京子「結衣は病んデレ」(113)

結衣「……はぁ、げほっけほ」

ピピピピピッ

結衣「ん、うわ高いなぁって、39.8℃!?」

結衣「……まいった、げほっ、土曜日っていうのがせめてもの救いか」

結衣「げほっ、はぁ、げほっげほっ!!」

結衣「……寂しい」グスッ

結衣「おかーさんに会いたい、1人暮らしなんてしなきゃよかった」

結衣「げほっ、ごほっ、お腹痛いよぉ」

結衣「うっ、ひっく、えぐっ……」

結衣「はっ……うっ……」

結衣「喉が痛くてツバを飲むのも辛いなぁ……」

結衣「く、薬飲まなきゃ、死んじゃう」

結衣「は、あ……」ヨロッ

結衣「……あーほんとヤバいなこれは」フラフラッ

結衣「あかり、ちなつちゃん、京子……」グスッ

結衣「目の前、真っ白、真っ白だよ」

<ピンポーン! <ピンポンピンポーン!

結衣「ん……?」

京子「結衣ー、そこにいるのは分かってるぞ!」

京子「……」

京子「むむ、まだ寝てるのか結衣のやつ……」

京子「開けて開けて開けてよ~」ピンポーン

ガチャッ

京子「えへへ、寝起きの結衣をこの目に焼き付けてやるか」

結衣「朝から、うるさい……」

結衣「……でも、京子の顔見たらホッとした」

京子「おおう、どういう風の吹き回し?」

結衣「あ……」フラッ

京子「うわっ、ちょ、ちょっと結衣!?」

よかった
結衣に監禁されて足の指を切り落とされた京子はいなかったんだね

京子「うわ、ひどい熱だよ……」

結衣「はっ、げほ、はぁ……」

結衣「ごめんねっ、こんなんだから、今日は帰って……」

京子「こんな結衣を置いて帰れないよ、今日は私に任せなって」ニコッ

結衣「……京子はズルい、いつもはヘラヘラしてるくせに」

京子「それに早く治して宿題やってもらわないと困るし、えへへ」

結衣「……ったく、やっぱりいつもの京子だな」

結衣「げほっ、げほ!」

京子「ん、早く布団に入ろうね」

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[二 ] |ヽ/   [ 二 ]   ー 、  |      ー― 、 ┴ 7二二 ┌─┐  |     ー十十ヽ /|  _ノ 二   ||
レヽ.|/\   レ`く_    _) \_    くZ_ノ     / / / /  |__|   ヽ_ノ     .|  ノ  |  (_ノヽ /乙  o

京子「無理しなくていいよ、少しずつ歩いてね」

結衣「あ、う、はぁ……」

京子「さ、お布団かけてあげるよ」スッ

結衣「うん……げほっ!」

京子「結衣はよく風邪ひくよなぁ、この間も学校休んだよね」

京子「結衣、あまり夜更かしなんかしたらダメよ?」

京子「……やっぱり結衣には健康でいてほしいよ私」

結衣「……ならたまには京子も宿題やろうね」

京子「ぐうの音も出ませんなぁ……」

京子「あ、あのさところでお薬とかはあるの?」

結衣「ふふ、宿題から話逸らしたな」

京子「うー……」

結衣「げほっ、けほっ、はっ……はぁ……」グスッ

京子「結衣……」

結衣「ん、大丈夫だよ、薬は市販のが一応あるし」

京子「そっか、それじゃ何か軽く食べないとね」

結衣「そうだね、はぁ、げほ、おかゆでも作ろうかな……」ヨロッ

京子「ちょ、ちょっと無理しちゃダメだよ結衣!」

結衣「でも私が作らなかったら誰が作るの?」

京子「可愛い可愛い幼なじみがいるだろ~」ニコニコ

結衣「あー、そっかあかりに来てもらおうかな、げほっ!」

京子「おいコラ!」

結衣「……なんか京子が料理してるイメージ湧かないよ私」

京子「ふふん、何だか言ってスペックは高いからな」

京子「おかゆなんて余裕よ、朝飯前!」

結衣「……大丈夫かなぁ、ふぅ」

京子「えへへ、出来上がるまでちょっと待っててね~」

結衣「ん、お願いね京子……」

京子「おう、結衣はそこで大人しく寝てるんだな!」

結衣「……あー、あのさ」

結衣「居間と台所のトビラ開けておいてくれないかな」

京子「へ?でも寒いでしょそれじゃ」

結衣「……寂しいから」

京子「うん?」

結衣「……きょ、京子の姿が見えないと寂しい」

京子「あらまぁ……」

結衣「ダメならいいんだけど、我慢するから……けほっ」グスッ

京子「……」

京子「な、なんか調子狂うなぁ……」

京子「寂しかったらこの京子を見て紛らわすといい!」

結衣「……ありがとう、京子のおかゆ楽しみにしてるね」

京子「……こそばゆいけど、悪くない」

京子「えへへ、こりゃ失敗はできませんなぁ」

京子「ふふ~ん♪」

結衣「……ふふ」

京子「……」

京子「ふむふむ、卵は入れた方がいいかな?」

京子「結衣ー、卵も食べるよね?」

結衣「うん、お願いね」

京子「……」ジッ

結衣「……ん?」

京子「結衣ー、愛してるぞ!」

京子「えへへ、なんてな冗談冗談……」

結衣「わ、私も好きだよ、京子のこと」

京子「あらまぁ……」

京子「な、なんだよもう!……調子狂う、どうしたんだ結衣のやつ」

京子「ふへへへ、でも悪くはない」

結衣「……けほっ、はぁ」グスッ

京子「あ、えっと、お塩を入れて完成っと!」

京子「早く食べてお薬飲まさないとね……」

京子「結衣ー、京子特製の愛妻おじやだよん」

結衣「……京子がお嫁さんに来てくれるの?」

結衣「ふふ……ありがとう、でも無理しなくていいからね」

結衣「で、でもまだそういうのは早いんじゃないかな……」

京子「い、いや、いつもみたいに、おいコラー!ってツッコまないの!?」

結衣「……あのさ、食べさせてくれないかな」

結衣「……けほっ、げほ!」

京子「えへへ、もとよりそのつもりだよ」

京子「はい、お口開けて結衣」スッ

結衣「あっ、む……ん?」

結衣「うっ……!」ピクッ

京子「あれ、もしかして美味しくなかったとか……?」

結衣「ううん、美味しすぎてちょっとびっくりしただけだから」ニコッ

京子「ほ、ほんとに!?」

京子「あはは、私もついにお料理まで免許皆伝のマスターか~♪」

結衣「うぷっ……」

京子「ゆ、結衣、無理しないでいいからね」

結衣「ううん、それより京子が作ってくれたおかゆ食べたいな」

京子「はいはい、おかゆは逃げたりしないからね」

結衣「あのちょっと熱いから、フーフーって冷ましてほしい……かも」

京子「ん……ちょっと待ってね」

京子「ふーふー、……はい召し上がれ!」

結衣「あむっ……あま……」

京子「ふふ、しっかり食べて元気になってね」

結衣「あまっ、あむ……」

京子「あぁ良かった、あと一口で完売だよ結衣!」

結衣「そ、そっか……うぷっ……」

京子「えへへ、最後の一口は私が食べちゃうもんね!」

結衣「あ……!」

京子「えへへ、結衣と間接キス、なーんてね」パクッ

京子「うっ、うぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ!?」

結衣「あちゃー……」

京子「甘い!?なんだこのおかゆ不味い……おえっ」

結衣「いやいや、美味しかったよ、げほっ……」

結衣「あー……たぶんお砂糖とお塩を間違えたんだろうね」

京子「そんなぁ……」グスッ

京子「ど、どうして先に言ってくれなかったんだよ!!」

結衣「……いや、普通に美味しかったし」

京子「嘘つき、結衣は私のことをかばってるんでしょ……」

結衣「げほっ、おかゆが甘くても、それ以上に京子の気持ちが嬉しかったんだ」

結衣「慣れない料理を私のためにやってくれるのが本当に……」

結衣「本当に美味しくなかったら最初の一口で止めてるよ、でしょ?」

京子「……結衣はズルい、そんなカッコイイこと言って」

結衣「……今日はお互いさまだよ」ニコッ

結衣「ん……」

京子「お薬も飲んだし、さすがに眠くなってきたかな」

結衣「……京子、けほっ!」

京子「ん、京子ちゃんはすぐここにいるからね」

結衣「なんかさ、今日はほんとにおかしいんだ……」

京子「……おかしい?」ナデナデ

結衣「えへへ……ってこんなの私のキャラじゃないよなぁ」

京子「ぷぷ、確かにナデナデされてえへへって言わないもんね」

結衣「……ふふ、確かにね」

結衣「いや、なんか心で思ってることがスラスラ言えるんだ」

京子「……きょ、京子大好きとか?」

結衣「京子愛してる、お嫁さんに来てくれるの?とかね」

京子「なっ、あぁぁ……」カァー

結衣「普段の私じゃ絶対に言えないのに……げほっ、けほ!」

京子「……そういうこと結衣が思ってくれてるって分かって嬉しいな」

結衣「ふふ、その感じなら京子もまんざらでもなさそうだね」

京子「……うるさいなぁー」



結衣「……今日は本当に嬉しかったよ」

結衣「たぶん京子が来てくれなかったら、1人で倒れてたと思うんだ」

結衣「……けほ、げほっ!」

京子「ノドも痛いのに無理しないの……」ポンポン

京子「私もさ、結衣の本当の気持ちが分かって良かった」

京子「普段表に出さない結衣がそんなこと考えてたなんてね」ニコッ

結衣「……私は京子にゾッコンなんだろ、自信持ちなよ」

京子「へへへ、それもそうだな」

結衣「……ごめんね、眠くなってきた」

京子「ううん、今はしっかり寝て体力付けないと」

結衣「ん……」

結衣「……最後にお願いがあるんだけど」

京子「なぁに、京子ちゃんがなんでも聞いてあげるよ~」ニコニコ

結衣「手……」

京子「手?」

結衣「寝付くまで手を握っててほしいな」

京子「……それくらいお願いのうちにも入らないよ」ギュッ

結衣「ふふ……」


結衣「京子も大きくなったね……げほっ」

京子「そうかな……」

京子「もう昔みたいに、結衣におんぶにだっこされてるワケにもいかないね」

結衣「それはそれで寂しいかも、なんか遠くに行ったみたいで」

京子「遠くに行ったりなんかしない」

京子「……やっと結衣に追いついたんだよ」ギュッ

結衣「そっか……」

京子「ずっと側にいるよ、結衣のすぐ隣に」

京子「……だから安心して、いましっかり寝ること」

結衣「うん……」

結衣「……」zzz

結衣「……」zzz

京子「言いたいこと全部言われちゃったかな」

京子「好きだ、愛してる、お嫁さんに来てくれる……」

京子「ぜーんぶ結衣に言われちゃった、えへへ」

京子「……結衣、素直になってくれてありがとう」

京子「寝てる間くらいは私が素直になるよ」

京子「……すーはぁー」

京子「結衣のこと小さいころから大好きだよ、愛してる」

京子「だからお嫁さんにもらってください!」

京子「……あー恥ずかしい」パタパタ

結衣「んー……」zzz

京子「おーい、寝てるよな?」

京子「急に起きたりしちゃダメだからね、絶対だよ」

京子「……今日は素直になってくれたご褒美」

京子「結衣、大好き」チュッ

京子「……ん」

京子「えへへ、結衣のほっぺた柔らかい」

京子「もーいっかい、もーいっかい……」チュッチュ

結衣「んー……えへへ」zzz

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 木間市タワー [Kima City Tower]
     (1990竣工 日本)

京子「……んー、ダメだよ結衣、道路でチューなんて」

京子「うへへ……」zzz

結衣「京子、そんなハレンチな夢見てないで早く起きてよ」ユサユサ

京子「んがっ……ゆいー?」

結衣「だいぶ熱も引いたみたい、すっかり良くなったよ」

京子「そっかそっか、ふぁ~」ノビー

結衣「……にしてもほんとに言っちゃったんだな」

京子「んー、なにが?」

結衣「京子に好きとかそういう言葉を……」

京子「くふふ……」ニマニマ

結衣「な、なんだよそのにやけた顔は!」

京子「いやー、もう結衣の心の中を知っちゃったからさ」

結衣「……あ、あれはただのリップサービス」

結衣「そもそも風邪でまともな思考が出来なかったんだよ」

京子「む……」

結衣「京子には感謝してるよ、でもそれだけだから」

京子「熱が引いたからいつもの結衣に戻ったってか……」

京子「まさに病んデレ、かな」

結衣「なんだそれ……」

京子「ま、そっちのほうが結衣らしくていいけどね」

結衣「……どういう意味だよ」

京子「んー、簡単にデレたら結衣じゃなくなっちゃうもん」

結衣「で、デレたほうが京子は嬉しいの?」

京子「ん?」ニコニコ

結衣「……別に、なんでもない」

京子「結衣の本心を知れたからこれからは積極的に行くよ、私」

京子「絶対に結衣を常時デレモードにさせてやる!」

結衣「意気込んでるなぁ……」

京子「というわけで、結衣のほっぺ貸して!」

結衣「はいはい、私のほっぺた触ってもつまらないでしょ」

京子「いやーただ触るのも楽しいけどね」ムニムニ

結衣「もごごごごご……」

京子「もっと楽しいことしようかな、って」チュッ

結衣「んなっ!?」

京子「えへへ、やっぱり反応があるほうがいいな」チュッチュ

結衣「お、おいコラ京子!!」

京子「んー、照れない照れない♪」ギュッ

結衣「あぁ……また熱あがるなこりゃ」

京子「……口もいただきー」スッ

結衣「く、口はまだ早いだろバカ!」

京子「ふーん、まだ早い、ねぇ」

京子「つまりそのうちするってことだよね、アナタ」ギュッ

結衣「あーもう……」

結衣「ま、まだ付き合って一日だし、早いでしょ……」

京子「あれれ、私たちってもう付き合ってるんだ」ニヤッ

結衣「うぐぐぐぐぐ……!」カァー

京子「あー、興奮したからまた熱っぽくなってきたね……」

結衣「付き合ってるもなにも、もう許嫁みたいなものでしょ」

京子「……で、デレモード」

うひひひひ

結衣「げほっ、けほ……」

結衣「……あまりおちょくるなよ、ホント」

京子「すみませんでした……」

京子「で、でも不安だったんだよ、結衣が素になってデレがなくなったから」

結衣「……だから好きだって言ってるじゃん」

京子「……ほんと?」

結衣「ほんとにほんと、これで信じるだろ」チュッ

京子「あ、えへへ」

結衣「……口はまた今度、風邪が治ってからね」

京子「うんっ!」

おしまい!

最近京子ちゃんが死んじゃうSSが多いんで、勢いで甘々作っちゃった
おやすみ隅田川

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