閑無「なあ慕ぉ、ご飯まだか?」慕「もうちょっと!」 (69)

代行  ID:1BNvrfIg0

感謝します!

―――――――通学路



慕「今日も疲れたねー」

閑無「そんなんじゃ瑞原には勝てねーぞ」

慕「……お腹すいたな」

閑無「聞けよ!」


慕「あ、わたしスーパー寄らなきゃ。じゃあねかんなちゃん」

閑無「……待てよ。私も買いものしてく」

慕「そう?」

閑無「さっさと入ろうぜ」




閑無(これと……)ガシャ

閑無(これでいいか)ポイ


閑無(…………)ガサ


閑無(あとついでにこれも)バサ



慕「かんなちゃん、買うもの決まった?」

閑無「ああ、まあな」

慕「って、カップ麺とお惣菜ばっかだね」

閑無「仕方ねーだろ、私料理できねーし」

慕「そうなんだ……」

姪だけど愛さえあれば関係ないよね!

閑無「白築は何買ったんだ?」

慕「鶏肉が安いから、唐揚げにしようかなって」

閑無「ふーん……」

閑無「まぁいいや、さっさと支払済ませて帰ろうぜ」

慕「うん」







慕「それじゃ、また明日ね」

閑無「おう……じゃーな」





ガチャ


閑無「ただいまー……」



シーン



閑無(………………)



閑無「お湯沸かすか」



ハイ、キョウハクマクラプロニオコシイタダイテイマス

ワタシガオススメスルカップラーメンハヤハリコレデスカネ

クマクラプロハカップラーメンガダイスキデイチドニ20ハイモタベタコトガアルソウナンデス



閑無「つっまんねー番組」プチ

ピー

閑無「あ、お湯沸いたのか……」




閑無「…………」ズルズル


閑無「…………」パク


閑無(惣菜の唐揚げ……)


閑無(まっず……)



閑無「ちっ……もう寝るか」

料理どころかお金のやりくりもできる小学生のほうが珍しいんだよシノチャー?

―――――――翌朝


閑無「ん…………」



閑無「いっつも通りの1000円札と手紙、か」


「かんなへ おはよう。 悪いけど今日も一人でご飯食べておいてね」


閑無「――――っ」

閑無「くそっ、くそっ、くそっ!」


閑無「最後におまえのおはようって声聞いたのいつだよ!くそっ!」


閑無「バーカ!クソババア!死んじまえ!」



閑無「はぁ、はぁ……」


閑無「ガッコ行こ」






投下早いけど猿注意なー

閑無「なー」

慕「ん?」

閑無「今日はおまえ晩メシ何にするんだ?」

慕「うーん、今日はカレーかなあ……おじさん遅いらしいから」

閑無「そうなのか」

慕「かんなちゃんはまたカップ麺買ってるの?」

閑無「ああ………」

閑無「……………」

慕「かんなちゃん?」

閑無「なあ、白築」

慕「はい?」

閑無「今日……おまえん家にメシ食いに行ってもいいか」

慕「………えっ」

閑無「いや!やっぱいい!ウソだウソ」

慕「いいよ?一人でご飯食べるのちょっと寂しいし」

閑無「そっか……ありがと」

慕「うん」






閑無「うまっ!めっちゃうまっ!」ガツガツ

慕「大げさだよ……市販のルーだし」

閑無「いや、ホント美味しいよ」

プロポーズはまだ来ないか

慕「おかわりもあるから、好きなだけ食べていってね」

閑無「ん……ありがと」


閑無(誰かと晩メシ食いながら話しするのって……いつ振りだろ)

閑無(別にお母さんのメシなんて、美味いもんでもねーのに)

閑無(スーパーの惣菜だって、いうほどマズいもんでもねーのに)

慕「どうしたの?」


閑無「いや、ただ……誰かと一緒にメシ食うのって、いいなって」

慕「そうだね……うちもおじさんと二人暮らしだから、今日みたいに遅い日はちょっとさみしいかな」

閑無「ああ、大会で迎えに来てたオッサンな。父親じゃなかったのか」

慕「おじさんと居たとこ見てたの?」

閑無「な、べっ、別に見てねーし!」

小学生から見たら流石になぁ・・・

慕「いや、見てなかったら知らないと思うけど……」

閑無「うっせーな」

閑無「うちは、まあ。お母さんと二人だけど、最近全く会ってない」

慕「お父さんは?」

閑無「オヤジは知らない。金だけは送ってきてるみたい」

慕「そうなんだ……」

慕「わたし……お母さんに会いたい。だから、麻雀強くならなきゃ」

慕「強くなって、有名になったらきっと……わたしを見つけてくれると思うから」

閑無「……おまえもいろいろ大変なんだな」

慕「あ、もう9時だ」

閑無「思ったより長居しちまったな」

慕「どうする?今日はもう泊まっていく?」

閑無「……いや、いいよ。そこまで世話にはならない」

慕「そう?帰り道気を付けてね」

閑無「ああ」

閑無「んじゃ、また学校で」

慕「うん」

閑無「その……授業終わったら、ちゃんと多目的室に来いよ」

慕「うん!もしかんなちゃんさえよかったら、これからもお夕飯食べに来ていいからね」

閑無「ありがと」


閑無「じゃな……慕」

慕「!」


慕「また明日ー!」





夜道危ないから泊まって行きなよ!

―――――――1週間後



こーすけ「…………」

閑無「今日のおかずは何だろな~」

こーすけ「……………………」

閑無「♪」



閑無「しーのー、今日の献立は何だー?」

慕「出来てからのお楽しみだよー!」

こーすけ「………………………………」

こーすけ「ねえ君」

閑無「あん?」

こーすけ「いやいやいや。きみ何普通にくつろいでるんだ……というかどちら様?」

閑無「私の名前か?私は石飛閑無。湯町小に通う小学5年生だ」

こーすけ「そういうことじゃなくてな……」

慕「お待たせ~」コト

閑無「おおおおお!なんだこれ!すっげーうまそうだな!」

慕「今日はハンバーグドリアにしてみました」

こーすけ「なあ慕。この子は」

閑無「いただきます!」

慕「いただきます」

こーすけ「…………………」

馴染んでるw

こーすけ「んで、慕……この子は一体なんなんだ?」

慕「あ、うん。かんなちゃん。私と同じ小学校だよ」

こーすけ「いや、それはこないだの大会見てたし何となく覚えてっけどよ」


こーすけ「なんでここに居て普通に飯食ってんだ?」

閑無「え……居ちゃダメなのか?」モグモグ

慕「ここ最近は、かんなちゃんと一緒にご飯食べてますよ?」

こーすけ「そりゃ給食の話か?」

慕「え、あの、お夕飯です」

こーすけ「……知らなかった」

慕「おじさん最近帰りが遅かったからね」

こーすけ「まあ、それは別にいいんだけどさ。親御さんは心配しないの?」

閑無「……別に。ウチ帰っても誰もいねーしな」

こーすけ「そうか……」

閑無「言っとくけど、ちゃんと食費は払ってるからな」

こーすけ「別にそういうことを言ってるんじゃないんだが」

こーすけ「小学生一人が食う分なんてたかが知れてるし」

慕「……ダメですか?」

こーすけ「いや、いいけどよ」

こーすけ「親にはちゃんと言っとけよ?」

閑無「わかったよ」

こーすけ「んじゃ改めていただきます」

閑無「おかわり!」

こーすけ「早っ!」




閑無「あー、お腹いっぱいだ」

慕「ねえ、せっかく3人いるんだし麻雀でもしない?」

閑無「何言ってんだよ……サンマなんかじゃ特訓にはなんねーだろ」

慕「ダメ?」

閑無「仕方ねーな、『いっしゅくいっぱんのおんぎ』ってやつもあるし」

慕「あ、泊まっていくんだね?」

こーすけ「まあ、今から麻雀やってたら一人では帰せない時間になるしな」

閑無「んじゃ卓の用意してろよ、わたしは洗い物しとくから」

慕「わかった!」

こーすけ(なんだ、慕の奴いい友達見つけたんじゃねーか)

閑無「ツモ!3000・5000」

こーすけ「あちゃー」

慕「またかんなちゃんがトップかぁ」

閑無「サンマはすぐ染まるんだから鳴いてったほうが得だぞ」

慕「そうかなぁ……」


こーすけ「お前ら、そろそろ風呂入って寝ろ」

慕「そうですか?まだ早いような」

こーすけ「明日は買い物に行くからな」

慕「?」

こーすけ「いや、茶碗とか食器買わなきゃいけねーだろ」

こーすけ「俺がいなかった時はよかったけど、ウチ茶碗2つしかねーからな」

慕「そうだね!」

閑無「え………もしかして、これからも一緒にメシ食ってもいいのか?」

こーすけ「いや、さっき良いって言っただろ。人は多いほうがいいし、慕も作り甲斐あるよな?」

慕「うん!」

閑無「んと……ありがとう……ございます……」








閑無「お前のおじさんて、いい人なのな」チャポン

慕「そうだね。わたしを引き取ってくれたこともそうだけど」

慕「でも、わたしが居ることはたまにおじさんにとって迷惑なんじゃないかなって思うこともあるよ」

閑無「……そんなことないんじゃねーか?見るからにダメ男っぽいし、お前が居ていろいろ助かってるだろ」

慕「そうかな?」

閑無「たぶん、そうだろ」

閑無「よし、次わたし洗うわ」

慕「んー」

慕「明日どんなお茶碗買おうか?」

閑無「でかいの!でかいのがいい!」

慕「えー?」

閑無「でっかいほうがたくさん食べられるからな!」

慕「かんなちゃんてば、よくばりだね……」


こーすけ「おーい慕、いつまで入って」

閑無「うわあああああああああああ!」

こーすけ「あ、わりーわりー、今日は慕だけじゃなかったんだっけ」



閑無「前言撤回だ。やっぱあのオッサン最悪だ……」

慕「あはは……」



―――――――ショッピングモール



こーすけ「んじゃ、お前ら二人で食器見て来いよ」

慕「おじさんは?」

こーすけ「本屋に居るよ。慕の買い物は長いからな」

閑無「そんなんじゃ女の人にモテないぞ?」

こーすけ「余計なお世話だよ」フン


慕「行っちゃった」

閑無「まあ食器選ぶのにおじさんが居ても仕方ないだろ」

慕「それもそうだね」


はやり「はやっ?」

閑無「ん?」

はやり「わー、偶然だね」

閑無「瑞原……ッ」

慕「あ、瑞原さん」

はやり「二人でお買い物?」

慕「うん、かんなちゃんの食器をか」

閑無「慕!行くぞっ」グイッ

慕「あ、ちょっと待って」


はやり「…………」

はやり「やっぱり二人は仲良しさんだねー」






閑無「あー、気分悪っ」

慕「せっかくお話ししようと思ってたのに」

閑無「良いんだよ、あんな奴ほっといて」

閑無「私らじゃなくてもあいつの相手をする奴なんて腐るほどいるんだから」

慕「よくわかんないよ……」

閑無「とりあえず、さっさと買って戻ろうぜ」

慕「うん、ついでに今日の夕ご飯の材料も買って帰ろうね」

閑無「そ、そうだな……!」ワクワク

慕(かんなちゃん、犬みたい)

慕「じゃあ、これとかどうかな」

閑無「んー、もっと大きいのがいいな」

慕「そう?」

慕(別に、小さいのでおかわりすればいいんじゃないかな……)

閑無「えーっと、この辺は……」

閑無「!!!」

慕「どうしたの?」

閑無「いや、なんでもない」

閑無(なんだあの猫のお茶碗……可愛すぎる……でも子供っぽいかな……)

慕(かんなちゃん、アレが欲しいのかな……)

慕「これなんかどうかな?」

閑無「はぁ!?そんなの子供っぽ過ぎだろ!」

慕「えー、そうかな?」

閑無「し、しょうがねーな!慕がそこまで言うんならそれにしてやるよ」

慕「うん、じゃあお茶碗は決まりだね」

閑無「それじゃ次は皿だな……」

慕「そうだね、あっちにあるよ」


閑無「!!!」

閑無(なんだあのお魚の形の皿……可愛すぎる……)

慕(かんなちゃんはわかりやすいなぁ)

―――――――食品売り場

閑無「で、今夜は何にするんだ?」

慕「うーん、あ、エビが安いね。エビフライにしようかな?」

閑無「えっ……」ドサッ

慕「わあ!食器の入った袋落としちゃだめだよかんなちゃん!」

閑無「わ、わりーわりー」

慕「どうかしたの?」

閑無「いや、その……笑うなよ?」

閑無「わたし、エビが嫌いなんだ」

慕「ふーん……」ヒョイヒョイ

閑無「わー!だから慕!エビをカゴに入れるの止めろ!」

慕「あ、そうだ!じゃあトマトも買っていかなきゃね」

閑無「ううぅ……」




慕「いただきます」

こーすけ「…………」

閑無「………………」

慕「あれ、どうしたの?」

こーすけ「なあ慕、俺の皿にトマトが乗ってるように見えるんだけど?」

慕「うん、乗ってるね」

こーすけ「しかもプチトマトですらなくてデカい奴が」

慕「おいしいよー」

閑無「…………」ツンツン

こーすけ「なんだ、おまえ今日はがっつかねーんだな」

閑無「エビきらい……」

慕「今日は苦手克服デーなんだよー」

こーすけ(そういうことか……)

こーすけ「……」グッ

こーすけ「いただきます!」パクッ

閑無「!」

こーすけ「うわあああああああジュルジュルが気持ち悪いいいいいい」

慕「あ、おじさんトマト食べた」

こーすけ「仕方ねーだろちくしょー!ああエビフライうめえなあああああ」サクサクサクサク

慕「……」じーっ

閑無「わ、わかったよ。食えばいいんだろ……」

閑無「…………」ソローッ



閑無「…………」サクッ

閑無「…………」モグモグ

閑無「…………」ゴクン

閑無「あれ」

慕「食べられたね」

閑無「うん、まぁ……」

閑無「思ってたより食べられなくはない、って感じだな」

慕「これでもう大丈夫だね」

閑無「そう、かも、な」

こーすけ「慕が料理すれば、大抵のモンは食えるようになるからな」

慕「おじさん昔はもっと好き嫌い多かったもんね……」

閑無「やっぱダメ男だな」

こーすけ「うるへー」

慕「さ、早く食べて麻雀しよ!」

閑無「今日もやるのかよ……」

こーすけ「全く慕は麻雀好きすぎだな……」

―――――――閑無の家

閑無「明日は遠足か……」

閑無「小5にもなって自然公園なんざ行ってどうすんだよ」


閑無「弁当は……行きがけにコンビニで買えばいいか」


閑無「寝よ」








閑無「ああああああああああああ寝過ごした!」


閑無「最悪だ……!コンビニよる時間すらねーし!」






トマトソース風味でエビ入りのペスカトーレをつくろう

「お弁当どこで食べようかー」

「あっちのベンチにしよー」



閑無(食べられるものと言えばポケットに入れといた飴玉ひとつ……)


閑無「は、腹なんて全然減ってねーし?2食抜いたくらいじゃ人間死なねーし?」グギュルルルル


閑無「…………」


閑無「お腹減った……」

慕「あ、かんなちゃん居た」

閑無「慕か」

慕「何やってるの?一緒にお弁当食べようよ」

閑無「いや、弁当忘れてさ」

慕「大丈夫だよ?かんなちゃんの分も作ってきたから」

天使どころか女神ですわ

閑無「慕……おまえっていい奴だな!」

慕「早くいかないといい場所無くなっちゃうよ?」

閑無「ああ!」

慕「瑞原さんも早くいこ!」

はやり「うんっ!」

閑無「は?」






はやり「湯町も今日が遠足だったんだね~」

慕「うん、この前から奇遇だねっ」

閑無「………」モグモグ

閑無(なんで瑞原まで一緒なんだよ……あと慕のお弁当美味しい)

閑無「っていうか……」

「きゃー、はやりちゃんのお弁当美味しそー」

「すげー、こんな弁当初めて見た」

「瑞原さんのお弁当もう北原小名物だねー」

「これもらってもいい?」


ワー   キャー

モッテキタオカシコウカンシヨー




閑無「なんで十数人規模の宴会みたいになってんだよ!」

閑無「てかなんだそのお重は!5段ぐらいあるじゃねーか!」


はやり「はやっ……いっつもお弁当の時はお母さんが張り切りすぎちゃって」

はやり「いっつもみんなで分けて食べてるんだよ?」

慕「すっごいねー」

はやり「でしょー」

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