安心しろ纏、不器用なお前にも対応して一流スタイリストが腕捲りしt」

薔薇蔵「いけぇー又郎っ!!ご馳走を食いつくせー!!」

又郎「オッシャァァァッッッ」

蟇郡「っ!?、抜かれた!?スタッフ、スタッフウウウウゥ!!!」


薔薇蔵「ぐわっ、離しゃがれ、オワッ、くっ、ぬわー!!」

又郎「ちょっ姉ちゃんどこ触って……あひぃぃッッッ」

蟇郡「そのままお客様を着替えさせてこい……お前の家族は騒がしいな、満艦飾マコ」

マコ「えへへぇ~」

流子「なんとなく予想はついてたが本当に嫌になるくらい広い家だなアイツの家」

マコ「それなんだかいい匂いもするよぉ~んは~」

流子「『女性用着替え室』……ここみたいだな」

マコ「おじゃましまーす!美少女にしてください!」

流子「お、お手数お掛けします……」ペコ

スタイリスト「第十八回聖夜祭大集会へようこそお嬢様」ペコ

太眉スタイリスト「うむ、入れ」

流子「……」

マコ「わぁーっお洋服がいっぱいだよ流子ちゃん!」

流子「あ、あぁ…」

スタイリスト「では満艦飾様、本日担当させていただきますスタイリスト子と申します、よろしくお願いします」

マコ「よろしくお願いしまーす!」

太眉スタイリスト「フッ、まあ座れ」

流子「あ、ハイ」

スタイリスト「ではマコお嬢様、失礼ですがまずスリーサイズから計らせて頂きますがよろしいでしょうか?」

マコ「ハーイ!」スッポンポーン

スタイリスト「た、大変豊かなお胸をお持ちですね……」

マコ「そうですか!?ありがとうございます!」

スタイリスト「ではまずバストから失礼して……」

マコ「ハーイ!」


太眉スタイリスト「よし、脱げ」

流子「あ、はい……」

流子「……」シュル…パサッ

太眉スタイリスト「……」ジー

流子(おい鮮血、鮮血ってば)

鮮血(どうした流子)

流子(アタシ担当のこのスタイリストさん見て何か思わないか?)

鮮血(スタイリストだと?)チラッ

太眉スタイリスト「……」フンスフンス

鮮血(……興奮しているようだな)

流子(いやそれもそうだが、そうじゃなくて……)

太眉スタイリスト「脱ぎ終わったな、ではスリーサイズからだ」

流子「あ、よろしくお願いします」

太眉スタイリスト「両手を少し上げろ」

流子「あ、ハイ」

シュル

流子(うっ、メジャー冷た)

太眉スタイリスト「フンスフンスフンスフンス!!」

流子(そして鼻息すごいなこの人……くすぐったい)

太眉スタイリスト「ハァー…ハァー…」

鮮血(!、流子離れろっ! その女お前の乳首を舐めようとしているぞ!)

流子「うぉわった!?」ドンッ

太眉スタイリスト「ぐぅッ……!」

鮮血(レズビアンだコイツ! コイツはレズビアンだ!)

流子「れ、れずってお前……」

太眉スタイリスト「急に何をする……ぐぅっ」

流子「あ、あぁすいません乳首に嫌な予感がして……」

太眉スタイリスト「………」

流子「……」

太眉スタイリスト「ゲッホゲホゲホ!!鳩尾を蹴られたせいで呼吸が…っ」

流子「あぁっ!すいません鳩尾なんて蹴り上げて!ホントにすいません!」

流子(鮮血!お前の勘違いでスタイリストのお姉さん蹴っちゃっただろうが!)

鮮血(いやしかしあの時確かに……)

流子(あいつに似てるから先入観で考えちゃったんだ、気のせいだよ)

鮮血(しかし……ぐぬぅ……)

流子「すいませんお姉さん、ホントにすいません……」

太眉スタイリスト「いやいい、次はウェストだ」キリッ

流子(そのあと、おへそを舐められたような気がしたりお尻をヤケに揉まれたりしたような気がしたがきっと顔があいつに似てるから邪推してしまうだけだろう)

流子(それにスタイリストっていうのは客の身体のサイズを精密に調べて完璧に把握してこそ、一流の仕事も出来るし客のベスト答えを提示できるんだ)

流子(一流なんだな、このスタイリストさんは……)

流子(そんな事だけを考える様にして過ごしてたらいつの間にかスリーサイズは測り終わっていた)


太眉スタイリスト「コレか……いやこっちも似合うな……」

流子(そして今はこうして私を置き去りにしてスタイリストさんはパーティドレスを一生懸命探している、さすがプロだ)

マコ「じゃーん!!」バッ

スタイリスト「お疲れ様でした、マコお嬢様」

流子「マコ!」

マコ「どうどう似合う!? 可愛い!?」

流子「すごいな! ほんと、綺麗だし……すごい! すごい可愛いよ!」

マコ「だってスタイリストさん!」

スタイリスト「ええ、とてもよくお似合いですわ」

マコ「わーいわーい! こんな格好するの初めてだからもう動きづらいったらないよ!でもこんなオシャレするのも初めてだから嬉しいったらないよ!」

流子「お、おぉ、それはよかった…な??」

マコ「あーもう待ち切れないよっ!みんなに見せてくるね!」バヒューン

流子「お、おぅ……待っててくれないのかよ、まぁいいけど」)

流子(本当に綺麗だったな…化粧で女ってあんなに変わるのか…)

スタイリスト「お嬢様…」

流子(私も…私も化粧すればあんな風に…?)

太眉スタイリスト「こちらもそろそろ終わる、下がって良い」

スタイリスト「……」ペコリ

流子(なんか想像つかないな、でもスタイリストのプロの化粧術ならこんな私でも……)

流子「……フフッ」

太眉スタイリスト「何を笑っている」

流子「うわぁ!? す、すいません!」

太眉スタイリスト「決まったぞ、貴様を天女…イヤ、天使…女神……ヴィーナス、違うか」

太眉スタイリスト「……貴様をこの世の物でも彼の世の物でも無い美しい何かに変貌させるプランがな!!」

流子「……大丈夫なんですかねソレ」

ーーーー
太眉スタイリスト「終わったぞ」

流子「鏡、見ても良いですか?」

太眉スタイリスト「好きにしろ」

流子(似合ってなかったらどうしよう……なんかスタイリストさんに悪いな……)

鮮血(似合っているぞ流子ッッッ流子可愛いッッッウォォォォォォォアアアアア)

流子(鮮血うるさい)

流子「……」チラッ


流子「……わぁ」

流子「じ、自分じゃないみたいだ……」

太眉スタイリスト「フッ、私の手に掛かればこの程度容易い」

流子「あっ、ありがとうございます!」

太眉スタイリスト「構わん、行け」

流子「本当に、本当にありがとうござーっした!!」

流子「……マコーっ!」タタタッ

太眉スタイリスト「ドレスで走るわ、お辞儀がヤクザ風だわなっとらんな奴は」

太眉スタイリスト「……次は女としての所作を教えんとならんな」

太眉スタイリスト「この……」

ババッ

鬼龍院皐月「鬼龍院皐月、直々になぁ!!」

バァーーーーz_______ン

流子(やっぱり一流スタイリストだったんだあの人!)

流子(よく考えれば当然といえば当然か、あの鬼龍院家に雇われてるんだしな……)

流子(アイシャドウ入れるから目をつぶれって言われたから目をつぶったらリップをぶちゅっと塗られた時はこの人痴呆なんじゃないかと失礼な事思ったけど……)

流子(一流は客を飽きさせないユーモアも備えてるって事だな!)

流子「っと、会場はここか」

ギィィ

ざわざわ

ざわざわ

流子「選ばれし生徒っていうから少人数の身内パーティかと思ったら……めっちゃいるじゃねぇか」

流子「こ、こんばんわー……でいいのかな」

ざわざわざわざわ

ざわっ!ざわわっ!

流子「な、なんだ? なんか視線を感じる……」

流子「私の後ろに誰かいるのか?」チラッ

蟇郡「……」

流子「ってなんだ蟇郡先輩か、まあアンタ位デカきゃ視線も集めるってもんだな、アハハっ」

蟇郡「纏……流子……か?」

流子「はぁ? 何言ってんだアンタ」

蟇郡「いやっ、その……」

マコ「流子っちゃーーーーーん!!」ピョーン

流子「よっと」ガシッ

マコ「流子ちゃん!!」ストン

流子「ドレス着てる時は飛んだり跳ねたり抱きついたりするのはやめような、一応借り物だからコレ傷付けたらヤバイ額取られそうだ」

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