しんのすけ「い、痛いぞ!父ちゃん!」 (78)

野原家・居間
ひろし「おい……しんのすけェ……」

しんのすけ「くぁあっ!」

ひろしに腹を踏み付けられたしんのすけが、間抜けな声を上げる。
低い声で、ひろしは言葉を続けた。

ひろし「お前みたいなクズのせいで、俺がどんだけ嫌な思いしたか分かってんのか?」

しんのすけ「うぅ……」

ひろし「あっちこっちでムダな騒ぎばっか起こしやがってよぉ……ええ!?」

しんのすけ「かはぁあああああ!」

声を張り上げるひろしに一段と強く踏まれ、しんのすけが叫ぶ。

ひろし「フン……ゴミが」

しんのすけ「はぁ……はぁ……」

ようやく足を離したひろしは、捨て台詞を残してどこかへ出かけた。
部屋の片隅にある、おもちゃ箱のアクション仮面が虚ろなしんのすけを見つめていた。

幼稚園

マサオ「……でさ~」

風間「本当かよ、マサオ君」

何気ない光景……。

ボーちゃん「ねぇ」

風間「なんだい、ボーちゃん」

ボーちゃん「しんちゃん、最近、元気ない」

しんのすけ「……」

園庭の片隅には、いつもと違うしんのすけがいた。
――周囲に見えない壁があるような。

風間「…しんのすけが何だよ」

マサオ「そうそう。風間くんの大切なフィギュアを壊したんだから
少しは反省すべきだよ」

数日前、しんのすけは風間のフィギュアを誤って壊してしまった。
ヒロシから度々誰にも言えない暴力を受け、気が滅入っているしんのすけに
追い打ちをかける出来事だった。

ボーちゃん「……」

ネネ「さあ、あんたたち! リアルおままごとを始めるわよ!」

マサオ「ええ~!?」

ネネ「返事は?」

マサオ「は、はい! よろこんで!」

しんのすけ「……」

風間「……フン」

野原家

ひまわり「た、たた! た!」

みさえ「さあ、夕飯できたわよ~!」

みさえは、ひろしのしんのすけへの暴力に全く気付いていない。

しんのすけ「いただきます…」

みさえ「最近はピーマンも食べてくれて、ママ嬉しいわ~!」

しんのすけは、ひろしに暴力の理由を与えたくなかった。
そのため苦手なものを残さない、お下劣な行動をしない……
まだ5歳のしんのすけの、考えられる精一杯の努力だった。

ひろし「ただいま~」

しんのすけ「ビクッ!」

みさえ「あなた、お帰りなさい」

ためいきと共にひろしが居間へ入ってくる。

しんのすけ「お、おかえり父ちゃん……」

ひろし「おー、しんのすけ。良い子にしてたか?」

ひろしがしゃがみ、しんのすけを覗き込む。しんのすけには、ひろしの瞳は
光がなく真っ黒に見えた。

しんのすけ「……ヒッ……!!!!!」

みさえ「最近は好き嫌いが完全になくなったのよ! 偉いわ、しんちゃん!」

ひろし「しんのすけ、食べ終わったら一緒にフロに入ろうな」

みさえ「あら、今日も貴方がお風呂に入れてくれるの?」

ひろし「ああ、男同士の交流だ。な?」

しんのすけ「そ、そ、そうだゾ……」

風呂

しんのすけ「ぶごおおおおおおお!!!」

ひろし「ちゃんと頭まで浸かれよ~」

湯船でひろしに頭を押さえ付けられる、地獄の時間がやってきた。

みさえ「あなた~ひまわりもお願いね~」

何も知らないみさえがドア越しに呼びかける。

ひろし「おう!」

しんのすけ「ぶはぁ! はぁ! はぁ!」

みさえ「(まぁ、しんのすけったらふざけちゃって)」

ドア一枚越しの地獄。

ひまわり「た、た、た」

ひろし「こら! ひまわり動くな!」

ひろし「ったく、ひまわりはかわいいなぁ……どっかのゴミと違ってよ……」

ひろしの声が低くなる。しんのすけは温かいはずの風呂で震えた。

しんのすけ「……」

ひろし「なんだ? その目は……」

しんのすけ「お、おらもう出るゾ!」

ひろし「すぐに服を着ろよ……みさえに痣を見られたら承知しねえからな」



しんのすけが脱衣所で服を着始めると、風呂からひまわりの奇妙な声が聞こえ出した。

ひまわり「あっ、あっ」

しんのすけ「(とーちゃん、何してるんだ……?)」

今朝のまる子の人?

書き溜めは>14までなのでここから著しく遅くなります。

>>20
そうですよ。
今日だけで即興で3つ書いた暇人です。

…(´・ω・`)

そのスレのURLを貼ってくれませんかね

人間って醜いね…(´・ω・`)

なんだホモスレじゃないのか

お願いします更新してください!!(´・ω・`)

頼む…続きを…(´・ω・`)

まだかよ寒すぎて風邪ひいて病院行って点滴打ってきたわ

>>54
ワロタ

幼稚園

しんのすけ「……」

吉永「ねえ、しんちゃん、何かあったの?」

しんのすけ「お?」

吉永「風間君たちと最近遊んでないみたいだし、何かあったなら……」

しんのすけ「何でもないんだゾ! オラだって一人でいたいときくらいあるゾ!」



園長「むー、しんのすけ君がねぇ……」

吉永「何かあったのは確かです」

松坂「しんちゃんも、少しは落ち着きが出てきたのよ」

園長「だといいですが……しかし、どこか寂しいですねぇ」

松坂「その分ラクですけどね! オーホホホホ」



ひろし「…でよー、川口の野郎がまたヘマしてよー」

みさえ「川口さん、またぁ?」

ひろし「本当に川口は……」

みさえ「あ、しんちゃん、そろそろパパに風呂入れてもらいなさい」

しんのすけ「……分かったゾ」

そして、地獄の時間がやってくる――


真夜中
ひろし「……」

しんのすけ「……」

ひまわり「……あっ、あーあー」

みさえ「あら、ひまちゃんどうしたの? よしよーし」

しんのすけ「……いつまで続くんだろう」

しんのすけは蚊の鳴くような声で囁いた。

しんのすけが脱衣所で服を着始めると、風呂からひまわりの奇妙な声が聞こえ出した。

ひまわり「あっ、あっ」

しんのすけ「(とーちゃん、何してるんだ……?)」

クチャピチャクチャピチャ

ひろし「どうだ~ひま、父ちゃんの指は気持ちイイか」 クチャ...クチュ


ひまわり「あーぅ、、くぁwせdrftgyふじこlp」

ひろし「へへへ感じてるのか?オラァ指3本も入っちまったよ」

クチュクチュクチュクチュ

ひまわり「きゅあぁぁ~」ピュッ ピシャアッッ

ひろし「ア゙ア゙ッ 何お漏らししてるんだ?顔にかかっちまったじゃねえか悪い子にはお仕置きが必要だなぁ」


予想はしてたがキツイな…(´・ω・`)


しんのすけ「おでかけ?」

ひろし「そうだ、今度の休みどっか行こうと思ってな」

みさえ「まぁ、それは良いわね!」

休日
隣のおばさん「野原さん! 家族でおでかけ? いいわねぇ~」

ひろし「ええ、まあね」

しんのすけ「そうだゾ!」

ひろし「へへへ……」

野原一家はレジャー施設で存分に遊んだ。
この時、しんのすけはここ最近のできごとは夢だったのではと思った。


ひろし「楽しかったな! 風呂でも入るか!」

しかし、地獄の時間は現実として再び訪れた――

しんのすけ「(父ちゃんじゃなく、この家が悪いんだ……そうだゾ!)」

ひろし「頭まで浸かれよ~しんのすけぇ~」

ひろし「ひゃーはははは」

しんのすけ「(そうに、そうに決まってるゾ)」

翌日
幼稚園バス
風間「今日、しんのすけに謝ろうと思うんだ」

風間「たかがフィギュアごときで何ムキになってるんだって、そう思ったんだ」

マサオ「僕もしんちゃんに謝らないと……」

吉永「(そういうことだったのね……)」

ボーちゃん「ボー!」

風間「?」

吉永「野原さんの家が……」

そこには目を疑う光景が広がっていた。
しんのすけの家から火柱があがり、消防隊が駆けつけている。

風間「な、なんで……」

ネネちゃん「しんちゃん……ウソでしょ! イヤー!」

なお、焼け野原となった野原家から、のちに家族4人の遺体が見つかった。

風間「も、もうとっくに許してるのに! フィギュアのことなんて気にしてないのに!」

泣き喚く風間君に一匹の犬が近寄ってくる。

風間「お前……シロ! なんだ、これ、手紙……?」

風間「『風間くんへ フィギュアを壊したこと謝るゾ
代わりにオラの一番大事なアクション仮面をあげるから勘弁してほしいゾ

                        しんのすけ』」

風間「しんのすけ……」

しんのすけの虐待を目の当たりにしたアクション仮面は
何も語らず、陽気な表情とポーズを取り続けていた。

-END-

oh..(´・ω・`)

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