京子「ひま!」(199)

京子「結衣は実家に用事があるって言うし」ゴロン

京子「あかりとちなつちゃんは二人でどっか行ってるし」ゴロン

京子「綾乃と千歳は勉強会……」

京子「むぁーっ、ひまだぁぁぁぁぁぁ」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ...            京子「オふっ!」ゴチン

京子「」チーン

京子「……はあ、ひま」グテー

京子「ひまー、ひまー」

京子「ひま、ひまん……」

京子「ひまん……わり……?」

京子「!」キュピーン

京子「そうだ、ひまっちゃんと遊ぼう!」

京子「そうと決まれば……」ピ、ポ、パ

prrガチャッ

綾乃『も、もひもひィ!?』

京子「あ、綾乃~?」

綾乃『とと、歳納京子ーッ!?』

京子「そうです、私が歳納京子ちゃんです」

綾乃『こ、こんな真昼間っから電話なんてどういうつもりよ!?』

京子「(え? 電話って昼にする方が普通じゃないの?)」

綾乃『ちょっと歳納京子、聞いてるの!?』

京子「あ、ごめんごめん。ちょっと綾乃に教えて欲しいことがあってさー」

綾乃『私に教えて欲しいこと……?』

京子「そーそー」

綾乃『……す、少し待ってて!』

京子「へ? まだ何を教えて欲しいのか言ってないんだけど」

電話<チ、チトセッ!ドウシマショウ! アヤノチャンオチツイテー、コレハチャンスヤデ? チャ、チャンス!?チャンスナノ!? セヤデー

京子「おーい、綾乃ー?」

電話<コノチャンスヲリヨウシテ、トシノウサンニアヤノチャンノコトヲモットシッテモラウンヨ ワ、ワタシノコトヲ!?トシノウキョウコニ!? セヤデー

京子「だめだこりゃ、千歳と話してんのかな」

電話<デモワタシ、ソンナハズカシイコト... ユウキヲダシテーナアヤノチャンー ユウキ... セヤデー

京子「おっおっおっおっ、おっおっ、おっおー♪」フンフン

綾乃『……と、歳納京子ーッ!』

京子「あ、もういい? そんで、こっちの用件なんだけどさー」



綾乃『わ、私の今日のパンツは白よ!!!』 / 京子「ひまっちゃんちの住所教えてくんない?」



綾乃『∵』

京子「ん、ごめんなんて? パンツって言った?」

綾乃『い、言ってない! なにそれそんなのぜんぜんぜんぜんぜんぜん言ってないわよ!!』

京子「そーぉ? じゃあ空耳だったのかな」ハテー

綾乃『そ、それでッ? ひまっちゃん……て、古谷さん? 古谷さんのお宅に行きたいの?』

京子「押忍、よろしくお願いしまっす」

綾乃『……どうして?』

京子「ぬ?」

綾乃『古谷さんに会いたいの? ……会って、どうするの?』

京子「……」

綾乃『……』



京子「こないだ娯楽部と生徒会で遊んだ時に撮った写真をプリントしたから早く渡してあげたいだけダヨー」シレッ

綾乃『なぁんだ、それなら納得徳島県ね!!』チョロッ

京子「(チョロい)」

綾乃『じゃあ、今から言うからちゃんと覚えなさいよねっ!』

京子「ほーい」

綾乃『えっと、まずは学校をスタート地点として考えた方がいいかしら。そこから~』

京子「(綾乃はいつか悪い女の人に騙されそうだなー)」

京子「(結衣とか)」

綾乃『~で、最後に突き当たりをギュワァンと曲がった所に見える一軒家が古谷さんのお宅よ。分かった?』

京子「へ、あぁうん、わかったわかった」

綾乃『……本当でしょうね?』

京子「だいじょぶだってー。一軒家でしょ?」

綾乃『そうよ』

京子「団地じゃなくて」

綾乃『一軒家よ』

京子「団地じゃなくて一軒家」

綾乃『くどいわよ歳納京子』

京子「はい、すみません」

京子「そんじゃーありがとね綾乃、また今度ー」

綾乃『あっ待ちなさい歳納きょ』

pi

京子「さてっ、目的地も判明したし……」

京子「あっ」

~古谷家近辺~

京子「と言う間にひまっちゃんちらへんなう!」キュピーン

京子「この炎天下に外をうろつく描写とか勘弁して欲しいもんね」

京子「」チラッ

シーン...

京子「……ぅう、結衣の『なにに対するコメントだそれは』的なツッコミがないなんて……」

京子「ええい、気を取り直してひまっちゃんちを探すぞー!」オー

京子「って言っても、表札を順番に見てけば楽勝だよねー」トテトテ

京子「もしもひまっちゃんちが団地だったら郵便受けが密集してて更に楽勝だったんだろうけど」

京子「でも団地じゃないからなー! ひまっちゃんち団地じゃないからなー!」

京子「仕方ないなー! この苦労もやむなしだなー! 団地じゃないからなー!」

京子「」チラッ

シーン...

京子「……おのれぇ、閑静な住宅街め。真面目に探そ」トボトボ

~数分後~

京子「めっけたー!」

京子「このちょっと古めかしくも趣のある佇まい! まさに一軒家! まさに古谷家!」

京子「よーし、そんじゃーチャイムチャイムっと……」

ピンポーン♪

京子「」ワクワク

シーン...

京子「?」

...テッテッテッテッ

京子「!」

ガラッ

京子「!!」

楓「はぁい、どちらさまですか?」ピョコッ

京子「!!?」

楓「!?」ビクッ

京子「……」ジー

楓「あ、あの……?」

京子「」ジーーー

楓「どちらさ」

京子「ひまっちゃんが縮んだーーーーー!?」ガバァッ

楓「ふわぁっ!?」

京子「なんだ、どうした、組織の仕業か!?」ワタワタ

楓「えっ、えっ!?」ビクビク

タッタッタッタッ

向日葵「ちょっと櫻子、珍しくチャイムなんて鳴らしたと思ったら騒がし……歳納先輩!? なぜ歳納先輩が私の家の玄関先で楓を抱えあげてますの!?」

京子「おわっひまっちゃん! 縮んだんじゃなく分身してたのか!」

向日葵「分身!?」

楓「お、おろしてほしいの~っ」ジタジタ

~古谷家(一軒家)・居間~

向日葵「粗茶ですが……」スッ

京子「かたじけのうござる」ズズッ

楓「」ジー

京子「お茶うめえ!」プハー

向日葵「そう言っていただけるとなによりですわ」ニコ

京子「八割方ワープしてきたとは言え、外は暑いからねー。冷たいお茶うめえ!」

向日葵「(ワープ……?)あの、それで歳納先輩、今日は突然何のご用で……」

京子「あ、ちょっちまっち」

向日葵「中学生。どうしました?」

京子「いやほら、この子って?」チラ

楓「!」

向日葵「ああすみません、紹介がまだでしたわね。妹ですわ」

京子「妹!」

向日葵「ええ、名前は……」

京子「ちょっちまっち」

向日葵「中学生」

スッ

楓「!」ビクッ

京子「こんにちは妹ちゃん、私は歳納京子って言います。お名前言えるかな?」

楓「えと、えっと……古谷楓です、6さいですっ」アセアセ

京子「楓ちゃんか! 自己紹介できてえらいぞー」ナデクリナデクリ

楓「ぁ……えへへ~」ニコニコ

向日葵「歳納先輩、小さい子がお好きなんですか?」

京子「うん好きー。楓ちゃん可愛いしね!」ナデリナデリ

楓「えへへへへ~」ニパー

京子「ところでひまっちゃん、今までなにしてた?」

向日葵「え、洗濯物を干してたところですけど……」

京子「そっか、じゃあ続きしてきていいよ」

向日葵「えっ!? でも、お客様を放っといてそんな」

京子「気にしなくていいって。私は楓ちゃんと遊んでるからさー!」ヒョーイッ

楓「きゃーっ♪」

向日葵「そ、そうですか……? でしたらすみません、すぐ終わらせますから、その間だけ」

京子「ごゆっくりー」

楓「おねえちゃんがんばってー」

向日葵「……ええ、わかりましたわ」クス

~10分後~

向日葵「歳納先輩、楓、お待たせしました」

京子「あ、おっかれー」ヒラヒラ

楓「おねえちゃーん」ダキッ

向日葵「あらあら……楓、ちゃんといい子にしてました?」

京子「すげーいい子だったよ! さすがひまっちゃんの妹だね」ウンウン

楓「あのね、京子お姉ちゃんね、とーってもお絵かきが上手なのっ」

向日葵「まあ、お絵かきして遊んでましたのね」

楓「うんっ!」

京子「ほら見てひまっちゃん、ミラクるーん!」

向日葵「わぁ……とても綺麗。これを歳納先輩が?」

京子「ちょっと張り切ってみました。西京極ラム子のサイン入りで楓ちゃんにプレゼント!」

楓「京子お姉ちゃんありがとう~」ペコッ

京子「どういたしましてーっ」ギュー

向日葵「と、歳納先輩っ!? 楓ごと私まで抱き締めてますわよ!?」

京子「あ、めんご」パッ

向日葵「いえ……あの、お礼と言ってはなんですがクッキーと紅茶を用意しましたの。よろしければどうぞ」

京子「おおっ、食べる食べるー♪ ほら、楓ちゃんもこっちおいで!」カムカム

楓「はぁい」トテトテ...ストン

向日葵「(え、足の間に座りますの?)」ギョッ

京子「ぬわーなんだこのクッキーうま! 楓ちゃんも食べてみ、あーん」

楓「あーん」パクッ

京子「どう? やばうま?」

楓「えへへ、おねえちゃんのクッキーはいつもおいしいの」

京子「だよねー!」

向日葵「楓ったら……よっぽど歳納先輩のことが気に入りましたのね」

楓「うんっ。楓、京子お姉ちゃん好き~」

京子「ふふ、楓ちゃんが私をお義姉ちゃんと呼ぶ日も近いかもしれないね」キリッ

向日葵「ちょっ!?」

楓「!」ピクッ

京子「だってひまっちゃん、家事は出来るしおっぱいは大きいしお菓子も作れるしおっぱいは大きいし、マジで嫁に欲しいくらいだよ」キリリッ

向日葵「も、もうっ! 二度も胸のことを言ってからかわないでくださいまし!」カァァッ

京子「ごめんごめんー」ニシシ

楓「あ、あのあのあのっ」

京子「ん、どしたの?」

楓「……」

向日葵「楓?」

楓「お、おねえちゃんには将来を誓い合った人がいるの! だから、京子お姉ちゃんとは結婚できないの!!」ズバァッ

京子「なんと! 将来を……ほほう」

向日葵「か、楓!? いきなりなにを……!」

京子「ちなみにお相手は?」

楓「櫻子お姉ちゃんなの!」ズバァーン

向日葵「楓ー!?」

京子「ふぅ~む。なるほどなるほど、なるほどー」ムムム

向日葵「あ、あの先輩? 今のは……そう、幼稚園児特有のジョークですわ! だからあまり本気になさらないで」

京子「ちょっちまっち」

向日葵「中学生」

京子「ね、ちっぱいちゃんっておっぱいちゃんちの隣に住んでるんだっけ?」

向日葵「ちっぱ……おっぱ……」

京子「ひまっちゃーん?」

向日葵「あ……はい、櫻子の家はうちの隣ですわ」

京子「歩いてどのくらい?」

向日葵「楓でも10秒かからない距離ですわ」

京子「向かいじゃなくて」

向日葵「隣ですわ」

京子「道路を挟まないで」

向日葵「歳納先輩くどいですわ」

京子「はい、すみません」

向日葵「でも、そんなことを聞いてどうしましたの?」

京子「うん……うむ!」スクッ

向日葵「先輩?」

京子「ひまっちゃん、お茶とクッキーごちそうさま! 先輩はこれからお隣に行きます」

向日葵「……はい?」

京子「楓ちゃーん」

楓「はぁい」トテトテ

京子「ごめんね、お姉ちゃん別の用事ができちゃったんだ。だから、楓ちゃんとはもうさよならしなくちゃ」

楓「え~……そんなぁ」ショボン

京子「でも大丈夫! さみしくなったら、お姉ちゃんが描いたミラクるんの絵を見てね! 元気になれるよ!」

楓「ほんと……?」

京子「ほんとほんと! インド人ウソつかない、京子ちゃんもウソつかない!」キュピーン

楓「……じゃあ、京子お姉ちゃん、ばいばいなの」

京子「おうっ、ばいばい! また遊ぼうね!」

楓「うんっ!」

京子「そんじゃ、おっじゃましましたー!」バビューン

楓「京子お姉ちゃん、ばいば~い」フリフリ

向日葵「行ってしまいましたわ……」

向日葵「……」



向日葵「……え!? 結局なんの用事が!?」

京子「いやー、ひまっちゃんち楽しかったなー」

京子「楓ちゃんも可愛かったし」

京子「えー、次はー、大室家ー。大室家でーございまーす」ガタンゴトン

京子「ニコニコ静画で毎週月曜26時に更新されるスピンオフ漫画『大室家』もよろしくねー」ガタンゴトン

京子「っと」ピタッ

京子「ほんとに10秒かからなかったや……ちけえ!」

京子「さーて、チャイムチャイムっと」

ピンポーン♪

京子「」ワクワク

トタトタトタ...ガチャッ

撫子「はい」

京子「誰!?」ビクッ

撫子「……いや、あなたが誰?」

限界眠死
申し訳ないが続きは起きたら

お待たし

京子「(おっぱいないしちっぱいちゃんのお姉さんかな)」ジー

撫子「(なんで胸ばっか見てくるんだろうこの知らない子)」ジー

櫻子「あれっ? 歳納京子ーッ先輩!」ヒョコッ

京子「大室氏!」

撫子「なんだ、櫻子の知り合い?」

櫻子「うん、学校の先輩」

撫子「へー……」ジッ

京子「」キャピピン

撫子「もみあげないじゃん」

櫻子「それは杉浦先輩だって。この人は歳納京子ーーーッ!!先輩」

撫子「ふぅん……」

京子「ほんで大室殿、このキレーなお姉さんは?」

櫻子「ねーちゃんです!」

京子「……」

撫子「……」

櫻子「……」

「「(……名前とか!)」」クワッ

櫻子「?」コクビッ

撫子「……こほん。櫻子の姉の大室撫子です、よろしく」

京子「歳納京子でっす!」

撫子「いつも愚昧がお世話になってるようで」ゲザァ

京子「いえいえこちらこそ」ゲザザァ

撫子「!?」

櫻子「ね、ねーちゃんの土下座を返した!?」

撫子「……」

京子「」フカブカー

撫子「(姿勢も反応速度も一級……)」

京子「」フカブカーーー

撫子「(……アマチュアにもまだこんなゲザラーがいたとはね)」

京子「」フカブカーーーーーーーーーー...メコッ

櫻子「(床が凹んだ!)」

撫子「」スッ

櫻子「ねーちゃん?」

撫子「……気に入った。今晩ご飯食べていきな」

京子「ごっつぁんでーす!」

撫子「ここがリビングね。もう少しで出来るから、適当にくつろいでて」

京子「ありがとうございまーす!」

櫻子「ねーちゃん早くしてよーおなかペコいよー」ブーブー

撫子「だったらあんたも手伝っ……いや、あんたはお客さんにお茶でも出してな」

櫻子「わかった、じゃあ向日葵呼ぶね」

京子「!?」

撫子「自分でやれ」ベシッ

櫻子「おでっ!? ちぇっ、わかりましたよーだ」スゴスゴ

撫子「じゃあ、待っててね」スタスタ

京子「ほーい……」

京子「(こっちの家も面白いなー)」

京子「(ひまっちゃんちは和風だったけど、こっちは洋風なんだ)」キョロキョロ

京子「!」

花子「!」びっくし

京子「(え、誰? なんか扉の影からめっちゃ可愛い女の子がこっち見てる)」

花子「」ジー

京子「(座敷わらし? イマジナリーフレンド? それとも大穴でちっぱいちゃんの妹とか)」

花子「……」モジモジ

京子「あのー」

花子「!!!」ビクーッ

京子「えっ」

花子「」ダッ

京子「あっ」

花子「」ピューッ

京子「行っちゃった……」

櫻子「歳納京子ーーーーーッ先輩ー。牛乳とオレンジジュースどっちがいいですか?」

京子「あ、じゃあオレンジちょーだい!」

櫻子「オレンジは私のだからダメですよ!」カッ

京子「聞かれたのに!? ……あ、そうだ大室っち」

櫻子「はい?」

京子「さっきそこに知らない女の子がいたんだけど」

櫻子「なにそれこわい」

京子「髪が長くてー目がくりくりっとしててー。あと、サスペンダー」

櫻子「あ、なんだ花子か」

京子「トイレの?」

櫻子「花子」

京子「妖怪?」

櫻子「妹です」

京子「」ホッ

櫻子「花子がどうかしたんですか?」

京子「いや目が合ってさ、声かけようとしたら逃げちゃった」

櫻子「あー、花子のやつプチ整形だからなー」

京子「えっそうなの?」

櫻子「はい!」

京子「若いのに大変だねぇ……」シミジミ

櫻子「ほんと、困ったもんですよ……」シミジミ

撫子「はいおたまでどーん」スコーン!

櫻子「いったぁ!?」

撫子「プチ整形じゃなくて内弁慶。誤解されるような間違え方するな」

京子「あー……」

櫻子「そ、そうとも言う」ピクピク

撫子「ほら、もうご飯出来たから。バカやってないで花子呼んできて」

櫻子「なんて妹使いの荒い姉だろうね……」シブシブ

~で~

「「いっただっきまーす!!」」

撫子「いただきます」

花子「い、いただきます」

パクッ

京子「んーっ! ビーフシチューうめぇ♪」パァァ

撫子「そう? 口に合ったんなら良かった」

京子「おねーさん料理うまいっすね!」

撫子「親が仕事で忙しいからね、姉妹持ち回りで家事やってるんだ」

京子「へ~……」チラッ

櫻子「花子ーサラダ取り分けてー」

花子「自分でしろし」

櫻子「ひでえ」ガーン

京子「……」

京子「はーなこちゃん」ススス

花子「!」びっくし

京子「どうもご挨拶が遅れまして……歳納京子ちゃんでっす、よろしく!」キャルルーン☆

花子「ぅ……」オドオド

京子「お姉ちゃんのご飯おいしいねー?」

花子「っ」プイッ

京子「家事は持ち回りって聞いたけど、花子ちゃんもお手伝いするのかな?」

花子「……っ」プイッ

京子「お嬢ちゃんサスペンダーが可愛いねぇ」

花子「っ!」ガタッ

京子「おわっ」

テテテッ...コソッ

櫻子「ぬ?」

花子「……」ギューッ

櫻子「ちょっと花子、背中にしがみつかれたらシチュー食べづらいんだけど!」

花子「は、花子が食べさせてやるし! 櫻子はじっとしてろし!」

櫻子「えっマジで? やったー楽チ……あぢゃあ!? ちょ、ちゃんと前見て食べさホワッチャア!?」

ドッタンバッタン

京子「ありゃりゃ……」

撫子「こらッ、お行儀よく食べな! ……ごめんね、なんか色々」

京子「お構いなく! 私ひとりっ子なんで、こういうの楽しいっすー」

撫子「ふむ……ますます気に入った。だったらうちの妹をメチャメチャにしていいよ」

櫻子「ねーちゃん!?」

撫子「あ。でも櫻子には心に決めたひま子がいるから、下の妹で我慢して」

花子「撫子お姉ちゃん!?」

京子「マジすか! じゃあ……」ギラリ

花子「ひッ」

京子「いっただっきまーす!」ガバァッ

花子「――っ!」ギュッ

モスッ

花子「――、……し?」パチッ

京子「あげる!」ニコッ

花子「へっ……ちょ、これなんだし?」ペタペタ

京子「リボンのカチューシャ!」

花子「リボンのカチューシャ?」

京子「キラキラにゃんにゃんだよ」

花子「キラキラにゃんにゃ……えっ?」

京子「キラキラにゃんにゃん」

櫻子「おー良かったじゃん花子!」

撫子「うん、かわいいね」

花子「ぁ……」チラ

京子「へへ」ニカッ

花子「~っ!」カァァァッ

|∧∧
|・ω・`) そ~~・・・
|o④o
|―u'
| ∧∧
|(´・ω・`)
|o   ヾ
|―u' ④ <コトッ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ミ  ピャッ!
|    ④

これを見てふと疑問に思ったことがある
まずは上の図を見て欲しい
彼は自らが支援したいものに巡りあった時、切なげな表情を浮かべてこの
しえんだまを置いていく。置き終わった後はどこかへ去っていってしまう
ここで一つ疑問が生じる。このしえんだまの硬度についてだ
彼の姿を描いたものは幾つかあるが、いずれにおいてもこのしえんだまを置く時の
効果音は『コトッ』である
『チョコン』でもなく『ボヨン』でもなくあくまで『コトッ』である
それらはすべての場面においてすべてが共通である
つまりこのしえんだまという謎に満ちた物体は、構成している物質が依然全くの謎であるにしろ
硬度の面で見ると、そこそこの硬さを持った物質であることには違いないのであろうという
一つの仮説が生まれるのである

彼がこれをどこで手に入れ、また彼自身これをどこまで把握しているのかは知る由もない
だが、今ここでこうしてしえんだまについての謎が一つ解けた
これだけでも我々は大きな一歩を踏み出したといえるだろう
しえんだまの未知なる部分への更なる解明を期待したい

花子「……ご」

櫻子「ご?」

花子「ごちそうさまっ!」ダッ

ピューッ

撫子「あ、花子! お礼も言わないで……」

京子「ビーフシチューうめえ!」

撫子「切り替え早ッ」ビクッ

京子「おねーさんおかわりー!」

撫子「……いいよ。ちょっと待っててね」

櫻子「ねーちゃん私も!」

撫子「あんたは自分でよそいな」

櫻子「なぜだ!?」

~で~

京子「今日はごちそうさまでしたー!」ペコーッ

撫子「ううん、大したお構いも出来なくて悪かったね」

京子「いやいやそんな、ビーフシチュー超うまかったです」

撫子「なら良いんだけど」フフッ

櫻子「歳納京子ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ先輩、また遊びにきてくださいね!」

京子「おーよ! 次はひまっちゃんと結衣と四人で遊んでも楽しいかもね!」

櫻子「なにそれ楽しそう!」

京子「でしょー。じゃあ帰ったら結衣に話して……お?」

花子「……」ジー

ご飯たべゆ

京子「花子ちゃん!」

花子「!」びっくし

撫子「ほら花子、お姉ちゃん帰るって」

花子「ぅ……」モジッ

京子「ばいばい花子ちゃん、また来るねー」フリフリ

花子「……」

京子「」ニコニコ

花子「……あ、あのっ!」

京子「うん?」



花子「ば、ばいばい……京子、お姉ちゃん」フリフリ



京子「!」パァァァッ

京子「おうっ、ばいばーい!」ブンブンッ

花子「……」フリフリ

~結衣のマンション~

京子「ただいまー!」ガチャッ

結衣「お前んちじゃねーよ」

京子「でへへ」

結衣「昼は私がいなかったとはいえ、今日はずいぶん来るのが遅かったな。ご飯は?」

京子「もう食べてきちった」

結衣「え、お前そういうのは先に言えって。二人分作っちゃっただろ」

京子「なんと、それはすまんこってす。ちなみに何?」

結衣「クリームシチュー」

京子「わぁいクリームシチュー! 私結衣のクリームシチューだーい好き!」

結衣「食ってきたんじゃないのかよ! ……ったく、太るから少しだけな」

京子「うぇーい」

京子「クリームシチューうめえ!」

結衣「そうか」

京子「ちなみに食べてきたのはビーフシチューだったんですけどね」ケロッ

結衣「ってオイコラ!? それも先に言えよ!」

京子「結衣のシチューもおいしいから問題ないよーん」モグモグ

結衣「……はぁ。でも懐かしいな、おばさんのビーフシチュー。私も久しぶりに食べたいよ」モグモグ

京子「うんにゃ、今日はちっぱいちゃんちでご馳走になってきた」

結衣「えっ」

京子「えっ」

結衣「……大室さん?」

京子「うん。その前はおっぱいちゃんちでおやつも食べたよ」

結衣「…………」

結衣「………………なにお前、大室さんちと古谷さんちに行ってたの?」

京子「だぶち」

結衣「二人の家って隣同士なんだっけ」

京子「そだよー」

結衣「向かいじゃなくて」

京子「隣だよ」

結衣「となると古谷さんちも」

京子「一軒家だよ」

結衣「団地じゃなく」

京子「立派な一軒家」

結衣「大室さんちが一軒家で古谷さんちが団地で向い合って建っている可能性が微粒子レベルで存在してい」

京子「ない」

結衣「古谷さんの妹がなんか変に悟った風なキャ」

京子「くどいよ結衣にゃん」

結衣「はい、すみません」

京子「いやー、それにしても今日は楽しかったなー」

結衣「そりゃよかったな」

京子「明日はもっと楽しくなるといいね、ユイ太郎!」

結衣「誰がユイ太郎だ」

京子「へけっ!」

結衣「やかましい」

京子「そうだ!」

結衣「今度はなに?」

京子「結衣、私妹が欲しい!」

結衣「……」

京子「」ヘケッ

結衣「……言っとくけど……私がお前の欲しいものならなんでも用意すると思ってないだろうな」

京子「え~違うの~?」

結衣「オイコラ」

~一方その頃~

花子「櫻子ォオオーーーッ!!! 花子の牛乳勝手に飲むなって何度言えば分かるしぃぃぃぃぃぃ!!!」ギチギチギチギチ...

櫻子「ぐ、ぐえええ……! ちが、それ、としの、きょ……こーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ先輩、が……」ギブギブギブギブ

花子「黙れし! どうせ櫻子があげたんだし! 京子お姉ちゃんは悪くないし!!」

撫子「実際その通りだしね」

花子「大室櫻子ーッ!!!」ゴキャッ

櫻子「ギャース!?」グハッ



楓「今夜の花子お姉ちゃんはいつもよりワイルドなの!」

向日葵「(なんで歳納先輩のリボンをつけてるのかしら……)」

                    ___
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             |: ト、__`  ´__ !:/ ノ!
              ヘ:{ヽ         ノ( !l/:/ !
                 ’ r 、  △ ⌒ィ/:/ : !
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     i::::γiハ/' }ハハト{::::}   ちょっとずるい
 ♪-  ';:::;'ャ'心'   '心ゝ}i:::|
     'rト. ゙''゙  .  ゙''゙ 从;!     私にも出番
    〃〉ヘ   r‐‐;  .イ::{`      ちょうだいー
    {{::::::::}丶.,_` ´,./ !:;:',

    }::::::::ノ ,..l=-,゛,ト、 .ノハj

     j;:::::;'一ヽ. .,ィミィl、,> .、,
   イ´;::{__,. ``..,゙《《,'    `;.,
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               | | |孑廾Lハ‐'廾仆|  |       
               | |γてテ    てテヽ.|: |     ……めぐみ、屋上
                / :| ',    ,    | |:〈       
                /'|::::: 从   、     从ヽ)       
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                ヽヽヽ::|` ‐ l´/ノ(ソ        
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