しんのすけ「おっかえりんごジュースは青森産~!」 (57)

しんのすけ「お?」

いつもなら母親、みさえの怒号が飛んでくるはずだが、
今日は嫌に静かだった。

しんのすけ「かあちゃーん?オラが帰ったぞー!」

静寂、外の風の音すら聞こえるほどの静寂

しんのすけ「おーい!!みさえー!!」

しんのすけ「…」

しんのすけ「んもう!買い物か?鍵開けっぱなしで不用心だゾ~」

しんのすけ「ひまー、いるかー?」

しんのすけ「…ひっ!?」

リビングの鮮やかな緑色のカーペットはこれまた鮮やかな赤色で染まっていた。

しんのすけ「お、お、お…」

みさえ「…クッチャクッチャ」

しんのすけ「か、母ちゃんいたのか!なにやってるんだぞー!!」

しんのすけ「これは部屋の模様替えでもしたのかー!?」

みさえ「アラ、シんのスケ」

しんのすけ「…母ちゃん?何食べてるんだ…?」

みさえ「ひまワり美味しイわよ」グッチャグッチャ

しんのすけ「うわああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

みさえ「しんちゃんはどンな味ガするのカシラねえ?」

しんのすけ「…ど、ど、どうして」

しんのすけ「どうしてえーーー!!!!!」

みさえ「ひまわりごちそうサマ」

しんのすけ「どうしてひまわりをぉぉぉぉ!!」

みさえ「しんチャーん、あなタも今から食べテあげるカラ~」

しんのすけ「うわああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

ズバァッ

みさえ「グッガガガガアアアア」

園長「間に合いましたか」

しんのすけ「く、組長!?」

園長「やれやれ、この街でもついに始まったようですね。”鬼化”が」

しんのすけ「な、なんだぞそれ」

園長「それは幼稚園でお話します。さあ、少し飛びますよ!」

そう言うと園長はしんのすけを抱きかかえ、外へ向かって跳躍した。

そのまま、庭を超え、塀を超え、路地へと着地する。

マチナサイシンチャーン!!!!

園長「やれやれ、鬼化した者は再生能力が飛躍的に上昇します。私がこの妖刀で切りつけた傷であっても修復してしまうでしょう」

しんのすけ「幼稚園のみんなは…?」

園長「安心しなさいしんのすけ君、かすかべ防衛隊のメンバーは…」

そうだった。
このかすかべ一帯で最強クラスの戦士、そうだった。

園長「さ、まずは幼稚園へ行きましょう!」

そう言って園長は自慢のランボルギーニへ乗り込む

しんのすけ「母ちゃん…」

もはや、しんのすけの知っている母はいないのだろう。

園長「みんな幼稚園へ向かっているはずです。無事だといいんですが…」

途中、鬼化したものに食われている子供を目撃する。

しんのすけ「あ、あの金髪…ち、チーターだぞ…」

園長「くっ…」

園長は涙をこらえながら運転を続けた。

しんのすけ「ごめんよチーター…オラ、助けられなかったよ」

さすがに走る車に追いつける鬼化した者はいなかった。

幼稚園へと無事、到着した2人。

園長「こ、これは…!!」

幼稚園はすでに鬼化した者たち、つまり鬼によって襲撃されていたのだ。

ボー「ぼおおおおおおお!!!」

しんのすけ「ボーちゃん!!」

巨大な機械を操り、鬼を次々となぎ倒していく。

そう、”マシーンクリーガー(機械兵士)のボー”だ。

園長「他のみんなはどうなっていますか!?」

ボー「みんな、無事!暴風のマサオが全てを吹き飛ばす!」

ボーの視線の先、数十…いや、百体以上の鬼が坊主頭の子供へ向かっていく。

マサオ「あめえんだよお前ら」

マサオ「俺様が…」

―暴風(ハリケーン)のマサオだぜ?

稲光を伴う竜巻

全ての鬼を吹き飛ばす。

近づけば誰も無事ではすまないだろう。

マサオの呼んだ竜巻は鬼を切り裂き、焦がしていく。

マサオ「年末の大掃除終了だぜ」

ボー「さすが」

しんのすけ「さすがだぞ」

かすかべ防衛隊は無敵だ。

そしてあと2人、まだ強力な戦士が残っている。

死霊使いのネネ、二次具現のトオル

ギャアアアアアアアアアア

しんのすけ「今の悲鳴、また鬼を倒したんだぞ、すごいぞ」

ボー「違う!今のは…!」

鬼…というよりはもはや異形、人の形をしていない。

6本の足、背中の無数の棘、顔はまるでお伽話の龍のようだ。

そしてその角には…

しんのすけ「ね、ネネちゃん…?」

ネネ「が…が…ゴボォッ」

ネネ「し、しくじ…った…わ」

園長「貴様…!!」

園長が異質なオーラを纏う

風が巻き起こる

園長「ネネちゃんを放しなさい!!」

――旋風燕三連返し

一つの刀から同時に織りなされる三つの刃は風を伴い敵へと襲いかかる

異形の角を砕きネネを救い出す。

園長「しんのすけくん、ネネちゃんを頼みますよ」

異形「貴様…ツノ…返セ」

異形が口を開く

園長「私の可愛い児童に手を出した罪、その命で支払ってもらいますよ!!」

風間「もえもえぴぴぴ、もえぴぴぴー」

もえP「えーいっ!!」

ボー「来た、二次具現化のトオル」

マサオ「へっ、来やがった、ブルっちまうな…」

風間「アクション…!!」

アクション仮面「キーックッ!!!!」

風間「カンタム!!」

カンタムロボ「パーンチ!!」

全ての創作物は風間トオルによって一時的にこの世に生を受ける。

異形「がああああああ!!」

園長「よし、かすかべ防衛隊は揃いましたね。私のランボルギーニで逃げなさい!」

しんのすけ「組長!?」

園長「こいつは私が倒します。大丈夫、後で必ず追いつきますよ。」

園長「マサオくん」

マサオ「おう」

園長「キーです」ポイッ

マサオ「確かに」パシィッ

マサオ「よし、のりこめてめぇら!!」

かすかべ防衛隊全員がランボルギーニへ乗り込む。

豪快なエンジン音と共にすぐに姿を消した。

園長「頼みますよ。皆さん…」

運転しながらマサオがつぶやく

マサオ「組長の奴、ヘマしたりしてねぇだろうな」

しんのすけ「組長に限ってそれはないぞ」

ボー「そうだといい、でも、あの化け物、かなり強そう」



俺達の戦いはこれからだ!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年10月15日 (土) 12:40:18   ID: PaseE18g

この前見たサザエさんのSSに似てるな・・・

2 :  SS好きの774さん   2018年08月09日 (木) 00:37:29   ID: SGoZ4QUF

終わった

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