提督「幼稚園……?」 (18)
提督「あれ、おかしいな?艦娘って…その……いや、まあ言ってる事は分かるが」
青年「ええ、最近では鎮守符のスペースを色々圧迫されているものの誰かを解体するのがはばかられる、そんなロリコン提督御用達の施設がこの幼稚園なんです!」
提督「人を呼び止めておいて初対面の人間を間接的にロリコンに見えるって言っちゃったよコイツ」
青年「違うんですか?見たところそれっぽいですが」
提督「ロリコンじゃないと言えば嘘になるんだよなチクショウ」
青年「なら預けてみませんか?育成待ちの娘でも良いんですよ?」
提督「なんかいかがわしいんだよな……そういうのって、近年駆逐艦絡みで不可解な事件が起きてるし」
青年「いいえ、事件とかそういうのとかは天皇陛下に誓ってありません!リピーター率は驚異の10パーセントですが」
提督「リピーター率ひっく!やだよ恐ろしい!」
青年「いやいや、本当に何もトラブルはありませんよ?大体何日も何日も預ける方がおかしいんですよ」
提督「本当に幼稚園なんだろうなそこは…そんな驚異的にリピーター率の低い幼稚園とか聞いた事ないぞ…」
青年「まあまあ、騙されたと思ってお宅の駆逐艦を誰かまんまと預けてみませんか?」
提督「ま、まんまと!?しかし駆逐艦と言ってもそんなに小さい娘は…」
青年「なに、別にそんな細かい事は良いんですよ、精神年齢が幼い娘なんて沢山いるんですから」
提督「身も蓋も無いな……だが戦場に出て生きるか死ぬかの戦いをしてる艦娘に精神年齢もなにも…」
「喰らえー!ビッグセブンの本気ビーム!!ビビビビビー!!」
「わぁ~、やられちゃったなあ~、強いなあ~」ナデナデ
「えへへへへ」ニッコリ
提督「まったく、こんな昼間から赤ちゃんプレイだなんてけしからんじゃないかここは」
青年「あれは保母さんです、一応」
提督「余計危ないだろ!」
青年「まあまあ、ここまで話聞き入ってるんですから誰か預けるんでしょう?そうなんでしょう?」
提督「まあそうなんだが……駆逐艦か…誰にするか…」
安価>>2
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んちゃ
霞かな
霞かな
~~~
提督「という訳でこれから幼稚園に通ってもらう訳だが」
霰「新手の戦力外通告でしょうか…?」
提督「そもそも霰は育成待ちだぞ?決して戦力外ではないからな?」
霰「幼稚園…ですか?私はそんなに幼くは……」
提督「いや、幼い、マジで、俺から見れば熊野までは幼い」
霰「流石にそれはどうかと思うのですが、引きます」
提督「それに霰は鎮守符にまだ馴染めてなくて居心地が悪かっただろう?だからさ、その…」
霰「別に気遣っていただけなくとも」
提督「何言ってるんだ、幼い子供の力になってやれなくて何が提督だよ」
霰「言ってる事は立派だけれど…幼稚園に押し付ける人間の台詞だと思うと…うん……」
提督「と、とにかく!幼稚園通いもそんなにつまらんものではないだろう!思いっきり遊んでこい!」
霰「は、はぁ……」
霰「そんなこんなで私は今幼稚園に居る」
霰「幼稚園は意外と人が多い……しかしこの環境に馴染めるかと言うとそうでもない…」
霰「皆はドラム缶を積み木代わりにしたり弾をジェンガ代わりにしたりして遊んでいるが私は部屋の隅で絵本を読んでいるだけ……」
霰「ここも鎮守符とあまり大差はな……」
「何してるんですか?」
霰「ん…?誰?あなたは……」
「私ですか?私はですね…」
吹雪「吹雪です、吹雪と言います」
霰「そう…」
吹雪「あ、いや、ですから何を……」
霰「絵本を読んでるの…見て分からない?」
吹雪「『グリルとグラス』ですね、私も好きですよ!そのシリーズ!」
霰「………そう…」
吹雪「(一蹴された…)」
吹雪「あのぉ、その…」
霰「まだ何か…?」
吹雪「いや…一人で居て寂しく無いのかなー…なんて…」
霰「そんな事…ない…私はこうしてるのが好きだから…」
吹雪「だっ、ダメですよ!そんなの!」
霰「どうして…?」
吹雪「どうしてって……皆が楽しく遊んでる中で…その…霰さんだけ一人ぼっちって言うのは……」
霰「他人じゃない、私なんて」
吹雪「他人ですけど……だけど、私はなんか…こう…嫌なんですよ、目立たない人を空気にしてとかそういうのが」
吹雪「だからその……ですね…」
吹雪「私と友達になってくれたらなぁって……」
霰「…………」
吹雪「あっ、いや、一緒に遊んでくれるだけでも…」
霰「……私と遊んでも…つまらないと思う……」
吹雪「だ、大丈夫ですから!私なんて特徴が無いのが特徴って提督に言われたりしてますし!」
霰「やけに辛辣な提督ね……」
吹雪「ま、まあ、私の司令にとっての存在感は良いとしてですね…何をして遊びます?」
霰「しりとりは?」
吹雪「良いですとも!私はこう見えてもしりとりで負けた事無いんですから!」
霰「リンゴ」
吹雪「あっさりスルーされました……ゴリラ」
霰「ランドセル」
吹雪「ルアー!」
霰「アイス」
吹雪「スカンク!」
霰「楠」
~~~
「ご飯の時間だよー」
吹雪「す、スライム!」
霰「ムース」
吹雪「す……す…スイス!よっしゃ!勝った!」
霰「スパイス」
吹雪「」
北上「ご飯の時間だってばさー、しりとりが好きなのは良いけどご飯食べないと赤城さんと加賀さんがもうすぐ出勤してくるよー?ご飯勝手に食べられちゃうよー?」
吹雪「す…す…スーパー北上様!!」
北上「えっ、なにいきなり、どんなしりとりしてるの?」
霰「升」
北上「普通に受け入れたよ!普通名詞とか駄目じゃないの!?」
吹雪「す、スパイス!!」
霰「煤」
吹雪「すぅ……すぅ…雀!」
霰「メス!」
吹雪「スカル!」
霰「留守!」
北上「えっ、なにこのえげつないくらいのす攻め」
吹雪「スマイル!」
霰「累計!」
吹雪「IMALU!」
霰「累積!」
吹雪「キス!」
霰「あっ……」
吹雪「やった!勝った!」
霰「スライス」
吹雪「」
北上「さ、決着が着いたところで早くご飯食べようか」
吹雪「す……す……」
北上「いやー実は私唐翌揚げとかタコさんウインナー作り過ぎちゃってさー、余って余ってしょうがないんだよねー」チラッチラッ
北上「だからさー、欲しいんなら別に分けてあげてもー
吹雪「スペース!」
霰「ストレス!」
北上「あっさり無視された……これまでどんな争いも唐翌揚げやタコさんウインナーで収めれたというのに…がっくし……」
~~一方その頃~~
赤城「なんかここにやたら沢山唐翌揚げやタコさんウインナーの詰まった弁当箱がありますね」ムシャムシャ
加賀「そうですね、明らかに一人用じゃありませんね」ヒョイパク
こうして彼女達の戦いは無駄に長く続き……
霰「ストラトス!」
吹雪「スタンス!!」
霰「スミス!」
しりとりはただの「す」返しゲームになり……
吹雪「人名は無しでしょ!」
霰「スーパー北上様とか言ったのは何処の誰だったかなぁ……」
吹雪「うぅ……」
そして北上は
北上「早くご飯食べようよー……毎日早起きして作ってるんだからさー……いや、別に駆逐艦に食べさせる為じゃ……」
勝手にツンデレていた
吹雪「うー……スパイク!」
霰「クラス!」
彼女達の戦いが終わったのは午後2時だった
三時間もの戦いで、発した語数は191に及んだ
~~PM2:10~~
吹雪「あー…どっと疲れた……結局負けたし……」
霰「まさかここまでやれるとは……」
吹雪「じゃあ一緒にご飯食べませんか?もう二時ですけど」
霰「そういえばすっかり忘れてた……お腹減ったわ…」
吹雪「おかずの交換とかしましょうよ!」
霰「え、ええ……良いわよ別に…」
~~~
北上「じゃあ……私もそろそろご飯を……ん?」カパッ
弁当「」カラッ
北上「完食…されてる……」ドサッ
赤城「あ、北上さんが倒れた、何があったのでしょうか」バリバリ
北上「お腹減ったよぉ……」グスン
加賀「ご飯食べてなかったんですか、ちゃんと食べれる時に食べないと駄目ですよ」バリボリ
赤城「ほら、私のおやつ分けてあげますから」
北上「ありがと…やっぱり持つべき者は良いどうりょ
赤城「はい、一円玉50枚ありますよ、少しはお腹の足しになると思います」ガツガツ
北上「そ、それはなんか……ち…がう……」
ドサッ
赤城「ああ、本当に意識を失ってしまいました」モグモグ
加賀「お弁当忘れてしまったのでしょうか」ハフハフ
~~遅めの昼食後~~
吹雪「外で遊びましょうよ!泥団子作ったり投げたりして!」
霰「投げる……?」
吹雪「泥団子はやっぱり投げるものですから!泥団子合戦です!」
霰「泥団子を作るのはいいとして…投げるのは力が無いから上手く出来ない……」
吹雪「大丈夫です!凄い人が居ますから!」
~~~
吹雪「この人が凄く泥団子投げが上手い長門さん」
長門「よろしく頼むぞ!」
霰「大丈夫…なのかな……」
吹雪「大丈夫だよ、長門さんは補給が切れた時に泥団子を投げてフラ戦を墜とした伝説があるから」
霰「なんで泥団子を持ち歩いてるの……」
長門「ちゃんと取って置かないと誰かに取られちゃうじゃないか」
霰「(あっ、駄目だこの人)」
長門「良いか、泥団子はこうして少しずつ水を加えつつだな」コネコネ
霰「(本当に真面目に泥団子作ってる…!いや、真面目なのは嬉しい、嬉しい…けど…)」
長門「時々砂をきな粉をまぶすように全体に振り掛けるのがコツだ、あとは全体の形を整えて…」
霰「(整ってない…なんか使い古したやかんみたいに歪んでる…)」
長門「で、投げる時は握り潰さない程度に強く握って手首にスロープを掛けて…」
霰「(それを言うならスナップ…スロープだとなんか緩やかになっちゃう……あと握り潰さない程度って言ってももうヒビが入ってるのだけれど…)」
長門「そして思いっきり…投げる!!」
ヒュッ
バゴーン!!
霰「!?な…なんの音!?」
長門「おっと、つい力が入りすぎて壁が壊れた」
霰「一体何が起こってるの……」
吹雪「長門さんは凄いですからね!」
長門「ハハハ、これがビッグセブンの力と言うヤツで…」
ポン
長門「うん?」
霧島「さっき…壁、壊しましたよね?」
長門「あっ、あれはその…若気の至りと言う奴でな…ちょっと良いところを見せたかったと言うか…」
霧島「ちょっと…ウチまで来てもらっていいですか?」
長門「すみませんでした」バッ
霧島「謝って済むなら警察は要りませんよ、長門さん」ニッコリ
~~~
吹雪「さあ、気をとりなおして泥団子作りを始めよう!」
霰「いや、ちょっと、長門さんが連行されたのは……」
吹雪「きっと大人の用事ですよ、大人の用事」
霰「確かにそうですが……」
吹雪「そんな細かい事も泥団子作りで一発解決!もうあんな事は水に流してしまいましょう!」
霰「え、ええ……」
~~~
霰「出来た……三つ…」
吹雪「私は二つです、霰さん作るのが早いですねー」
霰「別にそんな事は…ない…」
~~~
提督「おーい、アラレー、迎えに来たぞー」
赤城「アラレさーん、センベエ博士がお迎えに来ましたよー」
提督「俺はセンベエ博士じゃねえ!上官にうだつが上がらないが立派な中将様だよ!覚えとけ!」
赤城「そうですか、失礼しましたノリマキさん」
提督「ああ…もういいや…」
~~~
吹雪「あ、迎え来たね」
霰「じゃあ…私は帰るね…」
吹雪「霰さん」
霰「…なに…?」
吹雪「……また明日、遊びましょうね!」
霰「……うん」
~~~
提督「どうだった、霰」
霰「……何がですか…?」
提督「そのさ…友達は出来たのか?楽しかったか?嫌な事なかったか?」
霰「…………」
霰「ううん…楽しい所でした…友達も出来ました……」
提督「そうか……なら…良かった」
中断
霰ちゃんのキャラがイマイチよく分かってないせいかなんかグダったくそう
こんな感じで日常みたいなのを書いていきたいです
おつ
ほのぼのですき
乙。
やっぱり長門はながもんだったか
スパイスが二度出るしりとり
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