京子「結衣がCookieClickerにハマった」 (233)

結衣「……」カチカチカチカチカチカチカチカチ

京子「結衣ー、部室にノートパソコン持ってきてまでクッキー作りなんて不健康だぞー」

結衣「クッキー作ってない時間がもったいない」

京子「そのゲーム、クッキー鉱山買ったあたりから基本放置で問題ないじゃん」

結衣「放置なんかしたらゴールデンクッキー手に入れられないだろ?」

ちなつ「結衣先輩ー、さっきから何やってるんですか?」

結衣「クッキー量産してるんだよ。見て分かんないかなぁ」

京子「その返事は無いだろ結衣」

あかり「わぁ、美味しそうなクッキー!」

京子「もともとは私が薦めたゲームなのに、こんなにドハマリしちゃって……」

ちなつ「え?ゲームなんですか?これ」

結衣「ちなつちゃんには分からなくてもいいけど、このゲームはこの世のありとあらゆるゲームの面白さを凝縮した真のゲームなんだ」

ちなつ「……?」

京子「最近ネットで話題になってるゲームなんだよ。おととい結衣に紹介した時は10分程度で飽きてたはずなんだけどなぁ」

結衣「あの時はこんなに奥が深いゲームだとは思わなかったんだ」

あかり「真ん中に並んでるおばあちゃんとか工場とかは何の意味があるの?」

京子「クリックして量産したクッキーで右端のメニューからクッキーの生産手段を買うことができるんだけど、
   買ったらクリックしなくても勝手にクッキーが作れるようになるんだよ」

あかり「へぇ、じゃあこの……生産手段の名前の下に出てる妙に長い数字は何?」

京子「これは値段なんだけど……うわっ、カーソルだけで十億はいってる……」

ちなつ「そんなにお金持てるんですか?」

京子「お金じゃなくて、作ったクッキーで買うことができるんだよ」

結衣「クッキーの枚数こそ全ての価値基準なんだ」

ちなつ「こんなに結衣先輩がハマってるゲームは気になります!私もやってみたいです」

京子「だってさ結衣。ちなつちゃんに代わってあげて」

結衣「このPCは手放せないから京子のPCでやらせたら?」

京子「え、私ので?別にいいけど……」

あかり「あかりもやってみたいよぉ」

京子「実は私もクッキー量産のためにノーパソ持ってきてるんだよね。まあ基本放置プレイだけど」

京子「とりあえずインポートセーブしておいて……、ワイプセーブっと。はい、一番最初の状態になったよ」

あかり「結衣ちゃんの画面に比べてだいぶさっぱりしてるね!」

ちなつ「ここからどうすればいいんですか?」

京子「まぁ、とりあえずこのクッキーをクリッククリック!」

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{  } く |イ} \___ノ   }、_ノ}  )ノ  \_ノ|__」{__八_人_フ|___{ {__入___人__)|___{ |___{ |__){__人_フ
人__人__/}l人  ノ_ `二´ }  |_ノ ̄
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イ⌒\ノ汎   | {⌒¨¨⌒´ } } /'⌒\
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ちなつ「最初は一つずつ増やしていくしかないんですね」カチカチカチカチカチ

京子「そーゆーこと。お、15Cookiesになったからカーソルが買えるようになったよ」

ちなつ「とりあえず買っときますね」カチッ

あかり「これ、本当に結衣ちゃんのみたいな画面になるのかなぁ?」

京子「そこまで行くには何時間も費やさないと。まぁ、最初はこんなもんだよ」

ちなつ「下のper secondが0.1になりましたけど、これは?」

京子「買った生産手段で一秒毎に何枚クッキーが作られるかを示してるんだよ
   ほら、クリックしてないのに勝手にクッキーの枚数が増えた」

あかり「白い指さんが代わりにクリックしてくれるんだね!」

京子「あと10枚くらいでもう一個買えるようになるからクリック続けて」

ちなつ「Cursorの値段が若干上がってますね」カチカチカチカチ

ちなつ「もう一個買えました」

ちなつ「うーん、一秒にたった0.1枚作ってくれるだけじゃクリックしていった方が圧倒的に速いから
    買う意味があまり無いような……」

京子「じゃあグランマが買えるようになるまでクリックし続けようか。100枚になれば買えるからね」

ちなつ「あかりちゃん、はい、マウス」

あかり「えー、あかりが100回もクリックするのぉ!?」

ちなつ「あかりちゃんがクッキーのクリック担当で、私が買い物担当ね」

あかり「それじゃあ、あかりが大変だよぉ」

あかり「じゅうさん、じゅうよん、じゅうご、じゅうろく……」カチッカチッカチッカチッ……

ちなつ「クリックするスピードが遅いよあかりちゃん!」

京子「連打でやらないとこのゲームは先が長いよー?」

あかり「くうううううっ!!」カチカチカチカチカチカチカチカチ


ちなつ「あかりちゃん画面見て!なんか小さめのクッキーが出てるよ」

京子「おおー、これは金のクッキー!クリックしてあかりちゃん!」

あかり「ん、何だろ。えいっ!」カチッ

京子「お、やったなあかり!クッキーを20枚手に入れたぞ」

あかり「あ、これで100枚超えたね!」

ちなつ「じゃあ、この目つきの鋭いおばあちゃんを買おう」カチッ

あかり(ちなつちゃんがあかりの手ごとマウスをクリックした!)

京子「ついにグランマ導入かー」

ちなつ「真ん中に部屋が追加されましたね」

あかり「おばあちゃんのアイコン、可愛いよぉ」

ちなつ「per secondが一気に0.5も上がったから数字がどんどん増えてってますね!」

京子「うんうん。あ、そうだ、上のStatsって奴見てみてよ」

ちなつ「どれどれ?」カチッ

あかり(ちなつちゃん私の手の上からマウス操作してるけど気にしてないのかなぁ)

京子「ここに今まで作ったクッキーの枚数とか、プレイ時間が書かれてるんだ。
   下の方には今まで手に入れた称号が表示されてるよ。」

ちなつ「何かいつの間に、いくつか称号手に入れてますね」

あかり「あ、このアイコンはさっきクリックした金のクッキーかな?」

ちなつ「こんな単純なゲームなのに、こんなに称号あるんだぁ……」

結衣「このゲームは単純じゃないということが、少し分かってきただろ?」

京子「あ、おばあちゃんといえばあの称号が……、ちなつちゃん、さっきの画面に戻って
   おばあちゃんのいるところにカーソル合わせて」

ちなつ「あ、何か表示されました」

あかり「これ、おばあちゃんのクッキー生産の速さと今まで作ったクッキーの枚数ってこと?」

京子「そうそう、このSellってところ押してみ」

ちなつ「Sell……?売る、ってこと?」カチッ

あかり「あ、何か称号手に入れたらしいよぉ!」

京子「Sellをクリックすると、生産手段を売ってクッキーを手に入れられるんだよ
   当然買ったときの枚数よりは少ないけどね」

あかり「ねぇねぇ、何の称号手に入れたのかなぁ?」

ちなつ「見てみようか」

『Just Wrong
  Sell a gramdma.

  "I thought you loved me."』

(背徳
  条件:おばあちゃんを売る

   「私のこと,愛してると思ってたのに」)

あかり「……、なんだか罪深い感じがするよぉ」

ちなつ「おばあちゃんを買い戻しましょう」カチッ

京子「じゃあ、称号手に入れたところで次は農場買うのを目指そう!」

あかり「もっといっぱいクリックしないとぉ!」カチカチカチカチ

ちなつ「って、農場?クッキーと関係あるんですか?」

結衣「ちなつ、クッキーの種を植えるとクッキーが栽培できるんだ。知らなかったのか?」カチカチカチカチカチカチ

ちなつ「結衣先輩の言ってる事がよく分かんなくてなんだかこわいです……」

あかり「500 Cookies超えたよぉ」

ちなつ「農場購入!」カチッ

京子「なんと2Cpsも上がったぜ!」

ちなつ「農場すごい」

あかり「次の工場買うには3000枚も必要なのかぁ……。先は長いなぁ」

京子「あ、右の欄の上のところで強化アイテムが買えるんだよ
   それでクッキーの生産効率を上げることができるから」

あかり「何か買ってみようよぉ」

ちなつ「じゃあ試しに一番左のReinforced index fingerってやつ買ってみるね」カチッ

あかり「あ!クッキーをクリックしたら+2ってなったよぉ!」

ちなつ「一度のクリックで二枚もクッキー作れるなんて、お得ですね!」

京子「よし!じゃあ頑張って3000枚貯めようか!」

カチカチカチカチカチカチカチカチカチ……

あかり「やっと1000枚だよぉ……」

ちなつ「ふあぁ、何だか眠くなってきました……」

京子「頑張れ二人とも!」


カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ

京子「さっきから結衣のカチカチ音とあかりのカチカチ音が重なってすごくうるさい……」

京子「結衣ぃー、あかりちゃん達のプレイ見てあげないのー?」

結衣「今忙しいんだよ」カチカチカチカチカチカチカチカチ

京子「結衣のクッキーの枚数多すぎて読みづらいんだけど……
   いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、……うお、百億枚!?」

結衣「あと少しでおばあちゃんを強化できそうなんだ」カチカチカチカチカチカチカチカチ

京子「あかりちゃん達の画面の様子からは考えられないインフレのしようだ……」

結衣「ゴールデンクッキーきたああああああ!!」カチッ

結衣「Cps7倍だ!!うおおおおおおおおおおおお!!!!」

カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ


京子「あはは、結衣は頑張ってるなぁ……」

あかり「結衣ちゃん、どうしちゃったの?」

ちなつ(こんなに一つのことに熱心になってる由井先輩も、かっこいいかも!)

京子「あかり後何枚で3000ー?」

あかり「もうすぐだよぉ」カチカチカチカチカチ

ちなつ「あかりちゃんも頑張ってる!」

あかり「……ふぅ、これで3000枚かな」

ちなつ「やっと工場が買えるね!」カチッ

あかり「お、秒間10枚!工場すごいよぉ」

あかり「次の鉱山は10000枚かぁ……」ハァ

ちなつ「自動でクッキー作ってくれるといっても何か退屈になってきました」

京子「……、ならばアレを導入するしかあるまいか……?」

ちなつ「何かいい方法があるんですか?」

京子「あかり、ちょっとマウス貸して」

あかり「あれ?ブラウザ隠しちゃうの?」

京子「クリックし続けるのが退屈な人の為の、
   ある秘密兵器があるんだよ……ふふふ」

京子「じゃじゃーん!自動マウス連打ソフトー!!」

結衣(……)

あかり「あ!これ以上あかりが連打しなくてもいいのぉ?」

京子「これさえあれば手動で秒間50枚だって楽勝だぜ!」

ちなつ「京子先輩、やっるぅー!」



結衣「おい」

京子「え、な……何?結衣……」

結衣「お前、あかり達にズルを教える気か?」

京子「ズルって……、まぁ使っててもそのうちほとんど意味無くなるんだし」

結衣「そういう問題じゃない!」バンッ!

あかり「え、結衣ちゃんどうしたの……」

京子「結衣、突然机叩くのやめてよぉ……」

ちなつ「何でそんなに怒ってるんですか、結衣先輩?」

結衣「連打ツールなんて使ったら楽しみが減るだけだよ、京子
    機械に頼らず自分の手で苦労してこそ達成感があるんだ、そうだろ?」

京子「う、うん」

結衣「分かったならそのツールは削除」ヒョイッ

京子「あ、マウス返して!」

カチッカチッ カチッカチッ ガサガサッ (ごみ箱の音)

ちなつ(結衣先輩、厳しい~)

結衣「……そろそろ帰るか(ババアをかなりアップグレードできたし)」

京子「おお、なんやかんややってたらもうこんな時間!」

ちなつ「ですね~」

あかり「京子ちゃん、このゲーム、パソコンがあればできるんだよね?
    家に帰っても続きがやりたいよぉ」

京子「じゃあエクスポートセーブをクリックして……」カチッ

京子「紙にパスワードをメモしたから、家に帰ったらインポートセーブで入力してねー」

あかり「京子ちゃん、ありがとぉ」

――――――あかりの家―――――――

あかり「お姉ちゃん、パソコン貸して」

あかね「いいけど、何につかうの?あかり」

あかり「京子ちゃんが面白いゲーム紹介してくれたんだよぉ、それがプレイしたくって」

あかね「あら、やりすぎないようにね。ちなみにどんなゲームなの?」

あかり「マウスをクリックしてクッキーを作るゲームだよぉ!」

あかね「!!……、あかり、そのゲームは……」

あかり「知ってるの?お姉ちゃん」

あかね「あ、いや、私の友人がやってるゲームなんだけどね……、
    あまりにも中毒性が高いらしいから……」

あかり「中毒性?」

あかね「ハマりやすいってことよ、やるなとは言わないけど、気をつけてね、あかり」

あかり「わぁ、そんなに人気なゲームなんだね!お姉ちゃんのお友達さんもやってるなんて!」

飯食ってきま

保守ありがとん
皆やりすぎじゃありませんかねぇww
そろそろ再開する

あかね「じゃあ、制限つけようかしら。30分以上はやっちゃダメってことで」

あかり「えー、それじゃあ、あんまり進まないよぉ」

あかね「ゲームのやりすぎは良くありません!だいたい、そんなにガッツリやるようなタイプのゲームだったかしら?

あかり「見てれば分かるよぉ」


あかり「えーっと、インポートセーブ……だっけ?で……パスワードは……」カチッ

あかり「え!?これ何十文字あるの!?長すぎるよぉ……」

あかね「凄まじい文字数ね……」


カタカタ… カタカタ…


あかり「あれ?どこまで入力したんだろ……、えーっと……」

15分後

あかり「……ふぅ、やっと入力し終えたー!」

あかね(人差し指だけで頑張って文字入力してるあかり可愛い)

あかり「よーっし、OKっと!」

あかり「あれ?何も変わらないよぉ……」

あかね「入力し間違えたのかしら?」

あかり「……、え?また入力やり直し?」

あかね「これほど長いパスワードをよく紙に写したわね……」

あかり「京子ちゃんがやってくれたんだけど……あぁ~」

更に15分後

あかね「あかり、30分経ったわよ。終わりなさい」

あかり「ええ~、まだ始まってすらいないよぉ~!!」

あかね「だーめ!パスワードが合ってるかどうかの保障も無いし、
    このままやったってゲームを始められるかどうか分からないわ。
    はい、今日は終わり!」

あかり「そんなぁ~」

あかね(こんなゲームよりあかりの方がよっぽど中毒性高いわぁ。もっと見てたかったけど、可愛そうだしね♪)

――――――結衣の家―――――――

結衣(……、今日は皆に冷たくしすぎたかなぁ)

結衣(私がこんなのにハマってるばっかりに……)



結衣「だめだ、クッキー作ってないと落ち着かない……」カチカチカチカチカチ

結衣「反物質コンデンサーもっと買えば更にババア強化できそうだなぁ、
   これは時間かかりそうだ」


夜中11時

結衣「あー、もうすぐ寝ないと……」カチカチカチカチ

結衣「……、PCつけっぱで寝るか。」カチカチカチカチ

結衣「でもその前にAntigrandmas欲しいなぁ、もうすぐだもんな」カチカチカチカチ

――――――翌日、授業中―――――――

結衣「……」トントントントン

京子(結衣がさっきからずっと机を指でトントンしてる……、これはもしや職業病!?)

結衣(クッキーって一体何なんだろ、この世は全てクッキーでできてるのかな……)

結衣(この宇宙の外側にクッキー宇宙があって、それが全てクッキーだとすると……)

結衣「ブツブツ……」トントントントン

京子(最近の結衣、おかしいよなぁ……)

――――――昼休み―――――――

あかり「昨日あの後家に帰ってやろうとしたら、パスワードが入力できなくて結局続きが出来なかったよぉ~」

ちなつ「京子先輩ったら紙にパスワード書いて渡すから……、しかも字が雑だし」

櫻子「ねーねー何のはなしー?」

あかり「昨日ねぇ、部活で京子ちゃんにPCでできるゲーム紹介してもらって、家で続きをやろうとしたんだけどできなかったのぉ」

櫻子「ほー、どんなゲームなの?」

ちなつ「CookieClickerって言って、クリックしてクッキー作るだけのゲームなんだけど、結衣先輩がドハマりしちゃってるの」

向日葵「クッキーを作る?船見先輩そんな可愛らしいゲームやってるんですの」

ちなつ「いや、それが可愛らしいとかいうのじゃ無いんだよ……説明できないけど」

櫻子「そんなに面白いゲームなのか!?やってみたい!」

あかり「フリーのブラウザゲームだからパソコンがあれば誰でもできるよぉ」

櫻子「じゃあ帰ったら早速やるわ!向日葵のPCで!」

向日葵「私ので!?あとあなたの家で私のPCは使わせませんわよ!」

櫻子「やだなぁ、帰るって、向日葵の家に帰るってことだよ」

向日葵「意味が分かりませんわ(でもまるで同居してるみたいな言い方ですわ…///)」

あかり「あはは、櫻子ちゃん、向日葵ちゃんに迷惑かけすぎないようにねぇ」

――――――放課後―――――――

櫻子「よーし、さっきあかりちゃんとちなつちゃんが言ってたゲームをやるぞー!」

櫻子「で、何てゲームだっけ?」

向日葵「クッキークリッカーですわ」

櫻子「クッキークリッカー……で検索っと、お、出てきた」

櫻子「って全部英語じゃーん!!」

向日葵「こんなゲームでしたのね……。右側のメニューを見る限り、確かに可愛いとは言い難いかも」

櫻子「このクッキーをクリックすればいいんだな!」ジュル

向日葵「櫻子、よだれ出てますわよ」

櫻子「クッキー見たらお腹すいた!なんかちょーだい向日葵!」

向日葵「はいはい……、おやつでも食べましょうか」

櫻子「おお、沢山クッキーが降ってくるぞ!」カチカチカチカチ

櫻子「なんかよく分かんないけど楽しいこれ!」カチカチカチカチ

向日葵「櫻子、クッキー持ってきましたわよ」

櫻子「見てみて、もう200回クリックしたよ!」カチカチカチカチ

向日葵「……櫻子、さっきから一番左側のクッキーしか見てないようですけれど、
     作ったクッキーを使って右側のメニューで何かできるようですわよ」

櫻子「え?これ何か意味あるの?」

向日葵「貸してみなさい。ほら、このお婆さんとかクリックしてみると」カチッ

櫻子「おお!バアさんが真ん中に立った!」

向日葵(私も協力してやった方がよさそうですわ)

櫻子「あれ?なんか勝手にクッキーの枚数が増えてるけど」

向日葵「なるほど、色々な設備(お婆さんもいるけど)を買いながら、沢山クッキーを作るゲームですのね」

櫻子「じゃあ一番下のかっこいいやつ欲しい!!」

向日葵「うわ、クッキー39億枚も必要ですの!?そんなに増えるのかしら……」

櫻子「気合で行ける!おらおらおらおら」カチカチカチカチ

向日葵(すぐに飽きそうですわ……)

向日葵「櫻子、そろそろ終わりにしたら?家に帰らないと……」

櫻子「今日向日葵んちに泊まる!」カチカチカチカチ

向日葵「はぁ……、このゲームに何で夢中になれるのか、不思議ですわ」

向日葵「櫻子、そろそろ鉱山が買えますわよ」

櫻子「クッキーって鉱山から取れるんだぁー、へぇー」

向日葵(わざと言ってるのやら、それとも本心で言ってるのやら……)

櫻子「お腹空いてきた。向日葵ー、飯ー」

向日葵「はいはい飯用意しますから、そろそろ中断してね」

夜中10時

向日葵「まさか本当にうちに泊まるくらいにのめり込むとは……」

櫻子「何かよく分かんないけど楽しーんだもん!」カチカチカチカチ

向日葵「何かよく分からないけど人をハマらせる何かがあるんでしょうね、
    船見先輩もドハマりしたって聞きましたし」

櫻子「よーし、バアさん50人買ったぞぉぉー」

向日葵「櫻子、そんなにお婆さんばっかり買うよりも下のタイムマシン買ったほうがいいんじゃありませんの?」

櫻子「あ、それ買えたか!やりぃ!」カチッ

向日葵「そろそろ寝ますわよ」

櫻子「えー、まだそんな時間じゃないよー!」

向日葵「うるさい」カチッ

櫻子「あ!セーブしてな……」

向日葵「自動でセーブするようですから大丈夫ですわ。今日はおしまいになさい。
    楓が眠れないでしょう?」

櫻子「ちぇー、あーカチカチしたい」

向日葵(櫻子、だんだん依存してきてて心配ですわ……)

――――――結衣の家―――――――

結衣(そろそろ伸び悩んできたなぁ……称号はまだ埋まってないし、まだ先があるのかな?)カチカチカチカチ

結衣(そもそもこのゲームに終わりはあるのかな……、まあいいや、クッキー量産続けよう)カチカチカチカチ

――――――二日後―――――――

向日葵「赤座さん、相談なんですけど……」

あかり「え?どうしたのぉ?」

向日葵「櫻子が最近私の家に来てはずっとCookieClickerやってますの……
     このままやらせてるとあの子にとっても毒ですわ。でもやめさせる方法が分かりませんの……」

あかり「櫻子ちゃんが!?やっぱり、あのゲーム凄いなぁ……」

向日葵「赤座さん!一緒に櫻子を止める方法を考えてくれませんか!?
     櫻子と一緒にいれるのに櫻子はずっとゲームに夢中になってて、私の事を蔑ろにしてて、
     なんだか悲しいですわ!」

あかり「あの、えっと……」


京子「お困りのようだね!」

向日葵「歳納先輩!」

京子「ちっぱいちゃんがそのゲームにハマる気持ちはよく分かるよ。
   私も前までハマってたもん」

向日葵「前まで……、てことは今はやめたんですの?」

京子「その通り。"ある事"をやっちゃったら、もうどうでもいいやってなって」

向日葵「ある事?」

京子「多分ちっぱいちゃんもそれをやったら、収まってくれるんじゃないかなぁ」

あかり「そんな方法が!?」

京子「まあまあ、とりあえず放課後におっぱいちゃんの家に行くから」

向日葵「え、ええ。」

京子「やっほー!」

櫻子「あ!歳納先輩!」

京子「お、ちっぱいちゃん。情報通り、ガッツリクッキー焼いてるねー」

櫻子「歳納先輩、あかりちゃんが紹介してくれたんですけど、このゲーム面白いですよね!」

京子「ああ、面白いよ(結衣もあんなにハマっちゃって……)」

向日葵「櫻子、もうそろそろそのゲーム飽きませんの?」

櫻子「全然!」

京子「……、ちっぱいちゃんはこのゲームいつまで続ける気かな?」

櫻子「えーっと、この称号とかいうの全部取って……、それで終わりかなぁ?」カチカチ

京子「じゃあ手っ取り早く全部の称号取れる方法があるっていったら?」

櫻子「そんな方法があるんですか?クッキー溜まるまで待つの正直面倒だったから、知りたいです!」カチカチ

向日葵(面倒だったらすぐやめればいいのに……)

京子「じゃあちょっとパソコン貸して」

京子「えーっと、コンソールを表示して…… javascript:Game.RuinTheFun() っと……」

向日葵(なんか思いっきり怪しいことしてますわ……)

櫻子「何やってるんですか?」

京子「ちっぱいちゃん、エンターキー押して」

櫻子「はい」カタッ



櫻子「おおお!?なんかクッキーの枚数が凄いことに!」

向日葵(これってチートじゃぁ……)

京子「称号見てみて!」

櫻子「うわあああ、すっげぇ!全部そろった!」

京子「だろぉ?はい、これでゲームクリア!」

櫻子「でもこれは自分の力じゃ……」

京子「細かい事は気にすんな!全部できたんだしとにかくもうこのゲームは終わり!」

櫻子「……、あー、終わっちゃったのかなー?なんかしっくりこないけど」

向日葵「歳納先輩もそう言ってる事だし、とにかく終わりなんですのよ。」

櫻子「うん……」

向日葵(まぁ、半ば強硬手段ですし、納得行かないのも仕方が無いことですわ。
    その内櫻子自身も、自分のためになった事に気づいてくれるはずですわ……)

向日葵(その後、櫻子は歳納先輩の目論見通りきっぱりとあのゲームには飽きてくれた
    でも、船見先輩はまだあのゲームにハマり続けていると聞きましたが……)



京子「結衣ー、いつまでそのゲーム続けるんだー?」

結衣「分からない。とにかくクッキーを作り続けなければ」カチカチカチカチ

京子「ちょっとPC貸してほしいなー」

結衣「……、お前何かする気?」

京子「いやいや別になんも」

京子「ちょっと調べ物したいだけだよ」

結衣「はいはい、その代わりクッキーの生産が絶えないように別のタブ使って調べて。
    ブラウザは絶対に閉じるなよ」

京子「うわっ、なんか処理重くね?」

結衣「もう三日間は電源を切ってない」

京子「再起動した方が……」

結衣「まあ問題無いだろ、見た目の処理重くてもクッキーの生産速度は変わらないんだから」

京子(よし、結衣のPCはなんとか私の手に……後は)

京子「ところで結衣、称号はどのくらい集まってるか見せてー」

結衣「いいけど」

京子(うわすっげぇ、五日間やり込み続けるとこうなるのか……)

京子「凄いなー、でもまだ手に入れてない称号も幾つかあるね」

結衣「まあ、流石にな?でも条件が分からないんだ……」

京子「私、手に入れる方法知ってるよ?」

結衣「そうなの?教えて京子」

京子「そうだねー、これは隠しコマンドというのを使うんだけど……」カタカタ

結衣「へぇ……」

京子「こうやって……これで……ハイ!」カタッ

>javascript:Game.RuinTheFun();

>


京子「ほら!これで全部手に入れた!」

京子(そしてすかさず手動セーブ!)

カチッ… カチッ……


結衣「……」

京子「……(これで結衣が飽きてくれることを祈る!)」



結衣「ふぅん。じゃあさっきの私のセーブデータから再開するね。」

京子「えっ」

カチッカチッ

結衣「京子が私のクッキークリッカーいじると思ってセーブデータ取っておいたんだ。」

京子「あ、そうなんだ……」


結衣「京子は私にこのゲームをやめさせようとしてチート使おうとしたんだよね?」

京子「な、何故それを」

結衣「さっき学校でクッキー仲間の大室さんから、クッキー生産を引退するって聞いたんだ」

結衣「で、理由を聞くと大室さんは京子のチートで全部の称号見れたからって満足してたみたい」

京子「ええ、その通りです……」

京子(まさかちっぱいちゃんと結衣がもうクッキー生産で通じてたとは)

京子「でも、結衣はそう言うちっぱいちゃんを許すのか!?」

結衣「許すかどうかの問題じゃない。
    大室さんがそこでクッキー生産をやめようが何だろうが、私には関係無い話だよ。」

結衣「私はひたすらクッキーの生産を続ける。」カチカチ

京子(結衣はもうダメなのかもしれない……)

京子「……、お願い、クッキー生産をやめてよ……結衣……」

結衣「やめられたらとっくにやめてるさ!」カチカチ

京子「……いや、やめられるよ!」

結衣「それがやめられないんだ……何故ならクッキーを生産することが全てだからだ」

結衣「クッキーを生産していなければ……もはや私は私では無くなってしまう」

結衣「私がクッキーを生産し続けることで、私の価値を保っている……」

結衣「このゲームをやっている内に、その事に気づけた……」

結衣「私はクッキーの生産を続け、クッキー宇宙とこの宇宙を一体化させて
    何億、何兆ともいるババアを救わなければならないんだ。それまではこのゲームをやめられない」

京子「結衣ぃ、言ってることが分かんないよ……」



京子(結局、結衣をあのゲームから離すことはできなかった)

京子(あのゲームをやってあそこまで病んでしまった結衣は誰の手にも負えないのかもしれない)

京子(いや、あの結衣以上にゲームをやりこめる者だけが止めることができるのかも……)



京子「……、私が結衣よりもクッキークリッカーをやりこもう!」

京子「そして結衣をあの悪魔のゲームから救うんだ!」


~END~

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