やよい「う、ウルフルンっ!?」ウルフ「……あぁ?」(439)

~公園~


やよい「んー、良い天気ー」

やよい(たまには外で絵を描いてみようと公園に来たけど)

やよい(風が気持ちが良いし、ここでお昼寝したら幸せだろうなぁ…)

やよい(……まあ、さすがに人目もあるし、やらないけどね)

やよい「さて、どこに座ろう」

やよい「ベンチには先客がいるし、噴水の側は紙が濡れちゃうし……やっぱ芝の上に座るしかないか」

やよい「あーあ、どこかに良い場所ないかなー」

やよい「……ん? あの木の下なんて涼しげでいいかも」

ザクザクザク

やよい「着きましたよっ、と」


サァァァァ…

やよい「風が気持ちいいなぁ」

やよい「あれ? よく見たら木の反対側に誰か……って」

やよい「う、ウルフルンっ!?」

ウルフ「……あぁ?」



ウルフ「誰かと思えば、プリキュアのきのこじゃねえか」

やよい「そ、そんなことないもん! お母さんだって『可愛い髪型だね』って褒めてくれるもん!」

ウルフ「……いや、どう見てもきのこだろ」

やよい「うぅ~~・・・」

ウルフ「んで、何の用だよ。 一人で俺様と戦おうってのか、あ?」

やよい「……私は、ちょっと、外で絵を描こうかなって、思っただけだもん」

ウルフ「あーそうかよ。 ならとっとと失せろ」

ウルフ「見逃して…カックン…やるから……よ」ウツラウツラ

やよい「・・・?」


やよい「もしかして、眠たいの?」

今日はVIPで放送か

ウルフ「この木の下は……ちょうどいい風が通って、すげえ気分が良いからなぁ…」カックン

やよい「よく来るの?」

ウルフ「たまーに、な。 アジトじゃ…アカオーニの、野郎が、やかましくてよぉ…」カックンカックン

やよい「ふーん」


ソヨソヨ…

サワサワ…


やよい「確かに、ここって静かで落ち着くね」

ウルフ「・・・・・・」

やよい「……? あ、寝ちゃってる」

ウルフ「クー、スピー」

やよい(寝顔は可愛いワンちゃんなのになぁ…)

ウルフ「クカー…フゴッ! ……ウルッフッフッフッフ」

やよい「ぷっ、くすくす」

やよい「……そうだ!」

~二時間後~




ウルフ「くぁ~~~っ、よく寝たぜー!」

やよい「うわぁ!?」

ウルフ「………あん?」

ウルフ「なんだお前、まだ居たのかよ」

やよい「べ、別に良いじゃない。 私の勝手でしょ」

ウルフ「あぁ?」ギロリ

やよい「―――ひぃ!」アタマガード

ウルフ「……ん?」

ウルフ「おい、なんだぁその頭の上の紙束」

やよい「えっ!? これは…私のスケッチブック、だけど…」

ウルフ「ふぅーん」テノバシ

やよい「…………!」ササッ

ウルフ「・・・おい、なんで隠す」

やよい「ひ、人の物を勝手に見るのはよくないと思うな」

ウルフ「・・・・・・・」ギロリ

やよい「………」プルプル

ウルフ「そうか、なら仕方ないな」

やよい「……ホッ」



ウルフ「なーんてなっ!!」バッ

やよい「!?」

ウルフ「よくない事をするのが俺たちバッドエンド王国なんだよぉ!!」ガシッ !

やよい「うわぁああああああああん!!」

へーあんたもウルフルンっていうんだ

ウルフ「さぁて、どれどれー…」ペラペラ

やよい「み、見ちゃダメえええええええ!!」

ウルフ「嫌だねー! ウルッフッフッフッフ!!」

やよい「返してよー!!」

ウルフ「この落書き、全部てめぇが書いたのかぁ? へったくそだなぁ!」

やよい「これからっ、上手くっ、なるんだっ、もんっ!」ピョン、ピョン

ウルフ「ウルッフッフッフ……フ?」ピタッ

やよい「えっ…うわぁ!」

ドンッ!


やよい「いたた…」

やよい「きゅ、急に止まらないでよぉ」

ウルフ「おい、きのこ頭」

やよい「むーっ! だから、きのこって言わないで! 私はや・よ・い!」

ウルフ「……これ、もしかして俺か?」

やよい「あっ」

ウルフ「てめぇ……どういうつもりだ」

やよい「ね、寝てる姿が結構絵になってたから描きたくなって…」

ウルフ「ふざけんな!」

やよい「ひぃ!?」ビクッ













ウルフ「俺様を描くなら、もっと格好良く描きやがれ!!」

やよい「……え?」

ウル×やよかと思ったわ

~三分後~

ウルフ「ビシッと決めてくれよなぁ!」

やよい「あっ、動かないで」カキカキ

ウルフ「ぬ……」



~五分後~

ウルフ「………」

やよい「………」シュッシュッ

ウルフ「なあ」

やよい「口動かさないで」ケシケシ

ウルフ「………」

なにこれなごむ

~七分後~

ウルフ「………」

やよい「………」

ウルフ「………」ブンブン

やよい「しっぽ」

ウルフ「………」ピタッ


~十分後~

ウルフ「………」

やよい「………」カキカキ

ウルフ「……………」

やよい「……………」シュッシュッ

ウルフ「……う、」

やよい「?」

ウルフ「うがああああああ!!」

やよい「ひゃあ!? お、おどかさないでよぉ」

ウルフ「まだ描けないのかよ!?」

やよい「十分くらいじゃあんまり描けないよ…」

やよい「あと、ちゃんと座って、さっきと同じポーズとってね。 じゃないと描き直しだから」

ウルフ「俺様に指図すんじゃねえよ」ギロリ

やよい「うぅ……だ、だって、あなたが描いて、って頼んだんじゃない」

ウルフ「それはそれ、これはこれだ! 俺様に合わせて描きやがれ!!」

やよい「そんなの出来ないよお…」

ウルフ「出来ないじゃねぇ、やるんだよ!!」

やよい(どうしようかなぁ……流石にお休みの日まで戦いたくないし…)

やよい(うーん…)

やよい「あ、そうだ」

ゴソゴソ

ウルフ「あん? なにやってんだ」

やよい「ねえ、これ食べない?」

ウルフ「なんだそりゃ?」

やよい「私がお家で焼いたスコーン。 形は不格好だけど甘くて美味しいよ」

ウルフ「ほー、人間の菓子か。 いいぜ、よこしな」

やよい「はい」

ウルフ「………」モグモグ

やよい「・・・どう?」

ウルフ「おお、結構うめえな」

やよい「ほんと? 実はまだいくつかあるんだけど」

ウルフ「丁度小腹空いてたんだ、残りもくれよ」

やよい「だーめ」

ウルフ「………」ギロリ

やよい「こ、怖い顔してもダメなんだから」

やよい「残りは、私が絵を描き終わったらあげる」

ウルフ「めんどくせーなぁ…」

ウルフ「じゃあ、ほら。 とっとと描いちまえよ」

やよい「さっきと同じポーズしてくれなきゃ描けない」プイッ

ウルフ「あぁ?」

やよい「す、スコーン、あげないよ?」

ウルフ「……チッ」

ほのぼの(*´▽`*)

~三十分後~


やよい「出来たー!」

ウルフ「終わったぜー、はぁ」

やよい「どうかな、リクエスト通り格好良くしてみたんだけど」

ウルフ「もう絵なんかいいから菓子くれよ…」

やよい「むー。 元々は絵が目的だったんでしょ? はい、どうぞ」ビリッ

ウルフ「……ふー」チラッ

ウルフ「・・・・・・」

やよい「……」

ウルフ「まあ、いいんじゃねえの?」

やよい「本当?」

ウルフ「ただもう少しワイルドさが欲しいよなぁ、『たてがみ』をもっと尖らせたりよ」

やよい「なるほど…」

ウルフ「おい、それより菓子はどうした?」

やよい「あ、ごめんね。 はい、モデルお疲れ様」

ウルフ「これよこれ、待ってました!」

ウルフ「ばくばくもぐもぐ!」

やよい「ふふ、そんなに気に入った?」

ウルフ「腹減ってる分美味く感じるな」ガッガッ

やよい「……それ、お腹空いてなかったら微妙ってこと?」

ウルフ「どーだかなー? ウルッフッフッフッフ」モシャモシャ

やよい「むー・・・」

ウルフルンの性格よく書けてるよな

ウルフ「げふっ、ごっそさーん」

やよい「お粗末さまでした」

ウルフ「んじゃ、俺帰るわ。 次会う時はてめぇらをボコボコにしてやるからな、覚悟しとけ!」

やよい「あのっ! ちょっと待って」

ウルフ「あぁん? んだよ」

やよい「ここ、たまに来るって言ってたよね」

ウルフ「おう」

やよい「……えと、じゃあさ」

やよい「……」

やよい「よかったら、また絵のモデルになってくれない、かな?」

ウルフ「はぁああ?」

これは・・・!?

やよい「着ぐるみじゃない本物を描けるって、めったにないことだしさ、……ダメ?」

ウルフ「けっ! なんで俺がそんな面倒なことしなきゃいけねぇんだよ」

ウルフ「お・こ・と・わ・り・だ!」

やよい「また美味しいお菓子持ってくるからさ」

ウルフ「」ピクッ

ウルフ「……それは、今日のスコーンとかいうのよりも美味いのか?」

やよい「えっ? うーん…比べるようなものじゃないと思うけど」

やよい「少なくとも、味見して美味しくないと思う物は持ってこないよ」

ウルフ「はーん、へぇー、ほぅ…」

ウルフ「……まぁ? お前が? どうしてもと言うんなら? 引き受けてやっても良いんだぜ」パタパタ

やよい(しっぽ振ってる…、面白いなぁ)

スコーンが飛んで行った スコーン…

>>54
Σ(´Д` )

~学校~


みゆき「ねぇねぇ、やよいちゃん! 日曜日何か予定ある?」

やよい「うん? 日曜日? 特になかったと思うけど…」

あかね「皆で買い物でも行こかー、って話になったんやけど、やよいも来るか?」

やよい「ショッピングかぁ、楽しそう!」

あかね「そんじゃやよいも参加な」

やよい「うんっ! ………あ、」

みゆき「? どうかした?」

やよい「えと、……私やっぱり遠慮しとく」

みゆき「どうして?」

あかね「あっ、もしかして小遣い足りないー、とかか? 別に何も買わんでもええんやで?」

やよい「そういうのじゃなくて、その、他の人と約束してたの思い出して」

みゆき「そっかー、それじゃ仕方ないね」

やよい「うん、ごめんね?」

あかね「別に謝らなくてもええって、また今度誘うなー」ノシ

やよい「ばいばーい」ノシ

やよい「……」

やよい(まぁ、あっちが約束を守ってくれるかは分からないんだけどね…)

逢引き・・・

~日曜日・公園~


ウルフ「おう、来たか」

やよい「……あ、うん。 お待たせ」

ウルフ「何ボーっとしてんだよ」

やよい「……いや、ほんとにいるんだなぁ、と思って」

ウルフ「んん? そりゃどういう意味だ?」

やよい「うんん、いいの。 大したことじゃないから」

ウルフ「で、菓子はちゃんと用意したんだろうな」

やよい「バナナが余ってたから、バナナケーキを作ってみたんだけど…」

ウルフ「ほっほう、んじゃさっそく」

やよい「まだダーメ、絵が描き終わったらね?」

ウルフ「別に後でも先でも変わんねえだろ」

やよい「食べたら、どっか行っちゃわない?」

ウルフ「い、行かねぇよ…」プイッ

やよい「あー、目が泳いでるー」ジトォ

(・∀・)ニヤニヤ

~二十分後~


ウルフ「………」ウズウズ

やよい「……」

やよい「少し休憩する?」

ウルフ「っしゃあ!」

やよい「ふふっ、そんなに疲れた?」

ウルフ「動いちゃいけねぇってのがキツいな、もっと早く描けねえのか?」

やよい「やろうと思えば十分くらいで描けるけど…」

ウルフ「はぁ? ならどうしてこんなに時間かかってんだよ」

やよい「早くすると雑になっちゃうんだもん」

ウルフ「少しくらい楽してもいいんじゃねえの?」

やよい「ダメだよ。 それだとあなたに申し訳ないし、私も手は抜きたくないから」

ウルフ「いや、別に俺は菓子さえ食えれば…」

やよい「とにかく! 良い出来になるまで粘るよ!」

ウルフ「……お前変なトコでこだわんだな」

や~よ~い~

やよい「そう? はいこれ、頑張ってくれた前払い」コポポポ

ウルフ「んだぁ、この茶色いのは?」

やよい「ココアだよ。 もしかして初めて?」

ウルフ「おう」

やよい「あったかくて、甘くて、ぽかぽかするよ」

ウルフ「……どれどれ」グイッ

やよい「あっ」

ウルフ「」

ウルフ「うあ熱っちぃぃいいいいいいいいいいい!!」

ウルフ「へ、へめぇ! はひひやはふ!? (て、てめぇ! なにしやがる!?)」

やよい「魔法瓶で入れてきたから、アツアツなんだ」

やよい「少し冷まして飲んでね?」

ウルフ「ほへーほ! (おせーよ!)」

~しばらくして~


やよい「でーきたっ!」

ウルフ「おら、さっさと菓子よこせ」

やよい「もー…、花より団子って、多分こういうことなんだろうね…」

ウルフ「あぁ? 花と団子だったら団子の方が良いに決まってんだろ」

やよい「……まあ、食べながらでも絵は見れるからいっか」

やよい「はい、どうぞ」

ウルフ「ウルッフー!」バクバクバク

やよい「それで、今日のはどう?」

ウルフ「まあまあだが、次はしょっぱいのが食いてぇな!」ガッガッ

やよい「いや、絵のことを聞いたんだけど…」

ウルフ「あん? ……いんじゃね?」

やよい「……先週も同じ感想じゃなかった?」

ウルフ「俺に絵のこと聞かれてもよぉ、良し悪しなんか分かんねぇって」モシャモシャ

やよい「えー・・・」

完全に夫婦

ウルフ「あ、でも『たてがみ』がちゃんと尖ってるのはいいと思うぜ」

やよい「そう? やり過ぎかなー、と思ったんだけど、気に入ってもらえてよかった」

ウルフ「後は…もっとこう、爪でズバーッ!!ってしてるところとかどうよ」

やよい「・・・えーっと、つまり動きのある絵にしろ、ってこと?」

ウルフ「俺様の溢れ出る強さに、見た奴が恐れ慄くようなのがいいな!」

やよい「それって捏造じゃ…」ボソッ

ウルフ「? 何か言ったか?」

やよい「ううん、別に?」

やよい「……そういえばさ、」

ウルフ「なんだよ」

やよい「ウルフルンって、必殺技とか持ってるの?」

ウルフ「あぁ?」

ウルッフッフ~

やよい「ほら、私たちみたいに技名を叫んで出す派手な技のこと」

やよい「悪者も奥の手で持ってるのが定番なんだけど…、何かない?」

ウルフ「えっ、定番…なのか?」

やよい「それがあるかないかで、人気が左右されることもあるね」

ウルフ「へ、へえー・・・そういうもんか」

やよい(ん? ………!)

やよい(……ははぁん)

ウルフ「そ、その必殺技? がどうしたってんだよ」

やよい「格好良くて、躍動感のある絵といえば、必殺技を使ってる場面だと思うんだよねー」

やよい「もし見せてもらえると、私もインスピレーションが湧くんだけどなぁ…」チラリ

ウルフ「…ぐ…ぬ……」

無能力ウルフルン

やよい「……もしかしてぇ、ないの?」ニヤニヤ

ウルフ「っ!? んなことねえよっ! 百個はあるぜ!!」

やよい「ほんとっ? じゃあ、どれか見せてよ」

ウルフ「ぬぐっ…! きょ、今日は調子が悪くてよ…」

やよい「その割にはよく食べてたけど」

ウルフ「て、てめぇが動くなっつったから身体がガチガチなんだよ!」

やよい「ふーん…」ジー

ウルフ「ぅぐ…」

やよい「なら、しょうがないか」

ウルフ(ほっ)

やよい「でも、いつか見せてね?」ニコッ

ウルフ「!? …お、おう! てめぇらが喰らったら木端微塵だぜ!」

やよい「へぇー」ニコニコ

ウルフ「マジだかんな!? そん時になって後悔すんじゃねえぞ!!」

やよい「うん、楽しみにしてるっ」

ウルフ「けっ!」

うるっふっふ・・・

~バッドエンド王国・アジト~


ウルフ「帰ったぜー」シュンッ

オーニ「おっ、やーっと帰って来たオニ!」

マジョ「どこ行ってたんだわさ?」

ウルフ「別にどこだって良いだろ」

オーニ「お前が来るまでおやつを食べずに待ってたんだオニ!!」

ウルフ「はぁ? おやつぅ?」

マジョ「今日は納豆餃子アメと、チャバネゴキブリの羊羹だわさ」ジュルリ

オーニ「ほら、お前も早く席に着くオニ!」

ウルフ「あー・・・」

ウルフ「俺はいいわ。 アカオーニ、俺の分やるよ」

オーニ「オニ!?」

マジョ「なっ!?」

アカオーニ・・・

オーニ「ま、マジオニか? 後で返してって言っても返さないオニよ?」

ウルフ「おーおーマジだ、好きに食ってくれ」

オーニ「ウオッシャアアアアア!!」

マジョ「ウルフルン、お前どこか体調でも悪いんだわさ?」

ウルフ「どこも悪かねぇよ、至って健康だ……ゲフッ」

マジョ「んん? ………あー! お前また人間界で何か食べて来たね!」

ウルフ「俺が何食おうが、俺の勝手だろうが」ウップ

マジョ「晩ご飯が食べられなくなっても知らないだわさー!!」

ウルフ「へーへー気を付けますよー」

ウルフ(今日のアップルパイ、美味かったなぁ…)

鬼さんいきり杉だろ・・・

~休日・公園~


やよい「じゃんじゃじゃーん!」パカッ

ウルフ「おおっ!? こいつぁ…」

やよい「やよい特製☆お好み焼きでーす!」

やよい「前にあかねちゃんのを美味しそうに食べてたでしょ? なので私も挑戦してみましたー!」パチパチ

ウルフ「へぇー、見た目は美味そうだな」

やよい「みんなと一緒に何回か作ったからね。 綺麗にまーるくなってるでしょ?」

ウルフ「ま、形と味は関係ねぇけどな」

やよい「ちゃんと味見もしたから大丈夫だって」

やよい「ささっ、焼いて家から持ってくるのに時間かかったから、これ以上冷めないうちにどうぞっ」

ウルフ「おう! いっただっきまーす!」ガブリッ

ウルフ「………」モグモグ

やよい「どう? おいしいでしょー!」

もうつきあってるみたいなもんだな

ウルフ「………」

やよい「……?」

ウルフ「なあ」

やよい「うん?」

ウルフ「これは、お好み焼きなんだよな?」

やよい「えっ? やだなぁ、どう見たってそうでしょ」

ウルフ「だよなぁ…」パクッ

ウルフ「………」モグモグ

ウルフ「味見は、したんだよな」

やよい「もー、なーにさっきから」

ウルフ「ちょっと食ってみろ」ヒョイ

やよい「ふぇっ!?」

ウルフ「おら、不味くなかったってんなら口開けろって」グイグイ

やよい「で、でも…」

ウルフ「ほらっ!」

やよい「あぅ…」

やよい「・・・・・・あ、あーん///」

ヒョイ、パク

ウルフ「……どうだ?」

やよい「///」モグモグ


ゴックン

やよい「……うん、甘くておいしいけど」

ウルフ「おかしいだろっ!?」

やよい「えっ? なにが?」

ウルフ「前食ったお好み焼きってこんな甘くなかったぞ!? 昨日のケーキより甘えじゃねえか!!」

やよい「? だって、甘い方がおいしいでしょ?」

ウルフ「お前…普段何食ってんだよ」

やよい「何と言われても…、昨日の晩ご飯はお味噌汁と鮭とサラダだったけど」

やよい「それがどうかした?」

ウルフ「普段の食事がイカれてると思ったんだがなぁ…、違ったか」

らんでぶー

やよい「……もしかして、美味しくなかった?」

ウルフ「いや、不味くはねえよ。 不味くはねえが…」

やよい「……」

ウルフ「? おい、どうした」

やよい「やっぱり、美味しくなかったんだ…」グスッ

ウルフ「………っ!」

ウルフ「けっ、いちいち泣くんじゃねえよ。 うっとうしい」

やよい「ご、ごめ…」

ウルフ「まっ、俺様としちゃ泣き顔見ながらの方が飯が美味いんだけどな!」ガッガッ

やよい「あっ…、別にそんな、無理して食べなくても」

ウルフ「うっせえ! 俺が貰ったもんをどうしようと俺の勝手だろうが!!」モッシャモッシャ



やよい「………」

やよい「ありがとね」

ウルフ「モグモグ…あぁ? 敵に『ありがとう』なんて言うんじゃねえよ、ばーか」

やよい「それでも、ありがと」

ウルフ「…けっ」

きれいなウルフルンさん

~黄瀬家~


やよい「~~~♪」ジュー

ちはる「あら、やよい。 また何か作ってるの?」

やよい「あ、お母さん。 ちょっとお好み焼きのリベンジを、ね」

ちはる「へー、どれどれ…」パクッ

ちはる「…?」

ちはる「やよい、これ甘みが足りなくない?」

やよい「えっ、そうかな」

ちはる「砂糖足す?」ガチャ

やよい「でも、甘くない方が好きみたいだから…」

ちはる「変わってるわねぇ、その子。 お母さん、女の子は皆甘い物好きだと思ってたわ」

やよい「まあ、女の子じゃないからね…」

ちはる「えっ?」

やよい「あっ」

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3100022.jpg

>>105
やよいKOEEEE

ちはる「もしかしてぇ…、男の子にあげてたの?」

やよい「えっ、いや、ちが…!」

ちはる「そっかー。 最近休みになると、よくお菓子作って出かけるからどうしたのかなー、と思ってたけど」

ちはる「やよいがねー」ニヤニヤ

やよい「もー! だーかーらー、ちーがーうーのー!!」

ちはる「照れなくても良いじゃない。 誰もが一度は通る道よ」

やよい「むぅー! もう、行ってきまーす!!」ガシッ、ダダダ、バターン !

ちはる「あらあら」

ちはる「青春ねぇ…」

ついに二人の関係がバレたか

~公園~


ウルフ「まだどことなく甘い気はするが…、それは置いておくぜ」

やよい「……今日のもダメ?」

ウルフ「なーんか違うんだよなぁ…、根本的な何かが…」

やよい「そっかぁ…」

やよい「今度、あかねちゃんに作り方教わってみるね」

ウルフ「あん? それならキュアサニーが作ったのをそのまま持ってくりゃいいだろ?」

やよい「むぅ! 私が、自分で、作りたいの!!」

ウルフ「無理だと思うがねぇ…」ニヤニヤ

やよい「見てなさい! すっごくおいしいの作って驚かせてやるんだから!」

ウルフ「期待しないで待ってるぜー、ウルッフッフッフッフ」

気がついたら10時だよ!

三幹部って最後どうなるんだろうな
憎めない描写多いし倒されるのが想像できん
トリオ・ザ・マイナーと同じでキレイになるんだろうか

~しばらく経って~


ウルフ「なんじゃこりゃ・・・」

やよい「新しい観点から描いてみました」エヘン

ウルフ「こりゃただの犬じゃねえか! 爪も牙もねえし、全体的に丸っこいしよぉ!」

やよい「かわいいでしょ?」

ウルフ「俺に似せる気全くねえなお前! これなら俺がいなくても描けるだろうがよ!!」

やよい「ウルフルンの可愛いと思う分を抽出したんだけど……ダメ?」

ウルフ「ダメに決まってんだろうが!!」

やよい「でも、お菓子食べてる時とか寝てる時とか、こんな感じだよ?」

>>116
反ジョーカーでプリキュアと連携するとか・・?

ウルフ「ん・な・わ・け・ね・え・だ・ろっ!」グワシッ

やよい「やぁだあ! 髪はやめてよぉ!」ジタバタ

ウルフ「うっせえ、お前は最近調子に乗り過ぎなんだよっ!!」ガシガシガシ !

やよい「うわあああああああん!!」

ウルフ「ウルッフッフッフッ…フ?」


もふっ


ウルフ「…」

ウルフ「……」モフ

ウルフ(触り心地いいなぁ…これ)モフモフ

デレた

やよい「い、いい加減にしてよっ!」ドンッ


ふかっ


やよい「……っ!?」

やよい「…」

やよい「……」フカ

やよい(毛並みいいなぁ…これ)フカフカ







~我に返って~


ウルやよ「「ハッ!?」」



やよい「そ、そろそろ離してよっ!」バッ

ウルフ「て、てめぇこそ離れやがれ!!」ズサッ

ツンデレカップル!?

~ある日の学校~


みゆき「最近のやよいちゃん、どこか変わった気がしない?」

なお「えっ? うーん、私は特に気付かなかったけど」

れいか「以前よりも向上心が湧いたように感じますね。 休み時間にお料理の本を眺めたりしていますし」

みゆき「あと、授業中によく髪をいじるようになったよね」

キャンディ「やよいもキャンディみたいにくるくるにしたいクル?」

なお「あっはっは、キャンディのは耳でしょー。 ……それ、耳だよね?」

あかね「……そのことなんやけどな」

みゆき「ん? あかねちゃん、何か知ってるの?」

なお「耳なの? それとも触角なの?」ガクブル

あかね「この前、やよいがウチに頼み事しに来てな」

れいか「頼み事、ですか?」

あかね「ああ、美味しいお好み焼きの焼き方おせーてー、ってな」

みゆき「お好み焼きぃ?」

うるっふっふっふ

…それ、耳だよね?だよね?

~回想・あかね宅~


あかね「やよいが頼み事なんて珍しいなぁ、それも料理やなんて」

やよい「あはは…、たまにはね」

あかね「まっ、ウチに任せておけばモーマンタイや。 ビシビシいくでー」

やよい「ははー。 よろしくお願いします、先生」フカブカ

あかね「せ、先生て、気恥ずかしいわぁ…」

あかね「それで、材料は持って来たんか? 足らなかったらウチの貸すで?」

やよい「あ、うん。 よいしょっと」ドサッ

あかね「えーと、どれどれ…。 キャベツに、豚肉、卵に、紅ショウ……ん?」

やよい「どうかした?」

あかね「ちょっと、やよいー。 お好み焼きにホットケーキミックスは使わんてー」ケラケラ

やよい「使わないの?」

あかね「えっ」

やよい「えっ」

?!

あかね「なにそれこわいわ」

やよい「私、いつもこれで作ってたんだけど…」

やよい「甘い方が美味しいでしょ?」

あかね「」


~~~

あかね「ちょっ! やよい、何を入れるつもりや!?」

やよい「ドライフルーツだけど…」

あかね「お好み言うても、そら合わないやろ!」

やよい「あ、でもこれ甘さ控えめだよ?」

あかね「いや、そういう問題ちゃうねん…」


~~~

やよい「焼けたよー」

あかね「どれ」パクッ

やよい「ワクワク」

あかね「……砂糖、入れたか?」

やよい「大匙一杯だけだけど…、よく分かったね」

あかね「甘味から離れようや…」ガクッ


~~回想終了~~

甘党のやよいちゃんきゃわわ

あかね「……一瞬でも目を離すと、何故かデザートに変わってるねん」

れいか「それは…、なんとも不思議な特技ですね」

みゆき「やよいちゃんの料理って、見た目はすごくまともなんだけどねぇ…」

れいか「? 美味しくないのですか?」

みゆき「うんん、美味しいよ。 美味しいんだけどね」

みゆき「ぜーんぶ甘いの」

なお「そう、なんだ」

あかね「そうなんや。 やよいって味はともかく、料理自体は出来るねん」

あかね「だからその時、やよいに『なんでお好み焼き作ろうと思ったんや?』って聞いたんやけど」

みゆき「うんうん」

あかね「『絶対美味しいって言わせるんだから』、やて」

れいか「……? 質問の答えになっていない気がしますが」

なお「つまり、誰かに食べさせるために練習してる、ってことかな」

みゆき「うーん、お母さんとか?」

れいか「日頃の感謝というわけですか、とても素晴らしいと思います」

ぼくもとても素晴らしいと想いますよ!!!!!!!!!!!!!!!!1111111111111!!!

うるっふるー!

あかね「あんなぁ、これはあくまでウチの妄想なんやけど…」


みゆき「?」

あかね「①最近のやよいは少し変わった」

あかね「②髪をいじったり、料理本を読むようになった」

あかね「③お好み焼きは、誰かに食べさせるために練習しているらしい」

あかね「④休みの日に誰かと約束していることが何回かあった」

あかね「以上の事から導き出されるのはぁ…」ダダン !

みゆき「どきどき!」

れいか「あかねさんも、どこかいつもと違うわね」

なお「そういえば昨日、少年探偵の映画やってたっけ」

ばーろー

あかね「やよいに、……か、か」

みゆき「か?」










あかね「彼氏が出来たかもしれんてことやあああああああああ!!」

みゆなおれい「「「な、なんだってええええええええ!?」」」

キャンディ「クルッ?」

ナ、ナンダッテー

あかね「あくまで、も・し・もの話やけどなー!」ケラケラ

あかね「……って、あれ?」



みゆき「やややややよいちゃんに、か、彼氏!?」

なお「わ、私たちまだ中学生だよ? は、早いんじゃないかな…///」

みゆき「あ、でも私『命短し恋せよお米』って聞いたことある!」

なお「あれ? お米だっけ? ああ、でもそう言われると早くはないのかなぁ…」

キャンディ「れいか、『かれし』って何クルッ?」

れいか「えっ!? えと、その…、ある女性と特別に仲の良い男性…かしら?」

キャンディ「? キャンディよく分かんないけど、やよいと仲良しの人のことクルッ?」

れいか「まあ、そんな感じかな」

キャンディ「じゃあキャンディも『かれし』クルー!」

れいか「うふふ、キャンディ。 女の子は彼氏にはなれないのよ」

キャンディ「クルッ?」

みゆき「あわわわわわわ、ど、どうしよー!!」ドタバタ

あかね「お、落ち着けみゆきー!」

なお「そ、そうだね。 うん、皆で一度深呼吸しよう!」


スー…

ハー……


なお「落ち着いた?」

みゆき「ああ、うん。 なんとか…」

なお「でもまさか、やよいちゃんがねー」

あかね「いや、だから。 そうとは決まってないて…」

れいか「相手の方はどんな人なんでしょう?」

みゆき「やよいちゃんが選んだ人だもん。 きっと良い人だよ!」

なお「そうだね!」

れいか「こういう時は、お祝いするべき、なんですよね?」

ギャグをマジメに受け取られるサニキェ・・・

あかね「おーい…、みんなー…」

みゆき「あー、でも気になるなぁ! いっそ皆でやよいちゃんに着いて行っちゃう?」

れいか「ええっ? そんな、人のプライベートを覗くのはちょっと…」

キャンディ「キャンディ、やよいの『かれし』見てみたいクルゥ!」

なお「や、やっぱり……手とか繋いじゃってるのかなぁ…/// 私には刺激が強いよぉ…」


あかね「おーい……」

~後日・学校~


みゆき「やーよいちゃん!」

やよい「ん? なぁに、みゆきちゃん」

みゆき「今週の土日で何か予定ある?」

やよい「えっ? 日曜は少し用があるけど…なんで?」

みゆき「えへへ、あのね…うわぁ!?」ガバッ

やよい「?」

ぅヮゃょぃヵヮィィ

みゆき「んぐぐー!」モガモガ

あかね(アホー! 予定聞くだけでええねん、バラしたら意味ないやろ!)ボソボソ

みゆき「ほへーん (ごめーん)」モガ

やよい「…えーっと、どうしたの? あかねちゃん…」

あかね「あっ、あはははは! 何でもないでー、ごめんなー?」

あかね(ほら、みゆき。 行くで!)

みゆき(はーい)

ズルズル…

やよい「……なんだったの?」

~日曜日・公園~


やよい「今日のは本当に自信作なんだから!」ムン

ウルフ「おめぇ、いつもそんな事言ってるよな」

やよい「むぅ、今回はほんとにほんとなの!」

ウルフ「へーへー分かりましたよー。 どうせ食えば分かるしな」

やよい「ふふん、調子に乗っていられるのも今のうちよ」

やよい「あかねちゃん直伝のお好み焼き、とくと味わうが良いわ!!」ドンッ !

ウルフ「いちいち大仰だなお前ぇ…」

やよい「いいから、ほらっ!」

ウルフ「……」

ウルフ「はぐっ」

くるー?

ウルフ「………」モグモグ

やよい「………」ドキドキ

ウルフ「……おおっ!?」

やよい「!」

ウルフ「これだよ、これ。 お好み焼きってこういうのだよな!」バクバク

やよい「やったあ!」

やよい「ねえ、おいしい? おいしい?」

ウルフ「んー・・・? ああ、お好み焼きの味だな」

やよい「そうじゃなくて、もっとこう…」

ウルフ「こんなもん誰が作ったって一緒だろうが」ガツガツ

やよい「そんなぁ…」ショボン

ウルフ「………」

ウルフ「まぁ、」

やよい「?」

ウルフ「あの糞甘い奴よりは大分マシになったんじゃねえの?」

やよい「……」

ウルフ「……」モグモグ

やよい「ふぅ」

やよい「素直じゃないなぁ」ニコッ

ウルフ「うっせえ」

お米食べろ

ながかった・・

~やよい達と少し離れたところで~


あかね「……で、あれは一体どういう状況なんやろうな」

キャンディ(やよいが危ないクルー! 助けに行くクルー!)モガモガ

なお(ああ、もうキャンディ静かにして! 気付かれちゃうでしょ!)ボソボソ

キャンディ(クルー!!)

れいか「なんともまた変わった組み合わせですね…」

みゆき「でも、なんだか二人とも楽しそうだよ?」

なお「少なくとも、脅されて、ってのではないみたいだね」

れいか「えっ? では、ウルフルンがやよいさんの彼氏だったんですか?」

あかね「さすがにアレが彼氏ってのはないやろぉ…」

でもまぁやよいに彼氏はまだまだ早いよね

クルー!!

みゆき「そんなことないよっ!」

あかね「えっ、ど、どないしたんや? みゆき」

みゆき「美女と野獣、ぜんっぜん変じゃない!」

あかね「あー、また絵本の話かいな…」

みゆき「悪い魔女の呪いで悪の心に支配されてしまった狼さんを、やよいちゃんが解き放とうとしてるんだよ!!」

みゆき「くっ、なんて健気なやよいちゃん!」ヨヨヨ…

あかね「んなアホな」

なお「みゆきちゃんの話はとりあえず置いておくとして、実際どういう関係なんだろうね。 あの二人」

れいか「そうねぇ…、なおはどう思う?」

なお「うーん。 そうだなぁ・・・」


~~~~~~~~~

ウルフ「ウルッフッフッフッフ♪」モシャモシャ

やよい「ウルフルンって、何か食べてる時は『わんこ』って感じだよねぇ」ケラケラ

ウルフ「あんだとっ!?」

やよい「ひゃあ!」

ウルフ「調子に乗るなよ、この、このっ!」

やよい「もー! だから髪はやだって言ってるでしょー!!」ジタバタ

~~~~~~~~~~

カップルのじゃれあい

>>165
俺もそう思うは

なお「……」ジー

なお「仲の良い兄妹……いや姉弟か? うちの弟たちもあんな感じだし」

れいか「ああ、なるほど。 何か既視感を感じていたのだけど、それだったのね」

キャンディ(でも、アイツはわるいヤツクルー!)モガモガ

れいか「……そうね、確かにキャンディの言う通り」

れいか「私たちプリキュアと、ウルフルンたちバッドエンド王国は敵同士」

れいか「でも、もしも。 やよいさんとウルフルンが、この先も良好な関係を築いて行けたなら」

れいか「それを『きっかけ』として、」

れいか「私たちが争わなくても済む、そんなハッピーエンドが迎えられる」

れいか「あの二人を見ていて、そんな気がしたのです」

!!

みゆき「れいかちゃん…」

あかね「……」

なお「……くすっ。 れいか、なんだかみゆきちゃんみたい」

れいか「そうかしら? うふふ」

みゆき「でも、本当にそうなったらいいよね。 みーんな仲良しが一番だもん!」

あかね「少し楽観的な気もするけど…せやな! 喧嘩しなくても済むなら、それがええ」

れいか「直接だとかえって迷惑をかけてしまいそうなので、私たちは陰ながら応援していましょう」


みゆあかなお「「「うんっ」」」

俺もそう思うわ

~別の日・公園~


ウルフ「くぁあ~~~・・・」

やよい「……」ピタッ

やよい「眠たくなってきた?」

ウルフ「今日あったけえからなぁ…」

やよい「あと2,3分で仕上げるから、もうちょっとだけ頑張ってね」

ウルフ「はいよー」

やよい「……」カキカキ

ウルフ「……」

ウルフ「なあ」

やよい「なーにー?」シュッシュッ

ウルフ「お前ぇはいつも楽しそうに絵を描いてるけどよ、」

ウルフ「なんで絵を描くんだ?」

やよい「えっ?」ピタッ

おばーちゃーーん

ウルフ「じぃっと動かないで、ひたすら落書きしてる時点で俺には理解できねぇ」

ウルフ「お前ぇの場合、誰かに褒められたいってわけでもないんだろ? 最初の時、隠してたもんな」

ウルフ「俺からすれば時間の無駄にしか見えねえんだが…、お前はどうなんだよ」

やよい「なんで絵を描く、かぁ…」

やよい「うーん、考えた事もなかったなぁ」

やよい「ヒーロー物が好きだから、私もそういうのを描いてみたい、っていうのもあるんだろうけど…」

やよい「……」

ウルフ「……」

やよい「そうだなぁ」

やよい「私がその時感じた物を残しておきたい、っていうのが理由なのかもね」

ウルフ「? なんだそりゃ」

やよい「えっと、さ。 例えば、私が3番目にウルフルンにあげたお菓子覚えてる?」

ウルフ「あん? んなもん覚えてる訳ねえだろ」

やよい「ふふっ」


ペラペラ…

やよい「ほら、これ」

ウルフ「俺の絵、か?」

やよい「アップルパイを焼いてきたんだよ。 で、ウルフルンの口周りの毛がベトベトになって…」

ウルフ「あー、あのやたら食いづらい奴か。 齧ったそばから中身が出そうになるしよ」

やよい「丸ごと食べようとするからだよ、……私の分まで食べちゃったし」

うるふるん

ウルフ「で? その絵がどうしたよ」

やよい「こうして、思い出を切り取る事は写真でだって出来るけど」

やよい「絵なら、私の見ている世界をそのまま描き出せる」

やよい「かっこいいヒーローだって、わくわくするような漫画だって」

やよい「紙とペンさえあれば、こういう思い出だって残せちゃう」

やよい「それって、すごいことじゃない?」


ウルフ「……俺にはよくわかんねぇな」

やよい「そっか、私も上手く言葉に出来なかったから、しょうがないね」

ウルフ「ふむ…」

やよい「……」

やよい「あ、そうだ」

やよい「ねえ? せっかくだから、ウルフルンが私を描いてみてよ」

ニコッ

!?

ウルフ「はぁああ!? なんでそんな面倒なことしなくちゃならねえんだよ!」

やよい「試しに描いてみれば分かるかもよ、絵の楽しさ」

ウルフ「べ、別に分からなくても困らねぇよ、めんどくせえし」

やよい「いいじゃない。 思い出、思い出♪」

ウルフ「大体、俺様は絵なんて描いたことねぇぞ!?」

やよい「まあまあ」

ウルフ「人の話を聞けぇえええ!!」









?「おやおや、これはこれは…」

?「………んっふ」

ジョーカー?

~学校~


やよい「……」ジー

やよい「えへへ」

みゆき「やよいちゃん何見てるのー?」

やよい「ん? ああ、ちょっとコレをね」

ペラッ

みゆき「えーっと……これは何の絵?」

やよい「これ、私なんだって。 …くすくす、変だよねー」

あかね「お? なんやなんや……って、『き○この山』か? これ」

なお「へー、うちの弟たちが描いた絵みたい」

れいか「これは、やよいさんが描いたものではないんですか?」

やよい「うんっ。 あ……えと、新しく出来た友達、にもらったの」

れいか「友達、ですか」

あかね(それって、もしかしなくても…)ボソ

みゆき(狼さんのことだろうね)ボソボソ

みゆき(仲良さそうで、ウルトラハッピー♪)

あかね(てか、アイツめっちゃ絵ぇ下手やな)ククク

やよい「? どうかした、二人とも」

あかね「んーにゃ、なんでもないでー」

なお「ねえ、やよいちゃん」

やよい「なに?」

なお「その新しい友達ってどういう人? 仲良くやれてる?」

やよい「えっ?」

伏字にするとなんか卑猥なにほひが

あかね(ちょ…、なおー!)ボソッ

なお(だって、気になるじゃない。 これくらいは大丈夫だって)ボソボソ

やよい「うーん……」

やよい「そう、だなぁ」

やよい「乱暴で、面倒臭がりで、すぐ怒って私の髪をモサモサするけど、」

やよい「お菓子食べてる時とか寝てる時を見てると、悪い人ではないんだろうな、って思うんだ」

やよい「……でも、」

なお「でも?」

やよい「私は仲良くやれてると思うんだけど、……あっちはそう思ってくれてるのかどうか」

やよい「その、元々その人とはよく喧嘩をしたりしてたから、今の状況がなんだか不思議で…」

なお「実感湧かない?」

やよい「そう、居心地は良いんだけど、ふわふわしてて」

やよい「……また、前みたいな関係に戻りそうな気がして」

なお「不安?」

やよい「……うん、少し」

完全にコイバナでんがな

なお「大丈夫だよ、やよいちゃん」

やよい「えっ?」

なお「やよいちゃんとその人は、ちゃんと仲良くなってる」

やよい「どうして、そう思うの?」

なお「だって、」

なお「面倒臭がりな人が、自分で絵を描いてまで、嫌いな人にプレゼントすると思う?」

やよい「それは…、でも、私がちょっと強引に描いてもらおうとしたから…」

なお「でも、描いてくれたんでしょう?」

やよい「……うん」

なお「なら、仲良しだよ。 きっと」



やよい「……」

やよい「そっか」

やよい「そうだったら、嬉しいなぁ…」

~バッドエンド王国・アジト~


カキカキ

シャッシャッ


ウルフ「……」

ウルフ「………あぁ! くそっ」

ぐしゃぐしゃー!!


ウルフ(あれからいくら描いてもへんてこなモンしか描けねぇし……慣れないことはするもんじゃねえな)

ウルフ「はぁ」

ウルフ(あいつ…結構上手かったんだな)

ウルフ(きのこ頭に負けてると思うと、イライラするぜ。 ソッコーで上達して見返してやらぁ!)





?「なぁにかお悩みのようですねぇ」シュンッ !

グレーゾーンきた

ウルフ「あぁ?」

ウルフ「んだよ、ジョーカー。 俺様は今忙しいんだ、とっとと失せろ」

ジョーカー「ふむ? 忙しい?」

ジョーカー「偉大なる三かーんぶのウルフルンさんに、バッドエナジー集めより優先する事があるのでしょうか?」

ジョーカー「ま・さ・か、そこら辺に転がっている落書き…なーんてことはないですよねぇええ?」

ギロリッ

ウルフ「……てめぇ、俺様に喧嘩売りに来たのか。 八つ裂きにすんぞ」

ジョーカー「そんな、まさかまさか♪」

ジョーカー「ただ私は、ピエーロ様にお仕えする仲間として、ご忠告差し上げようと思っただけです」 

ウルフ「忠告だぁ?」

ジョーカー「ここ最近、アカオーニさんやマジョリーナさんに任せっきりで、バッドエナジー集めをさぼっているらしいですねぇ」

ジョーカー「このままだとピエーロ様が復活した時に、『アイツはサボりをしてたオニー!』とか言われてしまいますよぉ?」

ウルフ「ぬぅ…」

ウルフ「……わあったよ、次は俺様が出ればいいんだろ?」

ジョーカー「んっふ! 意欲が衰えていなくて結構です!!」

ウルフ「用はそれで終わりか?」

ジョーカー「はい、私の胸のつかえも取れて、実に満足です♪」

ウルフ「あん? 何の事だ」

うるっふるふる

ジョーカー「いえね? 『もしかしたら』の話なんですけどぉ」



ジョーカー「ウルフルンさんがさぼっているのは、人間に対して何かしら『情』のようなものが芽生えたからだ」



ウルフ「!?」

ジョーカー「……なーんて、妄想してしまっていたんですが、全くの杞憂でしたねぇ!」

ジョーカー「人間と関わっても、百害あって一利なし」

ジョーカー「私たちは元々、彼らに退治される側なんですもの」

ウルフ「とっとと失せろっ!」

ジョーカー「おお、怖い怖い」

ジョーカー「ではでは、お仕事頑張ってくださいねぇ?」シュンッ !

シュンッ

ウルフ「けっ、相変わらずうざったい野郎だぜ」

ウルフ「……」

ウルフ(俺様が、人間に『情』を…?)

ウルフ「………」















『ありがとね』

『モグモグ…あぁ? 敵に『ありがとう』なんて言うんじゃねえよ、ばーか』

『それでも、ありがと』

『…けっ』






ウルフ「………っ」

ウルフ「馬鹿馬鹿しい!」

(´;ω;`)ブワッ

~公園~


やよい「~~~♪」カキカキ

ウルフ「……」

やよい「よしっ、でーきたっ!」

やよい「ねね、どう? 今日のは自信作だよ」

ウルフ「……」

やよい「……?」

やよい「ウルフルン…? どうかしたの?」

ウルフ「別に、どうもしてねえよ」

ウルフ「・・・・・・」

やよい「えと、気に入らなかった?」

ウルフ「なぁ、キュアピース」

やよい「うん?」

ウルフ「お前から見た今の俺は、こんなにも弱っちそうなのか?」

やよい「……えっ」

ウルフ「牙も爪も丸っこくて、ヘラヘラ笑って、悪者としての威圧感の欠片も無ぇ」

ウルフ「これが、こんなのが、本当に俺なのか?」

やよい「駄目かな? 私は良いと思うけど…」

ウルフ「・・・・・・・」

やよい「あ…。そ、そういえばっ!」

やよい「昨日、アニメを見返してたんだけどね」

ウルフ「唐突に何だよ」

やよい「その回で、長い間戦っていたヒーローと悪役が和解して、仲良くなるの」

やよい「……その、私たちもこのまま、もっと仲良くなれるといいなって、思った」

ウルフ「・・・・・・・」

やよい「あのね、」

ウルフ「てめぇ、何ふざけたこと言ってやがんだ」

やよい「えっ?」

えっ

おい

ウルフ「俺が、バッドエンド王国の三幹部・ウルフルン様が、てめぇら人間と仲良くだとぉ?」

ウルフ「冗談も大概にしやがれ!」

やよい「え、あの…」

ウルフ「んだよ」ギロリ

やよい「……私たち、一緒にお菓子食べたり遊んだりしてるじゃない」

やよい「これって、その…、もう友達じゃないの?」

ウルフ「んなわけあるか、バーカ」

やよい「ち、違わないもん! この絵のウルフルンの顔見てよ! 楽しそうに笑ってるじゃない!」

ウルフ「それはただの絵だろうが!」

ウルフ「つまり、てめぇの妄想だ! この俺がそんな馬鹿面で笑うかよ!!」

やよい「そ、……そんな言い方しなくたって」

ジョーカーころす

鬱展開

めっちゃバッドエナジーたまってきたんだがコレが狙いか

ウルフ「お前言ってたよなぁ、てめぇの見ている世界をそのまま描いてるって」

やよい「う、うん…」

ウルフ「じゃあ、さっき描いたこの絵は何なんだよ」ペラペラ

ウルフ「ようするに、てめぇからすれば俺は弱っちい小犬扱いなんだろっ!?」

やよい「違う…、違うよ!!」

ウルフ「チッ! 見下しやがって…」

ウルフ「気に食わねぇが、アイツの言う通りだな」

ウルフ「人間なんぞと群れたって何の意味もねぇ!」


ザッ

やよい「ま、待って! 話を」

ウルフ「あばよ」シュンッ !



やよい「……」

やよい「お願い…」

やよい「話を、聞いてよぉ…」

もういい
もういい
悪魔らしいやり方で、話を聞いてもらうから

やよい・・・(´;ω;`)

~ふしぎ図書館~


やよい「・・・・・・」

れいか「やよいさん、学校では話してくれませんでしたが、何かあったのですか?」

やよい「…」

やよい「……別に、何も」

れいか「嘘です。 今朝からずっと元気がありませんでしたよ」

やよい「……」

キャンディ「やよいー、元気出すクルー…」ナデナデ

みゆき「私たち、やよいちゃんには笑っていて欲しい。 悩みがあるなら、遠慮なく言って欲しいよ」

あかね「せやせや。 ウチら、友達やしな」

なお「で、同じプリキュア仲間。 一人は皆のために、皆は一人の為に、ってね」

やよい「皆…」



やよい「……うっ、うぅ」グスッ

やよい「うわぁぁあああああああん!!」

~しばらく経って~


れいか「……すると、ウルフルンと喧嘩してしまった、ということですか?」

やよい「…うん」

あかね「あいつー、とうとう本性を現しおったなー!」

キャンディ「やっぱり、ウルフルンは悪者クルー!」

なお「うーん」

なお「本当にそうなのかな?」

みゆき「私もなんか違う気がする…」


あかね「あん? どういうことや?」

みゆき「ねえ、やよいちゃん。 その日の狼さんの様子ってどうだったの?」

やよい「えっ、どう…って?」

みゆき「例えば、機嫌が悪そうだったーとか、虫歯が痛そーとか」

やよい「……」

やよい「あ、そういえば」

れいか「何か思い当たる節が?」

やよい「いつもより無口だった気がする」

やよい「お菓子食べてる時も、いつもはなんだかんだで感想言ってくれるんだけど、昨日は何も言ってくれなかった」

みゆき「狼さん、何か悩みごとでもあったのかな?」

れいか「……私、なんとなくですが、分かったような気がします」

ごくり・・・

なお「ほんと? れいか」

れいか「ええ」

れいか「やよいさん。 ウルフルンはやよいさんが『もっと仲良くなれたらいい』と言ったら、怒り出したんですよね?」

やよい「……うん」

れいか「そして、人間となんか群れたくない、見下すな、……そうも言ったんですね?」

やよい「それが、どうしたの?」

れいか「彼も、やよいさんと同じような悩みを持っていたんじゃないでしょうか」

やよい「私と同じ…?」

れいか「前に言っていたじゃないですか」







『私は仲良くやれてると思うんだけど、……あっちはそう思ってくれてるのかどうか』

『その、元々その人とはよく喧嘩をしたりしてたから、今の状況がなんだか不思議で…』

『そう、居心地は良いんだけど、ふわふわしてて』

『……また、前みたいな関係に戻りそうな気がして』





やよい「あっ・・・」

れいか「つまりは、そういうことです」ニコッ

れいかさん・・・

あかね「? えっ、どゆこと?」

みゆき「狼さんも、やよいちゃんと仲良くできるか不安だった、ってこと?」

れいか「恐らくは」

なお「あー、なるほど。 あの性格で『仲良くして欲しい』なんて言われたら、反発して怒っちゃうかもね」

あかね「めんどうなやっちゃなぁ…」

やよい「えと…、じゃあ」

やよい「……ウルフルン怒ってないの?」

れいか「いいえ、怒っているでしょうね」

やよい「っ! や、やっぱり…」

れいか「ですが、」

れいか「怒っているだけで、嫌いになったわけではないでしょう」

れいか「大丈夫ですよ、やよいさん。 まだ仲直りできます」

やよい「ほんとに?」

みゆき「絶対大丈夫だって! 私たちも付いてるよ!」

なお「そうだね、皆がいれば百人力だ!」

あかね「ほなら、当日の運勢は見とかないとな。 大凶とかだと困るやろー?」

みゆき「もう、あかねちゃんそれ引っ張り過ぎー! あっぷっぷー!」

なお「あははは!」

キャンディ「じゃあキャンディも応援するクルー!」

くるー

れいか「くすくす、…見ての通り」

れいか「私を含めて皆、やよいさんを応援しています」

れいか「後は、あなた次第です」

やよい「……」

やよい「うん」

やよい「みんな、ありがと」



やよい「私、もう少し頑張ってみるっ!」

~バッドエンド王国・アジト~


ウルフ「・・・・・・」

ジョーカー「おんやぁ? 浮かない顔ですねぇ」ニュッ

ギロリ

ウルフ「またてめぇか…」

ウルフ「俺様は今、最っ高に機嫌が悪い。 失せろ!」

ジョーカー「機嫌が悪い? んっふ、良い事じゃあないですか」

ウルフ「あぁ?」

ジョーカー「バッドエナジーを集めようとすれば、恐らくプリキュアが現れます」

ジョーカー「鬱憤晴らしついでにコレで暴れてきたらいかがでしょう?」スッ

ウルフ「……ただのアオッパナじゃねえか」

ジョーカー「いえいえ、これは中身が違うんですよ」

ウルフ「中身だと?」

ジョーカー「ええ、そうです。 ジョーカー印のバーバーデーコールー!」パンパカパーン

んっふ

ウルフ「ババデコルゥ? んだそりゃあ」

ジョーカー「アカッパナを作るのに、キュアデコルというものが使われているのはご存知ですよねぇ?」

ウルフ「おう」

ジョーカー「アカッパナで生み出すアカンベェはとっても強ぉいっ!」

ジョーカー「でぇもお? そのキュアデコルの数だけしか作れないので数は少なぁい」

ウルフ「確か…あと2,3個だったか?」

ジョーカー「ノンノン。 一個です!」

ウルフ「ほー、んじゃ最後の一個は俺が…」

ジョーカー「まあまあ、そう焦らずに」

ジョーカー「そこで、このババデコル入りアオッパナの出番ですよ!」

アオッパナ+偽デコルで強くなるのか・・・

ウルフ「前置きが長ぇ、簡単に説明しろ」

ジョーカー「んん…そうですか」

ジョーカー「ようするに、コレを使う事でアカッパナと同等の力を持つアカンベェを生み出せるのです!!」

ウルフ「ほう」

ジョーカー「さ・ら・に! ババデコルは使用者の力が強ければ強いほど力を増しまぁす!」

ジョーカー「つまり、とってもお強ぉい三幹部のウルフルンさんが使えばぁ…?」

ウルフ「普通にアカッパナで生み出すアカンベェより強力なのが作れる、ってか」

ジョーカー「そのとぅおり!!」

ウルフ「そいつぁ面白そうだな。 おいジョーカー、コレは貰って行くぜぇ!」

ジョーカー「んっふ、どうぞどうぞ」

http://i.imgur.com/WPYGn.jpg

ねむい・・・

ウルフ「待ってやがれ、プリキュアァ…」

ウルフ「俺様の強さと怖さ、思い知らせてやるっ!!」


シュンッ !






ジョーカー「行きましたか…」

ジョーカー「それにしても、三かーんぶの皆さんはおつむがスカスカで助かりますねぇ」

ジョーカー「ミラクルジュエルを作り出す実験で出来た失敗作だったのですが、」

ジョーカー「捨てるよりかはいいですよねぇ……んっふ!」

んっふ!

~黄瀬家~


やよい「………」

カキカキ

シュッシュッ

やよい「あっ、少しぶれちゃった」

ケシケシ

やよい「……」

やよい(多分、私は言葉だけじゃ上手く伝えられない)

やよい(私の絵がきっかけで喧嘩になったなら、)

やよい(仲直りするには、やっぱり…)

ズゥアアアアアア !


やよい「えっ? この感じって、バッドエンド空間!?」

やよい「公園の方からだ! しかもあの空の模様は…」

やよい「……」

やよい(早く行かないといけないんだろうけど、)

やよい(でも、まだ…)

やよい(………)





『私を含めて皆、やよいさんを応援しています』

『後は、あなた次第です』





やよい(……)

やよい「ごめん、皆。 もう少しだけ待ってて!」

>>255
なんて眼をしてやがる…

~公園~


ゴルフナンテ…
リアジュウシカイネェ…
フエェ…ユウグガスクナイヨォ…


ウルフ「絶望しろ、人間共ぉ! 世界は全てバッドエンドに染まるのだぁ!!」

ウルフ「そしてぇ!」

ウルフ「人間共から発せられたバッドエナジーが、悪の皇帝ピエーロ様を、」

ウルフ「蘇らせていくのだぁ!!」

ズォォォオオ !





…シーン

ウルフ「……」

ウルフ(チッ! あいつらに任せてたせいで、今のだけじゃ針を動かす程の量には達しねぇか)

ウルフ「やっぱ俺様が直々にやってやんねぇとなあ! ウルッフッフッフッフ!!」

みゆき「待ちなさい!」ザンッ

ウルフ「あぁ?」

れいか「公園は、人々が一時の安らぎを求める大切な場所…」

れいか「汚すことは許しません!」

キャンディ「みんな、変身クルー!」



「「「「プリキュア! スマイルチャージ!!」」」」



ハッピー「キラキラ輝く、未来の光! キュアハッピー!!」

サニー「太陽サンサン、熱血パワー! キュアサニー!!」

マーチ「勇気リンリン、直球勝負! キュアマーチ!!」

ビューティ「シンシンと降り積もる、清き心! キュアビューティ!!」

ウルフ「出たなぁ、プリキュアァ…待ってたぜぇ!!」

マーチ「え? 待ってたって……」

サニー「あ、もしかしてやよいに会いたかったんか? あの子まだ来とらんで」

ウルフ「あぁ!? な、何でそいつの名前が出て来やがる!」

サニー「だってアンタ、やよいと喧嘩中なんやろ?」

マーチ「一方的にまくし立てて逃げるなんて、筋が通ってないよ!」

ウルフ「けっ! んなもん知るか! 俺はなぁ、てめぇらを纏めてぶっ潰しに来たんだよぉ!!」

ハッピー「狼さん、やよいちゃんと話をしてあげて! やよいちゃんはずっと…」

ウルフ「うるせぇ!! 黙れ黙れ黙れぇえええ!!」

ウルフ「俺様は一匹狼、人間なんぞとは群れないんだよぉ!」

ピース待ち

ビューティ「……どうやら、今の状況では会話もままなりませんね」

サニー「んなら、倒した後でふんじばって、無理にでも聞いてもらおかー!」

ウルフ「へっ! 調子に乗っていられるのも今のうちだぜぇ?」

ウルフ「出でよっ! アカンベェ!!」

ハッピー「みんな、気を付けて!」

サニー「任せときっ!」

マーチ「うん!」

ビューティ「はいっ!」









…シーン


桃赤緑青「「「「………?」」」」

キャンディ「クルッ?」

>>265
>リアジュウシカイネェ…

わろたw

しーん・・・

ウルフ「んだぁ? アイツ不良品でも…」

カッ !





バリバリバリバリバリ !!

ウルフ「んぎゃあああああああああああああ!?」ビシャーン !


桃赤緑青「「「「えええええええええ!?」」」」

ウルフ「あばばばばばばばば (なんだこりゃああ!!)」

ジョーカー(ご説明しましょう!)

ウルフ「しびびびびびびび (ジョーカーてめぇ、何しやがった!?)」

ジョーカー(私はなぁんにもしていませんよぉ? それはババデコルの効果です)

ウルフ「ふべべべべべ (なにぃ!?)」

ジョーカー(ババデコル入りアオッパナは、使用者のバッドエナジーを吸うことで、)

ジョーカー(アカッパナにクラスチェエエンジ! することが出来るのですっ!)

ウルフ「ほぎぎぎぎぎ (お前ぇ、そんなこと言ってなかったじゃねえかあああ!!)」

ジョーカー(だって、ウルフルンさんが簡単にでいい、って言ったんじゃないですかぁ)

ジョーカー(それに、どうせいつもアカンベェに任せっきりで戦わないんですから、構いませんよねぇええ?)

ウルフ「のおおおおおお (てめぇ、後で覚えてろよぉ!!)」

ウルフ「・・・・・・ぐふっ」ドサッ



キュオオン !

アカンベェ?『ウルッフゥゥゥウウ!!』

サニー「……えーっと、とりあえずふんじばる必要はなくなったか?」

ビューティ「狼の姿のアカンベェ、ですか」

ハッピー「鳴き声がいつもと違うような…」

マーチ「鼻が赤いね、皆気を付けて!」


アカンベェ?『………』

アカンベェ?『てめぇらぁ! もっと俺様を怖がりやがれぇ!!』

マーチ「えっ、しゃべった!?」

シャベッタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

ウルフルンベースでアカンベエ化したのか

アカンベェ?『グゥォオオオアアアアア!!』

ヒュガッ !


ハッピー「うわあ!?」

サニー「あぶないやろ、がっ!」ブンッ

アカンベェ?『とろいとろい!』ヒュッ

サニー「んなっ!?」

マーチ「くっ、速い…」

ビューティ「私が動きを止めます。 その隙にっ」

ビューティ「プリキュア! ビューティー・・・」

ビューティ「ブリザードッ!!」


ビュオオオオオオ !!

アカンベェ?『とろいっつってんだろうがよぉ!』

ビューティ「きゃあああああ!!」ドガッ

マーチ「ビューティっ! 大丈夫?」

ビューティ「え、ええ…大したことはないわ」

アカンベェ?『どうだぁ! これが俺様だっ! 強いだろう、怖いだろう!? ウルッフッフッフッフ!!』

ハッピー「これはもしかして…」

サニー「ん? 何か分かったんかハッピー?」

ハッピー「あのアカンベェはきっと、狼さんの嫌~な部分が形になったものだと思う! メルヘン的に」

サニー「いや、メルヘン的ってなんやねん」

ハッピー「つまり、アカンベェさえ倒してしまえば狼さんの呪いが解けてハッピーエンドなんだよ!」

サニー「どっから、そんなけったいな発想が出てくるんや…」

ビューティ「ハッピーの言う事にも一理あります。 あのアカンベェの言動は、ウルフルンに酷似していますし」

マーチ「まあ、だからどうだって話だよね。 倒すべき相手っていうのには変わらないし!」

メルヘン的に

ウルフ(影)『倒すぅ? 人間如きが、俺様を?』

ウルフ(影)『見下してんじゃねえっ!!』ブワッ


グググ…

シュンッ !


サニー「えっ、消え…」
ザクッ!

ハッピー「サニー!」
ドカッ!

ビューティ「くっ・・・!」
バキッ!

マーチ「みんなっ!」
ドンッ!!


桃赤緑青「「「「きゃあああああああああああ!!」」」」



ドササッ

ウルフ(影)『ウルッフッフッフッフ…、口ほどにもねぇな』

http://up4.viploader.net/ero2d/src/vlero2d087422.jpg

つまり

ウルフ(影)『やっぱり人間に存在価値なんかねぇ!』

ウルフ(影)『弱い奴がいくら群れたって何の意味もないんだよぉ!』

ハッピー「…ない」

ウルフ(影)『あぁん?』

ハッピー「そんな、こと……ないっ!」

ハッピー「強いとか弱いとか、」

ハッピー「人間とかそうじゃないとか、」

ハッピー「そんなの関係ないんだっ!」

ハッピー「私たちが一緒にいるのは、友達だから、絆があるから…」

ハッピー「皆の事が大好きだからっ!!」

ハッピー「そんな人たちを悲しませたくないから、一緒に笑い合いたいから、私たちは戦えるんだ!」

桃・・・

ウルフ(影)『友達ぃ? 絆ぁ!? そんなもんが何になるってんだよ』

ウルフ(影)『この状況見ても同じ事言えんのか? てめぇらに勝ち目なんかないんだよっ!』

ビューティ「貴方に…だって、細くとも、確かに絆はあるはずです」ムクッ

ウルフ(影)『なんだとっ!?』

ビューティ「過ごした時間は短かったかもしれません、お互い不安を抱えてもいたでしょう」

ビューティ「それでも、貴方がやよいさんと過ごした時間が無駄だったとは思いませんし、言わせません!」

ウルフ(影)『ほざけぇ!! 俺は狼だ! 人間なんぞと居たって、バッドエンド以外ありえねえんだよ!!』

サニー「それが…アンタの、不安だったんかいな」ヨロッ

サニー「でも、本当にそう思ってたんなら何度も会いに行かんやろ!?」

マーチ「やよいちゃんと過ごした時間はつまらなかったの? 全部を否定できる!?」

マーチ「きちんと自分と向き合いなよっ!」

ウルフ(影)『あああああああああああ! うるせえんだよぉ!!』

ウルフ(影)『こいつでトドメだぁ!!』グァッ !

桃赤緑青「「「「…………!」」」」












?「待ちなさいっ!」

  _、_
( ,_ノ` )y━・~~


モキュ━━━━(´・ω・`)━━━━━!!

ウルフ(影)『あぁ!?』

ハッピー「この声は…!」

サニー「ったく、遅いでー」

マーチ「待ってたよ!」

ビューティ「よく、来てくれました」






やよい「………」

ウルフ(影)『っ、・・・今頃来たか、泣き虫きのこ。 尻尾巻いて逃げたのかと思ってたぜ』

やよい「あなたは、ウルフルン?」

ウルフ(影)『さあ、どうだかなぁ…? どう見える?』ニヤァ

やよい「……なんだか、悲しそうに見える」

やよい「私が怒らせちゃったから…?」

ウルフ(影)『っ!? 勝手なこと言ってんじゃねえ!!』

ウルフ(影)『俺は今、最っ高に楽しいぜぇ! てめぇらプリキュアをぼっこぼこに出来てるんだからなぁ!』

ウルフ(影)『ウルッフッフッフッフ!!』

やよい「………」

ウルフ(影)『・・・おい。 俺様をそんな目で見るんじゃねぇ』

ウルフ(影)『もっと怖がれ! 恐怖しろ!! 爪を、牙を、この姿を!!』

やよい「……怖くないよ」

ウルフ(影)『なっ・・・』

やよい「怖くない」

やよい「私は、友達を怖がったりしない」

やよい「でもね、」

やよい「友達でも、皆を傷付けた事は許さない!」



やよい「プリキュア! スマイルチャージ!」



ピース「ピカピカピカリン! じゃんけんぽん! キュアピース!!」パー


ウルフ(影)『へっ! やっと、やる気になりやがったか!!』

ウルフ(影)『だが、一人で何が出来るってんだ! あぁ!?』

桃赤緑青「「「「一人なんかじゃない!!」」」」

ドゴォ!

ウルフ(影)『ぐおぉ!』

ウルフ(影)『て、てめぇら、ボロボロの癖に何で動ける!?』

ゃょぃ...

ハッピー「さっき言ったで、しょう!」ドカッ !

ウルフ(影)『ぐぅううう!!』

サニー「ウチらはっ!」ブンッ !

ピース「皆の事が!」シュッ !

シュバッ !

ウルフ(影)『へっ、そんな大振りじゃ…』

マーチ「大好きだから!」

ウルフ(影)『な、いつの間に――ッ!?』

ドガッ!

ウルフ(影)『グガッ!!』

ビューティ「だから、戦えるの、ですっ!」ズドッ

ウルフ(影)『ちぃいいいい!! 何言ってんのか意味分かんねぇよ!』

無慈悲な暴力か

ウルフ(影)『こいつで纏めて吹っ飛びやがれぇええええ!!』

グググ…


サニー「またあの速いのが来るでっ!」

ビューティ「皆さん! 一ヶ所に集まってください!!」

ウルフ(影)『うらあああああああああ!!』


ビュン !

ドガアアア!!

じゃんけんしとけばよかった(´・ω・`)

スマプリかと思ったらいつのまにかハトプリになってた

ウルフ(影)『ハッハァ! どう……だ?』



ハッピー「気合いだ気合いだ気合いだああ!!」ズザザ

サニー「ふぎぎぎぎ!」ググ

ピース「負ける、もんか…!」プルプル

マーチ「この、くらいっ!」ギリギリ

ビューティ「皆さん、行きますよ!!」ガクガク


ウルフ(影)『受け止めた…だとぉおお!?』

ガシッ !x5

ウルフ(影)『何だてめぇら! は、離しやがれぇ!!』ジタバタ


サニー「ああ、いいでぇ?」


桃黄緑青「「「「いっせーの……」」」」


サニー「ただし、」


桃黄緑青「「「「―――せっ!!」」」」ブンッ !!

サニー「上になああ!!」

ウルフ(影)『うおあああああああああああ!?』ヒューン !

>>323
そういえば・・・!

ハッピー「さあ、ピース!」

サニー「後は任せたで!!」

マーチ「思いっきりやっちゃって!」

ビューティ「最後は、お譲りします!」





ピース「皆の想いが、私に勇気と力をくれる」

ピース「あなたにも届いて! 私のこの想い!!」

ピース「プリキュア!」

ピース「……っ」バチィ !


ピース「ピースゥ…」

ピース「サンダアアアァァ!!」


ビシャアアアアン !!

ウルフ(影)『グウオオオオオアアアァァア!!』

~そして~


ジョーカー(ふぅむ…)

ジョーカー(使い終わったババデコルを回収しようと思ったのですが、)

ジョーカー(どうやら変質したアオッパナと共に消滅してしまったようですねぇ…)

ジョーカー「くくっ」

ジョーカー(……ま、いいでしょう)

ジョーカー(茶番を見れた代金と思えば安いもんです、んっふ!)シュンッ !









あかね「こいつ全然起きひんなぁ…」ツンツン

みゆき「あ、あかねちゃん。 棒でつついたりしたらダメだって」

なお「でも、どうする? このまま放置ってわけにもいかないしさ」

れいか「そうねぇ……」

ピースがタエタデー

やよい「……」

やよい「皆は先に帰ってもいいよ、私が看てるから」

みゆき「えっ、でも」

れいか「……」

れいか「みゆきさん、ここはやよいさんに任せてみませんか?」

みゆき「うーん…」

みゆき「そうだね。 やよいちゃん、頑張って!」

あかね「じゃ、またなやよいー」

なお「遅くならないようにしなよー?」


タッタッタッ…





やよい「ふぅ…」

ウルフ「………んん、」

やよい「あ、起きた?」

(´ー`)y─┛~~ 

ウルフ「……」

ウルフ「…あぁ?」

やよい「おはよ」ニコッ

ウルフ「……」

ウルフ「はぁああ!?」ガバッ

ウルフ「んだこりゃ!? どういう状況だおい!」

やよい「あなたが倒れたまま起きなかったから、私が看てたの」

ウルフ「んー? ってか、お前さっき何してやがった」

やよい「何って…膝枕?」

ウルフ「どうして俺様にそんなことする必要がある!」

やよい「だって、芝生の下って地面だし、寝辛くない?」

ウルフ「そういうことじゃなくてだなぁ…」

やよい「あのね、あなたにコレを渡したかったんだ」


ペラッ

ウルフ「? なんだこりゃ」

やよい「私さ、一緒に居たのに、ずっとウルフルンだけしかいない絵を描いてたよね」

やよい「本当に仲良しだって、心から思えなくて、不安で」

やよい「私を、絵の中に描き込めなかったの」

やよい「……だから、」

やよい「私とウルフルン」

やよい「二人一緒に遊んでいる絵を描いてみたんだ」

(´;ω;`)ブワッ

ウルフ「……」

やよい「……あの時はごめんね。 私、少し舞い上がちゃってて」

やよい「あなたも悩んでたとか、全然考えてなくて…」

やよい「……」

やよい「でもね、もっと仲良くなりたいって気持ちは本当だよ?」

やよい「だから、……もしよかったら」

やよい「仲直りをしてほしいな、って…」













ウルフ「お前、さっきから何の話してんだ?」

>>291
続きはよ

やよい「………えっ」

ウルフ「絵だの、仲直りだの…」

ウルフ「わけわかんねぇこと言ってんじゃねえよ」

やよい「え、っと…?」

やよい「あ、あなたこそ…何言ってるの?」

やよい「ほらっ! あの木の下で、一緒にお菓子食べたり、絵を描いたりしたじゃない!」

ウルフ「はぁ…? 俺様が、お前と一緒に?」

やよい「そう!」

ウルフ「お前、寝ボケてんのか?」

ウルフ「確かに頭ん中に花でも咲いてそうだがなぁ! ウルッフッフッフッフ!」

http://up4.viploader.net/ero2d/src/vlero2d087425.jpg

悲恋だったか・・・やよいカワイソス

やよい「え、…えっ?」

ウルフ「絵なんて面倒なもん、誰が描くかよ」

ウルフ「大体、俺とお前は敵同士だろ? 一緒にいるわけがねぇ」

ウルフ「あれ? つーか、あそこは俺の秘密の昼寝スポットだぜ? なんでお前が知ってんだ?」

やよい「……っ」

やよい「ホント、に…忘れ、ちゃったの?」

ウルフ「はぁ? だから知らねぇっつってんだろ」

やよい「そんな…」

やよい「……」

やよい「グスッ」

ウルフ「あぁ? なんだお前、意味不明なこと言い終わったと思ったら、今度は泣くのかよ」

やよい「えぐっ…ひっ…ぐ」

ウルフ「けっ、付きあってらんねぇ」

ウルフ「俺はもう行くぜぇ」

ザッ


やよい「!」

やよい「……ま、待ってぇ!」

ウルフ「はぁああ。 んだよ、泣き虫きのこ」

やよい「…ヒック……あの、」

やよい「お願い、これを…もらってくれないかな…」

ウルフ「あん?」

ウルフ「さっきの絵じゃねえか。 こんなもんいらねぇよ」

やよい「お願い…」ペコッ

ウルフ「しつっけえな…」ギロリ

やよい「……」

ウルフ「……」

ごくり(´・ω・`;)

ウルフ「チッ、わぁったよ!」バシッ

やよい「あっ…」

ウルフ「あばよ!」シュンッ !









サァァ…


やよい「……」

やよい「…う、」

やよい「うわああああああああああああん!!」

やっぱりか(´;ω;`)カワイソス

ウルフルン…?(´・ω・`)

>>346
いいぞ

(´;ω;`)

~後日・学校~


あかね「ええーっ!? ほな、ウルフルンの奴、やよいとのこと忘れてもうてたんか!?」

やよい「……うん」

なお「演技とかじゃなくて? それだったら尚更許せないけど」

やよい「全然、覚えてなさそうだった…。 昔のウルフルンみたい…」

みゆき「でも…、一体どうして!? こんなのってないよ!」

れいか「………」

れいか「もしかすると…、あのウルフルンに似たアカンベェを倒した事で」

れいか「本人にも、何かしらの影響があったのかもしれません」

みゆき「そ、そんな…」

やよいたんに彼氏はまだはやいといったな
こんな思いをさせるくらいなら土下座して撤回する覚悟はあるぞ

あかね「アイツぅ…今度会ったら、壊れたテレビみたいに思い出すまで殴ったる!」

やよい「いいよ、あかねちゃん」

あかね「でもなぁ!」

やよい「いいの」

なお「やよいちゃん…」

やよい「私…、平気、だから」

ポタ…




やよい「あ、れ…」

やよい「おかしい、な…平気、なのに」

やよい「涙が、止まらな…」

みゆき「やよいちゃん」ギュッ

やよい「う、うぅ……ヒック…」

http://up4.viploader.net/ero2d/src/vlero2d087424.jpg

やよい「涙がとまらない」ズンッ

頼むよ…頼むからウルトラハッピーエンドに…頼むッ……

>>366
いいもん持ってんじゃん
でも涙がでちゃう(´;ω;`)

~バッドエンド王国・ウルフルンの部屋~


ウルフ「………うーむ」

オーニ「ん? ウルフルン、壁なんか眺めて何やってるオニ?」

ウルフ「おー、アカオーニか。 違ぇよ、こいつを見てたんだ」

オーニ「オニ? ……お前、絵なんか見てて楽しいオニか?」

ウルフ「別に面白かねえよ」

オーニ「ふーん」

オーニ「にしても、変な絵だオニ」

オーニ「狼が怒ってるのに、女の子の方は楽しそうオニ」

オーニ「こいつ、頭がおかしいオニ! ガッハッハッハ!!」

ウルフ「……そうだな、コイツおかしいんだろうな」

koreha

オーニ「ところでこれ、どうしたオニ?」

ウルフ「あぁ、プリキュアに無理矢理押し付けられた」

オーニ「プリキュアァ!? 何でそんなのとっとくオニ!」

ウルフ「うーむ、……何でだろうな?」

オーニ「お前がやらないなら、俺様が破り捨ててやるオニ!!」グァッ !

ウルフ「っ!」

ウルフ「勝手な事すんじゃねえ!!」

ドガッ!

オーニ「オニー!」ヒューン



ウルフ「妙なんだよなぁ…」

ウルフ「どうも、この絵を見てると頭の片隅で何か引っかかる…」

やよいが泣くとこっちまで悲しくなってくるのに泣かすのは卑怯だし記憶喪失も卑怯

アカオーニ泣かすなよ

>>376
オーニはすっこんでろよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ウルフ「……」

ウルフ「……」

ウルフ「……はぁ」

ウルフ「考えていても仕方ねえな」

ウルフ「昼寝でもしようと思ったが、アカオーニの野郎は相変わらずうっせえし」

ウルフ「やっぱ、あそこに行くかぁ…」

~公園・外れの木の下~






サァアア…


やよい「……」

やよい(私、なにやってるんだろ)

やよい(どうして、ここに来ちゃったんだろ)

やよい(一人しかいないのに、こんなにスコーン焼いてきちゃって)

やよい「……」

やよい「ああ、もう! やめやめ!」ブンブン

やよい「せっかくのお休みなのに、落ち込んでたらもったいないよ!」

やよい「いっぱい描くぞー! おー!」

カキカキ

シャッシャッ

ケシケシ

ガリガリ


やよい「……」

やよい「うーん…、ちょっと休憩するかな」

やよい「お菓子、お菓子っと」





ザリッ


?「…んん?」

?「何でてめぇがここにいんだよ、キュアピース」

やよい「えっ?」

再び始まるストーリー

ウルフ「………」

やよい「う、ウルフルンっ!?」

ウルフ「……あぁ?」


ガシッ!


ウルフ「ウルフルン、『様』だ! 気安く呼び捨てんな!」モフモフ

やよい「うわああ!? だから、髪はやめてよぉ!!」ジタバタ

ウルフ「けっ!」バシッ

ウルフ「んで、どうしてお前がここにいるんだ?」

やよい「そ、そんなの私の勝手でしょ!」

ウルフ「あぁ?」ギロリ

やよい「なによ!」ムッ

ウルフ「……」

やよい「……」

ウルフ「……? お前って、こんな奴だったっけか?」

やよい「こんなって…、どんな?」

ウルフ「……いや、元々髪型からして変な奴か」

やよい「むぅー! そうやってすぐ馬鹿にするんだから」

ウルフ「とにかく、俺様はこれからここで昼寝すんだよ。 どっかへ失せろ」

やよい「いーや! 私の方が先に居たんだもん」

ウルフ「なんだとっ!?」

やよい「なにさっ!!」

ウルフ「ガルルルル…」

やよい「むぅうううう…」



やよい「あ、そうだ」

やよい「ねえ?」

ウルフ「あんだよ!?」

やよい「これ、一緒に食べない?」

ウルフ「? なんだそりゃ」

やよい「スコーンだよ。 ……これも、覚えてない?」

ウルフ「ふーむ…」



ウルフ「いや、知らねえな」

やよい「……そっか」

スコーン

うっ(´;ω;`)

ウルフ「ま、くれるってんなら大歓迎だぜ。 いっただっきまーす!!」

バクバクバク !

ムシャムシャー !!

やよい「えっ、ちょっと! 私の分まで食べないでよー!?」

ウルフ「んなもん知るか、早いもん勝ちだぜえ! ウルッフッフッフー!!」モシャモシャ

やよい「…ま、負けないもん!!」パクパク





~しばらくして~


ウルフ「あー、食った食った」ゲフ

やよい「がっつき過ぎだよ…まったく」

ウルフ「てめぇがチマチマ食ってるのが悪ぃ」

やよい「だって、ジャムとかバターとか塗った方が美味しいんだもん…」

ウルフ「はぁ!? そういうことなら先に言えよ!」

やよい「もう残ってないから遅いよー」ケラケラ

ウルフ「ぬぐぐ…」

ウルフ「はぁ…、腹一杯になったら眠くなってきやがった」カクン

やよい「寝るの?」

ウルフ「ってか、お前まだ居るつもりなのか…」

やよい「だって、先にここに居たのは」

ウルフ「あー、はいはい。 分かった分かりましたー」

ウルフ「居てもいいが、静かにしてろよ? 騒いだらブッ飛ばすからな」

やよい「はーい」

ウルフ「……けっ」ゴロン






サァァアア…


やよい「……」

ウルフ「……」

やよい「ねえ、もう寝ちゃった?」

ウルフ「……声かけんな」

やよい「ごめん」

やよい「……」

ウルフ「……」

やよい「あのさ、」

やよい「今日のお菓子…気に入ったなら、また何か作ってこようか?」

やよい「私、こう見えて得意なんだよ?」

ウルフ「……」

やよい「……」

ウルフ「……」クカー

やよい「寝ちゃった、か」

ウルフ「……甘い、」

やよい「?」



ウルフ「甘い、お好み焼きは…やめろ、よな…」



やよい「っ!?」

ウルフ「……」ムニャムニャ

ウルフ「…クー」

やよい「……」

やよい「うん、わかった」ニコッ

うあああああわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ


『人間なんぞと群れたって何の意味もねぇ!』



やよい(無駄なんかじゃなかった)

やよい(少しずつでも、いいんだ)

やよい(愛情も、友情も、思い出も)

やよい(積み重なっていけば、)

やよい(また、きっと――)



ウルフ「……zzZZ」

やよい「ふふっ」

やよい「さて、と。 今日も描かせてもらいますか!」




                                       おわり

長時間お付き合い頂きあざっした
また来週ー

ウフルウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ

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