春香「追いかけて、逃げるふりをして……」(195)

春香「……って、何で追いかけてきてくれないんですか!?」

P「ごめん、春香。俺、暑いの苦手なんだ……」

P「俺はパラソルの下でくたばってるから、他のみんなと遊んで来てくれ」

春香「でも……」

あずさ「大丈夫よ、プロデューサーさんは私がついているから」

P「いいんですか?」

あずさ「いいですよ。私もあまり泳ぐのは得意でないですし」

P「お気遣い、ありがとうございます」

あずさ「ふふっ、いいんですよ。プロデューサーさんですから」

春香「うぅ~」

P「どうした、春香。みんなが待ってるぞ」

春香「プロデューサーさんのバカぁあああっ!」

P「?」

fin

春香「追いかけて、逃げるふりをして……」チラッ

美希「ハニー、あっちでミキと遊ぼうなの」

P「えっ、ちょっと待ってくれ美希。俺、春香と」

美希「いいからいいからハニーはミキと遊ぶの!」

P「うわっ、手を引っ張るな……」

美希「さぁ、レッツゴーなの!」

春香「……」

春香「うぅ~」

春香「プロデューサーさんのバカぁあああっ!」

fin

春香「追いかけて、逃げるふりをして……」チラッ

P「貴音、相変わらずよく食べるな」

貴音「もぐもぐ……」

P「海の家のメニューの完全制覇も目の前だな」

貴音「貴方様……」

P「どうしたんだ?」

貴音「私、本日は財布を忘れてしまいまして」

P「えっ、マジ? ってことは……」

貴音「真、申し訳ございませんが」

P「……後で、返せよ」

春香「……」

春香「うぅ~」

春香「プロデューサーさんのバカぁあああっ!」

fin

春香「追いかけて、逃げるふりをして……」チラッ

千早「ラー、ラー、ラー♪」

P「何もこんな所に来てまで歌の練習をしなくたっていいんじゃないか?」

千早「いえ、こういう広い場所だと思いっきり歌えますから」

P「歌バカな奴……」

千早「褒め言葉として受け取っておきます」

P「まぁ、それに付き合う俺もバカなのかも」

千早「ふふっ、私たち似たもの同士なのかもしれませんね」

P「ははっ、そうかもな」

千早「ふふっ……」

春香「……」

春香「うぅ~」

春香「スパンコールの、波間で……いちゃつく二人……」

春香「プロデューサーさんのバカぁあああっ!」

fin

春香「追いかけて、逃げるふりをして……」チラッ

やよい「ぷ、プロデューサー! 波が、波がザザーンって来ました」

P「海って、そういう所だからな」

やよい「うぅ~、海ってすごい所なんですね」

やよい「わわっ、また来ました。おもしろ~い」

P「やよいは海は、来たことないのか?」

やよい「はい、だから来れてよかったです」

P「今度は、弟たちも連れて行こうな」

やよい「えっ、プロデューサー。それって……」

P「また連れて行ってやるってことだ」

春香「……」

春香「うぅ~」

春香「プロデューサーさんのバカぁあああっ!」

fin

春香「追いかけて、逃げるふりをして……」チラッ

P「見ろ、雪歩。ナマコだぞ、ナマコ」

雪歩「ぷ、プロデューサー。こっち、向けないでください」

雪歩「気持ち悪いです~」

P「そう言うな、ちょっと触ってみろって」

雪歩「うぅ~」ソッ

雪歩「あっ、プニプニした感触がします」

P「だろ?」

雪歩「なんだか癖になりそうですね」

P「こっちも負けてないけどな」

雪歩「わわっ、プロデューサー。頬を突っつかないでください」

春香「……」

春香「うぅ~」

春香「プロデューサーさんのバカぁあああっ!」

fin

春香「追いかけて、逃げるふりをして……」チラッ

伊織「ちょっと、しっかりオイル塗りなさいよ!」

P「そ、そんなこと言われてもな」

伊織「この伊織ちゃんの肌に触れる機会なんて、そうないんだからね」

P「そりゃ、そうだけどさ。何も男の俺に……」

伊織「手が止まってるわよ」

P「わ、解ってるよ」

伊織「キャッ! ちょっと、もっと優しくやりなさいよ!」

P「ったく、男にこんなことやらして。気を許しすぎだろ……」

伊織「何か言った?」

P「なんでもない!」

春香「……」

春香「うぅ~」

春香「プロデューサーさんのバカぁあああっ!」

fin

春香「追いかけて、逃げるふりをして……」チラッ

律子「な、何ですか……」

P「いや、律子もアイドルだったんだなって思っただけだ」

律子「あ、あんまり見ないでくださいよ」

P「見られるのは、アイドル時代で馴れてるだろ?」

律子「うっ…・・そ、それとこれでは話が違うんです」

P「っていうか、まだまだアイドルで通用するな」

律子「そうでしょうか?」

P「あぁ、プロデューサーの俺が言うんだから本当さ。プロデュースしたいくらいだ」

律子「プロデューサー殿には、プロデューサー殿のアイドルがいるじゃないですか。浮気はダメですよ……ね」

春香「……」

春香「うぅ~」

春香「プロデューサーさんのバカぁあああっ!」

fin

春香「追いかけて、逃げるふりをして……」チラッ

亜美「ターゲット・ロック」

真美「はっしゃーっ!」

P「うわっぷ、こら亜美、真美。水鉄砲を……」

亜美「それそれーっ!」

真美「連射連射ーっ!」

P「このやったな!」

亜美「うわっ、兄ちゃん怒った!」

真美「逃げろ逃げろ~!」

P「こら~っ!」

春香「……」

春香「いいな……追いかけてもらえて」

春香「うぅ~」

春香「プロデューサーさんのバカぁあああっ!」

fin

飯、後は真と響が残ってるのか

春香「追いかけて、逃げるふりをして……」チラッ

真「イテテ……」

P「どうしたんだ、真……って、足けがしてるじゃないか」

真「岩場で切ってしまったみたいです」

P「すぐに手当しないと、マズイな…・・歩けるか?」

真「あっ、はい……っ!」

P「……無茶しなくてもいいぞ。よっと……少し恥ずかしいが我慢しろよ」

真「ぷ、プロデューサー! な、何を、こんな、お、お姫様だっこなんて……いいですよ!」

P「けが人が、うだうだ言うな」

真「はい……///」

春香「……」

春香「うぅ~」

春香「プロデューサーさんのバカぁあああっ!」

fin

春香「追いかけて、逃げるふりをして……」チラッ

響「プロデューサー、もうへばっちゃったの。だらしないぞ」

P「響みたいに、元気いっぱいじゃないんだよ」

響「ふ~ん。でも、海なんて久しぶりだからはしゃいじゃった」

P「沖縄でもやっぱ泳いでいたのか?」

響「うん、ちゅらうみでね。ここより、ずっと綺麗なんだ」

P「へぇ、そうなんだ。いつか見てみたいな、響の生まれたところの海」

響「自分、トップアイドルになったら沖縄に戻ろうと思うから、その時に一緒にくればいいさ」

響「それに、その……両親にも、プロデューサーのこと紹介したいし」

春香「……」

春香「うぅ~」

春香「プロデューサーさんのバカぁあああっ!」

fin



春香「追いかけて、逃げるふりをして……」チラッ

P「あっ、はい……もしもし」

小鳥「もしもし、プロデューサーさん。海、楽しんでますか?」

P「えぇ、楽しんでますよ」

小鳥「事務所の方は、私と社長がいますから安心して、思いっきり羽を伸ばしてきてくださいね」

P「そうさせていただきます」

小鳥「皆さんのお帰り、待っていますからね」

P「わかっていますよ」

小鳥「お土産の方、期待してますよ」

P「現金な人ですね」

小鳥「あら、知らなかったんですか? うふふっ……」

春香「……」

春香「うぅ~」

春香「プロデューサーさんのバカぁあああっ!」

fin

春香「はぁ、上手くいかないや」

春香「タイミング……悪すぎだよ」

春香「それに、プロデューサーさんもプロデューサーさんだよ」

春香「私がこんなにアピールしてるのに」

春香「少し疲れちゃった」

春香「パラソルの下で、休もう……」

春香「……」

P「んっ……春香?」

春香「……」

P「寝ているのか?」

P「ここ最近の疲れとかもあったのかな……よっと」

春香「……」

P「こんな歳で、あれだけ頑張って……お前は凄い奴だよ」

P「どんな時も、めげないで明るくて、まっすぐで」

P「そんな所に惹かれたのかな」

P「春香、俺はお前のことが……」

春香「お前のことが……」

P「えっ……」

春香「……」ジィ

春香「お前のことが……何です?」

P「そ、それは……」

春香「ふと起きたら、近くに君の瞳」

P「さ、最初から寝てなかったじゃないか!」

P「……全部、聞かれてたなんて」

春香「急に横顔が赤くなって、どうして焦るの?」

P「そんなの当たり前だろ……」

春香「ねぇ、言いかけた言葉きいてみたい」

P「い、言えるわけないだろ……」

春香「キュンとキュンと甘い予感!」

P「うっ……」

春香「……」ジィ

P「お前のことが……好きだよ」

春香「……」ニヤニヤ

P「な、なんだよ……」

春香「いえ、何でも……エヘヘ」

P「は、春香はどうなんだよ」

春香「えっ、私ですか?」

P「そ、そうだよ。春香は俺のことどう思っているんだよ。俺だけ気持ちを、伝えるのは不公平だろ」

春香「え~と、それは……」

P「……」ジィ

春香「うぅ……失礼しまーすっ!」

P「あっ、春香! 逃げるなんて、ズルいぞ!」

春香「だったら、捕まえて、「好きだよ」って言ってくださーいっ!」

P「その言葉、忘れるなよ。待てーっ!」

春香「アハハッ! 捕まえてごらんなさーい、なーんて!」


浜辺でおいかけっこをする二人は

太陽がヤキモチを妬くほどの熱々なカップルだった


fin


   /    /   /  | _|_ ― // ̄7l l _|_
 _/|  _/|    /  . |  |  ― / \/    |  ―――
   |    |  /    |   丿 _/  /     丿

   /.   ノ、i.|i     、、         ヽ
  i    | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ        |
  |   i 、ヽ_ヽ、_i  , / `__,;―'彡-i     |
  i  ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' /    .|

   iイ | |' ;'((   ,;/ '~ ゛   ̄`;)" c ミ     i.
   .i i.| ' ,||  i| ._ _-i    ||:i   | r-、  ヽ、
   丿 `| ((  _゛_i__`'    (( ;   ノ// i |ヽi.
  /    i ||  i` - -、` i    ノノ  'i /ヽ | ヽ
  'ノ  .. i ))  '--、_`7   ((   , 'i ノノ  ヽ
 ノ     Y  `--  "    ))  ノ ""i    ヽ
      ノヽ、       ノノ  _/   i     \
     /ヽ ヽヽ、___,;//--'";;"  ,/ヽ、    ヾヽ

後日

春香「プロデューサーさん!」

P「な、なんだよ?」

春香「さっきの言葉、どういう意味ですか!」

春香「春香以外のプロデュースもしたいな~って」

P「いや、だって最近はすっかり春香のプロデュースばかりだから。他の女の子たちが……」

春香「それは……わかってますけど」

春香「だからって、本人の前で言いますか!?」

春香「目の前で浮気するって言っているのと同じですよ!」

P「まぁ、待て春香。お前も歌っているだろ?」

P「基本的には一本気だけど」

春香「時と場合で移り気なの」

P「そう、それそれ!」

春香「……」

P「は、春香?」

春香「……」

P「だ、ダメ?」

春香「プロデューサーさんっ!」

P「に、逃げろーっ!」

春香「あっ、待ってください、プロデューサーさん!」

fin

P「そう言えば、春香……」

春香「はい、なんですか?」

P「春香、最近可愛くなったよな」

春香「わわっ、いきなり何をいいだすんですか。プロデューサーさん!?」

P「いや、特別何か変わったわけじゃないんだけど」

P「こう……な?」

春香「そうでしょうか、自分では分かりませんけど」

P「ふ~ん」

春香「でも……」

P「ん?」

春香「プロデューサーさん好みの人になろうとは、頑張ってますよ」

P「そ、そうか……ありがとう」

春香(人に見えない努力なんて、白鳥並以上!)

fin

>118
これ、やるとしたら歌詞的にふるふるになるぞ。

P「春香って、あんまりわがまま言わないよな」

春香「そうですか?」

P「あぁ、聞き分けがいいというか、素直というか」

P「もう少しわがまま言ってもいいんだぞ?」

春香「そうですか……じゃあ」

春香「一つだけ、聞いてくれませんか?」

P「何だ言ってみてくれ」

春香「ずっと私といっしょにいてください!」

P「……」

春香「プロデューサー……さん?」

P「……ダメだ」

春香「えーっ! ど、どうしてですか!?」

P「相手が迷惑でなければ……わがままとは言わないからな」

春香「プロデューサーさん!」

fin

歌、関係ないな

P「……」

春香「どうしたんですか、プロデューサーさん?」

P「いや、なんでもない」

P(もし、俺が765プロへの誘いがなかったら春香に会うことなんてなかった)

P(そしたら、春香との関係も何もなかったんだろう)

P(だからこそ、今あるこの関係とそれが生み出す毎日がとても大事で……)

P「春香……これ」

春香「えっ、これって新しいリボン?」

P「あぁ、春香に似合うかなって思って」

春香「あっ、ありがとうございます!」

P(とても愛おしいんだろうな……)


fin

ネタが思いつかない

P(最近は春香の人気も上がって、こっちから仕事を取りにいかなくても向こうの方からやってくる)

P(我武者羅にやっていた頃が懐かしい)

P「春香の様子は……」

春香「……」

P(これだけの大舞台なのに落ち着いてる)

P(昔みたいに慌ててなんかない)

P(俺のアドバイスなんか必要ないな)

P「……」

P(もう、春香に俺は必要ないんじゃないか?)


P(いつか春香は、俺の手元からいなくなってしまうんだろうか……)

春香「それじゃあ、行ってきますね」

P「は、春香!」ガシッ

春香「えっ?」

P「い、いや、すまない。なんでもない……その、頑張ってこいよ」

春香「……」

春香「大丈夫ですよ、プロデューサーさん」ギュッ

P「春香……」

春香「私はどこかへ行ったりしませんよ。だって、約束したじゃないですか、二人でトップアイドルを目指すって」

P「……っ!」

P(俺が支える側だったのに)

P「いつの間にか……立場が逆転しちゃったな」

春香「ん……どういう意味ですか?」

P「春香は、優しい子ってことさ」

春香「ん~?」

P「ほら、ファンを待たせちゃダメだろ。行って来い、そして最高の歌を頼むよ」

春香「はい、私を待ってるファンのために、そして私のプロデューサーのために……」

春香「行ってきます!」

P「春香!」

春香「はい?」

P「……」

P「これからもよろしくな」

春香「……はい、プロデューサーさん!」


fin

もうここまで来ると画像スレだな。おまえら、最高

春香「おはようございます、プロデューサーさん……っと、うわわわ!」

P「……」ガシッ

春香「あ、ありがとうございます。プロデューサーさん」

P「なぁ、春香いつも思うんだけど聞いていいかな?」

春香「はい、なんでしょうか?」

P「その何もない所で転ぶのってわざとやっているのか?」

春香「そ、そんなわけないじゃないですか」

P「本当か?」

春香「本当です。もぅ、ひどいです、プロデューサーさん」

P「こう毎日だとな。わざとじゃないなら、ある種の才能だな」

春香「わ、私の話はいいじゃないですか。それより、プロデューサーさんお腹すいてませんか?」

P「そうだな、お昼を食べて結構たったからな。小腹が空いてきたな」

春香「それなら私、お菓子作ってきましたから食べませんか?」

P「随分と用意がいいな……」

春香「そ、そうですか?」

P「相変わらず美味いな、春香の作るお菓子は」

春香「ほ、本当ですか?」

P「このケーキ。店で売ってるのと大して変わらないんじゃないか?」

春香「それは、言い過ぎですよ」

P「そうか? そうは思えないんだけどな」

春香「えへへ、喜んでもらえてよかったです」

春香「あの、プロデューサーさん」

P「なんだ?」

春香「お菓子作りで一番大事なものってなんだか知っていますか?」

P「さぁ? お菓子なんて作ったことないからな。焼き加減とか材料の分量比とか隠し味じゃないか?」

春香「そういうのも大事ですけど、それ以上に大事なものがありますよ」

P「何だよ、それは?」

春香「それはですね……食べてもらう人への気持です」

春香「料理は愛情って言いますよね。私、あれ信じているんです」

春香「食べてもらう人のことを想って、気持ちを込めて作ればきっとその想いは伝わると思うんです」

P「なるほどな。春香は、いつもどんな気持ちをお菓子に込めていたんだ?」

春香「それは、プロデューサーさんに褒めてもらえるかなとか、喜んでくれるかなって……」

春香「私のプロデューサーさんへの、ありったけの大好きを込めていましたよ」

P「俺って、愛されているんだな」

春香「そうですよ。だから、プロデューサーさん」

春香「はい、あーん」

P「そ、それは恥ずかしすぎやしないか?」

春香「私の気持ち、ちゃんと受け取ってください」

P「……」

P「あ、あーん」

春香「エヘヘ……」

fin

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom