美希「星井美希の、正直眠いの。あーゆれでぃ!!」(114)

美希「あ~……最近あっついよねぇ~……。ミキだよ~」

美希「律子、さんが節電だってうるさいから、事務所で冷房つけられなくて困ってるの……」

美希「おかげで最近はお昼寝できてなくてすいみん不足なの……あふぅ」

美希「そういうわけで夜はアイスノンに頼ってるんだけど、アイスノンってすごいと思わない?」

美希「ミキ的には、発明した人にはなまるをあげちゃいたいって思うな!」

美希「あ、VTRにいかなきゃだね!それじゃあVTR……今だーいびーんなのー!」

美希「VTRッ!!いつもより圧倒的に熱くお送りするのッ!!!!」

美希「……やっぱムリなの…真夏の太陽が……ミキの体力をどくどく状態並に奪ってく~……」

美希「うん、今日は見ての通り屋外ロケだよ!この暑さで30度ないって信じられないよね~」

美希「なんか今日のゲストが『新党滅殺すれば日野さん鈴虫』って言ってたんだけど……」

美希「もうまったく意味がわからないの。暑いのは暑いんだし、ムダだって思うな」

『美希……それは『心頭滅却すれば火もまた涼し』ですよ』

美希「あっ!もう来てたの?相変わらず早いね!」

貴音「早めに着いておくのは待ち合わせの基本ですよ。私の場合は、遅くとも15分前には到着するようにしております」

美希「あはっ!さっすが貴音なの!ってことで、今回のゲストは……」

貴音「皆様、こんばんは。四条貴音と申します。以後お見知りおきを……」

美希「そういえば、貴音とどこかに出掛けるってあんまりなかった気がするの。すっごく楽しみ!」

貴音「ふふ…私も楽しみです。今日という日を良き日に出来ますよう……」

美希「貴音、そんなんじゃ固いの!もっと気楽に行こっ?」

貴音「はて、私は十分気を楽にしているつもりなのですが……」

美希「じゃあノリを軽くしてみるのはどうかな?」

貴音「軽く?」

美希「うん!ミキの真似してみてね!今日はデートだ!嬉しいなっ☆」

貴音「きょ…今日はでえとだ!嬉しいなっ☆」

美希「あはっ!そんなカンジなの!」

貴音「め、面妖な……」カァッ

美希「それで今日のプランだけど……貴音、なにか意見とかある?」

貴音「先程も申しましたが、私はこのようなことに疎いのです。ですので、全て美希におまかせしようかと」

美希「そう?じゃあ決めてたプランを発表させてもらうね!今日のプランは……ずばり食べ歩きなの!!」

貴音「なんと!?これでは気を楽にしてなどおられません!さあ、早く!食材が私を待っています!!」

美希「お、落ち着いて貴音!今日は大食い企画とかそんなんじゃないの!」

貴音「あ……違うのですか……」シュン

美希「どうしよう……なんかかわいいの……」

美希「ま、まあとにかく食べよ?ほら、あっちにフローズンがあるよ!」

貴音「ふろーずん?どのような食べ物なのでしょうか?」

美希「食べ物っていうか飲み物とアイスの真ん中みたいなやつだけど……あ、貴音はコーラとメロンソーダ、どっちがいい?」

貴音「それではめろんそーだを……」

美希「コーラとメロンソーダ、一つずつくださいなのー!」

美希「…はいっ!食べてみて?」

貴音「ではいただきます…………こっ、これは!!」

美希「ん?どうしたの?」パクッ

貴音「このような蒸し暑い日に最適な、なんという清涼感溢れるものなのでしょうか!!あいすともめろんそーだともどこか違う……」

貴音「実に……実に美味ですっ!!」パクパク

美希「あ、貴音!そんないっぱい食べたら……」

貴音「~~~~~っ!!!!」キーン

美希「あーあ……先に言っとけばよかったね……」

貴音「おかわりをお願いします」

美希「速っ!どれだけ速いの!?」

貴音「くぅっ…面、妖なあ……!」キーン

美希「もうちょっと落ち着いて食べようよー。ほら、こぼしてるよ?」フキフキ

貴音「これは私としたことが…お恥ずかしい真似をしてしまいましたね」

美希「あはっ!なんだかミキの方がお姉ちゃんみたいなの!」

貴音「私もまだまだ、ということでしょうか……ごちそうさま。実においしい物でございました」

美希「だから速いの!ミキ、まだ半分しか食べてないんだよ!?」

貴音「ふぅ…汗も引き、涼やかな気分になれましたね。美希、次は何を食べるのですか?」キラキラ

美希「う……なんかすっごいキラキラしてるの……。えっと、次はそうだねー……」

美希「うーん…あんまりお店ないみたいだから、テキトーにぶらぶら散歩でもしよっか?」

貴音「わかりました。散歩も腹ごなしには良いものです」

美希「散歩も結構楽しいんだよ?いろんな人がいるし、バードウォッチングとか楽しいの!」

貴音「鳥……焼鳥……」ジュルリ

美希「た~か~ねぇ~?」

貴音「いえ、じょーくです」しじょっ

美希「貴音ってミステリアスなイメージだけど、あんまり散歩とかしないの?」

貴音「いえ、普通にしますよ。ごく普通にすーぱーで買い物をし、ごく普通に料理もします」

美希「へぇ~……ミキ的には、お手伝いさんとかいっぱいイメージがあったの!」

貴音「自らの成せることは己でするよう…というのが四条家の教えでしたので……」

美希「なんか窮屈そうだねー。辛くなったりしなかった?」

貴音「いいえ、それが当たり前の環境でしたので」

美希「ふーん……ミキならやる気がなくなっちゃいそうなの……」

貴音「確かに厳格な方達でしたが、おかげ様である程度はどのようなことでもこなせるようになりました」

美希「話を聞いてると、やっぱりお嬢様なんだよね?デコちゃんと同じくらい?」

貴音「水瀬財閥ほどの資産家ではありませんが、位高い家系ですね」

美希「お嬢様って大変だねー……あ!たこ焼き屋さんがあるよ!」

貴音「是非とも味見を!!」ススッ

美希「…そんなお嬢様生活の中で、その大食いスキルはどこからついたのかな……」

貴音「見てください美希!様々な味がありますよ!」ピョンピョン

美希「貴音って時々すっごくかわいくなるよね」

貴音「はい?」

美希「なんでもないの。えっと、ソース味、しょうゆ味、ポン酢味、七味ポン酢味だね。貴音はどうするの?」

貴音「七味ぽん酢を所望致します」

美希「じゃあミキはシンプルなソース味にしよっと!これなら一緒に食べれるしね♪」

貴音「この世の全ての食材に感謝を込めて……いただきます」

美希「また何かに影響されたんだね」

貴音「はむっ……!?あ、あひゅ……あひゅいでふ……!」

美希「だから慌てすぎなの!ほら、水!」サッ

貴音「んっ…んむっ……ふぅ…ありがとう美希。おかげで助かりました」

美希「たこ焼きはふーふーしなきゃダメなの!ほら、こうやって……ふー、ふー」

貴音「ふー…ふー…ふー………あの、美希…まだでしょうか?」

美希「もう大丈夫だって思うな。ほら、あーん♪」

貴音「はむっ……おお…たこ焼きはそーす味しか食べたことがありませんでしたが、このような味もまた美味なものですね」モキュモキュ

美希「ハム蔵みたいなの……」

貴音「たこ焼きとは奥が深いものですね……。美希、そちらの味を頂いても構いませんか?」

美希「うん!はい、あーん♪」

貴音「……ふむ…やはりしんぷるな良さと言うものも非常に良いものです」

美希「でしょ?ミキはこれが好きなの!貴音のも貰っていい?」

貴音「ええ、どうぞ」

美希「じゃあ、あーん♪」

貴音「……美希?」

美希「ミキ、さっきから貴音に食べさせてあげてるでしょ?今度は貴音が食べさせてほしいな♪」

貴音「なるほど、そういうことでしたか。では……あーん…」

美希「いただきなのっ!」

パシャッ

貴音「!?」

美希「カメラマンさんに撮られちゃったねー。まあ大丈夫なの!」

貴音「なんと…ですが仕方ありませんね。これも仕事なのですから……」

美希「ごちそうさまなのー!さ、次はあっちに行こっか!」

貴音「あの…らあめんの屋台などは……」

美希「昼間からラーメン屋台は開いてないって思うな」

貴音「そう…ですか……」シュン

美希「でも歩いてればきっとおいしいものは見つかるの!」

貴音「次なる食を目指して探求あるのみ、ですね!」

美希「うん!…あれ?こういう番組だったっけ?」

貴音「美希、あれは何でしょうか?」

美希「ん?あれはミックスジュースのお店だね。飲んだことある?」

貴音「飲んだことはありませんね…どのような飲み物なのですか?」

美希「んっと、フルーツを潰してかき混ぜて…なんかいろいろ入れたやつなの!」

貴音「色々…ですか……」

美希「詳しいことはミキにもわかんないの!とりあえず飲んでみよ?」

貴音「はい。ふふっ、楽しみです」

美希「…なんでメニューにノニジュースがあるのかな……」

貴音「面妖な……私も番組で飲んだ経験はありますが、これは流石に……」

美希「なんでだろ、すごーくヤな予感がするの……あっ!やっぱりぃ~……」

貴音「『ノニジュース早飲み対決!飲み干してピースをした方の勝ち!』……」プルプル

美希「…スタッフさん、時々すっごくイジワルになるよね。こんなの誰も得しないって思うな……」

貴音「…しかし、私たちはアイドルなのです。プロであればこれしきの事など……!!」

美希「うん、番組だから仕方ないの……。えっと、貴音、準備はいい?」

貴音「はい……」

美希「じゃあいくよ!せーのっ!!」グイッ

貴音「いざっ!!」グイッ

美希「うぇぇ…やっぱりまずいの……」

貴音「…………」ピース

美希「ああ…負けちゃったの……貴音?」

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      /     / 厶ィ!    .ト、__ \  ` ー一'´ , <Y     !  .∧
.     /  > '´⌒ヽ |     i/人__ノ> ニ <  、∑V   |    ',
     / /       !     l / /ー(_ノl\_ノlーヘ∨}   |\   }
.    / /         |     |/ /  / /@ | |  ∨,|   !  \ノ

美希「た、貴音!顔!顔ヤバいの!!」

貴音「はっ!?わ、私としたことが…とんだ失態を……」

美希「でも勝ちは勝ちなの!ミキが負けちゃった!」

貴音「何故でしょうか…あまり嬉しくありません……」

美希「うん…ミキが勝っても同じ気持ちだったって思うな」

美希「ほら、口直しにミックスジュース飲もう?」

貴音「はい……店員殿、みっくすじゅーすを二つお願い致します」

美希「ん~!!おいし~っ♪」

貴音「まこと、生き返るようです!先程のものはもう飲みたくありません……」

美希「ミキもー……」

貴音「それにしても、この飲み物には様々な栄養が詰まっているのですね」

美希「お肌にいい栄養がいっぱい入ってるんだよ!貴音はキレイだから必要ないかもしれないけどね!」

貴音「ふふっ……肌のつやなら美希には負けてしまいます」ツンツン

美希「あー!やったなー!?お返しなの!」

ぷにぷに

貴音「こ、これ美希!そこは……!」

美希「あれ?貴音、ちょっと太った?お腹まわりにちょっとお肉が……」

貴音「…はい……。ここのところ、ぐるめ番組の仕事が続いておりましたゆえ……」

美希「も、もしかして…今日のプランはNGだったんじゃ……」

貴音「い、いえ!やはり大事な友と過ごせる時間は貴重なものですし、私としても美希とのでえとは心待ちにしておりましたので……」

美希「貴音……ありがとね。ミキは友達想いの友達を持って幸せなの!」

貴音「それはこちらの台詞ですよ」

美希「へっ?」

貴音「他の皆も、この番組に出演出来て良かったと申しておりました。美希、あなたの人徳ですよ」

美希「?じんとく?ってなに?」

貴音「そうですね……つまり美希は、周りに慕われる人物であるということですよ」ナデナデ

美希「えへへ、そうかな?そう言ってもらえたら嬉しいって思うな!」

貴音「響もこの番組に出演できるのを心待ちにしておりましたよ」

美希「響……うん!早く声をかけてあげないとね!あとは響だけなんだし!」

ピピピピピッ

美希「あ…タイムアップなの!今回はなんだか早く感じたような気がするね~」

貴音「まこと、食べ歩きというものは時間を忘れて没頭してしまうものですね……」

美希「でもミキも楽しかったな!貴音と二人っきりでいろいろ話すのってあんまりなかったし!」

貴音「そうですね……では、これからは共に過ごす時間を増やすというのはどうでしょう?」

美希「あはっ!それいいかも!でもそうしたら響が拗ねちゃいそうだから、できるだけ響と一緒にね?」

貴音「ふふっ…♪美希、やはりあなたは友想いの素晴らしい人物のようです」

美希「あ、スタッフさん?なに?もう一枚撮りたいの?」

貴音「断る理由もありませんね。美希、かめらまん殿に最高の一枚を提供して差し上げましょう」

美希「うんっ!それじゃあ、貴音、カウントダウンお願いなの!」

貴音「承りました。三!」

美希「2!」

貴音「一!」

美希「……あはっ☆」

貴音「……ふふっ♪」

むぎゅっ

パシャッ

美希「うん!最高の一枚だね!二人ともすっごくキラキラしてるってカンジ!」

貴音「ええ。私も最高の出来だと思います。かめらまん殿、流石ですね」

美希「カメラマンさんの腕もそうだけど、ミキたちのアイドルオーラもあるって思うな」

貴音「なるほど……私たちは、いつの間にか一定の高みにまで登り詰めていたのですね」

美希「トップアイドルにはまだちょっと足りないかもしれないけど、頑張ってきた結果なの!」

貴音「美希、いつしか必ず登り詰めましょう。アイドルの頂点へ!!」

美希「うん!目指すは……」

美希・貴音「トップアイドル!!」

【スタジオ】


美希「VTR終了!決意を新たに頑張っていくの!!」

美希「ミキたちはまだ登りはじめたばっかりなんだから……この長いアイドル坂を!!」

美希「…あれ?なんかおかしい?まあいいや!」

美希「貴音ってとっつきにくいイメージがあるかもしれないけど、ホントはすごくおちゃめな人なんだよ?」

美希「どれだけおちゃめかって言うと、三日に一回ぐらいのペースで千早さんを爆笑させるぐらい!」

美希「まあ千早さんの笑いのセンがちょっとおかしいだけなんだけどね」

美希「さて、と……貴音からのメール、オープンなのー!」

From:貴音
Subject:無題


大変良き時間でございました。本当にありがとうございます
日本における食文化の一端に触れ、私と致しても大変勉強になりました

時に、体重の方はお変わりありませんか?
私はほんの少し増えてしまい、プロデューサーと律子嬢に怒られてしまいました

次はだいえっと、ですね。美希にも付き合ってもらいましょう
もしも断るのであれば…………






なんでもないですよ~だ♪

美希「あはっ!そうそう!こういうのが貴音流なの!テレビの前のみんなは不思議に思ったかな?」

美希「貴音ってすごく美人だけど、時々すっごくかわいくなるんだよ!」

美希「そういう貴音も見てもらいたいなーって思うんだ!」

美希「だってそれが、ミキの大好きな貴音なんだもん!」

美希「……って、なんか告白みたいになっちゃったね。なんだか恥ずかしいの……」

美希「それじゃあ、今回もプレゼントコーナーだよ!今回はいつもより豪華セットなの!」

美希「まずはいつものように『生っすかSPECIAL 01』と……」

美希「今回はなんと!発売日まで一ヶ月半を切った『生っすかSPECIAL 02』もプレゼントなのー!!」

美希「さらにさらに…写真も二倍!!」

美希「ミキが貴音にあ~んをしてもらってる写真と、ミキと貴音が顔を寄せ合ってキメ顔をしてる写真の二枚だよ!」

美希「これをぜ~んぶセットにして、こっちも二倍!10名様にプレゼントなの!!」

美希「暑中お見舞いサマージャンボってやつなの!」ドヤッ

美希「はがきに住所氏名電話番号とオススメのラーメンのトッピングを書いて、ご覧のあて先に送ってね♪」


【東京都大田区矢口2丁目1番765号 たるき亭ビル 3F 私書箱821号 正直眠いの係】

美希「みんなは熱中症対策、気を遣ってる?」

美希「ミキたちはレッスンスタジオが暑過ぎてヤバいから、最近流行の塩が入ったドリンクを多めに補給してるよ!」

美希「効くかどうかはわかんないんだけど、律子、さんが買って来てくれるんだよねー」

美希「そんなワケで、みんなも倒れないように気を付けてねっ♪」

美希「それじゃあバイバイなの~!!」




おわり☆

美希「アカンベーしてさよなら~♪軽いノリでいきましょお~♪」

スタッフ「お疲れさま美希ちゃん!歌なんて歌っちゃってゴキゲンだね~」

美希「うん!さっきの締めに使った言葉でこの曲を思い出しちゃったんだ!スタッフさんもお疲れ様なのー!」

スタッフ「ありがとう。そうそう、そういえばさっき貴音ちゃんを見かけたよ。ずいぶん汗を掻いてるみたいだったけど……」

美希「貴音が?ありがとう、行ってみるの!」

美希「貴音!こんなところでなにしてるの?」

貴音「美希…見ての通り、だいえっとに励んでいるのです」

美希「本気でやってたんだ……どう?効果でてる?」

貴音「それが何とも……。ですので、美希に少し手伝ってもらいたいのです」

美希「えっ?あ、アレ本気だったの!?ミキ太ってないよ!?」

貴音「共に励もうと約束したではありませんか。さあ!共に地獄の特訓を!!」

美希「いーやーなーのおぉおおおおぉおおーーーーーーーっ!!」




DIET END

終わりなの、あふぅ。深夜までお付き合いくださりありがとうございました

次でようやくラストです
テレビ番組という設定なので、ピヨちゃんや社長といった裏方は出てきません

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